JP2019035284A - 補強ブレースの取付け金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】
吊りボルト固定部31aと圧接部材4aとによって吊りボルト1に圧接挟持した状態において、ボルト部22を強制的に螺入する操作が行え、その先端角部の接触部分となる圧接部材4aに噛み込み圧痕を形成させて、補強ブレース2の側面を垂直状態とする回転調整操作が行え、強固に締め付け固定された挟持状態を、振動負荷によるガタツキや位置ヅレ、変形など生じることなく長期に渡って維持する。
【解決手段】
側片部32a内の吊りボルト1とナット部33a1との間に、ボルト部22の螺入操作で吊りボルト1に押圧面当て可能な圧接部材4aを配設せしめると共に、該圧接部材4aを、螺入送りにより締め付け操作されるボルト部22の先端を介して吊りボルト1に押圧面接せしめ、吊りボルト固定部31aと圧接部材4aとの間で吊りボルト1を挟持して組付け固定すべく構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、躯体天井部から垂下する複数の吊りボルト間に、補強ブレースを傾斜状に架設する際、その先端のボルト部を螺入した状態で、吊りボルトの下部側にセットし、上部側に移動した後に螺入操作することにより組付け固定可能な補強ブレースの取付け金具に関する。
一般に、この種ユニット化されたシステム天井構造においては、天井ユニット全体を一体化させて耐震強度を向上させるために、補強ブレースを、天井躯体に吊持される吊りボルト間で先端側を天井躯体側に基端側を天井面(Tバー)側に架設して約45度の傾斜角度を基本として取付け金具を介して取り付けされる。
近年、かかる補強ブレースに採用される取付け金具においても、吊りボルトへの組付けに当たり耐震性と施工性が求められている。
ところで、従来、補強ブレースを傾斜状に架設する際に、上側先端部に用いられる取付け金具としては、平面視U字状に形成されて吊りボルトのネジ山に係合した状態で外嵌される吊りボルト固定部と、吊りボルト固定部から補強ブレース側に延出形成される側片部と、吊りボルトの略軸線上に対向配置されるナット部を有したボルト螺入部とを備えたものを基本構成として製作されたものが知られている(特許文献1、2、3参照)。
特許文献1に開示された取付け金具(6)は、吊りボルト固定部と側片部(上下係止片62、63)とボルト螺入部(ナット部61)とを一体形成し、開口する側面(係止部62a、63a)側から吊りボルトの上部側に直接的に掛止して取り付け固定できるようにしたものであり、また、特許文献2に開示され取付け金具(1)は、吊りボルト固定部(背板部12)と側片部(側板部11a、11b)とが一体形成された金具本体(第一部材10)に対して、ボルト螺入部を別部材(第二部材20)で製作し、吊りボルトの下部側で金具本体をセットした後に、ボルト螺入部(第二部材20)を側片部(側板部11a、11b)に挿着して、補強ブレースの先端側を上部側に上昇移動できるようにしたものである。
これらのものは何れも、補強ブレースの先端に設けられたボルト部を螺入して、補強ブレースを回転操作しながらボルト部先端の角部を直接吊りボルトのネジ溝に締め付け圧接させて組付け固定するようになっている。
しかしながら、この様な組付け固定構造を用いて、補強ブレースを最適に組付け固定して所望の耐震強度を得るためには、ボルト部先端の角部を吊りボルトのネジ溝に強固に締め付けて圧接係合させた状態で、かつ、補強ブレース(チャンネル材)の側面が吊りボルトと平行となる垂直状態で回転セットさせて配設する必要がある。ところが、吊りボルトとボルト部は硬質のステンレスやスチール材であるため、ボルト部の角部が吊りボルトに圧接係合させた状態ではそれ以上の螺入操作を行うことができず、補強ブレースの側面が垂直状態となる回転角度位置で、締め付けによる最適な圧接状態をもって固定できない場合が多く、補強ブレースの側面が下向きとなるなど傾斜した非垂直状態でセットされる事態を生じる。補強ブレースはその下部側が野縁受けなどに垂直状態で固定されるため、基本的に非垂直状態にセットされたままで施工を完了することはできず、かかる場合には、止むなく圧接を緩めるなどの締め付け具合を最大1回となるネジ山1ピッチの範囲内で調整して、垂直状態とした回転位置でセットしなければならず、その螺入送りによる締め付け具合が一定化されずに各所にバラツキが生じ組付けの施工ムラが生じる。
また、かかる緩め操作による締め付け調整をもって取り付けられたものは、ボルト部の先端角部が吊りボルトのネジ溝に対して単に点状に接触した状態で取り付けられている場合が多いため、施工後に地震等による揺れを受けて、当該点状接触部位に負荷加重が集中して加わると、ボルト部の先端角部が吊りボルトのネジ山との接触状態が解離されて衝突を繰り返し吊りボルトに変形を生じると共に、吊りボルト固定部がボルト部を中心に上側と下側がそれぞれ吊りボルトから繰り返し離間して、取付け金具にガタツキや位置ヅレ、変形等を生じてしまい、補強構造全体の耐震バランスが崩れて天井下地の恒久性を損ねるという危惧を有しており、最適の締め付け圧接状態をもって組付けされたものに比し、その耐震強度が半減してしまうという不具合を生じ、筋交いとしての補強ブレース本来の機能を損なうという問題がある。なお、特許文献3に開示されたもののように、稼働保持金具(7)により45度の角度が可変してしまうような軸着構造のもののにあっては、最適の締め付け圧接状態をもって組付けされたものであっても、ボルト部が上方に傾動して吊りボルトと離間してしまうため、所定の耐震強度を確保することができない。
また、特許文献2のものは、第二部材(20)を側板部(11a、11b)に上向きに傾斜させて挿着されているため、補強ブレースの先端側を上部側に上昇移動できるものの、下降移動しようとすると第二部材(20)の角部が吊りボルトのネジ山に引っ掛かり係合してしまうため、上昇しすぎたものを下降して位置決めする調整作業が難しく作業性に劣るという欠点がある。
特開2003−138688号公報 特開2012−162872号公報 特開2013−256756号公報
本発明は、上記の如き問題点を一掃すべく創案されたものであって、補強ブレースを、その先端に形成されたボルト部を螺入操作することで、吊りボルト固定部を吊りボルトのネジ山に係合した状態で外嵌固定するようにした取付け金具でありながら、ボルト部の先端角部を吊りボルトのネジ溝に直接当接させて締め付け圧接する固定構造を排除し、両者間に介在せしめた圧接部材が、ボルト部の締め付け固定前においては、取付け金具を、吊りボルトに対して、吊りボルト固定部が下部側で非接触に保持された仮組付けによるセット状態で圧接部材を面当てさせ、摺接案内させながら、補強ブレースの先端側を上部側に容易にスライド移動することのできる案内部材としての機能を有するだけでなく、ボルト部を螺入操作して締め付け固定する際においては、その先端角部が接触する部分を螺入力によって噛み込み変形可能な板状部材により形成することができるので、補強ブレースの回転操作によって、吊りボルト固定部と圧接部材とによって吊りボルトに所定面域をもって圧接挟持された通常の固定状態において、補強ブレースの側面が吊りボルトと平行となる垂直とならない回転角度をもってセットされた場合であっても、ボルト部を強制的に螺入する締め付け操作によって、所謂圧痕が形成された状態で、更に強固に圧接挟持させて、補強ブレースを垂直状態に位置保持調整してセット固定することができ、締め付け具合の不均等によって各所に施工ムラを生じることなく、各所における取付け金具による最適な固定強度を確保して、補強ブレース本来の筋交いとしての耐震機能を保持することのできる補強ブレースの取付け金具を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の補強ブレースの取付け金具は、天井躯体から所定の間隔を存して垂下される複数の吊りボルトと、該吊りボルト間に所定の傾斜角をもって先端側と基端側が架設される補強ブレースとを含む天井下地の施工に際して、該補強ブレースを、その先端側に設けられたボルト部を螺入固定することで吊りボルトの上部側へ組付け取着する補強ブレースの取付け金具であって、該取付け金具は、平面視U字状に形成されて吊りボルトのネジ山に係合した状態で外嵌される吊りボルト固定部と、該吊りボルト固定部から前記補強ブレース側に延出形成される側片部と、該側片部に設けられて前記補強ブレースのボルト部が、吊りボルトの略軸線上に所定の傾斜角をもって対向配置されたナット部に螺入固定されるボルト螺入部とを備える一方、前記側片部内の吊りボルトとナット部間に、前記ボルト部の螺入操作で吊りボルトに押圧面当て可能な圧接部材を配設せしめると共に、該圧接部材を、螺入送りにより締め付け操作される前記ボルト部の先端を介して吊りボルトに押圧面接せしめ、前記吊りボルト固定部と圧接部材との間で吊りボルトを挟持して組付け固定すべく構成してあることを特徴とするものである。
