以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1〜5に基づいて、本発明に係るスロットマシン1の概要について示す。
図1は、本発明に係るスロットマシンの一例を示す外観正面図である。
スロットマシン1は、前面が開放した箱形の筐体の内部に各種の機器が設けられるとともに、この筐体の前面に、前面枠2が片開き形式に開閉可能に設けられることで概略構成されている。
前面枠2の上部には、遊技に応じて様々な演出を提供する演出ユニット7が配設されている。この演出ユニット7は、中央に位置する画像表示装置3、画像表示装置3の左右に配された装飾部材8、画像表示装置3の上部に配された発光装置71、画像表示装置3の前面において状態を変換される演出部材72a、演出部材72aの状態を変換させる演出装置72(図2参照)、及び発光装置71の左右に配されたスピーカ4等で構成される。
画像表示装置3は、例えば、液晶表示パネルで構成され、この画像表示装置3において、遊技に関する演出表示のほか、様々な情報などが表示される。演出装置72は、モータやセンサを備えて構成され、演出部材72aの状態を変換することにより演出を行う。また、発光装置71では光による演出が、スピーカ4では音声による演出が行われる。これらを組み合わせることにより様々な態様の演出が可能となっている。なお、演出ユニット7における各種演出は、後述する演出制御装置70によって制御される。
前面枠2の中央部には、後方を視認可能な(例えば透明の)図柄表示窓5が形成されている。この図柄表示窓5を透して、筐体内に配設された変動表示手段としてのリール6の回転により変動表示される図柄を視認可能となっている。リール6は、複数の(例えば3つ)円筒形のリール6a、6b、6c、すなわち、第1リール(左リール)6a、第2リール(中リール)6b、及び、第3リール(右リール)6cが水平方向に並設されて構成されている。これらのリール6a、6b、6cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄が形成されている(図3参照)。また、各リール6a、6b、6cにはそれぞれ、リール用モータ(ステッピングモータ)64a、64b、64c(図3参照)が設けられており、各リール6a、6b、6cを独立して回転駆動ならびに回転停止することが可能となっている。
リール用モータ64によりリール6a、6b、6cを回転させることにより、図柄表示窓5から視認される複数種類の図柄を、例えば上から下へと循環するように変動させる(変動表示)。一方、リール6a、6b、6cが停止している状態では、各リール6a、6b、6cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が図柄表示窓5を介して視認可能となっており、つまり図柄表示窓5には3×3の計9つの図柄が停止表示される。
図柄表示窓5から視認される3×3の図柄行列に対しては、複数の有効化可能ラインが設定されている。すなわち、例えば、各リール6a、6b、6c中段の図柄を横切る有効化可能ライン(中段横ライン)、各リール6a、6b、6c上段の図柄を横切る有効化可能ライン(上段横ライン)、各リール6a、6b、6c下段の図柄を横切る有効化可能ライン(下段横ライン)、第1リール6a下段−第2リール6b中段−第3リール6c上段にかけて各リール6a、6b、6cを斜めに横切る有効化可能ライン(右上がりの斜めライン)、及び、第1リール6a上段−第2リール6b中段−第3リール6c下段にかけて各リール6a、6b、6cを斜めに横切る有効化可能ライン(右下がりの斜めライン)の5ラインが、有効化可能ラインとして設定されている。
そして、遊技者によるメダルの投入又はクレジットからの入力(以下、ベット操作と称する)によって設定されたベット数(賭数)に応じて所定の有効化可能ラインが有効化され、この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様に基づいて入賞の成立/不成立が判断される。例えば、ベット数1では中段横ラインが有効ラインとなり、ベット数2では中段横ラインに加え、上下段横ラインが有効ラインとなり、ベット数3では上中下段横ラインに加え、右上がり、右下がりの斜めラインが有効ラインとなる。なお、ベット数が3の場合でのみゲームを実行可能な所謂3枚がけ専用としてもよく、この場合は常に5つの有効化可能ラインが有効ラインとなる。また、ベット数には無関係にすべてのラインを有効としてもよい。
図柄表示窓5の下側には、クレジット数表示器11、払出数表示器12、獲得枚数表示器13が設けられている。クレジット数表示器11は、クレジットとして記憶されているメダル数を表示し、払出数表示器12は、ボーナスゲーム時の払出枚数を表示するものである。また、獲得枚数表示器13は役成立時の獲得枚数を表示するものである。これらの表示器11、12、13は、後方を透視可能な透明部材の奥に、例えば、7セグメントのLEDからなる表示器を備えるもので、その点灯状態によって各種情報を表示するようになっている。
図柄表示窓5の右下方には、ベット操作によって設定されたベット数(最高3枚)を表示する表示器17が設けられている。このベット数表示器17は、その奥に配されたランプの点灯状態によりメダルのベット数を表示する。
図柄表示窓5の左下方には、各種遊技状態を表示する遊技状態表示器19が設けられており、その奥に配されたランプの点灯状態により現在の遊技状態を表示する。
遊技状態表示器19は、例えば、ベット操作が行われスタートレバー21によるゲームのスタート操作が有効であることを示すスタート表示部、遊技者がスタートレバー21を操作してからリールが回転するまでに待ち時間がある(前回のゲーム開始から一定時間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)ことを示すウェイト表示部、再遊技入賞(リプレイ入賞)が成立してリプレイゲームが付与されたことを示すリプレイ表示部、スロットマシン1が遊技可能な待機状態であることを示しベット操作を示唆するインサートメダル表示部、で構成される。
図柄表示窓5の下側には、前側に突出する段部が形成されていて、その段部の上面が前面棚14とされている。この前面棚14には、メダル投入口15、1ベットボタン(図示略)、マックスベットボタン16が設けられている。
メダル投入口15は、前面棚14におけるスロットマシン1の前面側から見て右側(前面枠2の開放端側)に配設されている。遊技者がこのメダル投入口15にメダルを投入してベット操作を行うことにより、ゲームが実行可能となる。このメダル投入口15から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入検出センサ51(図2参照)が設けられており、このメダル投入検出センサ51による検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。
1ベットボタン及びマックスベットボタン16は、前面棚14におけるスロットマシン1の前面側から見て左側に配設されている。1ベットボタンは、押圧操作を一度行う毎にクレジットから1枚ずつ入力でき、マックスベットボタン16は、押圧操作を一度行うことでクレジットからベット数の限度数(例えば、3枚)まで入力できる。
前面棚14の下側には、クレジット選択ボタン20、スタートレバー21、リールストップボタン24、メダル詰まり解消ボタン22、及び鍵穴23が設けられている。
クレジット選択ボタン20は、メダル投入口15から投入されたメダル又は入賞が成立することにより払い出されるメダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態と、記憶不能な非クレジット状態を切り換えるためのものである。例えば、クレジット状態において、メダル投入口15から最大ベット数(例えば、3枚)を超えるメダルが投入された場合は、最大ベット数を超えた分のメダルは、所定数(例えば50枚)までクレジットとしてスロットマシン1に記憶され、以降のゲームで使用できる。また、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルが投入された場合は、受け皿27に返却される。一方、非クレジット状態では、最大ベット数を超えた分のメダルは受け皿27に返却される。
スタートレバー21は、一区切りのゲームを開始させるための操作レバーである。メダル詰まり解消ボタン22は、メダル投入口15内でメダル詰まりが発生した場合にこれを解消するためのものである。鍵穴23は、前面枠2を開く際、又はスロットマシン1のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際に鍵を差し込むためのものである。
リールストップボタン24は、第1リール6a、第2リール6b、及び第3リール6cとそれぞれ1対1で対応付けられて設けられた第1リールストップボタン24a、第2リールストップボタン24b、及び第3リールストップボタン24cで構成され、停止操作に応じて対応するリール6a、6b、6cの回転をそれぞれ停止させるためのものである。これらのリールストップボタン24a、24b、24cは、例えば、有色半透明の樹脂部材などで形成されている。また、リールストップボタン24a、24b、24cの奥には、該リールストップボタン24a、24b、24cの操作により各リールを停止可能な状態であることを、点灯により報知するためのストップボタンLED66(図2参照)がそれぞれ設けられている。
