<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2に示すように、筐体11は仕切り板によりその内部が上下2分割されており、仕切り板の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リール32L,32M,32Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれが図示しないステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
図1に示すように、遊技パネル20の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダルがベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、メダル付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲーム(遊技回)に相当する。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、受付許可時であればホッパ装置53へ導かれ、受付禁止時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれる。なお、ホッパ装置53は、有効ライン上に遊技媒体の付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
メダル投入口45の下方には、図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、図2に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔57とを備えている。
<各リール32L,32M,32Rに付されている図柄>
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
図3には、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~20まで付されているが、これら番号は主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ1」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「リプレイ2」図柄(例えば、左リール32Lの11番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「リプレイ3」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)の9種類がある。そして、図3に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
図4は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリール32L,32M,32Rに付された21個の図柄のうち図柄全体が視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだラインである。規定数のメダルがベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、メダルの払い出しという利益、再遊技という利益及び遊技状態の移行のいずれかが付与される。
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインではなく、折り曲げラインとして設定されている。したがって、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL4と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL5といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。
以下、図5及び図6を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。図5は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図であり、図6(a)~図6(i)は各入賞が発生した場合の停止図柄の態様を説明するための説明図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1~第12補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞がある。
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第1補填入賞~第9補填入賞のいずれかとなる。また、メインラインML上において左から「赤7」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第10補填入賞となり、メインラインMLにおいて左から「BAR」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第11補填入賞となり、メインラインMLにおいて左から「スイカ」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第12補填入賞となる。第1補填入賞~第12補填入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「1」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1ベル入賞となる。第1ベル入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「4」となる。
第1ベル入賞となる場合、図6(a)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。遊技者は、同一の図柄の組合せが一直線のライン上に停止表示されると入賞が成立したと認識し易い。この場合に、第1ベル入賞に際して同一の「ベル」図柄の組合せを停止表示させることにより、メインラインMLにおける入賞成立態様の多様化を図った構成において入賞の発生を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第2ベル入賞となる。第2ベル入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「9」となる。
第2ベル入賞となる場合、図6(b)に示すように、右上がりのサブラインSL5において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、第2ベル入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL5であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4とは異なる。かかる相違により、遊技者に第1ベル入賞と第2ベル入賞とを区別させることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第1スイカ入賞となる。第1スイカ入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「4」となる。
第1スイカ入賞となる場合、図6(c)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となり得る。これにより、第1スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、左リール32Lの停止タイミングによっては「スイカ」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。なお、「チェリー」図柄が上段、中段又は下段を通過するタイミングで左リール32Lを停止操作する場合には、第1スイカ入賞に際して、サブラインSL1にて「スイカ」図柄の組合せが停止表示される。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄及び「赤7」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第2スイカ入賞となる。第2スイカ入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「4」となる。
第2スイカ入賞となる場合、図6(d)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となる。これにより、第2スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2スイカ入賞に際して「スイカ」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL4であり、第1スイカ入賞に際して「スイカ」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1とは異なる。かかる相違により、遊技者に第1スイカ入賞と第2スイカ入賞とを区別させることが可能となる。
メダル(又は仮想メダル)をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、ベルリプレイ入賞、第1チェリーリプレイ入賞、第2チェリーリプレイ入賞、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞がある。
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、通常リプレイ入賞となる。
通常リプレイ入賞となる場合、図6(e)に示すように、中段のサブラインSL3において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかとなる。これにより、通常リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、ベルリプレイ入賞となる。
ベルリプレイ入賞となる場合、図6(f)に示すように、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、ベルリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、ベルリプレイ入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4及び第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL5とは異なる。かかる相違により、遊技者にベルリプレイ入賞を第1ベル入賞及び第2ベル入賞に対して区別させることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第1チェリーリプレイ入賞となる。
第1チェリーリプレイ入賞となる場合、図6(g)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「チェリー」図柄となり得る。これにより、第1チェリーリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、左リール32L又は右リール32Rの停止タイミングによっては「チェリー」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第1チェリーリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置63にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「チェリー」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「チェリー」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42~44が停止操作されることにより、サブラインSL1において2個の「チェリー」図柄又は3個の「チェリー」図柄が停止表示され得る。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第2チェリーリプレイ入賞となる。
第2チェリーリプレイ入賞となる場合、図6(h)に示すように、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「チェリー」図柄となり得る。これにより、第2チェリーリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「チェリー」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第2チェリーリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置63にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「チェリー」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「チェリー」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42~44が停止操作されることにより、サブラインSL2において2個の「チェリー」図柄又は3個の「チェリー」図柄が停止表示され得る。また、第2チェリーリプレイ入賞に際して「チェリー」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2であり、第1チェリーリプレイ入賞に際して「チェリー」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1とは異なる。かかる相違により、遊技者に第1チェリーリプレイ入賞と第2チェリーリプレイ入賞とを区別させることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第1RTリプレイ入賞となる。ここで、第1RTリプレイ入賞となるか否かに関して、中リール32Mの停止図柄は任意であるため、例えば左リール32Lにおいて1番目の「リプレイ1」図柄がメインラインML上に停止表示されているとともに右リール32Rにおいて1番目の「リプレイ3」図柄がメインラインML上に停止表示されている状況で中リール32Mの4番目の「白7」図柄が上段に停止表示されると、「白7」図柄の組合せが一直線上に停止表示されることとなってしまう。そこで、第1RTリプレイ入賞となる場合、後述するリール制御処理において、一直線上に停止表示されている3個の図柄が全て同一図柄となる事象が発生しないように中リール32Mの停止制御が行われる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第2RTリプレイ入賞となる。第2RTリプレイ入賞となる場合、一直線上に停止表示されている3個の図柄が全て同一図柄となる事象が発生しない。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第1転落リプレイ入賞となる。第1転落リプレイ入賞となる場合、一直線上に停止表示されている3個の図柄が全て同一図柄となる事象が発生しない。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第2転落リプレイ入賞となる。第2転落リプレイ入賞となる場合、一直線上に停止表示されている3個の図柄が全て同一図柄となる事象が発生しない。
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる。具体的には、メダルを3枚ベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら、3枚ベット状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
また、上記各種リプレイ入賞のうち、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞は、リプレイ入賞の特典の付与契機となるだけではなく遊技状態の移行契機となる。本スロットマシン10では役の抽選処理において抽選対象となる役の種類及び各役の当選確率が相違するように複数種類の遊技状態が設定されており、これら遊技状態間の移行は遊技状態の移行契機となるリプレイ入賞が成立した場合に発生する。各遊技状態の内容及び各遊技状態への移行条件については後に詳細に説明する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、BB(ビッグボーナス)入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、BB入賞となる。BB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
BB状態とは、後述する通常モードであって非AT状態である場合(この状態を通常遊技状態ともいう)よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待枚数が高くなる遊技状態である。さらにいうと、BB状態とは、当該BB状態以外のいずれの遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待数が高くなる遊技状態である。具体的には、第2ベル入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば約1/1.1)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングとは無関係に第2ベル入賞に成立することとなる。BB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではBB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数が終了基準数(例えば「350」)以上となることが終了条件として設定されている。
BB入賞となる場合、図6(i)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「赤7」図柄となり得る。これにより、BB入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「赤7」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。BB入賞に対応した役に当選した場合、その当選したゲームにおいて又はその当選したゲーム以降であってBB役に当選した状態が持ち越されたゲームにおいて、前面扉12に設けられた画像表示装置63にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「赤7」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「赤7」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42~44が停止操作されることにより、サブラインSL1において3個の「赤7」図柄が停止表示され得る。
<各種報知及び各種演出を実行するための装置>
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
前面扉12の上部には、図1に示すように、上部ランプ61及びスピーカ62が設けられているとともに画像表示装置63が設けられている。上部ランプ61は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ61は、画像表示装置63における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ62は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ62は、画像表示装置63における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
画像表示装置63は表示面を有しており、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されているが、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面にて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置63は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面にて表示されるように表示制御される。
前面扉12の遊技パネル20には、表示窓部21L,21M,21Rの下方の位置に、貯留記憶された仮想メダルの数を表示するクレジット表示部65と、小役入賞時に付与対象となった遊技媒体数を表示する付与数表示部66と、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にその報知される内容に対応した表示が行われる特別表示部67とがそれぞれ設けられている。これら表示部65~67は7セグメント表示器によって構成されており、各セグメントには緑色などの単色発光タイプのLEDが用いられている。但し、これに限定されることはなく、表示部65~67の一部又は全部が、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。
<各種制御装置>
スロットマシン10には、各種制御装置が設けられている。具体的には、図2に示すように、リールユニット31の上方には、主制御装置70が設けられている。当該主制御装置70は、筐体11の背板に取り付けられている。主制御装置70は、主制御基板71及び払出制御基板75が基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスを開放する場合には、締結状態を解除する必要があり、当該締結状態の解除に際して破壊箇所が生じることとなる。当該破壊箇所の有無を確認することで、基板ボックスが開放されたか否かを簡易的に確認することが可能となる。
スロットマシン10には、主制御装置70以外にも演出制御装置80が設けられている。演出制御装置80は、前面扉12において画像表示装置63の後方に重ねて配置されている。演出制御装置80は、主制御装置70から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63の制御を実行する。なお、演出制御装置80は、主制御装置70と同様に、基板ボックス内に制御基板が収容されてなる。
<スロットマシン10の電気的構成>
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置70は、役の抽選処理及び遊技状態の移行管理などを実行する主制御基板71と、遊技媒体を遊技者に付与するための制御などを実行する払出制御基板75とを具備している。これら主制御基板71及び払出制御基板75は一の基板ボックス内において素子搭載面及びその裏面が相互に対向しないように、横並びで設けられている。基板ボックスは複数のケース体を組合せることで形成されているが、これらケース体は基板ボックス内の主制御基板71及び払出制御基板75を基板ボックスの外部から視認可能となるように無色透明又は有色透明となっている。この場合に、主制御基板71と払出制御基板75とが上記のように横並びで設けられていることにより、主制御基板71の各板面及び払出制御基板75の各板面の状態を他方の制御基板71,75に邪魔されないようにしながら基板ボックスの外部から目視により確認することが可能となる。
主制御基板71には、MPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73、及びそのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74が内蔵されているとともに、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路、割込回路、データ入出力回路及び乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、メダルの受付許可時においてメダル投入口45から投入されてホッパ装置53へ導かれるメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、リセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ56a、設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ57a等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
MPU72の出力側には、セレクタ52に設けられたセレクタ駆動部52a、特別表示部67及び演出制御装置80等が接続されている。既に説明したとおりセレクタ52は、メダル投入口45から投入されたメダルを、受付許可時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させた後にホッパ装置53へ導き、受付禁止時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させることなくメダル受け皿59へ排出する機能を有する。セレクタ駆動部52aはセレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換えるための機能を有しており、具体的にはセレクタ52に設けられた通路切換片を受付許可用の位置と受付禁止用の位置との間で動作させる。MPU72はセレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力状態及び停止状態を切り換えることにより、セレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換える。
また、MPU72は、各ゲームの各タイミングで演出制御装置80にコマンドを送信するとともに、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序を報知させるためのコマンドを演出制御装置80に送信する場合にはその報知させる内容に対応した表示が行われるように特別表示部67の表示制御を実行する。この場合、画像表示装置63の直接的な表示制御は演出制御装置80により行われるのに対して、特別表示部67の直接的な表示制御はMPU72により行われる。つまり、相対的に複雑な表示制御の実行対象となる画像表示装置63については演出制御装置80において直接的な表示制御が実行され、相対的に簡素な表示制御の実行対象となる特別表示部67についてはMPU72において直接的な表示制御が実行される。これにより、MPU72の処理負荷の軽減を図りながら、演出への注目度の向上を重視した表示と、信頼性を重視した表示との両方を行うことが可能となる。
払出制御基板75には、MPU76が搭載されている。MPU76には、当該MPU76により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM77、及びそのROM77内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM78が内蔵されているとともに、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路、割込回路、データ入出力回路及び乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU76に対してROM77及びRAM78が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU76には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU76の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、及びホッパ装置53の払出検出センサ等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU76に入力される。
MPU76の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、ホッパ装置53の払出モータ等、クレジット表示部65及び付与数表示部66等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU76により行われるとともに、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御がMPU76により行われる。また、貯留記憶されている仮想メダルの枚数が表示されるようにクレジット表示部65の表示制御がMPU76により行われるとともに、ゲームの結果として遊技媒体の付与に対応した役の入賞が成立した場合にはその付与対象となった遊技媒体の数が表示されるように付与数表示部66の表示制御がMPU76により行われる。
ここで、主制御装置70の基板ボックス内において主制御基板71と払出制御基板75とは電気的に接続されており、主制御基板71のMPU72と払出制御基板75のMPU76との間でコマンドが双方向通信でやり取りされる。なお、以下の説明では、主制御基板71のMPU72、ROM73及びRAM74を、主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、払出制御基板75のMPU76、ROM77及びRAM78を、払出側MPU76、払出側ROM77及び払出側RAM78という。
主制御基板71と払出制御基板75との電気的な接続に関する構成について詳細には、主制御基板71と払出制御基板75とは第1の信号線群91を用いて電気的に接続されており、当該第1の信号線群91を利用して主側MPU72から払出側MPU76に向けてコマンドが送信される。このコマンド送信はシリアル通信で行われるため、第1の信号線群91には、シリアルでのコマンドデータ送信用の信号線92と、コマンドデータに含まれる各単位データ(例えば1ビット分のデータ)を識別するためのクロック信号用の信号線93と、一のコマンドの送信開始及び送信終了のうち少なくとも一方を認識させるためのラッチ信号用の信号線94とが少なくとも含まれている。なお、コマンドの送信開始を認識させるためのイネーブル信号用の信号線が別途設けられている構成としてもよい。
また、主制御基板71と払出制御基板75とは第2の信号線群95を用いて電気的に接続されており、当該第2の信号線群95を利用して払出側MPU76から主側MPU72に向けてコマンドが送信される。このコマンド送信はシリアル通信で行われるため、第2の信号線群95には、シリアルでのコマンドデータ送信用の信号線96と、コマンドデータに含まれる各単位データ(例えば1ビット分のデータ)を識別するためのクロック信号用の信号線97と、一のコマンドの送信開始及び送信終了のうち少なくとも一方を認識させるためのラッチ信号用の信号線98とが少なくとも含まれている。なお、コマンドの送信開始を認識させるためのイネーブル信号用の信号線が別途設けられている構成としてもよい。
第1の信号線群91及び第2の信号線群95は1個の接続ユニットに集約して設けられている。当該接続ユニットは、上記第1の信号線群91及び上記第2の信号線群95の一端が集約されるコネクタと、他端が集約されるコネクタとを備えており、一方のコネクタが主制御基板71のコネクタに対して着脱自在に装着され、他方のコネクタが払出制御基板75のコネクタに対して着脱自在に装着されている。
なお、主側MPU72と払出側MPU76との間の通信方式はシリアル通信に限定されることはなくパラレル通信であってもよい。また、第1の信号線群91と第2の信号線群95とが別々の接続ユニットとして設けられている構成としてもよい。
主側MPU72と払出側MPU76との間で双方向の通信が行われることで、遊技の進行が制御される。双方向通信の対象となる情報の内容及び遊技の進行を制御するための処理内容については後に詳細に説明する。
主側MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主側MPU72及び払出側MPU76をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合に主側MPU72に停電信号を出力する。主側MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、主側MPU72は、停電信号を受信した場合、停電コマンドを払出側MPU76に送信する。払出側MPU76は、停電コマンドを受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。
電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力を主側RAM74及び払出側RAM78に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)では主側RAM74及び払出側RAM78においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、主側RAM74に記憶保持されているデータ及び払出側RAM78に記憶保持されているデータは初期化される。
演出制御装置80は、各種報知や各種演出の実行制御を実行するためのサブ制御基板81を具備している。サブ制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83、及びそのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84が内蔵されているとともに、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路、割込回路、データ入出力回路及び乱数発回路などが内蔵されている。
なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM84には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給されないが、RAM84に対してバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、既に説明したとおり主側MPU72が接続されており、当該主側MPU72から各種コマンドを受信する。MPU82の出力側には、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63が接続されている。MPU82は、主側MPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御、及び画像表示装置63の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。なお、以下の説明では、演出制御装置80のMPU82、ROM83及びRAM84を、演出側MPU82、演出側ROM83及び演出側RAM84という。
