以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態は、本発明に係るスロットマシンの適例としてのパチスロ遊技機について説明を行うものである。
図1,2に示すように、スロットマシンとしてのパチスロ遊技機1は、前面が開放した箱形の機枠8(筐体)の内部に各種の機器が設けられるとともに、この機枠8の前面に、前扉2が、片開き形式に開閉可能に設けられることで概略構成されている。
前扉2の上部には、中央に演出装置72が配されている。この演出装置72はモータやセンサを備え、図示しない演出部材を動作することにより遊技の演出を行うことができるようになっている。さらに演出装置72は、画像表示装置3として例えば液晶表示パネルを有し、遊技に関する演出表示のほか、様々な情報などを表示可能となっている。また、前扉2の上端部の左右には音声を出力するスピーカ4,4が配されている。
また、前扉2の中央部には、後方を視認可能な(例えば透明の)図柄表示窓5が形成され、この図柄表示窓5を透して機枠8内に配された変動表示手段6を視認可能となっている。この変動表示手段6は、複数の識別図柄が外周面に表示された複数の(例えば3つ)円筒形のリール6a,6b,6c、すなわち、第1リール(左リール)6a、第2リール(中リール)6b、及び、第3リール(右リール)6cが、左右方向に沿って配されている。各リール6a,6b,6cにはそれぞれ、リール用モータ(ステッピングモータ)64a,64b,64c(図3に図示)が設けられていて、各リール6a,6b,6cを独立して回転駆動ならびに回転停止することが可能となっている。これによって、図柄表示窓5の奥にて複数種類の図柄を、例えば上から下へと循環するように変動させる(図柄を変動表示させる)ことができるようになっている。なお、複数の識別図柄として、各リール6a,6b,6cには、特別役図柄と、特別役図柄以外の図柄(例えば、リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、ブランク)が配されている。
このような変動表示の開始後、所定の停止操作(後述するリールストップボタン24a,24b,24cの操作)に基づき、各リール用モータ64a,64b,64cがリール6a,6b,6cの回転を停止することで、図柄表示窓5に所定数の図柄が表示されるようになっている。ここで、各リール6a,6b,6cは、各々の図柄列中の図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が図柄表示窓5を介して視認可能となっており、これによって図柄表示窓5に図柄が上下に3列、左右に3列の計9つ表示されるようになっている。
なお、図柄表示窓5を透して、第1リール6aの図柄が視認可能となる部分が第1図柄表示部7aとなり、第2リール6bの図柄が視認可能となる部分が第2図柄表示部7b、第3リール6cの図柄が視認可能となる部分が第3図柄表示部7cとなる。すなわち、変動表示手段6と図柄表示窓5が複数の図柄を変動表示可能な複数の図柄表示部7a,7b,7cを有する変動表示装置7を構成していることとなる。
変動表示装置7にて表示される上下3列、左右3列の計9つの図柄に対しては、複数の有効化可能ラインが設定されている。すなわち、例えば、変動表示装置7における各リール6a,6b,6c中段の図柄を横切る有効化可能ライン(中段横ライン)、各リール6a,6b,6c上段の図柄を横切る有効化可能ライン(上段横ライン)、各リール6a,6b,6c下段の図柄を横切る有効化可能ライン(下段横ライン)、第1リール6a下段−第2リール6b中段−第3リール6c上段にかけて各リール6a,6b,6cを斜めに横切る有効化可能ライン(右上がりの斜めライン)、及び、第1リール6a上段−第2リール6b中段−第3リール6c下段にかけて各リール6a,6b,6cを斜めに横切る有効化可能ライン(右下がりの斜めライン)の5つの有効化可能ラインが設定されている。
そして、ベット数(賭数)に応じて所定数の有効化可能ラインが有効化されて各々有効ラインとなるようになっていて、例えば、ベット数1で中段横ラインが有効化、ベット数2で中段横ラインに加え、上下段横ラインが有効化、ベット数3で上中下段横ラインに加え、右上がり、右下がりラインが有効化される。なお、ベット数が3の場合でのみ遊技が可能な所謂3枚がけ専用としても良く、この場合は常に5つの有効化可能ラインが有効になる。
この有効ライン上に、図4に示すように、複数種類設定された役のうち何れかに対応する図柄組合せ態様で図柄が停止表示することにより役が成立し、各図柄組合せ態様に対応した所定数の賞メダル(遊技価値)の払い出し等を行うようになっている。また、特に特別役図柄が有効ライン上に並んだ特別図柄組合せ態様が導出された場合には、遊技者にとって有利にゲームが実行される特別役が成立する。
各リール6a,6b,6cには特別役図柄として、第1特別役図柄(黒色の7)と第2特別役図柄(白色の7)が1つずつ配されており、さらに、第1リール6aには、第3特別役図柄(BAR)が配されている。なお、図4では、特別役図柄以外の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、ブランク)を文字にて表示しているが、実際には所定の外形や色彩を有する図柄が配されている。
そして、特別役図柄が有効ライン上に並んだ特別図柄組合せ態様が導出された場合には、遊技者にとって有利にゲームが実行される特別遊技状態として、その図柄組み合わせ態様によってスーパービッグボーナス(SBB)、ノーマルビッグボーナス(NBB)、第1レギュラーボーナス(RB1)、第2レギュラーボーナス(RB2)のいずれかの特別役が成立する。このビッグボーナス、レギュラーボーナス(いわゆる大当たり)があった際には、容易に多量の遊技媒体を獲得可能なボーナスゲームを実行可能となる。
なお、スーパービッグボーナス(SBB)、ノーマルビッグボーナス(NBB)の場合は、払出メダル枚数が250枚で終了するボーナスゲームが実行されるようになっており、第1レギュラーボーナス(RB1)、第2レギュラーボーナス(RB2)の場合は、所定の役が8回成立するか12ゲーム終了するかの何れかの条件が達成されるまで継続するボーナスゲームが実行されるようになっている。また、何れのボーナスゲームにおいてもボーナスゲームの終了後にサブRTゲームとしての特殊RTが10ゲーム実行されるようになっている。この特殊RTの内容については後述する。なお、これらのビッグボーナスもしくはレギュラーボーナスに対応するフラグはそれぞれ異なるものであって、成立したフラグに対応したビッグボーナスもしくはレギュラーボーナスのみが成立可能とされている。
図柄表示窓5の下側には、クレジット数表示器11、払出数表示器12、獲得枚数表示器13が設けられている。クレジット数表示器11は、クレジットとして記憶されているメダル数を表示し、払出数表示器12は、ボーナスゲーム時の払出枚数を表示するものである。また、獲得枚数表示器13は役成立時の獲得枚数を表示するものである。これらの表示器は、後方を透視可能な透明部材の奥に、例えば、7セグメントのLEDからなる表示器を備えるもので、その点灯状態によって各種情報を表示するようになっている。
また、図柄表示窓5の下側には、前側に突出する段部が形成されていて、その段部の上面が前面棚14とされている。この前面棚14には、メダル投入口15、1ベットボタン(図示略)、マックスベットボタン16が設けられている。
メダル投入口15は、前面棚14における遊技機1の前面側から見て右側(前扉2の開放端側)にあって、メダルを投入してベットする(賭けを行う)ためのものである。このメダル投入口15から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入検出センサ51(図3に図示)が設けられており、このメダル投入検出センサ51による検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。
