JP7174332B2 - 全固体電池 - Google Patents

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Description

本発明は、全固体電池に関する。
近年、リチウム二次電池等の二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
二次電池は、その普及に伴い、さらなる高性能化が望まれている。高性能の二次電池として、電解液を固体電解質で置換した全固体電池が注目されている。全固体電池は、典型的には、正極と、負極と、当該正極と負極との間に介在する固体電解質とが積層された積層体を備える(例えば、特許文献1参照)。当該積層体は、ラミネートケース等の電池ケースに収容される。特許文献1では、サイクル特性を向上させる観点から、硫化物固体電解質の外周部に、酸素濃度が20原子%以上であり、かつ厚さが35nm以下の酸化層を設けることが行われている。
特開2012-160379号公報
硫化物固体電解質が空気中の水分と反応して、ガス(HS)が発生することが知られている。したがって、全固体電池のケースのラミネートフィルムが開放して、硫化物固体電解質が空気と接触した際などには、ガスが発生するという問題がある。このガスの発生を抑制するために、反応阻害物を全固体電池に含有させることが考えられるが、電池反応に寄与しない反応阻害物を含有させることは、全固体電池のエネルギー密度の低下を招き好ましくない。
特許文献1では、硫化物固体電解質の外周部に酸化層を設けているが、酸化層を構成する材料によって、ガスの発生を抑制するという技術思想はなく、特許文献1では、酸化層形成のために100ppmの水分含有ガスを吹き付けており、このガス流量によっては硫化物固体電解質の潮解を招き得る。この潮解が起こると、ガスの発生を抑制することができなくなる可能性があると考えられる。また、正極および負極にも、固体電解質が含有されるため、正極および負極において硫化物固体電解質と水分の反応を抑制する必要がある。そのため、特許文献1に記載の技術には、ラミネートフィルムが開放した際などに、硫化物固体電解質と、空気中の水分との反応によるガス発生を抑制させるという点において問題があった。
そこで、本発明の目的は、内部に空気が浸入したときの、硫化物固体電解質と、空気中の水分との反応によるガスの発生が抑制された、全固体電池を提供することにある。
ここに開示される全固体電池は、正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に介在する硫化物固体電解質層とを有する積層体、ならびに前記積層体を収容するラミネートケースを備える。前記正極は、正極活物質と、硫化物固体電解質とを含有する。前記負極は、負極活物質と、硫化物固体電解質とを含有する。前記正極の硫化物固体電解質、前記負極の硫化物固体電解質、および前記硫化物固体電解質層の硫化物固体電解質はそれぞれLiIを含有する。前記積層体の端面には、不動態層が設けられている。前記不動態層は、LiI水和物を含有する。
このような構成によれば、内部に空気が浸入したときの、硫化物固体電解質と、空気中の水分との反応によるガスの発生が抑制された、全固体電池が提供される。
本発明の一実施形態に係る全固体電池の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る全固体電池が備える積層体の構成を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない全固体電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
図1に、本実施形態に係る全固体電池の構成を模式的に示す。図2に、本実施形態に係る全固体電池が備える積層体の構成を模式的に示す。
全固体電池10は、図1に示すように、積層体20と、積層体20を収容するラミネートケース60とを備える。積層体20は、図2に示すように、正極30と、負極40と、正極30および負極40との間に介在する硫化物固体電解質層50とを有する。
本実施形態においては、固体電解質として、硫化物固体電解質が用いられている。したがって、硫化物固体電解質層50は、硫化物固体電解質を含有する。硫化物固体電解質は、高いイオン伝導性を有する。
本実施形態においては、硫化物固体電解質としては、LiIを含有するものが用いられる。LiIを含有する硫化物固体電解質は、全固体電池に用いられている公知のものを用いてよく、LiSとヨウ化リチウム(LiI)とから構成されるLiSベースの固溶体が好ましく用いられる。このような硫化物固体電解質の例としては、LiI-LiS-P、LiCl-LiI-LiS-P、LiBr-LiI-LiS-P、LiI-LiS-SiS、LiI-LiS-B等が挙げられる。
硫化物固体電解質の平均粒子径は、例えば0.5μm~10μm程度であり、1μm~5μm程度が好ましい。
なお、本明細書において「平均粒子径」は、特に断りがない限り、レーザ回折・光散乱法に基づく粒度分布測定により測定した体積基準の粒度分布おいて、微粒子側からの累積50%に相当する粒径(D50粒径、メジアン径ともいう)のことをいう。
硫化物固体電解質層50は、バインダ等をさらに含有していてもよい。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダや、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム系バインダを好適に使用し得る。
