JP5772649B2 - パネル取付治具およびパネル部材の取り付け構造 - Google Patents
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Description
ここで、建物の外側に足場を設けるためには、多大な労力とコストが必要であった。特に、高所の作業を行う場合には、莫大なコストが必要となる。さらに、足場を設けるためのスペースが確保できない場合には、外装パネルの取り付け作業自体を行うことができないおそれがあった。
特許文献1においては、パネル部材の裏面(室内側を向く面)に折重ね部を形成し、この折重ね部に取り付け用金具を取り付けて固定する構造とされている。
また、特許文献2においては、パネル部材の両側部に連結孔を有するリブを形成し、隣接するパネル部材同士の連結孔に連結杆を挿通し、この連結杆に取付金具を取り付けて固定する構造とされている。
また、特許文献1,2に記載されたパネル部材の取り付け構造においては、複数の部材を使用しており、構造が複雑で取り付け作業が煩雑になるといった問題があった。特に、高所での作業を実施する場合には、作業自体が困難となることがあった。
また、パネル部材の一方側からフック部材の係止部を挿入し、フック部材の接続部を固定部材を介して支持梁部に固定するといった比較的簡単な作業のみで、パネル部材を確実に取り付けることができる。
さらに、前記係止部の先端に、前記係止部よりも前記ロッド部の延在方向先端側に向けて傾斜した挿入ガイド部が形成されているので、パネル部材の挿通孔に係止部を容易に挿入することができる。また、係止部を挿入する際に、挿入ガイド部がパネル部材に干渉することがなく、パネル部材を保護することができる。
この場合、パネル部材の挿通孔にフック部材の先端(係止部の先端)を挿入し、フック部材を係止部がなす円弧に沿って回転させることで、係止部を簡単にパネル部材の一方側から他方側への挿入することができる。また、係止部において前記パネル部材に当接される面積が確保されることになり、パネル部材を確実に押圧して固定することができる。
この場合、前記ロッド部の延在方向先端側に向けて突出するばね部が形成されているので、係止部の剛性が確保されることになり、パネル部材を押さえ部によって確実に押圧することが可能となる。
本実施形態であるパネル取付治具10およびパネル部材の取り付け構造は、図1に示すように、建物の外側に配設される外装パネル1を、建物の内部に設けられた支持梁部であるチャンネル部材5に固定して取り付けるものである。
本実施形態であるパネル取付治具10は、図1に示すように、フック部材11と、このフック部材11をチャンネル部材5に固定する固定部材20と、を備えている。
また、本実施形態では、図2に示すように、接続部19は、雄ねじが形成された雄ねじ部とされている。
係合部材22は、その先端がチャンネル部材5の端縁部に係合可能な係合爪23とされており、その後端がプレート21と接続される接続部24とされている。なお、本実施形態では、係合部材22は、直径4.0mm〜7.0mmの鋼線を加工することによって成形されている。
プレート21には、フック部材11の接続部19が挿通される第一貫通孔と、係合部材22の接続部24が挿通される第二貫通孔と、が設けられている。なお、本実施形態では、プレート21は、厚さ1.0mm〜2.0mmの鋼板を所定サイズに切り出して穴あけ加工を行うことで成形されている。
まず、チャンネル部材5の他方側を向く側面5bに外装パネル1を配置する。
そして、外装パネル1の挿通孔2にフック部材11の係止部13を、外装パネル1の一方の面側(建物の内側)から他方の面側(建物の外側)に向けて挿入する。このとき、まず、挿入ガイド部17を挿通孔2に挿入する。そして、フック部材11を係止部13がなす円弧に沿って回転させると、挿入ガイド部17に続いて、円弧状に形成された係止部13が挿通孔2に挿入され、係止部13が外装パネル1の他方の面側(建物の外側)に配置されることになる。
また、係合部材22の係合爪23をチャンネル部材5の端縁部に係合させるとともに、係合部材22の接続部24を、プレート21の第二貫通孔に挿通する。
係合部材22の接続部24に、プレート21の一方側からワッシャー27を嵌めこみ、ナット28を螺着して締め込むことにより、プレート21とチャンネル部材5とを固定する。
すると、フック部材11の係止部13が外装パネル1の他方の面を建物の内側に向けて押圧することになり、この係止部11とチャンネル部材5の他方側を向く側面5bとによって、外装パネル1が挟持されて固定される。
このように、建物の内側(外装パネル1の一方側)からの作業のみによって、外装パネル1がチャンネル部材5に固定して取り付けられることになる。
また、外装パネル1には、フック部材11の係止部13が挿入可能な挿通孔2を形成するのみであることから、外装パネル1の構造を簡単なものとすることができる。よって、大量の外装パネル1を取り付ける場合であっても、その施工コストを抑えることが可能となる。
