JP5748120B2 - 現像装置、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
このような現像装置では、回収搬送路における回収搬送部材の搬送方向下流側端部となる位置の仕切り部材に回収搬送路と供給搬送路とを連通する開口部が設けられている。この開口部では、回収搬送路における回収搬送部材の搬送方向下流側端部に到達した現像剤を供給搬送路における供給搬送部材の搬送方向上流側端部近傍に受け渡す。また、回収搬送路と供給搬送路とを分離した現像装置では、回収搬送路内では回収搬送部材によって現像剤を搬送しつつ、現像剤担持体から離脱した現像剤が現像剤担持体の回転軸に平行な方向の全域に渡って供給される。このため、回収搬送路内では、回収搬送部材の搬送方向下流側ほど現像剤の量が多くなり、回収搬送搬送路における搬送方向下流側端部の開口部の近傍の位置で現像剤の量が最も多くなる。このような位置では、現像剤の流動性が悪化する等の原因により現像剤の嵩が上昇すると、回収搬送路内の現像剤が現像剤担持体の表面に接触することがある。回収搬送路内の現像剤が現像剤担持体の表面に接触すると、現像剤担持体の表面に再付着し、これにより、トナー濃度が低下した現像剤が仕切り部材の端部と現像剤担持体との隙間を通過する連れ回りが生じる。また、回収搬送路内の現像剤が現像剤担持体の表面に接触していると、現像剤担持体から離脱しようとする現像剤が、回収搬送路内の現像剤に阻まれて、現像剤担持体から離脱できず、連れ回りが生じることもある。
連れ回りが発生し、現像領域を通過した現像剤が仕切り部材の端部と現像剤担持体との隙間を通過すると、供給搬送路から供給される現像剤とともに現像領域に到達し、トナー像の濃度ムラの原因となる。
このため、仕切り部材に現像剤担持体の表面との間の仕切りギャップを形成するギャップ形成部材を設ける構成が考えられる。
このようなギャップ形成部材を設ける構成として、仕切り部材に対して固定したギャップ形成部材を設けることが考えられる。しかし、ギャップ形成部材が仕切り部材に対して固定であると、組み付けた後は仕切りギャップを調整できないため、部品寸法の精度の高いギャップ形成部材が必要であり、さらに、ギャップ形成部材の組み付け精度を高めるために現像装置毎の調整も必要であるため、製造コストが高くなる。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記ギャップ形成部材の上記軸線方向の一端は該仕切り部材に対して回動可能に支持され、該ギャップ形成部材の該軸線方向の他端側に上記突き当て部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の現像装置において、上記ギャップ形成部材における上記軸線方向の上記突き当て部材を設けた端部は、上記回収搬送路における上記回収搬送部材の搬送方向下流側であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の現像装置において、上記回収搬送部材は上記仕切り部材を挟んで上記供給搬送部材よりも上方に配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の現像装置において、上記現像剤担持体は、上記現像剤を担持する領域に該現像剤の担持を補助する表面処理が施されており、上記突き当て部材は上記現像剤担持体の表面における上記表面処理が施されていない領域に当接することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の現像装置において、上記突き当て部材は樹脂からなることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の現像装置において、上記突き当て部材は、使用開始当初に上記現像剤担持体に当接する先端を形成する先端面と、該先端面よりも根元側に該先端面よりも幅が広い第二の面とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか1項に記載の現像装置において、上記突き当て部材は、上記現像剤担持体に当接する先端部に対して根元部の方が幅が広いことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の現像装置において、上記突き当て部材は、0.05[wt%]〜60[wt%]の添加剤を含有したフッ素樹脂からなることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、少なくとも潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、該現像手段として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置における少なくとも該潜像担持体と該現像手段とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して着脱可能にしたプロセスカートリッジにおいて、上記現像手段として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