なお、メダル投入口15から最大ベット数(例えば3枚)を超えるメダルが投入された場合であって、クレジット可能な状態とされている場合、最大ベット数を超えた分のメダルは、所定数(例えば50枚)までクレジットとして遊技機1に記憶され、以降のゲームで使用できるようになっている。また、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルが投入された場合は、受け皿27に返却されるようになっている。また、クレジット不可能な状態とされている場合は、最大ベット数を超えた分のメダルは受け皿27に返却されるようになっている。
また、1ベットボタンは、操作を一度行う毎に1枚ずつベットすることができるものであり、マックスベットボタン16は、操作を一度行うことでベット数の限度数(例えば3枚)までベットすることができるものである。
また、前扉2の前面であって、前面棚14の下側には、クレジットの可、不可を選択するためのクレジット選択ボタン20、一区切りのゲームを開始するためのスタートレバー21、メダル投入口15内でメダル詰まりが発生した場合にこれを解消するためのメダル詰まり解消ボタン22、前扉2を開くための鍵を差し込む鍵穴23が設けられている。
図柄表示窓5の右下部であってメダル投入口15の上側には、ベット数表示器17が設けられている。このベット数表示器17は、その奥に配されたランプの点灯状態によりメダルのベット数を表示するものである。また、図柄表示窓5の左下部には、遊技状態表示器19が設けられている。この遊技状態表示器19には、GAMEOVERランプ部19a、WAITランプ部19b、REPLAYランプ部19c、BETCREDITランプ部19dが設けられている。GAMEOVERランプ部19aは、図柄の変動表示が停止されて1回のゲームが終了したことをその奥に配されたランプの点灯によって報知するものである。WAITランプ部19bの奥にはランプが配されており、このランプが、スタートレバー21が操作されてから全てのリール6a,6b,6cが回転開始し、リールストップボタン24a,24b,24cによる停止操作が可能となるまでの期間に点灯することで、該期間中であることを報知するようになっている。REPLAYランプ部19cは、再遊技役(リプレイ役)の図柄組合せ態様が成立して次回遊技が再遊技(リプレイ)になったことをその奥に配されたランプの点灯によって報知するものである。BETCREDITランプ部19dは、遊技が行われておらず、しかもベット或いは後述するように持ちクレジットからクレジットを受け入れ可能な状態のときに、その奥に配されたランプが点滅を繰り返すものである。
さらに、前扉2の前面であって、前面棚14の下側には、第1リール6a、第2リール6b、および、第3リール6cとそれぞれ1対1で対応付けられ、対応するリール6a,6b,6cの回転をそれぞれ停止させて図柄を停止表示させるためのストップボタン、即ち、第1リールストップボタン24a、第2リールストップボタン24b、および、第3リールストップボタン24cが設けられている。なお、これらリールストップボタン24a,24b,24cは、例えば、色付きの半透明の樹脂などから構成されている。そして、これらリールストップボタン24a,24b,24cの奥には、該リールストップボタン24a,24b,24cの操作により各リールを停止可能な状態であることを、点灯により報知するためのストップボタンLED66(図3に図示)がそれぞれ設けられている。
そして、これらのボタン類が設けられた部分の下側には、前扉2の下部領域を構成する飾り板部25が設けられ、さらに、飾り板部25の下側であって前扉2の最下部には、灰皿26とメダルを貯留するための受け皿27、音声を出力するためのスピーカ4,4が設けられている。
加えて、パチスロ遊技機1は、図3に示すように、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置、メイン制御基板)50と、この遊技制御装置50の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置、サブ制御基板)70とを備えて、制御系を構成している。また、この制御系の構成要素も、それぞれ機枠8の内部に配されている。
このうち、遊技制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)50a、ROM(Read only memory)50b、RAM(Random Access memory)50c、I/F(Interface)50d等を備えて構成されている。
このうちCPU50aは、制御部、演算部を備え、遊技制御装置50の演算処理装置として各種演算制御を行う他、ゲームの当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。
ROM50bには、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データが書き込まれている他、内部抽選用の判定値などが書き込まれている。また、ROM50bには、各ゲームにおいて、停止制御を行う際に、各種役に当選した場合の各種役に対応する停止テーブルや外れに対応する複数の停止テーブルを記憶している。
RAM50cは、内部抽選用の乱数の記憶領域、各種データ(例えば、クレジット数のデータ、ベット数のデータ、各種役フラグの状態のデータ、および、図柄組合せ態様の導出に基づく払い出しに係るデータ、遊技者の停止操作態様のデータなど)を一時的に記憶する記憶領域、ならびに、CPU50aの作業領域を備えている。なお、遊技者の停止操作態様のデータとは、例えば、停止操作した際の有効ライン上のリールの図柄のデータや、停止操作したリールの順番や、停止操作の回数や、所定の停止操作を行った回数などのカウント値となるデータや、過去のゲームにおいて所定の停止操作を所定の頻度で行ったか否かを示すフラグのデータである。
I/F50dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、メダル投入検出センサ51、スタートレバーセンサ52、第1リール(左)停止センサ53a、第2リール(中)停止センサ53b、第3リール(右)停止センサ53c、第1リール(左)位置検出センサ54a、第2リール(中)位置検出センサ54b、第3リール(右)位置検出センサ54c、1ベットセンサ56、マックスベットセンサ57、クレジット選択センサ58、払出メダル検出センサ59、確率設定装置60、リセットセンサ61、前扉開放センサ62から出力される各種の信号をCPU50aに対して出力している。
メダル投入検出センサ51は、メダル投入口15から投入されたメダルの通過を検出するものであり、この検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。また、スタートレバーセンサ52は、スタートレバー21が操作されたことを検出するためのスイッチである。第1リール停止センサ53aは第1リールストップボタン24aが操作されたことを、第2リール停止センサ53bは第2リールストップボタン24bが操作されたことを、第3リール停止センサ53cは第3リールストップボタン24cが操作されたことを、それぞれ検出するためのセンサである。これらリールストップボタン24a,24b,24cと、リール停止センサ53a,53b,53cとが各リール6a,6b,6cに対応する停止操作手段となる。
第1リール位置検出センサ54aは第1リールの回動位相を、第2リール位置検出センサ54bは第2リールの回動位相を、第3リール位置検出センサ54cは第3リールの回動位相を、それぞれ検出するためのセンサである。1ベットセンサ56は1ベットボタンが操作されたことを、マックスベットセンサ57はマックスベットボタン16が操作されたことを、それぞれ検出するためのセンサである。クレジット選択センサ58はクレジットの可、不可を選択するためのクレジット選択ボタン20が操作されたことを検出するためのセンサである。払出メダル検出センサ59はメダル払出装置63から払い出されたメダルを検出するものであり、この検出情報をもとにメダルの払出枚数がカウントされる。