<主側MPU72のメイン処理>
次に、主側MPU72及び払出側MPU76により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に当該主側MPU72において起動されるメイン処理について図8のフローチャートを参照しながら説明する。
メイン処理ではまず初期化処理を実行する(ステップS101)。初期化処理では、タイマ割込み処理による割込みを許可し、さらに主側MPU72内のレジスタ群及びI/O装置等に対する各種の初期設定を行う。
初期化処理が終了した後は設定キーが設定キー挿入孔57に挿入されてON操作が行われているか否かを判定する(ステップS102)。ON操作が行われている場合には(ステップS102:YES)、電源スイッチ55のON操作に際してリセットボタン56がON操作されていないのであれば(ステップS103:NO)、一部クリア処理を実行し(ステップS104)、電源スイッチ55のON操作に際してリセットボタン56がON操作されているのであれば(ステップS103:YES)、全部クリア処理を実行する(ステップS105)。つまり、主側RAM74を初期化するための操作が行われることなくスロットマシン10の設定値の変更が行われる場合には一部クリア処理が実行され、主側RAM74を初期化するための操作が行われた場合には全部クリア処理が実行される。
一部クリア処理では主側RAM74における一部のエリアを初期化し、全部クリア処理では主側RAM74における全部のエリアを初期化する。一部クリア処理では、主側RAM74においてBB状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、BB状態における遊技媒体の合計付与数を示すデータが記憶されたエリア、AT状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、AT状態の終了条件を特定するためのデータが記憶されたエリア、及び後述する抽選モードの種類を示すデータが記憶されたエリアを除く、主側RAM74の各エリアを「0」クリアする。この場合、当選役が記憶されたエリアは「0」クリアされる。全部クリア処理では、一部クリア処理において「0」クリアの実行対象外とされるエリアを含めて主側RAM74の全エリアを「0」クリアする。これにより、一部クリア処理が実行されたとしてもBB状態、AT状態及び抽選モードは電源遮断前の状態に維持され、全部クリア処理が実行された場合には電源遮断前の状態とは無関係に通常遊技状態となる。
なお、上記構成に限定されることはなく、BB状態で電源が遮断された場合において一部クリア処理が実行された場合にはBB状態ではない状態となる構成としてもよく、AT状態で電源が遮断された場合において一部クリア処理が実行された場合にはAT状態ではない状態となる構成としてもよく、後述する第1RTモード又は第2RTモードで電源が遮断された場合において一部クリア処理が実行された場合にはそれらRTモードではない状態となる構成としてもよい。また、一部クリア処理が実行されたとしても、BB役に当選したことを示すデータが記憶されたエリアが「0」クリアされない構成としてもよい。
ステップS104又はステップS105の処理を実行した後は、当選確率設定処理を実行する(ステップS106)。当選確率設定処理では、設定キーが挿入されてON操作されていることを条件として現在の設定値を読み込むとともに、遊技パネル20に設けられた特別表示部67に現在の設定値を表示する。特別表示部67は画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にそれに対応する報知を実行するための表示部であり、設定変更に際しての設定値の表示用として兼用される。なお、当選確率設定処理の直前において主側RAM74における設定値のデータを記憶するためのエリアは確実に初期化されているため、特別表示部67に表示される設定値は「設定1」に対応する「1」である。当選確率設定処理では、リセットボタン56が操作される度に設定値を1更新するとともに、その更新後の設定値を特別表示部67に表示する。なお、設定値が「設定6」である状況でリセットボタン56が操作された場合には設定値は「設定1」に更新される。スタートレバー41が操作された後に設定キーのON操作が解除された場合に当選確率設定処理を終了する。この場合、特別表示部67における設定値の表示が終了される。
当選確率設定処理を実行した後は、クリアコマンドを払出側MPU76に送信する(ステップS107)。払出側MPU76はクリアコマンドを受信した場合、払出側RAM78の全エリアを「0」クリアする。その後、通常処理に移行する(ステップS108)。通常処理については後に詳細に説明する。
メイン処理において設定キーのON操作が行われていない場合(ステップS102:NO)、ステップS109以降の復電処理を実行する。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させるための処理である。
復電処理では、主側RAM74を確認することでスロットマシン10の設定値が正常か否かを判定する(ステップS109)。具体的には、設定値が「設定1」~「設定6」のいずれかである場合に正常であると判定し、「0」又は「7」以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認する(ステップS110)。停電フラグは主側RAM74に設けられており、主側MPU72への動作電力の供給が停止される場合において予め定められた停電時処理が正常に実行された場合には当該停電フラグに「1」がセットされることとなる。停電フラグに「1」がセットされている場合には、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(ステップS111)。具体的には、主側RAM74のチェックサム値を調べ、その値が正常であるか否かを確認する。
ステップS109~ステップS111の全てにおいて肯定判定をした場合には、前回の電断時における停電時処理が正常に実行されたことを意味する。この場合、主側RAM74に保存されたスタックポインタの値を主側MPU72のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(ステップS112)。また、主側RAM74の停電フラグを「0」クリアする(ステップS113)。その後、復電処理の実行を認識させるための復電コマンドを払出側MPU76及び演出側MPU82に送信した後に(ステップS114)、電源遮断前の番地に戻る(ステップS115)。
一方、ステップS109~ステップS111のいずれかで否定判定をした場合には動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理を禁止し(ステップS116)、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とし(ステップS117)、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行する(ステップS118)。当該動作禁止処理は、全部クリア処理(ステップS105)が実行されることにより解除される。
<払出側MPU76のメイン処理>
次に、払出側MPU76への動作電力の供給が開始された場合に当該払出側MPU76において起動されるメイン処理について図9のフローチャートを参照しながら説明する。
メイン処理では主側MPU72からクリアコマンドを受信している場合(ステップS201:YES)、クリア処理を実行する(ステップS202)。クリア処理では払出側RAM78の全エリアを「0」クリアする。払出側RAM78には、仮想メダルの枚数の情報を記憶するための仮想メダルカウンタ78a、及び遊技媒体の付与に対応した入賞が成立した場合における付与対象の遊技媒体の数の情報を記憶するための付与対象カウンタ78bが設けられている。クリア処理によって仮想メダルカウンタ78aが「0」クリアされることで電断直前において1枚以上の仮想メダルが貯留記憶されていたとしてもそれが消去されるとともに、クリア処理によって付与対象カウンタ78bが「0」クリアされることで電断直前において付与対象の遊技媒体数が1以上であったとしてもそれが消去される。クリア処理を実行した場合、ステップS204以降の処理に進む。
また、メイン処理では、クリアコマンドを受信していない場合(ステップS201:NO)、ステップS203にて主側MPU72から復電コマンドを受信したか否かを判定する。そして、復電コマンドを受信していない場合(ステップS203:NO)、ステップS201の処理に戻る。つまり、払出側MPU76は、動作電力の供給が開始された場合、主側MPU72において動作電力の供給開始時の各種処理が実行された場合に送信されるクリアコマンド又は復電コマンドを受信するまでは、後述する遊技媒体の付与を制御するための処理及びリール32L,32M,32Rの回転を制御するための処理が実行可能な状態となることなく待機する。但し、これに限定されることはなく、動作電力の供給開始時に対応するコマンドを主側MPU72から受信していなくても上記各処理が実行可能な状態となる構成としてもよい。また、動作電力の供給開始後において払出側MPU76にて遊技媒体の付与を制御するための処理及びリール32L,32M,32Rの回転を制御するための処理が実行可能な状態となった場合に払出側MPU76から主側MPU72に所定のコマンドが送信され、主側MPU72は当該所定のコマンドを受信した場合に後述するタイマ割込み処理(図10)及び通常処理(図12)が実行可能な状態となる構成としてもよい。
ステップS202の処理を実行した場合、又は主側MPU72から復電コマンドを受信した場合(ステップS203:YES)、初期化処理を実行する(ステップS204)。初期化処理では、払出側MPU76内のレジスタ群及びI/O装置等に対する各種の初期設定を行う。
その後、タイマ割込み処理による割込みを許可し(ステップS205)、さらに主側MPU72から停電コマンドを受信するまでは(ステップS206:NO)、ステップS205における割込みの許可を繰り返し実行する。主側MPU72から停電コマンドを受信した場合(ステップS206:YES)、停電時処理を実行する(ステップS207)。停電時処理では、払出側MPU76の出力ポートの出力状態をクリアすることで、メダルの払出を実行させるべくホッパ装置53に駆動信号を出力している状況であったとしてもそれを停止させるとともに、リール32L,32M,32Rの回転中であったとしてもそれを停止させる。以上の処理を行った後は、動作電力の供給が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
<主側MPU72のタイマ割込み処理>
次に、主側MPU72にて実行されるタイマ割込み処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。なお、タイマ割込み処理は、例えば1.49msecごとに起動される。
レジスタ退避処理(ステップS301)では、後述する通常処理で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74に退避させる。ステップS302では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS303に進み、停電時処理を実行する。
停電フラグには、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合に「1」がセットされる。停電時処理では、まず払出側MPU76に停電コマンドを送信する。その後、コマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74に保存する。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM74に保存し、それ以後の主側RAM74へのアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、動作電力の供給が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ステップS302にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS304以降の各種処理を行う。ステップS304では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS305では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS306では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS307では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。
ステップS308では、各ゲームにおいてベットされた遊技媒体の数を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるための信号、スロットマシン10において異常が発生しているか否かを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるための信号、及び前面扉12が開放されているか否かを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるための信号などを外部出力するための外部出力処理を実行する。
ステップS309では、各種コマンドを払出側MPU76又は演出側MPU82へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS310では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS311では、先のステップS301にて主側RAM74に退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。その後、ステップS312にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
<払出側MPU76のタイマ割込み処理>
次に、払出側MPU76にて実行されるタイマ割込み処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。なお、タイマ割込み処理は、例えば2msecごとに起動される。
ステップS401では、メダル投入口45に対するメダルの投入又はクレジット投入ボタン47~49の操作に伴い仮想メダルの数を増減させるための処理である投入時の対応処理を実行する。ステップS402では、リールユニット31のリールインデックスセンサ、各ストップボタン42,43,44のストップ検出センサ42a,43a,44a、精算ボタン51の精算検出センサ51a、及びホッパ装置53の払出検出センサ等の各種センサの状態を監視するためのセンサ監視処理を実行する。
ステップS403では、精算対応処理を実行する。精算対応処理では、貯留記憶されている仮想メダルをメダルとして払い出させることが可能な状況において精算ボタン51が操作された場合に、払出側RAM78の仮想メダルカウンタ78aに記憶されている数の情報に対応するメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。なお、仮想メダルをメダルとして払い出させることが可能な状況とは、ゲームが実行されていない状況であって前回のゲームにおいてリプレイ入賞が成立していない状況である。
ステップS404では、リール32L,32M,32Rの回転開始の契機を生じさせるための制御、回転停止の契機を生じさせるための制御及び回転停止後における入賞結果に対応する制御などを行うリール制御処理を実行する。ステップS405では、各リール32L,32M,32Rを回転させるためにそれぞれのステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を実行する。
ステップS406では、入賞結果に対応する数の遊技媒体を付与するための媒体付与処理を実行する。ステップS407では、仮想メダルがメダルとして精算された枚数を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるための信号、及び入賞が成立した場合にホッパ装置53から払い出されたメダルの枚数を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるための信号などを外部出力するための外部出力処理を実行する。ここで、既に説明したとおり、外部出力処理は払出側MPU76のみにて実行されるのではなく主側MPU72においても実行される。つまり、遊技ホールの管理コンピュータに対する外部出力は、主側MPU72において他の制御手段による制御が関与することなく直接的に実行されるとともに、払出側MPU76において他の制御手段による制御が関与することなく直接的に実行される。
ステップS408では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS409では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
<主側MPU72の通常処理>
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図12のフローチャートに基づき説明する。
まず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い(ステップS501)、その後に表示クリア処理を実行する(ステップS502)。表示クリア処理では、前回のゲームで所定の表示が行われるように特別表示部67が表示制御されている場合、その所定の表示が消去されるようにする。これにより、特別表示部67は何も表示さていない消灯状態となる。
その後、開始待ち処理を実行する(ステップS503)。開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかのリプレイ入賞が発生したか否かを判定する。いずれかのリプレイ入賞が発生していた場合には、前回のベット数と同数のベット数に設定し、開始待ち処理を終了する。いずれのリプレイ入賞も発生していなかった場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン47~49の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行う投入対応処理を行い、開始待ち処理を終了する。
ここで、図13のフローチャートを参照しながら投入対応処理について説明する。投入メダル検出センサ45aにて1枚のメダルの投入が検出されている場合(ステップS601:YES)、主側RAM74に設けられた第1ベットカウンタ74aの値と第2ベットカウンタ74bの値との合計数が今回のゲームにおける遊技媒体のベット可能な最大規定数以上となっているか否かを判定する(ステップS602)。第1ベットカウンタ74aはメダル投入口45から投入されたメダルが投入メダル検出センサ45aにて検出されたことに基づきベット設定が行われた遊技媒体の数を計測するためのカウンタであり、第2ベットカウンタ74bはクレジット投入ボタン47~49の操作に基づき仮想メダルによってベット設定が行われた遊技媒体の数を計測するためのカウンタである。また、本スロットマシン10ではベット可能な最大規定数が遊技状態に関係なく一定の数(具体的には「3」)として設定されているが、これに限定されることはなく、ベット可能な最大規定数が遊技状態に応じて変動する構成としてもよい。
各ベットカウンタ74a,74bの値の合計数が最大規定数未満である場合(ステップS602:NO)、遊技媒体のベットが可能な状態であるため、第1ベットカウンタ74aの値を1加算する(ステップS603)。各ベットカウンタ74a,74bの値の合計数が最大規定数以上である場合(ステップS602:YES)、メダル投入コマンドをセットする(ステップS604)。メダル投入コマンドは仮想メダルの枚数を1加算すべきことを払出側MPU76に認識させるためのコマンドであり、タイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて払出側MPU76に送信される。
メダル投入コマンドを受信した場合における払出側MPU76の処理内容について説明する。図14は払出側MPU76のタイマ割込み処理(図11)におけるステップS401にて実行される投入時の対応処理を示すフローチャートである。主側MPU72からメダル投入コマンドを受信した場合(ステップS701:YES)、払出側RAM78の仮想メダルカウンタ78aの値を1加算する(ステップS702)。これにより、今回投入されたメダルが仮想メダルとして貯留記憶されることとなる。また、1加算後における仮想メダルカウンタ78aの値が上限貯留数(具体的には「50」)以上である場合(ステップS703:YES)、仮想メダルの枚数が上限貯留数となったことを示す上限貯留コマンドを主側MPU72に送信する(ステップS704)。
主側MPU72における投入対応処理(図13)の説明に戻り、投入対応処理では払出側MPU76から上限貯留コマンドを受信している場合(ステップS605:YES)、主側RAM74に設けられた上限貯留フラグに「1」をセットする(ステップS606)。上限貯留フラグは、払出側MPU76において計測されている仮想メダルの枚数が上限貯留数となっていることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。このように仮想メダルカウンタ78aの値が上限貯留数以上となった場合に払出側MPU76から主側MPU72に上限貯留コマンドを送信するとともに主側MPU72は上限貯留コマンドを受信した場合に上限貯留フラグに「1」をセットする構成とすることで、払出側MPU76において仮想メダルの枚数が計測される構成であったとしても仮想メダルの枚数が上限貯留数以上となっているか否かを主側MPU72にて特定することが可能となる。なお、後述するステップS612にて主側RAM74における第2ベットカウンタ74bの値を加算する処理を実行した場合に、上限貯留フラグを「0」クリアする。
投入対応処理では、いずれかのクレジット投入ボタン47~49が操作されている場合(ステップS607:YES)、主側RAM74の第1ベットカウンタ74aの値が今回操作されたクレジット投入ボタン47~49に対応する仮想メダルの投入指示数未満であることを条件として(ステップS608:NO)、必要投入数の算出処理を実行する(ステップS609)。必要投入数の算出処理では、第1クレジット投入ボタン47が今回操作されているのであれば最大規定数から第1ベットカウンタ74aの値を減算した値を必要投入数とし、第2クレジット投入ボタン48が今回操作されているのであれば「2」から第1ベットカウンタ74aの値を減算した値を必要投入数とし、第3クレジット投入ボタン49が今回操作されているのであれば「1」を必要投入数とする。その後、ステップS609にて算出した必要投入数に対応する値が設定されたクレジット投入コマンドを送信対象としてセットする。クレジット投入コマンドは必要投入数を払出側MPU76に認識させるためのコマンドであり、タイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて払出側MPU76に送信される。
クレジット投入コマンドを受信した場合における払出側MPU76の処理内容について、図14のフローチャートを再度参照しながら説明する。主側MPU72からクレジット投入コマンドを受信した場合(ステップS705:YES)、払出側RAM78の仮想メダルカウンタ78aの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS706)。
仮想メダルカウンタ78aの値が1以上である場合には(ステップS706:YES)、仮想メダルカウンタ78aの減算処理を実行する(ステップS707)。当該減算処理では、クレジット投入コマンドに設定されている必要投入数が仮想メダルカウンタ78aの値以下である場合、その必要投入数を仮想メダルカウンタ78aの値から減算する。必要投入数が仮想メダルカウンタ78aの値よりも大きい値である場合、仮想メダルカウンタ78aの値を「0」クリアする。なお、減算処理では、仮想メダルカウンタ78aの値から減算した値の情報を払出側MPU76のレジスタに記憶する。一方、仮想メダルカウンタ78aの値が「0」である場合(ステップS706:NO)、仮想メダルカウンタ78aの値をそのまま保持し、払出側MPU76のレジスタに減算分の情報として「0」をセットする(ステップS708)。
ステップS707又はステップS708の処理を実行した場合、クレジット対応コマンドを主側MPU72に送信する(ステップS709)。クレジット対応コマンドは、仮想メダルカウンタ78aの値を減算したか否か、及び仮想メダルカウンタ78aの値を減算した場合にはその減算分の情報を主側MPU72に認識させるためのコマンドである。ステップS707の処理が実行されている場合には仮想メダルカウンタ78aから減算した値の情報がクレジット対応コマンドにセットされ、ステップS708の処理が実行されている場合には仮想メダルカウンタ78aの値の減算が発生していないことを示す情報がクレジット対応コマンドにセットされる。
主側MPU72における投入対応処理(図13)の説明に戻り、投入対応処理では払出側MPU76からクレジット対応コマンドを受信している場合(ステップS611:YES)、第2ベットカウンタ74bの加算処理を実行する(ステップS612)。当該加算処理では、仮想メダルカウンタ78aから減算した値の情報がクレジット対応コマンドにセットされている場合にはその値を第2ベットカウンタ74bに加算する。これにより、仮想メダルカウンタ78aから減算された値に対応する分の仮想メダルがベットされた状態となる。一方、加算処理では、仮想メダルカウンタ78aの値の減算が発生していないことを示す情報がクレジット対応コマンドにセットされている場合には第2ベットカウンタ74bの値をそのまま維持させる。なお、加算処理において第2ベットカウンタ74bの値を加算した場合、上限貯留フラグに「1」がセットされているか否かに関係なく、当該上限貯留フラグを「0」クリアする。
投入対応処理では、主側RAM74の第1ベットカウンタ74aの値と第2ベットカウンタ74bの値との合計数が今回のゲームにおける遊技媒体のベット可能な最大規定数以上であって主側RAM74の上限貯留フラグに「1」がセットされている場合(ステップS613:YES)、受付禁止処理を実行する(ステップS614)。受付禁止処理では、セレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力を停止することでセレクタ52を受付禁止状態に設定する。これにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。なお、既に受付禁止状態である場合にはその状態を維持させる。
一方、主側RAM74の第1ベットカウンタ74aの値と第2ベットカウンタ74bの値との合計数が今回のゲームにおける遊技媒体のベット可能な最大規定数未満である場合又は上限貯留フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS613:NO)、受付許可処理を実行する(ステップS615)。受付許可処理では、セレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力を開始することでセレクタ52を受付許可状態に設定する。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45aにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。なお、既に受付許可状態である場合にはその状態を維持させる。
通常処理(図12)の説明に戻り、開始待ち処理(ステップS503)を実行した後は、メダルのベット数が規定数(本実施の形態では「3」)に達しているか否かを判定し(ステップS504)、ベット数が規定数に達していない場合には開始待ち処理(ステップS503)に戻る。なお、本スロットマシン10では、いずれの遊技状態であったとしても規定数は一定となっているとともに規定数=最大規定数となっている。つまり、ゲームを開始するためには、いずれの遊技状態であったとしても最大規定数の遊技媒体をベットする必要がある。ベット数が規定数に達している場合には(ステップS504:YES)、スタートレバー41が操作されたか否かを判定する(ステップS505)。スタートレバー41が操作されていない場合には、開始待ち処理(ステップS503)に戻る。
一方、スタートレバー41が操作された場合には(ステップS505:YES)、メインラインMLを有効化させた後に、投入対応処理(図13)におけるステップS614と同様に受付禁止処理を実行する(ステップS506)。これにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。なお、既に受付禁止状態である場合にはその状態を維持させる。
その後、ステップS507にて、今回のゲームにおける役の抽選を行うための抽選処理を実行する。抽選処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
まず役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する(ステップS801)。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、主側MPU72は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値を主側RAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS802)。ここで、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて抽選処理を実行させるのかを設定することができる。なお、「設定n」よりも「設定n+1」の方が遊技者にとって有利な当選確率となる。また、同一の段階の設定値であっても主側MPU72において抽選テーブルが相違する抽選モードとして、通常モードと、第1RTモードと、第2RTモードとの3種類が存在している。また、遊技状態として、これら各抽選モードの状態とは別にBB状態が存在している。ステップS802では、現状の設定値と、現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルを選択する。
「設定3」である場合を例に挙げて、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれに対応する抽選テーブルについて説明する。まず通常モードである場合に選択される通常モード用抽選テーブルについて説明する。図16は通常モード用抽選テーブルを説明するための説明図である。なお、以下の説明では図17の説明図を適宜参照する。
通常モード用抽選テーブルには、図16に示すように、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率をフリーランカウンタの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
具体的には、インデックス値IV=1には、第2ベル当選データと、第1補填当選データと、第5補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=1で当選となった場合、図17に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第5補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第5補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
本スロットマシン10においてはストップボタン42~44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、ストップボタン42~44が操作されてから規定時間(190msec)が経過するまでに停止させるリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。このようなリール制御が行われることにより、当選している役に対応した入賞を成立させ易くすることが可能となるとともに、当選していない役に対応した入賞が成立してしまうことを回避することが可能となる。但し、滑らせることが可能なリール32L,32M,32Rの回転量が上記のように制限されているため、一のリール32L,32M,32Rにおいて、入賞を成立させるための図柄の組合せを構成する構成図柄間に5図柄以上が存在していると、対応するストップボタン42~44の操作タイミングによっては当該構成図柄がメインラインML上に停止しないことが起こり得る(当該事象を所謂「取りこぼし」ともいう)。第1~第12補填入賞、第1~第2スイカ入賞及びBB入賞は、当該取りこぼしが発生し得る入賞態様である。
インデックス値IV=2には、図16に示すように、第2ベル当選データと、第2補填当選データと、第4補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=2で当選となった場合、図17に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2補填入賞、第4補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第2補填入賞、第4補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
インデックス値IV=3には、図16に示すように、第2ベル当選データと、第2補填当選データと、第6補填当選データと、第7補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=3で当選となった場合、図17に示すように、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2補填入賞、第6補填入賞及び第7補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第2補填入賞、第6補填入賞及び第7補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
