JP5777043B2 - メタノールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メタノール合成用触媒の製造方法、及びメタノールの製造方法に関する。更に詳しくは、一酸化炭素、又は、一酸化炭素及び二酸化炭素の炭素源と、水素とからメタノールを製造する際に、活性の高い触媒の製造方法、及び、この製造方法で製造された触媒を用いて高効率でメタノールを製造する方法に関する。
一般的に、工業的にメタノールを合成する際には、メタンを主成分とする天然ガスを水蒸気改質して得られる一酸化炭素と水素(合成ガス)を原料とし、銅・亜鉛系などの触媒を用いて固定床気相法にて、200〜300℃、5〜25MPaという厳しい条件で合成される(例えば、非特許文献1参照)。本反応は発熱反応であるが、気相法では熱伝導が悪いために効率的な抜熱が困難であることから、反応器通過時の転化率を低く抑えて、未反応の高圧原料ガスをリサイクルするという効率に難点のあるプロセスとなっている。しかしながら、合成ガス中に含まれる、水、二酸化炭素による反応阻害は受けにくいという長所を活かして、様々なプラントが稼働中である。
一方、液相でメタノールを合成して抜熱速度を向上させる様々の方法が検討されている。中でも、低温(100〜180℃程度)で遷移金属カルボニル錯体とアルコキサイドからなる活性の高い触媒を用いる方法は、熱力学的にも生成系に有利であり、注目を集めている(例えば、特許文献1、非特許文献2参照)。しかしながら、これらの方法では、合成ガス中に二酸化炭素や水が少量でも存在すると活性低下することが報告されており、何れも実用には至っていない(例えば、非特許文献3参照)。
そこで、合成ガス中に二酸化炭素や水が少量存在しても失活しない触媒として、Cu/MgO系の低温液相メタノール合成触媒が開発されている(例えば、特許文献2参照)。また、従来と異なる調製方法を採用して高い活性を示す触媒を得る例も報告されており(例えば、特許文献3)、触媒調製方法の観点からのアプローチが有効である可能性が示唆されている。他の反応系では、触媒調製方法としてスパッタリング法が検討されており、優れた触媒特性が報告されている(特許文献4)。
US4,992,480 特開2005−095872号公報 特開2009−214077号公報 特開2008−49309号公報
J. C. J. Bart et al., Catal. Today,2,1(1987) 大山聖一, PETROTECH, 18(1),27(1995) S. Ohyama, Applied Catalysis A: General, 180,217(1999)
本発明の目的は、従来知られている低温液相メタノール合成用触媒と比較して、メタノールの合成原料ガス中に二酸化炭素、水等が混在しても触媒の活性低下の度合いがより低く、かつ、より活性の高い触媒とすることができるメタノール合成用触媒の製造方法、並びにこの製造方法で製造された触媒を用いた液相でのメタノールの合成方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、触媒担体にCuを含む触媒成分をスパッタリング法で分散させて製造されたメタノール合成用触媒を用いると、水または二酸化炭素の一方又は双方が少量混在しても、一酸化炭素又は二酸化炭素の一方又は双方と水素とからなる原料ガスを、溶媒としてのアルコール類の存在下で合成反応させることで、メタノールが高効率で製造可能であることを見出し、本発明に至った。
本発明の特徴とするところは、以下に記す通りである。
(1)触媒担体に銅を含む成分を、バレルを用いてスパッタリングして、銅を含む成分を該触媒担体の表面に分散させて製造されたメタノール合成用触媒を使用したメタノールの製造方法であって、前記触媒と水分を1質量%以下含む(但し、0.2質量%以下を除く)アルコール溶媒との存在下で、一酸化炭素と水素とを含む原料ガスを反応させ、ギ酸エステルを経由してメタノールを製造することを特徴とするメタノールの製造方法。