本発明は、上記のように構成したことにより、補強ブレースを、その先端に形成されたボルト部を螺入操作することで、吊りボルト固定部を吊りボルトのネジ山に係合した状態で外嵌固定するようにした取付け金具でありながら、ボルト部の先端角部を吊りボルトのネジ溝に直接当接させて締め付け圧接する固定構造を排除し、両者間に介在せしめた圧接部材が、ボルト部の締め付け固定前においては、取付け金具を、吊りボルトに対して、吊りボルト固定部が下部側で非接触に保持された仮組付けによるセット状態で圧接部材を面当てさせ、摺接案内させながら、補強ブレースの先端側を上昇操作して、上部側に容易にスライド移動することのできる案内部材としての機能を有し、位置決め調整やセット作業を素早く行い得て、一カ所に要する作業時間を大幅に短縮して作業効率を向上することができるだけでなく、圧接部材は、ボルト部の先端角部による接触部分が、その締め付け締め付け操作による螺入力で噛み込み変形可能な板状部材や孔加工等をもって形成することができるので、補強ブレースの回転操作によりボルト部を螺入し、その先端角部の締め付による押圧力で、吊りボルト固定部と圧接部材とによって吊りボルトに圧接挟持させて固定した際に、補強ブレースのチャンネル材の側面が吊りボルトと平行となる垂直状態とならない回転角度をもってセットされた場合は勿論、垂直状態で適正にセットされた場合あっても、ボルト部を強制的に螺入する締め付け操作によって、その先端角部の接触部分が螺入力により塑性変形して噛み込んでくぼみを生じる、所謂圧痕を形成することができるので、従来のボルト部の先端角部を直接吊りボルトに当接固定するものに比し、更に強固に吊りボルトを圧接挟持した密着状態でセット固定することができ、この良好な固定状態で下部側を野縁受けなどにビス固定することができる。
その結果、地震等の振動を受けても、ボルト部の先端角部の圧接部材に対する接触部分が離間することがなく、噛み込みによる圧接状態が保持され、吊りボルト固定部と圧接部材とが吊りボルトに対して、これら三者が上下方向所定面域をもって強固に密着圧接された挟持状態によって一体化され、振動負荷により、ガタツキや位置ヅレ、変形などを確実に防止することができ、この三位一体化された挟持状態を長期に渡って維持することができると共に、各所における取付け金具による組付けが、最適な固定強度や耐震補強強度が保持された均一な施工状態をもって、組付け固定することができるので、従来の如きボルト部の緩め操作によって補強ブレースのチャンネル材を垂直補正する調整が回避され、締め付け具合の不均等によって各所に施工ムラやバラツキを生じることがなく、天井下地全体の各所における振動負荷をバランス良く分散させることができ、補強ブレースの組付け固定状態が長期に亘って好適に維持されて、補強ブレース本来の筋交いとしての耐震機能と、補強構造全体の耐震バランスを良好かつ恒久的に保持することができる。
本発明の第1実施形態に係る取付け金具を用いて補強ブレースを固定した状態を示す説明図であって、(A)は正面図、(B)は平面図である。 本発明の第2実施形態に係る取付け金具を用いて補強ブレースを固定した状態を示す説明図であって、(A)は正面図、(B)は平面図である。 本発明の第1実施形態に係る取付け金具の金具本体を示し、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は平面図、(E)は底面図である。 本発明の第1実施形態に係る取付け金具の圧接部材を示し、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図である。 本発明の第1実施形態に係る取付け金具のボルト螺入部を示し、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は断面図である。 本発明の第2実施形態に係る取付け金具の金具本体を示し、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は平面図、(E)は底面図である。 本発明の第2実施形態に係る取付け金具の圧接部材を示し、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は平面図である。 第1実施形態に係る取付け金具を吊りボルトに組付け固定する手順を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を好適な実施の形態として例示する野縁受け固定金具を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および2は、本発明の実施形態に係る天井下地の補強ブレースを取付け金具を用いて組付け固定した状態を示す説明図である。これら図に示す天井下地には、躯体天井部から所定の間隔を存して垂下される複数の吊りボルト1と、図示しないこれら吊りボルト1間に野縁受けハンガーを介して吊りボルト1の下端部に支持される野縁受け(天井下地材)と、野縁受けに図示しない野縁取付金具を介して取り付けられる野縁(天井下地材)と、野縁にネジ固定される天井パネル等が含まれている。
2は吊りボルト1、1間で一端を天井躯体側に基端を天井面となる野縁取付金具側に架設して取り付けられる補強ブレースであって、該補強ブレース2は、断面コ字状またはC字状のチャンネル材21とその先端側にボルト部22を備えて構成される。補強ブレース2の先端側は、このボルト部22を螺入することで組付け固定される取付け金具3を介して吊りボルト1の上部に取り付けられ、チャンネル材21の側面が吊りボルト1と平行となる垂直状態に回転調整した状態で、補強ブレース2の基端側を、吊りボルト1の下部側に固定金具を介してビス止め固定されるようになっている。
また、本実施形態で使用される補強ブレース2は、本願出願人が特開2011−052481号公報として開示したものを採用しており、特に、ボルト部22には、補強ブレース2が45度の傾斜角度を基本として架設されるが、吊りボルト1、1相互の間隔が補強ブレース2をこの45度の傾斜角で取り付けできない個所が存在する場合には、±15度の施工許容角度をもって架設する取り付けが許容されていることから、かかる許容角度の範囲内で傾斜角を調整できるようになっている。なお、詳細は当該公開公報を参照されたい。
本発明にかかる取付け金具としては、図1に示された第1実施形態に係る取付け金具3aと、図2に示された第2実施形態に係る取付け金具3bが用いられており、それぞれの取付け金具3a、3bは、平面視U字状に形成されて吊りボルト1のネジ山に係合した状態で外嵌される吊りボルト固定部31a、31bと、吊りボルト固定部31a、31bから補強ブレース2側に延出形成される側片部32a、32bと、吊りボルト1の略軸線上に対向配置されるナット部33a1、33b1を有したボルト螺入部33a、33bとを備えたものを基本構成として製作され、後述するボルト部22の先端により螺入送りされて、吊りボルト1に押圧面当てされる圧接部材4a、4bを介して吊りボルト1を挟持させた状態で組付け固定されている。
図3〜5は、第1実施形態に係る取付け金具3aであって、図3(A)〜(D)はその金具本体を、図4(A)〜(C)は圧接部材を、図5(A)〜(C)はボルト螺入部をそれぞれ示す構成図である。
これら図に示すように、取付け金具3aは、吊りボルト固定部31aと側片部32aとを金具本体3a1としてアルミ合金材にて全体が平面視U字状に一体形成され、ボルト螺入部33aは側面視C字状の別部材としてスチール材にて形成される。吊りボルト固定部31aのU字状内周面にはナット溝31a1が形成されており、側片部32aは、吊りボルト固定部31aの両側から補強ブレース2側に一対のものとして、それぞれ吊りボルト固定部31aから鉛直に延出されて、45度の傾斜面をもって下方に湾曲延出する形状を有して形成されている。
