JP5776156B2 - 印刷装置、印刷システム、印刷装置の制御方法、制御プログラムおよび制御プログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents

Description

本発明は、印刷装置、印刷システム、印刷装置の制御方法、制御プログラムおよび制御プログラムを記憶した記憶媒体に関する。

近年においては、インターネット網を経由して印刷を行うインターネットプリントシステムが開発されている。また、複数の企業や事業所のイントラネットを、インターネット網を介して相互接続したエクストラネットも利用されつつある。このようなエクストラネットによれば、一方のイントラネット上のサーバなどのホスト装置から他方のイントラネット上のプリンタに対して印刷処理を実行することができる（たとえば、特許文献１参照）。

しかしながら、メインプリンタでエラーなどが発生して印刷が停止した場合には、サブプリンタの有無やサブプリンタで代替可能かを把握するために、ホスト装置は、メインプリンタに対する状態情報の応答要求とは別にサブプリンタに対しても状態情報の応答を要求する必要があった。この結果、ホスト装置においては、印刷データの送信中断とインターネット網への再接続とが断続的に発生し、印刷が停滞して印刷の信頼性が低下してしまうという問題があった。

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、印刷の信頼性を上げることができる印刷装置、印刷システム、印刷装置の制御方法、制御プログラムおよび制御プログラムを提供することを目的とする。

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる印刷装置は、ホスト装置から送信される一連の処理命令で構成される印刷ジョブにかかる印刷処理を実行する印刷装置において、前記ホスト装置から状態情報の送信命令を受信したとき、当該印刷装置の状態情報を取得する状態情報取得手段と、取得した当該印刷装置の状態情報がエラーを示す状態情報である場合、当該印刷装置にネットワーク接続される他の印刷装置から該他の印刷装置の状態情報を取得する通信処理手段と、を有し、前記状態情報取得手段は、当該印刷装置の状態情報とともに、前記他の印刷装置から送信された状態情報に基づいて印刷処理が継続可能か否かを統合的に判断し、判断結果に応じた統合状態情報を作成し、前記通信処理手段は、当該印刷装置の状態情報のエラーが印刷ジョブ重複状態であって、前記他の印刷装置の状態情報も印刷ジョブ重複状態であるとき、印刷処理タイミングを調整することで印刷継続が可能である旨を示す前記統合状態情報を前記ホスト装置へ送信することを特徴とする。

また、本発明にかかる印刷システムは、ホスト装置と、前記ホスト装置とネットワークで接続され、前記ホスト装置から送信される一連の処理命令で構成される印刷ジョブにかかる印刷処理を実行する複数の印刷装置と、を備えた印刷システムにおいて、前記印刷装置は、前記ホスト装置から状態情報の送信命令を受信したとき、当該印刷装置の状態情報を取得する状態情報取得手段と、取得した当該印刷装置の状態情報がエラーを示す状態情報である場合、当該印刷装置にネットワーク接続される他の印刷装置から該他の印刷装置の状態情報を取得する通信処理手段と、を有し、前記状態情報取得手段は、当該印刷装置の状態情報とともに、前記他の印刷装置から送信された状態情報に基づいて印刷処理が継続可能か否かを統合的に判断し、判断結果に応じた統合状態情報を作成し、前記通信処理手段は、当該印刷装置の状態情報のエラーが印刷ジョブ重複状態であって、前記他の印刷装置の状態情報も印刷ジョブ重複状態であるとき、印刷処理タイミングを調整することで印刷継続が可能である旨を示す前記統合状態情報を前記ホスト装置へ送信することを特徴とする。

また、本発明にかかる印刷装置の制御方法は、ホスト装置から送信される一連の処理命令で構成される印刷ジョブにかかる印刷処理を実行する印刷装置で実行される制御方法において、前記ホスト装置から状態情報の送信命令を受信したとき、当該印刷装置の状態情報を取得する状態情報取得ステップと、取得された当該印刷装置の状態情報がエラーを示す状態情報である場合、当該印刷装置にネットワーク接続される他の印刷装置から該他の印刷装置の状態情報を取得する通信処理ステップと、を含み、前記状態情報取得ステップは、当該印刷装置の状態情報とともに、前記他の印刷装置から送信された状態情報に基づいて印刷処理が継続可能か否かを統合的に判断し、判断結果に応じた統合状態情報を作成し、前記通信処理ステップは、当該印刷装置の状態情報のエラーが印刷ジョブ重複状態であって、前記他の印刷装置の状態情報も印刷ジョブ重複状態であるとき、印刷処理タイミングを調整することで印刷継続が可能である旨を示す前記統合状態情報を前記ホスト装置へ送信することを特徴とする。

また、本発明にかかる制御プログラムは、ホスト装置から送信される一連の処理命令で構成される印刷ジョブにかかる印刷処理を実行する印刷装置が備えるコンピュータに、前記ホスト装置から状態情報の送信命令を受信したとき、当該印刷装置の状態情報を取得する状態情報取得ステップと、取得された当該印刷装置の状態情報がエラーを示す状態情報である場合、当該印刷装置にネットワーク接続される他の印刷装置から該他の印刷装置の状態情報を取得する通信処理ステップと、を実行させ、前記状態情報取得ステップは、当該印刷装置の状態情報とともに、前記他の印刷装置から送信された状態情報に基づいて印刷処理が継続可能か否かを統合的に判断し、判断結果に応じた統合状態情報を作成し、前記通信処理ステップは、当該印刷装置の状態情報のエラーが印刷ジョブ重複状態であって、前記他の印刷装置の状態情報も印刷ジョブ重複状態であるとき、印刷処理タイミングを調整することで印刷継続が可能である旨を示す前記統合状態情報を前記ホスト装置へ送信する制御プログラムである。

また、本発明にかかる記憶媒体は、上記記載の制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。

本発明によれば、印刷装置において状態情報がエラーを示す場合には、該印刷装置の状態情報とともにネットワーク接続する他の印刷装置の状態情報に基づいて印刷処理が継続可能か否かを判断し、判断結果に応じて状態情報をホスト装置に送信しており、接続する印刷装置にエラーが発生しても、連結する他の印刷装置の状態情報を含めて統合的に状態情報を応答することによって、印刷の停滞を低減でき、印刷の信頼性を高めることができる。

図１は、実施の形態１にかかるネットプリントシステムのシステム構築例を示す模式図である。 図２は、ネットプリントシステムのシステム構築例を示す模式図である。 図３は、印刷サーバの構成の一例を示すブロック図である。 図４は、プリンタの構成の一例を示すブロック図である。 図５は、プリンタにおける状態情報の送信処理にかかる機能構成を概略的に示す模式図である。 図６は、ネットプリントシステムにおける状態情報取得の処理手順を示すシーケンス図である。 図７は、図５に示すメインプリンタにおける印刷処理の概要を示すフローチャートである。 図８は、図７に示す制御データ処理の処理手順を示すフローチャートである。 図９は、従来のネットプリントシステムにおける状態情報取得の処理手順を示すシーケンス図である。 図１０は、ネットプリントシステムにおける状態情報取得の他の処理手順を示すシーケンス図である。 図１１は、実施の形態２におけるプリンタにおける状態情報の送信処理にかかる機能構成を概略的に示す模式図である。 図１２は、図１１に示すカスタマイズテーブルの一例を示す図である。 図１３は、実施の形態２におけるネットプリントシステムにおける状態情報取得の処理手順を示すシーケンス図である。 図１４は、実施の形態２における制御データ処理の処理手順を示すフローチャートである。