確率設定装置60は、操作に基づき、当該パチスロ遊技機1における各ゲーム毎の役の当選確率を複数段階(例えば6段階)の何れかに設定するための装置である。リセットセンサ61は、鍵穴23に差し込まれた鍵が前扉2を開放する時とは逆回り(左回り)に回動されたことを検出し、この検出に基づきパチスロ遊技機1をリセットするためのセンサである。なお、リセットセンサ61が検出信号を遊技制御装置50に出力することに基づき、例えば、当該パチスロ遊技機1のエラー状態が解除される。また、前扉開放センサ62は、前扉2の開放状態を検出するためのセンサである。
また、I/F50dは、CPU50aから入力される制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出制御装置70、遊技状態表示器19、ベット数表示器17、クレジット数表示器11、払出数表示器12、獲得枚数表示器13、メダル払出装置63、第1リール用モータ64a、第2リール用モータ64b、第3リール用モータ64c、外部出力端子65、ストップボタンLED66などに出力している。これによって遊技制御装置50による各種装置の制御を可能としている。
メダル払出装置63は、機枠8の内部における下部に設けられていて、変動表示装置7において、有効ライン上に所定の図柄組合せ態様が形成された場合に、該図柄組合せ態様に対応した枚数のメダルを払い出すものである。払い出されたメダルは受け皿27に排出される。外部出力端子65は、遊技機外部の管理装置等と接続するためのものである。
また、遊技制御装置50は、CPU50aが所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば+1)し、スタートレバーセンサ52による検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として用いて内部抽選を行う。すなわち、遊技制御装置50は、役に当選か否かを抽選する抽選手段としての機能を有する。
また、遊技制御装置50は、各種役の当選、当選しない場合(外れの場合)のリール6a,6b,6cの停止制御を、各種役の当選や外れに対応した停止テーブルに従って所定のタイミング制御下で停止制御を行う。例えば、特別役に内部当選している場合は、特別図柄組合せ態様を形成し得るように複数のリール6a,6b,6cの停止制御を行う。また、再遊技役に内部当選している場合は、該再遊技役に対応する図柄組合せ態様を形成し得るように複数のリール6a,6b,6cの停止制御を行う。なお、停止制御とは、遊技制御装置50による第1〜第3リール用モータ64a,64b,64cの制御により、図柄表示部7a,7b,7cに停止表示される各リール6a,6b,6cの図柄を決めるものである。
この停止制御においては、例えば、各種役が当選している時に、当該役に対応する図柄組合せ態様を導出もしくは導出しやすくするようにする制御が行われる。この制御では、当選した役に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインより前に位置するタイミングで停止操作が行われた場合に、遊技制御装置50がリール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ラインで停止するようにする引込制御を行うようになっている。すなわち、遊技制御装置50が引込制御を行う引込制御手段をなす。
また、停止制御においては、当選していない役に対応する図柄組合せ態様が導出されるのを防止する制御が行われる。この制御では、当選していない役に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に導出されるタイミングで停止操作が行われた場合に、遊技制御装置50がリール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて当選していない役に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする蹴飛ばし停止制御を行うようになっている。なお、遊技制御装置50による引込制御、蹴飛ばし停止制御において、タイミングを変化可能な範囲は、停止操作が行われた位置から所定の図柄数以内(例えば4コマ(図柄)以内)とされている。
また、演出制御装置70は、CPU(Central Processing Unit)70a、ROM(Read only memory)70b、RAM(Random Access memory)70c、I/F(Interface)70d等を備えて構成されている。この演出制御装置70は、遊技制御装置50から出力される遊技に関する情報に基づき、画像表示装置3における演出表示の制御や、演出装置72の動作の制御を行うようになっている。
I/F70dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置50から出力される各種の信号をCPU70aに対して出力している。また、I/F70dは、CPU70aから入力される制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、画像表示装置3、スピーカ4、発光装置(ランプ、LED)71、演出装置(モータ、センサ)72に出力している。これによって演出制御装置70による各種装置の制御を可能としている。
画像表示装置3には、例えば、キャラクタなどが表示され、さらに遊技制御装置50から出力される遊技に関する情報に基づき、小役の予告表示や、大当たりの告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたるもの)などがなされる。また、ボーナスゲーム中にはボーナスゲームに関する表示を行い、遊技が行われていないときには呼び込み表示を行うようになっている。また、演出制御装置70は、遊技制御装置50から出力される遊技に関する情報に基づき、演出装置72の演出部材を動作させることによる演出を行う。また、演出制御装置70は、遊技制御装置50から出力される遊技に関する情報に基づき、前扉2に設けられた発光装置71を制御することによる発光による装飾や、前扉2に設けられたスピーカ4による音声による演出を行う。すなわち、画像表示装置3、スピーカ4、発光装置(ランプ、LED)71、演出装置(モータ、センサ)72は演出手段の一部をなすものである。
以上のような構成を有するパチスロ遊技機1においては、遊技者がメダル投入口15からメダルを投入することによってベットされ、そのベット数に応じて有効ラインが設定される。また、最大ベット数を超えるメダルの投入があった場合であって、クレジット可能とされている場合は、所定数までクレジットとして記憶される。また、クレジットとして記憶されているメダルがある場合は、マックスベットボタン16を操作することで、クレジットが最大ベット数以上あれば最大ベット数までベットされる。なお、クレジットが最大ベット数未満の場合は、クレジットのすべてがベットされる。また、1ベットボタンを操作すると1枚ずつベットされる。
ベットを行った後、スタートレバー21を操作することによって、遊技制御装置50において抽選処理がなされて役の当選の有無が決定され、変動表示装置7の変動表示が開始される。所定時間経過後、リールストップボタン24a,24b,24cを押すことによって、遊技制御装置50における役の当選の有無に基づく停止制御により変動表示装置7が停止する。そして、変動表示装置7において、有効ライン上で当選した役に対応する図柄組合せ態様が導出された場合に役が成立し、該図柄組合せ態様に対応した枚数のメダルがメダル払出装置63から払い出されるとともに受け皿27に排出される。もしくは、クレジットとして記憶される。