また、それぞれの側片部32a、32aには、ボルト螺入部33aの開口側上下片を45度の傾斜角をもって挿着する挿着溝32a1、32a1が形成されており、ボルト螺入部33aのナット部33a1には、予めボルト部22が僅かに突出した状態で螺入されており、ボルト螺入部33aを横方向から挿着溝32a1、32a1に挿入する際に、ボルト部22の突出部分を通過させるための挿着溝32a2が打ち抜き形成されており、金具本体3a1をその開口側から吊りボルト1に嵌挿した後にセットできるようになっている。
圧接部材4aは、螺入送りにより締め付け操作されるボルト部22の先端角部により当接押動させて吊りボルト1に押圧面接せしめることで、吊りボルト固定部31aと圧接部材4aとの間で吊りボルト1を挟持して組付け固定するための部材であって、本実施形態における圧接部材4aとしてはアルミ合金材が用いられている。この圧接部材4aは、吊りボルト1への接触面が2面となるよう縦長板状材を左右対称にへ字状に折曲し、その中央の山部にボルト部22の先端角部が接触するように形成され、ボルト部22の螺入による締め付け操作でその先端角部が、螺入力による転動圧接により接触する部分が山部分に噛み込んで塑性変形する、所謂、転動圧接面が小さくくぼみむ圧痕を生成し易い形状および材質となっている。なお、圧接部材4aとしアルミ合金材を用いたが、硬質樹脂材を用いても良く、要は圧痕が生成可能で、挟持圧接可能な強度を有した材質の素材を用いることができる。
圧接部材4aの中央山部の両側傾斜面には、金具本体3a1の開口側となるそれぞれの側片部32a、32aに挿入セットされる挿通部4a1、4a1が打ち抜き孔(凹状溝であっても良い)として形成されており、側片部32aに挿入セットされた状態で上下左右方向に移動規制され、側片部32aの湾曲形状に沿ってスライド案内されるようになっている。なお、圧接部材4aをへ字状に折曲形成したが円弧状に湾曲形成しても良いことは勿論であり、ボルト部22の先端角部が、その螺入力をもって接触する部分が噛み込み形成し、吊りボルト1の接触面は1面であっても良いが、安定した接触が得られるよう2面または円弧面とすることが好適である。また、ナット部33a1は、ボルト部22の先端角部が圧接部材4aの略上下中央部位で圧接するよう配設されている。
図6、7は、第2実施形態に係る取付け金具3bであって、図6(A)〜(E)はその金具本体を、図7(A)〜(D)は圧接部材をそれぞれ示す構成図である。
これら図に示すように、取付け金具3bは、吊りボルト固定部31bと側片部32bとボルト螺入部33bとが、金具本体3b1としてスチール材にて一体形成される。側片部32bは、吊りボルト固定部31bからそれぞれ補強ブレース2側に鉛直に延出される鉛直面を有し、その一側面を、第1実施例と同様に45度の傾斜面をもって下方に湾曲延出する湾曲面を有して、吊りボルト固定部31bと側片部32b、32bとによって平面視し字状に形成され、ボルト螺入部33bは、この湾曲延出する湾曲面の基端を吊りボルト1に対向するよう90度折曲して形成されており、金具本体3b1を開口する側面から吊りボルト1に掛合セットできるようになっている。また、ナット部33b1は、ボルト部22を45度の傾斜角をもって螺入され、その先端角部が圧接部材4bの略上下中央部位で圧接するよう配設されている。
吊りボルト固定部31bのU字状内周面には、吊りボルト1のネジ山に係合するナット溝としての係合爪31b1が形成されており、本実施形態の係合爪31b1は、ネジ山2ピッチ分(1ピッチ分等ピッチ数は任意に設定可)に対応する側面形状を有しており、吊りボルト固定部31bの上下4箇所に切り起し状に形成されるものである。
圧接部材4bは、第1実施例と同様、ボルト部22の先端角部により押動させて吊りボルト1に押圧面接せしめることで、吊りボルト固定部31bと圧接部材4bとの間で吊りボルト1を挟持して組付け固定するための部材であって、スチール材にて成型される。この圧接部材4bは、吊りボルト1への接触面が2面となるよう縦長板状材を左右対称にへ字状に折曲形成され、素材自体の硬度を利用した圧痕生成ができないため、ボルト部22の先端角部が接触する中央の山部位置に、加工によって噛み込みによる圧痕の生成を可能とする圧痕用孔4b3が穿設されている。つまり、スチール材はアルミ合金と異なり硬質であるため、ボルト部22の螺入による締め付け操作によっても、その先端角部が当接するとそれ以上の螺入操作が行えず、噛み込みによる圧痕を生成することができないため、この様に圧痕用孔4b3を穿設することによって、ボルト部22の先端角部が、圧痕用孔4b3の内周角端に接触するようにして、螺入力により転動圧接させることによって接触する内周角端に分が、噛み込みにより塑性変形して圧痕が生成され易いようになっている。
圧接部材4bの中央山部の両側傾斜面の一方には、開口側の短尺の側片部32bに挿入セットされる挿通部4b1が、他方には、ボルト螺入部33bが折曲形成される長尺の側片部32bの上側から掛止セットされる、逆L字状の掛止片4b2が、それぞれ打ち抜き形成されており、掛止片4b2を長尺の側片部32bに係止した状態から、湾曲形状に沿ってスライド案内させて、挿通部4b1を短尺の側片部32bに挿入させてセットされる構成となっている。このセット状態で圧接部材4bは上下左右方向への移動が規制される。なお、圧痕用孔4b3は凹溝であっても良く、要は圧痕が生成可能な加工が施されたものであれば良い。
また、圧接部材4は、吊りボルト固定部が設けられた種々の取付け金具にも採用することができ、例えば、特許文献1に開示された取付け金具(6)に採用する場合には、上側係止片(62)と下側係止片(63)に適合した側面視略コ字状に形成し、横方向から挿入セット可能に切欠き溝や係止片を設けるようにすれば良く、この様に構成すると、上下係止片の拡開規制部材としても機能させることができる。
さて、上記のように構成した取付け金具3aを用いて、図1に示す取り付け状態とする際の吊りボルト1に補強ブレース2を取り付ける手順手順について、図8を参照して詳細に説明する。図8の(A)〜(C)は、取付け金具3aの取り付け手順を示す説明図である。これら図に示すように、本発明の実施態様に係る取付け金具3aを吊りボルト1に取り付けするには、まず、図8(A)に示すように、金具本体3a1を、側片部32a、32aの開口側から吊りボルト1の下部側に嵌挿セットさせ、圧接部材4aを、側片部32a、32aに挿通部4a1、4a1を挿入させて、図8(B)に示すように側片部32aの形状に沿わせて吊りボルト1の近傍にスライド移動させて仮組付けする。
次いで、ボルト螺入部33aを、ナット部33a1にボルト部22をその先端が僅かに突出した状態で螺入して補強ブレース2に取り付け、この突出したボルト部22を挿着溝32a2に通過させつつ、ボルト螺入部33aの開口側上下片を横方向から挿着溝32a1、32a1に挿着する。ボルト螺入部33aを側片部32a、32aに組付けセットした後、図8(C)に示すように、ボルト部22を仮螺入操作させることで、圧接部材4aを吊りボルト1の近傍位置まで移動させ、圧接部材4aを吊りボルト1に当接させた状態で、吊りボルト固定部31aのナット溝31a1が吊りボルト1のネジ山に接触しない非接触に保持された遊装状態で仮組付けする。この仮組付け状態から補強ブレース2を把持し、吊りボルト1の下部側にセットされた取付け金具3aを、吊りボルト1に圧接部材4aを押圧面接させつつ摺接案内させながら、上昇操作させてスライド移動し、吊りボルト1の上部側となる所定位置で上下調整により位置決めする。その際、圧接部材4aは昇降移動による操作時に、吊りボルト1のネジ山に何ら引っ掛かることがなくスムーズな移動が可能であるため、上部側における上下調整による位置決め操作も容易に行うことができる。