インデックス値IV=4には、図16に示すように、第2ベル当選データと、第3補填当選データと、第5補填当選データと、第7補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=4で当選となった場合、図17に示すように、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第3補填入賞、第5補填入賞及び第7補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第3補填入賞、第5補填入賞及び第7補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
インデックス値IV=5には、図16に示すように、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、第3補填当選データと、第4補填当選データと、第5補填当選データと、第8補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=5で当選となった場合、図17に示すように、第1停止が中リール32Mである場合に第1ベル入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。この取りこぼしが発生する確率は、インデックス値IV=1~4の場合よりも低い。
インデックス値IV=6には、図16に示すように、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、第2補填当選データと、第4補填当選データと、第6補填当選データと、第8補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=6で当選となった場合、図17に示すように、第1停止が右リール32Rである場合に第1ベル入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第2補填入賞、第4補填入賞、第6補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第2補填入賞、第4補填入賞、第6補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。この取りこぼしが発生する確率は、インデックス値IV=1~4の場合よりも低い。
インデックス値IV=7には、図16に示すように、第1スイカ当選データと、第2スイカ当選データと、第10補填当選データと、第11補填当選データと、第12補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=7で当選となった場合、図17に示すように、第1停止が左リール32Lである場合に第1スイカ入賞又は第2スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。また、第1停止が中リール32M又は右リール32Rである場合には、第10補填入賞、第11補填入賞及び第12補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第10補填入賞、第11補填入賞及び第12補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
インデックス値IV=8には、図16に示すように、ベルリプレイ当選データが設定されている。インデックス値IV=8で当選となった場合、図17に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なくベルリプレイ入賞が確実に発生する。
インデックス値IV=9には、図16に示すように、第1チェリーリプレイ当選データが設定されている。インデックス値IV=9で当選となった場合、図17に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1チェリーリプレイ入賞が確実に発生する。
インデックス値IV=10には、図16に示すように、第2チェリーリプレイ当選データが設定されている。インデックス値IV=10で当選となった場合、図17に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2チェリーリプレイ入賞が確実に発生する。
インデックス値IV=11には、図16に示すように、BB当選データが設定されている。インデックス値IV=11で当選となった場合、図17に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくBB入賞が発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、BB入賞が発生しない可能性がある。ここで、BB当選データ以外の当選データは入賞が成立したか否かに関係なく当選となったゲームにて消去され、当選となったゲームの次以降のゲームには持ち越されない。これに対して、BB当選データは、主側RAM74のクリアが行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであってもBB入賞が成立するまで記憶保持される。この場合に、BB当選データが持ち越されている状態のゲームにおいてはBB当選データに対応するインデックス値IV値は抽選対象から除外される。これにより、BB当選データが既に記憶保持されているにも関わらずBB当選データが新たに記憶されてしまわないようにすることが可能となり、複数のBB当選データが累積して記憶されてしまわないようにすることが可能となる。
インデックス値IV=12~15には、図16に示すように、通常リプレイ当選データと、第1RTリプレイ当選データとが設定されている。この場合、インデックス値IV=12で当選となった場合、図17に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第1RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第1RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第1RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第1RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。
図16の通常モード用抽選テーブルが選択される場合、インデックス値IV=1の際に当選となる確率、インデックス値IV=2の際に当選となる確率、インデックス値IV=3の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=4の際に当選となる確率は、それぞれ約1/9.3であり、インデックス値IV=5の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=6の際に当選となる確率は、それぞれ約1/12.9であり、インデックス値IV=7の際に当選となる確率は約1/66.8であり、インデックス値IV=8の際に当選となる確率は約1/122であり、インデックス値IV=9の際に当選となる確率は約1/212であり、インデックス値IV=10の際に当選となる確率は約1/423であり、インデックス値IV=11の際に当選となる確率は約1/218であり、インデックス値IV=12の際に当選となる確率、インデックス値IV=13の際に当選となる確率、インデックス値IV=14の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=15の際に当選となる確率は、それぞれ約1/28.0であり、
ここで、通常モード用抽選テーブルには、既に説明したとおり、インデックス値IV=12~15の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第1RTリプレイ当選データが設定されている(図16参照)。これらインデックス値IV=12~15のいずれかに当選する確率は約1/7.0である。そして、インデックス値IV=12~15のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第1RTリプレイ入賞が成立し、抽選モードが通常モードから第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、抽選処理(図15)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
次に、「設定3」であって第1RTモードである場合に選択される第1RTモード用抽選テーブルについて説明する。図18及び図19は第1RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図18に示すように、インデックス値IV=1~11のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図16)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1~7には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1~7のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード及び第1RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=11には通常モード用抽選テーブルと同様にBB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード及び第1RTモードにおいてBB役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=12以降に設定されている当選役データは、通常モードと相違している。詳細には、第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図18に示すように、インデックス値IV=12~15の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第2RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=12~15のいずれかに当選する確率は約1/10.1である。インデックス値IV=12で当選となった場合、図19に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1RTモードにおいてインデックス値IV=12~15のいずれかで当選となり、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に、第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第1RTモードから第2RTモードに移行する。第2RTモードに移行した場合、抽選処理(図15)において参照される抽選テーブルは第2RTモード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルには、図18に示すように、インデックス値IV=16~21の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第1転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=16~21のいずれかに当選する確率は約1/10.9である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=16で当選となった場合、図19に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=17で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=18で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=19で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=20で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=21で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが通常モードに移行する。通常モードに移行した場合、抽選処理(図15)において参照される抽選テーブルは通常モード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=22に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=22において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.7で当選となる。そして、このインデックス値IV=22で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=8~10及び12~22にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第1RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.8となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/6.3となっている。つまり、第1RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。
次に、「設定3」であって第2RTモードである場合に選択される第2RTモード用抽選テーブルについて説明する。図20及び図21は第2RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図20に示すように、インデックス値IV=1~11のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図16)及び第1RTモード用抽選テーブル(図18)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1~7には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1~7のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=11には通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同様にBB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードにおいてBB役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=12以降に設定されている当選役データは、通常モード及び第1RTモードと相違している。詳細には、第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図20に示すように、インデックス値IV=12~17の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第2転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=12~17のいずれかに当選する確率は約1/5.5である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=12で当選となった場合、図21に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=17で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第2転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、抽選処理(図15)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=18に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=18において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.3で当選となる。そして、このインデックス値IV=18で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=8~10及び12~18にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第2RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.8となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/6.3となっている。つまり、第2RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。一方、第1RTモードにおけるリプレイ確率は約1/2.8となっている。つまり、第2RTモードはリプレイ確率が第1RTモードと同一となっている。但し、第1RTモードにおけるリプレイ確率が第2RTモードにおけるリプレイ確率と同一である構成に限定されることはなく、例えば第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が若干相違しているものの略同一である構成としてもよく、第2RTモードの方が第1RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよく、第1RTモードの方が第2RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよい。
なお、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルは「設定1」~「設定6」のそれぞれに1対1で対応させて設定されており、設定値が高いほどBB役の当選確率が高くなる構成となっているが、各抽選モードにおいて設定されているリプレイ確率はいずれの設定値であっても同一又は略同一となっている。また、BB役に当選している状況であればBB役に重複して当選しないように、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのいずれであったとしてもBB役が抽選対象から除外される。また、主側ROM73には、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブル以外にもBB状態である場合に抽選処理(図15)にて参照されるBB用抽選テーブルが記憶されている。BB用抽選テーブルにおいては、抽選対象の役として、第2ベル役、第1スイカ役の2種類のみが設定されており、第2ベル役の当選確率は約1/1.1に設定され、第1スイカ役の当選確率は約1/50に設定されている。これにより、BB状態においては単位ゲーム数あたりにおける遊技媒体の付与期待数が他の遊技状態よりも高くなる。
抽選処理(図15)の説明に戻り、抽選テーブルを選択した後(ステップS802)、インデックス値IVを「1」とし(ステップS803)、役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する(ステップS804)。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS801にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである「1」と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、インデックス値IVと対応する役の当否判定を行う(ステップS805)。役の当否判定では判定値DVが「65535」を超えたか否かを判定する。「65535」を超えた場合には、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータを主側RAM74にセットするための当選データの取得処理を実行する(ステップS806)。当選データの取得処理では、参照対象となっている抽選テーブルにおいて今回のインデックス値IVに対して設定されている当選データの全てが主側RAM74にセットされる。当該当選データがセットされた状態は、その当選データがBB当選データ以外の当選データであれば当該当選データに対応した入賞成立の有無に関係なく今回のゲームの終了後に「0」クリアされ、BB当選データであれば入賞が成立した場合に「0」クリアされる。
判定値DVが「65535」を超えなかった場合には(ステップS805:NO)、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはインデックス値IVを1加算し(ステップS807)、インデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する(ステップS808)。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS804に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS804では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS805では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS806の処理を実行した場合、又はステップS808にて否定判定をした場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。この場合には、抽選結果コマンドをセットする(ステップS809)。抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく払出側MPU76に送信されるコマンドであり、抽選結果コマンドには役の当否判定の結果に対応したデータが含まれる。ここでセットされた抽選結果コマンドは、タイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて払出側MPU76に送信される。
その後、演出内容の決定処理を実行する(ステップS810)。演出内容の決定処理では、今回のゲームにおいて上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63において実行する演出の大枠の内容を決定するための処理を実行する。当該大枠の内容として、BB状態又は後述するAT状態が発生することの期待度が徐々に低くなるように高期待度内容と中期待度内容と低期待度内容とが設定されている。演出内容の決定処理では、所定ゲーム数以内にAT状態に移行するか否かという条件と、今回のゲームにおいて当選となっている役という条件との組合せに対応する抽選テーブルを利用して、演出の大枠の内容を抽選により決定する。
BB状態及びAT状態ではない状況について具体的には、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されている状況においてBB役に当選した場合には98%の確率で高期待度内容が選択されるとともに2%の確率で中期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されている状況においてBB役に当選しなかった場合には80%の確率で高期待度内容が選択されるとともに20%の確率で中期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されていない状況においてBB役に当選した場合には70%の確率で高期待度内容が選択されるとともに各15%の確率で中期待度内容及び低期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されていない状況であってBB役に当選していない状況においてインデックス値IV=7~10のいずれかに当選している場合には30%の確率で高期待度内容が選択されるとともに各35%の確率で中期待度内容及び低期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されていない状況であってBB役に当選していない状況においてインデックス値IV=7~10のいずれにも当選していない場合には80%の確率で低期待度内容が選択されるとともに20%の確率で中期待度内容が選択される。
演出内容の決定処理において決定された大枠の内容に対応する情報はゲーム開始コマンドに設定され、そのゲーム開始コマンドは演出側MPU82への送信対象としてセットされる(ステップS811)。ゲーム開始コマンドとは、新たなゲームが開始されたことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであって、主側MPU72にて決定された演出の大枠の内容を演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、タイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて演出側MPU82に送信される。
演出側MPU82は、ゲーム開始コマンドを受信した場合、後述する報知用処理(図34)におけるその他の処理(ステップS1909)にて、今回のゲームにおける演出の大枠の内容を当該ゲーム開始コマンドから把握し、その把握した演出の大枠の内容に応じた態様で演出の細部の内容を抽選により決定する。そして、その決定した演出の内容に対応するデータテーブルを演出側ROM83から演出側RAM84に読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。
ここで、主側MPU72における演出内容の決定処理では全ての遊技状態において、インデックス値IV=1~6のいずれで当選となったとしても同一の態様で演出内容の抽選処理が実行されるとともに、インデックス値IV=12以降のいずれで当選となったとしても同一の態様で演出内容の抽選処理が実行される。そして、特別表示部67においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が実行される場合を除き、インデックス値IV=1~6及びインデックス値IV=12以降のいずれかに当選している場合においてその個別のインデックス値IVを特定可能とする情報が、主側MPU72から演出側MPU82に送信されない。これにより、特別表示部67においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が実行されていないにも関わらず、演出側MPU82により直接的に制御される画像表示装置63などの演出実行手段においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されてしまわないようにすることが可能となる。
その後、報知制御処理を実行する(ステップS812)。報知制御処理では、詳細は後述するが、特別表示部67の表示制御を行うための処理を実行するとともに、特別表示部67における表示内容に対応する報知が画像表示装置63にて実行されるようにするための処理を実行する。
通常処理(図12)の説明に戻り、抽選処理(ステップS507)を実行した後は、払出側MPU76から回転終了コマンドを受信していない間は(ステップS509:NO)、遊技中監視処理を実行し(ステップS508)、回転終了コマンドを受信した場合に(ステップS509:YES)、ステップS510以降の処理に進む。ここで、本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rの駆動制御が払出側MPU76にて行われ、払出側MPU76においてリール32L,32M,32Rの駆動制御が実行されている状況においては主側MPU72はステップS508及びステップS509の処理を繰り返し実行する。
<払出側MPU76のリール制御処理>
以下、払出側MPU76にて実行されるリール制御処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。なお、リール制御処理はタイマ割込み処理(図11)におけるステップS404にて実行される。
リール制御処理では、いずれかのリール32L,32M,32Rの回転中ではない状況であってリール32L,32M,32Rの回転開始を待機しているウエイト中ではない場合(ステップS901及びステップS902:NO)、主側MPU72から抽選結果コマンドを受信したことを条件として(ステップS903:YES)、リール停止制御用の停止情報を設定するための停止情報第1設定処理を実行する(ステップS904)。停止情報第1設定処理では、抽選処理結果に応じて停止情報を設定する。例えば通常モードにおけるIV=1~7、12~15のいずれかで当選となっている状況であれば、図17に示すような停止順序と入賞役との関係に対応した停止情報を設定する。
ステップS904の処理を実行した場合、又はリール32L,32M,32Rの回転開始を待機しているウエイト中である場合(ステップS902:YES)、回転開始処理を実行する(ステップS905)。回転開始処理では、今回が前回のゲームが終了してから回転開始処理の最初の処理回である場合、前回のゲームで役の抽選処理(図15)の結果に対応するリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合には残りのウエイト時間を設定する。当該ウエイト時間はタイマ割込み処理(図11)が起動される度に減算される。また、ウエイト時間が設定されることにより、ステップS902にて肯定判定をすることとなる。一方、回転開始処理では、今回が前回のゲームが終了してから回転開始処理の最初の処理回ではない場合、ウエイト時間が経過したか否かを判定し、ウエイト時間が経過していない場合にはリール32L,32M,32Rの回転を開始させることなくそのまま本回転開始処理を終了する。ウエイト時間が経過している場合には、払出側RAM78に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットする。これにより、タイマ割込み処理(図11)におけるステップS405のステッピングモータ制御処理にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。
いずれかのリール32L,32M,32Rが回転中である場合(ステップS901:YES)、加速期間であるか否かを判定する(ステップS906)。各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから回転速度が所定の回転速度で一定となるまでの期間が加速期間に該当する。加速期間である場合(ステップS906:YES)、そのまま本リール制御処理を終了する。これにより、加速期間においてはリール32L,32M,32Rの停止操作が無効化されることとなる。加速期間ではない場合(ステップS906:NO)、ステップS907以降の処理を実行する。なお、払出側MPU76は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップボタン42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
ステップS907では、いずれかのリール32L,32M,32Rを停止させるための制御を行う必要がある状況であるか否かを判定する。当該停止制御中ではない場合(ステップS907:NO)、回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44が操作されていることを条件として(ステップS908:YES)、その停止操作対象となったリール32L,32M,32Rの回転を停止させるための処理を実行する。
詳細には、まずストップボタン42~44が操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する(ステップS909)。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。その後、払出側RAM78に格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する(ステップS910)。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS910では、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいてスベリ数として「0」~「4」のいずれかの値を算出する。スベリ数を決定した後は、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する(ステップS911)。
その後、停止指令コマンドを主側MPU72に送信する(ステップS912)。停止指令コマンドとは、いずれのストップボタン42~44が操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく主側MPU72に送信されるコマンドである。なお、当該停止指令コマンドが、停止指令の対象となったリール32L,32M,32Rの回転が停止された場合に主側MPU72に送信される構成としてもよい。主側MPU72は、通常処理(図12)におけるステップS508の遊技中監視処理において払出側MPU76から停止指令コマンドを受信したか否かの監視を行い、停止指令コマンドを受信した場合にはそれに対応する処理を実行する。
