JP5772875B2 - 接続部材、接続部材の製造方法、およびロボット - Google Patents

接続部材、接続部材の製造方法、およびロボット Download PDF

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Description

開示の実施形態は、接続部材、接続部材の製造方法、およびロボットに関する。
従来、産業用ロボットなどのロボットアームは、複数のアーム体が関節機構を介して接続されて構成される。アーム体は、関節機構を支持する接続部材として機能するアームフレームにより構成されるが、かかるアームフレームには、先端に重量物を保持した状態での加減速運動による負荷や振動低減のために、十分な強度および剛性が求められる。
アームフレームには、鉄やアルミニウム合金の鋳造品、あるいは鋼板による成形加工品が用いられる。しかし、アームフレームの先端側に重量物が保持されていると、基端側の慣性モーメントが大きくなるため、ロボットの高速化を阻害する。ロボットの高速化のためには、アームフレームは軽量であることが望ましい。
このように、ロボットのアームフレームには、高い強度と剛性を有するとともに軽量化が望まれる。例えば、特許文献1には、アームフレームの材料に着目し、高強度で剛性も高くさらに比重が小さい繊維強化プラスチックをアームフレームに適用した技術が開示されている。
特開2010−115732号公報
しかしながら、強度、加工性、放熱性能、およびコスト面などからすれば、繊維強化プラスチックなどではなく、例えば、安価な鋼板などの金属材料を利用しながら強度面と軽量化とを両立させることが望まれる。そのためには、自動車などに用いられる高張力鋼板を適用することが考えられる。
しかし、関節機構を構成するモータや減速機などを、接続部材となるアームフレームにボルトを用いて強固に固定しようとすると、アームフレームには、少なくともボルトを連結する箇所を一定以上の厚みにする必要がある。かといって、アームフレームの厚みを増すことは軽量化の面で望ましくない。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、鋼板を用いながらも十分な強度および剛性を有し、かつ軽量化を図ることのできる接続部材、接続部材の製造方法、およびロボットを提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る接続部材は、主部材と、当該主部材に接合される副部材とを備える。主部材は、一定の強度を有する板状の第1の材料で形成され、被接続体を装着するための孔部が設けられるとともに、所定の形状に折曲形成される。副部材は、前記第1の材料よりも比重が小さい第2の材料で、前記主部材よりも厚肉に形成されるとともに、前記主部材の前記孔部の周りに接合され、前記被接続体を締結するための締結部材を挿通する挿通孔が形成される。
実施形態の一態様によれば、鋼板を用いながらも十分な強度および剛性を有し、かつ軽量化を図ることのできる接続部材、接続部材の製造方法、およびロボットを提供することができる。
図1Aは、実施形態に係るロボットを示す図である。 図1Bは、同上のロボットへの実施形態に係る接続部材の配設状態を示す図である。 図2は、同上の接続部材を示す図である。 図3は、同上の接続部材の使用状態の1例を示す図である。 図4は、同上の接続部材の展開図である。 図5Aは、同上の接続部材の挿通孔の1例を示す図である。 図5Bは、同上の接続部材の挿通孔の1例を示す図である。 図6は、同上の接続部材の挿通孔の変形例を示す図である。 図7は、同上の接続部材の使用状態の変形例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する接続部材、接続部材の製造方法、およびロボットの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
先ず、本実施形態に係るロボットの概要について、図1Aおよび図1Bを用いて説明する。図1Aは、実施形態に係るロボット10を示す図、図1Bは、ロボット10への実施形態に係る接続部材4の配設状態を示す図である。
図1Aに示すように、本実施形態に係るロボット10は、胴体部100の上端部に設けられたロボットアーム200を備える。なお、ロボット10は単一のロボットアーム200を備える構成としたが、左右のロボットアーム200を備える双腕型ロボットとすることができる。
ロボットアーム200は、複数のアーム体が、それぞれ、関節部2を介して回動自在に連結されて構成される。