以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによって遊技を行うようになっている。なお、当選した役によっては、リールストップボタン24a,24b,24cを押すタイミングによっては役が成立しない場合がある(いわゆる取りこぼし)。ただし、当選した役が特別役であった場合は、これらの役が成立するまで継続して役の成立の権利が毎回のゲームに持ち越される。また、特別図柄組合せ態様のうちの何れかが導出されて特別役が成立した場合は、容易に多量の遊技媒体を獲得可能な特別遊技状態を実行可能となる。すなわち、遊技制御装置50が、予め定められた複数の特別図柄組合せ態様のうちの何れかが導出された場合に、通常状態よりも有利にゲームが実行可能となる特別遊技状態を発生可能な特別遊技状態発生手段をなす。
次に、以上のような構成を有するパチスロ遊技機1における遊技の流れについて説明する。図5に示すように、通常状態S1で特別役のうち第1レギュラーボーナス(RB1)、第2レギュラーボーナス(RB2)のいずれかのレギュラーボーナス(RB)に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されてレギュラーボーナスが成立すると、RB(レギュラーボーナス)状態S2となる。なお、通常状態S1とは、特別遊技状態(RB状態S2、BB状態S5)や後述するリプレイタイム(特殊RT状態S3,S6、通常RT状態S4、S7)中でない状態である。
RB状態S2では、所定の役が8回成立するか12ゲーム終了するかの何れかの条件が達成されるまで継続するボーナスゲームが実行される。このボーナスゲームの終了後、RB状態S2から特殊RT状態S3に移行する。
特殊RT状態S3は、特殊再遊技役(特殊リプレイ役)が通常状態S1よりも高確率で内部当選するような状態で、所定数のゲーム(例えば10ゲーム)を限度に継続する特殊RTが実行される。
図4(b)に示すように、特殊再遊技役は、成立することで賭数の入力なしでゲームが実行可能となる(再遊技が可能となる)再遊技役であるとともに、その成立により通常RT100ゲームの実行権利が得られる役であり、対応する図柄組合せ態様が異なる第1特殊再遊技役、第2特殊再遊技役、第3特殊再遊技役が設定されている。そして、複数の特殊再遊技役のそれぞれに対応する図柄組合せ態様は、第1リール6aに配された3種類の特別役図柄のうち1つと、第2リール6b及び第3リール6cのリプレイ図柄(再遊技図柄)とから構成されている。これら複数種類の特殊再遊技役のそれぞれに対応するフラグはそれぞれ異なるものであって、成立したフラグに対応した図柄組合せ態様が導出された場合にのみ当該特殊再遊技役が成立するようになっている。
図5に示す特殊RT状態S3において実行される特殊RTでは、遊技者は複数種類の特殊再遊技役のうち、どの特殊再遊技役に内部当選したかがわからないようになっており、遊技者は内部当選した特殊再遊技役を予想して狙うこととなる。そして、遊技者が内部当選した特殊再遊技役に対応した図柄組合せ態様を狙えば(リールの引込制御で引き込み可能な範囲で停止操作を行えば)当該図柄組合せ態様が導出されて特殊再遊技役が成立する。また、内部当選した特殊再遊技役以外の特殊再遊技役に対応した図柄組合せ態様を狙った場合は当該図柄組合せ態様が導出されず、特殊再遊技役が成立しない。
ここで、図4(a)に示すように、第1リール6aには特別役図柄が3種類配されており、各特別役図柄の間には、特殊再遊技役の図柄組合せ態様を構成しない図柄が6図柄配されている。また、各リール6a,6b,6cは、引込制御により停止操作が行われてから4図柄変化可能とされている。さらに、各図柄表示部7a,7b,7cからは、各リール6a,6b,6cの連続する3図柄が視認可能となり、この視認可能となる部分に有効ラインが設定されるようになっている。
よって、第1リール6aにおいては、同時に2つの特別役図柄を狙うことができないとともに、常に何れか1つの特別役図柄が第1図柄表示部7aに位置するか、リールの引込制御で図柄表示部に引き込み可能な範囲にあることとなる。これにより、遊技者は複数種類の特殊再遊技役のうち1種類しか狙えないこととなり、勘を頼りに特殊再遊技役を成立させるしかないので、遊技の興趣を向上できるとともに、初心者と熟練者との間で獲得利益に差ができことを防止できる。
図5に示すように、特殊RT状態S3における特殊RTにおいて、所定数のゲーム(例えば10ゲーム)以内に特殊再遊技役(特殊リプレイ役)が成立しなかった場合は、通常状態S1に戻るようになっている。また、特殊RT状態S3における特殊RTにおいて、特殊再遊技役(特殊リプレイ役)が成立した場合は、特殊RTを終了して通常RT状態S4に移行する。
通常RT状態S4は、成立することで賭数の入力なしでゲームが実行可能となる(再遊技が可能となる)再遊技役をなす通常再遊技役(通常リプレイ役)が通常状態S1よりも高確率で内部当選するような状態で、所定数のゲーム(例えば100ゲーム)を限度に継続する通常RTが実行される。この通常RT状態S4において特別役に内部当選した場合は、その内部当選の時点で通常RTを終了し、その後、内部当選した特別役に対応する図柄組合せ態様の導出による特別役の成立に基づき特別役のボーナスゲームを実行する。そして、ボーナスゲームの終了後、成立した特別役の種類によって特殊RT状態S3もしくは後述するAT付き特殊RT状態S6の何れかの状態に移行する。
なお、通常RT状態S4において、成立した特別役がレギュラーボーナス(RB)もしくはノーマルビッグボーナス(NBB)である場合は、各ボーナスゲームの終了後、上述の特殊RT状態S3に移行し、特殊RTが実行される。また、通常RT状態S4において、成立した特別役がスーパービッグボーナス(SBB)であった場合は、ボーナスゲームの終了後、後述するAT付き特殊RT状態S6に移行するようになっている。
また、通常状態S1で特別役のうちスーパービッグボーナス(SBB)、ノーマルビッグボーナス(NBB)のいずれかのビッグボーナス(BB)に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されてビッグボーナスが成立すると、BB(ビッグボーナス)状態S5となる。
BB状態S5では、払出メダル枚数が250枚で終了するボーナスゲームが実行される。このボーナスゲームの終了後、成立したビッグボーナスがノーマルビッグボーナス(NBB)であった場合は、BB状態S5から特殊RT状態S3に移行し、上述の特殊RTが実行される。また、成立したビッグボーナスがスーパービッグボーナス(SBB)であった場合は、BB状態S5からAT(アシストタイム)付き特殊RT状態S6に移行する。
AT付き特殊RT状態S6は、特殊RTとして特殊再遊技役(特殊リプレイ役)が通常状態S1よりも高確率で内部当選するのに加え、AT(アシストタイム)として画像表示装置などにより、内部当選した特殊再遊技役の種類が報知されるAT付き特殊RTが実行される状態であり、所定数のゲーム(例えば10ゲーム)を限度に継続可能とされている。よって、遊技者は複数種類の特殊再遊技役のうち、どの特殊再遊技役に内部当選したかがわかるので、内部当選した特殊再遊技役に対応した図柄組合せ態様を狙うことができ、容易に特殊再遊技役を成立させることができる。すなわち、AT付き特殊RT状態S6は、通常RT状態S3よりも遊技者にとって有利な状態である。
AT付き特殊RT状態S6におけるAT付き特殊RTにおいて、所定数のゲーム(例えば10ゲーム)以内に特殊再遊技役(特殊リプレイ役)が成立しなかった場合は、通常状態S1に戻るようになっている。また、AT付き特殊RT状態S6におけるAT付き特殊RTにおいて、特殊再遊技役(特殊リプレイ役)が成立した場合は、その時点でAT付き特殊RTを終了して第2通常RT状態S7に移行する。
第2通常RT状態S7は、通常再遊技役(リプレイ役)が通常状態S1よりも高確率で内部当選するような状態で、所定数のゲーム(例えば100ゲーム)を限度に継続する通常RTが実行される。