これらの操作ボタン類が設けられた部分の下側には、前面枠2の下部領域を構成する装飾板25が設けられ、さらに、装飾板25の下側であって前面枠2の最下部には、灰皿26とメダルを貯留するための受け皿27、及び音声を出力するためのスピーカ4が設けられている。
図2は、スロットマシン1の制御系の一部を示すブロック図である。
なお、図1で説明した構成要素(例えば、遊技状態表示器19等)には同一の符号を付し、ここでの説明は省略する。
図2に示すように、スロットマシン1は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置、メイン制御基板)50と、この遊技制御装置50の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置、サブ制御基板)70とを備えて、制御系を構成している。また、この制御系の構成要素は、それぞれ筐体の内部に配されている。
遊技制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)50a、ROM(Read OnlyMemory)50b、RAM(Random Access Memory)50c、I/F(Interface)50d等を備えて構成されている。
CPU50aは、制御部、演算部を備え、遊技制御装置50の演算処理装置として各種演算制御を行う他、内部抽選に用いられる当たり判定用乱数値などの各種乱数値などを生成する。
ROM50bには、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データの他、内部抽選用の判定値(判定テーブル)などが格納されている。また、ROM50bには、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止制御テーブルが格納されている。例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止制御テーブルや、外れに対応する停止制御テーブル等である。
RAM50cは、CPU50aで生成された内部抽選用の乱数の記憶領域、各種データ(例えば、クレジット数のデータ、ベット数のデータ、各種入賞フラグの状態のデータ、および、所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払い出しに係るデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、ならびに、CPU50aの作業領域を備える。
I/F50dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、メダル投入検出センサ51、スタートレバーセンサ52、第1リール(左)停止センサ53a、第2リール(中)停止センサ53b、第3リール(右)停止センサ53c、第1リール(左)位置検出センサ54a、第2リール(中)位置検出センサ54b、第3リール(右)位置検出センサ54c、1ベットセンサ56、マックスベットセンサ57、クレジット選択センサ58、払出メダル検出センサ59、設定装置60、リセットセンサ61、前面枠開放センサ62から出力された各種の信号を、CPU50aに対して出力する。
ここで、メダル投入検出センサ51は、メダル投入口15から投入されたメダルの通過を検出するものであり、この検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。スタートレバーセンサ52は、スタートレバー21が操作されたことを検出するためのスイッチである。
第1リール停止センサ53a、第2リール停止センサ53b、第3リール停止センサ53cは、それぞれに対応するリールストップボタン24a、24b、24cが操作されたことを検出するためのセンサである。第1リール位置検出センサ54a、第2リール位置検出センサ54b、第3リール位置検出センサ54cは、それぞれに対応するリール6a、6b、6cの回動位相を検出するためのセンサである。
1ベットセンサ56は1ベットボタンが操作されたことを、マックスベットセンサ57はマックスベットボタン16が操作されたことを、それぞれ検出するためのセンサである。クレジット選択センサ58はクレジット選択ボタン20が操作されたことを検出するためのセンサである。払出メダル検出センサ59はメダル払出装置63から払い出されたメダルを検出するものであり、この検出情報をもとにメダルの払出枚数がカウントされる。
設定装置60は、設定変更操作に基づき、当該スロットマシン1の設定を切り換えるためのものである。例えば、1ゲーム毎の入賞(例えば、ボーナス入賞)の当選確率が異なる複数の設定(例えば、設定1〜6)の何れかに設定する。リセットセンサ61は、例えば、鍵穴23に差し込まれた鍵が前面枠2を開放する時とは逆に回動されたことを検出し、この検出に基づきスロットマシン1をリセットするためのセンサである。なお、遊技制御装置50は、リセットセンサ61からの検出信号に基づき、例えば、当該スロットマシン1のエラー状態を解除する。前面枠開放センサ62は、前面枠2の開放状態を検出するためのセンサである。
また、I/F50dは、CPU50aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出制御装置70、遊技状態表示器19、ベット数表示器17、クレジット数表示器11、払出数表示器12、獲得枚数表示器13、メダル払出装置63、第1リール用モータ64a、第2リール用モータ64b、第3リール用モータ64c、外部出力端子65、ストップボタンLED66などに出力する。これによって遊技制御装置50による各種構成要素の制御を可能としている。
ここで、メダル払出装置63は、筐体内の下部に配設されていて、有効ライン上に所定の図柄組合せ態様が形成され入賞が成立した場合に、該入賞に対応する枚数のメダル(払出メダル)、又は払出メダルによりクレジットの上限を超えた分のメダルを受け皿27に払い出す。外部出力端子65は、スロットマシン1とは別体で設けられた管理装置等と接続するためのものである。
遊技制御装置50は、上述したように各構成要素とI/F50dを介して電気的に接続されている。遊技制御装置50は、例えば、CPU50aが所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば+1)し、スタートレバーセンサ52による検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として用いて内部抽選を行う。
また、遊技制御装置50は、内部抽選結果と、リールストップボタン24a、24b、24cの停止操作タイミングとに基づいて、対応する停止制御テーブルを参照し、リール用モータ64a、64b、64cの動作を制御することにより、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示されるようにリール6a、6b、6cを停止させる。
例えば、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が、有効ラインに到達する前に停止操作が行われた場合には、リール6a、6b、6cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ライン上に停止表示されるようにする、いわゆる引込停止制御を行う。
また例えば、内部当選していない入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されるタイミングで停止操作が行われた場合に、リール6a、6b、6cを停止させるタイミングを遅らせて有効ライン上に形成されうる図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御を行う。
なお、遊技制御装置50による引込停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能な範囲は、停止操作が行われた位置から所定の図柄数以内(例えば、4コマ以内)とされている。
一方、演出制御装置70は、CPU70a、ROM70b、RAM70c、I/F70d等を備えて構成されている。この演出制御装置70は、遊技制御装置50から出力される遊技に関する情報に基づいて、画像表示装置3における演出表示の制御や、演出装置72の動作の制御、発光装置71やスピーカ4による演出の制御を行う。
ここで、遊技に関する情報とは、スタートレバー16が操作されてゲームが開始された時点で出力されるベット数情報(例えば、ベット数に応じたパルス数を出力し、ベット数とゲーム数を伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常状態、B状態、RB状態、RT状態等)を示す遊技状態情報を含む。
I/F70dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置50から出力された各種信号をCPU70aに対して出力する。また、I/F70dは、CPU70aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、画像表示装置3、スピーカ4、発光装置(ランプ、LED)71、演出装置(モータ、センサ)72に出力する。これによって演出制御装置70による各種装置の制御を可能としている。
具体的には、演出制御装置70は、画像表示装置3において、小役入賞の予告表示や、ボーナス入賞の告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたるもの)などを表示させる(表示制御手段)。
