JP5772747B2 - 固体電解質の保管方法及び保管装置、並びに全固体電池の製造方法 - Google Patents

固体電解質の保管方法及び保管装置、並びに全固体電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体電解質の保管方法及び保管装置、並びに全固体電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、他の二次電池よりもエネルギー密度が高く、高電圧での動作が可能という特徴を有している。そのため、リチウムイオン二次電池は小型軽量化を図りやすい二次電池として携帯電話等の小型情報機器に使用されている。また、近年は電気自動車やハイブリッド自動車用等の大型機器の動力用としても、リチウムイオン二次電池の需要が高まっている。
リチウムイオン二次電池には、正極層及び負極層と、これらの間に配置される電解質層とが備えられている。当該電解質層に用いられる電解質としては、例えば非水系の液体状や固体状の物質が知られている。液体状の電解質(以下において、「電解液」という。)は、正極層や負極層の内部へと浸透しやすい。そのため、電解液が用いられる場合には、正極層や負極層に含有されている活物質と電解質との界面が形成され易いので、電池の性能を向上させやすい。ところが、広く用いられている電解液は可燃性であるため、安全性を確保するためのシステムを搭載する必要がある。一方、難燃性である固体状の電解質(以下において、「固体電解質」という。)を用いると、上記システムを簡素化できる。それゆえ、不燃性である固体電解質を含有する層(以下において、「固体電解質層」という。)が備えられる形態の電池(以下において、「全固体電池」という。)が提案されている。
全固体電池において、固体電解質は固体電解質層だけでなく正極層や負極層にも含まれることがある。このような固体電解質を含む部材は形成された後しばらく経ってから全固体電池へと組み込まれる。このとき、固体電解質が水分を含む雰囲気下に置かれていると、該固体電解質が水と反応することによって劣化(イオン伝導度が低下)するという問題を生じることがあった。また、全固体電池の製造過程において固体電解質が水と反応すれば、該固体電解質のイオン伝導度が低下することによって該固体電解質を備えた全固体電池の性能が低下する虞があった。
固体電解質は上記のような問題を生じる虞があるため、固体電解質と該固体電解質に接する雰囲気中の水との反応は極力避けるようにすべきである。固体電解質と該固体電解質に接する雰囲気中の水との反応を避ける等の観点からなされた発明として、例えば特許文献1には、アルカリ金属を含む薄膜および/または無機固体電解質を含む薄膜を製造する方法であって、薄膜製造工程において前記アルカリ金属または前記無機固体電解質もしくはその原料と接触する雰囲気の露点を−40℃とすることを特徴とする、薄膜製造方法が開示されている。
特開2002−212705号公報
上記特許文献1に開示された薄膜製造方法のように固体電解質と接触する雰囲気の露点を低くすれば、固体電解質と該固体電解質に接する雰囲気中の水とが反応することを抑制し得る。そのため、固体電解質の劣化を抑制し得ると考えられる。しかしながら、本発明者は、低露点雰囲気下で固体電解質を保管していたとしても、保管時間が長時間になると固体電解質と水とが徐々に反応し、固体電解質が劣化するということを知見した。すなわち、従来技術では固体電解質の劣化を十分に抑制できているとは言えなかった。また、上記のように固体電解質が劣化すると、該固体電解質を用いて得られる全固体電池の性能が低下する虞がある。
そこで本発明は、固体電解質の劣化を抑制できる固体電解質の保管方法及び保管装置、並びに、性能低下が抑制された全固体電池を製造することができる全固体電池の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。すなわち、
本発明の第1の態様は、正極層、負極層、該正極層及び該負極層の間に配設された固体電解質層を有する全固体電池の製造方法であって、前記正極層、前記負極層、及び前記固体電解質層を作製する第1工程と、前記正極層、前記負極層、及び前記固体電解質層のうち固体電解質を含む少なくとも1つについて、該固体電解質の比表面積と、該固体電解質に接する雰囲気中の水分量と、該固体電解質が当該雰囲気に置かれた保管時間との積算値を算出し、該積算値からイオン伝導度の維持率を推定し、推定された前記イオン伝導度の維持率が所定値以下であるか否かを判定し、所定値以下と判定した場合に該固体電解質に脱水処理を施す脱水工程と、前記正極層及び前記負極層の間に前記固体電解質層を配設する積層工程と、を有する全固体電池の製造方法である。
全固体電池において、固体電解質は固体電解質層だけなく、正極層及び/又は負極層にも含まれる場合がある。本発明において、「正極層、負極層、及び固体電解質層のうち固体電解質を含む少なくとも1つ」とは、例えば、固体電解質層、正極層、及び負極層が固体電解質を含む場合は、固体電解質層、正極層、及び負極層のうち少なくとも1つを意味する。
固体電解質のイオン伝導度は、固体電解質に何の処理も施さなければ時間の経過と共に低下する傾向にある。固体電解質に脱水処理を施すことによって、固体電解質のイオン伝導度を回復させることができ、固体電解質が劣化することを抑制できる。劣化が抑制された固体電解質を用いて全固体電池を製造することによって、得られる全固体電池の性能低下を抑制することができる。
本発明において「イオン伝導度の維持率」とは、ある固体電解質について、形成直後におけるイオン伝導度に対する現在のイオン伝導度の割合(%)を意味する。すなわち、イオン伝導度の維持率は、「(固体電解質の現在のイオン伝導度/該固体電解質を形成した直後におけるイオン伝導度)×100%」によって表わすことができる。固体電解質のイオン伝導度の維持率(以下、単に「伝導度維持率」ということがある。)が所定値以下となったときに固体電解質を脱水することによって、適切なタイミングで固体電解質を脱水して該固体電解質のイオン伝導度を回復させ易くなるため、固体電解質の劣化を抑制し易くなる。
上記本発明の第1の態様において、上記所定値を30%以上の任意の値とすることが好ましい。上記所定値を30%以上の任意の値に設定することによって、固体電解質のイオン伝導度を回復し易くなるため、固体電解質の劣化を抑制し易くなる。
また、上記本発明の第1の態様の脱水工程において、固体電解質の比表面積と、固体電
