JP5774766B2 - タンタル金属の表面を不動態化させるための方法およびそのための装置 - Google Patents

タンタル金属の表面を不動態化させるための方法およびそのための装置 Download PDF

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Description

本発明はタンタル金属の製造の分野に関し、特に、電解コンデンサーのためのタンタル粉末または多孔質タンタル金属を製造するための方法と装置に関する。
タンタル金属は主としてタンタル電解コンデンサーを製造するために用いられる。しかし、タンタル電解コンデンサーの製造プロセスは通常、タンタル粉末を圧縮して圧縮体とし、圧縮体を真空炉内で焼結し、それにより粒子どうしが相互に結合した多孔質体とし、この多孔質な凝集物を適当な電解液の中で陽極酸化し、それにより多孔質粒子の表面に均質で相互に結合した誘電性酸化皮膜を形成し、すなわちアノードを形成し、酸化皮膜の表面上にカチオン物質を被覆し、次いで、パッケージ化して、コンデンサーのアノードとカソードを形成することを含む。タンタル電解コンデンサーを評価するために用いられるパラメーターとしては、主として、キャパシタンス(静電容量)、DC(直流漏れ電流)および等価直列抵抗(ESR)がある。コンデンサーの開発においては、高いキャパシタンス、低い漏れ電流および低い等価直列抵抗が求められる傾向にある(アノードについての低いtgσ)。タンタル電解コンデンサーの主な供給原料であるコンデンサー等級のタンタル粉末中の不純物の量、特に酸素の量は、漏れ電流に大きな影響を及ぼす。漏れ電流が低いためには、タンタル粉末の酸素含有量が低いことを必要とする。
一般に、電解コンデンサーのためのタンタル粉末は熱処理する必要があり、その目的は、一方ではタンタル粉末を精製することであり、他方ではタンタルの微小粒子を圧縮して多孔質粒子にすることであり、それにより、タンタル粉末の流動性のようなタンタル粉末の物理特性が改善され、従って、コンデンサーのキャパシタンス、漏れ電流および等価直列抵抗(ESR)のような、タンタル粉末から製造される電解コンデンサーの特性が改善される。US(米国特許)3473915はタンタル粉末の熱処理を開示していて、これは2〜30μmのタンタル粉末を1200℃〜1500℃において不活性雰囲気下で熱圧縮して接合点の多い多孔質粒子を形成し、それにより圧縮されたタンタル粉末を得ることを含む。最近の数十年間において、タンタル粉末の製造業者とコンデンサーの製造業者は、高い比表面積を有するタンタル粉末と小型のコンデンサーを開発する際に、タンタル粉末の熱処理についての広範囲の研究を行ってきた。タンタル粉末の団結(圧縮)熱処理に関する先行技術は、以下の特許文献に見いだされる:JP(特願平)2−34701、US5954856、WO(国際公開)99/61184、CN(中国特許)1197707A、CN1238251A、CN1899730A。
タンタル粉末の脱酸熱処理は一般に、アルカリ金属または希土類金属またはそれらの水素化物を含む適当な量の還元剤をタンタル粉末と混合することと、真空雰囲気または不活性雰囲気中で700℃〜1100℃において熱処理に供し、それによりタンタル粉末を圧縮するとともに酸素を除去することを含む。タンタル粉末の脱酸熱処理に関する先行技術は、以下の特許文献に見いだされる:US4483819、US4537641、CN1052070A、その他のもの。
タンタル金属は酸素に対して強い親和性を有する金属であるため、タンタルと酸素は化学的に結合してTaを形成するが、これは発熱反応である。タンタル粉末の表面が緻密な酸化皮膜の層を有する場合、タンタルはそれ以上酸化されることから保護される。緻密な酸化皮膜によって被覆されたそのようなタンタル粒子が300℃以上の温度まで加熱されると、タンタルの酸化皮膜は割れて破壊し、酸素の幾分かはタンタルの基板中に溶解し、酸素の幾分かは消散するか、あるいは濃縮する。従って、冷却されて酸素含有媒体と接触した後、加熱されたタンタル粉末は表面から酸化され始める。粉末は新たな酸素を吸収し、そして酸素濃度は増大する。酸素を吸収する速度を有効に制御できない場合は、タンタル粉末は自己発火するだろう。従って、タンタル粉末の酸化を制御する不動態化技術が開発された。そのようなタンタルの不動態化が意味することは、タンタル粉末の酸化膜が破壊されて酸素含有媒体と接触するとき、制御された条件の下でタンタル粉末の酸化速度と温度を制御するために酸素の供給速度が人為的に制御され、それによりタンタル粉末の表面に不動態化した酸化皮膜が形成されて、激しい酸化が防がれる、ということである。従って、高い比表面積(0.1m/g以上の比表面積)を有するタンタル粉末は、熱処理後に不動態化させるべきである。
本明細書で記載されるタンタル金属の表面の不動態化は、タンタル粉末の表面の不動態化と、タンタル粉末を圧縮することによって形成された多孔質体の表面の不動態化を含む。
電子部品は小型化に向けて開発されていて、より大きな比表面積を有するタンタルの微小粒子が必要とされている。大きな比表面積を有するタンタル粉末については、不動態化させる間に単位体積当りのタンタル粉末が発生する熱エネルギーが多いほど、不動態化する間のタンタル粉末の温度はより速く上昇する。熱処理後にタンタル粉末を不動態化させる際には、温度が急に上昇することがしばしば認められていた。これは、タンタル粉末が激しく酸化し始めるという事実によるものであり、従って、通気による不動態化を即座に停止しなければならなかった。温度が低下した後、通気による不動態化がゆっくりと続けられた。不動態化と排気を行った後、タンタル粉末の表面に酸化タンタルの白いプラーク(plaques)があるのが見いだされ、そして白い酸化タンタルを有していないタンタル粉末は高い酸素含有量を有していた。不動態化が厳密に制御されない場合は、タンタル粉末は燃え上がり、かなりの損失が生じるかもしれない。従って、タンタル粉末の不動態化は、大きな比表面積を有するタンタル粉末を開発するための困難かつ重要な技術となっている。
大きな比表面積を有するタンタル粉末で形成された多孔質の圧縮粉、例えば電解コンデンサーのアノードを製造するためのタンタルの圧縮粉の表面の領域は焼結した後に還元されるけれども、この多孔質の凝集物の表面は酸化もされて、そして高温が発生して、多孔質の凝集物は過剰な酸素を含むこととなり、タンタルのワイヤは脆くなり、あるいは多孔質のタンタル凝集物の激しい酸化が生じることもある。そのような多孔質のタンタル凝集物で製造されたタンタルのアノードは高い漏れ電流を生じる。従って、大きな比表面積を有するタンタル粉末で形成される多孔質の凝集物は、焼結した後に不動態化処理に供するべきである。
US6927967B2、US6432161B1、US6238456B1、CN1919508A、CN101404213A、US6992881B2、US7485256B2およびCN1899728Aを含む先行技術はタンタル粉末の不動態化を開示している。しかし、これらの先行技術は、タンタル粉末を不動態化させるために、熱処理に供されて室温またはもっと高い温度に冷却される真空炉の中に室温において酸素含有ガスを導入することを含む。このような処理と不動態化は長時間を費やし、そしてタンタル粉末の激しい酸化を生じさせる。中国特許出願CN101348891Aはタンタル粉末の制御された不動態化とマグネシウム処理によって酸素を還元する方法を開示していて、これにおいて不動態化処理は純粋な酸素を用いて行われる。この方法は大きな比表面積を有するタンタル粉末の不動態化には適しておらず、そして不動態化処理は長時間を費やし、また収率が低い。
先行技術における上記の問題のために、酸素含有量が低くて多孔質のタンタル凝集物を伴うタンタル粉末を製造するための方法と装置が望まれていて、この方法と装置はタンタル金属の表面の不動態化を行う間の激しい酸化を避けることができる。
US(米国特許)3473915 JP(特願平)2−34701 US5954856 WO(国際公開)99/61184 CN(中国特許)1197707A CN1238251A CN1899730A US4483819 US4537641 CN1052070A US6927967B2 US6432161B1 US6238456B1 CN1919508A CN101404213A US6992881B2 US7485256B2 CN1899728A CN101348891A
先行技術において存在する問題に鑑みて、本発明の目的は、タンタル金属の表面を不動態化させるための方法であって、不動態化を行う間の激しい酸化を避けることができる方法を提供することである。もう一つの目的は、タンタル金属の表面を不動態化させるための方法を実施するための装置を提供することである。
本発明は、タンタル金属の表面を不動態化させるための方法と装置を提供することによって上の目的を達成する。この方法においては、タンタル金属の粉末は熱処理に供され、次いで冷却され、そして酸素含有ガスを用いて低い温度において不動態化が実施される。
特に、本発明は下記の技術的解決策を提供する:
(1)タンタル金属の表面を不動態化させるための方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする方法:
a)熱処理に供されたタンタル金属を用意すること;
b)冷却した不活性ガスを用いることによってタンタル金属の温度を32℃以下、好ましくは30℃未満、そしてより好ましくは10℃〜30℃まで低下させること;
c)タンタル金属の表面を不動態化させるために酸素含有ガスを導入すること;
d)場合により、工程c)を一回以上繰り返すこと。
(2)タンタル金属の表面を不動態化させるための方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする方法:
a)熱処理に供されたタンタル金属を用意すること;
b)タンタル金属の温度を室温まで低下させること;
c)タンタル金属の表面を不動態化させるために、0℃以下、好ましくは0℃〜−40℃において酸素含有ガスを導入すること;および
d)場合により、工程c)を一回以上繰り返すこと。
(3)タンタル金属の表面を不動態化させるための方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする方法:
a)熱処理に供されたタンタル金属を用意すること;
b)冷却した不活性ガスを用いることによってタンタル金属の温度を32℃以下、好ましくは30℃未満、そしてより好ましくは10℃〜30℃まで低下させること;
c)タンタル金属の表面を不動態化させるために、0℃以下、好ましくは0℃〜−40℃において酸素含有ガスを導入すること;
d)場合により、工程c)を一回以上繰り返すこと。
(4)技術的解決策の(1)または(2)または(3)に係る、タンタル金属の表面を不動態化させる方法であって、前記酸素含有ガスは空気、不活性ガスと酸素の混合ガス、または不活性ガスと空気の混合ガスであることを特徴とする方法。
(5)技術的解決策の(1)または(2)または(3)に係る、タンタル金属の表面を不動態化させる方法であって、前記酸素含有ガスはアルゴンと空気の混合ガスであることを特徴とする方法。
(6)技術的解決策の(1)または(2)または(3)に係る、タンタル金属の表面を不動態化させる方法であって、酸素含有ガスにおける酸素の濃度は21容量%以下、好ましくは5〜20容量%であることを特徴とする方法。
(7)技術的解決策の(1)または(3)に係る、タンタル金属の表面を不動態化させる方法であって、前記不活性ガスはアルゴンであることを特徴とする方法。
(8)熱処理炉とアルゴン強制冷却装置を有する、タンタル金属の表面を不動態化させるための装置であって、熱処理炉は、炉床、水冷ジャケットを有していて前記炉床を構成しているシェル、炉床に入る酸素含有不動態化ガスのための入口、炉床に入るアルゴンのための入口、熱処理炉の上方部分に配置されたアルゴンの出口、炉床の内部に配置されたヒーター、および処理すべきタンタル金属を収容するための熱処理用るつぼを含み;アルゴン強制冷却装置は、冷凍器、熱交換室、冷却すべきアルゴンのための入口、冷却されたアルゴンの出口、および循環用ポンプを含み;
冷却すべきアルゴンのための入口は熱処理炉の炉床の上方部分においてアルゴンの出口に接続されていて;不動態化処理を行う間に、熱処理炉の中の高温のアルゴンはアルゴンの出口から出て、周囲で冷却水によって冷却される連結管路を通過して、そして熱交換室の一方の側から熱交換室の中に入り;熱交換室において、入ってきたアルゴンは冷却され、次いで、熱交換室の他方の側でアルゴンの出口から出て、そして循環用ポンプの中に入り、冷却したアルゴンは循環用ポンプによって押出され、そして連結管路を通過して、熱処理炉の下方部分にあるアルゴンのための入口から熱処理炉の中に導入され、これにより、不動態化させるべきタンタル金属は、酸素含有ガスによって不動態化される32℃以下の温度まで低下する。
(9)熱処理炉と酸素含有ガスのための冷凍システムを有する、タンタル金属の表面を不動態化させるための装置であって、熱処理炉は、炉床、水冷ジャケットを有していて前記炉床を構成しているシェル、炉床に入る不動態化用酸素含有ガスのための入口、排気用管路、炉床の内部に配置されたヒーター、および処理すべきタンタル金属を収容するための熱処理用るつぼを含み;酸素含有ガスの冷凍システムは、冷凍器、熱交換室、熱交換室の一方の側に接続された酸素含有ガスのための入口、アルゴンのための入口、および熱交換室の他方の側に接続された酸素含有ガスのための出口を含み;
不動態化処理を行う間に、酸素含有ガスとアルゴンがそれぞれの対応する入口から熱交換室の中に入って混合され、混合されたガスは熱交換室の中の媒体管路との熱交換によって0℃未満の温度まで冷却され、冷却された酸素含有ガスが熱交換室の酸素含有ガスのための他方の出口から出て、断熱管路を通過し、そして不動態化すべきタンタル金属の不動態化のための熱処理炉の上方部分から熱処理炉の中に入る。
(10)熱処理炉、アルゴン強制冷却装置および酸素含有ガスのための冷凍システムを有する、タンタル金属の表面を不動態化させるための装置であって、熱処理炉は、炉床、水冷ジャケットを有していて前記炉床を構成しているシェル、炉床に入る不動態化用酸素含有ガスのための入口、炉床に入るアルゴンのための入口、熱処理炉の上方部分に配置されたアルゴンの出口、炉床の内部に配置されたヒーター、および処理すべきタンタル金属を収容するための熱処理用るつぼを含み;
アルゴン強制冷却装置は、冷凍器、熱交換室、冷却すべきアルゴンのための入口、冷却されたアルゴンのための出口、および循環用ポンプを含み;冷却すべきアルゴンのための入口は熱処理炉の炉床の上方部分においてアルゴンの出口に接続されていて、不動態化処理を行う間に、熱処理炉の中の高温のアルゴンはアルゴンの出口から出て、周囲で冷却水によって冷却される連結管路を通過して、そして熱交換室の一方の側から熱交換室の中に入り;熱交換室において、入ってきたアルゴンは冷却され、次いで、熱交換室の他方の側でアルゴンのための出口から出て、そして循環用ポンプの中に入り、冷却したアルゴンは循環用ポンプによって押出され、そして連結管路を通過して、熱処理炉の下方部分にあるアルゴンのための入口から熱処理炉の中に導入され、これにより、不動態化させるべきタンタル金属は32℃以下の温度まで低下し;そして
酸素含有ガスの冷凍システムは、冷凍器、熱交換室、熱交換室の一方の端に接続された酸素含有ガスのための入口、アルゴンのための入口、および熱交換室の他方の端に接続された酸素含有ガスのための出口を含み;不動態化処理を行う間に、酸素含有ガスとアルゴンがそれぞれの対応する入口から熱交換室の中に入って混合され、混合されたガスは熱交換室の中の媒体管路との熱交換によって0℃未満の温度まで冷却され、冷却された酸素含有ガスが熱交換室の他方の側の出口から出て、断熱管路を通過し、そして不動態化すべきタンタル金属の不動態化のための熱処理炉の上方部分から熱処理炉の中に入る。
(11)技術的解決策の(8)または(10)に係る、タンタル金属の表面を不動態化させるための装置であって、タンタル金属は、酸素含有ガスによって不動態化されるように、アルゴン強制冷却装置によって10℃〜30℃まで冷却されることを特徴とする装置。
(12)技術的解決策の(9)または(10)に係る、タンタル金属の表面を不動態化させるための装置であって、混合されたガスは、−40℃〜0℃での不動態化のための酸素含有ガスを与えるために冷却されることを特徴とする装置。
タンタル金属の表面を不動態化させるためのこの方法の利点は、安全で信頼できて高い収率のものであり、得られるタンタル粉末は低い酸素と水素の含有量を有し、このタンタル粉末から製造されるアノードとタンタル電解コンデンサーは良好な電気的特性を示す、ということである。
上の概括的な説明と図面および好ましい実施例の詳細な説明と関連させて行う以下の詳細な説明は、特許請求の範囲に記載された発明をさらに説明するために用いられる実証的な記述であり、本発明を限定するためのものではない、ということを理解すべきである。
図1は先行技術においてタンタル金属の表面を不動態化させるための装置の概略図である。 図2は本発明に係る不活性ガス強制冷却装置を用いてタンタル金属の表面を不動態化させるための装置の例を示す。 図3は本発明に係る酸素含有ガスの冷凍システムを用いてタンタル金属の表面を不動態化させるための装置の例を示す。 図4は本発明に係る不活性ガス強制冷却装置と酸素含有ガスの冷凍システムを用いてタンタル金属の表面を不動態化させるための装置の例を示す。 図5は先行技術においてタンタル金属の表面を不動態化させるための装置の別の概略図を示す。 図6は本発明に係る不活性ガス強制冷却装置を用いてタンタル金属の表面を不動態化させるための装置の別の例を示す。 図7は本発明に係る酸素含有ガスの冷凍システムを用いてタンタル金属の表面を不動態化させるための装置の別の例を示す。 図8は本発明に係る不活性ガス強制冷却装置と酸素含有ガスの冷凍システムを用いてタンタル金属の表面を不動態化させるための装置の別の例を示す。
図面と好ましい実施例を参照して、本発明について以下でさらに説明する。
本明細書において、特に明示しない限り、単位のppmは質量比に基づいて「百万分の一」を意味する。