また、演出制御装置70は、演出装置72を制御して演出部材72aを動作させる。また、演出制御装置70は、発光装置71での発光による装飾や、スピーカ4での音声による演出を行う。
本実施形態では、演出制御装置70は、後述する特定遊技状態としてのRT状態においてアシスト情報を報知させるか否かを決定する決定手段を構成する。また、画像表示装置3は、決定手段としての演出制御装置70からの制御信号に基づいて、アシスト情報を報知する報知手段を構成する。
上述した遊技制御装置50と演出制御装置70との通信形態は、遊技制御装置50から演出制御装置70への単方向にのみ制御信号が送信されるようになっていて、遊技制御装置50に不正な信号が入力されるのを防止している。
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合、まず、メダルをメダル投入口15から投入するか、或いはマックスベットボタン16や1ベットボタンを操作してクレジットから賭数を入力する。ベット操作がなされると、ベット数に応じて有効ラインが設定され、スタートレバー21の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。そして、スタートレバー21を操作すると、遊技制御装置50において内部抽選処理がなされて入賞の当選/非当選が決定されるとともに、リール6の変動が開始される。
所定時間経過後、リールストップボタン24a、24b、24cの操作に基づいて、リール6a、6b、6cの回転が停止されることで、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示される。そして、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に入賞が成立し、当該入賞に対応する遊技価値が付与される(例えば、入賞メダルが払い出される)。
以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。
図3は、スロットマシン1が備えるリール6の外周面に形成されている図柄の配列図である。
図3に示すように、リール6a、6b、6cの外周面には、「赤7」(第1リール6aの配列番号2等)、「白7」(第1リール6aの配列番号9等)、「BAR」、「ベル」、「スイカ」、「赤チェリー」、「白チェリー」、「黒チェリー」、「チェリー」、「リプレイ」のそれぞれ識別可能な10種類の図柄、及びブランク(図柄無し)が、所定の順序で配置されている。なお、図3では、「赤7」、「白7」、「BAR」以外の図柄を文字にて表示しているが、実際には所定の外形や色彩を有する図柄が表示されている。
本実施形態では、「ベル」、「リプレイ」は、すべてのリール6a、6b、6cにおいて、連続する5コマ以内に配置されているので、4コマの引込停止制御により必ず有効ライン上に停止表示させることができる。一方、「ベル」、「リプレイ」以外の図柄は、連続する5コマ以内に必ずしも配置されていないので、4コマの引込停止制御を行っても有効ライン上に停止表示できない場合がある。つまり、これらの図柄を有効ライン上に停止表示させるためには、所望の図柄を狙ってリールストップボタン24a、24b、24cを停止操作する必要がある(目押し操作)。
図4は、入賞の種類と各入賞に対応する図柄組合せ態様、及び入賞内容との対応図である。
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス入賞としてビッグボーナス入賞(BB入賞)、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)が、小役入賞としてベル入賞、スイカ入賞、チェリー入賞、リプレイ入賞、が定められている。
遊技制御装置50における内部抽選により、上記何れかの入賞に内部当選すると、この内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に導出可能とされ、何れの入賞にも内部当選しない場合にはハズレとなる。
なお、ボーナス入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームで当該ボーナス入賞を成立できなくても、当選フラグは次ゲームに持ち越され、以降のゲームにおいてボーナス入賞を成立させることができる。一方、小役入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームでのみ当該小役入賞を成立させることができる。例えば、停止操作のタイミングによって小役入賞(例えば、スイカ入賞)を成立させることができなかった場合(いわゆる取りこぼし)、この小役入賞の当選フラグはクリアされ、次ゲームには持ち越されない。
なお、通常状態及び後述するリプレイタイム状態(RT状態)では、BB入賞及びRB入賞を含めた上記すべての入賞が内部抽選の対象となり、BB入賞の成立により発生するビッグボーナス状態(BB状態)及びRB入賞の成立により発生するレギュラーボーナス状態(RB状態)においては、BB入賞、RB入賞を除く小役入賞が内部抽選の対象となる。
本実施形態では、BB入賞としてBB1入賞とBB2入賞を設け、RB入賞としてRB1入賞とRB2入賞を設けている。つまり、BB1入賞とBB2入賞の当選フラグは区別して扱われ、同様に、RB1入賞とRB2入賞の当選フラグは区別して扱われる。なお、以下の説明において、BB1入賞とBB2入賞を区別しない場合は単にBB入賞と称し、RB1入賞とRB2入賞を区別しない場合は単にRB入賞と称することとする。
また、チェリー入賞として、赤チェリー入賞、白チェリー入賞、黒チェリー入賞を設けており、これらの当選フラグは区別して扱われる。なお、以下の説明において、3種類のチェリー入賞を区別しない場合は、単にチェリー入賞と称する。
BB1入賞は「赤7−赤7−赤7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、BB2入賞は「白7−白7−白7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞である。BB1入賞とBB2入賞の当選フラグは区別して扱われるので、BB1入賞に内部当選した場合にBB2入賞を成立させることは不可能で、BB2入賞に内部当選した場合にBB1入賞を成立させることは不可能とされる。
BB入賞が成立すると、遊技状態が通常状態又はRT状態からBB状態に移行する。このとき、BB入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚である。BB状態では、例えば、通常状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲーム(いわゆるJACゲーム)が実行され、BB状態において遊技者に払い出したメダルの総数が250枚に達したときに終了する。また、BB状態が終了するとRT状態(最大2000ゲーム)に移行する。すなわち、BB状態の終了がRT状態の発生条件となる。
R1入賞は「BAR−赤7−赤7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、R2入賞は「BAR−白7−白7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞である。RB1入賞とRB2入賞の当選フラグは区別して扱われるので、RB1入賞に内部当選した場合にRB2入賞を成立させることは不可能で、RB2入賞に内部当選した場合にRB1入賞を成立させることは不可能とされる。
RB入賞が成立すると、遊技状態が通常状態又はRT状態からRB状態に移行する。このとき、RB入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚である。RB状態では、例えば、通常状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲーム(いわゆるJACゲーム)が実行され、12ゲーム消化するか又は小役入賞が8回成立したときに終了する。また、RB状態が終了するとRT状態(最大2000ゲーム)に移行する。すなわち、RB状態の終了がRT状態の発生条件となる。
ベル入賞は、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、9枚のメダルが払い出される。図3に示す図柄配列により、ベル入賞に内部当選すると、必ずベル入賞は成立することとなる。
スイカ入賞は、「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、6枚のメダルが払い出される。図3に示す図柄配列により、スイカ入賞に内部当選しても、目押し操作を行わなければスイカ入賞を取りこぼす場合がある。
赤チェリー入賞は、「赤チェリー−ANY−ANY」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、1つの有効ラインに対して2枚(つまり、上段又は下段に停止表示された場合は4枚)のメダルが払い出される。ここで、「ANY」は何れの図柄であってもよいことを示す(以下同じ)。白チェリー入賞は、「白チェリー−ANY−ANY」の図柄組合せ態様が有効ライン上に停止表示された場合に形成する入賞で、1つの有効ラインに対して2枚のメダルが払い出される。黒チェリー入賞は、「黒チェリー−ANY−ANY」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、1つの有効ラインに対して2枚のメダルが払い出される。
