以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態における遊技機1の外観構成を示す斜視図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作によって発射装置が打ち出す遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。図1に示すように、遊技機1は、ホール(店舗)の島設備などに固定される本体枠2と、その本体枠2の正面側に設けられる前枠扉3とを備えている。この遊技機1は、島設備などに取り付けられると、図示を省略する遊技球貸出決済装置に対して電気的に接続され、現金やプリペイドカード、電子マネーなどの任意の決済方法によって遊技球の貸し出しを行うことができるように構成される。
前枠扉3は、本体枠2の左端部に設けられた支持部2a,2aによって所定の鉛直軸周りに回動可能に軸支されており、その回動動作によって本体枠2の正面側を開放したり、閉鎖したりすることができる。この前枠扉3は、その中央に、本体枠2の内側に設けられる遊技盤12の遊技領域14を視認可能にするための透明ガラス板4が嵌め込まれた窓部5を有している。
また図1に示すように、前枠扉3は、窓部5の下方において、遊技機1の正面側に張り出した状態に形成される棚状の球受け部6を有している。この球受け部6の上面には、遊技機1から払い出される遊技球を貯留するための球受け皿が設けられる。例えば球受け皿の底部は右方向に傾斜しており、遊技球が払い出されると、その遊技級は球受け皿を右方向へと転動していき、前枠扉3の背面側に設けられる遊技球の発射装置(図示省略)へと導かれる。
また球受け部6の上面には、遊技者が遊技球の貸し出しを受けるために操作する貸出ボタン8が設けられる。この貸出ボタン8が操作されると、遊技機1は、隣接して設けられる遊技球貸出決済装置に対して決済要求信号を送信する。遊技球貸出決済装置は、遊技機1から決済要求信号を受信すると、現金残高などを確認し、遊技球の貸し出しが可能であれば決済処理を行って遊技機1に貸出許可信号を送出する。これに対し、現金残高などが不足し、遊技球の貸し出しができない状態であれば、貸出許可信号は送出しない。この場合、貸出禁止信号を送出するようにしても良い。遊技機1は、遊技者によって貸出ボタン8が操作されることに伴って決済要求信号を遊技球貸出決済装置に送信した後、貸出許可信号を受信すると、後述する払出モーター44(図3参照)を駆動することによって所定球数の遊技球の貸し出しを行い、球受け部6に設けられた球受け皿へと払い出す。
また球受け部6の上面には、遊技者が演出を楽しむために操作する演出ボタン9が設けられている。例えば遊技機1において特定の演出パターンに基づく演出が行われるとき、遊技者が予め定められたタイミングで演出ボタン9を操作すると、それに連動して特別な演出が行われるようになる。これに対し、遊技者が予め定められたタイミングで演出ボタン9を操作しない場合には、特別な演出は行われない。つまり、遊技機1は、特定の演出パターンに基づく演出を行うとき、その特定の演出パターンに定められたタイミングで演出ボタン9が操作されるか否かに応じて異なる演出を行う構成である。
また球受け部6の右下部には、遊技者が操作するハンドルレバー7が設けられている。遊技者が、このハンドルレバー7を時計方向に回転操作すると、遊技球の発射装置が作動し、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技盤12の遊技領域14に所定の時間間隔で打ち出される。その遊技球が遊技盤12に設けられた各種入賞口に入球すると、それに応じた賞球が球受け皿に払い出される。
また前枠扉3は、窓部5の上側および左右両側、並びに、球受け部6の下側に設けられる枠ランプ10を備えており、これら枠ランプ10が遊技機1で実行される演出パターンに基づいて点灯することにより、窓部5の周囲全体で各種の演出が行われる。さらに前枠扉3は、その上部に左右一対のスピーカ11を備えており、各種演出のための音楽や音声、効果音などを発生する。
次に遊技機1の本体枠2の内側に設けられる遊技盤12の一例について説明する。図2は、遊技盤12の一例を示す正面図である。遊技盤12の正面側には、図2に示すように遊技球の転動範囲を規制するレール13によって囲まれた略円形の遊技領域14が形成されている。ハンドルレバー7が操作されることによって打ち出される遊技球は、遊技盤12の左側に設けられた2本のレール13の間を進み、遊技領域14の上部に打ち出された後、遊技領域14を転動しながら流下する。
また遊技盤12は、遊技領域14の内側に、遊技盤12の略中央に位置するように、センター役物などとも称される装飾枠体21を備えており、その装飾枠体21の更に内側に画像表示器20を備えている。画像表示器20は、演出手段の1つとして設けられるものであり、例えばカラー液晶ディスプレイやLEDアレイディスプレイなどで構成され、各種の演出用画像やその他の画像などを表示する。装飾枠体21は、その画像表示器20の画面枠を構成し、画像表示器20の周囲を装飾する。この装飾枠体21には、遊技機1において特定の演出が行われる際に動作する可動役物22や、多数のLEDが内蔵されて構成される盤面ランプ23などが設けられ、装飾枠体21においても様々な演出が行われるように構成される。したがって、これら可動役物22や盤面ランプ23なども演出手段の1つである。
また遊技領域14の内側であって装飾枠体21の周囲には、多数の釘や風車の他、スルーゲート15、普通入賞口16、第1始動口17、第2始動口18および大入賞口19が設けられる。遊技領域14に打ち出された遊技球は、多数の釘や風車などによって進路を変えながら遊技領域14を下方に向かって転動していき、スルーゲート15を通過したり、普通入賞口16、第1始動口17、第2始動口18、大入賞口19などの各種入賞口に入球したりする。遊技球が各種入賞口に入球すると、所定個数の賞球が払い出される。また遊技球が第1始動口や第2始動口に入球すると、演出開始条件が成立し、遊技機1において大当たり抽選が行われ、その大当たり抽選の結果に応じて所定の図柄変動演出が行われるようになる。そして大当たり抽選において「大当たり」に当選すると、遊技機1は、遊技者にとって有利な遊技状態である、大入賞口19を開閉する大当たり遊技(特別遊技)へと移行し、遊技領域14に打ち出される遊技球が大入賞口19に入球し得る状態となる。ただし、遊技領域14に打ち出された遊技球は各種入賞口に入球しないことも多い。そのような遊技球は遊技領域14の最下部に設けられたアウト口14aから遊技盤12の背面側に排出される。