遊技中監視処理について詳細には、図23のフローチャートに示すように、払出側MPU76から停止指令コマンドを受信した場合(ステップS1001:YES)、現状の遊技状態がAT状態又はBB状態であるか否かを判定する(ステップS1002)。AT状態とは、通常モード、第1RTモード又は第2RTモードにおいて、インデックス値IV=1~4のいずれかで当選となった場合には第2ベル入賞を成立させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるとともにインデックス値IV=5~6のいずれかで当選となった場合には第1ベル入賞を成立させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される状態である。また、AT状態とは、通常モードにおいてインデックス値IV=12~15のいずれかで当選となった場合には第1RTリプレイ入賞を成立させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、第1RTモードにおいてインデックス値IV=12~15のいずれかで当選となった場合には第2RTリプレイ入賞を成立させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、第1RTモードにおいてインデックス値IV=16~21のいずれかで当選となった場合には第1転落リプレイ入賞の成立を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、第2RTモードにおいてインデックス値IV=12~17のいずれかで当選となった場合には第2転落リプレイ入賞の成立を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される状態である。なお、AT状態であって第1RTモード又は第2RTモードである状態がART状態に該当する。
AT状態又はBB状態のいずれかである場合(ステップS1002:YES)、正規停止コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1004)。AT状態及びBB状態のいずれでもない場合(ステップS1002:NO)、左リール32Lが回転中において中リール32M又は右リール32Rへの停止指令が発生した状況でなければ(ステップS1003:NO)、正規停止コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットし(ステップS1004)、当該状況であれば(ステップS1003:YES)、非正規停止コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1005)。
正規停止コマンドとは、リール32L,32M,32Rの停止順序が正規の停止順序であることを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、非正規停止コマンドとは、リール32L,32M,32Rの停止順序が非正規の停止順序であることを演出側MPU82に認識させるためのコマンドである。これらコマンドがセットされた場合、タイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて演出側MPU82に送信される。
演出側MPU82は、正規停止コマンドを受信した場合、後述する報知用処理(図34)におけるその他の処理(ステップS1909)において、該当ゲームにおける演出の実行内容を回転中の一のリール32L,32M,32Rに対して停止操作が発生したことに対応させて切り換えるための処理を実行する。一方、演出側MPU82は、非正規停止コマンドを受信した場合、まず非正規の停止操作が行われたことを遊技者などに報知するための警告用画像を画像表示装置63に表示させるための処理を実行するとともに、非正規の停止操作が行われたことを遊技者などに報知するための警告音をスピーカ62から出力するための処理を実行する。そして、これら警告用画像の表示及び警告音の出力を所定期間に亘って行った後に、該当ゲームにおける演出の実行内容を回転中の一のリール32L,32M,32Rに対して停止操作が発生したことに対応させて切り換えるための処理を実行する。なお、非正規の停止操作が行われた場合には、主側MPU72はそれに対応する信号を遊技ホールの管理コンピュータに外部出力する構成としてもよい。これにより、非正規の停止操作が行われたことを遊技ホールの管理コンピュータにおいて認識させることが可能となる。
ここで、AT状態及びBB状態ではない状況において左リール32Lよりも先に中リール32M又は右リール32Rの回転が停止されるとAT状態への移行条件が成立していないにも関わらず、第1RTモード又は第2RTモードに移行してしまう可能性がある。これに対して、非正規の停止操作が行われた場合には上記のような報知が実行されるようにすることで、非正規の停止操作を止めるように遊技者に促すことが可能となるとともに、非正規の停止操作が行われていることを遊技ホールの管理者に対して報知することが可能となる。但し、非正規の停止操作が行われたとしても上記のような報知が実行されるだけで、遊技者が不利となるようにするための処理は実行されない。また、非正規の停止操作が行われたゲームよりも後のゲームにおいては、当該非正規の停止操作が行われたことに対処するための処理は実行されない。これにより、遊技者が非正規の停止操作を行った直後に離席したとしても、当該非正規の停止操作を行った影響がその後の遊技者に及ばないようにすることが可能となる。
リール制御処理(図22)の説明に戻り、ステップS911にて停止図柄を決定した場合、次回の処理回ではステップS907にて肯定判定をしてステップS913に進む。ステップS913では、今回停止させるべきリール32L,32M,32Rの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号とが等しくなったか否かを判定し(ステップS913)、等しくなった場合にはそのリール32L,32M,32Rの回転を停止させるリール停止処理を行う(ステップS914)。その後、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する(ステップS915)。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、停止情報第2設定処理を実行する(ステップS916)。停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて払出側RAM78に格納された停止情報を、リール32L,32M,32Rの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データと、リール32L,32M,32Rの停止順序と、停止しているリール32L,32M,32Rの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。
全リール32L,32M,32Rが停止している場合(ステップS915:YES)、入賞判定処理を実行する(ステップS917)。入賞判定処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
入賞判定処理では、まず左リール32LにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類と、中リール32MにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類と、右リール32RにおいてメインラインMLに停止している図柄の種類とを把握する(ステップS1101~ステップS1103)。この図柄の種類の把握に際しては、図柄の種類毎に設定されている2バイトデータを払出側ROM77から読み出す。そして、図柄組合せの論理演算処理として、ステップS1101~ステップS1103にて把握した各2バイトデータを同一の順番のビット同士でAND処理することで、図柄の組合せに対応した2バイトデータを導出する(ステップS1104)。
その後、ステップS1104において導出した2バイトデータがいずれかの入賞データに対応しているか否かを判定する(ステップS1105)。ステップS1105にて肯定判定をした場合には、入賞対応処理を実行する(ステップS1106~ステップS1110)。
入賞対応処理では、今回発生した入賞が遊技媒体の付与に対応している場合(ステップS1106:YES)、その入賞に対して設定されている遊技媒体の付与数の情報を払出側RAM78に設けられた付与対象カウンタ78bにセットする(ステップS1107)。そして、その遊技媒体の付与数が表示されるように付与数表示部66を表示制御する(ステップS1108)。付与数表示部66に表示された内容は、次のゲームが開始された場合に消去される。
払出側RAM78の付与対象カウンタ78bに遊技媒体の付与数の情報がセットされた場合、タイマ割込み処理(図11)における媒体付与処理(ステップS406)においてその付与数に対応する遊技媒体の付与が行われる。当該媒体付与処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
付与対象カウンタ78bの値が1以上である場合(ステップS1201:YES)、払出側RAM78の仮想メダルカウンタ78aの値が上限貯留数未満であれば(ステップS1202:YES)、仮想メダルカウンタ78aの値を1加算するとともに(ステップS1203)、付与対象カウンタ78bの値を1減算する(ステップS1204)。また、1加算後における仮想メダルカウンタ78aの値が上限貯留数以上であれば(ステップS1205:YES)、主側MPU72に上限貯留コマンドを送信する(ステップS1206)。主側MPU72は上限貯留コマンドを受信した場合、主側RAM74の上限貯留フラグに「1」をセットする。なお、上限貯留フラグが「0」クリアされる条件は既に説明したとおりである。
付与対象カウンタ78bの値が1以上であって仮想メダルカウンタ78aの値が上限貯留数以上である場合(ステップS1201:YES、ステップS1202:NO)、ホッパ装置53に駆動信号が出力されておりメダルの払出中であるか否かを判定する(ステップS1207)。メダルの払出中ではない場合(ステップS1207:NO)、ホッパ装置53への駆動信号の出力を開始することでメダルの払出を開始させる(ステップS1208)。メダルの払出中である場合(ステップS1207:YES)、タイマ割込み処理(図11)におけるセンサ監視処理(ステップS402)においてホッパ装置53の払出検出センサにて1枚のメダルの払出が特定されたか否かを判定する(ステップS1209)。1枚のメダルの払出が特定されている場合(ステップS1209:YES)、付与対象カウンタ78bの値を1減算する(ステップS1210)。
ステップS1204又はステップS1210の処理が実行された結果、付与対象カウンタ78bの値が「0」となっている場合(ステップS1211:YES)、回転終了コマンドを主側MPU72に送信する(ステップS1212)。回転終了コマンドは、全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止してさらにリール32L,32M,32Rの停止結果に対応する払出側MPU76における処理が終了したことを主側MPU72に認識させるためのコマンドであり、当該回転終了コマンドには今回のゲームにおいて付与対象となった遊技媒体の数の情報がセットされる。また、ホッパ装置53においてメダルの払出動作が実行されている状況であれば(ステップS1213:YES)、当該ホッパ装置53への駆動信号の出力を停止することで当該払出動作を停止させる(ステップS1214)。
入賞判定処理(図24)の説明に戻り、今回発生した入賞が遊技媒体の付与に対応していない場合(ステップS1106:NO)、今回の入賞結果に対応する情報を回転終了コマンドに設定する(ステップS1109)。そして、その入賞結果に対応する情報が設定された回転終了コマンドを主側MPU72に送信する(ステップS1110)。一方、今回のゲームにおいて当選役の入賞が発生していない場合(ステップS1105:NO)、入賞が発生していないことに対応する回転終了コマンドを主側MPU72に送信する(ステップS1110)。
通常処理(図12)の説明に戻り、払出側MPU76から回転終了コマンドを受信した場合(ステップS509:YES)、遊技終了時の対応処理を実行する(ステップS510)。その後、今回のゲームにおいていずれのリプレイ入賞も発生していない場合には(ステップS511:NO)、投入対応処理(図13)のステップS615と同様に受付許可処理を実行する(ステップS512)。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45aにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。一方、今回のゲームにおいていずれかのリプレイ入賞が発生している場合には(ステップS511:YES)、受付許可処理を実行しない。これにより、セレクタ52が受付禁止状態に維持されることとなり、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。
<遊技終了時の対応処理>
次に、通常処理(図12)のステップS510にて実行される遊技終了時の対応処理について図26のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技終了時の対応処理では、BB役の当選状態又はBB状態である場合(ステップS1301:YES)、BB用処理を実行する(ステップS1302)。BB用処理では、BB役に当選している状態であれば払出側MPU76から受信した回転終了コマンドの内容に基づき、今回のゲームにおいてBB入賞が発生したか否かを判定し、BB入賞が発生しているのであれば主側RAM74に設けられたBB状態フラグに「1」をセットすることで、遊技状態をBB状態に移行させる。これにより、次回以降のゲームにおける抽選処理(図15)ではBB用抽選テーブルが参照されることとなる。また、BB状態に移行したことを示すコマンドを演出側MPU82に送信することで、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてBB状態用の演出を開始させる。なお、BB状態に移行させた場合に主側RAM74からBB当選データを消去することで、BB役に当選した状態を解除する。
BB状態におけるBB用処理では、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生したか否かを判定し、遊技媒体の付与が発生している場合には主側RAM74に設けられた合計付与数カウンタに今回のゲームにおいて付与された遊技媒体の数を加算する。そして、その加算後における合計付与数カウンタの値が終了基準数に対応する値以上であるか否かを判定する。終了基準数に対応する値未満であればそのままBB用処理を終了する。終了基準数に対応する値以上であれば、主側RAM74のBB状態フラグを「0」クリアすることでBB状態を終了させる。また、BB状態が終了したことを示すコマンドを演出側MPU82に送信することで、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63におけるBB状態用の演出を終了させる。
なお、BB状態が終了した場合、BB状態の開始前における抽選モードがいずれのモードであったとしても抽選モードは通常モードとなる。また、AT状態においてBB状態が開始された場合、BB状態の開始前における状態に関係なくBB状態の終了後には後述するART準備状態処理が実行される状態となる。ちなみに、AT状態においてBB状態に移行した場合には、ART状態の実行回を1回増加させるべく、後述する残ART実行カウンタの値が1加算される。
BB役の当選状態及びBB状態のいずれでもなく(ステップS1301:NO)、さらにAT状態ではない場合(ステップS1303:NO)、RTモードの移行処理(ステップS1304)、移行チャンス管理処理(ステップS1305)及びゲーム数解除管理処理(ステップS1306)を実行する。RTモードの移行処理では、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき、今回のゲームにおいて第1RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第2RTモードに移行させる。また、RTモードの移行処理では、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき、今回のゲームにおいて第2転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第1転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には通常モードに移行させる。
移行チャンス管理処理(ステップS1305)では、今回のゲームが通常モードであって役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=7~10のいずれかにて当選となったか否かを判定する。通常モードにおいてインデックス値IV=7~10のいずれかにて当選となっている場合、AT状態への移行抽選処理を実行する。AT状態への移行抽選処理は、BB役の当選状態、BB状態及びAT状態のいずれでもない状況であって主側MPU72の抽選モードが通常モードである場合に実行される。AT状態への移行抽選処理では、インデックス値IV=7~10のそれぞれに対応したAT移行抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、主側RAM74において定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記AT移行抽選テーブルに対して照合する。AT移行抽選テーブルは、インデックス値IV=7で当選となった場合には5%の確率でAT移行当選となり、インデックス値IV=8で当選となった場合には10%の確率でAT移行当選となり、インデックス値IV=9で当選となった場合には15%の確率でAT移行当選となり、インデックス値IV=10で当選となった場合には20%の確率でAT移行当選となるように設定されている。
AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合、主側RAM74に設けられたAT状態カウンタに「1」をセットする。AT状態カウンタは、主側MPU72にてAT状態であるか否かを特定するとともにAT状態である場合にはAT状態の滞在モードを特定するためのカウンタである。非AT状態である場合はAT状態カウンタの値が「0」であり、AT状態である場合にはAT状態カウンタの値が1以上である。AT状態カウンタに「1」がセットされることにより、遊技終了時の対応処理における次回の処理回では、後述するART準備状態処理(ステップS1308)を実行することとなる。
また、AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合、AT状態の実行回の抽選処理を実行する。AT状態が開始される場合、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタに1実行回の継続ゲーム数がセットされ、ARTゲーム数カウンタの値が「0」となった場合にその1実行回が終了する。AT状態の実行回の抽選処理では、その実行回の回数を抽選により決定する。AT状態の実行回の抽選処理では、実行回抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、主側RAM74において定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記実行回抽選テーブルに対して照合する。実行回抽選テーブルは、1回の実行回が50%の確率で選択され、2回の実行回が30%の確率で選択され、3回の実行回が15%の確率で選択され、5回の実行回が5%の確率で選択されるように設定されている。AT状態の実行回の抽選処理にて選択された実行回の値は、主側RAM74に設けられた残ART実行カウンタにセットされる。ARTゲーム数カウンタはART状態の1実行回における残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタであり、残ART実行カウンタはART状態の残りの実行回を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
なお、AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合にはそのゲームでAT状態への移行が行われる構成に限定されることはなく、AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合には所定の前兆ゲーム数(例えば32ゲーム)が消化された後に、AT状態への移行が行われる構成としてもよい。この場合、前兆ゲーム数の計測が行われている状況における各ゲームにおいてAT状態への移行を遊技者に期待させることが可能な演出を上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行することで遊技者の期待感を好適に高めることが可能となる。
ゲーム数解除管理処理(ステップS1306)では、AT状態が前回終了する場合に設定された解除ゲーム数分のゲームがAT状態への新たな移行が発生することなく消化された場合にAT状態に移行させるための処理を実行する。つまり、払出側MPU76から回転終了コマンドを受信する度に解除ゲーム数の値を1減算し、残りの解除ゲーム数の値が「0」となった場合には主側RAM74のAT状態カウンタに「1」をセットする。これにより、遊技終了時の対応処理における次回の処理回では、後述するART準備状態処理(ステップS1308)を実行することとなる。また、AT状態カウンタに「1」をセットする場合には、主側RAM74の残ART実行カウンタに「1」をセットする。
主側RAM74のAT状態カウンタの値が1以上である場合、AT状態であることを意味するため、ステップS1303にて肯定判定をしてステップS1307に進む。ステップS1307ではAT状態カウンタの値を把握し、その把握した値に対応する処理を実行する。具体的には、AT状態カウンタの値が「1」であればART準備状態処理を実行し(ステップS1308)、AT状態カウンタの値が「2」であればART状態処理を実行し(ステップS1309)、AT状態カウンタの値が「3」であればART終了分岐処理を実行する(ステップS1310)。ステップS1302の処理を実行した場合、ステップS1306の処理を実行した場合、又はステップS1308~ステップS1310のいずれかの処理を実行した場合、ゲーム終了コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1311)。ゲーム終了コマンドは、1ゲームが終了したことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、当該コマンドはタイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて演出側MPU82に送信される。以下、ステップS1308~ステップS1310の各処理について説明する。
まずART準備状態処理(ステップS1308)について説明する。
ART準備状態は、ART状態への移行可能条件が成立した場合において、ART状態に移行する前に滞在することとなる状態である。ART準備状態では、ペナルティ状態ではないことを条件として、インデックス値IV=1~6のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。また、ART準備状態では、通常モード用抽選テーブル(図16)又は第1RTモード用抽選テーブル(図18)におけるインデックス値IV=12~15のいずれか(以下、昇格対象役ともいう)で当選となった場合に第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞を成立させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序(以下、昇格発生用の停止順序ともいう)が報知される。ART状態への移行は、ART準備状態処理又はART終了分岐処理が実行されている状況において、第1RTモードにて昇格対象役で当選となり昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されて抽選モードが第2RTモードに移行した場合に発生する。
図27はART準備状態処理を示すフローチャートである。ART準備状態処理では、ペナルティ事象が発生したか否かを判定する(ステップS1401)。ペナルティ事象には、昇格対象役で当選となった場合において昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかったことが含まれる。ART準備状態においては昇格対象役に当選した場合には昇格発生用の停止順序が画像表示装置63にて報知されることとなるが、当該報知が実行されているにも関わらず昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されない事象はペナルティ事象となる。
ペナルティ事象が発生している場合(ステップS1401:YES)、主側RAM74に設けられたペナルティフラグに「1」をセットする(ステップS1402)。ペナルティフラグは、ART準備状態においてペナルティ事象が発生したことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。ペナルティフラグに「1」がセットされている場合、インデックス値IV=1~6のいずれかで当選となったとしてもベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。なお、ペナルティフラグはART準備状態からART状態に移行する場合に「0」クリアされる。
ART準備状態処理では、今回のゲームにおいてインデックス値IV=7~10のいずれかに当選しており(ステップS1403:YES)、さらに主側RAM74のペナルティフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1404:NO)、初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理を実行する(ステップS1405)。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、ART準備状態からART状態に移行した場合における当該ART状態の継続ゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せする場合にはその上乗せゲーム数を決定する。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、インデックス値IV=7~10のそれぞれに対応した初期継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、主側RAM74において定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、当該抽選用カウンタの値を上記初期継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルに対して照合する。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルは、IV=7→IV=8→IV=9→IV=10の順序で上乗せが発生する確率が高くなり、さらに当該順序で上乗せゲームの獲得期待ゲーム数が多くなるように設定されている。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理にて上乗せ当選となった場合(ステップS1406:YES)、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数を主側RAM74に設けられた初期上乗せカウンタに加算する(ステップS1407)。初期上乗せカウンタは、ART状態に移行した場合における当該ART状態の継続ゲーム数の上乗せ分を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
ART準備状態処理では、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合(ステップS1408:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタに「2」をセットする(ステップS1409)。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(図26)における次回の処理回においてART状態処理(ステップS1309)を実行することとなり、遊技状態がART準備状態からART状態に移行する。また、抽選モードが第2RTモードとなるようにするために、主側RAM74のデータ設定を行う(ステップS1410)。その後、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタの値が「0」であることを条件として(ステップS1411:YES)、主側RAM74に設けられた残ART実行カウンタの値を1減算する(ステップS1412)。
ART準備状態処理では、その他のRTモードの移行処理を実行する(ステップS1413)。その他のRTモードの移行処理では、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には通常モードに移行させ、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
次に、遊技終了時の対応処理(図26)におけるART状態処理(ステップS1309)について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。
ART状態処理では、今回の処理回がART準備状態又はART終了分岐状態からART状態に移行した直後の処理回であるか否かを判定することで、今回の処理回がART状態の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS1501)。ART状態の開始タイミングである場合(ステップS1501:YES)には、ARTゲーム数カウンタへのセット処理を実行する(ステップS1502)。
ARTゲーム数カウンタへのセット処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値が1以上であれば、主側RAM74の初期上乗せカウンタの値を当該ARTゲーム数カウンタの値に加算する。これにより、ART状態の途中でBB状態に移行して当該BB状態の終了後にART状態に再度移行する場合には、その実行途中であったART状態の実行回における残りの継続ゲーム数に対してART準備状態において発生した継続ゲーム数の上乗せ分が加算される。一方、ARTゲーム数カウンタへのセット処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値が「0」であれば、当該ARTゲーム数カウンタに初期継続ゲーム数である「50」をセットした後に、主側RAM74の初期上乗せカウンタの値を当該ARTゲーム数カウンタの値に加算する。これにより、ART状態の1実行回が新たに開始される場合には、ART状態の1実行回における初期継続ゲーム数に対してART準備状態において発生した継続ゲーム数の上乗せ分が加算される。
ART状態処理では、今回のゲームにおいてインデックス値IV=7~10のいずれかで当選している場合(ステップS1503:YES)、継続ゲーム数の上乗せ抽選処理を実行する(ステップS1504)。継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、ART状態の継続ゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せする場合にはその上乗せゲーム数を決定する。継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、インデックス値IV=7~10のそれぞれに対応した継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、主側RAM74において定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、当該抽選用カウンタの値を上記継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルに対して照合する。継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルは、IV=7→IV=8→IV=9→IV=10の順序で上乗せが発生する確率が高くなり、さらに当該順序で上乗せゲームの獲得期待ゲーム数が多くなるように設定されている。継続ゲーム数の上乗せ抽選処理にて上乗せ当選となった場合(ステップS1505:YES)、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数を主側RAM74のARTゲーム数カウンタに加算する(ステップS1506)。
ART状態処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS1507)。そして、その1減算後におけるARTゲーム数カウンタの値が「0」となっている場合(ステップS1508:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であって通常モードであるか否かを判定する(ステップS1509)。残ART実行カウンタの値が1以上である場合又は通常モードではない場合(ステップS1509:NO)、主側RAM74のAT状態カウンタに「3」をセットする(ステップS1510)。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(図26)における次回の処理回においてART終了分岐処理(ステップS1310)を実行することとなり、遊技状態がART状態からART終了分岐状態に移行する。一方、残ART実行カウンタの値が「0」であって通常モードである場合(ステップS1509:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタを「0」クリアする(ステップS1511)。これにより、AT状態が終了することとなる。
ART状態処理では、RTモードの移行処理を実行する(ステップS1512)。RTモードの移行処理では、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第2RTモードに移行させ、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には通常モードに移行させ、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
次に、遊技終了時の対応処理(図26)におけるART終了分岐処理(ステップS1310)について説明する。