以下に添付図面を参照して、この発明にかかる印刷システム、印刷装置、印刷装置の制御方法、制御プログラムおよび制御プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。

（実施の形態１）
本発明の第１の実施の形態を説明する。本実施の形態１は、印刷装置としてレーザプリンタやＭＦＰ（Multi Function Peripheral）を適用した例である。

図１は、実施の形態１にかかるネットプリントシステム１００のシステム構築例を示す模式図である。図１に示すように、本実施の形態１のネットプリントシステム１００は、複数の企業や事業所のイントラネットＡ，Ｂ、すなわちインターネット技術をベースにした社内ネットワークであるイントラネットＡ，Ｂを、インターネット網１５０を介して相互接続したエクストラネットを想定する。

図１に示すように、例えばコンビニエンスストア本社内のイントラネットＡは、各種のサーバコンピュータ（以下、サーバという）１にＬＡＮ（Local Area Network）等のネットワーク２を介してコンピュータやプリンタなどのクライアント３が複数台接続されたサーバクライアントシステムを想定する。このようなイントラネットＡにおいては、インターネット網１５０と、ＷＷＷ（World Wide Web）サーバなどの公開サーバ４を除く社内ネットワーク５との境界にファイアウォール６が設けられている。このファイアウォール６は、社内ネットワーク５とインターネット網１５０との間で出入りするパケットを監視し、決められたルールに従って、その通過を許可したり、阻止（廃棄）したりすることにより、社内ネットワーク５内のセキュリティを確保する。

一方、例えばフランチャイズ店舗内のイントラネットＢも、各種のサーバ１にＬＡＮ等のネットワーク２を介してコンピュータやプリンタなどのクライアント３が複数台接続されたサーバクライアントシステムを想定する。このようなイントラネットＢにおいても、インターネット網１５０と、公開サーバ４を除く社内ネットワーク５との境界にファイアウォール６が設けられている。

なお、イントラネットＡ，Ｂのネットワーク接続としては、インターネット網１５０に限るものではなく、専用の通信回線を用いて各イントラネットＡ，Ｂを接続するようにしてもよい。

また、ネットワーク２は有線通信に限るものではなく、無線通信（赤外線や電波等）であってもよい。また、光ファイバを用いたものであってもよい。

図２に示すように、上述したようなネットプリントシステム１００は、例えばコンビニエンスストア本社のイントラネットＡが備えるサーバ１の一つである印刷サーバ１１から、フランチャイズ店舗のイントラネットＢが備えるクライアント３の一つであるプリンタ３１に対して販促資料等の印刷処理をダイレクトに実行することができる。なお、図２に示すように、イントラネットＢにおいては、同機能を有する複数のプリンタ３１を備えている。

まず、イントラネットＡが備える印刷サーバ１１（サーバ１）について説明する。図３は、印刷サーバ１１の構成の一例を示すブロック図である。図３に示すように、印刷サーバ１１は、この印刷サーバ１１の動作制御を行うＣＰＵ（Central Processing Unit：中央処理装置）４１を備えている。このＣＰＵ４１には、ＣＰＵ４１が起動時に実行するプログラムや必要なデータ等を記憶するためのＲＯＭ（Read Only Memory）４２と、ＣＰＵ４１のワークエリア等を構成するためのＲＡＭ（Random Access Memory）４３とが内部バス５６を介して接続されている。

さらに、ＣＰＵ４１には、キャラクタジェネレータ４４、時計回路４５、ネットワーク伝送制御部４７、磁気ディスク装置４８、ＣＤ−ＲＯＭ装置４９、表示制御部５２および入力制御部５５が、内部バス５６を介して接続されており、これらの各要素間のデータのやりとりは、主としてこの内部バス５６を介して行われる。

キャラクタジェネレータ４４は、図形文字の表示データを発生するためのものである。時計回路４５は、現在日時情報を出力するためのものである。

ネットワークインタフェース回路４６は、この印刷サーバ１１をＬＡＮであるネットワーク２に接続するためのものであり、ネットワーク伝送制御部４７は、ネットワーク２を介して、他のサーバ１やクライアント３との間で種々のデータをやりとりするための各種所定のプロトコルスイートの通信制御処理を実行するためのものである。例えば、ネットワークインタフェース回路４６は、ネットワーク２およびインターネット網１５０を介して他のイントラネット（ここでは、イントラネットＢ）が備えるクライアント３の一つであるプリンタ３１を接続し、プリンタ３１へ印刷データ等を送信したり、プリンタ３１より印刷処理状態等を受信したりする等の動作を行う。

磁気ディスク装置４８は、ＯＳ（Operating System）、ＯＳ上で走る種々のアプリケーションプログラム、ワークデータ、ファイルデータ、画情報データなどの種々のデータを記憶するためのものである。本実施の形態においては、アプリケーションプログラムとして、印刷データ送信プログラムなどが記憶されている。ＣＤ−ＲＯＭ装置４９は、交換可能な記録媒体であるＣＤ−ＲＯＭ５０に記憶されているデータ（種々のアプリケーションプログラム、ワークデータ、ファイルデータ、画情報データなどの種々のデータ）を読み込むためのものである。

このような印刷サーバ１１では、ユーザが電源を投入するとＣＰＵ４１がＲＯＭ４２内のローダーというプログラムを起動させ、磁気ディスク装置４８よりＯＳをＲＡＭ４３に読み込み、このＯＳを起動させる。このようなＯＳは、ユーザの操作に応じてアプリケーションプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。なお、記録媒体はＣＤ−ＲＯＭ５０に限るものではなく、フレキシブルディスク（ＦＤ）、ＣＤ−Ｒ、ＣＤ−ＲＷ、ＤＶＤ、半導体メモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体であればよい。この場合、ＣＤ−ＲＯＭ装置４９を記憶媒体のデータを読み込み可能なものに変更することはいうまでもない。また、アプリケーションプログラムは、所定のＯＳ上で動作するものに限らず、後述の各種処理の一部の実行をＯＳに肩代わりさせるものであってもよいし、所定のアプリケーションソフトやＯＳなどを構成する一群のプログラムファイルの一部として含まれているものであってもよい。

なお、一般的には、印刷サーバ１１の磁気ディスク装置４８にインストールされるアプリケーションプログラムは、ＣＤ−ＲＯＭ５０などの記憶媒体に記録され、この記憶媒体に記録されたアプリケーションプログラムが磁気ディスク装置４８にインストールされる。このため、ＣＤ−ＲＯＭ５０等の可搬性を有する記憶媒体も、アプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、アプリケーションプログラムは、例えばネットワークインタフェース回路４６を介して外部から取り込まれ、磁気ディスク装置４８にインストールされてもよい。

ＣＲＴなどの表示装置５１は、この印刷サーバ１１を操作するための画面を表示するためのものであり、表示制御部５２は、表示装置５１の表示内容を制御するためのものである。