遊技領域14に打ち出された遊技球がスルーゲート15を通過した場合、遊技機1において普通図柄の抽選が行われる。普通図柄の抽選は、第2始動口18の左右に設けられた電動チューリップを開放するか否かを決定するための抽選である。そのため、普通図柄の抽選に当選すると、通常は閉鎖された状態の第2始動口18が開放されるようになり、遊技球が第2始動口18へ入球し易くなるので、遊技機1において大当たり抽選が行われる頻度が増加する。
上記のような遊技機1は、遊技者による遊技が行われていない状態(より厳密には、図柄変動演出や大当たり遊技が行われていない待機状態)のとき、遊技者による遊技が開始されるのを待機するための待機演出画像を画像表示器20に表示する。そして遊技者が遊技機1の前方位置に座り、遊技球貸出決済装置に現金やプリペイドカード、電子マネーなどを投入すると遊技球の貸し出しが可能な状態となる。その状態で遊技者が貸出ボタン8を操作した場合、遊技機1は、上述したように遊技球貸出決済装置から貸出許可信号を受信することを条件として遊技球の貸し出しのための払い出しを行う。そして遊技者がハンドルレバー7を操作することによって遊技領域14に打ち出された遊技球が第1始動口17又は第2始動口18に入球すると、遊技機1は、画像表示器20に待機演出画像を表示している待機状態から遊技状態へと移行し、大当たり抽選を行うと共に、その大当たり抽選の結果を表示するための図柄変動演出を開始する。尚、図柄変動演出中に、第1始動口17又は第2始動口18に遊技球が入球すると、それに伴う図柄変動演出は、先の図柄変動演出が終了するまで保留される。
遊技機1において図柄変動演出が開始されると、例えば画像表示器20には変動演出画像が表示される。変動演出画像は、例えば1〜9などの数字を付した3つの装飾図柄を上下又は左右に所定時間変動させながら表示する画像である。また、変動演出画像には、特定のキャラクタなどを出現させる予告演出画像や、2つの装飾図柄が揃った状態で表示するリーチ演出画像などが含まれることもある。そして画像表示器20は、変動演出画像の表示を開始してから所定時間が経過すると、3つの装飾図柄を停止させ、図柄変動演出を終了させる。このとき、3つの装飾図柄が例えば「7,7,7」などの揃った図柄で停止すれば、大当たりとなり、遊技機1は大当たり遊技(特別遊技)へと移行する。これに対し、3つの装飾図柄が揃わない状態で停止すると、ハズレとなる。この場合、次の図柄変動演出が保留されていれば、3つの装飾図柄がハズレ図柄で停止した後に次の図柄変動演出が開始される。
図3は、遊技機1の動作を制御するために設けられる各種制御基板の一構成例を示すブロック図である。遊技機1は、遊技の進行などを統括的に制御するメイン制御基板30と、メイン制御基板30から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するために設けられる複数のサブ制御基板(払出制御基板40、演出制御基板50、画像制御基板60およびランプ制御基板70)とを備える。図3に示す例では、サブ制御基板が、払出制御基板40、演出制御基板50、画像制御基板60およびランプ制御基板70の4つに分離された状態を示しているが、これらの一部又は全部が1つの基板に統合された構成であっても構わない。メイン制御基板30およびサブ制御基板は、例えば遊技盤12の背面側に配置される。
メイン制御基板30は、遊技機1における遊技の進行や遊技状態、遊技球の払い出しといった遊技機1における主要動作を統括的に制御する遊技制御手段であり、CPU31とROM32とRAM33とを備えている。このメイン制御基板30には、遊技球が第1始動口17に入球したことを検知する第1始動口スイッチ34、遊技球が第2始動口18に入球したことを検知する第2始動口スイッチ35、遊技球がスルーゲート15を通過したことを検知するゲートスイッチ36、遊技球が普通入賞口16に入球したことを検知する普通入賞口スイッチ37、大入賞口19を開閉駆動する大入賞口ソレノイド38、および、遊技球が大入賞口19に入球したこを検知する大入賞口スイッチ39が接続されている。
メイン制御基板30は、第1始動口スイッチ34、第2始動口スイッチ35、普通入賞口スイッチ37および大入賞口スイッチ39のそれぞれが遊技球の入球を検知した場合、払出制御基板40に対して賞球コマンドを送出する。
払出制御基板40は、CPU41とROM42とRAM43とを備え、遊技盤12の背面側に設けられる払出モーター44を駆動することにより、遊技球の払い出しを行う遊技球払出手段である。この払出制御基板40は、上述のようにメイン制御基板30から賞球コマンドを入力すると、その賞球コマンドに基づいて所定球数の遊技球を賞球として払い出す。
また払出制御基板40には貸出ボタン8が接続されており、遊技者によって貸出ボタン8が操作されると、払出制御基板40は、その操作を検知することができるようになっている。また払出制御基板40は、図示を省略する遊技球貸出決済装置とも接続される。したがって、払出制御基板40は、遊技者によって貸出ボタン8が操作された場合、遊技球貸出決済装置から貸出許可信号を受信することを条件として、払出モーター44を駆動して所定球の遊技球を貸出球として払い出すように構成される。尚、払出制御基板40は、貸出ボタン8が操作された場合、遊技球貸出決済装置に対して決済要求信号を送出するように構成されていても良い。ただし、これに限られるものではなく、決済要求信号は払出制御基板40とは別の基板によって遊技球貸出決済装置に出力されるものであっても構わない。
また本実施形態では、払出制御基板40が遊技球貸出決済装置から貸出許可信号を受信して遊技球の貸し出しを行った場合、図3において矢印F1で示すように、遊技球の貸し出しを行ったことを示す貸出信号を演出制御基板50へ出力するように構成される。