また、係止部13において外装パネル1の他方の面に当接される面積が確保されるので、外装パネル1を確実に押圧することができ、外装パネル1を係止部13とチャンネル部材5の他方側を向く側面5bとで挟持して固定することができる。
本実施形態では、ロッド部12の延在方向に直交する面と挿入ガイド部17の延在方向とがなす角度βが30°≦β≦50°の範囲内とされているので、上述の作用効果を確実に奏功せしめることが可能となる。
本実施形態であるパネル取付治具110およびパネル部材の取り付け構造は、図3に示すように、建物の外側に配設される外装パネル101を、建物の内部に設けられた支持梁部であるチャンネル部材105に固定して取り付けるものである。
本実施形態であるパネル取付治具110は、図3に示すように、フック部材111と、このフック部材111をチャンネル部材105に固定する固定部材120と、を備えている。
また、本実施形態では、図3に示すように、接続部119は、雄ねじが形成された雄ねじ部とされている。
ここで、ばね部114の曲率半径(ロッド部112との接続部分の曲率半径)Rは、10mm≦R≦15mmの範囲内とされている。
プレート121には、フック部材111の接続部119が挿通される貫通孔が形成されている。なお、本実施形態では、プレート121は、厚さ1.0mm〜2.0mmの鋼板を所定サイズに切り出して穴あけ加工を行うことで成形されている。
そして、本実施形態においては、図3に示すように、プレート121は、チャンネル部材105の一方側を向く側面105aに溶接によって接合されている。
まず、チャンネル部材105の他方側を向く側面105bに外装パネル101を配置する。
そして、外装パネル101の挿通孔102にフック部材111の係止部113を、外装パネル101の一方の面側(建物の内側)から他方の面側(建物の外側)に向けて挿入する。このとき、まず、挿入ガイド部117を挿通孔102に挿入する。そして、挿入ガイド部117に続いて係止部113(押さえ部115及びばね部114)を挿通させる。これにより、係止部113が挿通孔102を介して、外装パネル101の他方の面側(建物の外側)に配置されることになる。
このように、建物の内側(外装パネル101の一方側)からの作業のみによって、外装パネル101がチャンネル部材105に固定して取り付けられることになる。
本実施形態であるパネル取付治具210およびパネル部材の取り付け構造は、図4に示すように、建物の外側に配設される外装パネル201を、建物の内部に設けられた支持梁部であるL字鋼205に固定して取り付けるものである。
本実施形態であるパネル取付治具210は、図4に示すように、フック部材11と、このフック部材11をL字鋼205に固定する固定部材220と、を備えている。
なお、フック部材11は、第一の実施形態と同じ構成とされているので、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
固定プレート222には、厚さ方向に貫通する取付孔224が設けられており、この取付孔224に挿通された固定ねじがL字鋼205に螺着されることにより、固定プレート222がL字鋼205に固定される構造とされている。
筒部221は、内部にフック部材11の接続部19が挿通可能とされ、かつ、ナット226が筒部の端面に当接される大きさとされている。
まず、L字鋼205の外側を向く側面205bに外装パネル201を配置する。
そして、外装パネル201の挿通孔202にフック部材11の係止部13を、外装パネル201の一方の面側(建物の内側)から他方の面側(建物の外側)に向けて挿入する。すると、円弧状に形成された係止部13が挿通孔202を介して、外装パネル201の他方の面側(建物の外側)に配置されることになる。
そして、筒部221から突出した接続部19にナット226を螺着して締め込む。すると、フック部材11が、L字鋼205に固定されるとともに、建物の内側(図4において右側)に向けて移動することになる。
このように、建物の内側(外装パネル201の一方側)からの作業のみによって、外装パネル201がL字鋼205に固定されて取り付けられることになる。
さらに、支持梁部がL字鋼205であった場合でも、固定部材220とL字鋼205(支持梁部)とを確実に固定することができる。
本実施形態であるパネル取付治具310およびパネル部材の取り付け構造は、図6に示すように、建物の外側に配設される外装パネル301を、建物の内部に設けられた支持梁部であるチャンネル部材305に固定して取り付けるものである。
本実施形態であるパネル取付治具310は、図6に示すように、フック部材111と、このフック部材111をチャンネル部材305に固定する固定部材320と、フック部材111をサポートする補助フック部材331と、を備えている。
なお、フック部材111は、第二の実施形態と同じ構成とされているので、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