ART終了分岐状態は、ART状態の1実行回が終了した場合に滞在する遊技状態である。ART終了分岐状態では、ペナルティ状態ではないことを条件として、インデックス値IV=1~6のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。また、ART終了分岐状態においては主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば最終的にART状態に復帰し、当該残ART実行カウンタの値が「0」であってもART状態に復帰し得る。ここで、ART状態の1実行回が終了した場合にART終了分岐状態に移行するため、ART終了分岐状態に移行したタイミングにおいて抽選モードが第2RTモードとなっている可能性が高い。この場合において残ART実行カウンタの値が1以上であったとしても、第2RTモードから第1RTモードへの移行を一旦発生させて、その後に第2RTモードに再度移行するのに合わせてART状態の新たな実行回が開始される。
ART終了分岐状態であっても上記のとおりインデックス値IV=1~6のいずれかで当選となった場合にはベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるため、遊技者にとって有利な状態となる。この場合に、残ART実行カウンタの値が1以上であったとしても、少なくとも抽選モードが第2RTモードから第1RTモードに移行するまではART終了分岐状態に滞在することとなる。その一方、ART終了分岐状態において第2RTモードである場合、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても当該第2転落リプレイ入賞の発生を回避するためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。これにより、ART終了分岐状態においては遊技者の予測が当たり第2転落リプレイ入賞の発生を回避させれば、ART終了分岐状態を継続させることが可能となる。よって、遊技者自身の予測によって遊技者に有利なART終了分岐状態を継続させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
図29はART終了分岐処理を示すフローチャートである。ART終了分岐処理では、ペナルティ事象が発生したか否かを判定する(ステップS1601)。ペナルティ事象には、昇格対象役(通常モード用抽選テーブル(図16)におけるIV=12~15及び第1RTモード用抽選テーブル(図18)におけるIV=12~15)で当選となった場合において昇格発生用の停止順序が報知されているにも関わらず、昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかったことが含まれる。また、ペナルティ事象には、第1RTモード用抽選テーブル(図18)におけるIV=12~15で当選となった場合において昇格発生用の停止順序が報知されていないにも関わらず、昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されたことが含まれる。また、ペナルティ事象には、第1RTモード用抽選テーブル(図18)におけるIV=16~21のいずれかで当選となった場合において転落回避用の停止順序が報知されているにも関わらず、転落発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されたことが含まれる。
ペナルティ事象が発生している場合(ステップS1601:YES)、主側RAM74に設けられたペナルティフラグに「1」をセットする(ステップS1602)。ペナルティフラグは、ペナルティ事象が発生したことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。ペナルティフラグに「1」がセットされている場合、インデックス値IV=1~6のいずれかで当選となったとしてもベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。なお、ペナルティフラグはART終了分岐状態が終了する場合に「0」クリアされる。
ART終了分岐処理では、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合(ステップS1603:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS1604:YES)、当該残ART実行カウンタの値を1減算した後に(ステップS1605)、主側RAM74のAT状態カウンタに「2」をセットする(ステップS1606)。一方、残ART実行カウンタの値が「0」であれば、ステップS1605の処理を実行することなく、AT状態カウンタに「2」をセットする(ステップS1606)。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(図26)における次回の処理回においてART状態処理(ステップS1309)を実行することとなり、遊技状態がART終了分岐状態からART状態に移行する。また、抽選モードが第2RTモードとなるようにするために、主側RAM74のデータ設定を行う(ステップS1607)。
ここで、詳細は後述するように、ART終了分岐状態においては残ART実行カウンタの値が1以上である状況において第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。これにより、残ART実行カウンタの値が1以上である状況であれば、第1RTモードにおいて第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選することで、遊技者はART状態の新たな実行回を容易に開始させることが可能となる。一方、残ART実行カウンタの値が「0」である状況においては第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない。この場合、遊技者は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を予測して停止操作を行うこととなり、その予測した停止順序が第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序であれば第2RTリプレイ入賞が発生し、ART状態の新たな実行回が開始されることとなる。つまり、残ART実行カウンタの値が「0」であっても遊技者の予測に基づきART状態の新たな実行回を開始させることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
ART終了分岐処理では、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合(ステップS1608:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であれば(ステップS1609:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1610)。これにより、AT状態が終了することとなる。また、抽選モードが通常モードとなるようにするために、主側RAM74のデータ設定を行う(ステップS1611)。
ここで、詳細は後述するように、ART終了分岐状態においては残ART実行カウンタの値が1以上である状況において第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合、第1転落リプレイ入賞の発生を回避させることが可能なリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。これにより、残ART実行カウンタの値が1以上である状況であれば、第1RTモードにおいて第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても、遊技者は第1転落リプレイ入賞の発生を容易に回避させることが可能となる。また、仮に、当該状況において第1転落リプレイ入賞を発生させてしまったとしても、ART終了分岐状態は継続される。これにより、残ART実行カウンタの値が1以上である状況においては、遊技者の操作ミスによって第1転落リプレイ入賞を発生させてしまったとしても、ART終了分岐状態を継続させることが可能となる。
一方、残ART実行カウンタの値が「0」である状況において第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない。この場合、遊技者は第1転落リプレイ入賞の発生を回避させるリール32L,32M,32Rの停止順序を予測して停止操作を行うこととなり、その予測した停止順序が第1転落リプレイ入賞の発生を回避させることが可能な停止順序であれば第1転落リプレイ入賞が発生しない。これにより、ART終了分岐状態においては遊技者の予測が当たり第1転落リプレイ入賞の発生を回避させれば、ART終了分岐状態を継続させることが可能となる。よって、遊技者自身の予測によって遊技者に有利なART終了分岐状態を継続させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
ART終了分岐処理では、その他のRTモードの移行処理を実行する(ステップS1612)。その他のRTモードの移行処理では、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、払出側MPU76から受信した回転終了コマンドに基づき第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
<報知制御処理>
次に、主側MPU72において抽選処理(図15)におけるステップS812にて実行される報知制御処理について説明する。報知制御処理では、リール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための制御を実行するとともに、第1RTモードにおいて第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役又は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したことを報知するための制御を実行する。この場合、報知制御処理においては各種報知を画像表示装置63にて行わせるためのコマンドの設定処理を実行するとともに、当該コマンドの設定処理を実行する場合には当該コマンドにおいて指示する報知内容に対応する表示を特別表示部67にて行わせるための設定処理を実行する。報知制御処理の具体的な処理内容の説明に先立ち、特別表示部67について詳細に説明する。
図30(a)は特別表示部67の正面図である。特別表示部67には、7個の表示用セグメント101~107が設けられている。各表示用セグメント101~107は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメント101~107のみを点灯させることができるとともに、任意の組合せの表示用セグメント101~107を点灯させることができる。上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメント101~107においてはいずれも同一の色が表示されることとなるが、これに限定されることはなく、各表示用セグメント101~107において異なる色が表示される構成としてもよく、各表示用セグメント101~107のそれぞれにおいて複数種類の色を表示することが可能な構成としてもよい。第1~第7表示用セグメント101~107はいずれも直線状の表示用セグメントであり、所謂7セグメント表示器となるように第1~第7表示用セグメント101~107が配列されている。これにより、特別表示部67において、数字の「1」~「9」及びアルファベットの「H」といったように複数種類の表示を行うことが可能である。なお、特別表示部67は上記のようなセグメント表示器である構成に限定されることはなく、複数種類の記号、数字又は文字を表示することが可能であれば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置を用いてもよい。
本スロットマシン10では、既に説明したとおり、インデックス値IV=1~6のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となった場合にベル入賞が発生する。また、通常モード用抽選テーブル(図16及び図17)を利用して抽選処理(図15)が実行される場合、インデックス値IV=12~15のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となることで第1RTリプレイ入賞が成立し、第1RTモード用抽選テーブル(図18及び図19)を利用して抽選処理(図15)が実行される場合、インデックス値IV=12~15のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となることで第2RTリプレイ入賞が成立する。また、第1RTモード用抽選テーブル(図18及び図19)を利用して抽選処理(図15)が実行される場合、インデックス値IV=16~21のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となることで通常リプレイ入賞が成立しそれ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が成立する。また、第2RTモード用抽選テーブル(図20及び図21)を利用して抽選処理(図15)が実行される場合、インデックス値IV=12~17のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となることで通常リプレイ入賞が成立しそれ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が成立する。
このようにリール32L,32M,32Rの停止順序に対応して入賞の成立態様が相違する構成において、画像表示装置63において報知され得るリール32L,32M,32Rの停止順序としては、第1停止が中リール32Mであり第2停止及び第3停止のリール32L,32M,32Rの種類が任意である停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止及び第3停止のリール32L,32M,32Rの種類が任意である停止順序と、第1停止が左リール32Lであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が左リール32Lであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が左リール32Lである停止順序とが存在している。これら停止順序は、合計で8種類存在している。
また、ART終了分岐状態においては、第2RTモード用抽選テーブル(図20及び図21)におけるインデックス値IV=12~17のいずれかで当選となった場合、抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて実行されるものの第2転落リプレイ入賞の発生を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。また、ART終了分岐状態においては、第1RTモード用抽選テーブル(図18及び図19)におけるインデックス値IV=12~15のいずれかで当選となった場合、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であれば、抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて実行されるものの第2RTリプレイ入賞を発生させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。また、ART終了分岐状態においては、第1RTモード用抽選テーブル(図18及び図19)におけるインデックス値IV=16~21のいずれかで当選となった場合、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であれば、抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて実行されるものの第1転落リプレイ入賞の発生を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。
上記構成において、特別表示部67では当選役との関係で画像表示装置63にて報知される内容に対応させた表示が行われる。特別表示部67の表示内容について、図30(b)を参照しながら説明する。
特別表示部67の表示内容は、画像表示装置63における上記8種類の停止順序の報知内容に1対1で対応させて設定されているとともに、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないが抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が行われることに対応させて設定されている。具体的には、第1停止が中リール32Mであり残りは任意であることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「1」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり残りは任意であることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「2」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が左リール32Lであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が右リール32Rであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「3」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が左リール32Lであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が中リール32Mであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「4」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「5」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が中リール32Mであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が左リール32Lであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「6」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が中リール32Mであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「7」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が左リール32Lであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「8」の数字が表示内容として設定されており、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないが抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「H」の文字が表示内容として設定されている。
上記のように特別表示部67の表示内容が設定されていることにより、画像表示装置63における異なる種類の報知内容間において特別表示部67の表示内容が重複しないこととなる。これにより、特別表示部67の表示内容を画像表示装置63における報知内容に対応付けることが可能となる。
なお、画像表示装置63における上記各報知内容に対して特別表示部67の表示内容が1対1で対応させて設定されている構成に限定されることはなく、上記各報知内容の一部又は全部に対しては特別表示部67の複数種類の表示内容が対応させて設定されている構成としてもよい。この場合であっても、異なる種類の報知内容間において特別表示部67の表示内容が重複しないようにすることで、特別表示部67の表示内容を画像表示装置63における報知内容に対応付けることが可能となる。
図31(a)及び図31(b)は画像表示装置63における報知内容と特別表示部67における表示内容との関係を説明するための説明図である。
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、図31(a1)に示すように、画像表示装置63にはゲームを終了させるために必要な停止操作の回数と同数の単位表示画像G1~G3が表示され、各単位表示画像G1~G3においてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われる。具体的には、左リール32Lに対応する左単位表示画像G1と、中リール32Mに対応する中単位表示画像G2と、右リール32Rに対応する右単位表示画像G3とが表示される。そして、図31(a1)においては第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである場合の停止順序が報知される様子を示しているため、左単位表示画像G1には左リール32Lの停止順序に対応する「2」の画像が表示され、中単位表示画像G2には中リール32Mの停止順序に対応する「1」の画像が表示され、右単位表示画像G3には右リール32Rの停止順序に対応する「3」の画像が表示される。
画像表示装置63においては上記のようにリール32L,32M,32Rの停止順序そのものを報知する画像が表示されるのに対して、特別表示部67では図31(a2)に示すように、上記リール32L,32M,32Rの停止順序に対応する「5」の表示が行われる。つまり、画像表示装置63においてはリール32L,32M,32Rの数に対応する単位表示画像G1~G3が表示されるとともに各単位表示画像G1~G3において対応するリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われるのに対して、特別表示部67ではリール32L,32M,32Rの数とは無関係な表示が行われる。これにより、特別表示部67においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知内容に対応する表示が行われるとしても、画像表示装置63における表示内容に遊技者を注目させることが可能となる。
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される場合、図31(b1)に示すように、画像表示装置63にはゲームを終了させるために必要な停止操作の回数と同数の単位表示画像G1~G3が表示されるものの、各単位表示画像G1~G3においてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示は行われない。具体的には、左単位表示画像G1、中単位表示画像G2及び右単位表示画像G3のそれぞれにおいて同一の画像として「?」の画像が表示される。また、各単位表示画像G1~G3とは別に、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像として「狙え!!」という文字画像G4が表示される。
画像表示装置63においては上記のように抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が表示されるのに対して、特別表示部67では図31(b2)に示すように、抽選モードの分岐タイミングであることに対応する「H」の表示が行われる。この「H」の表示は、リール32L,32M,32Rの停止順序には対応していない。このように画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない場合には、特別表示部67においてもリール32L,32M,32Rの停止順序を特定不可とする表示が行われるようにすることで、リール32L,32M,32Rの停止順序を遊技者に予測させるという遊技内容が特別表示部67の表示内容によって消失されてしまわないようにすることが可能となる。
ここで、図1に示すように、特別表示部67の表示範囲は画像表示装置63の表示範囲よりも狭い範囲となっている。これにより、画像表示装置63に比べて特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。また、特別表示部67は、リール32L,32M,32Rを視認可能とする表示窓部21L,21M,21Rを挟んで画像表示装置63側とは逆側に存在している。これにより、画像表示装置63に対して特別表示部67が離間された位置に配置されることとなり、これによっても特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
図32は報知制御処理を示すフローチャートである。
報知制御処理では、インデックス値IV=1~6のいずれかで当選となった場合(ステップS1701:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値が1以上であって、主側RAM74のペナルティフラグの値が「0」であることを条件として(ステップS1702:YES、ステップS1703:NO)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1704)。第1表示データの設定処理では、主側ROM73に設けられた表示対応テーブル73aを参照することで、今回当選となったインデックス値IVにおいてベル入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73に設けられた表示データ記憶エリア73bから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、ベル入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1705)。報知実行コマンドは、今回のゲームにおいて当選役と関係する報知を実行すべきことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、停止順コマンドは、今回のゲームにおいて報知すべきリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU82に認識させるためのコマンドである。報知実行コマンドは1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドが送信対象としてセットされる。停止順コマンドは、画像表示装置63にて報知させる停止順序の種類に1対1で対応させて設定されており、ステップS1705ではベル入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1705にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて演出側MPU82に送信される。
報知制御処理では、第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役又は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって(ステップS1706:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値が「1」又は「2」である場合(ステップS1707:YES)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1708)。第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブル73aを参照することで、第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握し、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリア73bから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1709)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第1RTリプレイ入賞及び第2RTリプレイ入賞のうち今回の当選役に対応する側の入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1709にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて演出側MPU82に送信される。
報知制御処理では、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役又は第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって(ステップS1710:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値が「2」である場合、又はAT状態カウンタの値が「1」であって第2RTモードではない場合(ステップS1711:YES、ステップS1712:NO)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1713)。第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブル73aを参照することで、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握し、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリア73bから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1714)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞のうち今回の当選役に対応する側の入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1714にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて演出側MPU82に送信される。ちなみに、この場合に送信される停止順コマンドには、ステップS1713にて選択された特別表示部67の報知内容に対応する停止順序の情報がセットされている。
なお、AT状態カウンタの値が「1」である場合というのはART準備状態であり、ART準備状態においては第2RTモードである場合には第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても当該第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序を報知しない構成とすることで、第2RTモードにおいてART準備状態が開始された場合には第1RTモードに移行させる契機を生じさせることが可能となる。ART準備状態からART状態への移行は第1RTモードから第2RTモードに移行した場合に発生するため、第2RTモードにおいてART準備状態が開始された場合には第1RTモードに一旦移行させることで、ART準備状態からART状態への移行契機を発生させる機会を担保することが可能となる。
報知制御処理では、主側RAM74のAT状態カウンタの値が「3」である場合、すなわちART終了分岐状態である場合(ステップS1715:YES)、分岐対応の報知制御処理を実行する(ステップS1716)。分岐対応の報知制御処理について図33のフローチャートを参照しながら説明する。
第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS1801:NO)、第2表示データの設定処理を実行する(ステップS1802)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、第2表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブル73aを参照することで、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリア73bから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
その後、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1803)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。このセットされた報知実行コマンドは、タイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて演出側MPU82に送信される。この場合に、上記のとおりART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。
分岐対応の報知制御処理では、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS1804:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS1805:YES)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1806)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が1以上であれば第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合には第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序が報知される。したがって、第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブル73aを参照することで、第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリア73bから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1807)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1807にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて演出側MPU82に送信される。ちなみに、この場合に送信される停止順コマンドには、ステップS1806にて選択された特別表示部67の報知内容に対応する停止順序の情報がセットされている。