解質に接する雰囲気中の水分量と、固体電解質が当該雰囲気に置かれた保管時間との積算
値を算出し、該積算値からイオン伝導度の維持率を推定することによって、固体電解質の脱水を適切なタイミングで行い易くなる。
また、上記本発明の第1の態様において、脱水工程を複数回行う場合、演算工程において、一の脱水工程の後、当該一の脱水工程の次の脱水工程までの時間を保管時間として積算値を算出することが好ましい。このように一度脱水処理を行った後に一旦保管時間のカウントをリセットすることによって、次の脱水処理を行う際の基準となる上記積算値を適切に算出し易くなる。
また、上記本発明の第1の態様において、脱水工程が、固体電解質の結晶化温度未満の温度で固体電解質を加熱する加熱工程を含むことが好ましい。固体電解質の結晶化温度未満の温度で固体電解質を加熱することによって、結晶化によってイオン伝導度が低い相(以下、「低伝導相」ということがある。)が形成されることを抑制しつつ、固体電解質から脱水して固体電解質のイオン伝導度を回復し易くなる。
また、上記本発明の第1の態様において、脱水工程が上記加熱工程を含む場合、当該加熱工程は加熱時間の経過とともに加熱温度を高くすることが好ましい。加熱時間の経過とともに固体電解質からの脱水が進む。固体電解質からの脱水が進むにつれて結晶化温度は上昇する。結晶化温度の上昇に合わせて加熱温度を次第に上げることで、固体電解質からの脱水を早期に完了させることができる。
また、上記本発明の第1の態様において、固体電解質に接する雰囲気を減圧して上記加熱工程を行うことが好ましい。減圧して加熱工程を行うことによって、固体電解質からさらに脱水し易くなる。
また、上記本発明の第1の態様において、固体電解質に接する雰囲気の露点を好ましくは−30℃以下、より好ましくは−76℃以下にして上記加熱工程を行うことが望ましい。低露点雰囲気下で加熱工程を行うことによって、固体電解質からさらに脱水し易くなる。
上記本発明の第1の態様に係る全固体電池の製造方法は、固体電解質が硫化物固体電解質である場合に好適である。本発明において「硫化物固体電解質」とは、硫化物を含む固体電解質である。硫化物固体電解質は水分の付着によってイオン伝導度が低下する。本発明によれば水分が付着した硫化物固体電解質から脱水することによって、硫化物固体電解質の低下したイオン伝導度を回復させることができる。
また、上記本発明の第1の態様において、上記硫化物固体電解質がLiIを含むことが好ましい。硫化物固体電解質がLiIを含むことによって、一定量の水分がLiIと反応してLiIの水和物を形成する。このように水分子をLiIに化学吸着させることで、硫化物固体電解質に含まれる基本骨格と水分との反応を遅らせ、硫化物固体電解質の劣化を抑制することができる。
本発明の第2の態様は、固体電解質の保管方法であって、前記固体電解質の比表面積と、前記固体電解質に接する雰囲気中の水分量と、前記固体電解質が当該雰囲気に置かれた保管時間との積算値を算出し、該積算値から前記イオン伝導度の維持率を推定する演算工程と、 前記演算工程で推定された前記イオン伝導度の維持率が所定値以下であるか否かを判定し、所定値以下と判定した場合に前記固体電解質に脱水処理を施す脱水工程と、を有する、固体電解質の保管方法である。
上記のように固体電解質に脱水処理を施すことによって、固体電解質が脱水され、伝導度維持率が低くなった固体電解質のイオン伝導度を回復させることができ、固体電解質が劣化することを抑制できる。
上記本発明の第2の態様において、上記所定値を30%以上の任意の値とすることが好ましい。上記所定値を30%以上の任意の値に設定することによって、固体電解質のイオン伝導度を回復し易くなるため、固体電解質の劣化を抑制し易くなる。
また、上記本発明の第2の態様の演算工程において、固体電解質の比表面積と、固体電解質に接する雰囲気中の水分量と、固体電解質が当該雰囲気に置かれた保管時間との積算値を算出し、該積算値からイオン伝導度の維持率を推定することによって、脱水工程を適切なタイミングで行い易くなる。
また、上記積算値からイオン伝導度の維持率を推定する本発明の第2の態様において、脱水工程を複数回行う場合、演算工程において、一の脱水工程の後、当該一の脱水工程の次の脱水工程までの時間を保管時間として積算値を算出することが好ましい。このように一度脱水処理を行った後に一旦保管時間のカウントをリセットすることによって、次の脱水処理を行う際の基準となる上記積算値を適切に算出し易くなる。
また、上記本発明の第2の態様において、脱水工程が固体電解質の結晶化温度未満の温度で固体電解質を加熱する加熱工程を含むことが好ましい。固体電解質の結晶化温度未満の温度で固体電解質を加熱することによって、結晶化によって低伝導相が形成されることを抑制しつつ、固体電解質から脱水して固体電解質のイオン伝導度を回復し易くなる。
また、上記本発明の第2の態様において、脱水工程が上記加熱工程を含む場合、当該加熱工程は加熱時間の経過とともに加熱温度を上昇させることが好ましい。加熱時間の経過とともに固体電解質からの脱水が進む。固体電解質からの脱水が進むにつれて結晶化温度は上昇する。結晶化温度の上昇に合わせて加熱温度を次第に上げることで、固体電解質からの脱水を早期に完了させることができる。
また、上記本発明の第2の態様において、固体電解質に接する雰囲気を減圧して上記加熱工程を行うことが好ましい。減圧して加熱工程を行うことによって、固体電解質からさらに脱水し易くなる。
また、上記本発明の第2の態様において、固体電解質に接する雰囲気の露点を好ましくは−30℃以下、より好ましくは−76℃以下にして上記加熱工程を行うことが望ましい。低露点雰囲気下で加熱工程を行うことによって、固体電解質からさらに脱水し易くなる。
上記本発明の第2の態様に係る固体電解質の保管方法は、該固体電解質が硫化物固体電解質である場合に好適である。硫化物固体電解質は水分の付着によってイオン伝導度が低下する。本発明によれば水分が付着した硫化物固体電解質から脱水することによって、硫化物固体電解質の低下したイオン伝導度を回復させることができる。
また、上記本発明の第2の態様において、上記硫化物固体電解質がLiIを含むことが好ましい。硫化物固体電解質がLiIを含むことによって、一定量の水分がLiIと反応してLiIの水和物を形成する。このように水分子をLiIに化学吸着させることで、硫化物固体電解質に含まれる基本骨格と水分との反応を遅らせ、硫化物固体電解質の劣化を抑制することができる。
