JP5773245B2 - 現像装置、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
また、特許文献1及び2に記載の現像装置は、供給搬送路と回収搬送路との少なくとも一部が上下方向で重なるように、回収搬送部材を供給搬送部材よりも上方に配置している。供給搬送路と回収搬送路との少なくとも一部が上下方向で重なるように配置することで、供給搬送路と回収搬送路とを水平方向に並べて配置する構成に比べて、現像装置の水平方向の幅を小さくすることができる。
現像領域を通過した現像剤担持体の表面上から離脱した現像剤は自重によって、回収搬送路内に落下し、さらに、回収搬送部材によって搬送力を付与される領域まで到達することで、他の現像剤と共に現像剤搬送路内を循環する。ここで、回収搬送部材は供給搬送部材よりも上方に配置されているため、仕切り部材の回収搬送路側の壁面は、水平面または傾斜面からなる仕切り部材における上面となり、仕切り部材の供給搬送路側の壁面は仕切り部材における下面となる。このような現像装置では、回収搬送路における回収搬送部材の搬送方向下流側端部となる位置の仕切り部材に回収搬送路と供給搬送路とを連通する開口部が設けられている。この開口部は、回収搬送路における回収搬送部材の搬送方向下流側端部に到達した現像剤を供給搬送路における供給搬送部材の搬送方向上流側端部近傍に落下させる現像剤落下口となる。従来の現像装置では、現像剤落下口の開口形状が、開口長さ(回収搬送部材の搬送方向に平行な方向の長さ)及び開口幅(回収搬送部材の搬送方向に直交する方向の長さ)が一様な長方形であった。
また、回収搬送路と供給搬送路とを分離した現像装置では、回収搬送路内では回収搬送部材によって現像剤を搬送しつつ、現像剤担持体から離脱した現像剤が現像剤担持体の回転軸に平行な方向の全域に渡って供給される。このため、回収搬送路内では、回収搬送部材の搬送方向下流側ほど現像剤の量が多くなり、回収搬送搬送路における現像剤落下口の手前の位置で現像剤の量が最も多くなる。そして、現像剤の流動性が悪化すると、現像剤落下口の手前の位置における現像剤の嵩が上昇し、回収搬送路内の現像剤が現像剤担持体の表面に接触する。回収搬送路内の現像剤は現像剤担持体の表面に接触すると、現像剤担持体の表面に再付着し、これにより、トナー濃度が低下した現像剤が仕切り部材の端部と現像剤担持体との隙間を通過する連れ回りが生じる。また、回収搬送路内の現像剤が現像剤担持体の表面に接触していると、現像剤担持体から離脱しようとする現像剤が、回収搬送路内の現像剤に阻まれて、現像剤担持体から離脱できず、連れ回りが生じることもある。
連れ回りが発生し、現像領域を通過した現像剤が仕切り部材の端部と現像剤担持体との隙間を通過すると、供給搬送路から供給される現像剤とともに現像領域に到達し、トナー像の濃度ムラの原因となる。
現像剤担持量不足が発生すると、現像時に現像剤担持体から所定量のトナーを潜像担持体に供給することができなくなり、トナー濃度が薄くなって、トナー像の濃度ムラの原因となる。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記現像剤落下口の高い側の端部は上記現像剤担持体の軸線方向と平行であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の現像装置において、上記現像剤落下口の開口形状が、長辺と短辺が上記現像剤担持体の軸線方向に沿った台形形状であり、台形の短辺側が長辺側よりも下方に位置していることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の現像装置において、上記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるトナーであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、少なくとも潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、該現像手段として、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、少なくとも上記潜像担持体と上記現像装置とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて装置本体から着脱可能としたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置における少なくとも該潜像担持体と該現像手段とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して着脱可能にしたプロセスカートリッジにおいて、上記現像手段として、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