またメイン制御基板30は、第1始動口17又は第2始動口18に遊技球が入球したことを検知した場合には、その入球した始動口に応じて大当たり抽選を行い、その大当たり抽選の結果に応じた図柄変動演出を行わせるべく、演出制御基板50に対して信号やコマンドを送出する。具体的に説明すると、メイン制御基板30は、第1始動口17又は第2始動口18への入球を検知すると、大当たり乱数を取得し、その取得した大当たり乱数が所定の当選値に一致するか否かを判定する。その結果、大当たり乱数が当選値に一致する場合は、大当たりとなる。この場合、大当たり乱数と共に取得した図柄乱数に基づき、大当たり遊技後の遊技状態を、大当たりの当選確率が通常確率となる通常確率状態と、大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率となる高確率状態(いわゆる確変遊技状態)とのいずれに設定するかを決定する。そしてメイン制御基板30は、遊技機1において行われる図柄変動演出の変動時間を比較的長時間に設定し、大当たり抽選の結果と変動時間とを含む変動開始コマンドを演出制御基板50へ送出することにより、図柄変動演出の開始を指示する。尚、大当たり抽選の結果が大当たりである場合は、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態とのいずれであるかを示すコマンドなども、メイン制御基板30から演出制御基板50へ出力される。
一方、大当たり乱数が当選値に一致しなかった場合は、ハズレとなる。この場合も、メイン制御基板30は、遊技機1において行う図柄変動演出の変動時間を適宜設定し、大当たり抽選の結果と変動時間とを含む変動開始コマンドを演出制御基板50へ送出することにより、図柄変動演出の開始を指示する。
さらにメイン制御基板30は、大当たり抽選の結果が大当たりである場合、図柄変動演出の変動時間が経過した後、遊技機1の遊技状態を、大当たり遊技へと移行させる。メイン制御基板30は、遊技機1を大当たり遊技へと移行させると、大入賞口ソレノイド38を駆動することにより、大入賞口19を所定ラウンド回数開放させる。このとき、メイン制御基板30は、演出制御基板50に対して大当たり遊技中の演出表示を行わせるべく、大当たり遊技の進行に応じて現在のラウンド数などを出力する。
上記のようにメイン制御基板30は、遊技機1における遊技の進行を統括的に制御するようになっており、特に遊技者が遊技中に獲得し得る賞球に関する動作を統括制御するように構成される。
演出制御基板50は、遊技機1において行う演出に関する動作を制御する基板である。この演出制御基板50は、CPU51と、ROM52と、RAM53とを備え、各種の演出を実行する。この演出制御基板50は、その下流側に設けられる画像制御基板60およびランプ制御基板70を制御することにより、遊技機1において各種演出を実行させるように構成される。したがって、本実施形態では、演出制御基板50と画像制御基板60とランプ制御基板70とが、遊技機1において実行すべき各種演出の動作を制御する演出制御手段として機能する。特に、遊技球が第1始動口17又は第2始動口18に入球した場合には、これらの演出制御手段が、メイン制御基板30から送出されるコマンドや信号に基づいて、画像表示器20、スピーカ11、枠ランプ10、盤面ランプ23および可動役物22といった演出手段のそれぞれを個別に制御することにより、メイン制御基板30から送出されるコマンドに対応する演出を実行する。以下、さらに詳しく説明する。
演出制御基板50は、例えば、メイン制御基板30から変動開始コマンドやその他のコマンドなどを受信しない状態が所定時間以上継続すると、遊技者による遊技が行われていない待機状態であると判断し、画像表示器20に待機演出画像を表示させるべく、画像制御基板60に待機演出コマンドを送出する。
また演出制御基板50は、メイン制御基板30から変動開始コマンドを受信すると、その変動開始コマンドに基づき、複数の演出パターンの中から、メイン制御基板30で設定される変動時間に対応する一の演出パターンを決定する。このとき決定される一の演出パターンにより、遊技機1において行われる図柄変動演出の内容が決定される。そして演出制御基板50は、決定した一の演出パターンに基づいて画像制御基板60およびランプ制御基板70を制御することにより、その一の演出パターンに対応する図柄変動演出を実行する。
演出制御基板50において決定される一の演出パターンには、遊技者が所定のタイミングで演出ボタン9を操作するか否かに応じて演出内容を切り替えるパターンが含まれることもある。そのため、演出制御基板50には、演出ボタン9が接続されており、遊技者によって演出ボタン9が操作されたか否かを検知することが可能である。演出制御基板50は、演出ボタン9の操作を受け付ける演出パターンを選択して実行する場合、その演出パターンに規定されている所定のタイミングで遊技者が演出ボタン9を操作したことを検知すると、画像制御基板60およびランプ制御基板70に対して特定の演出を行うことを指示する。これに対し、遊技者が所定のタイミングで演出ボタン9を操作しなかった場合には、画像制御基板60およびランプ制御基板70に対して特定の演出を行うことは指示せず、演出パターンに予め定められた図柄変動演出の実行を継続する。
このように演出制御基板50は、待機状態から、メイン制御基板30によって遊技が進行される遊技状態へと移行すると、メイン制御基板30によって制御される遊技の進行に同期して遊技機1において具体的に行うべき演出パターンを決定し、その決定した演出パターンに基づいて図柄変動演出を実行する。尚、図柄変動演出が終了した後、遊技機1が大当たり遊技へ移行する場合、演出制御基板50は、メイン制御基板30からのコマンドに基づいて大当たり遊技のための演出を実行する。
画像制御基板60は、CPU61と、ROM62と、RAM63と、VRAM64とを備えており、演出制御基板50から送出されるコマンドなどに基づいて画像表示器20およびスピーカ11を制御することにより、画像表示器20に対して各種演出用画像を表示すると共に、画像表示器20に表示される演出用画像に対応した音声や音楽、効果音などをスピーカ11から出力する。この画像制御基板60は、VRAM64に書き込んだ画像を所定のフレームレートで画像表示器20へ出力することにより、画像表示器20における表示画像を制御する。またVRAM64への画像の書き込み動作と連動してその画像に対応する音声や音楽などをスピーカ11から出力する。