本発明の第3の態様は、固体電解質の保管装置であって、前記固体電解質の比表面積と、前記固体電解質に接する雰囲気中の水分量と、前記固体電解質が当該雰囲気に置かれた保管時間との積算値を算出し、該積算値から前記イオン伝導度の維持率を推定する演算手段と、前記演算手段によって推定された前記イオン伝導度の維持率が所定値以下であるか否かを判定し、所定値以下と判定した場合に前記固体電解質に脱水処理を施す脱水手段と、を備える、固体電解質の保管装置である。
上記のように固体電解質に脱水処理を施すことによって、固体電解質が脱水され、伝導度維持率が低くなった固体電解質のイオン伝導度を回復させることができ、固体電解質が劣化することを抑制できる。
上記本発明の第3の態様において、上記所定値が30%以上の任意の値であることが好ましい。上記所定値を30%以上の任意の値に設定することによって、固体電解質のイオン伝導度を回復し易くなるため、固体電解質の劣化を抑制し易くなる。
また、上記本発明の第3の態様において、演算手段が、固体電解質の比表面積と、固体電解質に接する雰囲気中の水分量と、固体電解質が当該雰囲気に置かれた保管時間との積算値を算出し、該積算値からイオン伝導度の維持率を推定することによって、固体電解質に対する脱水処理を適切なタイミングで行い易くなる。
また、上記本発明の第3の態様において、脱水処理を複数回行う場合、演算手段が、一の脱水処理の後、当該一の脱水処理の次の脱水処理までの時間を保管時間として積算値を算出することが好ましい。このように一度脱水処理を行った後に一旦保管時間のカウントをリセットすることによって、次の脱水処理を行う際の基準となる上記積算値を適切に演算し易くなる。
また、上記本発明の第3の態様において、脱水手段が固体電解質の結晶化温度未満の温度で固体電解質を加熱する加熱手段を含むことが好ましい。固体電解質の結晶化温度未満の温度で固体電解質を加熱することによって、結晶化によってイオン伝導度が低い低伝導相が形成されることを抑制しつつ、固体電解質から脱水して固体電解質のイオン伝導度を回復し易くなる。
また、上記本発明の第3の態様において、脱水手段が上記加熱手段を含む場合、当該加熱手段は加熱時間の経過とともに加熱温度を高くする手段であることが好ましい。加熱時間の経過とともに固体電解質からの脱水が進む。固体電解質からの脱水が進むにつれて結晶化温度は上昇する。結晶化温度の上昇に合わせて加熱温度を次第に上げることで、固体電解質からの脱水を早期に完了させることができる。
また、上記本発明の第3の態様において、脱水手段が加熱手段を使用する際に固体電解質に接する雰囲気を減圧する手段を含むことが好ましい。減圧して固体電解質を加熱することによって、固体電解質からさらに脱水し易くなる。
また、上記本発明の第3の態様において、脱水手段が加熱手段を使用する際に固体電解質に接する雰囲気の露点を好ましくは−30℃以下、より好ましくは−76℃以下にすることができる手段を含むことが望ましい。低露点雰囲気下で固体電解質を加熱することによって、固体電解質からさらに脱水し易くなる。
上記本発明の第3の態様に係る固体電解質の保管装置は、該固体電解質が硫化物固体電解質である場合に好適である。硫化物固体電解質は水分の付着によってイオン伝導度が低下する。本発明によれば水分が付着した硫化物固体電解質から脱水することによって、硫化物固体電解質の低下したイオン伝導度を回復させることができる。
また、上記本発明の第3の態様において、硫化物固体電解質がLiIを含むことが好ましい。硫化物固体電解質がLiIを含むことによって、一定量の水分がLiIと反応してLiIの水和物を形成する。このように水分子をLiIに化学吸着させることで、硫化物固体電解質に含まれる基本骨格と水分との反応を遅らせ、硫化物固体電解質の劣化を抑制することができる。
本発明の第4の態様は、正極層、負極層、該正極層及び該負極層の間に配設された固体電解質層を有する全固体電池の製造方法であって、正極層、負極層、及び固体電解質層を作製する第1工程と、正極層、負極層、及び固体電解質層のうち固体電解質を含む少なくとも一つについて、該固体電解質の形成直後のイオン伝導度に対するイオン伝導度の維持率を算出する演算工程と、演算工程で算出されたイオン伝導度の維持率が所定値以下となる前に、固体電解質層を正極層及び負極層の間に配設して密封する工程と、を有する、全固体電池の製造方法である。
伝導度維持率が所定値以下となる前に全固体電池を製造することによって、得られる全固体電池の性能低下を抑制することができる。
本発明によれば、固体電解質の劣化を抑制することができる固体電解質の保管方法及び保管装置、並びに、性能低下が抑制された全固体電池を製造することができる全固体電池の製造方法を提供することができる。
固体電解質の比表面積、固体電解質に接する雰囲気中の水分量、及び固体電解質が当該雰囲気に置かれた保管時間の積算値と、固体電解質の体積抵抗率の増加度合との関係を示すグラフである。 図2(A)は、加熱温度と伝導度維持率との関係を示すグラフである。図2(B)は、加熱時間と伝導度維持率との関係を示すグラフである。 図3(A)は、−30℃露点下で所定時間暴露したLiIを含む固体電解質のX線回折スペクトルである。図3(B)は、−30℃露点下で所定時間暴露したLiIを含まない固体電解質と上記LiIを含む固体電解質との31P MAS NMRスペクトルである。 LiIを含む固体電解質を−30℃露点下で所定の時間暴露した直後(加熱前)と、暴露後に60℃で加熱した場合と、暴露後に120℃で加熱した場合とについて、交流インピーダンス法でイオン伝導度を測定した結果を示している。 固体電解質の吸水量(増加重量)とイオン伝導に対する抵抗の増加割合の関係を示すグラフである。 固体電解質を−30℃露点下で4時間暴露した後、様々な温度で加熱したときの加熱温度と脱水量と関係を示すグラフである。 固体電解質を−30℃露点下で暴露したときの、暴露時間と固体電解質の結晶化温度との関係を説明するグラフである。 図8(A)は、結晶化温度未満の温度での加熱処理前後における固体電解質の結晶構造をX線構造解析で調べた結果を示している。図8(B)は、当該加熱処理前後の固体電解質の伝導度維持率を示すグラフである。 図9(A)は、結晶化温度以上の温度での加熱処理前後における固体電解質の結晶構造をX線構造解析で調べた結果を示している。図9(B)は、当該加熱処理前後の固体電解質の伝導度維持率を示すグラフである。