つまり、本実施形態における圧接部材4aは、補強ブレース2の先端側の取付け金具3aを、吊りボルト1に沿わせて上昇案内するための案内部材として機能し、かつ、上部側となる所定位置で上下位置決め調整も可能なものとなっている。この位置決め状態で補強ブレース2を回転操作させながらボルト部22を本締め螺入操作し、吊りボルト1に圧接部材4aを螺入送りにより押動させて押圧面接させ、ナット溝31a1が吊りボルト1のネジ山に係合した状態で、吊りボルト固定部31aと圧接部材4aとの間で吊りボルト1を圧接挟持させて組付けすることにより本固定する。このとき、補強ブレース2のチャンネル材21の側面が吊りボルト1と平行とならずに、下向きとなるなど傾斜した非垂直状態でセットセットされた場合は勿論、垂直状態で適正にセットされた場合あっても、さらに補強ブレース2を1回転させるネジ山1ピッチ分の範囲内で回転操作して、ボルト部22を強制的に螺入送りする締め付け操作によって、ボルト部22の先端角部がアルミ合金材である圧接部材4aの山部に噛み込んで、補強ブレース2を垂直状態に強制回転調整させることができると共に、吊りボルト1のネジ山に対する圧接部材4aの押圧面にもネジ山の圧痕を生じて位置ズレ規制がなされ、更に強固に吊りボルト1を圧接密着した挟持状態でセット固定され、この垂直状態で補強ブレース2の下部側を野縁受けなどにビス固定することで補強ブレース2の取付作業が完了する。
なお、第2実施形態にかかる取付け金具3bも第1実施形態にかかる取付け金具3aの取付け手順と概略同じであるが、相違する取付け手順について簡単に説明する。先ず、ナット部33b1にボルト部22を螺入させて金具本体3b1を補強ブレース2に取り付けしておく。この状態で、金具本体3b1を、吊りボルト固定部31bとボルト螺入部33bとの間が開口する短尺な側片部32b側を横方向から吊りボルト1にセットし、圧接部材4bの掛止片4b2を長尺の側片部32bに落とし込みセットして係止させた状態から、その湾曲形状に沿ってスライド案内させて、挿通部4b1を短尺の側片部32bに挿入セットさせたのち、ボルト部22を仮螺入操作させ、以下同様の操作手順によって本組付け固定すれば良く、その際、ボルト部22の先端角部が強制的な締め付け操作によって圧痕用孔4b3に噛み込んで吊りボルト1に挟持固定される。なお、圧接部材4bはスチール材であるので、吊りボルト1のネジ山に対する押圧面にネジ山の圧痕を生じることはないが、上下左右方向にへの移動が規制されているので滑りを生じることはない。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、いま、垂下される複数の吊りボルト1に、補強ブレース2を、その先端に形成されたボルト部22を螺入操作することで、吊りボルト1のネジ山に吊りボルト固定部31a、31bのナット溝31a1、係合爪31b1を係合した状態で外嵌固定される取付け金具3a、3bを介して組付け固定するのであるが、本発明にかかる取付け金具3a、3bは、平面視U字状に形成されて吊りボルト1のネジ山に係合した状態で外嵌される吊りボルト固定部31a、31bと、該吊りボルト固定部31a、31bから補強ブレース2側に延出形成される側片部32a、32bと、該側片部32a、32bに設けられて補強ブレース2のボルト部22が、吊りボルト1の略軸線上に所定の傾斜角(基本45度)をもって対向配置されたナット部33a1、33b1に螺入固定されるボルト螺入部33a、33bとを備える一方、側片部32a、32b内の吊りボルト1とナット部33a1、33b1との間に、ボルト部22の螺入操作で吊りボルト1に押圧面当て可能な圧接部材4a、4bを配設せしめると共に、該圧接部材4a、4bを、螺入送りにより締め付け操作されるボルト部22の先端により押動させて吊りボルト1に押圧面接せしめ、吊りボルト固定部31a、31bと圧接部材4a、4bとの間で吊りボルト1を挟持して組付け固定すべく構成しされている。
この様に構成すると、補強ブレース2を、その先端に形成されたボルト部22を螺入操作することで、吊りボルト固定部31a、31bを吊りボルト1のネジ山に係合した状態で外嵌固定するようにした取付け金具3a、3bでありながら、ボルト部22の先端角部を吊りボルト1のネジ溝に直接当接させて締め付け圧接する固定構造を排除し、両者間に介在せしめた圧接部材4a、4bが、ボルト部22の締め付け固定前においては、取付け金具3a、3bを、吊りボルト1に対して、吊りボルト固定部31a、31bが下部側で非接触に保持された仮組付けによる遊装セット状態で圧接部材4a、4bを面当てさせ、摺接案内させながら、補強ブレース2の先端側を上昇操作して、上部側に容易にスライド移動することのできる案内部材としての機能を有し、位置決め調整やセット作業を素早く行い得て、一カ所に要する作業時間を大幅に短縮して作業効率を向上することができるだけでなく、圧接部材4a、4bは、ボルト部22の先端角部による接触部分が、その締め付け締め付け操作による螺入力で噛み込み変形可能な板状部材や孔加工等をもって形成することができるので、補強ブレース2の回転操作によりボルト部22を螺入し、その先端角部の締め付による押圧力で、吊りボルト固定部31a、31bと圧接部材4a、4bとによって吊りボルト1に圧接挟持させて固定した際に、補強ブレース2のチャンネル材21の側面が吊りボルト1と平行となる垂直状態とならない回転角度をもってセットされた場合は勿論、垂直状態でセットされた場合あっても、ボルト部22を強制的に螺入する締め付け操作によって、その先端角部の接触部分が螺入力により塑性変形して噛み込んでくぼみを生じる、所謂圧痕を形成することができるので、従来のボルト部22の先端角部を直接吊りボルト1に当接固定するものに比し、更に強固に吊りボルト1を圧接挟持した密着状態でセット固定することができ、この良好な固定状態で下部側を野縁受けなどにビス固定することができる。
その結果、地震等の振動を受けても、ボルト部22の先端角部の圧接部材4a、4bに対する接触部分が離間することがなく、噛み込みによる圧接状態が保持され、吊りボルト固定部31a、31bと圧接部材4a、4bとが吊りボルト1に対して、これら三者が上下方向所定面域をもって強固に密着圧接された挟持状態によって一体化され、振動負荷により、ガタツキや位置ヅレ、変形などを確実に防止することができ、この三位一体化された挟持状態を長期に渡って維持することができると共に、各所における取付け金具3a、3bによる組付けが、最適な固定強度や耐震補強強度が保持された均一な施工状態をもって、組付け固定することができるので、従来の如きボルト部22の緩め操作によって補強ブレース2のチャンネル材21を垂直補正する調整が回避され、締め付け具合の不均等によって各所に施工ムラやバラツキを生じることがなく、天井下地全体の各所における振動負荷をバランス良く分散させることができ、補強ブレース2の組付け固定状態が長期に亘って好適に維持されて、補強ブレース2本来の筋交いとしての耐震機能と、補強構造全体の耐震バランスを良好かつ恒久的に保持することができる。
また、圧接部材4a、4bは、板状材にて吊りボルト1への押圧面がへ字状または円弧状に形成されると共に、ボルト部22の先端角部による接触部分が、当該ボルト部22の締め付け操作による螺入力で噛み込み変形可能に構成されている。つまり、かかる噛み込み変形可能な形態として、鉄やステンレス材にて形成されたボルト部22に対し、硬度の低いアルミ合金材にて圧接部材4aを形成することで、その中央の山部にボルト部22の先端角部が接触する部分が、螺入力による転動圧接することで、切削状に小さくくぼみむ圧痕を生成し易いものとすることができる一方、圧接部材4bに同等の硬度を有するスチール材を用いた場合には、ボルト部22の先端角部が接触する部分に圧痕用孔4b3を穿設することにより、その内周角端にボルト部22の先端角部が接触するようにして、螺入力により転動圧接させることによって接触する内周角端に分が、噛み込みにより塑性変形して圧痕が生成され易くすることができる。
これにより、補強ブレース2を1回転させるネジ山1ピッチ分の範囲内で回転操作して、ボルト部22を強制的に螺入する締め付け操作が可能となり、その先端角部の接触部分が螺入力により塑性変形して噛み込んでくぼみを生じる、所謂圧痕を形成することができ、吊りボルト固定部31a、31bと圧接部材4a、4bとが吊りボルト1に対して、これら三者が上下方向所定面域をもって強固に密着圧接された挟持状態によって三位一体化して組付け固定することができる。
また、圧接部材4a、4bは、吊りボルト固定部31a、31bを吊りボルト1の下部側で被嵌した状態で、側片部32a、32bに上下動不能に遊装されて仮組付けされると共に、当該吊りボルト1に対して、その押圧面を、ボルト部22の仮螺入操作によって、吊りボルト固定部31a、31bが非接触に保持された面当て状態で摺接案内させながら、補強ブレース2の先端側を上部側にスライド移動可能とする案内部材に兼用せしめて構成されている。