例えば、画像制御基板60は、演出制御基板50において決定された演出パターンに基づき、画像表示器20に表示している3つの装飾図柄を変動させるように表示する図柄変動演出を開始し、その図柄変動演出中に様々な予告演出画像やリーチ演出画像などを表示する。また図柄変動演出中の所定のタイミングで演出ボタン9が操作されることに伴い、演出制御基板50から特定の演出を実行することを指示するコマンドを受信すると、画像制御基板60は、そのタイミングで画像表示器20に特定の演出用画像を表示させたり、スピーカ11から特定の効果音を発生させたりする。
ランプ制御基板70は、CPU71とROM72とRAM73とを備えており、演出制御基板50から送出されるコマンドなどに基づいて上述した枠ランプ10、盤面ランプ23および可動役物22を制御する。例えば、演出制御基板50において決定された演出パターンに基づく図柄変動演出の実行中に、演出制御基板50から特定の演出を実行することを指示するコマンドを受信すると、ランプ制御基板70は、そのタイミングで枠ランプ10や盤面ランプ23を特定の発光パターンで発光させたり、可動役物22を動作させたりする。
このように演出制御基板50、画像制御基板60およびランプ制御基板70は、メイン制御基板30によって進行される遊技状態に応じて各種の演出を行うように構成される。
また本実施形態の演出制御基板50は、上記のように遊技の進行に伴って各種の演出を実行するだけでなく、遊技機1において所定の条件が成立したことを検知すると、遊技者が遊技へ大金と投じてしまうことがないように、所謂のめり込みを防止するための注意喚起を少なくとも所定時間の間、遊技者に対して行うように構成される。遊技者に対して注意喚起を行うタイミングは種々考えられるが、例えば、遊技者が遊技機1の前方位置に座って遊技を開始するタイミング、遊技者による操作によって図柄変動演出が行われた回数(図柄変動回数)が所定回数となったタイミング、或いは、遊技者がある程度遊技に熱中している状態であることが検知されたタイミングなどに行うことが効果的である。
そのため、本実施形態では、遊技者が遊技機1の前方位置に座って遊技を開始する際に最初に操作するボタンである貸出ボタン8が演出制御基板50に接続されており、演出制御基板50は、遊技機1が待機状態にある状態で遊技球の貸出ボタン8が操作され、遊技機1において遊技球の貸し出しが行われるタイミングで遊技者にのめり込みを防止するための注意喚起を行うように構成される。また、この他にも、演出制御基板50は、画像表示器20において図柄変動演出を行っている状態においても、所定の条件が成立したことを検知したタイミングで遊技者にのめり込みを防止するための注意喚起を行うように構成される。つまり、本実施形態の遊技機1は、そのような構成によって遊技者の遊技に対する意識を高め、遊技へののめり込みを防止するのである。以下、このような遊技機1について詳しく説明する。
図4は、演出制御基板50および画像制御基板60の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。演出制御基板50は、例えば図4に示すように、待機演出実行部55、変動演出実行部56および注意喚起実行部57として機能する。待機演出実行部55は、遊技者による遊技が行われていない待機状態であることを検知すると、画像表示器20に待機演出画像を表示させるべく、画像制御基板60に待機演出コマンドを送出する。この待機演出実行部55は、メイン制御基板30から変動開始コマンドを受信するまで機能し続ける。そしてメイン制御基板30から変動開始コマンドを受信すると、演出制御基板50は、変動演出実行部56を機能させ、遊技機1において行う演出を待機状態における待機演出から図柄変動演出に切り替える。つまり、変動演出実行部56は、メイン制御基板30から受信する変動開始コマンドに基づいて実行すべき一の演出パターンを決定して画像制御基板60およびランプ制御基板70に変動演出コマンドを送出することにより、図柄変動演出の実行を開始する。尚、変動演出実行部56は、図柄変動演出が終了した後に大当たり遊技へと移行する場合、メイン制御基板30から入力する情報に基づいてその大当たり遊技中における大当たり遊技演出も実行する。そして演出制御基板50は、メイン制御基板30から変動開始コマンドやその他のコマンドなどを受信しない状態が所定時間以上継続すると、再び待機演出実行部55が機能するようになり、遊技機1において待機演出が行われるようになる。このように演出制御基板50は、メイン制御基板30による遊技の進行が行われないときには待機演出実行部55を機能させて待機演出を実行する一方、メイン制御基板30によって遊技の進行が行われるときには変動演出実行部56を機能させて遊技の進行に連動した図柄変動演出などを実行する。
また演出制御基板50は、注意喚起実行部57としても機能する。この注意喚起実行部57は、待機演出実行部55および変動演出実行部56のいずれか一方が機能している状態で並列的に機能し、それぞれの遊技状態において所定の条件が成立したか否かを監視し、遊技者に対してのめり込みを防止するための注意喚起を行うための処理を実行する。
例えば、遊技機1が待機状態にあるとき、注意喚起実行部57は、遊技者によって貸出ボタン8が操作されたか否かを監視する。そして注意喚起実行部57は、遊技者による遊技球の貸し出し操作を検知すると、それに基づき注意喚起を行うタイミングになったことを検知する。ただし、遊技者が貸出ボタン8を操作した場合であっても遊技球貸出決済装置に対して予め現金やプリペイドカード、電子マネーなどが投入されていない状態では、遊技球の貸し出しは行われない。そのため、注意喚起実行部57は、遊技者による遊技球の貸し出し操作を検知した場合には、その後、払出制御基板40から遊技球の貸し出しを行ったことを示す貸出信号を入力することを条件として注意喚起を行うタイミングになったことを検知するようにしても良い。