1.固体電解質の保管方法
固体電解質は水と反応することによって劣化し、イオン伝導度が低下する。例えば、リチウムイオン二次電池に用いられる硫化物固体電解質は水に触れることで劣化(硫化水素が発生し、リチウムイオン伝導度が低下)するため、低露点雰囲気下で扱うべきことは周知である。しかしながら、固体電解質を低露点雰囲気下で保管していた場合あっても、当該雰囲気下に長時間保管することによって固体電解質が水と徐々に反応して劣化することがあった。このように、従来、固体電解質を低露点雰囲気下で保管すべきであることは知られていたが、当該雰囲気下における保管時間をどの程度にすべきであるかということ等については具体的に検討されていなかった。また、水と反応したことによってイオン伝導度が低下した固体電解質について、そのイオン伝導度を回復させる方法についても検討されていなかった。
本発明者は、例えば、硫化物固体電解質が水と反応した場合、硫化水素が発生する反応は不可逆反応であるが、潮解は可逆反応である可能性があると考えた。そして、不可逆反応が起こって劣化した固体電解質のイオン伝導度を回復させることは困難であったとしても、可逆反応が起こって劣化している固体電解質であればイオン伝導度を回復させることができると考えた。すなわち、固体電解質が水と反応した場合において、まだ劣化があまり進行していない段階では、該固体電解質から脱水することによって該固体電解質のイオン伝導度を水と反応する前の値に戻す、若しくは近づけることができると考えた。また、水との反応による固体電解質の劣化の進行度合は、該固体電解質の伝導度維持率から判断できると考えた。
上記観点から完成された本発明の固体電解質の保管方法は、該固体電解質について、形成直後のイオン伝導度に対する現在のイオン伝導度の維持率を算出する演算工程と、該演算工程で算出されたイオン伝導度の維持率が所定値以下となったときに固体電解質に脱水処理を施す脱水工程と、を有する。ここに「イオン伝導度の維持率」とは、ある固体電解質について、形成直後におけるイオン伝導度に対するイオン伝導度の割合(%)を意味する。すなわち、イオン伝導度の維持率は、(固体電解質の現在のイオン伝導度/該固体電解質を形成した直後におけるイオン伝導度)×100%によって表わすことができる。
固体電解質が水と反応した場合において、固体電解質の伝導度維持率が下がり過ぎる前に固体電解質に脱水処理を施せば、固体電解質のイオン伝導度を回復させることができる。本発明の固体電解質の保管方法によれば、演算工程において固体電解質の伝導度維持率を算出し、該伝導度維持率が所定値以下となったときに脱水工程において固体電解質に脱水処理を施すことによって、固体電解質のイオン伝導度を回復させることができるので、固体電解質が劣化することを抑制できる。
上記演算工程において固体電解質の伝導度維持率を算出する方法は特に限定されない。例えば、本発明者は、固体電解質の比表面積と、固体電解質に接する雰囲気中の水分量と、固体電解質が当該雰囲気下に置かれた保管時間との積算値から、固体電解質の伝導度維持率を推定できることを見出した。従来、保管する固体電解質の比表面積や保管時間等と固体電解質の劣化し易さとの関係について、具体的に検討されていなかった。しかしながら、本発明者は、上記積算値と固体電解質の伝導度維持率との間には関係があることを見出した。
図1は、固体電解質粉末をドライルーム(露点:−30℃〜−65℃)にて放置し、一定時間後に回収し、露点が−76℃以下の雰囲気下でイオン伝導度を測定した結果を示している。図1のグラフの横軸は、固体電解質の比表面積と、固体電解質に接する雰囲気中の水分量(体積分率)と、固体電解質が当該雰囲気下に置かれた保管時間との積算値[m/g・ppm・hr]である。縦軸は、測定されたイオン伝導度の逆数である体積抵抗率の、放置前(初期)の体積抵抗率に対する比(固体電解質の体積抵抗率の増加度合)を示している。図1のグラフ中において、◆、■、▲、□のプロットは、それぞれ初期の平均粒径(D50)が2.4μm、20μm、54μm、15μmであった固体電解質粉末を示している。
図1に示したように、イオン伝導度の逆数である体積抵抗率の増加度合は、「固体電解質の比表面積と、該固体電解質に接する雰囲気中の水分量と、該雰囲気下に置かれた保管時間との積算値」と比例関係にあることがわかった。具体的には、図1に示したグラフ内の全プロットの直線相関式は以下の通りであった。
y=0.0061x+1.0684
=0.08974
この結果から、上記積算値によって伝導度維持率を推定可能であることがわかった。例えば、上記の結果からは積算値が50以下であれば、伝導度維持率は80%以上であることがわかる。
上記積算値を用いて伝導度維持率を推定することによって、伝導度維持率の算出が容易になり、脱水工程を適切なタイミングで行い易くなる。したがって、本発明の固体電池の保管方法は、演算工程において、上記積算値を算出し、該積算値から固体電解質の伝導度維持率を推定することが好ましい。なお、上記積算値を用いて固体電解質の伝導度維持率を推定する場合において、脱水工程を複数回行う場合は、一の脱水工程の後、当該一の脱水工程の次の脱水工程までの時間を上記保管時間として上記積算値を算出することが好ましい。このように一度脱水処理を行った後に一旦保管時間のカウントをリセットすることによって、次の脱水処理を行う際の基準となる上記積算値を適切に算出し易くなる。なお、固体電解質と他の材料と含む部材を保管する場合(例えば、固体電解質と正極活物質又は負極活物質活物質などとを含む正極層又は負極層を保管する場合)は、その部材の比表面積と、接する雰囲気中の水分量と、当該雰囲気下に置かれた保管時間との積算値から伝導度維持率を推定することも可能である。
本発明の固体電池の保管方法では、上記積算値から固体電解質の伝導度維持率を推定することが好ましい。ただし、本発明はかかる形態に限定されず、公知の測定機器を用いて形成直後の固体電解質のイオン伝導度と該固体電解質の保管中のイオン伝導度とを測定し、両者を比較して伝導度維持率を算出してもよい。
次に、脱水工程について説明する。脱水工程では、演算工程において算出した固体電解質の伝導度維持率が所定値以下となったときに固体電解質に脱水処理を施す。脱水工程を行うか否かの判断基準となる上記所定値は、30%以上の任意の値とすることが好ましく、50%以上の任意の値とすることがより好ましい。上記積算値から伝導度維持率を推定して脱水工程を行う場合は、例えば、上記積算値が好ましくは350以下、より好ましくは150以下の任意の値となったときに脱水工程を行うようにすることができる。伝導度維持率がある程度高い段階で脱水処理を施すことによって、固体電解質のイオン伝導度を回復させ易くなるため、固体電解質の劣化を抑制し易くなる。