(2)前記銅を含む成分が亜鉛を含むことを特徴とする(1)に記載のメタノールの製造方法。
(3)前記触媒担体がアルミナであることを特徴とする(1)または(2)に記載のメタノール合成用触媒の製造方法。
)前記バレルが多角バレルであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のメタノールの製造方法。
)前記原料ガス中に二酸化炭素、水蒸気の少なくともいずれかが含まれていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のメタノールの製造方法。
)前記アルコール溶媒が第1級アルコール又は第2級アルコール、且つ1価アルコールであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のメタノールの製造方法。
本発明で得られる触媒は、原料ガス中に二酸化炭素、水等が混在しても、触媒活性の低下度合いが低く、更に、本発明者等が為した従来のCu/MgO系触媒(特許文献2)、ポリエチレングリコールを添加した共沈法により調製したCu/ZnO系触媒(特許文献3)よりもCu質量当たりの触媒活性が高い液相法によるメタノール合成が可能となる。
本発明のスパッタリング法で使用可能なスパッタリング装置の一態様を示す図である。 本発明の低温液相メタノール合成を実施可能な反応装置の一態様を示す図である。
本発明に係るメタノール合成用触媒の製造方法の基本形態は、アルコール溶媒の存在下で、一酸化炭素、又は、一酸化炭素及び二酸化炭素と、水素とを含む原料ガスからギ酸エステルを経由してメタノールを合成する際に用いられる銅(Cu元素)を含むメタノール合成用触媒の製造方法において、前記触媒をスパッタリング法で調製するものである。
本発明における触媒の製造方法の特徴は、銅を含むメタノール合成に活性を示す成分を担体上にスパッタリング法で形成することにある。本発明におけるスパッタリング法は、例えば以下の手順にて触媒を製造可能である。
図1にバレルスパッタリング装置図を示す。図1を参照して、銅と第二成分(例えば亜鉛)のターゲットを装置に取り付け、乾燥させた触媒担体(例えばアルミナ)を装置内の六角バレルの底辺に充填し、装置内を真空排気後、高純度アルゴンを導入し、スパッタリング条件を設定して触媒担体に銅と亜鉛を同時にスパッタリングする。スパッタリング後は装置内に酸素を含有するガスを流通し、表面不動態化処理して触媒を回収することができる。
スパッタリング装置の形式は特に限定されることは無いが、バレルを装着した装置を使用すると担体上に均一にスパッタリングすることができるため、活性の高い触媒を得ることができる。また、バレルとしては多角バレルを使用すると、スパッタリング中の担体粒子の攪拌効果が大きくなり表面に形成される銅の分散性が向上するため好ましい。
第二成分としてはスパッタリング可能な成分であれば良く、Zn、Si、Mgなどが挙げられるが、特に亜鉛(Zn)を使用すると活性の高い触媒を得ることができ好ましい。
銅と第二成分のターゲット面積比によって調製される触媒中の銅、第二成分の組成比を制御することが可能であり、任意の面積比に設定することができるが、銅:第二成分で1:10〜10:1の範囲に設定すると触媒の活性が高くなるため好ましく、より好ましくは1:2〜3:1の範囲である。
担体成分への銅と第二成分の担持量については、特に制限されることはないが、スパッタリング法によって調製した触媒では、触媒中の銅、第二成分のそれぞれが1%を下回る範囲でも良好な活性を発現する。担持量はスパッタリング条件を調整することで変更可能であり、例えば時間を延長すると相対的に担持量は増加し、触媒活性は向上する傾向を示す。ただし、一定の担持率を超える範囲においては反応に寄与する銅や第二成分の寄与率が低下したり、触媒製造に要する時間が長すぎる等の経済上の問題が生じる可能性があり、適正な範囲に設定する必要がある。