図2は、複写機500の概略構成図である。複写機500は、画像形成装置の本体部としてのプリンタ部100の上方に、原稿読込部4及び原稿搬送部3を備え、プリンタ部100の下方に給紙部7を備える。原稿搬送部3は、原稿読込部4に原稿を搬送し、原稿読込部4は搬送されてきた原稿の画像情報を読み込む。給紙部7は、転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙カセット26、給紙カセット26内の記録媒体Pをプリンタ部100に向けて送り出す給紙ローラ27を備える。図2中の一点鎖線は、複写機500内での記録媒体Pの搬送経路を示す。
中間転写ユニット10は、各感光体1(Y,M,C,K)の表面上に形成された各色トナー像が重ねて転写され、表面上でカラートナー像が形成される中間転写ベルト8、及び、各感光体1(Y,M,C,K)の表面上に形成されたトナー像を中間転写ベルト8に転写する一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)を備える。
また、プリンタ部100は、中間転写ベルト8上のカラートナー像を記録媒体P上に転写するための二次転写バイアスローラ19、給紙ローラ27によって送り出された記録媒体Pを中間転写ベルト8と二次転写バイアスローラ19とが対向する二次転写ニップに搬送するタイミングを調整するレジストローラ対28を備える。
さらに、プリンタ部100は、二次転写ニップの上方に記録媒体P上の未定着トナー像を定着する定着装置20を備える。
また、プリンタ部100内の排紙トレイ30の下方、且つ、中間転写ユニット10の上方には、各現像装置5(Y,M,C,K)に供給する各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーを収容する各色のトナー容器11(Y,M,C,K)が配置されている。
図3に示すように、作像部6は、感光体1及び現像装置5を一体的に支持するプロセスカートリッジとなっており、このプロセスカートリッジは複写機500本体に対して着脱可能となっている。また、作像部6は、感光体1の周囲に現像装置5以外に、感光体クリーニング装置2、潤滑剤塗布装置41、及び、帯電装置40を備える。
まず、原稿搬送部3の原稿台に原稿がセットされた状態で、不図示のスタートボタンが押されると、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部において、四つの光源から画像信号に対応したレーザ光Lが各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光Lは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過して、各感光体1(Y,M,C,K)の表面に照射される(露光工程)。
現像装置5との対向部を通過した後の感光体1(Y,M,C,K)表面は、それぞれ、中間転写ベルト8との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト8の内周面に当接するように一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)が設置されている。そして、中間転写ベルト8を挟んで感光体1(Y,M,C,K)と一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)とが対向する一次転写ニップで、各感光体1(Y,M,C,K)上に形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に、上順次重ねて転写される(一次転写工程)。
感光体クリーニング装置2との対向部を通過した感光体1の表面は不図示の除電部を通過して、感光体1における一連の作像プロセスが終了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙カセット26から、給紙ローラ27により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ対28に導かれる。レジストローラ対28に達した記録媒体Pは、中間転写ベルト8条に形成されたカラートナー像がニ次転写ニップに向かうタイミングに合わせて二次転写ニップに向けて搬送される。
定着装置20を通過した記録媒体Pは、排紙ローラ対25によってプリンタ部100の外に出力画像として排出されて、排紙トレイ30上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