図2は、複写機500の概略構成図である。複写機500は、画像形成装置の本体部としてのプリンタ部100の上方に、原稿読込部4及び原稿搬送部3を備え、プリンタ部100の下方に給紙部7を備える。原稿搬送部3は、原稿読込部4に原稿を搬送し、原稿読込部4は搬送されてきた原稿の画像情報を読み込む。給紙部7は、転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙カセット26、給紙カセット26内の記録媒体Pをプリンタ部100に向けて送り出す給紙ローラ27を備える。図2中の一点鎖線は、複写機500内での記録媒体Pの搬送経路を示す。
中間転写ユニット10は、各感光体1(Y,M,C,K)の表面上に形成された各色トナー像が重ねて転写され、表面上でカラートナー像が形成される中間転写ベルト8、及び、各感光体1(Y,M,C,K)の表面上に形成されたトナー像を中間転写ベルト8に転写する一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)を備える。
また、プリンタ部100は、中間転写ベルト8上のカラートナー像を記録媒体P上に転写するための二次転写バイアスローラ19、給紙ローラ27によって送り出された記録媒体Pを中間転写ベルト8と二次転写バイアスローラ19とが対向する二次転写ニップに搬送するタイミングを調整するレジストローラ対28を備える。
さらに、プリンタ部100は、二次転写ニップの上方に記録媒体P上の未定着トナー像を定着する定着装置20を備える。
また、プリンタ部100内の排紙トレイ30の下方、且つ、中間転写ユニット10の上方には、各現像装置5(Y,M,C,K)に供給する各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーを収容する各色のトナー容器11(Y,M,C,K)が配置されている。
図3に示すように、作像部6は、感光体1の周囲に現像装置5以外に、感光体クリーニング装置2、潤滑剤塗布装置41、及び、帯電装置40等を備える。また、作像部6を構成する、感光体1、現像装置5、感光体クリーニング装置2、潤滑剤塗布装置41、及び、帯電装置40は、それぞれ複写機500本体に対して着脱可能となっている。そして、それぞれが寿命に達したときに新品のものに交換される。本実施形態の複写機500では、作像部6を構成する、感光体1、現像装置5、感光体クリーニング装置2、潤滑剤塗布装置41、及び、帯電装置40をそれぞれ単独のユニットとしたが、これらを一体化して複写機500から着脱自在に設置されるプロセスカートリッジとすることもできる。このように、作像部6をプロセスカートリッジとすることで、作像部のメンテナンスをおこなう際の作業性が向上する。
まず、原稿搬送部3の原稿台に原稿がセットされた状態で、不図示のスタートボタンが押されると、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
露光部において、四つの光源から画像信号に対応したレーザ光Lが各色に対応してそれぞれ射出された各レーザ光Lは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過して、各感光体1(Y,M,C,K)の表面に照射される(露光工程)。
現像装置5との対向位置を通過した後の感光体1(Y,M,C,K)表面は、それぞれ、中間転写ベルト8との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト8の内周面に当接するように一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)が設置されている。この一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)には、トナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。そして、中間転写ベルト8を挟んで感光体1(Y,M,C,K)と一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)とが対向する一次転写ニップで、各感光体1(Y,M,C,K)上に形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に、上順次重ねて転写される(一次転写工程)。これにより、中間転写ベルト8の表面上にカラートナー像が形成される。
感光体クリーニング装置2との対向位置を通過した感光体1の表面は不図示の除電部との対向位置に達し、この対向位置で感光体1の表面上の残留電位が除去される。
このようにして、感光体1上における一連の作像プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部7内の給紙カセット26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図2中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。レジストローラ対28に達した記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラートナー像がニ次転写ニップに到達するタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが二次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラートナー像が転写される。