脱水工程において固体電解質から脱水する方法は特に限定されない。例えば、脱水工程は固体電解質を加熱する加熱工程を含むことが好ましい。固体電解質を加熱することによって、固体電解質から脱水し易くなる。
図2(A)及び図2(B)は、ドライルーム(露点:−30℃〜−65℃)に放置されてイオン伝導度が低下した固体電解質について、加熱処理(脱水処理)を施したときの伝導度維持率の変化を示したグラフである。図2(A)は、伝導度維持率が異なる複数の固体電解質について、加熱時間を同一(1時間)にして加熱温度を変化させた場合における、加熱温度と伝導度維持率との関係を示すグラフである。図2(B)は、伝導度維持率が異なる複数の固体電解質について、加熱温度を同一(100℃)にして加熱時間を変化させた場合における、加熱時間と伝導度維持率との関係を示すグラフである。
図2(A)及び図2(B)に示したように、水と反応してイオン伝導度が低下した固体電解質であっても、加熱(脱水)することによってイオン伝導度を回復させることができることがわかった。
固体電解質からより早くより多くの水分を取り除くためには、加熱工程において固体電解質を加熱する温度を高くすることが好ましい。加熱温度が低過ぎれば固体電解質からの脱水が不十分となる虞がある。よって、加熱工程における加熱温度は60℃以上であることが好ましく、80℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがさらに好ましい。ただし、加熱工程において、加熱温度は固体電解質の結晶化温度未満の温度であることが好ましい。固体電解質の結晶化温度未満の温度で固体電解質を加熱することによって、結晶化によって低伝導相が形成されることを抑制できる。なお、固体電解質の結晶化温度は、該固体電解質が含む水分量に反比例する。すなわち、固体電解質に含まれる水分量が多くなるにつれて該固体電解質の結晶化温度は低下し、固体電解質の脱水が進んで該固体電解質に含まれる水分量が減少するにつれて該固体電解質の結晶化温度は高くなる。したがって、加熱時間の経過とともに固体電解質に含まれる水分量は減少して該固体電解質の結晶化温度は高くなる。低伝導相が形成されることを抑制しつつ、固体電解質からの脱水を早期に完了させるためには、加熱時間の経過とともに高くなる固体電解質の結晶化温度に合わせて、加熱温度を次第に上げることが好ましい。例えば、固体電解質に水分が付着して結晶化温度がTcに低下した場合、まず当該固体電解質を結晶化温度Tc未満の温度で加熱することによって結晶化温度を高めてTcとし、その後、Tc以上Tc未満の温度で固体電解質を加熱することが好ましい。
また、常圧において上記温度範囲で固体電解質を加熱する場合、加熱時間は10分以上2時間未満であることが好ましい。加熱時間が短過ぎれば固体電解質からの脱水が不十分となる虞がある。一方、加熱時間を長くし過ぎると加熱に要する熱量が無駄となり、不経済である。
また、加熱工程は、固体電解質に接する雰囲気を減圧して行うことが好ましい。減圧して加熱工程を行うことによって、加熱工程における加熱温度を低くし、加熱時間を短くすることができるため、固体電解質からさらに脱水し易くなる。さらに、加熱工程は、低露点雰囲気下で行うことが好ましい。低露点雰囲気下で加熱工程を行うことによって、固体電解質からさらに脱水し易くなる。例えば、固体電解質に接する雰囲気の露点を好ましくは−30℃以下、より好ましくは−76℃以下にして上記加熱工程を行うことが望ましい。
本発明の固体電解質の保管方法を適用可能な部材は、固体電解質を含む部材であれば特に限定されない。例えば、全固体電池に用いられる固体電解質層や、正極層、負極層に適用可能である。ただし、固体電解質の含有比率が高い等の観点から、固体電解質層に特に好適である。また、本発明の固体電解質の保管方法を適用可能な固体電解質も特に限定されず、例えば硫化物固体電解質を含む部材に好適である。また硫化物固体電解質は架橋硫黄を含有しないリン系の硫化物固体電解質であることが好ましい。さらに、硫化物固体電解質がLiIを含むことが好ましい。固体電解質がLiIを含むことによって、以下に説明するように、一定量の水分がLiIと反応してLiIの水和物を形成する。このように水分子をLiIに化学吸着させることで、固体電解質に含まれる基本骨格(例えばLiPS)と水分との反応を遅らせ、固体電解質の劣化を抑制することができる。
LiIを含む固体電解質(LiI−LiS−P−LiO系硫化物固体電解質)500mgをアルミニウム皿に秤量し、−30℃露点下で所定の時間暴露した後、構造の変化を見た。図3(A)は、−30℃露点下で所定時間暴露したLiIを含む固体電解質のX線回折スペクトルである。図3(A)に示したように、LiIを含む固体電解質では、LiIの水和物が形成されて水分の一定量はLiIに担保される。
次に、LiIを含まない固体電解質(LiS−P−LiO系硫化物固体電解質)と上記LiIを含む固体電解質とをそれぞれ500mgをアルミニウム皿に秤量し、−30℃露点下で所定の時間暴露し、構造の変化を見た。図3(B)は、−30℃露点下で16時間暴露したLiIを含まない固体電解質と上記LiIを含む固体電解質との31P MAS NMRスペクトルである。図3(B)に示したように、LiIを含む固体電解質(図3(B)の「LiIあり」)では水分と基本骨格との反応が抑えられているが、LiIを含まない固体電解質(図3(B)の「LiIなし」)では水分と基本骨格とが反応してPS 3−骨格以外の構造が生成している。
なお、−30℃露点下で所定の時間暴露した上記LiIを含む固体電解質を60℃及び120℃で加熱すると、図4に示したように、イオン伝導度を容易に回復させることができた。図4は、上記LiIを含む固体電解質を−30℃露点下で30分間暴露した直後(加熱前)と、暴露後に60℃で加熱した場合と、暴露後に120℃で加熱した場合とについて、交流インピーダンス法でイオン伝導度を測定した結果を示している。
2.固体電解質の保管装置
本発明の固体電解質の保管装置は、上記固体電解質の保管方法を実施できるものであれば特に限定されない。すなわち、本発明の固体電解質の保管装置は、固体電解質について、形成直後のイオン伝導度に対するイオン伝導度の維持率を算出する演算手段と、該演算手段によって算出されたイオン伝導度の維持率が所定値以下となったときに固体電解質に脱水処理を施す脱水手段と、を備えている。