現像装置5は、感光体1に対向する現像剤担持体としての現像ローラ50、供給搬送部材である供給スクリュ53、回収搬送部材である回収スクリュ54、現像剤規制部材であるドクタブレード52、及び、仕切り部材57を備える。供給スクリュ53及び回収スクリュ54は、回転軸に螺旋状の羽部を設けたスクリュ部材であり、回転することにより、その回転軸の軸方向に現像剤を搬送する。
現像装置5のケーシング内の空間のうち、供給スクリュ53が配置された供給搬送路53aと、回収スクリュ54が配置された回収搬送路54aとは仕切り部材57によって空間的に仕切られている。また、仕切り部材57は、軸線方向に直交する断面(図4で説明図を示す断面)における端部が現像ローラ50の表面に対向し、近接して配置されることにより、現像ローラ50の表面上から現像剤Gの離脱を促す分離板としても機能する。
また、感光体1と現像スリーブ51との対向部である現像領域に対して、現像スリーブ51の表面移動方向上流側で、現像スリーブ51の表面上に担持され、現像領域に向かう現像剤量を規制するドクタブレード52が現像ローラ50の下方に配置されている。
均一混合された現像剤Gは現像スリーブ51に近接して平行に設けられた供給スクリュ53に搬送されながら、現像スリーブ51に内包されたマグネットローラ55の第五磁極P5の磁力によって現像スリーブ51の外周表面に受け渡される。現像スリーブ51の表面に受け渡された現像剤Gは、現像スリーブ51が図4中矢印に示すように、反時計回り方向に回転することによって現像領域に到達する。現像領域では、不図示の高圧電源から現像スリーブ51に電圧が印加されることにより、現像スリーブ51と感光体1との間に現像電界が形成されている。この現像電界により、感光体1の表面上の潜像に現像スリーブ51の表面上の現像剤G中のトナーが供給され、感光体1上の潜像が現像される。
現像領域を通過した後の現像スリーブ51の表面上の現像剤Gは、現像スリーブ51の回転に伴って現像装置5内の回収搬送路54aに回収されるようになっている。詳しくは、現像スリーブ51の表面から離脱した現像剤Gは、仕切り部材57の上面に落下して滑り落ち、回収スクリュ54で回収されるようになっている。
図6では図示を省略した仕切り部材57は、現像装置5の長手方向の両端に供給搬送路53aと回収搬送路54aとを連通する開口部がそれぞれ設けられている。そして、供給搬送路53aにおける供給スクリュ53の搬送方向下流側端部に到達した現像剤Gは仕切り部材57に設けられた開口部のうちの剤持上げ口72を通って回収搬送路54aにおける搬送方向上流側端部に受け渡される。一方、回収搬送路54aにおける回収スクリュ54の搬送方向下流側端部に到達した現像剤Gは仕切り部材57に設けられた開口部のうちの剤落下口71を通って供給搬送路53aにおける搬送方向上流側端部に受け渡される。
図6では、現像スリーブ51への現像剤Gの供給及び回収を模式的に示す都合上、供給搬送路53aと回収搬送路54aとの間にある程度の距離があるように描かれている。しかしながら、供給搬送路53aと回収搬送路54aとは図4で示すように板状の仕切り部材57によって仕切られており、その開口部である剤持上げ口72及び剤落下口71は板状の仕切り部材57を表から裏に貫通する貫通口である。
供給スクリュ53による搬送経路である供給搬送路53aの下流側と、回収スクリュ54による搬送経路である回収搬送路54aの上流側とは剤持上げ口72を介して連通している。そして、供給搬送路53aの下流側端部に達した現像剤Gは、その位置に留まり後から搬送されてくる現像剤Gによって押し上げられ、回収搬送路54aの上流側端部に到達する。
供給回収搬送路501a内の現像剤Gは、供給回収スクリュ501によって搬送されながら、その一部は現像スリーブ51の表面に受け渡される。現像スリーブ51の表面に受け渡され、ドクタブレード52とのギャップを通過した現像剤Gは感光体1との対向部である現像領域で現像に供される。現像領域を通過した現像スリーブ51の表面上に担持された現像剤Gは、現像スリーブ51から離脱して、供給回収搬送路501a内に戻って供給回収スクリュ501によって搬送される。
現像装置5では、現像スリーブ51から離脱した現像剤Gは、仕切り部材57の上面の傾斜に従って自重搬送され、回収スクリュ54によって搬送力を付与される領域に回収されるようになっている。このとき、回収搬送路54a内の現像剤Gは、図6及び図7に示すように、搬送方向下流側ほど高くなるように、長手方向に渡って傾斜している。これは、現像装置5が、現像スリーブ51に対して現像剤Gを供給する供給搬送路53aと、現像スリーブ51から離脱する現像剤Gの回収搬送路54aとを分離した、所謂、一方向循環システムであるためである。