そして、図1Bに示すように、各アーム体は、ロボットアーム200の骨格を構成するフレーム部と、このフレーム部を適宜覆うカバー部とを備える。図示するように、関節部2のフレーム部は、アクチュエータ3を接続する接続部材4として機能する。なお、接続部材4によって接続されるアクチュエータ3は、減速機付きモータである。また、図1Bに示すように、接続部材4は、カバー体210で被覆されている。
このように、本実施形態に係るロボット10はロボットアーム200を備えており、ロボットアーム200は、アクチュエータ3が取付けられた接続部材4を介して複数のアーム体が連結されて構成される。
ここで、図2〜図4を参照して、接続部材4について具体的に説明する。図2は、接続部材4を示す図、図3は、接続部材4の使用状態の1例を示す図、図4は、接続部材4の展開図である。
図2および図3に示すように、接続部材4は、鉄を主成分とした一定の強度を有する第1の材料により板状に形成された主部材4Aと、この主部材4Aに形成された孔部の周りに接合されたリング状の副部材4Bとを備える。
主部材4Aとしては、高張力鋼板が用いられ、副部材4Bとしてはアルミリングが用いられる。すなわち、副部材4Bとしては、第1の材料よりも比重が小さい第2の材料として、アルミニウムを主成分とするリング体が用いられている。
高張力鋼板からなる主部材4Aは、所定の形状に折曲形成される。すなわち、主部材4Aは、アクチュエータ3を装着するための孔部がそれぞれ設けられた第1主面部41および第2主面部42と、これら第1主面部41および第2主面部42を接続する折り返し部43とを備える。
折り返し部43は、図示するように、立ち上がり部431と水平部432とから形成される。立ち上がり部431は、第1主面部41から略垂直に、第2主面部42に対して略平行に延在する。一方、水平部432は、立ち上がり部431から直角に折曲され、第1主面部41に対して略平行に延在する。換言すれば、水平部432は、第2主面部42から略垂直に、第1主面部41に対して略平行に延在する。
かかる折り返し部43には、その中央近傍に、立ち上がり部431と水平部432とを跨いで形成される連結孔44が略矩形形状に形成されている。そして、図3に示すように、連結孔44に信号線などを含むケーブル31が挿通される。
また、接続部材4は左右の連結部45を備える。連結部45は、第1主面部41の左右側縁に略垂直に折曲されて、前端を第2主面部42の裏面部に接続している。かかる連結部45により、接続部材4は、一定の剛性を有するフレーム部として機能する。なお、さらなる強度アップを図るために、接続部材4に補強リブを適宜設けることもできる。
前述したように、ロボットアーム200に設けられたアクチュエータ3は、減速機を備えた減速機一体型モータとしている。しかし、アクチュエータ3としては、特に限定されるものではない。また、モータとしても、必ずしも減速機一体型ではなく、モータ単独であってもよい。また、モータは別途配設し、接続部材4には、減速機のみをアクチュエータ3として取付ける構成とすることもできる。
アクチュエータ3を装着するための孔部として、図2に示すように、第1主面部41に第1孔部401が形成され、第2主面部42には第2孔部402が形成されている。ここでは、第2孔部402を、第1孔部401よりも相対的に大径としている。しかし、これらのサイズは、何ら限定されるものではなく、同径であっても、あるいは第1孔部401が相対的に大径であってもよい。
第1孔部401と第2孔部402の周りには、副部材4Bである第1リング体51と第2リング体52とが、第1、第2孔部401,402と同心円的に設けられている。すなわち、第1リング体51は第1孔部401を、第2リング体52は第2孔部402を、それぞれ囲うように接合される。
図3に示すように、第1リング体51および第2リング体52は、第1主面部41および第2主面部42に溶接されている。図中、符号7は溶接ビードを示す。また、副部材4Bである第1リング体51および第2リング体52は、アルミニウムを主成分とし、図示するように、主部材4Aよりも厚肉に形成されている。そして、第1リング体51および第2リング体52は、アクチュエータ3を締結するための締結部材であるボルト6を挿通する挿通孔500が形成されている。
図5Aおよび図5Bは、それぞれ挿通孔500の1例を示す図であり、図6は、接続部材4の挿通孔500の変形例を示す図である。図5Aおよび図5Bに示すように、挿通孔500には雌ネジ部501が形成されている。かかる雌ネジ部501にボルト6がねじ込まれ、アクチュエータ3が接続部材4に確実に締結される。
なお、本実施形態に係る接続部材4は、挿通孔500に対応する孔として、第1主面部41には主部材側挿通孔410を形成しているが(図5A)、第2主面部42には形成していない(図5B)。しかし、第2主面部42においても、第2リング体52の挿通孔500に対応する孔を形成しても構わない。