定着装置20を通過した記録媒体Pは、排紙ローラ対25のローラ間を経て、プリンタ部100の外に出力画像として排出される。排紙ローラ対25によってプリンタ部100外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、排紙トレイ30上に順次スタックされる。このようにして、複写機500における、一連の画像形成プロセスが完了する。
図4は、本実施形態の現像装置5の断面説明図であり、図5は、現像装置5の上部ケーシングを取外した状態の斜視説明図である。
現像装置5は、感光体1に対向する現像剤担持体としての現像ローラ50、供給搬送部材としての供給スクリュ53、回収搬送部材としての回収スクリュ54、ドクタブレード52、及び、仕切り部材57を備える。供給スクリュ53及び回収スクリュ54は、回転軸に螺旋状の羽部を設けたスクリュ部材であり、回転することにより、その回転軸の軸方向に現像剤を搬送する。
現像装置5のケーシング内の空間のうち、供給スクリュ53が配置された供給搬送路53aと、回収スクリュ54が配置された回収搬送路54aとは仕切り部材57によって空間的に仕切られている。また、仕切り部材57は、軸線方向に直交する断面(図4で説明図を示す断面)における端部が現像ローラ50の表面に対向し、近接して配置されることにより、現像ローラ50の表面上から現像剤Gの離脱を促す分離板としても機能する。
現像ローラ50は、内部に固設された複数の磁石からなるマグネットローラ55と、マグネットローラ55の周囲を回転する現像スリーブ51とから構成される。本実施形態のマグネットローラ55は、複数の磁極として、第一磁極P1(N極)、第二磁極P2(S極)、第三磁極P3(N極)、第四磁極P4(N極)、及び、第五磁極P5(S極)の5つの磁極が設けられている。なお、図4中のP1〜P5は、各磁極によって形成される磁場の現像スリーブ51の表面上における法線方向磁束密度(絶対値)の分布を示している。
また、感光体1と現像ローラ50との対向部である現像領域に対して、現像スリーブ51の表面移動方向上流側で、現像スリーブ51の表面上に担持されて現像領域に向かう現像剤量を規制する、現像剤規制部材であるドクタブレード52が現像ローラ50の下方に配置されている。
現像領域を通過した後の現像スリーブ51の表面上の現像剤Gは、現像スリーブ51の回転に伴って現像装置5内の回収搬送路54aに回収されるようになっている。詳しくは、現像スリーブ51の表面から離脱した現像剤Gは、仕切り部材57の上面に落下して滑り落ち、回収スクリュ54で回収されるようになっている。
図中の矢印G3は、供給スクリュ53の回転によって搬送される現像剤Gの流れを示しており、図中の矢印G4は、回収スクリュ54の回転によって搬送される現像剤Gの流れを示している。また、図中の複数の矢印G5は、現像スリーブ51の表面上に汲み上げられた現像剤の挙動を示している。
現像装置5内では、供給搬送路53aにおける供給スクリュ53の搬送方向下流側端部に到達した現像剤Gは、図中矢印G7で示すように、仕切り部材57に設けられた開口部のうちの剤持上げ口72を通って回収搬送路54aにおける搬送方向上流側端部に受け渡される。一方、回収搬送路54aにおける回収スクリュ54の搬送方向下流側端部に到達した現像剤Gは、図中の矢印G6で示すように、仕切り部材57に設けられた開口部のうちの剤落下口71を通って供給搬送路53aにおける搬送方向上流側端部に受け渡される。
図6(c)に示すように、回収スクリュ54の落下領域5a近傍には回収逆巻きスクリュ部54cが設けられており、回収スクリュ54の搬送方向下流側端部の軸受部に現像剤Gが進入することを防止している。また、供給スクリュ53の持上げ領域5b近傍には供給逆巻きスクリュ部53cが設けられており、その上流側の持上げ口72の直下には、パドル羽53bが設けられている。供給逆巻きスクリュ部53cによって、供給スクリュ53の搬送方向下流側端部の軸受部に現像剤Gが進入することを防止している。また、供給逆巻きスクリュ部53c及びパドル羽53bによって、搬送方向に対して直交する上方への搬送能力を持たせている。
供給スクリュ53による現像剤搬送路である供給搬送路53aの下流側と、回収スクリュ54による現像剤搬送路である回収搬送路54aの上流側とは剤持上げ口72を介して連通している。そして、供給搬送路53aの下流側端部に達した現像剤Gは、その位置に留まり後から搬送されてくる現像剤Gによって押し上げられ、回収搬送路54aの上流側端部に到達する。