補助係止部333は、フック部材111の係止部113よりも長さが短くされており、フック部材111の係止部113の外側に係合可能な構成とされている。また、この補助係止部333の先端に挿入ガイド部337が形成されている。
プレート321には、フック部材111の接続部119が挿通される第一貫通孔と、補助フック部材331の接続部339が挿通される第二貫通孔と、が形成されている。なお、本実施形態では、プレート321は、厚さ1.0mm〜2.0mmの鋼板を所定サイズに切り出して穴あけ加工を行うことで成形されている。
そして、本実施形態においては、図6(a)に示すように、プレート321は、チャンネル部材305の一方側を向く側面305aに溶接によって接合されている。ここで、プレート321は、チャンネル部材305の上方に第一貫通孔が位置し、チャンネル部材305の下方に第二貫通孔が位置するように、チャンネル部材305に接合されている。
まず、チャンネル部材305の他方側を向く側面305bに外装パネル301を配置する。
そして、外装パネル301の挿通孔302にフック部材111の係止部113を、外装パネル301の一方の面側(建物の内側)から他方の面側(建物の外側)に向けて挿入する。このとき、まず、挿入ガイド部117を挿通孔302に挿入する。そして、挿入ガイド部117に続いて係止部113(押さえ部115及びばね部114)を挿通させる。これにより、係止部113が挿通孔302を介して、外装パネル301の他方の面側(建物の外側)に配置されることになる。
同様に、プレート321の第二貫通孔に補助フック部材331の接続部339を挿通する。そして、補助フック部材331の接続部339に、プレート321の一方側からワッシャー327を嵌めこみ、ナット328を螺着して締め込む。
これにより、フック部材111が、チャンネル部材305に固定されるとともに、建物の内側(図6(a)において右側)に向けて移動することになる。また、補助フック部材331が、チャンネル部材305に固定されるとともに、建物の内側(図6(a)において右側)に向けて移動することになる。
このように、建物の内側(外装パネル301の一方側)からの作業のみによって、外装パネル301がチャンネル部材305に固定して取り付けられることになる。
例えば、支持梁部が、チャンネル部材またはL字鋼とされた場合について説明したが、これに限定されることはなく、支持梁部の構造に限定はない。
さらに、固定部材の構造についても、本実施形態に限定されることはなく、適宜設計変更することができる。なお、固定部材は、支持梁部の構造に応じて適宜設計変更することが好ましい。
2、102、202、302 挿通孔
5、105、305 チャンネル部材(支持梁部)
10、110、210、310 パネル取付治具
11、111 フック部材
12、112 ロッド部
13、113 係止部
17、117 挿入ガイド部
19、119 接続部
20、120、220、320 固定部材
205 L字鋼(支持梁部)
Claims (4)
- パネル部材を支持梁部に固定して取り付ける際に用いられるパネル取付治具であって、
フック部材と、このフック部材を前記支持梁部に固定する固定部材と、を備えており、
フック部材は、ロッド部と、このロッド部の先端側において前記ロッド部の延在方向に対して屈曲して形成された係止部と、前記ロッド部の後端側において前記固定部材に接続される接続部と、を有しており、
前記係止部の先端に、前記係止部よりも前記ロッド部の延在方向先端側に向けて傾斜した挿入ガイド部が形成されており、
前記係止部は、前記パネル部材に形成された挿通孔を通じて前記パネル部材の一方の面側から他方の面側に向けて挿入可能とされ、前記接続部は、前記固定部材を介して前記支持梁部に固定可能とされており、
前記パネル部材を、前記係止部によって前記支持梁部側に押圧して固定する構成とされていることを特徴とするパネル取付治具。 - 前記係止部は、前記ロッド部の延在方向から見て円弧状をなすように曲げられて成形されていることを特徴とする請求項1に記載のパネル取付治具。
- 前記係止部は、前記ロッド部との接続部分に形成され、前記ロッド部の延在方向に突出するばね部と、このばね部に連接して形成され、前記パネル部材に当接される押さえ部と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のパネル取付治具。
- パネル部材を支持梁部に固定して取り付けるパネル部材の取り付け構造であって、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のパネル取付治具の前記フック部材の係止部を、前記パネル部材に形成された挿通孔を通じて前記パネル部材の一方の面側から他方の面側に向けて挿入し、
前記フック部材の接続部を、前記固定部材を介して支持梁部に固定し、
前記パネル部材を、前記係止部によって前記支持梁部側に押圧して固定することを特徴とするパネル部材の取り付け構造。
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