一方、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS1804:YES、ステップS1805:NO)、第2表示データの設定処理を実行する(ステップS1808)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が「0」であれば第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、第2表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブル73aを参照することで、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリア73bから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
その後、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1809)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。このセットされた報知実行コマンドは、タイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて演出側MPU82に送信される。この場合に、上記のとおりART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、既に説明したとおり第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。
分岐対応の報知制御処理では、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS1810:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS1811:YES)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1812)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が1以上であれば第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合には第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序が報知される。したがって、第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブル73aを参照することで、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリア73bから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1813)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1813にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて演出側MPU82に送信される。
一方、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS1810:YES、ステップS1811:NO)、第2表示データの設定処理を実行する(ステップS1814)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が「0」であれば第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序は報知されない。したがって、第2表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブル73aを参照することで、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリア73bから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
その後、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1815)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。このセットされた報知実行コマンドは、タイマ割込み処理(図10)におけるコマンド出力処理(ステップS309)にて演出側MPU82に送信される。この場合に、上記のとおりART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、既に説明したとおり第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。
次に、演出側MPU82にて実行される報知用処理について図34のフローチャートを参照しながら説明する。報知用処理は例えば4msec周期で実行される。
主側MPU72から報知実行コマンド及び停止順コマンドの両方を受信している場合(ステップS1901:YES)、停止順コマンドに対応するリール32L,32M,32Rの停止順序の画像を画像表示装置63にて表示するために必要なデータの設定を行う(ステップS1902)。但し、このタイミングでは今回の停止順コマンドに対応したリール32L,32M,32Rの停止順序の画像は画像表示装置63に表示されない。その後、演出側RAM84に設けられた計測用カウンタに報知遅延期間に対応する値をセットする(ステップS1903)。報知遅延期間はリール32L,32M,32Rが回転を開始して定速回転となるまでの加速期間よりも短い期間として設定されており、例えば0.5msecに設定されている。計測用カウンタにセットされた値は、報知用処理が開始される度に減算される。
報知用処理では、主側MPU72から報知実行コマンド及び停止順コマンドのうち報知実行コマンドのみを受信し、当該報知実行コマンドを受信するタイミングの前後の監視期間において停止順コマンドを受信していない場合(ステップS1904:YES)、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像を画像表示装置63にて表示するために必要なデータの設定を行う(ステップS1905)。但し、このタイミングでは抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像は画像表示装置63に表示されない。その後、演出側RAM84に設けられた計測用カウンタに報知遅延期間に対応する値をセットする(ステップS1906)。この報知遅延期間に対応する値は、ステップS1903の場合と同様である。
報知用処理では、演出側RAM84の計測用カウンタを利用して計測している報知遅延期間が経過した場合(ステップS1907:YES)、報知開始処理を実行する(ステップS1908)。報知開始処理では、今回がステップS1903にてセットされた報知遅延期間が経過したタイミングである場合には、ステップS1902にて設定したデータに基づき画像表示装置63にて画像を表示させる。これにより、例えば図31(a1)に示すように、今回の停止順コマンドに対応したリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて表示される。一方、報知開始処理では、今回がステップS1906にてセットされた報知遅延期間が経過したタイミングである場合には、ステップS1905にて設定したデータに基づき画像表示装置63にて画像を表示させる。これにより、例えば図31(b1)に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が画像表示装置63にて表示される。
報知用処理では、その他の処理を実行する(ステップS1909)。その他の処理では、例えば主側MPU72からゲーム終了コマンドを受信している場合、そのゲームにおいて画像表示装置63に最終的に表示した画像の表示を終了させて、次のゲームの開始を待機する画像の表示を開始する。この場合、リール32L,32M,32Rの停止順序を報知する画像が表示されている状態でゲーム終了コマンドを受信した場合には、その停止順序を報知する画像の表示を終了させる。また、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が表示されている状態でゲーム終了コマンドを受信した場合には、その画像の表示を終了させる。
次に、図35のタイムチャートを参照しながら、特別表示部67及び画像表示装置63のそれぞれにおいて当選役との関係の報知が行われる様子について説明する。図35(a)はリール32L,32M,32Rの回転期間を示し、図35(b)はリール32L,32M,32Rの加速期間を示し、図35(c)は特別表示部67における当選役に関する報知の実行期間を示し、図35(d)は画像表示装置63における当選役に関する報知の実行期間を示す。
t1のタイミングで、図35(a)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が開始され、図35(b)に示すようにリール32L,32M,32Rの加速期間が開始される。また、当該t1のタイミングで、図35(c)に示すように主側MPU72による直接的な表示制御に基づき特別表示部67において当選役との関係の報知が開始される。
その後、リール32L,32M,32Rの加速期間における途中のタイミングであるt2のタイミングで、図35(d)に示すように演出側MPU82による直接的な表示制御に基づき画像表示装置63において当選役との関係の報知が開始される。つまり、当選役に関する報知が画像表示装置63だけではなく特別表示部67においても行われる構成において、主側MPU72により直接的に表示制御される特別表示部67にて当選役に関する報知が開始された後に、演出側MPU82により直接的に表示制御される画像表示装置63にて当選役に関する報知が開始される。
その後、t3のタイミングで、図35(b)に示すようにリール32L,32M,32Rの加速期間が終了し、リール32L,32M,32Rにおいて定速回転が開始される。その後、t4のタイミングで図35(a)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が停止される。この場合、当該t4のタイミングで、図35(d)に示すように画像表示装置63における当選役に関する報知が終了される。その後、t5のタイミングで、図35(c)に示すように特別表示部67における当選役に関する報知が終了される。そして、その後のt6のタイミングで図35(a)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が新たに開始される。但し、当該ゲームでは当選役に関する報知は実行されない。
上記構成の場合、主側MPU72により直接的に表示制御される特別表示部67にて当選役に関する報知が開始されたタイミング以降に、演出側MPU82により直接的に表示制御される画像表示装置63にて当選役に関する報知が開始され、演出側MPU82により直接的に制御される画像表示装置63における当選役に関する報知が終了したタイミング以降に、主側MPU72により直接的に表示制御される特別表示部67における当選役に関する報知が終了する。つまり、画像表示装置63にて当選役に関する報知が実行されている期間は、特別表示部67にて当選役に関する報知が実行されている期間にその全体が含まれることとなる。これにより、画像表示装置63にて当選役に関する報知が実行されている場合には確実に特別表示部67において当選役に関する報知が実行されることとなり、画像表示装置63にて実行されている当選役に関する報知が不正行為によるものであるか否かの確認を特別表示部67の表示内容を利用して行う場合において、当該確認を任意のタイミングで行うことが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主側MPU72における抽選処理(図15)にてインデックス値IV=1~6のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることで、その報知を確認した遊技者はその停止順序に従ってリール32L,32M,32Rを停止させることでベル入賞を成立させることが可能となる。これは第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役及び第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合も同様であり、報知されている停止順序に従ってリール32L,32M,32Rを停止させることで当選となっている役に対応するリプレイ入賞を成立させることが可能となる。また、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選となった場合に第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることで、その報知を確認した遊技者はその停止順序に従ってリール32L,32M,32Rを停止させることで第2転落リプレイ入賞の成立を回避させることが可能となる。これは第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合も同様である。当該構成において、上記のように所定の停止順序となった場合に所定の入賞が発生する所定対応役に当選した場合に停止順序の報知が演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63にて実行される構成であることにより、画像表示装置63への遊技者の注目度を高めるべく画像表示装置63にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が主側MPU72に及ばないようにすることが可能となる。
但し、演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63にて停止順序の報知が実行される構成においては、主側MPU72と演出側MPU82との間の通信経路や演出側MPU82に対して不正を施すことで画像表示装置63にて停止順序の報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、画像表示装置63にて停止順序の報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
これに対して、演出側MPU82により制御される画像表示装置63にて停止順序の報知が実行されるだけではなく、主側MPU72により直接的に制御される特別表示部67においてその報知対象の停止順序に対応する報知が行われる。これにより、停止順序の報知が画像表示装置63において実行されている場合に特別表示部67においても報知対象の停止順序に対応する報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
所定の停止順序となった場合に所定の入賞が発生する所定対応役に当選していない場合、特別表示部67において役の抽選処理の結果に対応する報知が実行されない。これにより、特別表示部67の役割を明確なものとすることが可能となる。
画像表示装置63において停止順序の報知が実行される場合、特別表示部67においてその報知対象の停止順序に対応する報知が実行される。これにより、画像表示装置63において実行されている停止順序の報知が正規のものであるか否かの確認を停止順序の報知が実行される場合には毎回行うことが可能となる。
特別表示部67における停止順序に対応する報知は画像表示装置63における停止順序の報知よりも、報知対象となっている停止順序の内容を遊技者が把握しづらい態様で行われる。これにより、画像表示装置63だけではなく特別表示部67が設けられた構成において画像表示装置63への遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、特別表示部67における報知態様を簡素な態様としたとしても、遊技者に違和感を与えづらくなる。
特別表示部67の表示範囲は画像表示装置63の表示範囲よりも狭い。これにより、画像表示装置63だけではなく特別表示部67が設けられた構成において画像表示装置63への遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、特別表示部67における報知態様を簡素な態様としたとしても、遊技者に違和感を与えづらくなる。
画像表示装置63において停止順序の報知を実行することを可能とする停止順コマンドが主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成において、当該停止順コマンドには役の抽選処理の結果そのものは含まれない。これにより、主側MPU72と演出側MPU82との間の通信経路に不正にアクセスして停止順コマンドを不正に取得したとしても、その停止順コマンドから役の抽選処理の結果を把握しようとすることを不可とすることが可能となる。よって、停止順コマンドを取得することによる不正行為を実質的に無効化させることが可能となる。
画像表示装置63における停止順序の報知及び特別表示部67における停止順序に対応する報知を実行するか否かの決定が主側MPU72において集約して実行される。これにより、主側MPU72と演出側MPU82との間で双方向通信を行わなくても、画像表示装置63にて停止順序の報知が実行される場合に特別表示部67にて停止順序に対応する報知が実行されるようにすることが可能となる。
画像表示装置63にて実行される停止順序の報知の種類が複数種類設定されている構成において、特別表示部67においては停止順序の報知の種類に対応する態様で報知が実行される。これにより、停止順序の報知の種類が複数種類設定されている構成であっても、特別表示部67における報知の内容を確認することで今回のゲームに対応する停止順序の報知の内容を把握することが可能となる。
所定の停止順序となった場合に所定の入賞が発生する所定対応役に当選した場合であっても画像表示装置63において停止順序の報知が実行されない場合には、特別表示部67において停止順序に対応する報知は実行されない。これにより、停止順序の報知が画像表示装置63において実行されるのが好ましくない状況において、特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
停止順序の報知は実行されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が画像表示装置63にて表示される場合、特別表示部67において停止順序に対応する報知は実行されない。これにより、停止順序の報知が画像表示装置63において実行されるのが好ましくない状況において、特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されてしまわないようにすることが可能となる。また、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が画像表示装置63にて表示される場合、停止順序に対応する報知ではないものの画像表示装置63における表示内容に対応する表示が特別表示部67にて実行される。これにより、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が画像表示装置63にて表示されている場合であっても、特別表示部67を確認することでその画像表示装置63に表示されている画像が正規のものか否かを確認することが可能となる。
特別表示部67において停止順序に対応する報知が開始されるタイミング以降のタイミングで画像表示装置63において停止順序の報知が開始される。これにより、画像表示装置63において停止順序の報知が開始されたタイミングで特別表示部67を確認することで、その停止順序の報知が正規のものであるか否かを確認することが可能となる。
特別表示部67における停止順序に対応する報知が開始されるタイミング以降に画像表示装置63における停止順序の報知が開始される構成であったとしても、停止操作の無効期間において画像表示装置63における停止順序の報知が開始される。これにより、停止操作が有効化される前に画像表示装置63における停止順序の報知の内容を遊技者に認識させることが可能となる。
画像表示装置63における停止順序の報知が終了した後に特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了する。これにより、画像表示装置63における停止順序の報知が終了する前に特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了してしまうことがないため、画像表示装置63における停止順序の報知が正規のものであるか否かを確認する機会を多くすることが可能となる。
役の抽選処理を実行する主側MPU72と遊技媒体を付与するための制御を実行する払出側MPU76とを備えた構成において、リール32L,32M,32Rを駆動制御する機能が払出側MPU76において果たされる。これにより、主側MPU72の処理負荷を軽減することが可能となる。その一方、役の抽選処理は主側MPU72において実行されるため、ゲームの結果を左右する内容を決定する処理は依然として主側MPU72において実行されるようにすることが可能となる。
主側MPU72から役の抽選処理の結果に対応する抽選結果コマンドが払出側MPU76に送信されることにより、払出側MPU76においてリール32L,32M,32Rの駆動制御が行われる構成であっても、役の抽選処理の結果に対応する態様でリール32L,32M,32Rの駆動制御を行うことが可能となる。
リール32L,32M,32Rの回転が終了した場合には払出側MPU76から主側MPU72に回転終了コマンドが送信される。これにより、リール32L,32M,32Rの回転が終了したことを主側MPU72において認識することが可能となる。
遊技媒体の付与に対応する役の入賞が発生した場合、その入賞した役に対応する数の遊技媒体の付与が完了した場合に回転終了コマンドが払出側MPU76から送信される。これにより、主側MPU72は遊技媒体の付与が完了した後に次のゲームの開始を可能とするための制御を実行することが可能となる。
遊技媒体の付与に対応する役以外の役の入賞が発生した場合、その入賞した役に対応する情報がセットされた状態で回転終了コマンドが払出側MPU76から送信され、主側MPU72はその受信した回転終了コマンドに対応する処理を実行する。これにより、遊技媒体の付与に対応する役以外の役の入賞が発生したことに対応する処理については主側MPU72において行われることとなり、払出側MPU76の処理負荷が極端に高くなってしまわないようにすることが可能となる。
一のリール32L,32M,32Rにおける回転が停止される度に、停止指令コマンドが払出側MPU76から送信される。これにより、リール32L,32M,32Rの駆動制御を実行する機能が払出側MPU76に集約されている構成であっても、一のリール32L,32M,32Rにおける回転が停止されたタイミングを主側MPU72において把握することが可能となる。よって、一のリール32L,32M,32Rにおける回転が停止されたタイミングに対応する制御を主側MPU72において行うことが可能となる。
払出側RAM78に仮想メダルカウンタ78aが設けられており、仮想メダルの数の管理が払出側MPU76において行われる。これにより、遊技媒体を付与する機能を払出側MPU76に集約することが可能となる。
いずれかのクレジット投入ボタン47~49が操作された場合には主側MPU72からクレジット投入コマンドが送信され、払出側MPU76はクレジット投入コマンドに設定されている投入必要数に応じて仮想メダルの数を減算する。そして、その減算した仮想メダルの数の情報がセットされたクレジット対応コマンドが払出側MPU76から送信される。これにより、遊技媒体の賭け数を設定する機能が主側MPU72において果たされるようにしながら、払出側MPU76において管理される仮想メダルを利用した賭け数の設定を行うことが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、主側MPU72にて実行される分岐対応の報知制御処理の処理内容が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態との相違点について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。図36は本実施形態における分岐対応の報知制御処理を示すフローチャートである。
第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS2001:YES)、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2002)。この場合に、ART終了分岐状態である場合、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。これにより、画像表示装置63ではリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される。また、今回は特別表示部67において当選役に関する報知は実行されない。
分岐対応の報知制御処理では、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS2003:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS2004:YES)、表示データの設定処理を実行する(ステップS2005)。これにより、第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2006)。これにより、画像表示装置63では第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。
一方、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS2003:YES、ステップS2004:NO)、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2007)。この場合に、ART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。これにより、画像表示装置63ではリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される。また、今回は特別表示部67において当選役に関する報知は実行されない。
分岐対応の報知制御処理では、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS2008:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS2009:YES)、表示データの設定処理を実行する(ステップS2010)。これにより、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2011)。これにより、画像表示装置63では第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。
一方、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS2008:YES、ステップS2009:NO)、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2012)。この場合に、ART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。これにより、画像表示装置63ではリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される。また、今回は特別表示部67において当選役に関する報知は実行されない。
以上の構成によれば、画像表示装置63において抽選モードの分岐タイミングであることが報知されるとしてもリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない場合には、特別表示部67において報知が実行されない。これにより、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にのみ特別表示部67において報知が実行されることとなり、特別表示部67の役割を明確なものとすることが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。また、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせて適用してもよく、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせた構成に対して以下の別形態の構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
(1)画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合及びリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される場合にのみ特別表示部67において表示が行われる構成に限定されることはなく、これら以外の場合においても特別表示部67において表示が行われる構成としてもよい。例えば、画像表示装置63において停止順序の報知及び抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が実行されない状況であっても、所定の停止順序となった場合に所定の入賞が発生する所定対応役に当選した場合には特別表示部67においてそれに対応する報知が行われる構成としてもよい。また、例えば画像表示装置63において停止順序の報知が実行されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が実行される場合には特別表示部67において停止順序に対応する報知が行われる構成としてもよい。但し、画像表示装置63において停止順序が報知されないにも関わらず遊技者が停止順序を明確に特定可能な態様で特別表示部67において報知が行われると、例えばインデックス値IV=1~6のいずれかに当選した場合にはAT状態であるか否かに関係なくベル入賞が成立してしまうこととなる。したがって、そのような状況において特別表示部67にて報知を行う場合には停止順序を特定しづらい態様で当該報知が行われるようにすることが好ましい。
(2)役の抽選処理の結果に対応する報知が演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63などにて実行される場合には、それに対応する報知が特別表示部67において行われる構成としてもよい。例えば、全てのリール32L,32M,32Rの回転が終了する前に、そのゲームにおける役の抽選処理の結果に対応する表示色でキャラクタや文字などの画像が画像表示装置63にて表示される構成においては、その画像が表示されるよりも前のタイミング、その画像の表示タイミングと同時のタイミング又はその画像が表示された後のタイミングにおいて、当該ゲームの役の抽選処理の結果に対応する表示又はその表示色に対応する表示が特別表示部67において実行される構成としてもよい。より具体的には、通常リプレイ役が当選となった場合に画像表示装置63にて青色のキャラクタや文字などの画像が表示される場合には、それに対応する青色対応表示が特別表示部67において行われるようにし、第1スイカ役又は第2スイカ役が当選となった場合に画像表示装置63にて緑色のキャラクタや文字などの画像が表示される場合には、それに対応する緑色対応表示が特別表示部67において行われるようにする構成が考えられる。これにより、役の抽選処理の結果に対応する表示色が画像表示装置63にて報知される場合には、それに対応する表示が特別表示部67において行われることとなる。なお、当該構成を、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて入賞役が変化する構成ではないスロットマシンに適用してもよく、リール32L,32M,32Rの停止順序が演出側MPU82の制御に基づき報知される構成ではないスロットマシンに適用してもよい。
(3)役の抽選処理の結果に関係なく各ゲームにおいて特別表示部67にて何らかの表示が行われる構成としてもよい。この場合、役の抽選処理の結果に対応する報知が特別表示部67において行われる構成としてもよいが、特別表示部67を確認することで役の抽選処理の結果が遊技者に明確に把握されてしまうのは好ましくないため、役の抽選処理の結果を特定しづらい態様で当該報知が行われるようにすることが好ましい。
(4)画像表示装置63において停止順序の報知が行われる場合にはその停止順序に対応する報知が特別表示部67において行われるが、画像表示装置63において停止順序の報知が行われない場合には役の抽選処理の結果を特定不可とするような表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。例えば、画像表示装置63において停止順序の報知が行われない場合には特別表示部67の表示内容が抽選により決定され、その抽選結果に対応する表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。これにより、画像表示装置63において停止順序の報知が行われる場合には当該停止順序に対応する報知が特別表示部67にて行われるようにしながら、停止順序の報知が行われない場合には特別表示部67の表示内容を不規則なものとすることが可能となる。この場合、特別表示部67の機能が遊技者にとって分かりづらくなり、特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
(5)画像表示装置63において停止順序の報知が行われる場合及び抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が行われる場合には、それに対応する報知が特別表示部67において行われるが、それ以外の場合においては役の抽選処理の結果を特定不可とするような表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。例えば、画像表示装置63において停止順序の報知及び抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が行われない場合には特別表示部67の表示内容が抽選により決定され、その抽選結果に対応する表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。