本発明はタンタル金属の表面を不動態化させるための方法を提供する。本発明の方法において、熱処理されて不動態化させるべきタンタル金属は、熱処理されておらず化学的に還元されたタンタル粉末、例えばフッ化カリウム・タンタルをナトリウムで還元することによって調製されたタンタル粉末、タンタルのインゴットを水素化して粉砕することによって得られた原料粉末、および熱処理されたタンタル粉末、およびタンタル粉末を圧縮することによって形成された多孔質のタンタル凝集体などである。熱処理する前に、タンタル粉末は好ましくはペレット化され、特に球状化造粒に供される。タンタル粉末を造粒する際には、高温の焼結におけるタンタル粉末の収縮率を制御するとともに、表面積を必要な比率で減少させるのに役立つ任意の化学物質を、耐火性の作用剤(例えば、リン、窒素、ホウ素、酸素を含む物質)として添加してもよい。本発明の方法において、タンタル粉末は公知の方法によって、例えばCN1410209A、CN1238251AおよびCN1899730A(これらは参考文献として本明細書に取り込まれる)に開示された方法によって熱処理を受けてもよい。
本発明の方法においては、熱処理したタンタル金属を32℃未満の温度まで冷却するために不活性ガス強制冷却装置を用いることができる。前記不活性ガスはアルゴン、ヘリウム、キセノンまたはこれらの混合物であってもよい。しかし、費用を考えると、強制冷却を実施するためにはアルゴンを用いるのが好ましい。
本発明の方法によれば、熱処理すべきタンタル粉末の粒子形状は限定されず、それは微粒子状、シート状、多角形状またはこれらの任意の組み合わせとすることができる。タンタル粉末の比表面積は特に要求されず、0.1m/g〜10m/g、好ましくは0.2m/g〜5m/gとすることができる。
還元雰囲気中でのタンタル粉末の脱酸熱処理は当分野で公知の技術によって実施することができる。一般に、アルカリ土類金属または希土類金属およびそれらの水素化物のような、酸素に対するタンタルの親和性よりも大きな対酸素親和性を有する少量の還元剤をタンタル粉末に添加することができ、最も一般的には、タンタルの重量に基づいて0.5%〜4%の金属マグネシウム粉末がタンタル粉末に添加される。
図1は先行技術において熱処理されたタンタル金属の表面を不動態化させるための装置100の図である。熱処理されたタンタル金属の表面を不動態化させるための装置は、炉床110、水の入口111-1と水の出口111-2を有する水冷ジャケットを有するシェル(外殻)111(このシェルは炉床110を構成している)、および炉床110に通じている真空圧力計112、炉床110の中に入る酸素含有不動態化ガスの入口120、アルゴンの入口140、排気用管路141、炉床の中に配置された断熱用スクリーン130、断熱用スクリーン130の中に配置されたヒーター150、温度を測定するための熱電対160、熱処理用るつぼ180、およびるつぼ180に収容された処理すべきタンタル粉末170を含む。
図2は本発明に係るアルゴン強制冷却装置を用いてタンタル金属の表面を不動態化させるための装置の図である。タンタル金属の表面を不動態化させるための装置は、炉床210、水の入口211-1と水の出口211-2を有する水冷ジャケットを有するシェル211(このシェルは炉床210を構成している)、および炉床210に通じている真空圧力計212、不動態化のための酸素含有ガスの入口220、アルゴンの入口240、排気用管路241、炉床210の中に配置された断熱用スクリーン230、断熱用スクリーン230の中に配置されたヒーター250、温度を測定するための熱電対260、熱処理用るつぼ280、およびるつぼ280の中に装填された処理すべきタンタル粉末270を含む。タンタル金属の表面を不動態化させるためのこの装置は強制冷却用アルゴンのための装置200Aをさらに有していて、強制冷却用アルゴンのための装置200Aにおける構成要素とそれらの機能は次の通りである:熱処理炉の上方部分において出口207があり、炉の中の高温のアルゴンはアルゴンの出口207から出てきて、周囲の冷却水で冷却される連結管路208を通過し、そして熱交換室201の一方の側にあるアルゴンの入口202から熱交換室の中に入る。熱交換室201において、冷凍器200によって冷却される媒体の管路204があり、冷凍器200によって冷却用媒体が熱交換室201を通過し、熱交換室201において、入ってきたアルゴンは冷却され、そして熱交換室の他方の側でアルゴンの出口205から出てきて、管路206を通過し、そして循環用ポンプ209の中に入り、冷却したアルゴンは循環用ポンプ209によって押出され、そして連結管路を通過して、熱処理炉の下方部分にあるアルゴンの入口240から熱処理炉の中に導入される。このとき、タンタル粉末が不動態化される前に、管路208の周囲の冷却水は冷凍熱交換室に隣接する熱交換室の一方の側で208-1から入り、そして熱処理炉の一方の側に隣接する208-2から出て、タンタル粉末はアルゴン強制冷却装置によって強制的に冷却され、それによりタンタル粉末の温度は30℃以下、好ましくは10℃〜30℃まで冷却され、タンタル粉末の酸化は効果的に制御され、そしてタンタル粉末の激しい酸化は避けられる。アルゴンによる強制冷却を行う間、循環システムにアルゴンを供給することによって、あるいは排出することによって、システムの圧力は0.09MPa〜0.11MPaの間に維持される。
図3はタンタル金属の表面を不動態化させるための酸素含有ガス冷凍システムを用いてタンタル金属の表面を不動態化させるための装置を示す。タンタル金属の表面を不動態化させるための装置は、炉床310、水の入口311-1と水の出口311-2を有する水冷ジャケットを有するシェル311(このシェルは炉床310を構成している)、および炉床310に通じている真空圧力計312、炉床の上部にある不動態化のための酸素含有ガスの入口320、アルゴンの入口340、排気用管路341、炉床の中に配置された断熱用スクリーン330、断熱用スクリーン330の中に配置されたヒーター350、温度を測定するための熱電対360、熱処理用るつぼ380、およびるつぼ380に収容された処理すべきタンタル粉末370を含む。タンタル金属の表面を不動態化させるためのこの装置は不動態化のための酸素含有ガスの冷凍システム390Aをさらに有していて、不動態化のための酸素含有ガスの冷凍システム390Aは冷凍器390と熱交換室391を有していて、冷凍器によって冷却される媒体が熱交換室391を通過し、酸素含有ガスとアルゴンがそれぞれ入口392とアルゴンの入口393から熱交換室391の中に入って混合され、混合された酸素含有ガスと冷凍器390に連結した冷凍媒体の管394とが熱交換を受け、冷却された酸素含有ガスが熱交換室391の他方の側で出口395から出て、出口395と熱処理炉の上部にある入口320とを連結する断熱管路396を通過して炉床310の中に入る。このとき、熱交換室391に通じている圧力計398があり、酸素含有ガスの出口395の近傍に温度計397が配置されていて、そして熱交換器391の底部に水の出口399が配置されている。タンタル金属のバッチの不動態化が完了すると、熱交換器における各々の構成要素は熱空気を用いて乾燥され、溶けた水は水の出口399から流出する。酸素含有ガスは0℃未満、好ましくは−10℃未満、より好ましくは−10℃〜−40℃まで冷却される。
図4は本発明に係るアルゴン強制冷却装置と酸素含有ガスの冷凍システムを用いてタンタル金属の表面を不動態化させるための装置の概略図であり、この装置は、炉床410、水の入口411-1と水の出口411-2を有する水冷ジャケットを有するシェル411(このシェルは炉床410を構成している)、および炉床410に通じている真空圧力計412、不動態化のための酸素含有ガスの入口420、アルゴンの入口440、排気用管路441、炉床の中に配置された断熱用スクリーン430、断熱用スクリーン430の中に配置されたヒーター450、温度を測定するための熱電対460、熱処理用るつぼ480、およびるつぼ480の中に収容された処理すべきタンタル粉末470を含み、タンタル金属の表面を不動態化させるためのこの装置は、アルゴン強制冷却用の装置400Aと酸素含有ガスの冷凍システム490Aをさらに含むことを特徴とし、強制冷却用アルゴンのための装置400Aにおける構成要素とそれらの機能は次の通りである:熱処理炉の上部においてアルゴンの出口407があり、炉の中の高温のアルゴンはアルゴンの出口407から出てきて、周囲の408-1から入って408-2から出る冷却水で冷却される連結管路408を通過し、そして熱交換室401の一方の側から熱交換室401の中に入る。熱交換室401において、冷凍器によって冷却される媒体の管路404があり、熱交換室401において、入ってきたアルゴンは冷却され、そして熱交換室401の他方の側でアルゴンの出口405から出てきて、管路406を通過し、そして循環用ポンプ409の中に入り、冷却したアルゴンは循環用ポンプ409によって押出され、そして連結管路を通過して、熱処理炉の下部にある入口440から熱処理炉410の中に導入される。酸素含有ガスの冷凍システム490Aにおける構成要素とそれらの機能は次の通りである:冷却媒体が冷凍器490によって冷却され、冷却された媒体は媒体の管路494を通過して熱交換室491の中に流入する。熱交換室491には熱交換室491に通じている圧力計498があり、熱交換室491において、酸素含有ガスとアルゴンがそれぞれの対応する入口492と493から熱交換室491の中に入って混合され、混合された酸素含有ガスは熱交換室491の中の媒体管路494との熱交換によって冷却され、冷却された酸素含有ガスが熱交換室491の他方の出口495から出て、断熱管路496を通過して、そして熱処理炉の上部で入口420から熱処理炉410の中に入る。酸素含有ガスの出口の近傍に温度計497が配置されていて、この温度計は酸素含有ガスの温度を測定するために用いられ、そして熱交換室491の底部に水の出口499が配置されている。タンタル金属のバッチの不動態化が完了すると、熱交換器における各々の構成要素は熱空気を用いて乾燥され、溶けた水は水の出口499から流出する。