キーボード装置５３は、この印刷サーバ１１に対する各種の指示を種々のキー操作により行わせるためのものであり、画面指示装置５４は、表示装置５１の任意の点を指示する等の操作作業を行うためのもの（例えば、マウス等のポインティングデバイス）であり、入力制御部５５は、キーボード装置５３および画面指示装置５４の入力情報を取り込む等するためのものである。

また、印刷文書情報は、この印刷サーバ１１で適宜なアプリケーションプログラムが起動され、当該アプリケーションプログラムにより作成されて磁気ディスク装置４８に保存されたり、ＣＤ−ＲＯＭ５０に保存されているものがＣＤ−ＲＯＭ装置４９により読み出されて、印刷サーバ１１に取り込まれたり、ネットワーク２およびインターネット網１５０を介して電子メール等で受信した情報から再構築されて印刷サーバ１１に取り込まれたりすることで、印刷サーバ１１に保存される。

次に、イントラネットＢが備える印刷装置であるプリンタ３１（クライアント３）について説明する。プリンタ３１（クライアント３）は、ホスト装置から送信された１つまたは複数の印刷データおよび一連の処理命令で構成される印刷ジョブにかかる印刷処理を実行する。図４は、プリンタ３１の構成の一例を示すブロック図である。図４に示すように、プリンタ３１は、このプリンタ３１の各部の制御処理および画像形成処理などの各種制御処理を行うプリンタコントローラ（マザーボード）６１を備えている。このプリンタコントローラ６１には、オペレーションパネル６２、プリンタエンジン６３および磁気ディスク装置６４が接続されている。

プリンタコントローラ６１は、その時設定されている制御モードおよび各イントラネットＡ，Ｂの各種サーバ１（例えば、イントラネットＡの印刷サーバ１１）からの制御コードに従って各イントラネットＡ，Ｂの各種サーバ１（例えば、イントラネットＡの印刷サーバ１１）からの印刷データを描画データに変換してプリンタエンジン６３へ出力する制御機構の総称で次のようなモジュールで構成される。プリンタコントローラ６１には、各イントラネットＡ，Ｂの各種サーバ１による該プリンタ３１への制御信号を受信するとともにプリンタ３１からの状態情報やデータを各種サーバ１に送信するホストＩ／Ｆ８０、制御の主体となるＣＰＵ８１、ＲＡＭ８２、プログラムを含む該プリンタ３１に固有な各種の情報を記憶するためのＲＯＭ８３、電源のＯＮ／ＯＦＦに関わらずデータを保持できる不揮発性メモリであるＮＶ−ＲＡＭ８４、印刷の時に使用される数種の書体を保持しているメモリであるＦｏｎｔ ＲＯＭ８５、エンジンＩ／Ｆ８６、オペレーションパネル６２を接続するパネルＩ／Ｆ８７、磁気ディスク装置６４を接続するディスクＩ／Ｆ８８、ネットワークＩ／Ｆ８９などで構成されている。

ＲＡＭ８２は、ＣＰＵ８１のワーク領域、各イントラネットＡ，Ｂの各種サーバ１からのデータ受信バッファ、また処理後のイメージ展開領域に使用される。

エンジンＩ／Ｆ８６は、プリンタコントローラ６１とプリンタエンジン６３への制御信号とプリンタエンジン６３からプリンタコントローラ６１へのステータス信号を送受信するＩ／Ｆである。

ネットワークＩ／Ｆ８９は、ネットワーク２を介して各イントラネットＡ，Ｂの各種サーバ１（例えば、印刷サーバ１１）からプリンタ３１への制御信号およびデータとプリンタ３１からのステータス信号を送受信するためのものである。

オペレーションパネル６２は、プリンタ３１のステータス表示およびモード、印刷条件を変更することができるスイッチ部である。

プリンタエンジン６３は、電子写真プロセス方式により画像を形成して記録用紙に記録出力するためのものである。より詳細には、プリンタコントローラ６１からの描画データと制御情報に基づいて、感光体上に静電作像し給紙部より転写紙を給紙して画像を形成する。

磁気ディスク装置６４は、種々の印刷文書情報を格納したり、それ以外の適宜な情報ファイル等を保存したりするためのものである。加えて、磁気ディスク装置６４には、ＯＳ（Operating System）、ＯＳ上で走る種々のアプリケーションプログラムが記憶されている。本実施の形態においては、アプリケーションプログラムとして、印刷処理プログラムなどが記憶されている。

このような構成のプリンタ３１は、サーバ１などと同様に、ユーザが電源を投入すると磁気ディスク装置６４よりＯＳをＲＡＭ８２に読み込み、このＯＳを起動させる。このようにして起動したＯＳは、ユーザの操作に応じてアプリケーションプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。また、アプリケーションプログラムは、所定のＯＳ上で動作するものに限らず、後述の各種処理の一部の実行をＯＳに肩代わりさせるものであってもよいし、所定のアプリケーションプログラムやＯＳなどを構成する一群のプログラムファイルの一部として含まれているものであってもよい。

なお、一般的には、プリンタ３１の磁気ディスク装置６４にインストールされるアプリケーションプログラムは、ＣＤ−ＲＯＭ（図示せず）などの記憶媒体に記録され、この記憶媒体に記録されたアプリケーションプログラムが磁気ディスク装置６４にインストールされる。このため、ＣＤ−ＲＯＭ等の可搬性を有する記憶媒体も、アプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、アプリケーションプログラムは、例えばネットワークＩ／Ｆ８９を介して外部から取り込まれ、磁気ディスク装置６４にインストールされてもよい。

なお、本実施の形態のプリンタ３１は、磁気ディスク装置６４を備えるものとしたが、これに限るものではなく、半導体メモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体にアプリケーションプログラムやＯＳなどを格納するようにしてもよい。

ネットプリントシステム１００においては、このネットプリントシステム１００のホスト装置として機能するイントラネットＡの印刷サーバ１１は、インターネット網１５０を介してイントラネットＢのプリンタ３１に印刷データを出力する前に、出力先のイントラネットＢのプリンタ３１に対して状態情報の応答を要求し、プリンタ３１から送信された状態情報をもとに、印刷データを印刷させるプリンタ３１を獲得する。

本実施の形態のネットプリントシステム１００においては、印刷データ出力先のイントラネットＢにおいて、プリンタ３１のうちメインとなるプリンタにエラー（印刷不可状態）が発生した場合であっても、出力先のイントラネットＢの中で、イントラネットＢの他のプリンタ３１の状態情報も取得し、統合的な状態情報を印刷サーバ１１に送信している。具体的には、出力先のイントラネットＢは、メインとなるプリンタにエラーがあった場合であっても、他のプリンタ３１から送信された状態情報の中にエラーなしを示す状態情報が含まれる場合には、エラーが発生していない他のプリンタ３１の代替で印刷継続が可能である旨を示す状態情報を、イントラネットＡの印刷サーバ１１に送信する。このようにすることによって、イントラネットＢにおける印刷の継続を可能にし、イントラネットＢにおいて印刷停止状態にならないようにしている。