回収搬送路54aにおける回収スクリュ54の搬送方向下流側は、特に現像剤Gの嵩が高くなり易く、仕切り部材57の上面で多量に滞留し易い。そして、この滞留した現像剤Gが現像スリーブ51からの現像剤の離脱を阻害することがある。これにより、現像スリーブ51から現像剤Gを回収搬送路54a内に回収しきれず、現像領域を通過してトナー濃度が低下した現像剤Gが仕切り部材57を挟んで下方にある供給搬送路53aへ到達する、所謂、連れ回りが生じる。
上述したように、回収搬送路54aの搬送方向下流側で現像剤Gの嵩が高くなる現象は、画像形成装置の経時使用によって現像剤Gの流動性が悪化した場合に、仕切り部材57の上面で現像剤Gが留まって堆積し易くなるため、顕著になる。
次に、本発明を適用した現像装置5の一つ目の実施例(以下、実施例1と呼ぶ)について説明する。
図1は、実施例1の現像装置5を、図4中の矢印A方向から見た、仕切り部材57と現像スリーブ51との上面説明図であり、また、図8は、図1の一点鎖線で示す断面の断面説明図である。図8(a)はA−A断面、図8(b)はB−B断面の説明図である。図1及び図8においては、回収スクリュ54や現像剤Gは省略している。
ギャップ形成部材58は、現像スリーブ51の回転軸の軸線方向に延在するように仕切り部材57に配置され、仕切り部材57に対して現像スリーブ51と接離する方向に移動可能ある。そして、ギャップ形成部材58の現像スリーブ51側の端部であるギャップ形成端部58eが、仕切り部材57の現像スリーブ側端部57eよりも現像スリーブ51の表面に近接することで、現像スリーブ51の表面との間に仕切りギャップSGを形成する。また、加圧バネ61は、ギャップ形成部材58の軸線方向の両端部のバネ取付け部58aと、現像装置5のケーシング5cとの間に配置され、ギャップ形成部材58を現像スリーブ51に向けて付勢する付勢部材である。また、突き当て部材60は、加圧バネ61がギャップ形成部材58を付勢することによって現像スリーブ51の表面に突き当たる部材である。また、A−A断面が通る仕切り部材57の軸線方向中央部には、図1及び図8に示すように、ギャップ形成部材58を仕切り部材57の上面との間で挟む、挟み部材57aが設けられている。
このようなギャップ形成部材58を設ける構成として、仕切り部材57に対して固定したギャップ形成部材58を設けると、ギャップ形成部材58が仕切り部材57に対して固定であるため、公差も含めて所望の仕切りギャップSGを設定することは困難であった。
まず、現像剤の経時劣化について説明する。
先に述べたように、現像剤は現像装置の経時使用によって流動性が低下する。図9は、二成分現像剤を用いる現像装置を備えた画像形成装置で画像形成を行った際の印刷枚数と現像剤の流速指数との関係を示すグラフである。
図9に示す現像剤の流速指数は、シスメックス社製「パウダーレオメータ FT−4」を用いて測定した値であり、以下の式で定義する。
流速指数=(回転翼の先端スピードが10[mm/s]時のトータルエネルギー)/(回転翼の先端スピード100[mm/s]時のトータルエネルギー)
図9に示すように、使用枚数が進むに連れ現像剤の流動特性が悪化し、また、使用開始前半で大き区劣化したのち徐々に劣化が進む劣化特性を示す。
図10に示すように、現像剤が経時劣化してその流速指数が上昇しても、仕切りギャップSGを狭く設定することにより、連れ回りを防止することが可能となる。
経時に渡って連れ回りなく安定して現像剤の分離を行うための仕切りギャップSGの上限値は、図11中に示すラインであり、各プリント稼動時間のときに仕切りギャップSGの値がこのラインより下であれば連れ回りを防止することができる。
このため、図11で示す例では、現像装置内の現像剤の寿命であるライフエンドを400[k枚]とすると、連れ回りを防止する所望の仕切りギャップSGは0.17[mm]となる。
固定設置する位置固定方式では成型品によって仕切りギャップを与えようとしたときに、その公差は±0.15[mm]、レンジで0.30[mm]の確保が必要である。このためライフエンドにおける仕切りギャップSGの上限値(0.17[mm])以下に公差も含めて設定することは困難である。これを実現しようとすると、固定位置から仕切りギャップSGを形成する先端まで高精度なギャップ形成部材58が必要で、さらに、ギャップ形成部材58の仕切り部材57に対する組み付け精度を高めるために現像装置5毎の調整も必要であるため、製造コストが高くなる。
これに対して、実施例1の現像装置5のように、突き当て方式の場合、突き当て部材60の部品精度のみの管理で高精度に設定が可能で図11にも示すようにその公差は、±0.05[mm]、レンジで0.10[mm]の範囲で設定が可能である。このように、突き当て部材60の部品精度のみの管理で高精度に仕切りギャップSGを設定することが可能である。突き当て部材60の部品精度のみの管理でよいため、製造コストを抑制でき、高精度に仕切りギャップSGを設定することで連れ回りの発生を防止することができる。
次に、本発明を適用した現像装置5の二つ目の実施例(以下、実施例2と呼ぶ)について説明する。