正極30は、図2に示すように、正極集電体32と、正極集電体32上に設けられた正極活物質層34とを有する。図示例では、正極集電体32の両面上に、正極活物質層34が設けられているが、正極集電体32の片面上に、正極活物質層34が設けられている構成であってもよい。
正極集電体32は、全固体電池の正極集電体として用いられ得るものを特に制限なく使用することができる。典型的には、正極集電体32は、良好な導電性を有する金属、例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等の金属材から構成される。特にアルミニウムが好ましい。正極集電体32は、図示例のように箔状体であることが好ましい。したがて、正極集電体としてはアルミニウム箔が好ましい。正極集電体32の厚みは特に限定されないが、電池の容量密度と集電体の強度との兼ね合いから、5μm~50μm程度が好ましく、8μm~30μm程度がより好ましい。
正極活物質層34は、正極活物質および硫化物固体電解質を含有する。この正極活物質層34の厚みは、特に限定されないが、例えば10μm~500μm程度である。
正極活物質は、電荷担体(例えばリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出可能な材料である。正極活物質には、全固体電池で正極活物質として用いられている公知の化合物を使用してよい。正極活物質の好適例として、LiCoO、LiNiO、LiNiCoMn(1-x-y)(ここで0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)等の層状構造のリチウム複合酸化物が挙げられる。あるいは、LiNiMn、LiMn、Li1+xMn2-y(ここでMは存在しないか、またはAl、Mg、Co、Fe、Ni、Znから選ばれる一種以上の金属元素であり、0≦x<1、0≦y<2)で表されるスピネル構造のリチウム複合酸化物、LiFePO等のオリビン構造のリチウム複合化合物等が挙げられる。
正極活物質の平均粒子径は、例えば0.5μm~20μm程度であり、1μm~10μm程度が好ましい。
正極活物質層34に含有される硫化物固体電解質は、LiIを含有する。このような硫化物固体電解質としては、硫化物固体電解質層50に用いられるものと同じものが例示される。正極活物質層34に含有される硫化物固体電解質は、硫化物固体電解質層50の硫化物固体電解質と同じであっても異なっていてもよく、同じであることが好ましい。
正極活物質層34中の正極活物質と硫化物固体電解質との配合比は特に限定されない。典型的には、正極活物質(P)と硫化物固体電解質(S)との質量比(P:S)は、50:50~95:5程度である。
なお、正極活物質層34は、正極活物質および硫化物固体電解質の他に、種々の任意成分を必要に応じて含有することができる。かかる任意成分の例としては、導電材、バインダ等が挙げられる。
導電材としては、アセチレンブラック等のカーボンブラックやその他(グラファイト、カーボンナノチューブ等)の炭素材料を好適に使用し得る。
バインダとしては、PVDF、PTFE等のフッ素系バインダや、SBR等のゴム系バインダを好適に使用し得る。
負極40は、図2に示すように、負極集電体42と、負極集電体42上に設けられた負極活物質層44とを有する。図示例では、負極集電体42の両面上に、負極活物質層44が設けられているが、負極集電体42の片面上に、負極活物質層44が設けられている構成であってもよい。
負極集電体42は、全固体電池の負極集電体として用いられ得るものを特に制限なく使用することができる。典型的には、負極集電体42は、Liと合金を形成し難くかつ良好な導電性を有する金属、例えば、銅、銅合金、ニッケル等の金属材から構成される。特に、銅が好ましい。負極集電体42は、図示例のように箔状体であることが好ましい。したがて、負極集電体としては銅箔が好ましい。負極集電体42の厚みは特に限定されないが、電池の容量密度と集電体の強度との兼ね合いから、5μm~50μm程度が好ましく、8μm~40μm程度がより好ましい。
負極活物質層44は、負極活物質および硫化物固体電解質を含有する。負極活物質層44の厚みは、特に限定されないが、例えば10μm~500μm程度である。
負極活物質は、電荷担体(例えばリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出可能な材料である。負極活物質には、全固体電池で負極活物質として用いられている公知の化合物を使用してよい。負極活物質としては、炭素系負極活物質、ケイ素(Si)系負極活物質、スズ(Sn)系負極活物質等を用いることができる。
炭素系負極活物質の例としては、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
Si系負極活物質の例としては、Si、SiO(ここで0.05<a<1.95)で表される酸化ケイ素、SiC(0<b<1)で表される炭化ケイ素、SiN(0<c<4/3)で表される窒化ケイ素等が挙げられる。また、SiとSi以外の元素とからなる合金を用いることができる。Si素以外の元素としては、例えば、Fe、Co、Sb、Bi、Pb、Ni、Cu、Zn、Ge、In、Sn、Ti等が挙げられる。