図5は、タンタル粉末が外部の加熱(図示せず)によって脱酸熱処理を受けた後にタンタル金属の表面を不動態化させるための従来の装置の概略図であり、この装置は、脱酸熱処理反応容器510、上部カバー511、上部カバー511に配置されたアルゴンの入口管540、排気管路541、窒素の入口管542、不動態化のための酸素含有ガスの入口管520、反応容器内の圧力を測定するための真空圧力計512、反応容器510の中に配置されたタンタルのるつぼ580、るつぼ580に収容されたマグネシウム粉末と混合されたタンタル粉末570、反応容器の上方部分と中間部分と下方部分のそれぞれの温度を測定するための熱電対561、562および563、およびるつぼ580の上方部分に配置された断熱用スクリーンアセンブリ550を有する。
図6は、本発明に係る不活性ガス強制冷却装置を用いて、タンタル粉末が外部の加熱(図示せず)によって脱酸熱処理を受けた後にタンタル金属の表面を不動態化させるための装置の概略図であり、この装置は、脱酸熱処理反応容器610、上部カバー611、上部カバー611に配置されていて反応容器610の下方部分の中に延びているアルゴンの入口管640、排気管路641、窒素の入口管642、不動態化のための酸素含有ガスの入口管620、反応容器内の圧力を測定するための真空圧力計612、反応容器610の中に配置されたタンタルのるつぼ680、るつぼ680に収容されたマグネシウム粉末と混合されたタンタル粉末670、反応容器の上方部分と中間部分と下方部分のそれぞれの温度を測定するための熱電対661、662および663、およびるつぼ680の上方部分に配置された断熱用スクリーンアセンブリ650を有し、この装置はアルゴン強制冷却装置600Aをさらに有することによって特徴づけられ、アルゴンを強制冷却するための装置600Aは、反応容器610の上方部分にあるアルゴンの出口607を有し、炉内の高温のアルゴンはアルゴンの出口607から出て、周囲で608-1から入って608-2から出る冷却水で冷却される連結管路608を通過し、そして熱交換室601の一方の側から熱交換室601の中に入る。熱交換室601においては、冷凍器によって冷却される媒体管路604が存在し、熱交換室601の中で、入ってきたアルゴンは冷却され、そして熱交換室601の他方の側でアルゴンの出口605から出て、管路606を通過して循環用ポンプ609の中に入り、冷却されたアルゴンは循環用ポンプ609によって押し出され、そして連結管路を通過して熱処理炉の下方部分で入口640から熱処理炉610の中に導入される。
アルゴンを用いた強制冷却により、タンタル粉末の温度は、タンタル粉末の不動態化が行われる前に30℃以下、好ましくは10℃〜20℃まで低下される。
図7は、本発明に係る酸素含有ガスの冷凍システムを用いて、タンタル粉末が外部の加熱(図示せず)によって脱酸熱処理を受けた後にタンタル金属の表面を不動態化させるための装置の概略図であり、この装置は、脱酸熱処理反応容器710、上部カバー711、上部カバー711に配置されたアルゴンの入口管740、排気管路741、窒素の入口管742、不動態化のための酸素含有ガスの入口管720、反応容器内の圧力を測定するための真空圧力計712、反応容器710の中に配置されたタンタルのるつぼ780、るつぼ780に収容されたマグネシウム粉末と混合されたタンタル粉末770、反応容器の上方部分と中間部分と下方部分のそれぞれの温度を測定するための熱電対761、762および763、およびるつぼ780の上方部分に配置された断熱用スクリーンアセンブリ750を有し、この装置は不動態化のための酸素含有ガスの冷凍システム790Aをさらに有することによって特徴づけられ、酸素含有ガスの冷凍システム790Aは冷却用媒体を冷凍するための冷凍器790を有し、冷却された媒体は媒体の管路794を通過して熱交換室791の中に流入する。熱交換室791には熱交換室791に通じている圧力計798があり、熱交換室791において、酸素含有ガスとアルゴンがそれらの対応する入口792と793から熱交換室791の中に入って混合され、混合された酸素含有ガスは熱交換室791の中の媒体管路794との熱交換反応を受け、それによって冷却され、冷却された酸素含有ガスが熱交換室791の他方の側の出口795から出て、断熱管路796を通過して、そして反応容器の上部で入口720から反応容器710の中に入る。酸素含有ガスの出口の近傍に温度計797が配置されていて、この温度計は酸素含有ガスの温度を測定するために用いられ、そして熱交換室791の底部に水の出口799が配置されている。タンタル金属のバッチの不動態化が完了すると、熱交換器における各々の構成要素は熱空気を用いて乾燥され、溶けた水は水の出口799から流出する。
図8は、本発明に係る不活性ガス強制冷却装置と酸素含有ガスの冷凍システムを用いて、タンタル粉末が脱酸熱処理を受けた後にタンタル金属の表面を不動態化させるための装置の概略図であり、この装置は、脱酸熱処理反応容器810、上部カバー811、上部カバー811に配置されていて反応容器810の下方部分の中に延びているアルゴンの入口管840、排気管路841、窒素の入口管842、不動態化のための酸素含有ガスの入口管820、反応容器内の圧力を測定するための真空圧力計812、反応容器810の中に配置されたタンタルのるつぼ880、るつぼ880に収容されたマグネシウム粉末と混合されたタンタル粉末870、反応容器の上方部分と中間部分と下方部分のそれぞれの温度を測定するための熱電対861、862および863、およびるつぼ880の上方部分に配置された断熱用スクリーンアセンブリ850を有し、この装置は、アルゴン強制冷却用の装置800Aと酸素含有ガスの冷凍システム890Aをさらに含むことを特徴とし、強制冷却用アルゴンのための装置800Aの構成要素とそれらの機能は次の通りである:反応容器810の上部に配置されたアルゴンの出口807があり、炉の中の高温のアルゴンはアルゴンの出口807から出てきて、周囲の808-1から入って808-2から出る冷却水で冷却される連結管路808を通過し、そして熱交換室801の一方の側から熱交換室801の中に入る。熱交換室801において、冷凍器によって冷却される媒体の管路804があり、熱交換室801において、入ってきたアルゴンは冷却され、そして熱交換室801の他方の側でアルゴンの出口805から出てきて、管路806を通過し、そして循環用ポンプ809の中に入り、冷却したアルゴンは循環用ポンプ809によって押出され、そして連結管路を通過して、反応容器の下部にある入口840から熱処理炉810の中に導入される。酸素含有ガスの冷凍システム890Aにおける構成要素とそれらの機能は次の通りである:冷却媒体が冷凍器890によって冷却され、冷却された媒体は媒体の管路894を通過して熱交換室891の中に流入する。熱交換室891には熱交換室891に通じている圧力計898があり、熱交換室891において、酸素含有ガスとアルゴンがそれぞれの対応する入口892と893から熱交換室891の中に入って混合され、混合された酸素含有ガスは熱交換室891の中の媒体管路894との熱交換を受け、それによって冷却され、冷却された酸素含有ガスが熱交換室891の他方側で出口895から出て、断熱管路896を通過して、そして反応容器の上方部分で入口820から反応容器810の中に入る。酸素含有ガスの出口の近傍に温度計897が配置されていて、この温度計は酸素含有ガスの温度を測定するために用いられ、そして熱交換室891の底部に水の出口899が配置されている。
タンタル金属のバッチの不動態化が完了すると、熱交換器における各々の構成要素は熱空気を用いて乾燥され、溶けた水は水の出口899から流出する。
本発明において、熱処理炉の中へのタンタル粉末の装填は特に限定されない。しかし、熱の均質性、窒化および不動態化の均質性と十分さを考慮して、タンタル粉末の厚さは60mm以下、そしてより好ましくは40〜50mmとするのが好ましい。安全性と高い収量を目的として、タンタル粉末はタンタルのるつぼの中に静かに装填され、そして平らにするのが好ましい。本発明においては通常、浅い深さの円形または四角形のるつぼ、例えば長さ×幅×深さがおよそ350mm×210mm×75mmのタンタルるつぼを用いる。
熱処理の温度とタンタル粉末の保持時間はタンタル粉末の様々なタイプと要件に基づいて決定され、一般に、900℃〜1400℃の温度および1.33×10−1Paよりも低い真空圧力において30〜90分間保持される。
熱処理されたタンタル粉末は、場合により、冷却する間に窒素を導入することによって窒化される。
900℃〜1400℃での温度の保持を行った後、タンタル粉末は真空炉の中で冷却され、そして冷却水ジャケットを有するシェルによって冷却することができる。タンタル粉末は真空中で例えば約500℃以下の温度まで冷却され、室温のアルゴンを用いて約80℃以下まで冷却され、次いで、室温未満のアルゴンを用いる強制循環冷却に供され、それによりタンタル粉末は30℃以下、好ましくは20℃以下、例えば10℃〜20℃まで冷却され、次いで、酸素含有ガスを導入することによって不動態化処理に供される。