この第2通常RT状態S7における通常RTにおいて、所定数のゲーム(例えば100ゲーム)以内に特別役に内部当選しなかった場合は、第1通常RT状態S4と同様に通常状態S1に戻るようになっている。また、通常RT状態S7における通常RTにおいて特別役に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて特別役が成立した場合は、その時点で通常RTが終了して成立した特別役のボーナスゲームを実行する。そして、ボーナスゲームの終了後、第1通常RT状態S4とは異なり、成立した特別役にかかわらずAT付き特殊RT状態S6に移行する。すなわち、第2通常RT状態S7は、第1通常RT状態よりも遊技者にとって有利な状態である。
このように、第2通常RT状態S7で特別役に内部当選した場合は、成立した特別役にかかわらずAT付き特殊RT状態S6に移行するので、再び第2通常RT状態S7となる可能性が高く、以降このサイクルを繰り返す可能性も高い。つまり、スーパービッグボーナス(SBB)が成立した場合は、以降の遊技が遊技者にとって有利に進行することとなる。
以上のことから、特殊RT状態及びAT付き特殊RT状態が所定条件の成立(ボーナスの発生)に基づき発生する第1特定遊技状態をなし、複数の特殊再遊技役が第1特定遊技状態中に各々内部抽選確率が通常よりも高められる複数の第1再遊技役をなす。また、第1通常RT状態及び第2通常RT状態が複数の第1再遊技役のうち何れかの成立に基づき発生する第2特定遊技状態をなし、通常再遊技役が第2特定遊技状態中に内部抽選確率が通常よりも高められる第2再遊技役をなす。
なお、特殊再遊技役は、通常状態S1でも成立する可能性があり、成立した場合は第1通常RT状態S4に移行し、通常RTが実行される。
また、特殊RT状態S3、AT付き特殊RT状態S6で特別役に内部当選した場合は特殊RTを終了し、当該特別役の成立に伴いRB状態S2もしくはBB状態S5に移行する。そして、ボーナスゲームが終了した後に再度特殊RT状態S3もしくはAT付きRT状態S6に移行し、所定数のゲーム(例えば10ゲーム)以内の特殊RTを実行可能となる。
次に、上述のような状態の遷移に関して遊技制御装置50で行われる制御のうち、特殊RTに関する特殊RT制御処理について説明する。図6(a)に示すように、特殊RT制御処理では、まず、ボーナス終了後10ゲーム以内であるか否かの判定(ステップA1)により、特殊RTを実行可能な期間であるかを判定する。
このボーナス終了後10ゲーム以内であるか否かの判定(ステップA1)において、ボーナス終了後10ゲーム以内でない場合(ステップA1;N)、すなわち特殊RTを実行可能な期間でない場合は、特殊RT制御処理を終了する。また、ボーナス終了後10ゲーム以内であるか否かの判定(ステップA1)において、ボーナス終了後10ゲーム以内である場合(ステップA1;Y)、すなわち特殊RTを実行可能な期間である場合は、特殊リプレイ(特殊再遊技役)を全て高確率にする処理(ステップA2)を行う。
この特殊リプレイ(特殊再遊技役)を全て高確率にする処理(ステップA2)では、複数種類ある特殊再遊技役の全ての当選確率を、通常状態S1における確率(例えば、1/8192)よりも高確率(例えば、約1/3もしくは1/5)にする処理を行う。その後、特殊リプレイ(特殊再遊技役)が内部当選したか否かの判定(ステップA3)を行う。
この特殊リプレイ(特殊再遊技役)が内部当選したか否かの判定(ステップA3)において、特殊リプレイが内部当選していない場合(ステップA3;N)は、特殊RT制御処理を終了する。また、特殊リプレイ(特殊再遊技役)が内部当選したか否かの判定(ステップA3)において、特殊リプレイが内部当選している場合(ステップA3;Y)は、スーパービッグボーナス(SBB)の終了後であるか否かの判定(ステップA4)を行う。
スーパービッグボーナス(SBB)の終了後であるか否かの判定(ステップA4)では、今回の特殊RT状態が、スーパービッグボーナスの終了後に発生した特殊RT状態、すなわち、図5に示すAT付き特殊RT状態S6であるかを判定する。このスーパービッグボーナスの終了後であるか否かの判定(ステップA4)において、スーパービッグボーナスの終了後である場合(ステップA4;Y)は、当選した特殊リプレイ(特殊再遊技役)の種類を報知する処理(ステップA5)を行う。
当選した特殊リプレイ(特殊再遊技役)の種類を報知する処理(ステップA5)では、演出制御装置70に対して内部当選した特殊再遊技役の種類の報知に関する情報を出力する処理を行う。この処理により出力された情報に基づき、演出制御装置70が画像表示装置3により内部当選した特殊再遊技役の種類を遊技者に報知する処理を行う。すなわち、遊技制御装置50、演出制御装置70が特殊RT状態中(第1特定遊技状態中)に、複数の特殊再遊技役(第1再遊技役)の何れかが内部当選した場合に、当該内部当選した特殊再遊技役(第1再遊技役)を成立させるための情報を報知する報知手段をなす。なお、画像表示装置3以外にスピーカ4,4からの音声や発光装置71の点灯、点滅により報知するようにしても良いし、これらを併用しても良い。この当選した特殊リプレイ(特殊再遊技役)の種類を報知する処理(ステップA5)を行った後、特殊RT制御処理を終了する。
また、スーパービッグボーナスの終了後であるか否かの判定(ステップA4)において、スーパービッグボーナスの終了後でない場合(ステップA4;N)は、連続フラグがセットされているか否かの判定(ステップA6)を行う。
連続フラグがセットされているか否かの判定(ステップA6)では、後述する通常RT発生処理でセットされる連続フラグの有無が判定される。なお、この連続フラグは、スーパービッグボーナスの終了後にセットされ、通常RTの所定数のゲーム(例えば、100ゲーム)の実行による終了により解除されるものである。
この連続フラグがセットされているか否かの判定(ステップA6)において、連続フラグがセットされている場合(ステップA6;Y)は、当選した特殊リプレイ(特殊再遊技役)の種類を報知する処理(ステップA5)を行い、特殊RT制御処理を終了する。これにより、第2通常RT状態でスーパービッグボーナス以外のボーナスに内部当選した場合でも、そのボーナスゲームの終了後に、再び図5に示すAT付き特殊RT状態S6となる。
また、連続フラグがセットされているか否かの判定(ステップA6)において、連続フラグがセットされていない場合(ステップA6;N)は、特殊RT制御処理を終了する。すなわち、図5に示す特殊RT状態S3となる。
よって、遊技制御装置50が、所定数のゲーム(例えば、10ゲーム)を実行するまで特殊RT状態S3、AT付き特殊RT状態S6(第1特定遊技状態)を継続可能に制御する特定遊技状態継続制御手段をなす。また、遊技制御装置50が、特別遊技状態の終了後、特殊RT状態S3、AT付き特殊RT状態S6(第1特定遊技状態)を発生可能な特定遊技状態発生手段をなす。さらに、遊技制御装置50が、報知手段(遊技制御装置50、演出制御装置70)を作動させるか否かを決定する決定手段をなす。
以上のことから、所定数のゲームを実行するまで第1特定遊技状態(特殊RT状態S3、AT付き特殊RT状態S6)を継続可能に制御する特定遊技状態継続制御手段(遊技制御装置50)を備えたこととなる。
また、予め定められた複数の特別図柄組合せ態様のうちの何れかが導出された場合に、通常状態よりも有利にゲームが実行可能となる特別遊技状態を発生可能な特別遊技状態発生手段(遊技制御装置50)と、特別遊技状態の終了後、第1特定遊技状態(特殊RT状態S3、AT付き特殊RT状態S6)を発生可能な特定遊技状態発生手段(遊技制御装置50)と、を備え、決定手段(遊技制御装置50)は、複数の特別図柄組合せ態様のうち特定の特別図柄組合せ態様の導出に基づき、報知手段(遊技制御装置50、演出制御装置70)を作動させることを決定するようにしたこととなる。