このように構成すると、圧接部材4a、4bを、側片部32a、32bにセットした際に、その湾曲形状に沿ってスライド案内させて吊りボルト1の近傍位置まで移動させることができ、この状態でボルト部22を螺入操作して、吊りボルト1に対して吊りボルト固定部31a、31bが非接触に保持された位置決め状態として、下部側における取付け金具3a、3bの仮組付けセット作業を容易に行うことができるだけでなく、このセット状態で圧接部材4a、4bの押圧面を吊りボルト1のネジ山に面当てさせ、摺接案内させながら、補強ブレース2の先端側を上昇操作して、上部側に容易にスライド移動することのできると共に、上部側における上下調整もネジ山に引っ掛かることなくスムーズな位置決め操作が行え、この位置決め状態で補強ブレース2を回転操作してボルト部22の先端角部でネジ山に押圧させ、ボルト部22を強制的に螺入する締め付け操作によって、その接触部分に圧痕を形成させた状態で本固定をすれば良く、セット作業を容易かつ短時間で素早く行うことができ、一カ所に要する作業時間を大幅に短縮して作業効率を向上することができる
また、圧接部材4a、4bは、吊りボルト固定部31a、31bを吊りボルト1の下部側で被嵌した後に、側片部32a、32bに挿入可能に挿通部4a1、4a1が形成されているので、圧接部材4a、4bが側片部32a、32bに挿入セットされた状態で上下左右方向に移動規制がなされた状態で本固定されるので、地震等の振動を受けた際に、ボルト部22の先端角部の圧接部材4a、4bに対する接触部分が離間や位置ズレを生じることがなく、噛み込みによる圧接状態を好適に保持することができるだけでなく、吊りボルト固定部31a、31bと圧接部材4a、4bとが吊りボルト1に対して、これら三者が三位一体となった強固に密着圧接された挟持状態を保持することができ、振動負荷によるガタツキや位置ヅレ、変形などの発生を確実に防止することができる。
1 吊りボルト
2 補強ブレース
21 チャンネル材
22 ボルト部
3a 取付け金具
3a1 金具本体
31a 吊りボルト固定部
31a1 ナット溝
32a 側片部
32a1 挿着溝
33a ボルト螺入部
33a1 ナット部
3b 取付け金具
3b1 金具本体
31b 吊りボルト固定部
31b1 係合爪
32b 側片部
33b ナット部
33b1 ボルト螺入部
4a 圧接部材
4a1 挿通部
4b 圧接部材
4b1 挿通部
4b2 掛止片
4b3 圧痕用孔
ところで、従来、補強ブレースを傾斜状に架設する際に、上側先端部に用いられる取付け金具としては、平面視U字状に形成されて吊りボルトのネジ山に係合した状態で外嵌される吊りボルト固定部と、吊りボルト固定部から補強ブレース側に延出形成される側片部と、吊りボルトの略軸線上に対向配置されるナット部を有したボルト螺入部とを備えたものを基本構成として製作されたものが知られている(特許文献1、2、3参照)。
特許文献1に開示された取付け金具(6)は、吊りボルト固定部(上下係止部62a、63a)と側片部(上下係止片62、63)とボルト螺入部(ナット部61)とを一体形成し、開口する側面(係止部62a、63a)側から吊りボルトの上部側に直接的に掛止して取り付け固定できるようにしたものであり、また、特許文献2に開示され取付け金具(1)は、吊りボルト固定部(背板部12)と側片部(側板部11a、11b)とが一体形成された金具本体(第一部材10)に対して、ボルト螺入部を別部材(第二部材20)で製作し、吊りボルトの下部側で金具本体をセットした後に、ボルト螺入部(第二部材20)を側片部(側板部11a、11b)に挿着して、補強ブレースの先端側を上部側に上昇移動できるようにしたものである。
また、かかる緩め操作による締め付け調整をもって取り付けられたものは、ボルト部の先端角部が吊りボルトのネジ溝に対して単に点状に接触した状態で取り付けられている場合が多いため、施工後に地震等による揺れを受けて、当該点状接触部位に負荷加重が集中して加わると、ボルト部の先端角部が吊りボルトのネジ山との接触状態が解離されて衝突を繰り返し吊りボルトに変形を生じると共に、吊りボルト固定部がボルト部を中心に上側と下側がそれぞれ吊りボルトから繰り返し離間して、取付け金具にガタツキや位置ヅレ、変形等を生じてしまい、補強構造全体の耐震バランスが崩れて天井下地の恒久性を損ねるという危惧を有しており、最適の締め付け圧接状態をもって組付けされたものに比し、その耐震強度が半減してしまうという不具合を生じ、筋交いとしての補強ブレース本来の機能を損なうという問題がある。なお、特許文献3に開示されたもののように、可動保持金具(7)により45度の角度が可変してしまうような軸着構造のもののにあっては、最適の締め付け圧接状態をもって組付けされたものであっても、ボルト部が上方に傾動して吊りボルトと離間してしまうため、所定の耐震強度を確保することができない。
また、特許文献2のものは、第二部材(20)を側板部(11a、11b)に上向きに傾斜させて挿着されているため、補強ブレースの先端側を上部側に上昇移動できるものの、下降移動しようとすると第二部材(20)の角部が吊りボルトのネジ山に引っ掛かり係合してしまうため、上昇しすぎたものを下降して位置決めする調整作業が難しく作業性に劣るという欠点がある。
本発明は、上記のように構成したことにより、補強ブレースを、その先端に形成されたボルト部を螺入操作することで、吊りボルト固定部を吊りボルトのネジ山に係合した状態で外嵌固定するようにした取付け金具でありながら、ボルト部の先端角部を吊りボルトのネジ溝に直接当接させて締め付け圧接する固定構造を排除し、両者間に介在せしめた圧接部材が、ボルト部の締め付け固定前においては、取付け金具を、吊りボルトに対して、吊りボルト固定部が下部側で非接触に保持された仮組付けによるセット状態で圧接部材を面当てさせ、摺接案内させながら、補強ブレースの先端側を上昇操作して、上部側に容易にスライド移動することのできる案内部材としての機能を有し、位置決め調整やセット作業を素早く行い得て、一カ所に要する作業時間を大幅に短縮して作業効率を向上することができるだけでなく、圧接部材は、ボルト部の先端角部による接触部分が、その締め付け締め付け操作による螺入力で噛み込み変形可能な板状部材や孔加工等をもって形成することができ、補強ブレースの回転操作によりボルト部を螺入し、その先端角部の締め付による押圧力で、吊りボルト固定部と圧接部材とによって吊りボルトに圧接挟持させて固定した際に、補強ブレースのチャンネル材の側面が吊りボルトと平行となる垂直状態とならない回転角度をもってセットされた場合は勿論、垂直状態で適正にセットされた場合あっても、ボルト部を強制的に螺入する締め付け操作によって、その先端角部の接触部分が螺入力により塑性変形して噛み込んでくぼみを生じる、所謂圧痕を形成することができるので、従来のボルト部の先端角部を直接吊りボルトに当接固定するものに比し、更に強固に吊りボルトを圧接挟持した密着状態でセット固定することができ、この良好な固定状態で下部側を野縁受けなどにビス固定することができる。
その結果、地震等の振動を受けても、ボルト部の先端角部の圧接部材に対する接触部分が離間することがなく、噛み込みによる圧接状態が保持され、吊りボルト固定部と圧接部材とが吊りボルトに対して、これら三者が上下方向所定面域をもって強固に密着圧接された挟持状態によって一体化され、振動負荷により、ガタツキや位置ヅレ、変形などを確実に防止することができ、この三位一体化された挟持状態を長期に渡って維持することができると共に、各所における取付け金具による組付けが、最適な固定強度や耐震補強強度が保持された均一な施工状態をもって、組付け固定することができるので、従来の如きボルト部の緩め操作によって補強ブレースのチャンネル材を垂直補正する調整が回避され、締め付け具合の不均等によって各所に施工ムラやバラツキを生じることがなく、天井下地全体の各所における振動負荷をバランス良く分散させることができ、補強ブレースの組付け固定状態が長期に亘って好適に維持されて、補強ブレース本来の筋交いとしての耐震機能と、補強構造全体の耐震バランスを良好かつ恒久的に保持することができる。