触媒担体としては特に限定されることはなく、アルミナ、マグネシア、シリカやシリカアルミナ等の複合酸化物を使用することができるが、アルミナを使用すると活性の高い触媒を得ることができ好ましい。触媒担体性状としても特に限定されないが、比表面積が高い性状を持つ担体(例えば100m/g以上)を使用すると活性の高い触媒が得られ易い。比表面積はBET法で、細孔容積は前記水銀圧入法や水滴定法で測定することができる。
スパッタリング条件としては、導入ガス種、ターゲット角度、スパッタ時間等を設定することが可能であるが、触媒性能が得られるように任意に設定することが可能であり、特に制限されることはない。
スパッタリング法によって、触媒担体上に触媒成分が形成された触媒は、通常は焼成(例えば、空気中350℃−1h)し、必要に応じて整粒後、還元(例えば、水素気流中200℃−10h)等の活性化処理を施して反応に供される。空気中で触媒をハンドリングする必要がある場合には、表面不動態化処理を施すことが可能である。これらの工程の条件も特に限定されることは無く、通常実施される範囲であれば良い。
ただし、反応性のガスを導入することで、ターゲットとガスの反応物を成長させる反応性スパッタリング法によって触媒を調製する場合には、焼成処理を省略することもできる。この場合にはスパッタリング後に還元処理を実施することが可能である。
本発明におけるスパッタリング法によって活性の高い触媒を調製することができる要因は、以下の通りであると推定される。すなわち、共沈法等の一般的な触媒調製方法においては、焼成工程前の触媒前駆体は水等の液体に濡れた状態を経るため、乾燥工程(例えば、120℃−10h)が必要である。この乾燥工程では銅系触媒のシンタリングによって活性表面積が低下する。また、通常の乾燥工程では完全に液体成分を除去することが困難であり、後段の焼成工程では液体成分が細孔内に存在した状態で熱を加えるため、液体成分の膨張による微細細孔構造破壊が生じる可能性がある。一方、本発明のスパッタリング法はドライプロセスであり、乾燥工程が不必要であり、焼成工程でも液体成分が存在しないため、従来の触媒調製における活性低下を回避することが可能である。
本発明のスパッタリング法では、上述の銅、第二成分に加えて、助触媒成分を更に添加することも可能である。
本発明におけるメタノールの製造方法は、以下に示す反応式のいずれかに基づくものと推定される(アルコール類が鎖状または脂環式炭化水素類に水酸基が付いたものである場合を例にとって示す)。
R−OH+CO →HCOOR (1)
HCOOR+2H →CHOH+R−OH (2)
(ここでRはアルキル基を示す)
ただし、反応系に水が存在する場合は次に示す反応式に基づくと考えられ、前記反応式と並行してギ酸エステルまたはメタノールが生成するものと推定される。
CO+HO →CO+H (3)
CO+H+R−OH →HCOOR+HO (4)
HCOOR+2H →CHOH+R−OH (5)
また、本発明の触媒はCu系触媒であるため、上記の反応式と並行して以下の反応式でもギ酸エステルまたはメタノールが生成するものと推定される。
CO+HO →CO+H (6)
CO+1/2 H+Cu →HCOOCu (7)
HCOOCu+ROH →HCOOR+CuOH (8)
HCOOR+2H →CHOH+ROH (9)
CuOH+1/2 H →HO+Cu (10)
したがって、メタノールの製造原料は、一酸化炭素と水素、二酸化炭素と水素の、少なくともいずれかであり、アルコール類は回収し、再利用しうる。ただし、製造原料が二酸化炭素と水素の場合は、一酸化炭素と水素の場合と比較して活性は低く、炭素源は一酸化炭素を主に含む方が好ましい。また、本発明方法によれば、炭素源として一酸化炭素を主成分とする原料ガス中に水、二酸化炭素が存在していても、触媒の活性低下は小さい。また、従来の方法では溶媒のアルコール類に水が含まれると、原料ガス中に水が存在する場合と同様に活性低下が生じるが、本発明の方法では触媒の活性低下は小さい。