酸素含有ガスはアルゴンと酸素からなる混合ガスであり、経済性を考慮して、酸素含有ガスは好ましくは空気とアルゴンからなる混合ガスである。本発明によれば、酸素含有ガスにおける酸素の濃度は21容量%以下であり、酸素の濃度が低いほど、タンタルの酸化をより効率的に制御することができる。ガスの比熱が低いので、効率を考慮して、酸素含有ガスにおける酸素の濃度はできるだけ低いことが望ましい。しかし、収量と経済性を考慮して、不動態化の初期においては、酸素含有ガスにおける酸素の含有量は5〜15容量%とするのが好ましい。
低い比表面積を有するタンタル粉末については、不動態化を一回実施すれば十分である。高い比表面積を有するタンタル粉末については、不動態化を二回以上実施するのが好ましい。最初の不動態化は低い酸素含有量を有するガスを用いて実施され、次いで、酸素含有ガスの酸素濃度は徐々に増大され、酸素濃度は空気中の酸素濃度で約21容量%まで上げられる。
本発明によれば、酸素含有ガスと希釈ガス(例えばアルゴン)はそれぞれの入口から熱交換室の中にガス圧力によって計算される容積比で導入され、それらのガスは混合されて熱交換器による熱交換を受け、排出される酸素含有ガスの温度が出口で測定された。本発明で説明される酸素含有ガスの温度は、出口で測定される排出ガスの温度を意味する。
タンタル粉末が不動態化されたとき、熱処理炉は約200Paまで排気され、次いで、酸素含有ガスが熱処理炉の中へ連続的または不連続的に導入され、それにより熱処理炉の中の最終的な圧力が約0.1MPaに達するようにされた。
ここで記述される熱処理は、真空中または不活性雰囲気中または還元雰囲気中で300℃以上の温度でタンタル粉末を加熱する過程を意味し、そしてそれは多孔質のタンタル圧縮体を焼結すること、例えばタンタル電解コンデンサーのアノードを製造するための焼結を含み、そしてタンタル粉末の熱処理と同様のデバイス(例えば図2〜図4に示すようなデバイス)を用いることができる。
ここで開示されるタンタル粉末の酸素含有量はTC-436酸素窒素連係測定器(joint determinator)によって測定された。タンタル粉末の水素含有量はRH-404水素含有量測定器によって測定された。ここで開示されるタンタル粉末の湿潤電子特性のデータは次のようにして測定された:タンタル粉末を圧縮して4.5g/cmの密度、3.0mmの直径および4.72mmの高さを有する円筒形の圧縮体にして、この中に0.3mmのタンタルワイヤを埋め込み、このとき各々の圧縮体は約150mgのタンタル粉末を含んでいた。圧縮体を1320℃において10分間焼結して凝集体を形成した。この凝集体を80℃において0.1質量%のリン酸の中に入れ、60mA/gの電流密度において電圧を30Vまで上げて、この電圧を120分間維持してアノードを形成し、このとき誘電性酸化膜がタンタル粒子の表面を覆った。アノードの漏れ電流を0.1質量%のリン酸の中で25℃において測定し、また比静電容量(比容量)と損失を20質量%の硫酸溶液中で測定した。
本発明をさらに説明するために、実施例と図面を組み合わせることによって本発明の好ましい態様を以下で説明する。しかし、これらの説明は本発明の特徴と利点をさらに説明しているに過ぎず、本発明の範囲を限定しないことを理解するべきである。
実施例1
フッ化カリウム・タンタルをナトリウムで還元することによって調製された供給原料粉末を用意する。この供給原料粉末は1.82m/gの比表面積、0.51g/cmのかさ密度および6200ppmの酸素含有量を有する。この原料粉末を、タンタル粉末の重量に基づいて120ppmのリンと混合し、球状化造粒を行い、それにより1.02g/cmのかさ密度を有する球状粒子を得た。この球状化造粒したタンタル粉末をるつぼの中に装填し、そしてるつぼを図4に示すタンタル粉末の熱処理不動態化装置の中に置き、1.33×10−1Pa未満の真空中で1200℃まで加熱し、そして30分間保持した。次いで、加熱を停止し、そして温度を200℃まで下げた。温度を80℃まで下げるためにアルゴンを導入し、強制冷却アルゴン装置400Aを作動させた。熱処理炉の中の高温のアルゴンが出口407から出て、冷却水で冷却された管路408を通過し、ガス入口402から熱交換室401の中に入り、そして冷凍器に接続された冷凍媒体の管路404との熱交換を受けた。熱交換によってアルゴンは冷却され、冷却したアルゴンは出口405から出て、循環用ポンプ409を用いることによって吸引されて管路406を通過し、そして熱処理炉のガス入口440から熱処理炉に入り、このようにしてアルゴンの循環が構成された。循環したアルゴンが熱処理炉の中のるつぼとタンタル粉末を冷却し、この冷却が約2時間行われた後、炉内の温度は25℃まで下げられ、そしてタンタル粉末は不動態化された。不動態化プロセスは炉内のガスを通気管路441から約200Paの真空になるまで排気することを含み、酸素含有ガスの冷凍システム490Aを作動させて、空気とアルゴンを後述する条件に従ってそれぞれ492と493から熱交換室491に入れ、混合して494との熱交換に供し、次いで、これが出口495から出て、断熱管路496を通過し、そして入口420から炉床410に入った。最初に、約5容量%の酸素濃度を有する酸素含有ガス(1容量の空気と3容量のアルゴンが、入口492と出口493から圧力計を介して熱交換室491の中に導入された)が、冷凍器に接続された冷凍用媒体の管路494との熱交換を受け、それにより冷却され、−10℃〜−20℃の温度の酸素含有ガスが酸素含有ガスの出口495から出て、断熱管路496を通過し、そして熱処理炉の上方部分でガス入口420から熱処理炉に入った。圧力を次のように8段階で3時間かけて200Paから0.1MPaまで上げた:(200Pa〜0.005MPa)/30分、(0.005MPa〜0.01MPa)/30分、(0.01MPa〜0.02MPa)/20分、(0.02MPa〜0.03MPa)/20分、(0.03MPa〜0.045MPa)/20分、(0.045MPa〜0.06MPa)/20分、(0.06MPa〜0.08MPa)/20分、(0.08MPa〜0.1MPa)/20分、合計で3時間。第2回に、約10容量%の酸素濃度を有する−10℃〜−20℃の酸素含有ガス(1容量の空気と1容量のアルゴンを混合した)を、最初の通気手順に従って3時間で200Paから0.1MPaまで上げた。第3回に、最初の手順と同じ手順に従って−10℃〜−20℃の空気を用いて、圧力を3時間で200Paから0.1MPaまで上げた。第4回に、−10℃〜−20℃の空気を用いて、次のように4段階で合計2時間かけて圧力を200Paから0.1MPaまで上げた:(200Pa〜0.01MPa)/30分、(0.01MPa〜0.03MPa)/30分、(0.03MPa〜0.06MPa)/30分、(0.06MPa〜0.10MPa)/30分。これら4つの不動態化を合計で11時間かけて実施した。全ての手順を行う間に、炉内の温度を最初に28℃まで徐々に上げ、次いで温度を徐々に安定させて25℃と28℃の間で変動させ、そして最後に温度を25℃まで徐々に下げた。排気した後、タンタル粉末を取り出すと、激しい酸化の現象は生じていなかった。熱処理したタンタル粉末を80メッシュの篩に通して、S-1hのタンタル粉末を得た。タンタル粉末の酸素含有量と水素含有量を分析した。その結果を表1に示す。タンタル粉末に基づいて2重量%のマグネシウム粉末を配合して混合粉末を形成し、この混合粉末を図6に示すようなタンタル粉末の脱酸反応容器の中に装填し、850℃で3時間保持して脱酸処理を実施し、加熱を停止し、そして温度を下げ、処理したタンタル粉末を280℃で窒化し、次いでアルゴンを用いて強制冷却し、タンタル粉末の温度が15℃まで低下したときに、上で説明した熱処理と同様の不動態化手順に従って、31℃の酸素含有ガスを導入し、そして約5容量%、10容量%、21容量%および21容量%の酸素濃度を有する酸素含有ガスを用いて不動態化を4回実施し、最初の3回の不動態化をそれぞれ3時間実施し、そして最後の不動態化を2時間実施し、合計で11時間実施した。排気した後、不動態化したタンタル粉末を酸洗いし、水で洗浄し、そして乾燥してS-1dのタンタル粉末を得た。タンタル粉末の酸素含有量と水素含有量を分析した。その結果を表1に示す。タンタル粉末の電気的な性能を測定し、その結果を表2に示す。
実施例2