圧接部材4aは、螺入送りにより締め付け操作されるボルト部22の先端角部により当接押動させて吊りボルト1に押圧面接せしめることで、吊りボルト固定部31aと圧接部材4aとの間で吊りボルト1を挟持して組付け固定するための部材であって、本実施形態における圧接部材4aとしてはアルミ合金材が用いられている。この圧接部材4aは、吊りボルト1への接触面が2面となるよう縦長板状材を左右対称にへ字状に折曲し、その中央の山部にボルト部22の先端角部が接触するように形成され、ボルト部22の螺入による締め付け操作でその先端角部が、螺入力による転動圧接により接触する部分が山部分に噛み込んで塑性変形する、所謂、転動圧接面が小さくくぼむ圧痕を生成し易い形状および材質となっている。なお、圧接部材4aとしアルミ合金材を用いたが、硬質樹脂材を用いても良く、要は圧痕が生成可能で、挟持圧接可能な強度を有した材質の素材を用いることができる。
圧接部材4aの中央山部の両側傾斜面には、金具本体3a1の開口側となるそれぞれの側片部32a、32aに挿入セットされる挿通部4a1、4a1が打ち抜き孔(凹状溝であっても良い)として形成されており、側片部32aに挿入セットされた状態で上下左右方向に移動規制され、側片部32aの湾曲形状に沿ってスライド案内されるようになっている。なお、圧接部材4aをへ字状に折曲形成したが円弧状に湾曲形成しても良いことは勿論であり、ボルト部22の先端角部により、その螺入力をもって接触する部分が噛み込み形し、吊りボルト1の接触面は1面であっても良いが、安定した接触が得られるよう2面または円弧面とすることが好適である。また、ナット部33a1は、ボルト部22の先端角部が圧接部材4aの略上下中央部位で圧接するよう配設されている。
圧接部材4bは、第1実施例と同様、ボルト部22の先端角部により押動させて吊りボルト1に押圧面接せしめることで、吊りボルト固定部31bと圧接部材4bとの間で吊りボルト1を挟持して組付け固定するための部材であって、スチール材にて成型される。この圧接部材4bは、吊りボルト1への接触面が2面となるよう縦長板状材を左右対称にへ字状に折曲形成され、素材自体の硬度を利用した圧痕生成ができないため、ボルト部22の先端角部が接触する中央の山部位置に、加工によって噛み込みによる圧痕の生成を可能とする圧痕用孔4b3が穿設されている。つまり、スチール材はアルミ合金と異なり硬質であるため、ボルト部22の螺入による締め付け操作によっても、その先端角部が当接するとそれ以上の螺入操作が行えず、噛み込みによる圧痕を生成することができないため、この様に圧痕用孔4b3を穿設することによって、ボルト部22の先端角部が、圧痕用孔4b3の内周角端に接触するようにして、螺入力により転動圧接させることによって接触する内周角端分が、噛み込みにより塑性変形して圧痕が生成され易いようになっている。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、いま、垂下される複数の吊りボルト1に、補強ブレース2を、その先端に形成されたボルト部22を螺入操作することで、吊りボルト1のネジ山に吊りボルト固定部31a、31bのナット溝31a1、係合爪31b1を係合した状態で外嵌固定される取付け金具3a、3bを介して組付け固定するのであるが、本発明にかかる取付け金具3a、3bは、平面視U字状に形成されて吊りボルト1のネジ山に係合した状態で外嵌される吊りボルト固定部31a、31bと、該吊りボルト固定部31a、31bから補強ブレース2側に延出形成される側片部32a、32bと、該側片部32a、32bに設けられて補強ブレース2のボルト部22が、吊りボルト1の略軸線上に所定の傾斜角(基本45度)をもって対向配置されたナット部33a1、33b1に螺入固定されるボルト螺入部33a、33bとを備える一方、側片部32a、32b内の吊りボルト1とナット部33a1、33b1との間に、ボルト部22の螺入操作で吊りボルト1に押圧面当て可能な圧接部材4a、4bを配設せしめると共に、該圧接部材4a、4bを、螺入送りにより締め付け操作されるボルト部22の先端により押動させて吊りボルト1に押圧面接せしめ、吊りボルト固定部31a、31bと圧接部材4a、4bとの間で吊りボルト1を挟持して組付け固定すべく構成されている。
この様に構成すると、補強ブレース2を、その先端に形成されたボルト部22を螺入操作することで、吊りボルト固定部31a、31bを吊りボルト1のネジ山に係合した状態で外嵌固定するようにした取付け金具3a、3bでありながら、ボルト部22の先端角部を吊りボルト1のネジ溝に直接当接させて締め付け圧接する固定構造を排除し、両者間に介在せしめた圧接部材4a、4bが、ボルト部22の締め付け固定前においては、取付け金具3a、3bを、吊りボルト1に対して、吊りボルト固定部31a、31bが下部側で非接触に保持された仮組付けによる遊装セット状態で圧接部材4a、4bを面当てさせ、摺接案内させながら、補強ブレース2の先端側を上昇操作して、上部側に容易にスライド移動することのできる案内部材としての機能を有し、位置決め調整やセット作業を素早く行い得て、一カ所に要する作業時間を大幅に短縮して作業効率を向上することができるだけでなく、圧接部材4a、4bは、ボルト部22の先端角部による接触部分が、その締め付け締め付け操作による螺入力で噛み込み変形可能な板状部材や孔加工等をもって形成することができ、補強ブレース2の回転操作によりボルト部22を螺入し、その先端角部の締め付による押圧力で、吊りボルト固定部31a、31bと圧接部材4a、4bとによって吊りボルト1に圧接挟持させて固定した際に、補強ブレース2のチャンネル材21の側面が吊りボルト1と平行となる垂直状態とならない回転角度をもってセットされた場合は勿論、垂直状態でセットされた場合あっても、ボルト部22を強制的に螺入する締め付け操作によって、その先端角部の接触部分が螺入力により塑性変形して噛み込んでくぼみを生じる、所謂圧痕を形成することができるので、従来のボルト部22の先端角部を直接吊りボルト1に当接固定するものに比し、更に強固に吊りボルト1を圧接挟持した密着状態でセット固定することができ、この良好な固定状態で下部側を野縁受けなどにビス固定することができる。
また、圧接部材4a、4bは、板状材にて吊りボルト1への押圧面がへ字状または円弧状に形成されると共に、ボルト部22の先端角部による接触部分が、当該ボルト部22の締め付け操作による螺入力で噛み込み変形可能に構成されている。つまり、かかる噛み込み変形可能な形態として、鉄やステンレス材にて形成されたボルト部22に対し、硬度の低いアルミ合金材にて圧接部材4aを形成することで、その中央の山部にボルト部22の先端角部が接触する部分が、螺入力による転動圧接によって、切削状に小さくくぼみむ圧痕を生成し易いものとすることができる一方、圧接部材4bに同等の硬度を有するスチール材を用いた場合には、ボルト部22の先端角部が接触する部分に圧痕用孔4b3を穿設することにより、その内周角端にボルト部22の先端角部が接触するようにして、螺入力により転動圧接させることによって接触する内周角端に分が、噛み込みにより塑性変形して圧痕が生成され易くすることができる。
また、圧接部材4a、4bは、吊りボルト固定部31a、31bを吊りボルト1の下部側で被嵌した状態で、側片部32a、32bに上下動不能に遊装されて仮組付けされると共に、当該吊りボルト1に対して、その押圧面を、ボルト部22の仮螺入操作によって、吊りボルト固定部31a、31bが非接触に保持された面当て状態で摺接案内させながら、補強ブレース2の先端側を上部側にスライド移動可能とする案内部材に兼用せしめて構成されている。
このように構成すると、圧接部材4a、4bを、側片部32a、32bにセットした際に、その湾曲形状に沿ってスライド案内させて吊りボルト1の近傍位置まで移動させることができ、この状態でボルト部22を螺入操作して、吊りボルト1に対して吊りボルト固定部31a、31bが非接触に保持された位置決め状態として、下部側における取付け金具3a、3bの仮組付けセット作業を容易に行うことができるだけでなく、このセット状態で圧接部材4a、4bの押圧面を吊りボルト1のネジ山に面当てさせ、摺接案内させながら、補強ブレース2の先端側を上昇操作して、上部側に容易にスライド移動することのできると共に、上部側における上下調整もネジ山に引っ掛かることなくスムーズな位置決め操作が行え、この位置決め状態で補強ブレース2を回転操作してボルト部22の先端角部でネジ山に押圧させ、ボルト部22を強制的に螺入する締め付け操作によって、その接触部分に圧痕を形成させた状態で本固定をすれば良く、セット作業を容易かつ短時間で素早く行うことができ、一カ所に要する作業時間を大幅に短縮して作業効率を向上することができる