図12は、実施例2の現像装置5を、図4中の矢印A方向から見た、仕切り部材57と現像スリーブ51との上面説明図である。図12においては、回収スクリュ54や現像剤Gは省略している。また、実施例2では、図8(a)で示すA−A断面における仕切りギャップSGが実施例1よりも広くなっている。
しかし、突き当て部材60が突き当たる現像スリーブ51の表面は表面移動するため、突き当て部材60の耐摩耗性を考慮する必要がある。突き当て部材60の耐磨耗性が悪いと経時使用に伴い突き当て部材60が摩耗して、仕切りギャップSGが狭くなり過ぎ、最悪の場合には、ギャップ形成部材58が現像スリーブ51に接触する。そして、仕切りギャップSGが狭くなり過ぎると、現像スリーブ51の表面にトナーの固着が発生し、その結果、スジ状のノイズ画像が発生することがある。
一方、突き当て部材60の耐磨耗性を高めることで突き当て部材60の摩耗を防止することができるが、突き当て部材60の耐磨耗性が高いと現像スリーブ51側に削れが生じて、削り粉の混入に起因する点状のノイズ画像が発生することがある。さらに、現像スリーブ51側の削れが進行すると、上述した突き当て部材60が摩耗する場合と同様に、仕切りギャップSGが狭くなり過ぎ、現像スリーブ51表面にトナーの固着が発生し、その結果、スジ状のノイズ画像が発生する場合がある。このような現像スリーブ51側の摩耗の対策としては、突き当て部材60が当接する現像剤非担持領域51bの表面にta−C(テトラヘデラル アモルファス カーボン)などの耐摩耗性コーティングを施せば解決の可能性があるが、コストアップを伴う。
さらに、突き当て方式は、現像スリーブ51の両端部に低圧ではあるが突き当て部材60を当接させるため、現像スリーブ51の回転トルクの上昇を伴う。現像スリーブ51の回転トルクの上昇は、消費電力の悪化につながり、装置の省エネルギー化に対して不利になる。また、当接部では微小な発熱を伴うため、低融点トナーの使用に対して不利になる。
これに対して、実施例2の現像装置5では、ギャップ形成部材58の一端が仕切り部材57に対して回動可能に回動軸58bによって支持されており、回動軸58bの部分においてはギャップ形成部材58の仕切り部材57に対する位置が固定されている。このため、仕切り部材57や現像スリーブ51に対する位置が比較的安定であり、突き当てによって高精度に仕切りギャップSGを設定しようとしたときに、1つの加圧バネ61に求められる付勢力は実施例1の現像装置5よりも小さい。
1つの加圧バネ61に求められる付勢力が小さくてすむことにより、上述した突き当て部材60の摩耗や現像スリーブ51表面の摩耗に起因する不具合の発生を抑制することができる。すなわち、突き当て方式に起因するノイズ画像の発生や微小な発熱、及び、現像スリーブ51の回転トルクの上昇等を抑制することができる。
図14中の「F側SG」は、現像装置5の手前側の仕切りギャップSGを示し、図12における剤持上げ口72近傍の仕切りギャップSGについてのグラフである。また、図14中の「R側SG」は、現像装置5の奥側の仕切りギャップSGを示し、図12における剤落下口71近傍の仕切りギャップSGについてのグラフである。
ギャップコントロールは摩耗に関する下記の一般式より式(1)から式(2)へ変形し経時の摩耗深さよりギャップの値を求めている。
W=K・P・V・T
=K・V・T・(F/S)
=K・V・T・{F/(w1×w2)}
F/(w1×w2)・K・T・V ・・・・(2)
K:摩耗係数[cm・sec/MPa/mm/hr]
W:摩耗深さ[cm]
P:圧力[MPa]=[N/mm2]
F:バネ荷重[N]
S:接触面積 w1×w2[mm2]
V:摺動速度[m/min]
T:時間[hr]
これにより、図14に示すように、手前側(図14中のF側)は位置固定で一定の仕切りギャップSGを公差±0.15[mm]で維持している。また、奥側(図14中のR側)は公差±0.05[mm]で、仕切りギャップSGの上限値以下で経時に渡ってコントロールしている。
図15に示す突き当て部材60の接触面積変更パターンは図17に示す通りであり、この突き当て部材60の材質は図13に示すものと同様に充填剤としてカーボンを添加したPTFEである。
図15に示す突き当て部材60の接触面積変更パターンの一部の計算例を表1に示す。
また、現像装置5は、回収スクリュ54が仕切り部材57を挟んで供給スクリュ53よりも上方に配置された構成であるが、本発明の特徴部を適用可能な現像装置としてはこれに限るものではない。仕切りギャップGPを精度よく設定することで、連れ回りの防止を図ることができる現像装置であれば、回収スクリュ54が仕切り部材57を挟んで供給スクリュ53よりも下方に配置された構成であっても適用可能である。
2 感光体クリーニング装置
5 現像装置
6 作像部
8 中間転写ベルト
10 中間転写ユニット
19 二次転写バイアスローラ
20 定着装置
40 帯電装置
50 現像ローラ