Sn系負極活物質の例としては、スズ、スズ酸化物、スズ窒化物、スズ含有合金等、およびこれらの固溶体等が挙げられる。また、これらに含有されるスズ原子の一部が1種または2種以上の元素で置換されていてもよい。スズ酸化物としては、SnO(0<d<2)で表される酸化スズ、二酸化スズ(SnO)等が挙げられる。スズ含有合金としては、Ni-Sn合金、Mg-Sn合金、Fe-Sn合金、Cu-Sn合金、Ti-Sn合金等が挙げられる。これ以外にも、SnSiO、NiSn、MgSn等が例示される。
負極活物質の平均粒子径は、例えば1μm~20μm程度であり、2μm~10μm程度が好ましい。
負極活物質層44に含有される硫化物固体電解質は、LiIを含有する。このような硫化物固体電解質としては、硫化物固体電解質層50に用いられるものと同じものが例示される。負極活物質層44に含有される硫化物固体電解質は、硫化物固体電解質層50の硫化物固体電解質と同じであっても異なっていてもよく、同じであることが好ましい。
負極活物質層44中の負極活物質と硫化物固体電解質との配合比は特に限定されない。典型的には、負極活物質(N)と硫化物固体電解質(S)との質量比(N:S)は、50:50~95:5程度であり得る。
なお、正極活物質層34は、正極活物質および硫化物固体電解質の他に、種々の任意成分を必要に応じて含有することができる。かかる任意成分の例としては、導電材、バインダ等が挙げられる。
導電材としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、気相法炭素繊維等の炭素材料を好適に使用し得る。
バインダとしては、PVDF、PTFE等のフッ素系バインダや、SBR等のゴム系バインダを好適に使用し得る。
積層体20は、図1に示すように、ラミネートケース60に収容されている。ラミネートケース60は、ラミネートフィルムより構成されている。ラミネートフィルムは、全固体電池のラミネートケースに用いられる公知のものを使用してよい。ラミネートフィルムは、典型的には、金属箔上に、樹脂層が設けられた構成を有する。金属箔は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金等から構成される。樹脂層は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン等から構成される。
また、全固体電池10は、ラミネートケース60の内の積層体20と電気的に接続され、ラミネートケース60の外部に突出する端子類(図示せず)を有する。
積層体20は、図2に示すように、正極30と、負極40とが硫化物固体電解質層50がこれらの間に介在しつつ交互に積層されている。図2に示す矢印Yは、積層体20の積層方向を示している。
本実施形態においては、図1および図2に示すように、積層体20の端面には、不動態層22が設けられている。なお、積層体20の端面とは、正極30、負極40、および硫化物固体電解質層50の周縁端により構成される面であり、積層体20の積層方向Yに平行な面である。したがって、積層体20は、4つの端面を有するが、少なくとも1つの端面上に不動態層22が形成されていればよく、好ましくは4つの端面すべてに不動態層22が形成される。
不動態層22は、LiI水和物(ヨウ化リチウム水和物)を含有する。LiI水和物は、例えば、LiI・HOおよびLiI・3HOである。
このように、積層体20の端面に、不動態層22が設けられ、この不動態層22がLiI水和物することにより、ラミネートケース50の内部に空気が浸入したときの、硫化物固体電解質と、空気中の水分との反応を抑制して、ガス発生を抑制することができる。特に、硫化物固体電解質層50のみならず、正極30および負極40においても、空気中の水分との反応によるガス発生を抑制することができる。
なお、不動態層22がLiI水和物を含有することは、不動態層22に対してX線回折測定を行い、得られたX線回折パターンにおいて、LiI水和物に由来する結晶ピークの存在によって確認することができる。
LiI水和物を含有する不動態層22は、正極30、負極40、硫化物固体電解質層50の硫化物固体電解質が含有するLiIに由来するものである。
よって、図2に示す例では、正極集電体32上および負極集電体42上には、不動態層22が形成されていない。したがって、不動態層22は、積層体20の端面において、不連続な層として形成されている。しかしながら、不動態層22は、積層体20の端面において、連続した層として形成されていてもよい。
なお、LiI水和物を含有する不動態層22は、例えば、積層体20を、露点-30℃以下のドライデシケータ等の密閉容器内に4時間以上置くことにより、形成することができる。
全固体電池10は、拘束されていてもよい。このとき、複数の全固体電池が電気的に接続された状態で拘束されたバッテリパックの形態にあってよい。
本実施形態に係る全固体電池10によれば、内部に空気が浸入したときの、硫化物固体電解質と、空気中の水分との反応によるガス発生が抑制されている。特に、硫化物固体電解質層50のみならず、正極30および負極40においても、空気中の水分との反応によるガス発生が抑制されている。
全固体電池10は、二次電池が用いられている用途において好適に用いることができ、特に、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源として好適に用いることができる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例1>