図3に示すように、第1リール6aにおいて、「赤チェリー」、「白チェリー」、「黒チェリー」の間には、チェリー以外の図柄が6図柄配置されている。すなわち、有効ライン上、又は有効ライン上に引き込み可能な範囲には、常に何れか1種類のチェリー図柄しかないようにしている。これにより、第1リール6aにおいて、同時に2種類のチェリー図柄を狙うことができない。
つまり、第1リール6aを停止させる際に、中段に配列番号3の「ベル」から配列番号9の「白7」があるタイミングで停止操作された場合には図柄表示窓5に「赤チェリー」が停止表示可能で、中段に配列番号10の「ベル」から配列番号16の「BAR」があるタイミングで停止操作された場合には「白チェリー」が停止表示可能で、中段に配列番号17の「ベル」から配列番号2の「赤7」があるタイミングで停止操作された場合には「黒チェリー」が停止表示可能となる。
言い換えると、赤チェリー入賞に内部当選した場合には、中段に配列番号3の「ベル」から配列番号9の「白7」があるタイミングで停止操作すれば、すなわち、白チェリー図柄又は黒チェリー図柄を目押し操作できれば、赤チェリー入賞は成立しない。この場合、白チェリー入賞、黒チェリー入賞が成立することもない。白チェリー入賞、黒チェリー入賞についても同様である。
したがって、何れかのチェリー入賞に内部当選した場合に、この内部当選したチェリー入賞の種類を報知されなければ、遊技者がチェリー入賞を成立させることのできる確率は遊技者の技量に関係なく1/3となり、逆に、この内部当選したチェリー入賞が成立するのを回避できる確率は2/3となる。
リプレイ入賞は、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、改めてベットすることなくゲームを実行できるリプレイゲームが付与される。このとき、リプレイ入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚である。図3に示す図柄配列により、リプレイ入賞に内部当選すると、必ずリプレイ入賞は成立することとなる。
また、本実施形態では、同一ゲームにおいて、ボーナス入賞と小役入賞が同時に内部当選できるようにしている。この場合、有効ライン上に導出される入賞の優先順位は、例えば、リプレイ入賞>ボーナス入賞>リプレイ入賞以外の小役入賞となる。ボーナス入賞に内部当選した以降のゲームにおいて、小役入賞に内部当選した場合も同様とする。
つまり、リプレイ入賞とボーナス入賞に内部当選している場合は、たとえボーナス入賞に対応するボーナス図柄(例えば、赤7)を有効ライン上に狙って停止操作を行ったとしてもボーナス図柄組合せ態様は形成されず、リプレイ入賞が成立することとなる。また、ボーナス入賞とリプレイ入賞以外の小役入賞(例えば、チェリー入賞)が内部当選している場合は、ボーナス入賞に対応するボーナス図柄を有効ライン上に停止表示可能であれば当該ボーナス図柄が有効ライン上に停止表示され、停止表示不可能であれば内部当選した小役入賞に対応する図柄が有効ライン上に停止表示されることとなる。ただし、内部当選している小役入賞の種類(例えば、チェリー入賞やスイカ入賞)によっては、ボーナス入賞も小役入賞も成立しないことがある。
図5は、本実施形態のスロットマシン1における遊技状態を説明するための状態遷移図である。スロットマシン1では、電源を投入した直後は、通常状態ST1でゲームが開始されるものとする。
通常状態ST1では、BB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、BB状態ST2に移行する。また、RB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、RB状態ST3に移行する。
BB状態ST2では、例えば、通常状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。遊技者に払い出したメダルの総数が250枚に達するとBB状態ST2は終了し、RT状態ST4に移行する。
RB状態ST3では、例えば、通常状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。12ゲーム消化するか又は小役入賞が8回成立するとRB状態ST3は終了し、RT状態ST4に移行する。
特定遊技状態としてのRT状態ST4では、通常状態よりもリプレイ入賞の内部当選確率が高確率となるゲーム(RT:リプレイタイム)が実行される。なお、リプレイ入賞以外の入賞(ボーナス入賞を含む)の内部当選確率は、通常状態ST1と同じである。本実施形態では、BB状態ST2又はRB状態ST3の終了後に、規定ゲーム数として2000ゲームのRTが付与され、すなわち、RT状態ST4は最大2000ゲーム継続されることとなる。
RT状態ST4では、リプレイ入賞の内部当選確率が高くなり、メダルの消費量を抑えてゲームを重ねることが可能となるので、小役入賞の成立により得られる遊技価値を増加させながら、ボーナス入賞への当選を期待できる。したがって、このRT状態の継続ゲーム数が増加するほど、遊技者には高い遊技価値が付与されることとなる。
このRT状態ST4は、所定の終了条件が成立することにより終了し、通常状態ST1に移行する。例えば、RT状態ST4において、2000ゲームの規定ゲーム数が消化されるとRT状態ST4は終了する。
また、BB入賞又はRB入賞に内部当選し、この内部当選したゲームが終了した場合にRT状態ST4は終了し、通常状態ST1に移行する。ただし、この場合は、RT状態ST4又は移行後の通常状態ST1においてBB入賞又はRB入賞が成立するので、BB状態ST2又はRB状態ST3を経て、再びRT状態ST4が発生することとなる。
また、特定入賞としてのチェリー入賞が成立した場合にRT状態ST4は終了する。本実施形態では、上述したように3種類のチェリー入賞が設定されているので、何れかのチェリー入賞に内部当選した場合でも、この内部当選したチェリー入賞が成立するのを2/3の確率で回避することができる(内部当選したチェリー入賞の取りこぼしとなる)。チェリー入賞の成立が回避されると、そのままRT状態ST4が継続される。
また、内部当選したチェリー入賞の種類を所定の条件下で報知し、所定の停止操作をすればチェリー入賞の成立が確実に回避されるようにすることで、RT状態が継続されるようにしている(アシスト処理)。
以上、図1〜5を参照して説明したように、本実施形態のスロットマシン1は、複数のリール6a、6b、6cを変動表示させてゲームを実行する。また、ゲームの実行ごとに行われる内部抽選によりリプレイ入賞に内部当選した場合に該リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様を形成しうるように複数のリールの停止制御(引込停止制御)を行う制御手段としての遊技制御装置50を備える。また、リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様が導出された場合にリプレイ入賞が成立して賭数の入力(ベット操作)なしでゲームが実行可能となる。
また、遊技制御装置50は、特定条件の成立としてBB状態又はRB状態が終了した場合に、リプレイ入賞の内部当選確率を通常状態よりも高めた特定遊技状態(RT状態)を発生させる特定遊技状態発生手段を構成するとともに、特定入賞としてのチェリー入賞の成立に基づいてRT状態を終了させる特定遊技状態終了手段を構成する。
なお、BB状態又はRB状態の終了以外にも、特定遊技状態の発生契機を設けるようにしてもよい。例えば、所定の入賞に内部当選した場合に特定遊技状態を発生させる抽選を行うようにしてもよい。
次に、本実施形態のスロットマシン1により実現されるアシスト処理について説明する。
図6は、本実施形態に係るアシスト処理の一例を示すフローチャートである。また、図7は、RT状態中のゲームの進行状態の一例を示す説明図である。
このアシスト処理は、RT状態において、RT状態の終了条件となるチェリー入賞に内部当選した場合に、内部当選したチェリー入賞の種類(赤チェリー入賞、白チェリー入賞、黒チェリー入賞の何れか)をアシスト情報として所定の条件下で報知することにより、当該チェリー入賞が成立するのを遊技者の勘ではなく技量によって回避できるようにし、RT状態が継続されるようにアシストするものである。例えば、演出制御装置70のCPU70aにより、ROM70bに格納されているアシスト処理に係るプログラムが読み出され、実行されることにより実現される。
なお、本実施形態では、RT状態の進行状態として、RT状態がスタートしてからチェリー入賞に内部当選するまでに実行されたゲーム数に基づいて、アシスト情報を報知するか否かを決定する。
まず、ステップS101では、遊技制御装置50から出力された遊技状態情報に基づいて、現在の遊技状態が特定遊技状態、すなわちRT状態であるか判定する。そして、RT状態であると判定した場合はステップS102に移行する。また、RT状態でない(すなわち、通常状態、BB状態、RB状態)と判定した場合は一連のアシスト処理を終了する。つまり、RT状態が発生するまでは、アシスト処理においてステップS101の処理が繰り返されることになる。
なお、RT状態においてボーナス入賞に内部当選したゲームはRT状態として判定し、当該ゲームでボーナス入賞が成立しない場合には、該ゲーム終了後に通常状態に移行する。
ステップS102では、遊技制御装置50からゲームが開始されたことを特定可能な情報としてベット数情報が出力されることに基づいて、ゲームが開始されたか判定する。そして、ゲームが開始されたと判定した場合はステップS103に移行し、ゲームが開始されていないと判定した場合は一連のアシスト処理を終了し、ステップS101からの処理を繰り返す。