次に、上述のような状態の遷移に関して遊技制御装置50で行われる制御のうち、通常RTの発生に関する通常RT発生処理について説明する。図6(b)に示すように、通常RT発生処理では、まず、特殊リプレイ(特殊再遊技役)が成立したか否かの判定(ステップA7)を行う。なお、この特殊リプレイ(特殊再遊技役)が成立したか否かの判定(ステップA7)では、特殊再遊技役の内部当選の有無ではなく、内部当選した特殊再遊技役に対応する図柄組合せ態様が導出されて特殊再遊技役が成立したかを判定している。
特殊リプレイ(特殊再遊技役)が成立したか否かの判定(ステップA7)において、特殊リプレイ(特殊再遊技役)が成立していない場合(ステップA7;N)は、通常RT発生処理を終了する。また、特殊リプレイ(特殊再遊技役)が成立したか否かの判定(ステップA7)において、特殊リプレイ(特殊再遊技役)が成立している場合(ステップA7;Y)は、通常RTフラグをセットする処理(ステップA8)を行う。ここでセットされる通常RTフラグに基づき通常RTが実行されるようになる。なお、通常RTフラグは、特別役の当選、所定数のゲーム(例えば100ゲーム)の実行により解除され、通常RTが終了する。
通常RTフラグをセットする処理(ステップA8)を行った後、スーパービッグボーナス(SBB)の終了後か否かの判定(ステップA9)を行う。このスーパービッグボーナスの終了後であるか否かの判定(ステップA8)では、今回の特殊再遊技役の成立がスーパービッグボーナスの終了後に発生した特殊RTにおける成立であるかを判定する。
スーパービッグボーナスの終了後であるか否かの判定(ステップA8)において、スーパービッグボーナスの終了後でない場合(ステップA8;N)は、通常RT発生処理を終了する。また、スーパービッグボーナスの終了後であるか否かの判定(ステップA8)において、スーパービッグボーナスの終了後である場合(ステップA8;Y)は、連続フラグをセットする処理(ステップA10)を行い、通常RT発生処理を終了する。この連続フラグのセットによって、この後に移行する状態が第2通常RT状態S7となり、以降の遊技が遊技者に有利に進行するようになる。なお、連続フラグは、通常RTの所定数のゲーム(例えば100ゲーム)の実行により解除される。
以上のことから、複数のリール6a,6b,6cを変動表示させてゲームを実行し、該ゲームの実行毎に行われる内部抽選結果が再遊技役に内部当選した場合に該再遊技役に対応する図柄組合せ態様を形成し得るように複数のリール6a,6b,6cの停止制御を行う制御手段(遊技制御装置50)を備え、該再遊技役に対応する図柄組合せ態様が導出された場合に再遊技役が成立して賭数の入力なしでゲームが実行可能となるスロットマシン(パチスロ遊技機1)において、再遊技役は、所定条件の成立に基づき発生する第1特定遊技状態(特殊RT状態S3、AT付き特殊RT状態S6)中に各々内部抽選確率が通常よりも高められる複数の第1再遊技役(特殊再遊技役)と、該複数の第1再遊技役のうち何れかの成立に基づき発生する第2特定遊技状態(第1通常RT状態S4、第2通常RT状態S7)中に内部抽選確率が通常よりも高められる第2再遊技役(通常再遊技役)と、から構成され、第1特定遊技状態中に、複数の第1再遊技役の何れかが内部当選した場合に、当該内部当選した第1再遊技役を成立させるための情報を報知する報知手段(遊技制御装置50、演出制御装置70)と、報知手段を作動させるか否かを決定する決定手段(遊技制御装置50)と、を備えたこととなる。
また、特定(スーパービッグボーナス)の特別図柄組合せ態様の導出に基づき発生した特別遊技状態を契機に、第2特定遊技状態(第1通常RT状態S4、第2通常RT状態S7)が発生し、当該第2特定遊技状態中のゲームにおいて特別役に当選した場合には、決定手段(遊技制御装置50)は、特定の特別図柄組合せ態様以外(ノーマルビッグボーナス、レギュラービッグボーナス)の特別図柄組合せ態様でも、報知手段(遊技制御装置50)を作動させることを決定するようにしたこととなる。
なお、報知手段が作動していない特殊RT中において、所定の乱数(例えば、スタート時)を抽出し、抽出結果が当り値であった場合には、その後特殊再遊技役が内部当選した場合に所定回数(例えば、1回)報知を行うサービス報知手段を備えるようにしても良い。このような機能を備えれば、例え報知手段が作動していない場合でも、遊技者の期待感を高めることができ、遊技意欲を向上させることができる。
また、特殊RT中に1回も特殊再遊技役が内部当選しなかった場合には、特殊RTの終了後に通常RTを発生させるようにしても良い。このようにすれば、遊技者の不満を防止できる。なお、このような制御を、報知手段が作動している特殊RTのときだけに行うようにしても良いし、全ての特殊RTにおいて行うようにしても良い。
また、特殊RTのゲーム回数や特殊RT中の特殊再遊技役の当選確率は固定でなくてもよく、例えば、ボーナスの種類に応じて変化させたり、乱数の抽出結果でその都度回数や当選確率を決定したりするようにしても良い。
また、特殊RTの発生契機の所定条件としてボーナスゲーム終了後としたが、これ以外にも、特定の図柄組合せ態様の導出に基づくボーナスゲームの終了、ボーナスゲーム終了後所定数のゲーム実行時点、特定の小役成立時点、電源投入時点、確率設定値の変更及び打ち直し時点、などとしても良い。
また、通常RT中にボーナスが内部当選した場合には、通常RTを終了するようにしたが、ボーナスが内部当選しても通常RTは終了させないで規定ゲーム回数まで継続するようにしても良い。
また、特殊再遊技役を成立させるためには、第1リール6aのみ狙い操作が必要な構成としたが、2つのリールを狙う必要があるもの、或いは全てのリールを狙う必要があるものとしても良い。
また、特殊RT中に、特定の小役(例えば、スイカやチェリー等の当選頻度の少ない役)が内部当選(或いは成立)した場合に、特殊RTの継続可能なゲーム数を所定数だけ延長したり、或いは、特定の小役が内部当選(或いは成立)した時点から規定ゲーム数(例えば、10ゲーム)の実行を可能としたりする第1特定遊技状態延長手段を設けるようにしてもよい。これにより遊技者の期待感および興趣を向上させることができる。
次に、上述の実施形態のパチスロ遊技機1の第1変形例について図7(a)を参照して説明する。なお、基本的には、上述の実施形態のパチスロ遊技機と同様の構成を有しており、以下、主に異なる部分について説明する。本変形例のパチスロ遊技機は、AT付き特殊RT状態S6における特殊再遊技役の取りこぼしに対して救済処理を行う救済手段を備えている。
救済処理においては、まず、現在の遊技状態が特殊RT状態中であるか否かの判定(ステップB1)を行う。この特殊RT中であるか否かの判定(ステップB1)において、特殊RT中でない場合(ステップB1;N)は、救済処理を終了する。また、特殊RT中であるか否かの判定(ステップB1)において、特殊RT中である場合(ステップB1;Y)は、連続フラグがセットされているか否か(或いは、スーパービッグボーナスの終了後か否か)の判定(ステップB2)を行う。
連続フラグがセットされているか否かの判定(ステップB2)では、連続フラグの有無から、現在の遊技状態が内部当選した特殊再遊技役の種類が報知されるAT付き特殊RT状態S6であるかを判定する。この連続フラグがセットされているか否かの判定(ステップB2)において、連続フラグがセットされていない場合(ステップB2;N)、すなわち通常の特殊RT状態S3である場合は、救済処理を終了する。また、連続フラグがセットされているか否かの判定(ステップB2)において、連続フラグがセットされている場合(ステップB2;Y)、すなわちAT付き特殊RT状態S6である場合は、特殊リプレイ(特殊再遊技役)が内部当選したか否かの判定(ステップB3)を行う。
特殊リプレイ(特殊再遊技役)が内部当選したか否かの判定(ステップB3)において、特殊リプレイが内部当選していない場合(ステップB3;N)は、救済処理を終了する。また、特殊リプレイ(特殊再遊技役)が内部当選したか否かの判定(ステップB3)において、特殊リプレイが内部当選している場合(ステップB3;Y)は、目押しミスが発生したか否かの判定(ステップB4)を行う。