また遊技機1がメイン制御基板30によって遊技の進行中である場合、注意喚起実行部57は、図柄変動回数が所定回数(例えば100回、200回、300回など)となったか否か、或いは、演出ボタン9を操作するタイミングでもないのに遊技者が演出ボタン9を操作したか否かを監視する。尚、図柄変動回数は、変動演出実行部56によって図柄変動演出が開始される都度、1ずつインクリメントされてカウントされる数値である。そして注意喚起実行部57は、メイン制御基板30による遊技の進行中において、図柄変動回数が所定回数となったことを検知した場合、或いは、演出ボタン9を操作するタイミングでもないのに遊技者が演出ボタン9を操作したことを検知した場合、注意喚起を行うタイミングになったことを検知する。
注意喚起実行部57は、上記のようにして遊技者に対して注意喚起を行うタイミングになったことを検知すると、画像制御基板60に対して注意喚起コマンドを送出する。
また画像制御基板60は、図4に示すように、画像表示器20に対する画像の表示処理を行う表示処理部65を備えている。この表示処理部65は、ROM62に予め格納されている様々な画像を読み出してVRAM64に書き込むことにより、それらの画像を画像表示器20に表示する。また画像制御基板60のROM62には、待機演出画像67および変動演出画像68を含む演出用画像を予め記憶する第1記憶領域62aと、遊技者に対してのめり込みを防止するための注意喚起画像69を予め記憶する第2記憶領域62bとが設けられる。第1記憶領域62aに記憶される待機演出画像67および変動演出画像68を含む演出用画像は、例えば動画像である。特に変動演出画像68には、演出制御基板50で決定される演出パターンに対応して再生するための様々な時間長の動画像が記憶される。これに対し、第2記憶領域62bに記憶される注意喚起画像69は、例えばテキスト画像などの静止画像となっている。
表示処理部65は、演出制御基板50から待機演出コマンドを受信すると、ROM62の第1記憶領域62aに格納されている待機演出画像67を読み出し、その待機演出画像67をVRAM64へ所定フレームレートで更新しながら書き込んでいくことにより、画像表示器20へ待機演出画像67を表示させる。これにより、遊技機1において待機演出が行われるようになる。
このようにして表示処理部65が待機演出画像67を画像表示器20へ表示しているとき、演出制御基板50から注意喚起コマンドを受信すると、表示処理部65は、第1記憶領域62aから読み出した待機演出画像67をVRAM64に書き込んでいる状態で、第2記憶領域62bから注意喚起画像69を読み出し、その注意喚起画像69をVRAM64の所定位置に書き込む。つまり、表示処理部65は、待機演出画像67が書き込まれたVRAM64の所定位置に対して注意喚起画像69を上書きする。これにより、画像表示器20には、待機演出画像67が表示されている状態でその待機演出画像67の所定位置に注意喚起画像69が重ね合わせられた表示画面が表示されるようになる。表示処理部65は、待機演出画像67の所定位置に注意喚起画像69を重ね合わせた状態で表示すると、その表示状態を少なくとも所定時間(例えば5秒など)の間継続させる。そして所定時間が経過すると、注意喚起画像69の表示処理を終了し、元の待機演出画像67だけを表示する状態に戻る。
また表示処理部65は、演出制御基板50から変動演出コマンドを受信すると、ROM62の第1記憶領域62aに格納されている複数の変動演出画像68の中から、演出制御基板50で決定された演出パターンに対応する変動演出画像68を読み出し、その変動演出画像68をVRAM64へ所定フレームレートで更新しながら書き込んでいくことにより、画像表示器20へ変動演出画像68を表示させる。これにより、遊技機1において図柄変動演出が行われるようになる。
このようにして表示処理部65が変動演出画像68を画像表示器20へ表示しているとき、演出制御基板50から注意喚起コマンドを受信すると、表示処理部65は、第1記憶領域62aから読み出した変動演出画像68をVRAM64に逐次更新しながら書き込んでいる状態で、第2記憶領域62bから注意喚起画像69を読み出し、その注意喚起画像69をVRAM64の所定位置に書き込む。つまり、表示処理部65は、変動演出画像68が書き込まれたVRAM64の所定位置に対して注意喚起画像69を上書きする。これにより、画像表示器20には、変動演出画像68が表示されている状態でその変動演出画像68の所定位置に注意喚起画像69が重ね合わせられた表示画面が表示されるようになる。そして表示処理部65は、変動演出画像68の所定位置に注意喚起画像69を重ね合わせた状態で表示すると、上記と同様、その表示状態を少なくとも所定時間(例えば5秒など)の間継続させる。そして所定時間が経過すると、注意喚起画像69の表示処理を終了し、元の変動演出画像68だけを表示する状態に戻る。
このように画像制御基板60は、演出制御基板50から注意喚起コマンドを受信した場合、通常の演出用画像を表示する処理を何ら中断したりすることなく、演出用画像に重ね合わせた状態で注意喚起画像69を画像表示器20に表示するように構成される。
次に図5および図6は、演出制御基板50の注意喚起実行部57によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、遊技機1に電源が投入されてから初期動作が完了した後、注意喚起実行部57によって例えば数ミリ秒周期で定期的に繰り返し実行される処理である。また、この処理は、上述した待機演出実行部55および変動演出実行部56による処理と並行して行われる処理である。
注意喚起実行部57は、図5に示す処理を開始すると、遊技機1における遊技状態を判別し(ステップS10)、遊技機1が待機状態であるか否かを確認する(ステップS11)。遊技機1が待機状態である場合(ステップS11でYES)、注意喚起実行部57は、遊技者による貸出ボタン8の操作を検知したか否かを判断する(ステップS12)。その結果、遊技者による貸出ボタン8の操作を検知していれば(ステップS12でYES)、注意喚起コマンドを画像制御基板60に対して送出する(ステップS13)。これに対し、遊技者による貸出ボタン8の操作を検知していなければ(ステップS12でNO)、注意喚起コマンドを送出することなく処理を終了する。尚、ステップS12では、遊技者によって貸出ボタン8が操作されたか否かだけを検知するのではなく、上述したように払出制御基板40から遊技球の貸し出しを行ったことを示す貸出信号を入力したか否かを更に検知するようにしても良い。また、貸出ボタン8が操作されたことを検知することなく、払出制御基板40から遊技球の貸し出しを行ったことを示す貸出信号を入力した場合に、注意喚起コマンドを送出するようにしても良い。