実施例1で用いたものと同じ供給原料のタンタル粉末を、図2に示すようなアルゴン強制冷却用の装置を有するタンタル粉末の熱処理炉の中に装填し、そして実施例1におけると同じ条件に従って熱処理に供した。タンタル粉末の温度が約200℃まで下がったとき、アルゴンを導入し、そして強制冷却アルゴン装置200Aを作動させた。熱処理炉の中の高温のアルゴンが炉の上方部分の出口207から出て、水冷された管路208を通過し、ガス入口202から熱交換室201の中に入り、そして冷凍器200に接続された冷凍媒体の管路204との熱交換を受けた。熱交換によってアルゴンは冷却され、冷却したアルゴンは出口205から出て、管路206を通過し、循環用ポンプ209を用いることによって吸引され、そして熱処理炉のガス入口240から熱処理炉210に入り、このようにしてアルゴンの循環が構成された。循環したアルゴンが熱処理炉の中のるつぼとタンタル粉末を冷却し、この冷却が約4時間行われた後、るつぼとタンタル粉末はアルゴンによって10℃の温度まで強制的に冷却され、そしてタンタル粉末は不動態化された。熱処理炉は約200Paになるまで排気され、最初に、約5容量%の酸素濃度を有する32℃の酸素含有ガスの圧力を、次のように8段階で4時間かけて200Paから0.1MPaまで上げた:(200Pa〜0.005MPa)/30分、(0.005MPa〜0.01MPa)/30分、(0.01MPa〜0.02MPa)/30分、(0.02MPa〜0.03MPa)/30分、(0.03MPa〜0.045MPa)/30分、(0.045MPa〜0.06MPa)/30分、(0.06MPa〜0.08MPa)/30分、(0.08MPa〜0.1MPa)/30分。第2回に、約10容量%の酸素濃度を有する32℃の酸素含有ガスを、最初の通気手順に従って4時間で200Paから0.1MPaまで上げた。第3回に、最初の手順と同じ手順に従って32℃の空気を用いて、圧力を4時間で200Paから0.1MPaまで上げた。第4回に、32℃の空気を用いて、次のように4段階で合計2時間かけて酸素含有ガスの圧力を200Paから0.1MPaまで上げた:(200Pa〜0.01MPa)/30分、(0.01MPa〜0.03MPa)/30分、(0.03MPa〜0.06MPa)/30分、(0.06MPa〜0.10MPa)/30分。これら4つの不動態化を合計で14時間かけて実施した。全ての手順を行う間に、炉内の温度を最初に33℃まで徐々に上げ、次いで温度を徐々に安定させて28℃と32℃の間で変動させた。排気した後、タンタル粉末を取り出すと、激しい酸化の現象は生じていなかった。熱処理したタンタル粉末を80メッシュの篩に通して、S-2hのタンタル粉末を得た。タンタル粉末の酸素含有量と水素含有量を分析した。その結果を表1に示す。タンタル粉末に基づいて2重量%のマグネシウム粉末をS-2hのタンタル粉末に配合して混合粉末を形成し、この混合粉末を図7に示すようなタンタル粉末の脱酸反応容器の中に装填し、850℃で3時間保持して脱酸処理を実施し、加熱を停止し、そして温度を下げ、処理したタンタル粉末を280℃で窒化し、次いで、反応容器の中のタンタル粉末の温度を31℃まで下げ、上で説明した熱処理と同様の不動態化手順に従って、−10℃〜−40℃の酸素含有ガスを4回導入し、そして約5容量%、10容量%、21容量%および21容量%の酸素濃度を有する酸素含有ガスを用いてタンタル粉末を不動態化し、最初の3回の不動態化をそれぞれ3時間実施し、そして最後の不動態化を2時間実施し、合計で11時間実施した。排気した後、不動態化したタンタル粉末を酸洗いし、水で洗浄し、そして乾燥してS-2dのタンタル粉末を得た。タンタル粉末の酸素含有量と水素含有量を分析した。その結果を表1に示す。タンタル粉末の電気的な性能を測定し、その結果を表2に示す。
実施例3
図3に示す熱処理装置を用い、そして実施例1で用いたものと同じタンタル粉末を実施例1で説明したのと同じ条件の下で熱処理に供した。熱処理した後、シェルを水で冷却して温度を下げ、そしてアルゴンを12時間にわたって導入して温度を30℃まで下げ、そしてタンタル粉末を不動態化させた。不動態化の工程は次の通りである:炉内のアルゴンを約200Paになるまで排気し、酸素含有ガスの冷凍システム390Aを作動させて、それにより空気とアルゴンを後述する条件に従ってそれぞれ392と393から熱交換室391に入れ、混合して394との熱交換に供し、次いで、これが出口395から出て、断熱管路396を通過し、そして入口320から炉床310に入った。最初に、約5容量%の酸素濃度を有する酸素含有ガスを−20℃〜−40℃まで冷却し、そして、次のように8段階で200Paから0.1MPaまで上げた:(200Pa〜0.005MPa)/30分、(0.005MPa〜0.01MPa)/30分、(0.01MPa〜0.02MPa)/30分、(0.02MPa〜0.03MPa)/30分、(0.03MPa〜0.045MPa)/30分、(0.045MPa〜0.06MPa)/30分、(0.06MPa〜0.08MPa)/30分、(0.08MPa〜0.1MPa)/30分(合計で4時間)。第2回に、約10容量%の酸素濃度を有する−20℃〜−40℃の酸素含有ガスを、最初の通気手順に従って4時間で200Paから0.1MPaまで上げた。第3回に、最初の手順と同じ手順に従って−20℃〜−40℃の空気を用いて、圧力を4時間で200Paから0.1MPaまで上げた。第4回に、−20℃〜−40℃の空気を用いて、次のように4段階で圧力を200Paから0.1MPaまで上げた:(200Pa〜0.01MPa)/30分、(0.01MPa〜0.03MPa)/30分、(0.03MPa〜0.06MPa)/30分、(0.06MPa〜0.10MPa)/30分。これら4つの不動態化を合計で14時間かけて実施した。炉内の温度を最初に35℃まで徐々に上げ、次いで温度を徐々に安定させて32℃と35℃の間で変動させた。排気した後、タンタル粉末を取り出すと、激しい酸化の現象は生じていなかった。熱処理したタンタル粉末を80メッシュの篩に通して、S-3hのタンタル粉末を得た。タンタル粉末の酸素含有量と水素含有量を分析した。その結果を表1に示す。タンタル粉末に基づいて2重量%のマグネシウム粉末をS-3hのタンタル粉末に配合して混合粉末を形成し、この混合粉末を図8に示すようなタンタル粉末の脱酸反応容器の中に装填し、850℃で3時間保持して脱酸処理を実施し、加熱を停止し、そして温度を下げ、処理したタンタル粉末を280℃で窒化し、次いで、アルゴンを用いて強制的に冷却し、タンタル粉末の温度が15℃まで下がったときに、上で説明した熱処理と同様の不動態化手順に従って、−10℃〜−40℃の酸素含有ガスを4回導入し、約5容量%、10容量%、21容量%および21容量%の酸素濃度を有する酸素含有ガスを用いてタンタル粉末を不動態化し、最初の3回の不動態化をそれぞれ3時間実施し、そして最後の不動態化を2時間実施し、合計で11時間実施した。排気した後、不動態化したタンタル粉末を酸洗いし、水で洗浄し、そして乾燥してS-3dのタンタル粉末を得た。タンタル粉末の酸素含有量と水素含有量を分析した。その結果を表1に示す。タンタル粉末の電気的な性能を測定し、その結果を表2に示す。
比較例1
実施例1で用いたものと同じタンタル粉末を用い、そして同様の温度で熱処理を行った。加熱を停止した後、真空中で温度を200℃まで下げ、そしてアルゴンを12時間にわたって導入して冷却し、温度が32℃まで低下したときに、不動態化が始まった。不動態化の工程は次の通りである:炉内のアルゴンを約200Paになるまで排気し、最初に、31℃の空気を熱処理炉の中に次のように8段階に分けて導入し、それにより炉内の圧力を200Paから0.1MPaまで上げた:(200Pa〜0.005MPa)/120分、(0.005MPa〜0.01MPa)/60分、(0.01MPa〜0.02MPa)/60分、(0.02MPa〜0.03MPa)/60分、(0.03MPa〜0.045MPa)/30分、(0.045MPa〜0.06MPa)/30分、(0.06MPa〜0.08MPa)/30分、(0.08MPa〜0.1MPa)/30分(合計で7時間)。このとき、通気を行っている間に温度が急に6回上昇し、最も高い温度で60℃となった。温度が急に上がったことがわかったとき、通気をすぐに停止し、そして温度が約32℃まで下がった後に、炉の中への通気を再び実施した。第2回に、31℃の空気を熱処理炉の中に次のように8段階に分けて導入し、それにより炉内の圧力を200Paから0.1MPaまで上げた:(200Pa〜0.005MPa)/60分、(0.005MPa〜0.01MPa)/60分、(0.01MPa〜0.02MPa)/60分、(0.02MPa〜0.03MPa)/60分、(0.03MPa〜0.045MPa)/30分、(0.045MPa〜0.06MPa)/30分、(0.06MPa〜0.08MPa)/30分、(0.08MPa〜0.1MPa)/30分(合計で6時間)。このとき、温度が急に50℃まで1回上昇した。第3回の操作は第2回の操作と同様であり、31℃の空気を熱処理炉の中に導入し、そして不動態化を6時間にわたって実施した。第4回に、31℃の空気を用いて、次のように4段階で圧力を200Paから0.1MPaまで上げた:(200Pa〜0.01MPa)/30分、(0.01MPa〜0.03MPa)/30分、(0.03MPa〜0.06MPa)/30分、(0.06MPa〜0.10MPa)/30分(合計で2時間)。これら4つの不動態化を合計で21時間かけて実施した。不動態化を行った後、タンタル粉末を取り出すと、熱を激しく発生した。熱処理したタンタル粉末を80メッシュの篩に通して、E-1hのタンタル粉末を得た。タンタル粉末の酸素含有量と水素含有量を分析した。その結果を表1に示す。タンタル粉末に基づいて2重量%のマグネシウム粉末を配合して混合粉末を形成し、この混合粉末を図5に示すようなタンタル粉末の脱酸反応容器の中に装填し、850℃で3時間保持して脱酸処理を実施し、加熱を停止し、そして温度を下げ、処理したタンタル粉末を280℃で窒化し、上で説明した熱処理と同様の不動態化手順に従って、温度が31℃まで低下したときに、31℃の空気を4回導入して不動態化を実施した。最初の3回の不動態化をそれぞれ5時間かけて8段階に分けて実施し、そして第4回の不動態化を4段階に分けて2時間実施し、合計で17時間実施した。不動態化したタンタル粉末を酸洗いし、水で洗浄し、そして乾燥してE-1dのタンタル粉末を得た。タンタル粉末の酸素含有量と水素含有量を分析した。その結果を表1に示す。タンタル粉末の電気的な性能を測定し、その結果を表2に示す。