また、例えば、第1主面部41に装着されたアクチュエータ3のように、アクチュエータ3側に雌ネジ部が形成されている場合、図6に示すように、挿通孔500には雌ネジ部501を形成する必要はない。
そして、第1孔部401に取り付けられたアクチュエータ3と、第2孔部402に取り付けられたアクチュエータ3とは、互いの軸線300,300が直交するように配設される。すなわち、装着した際のアクチュエータ3,3の軸線300,300同士が直交するように、肉厚に形成された第1リング体51および第2リング体52の表面には、面出しのための下地処理が予め施される。
このように、第1リング体51および第2リング体52は、アクチュエータ3を固定する台座としての機能と、ロボットアーム200に要求される高い直交精度(例えば、寸法公差0.03mm以下)を保つための切削代を、予め付与しておく役割を担っている。
このように、接続部材4にボルト6を用いて強固に固定しようとする場合、ボルト6を連結するために一定以上の厚みが必要となる。本実施形態に係る接続部材4は、その部分に軽量なアルミリング(第1リング体51および第2リング体52)を用いているため、主部材4Aに高張力鋼板を用いたことと相俟って、強度と軽量化とを両立させることができる。
ここで、接続部材4の製造方法について、具体的に説明する。
先ず、2mm以下の厚さ(例えば、1.4mm)の高張力鋼板を、例えばレーザ切断により所定の形状に切断するとともに、穴加工して、図4に示すように、所定形状の主部材4Aを形成する。主部材4Aには、第1主面部形成部41aおよび第2主面部形成部42aと、これら第1主面部形成部41aおよび第2主面部形成部42aを繋いでいる繋ぎ部43aと、左右の連結部45が形成される。
なお、第1主面部形成部41aには第1孔部401が、第2主面部形成部42aには第2孔部402が形成されており、繋ぎ部43aは、後に折曲加工されて立ち上がり部431と水平部432とが形成されることになる。
次に、アルミリングとして、それぞれ厚さを2mm以上としたアルミ合金製の第1リング体51と第2リング体52とを形成する。そして、第1リング体51および第2リング体52の所定箇所に挿通孔500を形成する。このとき、挿通孔500にタップ加工を施し、雌ネジ部501を形成する。なお、図4においては、挿通孔500を省略している。なお、アルミ合金としては、溶接可能なA6061材を用いることができる。
ところで、第1リング体51および第2リング体52の具体的な厚み寸法は、表面切削量と、雌ネジ部501(図5Aおよび図5Bを参照)としての必要長さを勘案して適宜決定することができる。
次に、第1リング体51と第2リング体52とを、主部材4Aの第1孔部401および第2孔部402と同心円的に配置して、例えばMIG溶接によって接合する。すなわち、第1リング体51および第2リング体52を、第1孔部401および第2孔部402を囲うようにして溶接する。
その後、図4に示した折り曲げ線403に沿って折曲加工するとともに、左右の連結部45の先端を第2主面部42の裏面に溶接し、図3に示す形状に組み立てる。
そして、第1主面部41および第2主面部42にアクチュエータ3を装着したときに、両アクチュエータ3,3の軸心同士が垂直な関係になるように、第1リング体51および第2リング体52の表面に、面出しのための下地処理を施す。また、接続部材4に所定の強度を付与するために、主部材4A上に、適宜、リブなどを設けることもできる。
以上、説明してきた手順により、所定の接続部材4を得ることができる。すなわち、本実施形態に係る接続部材4の製造方法としては、次の各工程を含む。
(a)一定の強度を有する第1の材料である高張力鋼板を用いて、被接続体であるアクチュエータ3を装着するための孔部(第1孔部401および第2孔部402)を有する所定形状の主部材4Aを形成する主部材形成工程。
(b)第1の材料よりも比重が小さい第2の材料であるアルミ合金を用いて、主部材4Aよりも厚肉の副部材4Bである第1リング体51および第2リング体52を形成する副部材形成工程。
(c)副部材4Bである第1リング体51および第2リング体52を、主部材4Aの第1孔部401および第2孔部402の周りに接合する接合工程。
(d)主部材4Aを折曲して所定の形状に組み立てる組立工程。
(e)副部材4Bである第1リング体51および第2リング体52に、アクチュエータ3を締結するためのボルト6を挿通する挿通孔500を形成する挿通孔形成工程。
(f)第1リング体51および第2リング体52の表面を面出し加工する面出し工程。
(g)挿通孔500に雌ネジ部501を形成するタップ工程。
上述した工程を経て得られた接続部材4は、十分な強度および剛性を有しながら、例えば、ロボットアーム200用としてアルミ鋳物で形成されたフレームと比べて大幅に(例えば約60%)軽量化することができる。