(6)主側MPU72に動作電力が供給されている場合には特別表示部67において何らかの表示が常時行われている構成としてもよい。例えば、画像表示装置63において停止順序の報知が行われる場合及び抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が行われるゲームにおいてはそれに対応する報知が特別表示部67において行われ、それ以外の場合には待機中であることを示す待機表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。これにより、主側MPU72と特別表示部67との間の電気経路に何らかの異常が発生しているか否かの確認、及び特別表示部67に故障が発生しているか否かの確認を、特別表示部67を目視するだけで行うことが可能となる。
(7)画像表示装置63において停止順序の報知が実行されている期間が、特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されている期間に含まれている構成としたが、これに限定されることはなく、画像表示装置63において停止順序の報知が実行されている期間の少なくとも一部が、特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されている期間に含まれていない構成としてもよい。例えば、特別表示部67における停止順序に対応する報知が開始されたタイミング以降に画像表示装置63において停止順序の報知が開始されるものの画像表示装置63において停止順序の報知が実行されている途中で特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了される構成としてもよく、特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了したタイミング以降に画像表示装置63における停止順序の報知が開始される構成としてもよく、画像表示装置63において停止順序の報知が開始された後に特別表示部67における停止順序に対応する報知が開始され、画像表示装置63において停止順序の報知が終了したタイミング以降に特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了する構成としてもよく、画像表示装置63において停止順序の報知が開始された後に特別表示部67における停止順序に対応する報知が開始され、画像表示装置63において停止順序の報知が終了するよりも前のタイミングで特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了する構成としてもよい。特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されている期間を、画像表示装置63において停止順序の報知が実行されている期間よりも短くすることにより、特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
(8)特別表示部67がクレジット表示部65又は付与数表示部66といった他の情報を報知するための表示部内に設けられている構成としてもよい。例えば、クレジット表示部65及び付与数表示部66のうち一方である対象表示部が当該対象表示部の外縁を区画する区画枠部と、対象表示部の報知対象の情報を報知するための報知発光部とを備えた構成において、特別表示部67が対象表示部の区画枠部に区画された領域内において報知発光部と隣接する位置に配置されている構成としてもよい。この場合、特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
(9)特別表示部67に入賞の結果に影響を与えるリール32L,32M,32Rの数と同数の単位表示部を設定し、各単位表示部において対応するリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示を実行する構成としてもよい。この場合、特別表示部67においても画像表示装置63と同様にリール32L,32M,32Rの停止順序を遊技者に明確に把握させることを可能とする報知が実行されることとなる。
(10)第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役及び第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役の少なくとも一つの役については、リール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となった場合に対応する抽選モードの移行契機となるリプレイ入賞が発生するのではなく、少なくとも一のリール32L,32M,32Rについてその回転位置に対する停止操作タイミングが所定の操作タイミングとなった場合に対応する抽選モードの移行契機となるリプレイ入賞が発生する構成としてもよい。この場合、その役について移行契機となるリプレイ入賞の発生を可能とさせる場合又は当該リプレイ入賞の発生を回避可能とさせる場合には、画像表示装置63においては停止操作タイミングを遊技者が認識可能となる報知が行われるとともに、特別表示部67においては当該報知内容に対応する報知が行われることとなる。
(11)演出側MPU82の制御により停止態様の報知を実行するための装置は、画像表示装置63に限定されることはなく、当該画像表示装置63に代えて又は加えて、停止態様を報知するための専用発光部が演出側MPU82により制御されることで停止態様の報知が実行される構成としてもよく、スピーカ62が演出側MPU82により制御されることで停止態様の報知が実行される構成としてもよい。
(12)停止態様の報知を実行するか否かが主側MPU72により決定される構成は必須ではなく、停止態様の報知を実行するか否かの決定が主側MPU72及び演出側MPU82のそれぞれにおいて行われる構成としてもよく、停止態様の報知を実行するか否かの決定が演出側MPU82において行われる構成としてもよい。但し、停止態様の報知を実行するか否かの決定が演出側MPU82において行われる構成の場合、その決定結果の情報が演出側MPU82から主側MPU72に送信される必要がある。
(13)主制御基板71と払出制御基板75とが同一の基板ボックスに収容されている構成に限定されることはなく、主制御基板71と払出制御基板75とが別々の基板ボックスに収容されている構成としてもよい。また、主側MPU72と払出側MPU76とが別々の基板に搭載されている構成に限定されることはなく、主側MPU72と払出側MPU76とが同一の基板に搭載されている構成としてもよい。
(14)仮想メダルカウンタ78aが払出側RAM78に設けられている構成に限定されることはなく、仮想メダルカウンタ78aが主側RAM74に設けられている構成としてもよい。この場合、クレジット投入ボタン47~49が操作された場合に主側MPU72から払出側MPU76にクレジット投入コマンドを送信する必要はないが、遊技媒体の付与に対応する入賞が発生した場合にはその付与対象となる遊技媒体の数の情報を払出側MPU76から主側MPU72に送信するとともに、その付与対象となる遊技媒体の数の情報のうち仮想メダルカウンタ78aの上限貯留数を超える分の遊技媒体の数の情報を主側MPU72から払出側MPU76に送信する構成とする。そして、払出側MPU76はその超える分の遊技媒体の数の情報に対応する枚数のメダルが払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する構成とする。
(15)遊技媒体の付与に対応する入賞が発生した場合、その入賞に対応する数の遊技媒体の付与が完了するまで払出側MPU76から回転終了コマンドが送信されない構成に代えて、遊技媒体の付与に対応する入賞が発生した場合にはその入賞に対応する数の遊技媒体の付与が完了していなくても払出側MPU76から回転終了コマンドが送信される構成としてもよい。この場合、遊技媒体の付与が行われている途中であっても主側MPU72において次回のゲームの開始を可能とする制御が行われる構成としてもよく、遊技媒体の付与が完了した場合にはそれに対応するコマンドが払出側MPU76から主側MPU72に送信されることで遊技媒体の付与が完了した後に主側MPU72において次回のゲームの開始を可能とする制御が行われる構成としてもよい。
(16)インデックス値IV=1~6のいずれかで当選となった場合においてベル入賞成立対応の停止順序とは異なる停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合にはメダルの払出が発生しない構成としてもよい。
(17)メインラインMLが折れ曲がりラインである構成に限定されることはなく、直線状のラインである構成としてもよい。また、サブラインSL1~SL5において同一図柄の組合せが停止したとしても入賞の成立とならない構成としてもよい。この場合、同一図柄の組合せが停止して入賞の成立となる状況は、メインラインMLにおいて同一図柄の組合せが停止する状況のみとなる。また、有効ラインがメインラインMLの1本のみである構成に限定されることはなく、有効ラインが2本、3本又は4本以上である構成としてもよい。この場合、ベットされた遊技媒体の数が多いほど有効ラインの数が多くなる構成としてもよく、ベットされた遊技媒体の数とは無関係に最大数の有効ラインが設定される構成としてもよい。
(18)リールユニット31が払出側MPU76と電気的に接続されており当該払出側MPU76によりリール32L,32M,32Rの回転が駆動制御される構成に代えて、リールユニット31が主側MPU72と電気的に接続されており当該主側MPU72によりリール32L,32M,32Rの回転が駆動制御される構成としてもよい。この場合、リール32L,32M,32Rの回転を駆動制御するためのスベリテーブルといった停止情報が主側ROM73に予め記憶されている構成としてもよく、これに代えて、当該停止情報が払出側ROM77に予め記憶されている構成としてもよい。
停止情報が払出側ROM77に予め記憶されている場合には、主側MPU72において役の抽選処理が実行された場合にはその抽選結果に対応する停止情報を主側MPU72に送信するように当該主側MPU72から払出側MPU76にコマンドが送信され、当該コマンドを受信した払出側MPU76はそのコマンドにおいて指示されている停止情報を払出側ROM77から読み出し主側MPU72に送信する構成としてもよい。また、当該構成に代えて、主側MPU72において役の抽選処理が実行された場合にはその抽選結果を示すコマンドが主側MPU72から払出側MPU76に送信され、当該コマンドを受信した払出側MPU76はそのコマンドにおいて示されている抽選結果に対応する停止情報の種類を特定し、その特定した種類の停止情報を払出側ROM77から読み出し主側MPU72に送信する構成としてもよい。このように払出側ROM77に停止情報を記憶させる構成とすることで、リール32L,32M,32Rの回転の駆動制御を主側MPU72において行う構成であったとしても、停止情報を主側ROM73に予め記憶させる必要がなくなり、主側ROM73において必要な記憶容量を削減することが可能となる。
(19)演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63などにて実行される役の抽選処理の結果に対応する報知の内容に対して、特別表示部67における表示内容が1対1で対応している構成に限定されることはなく、画像表示装置63などにて実行される役の抽選処理の結果に対応する1種類の報知の内容に対して、特別表示部67における表示内容が複数種類設定されている構成としてもよい。
例えば、画像表示装置63にてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、そのゲームにおいて当選となっている役の種類に1対1で対応する表示が特別表示部67にて行われる構成としてもよい。この場合、同一の停止順序が画像表示装置63にて報知される状況であっても、そのゲームにおいて当選となった役の種類に応じて特別表示部67における表示内容が相違することとなる。
また、画像表示装置63にてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、その停止順序の報知内容に対応する複数種類の表示内容から抽選により選択された一の表示内容が選択され、その選択された表示内容が特別表示部67にて表示される構成としてもよい。例えば、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rであることを示す報知が画像表示装置63にて実行される場合、特別表示部67においては「3」、「L」及び「H」のいずれかが抽選により決定されて表示される構成としてもよい。この場合であっても、同一の停止順序が画像表示装置63にて報知される状況であっても、特別表示部67における表示内容が相違し得ることとなる。
上記各構成によれば、特別表示部67において報知されている内容が遊技者にとって分かりづらくなる。但し、演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63などにて実行される役の抽選処理の結果に対応する報知の内容に特別表示部67の表示内容を対応させるべく、画像表示装置63において所定の報知が実行される場合に特別表示部67にて表示され得る表示内容と、画像表示装置63において所定の報知とは異なる報知が実行される場合に特別表示部67にて表示され得る表示内容とが完全に相違する構成とすることが好ましい。
(20)特別表示部67においては役の抽選処理の結果に対応する表示が実行される構成としてもよい。この場合、役の抽選処理の結果に対して、特別表示部67における表示内容が1対1で対応している構成としてもよい。また、当該構成に代えて、役の抽選処理の各結果に対して、特別表示部67における表示内容が複数種類設定されている構成としてもよい。例えば、BB役が設定されているIV=11が当選となった場合、特別表示部67においては「L」、「H」及び「F」のいずれかが抽選により決定されて表示され、第1スイカ役及び第2スイカ役が設定されているIV=7が当選となった場合、特別表示部67においては「1」、「5」及び「8」のいずれかが抽選により決定されて表示され、ベルリプレイ役が設定されているIV=8が当選となった場合、特別表示部67においては「2」及び「4」のいずれかが抽選により決定されて表示される構成としてもよい。これにより、特別表示部67において役の抽選処理の結果に対応する表示が行われるようにしながら、特別表示部67を確認したとしてもその役の抽選処理の結果を遊技者が把握しづらくなる。但し、役の抽選処理の結果に特別表示部67の表示内容を対応させるべく、役の抽選処理の結果が所定の結果である場合に特別表示部67にて表示され得る表示内容と、役の抽選処理の結果が当該所定の結果とは異なる結果である場合に特別表示部67にて表示され得る表示内容とが完全に相違する構成とすることが好ましい。この場合、役の抽選処理の一の結果に対して設定されている特別表示部67の表示内容の種類はいずれの役の抽選処理の結果であっても同数である構成としてもよく、役の抽選処理の結果に応じて異なる数である構成としてもよい。
なお、当該構成を、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて入賞役が変化する構成ではないスロットマシンに適用してもよく、リール32L,32M,32Rの停止順序が演出側MPU82の制御に基づき報知される構成ではないスロットマシンに適用してもよい。例えば、演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63などにて入賞可能な役の種類に対応する報知が実行される構成に対して当該構成を適用してもよい。
(21)特別表示部67において役の抽選処理の結果に対応する表示が実行される構成である場合、全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止した後に、特別表示部67における役の抽選処理の結果に対応する表示が開始される構成としてもよい。この場合、リール32L,32M,32Rが回転している状況において特別表示部67を確認したとしても、そのゲームにおける役の抽選処理の結果が特定されてしまわないようにすることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、役の抽選処理が実行された後であって全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止される前に、特別表示部67における役の抽選処理の結果に対応する表示が開始される構成としてもよい。
(22)主側MPU72から演出側MPU82に送信される情報の種類は上記各実施形態におけるものに限定されることはなく、例えば遊技媒体の付与に対応する入賞が成立した場合、その入賞により付与される遊技媒体の数の情報が主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成としてもよい。この場合、入賞により付与される遊技媒体の数の情報を画像表示装置63などにおいて報知することが可能となる。また、全てのリール32L,32M,32Rが停止していない状況であっても一部のリール32L,32M,32Rの回転が停止される場合又は停止された場合に、それに対応する情報が主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成としてもよい。この場合、リール32L,32M,32Rの回転状況に対応する演出を画像表示装置63などにおいて行うことが可能となる。
(23)表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な図柄を裏側から照らすためのバックライトがリール32L,32M,32Rの裏側に設けられている構成としてもよい。この場合、入賞が成立した場合に当該バックライトを利用して図柄を裏側から照らすことで、入賞が成立したことを遊技者に認識させ易くなる。当該構成において、第1ベル役、第2ベル役、第1スイカ役、第2スイカ役、通常リプレイ役、ベルリプレイ役、第1チェリーリプレイ役、第2チェリーリプレイ役及びBB役のように、対応する入賞が成立する場合にメインラインML上においては同一の図柄の組合せが停止表示されないものの、サブラインSL1~SL5において同一の図柄の組合せが停止表示される構成においては、サブラインSL1~SL5上に停止表示されている同一の図柄の組合せの全体をバックライトで照らすとサブラインSL1~SL5がメインラインMLであると遊技者に誤認させてしまうおそれがある。したがって、このような誤認の発生を防止する上では、いずれかのサブラインSL1~SL5に同一の図柄の組合せが停止表示される状況でメインラインML上において入賞が成立している場合、同一の図柄の組合せとはなっていないがメインラインMLに停止表示されている図柄の組合せをバックライトで照らす構成としてもよい。また、当該構成に加えて又は代えて、同一の図柄の組合せが停止表示されているサブラインSL1~SL5とメインラインMLとが交差している位置に停止表示されている少なくとも1個の図柄をバックライトで照らす構成としてもよい。また、これら構成に加えて又は代えて、同一の図柄の組合せが停止表示されているサブラインの全体を照らさないようにしながら、当該サブライン上に停止表示されている一部の図柄と当該サブライン上とは異なる位置に停止表示されている図柄とをバックライトで照らす構成としてもよい。
(24)全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止した後に入賞となった役の種類を画像表示装置63にて報知する構成としてもよい。当該構成において、第1ベル役、第2ベル役、第1スイカ役、第2スイカ役、通常リプレイ役、ベルリプレイ役、第1チェリーリプレイ役、第2チェリーリプレイ役及びBB役のように、対応する入賞が成立する場合にメインラインML上においては同一の図柄の組合せが停止表示されないものの、サブラインSL1~SL5において同一の図柄の組合せが停止表示される構成においては、サブラインSL1~SL5上に停止表示されている同一の図柄の組合せの全体を画像表示装置63に表示するとサブラインSL1~SL5がメインラインMLであると遊技者に誤認させてしまうおそれがある。したがって、このような誤認の発生を防止する上では、同一の図柄の組合せが停止表示されているサブラインSL1~SL5とメインラインMLとが交差している位置に停止表示されている少なくとも1個の図柄を画像表示装置63に表示する構成としてもよい。また、メインラインMLに停止表示されている図柄の組合せを画像表示装置63に明示しながら、サブラインSL1~SL5に停止表示されている同一の図柄の組合せ又は当該同一の図柄の組合せに対応する図柄を画像表示装置63に表示する構成としてもよい。また、サブラインSL1~SL5に停止表示されている同一の図柄の組合せをそのまま画像表示装置63に表示しないものの、当該同一の図柄の組合せを構成している1個の図柄を画像表示装置63に表示する構成としてもよい。この場合、当該図柄を全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止するタイミングよりも前のタイミングで一旦表示させて、全てのリール32L,32M,32Rの回転停止後においてもその表示を継続させる構成としてもよく、当該図柄を全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止するタイミングよりも前のタイミングにて一旦表示させた後に、全てのリール32L,32M,32Rの回転停止後においてその表示を消す構成としてもよい。
(25)上記実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(26)本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はATゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。
(27)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
(28)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、パチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(払出側MPU76におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72における遊技終了時の対応処理を実行する機能、払出側MPU76における媒体付与処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記対応実行手段は、前記役の抽選処理にて所定対応役に当選し、前記絵柄の変動表示の停止操作態様が所定態様となったことに基づいて、それに対応する制御を実行する所定対応実行手段(主側MPU72におけるステップS1304、ステップS1409、ステップS1410、ステップS1512、ステップS1606、ステップS1607、ステップS1610及びステップS1611の処理を実行する機能)を備え、
当該遊技機は、
前記役抽選手段を有する第1制御手段(主側MPU72)と、
当該第1制御手段により制御される第1報知手段(特別表示部67)と、
前記第1制御手段が送信する情報に基づき報知が実行されるように第2報知手段(画像表示装置63)を制御する第2制御手段(演出側MPU82)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御する第1報知制御手段(主側MPU72におけるステップS1704、ステップS1708、ステップS1713、ステップS1806及びステップS1812の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうち前記第1報知の対象となる側の態様に対応する第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する第2報知制御手段(演出側MPU82におけるステップS1902の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、役の抽選処理にて所定対応役に当選した場合に所定態様に対応する報知又は所定態様にならないようにするための態様に対応する報知が実行されることで、その報知を確認した遊技者は停止操作態様を所定態様とすること又は所定態様としないことが可能となり、所定対応役に対応する制御を実行させること又は所定対応役に対応する制御を実行させないことが可能となる。当該構成において、所定対応役に当選した場合に第2報知が第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて実行される構成であることにより、第2報知への遊技者の注目度を高めるべく第2報知手段にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が第1制御手段に及ばないようにすることが可能となる。
但し、第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて第2報知が実行される構成においては、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路や第2制御手段に対して不正を施すことで第2報知手段にて第2報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、第2報知手段にて第2報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
これに対して、第2制御手段により制御される第2報知手段にて第2報知が行われるだけではなく、第1制御手段により直接的に制御される第1報知手段において第1報知が行われる。これにより、第2報知が第2報知手段において実行されている場合に第1報知手段においても第1報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
以上より、停止態様の報知を実行するための制御を好適に行うことが可能となる。
なお、上記特徴A1の構成において、
「前記絵柄表示手段は、絵柄を変動表示する絵柄表示領域(リール32L,32M,32R)を複数備え、
前記停止操作手段は、前記絵柄表示領域に対応させて複数設けられており、
前記絵柄表示制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき当該停止操作手段に対応する前記絵柄表示領域における絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御し、
前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様は、前記複数の絵柄表示領域における絵柄の変動表示が所定対応の順序で停止されることである」
という構成を適用してもよい。
特徴A2.前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選していない場合、前記第1報知手段にて前記役の抽選処理の結果に対応する報知が実行されないようにすることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、所定対応役に当選していない場合には第1報知手段にて役の抽選処理の結果に対応する報知が実行されないことにより、第1報知手段の役割を明確なものとすることが可能となる。
特徴A3.前記第1報知制御手段は、前記第2報知手段において前記第2報知が実行される場合、前記第1報知手段において前記第1報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第2報知手段において第2報知が実行されている場合には第1報知手段において第1報知が実行されることとなるため、第2報知手段において実行されている第2報知が正規のものであるか否かの確認を第2報知が実行される場合には毎回行うことが可能となる。
特徴A4.前記第1報知制御手段は、前記第1報知手段における前記第1報知の方が前記第2報知手段における前記第2報知よりも、報知対象となっている停止操作態様の内容を遊技者が把握しづらい態様となるようにすることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、第1報知手段及び第2報知手段の両方が設けられた構成において第2報知手段への遊技者の注目度を高めることが可能となる。これにより、第1報知手段における報知態様を簡素な態様としたとしても、遊技者に違和感を与えづらくなる。
特徴A5.前記第1報知手段の表示範囲は、前記第2報知手段の表示範囲よりも狭いことを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、第1報知手段及び第2報知手段の両方が設けられた構成において第2報知手段への遊技者の注目度を高めることが可能となる。これにより、第1報知手段における報知態様を簡素な態様としたとしても、遊技者に違和感を与えづらくなる。
特徴A6.前記第1制御手段は、前記第2報知手段において前記第2報知を実行することを可能とする所定情報を送信する送信手段(主側MPU72におけるステップS1705、ステップS1709、ステップS1714、ステップS1807及びステップS1813の処理を実行する機能)を備え、
前記所定情報には、前記役の抽選処理の結果そのものは含まれないことを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路に不正にアクセスして所定情報を不正に取得したとしても、その所定情報から役の抽選処理の結果を把握しようとすることを不可とすることが可能となる。これにより、所定情報を取得することによる不正行為を実質的に無効化させることが可能となる。
特徴A7.前記第1制御手段は、
前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する報知を実行するか否かを決定する決定手段(主側MPU72におけるステップS1701~ステップS1703、ステップS1706~ステップS1707、ステップS1710~ステップS1712、ステップS1804~ステップS1805及びステップS1810~ステップS1811の処理を実行する機能)と、
当該決定手段により報知を実行することが決定された場合に所定情報を送信する送信手段(主側MPU72におけるステップS1705、ステップS1709、ステップS1714、ステップS1807及びステップS1813の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1報知制御手段は、前記決定手段により報知を実行することが決定されたことに基づいて、前記第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御し、
前記第2報知制御手段は、前記送信手段が前記所定情報を送信したことに基づいて、前記第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御することを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、第1報知手段における第1報知及び第2報知手段における第2報知を実行するか否かの決定が第1制御手段において集約して実行される。これにより、第1制御手段と第2制御手段との間で双方向通信を行わなくても、第2報知が実行される場合には第1報知が実行されるようにすることが可能となる。
特徴A8.前記所定対応役は、それに対応する制御が実行されるようにするための前記所定態様の内容を相違させて複数種類存在しており、
前記第1報知制御手段は、前記所定対応役の種類に対応する態様で前記第1報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、所定対応役が複数種類存在している構成であっても、第1報知手段における第1報知の内容を確認することで今回の遊技回に対応する報知内容を把握することが可能となる。
特徴A9.前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が前記第2報知手段にて実行されていない状況において、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能とする報知が前記第1報知手段において実行されないようにすることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が第2報知手段において実行されていないにも関わらず第1報知手段において実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴A10.前記第2報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知は実行されないようにするものの特別報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する手段(演出側MPU82におけるステップS1905の処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって前記第2報知手段において前記特別報知が実行される場合、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能とする報知が前記第1報知手段において実行されないようにすることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知は実行されないものの特別報知が第2報知手段において実行されている状況において、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が第1報知手段において実行されないようにすることが可能となる。
特徴A11.前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって前記第2報知手段において前記特別報知が実行される場合、当該状況に対応する報知が実行されるように前記第1報知手段を制御することを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、第2報知手段において特別報知が実行されている場合であっても、第1報知手段を確認することでその特別報知が正規のものか否かを確認することが可能となる。
特徴A12.前記第1報知手段における前記第1報知及び前記第2報知手段における前記第2報知の両方が実行される場合、前記第1報知手段において前記第1報知が開始されるタイミング以降のタイミングで前記第2報知手段において前記第2報知が開始されることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、第2報知手段において第2報知が開始されたタイミングで第1報知手段を確認することで、その第2報知が正規のものであるか否かを確認することが可能となる。