また、かかる緩め操作による締め付け調整をもって取り付けられたものは、ボルト部の先端角部が吊りボルトのネジ溝に対して単に点状に接触した状態で取り付けられている場合が多いため、施工後に地震等による揺れを受けて、当該点状接触部位に負荷加重が集中して加わると、ボルト部の先端角部が吊りボルトのネジ山との接触状態が解離されて衝突を繰り返し吊りボルトに変形を生じると共に、吊りボルト固定部がボルト部を中心に上側と下側がそれぞれ吊りボルトから繰り返し離間して、取付け金具にガタツキや位置ヅレ、変形等を生じてしまい、補強構造全体の耐震バランスが崩れて天井下地の恒久性を損ねるという危惧を有しており、最適の締め付け圧接状態をもって組付けされたものに比し、その耐震強度が半減してしまうという不具合を生じ、筋交いとしての補強ブレース本来の機能を損なうという問題がある。なお、特許文献3に開示されたもののように、可動保持金具(7)により45度の角度が可変してしまうような軸着構造のものにあっては、最適の締め付け圧接状態をもって組付けされたものであっても、ボルト部が上方に傾動して吊りボルトと離間してしまうため、所定の耐震強度を確保することができない。
また、特許文献2のものは、第二部材(20)を側板部(11a、11b)に上向きに傾斜させて挿着されているため、補強ブレースの先端側を上部側に上昇移動できるものの、下降移動しようとすると第二部材(20)の角部が吊りボルトのネジ山に引っ掛かり係合してしまうため、上昇しすぎたものを下降して位置決めする調整作業が難しく作業性に劣るという欠点がある。
上記課題を解決するために本発明の補強ブレースの取付け金具は、天井躯体から所定の間隔を存して垂下される複数の吊りボルトと、該吊りボルト間に所定の傾斜角をもって先端側と基端側が架設される補強ブレースとを含む天井下地の施工に際して、該補強ブレースを、その先端側に設けられたボルト部を螺入固定することで吊りボルトの上部側へ組付け取着する補強ブレースの取付け金具であって、該取付け金具は、平面視U字状に形成されて吊りボルトのネジ山に係合した状態で外嵌される吊りボルト固定部と、該吊りボルト固定部から前記補強ブレース側に延出形成される側片部と、該側片部に設けられて前記補強ブレースのボルト部が、吊りボルトの略軸線上に所定の傾斜角をもって対向配置されたナット部に螺入固定されるボルト螺入部とを備える一方、前記側片部内の吊りボルトとナット部間に、前記ボルト部の螺入操作で吊りボルトに押圧面当て可能な圧接部材を配設せしめると共に、該圧接部材、螺入送りにより締め付け操作される前記ボルト部の先端を介して吊りボルトに押圧面接させて、前記吊りボルト固定部と圧接部材との間で吊りボルトを挟持して組付け固定した状態から、前記ボルト部の先端部における接触部分が、当該ボルト部の締め付け操作による螺入力によって噛み込み変形可能に構成されることを特徴とするものである。
本発明は、上記のように構成したことにより、補強ブレースを、その先端に形成されたボルト部を螺入操作することで、吊りボルト固定部を吊りボルトのネジ山に係合した状態で外嵌固定するようにした取付け金具でありながら、ボルト部の先端角部を吊りボルトのネジ溝に直接当接させて締め付け圧接する固定構造を排除し、両者間に介在せしめた圧接部材が、ボルト部の締め付け固定前においては、取付け金具を、吊りボルトに対して、吊りボルト固定部が下部側で非接触に保持された仮組付けによるセット状態で圧接部材を面当てさせ、摺接案内させながら、補強ブレースの先端側を上昇操作して、上部側に容易にスライド移動することのできる案内部材としての機能を有し、位置決め調整やセット作業を素早く行い得て、一カ所に要する作業時間を大幅に短縮して作業効率を向上することができるだけでなく、圧接部材は、ボルト部の先端角部による接触部分が、その締め付け締め付け操作による螺入力で噛み込み変形可能な板状部材や孔加工等をもって形成することができ、補強ブレースの回転操作によりボルト部を螺入し、その先端角部の締め付による押圧力で、吊りボルト固定部と圧接部材とによって吊りボルトに圧接挟持させて固定した際に、補強ブレースのチャンネル材の側面が吊りボルトと平行となる垂直状態とならない回転角度をもってセットされた場合は勿論、垂直状態で適正にセットされた場合あっても、ボルト部を強制的に螺入する締め付け操作が可能となり、その先端角部の接触部分が螺入力により塑性変形して噛み込んでくぼみを生じる、所謂圧痕を形成することができるので、従来のボルト部の先端角部を直接吊りボルトに当接固定するものに比し、更に強固に吊りボルトを圧接挟持した密着状態でセット固定することができ、この良好な固定状態で下部側を野縁受けなどにビス固定することができる。
その結果、地震等の振動を受けても、ボルト部の先端角部の圧接部材に対する接触部分が離間することがなく、噛み込みによる圧接状態が保持され、吊りボルト固定部と圧接部材とが吊りボルトに対して、これら三者が上下方向所定面域をもって強固に密着圧接された挟持状態によって一体化され、振動負荷により、ガタツキや位置ヅレ、変形などを確実に防止することができ、この三位一体化された挟持状態を長期に渡って維持することができると共に、各所における取付け金具による組付けが、最適な固定強度や耐震補強強度が保持された均一な施工状態をもって、組付け固定することができるので、従来の如きボルト部の緩め操作によって補強ブレースのチャンネル材を垂直補正する調整が回避され、締め付け具合の不均等によって各所に施工ムラやバラツキを生じることがなく、天井下地全体の各所における振動負荷をバランス良く分散させることができ、補強ブレースの組付け固定状態が長期に亘って好適に維持されて、補強ブレース本来の筋交いとしての耐震機能と、補強構造全体の耐震バランスを良好かつ恒久的に保持することができる。
つまり、本実施形態における圧接部材4aは、補強ブレース2の先端側の取付け金具3aを、吊りボルト1に沿わせて上昇案内するための案内部材として機能し、かつ、上部側となる所定位置で上下位置決め調整も可能なものとなっている。この位置決め状態で補強ブレース2を回転操作させながらボルト部22を本締め螺入操作し、吊りボルト1に圧接部材4aを螺入送りにより押動させて押圧面接させ、ナット溝31a1が吊りボルト1のネジ山に係合した状態で、吊りボルト固定部31aと圧接部材4aとの間で吊りボルト1を圧接挟持させて組付けすることにより本固定する。このとき、補強ブレース2のチャンネル材21の側面が吊りボルト1と平行とならずに、下向きとなるなど傾斜した非垂直状態でセットされた場合は勿論、垂直状態で適正にセットされた場合あっても、さらに補強ブレース2を1回転させるネジ山1ピッチ分の範囲内で回転操作して、ボルト部22を強制的に螺入送りする締め付け操作によって、ボルト部22の先端角部がアルミ合金材である圧接部材4aの山部に噛み込んで、補強ブレース2を垂直状態に強制回転調整させることができると共に、吊りボルト1のネジ山に対する圧接部材4aの押圧面にもネジ山の圧痕を生じて位置ズレ規制がなされ、更に強固に吊りボルト1を圧接密着した挟持状態でセット固定され、この垂直状態で補強ブレース2の下部側を野縁受けなどにビス固定することで補強ブレース2の取付作業が完了する。