図2に、本発明に係る製造方法で製造された触媒を用いて、メタノールを製造するプロセスフローの1例を示す。
図2を参照して、半回分式反応器2に、触媒担体に銅を含む成分をスパッタリングして製造した触媒を、溶媒アルコールと共に仕込み、合成ガス1を供給する。反応器2の出口から排出される生成物(ギ酸エステル、メタノール)及び未反応ガスの混合物3を、冷却器4で冷却し、未反応ガス5と、ギ酸エステル及びアルコールの液体混合物6に分離する。後者は次段に設置した蒸留塔7においてギ酸エステル8と、メタノール9に分離する。ギ酸エステル及びメタノールへ転化する原料ガスの転化率が低い場合は未反応ガス5を再度半回分式反応器2に供給することも可能であるが、高収率で得られる場合は未反応ガスを合成ガス製造の熱源(燃料)として利用することもできる。
反応に用いる溶媒としてのアルコール類は、鎖状または脂環式炭化水素類に水酸基が付いたものの他、フェノール及びその置換体、更には、チオール及びその置換体でも良い。これらアルコール類は、第1級、第2級および第3級のいずれでもよいが、反応効率等の点からは第1級アルコール、第2級アルコールが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールが最も一般的である。また、反応効率等の点から1価アルコールが好ましいが、2価、3価アルコールなどの多価アルコールを使用することもできる。
反応は液相であり、温和な条件を選定しうる系を採用することができる。具体的には、温度70〜250℃、圧力0.3〜10MPa(3〜100気圧)が好適な条件であり、より好ましくは温度120〜200℃、圧力1.5〜8.1MPa(15〜80気圧)であるが、これらに限定されない。アルコール類は、反応が進行する程度の量があればよいが、それ以上の量を溶媒として用いることもできる。また、上記反応に際してアルコール類の他に、有機溶媒を併せて用いることができる。また、生成メタノールは溶媒アルコールから蒸留によって分離することが可能である。
反応器の後段で回収される生成物のギ酸エステルとメタノールの混合物は、蒸留により精製してギ酸エステルとメタノールに分離することができ、ギ酸エステルはそのままメタノールの製造に供することもできる。すなわち、生成物中から分離後のギ酸エステルを水素化分解してメタノールを製造し得る。水素化分解には水素化分解触媒が用いられ、たとえばCu、Pt、Ni、Co、Ru、Pd系の一般的な水素化分解触媒を用いることができる。また、反応器後段で回収したギ酸エステルとメタノールの混合物を分離せず水素化分解触媒及び水素を共存させて、混合物中のギ酸エステルを水素化分解してメタノールを製造することもできる。更に、本発明においては、原料ガスとアルコール類からギ酸エステルとメタノールを生成させる前記反応系にこれらの水素化分解触媒を共存させておくことにより、メタノール選択率を増加させ効率良くメタノールを製造することができる。
ギ酸エステル水素化分解反応によって、メタノール、残存ギ酸エステル、溶媒アルコール((1)式のR−OH)の混合物が得られるが、例えば、蒸留によってメタノールを精製することができる。
以下、実施例1〜8と比較例1〜4により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。また、実施例を表に一覧化した。
CO転化率、CO転化率、C転化率、ギ酸エステル選択率、メタノール選択率、メタノール収率は、それぞれ次に示す式により算出した。
CO転化率(%)=[1−(反応後に回収されたCOモル数)/(仕込んだCOモル数)]×100
CO転化率(%)=[1−(反応後に回収されたCOモル数)/(仕込んだCOモル数)]×100
C転化率(%)=CO転化率(%)×[(仕込んだCOモル数)/(仕込んだCO+COモル数)]+CO転化率(%)×[(仕込んだCOモル数)/(仕込んだCO+COモル数)]