ここで、供給スクリュ53の径、ピッチと回転数から求まる現像剤搬送量能力をWmとし、現像スリーブ51上の現像剤搬送量をWsとしたときに、Wm>Wsの関係が成り立つ場合に、現像剤Gが現像スリーブ51上に一様に搬送されるようになる。この条件が成立しないと供給スクリュ53の下流側において現像剤Gが不足してしまい、現像スリーブ51への現像剤Gの供給が不可能となってしまう。
また、同様に現像スリーブ51から回収スクリュ54へ現像剤を回収するが、嵩が高くなることにより回収されない現像剤が仕切り部材57と現像スリーブ51の隙間から供給スクリュ側へ入り込み、供給スクリュ53にて十分に攪拌される事なく再び現像ニップへ供給されてしまう。即ち供給スクリュ53及び回収スクリュ54の回転数を現像スリーブ51上の現像剤搬送量を上回るように設定する必要が有り、必然的にスクリュは高回転に設定になっている。
また、現像装置5のように、複数の搬送部材を上下方向に並設して、現像スリーブ51に対して現像剤Gを供給する供給搬送路53aと、現像スリーブ51から離脱する現像剤Gの回収搬送路54aとを分離した構成は、現像剤担持体に現像剤を供給した現像剤搬送路で、現像領域を通過した後の現像剤担持体表面上の現像剤を回収する現像装置に比べて、現像スリーブ51上に担持されて現像に供する現像剤G中に現像領域通過後のものが含まれにくいために、潜像担持体上に形成するトナー像の濃度偏差を小さくすることができる。
回収搬送路54aの搬送方向下流側は、特に現像剤Gの嵩が高くなり易く、仕切り部材57の上面で多量に滞留し易い。そして、この滞留した現像剤Gが現像スリーブ51から落下してくる現像剤Gの回収を阻んだり、この滞留した現像剤Gが現像スリーブ51の表面に再付着したりすることがある。現像スリーブ51からの現像剤Gの回収を阻んだり、滞留した現像剤Gが現像スリーブ51に再付着したりすると、現像領域を通過した後にトナーの供給がなされていない現像剤Gが仕切り部材57を挟んで下方にある供給搬送路53aへ到達する、所謂、連れ回りが生じる。
回収搬送路54aの搬送方向下流側で現像剤Gの嵩が高くなる現象は、画像形成装置の経時使用によって現像剤Gの流動性が悪化した場合に、仕切り部材57の上面で現像剤Gが留まって堆積し易くなるため、顕著になる。また、現像装置5内の現像剤Gのトナー濃度が上昇した場合も、現像剤Gの流動性が低下するため、回収搬送路54aの搬送方向下流側で現像剤Gの嵩が高くなる現象が顕著になる。
連れ回りの発生箇所は、回収搬送路54aにおける回収スクリュ54の搬送方向下流側端部近傍であり、ここは回収スクリュ54が搬送している現像剤Gに加えて現像スリーブ51から回収された現像剤Gの分が増すことから、最も現像剤量が多くなる部分である。このため、現像剤Gの流動性が低下すると、仕切り部材57の上面を現像剤が落ちにくくなり、さらに流動性が悪化することで、現像剤Gが仕切り部材57の表面上を落ちず、再び現像スリーブ51表面に付着することで連れ回りが発生する。このため、回収搬送路54aにおける回収スクリュ54の搬送方向下流側端部近傍の現像剤Gの流れを良くすることで、現像剤Gの現像スリーブ51の長手方向での嵩の偏差を小さくするこが求められる。
図1は、本実施形態の現像装置5の上部ケーシングを取外した状態を図4及び図5中の矢印A方向から見た現像装置5の上面説明図である。図1では、説明の都合上、回収スクリュ54の搬送方向下流側端部近傍の表記を省略している。
図1に示すように、現像装置5では、現像剤落下口である剤落下口71の開口形状が、回収搬送路54aにおける回収スクリュ54の搬送方向下流側ほど開口幅が広くなる台形形状となっている。
実験1として、剤落下口71の開口形状が異なる現像装置5を、imagio MP C5000の改造機に搭載し、流動性が変化した状態を再現するために、現像剤Gのトナー濃度が5[wt%]、7[wt%]、10[wt%]の現像剤を用いて、異常画像の発生状況で確認した。なお、一般的にはトナー濃度が高いほど現像剤の流動性が悪化することが分かっている。このため、上述した実施形態よりもトナー濃度が低い5[wt%]の現像剤Gは流動性が良い状態となり、上述した実施形態と同じトナー濃度である7[wt%]の現像剤Gは流動性が普通の状態となる。そして、上述した実施形態よりもトナー濃度が高い10[wt%]の現像剤Gは流動性が悪い状態となる。
異常画像の発生状況の評価方法は、それぞれの現像装置5を用いて、各開口部条件において画像面積率が5[%]の画像を100枚印刷したあとに、全ベタ画像を5枚印刷し、その全ベタ画像に異常がないかを確認した。
剤落下口71の開口形状は、長方形のものと、本実施形態の現像装置5と同様に台形のものとを用意した。剤落下口71の開口形状が長方形のものと台形のものとは、短手方向(回収スクリュ54の回転軸の軸線方向に直交する方向)の開口部の長さである開口幅を共に10[mm]とした。