目押しミスが発生したか否かの判定(ステップB4)では、内部当選した特殊再遊技役に対応した図柄組合せ態様が導出されず、当該特殊再遊技役が成立しなかったことを判定する。この目押しミスが発生したか否かの判定(ステップB4)において、目押しミスが発生していない場合(ステップB4;N)、すなわち内部当選した特殊再遊技役に対応した図柄組合せ態様が導出された場合は、救済処理を終了する。また、目押しミスが発生したか否かの判定(ステップB4)において、目押しミスが発生した場合(ステップB4;Y)は、特殊RTゲームの実行上限回数(例えば10ゲーム)を1ゲーム増加する処理(ステップB5)を行い、救済処理を終了する。すなわち、遊技制御装置50が、特殊再遊技役を成立させるための情報を報知したにもかかわらず、当該内部当選した特殊再遊技役が成立しなかった場合に、所定の遊技価値を付与する救済手段(遊技制御装置50)をなす。このような救済処理により、初心者と熟練者との間で獲得利益に差ができことを防止できる。
以上のことから、第1特定遊技状態(特殊RT状態)中に、複数の第1再遊技役(特殊再遊技役)の何れかが内部当選し、報知手段(遊技制御装置50、演出制御装置70)により当該内部当選した第1再遊技役を成立させるための情報を報知したにもかかわらず、当該内部当選した第1再遊技役が成立しなかった場合に、所定の遊技価値を付与する救済手段(遊技制御装置50)を備えたこととなる。
なお、本変形例では、目押しミスが発生した場合に特殊RTのゲーム数をその分増加させるようにしているが、その他、例えば、目押しミスで特殊再遊技役の内部当選確率を更に高めるようにしても良い。また、所定回数目押しミスした場合には、次ゲームから(或いはその時点から)特殊再遊技役の成立ではなく内部当選した時点で、通常RTを発生するようにしても良い。さらに、目押しミスが発生した場合(1回或いは所定回数)、その旨を係員に報知する目押しミス報知手段を備えても良い。また、目押しミスの発生をパチスロ遊技機の外部にある管理装置側に外部信号として出力する外部出力手段を備え、管理装置が目押しミスをしたことを係員に伝達するようにしても良い。この場合、外部信号の出力以外に、係員が遊技者に代わって目押しをする所謂目押しサービスの実行のために該当台に到達するまで次のゲームの開始を待つように遊技者に促す報知(画像表示)を行う待機指示手段や、係員が該当台に到達するまで次のゲームが行われるのを極力防止するために、次のゲームの実行を遅延するゲーム遅延手段を備えるようにしても良い。上記のようにすれば、目押しの得意でない初心者でも安心して遊技が行えるようになる。
次に、上述の実施形態のパチスロ遊技機1の第2変形例について図7(b)を参照して説明する。なお、基本的には、上述の実施形態のパチスロ遊技機と同様の構成を有しており、以下、主に異なる部分について説明する。本変形例のパチスロ遊技機は、特殊RT状態もしくはAT付き特殊RT状態において特別役が内部当選した場合に、以降のゲームが遊技者にとって有利に進行するようにする連続ボーナス監視処理を行う連続ボーナス監視手段を備えている。
連続ボーナス監視処理においては、まず、特殊RT中であるか否かの判定(ステップC1)を行う。この特殊RT中であるか否かの判定(ステップC1)において、特殊RT中でない場合(ステップC1;N)は、連続ボーナス監視処理を終了する。また、特殊RT中であるか否かの判定(ステップC1)において、特殊RT中である場合(ステップC1;Y)は、ボーナス(特別役)が内部当選したか否かの判定(ステップC2)を行う。
このボーナス(特別役)が内部当選したか否かの判定(ステップC2)において、ボーナスが内部当選していない場合(ステップC2;N)は、連続ボーナス監視処理を終了する。また、ボーナス(特別役)が内部当選したか否かの判定(ステップC2)において、ボーナスが内部当選した場合(ステップC2;Y)は、連続フラグをセットする処理(ステップC3)を行い、連続ボーナス監視処理を終了する。この連続フラグのセットにより、スーパービッグボーナスが成立した場合と同様に、以降のゲームが遊技者にとって有利に進行するようになる。すなわち、遊技制御装置50が、特殊RT中に特別役が内部当選した場合に、所定の遊技価値を付与する連続ボーナス監視手段をなす。
このような連続ボーナス監視処理により、実行期間が短い(例えば10ゲーム)特殊RT中に特別役が内部当選するという稀な事象の発生に対して、遊技者に所定の遊技価値を付与することができるようになる。
なお、連続ボーナス監視手段は、全ての種類の特別役を監視するようにしても良いし、スーパービッグボーナス以外の一部の種類の特別役のみを監視するようにしても良い。
また、本変形例を上述の第1変形例のパチスロ遊技機に適用しても良い。
以上のことから、第1特定遊技状態(特殊RT)中に、特別役が内部当選した場合に、所定の遊技価値を付与する連続ボーナス監視手段(遊技制御装置50)を備えたこととなる。
次に、上述の実施形態のパチスロ遊技機1の第3変形例について図8を参照して説明する。なお、基本的には、上述の実施形態のパチスロ遊技機と同様の構成を有しており、以下、主に異なる部分について説明する。本変形例のパチスロ遊技機は、特殊再遊技役に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄の近傍に、その成立により特殊RTを終了する図柄組合せ態様を構成する図柄を配している。
図4(b)に示すように、複数の特殊再遊技役のそれぞれに対応する図柄組合せ態様は、第1リールに配された特別役図柄の1つと、第2リール及び第3リールのリプレイ図柄(再遊技図柄)とから構成されている。また、第1リール6aには、この複数の特殊再遊技役のそれぞれに対応する図柄組合せ態様を構成する特別役図柄が3種類配されている。
本変形例の第1リール6aには、複数の特殊再遊技役のそれぞれに対応する図柄組合せ態様を構成する特別役図柄の1図柄手前に、転落役に対応する図柄組合せ態様を構成する転落役図柄(チェリー)が配されている。この転落役は、成立することで2枚のメダル払い出しに加え、特殊RTを終了して通常状態とするような役である。すなわち、遊技者にとって不利な役である。この転落役には、特殊再遊技役の種類と同じ数である3種類の第1転落役、第2転落役、第3転落役が設定されている。
第1リール6aには、複数の転落役のそれぞれに対応する図柄組合せ態様を構成する転落役図柄として、第1転落役図柄をなす赤チェリー、第2転落役図柄をなす白チェリー、第3転落役図柄をなす黒チェリーの3種類が配されている。そして、複数種類の転落役のそれぞれに対応する図柄組合せ態様は、図8(b)に示すように、第1リール6aに配された各チェリーのみで構成され、第2リール及び第3リールは任意の図柄とされている。また、これら複数種類の転落役のそれぞれに対応するフラグはそれぞれ異なるものであって、成立したフラグに対応した図柄組合せ態様が導出された場合にのみ当該転落役が成立するようになっている。
また、転落役を構成する各転落役図柄は、特殊再遊技役を構成する各特別役図柄の1図柄手前(1図柄上側)に配されている。すなわち、第1特別役図柄(黒色の7)の1図柄手前には第1転落役図柄(赤チェリー)が、第2特別役図柄(白色の7)の1図柄手前には第2転落役図柄(白チェリー)が、第3特別役図柄(BAR)の1図柄手前には第3転落役図柄(黒チェリー)が配されている。なお、第1特別役図柄は、図中では黒色であるが実際には赤色であり、各特別役図柄の色と1図柄手前(1図柄上側)に配されている各転落役図柄の色とが一致するようにされ、遊技者が狙いやすくなるようにされている。
上述したように、各特別役図柄の間には、特殊再遊技役の図柄組合せ態様を構成しない図柄が6図柄配されている。また、リール6a,6b,6cは引込制御において停止操作が行われてから4図柄変化可能とされ、図柄表示部7a,7b,7cからは、リール6a,6b,6cの連続する3図柄が視認可能となり、この視認可能となる部分に有効ラインが設定されるようになっている。これにより、第1リール6aでは、同時に2つの特別役図柄を狙うことができないとともに、常に何れか1つの特別役図柄が図柄表示部7aに位置するか引込制御で図柄表示部7aに引き込み可能な範囲にあるようにされている。