ステップS103では、遊技制御装置50から出力された内部当選情報に基づいて、何れかのチェリー入賞に内部当選したか判定する。そして、何れかのチェリー入賞に内部当選したと判定した場合はステップS104に移行し、何れのチェリー入賞にも内部当選していないと判定した場合は一連のアシスト処理を終了し、ステップS101からの処理を繰り返す。
ステップS104では、遊技制御装置50から出力された内部当選情報に基づいて、ボーナス入賞に内部当選したか判定する。そして、ボーナス入賞に内部当選していないと判定した場合はステップS105に移行し、ボーナス入賞に内部当選したと判定した場合はステップS110に移行する。
ステップS105では、アシスト情報を報知するか否かを決定するための報知決定用乱数を抽出する。具体的には、演出制御装置70のCPU70aが所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば+1)し、遊技制御装置50からのゲーム開始情報に基づいて、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を報知決定用の乱数とする。例えば、0〜99の100個の乱数の中から報知決定用乱数を抽出する。
ステップS106では、RT状態中のゲーム数に応じて判定値を選択する。図7に示すように、RT状態がスタートしてから今回チェリー入賞に内部当選するまでのゲーム数、例えば、チェリー入賞に内部当選したゲームAではゲーム数G1に応じて、ゲームBにおいてはゲーム数G2に応じて判定値を選択する。
このとき、判定値の選択は、例えば図8に示す判定値テーブルに従う。図8は、RT状態がスタートしてからのゲーム数と判定値の対応関係を示す、報知用判定値テーブルの一例である。
図8では、RT状態がスタートしてからのゲーム数(例えば、G1、G2)が1〜9のときは判定値なし、10〜29ゲームのときは0〜9、30〜49ゲームのときは0〜19、50〜79ゲームのときは0〜29、80〜99ゲームのときは0〜49、100〜149ゲームのときは0〜69、150ゲーム以上のときは0〜99を判定値としている。
ステップS107では、ステップS105で抽出された報知決定用乱数値とステップS106で選択された判定値を比較し、両者が一致するか判定する。そして、報知決定用乱数値が判定値と一致する場合はステップS108に移行し、一致しない場合はステップS109に移行する。
図8に示すテーブルに従って判定値が選択された場合、RT状態がスタートしてからのゲーム数が1〜9ゲームのときは乱数値にかかわらず乱数値と判定値は一致せず、10〜29ゲームのときは乱数値が0〜9、30〜49ゲームのときは乱数値が0〜19、50〜79ゲームのときは乱数値が0〜29、80〜99ゲームのときは乱数値が0〜49、100〜149ゲームのときは乱数値が0〜69、150ゲーム以上のときは乱数値が0〜99の場合に、乱数値と判定値が一致することとなる。
したがって、RT状態がスタートしてからのゲーム数に対するアシスト情報の報知率は、1〜9ゲームのとき0%、10〜29ゲームのとき10%、30〜49ゲームのとき20%、50〜79ゲームのとき30%、80〜99ゲームのとき50%、100〜149ゲームのとき70%、150ゲーム以上のとき100%となる。
ステップS108では、アシスト情報として内部当選したチェリー入賞の種類を報知する。
図9は、画像表示装置3に表示されるアシスト情報の報知画面の一例である。赤チェリー入賞に内部当選し、アシスト情報の報知が決定された場合、例えば、図9(a)に示すアシスト情報を報知する。すなわち、赤チェリー入賞に内部当選したこと、赤チェリー入賞が成立しないように赤チェリー図柄を外して停止操作すること、赤チェリー図柄が有効ライン上に停止表示されるとRT状態が終了すること、を報知する。なお、「赤チェリーを外せ」ではなく、「白チェリー又は黒チェリーを狙え」という表示としてもよい。
これにより、遊技者は赤チェリー図柄を外して、例えば、黒チェリー図柄や白チェリー図柄付近を狙って停止操作を行うことにより、赤チェリー入賞の成立を回避できることを認識でき、所定のタイミングで停止操作を行うこととなる。
また例えば、図9(b)に示すアシスト情報を報知するようにしてもよい。すなわち、図9(b)では、チェリー入賞に内部当選したこと、白チェリー図柄を狙って停止操作すること、内部当選したチェリー図柄が有効ライン上に停止表示されるとRT状態が終了すること、を報知する。つまり、内部当選していないチェリー図柄を1種類しか報知しないので、内部当選したチェリー入賞が成立するのを確実に回避するためには、さらなる技量を要求される。ただし、図9(b)に示す報知態様とした場合に、停止操作のタイミングを誤って黒チェリー図柄付近で停止操作が行われたとしても、赤チェリー入賞は成立しないのでRT状態は継続される。
このように、内部当選したチェリー入賞が成立するのを回避しうるチェリー図柄を限定して報知することで、自らの技量により内部当選したチェリー入賞の成立を回避できたという満足感を遊技者に与えることができる。
一方、ステップS109では、アシスト情報を報知することなく、単にチェリー入賞に内部当選したことだけを報知する。
図10は、画像表示装置3に表示されるチェリー入賞の内部当選を示す報知画面の一例である。何れかのチェリー入賞に内部当選し、アシスト情報の非報知が決定された場合、例えば、図10に示すチェリー入賞の内部当選を報知する(単なる小役告知)。この場合、遊技者はどのチェリー入賞に内部当選したかを認識できないので、勘に頼って2/3の確率でチェリー入賞の成立が回避されるのを期待するしかなくなる。
また、ステップS110では、アシスト情報を報知することにより内部当選したチェリー入賞の成立を回避させるのではなく、アシスト情報の矛盾報知により効果的なボーナス報知を行う。
例えば、白チェリー入賞に内部当選し、さらにBB入賞に同時に内部当選した場合、図9(b)に示す報知を行う。正規のアシスト情報の報知であれば、図9(b)に従って白チェリー図柄を狙うことで、遊技者は内部当選したチェリー入賞の成立を回避できるはずである。しかし、ボーナス入賞に内部当選している場合、報知された白チェリー図柄を狙って停止操作を行うと、成立するはずのない白チェリー入賞が成立してしまい、結果として矛盾報知であったことを遊技者は認識する。
つまり、第1リール6aを停止させた時点で、アシスト情報の矛盾を察知することができ、ボーナス入賞の内部当選をいち早く認識することができる。また、アシスト情報の矛盾報知により、メダルの払出(例えば、4枚)を受けることができるので、遊技者にとって有利となる。
なお、アシスト情報の矛盾報知がなされたにもかかわらず、目押し操作を誤って内部当選したチェリー入賞(例えば、白チェリー入賞)が成立しなかった場合には、当該ゲームの終了後にRT状態は終了(ボーナス入賞への内部当選による終了)し通常状態に移行されるので、遊技者はその時点でボーナス入賞の内部当選を認識することとなる。
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン1は、RT状態においてチェリー入賞に内部当選した場合に、当該チェリー入賞の成立を回避させるためのアシスト情報を報知する報知手段と、報知手段によりアシスト情報の報知を行うか否かを決定する決定手段を備える。具体的には、画像表示装置3等が報知手段を構成し、演出制御装置70が決定手段を構成する。
また、決定手段としての演出制御装置70は、図8に示すように、RT状態の進行状態、具体的には、RT状態中のゲーム数に応じてアシスト情報の報知を行う確率を変更する。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、RT状態が3種類のうちの何れかのチェリー入賞の成立により終了するため、遊技者はいつチェリー入賞が成立してRT状態が終了するかがわからないので、ハラハラドキドキしながら遊技を行うこととなり、RT状態中の興趣を高めることが可能となる。
また、報知手段としての画像表示装置3にアシスト情報を報知することで、内部当選したチェリー入賞の成立を回避することが可能となることから、遊技者のRT状態の継続に対する期待感を向上させることが可能となる。
また、何れかのチェリー入賞に内部当選した場合に、図9に示すように、内部当選したチェリー入賞(例えば、赤チェリー入賞)の種類、或いはそれ以外のチェリー入賞の種類(例えば、白チェリー入賞と黒チェリー入賞)を報知するので、遊技者は停止操作を行うべき範囲を明確に認識でき、比較的容易な目押し操作により確実にRT状態を継続させることが可能となる。
さらに、RT状態の進行状態として、RT状態中のゲーム数に応じてアシスト情報の報知を行う確率を変更するので、ゲーム数に応じてRT状態の継続率が変化することとなり、興趣の高い遊技を実現可能となる。本実施形態では、図8に示すように、RT状態中のゲーム数が増加することに伴いアシスト情報の報知率が高くなるようにしているので、遊技者はRT状態のゲーム数に応じて遊技価値(メダルの払出)を増加させることができるとともに、RT状態を継続できる確率が高くなるため、次回のボーナス入賞への当選等、さらなる遊技価値を期待することができる。
また、RT状態を終了させるチェリー入賞を3種類設定し、図3に示すように、少なくとも1つのリールにおいて、1のチェリー入賞を成立させる図柄組合せ態様を構成する図柄(例えば、赤チェリー図柄)を、他のチェリー入賞を成立させる図柄組合せ態様を構成する図柄(例えば、白チェリー図柄と黒チェリー図柄)から、4コマの引込停止制御を行っても同時に狙えない間隔となるように配置している。白チェリーと黒チェリーについても同様である。