長手方向(回収スクリュ54の回転軸の軸線方向)の開口部の長さである開口長さとしては、長方形のものでは、10[mm]、20[mm]、30[mm]のものを作成し、台形のものは、対辺のうち長辺を30[mm]、短辺を10[mm]とした。ここで、開口長さは、現像スリーブ51の表面上の現像剤Gを担持し得る領域における回収スクリュ54の搬送方向下流側の端部となる現像スリーブ端部51eから、剤落下口71における回収スクリュ54の搬送方向上流側の端部までの長さである。図1では、長手方向における剤落下口71の搬送方向下流側端部と、現像スリーブ端部51eとの位置は一致しているように見えるが、実験に用いた装置においては、剤落下口71の搬送方向下流側端部は、現像スリーブ端部51eよりもさらに搬送方向下流側に位置する。
このように剤落下口71の開口形状が異なる4種類の現像装置5を用意し、異常画像(連れ回りや現像剤担持不足である枯渇に起因する濃度ムラ)を確認した結果を表1に示す。
図10は、剤落下口71の開口形状が長方形で、その開口長さが短い現像装置5(図9と同様の現像装置)を用いた場合に、現像剤Gの流動性が悪い状態(トナー濃度が10[wt%])の説明図である。
図11は、剤落下口71の開口形状が長方形で、その開口長さが長い(20[mm]または30[mm])現像装置5を用いた場合に、現像剤Gの流動性が良い状態(トナー濃度が5[wt%])の説明図である。
一方、表1に示すように、開口長さが長い現像装置5では、現像剤Gのトナー濃度大きくなった場合も連れ回り画像は発生していない。
しかし、開口長さが長い現像装置5では、トナー濃度が低い場合は現像剤の嵩も小さくなることから、図11中の領域βで示すように、現像スリーブ端部51eと対向する位置まで現像剤Gが行き渡らなくなる。この位置まで現像剤Gが行き渡らないと、剤落下口71の下方にある供給搬送路53aにおける現像スリーブ端部51eと対向する位置にも現像剤Gが行き渡らないため、現像スリーブ51に十分な現像剤Gが供給されない現象(枯渇)が発生しまった。
すなわち、現像剤Gの嵩が大きくなると、回収した現像剤Gが現像スリーブ51の表面に接触しやすい回収搬送路54aの搬送方向下流側では、仕切り部材57の現像スリーブ51に近い位置まで現像剤Gが到達する。剤落下口71が台形形状の構成では、仕切り部材57における現像スリーブ51に近い位置での開口長さが長くなったことで、現像剤Gの嵩が大きくなったときに、開口長さが10[mm]の長方形のものよりも上流側で剤落下口71による現像剤Gの落下を開始することができる。これにより、現像剤Gの嵩が大きくなったときの連れ回りの発生を防止することができる。
一方、現像剤Gの流動性が良く、現像剤の嵩が小さい状態では、台形形状の剤落下口71の上流側端部近傍では、仕切り部材57の現像スリーブ51に近い位置まで現像剤Gが到達しにくく、剤落下口71による現像剤Gの落下を抑制できる。また、台形形状であることで開口幅が搬送方向上流側ほど狭くなる斜めであることで、剤落下口71における上流側ですべての現像剤が落ちてしまわず、図1に示すように、現像スリーブ端部51eの位置まで適量の現像剤Gを運ぶことができる。これにより、現像剤の枯渇の発生も防止することができる。
実験2として、剤落下口71が同じ大きさの台形で、図12(a)で示すように、対辺のうち現像スリーブ51側が短辺(10[mm])のものと、図12(b)で示すように、現像スリーブ51側が長辺(30[mm])のものとを作成し、実験1と同様の実験を行って、異常画像の発生状況を確認した。
この結果を表2に示す。
すなわち、現像スリーブ51側が短辺となる構成では、仕切り部材57に設けた剤落下口71における現像スリーブ51から遠い側が長辺となる。このような構成では、現像剤Gの流動性が高く現像剤の嵩が小さい状態でも、台形形状の剤落下口71の上流側端部から剤落下口71による現像剤Gの落下が開始され、剤落下口71における下流側端部まで十分な量の現像剤Gを搬送することができず、供給搬送路53aの上流側端部に受け渡される現像剤Gが不足して枯渇が生じる。
また、本実施形態の現像装置5は、図4に示すように、仕切り部材57は斜めに配置され、仕切り部材57の回収搬送路54a側の壁面は現像スリーブ51側ほど高い位置となる。よって、仕切り部材57の幅方向における現像スリーブ51に近い側ほど、現像剤Gの嵩が小さい状態では現像剤Gが到達し難い位置となり、連れ回りが生じるほどに現像剤Gの嵩が大きくなった状態では、仕切り部材57の幅方向全域に現像剤Gが到達した状態となる。
このため、仕切り部材57の幅方向における現像スリーブ51に近い側ほど、現像剤Gの流動性が良く嵩が小さい状態では現像剤Gが到達し難い位置で、且つ、流動性が悪化して嵩が大きくなった状態では現像剤Gが到達する位置となる。このような位置に、剤落下口71における台形形状の長辺を設定することで、現像剤Gの嵩が大きくなった状態では、剤落下口71の上流側端部から現像剤Gが剤落下口71に到達し、現像剤Gの落下が開始されるため、現像剤Gの嵩の上昇を防止し、連れ回りの発生を防止することが可能となる。一方、現像剤Gの流動性が良好で嵩が小さい状態では、剤落下口71の上流側端部には現像剤Gが到達し難く、上流側の位置から現像剤Gの落下が開始されることを抑制し、剤落下口71における下流側端部まで十分な量の現像剤Gを搬送することが可能となった。十分な量の現像剤Gを剤落下口71における下流側端部まで搬送することで、供給搬送路53aの上流側端部に供給される現像剤Gが不十分となることがなく、現像剤担持量不足としての現像剤の枯渇の発生を防止することができる。