そして、このように配された各特別役図柄の1図柄手前に各転落役図柄が配されているので、各転落役図柄も同時に二つ狙うことができないとともに、特別役図柄のどれかを狙うと必ず何れかの転落役図柄も狙うこととなる。
この転落役の内部当選確率は比較的高い確率(1/20)とされており、特殊RT中は、主に特殊再遊技役と転落役とが内部当選するようになっている。そして、遊技者が狙った特別役図柄に対応する特殊再遊技役が内部当選していた場合には、当該特殊再遊技役が成立して通常RTが発生するが、その反面、遊技者が狙った特別役図柄の近傍に配された転落役図柄に対応する転落役が内部当選していた場合には、当該転落役が成立して通常RTが終了することとなる。
これにより、特殊再遊技役の成立による特殊RTから通常RTへの移行に対する期待感と同時に、特殊RTの終了に対する恐怖感も味わえ、従来にない極めて斬新な遊技を行うことができる。また、特殊RT状態の途中終了機能を設けることとなるので、特殊RT状態の最高継続ゲーム数を比較的長く(例えば、50ゲーム等)設定でき、その分期待感および興趣が向上する。
なお、AT付き特殊RTの場合は、内部当選した転落役も報知するようにし、特殊RTが途中で終了しないように防止しても良い。
また、本変形例を上述の第1変形例、第2変形例のパチスロ遊技機に適用しても良い。
以上のことから、第1特定遊技状態(特殊RT)中に、転落役に対応する図柄組合せ態様の導出に基づき、当該第1特定遊技状態を終了する第1特定遊技状態終了手段(遊技制御装置50)を備え、少なくとも1つのリールには、複数の転落役を成立させる各図柄(転落役図柄)を、リールの引込制御を利用して同時に複数の図柄を狙えない間隔をおいて配列したこととなる。
以上のようなスロットマシン(パチスロ遊技機1)は、複数のリール6a,6b,6cを変動表示させてゲームを実行し、該ゲームの実行毎に行われる内部抽選結果が再遊技役に内部当選した場合に該再遊技役に対応する図柄組合せ態様を形成し得るように複数のリール6a,6b,6cの停止制御を行う制御手段(遊技制御装置50)を備え、該再遊技役に対応する図柄組合せ態様が導出された場合に再遊技役が成立して賭数の入力なしでゲームが実行可能となるスロットマシンであって、再遊技役は、所定条件の成立に基づき発生する第1特定遊技状態(特殊RT状態S3、AT付き特殊RT状態S6)中に各々内部抽選確率が通常よりも高められる複数の第1再遊技役(特殊再遊技役)と、該複数の第1再遊技役のうち何れかの成立に基づき発生する第2特定遊技状態(第1通常RT状態S4、第2通常RT状態S7)中に内部抽選確率が通常よりも高められる第2再遊技役(通常再遊技役)と、から構成され、第1特定遊技状態中に、複数の第1再遊技役の何れかが内部当選した場合に、当該内部当選した第1再遊技役を成立させるための情報を報知する報知手段(遊技制御装置50、演出制御装置70)と、報知手段を作動させるか否かを決定する決定手段(遊技制御装置50)と、を備えている。
したがって、再遊技役は、所定条件の成立に基づき発生する第1特定遊技状態中に各々内部抽選確率が通常よりも高められる複数の第1再遊技役と、該複数の第1再遊技役のうち何れかの成立に基づき発生する第2特定遊技状態中に内部抽選確率が通常よりも高められる第2再遊技役と、から構成されているので、第1特定遊技状態に関連させて第2特定遊技状態が発生することとなり、第2特定遊技状態の発生態様が多彩化し、従来よりも興趣性が高く、遊技者の期待感を向上できるようなスロットマシンとなる。
また、第1特定遊技状態中に、複数の第1再遊技役の何れかが内部当選した場合に、当該内部当選した第1再遊技役を成立させるための情報を報知する報知手段を備えているので、報知手段の報知により第2特定遊技状態を発生できるか否かの遊技を遊技者に行わせることも可能となり、多少の技量(初心者が損をしない程度)が発揮でき、スロットマシン本来の所望の図柄を狙う遊技性を維持して興趣性を高めることが可能となる。さらに、報知手段を作動させるか否かを決定する決定手段を備えているので、第2特定遊技状態の発生頻度の調整、すなわち遊技店と遊技者との間の利益バランスを調整することが可能となる。
また、所定数のゲームを実行するまで第1特定遊技状態(特殊RT状態S3、AT付き特殊RT状態S6)を継続可能に制御する特定遊技状態継続制御手段(遊技制御装置50)を備えている。
したがって、所定数のゲームを実行するまで第1特定遊技状態を継続可能に制御する特定遊技状態継続制御手段を備えたので、第2特定遊技状態の発生期間を規制でき、第2特定遊技状態の発生を抑制することが可能となる。
また、予め定められた複数の特別図柄組合せ態様のうちの何れかが導出された場合に、通常状態よりも有利にゲームが実行可能となる特別遊技状態を発生可能な特別遊技状態発生手段(遊技制御装置50)と、特別遊技状態の終了後、第1特定遊技状態(特殊RT状態S3、AT付き特殊RT状態S6)を発生可能な特定遊技状態発生手段(遊技制御装置50)と、を備え、決定手段(遊技制御装置50)は、複数の特別図柄組合せ態様のうち特定の特別図柄組合せ態様の導出に基づき、報知手段(遊技制御装置50、演出制御装置70)を作動させることを決定する。
したがって、決定手段は、複数の特別図柄組合せ態様のうち特定の特別図柄組合せ態様の導出に基づき、報知手段を作動させることを決定するので、全ての特別遊技状態終了後に、報知手段が作動するのではなく、特定の特別図柄組合せ態様で発生した特別遊技状態終了後にのみ報知手段が作動することとなり、遊技店と遊技者との利益バランスを調整することが可能となるとともに、特定の特別図柄組合せ態様の導出に対する期待感を極めて高めることが可能となる。また、特定の特別図柄組合せ態様以外の態様で発生した特別遊技状態の終了後でも、報知手段が作動しないだけで、その時に発生した第1特定遊技状態中に第1再遊技役を成立させることができれば、第2特定遊技状態は発生することとなるので、特定の特別図柄組合せ態様が導出しない場合でも遊技者の期待感が無くなることはないし、遊技性を極めて高めることができる。
また、特定の特別図柄組合せ態様の導出に基づき発生した特別遊技状態を契機に、第2特定遊技状態(第1通常RT状態S4、第2通常RT状態S7)が発生し、当該第2特定遊技状態中のゲームにおいて特別役に当選した場合には、決定手段(遊技制御装置50)は、特定の特別図柄組合せ態様以外の特別図柄組合せ態様でも、報知手段(遊技制御装置50)を作動させることを決定する。
したがって、特定の特別図柄組合せ態様の導出に基づき発生した特別遊技状態を契機に、第2特定遊技状態が発生し、当該第2特定遊技状態中のゲームにおいて特別入賞に当選した場合には、決定手段は、特定の特別図柄組合せ態様以外の特別図柄組合せ態様でも報知手段を作動させるので、一旦特定の特別図柄組合せ態様が導出した場合には、連続して第2特定遊技状態が発生する可能性が高くなり、遊技者の期待感を極めて高めることが可能となる。
また、少なくとも1つのリール6a,6b,6cには、複数の第1再遊技役(特殊再遊技役)を成立させる各図柄を、リール6a,6b,6cの引込制御を利用して同時に複数の図柄を狙えない間隔をおいて配列している。
したがって、少なくとも1つのリール6a,6b,6cには、複数の第1再遊技役を成立させる各図柄を、リール6a,6b,6cの引込制御を利用して同時に複数の図柄を狙えない間隔をおいて配列したので、報知手段が作動しない場合には、遊技者は勘を頼りに第1再遊技役を成立させるしかなくなり、遊技の興趣を向上できるとともに、初心者と熟練者との間で獲得利益に差ができことを防止できる。
なお、本発明は上述したパチスロ遊技機1に限られるものではなく、メダルではなく遊技球を用いて遊技を行うスロットマシンなど、その他のスロットマシンにも適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。