一方、ステップS11において遊技機1が待機状態でなかった場合(ステップS11でNO)、注意喚起実行部57は、条件判別処理を実行する(ステップS14)。図6は、その条件判別処理(ステップS14)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。注意喚起実行部57は、条件判別処理を開始すると、変動演出実行部56によってそれまでに行われた図柄変動回数を読み出す(ステップS20)。尚、この図柄変動回数は、遊技機1に電源が投入されてからの変動回数であっても良いし、前回の大当たり遊技以降の変動回数であっても良い。そして注意喚起実行部57は、その図柄変動回数が所定回数になっているか否かを判断する(ステップS21)。その結果、図柄変動回数が所定回数になっている場合(ステップS21でYES)、注意喚起実行部57は、所定の条件が成立したと判定する(ステップS22)。
一方、図柄変動回数が所定回数になっていない場合(ステップS21でNO)、注意喚起実行部57は、遊技者によって演出ボタン9が操作されたか否かを判断する(ステップS23)。そして遊技者によって演出ボタン9が操作された場合(ステップS23でYES)、注意喚起実行部57は、変動演出実行部56によって実行されている演出パターンにおいて遊技者が演出ボタン9を操作するタイミングになっているか否かを判断する(ステップS24)。その結果、演出ボタン9を操作するタイミングでないにもかかわらず、演出ボタン9が操作されていた場合(ステップS24でNO)、注意喚起実行部57は、所定の条件が成立したと判定する(ステップS22)。例えば、変動演出実行部56によって実行されている演出パターンが遊技者による演出ボタン9の操作を所定のタイミングで受け付ける演出パターンである場合、遊技者が演出ボタン9を操作するタイミングになると、画像表示器20において表示される変動演出画像68には、遊技者に対して演出ボタン9を操作することを促す画像が表示される。ところが、そのような演出パターン又は操作タイミングでないにもかかわらず、遊技者が演出ボタン9を操作するようなときには、遊技者が遊技にのめり込んでしまう直前の熱中した状態にあると判定することができる。それ故、注意喚起実行部57は、演出ボタン9を操作するタイミングでないにもかかわらず、遊技者が演出ボタン9を操作した場合に所定の条件が成立したと判定するようにしている。尚、ステップS23で遊技者による演出ボタン9の操作を検知する際には、演出ボタン9を連打する操作だけを検知するようにしても良い。
またステップS23における判断で遊技者による演出ボタン9の操作が検知されなかった場合(ステップS23でNO)、或いは、ステップS24における判断で演出ボタン9を操作するタイミングであった場合(ステップS24でYES)、注意喚起実行部57は、所定の条件は成立していないと判定し、条件判別処理を終了する。
図5のフローチャートに戻り、次に注意喚起実行部57は、上記の条件判別処理(ステップS14)の結果、所定の条件が成立しているか否かを確認する(ステップS15)。そして所定の条件が成立していれば(ステップS15でYES)、注意喚起コマンドを画像制御基板60に対して送出する(ステップS13)。これに対し、所定の条件が成立していない場合には(ステップS15でNO)、注意喚起コマンドを送出することなく処理を終了する。
注意喚起実行部57において上記のような処理が行われることによって注意喚起コマンドが送出されると、画像制御基板60は、画像表示器20に演出用画像を表示している状態でその演出用画像に重ね合わせて注意喚起画像69を表示する。以下、注意喚起画像69の幾つかの表示態様について説明する。
図7は、画像表示器20に待機演出画像67を表示している状態で注意喚起画像69を表示する場合の表示画面の変化の一例を示す図である。まず遊技機1において遊技者による遊技が行われていない待機状態のとき、画像表示器20には、図7(a)に示すように、例えば遊技者を歓迎するような待機演出画像67が画面中央に表示される。この状態で、遊技者が遊技機1の前方位置に座り、遊技球貸出決済装置に現金などを投入して貸出ボタン8を操作すると、遊技機1は、遊技球の貸し出しのための払い出しを行う。それに伴い、画像表示器20の表示画面は、図7(a)から図7(b)の画面に遷移する。すなわち、図7(b)の表示画面では、待機演出画像67が表示される画面中央の下部に、遊技に対するのめり込みを未然に防止するための注意喚起画像69が少なくとも所定時間の間、静止画像として重ね合わせられた状態で表示される。つまり、待機状態では、注意喚起画像69が比較的目立つ位置に表示される。したがって、遊技を始めようとする遊技者にとっては、遊技開始前に注意喚起を受けることができるので、比較的冷静な状態で遊技を開始することができるようになる。
次に図8は、画像表示器20に変動演出画像68を表示している状態で注意喚起画像69を表示する場合の表示画面の変化の一例を示す図である。遊技者による操作によって遊技領域14に打ち出される遊技球が第1始動口17又は第2始動口18に入球すると、遊技機1において図柄変動演出が開始され、画像表示器20には、図8(a)に示すように変動演出画像68が表示される。この状態で、例えば上述したように、図柄変動回数が所定回数に至った場合、或いは、実行中の図柄変動演出において遊技者が演出ボタン9を操作するタイミングでないにもかかわらず遊技者が演出ボタン9を操作した場合、画像表示器20の表示画面は、図8(a)から図8(b)の画面に遷移する。すなわち、図8(b)の表示画面では、変動演出画像68が表示されている表示画面の上端部に、注意喚起画像表示領域R1が出現し、その注意喚起画像表示領域R1において注意喚起画像69を構成するテキストが例えば右端から左端に流れるような表示態様で少なくとも所定時間の間、表示されるようになる。したがって、遊技を行っている遊技者は、遊技機1において図柄変動演出が繰り返し実行されるような遊技状態であっても、図8(b)のように表示される変動演出画像68によって注意喚起を受けることができるので、比較的冷静な状態で遊技を継続することができるようになる。