そこで、印刷サーバ１１およびプリンタ３１が実行する各種処理のうち、イントラネットＢのプリンタ３１での、イントラネットＡの印刷サーバ１１から送信された状態情報応答要求に対する状態情報の送信処理に関して説明する。

図５は、プリンタ３１における状態情報の送信処理にかかる機能構成を概略的に示す模式図である。なお、図５においては、「メインプリンタ」となるプリンタ３１−Ｍ、「サブプリンタ１」となるプリンタ３１−１、「サブプリンタ２」となるプリンタ３１−２の３台のプリンタ３１がネットワーク接続されているイントラネットＢを想定している。なお、「メインプリンタ」、「サブプリンタ１」、「サブプリンタ２」は便宜上設定されたものであって、プリンタ３１−Ｍとプリンタ３１−１とプリンタ３１−２とは、同じ実装のプリンタである。上位のホスト装置であるイントラネットＡの印刷サーバ１１から印刷データがネットワークを通じて最初に入力されるプリンタ３１−Ｍをメインプリンタと呼び、メインプリンタよりも下位に位置するプリンタ３１−１，３１−２をサブプリンタと呼ぶ。

また、「メインプリンタ」はホスト装置から一意に決定されるが、「サブプリンタ１」、「サブプリンタ２」については固定的に決められるものであってもよいし、その順序が処理毎に変わるものであってもよい。例えば、「サブプリンタ１」、「サブプリンタ２」のような順序については、プリンタの記憶部（ＲＯＭ８３、ＮＶ−ＲＡＭ８４、磁気ディスク装置６４など）に、次にデータを送るプリンタのＩＰアドレスを記憶しておき、データ転送の際に記憶されたＩＰアドレスを参照することで実現可能である。

図５に示すように、プリンタ３１−Ｍは、ネットワークを通じてデータを送受信する処理部９０−Ｍ、および、ネットワーク機器が自器の状態を外部に知らせるために公開する情報である状態情報を保持する状態情報保持部９１−Ｍを有する。処理部９０−Ｍは、通信処理部９２−Ｍ、データ判断部９３−Ｍおよび状態情報取得部９４−Ｍを備える。

通信処理部９２−Ｍは、プリンタ３１−Ｍが印刷サーバ１１およびネットワーク接続された他のプリンタ３１との間で接続成立した場合、ネットワークを通じてデータの送受信の制御処理を行う。通信処理部９２−Ｍで受信したデータは、データ判断部９３−Ｍへ渡される。

データ判断部９３−Ｍは、データが制御コマンドを含む制御データであるか否かを判断する。データ判断部９３−Ｍは、データが所定の制御データであると判断した場合、この制御データの制御コマンドを分析する。データ判断部９３−Ｍは、制御コマンドが状態情報送信コマンドである場合、状態情報取得部９４−Ｍに状態情報送信コマンドを出力する。

状態情報取得部９４−Ｍは、状態情報保持部９１−Ｍから自器の状態情報を取得する。状態情報取得部９４−Ｍは、取得した自器の状態情報がエラーありを示す状態情報である場合、通信処理部９２−Ｍに対して、ネットワーク接続するイントラネットＢ内のサブプリンタ１，２（プリンタ３１−１，３１−２）に状態情報送信コマンドの出力を指示する判断部９５−Ｍを備える。判断部９５−Ｍは、自器の状態情報とともに、サブプリンタ１，２から送信された状態情報に基づいて、印刷処理が継続可能か否かを統合的に判断し、判断結果に応じた統合状態情報を作成する。通信処理部９２−Ｍは、判断部９５−Ｍが作成した統合状態情報を印刷サーバ１１に送信する。

また、サブプリンタ１，２であるプリンタ３１−１，３１−２も、メインプリンタであるプリンタ３１−Ｍと同様に、処理部９０−１，９０−２および状態情報保持部９１−１，９１−２を備える。

次に、図６のシーケンス図を参照し、状態情報取得動作について説明する。上位ホストである印刷サーバ１１による状態情報送信コマンドを含む制御データを受信すると、メインプリンタであるプリンタ３１−Ｍでは、処理部９０−Ｍがコマンド分析を行ない、状態情報送信コマンドが含まれていた場合には状態情報保持部９１−Ｍに自器の状態情報を要求して状態情報を取得する。

処理部９０−Ｍは、取得した自器の状態情報がエラーありを示す状態情報である場合には、下位のプリンタ３１−１（サブプリンタ１）が存在するときは、状態情報送信コマンドを下位のプリンタ３１−１に対して出力する。なお、処理部９０−Ｍは、取得したプリンタ３１−Ｍの状態情報がエラーなしを示す場合にはエラーなしを示す状態情報をそのまま印刷サーバ１１に送信する。

状態情報送信コマンドを受け取った下位のプリンタ３１−１（サブプリンタ１）では、処理部９０−１が、コマンド分析を行ない、状態情報送信コマンドにしたがって状態情報保持部９１−１に状態情報を要求してサブプリンタ１の状態情報を取得し、取得した状態情報（たとえばエラーありを示す状態情報）をプリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）に出力する。

さらに、下位のプリンタ３１−２（サブプリンタ２）が存在する場合には、このプリンタ３１−２に対しても、プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）から状態情報送信コマンドが出力される。状態情報送信コマンドを受け取ったプリンタ３１−２（サブプリンタ２）では、処理部９０−２が、コマンド分析を行ない、状態情報送信コマンドにしたがって状態情報保持部９１−２からサブプリンタ２の状態情報を取得し、取得した状態情報（たとえばエラーなしを示す状態情報）をプリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）に出力する。

プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）は、プリンタ３１−１，３１−２（サブプリンタ１，２）から送信された状態情報を集計する。図６に示す例ではエラーの発生していないプリンタ３１−２（サブプリンタ２）が存在するため、プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）は、プリンタ３１−２（サブプリンタ２）に代替して印刷継続が可能である旨を示す統合状態情報を作成し、印刷サーバ１１に送信する。印刷サーバ１１は、プリンタ３１−２（サブプリンタ２）においてエラーがないことを示す統合状態情報を取得し、イントラネットＢにおけるプリンタ３１−２（サブプリンタ２）に印刷データを送信して、プリンタ３１−２（サブプリンタ２）に印刷処理を継続させる。

図７は、プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）における印刷処理の概要を示すフローチャートである。図７に示すように、上位ホストである印刷サーバ１１からデータが送信開始されると、プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）の通信処理部９２−Ｍにおいてデータを受信し（ステップＳ１）、データ判断部９３−Ｍにおいて、データが分析され、そのデータが制御コマンドを含む制御データであるか否かが判断される（ステップＳ２）。

データ判断部９３−Ｍが、受信したデータが制御コマンドを含む制御データであると判断した場合は（ステップＳ２：Ｙｅｓ）、プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）の各構成部位は、制御データに含まれる制御コマンドに対応した処理（制御データ処理）を行う（ステップＳ３）。

これに対し、データ判断部９３−Ｍが、受信したデータが制御コマンドを含む制御データでないと判断した場合は（ステップＳ２：Ｎｏ）、プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）の各構成部位は、一般データとして印刷処理（一般データ処理実施）を行う（ステップＳ４）。一般データとは、概念的にいうならば、印刷対象のデータであり、例えば、文字データや、画像データ等である。