ギ酸エステル選択率(%)=[(反応後に回収されたギ酸エステルモル数)/{(C転化率(%))×(仕込んだCO+COモル数)}]×100
メタノール選択率(%)=[(反応後に回収されたメタノールモル数)/{(C転化率(%))×(仕込んだCO+COモル数)}]×100
(実施例1)
アルミナ担体(触媒学会参照触媒、JRC−ALO−6)を焼成処理(400℃−2h)して担体中の水分を除去した。図1に示すスパッタリング装置に銅と亜鉛のターゲット(純度:99.99%以上、銅:亜鉛の面積比=5:3)を取り付けた後、焼成処理したアルミナ担体5gを装置の六角バレルの底辺に充填した。装置内圧力を約9.9×10−4Paまで真空排気後、高純度アルゴン(99.9999%)を装置内が約1Paになるまで導入し、アルミナ担体に銅、亜鉛の同時スパッタリングを実施した。スパッタリング条件はアルゴン流速:13ml/min、ターゲット角度:30°、スパッタ時間:3h、RF出力:50Wとした。
スパッタリング後の触媒は、焼成(400℃−1h)、5%H流通下で還元(220℃−10h)、表面不動態処理を行い、Cu/ZnO/Al触媒を得た。触媒中のCu、Znの担持量を測定したところ(Shimadzu EDX−700/800)、Cu:0.24mass%、Zn:0.12mass%(Cu/ZnO/Al触媒中のCu元素、Zn元素の含有率)であった。
内容積85mlのオートクレーブを用い、溶媒として水1%を含む2−ブタノール40mlに上記の方法で調製したCu/ZnO触媒1gを添加し、合成ガス(CO 33.00vol%、二酸化炭素 5.27vol%、Ar 3.02vol%、水素 バランス)を3MPa充填して、170℃、4時間の連続反応を行い、反応生成物をガスクロマトグラフで分析した。CO転化率27.7%、CO転化率51.8%、TotalC転化率31.0%、メタノール選択率>99%であった。
比較例1に示した懸濁法で調製した触媒と比較するとCu、Znの担持量は少ないが、活性は高く、メタノール選択率は著しく高い結果であった。
(実施例2)
実施例1に記載の触媒の製造方法において、スパッタリング条件をアルゴン流速:13ml/min、ターゲット角度:30°、スパッタ時間:5h、RF出力:50Wに設定して同様にCu/ZnO/Al触媒を調製した。触媒中のCu、Znの担持量はCu:0.36mass%、Zn:0.23mass%であった。
上記のCu/ZnO/Al触媒を使用する他は、実施例1に記載と同様の方法で反応を行った。CO転化率31.9%、CO転化率60.4%、TotalC転化率35.8%、ギ酸ブチル選択率3.7%、メタノール選択率96.3%であった。
(実施例3)
実施例1に記載の触媒の製造方法において、スパッタリング条件をアルゴン流速:13ml/min、ターゲット角度:30°、スパッタ時間:3h、RF出力:100Wに設定して同様にCu/ZnO/Al触媒を調製した。触媒中のCu、Znの担持量はCu:0.57mass%、Zn:0.48mass%であった。
上記のCu/ZnO/Al触媒を使用する他は、実施例1に記載と同様の方法で反応を行った。CO転化率29.3%、CO転化率51.4%、TotalC転化率32.4%、ギ酸ブチル選択率4.4%、メタノール選択率95.6%であった。
(実施例4)
実施例1に記載の触媒の製造方法において、ターゲット面積比として銅:亜鉛の面積比=5:4にする他は同様の条件にてCu/ZnO/Al触媒を調製した。触媒中のCu、Znの担持量はCu:0.36mass%、Zn:0.32mass%であった。
上記のCu/ZnO/Al触媒を使用する他は、実施例1に記載と同様の方法で反応を行った。CO転化率23.0%、CO転化率56.4%、TotalC転化率27.6%、メタノール選択率>99%であった。
(実施例5)
実施例4に記載の触媒の製造方法において、ターゲット角度を0°に設定する他は同様の条件にてCu/ZnO/Al触媒を調製した。触媒中のCu、Znの担持量はCu:0.17mass%、Zn:0.09mass%であった。