また図柄変動演出の実行中に注意喚起画像69を表示するときには、例えば図8(b)に示したように、画像表示器20における表示画面の上端部又は下端部などの画面周縁部で注意喚起画像69を表示することが好ましい。これにより、遊技者が注目している変動演出画像68の邪魔にならず、しかも変動演出画像68の視認性を低下させないように注意喚起画像69を表示することができるようになり、注意喚起画像69が遊技者に不快感を与えてしまうことを防止することもできるようになる。ただし、注意喚起画像69の表示位置を表示画面の上端部又は下端部などのあまり目立たない位置に設定すると、遊技者にとっては注意喚起画像69が表示されていることに気付かないこともあり得る。そのため、例えば図8(b)の如く、注意喚起画像69に含まれるテキストが流れるような表示態様となるように、注意喚起画像表示領域R1における注意喚起画像69の表示位置を逐次更新することによって、遊技者の視線を惹きつけるような表示態様とすることが好ましい。つまり、本実施形態では、遊技機1が待機状態にある場合に表示する注意喚起画像69の表示態様と、図柄変動演出を行っている場合に表示する注意喚起画像69の表示態様とは、互いに異なる表示態様となるように制御される。
一方、上記の他、例えば待機状態において注意喚起画像69を表示しているとき、第1始動口17又は第2始動口18に遊技球が入球して図柄変動演出が開始されることもある。そのような場合、上述した表示処理部65は、待機状態において表示している注意喚起画像69の表示態様を、図柄変動演出中に表示する表示態様へと切り替える。図9は、待機状態において注意喚起画像69を表示した後に図柄変動演出が開始される場合の表示画面の変化の一例を示す図である。まず遊技機1において図柄変動演出が開始されていない待機状態で注意喚起画像69が表示されると、画像表示器20には、図9(a)に示すように、待機演出画像67が表示されている画面中央の下部に、遊技に対するのめり込みを未然に防止するための注意喚起画像69が重ね合わせられた状態で表示される。図9(a)のように待機状態での注意喚起画像69が表示されてから所定時間が経過するまでの間に第1始動口17又は第2始動口18に遊技球が入球し、遊技機1において図柄変動表示が開始されると、画像表示器20の表示画面は、図9(a)から図9(b)へと遷移する。
つまり、表示処理部65は、待機状態における表示態様で注意喚起画像69を画像表示器20に表示している状態で図柄変動演出を開始するときには、注意喚起画像69の表示態様を、待機状態における表示態様から、図9(b)に示すように図柄変動演出実行中における表示態様に切り替える。したがって、待機状態において注意喚起画像69が表示されている状態で図柄変動演出が開始された場合であっても、画像表示器20において表示される変動演出画像68の視認性を低下させることがなく、しかも注意喚起画像69を少なくとも所定時間の間、表示し続けることができるようになる。
そして注意喚起画像69の表示を開始してから所定時間が経過すると、画像表示器20の表示画面は、図9(b)から図9(c)へと遷移し、画像表示器20の上端部などに表示されていた注意喚起画像表示領域R1や注意喚起画像69が非表示状態となり、画像表示器20には、変動演出画像68だけが表示されるようになる。
上記においては、画像表示器20に表示する注意喚起画像69が全て同じ内容である場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、画像表示器20に注意喚起画像69を表示する際には、遊技状態や遊技者によって行われた操作の状況などに応じて画像表示器20に表示する注意喚起画像69の内容を切り替えるようにしても良い。例えば、演出ボタン9を操作するタイミングでないにもかかわらず、遊技者が演出ボタン9を連打する操作を行った場合には、上記各図に示したような「のめり込みには注意してください。」という注意喚起画像ではなく、「あまりアツクならないでね。」という別の注意喚起画像を表示して遊技へののめり込みを未然に防止するようにしても良い。
以上のように、本実施形態の遊技機1は、遊技者による遊技が行われていない待機状態で待機演出を行い、遊技領域14に打ち出された遊技球が第1始動口17又は第2始動口18に入球すると、それに伴って図柄変動演出を行うように構成される。そして遊技機1は、待機状態において遊技者が遊技球の貸し出し操作を行ったことを検知すると、画像表示器20に対して注意喚起画像69を所定時間表示することにより、遊技者に対して遊技へののめり込みを防止するための注意喚起を行う構成である。
このような構成によれば、遊技者が遊技機1による遊技を始めようとしているときに、その遊技者に対する注意喚起を事前に行うことができるようになる。特に、遊技者の意識が集中する図柄変動演出が開始されていない状態で、注意喚起画像69を表示することにより、遊技者の意識に対して効果的に注意喚起を行うことができるという利点がある。そのため、遊技者は、自らの意志で遊技へののめり込みを自制できるようになる。
また上述したように本実施形態の遊技機1は、遊技の進行が行われていない待機状態において注意喚起画像69を画像表示器20に表示している状態で図柄変動演出を開始するときには、注意喚起画像69の表示態様を別の表示態様に切り替える構成である。したがって、遊技機1において図柄変動演出が開始されたときには、遊技者が注目する変動演出画像68の視認性を低下させることなく、遊技者に対して遊技へののめり込みを防止するための注意喚起を継続することができるようになる。