51 現像スリーブ
52 ドクタブレード
53 供給スクリュ
53a 供給搬送路
54 回収スクリュ
54a 回収搬送路
57 仕切り部材
58 ギャップ形成部材
58b 回動軸
60 突き当て部材
61 加圧バネ
71 剤落下口
100 プリンタ部
500 複写機
G 現像剤
L レーザ光
P 記録媒体
SG 仕切りギャップ
Claims (11)
- 内部に備えた複数の磁極により磁性キャリアとトナーとからなる現像剤を表面上に担持し、その表面が回転して潜像担持体と対向する現像領域で該潜像担持体の表面上の潜像にトナーを供給する現像剤担持体と、
該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送し、該現像剤担持体に現像剤を供給する供給搬送部材と、
該現像領域を通過後の該現像剤担持体上から該現像剤を受け渡され、該現像剤を該現像剤担持体の軸線方向に沿って搬送する回収搬送部材とを有し、
該供給搬送部材を配置した空間である供給搬送路と、該回収搬送部材を配置した空間である回収搬送路とを仕切る仕切り部材の、該軸線方向に直交する断面における端部が該現像剤担持体の表面と対向する現像装置において、
上記仕切り部材に配置され、該仕切り部材に対して上記現像剤担持体と接離する方向に移動可能で、該仕切り部材の端部よりも該現像剤担持体の表面に近接することで該現像剤担持体表面との間に仕切りギャップを形成するギャップ形成部材と、
該ギャップ形成部材を該現像剤担持体に向けて付勢する付勢部材と、
該ギャップ形成部材における該軸線方向の端部に設けられ、該付勢部材が該ギャップ形成部材を付勢することによって該現像剤担持体の表面に突き当たる突き当て部材と、
を備えることを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記ギャップ形成部材の上記軸線方向の一端は該仕切り部材に対して回動可能に支持され、
該ギャップ形成部材の該軸線方向の他端側に上記突き当て部材を設けたことを特徴とする現像装置。 - 請求項2の現像装置において、
上記ギャップ形成部材における上記軸線方向の上記突き当て部材を設けた端部は、
上記回収搬送路における上記回収搬送部材の搬送方向下流側であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至3の何れか1項に記載の現像装置において、
上記回収搬送部材は上記仕切り部材を挟んで上記供給搬送部材よりも上方に配置されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載の現像装置において、
上記現像剤担持体は、上記現像剤を担持する領域に該現像剤の担持を補助する表面処理が施されており、
上記突き当て部材は上記現像剤担持体の表面における上記表面処理が施されていない領域に当接することを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至5の何れか1項に記載の現像装置において、
上記突き当て部材は樹脂からなることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至6の何れか1項に記載の現像装置において、
上記突き当て部材は、使用開始当初に上記現像剤担持体に当接する先端を形成する先端面と、
該先端面よりも根元側に該先端面よりも幅が広い第二の面とを備えることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至7の何れか1項に記載の現像装置において、
上記突き当て部材は、上記現像剤担持体に当接する先端部に対して根元部の方が幅が広いことを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至8の何れか1項に記載の現像装置において、
上記突き当て部材は、0.05[wt%]〜60[wt%]の添加剤を含有したフッ素樹脂からなることを特徴とする現像装置。 - 少なくとも潜像担持体と、
該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、
該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、
該現像手段として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置における少なくとも該潜像担持体と該現像手段とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して着脱可能にしたプロセスカートリッジにおいて、
上記現像手段として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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