ステップＳ３またはステップＳ４が終了した後、プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）においては、ジョブ終了であるか否かを判断する（ステップＳ５）。プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）において、ジョブ終了であると判断された場合（ステップＳ５：Ｙｅｓ）、一つの印刷ジョブが終了する。また、プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）において、ジョブ終了でないと判断された場合（ステップＳ５：Ｎｏ）、ステップＳ１に戻り、ステップＳ１〜４の処理が行われる。以上のようなステップＳ１〜Ｓ４の処理は、ジョブ終了である判断される（ステップＳ５：Ｙｅｓ）まで、繰り返される。

図８は、図７に示す制御データ処理の処理手順を示すフローチャートである。図８のフローチャートに示すように、処理するデータが制御データであった場合には、プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）におけるデータ判断部９３−Ｍは、制御データに含まれる制御コマンドが状態情報送信コマンドであるか否かの判断を行う（ステップＳ１１）。

データ判断部９３−Ｍが状態取得送信コマンドでないと判断した場合（ステップＳ１１：Ｎｏ）、プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）の各構成部位は、制御コマンドに応じた処理を実施し（ステップＳ２４）、制御データ処理を終了する。

一方、データ判断部９３−Ｍが制御コマンドが状態情報送信コマンドであると判断した場合（ステップＳ１１：Ｙｅｓ）、状態情報取得部９４−Ｍは、プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）自身の状態情報を取得する（ステップＳ１２）。そして、判断部９５−Ｍは、取得した状態情報をもとに、自器であるメインプリンタでエラーがあるか否かを判断する（ステップＳ１３）。

判断部９５−Ｍがメインプリンタでエラーが発生していないと判断した場合（ステップＳ１３：Ｎｏ）は印刷継続可能であるため、通信処理部９２−Ｍに、自器であるメインプリンタの状態情報（エラーなしを示す状態情報）をそのまま印刷サーバ１１に送信させて（ステップＳ２１）、制御データ処理を終了する。

また、判断部９５−Ｍがメインプリンタでエラーありと判断した場合（ステップＳ１３：Ｙｅｓ）、データ判断部９３−Ｍは、印刷ジョブが帳票印刷などの基幹系印刷ジョブであるか否かを判断する（ステップＳ１４）。

データ判断部９３−Ｍが印刷ジョブが基幹系印刷ジョブでないと判断した場合は（ステップＳ１４：Ｎｏ）印刷継続の優先レベルが下がるため、判断部９５−Ｍは、通信処理部９２−Ｍに、メインプリンタの状態情報（エラーありを示す状態情報）をそのまま印刷サーバ１１に送信させて（ステップＳ２２）、制御データ処理を終了する。

一方、データ判断部９３−Ｍが印刷ジョブが基幹系印刷ジョブであると判断した場合（ステップＳ１４：Ｙｅｓ）は印刷継続の優先レベルが高いため、サブプリンタでの印刷継続が可能かを検討するために、判断部９５−Ｍは、自器であるメインプリンタとネットワーク接続されているサブプリンタが存在するか否かを判断する（ステップＳ１５）。

判断部９５−Ｍは、ネットワーク接続されているサブプリンタが存在しないと判断した場合（ステップＳ１５：Ｎｏ）は印刷処理の代替ができないため、通信処理部９２−Ｍに、自器であるメインプリンタの状態情報（エラーありを示す状態情報）をそのまま印刷サーバ１１に送信させて（ステップＳ２２）、制御データ処理を終了する。

これに対して、判断部９５−Ｍは、ネットワーク接続されているサブプリンタが存在すると判断した場合（ステップＳ１５：Ｙｅｓ）、サブプリンタにおいて印刷処理の代替可能かを判断するために、通信処理部９２−Ｍに、サブプリンタに対する状態情報送信コマンドを出力させて（ステップＳ１６）、サブプリンタの状態情報を取得する（ステップＳ１７）。

判断部９５−Ｍは、メインプリンタとネットワーク接続されている次のサブプリンタが存在するか否かを判断する（ステップＳ１８）。判断部９５−Ｍは、次のサブプリンタが存在すると判断した場合（ステップＳ１８：Ｙｅｓ）、ステップＳ１６に戻り、通信処理部９２−Ｍに、このサブプリンタに対しても状態情報送信コマンドを出力させ、サブプリンタの状態情報を取得する（ステップＳ１７）。

判断部９５−Ｍは、次のサブプリンタが存在しないと判断した場合（ステップＳ１８：Ｎｏ）、取得した各サブプリンタの状態情報を集計して（ステップＳ１９）、サブプリンタでエラーがあるか否かを判断する（ステップＳ２０）。判断部９５−Ｍは、いずれのサブプリンタにおいてもエラーがあると判断した場合（ステップＳ２０：Ｙｅｓ）、通信処理部９２−Ｍに、メインプリンタの状態情報（エラーありを示す状態情報）を印刷サーバ１１に送信させて（ステップＳ２２）、制御データ処理を終了する。

一方、判断部９５−Ｍは、サブプリンタのいずれかにおいてエラーがないと判断した場合（ステップＳ２０：Ｎｏ）、通信処理部９２−Ｍに、このサブプリンタの状態情報（エラーなし）を統合状態情報として印刷サーバ１１に送信させて（ステップＳ２３）、制御データ処理を終了する。

これによって、イントラネットＢのサブプリンタの状態情報（エラーなしを示す状態情報）を取得したイントラネットＡの印刷サーバ１１は、イントラネットＢにおける基幹系印刷ジョブを、エラーなしの状態情報を有するサブプリンタに送信して、このサブプリンタに基幹系印刷ジョブを実行させる。

ここで、従来においては、図９のシーケンス図に示すように、上位ホストである印刷サーバ１１１による状態情報送信コマンドを含む制御データを受信すると、メインプリンタであるプリンタ１３１−Ｍでは、処理部１９０−Ｍが、コマンド分析後に状態情報保持部１９１−Ｍから取得した自器の状態情報（エラーありを示す状態情報）をそのまま印刷サーバ１１に送信していた。メインプリンタの状態情報（エラーありを示す状態情報）を取得した印刷サーバ１１１は、印刷データ送信中止処理（Ｊ１）を行った後、サブプリンタの有無やサブプリンタで代替可能かを把握するために、サブプリンタ１であるプリンタ１３１−１に改めて状態情報送信コマンドを含む制御データを送信する処理（Ｊ２）を行なっていた。この場合、印刷サーバ１１１は、状態情報保持部１９１−１から取得したプリンタ１３１−１の状態情報（エラーなしを示す状態情報）がプリンタ１３１−１の処理部１９０−１によって送信されるまで待機し、プリンタ１３１−１の状態情報（エラーなし）の受信処理（Ｊ３）後に、再度、印刷データの送信を再開する処理（Ｊ４）を行なっていた。