なお、第1リング体51および第2リング体52に挿通孔500を形成する挿通孔形成工程は、第1リング体51および第2リング体52を主部材4Aに接合する接合工程の後でもよいし、その前であっても構わない。
なお、本実施形態に係る接続部材4は、2つのアクチュエータ3を装着可能な構成としたが、装着可能なアクチュエータ3の数は何ら限定されることはない。
また、接続部材4としては、単独に用いるだけに限らず、複数の接続部材4を組み合わせて用いることもできる。図7は、接続部材の使用状態の変形例を示す図である。なお、図7において、上述してきた実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図示するように、第1の接続部材8と第2の接続部材9とを用意して、3つのアクチュエータ3を装着することもできる。すなわち、第1の接続部材8および第2の接続部材9の共用孔部81,91を利用して1つのアクチュエータ3を装着し、他の装着孔部82,91にそれぞれ他のアクチュエータ3を装着するのである。なお、当然ながら、この場合においても、共用孔部81,91および他の装着孔部82,92は、高張力鋼板に形成された孔部と、孔部を囲むように高張力鋼板に接合されたアルミ合金からなるリング体により形成される。
また、本実施形態では、接続部材4を、ロボットアーム200の関節部2に採用した例を示した。しかし、接続部材4は、ロボット10のみならず、たとえば一対のリンクを、モータなどのアクチュエータを用いて回動自在に連結する構造を備えるものであれば、適宜用いることができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
2 関節部
3 アクチュエータ(被接続体)
4 接続部材
4A 主部材
4B 副部材
6 ボルト(締結部材)
10 ロボット
51 第1リング体(アルミリング)
52 第2リング体(アルミリング)
401 第1孔部
402 第2孔部
500 挿通孔
501 雌ネジ部

Claims (8)

  1. 一定の強度を有する第1の材料で板状に形成され、被接続体を装着するための孔部が設けられるとともに、所定の形状に折曲形成された主部材と、
    前記第1の材料よりも比重が小さい第2の材料で、前記主部材よりも厚肉に形成されるとともに、前記主部材の前記孔部の周りに接合され、前記被接続体を締結するための締結部材を挿通する挿通孔が形成された副部材と、
    を備えることを特徴とする接続部材。
  2. 前記主部材は、鉄を主成分とする前記第1の材料により形成された高張力鋼板であり、前記副部材は、アルミニウムを主成分とする前記第2の材料により形成されたリング体であり、前記副部材は、前記主部材に溶接される
    ことを特徴とする請求項1に記載の接続部材。
  3. 前記リング体は、前記孔部を囲うように接合されることを特徴とする請求項2に記載の接続部材。
  4. 前記締結部材はボルトであり、前記副部材の前記挿通孔には雌ネジが形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の接続部材。
  5. 前記被接続体は、モータおよび減速機の両方またはいずれか一方を備えるアクチュエータである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の接続部材。
  6. 請求項5に記載の接続部材を備え、
    前記接続部材を介して複数のアーム体が連結されている
    ことを特徴とするロボット。
  7. 一定の強度を有する第1の材料を用いて、被接続体を装着するための孔部を有する所定形状の主部材を形成する主部材形成工程と、
    前記第1の材料よりも比重が小さい第2の材料を用いて、前記主部材よりも厚肉の副部材を形成する副部材形成工程と、
    前記副部材を、前記主部材の前記孔部の周りに接合する接合工程と、
    前記主部材を折曲して所定の形状に組み立てる組立工程と、
    前記副部材に、前記被接続体を締結するための締結部材を挿通する挿通孔を形成する挿通孔形成工程と、
    前記副部材の表面を面出し加工する面出し工程と、
    前記挿通孔に雌ネジを形成するタップ工程と、
    を含むことを特徴とする接続部材の製造方法。
  8. 前記主部材は、鉄を主成分とする前記第1の材料により形成された高張力鋼板であり、前記副部材は、アルミニウムを主成分とする前記第2の材料により形成されたアルミリングであり、
    前記接合工程では、前記アルミリングを前記高張力鋼板に溶接する
    ことを特徴とする請求項7に記載の接続部材の製造方法。
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