本実施形態の現像装置5では、剤落下口71の形状を台形としているが、その形状としては、回収搬送路54aにおける回収スクリュ54の搬送方向下流側ほど開口幅が広くなる形状であって、その上流側端部が、現像剤Gの流動性が良く嵩が小さい状態では現像剤Gが到達し難い位置で、且つ、流動性が悪化して嵩が大きくなった状態では現像剤Gが到達する位置となればよい。例えば、本実施形態では、現像装置5の剤落下口71の短辺における上流側端部と長辺における上流側端部とを直線で結ぶことで剤落下口71が台形形状となっているが、この直線を曲線とする形状であってもよい。
2 感光体クリーニング装置
3 原稿搬送部
4 原稿読込部
5 現像装置
6 作像部
8 中間転写ベルト
10 中間転写ユニット
20 定着装置
50 現像ローラ
51 現像スリーブ
51e 現像スリーブ端部
52 ドクタブレード
53 供給スクリュ
53a 供給搬送路
54 回収スクリュ
54a 回収搬送路
55 マグネットローラ
57 仕切り部材
59 トナー補給口
71 剤落下口
72 剤持上げ口
100 プリンタ部
500 複写機
G 現像剤
P 記録媒体
Claims (7)
- 内部に備えた複数の磁極により磁性キャリアとトナーとからなる現像剤を表面上に担持し、その表面が回転して潜像担持体と対向する現像領域で該潜像担持体の表面上の潜像にトナーを供給する現像剤担持体と、
該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送し、該現像剤担持体に現像剤を供給する供給搬送部材と、
該現像領域を通過後の該現像剤担持体上から該現像剤を受け渡され、該現像剤を該現像剤担持体の軸線方向に沿って搬送する回収搬送部材とを有し、
該供給搬送部材を配置した空間である供給搬送路と、該回収搬送部材を配置した空間である回収搬送路とを仕切る仕切り部材の、該軸線方向に直交する断面における端部は該現像剤担持体の表面と対向し、
該回収搬送部材は該仕切り部材を挟んで該供給搬送部材よりも上方に配置され、
該回収搬送路における該回収搬送部材の搬送方向下流側端部に到達した現像剤を該供給搬送路に落下させる現像剤落下口が該仕切り部材に設けられた現像装置において、
上記現像剤落下口の開口形状が、上記回収搬送路における上記回収搬送部材の搬送方向下流側ほど開口幅が広くなる形状であり、
該現像剤落下口は、上記現像剤担持体の軸線方向における該回収搬送部材の搬送方向下流側の該現像剤担持体の端部と対向し、
該現像剤落下口の開口幅方向における端部が、該回収搬送路における該回収搬送部材の搬送方向下流側ほど下方に位置し、
該現像剤落下口の該端部が、該回収搬送部材の回転軸の鉛直下近傍までであることを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記現像剤落下口の高い側の端部は上記現像剤担持体の軸線方向と平行であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1または2の現像装置において、
上記現像剤落下口の開口形状が、長辺と短辺が上記現像剤担持体の軸線方向に沿った台形形状であり、台形の短辺側が長辺側よりも下方に位置していることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至3の現像装置において、
上記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるトナーであることを特徴とする現像装置。 - 少なくとも潜像担持体と、
該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、
該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、
該現像手段として、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5の画像形成装置において、
少なくとも上記潜像担持体と上記現像装置とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて装置本体から着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置。 - 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置における少なくとも該潜像担持体と該現像手段とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して着脱可能にしたプロセスカートリッジにおいて、
上記現像手段として、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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