このように、従来においては、印刷データの出力先のイントラネットのメインプリンタにエラーがあった場合、ホスト装置自体がサブプリンタの有無やサブプリンタで代替可能かを把握していたため、ホスト装置における印刷データの送信中断とインターネット網への再接続とが断続的に発生し、印刷が停滞して印刷の信頼性が低下してしまうという問題があった。

これに対し、本実施の形態１においては、印刷データの出力先のイントラネットのメインプリンタにエラーがあった場合であっても、ホスト装置ではなく、メインプリンタが、サブプリンタの状態情報を取得して、エラーが発生していない他のプリンタ３１の代替で印刷継続が可能である旨を示す統合状態情報をホスト装置に送信する。この結果、実施の形態１においては、サブプリンタの有無やサブプリンタで代替可能かを把握するときに、ホスト装置において印刷データの送信中断とインターネット網への再接続とが発生しない。このため、実施の形態では、印刷の停滞が低減できるため、印刷の信頼性を上げることができる。さらに、メインプリンタは、基幹系印刷ジョブの場合には、印刷継続の優先度を高くして、サブプリンタの有無やサブプリンタで代替可能かを把握するため、基幹系印刷ジョブのスループットを向上させることができる。

なお、本実施の結果においては、図６のシーケンス図に示す場合に限らず、図１０のシーケンス図のように状態情報取得動作を行なってもよい。図１０に示すように、メインプリンタであるプリンタ３１−Ｍにおいては、上位ホストである印刷サーバ１１から送信された制御データの状態情報送信コマンドにしたがって、処理部９０−Ｍが、コマンド分析後に状態情報保持部９１−Ｍから自器の状態情報を取得する。処理部９０−Ｍは、自器であるメインプリンタの状態情報がエラーのうちニアエラー（印刷ジョブ重複状態）ありを示す状態情報の場合には、状態情報送信コマンドを下位のサブプリンタであるプリンタ３１−１に対して出力する。

メインプリンタの処理部９０−Ｍは、状態情報送信コマンドを受け取ったプリンタ３１−１（サブプリンタ１）から、状態情報（ニアエラーありを示す状態情報）を取得する。続いて、メインプリンタの処理部９０−Ｍは、さらに、別のプリンタ３１−２（サブプリンタ２）にも状態情報送信コマンドを出力し、状態情報送信コマンドを受け取ったプリンタ３１−２から、状態情報（ニアエラーありを示す状態情報）を取得する。

プリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）は、プリンタ３１−１，３１−２（サブプリンタ１，２）から送信された状態情報を集計し、いずれのサブプリンタ１，２においてもニアエラーである場合には、印刷処理の実行タイミングを調整することで印刷継続が可能である旨を示す統合状態情報（ニアエラーありを示す状態情報）を作成し、印刷サーバ１１に送信する。印刷サーバ１１は、ニアエラーありを示す状態情報を取得し、イントラネットＢに対して、印刷処理の実行タイミングを調整（たとえば、遅延させる）した後、印刷データを送信してメインプリンタ、サブプリンタ１，２のいずれか印刷処理を継続させる。この場合も、印刷継続が可能になるため、印刷の信頼性を上げることができる。なお、サブプリンタ１，２からの状態情報と自器であるメインプリンタの状態情報とをもとにプリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）が作成する状態情報は、各プリンタの状態情報の内容の組み合わせに応じて予め設定されている。

（実施の形態２）
次に、実施の形態２について説明する。実施の形態２では、メインプリンタが送信する印刷継続可否を示す状態情報を、印刷装置ごとにカスタマイズする場合について説明する。図１１は、実施の形態２にかかるプリンタにおける状態情報の送信処理にかかる機能構成を概略的に示す模式図である。

図１１に示すように、実施の形態２にかかるプリンタ３１−Ｍ（メインプリンタ）は、図５に示す処理部９０−Ｍに代えて、処理部２９０−Ｍを有する。処理部２９０−Ｍは、図５に示す状態情報取得部９４−Ｍに代えて、判断部２９５−Ｍとカスタマイズテーブル２９６とを有する状態情報取得部２９４−Ｍを備える。

カスタマイズテーブル２９６は、印刷データ出力先のイントラネットＢにおけるプリンタ２３１−Ｍ（メインプリンタ）およびプリンタ２３１−１，２３１−２（サブプリンタ）に固有に設定されたものであり、プリンタ２３１−Ｍの状態情報およびプリンタ２３１−１，２３１−２の状態情報の組み合わせに応じて、ホスト装置である印刷サーバ１１に送信する状態情報が予め対応付けられたテーブルである。このカスタマイズテーブル２９６は、不揮発性メモリであるＮＶ−ＲＡＭ８４において記憶される。

たとえば、カスタマイズテーブル２９６は、基幹系印刷ジョブの用途に応じて、ホスト装置である印刷サーバ１１側の動作を阻害しないように、プリンタ２３１−Ｍ（メインプリンタ）の状態情報およびプリンタ２３１−１，２３１−２（サブプリンタ１，２）の状態情報の各組み合わせに応じて、印刷サーバ１１に送信する統合状態情報が予め設定されている。カスタマイズテーブル２９６は、たとえば図１２のテーブルＴ１に示すように、２３１−Ｍの状態情報およびプリンタ２３１−１，２３１−２の状態情報が、現状値であれば全てエラーになる組み合わせであっても、印刷継続が可能（ｒｅａｄｙ）、あるいは、警告（印刷可能ではあるが問題が発生している：ｗａｒｎｉｎｇ）とした内容の統合状態情報が対応付けられており、印刷が可能な限り継続されるように設定されている。また、カスタマイズテーブル２９６は、プリンタ２３１−Ｍ，２３１−１，２３１−２の上位のホスト装置である印刷サーバ１１が複数ある場合（図１２には、印刷サーバ１１がサーバ１〜３の３台ある例を示す。）には、各印刷サーバ１１の処理能力等に対応させて、カスタマイズする統合状態情報の内容が印刷サーバ１１ごとに設定されていてもよい。

判断部２９５−Ｍは、メインプリンタでエラーがある場合には、カスタマイズテーブル２９６における各統合状態情報のうち、状態情報判断部２９４が取得した自器であるメインプリンタの状態情報およびサブプリンタ１，２から送信された状態情報の組み合わせに応じた統合状態情報を選択して、通信処理部９２−Ｍに、選択した統合状態情報を印刷サーバ１１に送信させる。また、サブプリンタ１，２であるプリンタ２３１−１，２３１−２も、メインプリンタであるプリンタ２３１−Ｍと同様に、処理部９０−１，９０−２に代えて、処理部２９０−１，２９０−２を備える。

次に、図１３のシーケンス図を参照して、実施の形態２における状態情報取得動作を説明する。図１３に示すように、メインプリンタであるプリンタ２３１−Ｍにおいては、上位ホストである印刷サーバ１１から送信された制御データの状態情報送信コマンドにしたがって、処理部２９０−Ｍが、コマンド分析後に状態情報保持部９１−Ｍから自器の状態情報を取得する。処理部２９０−Ｍは、自器であるメインプリンタの状態情報が示すエラーがニアエラーである場合には、状態情報送信コマンドを下位のサブプリンタであるプリンタ２３１−１に対して出力する。

