JP5773244B2 - コンバインの刈取前処理装置 - Google Patents
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Description
また、穀稈の穂先側が案内杆に寄りかかったり、絡まったりすることで、脱粒や杆切れが発生することや、刈刃によって切断した後の穀稈が搬送装置の外側に脱落することから、搬送行程におけるヘッドロスが大きいという問題がある。
そこで、本発明の主たる課題は、かかる問題点を解消することにある。
請求項1に係る発明は、脱穀装置(4)の前方に設けられたコンバインの刈取前処理装置(5)であって、該刈取前処理装置(5)は、左右の側壁(31a,31a)と後板(31b)と底板(31c)によって構成されるオーガフレーム(31)と、前記左右の側壁(31a,31a)間に両端を軸支した掻込みオーガ(33)と、前記後板(31b)部に形成した開口部(32)と脱穀装置(4)を連通するフィーダハウス(20)と、穀稈搬送用の複数の搬送ラグ(45)を備え前記掻込オーガ(33)の前側において左右方向に複数並設された縦回り搬送装置(47)と、縦回り搬送装置(47)の下部に設けられ該縦回り搬送装置(47)によって搬送される穀桿の株元を切断する刈刃(52)とから構成し、前記縦回り搬送装置(47)の搬送ラグ(45)は、縦回り搬送装置(47)の前部において下方に突出した後、縦回り搬送装置(47)の上側へ移動し、起立姿勢で後方へ移動する構成としたことを特徴とするコンバインの刈取前処理装置である。
また、縦回り搬送装置(47)の搬送ラグ(45)は、縦回り搬送装置(47)の前部において下方に突出した後、縦回り搬送装置(47)の上側へ移動し、起立姿勢で後方へ移動する構成としているので、倒伏した湿った穀桿、圃場に穂先が潜っている穀桿であっても確実に引起して掻込みオーガ(33)へ供給することができる。
フィーダハウス20は、前方のオーガ装置30と後方の脱穀装置4との間に設けられ、オーガ装置30の回動によりオーガ装置30の左側部に寄せ集められた稲、麦、大豆、そば等の穀桿を脱穀装置4に搬送する装置である。
フィーダハウス20は、枠体21の後部に支持された駆動軸25に軸支された駆動スプロケットと枠体21の前部に支持された従動軸22に軸支された従動スプロケット23とに所定間隔に外方に延伸びる略L形状に形成されたスラットが設けられたチェン24が巻き掛けられている。
駆動軸25には、後述するように刈取りクラッチ110,プーリ111を介しエンジン100の回動が伝動され、従動軸22をR1方向に回動させる。よって、穀桿はチェン24のスラットに係止された状態を維持しながらフィーダハウス20の下部を通過し脱穀装置4に移送されることになる。
オーガ装置30は、フィーダハウス20の前方に汎用コンバイン1の約全幅に亘って設けられている。オーガ装置30は、搬送装置40で移送された穀桿、掻込み装置60で掻込まれた穀桿を後板31bの左下部に形成された開口部32の前方に寄せ集め、穀桿をフィーダハウス20に移送する装置である。
オーガ装置30のオーガフレーム31は、左右一対の側壁31a,31aと、側壁31a,31aの後部を連結する後板31bと、側壁31a,31aの後部と後板31bの下部を連結する底板31cによって構成されている。又、側壁31a,31aの前端部には圃場の穀桿を分ける分草体39,39が設けられている。
なお、側壁31a,31aの前部には底板31cは設けられておらず、側壁31a,31aの前方には、後述する刈刃装置50等が設けられている。
後板31bは、正面視において略長方形に形成され、底板31cは側面視において前部は略水平に形成され、後部は下方に円弧状に突出して形成されている。
なお、オーガフレーム31は、鋼材からなる側壁31a,31aと後板31bと底板31cを溶接により一体形成することもでき、又、一枚の鋼材を切断・折曲げにより一体形成することもできる。更に、側壁31a等の形状は、上述の形状に限定されることはなく用途に合わせ任意の形状に形成することができる。
なお、掻込みフィンガー36は、駆動軸34に軸支されたアーム37の前部に回転自在に設けられており掻込みオーガ35の外周に設けられたフィンガー孔38に挿通されている。
駆動軸34には後述するように刈取りクラッチ110,プーリ111,113,114を介しエンジン100の回動が伝動され、掻込みオーガ33をR2方向に回動させる。
搬送装置40は、穀桿、特に倒伏した穀桿や、大豆、そば等の丈の低い穀桿を引起し、オーガ装置30の掻込みオーガ33に穀桿を移送する装置であり、本実施形態にあっては、搬送装置40は、オーガ装置30のオーガフレーム31の前方に縦回り搬送装置47が四基設けられ、それぞれ二基の縦回り搬送装置47,47が一対となり穀桿の導入通路内(作業面)を形成している。