上述したように、固体電解質が水と反応した場合において、固体電解質の劣化がどの程度進行しているかは、該固体電解質の伝導度維持率によって判断することができる。すなわち、固体電解質の伝導度維持率が下がり過ぎる前に固体電解質に脱水処理を施せば、固体電解質のイオン伝導度を回復させることができる。本発明の固体電解質の保管装置によれば、演算手段によって固体電解質の伝導度維持率を算出し、該伝導度維持率が所定値以下となったときに脱水手段によって固体電解質に脱水処理を施すことによって、固体電解質のイオン伝導度を回復させることができるので、固体電解質が劣化することを抑制できる。
本発明において演算手段は、固体電解質の伝導度維持率を算出できる手段であれば特に限定されない。例えば、本発明者は、上述したように、固体電解質の比表面積と、固体電解質に接する雰囲気中の水分量と、固体電解質が当該雰囲気下に置かれた保管時間との積算値から、固体電解質の伝導度維持率を推定できることを見出した。上記積算値を用いて伝導度維持率を推定することによって、伝導度維持率の算出が容易になり、固体電解質に対する脱水処理を適切なタイミングで行い易くなる。したがって、本発明の固体電池の管理装置は、上記積算値を算出し、該積算値から固体電解質の伝導度維持率を推定することができる演算手段を備えることが好ましい。なお、上記積算値を用いて固体電解質の伝導度維持率を推定する場合において、脱水手段を複数回使用する場合は、一の脱水処理の後、当該一の脱水処理の次の脱水処理までの時間を上記保管時間として上記積算値を演算することが好ましい。このように一度脱水処理を行った後に一旦保管時間のカウントをリセットすることによって、次の脱水処理を行う際の基準となる上記積算値を適切に算出し易くなる。
上記積算値から固体電解質の伝導度維持率を推定する場合、演算手段は以下のような構成とすることができる。すなわち、予め公知の手段によって測定しておいた固体電解質の比表面積等のデータを記憶する公知の手段、固体電解質に接する雰囲気中の水分量を測定する公知の手段、保管時間をカウントする公知の手段、予め作成しておいた上記積算値と伝導度維持率との関係式を記憶した手段、及び、これらの手段からの信号を基に上記積算値を算出し、該積算値から伝導度維持率を推定する手段等によって、演算手段を構成することができる。このような演算手段は、例えば、公知の測定機器とコンピュータ等によって構成することができる。
なお、本発明の固体電池の保管装置では、公知の測定機器を用いて形成直後の固体電池のイオン伝導度と該固体電解質の保管中のイオン伝導度とを測定し、両者を比較して伝導度維持率を算出してもよい。この場合も、公知の測定機器とコンピュータ等によって演算手段を構成することができる。
次に、脱水手段について説明する。脱水手段は、演算手段によって算出した固体電解質の伝導度維持率が所定値以下となったときに固体電解質に脱水処理を施す手段である。脱水手段を用いるか否かの判断基準となる上記所定値の設定基準は、脱水工程の説明において上述した通りである。
本発明において脱水手段は、固体電解質から脱水できる手段であれば特に限定されない。例えば、脱水手段は固体電解質を加熱する加熱手段を含むことが好ましい。固体電解質を加熱することによって、固体電解質から脱水し易くなる。加熱条件は、加熱工程の説明において上述した通りである。加熱手段としては、固体電解質の損傷や劣化を抑制しつつ固体電解質を加熱できる手段であれば特に限定されず、公知の手段を用いることができる。例えば、加熱炉やホットプレートなどを用いることができる。
また、脱水手段は、上記加熱手段を使用する際に固体電解質に接する雰囲気を減圧する手段も含むことが好ましい。このような手段としては、例えば、固体電解質を収容する密封容器と該密封容器内を減圧可能な公知の手段とによって構成することができる。減圧して固体電解質を加熱することによって、低い温度でも短時間で固体電解質から脱水することができるため、固体電解質からさらに脱水し易くなる。
さらに、脱水手段は、加熱手段を使用する際に固体電解質に接する雰囲気の露点を低くすることができる手段を含むことが好ましい。このような手段としては、例えば、固体電解質を収容する密封容器と該密封容器内を乾燥させることができる公知の手段とによって構成することができる。低露点雰囲気下で固体電解質を加熱することによって、固体電解質からさらに脱水し易くなる。例えば、固体電解質に接する雰囲気の露点を好ましくは−30℃以下、より好ましくは−76℃以下にして加熱手段を用いることが望ましい。
本発明の固体電解質の保管装置を適用可能な部材は、固体電解質を含む部材であれば特に限定されない。例えば、全固体電池に用いられる固体電解質層や、正極層、負極層に適用可能である。ただし、固体電解質の含有比率が高い等の観点から、固体電解質層に特に好適である。また、本発明の固体電解質の保管装置を適用可能な固体電解質も特に限定されず、例えば硫化物固体電解質を含む部材に好適である。より好適な固体電解質については、上記本発明の固体電解質の保管方法の説明において説明した通りである。
3.全固体電池の製造方法
本発明の全固体電池の製造方法は、正極層、負極層、該正極層及び該負極層の間に配設された固体電解質層を有する全固体電池の製造方法であって、正極層、負極層、及び固体電解質層を作製する第1工程と、正極層、負極層、及び固体電解質層のうち固体電解質を含む少なくとも一つについて、該固体電解質の形成直後のイオン伝導度に対するイオン伝導度の維持率を算出する演算工程と、演算工程で算出されたイオン伝導度の維持率が所定値A以下となる前に、固体電解質層を正極層及び負極層の間に配設して密封する工程と、を有する方法である。
本発明の全固体電池の製造方法における演算工程は、上述した本発明の固体電解質の保管方法における演算工程と同様であるため、説明を省略する。
全固体電池の製造方法における上記所定値Aとしては、例えば、80%以上の任意の値を設定することが好ましい。伝導度維持率が所定値A以下となる前に固体電解質層を正極層及び負極層の間に配設して密封することによって、得られる全固体電池の性能低下を抑制することができる。上述した積算値から伝導度維持率を推定する場合は、当該積算値が50以下のうちに固体電解質層を正極層及び負極層の間に配設して密封してもよい。