メインプリンタの処理部２９０−Ｍは、状態情報送信コマンドを受け取ったプリンタ２３１−１（サブプリンタ１）から、状態情報（ニアエラーありを示す状態情報）を取得する。続いて、メインプリンタの処理部２９０−Ｍは、さらに、別のプリンタ２３１−２（サブプリンタ２）にも状態情報送信コマンドを出力し、状態情報送信コマンドを受け取ったプリンタ２３１−２から、状態情報（ニアエラーありを示す状態情報）を取得する。

プリンタ２３１−Ｍ（メインプリンタ）では、判断部２９５−Ｍがカスタマイズテーブル２９６を参照し、カスタマイズテーブル２９６の各統合状態情報の中から、サブプリンタ１，２からの状態情報および自器であるメインプリンタの状態情報の組み合わせに応じた統合状態情報を選択して、送信する統合状態情報を選択した統合状態情報に変換する。たとえば、プリンタ２３１−Ｍ（メインプリンタ）およびプリンタ２３１−１，２３１−２（サブプリンタ１，２）のいずれにおいてもニアエラーである場合、カスタマイズテーブル２９６から統合状態情報（エラーありを示す状態情報）を選択し、印刷サーバ１１に送信する。印刷サーバ１１は、エラーありを示す状態情報を取得する。

図１４は、実施の形態２における制御データ処理（図７参照）の処理手順を示すフローチャートである。図１４のフローチャートに示すように、図８のステップＳ１１と同様に、メインプリンタであるプリンタ２３１−Ｍのデータ判断部９３−Ｍは、制御データが含む制御コマンドが状態情報送信コマンドであるか否かの判断を行う（ステップＳ２１１）。データ判断部９３−Ｍが状態取得送信コマンドでないと判断した場合（ステップＳ２１１：Ｎｏ）、プリンタ２３１−Ｍの各構成部位は、制御コマンドに応じた処理を実施し（ステップＳ２２６）、制御データ処理を終了する。

一方、データ判断部９３−Ｍが状態情報送信コマンドであると判断した場合（ステップＳ２１１：Ｙｅｓ）、図８に示すステップＳ１２、ステップＳ１３と同様に、状態情報取得部２９４−Ｍは、プリンタ３１−Ｍ自身の状態情報を取得し（ステップＳ２１２）、判断部２９５−Ｍは、自器であるメインプリンタでエラーがあるか否かを判断する（ステップＳ２１３）。

判断部２９５−Ｍが自器であるメインプリンタでエラーが発生していないと判断した場合（ステップＳ２１３：Ｎｏ）は、通信処理部９２−Ｍに、自器であるメインプリンタの状態情報（エラーなしを示す状態情報）を印刷サーバ１１に送信させて（ステップＳ２２２）、制御データ処理を終了する。

また、判断部２９５−Ｍがメインプリンタでエラーが発生したと判断した場合（ステップＳ２１３：Ｙｅｓ）、図８に示すステップＳ１４と同様に、データ判断部９３−Ｍは、印刷ジョブが基幹系印刷ジョブであるか否かを判断する（ステップＳ２１４）。

データ判断部９３−Ｍが印刷ジョブが基幹系印刷ジョブでないと判断した場合は（ステップＳ２１４：Ｎｏ）印刷継続の優先レベルが下がるため、判断部２９５−Ｍは、通信処理部９２−Ｍに、自器であるメインプリンタの状態情報（エラーありを示す状態情報）をそのまま印刷サーバ１１に送信させて（ステップＳ２２３）、制御データ処理を終了する。

一方、データ判断部９３−Ｍが印刷ジョブが基幹系印刷ジョブであると判断した場合（ステップＳ２１４：Ｙｅｓ）は、図８に示すステップＳ１５と同様に、判断部２９５−Ｍはネットワーク接続されているサブプリンタが存在するか否かを判断する（ステップＳ２１５）。判断部２９５−Ｍは、ネットワーク接続されているサブプリンタが存在しないと判断した場合（ステップＳ２１５：Ｎｏ）は、通信処理部９２−Ｍに、自器であるメインプリンタの状態情報（エラーありを示す状態情報）をそのまま印刷サーバ１１に送信させて（ステップＳ２２３）、制御データ処理を終了する。

これに対して、判断部２９５−Ｍは、ネットワーク接続されているサブプリンタが存在すると判断した場合（ステップＳ２１５：Ｙｅｓ）、図８のステップＳ１６およびステップＳ１７と同様に、通信処理部９２−Ｍに、サブプリンタに対する状態情報送信コマンドを出力させて（ステップＳ２１６）、サブプリンタの状態情報を取得する（ステップＳ２１７）。

判断部２９５−Ｍは、図８のステップＳ１８と同様に、次のサブプリンタが存在するか否かを判断する（ステップＳ２１８）。判断部２９５−Ｍは、次のサブプリンタが存在すると判断した場合（ステップＳ２１８：Ｙｅｓ）、図８と同様に、ステップＳ２１６に戻る。

判断部２９５−Ｍが次のサブプリンタが存在しないと判断した場合（ステップＳ２１８：Ｎｏ）、状判断部２９５−Ｍは、取得した各サブプリンタの状態情報を集計して（ステップＳ２１９）、サブプリンタでエラーがあるか否かを判断する（ステップＳ２２０）。判断部２９５−Ｍは、いずれのサブプリンタにおいてもエラーがあると判断した場合（ステップＳ２２０：Ｙｅｓ）、通信処理部９２−Ｍに、メインプリンタの状態情報（エラーありを示す状態情報）を印刷サーバ１１に送信させて（ステップＳ２２３）、制御データ処理を終了する。

一方、判断部２９５−Ｍは、サブプリンタにおいてエラーがないと判断した場合（ステップＳ２２０：Ｎｏ）、カスタマイズテーブル２９６がＮＶ−ＲＡＭ８４にあるか否かを判断する（ステップＳ２２１）。判断部２９５−Ｍは、カスタマイズテーブル２９６がないと判断した場合（ステップＳ２２１：Ｎｏ）、サブプリンタのエラーなしを示す状態情報を印刷サーバ１１に送信させて（ステップＳ２２４）、制御データ処理を終了する。

これに対し、判断部２９５−Ｍは、カスタマイズテーブル２９６があると判断した場合（ステップＳ２２１：Ｙｅｓ）、カスタマイズテーブル２９６を参照し、取得したプリンタ２３１−Ｍおよびプリンタ２３１−１，２３１−２の統合状態情報の内容の組み合わせに応じた送信内容に状態情報をカスタマイズし、このカスタマイズした状態情報を統合状態情報として印刷サーバ１１に送信させて（ステップＳ２２５）、制御データ処理を終了する。

このように、実施の形態２では、印刷が可能な限り継続されるように、メインプリンタの状態情報およびサブプリンタの状態情報の組み合わせに応じてカスタマイズする状態情報の内容を、メインプリンタごとに設定して、印刷の停滞を低減し、印刷の信頼性を向上させている。

なお、実施の形態２においては、プリンタ２３１−Ｍの判断部２９５−Ｍは、プリンタ２３１−Ｍ（メインプリンタ）は、代替可能であるサブプリンタが２台以下の場合には、テーブルＴ１を参照せずに、エラーありを示す状態情報を生成し、通信処理部９２−Ｍに、印刷サーバ１１に送信させてもよい。