なお、縦回り搬送装置47は4基に限定されることはなく用途、機種に合わせて必要な基数を設けることができる。
なお、キャビン8内に設けられた昇降スイッチの接続によって油圧シリンダ84は伸張し、駆動軸42を支点として各縦回り搬送装置47を上下方向に昇降させる。
よって、縦回り搬送装置47の前部で引起され、搬送される穀桿は、カバー70と接触することなくオーガ装置30の掻込みオーガ33の下部に移送される為、縦回り搬送装置47の搬送時における穀桿の脱落及び掻込みオーガ33の回動により穀桿がはじき出されによるヘッドロスを低減することができる。
搬送ラグ45は、起立ガイドによって枠体41の前部において下方に起立し、起立状態を維持したまま枠体41の前部を下方から上方に回動し、枠体41の側面視において上面部を通過し、枠体41の後部において上方から下方に回動し、枠体41の側面視において下面部において倒伏する。
よって、倒伏した穀桿や、大豆、そば等の丈の低い穀桿を搬送ラグ45によって地中から引起す為、搬送装置40の引起し時に発生するヘッドロスを低減することができる。
刈刃装置50は、縦回り搬送装置47で引起され、後方に搬送される穀桿の株元を切断する装置であり、刈刃装置50は、作業面を形成する一対の縦回り搬送装置47,47の下方にそれぞれ設けられている。
刈刃装置50は、伝動ケース51の前部に回転自在に支持された従動軸51aに軸支された刈刃(回転刃)52と、伝動ケース51の後部に支持される油圧モータ53とから構成されており、左右の伝動ケース51,51は、左側から一基目の縦回り搬送装置47の枠体41と右側から一基目の縦回り搬送装置47の枠体41の下方部にそれぞれ支持されている。
伝動ケース51は、側面視において前部から後上がり傾斜しており、伝動ケース51の前部の下方部は圃場面との接触を防止するため略水平に形成されている。又、回転刃52も伝動ケース51と同様に側面視において前部から後上がり傾斜している。
なお、回転刃52の後上がり傾斜角度は縦回り搬送装置47の後上がり傾斜角度によりも大きく設けられており、縦回り搬送装置47で搬送される穀桿の下端部で切断でき、籾等の取りこぼしの低減を図ることができる。
なお、油圧モータ53は、穀桿を縦回り搬送装置47で効率良く搬送するため、作業面を避けて配置するのが好適であり、回転刃52の外径は、縦回り搬送装置47で搬送される穀桿の株元を確実に切断するため、作業面の幅よりも大径に形成するのが好適である。
カバー70は、搬送中の穀桿等が刈刃装置50のチェン54等に付着し詰まることを防止し、掻込みオーガ33によってはじき出される穀桿を防止する部品であり、オーガ装置30の約全幅に亘って底板31cの前部の上方部に設けられている。
鋼材からなるカバー70の前カバー71の前端部は、刈刃装置50の回転刃52を軸支する従動軸51aの後方に位置し、前部から頂部72に後上がり傾斜している。カバー70の頂部72は、側面視において縦回り搬送装置47の後端部の近傍に位置し、縦回り搬送装置47の上面部より下方に位置している。カバー70の後カバー73は、頂部72から後下がり傾斜し、後カバー73の後端部はオーガ装置30の底板31cに支持されている。
なお、本実施形態にあっては前カバー71の後上がり傾斜角度と後カバー73の後下がり傾斜角度は、ほぼ同じ傾斜角度に形成されているが、前カバー71の後上がり傾斜角度を後カバー73の後下がり傾斜角度よりも緩やかな傾斜角度にした場合、縦回り搬送装置47での穀桿等の搬送をより効率的に行なうことができ好適である。
なお、本実施形態にあっては、油圧モータ53と対向する部位を切欠いているが、背丈の低い油圧モータ53を使用する場合にあっては、油圧モータ53と対向する部位を切欠く必要はない。
ゲージ輪80は、圃場の凹凸に応じ左側から二基目と三基目の縦回り搬送装置47,47の昇降を行なう装置であり、ゲージ輪80は、連結フレーム81に支持されるゲージフレーム82の先端部に設けられたケージ片83に回転自在に支持され、ゲージフレーム82の下部と搬送装置40の駆動軸42の間にはダンパー機能を併せ持つ油圧シリンダ84が懸架されている。
掻込み装置60は、縦回り搬送装置47で引起される、刈刃装置50で株元が切断された穀桿をオーガ装置30に掻込む装置であり、オーガ装置30の約全幅に亘って搬送装置40の上方に設けられている。
掻込み装置60は、側面視において略六角形状に形成された掻込みリール61と、掻込みリール61の中心軸62を回転自在に軸支する掻込みフレーム63から構成されている。