Figure 0005774766
Figure 0005774766
表1および表2の結果からわかるように、本発明の方法は製造時間が短いという利点を有し、そして調製されたタンタル粉末は低い酸素含有量と水素含有量および低い漏れ電流を有する。
実施例4
実施例1におけるS-1dのタンタル粉末を脱酸熱処理した後、これを圧縮して4.5g/cmの密度、3.0mmの直径および4.72mmの高さを有する円筒形の圧縮体にして、この中に0.3mmのタンタルワイヤを埋め込み、このとき各々の圧縮体は約150mgのタンタル粉末を含んでいた。図4に示す装置において、圧縮体を1320℃において10分間焼結してタンタルの凝集体を形成した。次いで、加熱を停止し、温度を200℃まで下げた。アルゴンを導入し、そして強制冷却アルゴン装置400Aを作動させた。冷却を約3時間実施し、それにより炉内の温度を20℃まで下げ、そしてタンタルの凝集体は不動態化された。不動態化プロセスは炉内のアルゴンを約200Paの真空になるまで排気することを含む。最初に、約10容量%の濃度を有する−10℃〜−40℃の酸素含有ガスを熱処理炉の中に次のように5段階で3時間かけて導入し、それにより炉内の圧力を200Paから0.1MPaまで上げた:(200Pa〜0.01MPa)/40分、(0.01MPa〜0.03MPa)/40分、(0.03MPa〜0.05MPa)/40分、(0.05MPa〜0.07MPa)/30分、(0.07MPa〜0.1MPa)/30分。第2回に、−10℃〜−40℃の空気を熱処理炉の中に次のように4段階で2時間かけて導入し、それにより炉内の圧力を200Paから0.1MPaまで上げた:(200Pa〜0.01MPa)/30分、(0.01MPa〜0.03MPa)/30分、(0.03MPa〜0.06MPa)/30分、(0.06MPa〜0.10MPa)/30分。これら2つの不動態化を合計で5時間かけて実施した。全工程の間に、炉内の温度を最初に32℃まで徐々に上げ、次いで温度を徐々に安定させて29℃と31℃の間で変動させ、そして最後に温度を29℃まで徐々に下げた。排気した後、タンタル粉末を取り出して、S-4のタンタル凝集体を得た。タンタル凝集体の酸素含有量と水素含有量を分析した。その結果を表3に示す。凝集体を80℃で0.1質量%のリン酸の中に置き、60mA/gの電流密度で電圧を30Vまで上げ、そして一定の圧力を120分間維持し、それによりタンタルアノードS-4aを形成した。25℃で0.1質量%のリン酸の中でアノードの漏れ電流を測定し、また20質量%の硫酸溶液の中で比電気容量(比静電容量)と損失を測定した。その結果を表4に示す。
比較例2
実施例4のものと同様のタンタル粉末を圧縮して同様のタンタル圧縮体とし、そして同様の条件の下で焼結した。温度を200℃まで下げ、アルゴンを導入して約6時間にわたって冷却し、それにより炉内の温度を33℃まで下げ、そしてタンタルの凝集体は不動態化された。不動態化プロセスは炉内のアルゴンを約200Paの真空になるまで排気することを含む。最初に、32℃の空気を熱処理炉の中に次のように6段階で4.5時間かけて導入し、それにより炉内の圧力を200Paから0.1MPaまで上げた:(200Pa〜0.005MPa)/60分、(0.005MPa〜0.01MPa)/30分、(0.01MPa〜0.02MPa)/30分、(0.02MPa〜0.03MPa)/30分、(0.03MPa〜0.05MPa)/30分、(0.05MPa〜0.06MPa)/30分、(0.06MPa〜0.08MPa)/30分、(0.08MPa〜0.1MPa)/30分。第2回に、32℃の空気を熱処理炉の中に次のように4段階で2時間かけて導入し、それにより炉内の圧力を200Paから0.1MPaまで上げた:(200Pa〜0.01MPa)/30分、(0.01MPa〜0.03MPa)/30分、(0.03MPa〜0.06MPa)/30分、(0.06MPa〜0.10MPa)/30分。これら2つの不動態化を合計で6.5時間かけて実施した。全工程の間に、炉内の温度を最初に41℃まで徐々に上げた。排気した後、タンタルの凝集体を取り出して、E-2sのタンタル凝集体を得た。タンタル凝集体の酸素含有量と水素含有量を分析した。その結果を表3に示す。実施例3で説明したのと同様の条件の下で凝集体をアノードE-2aに形成した。凝集体の電気性能を測定した。その結果を表4に示す。
Figure 0005774766
Figure 0005774766
以上の説明から、本発明の方法によるタンタル粉末の熱処理は安全で信頼性が高く、収量が多く、タンタル粉末は燃焼せず、また調製されたタンタル粉末の酸素含有量と水素含有量は低く、そしてタンタル粉末から調製されたアノードは低い漏れ電流と良好な電気性能を有することがわかった。
以上の説明においては主にタンタル粉末を対象として説明を行ったが、当業者であれば、本発明はニオブ粉末のようなその他の活性な金属粉末にも適していることを理解できるであろう。
100 不動態化装置(先行技術)、 110 炉床(熱処理炉)、 111 シェル、 112 真空圧力計、 120 酸素含有不動態化ガスの入口、 130 断熱用スクリーン、 140 アルゴンの入口、 141 排気用管路、 150 ヒーター、 160 熱電対、 170 タンタル粉末、 180 熱処理用るつぼ、 200A 強制冷却用アルゴンのための装置、 200 冷凍器、 201 熱交換室、 202 アルゴンの入口、 204 媒体の管路、 205 アルゴンの出口、 206 管路、 207 アルゴンの出口、 208 連結管路、 209 循環用ポンプ、 210 炉床(熱処理炉)、 211 シェル、 212 真空圧力計、 220 酸素含有ガスの入口、 230 断熱用スクリーン、 240 アルゴンの入口、 241 排気用管路、 250 ヒーター、 260 熱電対、 270 タンタル粉末、 280 熱処理用るつぼ、 310 炉床(熱処理炉)、 311 シェル、 312 真空圧力計、 320 酸素含有ガスの入口、 330 断熱用スクリーン、 340 アルゴンの入口、 341 排気用管路、 350 ヒーター、 360 熱電対、 370 タンタル粉末、 380 熱処理用るつぼ、 390A 酸素含有ガスの冷凍システム、 390 冷凍器、 391 熱交換室、 392 酸素含有ガスの入口、 393 アルゴンの入口、 394 冷凍媒体の管、 395 酸素含有ガスの出口、 396 断熱管路、 397 温度計、 398 圧力計、 399 水の出口、 400A アルゴン強制冷却用の装置、 401 熱交換室、 404 媒体の管路、 405 アルゴンの出口、 406 管路、 407 アルゴンの出口、 408 連結管路、 409 循環用ポンプ、 410 炉床(熱処理炉)、 411 シェル、 412 真空圧力計、 420 酸素含有ガスの入口、 430 断熱用スクリーン、 440 アルゴンの入口、 441 排気用管路、 450 ヒーター、 460 熱電対、 470 タンタル粉末、 480 熱処理用るつぼ、 490A 酸素含有ガスの冷凍システム、 490 冷凍器、 491 熱交換室、 492 酸素含有ガスの入口、 493 アルゴンの入口、 494 媒体の管路、 495 酸素含有ガスの出口、 496 断熱管路、 497 温度計、 498 圧力計、 499 水の出口、 510 脱酸熱処理反応容器、 511 上部カバー、 512 真空圧力計、 520 酸素含有ガスの入口管、 540 アルゴンの入口管、 541 排気管路、 542 窒素の入口管、 550 断熱用スクリーンアセンブリ、 561、562、563 熱電対、 570 タンタル粉末、 580 タンタルのるつぼ、 600A アルゴン強制冷却装置、 601 熱交換室、 604 媒体管路、 605 アルゴンの出口、 606 管路、 607 アルゴンの出口、 608 連結管路、 609 循環用ポンプ、 610 脱酸熱処理反応容器(熱処理炉)、 611 上部カバー、 612 真空圧力計、 620 酸素含有ガスの入口管、 640 アルゴンの入口管、 641 排気管路、 642 窒素の入口管、 650 断熱用スクリーンアセンブリ、 661、662、663 熱電対、 670 タンタル粉末、 680 タンタルのるつぼ、 710 脱酸熱処理反応容器(熱処理炉)、 711 上部カバー、 712 真空圧力計、 720 酸素含有ガスの入口管、 740 アルゴンの入口管、 741 排気管路、 742 窒素の入口管、 750 断熱用スクリーンアセンブリ、 761、762、763 熱電対、 770 タンタル粉末、 780 タンタルのるつぼ、 790A 酸素含有ガスの冷凍システム、 790 冷凍器、 791 熱交換室、 792 酸素含有ガスの入口、 793 アルゴンの入口、 794 媒体の管路、 795 酸素含有ガスの出口、 796 断熱管路、 797 温度計、 798 圧力計、 799 水の出口、 800A アルゴン強制冷却用の装置、 801 熱交換室、 804 媒体の管路、 805 アルゴンの出口、 806 管路、 807 アルゴンの出口、 808 連結管路、 809 循環用ポンプ、810 脱酸熱処理反応容器(熱処理炉)、 811 上部カバー、 812 真空圧力計、 820 酸素含有ガスの入口管、 840 アルゴンの入口管、 841 排気管路、 842 窒素の入口管、 850 断熱用スクリーンアセンブリ、 861、862、863 熱電対、 870 タンタル粉末、 880 タンタルのるつぼ、 890A 酸素含有ガスの冷凍システム、 890 冷凍器、 891 熱交換室、 892 酸素含有ガスの入口、 893 アルゴンの入口、 894 媒体の管路、 895 酸素含有ガスの出口、 896 断熱管路、 897 温度計、 898 圧力計、 899 水の出口。