本実施の形態で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでＣＤ−ＲＯＭ、フレキシブルディスク（ＦＤ）、ＣＤ−Ｒ、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ）等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。

また、本実施の形態で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。もちろん、本実施の形態の制御プログラムを、プリンタ内のＲＯＭ等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。

また、プリンタは、レーザプリンタやＭＦＰに限らず、デジタル複写機、ファクシミリ、または、スキャナ機能やコピー、ファクシミリ、プリンタなどの印刷処理を行うものであれば、本実施の形態を適用することができる。

１ サーバ
３ クライアント
４ 公開サーバ
５ 社内ネットワーク
６ ファイアウォール
１１ 印刷サーバ
３１，３１−１，３１−２，３１−Ｍ，２３１−１，２３１−２，２３１−Ｍ プリンタ
９０，１９０，２９０ 処理部
９１，１９１ 状態情報保持部
９２ 通信処理部
９３ データ判断部
９４，２９４ 状態情報判断部
１００ ネットプリントシステム
２９６ カスタマイズテーブル

特開２００９‐３０１１３５号公報

Claims (10)

1. ホスト装置から送信される一連の処理命令で構成される印刷ジョブにかかる印刷処理を実行する印刷装置において、
   前記ホスト装置から状態情報の送信命令を受信したとき、当該印刷装置の状態情報を取得する状態情報取得手段と、
   取得した当該印刷装置の状態情報がエラーを示す状態情報である場合、当該印刷装置にネットワーク接続される他の印刷装置から該他の印刷装置の状態情報を取得する通信処理手段と、
   を有し、
   前記状態情報取得手段は、当該印刷装置の状態情報とともに、前記他の印刷装置から送信された状態情報に基づいて印刷処理が継続可能か否かを統合的に判断し、判断結果に応じた統合状態情報を作成し、
   前記通信処理手段は、当該印刷装置の状態情報のエラーが印刷ジョブ重複状態であって、前記他の印刷装置の状態情報も印刷ジョブ重複状態であるとき、印刷処理タイミングを調整することで印刷継続が可能である旨を示す前記統合状態情報を前記ホスト装置へ送信することを特徴とする印刷装置。
2. 前記通信処理手段は、前記他の印刷装置から送信された状態情報の中にエラーなしを示す状態情報が含まれるとき、印刷継続が可能である旨を前記ホスト装置へ送信することを特徴とする請求項１に記載の印刷装置。
3. 当該印刷装置の状態情報および前記他の印刷装置の状態情報の組合せごとに前記ホスト装置へ送信する送信内容を予め対応付けした対応表を有し、
   前記通信処理手段は、前記対応表に基づいて、前記状態情報取得手段が取得した当該印刷装置の状態情報と、前記通信処理手段が取得した他の印刷装置の状態情報とに応じた送信内容を前記ホスト装置に送信することを特徴とする請求項１または２に記載の印刷装置。
4. 当該印刷装置は、複数のホスト装置と接続され、
   前記対応表は、前記複数のホスト装置それぞれに前記送信内容が設定されていることを特徴とする請求項３に記載の印刷装置。
5. 前記通信処理手段は、前記ホスト装置から送信される印刷ジョブが基幹系印刷ジョブであるとき、前記他の印刷装置から該他の印刷装置の状態情報を取得することを特徴とする請求項１に記載の印刷装置。
6. 前記通信処理手段は、前記ホスト装置から送信される印刷ジョブが基幹系印刷ジョブでないとき、前記他の印刷装置から該他の印刷装置の状態情報を取得せずに前記ホスト装置へ当該印刷装置の状態情報を送信すること特徴とする請求項１または５に記載の印刷装置。
7. ホスト装置と、前記ホスト装置とネットワークで接続され、前記ホスト装置から送信される一連の処理命令で構成される印刷ジョブにかかる印刷処理を実行する複数の印刷装置と、を備えた印刷システムにおいて、
   前記印刷装置は、
   前記ホスト装置から状態情報の送信命令を受信したとき、当該印刷装置の状態情報を取得する状態情報取得手段と、
   取得した当該印刷装置の状態情報がエラーを示す状態情報である場合、当該印刷装置にネットワーク接続される他の印刷装置から該他の印刷装置の状態情報を取得する通信処理手段と、
   を有し、
   前記状態情報取得手段は、当該印刷装置の状態情報とともに、前記他の印刷装置から送信された状態情報に基づいて印刷処理が継続可能か否かを統合的に判断し、判断結果に応じた統合状態情報を作成し、
   前記通信処理手段は、当該印刷装置の状態情報のエラーが印刷ジョブ重複状態であって、前記他の印刷装置の状態情報も印刷ジョブ重複状態であるとき、印刷処理タイミングを調整することで印刷継続が可能である旨を示す前記統合状態情報を前記ホスト装置へ送信することを特徴とする印刷システム。
8. ホスト装置から送信される一連の処理命令で構成される印刷ジョブにかかる印刷処理を実行する印刷装置で実行される制御方法において、
   前記ホスト装置から状態情報の送信命令を受信したとき、当該印刷装置の状態情報を取得する状態情報取得ステップと、
   取得された当該印刷装置の状態情報がエラーを示す状態情報である場合、当該印刷装置にネットワーク接続される他の印刷装置から該他の印刷装置の状態情報を取得する通信処理ステップと、
   を含み、
   前記状態情報取得ステップは、当該印刷装置の状態情報とともに、前記他の印刷装置から送信された状態情報に基づいて印刷処理が継続可能か否かを統合的に判断し、判断結果に応じた統合状態情報を作成し、
   前記通信処理ステップは、当該印刷装置の状態情報のエラーが印刷ジョブ重複状態であって、前記他の印刷装置の状態情報も印刷ジョブ重複状態であるとき、印刷処理タイミングを調整することで印刷継続が可能である旨を示す前記統合状態情報を前記ホスト装置へ送信することを特徴とする印刷装置の制御方法。
9. ホスト装置から送信される一連の処理命令で構成される印刷ジョブにかかる印刷処理を実行する印刷装置が備えるコンピュータに、
   前記ホスト装置から状態情報の送信命令を受信したとき、当該印刷装置の状態情報を取得する状態情報取得ステップと、
   取得された当該印刷装置の状態情報がエラーを示す状態情報である場合、当該印刷装置にネットワーク接続される他の印刷装置から該他の印刷装置の状態情報を取得する通信処理ステップと、
   を実行させ、
   前記状態情報取得ステップは、当該印刷装置の状態情報とともに、前記他の印刷装置から送信された状態情報に基づいて印刷処理が継続可能か否かを統合的に判断し、判断結果に応じた統合状態情報を作成し、
   前記通信処理ステップは、当該印刷装置の状態情報のエラーが印刷ジョブ重複状態であって、前記他の印刷装置の状態情報も印刷ジョブ重複状態であるとき、印刷処理タイミングを調整することで印刷継続が可能である旨を示す前記統合状態情報を前記ホスト装置へ送信する制御プログラム。
10. 請求項９に記載の制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

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