なお、上述したように、固体電解質の伝導度維持率が所定値以下となった場合であっても、該固体電解質から脱水することによって、該固体電解質のイオン伝導度を回復させることができる。
したがって、本発明の全固体電池の製造方法の他の形態は、正極層、負極層、及び固体電解質層を作製する第1工程と、正極層、負極層、及び固体電解質層のうち固体電解質を含む少なくとも1つについて、該固体電解質に脱水処理を施す脱水工程と、正極層及び負極層の間に固体電解質層を配設する積層工程と、を有する方法である。
本発明の全固体電池の製造方法における脱水工程は、上述した本発明の固体電解質の保管方法における脱水工程と同様であるため、説明を省略する。
固体電解質に脱水処理を施すことによって、固体電解質のイオン伝導度を回復させることができ、固体電解質が劣化することを抑制できる。劣化が抑制された固体電解質を用いて全固体電池を製造することによって、得られる全固体電池の性能低下を抑制することができる。
また、固体電解質から脱水することによって該固体電解質のイオン伝導度を回復させるという観点からは、本発明の全固体電池の製造方法は、正極層、負極層、及び固体電解質層を作製する第1工程と、正極層、負極層、及び固体電解質層のうち固体電解質を含む少なくとも一つを上記本発明の固体電解質の保管方法によって保管する保管工程と、保管工程の後、固体電解質層を正極層及び負極層の間に配設して密封する工程と、を有する方法とすることもできる。
上記本発明の固体電解質の保管方法によって保管されていた固体電解質は、所定のタイミングで脱水工程を行うことによって、劣化が抑制されている。したがって、本発明の固体電解質の保管方法によって保管されていた固体電解質層、正極層又は負極層を用いて全固体電池を作製することによって、得られる全固体電池の性能低下を抑制することができる。
本発明の全固体電池の製造方法において、正極層、負極層、及び固体電解質層を作製する方法は特に限定されず、従来の公知の方法によって作製可能である。正極層は、例えば、少なくとも正極活物質及び固体電解質を溶媒に分散して作製した正極用組成物を、正極集電体の表面に塗布する過程を経て作製することができる。負極層は、例えば、負極活物質及び固体電解質を溶媒に分散して作製した負極用組成物を、負極集電体の表面に塗布する過程を経て作製することができる。固体電解質層は、例えば、固体電解質を溶媒に分散して作製した電解質用組成物を、正極層の表面に塗布する過程を経て作製することができる。
また、本発明の全固体電池の製造方法において、「固体電解質を正極層及び負極層の間に配設して密封する工程」とは、例えば以下のような工程とすることができる。すなわち、正極層及び負極層と、該正極層及び該負極層の間に配設され、固体電解質を含む固体電解質層と、を含む積層体を作製し、該積層体をラミネートフィルムで包んで密封する工程とすることができる。より具体的には以下の通りである。上述したようにして正極層、負極層、及び固体電解質層を作製したら、固体電解質層が正極層及び負極層で挟まれるように、例えば、正極層の表面に形成した固体電解質層の上に、負極集電体の表面に形成した負極層を積層し、積層方向の両端側から圧縮力を付与する過程を経て、積層体を作製する。そして、正極集電体及び負極集電体のそれぞれに電気的に接続した端子の一部を露出させるようにして、上記積層体をラミネートフィルムで包んで密封する。なお、本発明の全固体電池の製造方法において用いる材料には、公知の全固体電池に用いられるものを特に限定することなく用いることができまる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
LiI−LiS−P−LiO系硫化物固体電解質500mgをアルミニウム皿に秤量し、−30℃露点下で所定時間暴露した後、100℃で1時間加熱処理を施した。この加熱処理前後における固体電解質の吸水量(増加重量)とイオン伝導に対する抵抗の増加割合の関係を図5に示した。図5に示したグラフの横軸は、吸水量[wt%]={(固体電解質の暴露後の重量−固体電解質の暴露前の重量)/固体電解質の暴露前の重量}×100である。図5に示したグラフの縦軸は、固体電解質の暴露前に対する暴露後のイオン伝導の抵抗比=固体電解質の暴露後のイオン伝導の抵抗/固体電解質の暴露前のイオン伝導の抵抗である。図5に示したように、固体電解質に付着した水分は加熱によって脱水され、脱水された固体電解質のイオン伝導度が回復することがわかった。
(実験例1)
LiI−LiS−P−LiO系硫化物固体電解質500mgをアルミニウム皿に秤量し、−30℃露点下で4時間暴露した後、加熱温度を徐々に上げつつ、加熱処理を施した。この加熱処理における加熱温度と加熱処理後の脱水量(脱水分率(%))と関係を図6に示した。図6に示したグラフの横軸は加熱温度(℃)、縦軸は脱水分率(%)={(計測時の重量−固体電解質の加熱前の重量)/固体電解質の加熱前の重量}×100である。図6に示したように、固体電解質からの脱水量は加熱温度が高い程多くなることがわかった。
(実験例2)
LiI−LiS−P−LiO系硫化物固体電解質500mgをアルミニウム皿に秤量し、これを−30℃露点下で所定の時間暴露した。この暴露前後における結晶化温度を示差熱分析で調べた。具体的には、暴露前、及び、暴露時間が10分、30分、1時間、1.5時間、2時間、3時間、4時間となったときの結晶化温度を調べた。その結果を図7に示した。図7は、横軸が温度[℃]、縦軸が熱伝対の起電力差[μV]を示している。図7に示したように、暴露時間が長くなるにつれて結晶化温度が低下した。これは、暴露時間が長くなるにつれて固体電解質の付着した水分量が多くなったためであると考えられる。なお、暴露前(Ref)の結晶化温度は160℃であったのに対して、4時間暴露したときの結晶化温度は68℃であった。
(実施例2)
LiI−LiS−P−LiO系硫化物固体電解質500mgをアルミニウム皿に秤量し、これを−30℃露点下で30分間暴露した後、結晶化温度(図7参照)未満の温度(120℃)で1時間、加熱処理を行った。加熱処理の前後における結晶構造をX線構造解析で調べた結果を図8(A)に示した。また、イオン伝導度を交流インピーダンス法で測定した。その結果を図8(B)に示した。図8(A)に示したように、結晶化温度未満の温度で加熱処理を施した場合は固体電解質の結晶構造に変化は見られず、LiI以外の結晶ピークが現れなかった。また、図8(B)に示したように、結晶化温度未満の温度で加熱処理を施した場合は固体電解質のイオン伝導度が回復した。