つまり、赤チェリー入賞に内部当選した場合には、白チェリー図柄又は黒チェリー図柄を狙って停止操作することにより、比較的容易に赤チェリー入賞の成立を回避できるようにしている。これにより、遊技者の技量によってチェリー入賞の成立を回避できる範囲は変化しないので、遊技者間で格差が生じるのを防止できる。
なお、上記実施形態では、RT状態の進行状態として、RT状態がスタートしてからチェリー入賞に内部当選するまでに実行されたゲーム数に基づいて、アシスト情報を報知するか否かを決定しているが、RT状態において前回チェリー入賞に内部当選してから今回チェリー入賞に内部当選するまでのゲーム数(例えば、図7のゲームBでは、G2−G1となる)に基づいてアシスト情報を報知するか否かを決定するようにしてもよい。
(第1変形例)
次に、スロットマシン1により実現されるアシスト処理の第1変形例について説明する。
図11は、第1変形例に係るアシスト処理の一例を示すフローチャートである。また、図12は、RT状態中のゲームの進行状態の他の一例を示す説明図である。
第1変形例では、RT状態の進行状態として、RT状態において前回チェリー入賞に内部当選してから今回のチェリー入賞に内部当選するまでの間に実行されたゲーム結果を監視し、この監視結果に基づいてアシスト情報を報知するか否かを決定する。
実施形態と比較すると、図6に示すアシスト処理のフローチャートにおいて、ステップS106の判定値の選択処理が異なる。図11において、図6と同様の処理については簡単に説明又は説明を省略する。
図11のステップS201〜S205は、図6のステップS101〜S105と同様である。ステップ204においてボーナス内部当選していないと判定した場合、ステップS205では、アシスト情報を報知するか否かを決定するための報知決定用乱数を抽出する。例えば、0〜99の100個の乱数の中から報知決定用乱数を抽出する。
ステップS206では、RT状態中のポイント数に応じて判定値を選択する。
具体的には、図12に示すように、RT状態において前回チェリー入賞に内部当選してから今回チェリー入賞に内部当選するまでの間に実行された各ゲームにおいて、小役入賞が成立するごとにポイントを付与し、この加算されたポイントを監視する。ここで、各小役入賞に対応するポイントは、例えば、リプレイ入賞は1ポイント、ベル入賞は2ポイント、スイカ入賞は5ポイントとする。なお、これらの小役入賞の成立に伴いポイントを付与するのではなく、入賞の成立如何にかかわらず内部当選に伴いポイントを付与するようにしてもよい。
そして、前回チェリー入賞に内部当選してから今回チェリー入賞に内部当選するまでに加算されたポイント数に応じて判定値を選択する。例えば、図12に示すように、チェリー入賞に内部当選したゲームAではポイントP1に応じて、ゲームBにおいてはポイントP2に応じて判定値を選択する。
このとき、判定値の選択は、例えば図13に示す判定値テーブルに従う。図13は、RT状態において付与されたポイントと判定値の対応関係を示す、報知用判定値テーブルの一例である。
図13では、RT状態において付与されたポイント(例えば、P1、P2)が0〜2ポイントのときは0、3〜6ポイントのときは0〜4、7〜14ポイントのときは0〜9、15〜19ポイントのときは0〜29、20〜29ポイントのときは0〜49、30ポイント以上のときは0〜99を判定値としている。
ステップS207では、ステップS205で抽出された報知決定用乱数値とステップS206で選択された判定値を比較し、両者が一致するか判定する。そして、報知決定用乱数値が判定値と一致する場合はステップS208に移行し、一致しない場合はステップS209に移行する。
図13に示すテーブルに従って判定値が選択された場合、RT状態において付与されたポイントに対するアシスト情報の報知率は、0〜2ポイントのとき1%、3〜6ポイントのとき5%、7〜14ポイントのとき10%、15〜19ポイントのとき30%、20〜29ポイントのとき50%、30ポイント以上のとき100%となる。
ステップS208では、アシスト情報として内部当選したチェリー入賞の種類を報知する。一方、ステップS209では、アシスト情報を報知することなく、単にチェリー入賞に内部当選したことだけを報知する。
また、ステップS210では、アシスト情報を報知することにより内部当選したチェリー入賞の成立を回避させるのではなく、アシスト情報の矛盾報知により効果的なボーナス報知を行う。なお、ステップS208〜S210は、図6のステップS108〜S110と同様である。
第1変形例に係るアシスト処理では、RT状態における小役入賞の成立がアシスト情報の報知に影響するので、小役入賞が成立したこと、及び成立した小役入賞に対応するポイントが付与されたことを報知するのが望ましい。例えば、図12においてゲームCでチェリー入賞以外の小役入賞に内部当選した場合に、図14に示すポイント加算画面表示を画像表示装置3に表示する。
図14は、小役入賞の成立、及びポイントが加算されることを示す報知画面の一例である。この報知画面により、遊技者はベル入賞が成立して2ポイントが加算され、合計ポイントが20ポイントになったことを認識できる。図13に示す判定テーブルによれば、ポイント数が20の場合は報知率が50%となるので、チェリー入賞に内部当選したときに比較的高確率でアシスト情報が報知されることを期待できる。
以上説明したように、第1変形例では、決定手段としての演出制御装置70は、RT状態において前回チェリー入賞に内部当選してから今回特定入賞に内部当選するまでの間に実行されたゲームの結果を監視し、この監視結果に基づいてアシスト情報の報知を行う確率を決定する。これにより、RT状態中のゲーム内容がRT状態の継続率に影響することとなるので、極めて興趣の高い遊技が実現される。
特に、第1変形例では、RT状態中に成立した入賞が増加することに伴いアシスト情報の報知率が高くなるようにしているので、遊技者はRT状態において入賞の成立により遊技価値を得ることができるとともに、RT状態を継続できる確率が高くなるためさらなる遊技価値を期待することとなり、RT状態中の遊技に対する興趣が向上する。
なお、第1変形例では、RT状態中に成立(或いは内部当選)した小役入賞に各入賞に対応するポイントを付与して、このポイント数に応じてアシスト情報の報知率を変更するようにしているが、単にRT状態中に成立(或いは内部当選)した小役入賞の数に応じてアシスト情報の報知率を変更するようにしてもよい。
(第2変形例)
次に、スロットマシン1により実現されるアシスト処理の第2変形例について説明する。
図15は、第2変形例に係るアシスト処理の一例を示すフローチャートである。また、図16は、RT状態中のゲームの進行状態の他の一例を示す説明図である。
上記実施形態及び第1変形例では、RT状態において特定入賞としてのチェリー入賞に内部当選した場合に、RT状態の進行状態(例えば、ゲーム数や小役入賞の成立に応じたポイント)に基づいて、チェリー入賞の成立を回避するためのアシスト情報を報知する。これに加えて、第2変形例では、特定入賞としてのチェリー入賞に内部当選していない場合に、チェリー入賞に内部当選した旨を示す偽報知を行う。また、RT状態における前回のチェリー入賞に内部当選してから現在までのゲーム数に応じて偽報知を行う確率を変更する。
実施形態と比較すると、図6に示すアシスト処理のフローチャートにおいて、ステップS103で“N”と判定された後に、チェリー入賞の偽報知に関する処理を行うこととなる。図15において、図6と同様の処理については簡単に説明又は説明を省略する。
図15のステップS301〜S310は、図6のステップS101〜S110と同様である。
ステップS303においてチェリー入賞に内部当選していないと判定された場合、ステップS321では、チェリー入賞以外の小役入賞又はボーナス入賞に内部当選したか判定する。そして、何れの入賞にも内部当選していないと判定した場合はステップS322に移行し、何れかの入賞に内部当選したと判定した場合は一連のアシスト処理を終了し、ステップS301からの処理を繰り返す。すなわち、当該ゲームがハズレゲームである場合に、チェリー入賞の偽報知の抽選を行う。
ステップS322では、チェリー入賞の偽報知を行うか否かを決定するための偽報知決定用乱数を抽出する。例えば、0〜99の100個の乱数の中から報知決定用乱数を抽出する。
ステップS323では、RT状態中のゲーム数に応じて判定値を選択する。図16に示すように、前回チェリー入賞に内部当選してから現在までのゲーム数、例えば、ハズレゲームDではゲーム数Gに応じて判定値を選択する。
このとき、判定値の選択は、例えば図17に示す判定値テーブルに従う。図17は、RT状態中のゲーム数と判定値の対応関係を示す、偽報知用判定値テーブルの一例である。
図17では、RT状態中のゲーム数が0〜4のときは0、5〜14ゲームのときは0〜4、15〜29ゲームのときは0〜9、30〜49ゲームのときは0〜29、50ゲーム以上のときは0〜49を判定値としている。
ステップS324では、ステップS322で抽出された偽報知決定用乱数値とステップS323で選択された判定値を比較し、両者が一致するか判定する。そして、偽報知決定用乱数値が判定値と一致する場合はステップS325に移行し、一致しない場合は一連のアシスト処理を終了し、ステップS101からの処理を繰り返す。
図17に示すテーブルに従って判定値が選択された場合、RT状態中のゲーム数に対するチェリー入賞の偽報知率は、0〜4ゲームのとき1%、5〜14ゲームのとき5%、15〜29ゲームのとき10%、30〜49ゲームのとき30%、50ゲーム以上のとき50%となる。