また本実施形態の遊技機1は、図柄変動演出が行われている状態においても所定の条件を満たした場合には、少なくとも所定時間の間、変動演出画像68と合わせて注意喚起画像69を画像表示器20に表示する構成である。したがって、遊技者が遊技を始めようとしているときだけでなく、実際に遊技者が遊技を行っている最中においても、所定の条件が成立する都度、遊技者に対して遊技へののめり込みを防止するための注意喚起を適切なタイミングで行っていくことができるようになる。それ故、遊技を継続しようとする遊技者が、遊技継続のために大金を投じてしまうことを良好に防止できるようになる。
さらに上述した本実施形態の遊技機1は、注意喚起画像69を画像表示器20へ表示するための具体的構成として、画像表示器20に表示するための各種の演出用画像67,68を記憶する第1記憶領域62a(第1の記憶手段)と、遊技者に対して遊技へののめり込みを防止するための注意喚起画像69を記憶する第2記憶領域62b(第2の記憶手段)とを備えている。そして遊技機1は、メイン制御基板30によって進行される遊技状態に応じて第1記憶領域62aに記憶されている演出用画像67,68を読み出して画像表示器20へ表示させると共に、演出用画像67,68が画像表示器20に表示されている状態で所定の条件が成立したことを検知した場合には、少なくとも所定時間の間、第2記憶領域62bに記憶されている注意喚起画像69を演出用画像67,68に重ね合わせて画像表示器20へ表示する構成である。
このような構成によれば、メイン制御基板30の制御による遊技状態に応じて画像表示器20に演出用画像67,68が表示されているときでも、その演出用画像67,68の表示を中断することなく、注意喚起画像69を演出用画像67,68に重ね合わせて画像表示器20に表示することができるようになる。したがって、注意喚起画像69を表示するときでも、メイン制御基板30によって制御される遊技の進行には何ら影響を与えず、しかもメイン制御基板30によって制御される遊技の進行に同期して演出用画像67,68の表示を継続して更新していくことが可能である。
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、遊技者に対して遊技へののめり込みを防止するための注意喚起を行うための一態様として、画像表示器20に注意喚起画像69を表示することを説明した。しかし、遊技者に対して遊技へののめり込みを防止するための注意喚起を行う態様は、注意喚起画像69を画像表示器20に表示するものには限られない。例えば、スピーカ11から、遊技者に対して注意喚起を行うための音声だけを出力するようにしても良い。また画像表示器20への注意喚起画像69の表示と同時に、スピーカ11からも遊技者に対する注意喚起のための音声などを出力するようにしても良い。
この場合において、待機状態で行っている注意喚起を、図柄変動演出が開始されることに伴って異なる態様に変化させる際、上述のように注意喚起画像69を縮小化すると共に、スピーカ11から出力する音声などの音量を減少させるようにしても良い。これにより、図柄変動演出が開始されることに伴ってスピーカ11から出力されるようになる図柄変動演出に対応した音声や効果音などの演出音が、遊技者にとって聞き取りづらい状態になってしまうことを防止することができる。
また上記実施形態では、待機状態において遊技者が貸出ボタン8を操作し、遊技機1において遊技球の貸し出しが行われた場合に、遊技者に対して遊技へののめり込みを防止するための注意喚起を行うことを説明した。しかし、遊技機1が待機状態である場合に、遊技者に対して遊技へののめり込みを防止するための注意喚起を行うタイミングは、必ずしも貸出ボタン8の操作が行われた場合に限られるものではない。例えば、遊技機1が待機状態である場合に、遊技者によって演出ボタン9が操作されたときに注意喚起を行うようにしても良い。すなわち、本発明においては、待機状態において遊技者による所定の操作を検知することに伴ってのめり込みを防止するための注意喚起を行うものであれば良く、所定の操作はどのような操作であっても構わない。
また上記実施形態では、遊技者に対する注意喚起を開始すると、その注意喚起が所定時間の間行われる場合を例示した。しかし、注意喚起は、必ずしも所定時間が経過するまで継続させなければならないものでもない。例えば、待機状態で遊技者に対する注意喚起が行われている場合において、所定時間が経過するまでに、遊技球が第1始動口17又は第2始動口18に入球して図柄変動演出が開始されるときには、遊技者に対する注意喚起を終了するようにしても良い。また例えば、図柄変動演出の実行中に遊技者に対する注意喚起が行われている場合において、所定時間が経過するまでに、当該図柄変動演出が終了して次の図柄変動演出が開始されるとき、遊技者に対する注意喚起を終了するようにしても良い。
また上記実施形態では、図柄変動演出の実行中であっても、所定の条件が成立すれば遊技者に対する注意喚起を行う場合を例示した。しかし、例えば、遊技機1において大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率となる高確率状態(いわゆる確変遊技状態)となっている状態であれば、遊技者がその状態で大金と投じてしまうことはない。そのため、遊技機1が高確率状態であるときには、上述したように所定の条件が成立した場合であっても、遊技者に対する注意喚起は行わないようにすることが好ましい。
さらに上記実施形態では、遊技機1として、遊技盤面の遊技領域に遊技球を打ち出すパチンコ遊技機を例に挙げて説明した。しかし、本発明における遊技機は、必ずしもパチンコ遊技機に限られるものではなく、スロットマシンなどの遊技機であっても構わない。例えばスロットマシンの場合、遊技者は、3つの回転リールを回転させるためのスタートボタンやスタートレバーを操作する前に、遊技機に対して少なくとも1枚のメダルをベットするためのベットボタンを操作する。遊技機は、少なくとも1枚のメダルがベットされた状態で遊技者によるスタートボタン又はスタートレバーの操作が行われると、それによって演出開始条件が成立し、3つの回転リールを回転させる演出を開始する。そのため、スロットマシンの場合には、例えば遊技者によるベットボタンの操作を検知することに伴い、遊技者に対して遊技への注意喚起を行うようにしても良い。またこの他にも、例えば遊技者がメダル投入口へメダルを投入する操作を行った場合にそれを検知し、遊技者に対して遊技への注意喚起を行うようにしても良い。