上記課題を解決するために本発明の補強ブレースの取付け金具は、天井躯体から所定の間隔を存して垂下される複数の吊りボルトと、該吊りボルト間に所定の傾斜角をもって先端側と基端側が架設される補強ブレースとを含む天井下地の施工に際して、該補強ブレースを、その先端側に設けられたボルト部を螺入固定することで吊りボルトの上部側へ組付け取着する補強ブレースの取付け金具であって、該取付け金具は、平面視U字状に形成されて吊りボルトのネジ山に係合した状態で外嵌される吊りボルト固定部と、該吊りボルト固定部から前記補強ブレース側に延出形成される側片部と、該側片部に設けられて前記補強ブレースのボルト部が、吊りボルトの略軸線上に所定の傾斜角をもって対向配置されたナット部に螺入固定されるボルト螺入部とを備える一方、前記側片部内の吊りボルトとナット部間に、前記ボルト部の螺入操作で吊りボルトに押圧面当て可能な圧接部材を配設せしめると共に、該圧接部材は、板状材にて前記吊りボルトへの押圧面がへ字状または円弧状に形成せしめ、螺入送りにより締め付け操作される前記ボルト部の先端を介して吊りボルトに押圧面接させて、前記吊りボルト固定部と圧接部材との間で吊りボルトを挟持して組付け固定した状態から、前記ボルト部の先端部における接触部分が、当該ボルト部の締め付け操作による螺入力によって噛み込み変形可能に構成されていることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために本発明の補強ブレースの取付け金具は、天井躯体から所定の間隔を存して垂下される複数の吊りボルトと、該吊りボルト間に所定の傾斜角をもって先端側と基端側が架設される補強ブレースとを含む天井下地の施工に際して、該補強ブレースを、その先端側に設けられたボルト部を螺入固定することで吊りボルトの上部側へ組付け取着する補強ブレースの取付け金具であって、該取付け金具は、平面視U字状に形成されて吊りボルトのネジ山に係合した状態で外嵌される吊りボルト固定部と、該吊りボルト固定部から前記補強ブレース側に延出形成される側片部と、該側片部に設けられて前記補強ブレースのボルト部が、吊りボルトの略軸線上に所定の傾斜角をもって対向配置されたナット部に螺入固定されるボルト螺入部とを備える一方、前記側片部内の吊りボルトとナット部間に、前記ボルト部の螺入操作で吊りボルトに押圧面当て可能な圧接部材を配設せしめると共に、該圧接部材は、前記吊りボルト固定部を前記吊りボルトの下部側で被嵌した後に、前記側片部に挿入可能形成された挿通部を介してセットせしめ、螺入送りにより締め付け操作される前記ボルト部の先端を介して吊りボルトに押圧面接させて、前記吊りボルト固定部と圧接部材との間で吊りボルトを挟持して組付け固定した状態から、前記ボルト部の先端部における接触部分が、当該ボルト部の締め付け操作による螺入力によって噛み込み変形可能に構成されていることを特徴とするものである。
本発明は、上記のように構成したことにより、補強ブレースを、その先端に形成されたボルト部を螺入操作することで、吊りボルト固定部を吊りボルトのネジ山に係合した状態で外嵌固定するようにした取付け金具でありながら、ボルト部の先端角部を吊りボルトのネジ溝に直接当接させて締め付け圧接する固定構造を排除し、両者間に介在せしめた圧接部材が、ボルト部の締め付け固定前においては、取付け金具を、吊りボルトに対して、吊りボルト固定部が下部側で非接触に保持された仮組付けによるセット状態で圧接部材を面当てさせ、摺接案内させながら、補強ブレースの先端側を上昇操作して、上部側に容易にスライド移動することのできる案内部材としての機能を有し、位置決め調整やセット作業を素早く行い得て、一カ所に要する作業時間を大幅に短縮して作業効率を向上することができるだけでなく、圧接部材は、ボルト部の先端角部による接触部分が、その締め付け締め付け操作による螺入力で噛み込み変形可能な板状部材や孔加工等をもって形成することができ、補強ブレースの回転操作によりボルト部を螺入し、その先端角部の締め付による押圧力で、吊りボルト固定部と圧接部材とによって吊りボルトに圧接挟持させて固定した際に、補強ブレースのチャンネル材の側面が吊りボルトと平行となる垂直状態とならない回転角度をもってセットされた場合は勿論、垂直状態で適正にセットされた場合あっても、ボルト部を強制的に螺入する締め付け操作が可能となり、その先端角部の接触部分が螺入力により塑性変形して噛み込んでくぼみを生じる、所謂、ネジ山1ピッチ分の範囲内で回転操作して切削状に小さくくぼむ螺入圧痕を生成し易いものとすることができ、または、側片部に対して上下左右方向に移動規制がなされたセット状態で本固定できるので、従来のボルト部の先端角部を直接吊りボルトに当接固定するものに比し、更に強固に吊りボルトを圧接挟持した密着状態でセット固定することができ、この良好な固定状態で下部側を野縁受けなどにビス固定することができる。
その結果、地震等の振動を受けても、ボルト部の先端角部の圧接部材に対する接触部分が離間することがなく、噛み込みによる圧接状態が保持され、吊りボルト固定部と圧接部材とが吊りボルトに対して、これら三者が上下方向所定面域をもって強固に密着圧接された挟持状態によって一体化され、振動負荷により、ガタツキや位置ヅレ、変形などを確実に防止することができ、この三位一体化された挟持状態を長期に渡って維持することができると共に、各所における取付け金具による組付けが、最適な固定強度や耐震補強強度が保持された均一な施工状態をもって、組付け固定することができるので、従来の如きボルト部の緩め操作によって補強ブレースのチャンネル材を垂直補正する調整が回避され、締め付け具合の不均等によって各所に施工ムラやバラツキを生じることがなく、天井下地全体の各所における振動負荷をバランス良く分散させることができ、補強ブレースの組付け固定状態が長期に亘って好適に維持されて、補強ブレース本来の筋交いとしての耐震機能と、補強構造全体の耐震バランスを良好かつ恒久的に保持することができる。
また、圧接部材4a、4bは、板状材にて吊りボルト1への押圧面がへ字状または円弧状に形成されると共に、ボルト部22の先端角部による接触部分が、当該ボルト部22の締め付け操作による螺入力で噛み込み変形可能に構成されている。つまり、かかる噛み込み変形可能な形態として、鉄やステンレス材にて形成されたボルト部22に対し、硬度の低いアルミ合金材にて圧接部材4aを形成することで、その中央の山部にボルト部22の先端角部が接触する部分が、螺入力による転動圧接によって、切削状に小さくくぼみむ圧痕を生成し易いものとすることができる一方、圧接部材4bに同等の硬度を有するスチール材を用いた場合には、ボルト部22の先端角部が接触する部分に圧痕用孔4b3を穿設することにより、その内周角端にボルト部22の先端角部が接触するようにして、螺入力により転動圧接させることによって接触する内周角端分が、噛み込みにより塑性変形して圧痕が生成され易くすることができる。

Claims (4)

  1. 天井躯体から所定の間隔を存して垂下される複数の吊りボルトと、該吊りボルト間に所定の傾斜角をもって先端側と基端側が架設される補強ブレースとを含む天井下地の施工に際して、該補強ブレースを、その先端側に設けられたボルト部を螺入固定することで吊りボルトの上部側へ組付け取着する補強ブレースの取付け金具であって、
    該取付け金具は、平面視U字状に形成されて吊りボルトのネジ山に係合した状態で外嵌される吊りボルト固定部と、該吊りボルト固定部から前記補強ブレース側に延出形成される側片部と、該側片部に設けられて前記補強ブレースのボルト部が、吊りボルトの略軸線上に所定の傾斜角をもって対向配置されたナット部に螺入固定されるボルト螺入部とを備える一方、
    前記側片部内の吊りボルトとナット部間に、前記ボルト部の螺入操作で吊りボルトに押圧面当て可能な圧接部材を配設せしめると共に、
    該圧接部材を、螺入送りにより締め付け操作される前記ボルト部の先端を介して吊りボルトに押圧面接せしめ、前記吊りボルト固定部と圧接部材との間で吊りボルトを挟持して組付け固定すべく構成してあることを特徴とする補強ブレースの取付け金具。
  2. 請求項1において、前記圧接部材は、板状材にて前記吊りボルトへの押圧面がへ字状または円弧状に形成されると共に、前記ボルト部の先端角部による接触部分が、当該ボルト部の締め付け操作による螺入力で噛み込み変形可能に構成されていることを特徴とする補強ブレースの取付け金具。
  3. 請求項1または2において、前記圧接部材は、前記吊りボルト固定部を前記吊りボルトの下部側で被嵌した状態で、前記側片部に上下動不能に遊装されて仮組付けされると共に、当該吊りボルトに対して、その押圧面を、前記ボルト部の仮螺入操作によって、前記吊りボルト固定部が非接触に保持された面当て状態で摺接案内させながら、前記補強ブレースの先端側を上部側にスライド移動可能とする案内部材に兼用せしめて構成されていることを特徴とする補強ブレースの取付け金具。
  4. 請求項1乃至3の何れかにおいて、前記圧接部材は、前記吊りボルト固定部を前記吊りボルトの下部側で被嵌した後に、前記側片部に挿入可能に挿通部が形成されていることを特徴とする補強ブレースの取付け金具。
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