掻込みリール61は、六箇所の各隅部に横方向に所定間隔で複数のリールタイン64が吊下げられたタイン支持杆65を有し、掻込みフレーム63の後部は、オーガ装置30の後板31bに設けられた支持部材66に回転自在に軸支され、掻込みフレーム63の中間部は掻込みフレーム63を昇降させる油圧シリンダ67に支持されている。
なお、掻込みフレーム63には、駆動軸68に軸支された駆動スプロケットと中心軸62に軸支された従動スプロケットにチェンが巻き掛けした伝動機構が設けられており、駆動軸68には後述するように刈取りクラッチ110,プーリ111,113,116,118,120を介しエンジン100の回動が伝動され、掻込みリール61をR5方向に回動する。
なお、上述のように第1リールタイン64aと第2リールタイン64bを設けた場合、掻込み装置60の下降時に、掻込み装置60の第1リールタイン64aと第2リールタイン64bが刈刃装置50の油圧モータ53等に干渉することがなく好適である。
なお、隣接する第3リールタイン64c,64cの間隔は、ゲージ輪80の幅よりも幅広に設けられている。
防止カバー85の後部は駆動軸42に回転可能に軸支され、平面視においてゲージ輪80、ゲージフレーム82、ケージ片83、油圧シリンダ84を覆い、側面視において前端部から後上がり傾斜してゲージ輪80の上方に至り、引続き後下がり傾斜する略三角形状に形成されている。
防止杆86aは、左側から三基目の縦回り搬送装置47の分草体46の左側部に固定され平面視において前端部からゲージ輪80の前部に向かって傾斜し、引続きゲージ輪80、ゲージフレーム82、ケージ片83及び油圧シリンダ84と平行に油圧シリンダ84の前部まで延伸し、側面視おいて前端部から後上がり傾斜しゲージ輪80の上方に至り、引続き水平に延伸している。
4 脱穀装置
5 刈取前処理装置
20 フィーダハウス
30 オーガ装置
31 オーガフレーム
31a 側壁
31b 後板
31c 底板
32 開口部
33 掻込みオーガ
40 搬送装置
41 枠体
42 駆動軸
43 筒体
44 従属軸
45 搬送ラグ
47 縦回り搬送装置
50 刈刃装置
51 伝動ケース
52 刈刃
53 油圧モータ
60 掻込み装置
61 掻込みリール
63 掻込みフレーム
64 ルールタイン
64a 第1リールタイン
64b 第2リールタイン
64c 第3リールタイン
65 タイン支持杆
70 カバー
71 前カバー
72 頂部
73 後カバー
74 弾性カバー
80 ゲージ輪
85 防止カバー
86 防止杆
91 刈高さ検出器
102 走向ミッション
Claims (4)
- 脱穀装置(4)の前方に設けられたコンバインの刈取前処理装置(5)であって、
該刈取前処理装置(5)は、左右の側壁(31a,31a)と後板(31b)と底板(31c)によって構成されるオーガフレーム(31)と、
前記左右の側壁(31a,31a)間に両端を軸支した掻込みオーガ(33)と、
前記後板(31b)部に形成した開口部(32)と脱穀装置(4)を連通するフィーダハウス(20)と、
穀稈搬送用の複数の搬送ラグ(45)を備え前記掻込オーガ(33)の前側において左右方向に複数並設された縦回り搬送装置(47)と、
縦回り搬送装置(47)の下部に設けられ該縦回り搬送装置(47)によって搬送される穀桿の株元を切断する刈刃(52)とから構成し、
前記縦回り搬送装置(47)の搬送ラグ(45)は、縦回り搬送装置(47)の前部において下方に突出した後、縦回り搬送装置(47)の上側へ移動し、起立姿勢で後方へ移動する構成としたことを特徴とするコンバインの刈取前処理装置。 - 前記掻込オーガ(33)は、その前部が下降する方向へ回転する構成とし、側面視において、前記縦回り搬送装置(47)の後端部を前記掻込みオーガ(33)の前側下部に臨ませて配置したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの刈取前処理装置。
- 前記縦回り搬送装置(47)の上方に、多数のリールタイン(64)を有した掻込リール(61)を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のコンバインの刈取前処理装置。
- 前記リールタイン(64)は、左右に隣接する2つの前記縦回り搬送装置(47,47)の間に形成された穀稈導入通路内に侵入する第1リールタイン(64a)と、前記穀稈導入通路の外側を通過する第2リールタイン(64b)とから構成したことを特徴とする請求項3記載のコンバインの刈取前処理装置。
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