上記のCu/ZnO/Al触媒を使用する他は、実施例1に記載と同様の方法で反応を行った。CO転化率27.7%、CO転化率51.8%、TotalC転化率31.0%、メタノール選択率>99%であった。
(実施例6)
実施例1に記載の触媒の製造方法において高純度酸素(99.999%)も導入した反応性スパッタリングとし、スパッタリング条件をアルゴン流速:13ml/min、酸素流速:2ml/min、ターゲット角度:30°、スパッタ時間:3h、RF出力:50Wに設定した。スパッタリング後の触媒は焼成処理を行わずに還元処理のみ行い、Cu/ZnO/Al触媒を調製した。触媒中のCu、Znの担持量はCu:0.17mass%、Zn:0.07mass%であった。
上記のCu/ZnO/Al触媒を使用する他は、実施例1に記載と同様の方法で反応を行った。CO転化率18.3%、CO転化率60.7%、TotalC転化率24.1%、メタノール選択率>99%であった。
(比較例1)
Cu、Znの硝酸塩をCu:Zn=1:1となるように溶解した水溶液、炭酸ナトリウムを溶解した水溶液、粉末状に粉砕し乾燥させたアルミナ担体(触媒学会参照触媒、JRC−ALO−6)をイオン交換水に分散させたスラリーを用意した。スラリーの温度を65℃に保持しながら、Cu、Znの硝酸塩を溶解した水溶液、炭酸ナトリウムを溶解した水溶液の滴下速度を制御し、pH=8.5に保持してCu/Znを沈殿させた。24h熟成後、イオン交換水で沈殿を洗浄し、乾燥(120℃−12h)した。得られた粉末を、焼成(350℃−1h)、5%H流通下で還元(220℃−10h)、表面不動態処理を行い、Cu/ZnO/Al触媒を得た。触媒中のCu、Znの担持量はCu:2.66mass%、Zn:2.08mass%であった。
上記のCu/ZnO/Al触媒を使用する他は、実施例1に記載と同様の方法で反応を行った。CO転化率27.3%、CO転化率28.3%、TotalC転化率27.7%、ギ酸ブチル選択率56.0%、メタノール選択率44.0%であった。
Figure 0005777043
上記の実施例、比較例より、Cu/ZnO触媒の製造においてスパッタリング法を実施することで触媒中Cu質量当たりのメタノール製造効率は増加することが明らかとなった。
1 合成ガス
2 半回分式反応器
3 生成物、未反応ガスの混合物
4 冷却器
5 未反応ガス
6 ギ酸エステルとメタノールの液体混合物
7 蒸留塔
8 ギ酸エステル
9 メタノール

Claims (6)

  1. 触媒担体に銅を含む成分を、バレルを用いてスパッタリングして、銅を含む成分を該触媒担体の表面に分散させて製造されたメタノール合成用触媒を使用したメタノールの製造方法であって、
    前記触媒と水分を1質量%以下含む(但し、0.2質量%以下を除く)アルコール溶媒との存在下で、一酸化炭素と水素とを含む原料ガスを反応させ、ギ酸エステルを経由してメタノールを製造することを特徴とするメタノールの製造方法。
  2. 前記銅を含む成分が亜鉛を含むことを特徴とする請求項1に記載のメタノールの製造方法。
  3. 前記触媒担体がアルミナであることを特徴とする請求項1または2に記載のメタノールの製造方法。
  4. 前記バレルが多角バレルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタノールの製造方法。
  5. 前記原料ガス中に二酸化炭素、水蒸気の少なくともいずれかが含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタノールの製造方法。
  6. 前記アルコール溶媒が第1級アルコール又は第2級アルコール、且つ1価アルコールであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のメタノールの製造方法。
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