(参考例1)
LiI−LiS−P−LiO系硫化物固体電解質500mgをアルミニウム皿に秤量し、これを−30℃露点下で1時間暴露した後、結晶化温度(図7参照)以上の温度(120℃)で1時間、加熱処理を行った。加熱処理の前後における結晶構造をX線構造解析で調べた結果を図9(A)に示した。また、イオン伝導度を交流インピーダンス法で測定した。その結果を図9(B)に示した。図9(A)に示したように、結晶化温度以上の温度で加熱処理を施した場合は固体電解質の結晶構造が変化しており、低伝導相が生成した。その結果、図9(B)に示したように、固体電解質から脱水できても低伝導相が生成したことによって、固体電解質のイオン伝導度が低下した。

Claims (27)

  1. 正極層、負極層、該正極層及び該負極層の間に配設された固体電解質層を有する全固体電池の製造方法であって、
    前記正極層、前記負極層、及び前記固体電解質層を作製する第1工程と、
    前記正極層、前記負極層、及び前記固体電解質層のうち固体電解質を含む少なくとも1つについて、該固体電解質の比表面積と、該固体電解質に接する雰囲気中の水分量と、該固体電解質が当該雰囲気に置かれた保管時間との積算値を算出し、該積算値からイオン伝導度の維持率を推定し、推定された前記イオン伝導度の維持率が所定値以下であるか否かを判定し、所定値以下と判定した場合に該固体電解質に脱水処理を施す脱水工程と、
    前記正極層及び前記負極層の間に前記固体電解質層を配設する積層工程と、
    を有する全固体電池の製造方法。
  2. 前記所定値を30%以上の任意の値とする、請求項に記載の全固体電池の製造方法。
  3. 前記脱水工程を複数回行う場合、前記演算工程において、一の前記脱水工程の後、当該一の脱水工程の次の前記脱水工程までの時間を前記保管時間として前記積算値を算出する、請求項1又は2に記載の全固体電池の製造方法。
  4. 前記脱水工程が、前記固体電解質の結晶化温度未満の温度で前記固体電解質を加熱する加熱工程を含む、請求項1〜のいずれかに記載の全固体電池の製造方法。
  5. 前記加熱工程において、加熱時間の経過とともに加熱温度を高くする、請求項に記載の全固体電池の製造方法。
  6. 前記固体電解質に接する雰囲気を減圧して前記加熱工程を行う、請求項又はに記載の全固体電池の製造方法。
  7. 前記固体電解質に接する雰囲気の露点を−30℃以下にして前記加熱工程を行う、請求項4〜6のいずれかに記載の全固体電池の製造方法。
  8. 前記固体電解質が硫化物固体電解質である、請求項1〜のいずれかに記載の全固体電池の製造方法。
  9. 前記硫化物固体電解質がLiIを含む、請求項に記載の全固体電池の製造方法。
  10. 固体電解質の保管方法であって、
    前記固体電解質の比表面積と、前記固体電解質に接する雰囲気中の水分量と、前記固体電解質が当該雰囲気に置かれた保管時間との積算値を算出し、該積算値から前記イオン伝導度の維持率を推定する演算工程と、
    前記演算工程で推定された前記イオン伝導度の維持率が所定値以下であるか否かを判定し、所定値以下と判定した場合に前記固体電解質に脱水処理を施す脱水工程と、
    を有する、固体電解質の保管方法。
  11. 前記所定値を30%以上の任意の値とする、請求項10に記載の固体電解質の保管方法。
  12. 前記脱水工程を複数回行う場合、前記演算工程において、一の前記脱水工程の後、当該一の脱水工程の次の前記脱水工程までの時間を前記保管時間として前記積算値を算出する、請求項10又は11に記載の固体電解質の保管方法。
  13. 前記脱水工程が、前記固体電解質の結晶化温度未満の温度で前記固体電解質を加熱する加熱工程を含む、請求項10〜12のいずれかに記載の固体電解質の保管方法。
  14. 前記加熱工程において、加熱時間の経過とともに加熱温度を高くする、請求項13に記載の固体電解質の保管方法。
  15. 前記固体電解質に接する雰囲気を減圧して前記加熱工程を行う、請求項13又は14に記載の固体電解質の保管方法。
  16. 前記固体電解質に接する雰囲気の露点を−30℃以下にして前記加熱工程を行う、請求項13〜15のいずれかに記載の固体電解質の保管方法。
  17. 前記固体電解質が硫化物固体電解質である、請求項1016のいずれかに記載の固体電解質の保管方法。
  18. 前記硫化物固体電解質がLiIを含む、請求項17に記載の固体電解質の保管方法。
  19. 固体電解質の保管装置であって、
    前記固体電解質の比表面積と、前記固体電解質に接する雰囲気中の水分量と、前記固体電解質が当該雰囲気に置かれた保管時間との積算値を算出し、該積算値から前記イオン伝導度の維持率を推定する演算手段と、
    前記演算手段によって推定された前記イオン伝導度の維持率が所定値以下であるか否かを判定し、所定値以下と判定した場合に前記固体電解質に脱水処理を施す脱水手段と、
    を備える、固体電解質の保管装置。
  20. 前記所定値が30%以上の任意の値である、請求項19に記載の固体電解質の保管装置。
  21. 前記脱水処理を複数回行う場合、前記演算手段が、一の前記脱水処理の後、当該一の脱水処理の次の前記脱水処理までの時間を前記保管時間として前記積算値を算出する、請求項19又は20に記載の固体電解質の保管装置。
  22. 前記脱水手段が、前記固体電解質の結晶化温度未満の温度で前記固体電解質を加熱する加熱手段を含む、請求項19〜21のいずれかに記載の固体電解質の保管装置。
  23. 前記加熱手段が、加熱時間の経過とともに加熱温度を高くする手段である、請求項22に記載の固体電解質の保管装置。
  24. 前記脱水手段が前記加熱手段を使用する際に前記固体電解質に接する雰囲気を減圧する手段を含む、請求項22又は23に記載の固体電解質の保管装置。
  25. 前記脱水手段が前記加熱手段を使用する際に前記固体電解質に接する雰囲気の露点を−30℃以下にすることができる手段を含む、請求項22〜24のいずれかに記載の固体電解質の保管装置。
  26. 前記固体電解質が硫化物固体電解質である、請求項19〜25のいずれかに記載の固体電解質の保管装置。
  27. 前記硫化物固体電解質がLiIを含む、請求項26に記載の固体電解質の保管装置。
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