Claims (25)

  1. タンタル金属の表面を不動態化させるための方法であって、下記の工程:
    a)熱処理に供されたタンタル金属を用意すること;
    b)タンタル金属の温度を室温まで低下させること;および
    c)タンタル金属の表面を不動態化させるために、0℃以下において酸素含有ガスを導入すること;
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記工程c)において、タンタル金属の表面を不動態化させるために、0℃〜−40℃において酸素含有ガスを導入することを特徴とする請求項1に記載のタンタル金属の表面を不動態化させるための方法。
  3. さらに、d)工程c)を一回以上繰り返すことを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のタンタル金属の表面を不動態化させるための方法。
  4. タンタル金属の表面を不動態化させるための方法であって、下記の工程:
    a)熱処理に供されたタンタル金属を用意すること;
    b)冷却した不活性ガスを用いることによってタンタル金属の温度を32℃以下まで低下させること;および
    c)タンタル金属の表面を不動態化させるために、0℃以下において酸素含有ガスを導入すること;
    を含むことを特徴とする方法。
  5. 前記工程b)において、冷却した不活性ガスを用いることによってタンタル金属の温度を30℃未満まで低下させることを特徴とする請求項4に記載のタンタル金属の表面を不動態化させるための方法。
  6. 前記工程b)において、冷却した不活性ガスを用いることによってタンタル金属の温度を10℃〜30℃まで低下させることを特徴とする請求項4に記載のタンタル金属の表面を不動態化させるための方法。
  7. 前記工程c)において、タンタル金属の表面を不動態化させるために、0℃〜−40℃において酸素含有ガスを導入することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1に記載のタンタル金属の表面を不動態化させるための方法。
  8. さらに、d)工程c)を一回以上繰り返すことを含むことを特徴とする請求項4〜7のいずれか1に記載のタンタル金属の表面を不動態化させるための方法。
  9. 酸素含有ガスは空気、不活性ガスと酸素の混合ガス、または不活性ガスと空気の混合ガスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1に記載のタンタル金属の表面を不動態化させる方法。
  10. 酸素含有ガスは空気、不活性ガスと酸素の混合ガス、または不活性ガスと空気の混合ガスであることを特徴とする、請求項4〜8のいずれか1に記載のタンタル金属の表面を不動態化させる方法。
  11. 酸素含有ガスはアルゴンと空気の混合ガスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1に記載のタンタル金属の表面を不動態化させる方法。
  12. 酸素含有ガスはアルゴンと空気の混合ガスであることを特徴とする、請求項4〜8のいずれか1に記載のタンタル金属の表面を不動態化させる方法。
  13. 酸素含有ガスにおける酸素の濃度は21容量%以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1に記載のタンタル金属の表面を不動態化させる方法。
  14. 酸素含有ガスにおける酸素の濃度は5〜20容量%であることを特徴とする、請求項13に記載のタンタル金属の表面を不動態化させる方法。
  15. 酸素含有ガスにおける酸素の濃度は21容量%以下であることを特徴とする、請求項4〜8のいずれか1に記載のタンタル金属の表面を不動態化させる方法。
  16. 酸素含有ガスにおける酸素の濃度は5〜20容量%であることを特徴とする、請求項15に記載のタンタル金属の表面を不動態化させる方法。
  17. 前記冷却した不活性ガスはアルゴンであることを特徴とする、請求項4〜8のいずれか1に記載のタンタル金属の表面を不動態化させる方法。
  18. 請求項1〜3のいずれか1に記載の方法を実施するための装置であって、前記装置は熱処理炉を有し、熱処理炉は、炉床、水冷ジャケットを有していて前記炉床を構成しているシェル、酸素含有不動態化ガスを炉床に入れるための入口、排気用管路、炉床の内部に配置されたヒーター、および処理すべきタンタル金属を収容するための熱処理用るつぼを含み、前記装置は酸素含有ガスのための冷凍システムをさらに有していて、
    この酸素含有ガスの冷凍システムは:
    −酸素含有ガスの入口であって、この入口はタンタル金属を不動態化させるための酸素含有ガスを受け入れるために用いられる;
    −熱交換室であって、酸素含有ガスはこの熱交換室の中で熱交換によって冷却される;および
    −酸素含有ガスの出口であって、冷却された酸素含有ガスはこの出口から熱交換室を出て、そして熱処理炉の上方部分から断熱連結管路を通って熱処理炉の中に入る;
    を有することを特徴とする、前記タンタル金属の表面を不動態化させるための装置。
  19. 請求項4〜8のいずれか1に記載の方法を実施するための装置であって、前記装置は熱処理炉を有し、熱処理炉は、炉床、水冷ジャケットを有していて前記炉床を構成しているシェル、炉床に入る酸素含有不動態化ガスのための入口、炉床に入るアルゴンのための入口、熱処理炉の上方部分に配置されたアルゴンの出口、炉床の内部に配置されたヒーター、および処理すべきタンタル金属を収容するための熱処理用るつぼを含み、前記装置はアルゴン強制冷却装置と酸素含有ガスの冷凍システムをさらに有していて、
    前記アルゴン強制冷却装置は:
    −冷却すべきアルゴンのための入口であって、この冷却すべきアルゴンのための入口は熱処理炉の上方部分においてアルゴンの出口に接続されている;
    −熱交換室であって、この熱交換室は冷却すべきアルゴンのための入口を介して熱処理炉からの高温のアルゴンを受け入れ、そしてそのアルゴンを熱交換によって冷却する;
    −冷却されたアルゴンの出口であって、熱交換室の中で冷却されたアルゴンはそのアルゴンの出口から排出される;
    −循環用ポンプであって、この循環用ポンプは冷却されたアルゴンの出口からの冷却されたアルゴンを受け入れ、そしてその冷却されたアルゴンを熱処理炉の下方部分にあるアルゴンのための入口から熱処理炉の中に連結管路を介して供給する;
    を有していて、
    そして前記酸素含有ガスの冷凍システムは:
    −酸素含有ガスの入口であって、この入口はタンタル金属を不動態化させるための酸素含有ガスを受け入れるために用いられる;
    −熱交換室であって、酸素含有ガスはこの熱交換室の中で熱交換によって冷却される;および
    −酸素含有ガスの出口であって、冷却された酸素含有ガスはこの出口から熱交換室を出て、そして熱処理炉の上方部分から断熱連結管路を通って熱処理炉の中に入る;
    を有することを特徴とする、前記タンタル金属の表面を不動態化させるための装置。
  20. タンタル金属はアルゴン強制冷却装置によって32℃以下まで冷却されることを特徴とする、請求項19に記載の装置。
  21. タンタル金属はアルゴン強制冷却装置によって10℃〜30℃まで冷却されることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
  22. 0℃以下の温度での不動態化のための酸素含有ガスを与えるために、酸素含有ガスの冷凍システムによって酸素含有ガスを冷却することを特徴とする、請求項18に記載の装置。
  23. −40℃〜0℃の温度での不動態化のための酸素含有ガスを与えるために、酸素含有ガスの冷凍システムによって酸素含有ガスを冷却することを特徴とする、請求項22に記載の装置
  24. 0℃以下の温度での不動態化のための酸素含有ガスを与えるために、酸素含有ガスの冷凍システムによって酸素含有ガスを冷却することを特徴とする、請求項19に記載の装置。
  25. −40℃〜0℃の温度での不動態化のための酸素含有ガスを与えるために、酸素含有ガスの冷凍システムによって酸素含有ガスを冷却することを特徴とする、請求項24に記載の装置。
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