特徴A13.前記絵柄の変動表示が開始される場合、その開始タイミングから所定期間に亘って前記絵柄の変動表示の停止操作が無効化されるようにする手段(払出側MPU76におけるステップS906の処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定期間が経過する前の所定タイミングで前記第1報知が前記第1報知手段にて開始されるようにし、
前記第2報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定タイミングよりも後のタイミングであって前記所定期間が経過する前のタイミングで前記第2報知が前記第2報知手段にて開始されるようにすることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、第1報知が開始されるタイミング以降に第2報知が開始される構成であったとしても、停止操作の無効期間において第2報知が開始されるようにすることが可能となり、停止操作が有効化される前に第2報知の内容を遊技者に認識させることが可能となる。
特徴A14.前記第1報知手段における前記第1報知及び前記第2報知手段における前記第2報知の両方が実行される場合、前記第2報知手段において前記第2報知が終了するタイミング以降のタイミングで前記第1報知手段において前記第1報知が終了することを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、第2報知が終了する前に第1報知が終了してしまうことがないため、第2報知が正規のものであるか否かを確認する機会を多くすることが可能となる。
なお、特徴A1~A14の構成に対して、特徴A1~A14、特徴B1~B4、特徴C1~C3、特徴D1~D9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(払出側MPU76におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72における遊技終了時の対応処理を実行する機能、払出側MPU76における媒体付与処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記対応実行手段は、前記役の抽選処理にて所定対応役に当選し、前記絵柄の変動表示の停止操作態様が所定態様となったことに基づいて、それに対応する制御を実行する所定対応実行手段(主側MPU72におけるステップS1304、ステップS1409、ステップS1410、ステップS1512、ステップS1606、ステップS1607、ステップS1610及びステップS1611の処理を実行する機能)を備え、
当該遊技機は、
前記役抽選手段を有する第1制御手段(主側MPU72)と、
当該第1制御手段により制御される第1報知手段(特別表示部67)と、
前記第1制御手段が送信する情報に基づき報知が実行されるように第2報知手段(画像表示装置63)を制御する第2制御手段(演出側MPU82)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御する第1報知制御手段(主側MPU72におけるステップS1704、ステップS1708、ステップS1713、ステップS1806及びステップS1812の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうち前記第1報知の対象となる側の態様に対応する第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する第2報知制御手段(演出側MPU82におけるステップS1902の処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知手段における前記第1報知及び前記第2報知手段における前記第2報知の両方が実行される場合、前記第1報知手段において前記第1報知が開始されるタイミング以降のタイミングで前記第2報知手段において前記第2報知が開始されることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、役の抽選処理にて所定対応役に当選した場合に所定態様に対応する報知又は所定態様にならないようにするための態様に対応する報知が実行されることで、その報知を確認した遊技者は停止操作態様を所定態様とすること又は所定態様としないことが可能となり、所定対応役に対応する制御を実行させること又は所定対応役に対応する制御を実行させないことが可能となる。当該構成において、所定対応役に当選した場合に第2報知が第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて実行される構成であることにより、第2報知への遊技者の注目度を高めるべく第2報知手段にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が第1制御手段に及ばないようにすることが可能となる。
但し、第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて第2報知が実行される構成においては、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路や第2制御手段に対して不正を施すことで第2報知手段にて第2報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、第2報知手段にて第2報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
これに対して、第2制御手段により制御される第2報知手段にて第2報知が行われるだけではなく、第1制御手段により直接的に制御される第1報知手段において第1報知が行われる。これにより、第2報知が第2報知手段において実行されている場合に第1報知手段においても第1報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
また、第1報知手段において第1報知が開始されるタイミング以降のタイミングで第2報知手段において第2報知が開始される。これにより、第2報知手段において第2報知が開始されたタイミングで第1報知手段を確認することで、その第2報知が正規のものであるか否かを確認することが可能となる。
以上より、停止態様の報知を実行するための制御を好適に行うことが可能となる。
特徴B2.前記絵柄の変動表示が開始される場合、その開始タイミングから所定期間に亘って前記絵柄の変動表示の停止操作が無効化されるようにする手段(払出側MPU76におけるステップS906の処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定期間が経過する前の所定タイミングで前記第1報知が前記第1報知手段にて開始されるようにし、
前記第2報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定タイミングよりも後のタイミングであって前記所定期間が経過する前のタイミングで前記第2報知が前記第2報知手段にて開始されるようにすることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、第1報知が開始されるタイミング以降に第2報知が開始される構成であったとしても、停止操作の無効期間において第2報知が開始されるようにすることが可能となり、停止操作が有効化される前に第2報知の内容を遊技者に認識させることが可能となる。
特徴B3.前記第1報知手段における前記第1報知及び前記第2報知手段における前記第2報知の両方が実行される場合、前記第2報知手段において前記第2報知が終了するタイミング以降のタイミングで前記第1報知手段において前記第1報知が終了することを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第2報知が終了する前に第1報知が終了してしまうことがないため、第2報知が正規のものであるか否かを確認する機会を多くすることが可能となる。
特徴B4.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(払出側MPU76におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72における遊技終了時の対応処理を実行する機能、払出側MPU76における媒体付与処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記対応実行手段は、前記役の抽選処理にて所定対応役に当選し、前記絵柄の変動表示の停止操作態様が所定態様となったことに基づいて、それに対応する制御を実行する所定対応実行手段(主側MPU72におけるステップS1304、ステップS1409、ステップS1410、ステップS1512、ステップS1606、ステップS1607、ステップS1610及びステップS1611の処理を実行する機能)を備え、
当該遊技機は、
前記役抽選手段を有する第1制御手段(主側MPU72)と、
当該第1制御手段により制御される第1報知手段(特別表示部67)と、
前記第1制御手段が送信する情報に基づき報知が実行されるように第2報知手段(画像表示装置63)を制御する第2制御手段(演出側MPU82)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御する第1報知制御手段(主側MPU72におけるステップS1704、ステップS1708、ステップS1713、ステップS1806及びステップS1812の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうち前記第1報知の対象となる側の態様に対応する第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する第2報知制御手段(演出側MPU82におけるステップS1902の処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知手段における前記第1報知及び前記第2報知手段における前記第2報知の両方が実行される場合、前記第2報知手段において前記第2報知が終了するタイミング以降のタイミングで前記第1報知手段において前記第1報知が終了することを特徴とする遊技機。
特徴B4によれば、役の抽選処理にて所定対応役に当選した場合に所定態様に対応する報知又は所定態様にならないようにするための態様に対応する報知が実行されることで、その報知を確認した遊技者は停止操作態様を所定態様とすること又は所定態様としないことが可能となり、所定対応役に対応する制御を実行させること又は所定対応役に対応する制御を実行させないことが可能となる。当該構成において、所定対応役に当選した場合に第2報知が第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて実行される構成であることにより、第2報知への遊技者の注目度を高めるべく第2報知手段にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が第1制御手段に及ばないようにすることが可能となる。
但し、第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて第2報知が実行される構成においては、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路や第2制御手段に対して不正を施すことで第2報知手段にて第2報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、第2報知手段にて第2報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
これに対して、第2制御手段により制御される第2報知手段にて第2報知が行われるだけではなく、第1制御手段により直接的に制御される第1報知手段において第1報知が行われる。これにより、第2報知が第2報知手段において実行されている場合に第1報知手段においても第1報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
また、第2報知手段において第2報知が終了するタイミング以降のタイミングで第1報知手段において第1報知が終了する。これにより、第2報知が終了する前に第1報知が終了してしまうことがないため、第2報知が正規のものであるか否かを確認する機会を多くすることが可能となる。
以上より、停止態様の報知を実行するための制御を好適に行うことが可能となる。
なお、上記特徴B1又はB4の構成において、
「前記絵柄表示手段は、絵柄を変動表示する絵柄表示領域(リール32L,32M,32R)を複数備え、
前記停止操作手段は、前記絵柄表示領域に対応させて複数設けられており、
前記絵柄表示制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき当該停止操作手段に対応する前記絵柄表示領域における絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御し、
前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様は、前記複数の絵柄表示領域における絵柄の変動表示が所定対応の順序で停止されることである」
という構成を適用してもよい。
なお、特徴B1~B4の構成に対して、特徴A1~A14、特徴B1~B4、特徴C1~C3、特徴D1~D9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(払出側MPU76におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72における遊技終了時の対応処理を実行する機能、払出側MPU76における媒体付与処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記対応実行手段は、前記役の抽選処理にて所定対応役に当選し、前記絵柄の変動表示の停止操作態様が所定態様となったことに基づいて、それに対応する制御を実行する所定対応実行手段(主側MPU72におけるステップS1304、ステップS1409、ステップS1410、ステップS1512、ステップS1606、ステップS1607、ステップS1610及びステップS1611の処理を実行する機能)を備え、
当該遊技機は、
前記役抽選手段を有する第1制御手段(主側MPU72)と、
当該第1制御手段により制御される第1報知手段(特別表示部67)と、
前記第1制御手段が送信する情報に基づき報知が実行されるように第2報知手段(画像表示装置63)を制御する第2制御手段(演出側MPU82)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御する第1報知制御手段(主側MPU72におけるステップS1704、ステップS1708、ステップS1713、ステップS1806及びステップS1812の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうち前記第1報知の対象となる側の態様に対応する第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する第2報知制御手段(演出側MPU82におけるステップS1902の処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が前記第2報知手段にて実行されていない状況において、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能とする報知が前記第1報知手段において実行されないようにすることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、役の抽選処理にて所定対応役に当選した場合に所定態様に対応する報知又は所定態様にならないようにするための態様に対応する報知が実行されることで、その報知を確認した遊技者は停止操作態様を所定態様とすること又は所定態様としないことが可能となり、所定対応役に対応する制御を実行させること又は所定対応役に対応する制御を実行させないことが可能となる。当該構成において、所定対応役に当選した場合に第2報知が第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて実行される構成であることにより、第2報知への遊技者の注目度を高めるべく第2報知手段にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が第1制御手段に及ばないようにすることが可能となる。
但し、第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて第2報知が実行される構成においては、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路や第2制御手段に対して不正を施すことで第2報知手段にて第2報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、第2報知手段にて第2報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
これに対して、第2制御手段により制御される第2報知手段にて第2報知が行われるだけではなく、第1制御手段により直接的に制御される第1報知手段において第1報知が行われる。これにより、第2報知が第2報知手段において実行されている場合に第1報知手段においても第1報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
また、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が第2報知手段において実行されていないにも関わらず第1報知手段において実行されてしまわないようにすることが可能となる。
以上より、停止態様の報知を実行するための制御を好適に行うことが可能となる。
特徴C2.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(払出側MPU76におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72における遊技終了時の対応処理を実行する機能、払出側MPU76における媒体付与処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記対応実行手段は、前記役の抽選処理にて所定対応役に当選し、前記絵柄の変動表示の停止操作態様が所定態様となったことに基づいて、それに対応する制御を実行する所定対応実行手段(主側MPU72におけるステップS1304、ステップS1409、ステップS1410、ステップS1512、ステップS1606、ステップS1607、ステップS1610及びステップS1611の処理を実行する機能)を備え、
当該遊技機は、
前記役抽選手段を有する第1制御手段(主側MPU72)と、
当該第1制御手段により制御される第1報知手段(特別表示部67)と、
前記第1制御手段が送信する情報に基づき報知が実行されるように第2報知手段(画像表示装置63)を制御する第2制御手段(演出側MPU82)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御する第1報知制御手段(主側MPU72におけるステップS1704、ステップS1708、ステップS1713、ステップS1806及びステップS1812の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうち前記第1報知の対象となる側の態様に対応する第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する第2報知制御手段(演出側MPU82におけるステップS1902の処理を実行する機能)を備え、
前記第2報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知は実行されないようにするものの特別報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する手段(演出側MPU82におけるステップS1905の処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって前記第2報知手段において前記特別報知が実行される場合、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能とする報知が前記第1報知手段において実行されないようにすることを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、役の抽選処理にて所定対応役に当選した場合に所定態様に対応する報知又は所定態様にならないようにするための態様に対応する報知が実行されることで、その報知を確認した遊技者は停止操作態様を所定態様とすること又は所定態様としないことが可能となり、所定対応役に対応する制御を実行させること又は所定対応役に対応する制御を実行させないことが可能となる。当該構成において、所定対応役に当選した場合に第2報知が第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて実行される構成であることにより、第2報知への遊技者の注目度を高めるべく第2報知手段にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が第1制御手段に及ばないようにすることが可能となる。
但し、第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて第2報知が実行される構成においては、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路や第2制御手段に対して不正を施すことで第2報知手段にて第2報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、第2報知手段にて第2報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
これに対して、第2制御手段により制御される第2報知手段にて第2報知が行われるだけではなく、第1制御手段により直接的に制御される第1報知手段において第1報知が行われる。これにより、第2報知が第2報知手段において実行されている場合に第1報知手段においても第1報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
また、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知は実行されないものの特別報知が第2報知手段において実行されている状況において、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が第1報知手段において実行されないようにすることが可能となる。
以上より、停止態様の報知を実行するための制御を好適に行うことが可能となる。
なお、上記特徴C1又はC2の構成において、
「前記絵柄表示手段は、絵柄を変動表示する絵柄表示領域(リール32L,32M,32R)を複数備え、
前記停止操作手段は、前記絵柄表示領域に対応させて複数設けられており、
前記絵柄表示制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき当該停止操作手段に対応する前記絵柄表示領域における絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御し、
前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様は、前記複数の絵柄表示領域における絵柄の変動表示が所定対応の順序で停止されることである」
という構成を適用してもよい。
特徴C3.前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって前記第2報知手段において前記特別報知が実行される場合、当該状況に対応する報知が実行されるように前記第1報知手段を制御することを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第2報知手段において特別報知が実行されている場合であっても、第1報知手段を確認することでその特別報知が正規のものか否かを確認することが可能となる。
なお、特徴C1~C3の構成に対して、特徴A1~A14、特徴B1~B4、特徴C1~C3、特徴D1~D9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群、上記特徴B群及び上記特徴C群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、スロットマシンや遊技媒体としてメダルではなく遊技球を利用してスロットマシンと同様の遊技を行うことを可能とした遊技機等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて役の抽選処理が実行される。また、役の抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が役の抽選処理における当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
上記のようにストップボタンに対する停止操作に基づきリールの回転が停止される遊技機においては、リールの停止態様を所定の態様とすることが報知され、その報知に従ってリールの停止操作を行うことでそれに対応する制御が実行される構成が知られている。例えば、リールの停止順序が報知され、その報知された停止順序に従った順番でリールを停止させることで所定の入賞が成立し、当該所定の入賞に対応するメダルが払い出される構成が知られている。また、リールの停止順序が報知され、その報知された停止順序に従った順番でリールを停止させることで所定の入賞が成立し、当該所定の入賞に対応する遊技状態の移行が発生する構成が知られている。このような停止態様の報知は、上記役の抽選処理を実行する制御手段から情報を受信した他の制御手段が報知用制御を実行することで行われる。
ここで、上記例示等のような遊技機においては停止態様の報知を実行するための制御が好適に行われる必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴D群>
特徴D1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(払出側MPU76におけるリール制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記役の抽選処理にて媒体付与役に当選している場合であって前記絵柄の変動表示後に当該媒体付与役に対応した停止結果が表示されている場合、遊技者に遊技媒体が付与される遊技機において、
前記役抽選手段を有する主制御手段(主側MPU72)と、
前記遊技媒体を付与するための制御を実行する払出制御手段(払出側MPU76)と、を備え、
少なくとも前記払出制御手段において前記絵柄の変動表示を行うために必要な処理が実行されることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、払出制御手段において絵柄の変動表示を行うために必要な処理が実行されるため、主制御手段の処理負荷の軽減及び主制御手段において必要な記憶容量の削減のうち少なくとも一方を実現することが可能となる。その一方、役の抽選処理は主制御手段において実行されるため、遊技回の結果を左右する内容を決定する処理は依然として主制御手段において実行されるようにすることが可能となる。
特徴D2.前記払出制御手段が前記絵柄表示制御手段を有することを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、払出制御手段において絵柄の変動表示を制御する機能が果たされるため、主制御手段の処理負荷を軽減することが可能となる。
特徴D3.前記主制御手段は、前記役の抽選処理の結果に対応する情報を前記払出制御手段に送信する抽選結果送信手段(主側MPU72におけるステップS809の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、主制御手段から役の抽選処理の結果に対応する情報が払出制御手段に送信されることにより、払出制御手段において絵柄の変動表示を行うために必要な処理が実行される構成であっても、役の抽選処理の結果に対応する態様で当該絵柄の変動表示の制御を行うことが可能となる。
特徴D4.前記払出制御手段は、前記絵柄の変動表示が終了した後に終了対応情報を前記主制御手段に送信する終了対応送信手段(払出側MPU76におけるステップS1110及びステップS1212の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、絵柄の変動表示が終了した場合には払出制御手段から終了対応情報が送信されるため、絵柄の変動表示が終了したことを主制御手段において認識することが可能となる。
特徴D5.前記終了対応送信手段は、前記絵柄の変動表示の停止結果が遊技媒体の付与に対応する結果であった場合、その停止結果に対応する数の遊技媒体の付与が完了した場合に前記終了対応情報を送信することを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、遊技媒体の付与が完了した場合に終了対応情報が送信されることにより、主制御手段は遊技媒体の付与が完了した後に次の遊技回の開始を可能とするための制御を実行することが可能となる。
特徴D6.前記主制御手段は、前記役の抽選処理にて前記媒体付与役とは異なる役に当選している場合においてその当選役に対応した停止結果が表示されたことに対応する前記終了対応情報を受信した場合、その当選役に対応する制御を実行する手段(主側MPU72における遊技終了時の対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、遊技媒体の付与とは異なる制御の実行契機となる入賞が発生した場合にはその制御は主制御手段において行われる。これにより、払出制御手段の処理負荷が極端に高くなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴D7.前記絵柄表示手段は、絵柄を変動表示する絵柄表示領域(リール32L,32M,32R)を複数備え、
前記停止操作手段は、前記絵柄表示領域に対応させて複数設けられており、
前記絵柄表示制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき当該停止操作手段に対応する前記絵柄表示領域における絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御し、
前記払出制御手段は、全ての前記絵柄表示領域における絵柄の変動表示が停止されていない状況であっても一部の前記絵柄表示領域における絵柄の変動表示が停止される場合にそれに対応する情報を送信する手段(払出側MPU76におけるステップS912の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D7によれば、絵柄の変動表示を制御する機能が払出制御手段に集約されている構成であっても、一部の絵柄表示領域において絵柄の変動表示が停止されるタイミングを主制御手段において把握することが可能となる。これにより、一部の絵柄表示領域において絵柄の変動表示が停止されるタイミングに対応する制御を主制御手段において行うことが可能となる。
特徴D8.前記払出制御手段は、仮想遊技媒体の数の情報を記憶する媒体数記憶手段(仮想メダルカウンタ78a)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D8によれば、遊技媒体を付与する機能を払出制御手段に集約することが可能となる。
特徴D9.前記媒体数記憶手段に記憶されている前記仮想遊技媒体の数の情報を利用して遊技回の賭け数を設定するために操作される賭け数設定操作手段(クレジット投入ボタン47~49)を備え、
前記主制御手段は、前記賭け数設定操作手段が操作されたことに基づいて、前記賭け数を設定するために必要な前記仮想遊技媒体の数の情報を前記払出制御手段に認識させるための認識用情報を送信する手段(主側MPU72におけるステップS610の処理を実行する機能)を備え、
前記払出制御手段は、
前記認識用情報を受信した場合、前記賭け数を設定するために必要な前記仮想遊技媒体の数を把握し、その必要数が前記媒体記憶手段に記憶されている前記仮想遊技媒体の数以下である場合にはその必要数が前記仮想遊技媒体の数から減算されるように前記媒体数記憶手段の情報を更新し、前記必要数が前記媒体記憶手段に記憶されている前記仮想遊技媒体の数よりも多い場合には前記仮想遊技媒体の数が「0」となるように前記媒体数記憶手段の情報を更新する更新手段(払出側MPU76におけるステップS707の処理を実行する機能)と、
当該更新手段による更新により減算された前記仮想遊技媒体の数に対応する情報を送信する手段(払出側MPU76におけるステップS709の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
特徴D9によれば、遊技媒体の賭け数を設定する機能が主制御手段において果たされるようにしながら、払出制御手段において管理される仮想遊技媒体を利用した賭け数の設定を行うことが可能となる。
なお、特徴D1~D9の構成に対して、特徴A1~A14、特徴B1~B4、特徴C1~C3、特徴D1~D9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴D群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、スロットマシンや遊技媒体としてメダルではなく遊技球を利用してスロットマシンと同様の遊技を行うことを可能とした遊技機等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて役の抽選処理が実行される。また、役の抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が役の抽選処理における当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。当該特典の付与として、例えば遊技媒体が付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては各種制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。