ステップS325では、実際にはチェリー入賞に内部当選していないが、チェリー入賞に内部当選したという偽情報を報知する。例えば、画像表示装置3に図10に示す報知画面を表示する。図10では、何れかのチェリー入賞に内部当選したこと、チェリー図柄が有効ライン上に停止表示されるとRT状態が終了すること、を報知する。この報知画面からは、表面上、チェリー入賞に内部当選しているか否かを認識できない。そのため、遊技者は勘に頼って何れかのチェリー図柄を外して停止操作を行うこととなる。
なお、実際にはチェリー入賞に内部当選しておらず、チェリー入賞が成立してRT状態が終了することはないので、偽報知によって遊技者が著しい不利益を受けるわけではない。
以上説明したように、第2変形例では、RT状態においてチェリー入賞に内部当選していない場合に、チェリー入賞に内部当選した旨を報知する偽報知手段を備える。具体的には、画像表示装置3が偽報知手段を構成する。また、決定手段としての演出制御装置70は、RT状態における前回チェリー入賞に内部当選してから現在までのゲーム数に応じて、偽報知手段による報知を行うか否かを決定する。すなわち、実際にはチェリー入賞に内部当選していない場合に、ハズレゲームの所定の確率で偽報知を行うようにしている。
これにより、遊技者の目押し技量にかかわらず、チェリー入賞の成立を回避してRT状態を継続できたという印象を遊技者に与えることができ、これに対して遊技者は満足感を得ることができる。また、RT状態における前回のチェリー入賞に内部当選してから現在までのゲーム数に応じて、偽報知を行うか否かを決定するので、偽報知の出現頻度が多様となり、極めて興趣の高い遊技が実現される。例えば、上述したように、ゲーム数が増加するほど偽報知の発生率を高くすることで、RTゲームの単調さを防止できるとともに、遊技者に一定の満足感を与えることができる。
(第3変形例)
次に、スロットマシン1により実現されるアシスト処理の第3変形例について説明する。
図18は、第3変形例に係るアシスト処理の一例を示すフローチャートである。また、図19は、RT状態中のゲームの進行状態の他の一例を示す説明図である。
第3変形例では、RT状態においてチェリー入賞に内部当選し、アシスト情報の報知が行われることなくチェリー入賞の成立が回避された場合に、次回以降のアシスト情報の報知率を高く変更する。
実施形態と比較すると、図6に示すアシスト処理のフローチャートにおいて、ステップS106の判定値の選択処理が異なる。図18において、図6と同様の処理については簡単に説明又は説明を省略する。
図18のステップS401〜S405は、図6のステップS101〜S105と同様である。ステップ404においてボーナス内部当選していないと判定した場合、ステップS405では、アシスト情報を報知するか否かを決定するための報知決定用乱数を抽出する。例えば、0〜99の100個の乱数の中から報知決定用乱数を抽出する。
ステップS406では、自力継続カウンタに応じて判定値を選択する。
このとき、判定値の選択は、例えば図20に示す判定値テーブルに従う。図20は、自力継続カウンタと判定値の対応関係を示す、報知用判定値テーブルの一例である。図20では、自力継続カウンタC=0ときは0〜29、C=1のときは0〜49、C≧2のときは0〜79を判定値としている。
ここで、自力継続カウンタとは、チェリー入賞に内部当選した場合に、アシスト情報の報知が行われることなく自力でチェリー入賞の成立を回避できた回数である。すなわち、自力でチェリー入賞の成立を回避できた場合に、自力継続カウンタは1ずつ加算される。
なお、図19に示すように、RT状態がスタートしたときに自力継続カウンタCは0にセットされるものとする。また、チェリー入賞に内部当選し、アシスト情報の報知が行われた場合に自力継続カウンタCはクリアされる。
ステップS407では、ステップS405で抽出された報知決定用乱数値とステップS406で選択された判定値を比較し、両者が一致するか判定する。そして、報知決定用乱数値が判定値と一致する場合はステップS408に移行し、一致しない場合はステップS410に移行する。
図20に示すテーブルに従って判定値が選択された場合、自力継続カウンタCに対するアシスト情報の報知率は、C=0のとき30%、C=1のとき50%、C≧2のとき80%となる。
ステップS408では、アシスト情報として内部当選したチェリー入賞の種類を報知する。そして、ステップS409では自力継続カウンタCをクリアする。
一方、ステップS410では、アシスト情報を報知することなく、単にチェリー入賞に内部当選したことだけを報知する。そして、ステップS411では、自力継続カウンタCを1加算する。
つまり、図19において、チェリー入賞に内部当選したゲームAでは、C=0なので、判定値0〜29(図20参照)が選択される。そして、ゲームAにおいて、アシスト情報を報知されることなくチェリー入賞の成立が回避された場合はC=1となり、アシスト情報を報知された場合はC=0となる。そして、次回チェリー入賞に内部当選したゲームBでは、この自力継続カウンタCの値に基づいて、アシスト情報の報知抽選が行われることとなる。
また、ステップS412では、アシスト情報を報知することにより内部当選したチェリー入賞の成立を回避させるのではなく、アシスト情報の矛盾報知により効果的なボーナス報知を行う。なお、ステップS408、S410、S412は、図6のステップS108〜S110と同様である。
以上説明したように、第3変形例では、決定手段としての演出制御装置70は、RT状態においてチェリー入賞に内部当選し、アシスト情報の報知が行われずにチェリー入賞の成立が回避された場合に、次回チェリー入賞に内部当選したゲームにおけるアシスト情報の報知率を高く変更する。
すなわち、遊技者がチェリー入賞の成立を自力で回避できた場合に、アシスト情報の報知率を高くするという特典を与えるので、自らの幸運によってRT状態を継続できたという満足感に加えて、RT状態に対するさらなる期待感を与えることとなり、極めて興趣の高い遊技が実現される。
(第4変形例)
次に、スロットマシン1により実現されるアシスト処理の第4変形例について説明する。
図21は、第4変形例に係るアシスト処理の一例を示すフローチャートである。
第4変形例では、RT状態においてチェリー入賞に内部当選した場合に、チェリー入賞の成立とは無関係となるリールの停止操作に基づいて、アシスト情報の報知を行うか否かを決定する。例えば、図3に示す図柄配列の場合、第1リール6aだけがチェリー入賞の成立に関係し、第2リール6b、第3リールはチェリー入賞の成立には無関係となる。
実施形態と比較すると、図6に示すアシスト処理のフローチャートにおいて、ステップS105の乱数抽出処理が異なる。図21において、図6と同様の処理については簡単に説明又は説明を省略する。
図21のステップS501〜S504は、図6のステップS101〜S104と同様である。
ステップ504においてボーナス内部当選していないと判定した場合、ステップS505では、チェリー入賞の成立とは無関係となるリールを停止させるように報知する。例えば、チェリー入賞は、第1リール6aに停止表示される図柄で入賞の成立/不成立を判断されるので、第2リール6b又は第3リール6cを先に停止操作する旨を報知する。
図22は、画像表示装置3に表示される報知・演出画面の一例である。図22(a)では、遊技者に逆押し(右→中→左の順)することを報知し、チェリー入賞の成立を判断する第1リール6aを最初に停止させない旨を報知している。
また、演出表示装置3では、停止操作に伴うアシスト情報の報知抽選結果、すなわち、アシスト情報を報知するか否かの決定に関連した演出ゲームを表示させる。例えば、図22(a)に示す画面表示がなされた後、停止操作に伴い遊技者と敵が対決する演出ゲームを行い、報知抽選結果に応じた演出結果を導出する。
ステップS506では、第1停止操作(例えば、第3リール6cの停止操作)に基づいて、アシスト情報を報知するか否かを決定するための報知決定用乱数を抽出する。例えば、0〜99の100個の乱数の中から報知決定用乱数を抽出する。
ステップS507では、ステップS506で抽出された報知決定用乱数値と判定値を比較し、両者が一致するか判定する。例えば、0〜49を判定値とすれば、停止操作に基づくアシスト情報の報知率は50%となる。
そして、報知決定用乱数値が判定値と一致する場合はステップS508に移行し、一致しない場合はステップS509に移行する。このとき、画像表示装置3では、停止操作に伴う演出ゲームが表示される。
ステップS508では、アシスト情報として内部当選したチェリー入賞の種類を報知する。また、アシスト情報の報知と一緒に、例えば、図22(b)に示すように、演出ゲームの結果態様として、対決に勝利した表示がなされる。
一方、ステップS509では、アシスト情報を報知することなく、単にチェリー入賞に内部当選したことだけを報知する。この場合、演出ゲームの結果態様として、対決に敗北した表示がなされることとなる。
また、ステップS510では、アシスト情報を報知することにより内部当選したチェリー入賞の成立を回避させるのではなく、アシスト情報の矛盾報知により効果的なボーナス報知を行う。なお、ステップS510は、図6のステップS110と同様である。
以上説明したように、第4変形例では、決定手段としての演出制御装置70は、チェリー入賞の成立とは無関係となるリールの停止操作に基づきアシスト情報の報知を行うか否かを決定するための乱数の抽出を行う。また、報知手段としての画像表示装置3は、RT状態中にチェリー入賞に内部当選した場合に、チェリー入賞の成立とは無関係となるリールを最初に停止操作する旨の表示を行い、演出制御装置70による乱数の抽出結果に基づいてアシスト情報の報知を行う。