硫化物固体電解質として、微粒子化した80(75LiS-25P)-20LiI(crystal)を用意した。
不活性ガス中で、層状構造のLiNi1/3Co1/3Mn1/3と、上記硫化物固体電解質と、導電材としてのアセチレンブラックと、バインダとしてのPVdFとを、60:40:5:2の体積比でヘプタンと共に混合して、正極スラリーを作製した。この正極スラリーを、厚さ15μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、乾燥することにより、正極を作製した。
また、不活性ガス中で、黒鉛と、上記硫化物固体電解質と、導電材としてのアセチレンブラックと、バインダとしてのPVdFとを、50:45:5:2の体積比でヘプタンと共に混合して、負極スラリーを作製した。この負極スラリーを、厚さ35μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥することにより、負極を作製した。
また、不活性ガス中で、上記硫化物固体電解質と、バインダとしてのPVdFとを、100:2の体積比でヘプタンと共に混合して、電解質層スラリーを作製した。この電解質層スラリーを、アルミニウム箔の片面に塗布し、乾燥することにより、硫化物固体電解質層を備える転写部材を作製した。
不活性ガス中で、正極、負極、および転写部材を、電池サイズに合わせて裁断した。2つの転写部材を、それぞれ、負極集電体の両面に形成された負極活物質層上に配置し、ホットプレスを用いて4ton/cmの圧力でプレスした。その後、転写部材のAl箔を剥離し、負極活物質層上に硫化物固体電解質層を転写した。次に、上記で得られた2つの正極を、それぞれ、負極の両面に転写された硫化物固体電解質層上に配置し、ホットプレスを用いて4ton/cmの圧力でプレスした。これにより、硫化物固体電解質層上に、正極活物質層および正極集電体を形成した。
このようにして2積層セルを得た。この得られた2積層セルを、正極集電体同士をバインダで接着しながら30個積層することによって、積層体を作製した。
得られた積層体を、露点-30℃のドライデシケータ中に4時間保管し、積層体の端面上に不動態層を形成させた。
その後、積層体を不活性ガスが充填されたグローブボックス内に写し、ラミネートケースに収容して、評価用全固体電池を得た。
<比較例1>
実施例1と同様にして積層体を製造し、ドライデシケータ内に保管することなく(すなわち、不動態層を形成することなく)、ラミネートケースに収容して、評価用全固体電池を得た。
<X線回折測定>
実施例1および比較例1のラミネートケースに収容する前の段階の積層体の端面に対して、X線回折装置「RINT-UltimaIII」(株式会社リガク製)を用いて、Cu-Kα線をX線源とし、回折角2θ=20~60°の走査範囲で、X線回折測定を行った。得られたX線回折パターンにおいて、LiI水和物(LiI・HOおよびLiI・3HO)に特徴的な結晶ピークの有無を調べた。結果を表1に示す。
<ガス発生量測定>
円筒チャンバー内に、水を張った坩堝と、HSセンサーを置いた。評価用全固体電池を円筒チャンバー内に置き、電池のラミネートケースを開封し、円筒チャンバーの蓋を閉じて密閉した。密閉してから10秒経過後のHS発生量(ppm)を測定した。比較例1の評価用全固体電池のHS発生量を100とした場合の、実施例1の評価用全固体電池のHS発生量の比を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0007174332000001
表1の結果より、実施例1の評価用全固体電池において、積層体の端面には、LiI水和物を含む不動態層が形成されていることがわかる。そして、この不動態層の存在によって、ガス発生量を大幅に低減できていることがわかる。
したがって、本実施形態に係る全固体電池によれば、内部に空気が浸入したときの、硫化物固体電解質と、空気中の水分との反応によるガス発生を抑制できることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 全固体電池
20 積層体
22 不動態層
30 正極
32 正極集電体
34 正極活物質層
40 負極
42 負極集電体
44 負極活物質層
50 硫化物固体電解質層
60 ラミネートケース

Claims (1)

  1. 正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に介在する硫化物固体電解質層とを有する積層体、ならびに
    前記積層体を収容するラミネートケース
    を備える全固体電池であって、
    前記正極は、正極活物質と、硫化物固体電解質とを含有し、
    前記負極は、負極活物質と、硫化物固体電解質とを含有し、
    前記正極の硫化物固体電解質、前記負極の硫化物固体電解質、および前記硫化物固体電解質層の硫化物固体電解質はそれぞれLiIを含有し、
    前記積層体の端面には、不動態層が設けられており、
    前記積層体の端面は、前記積層体の積層方向に平行な面であり、
    前記不動態層は、LiI水和物を含有する、
    ことを特徴とする全固体電池。
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