さらに、演出制御装置70による報知決定用乱数の抽出結果に応じて、アシスト情報を報知するか否かの決定に関連した演出を行う演出手段を備える。第4変形例では、画像表示装置3が演出手段を構成している。なお、画像表示装置3でなく、演出装置72や発光装置71等で演出手段を構成してもよいし、これらを組み合わせて演出手段としてもよい。
したがって、遊技者自身の直接的な操作により付与されうる遊技価値(RT状態の継続)が左右されることとなるので、リプレイ入賞に内部当選しやすく遊技が単調になりやすいRT状態において遊技者の遊技に対する意欲が減退するのを回避でき、興趣の高い遊技が実現される。また、リールの停止操作に応じてアシスト情報を報知するか否かの決定に関連した演出を行うことで、遊技の興趣を向上できる。
また、RT状態中にチェリー入賞に内部当選した場合に、チェリー入賞とは無関係となるリールを最初に停止操作する旨の表示を行うので、アシスト情報の報知を行うか否かを決定する抽選機会を確実に与えることができる。
なお、第4変形例では、第1停止操作に基づいてアシスト情報を報知するか否かの抽選を行うようにしているが、さらに、第2停止操作に基づいてアシスト情報を報知するか否かの抽選を行うようにしてもよい。この場合、例えば、1回の停止操作によるアシスト情報の報知率を25%とすれば、チェリー入賞に内部当選したゲームにおいて50%の確率でアシスト情報を報知されることとなる。
以上、本発明に係るスロットマシンについて、実施の形態に基づいて具体的に説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。すなわち、本発明の技術的範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、実施形態では、特定遊技状態中のゲーム数が増加するほどアシスト情報の報知率を高くするように制御しているが、ゲーム数が増加するほどアシスト情報の報知率を低くするようにしてもよい。このようにすれば、特定遊技状態が長くなり過ぎることを防止でき、遊技店と遊技者の利益バランスを調整することができる上、特定遊技状態自体の発生率を高めることも可能となる。
また、特定遊技状態中のリプレイの成立回数に応じてアシスト情報の報知率を変更するようにしてもよい。例えば、特定遊技状態を所定期間に区切り(例えば、チェリー内部当選から次回の内部当選まで)、その期間ごとにリプレイ入賞の成立回数を計数し、計数結果が所定値よりも低くなった場合には、アシスト情報の報知率を高くする。または、所定期間ごとに、リプレイ入賞の成立率(リプレイ入賞の成立ゲーム数/総ゲーム)を算出し、成立率が所定値よりも低くなった場合にアシスト情報の報知率を高くする。このように制御することで、特定遊技状態はリプレイ入賞の当選確率が高まる状態なのに、リプレイ入賞があまり当選しなかったという遊技者の不満感を低めることが可能となる。
また、特定遊技状態中の特定入賞の内部当選確率を変更するようにしてもよい。この場合、確率変更する特定入賞は複数の特定入賞のうち一部でもよいし、全部でもよい。このように構成して、例えば、特定入賞の内部当選確率を高くするようにすれば、特定遊技状態の継続を程良く抑制できる。また、特定入賞の内部当選確率を低くするようにすれば、特定遊技状態の継続確率が高められ、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
さらに、特定遊技状態中に所定の入賞(例えば、スイカ)が成立(或いは内部当選)した場合には、その時点から所定ゲーム数(例えば、10ゲーム等)の間においてサービス期間を設定し、該サービス期間中において特定入賞に内部当選した場合にはアシスト情報を無条件で報知、或いは報知率を高めるようにしてもよい。このようにすれば、特定遊技状態中に所定の入賞の成立に対する期待感も高まり、興趣をさらに高めることが可能となる。
逆に、特定遊技状態中に所定の入賞(例えば、ベル)が成立(或いは内部当選)した場合には、その時点から所定ゲーム数(例えば、5ゲーム等)の間においては特定入賞に内部当選した場合にはアシスト情報を無条件で報知しない、或いは報知率を低めるようにしてもよい。このようにすれば、興趣を高めた内容で特定遊技状態の継続率を抑制することが可能となる。
また、ボーナス終了時に予め所定回数無条件でアシスト情報を報知する回数を決定しておき、その回数分の報知が行われた後、実施形態に示すような制御を開始するようにしてもよい。また、実施形態及び変形例を適宜組み合わせて適用するようにしても構わない。
また、初心者等においては、アシスト情報の報知が行われても、目押しが不正確なため、間違って特定入賞を成立させてしまう可能性がある。このようなときの救済措置として、アシスト情報が報知されたにも関わらず特定入賞が成立し、当該特定遊技状態が終了した場合は、次回の特定遊技状態における報知率を通常よりも高くするようにしてもよい。例えば、特定遊技状態が終了してから所定ゲーム数(例えば、100回)以内に次の特別遊技状態の発生に伴い特定遊技状態が発生した場合には、同一の遊技者であると推定できるので、当該特定遊技状態におけるアシスト情報の報知率を通常よりも高くする。
<付記>
〔その1〕
複数のリールを変動表示させてゲームを実行し、該ゲームの実行毎に行われる内部抽選により再遊技入賞に内部当選した場合に該再遊技入賞に対応する図柄組合せ態様を形成し得るように複数のリールの停止制御を行う制御手段を備え、該再遊技入賞に対応する図柄組合せ態様が導出された場合に再遊技入賞が成立して賭数の入力なしでゲームが実行可能となるスロットマシンにおいて、
特定条件の成立により前記再遊技入賞の内部当選確率を通常よりも高めた特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段と、
特定入賞の成立に基づき前記特定遊技状態を終了させる特定遊技状態終了手段と、
前記特定遊技状態において前記特定入賞に内部当選した場合に、当該特定入賞の成立を回避するためのアシスト情報を報知する報知手段と、
前記報知手段によるアシスト情報の報知を行うか否かを決定する決定手段と、
を備え、
前記決定手段は、
前記特定遊技状態の進行状態に基づき前記アシスト情報の報知を行う確率を変更することを特徴とするスロットマシン。
ここで、「特定遊技状態の進行状態」とは、特定遊技状態中のゲーム数、特定遊技状態中に成立又は内部当選した所定の入賞(リプレイ入賞を含む)の数、特定遊技状態の継続時間、などである。また、「アシスト情報の報知を行う確率を変更」とは、確率を高める場合の他、確率を低める場合も含む。
〔その2〕
前記特定入賞を複数種設定し、
少なくとも1つのリールにおいて、1の特定入賞を成立させる図柄組合せ態様を構成する図柄を、他の特定入賞を成立させる図柄組合せ態様を構成する図柄から、図柄引込制御を行っても同時に狙えない間隔となるように配置し、
前記報知手段は、所定の特定入賞に内部当選した場合に、当該内部当選した特定入賞の種類あるいはそれ以外の特定入賞の種類を報知するようにしたことを特徴とする前記その1に記載のスロットマシン。
〔その3〕
前記決定手段は、前記特定遊技状態中のゲーム数に応じて前記アシスト情報の報知を行う確率を変更することを特徴とする前記その2に記載のスロットマシン。
〔その4〕
前記決定手段は、前記特定遊技状態において前回特定入賞に内部当選してから今回の特定入賞に内部当選するまでの間に実行されたゲームの結果を監視し、該監視結果に基づいて前記アシスト情報の報知を行う確率を決定することを特徴とする前記その3に記載のスロットマシン。
〔その5〕
前記特定遊技状態において前記特定入賞に内部当選していない場合に、前記特定入賞に内部当選した旨を報知する偽報知手段を備え、
前記決定手段は、前記特定遊技状態における前回の特定入賞に内部当選してから現在までのゲーム数に応じて、前記偽報知手段による報知を行うか否かを決定することを特徴とする前記その4に記載のスロットマシン。
〔その6〕
前記決定手段は、前記特定遊技状態において前記特定入賞に内部当選し、前記報知手段によるアシスト情報の報知が行われずに前記特定入賞の成立が回避された場合に、次回以降の前記アシスト情報の報知率を高く変更することを特徴とする前記その5に記載のスロットマシン。
〔その7〕
前記決定手段は、前記特定入賞の成立とは無関係となるリールの停止操作に基づき前記アシスト情報の報知を行うか否かを決定するための乱数の抽出を行うものとし、
前記報知手段は、前記特定遊技状態中に前記特定入賞に内部当選した場合に、当該特定入賞の成立とは無関係となるリールを最初に停止操作する旨の表示を行い、前記決定手段による乱数の抽出結果に基づいて前記アシスト情報の報知を行うことを特徴とする前記その6に記載のスロットマシン。
〔その8〕
前記決定手段による乱数の抽出結果に応じて、前記アシスト情報を報知するか否かの決定に関連した演出を行う演出手段を備えることを特徴とする前記その7に記載のスロットマシン。
〔その9〕
前記決定手段は、前記特定入賞の成立とは無関係となるリールの停止操作に基づき前記アシスト情報の報知を行うか否かを決定するための乱数の抽出を行うものとし、
前記決定手段による乱数の抽出結果に応じて、前記アシスト情報を報知するか否かの決定に関連した演出を行う演出手段を備え、
前記報知手段は、前記特定遊技状態中に前記特定入賞に内部当選した場合に、当該特定入賞の成立とは無関係となるリールを最初に停止操作する旨の表示を行い、前記決定手段による乱数の抽出結果に基づいて前記アシスト情報の報知を行うことを特徴とする前記その1から6のいずれか一つに記載のスロットマシン。