JP6489307B2 - 下地材固定金具 - Google Patents
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Description
また、必要において、吊りボルトの間隔を維持して振れ止め規制するために、複数の吊りボルト間にチャンネル状の振れ止め(天井下地材)が架設されるが、さらに耐震性を向上させるために、吊りボルトに取り付けられた野縁受けや振れ止めなどの天井下地材に対して、その上面側又は下面側にチャンネル状の耐震用補強下地材を直交させて配設し、両者を下地材固定金具を介して連結固定することで施工される。
また、特許文献2や3のもののように、野縁受け(5、3)の側面部に面当てされる直交方向に90度折曲形成したL字状の板状固定片をビス固定しながら組み付けていくようにした下地材固定金具(連結金具13、吊金具用補強金具12)なるものが知られている(特許文献2の図5、特許文献3の図2参照)。
したがって、これら従来のもののように、直交対面する下地材の上面部と下面部とを直接面当てさせ、上側下地材と下側下地材の上面部や側面部に対してネジ押さえし、又はネジ止めする構造のものでは、何れのものも、一方の下地材が水平方向に揺れを受けると、他方の下地材がその厚さ幅方向に傾動する揺れやねじれを受けるというような振動負荷によって、直交面当てされた下地材同士の密着面が離間し、両者間にガタツキ生じるという連結強度上の問題があり、連結固定された耐震用の補強下地材に対する所望の耐震性能を得ることができない。
野縁受け2は、側方が開口する断面コ字状のチャンネル材からなり、天井部に所定の間隔を存して並列状に割り付けされる。このとき、野縁受け2は、図示しない躯体壁部に当接しない短めの長さに予め加工され、その両端部が野縁受け固定金具を介して躯体壁部に固定される。
下面支持片411は、中央の平面部41aから両側に僅かな傾斜角をもって傾斜面部41b、41bが折曲され、全体が直交する下地材の開口側に延出する面域を有して左右対称となる湾曲皿状に形成されており、直交する下地材の開口側の向きが異なっていても、一方の傾斜面部41bの先端部を野縁受け2の裏面側上面部の角部に当接させた状態から、他方の傾斜面部41bの先端部が補強下地材3の下面部に当接され、直交する下地材の板厚分の段差を吸収して傾斜状に跨らせて支持受け配設してセットできるようになっている。
立上り固定片412は、平面部41aの一端側に細幅面を介して左右に膨出する広幅面有して、野縁受け2の上面部先端部分が挿入される立上り寸法を存して開口側が背反する正面視横向きの凹溝状部416、416が形成されており、この広幅面に補強下地材3の側面部にビス固定するためのビス孔413が穿設されている。つまり、傾斜面部41bの先端部から凹溝状部416の溝底までの長さ幅は、傾斜面部41bの先端部が野縁受け2の裏面側上面部の角部に当接配設した際に、その上面部先端部分が凹溝状部416内に呑み込み挿入した状態でセットできる幅に設定されており、地震等の揺れを受けた際に野縁受け2の上面部先端部の滑りや離間、ガタツキ、位置ズレなどの規制に寄与する。
上面支持片421は、中央の平面部42aから両側に僅かな傾斜角をもって傾斜面部42b、42bが折曲され、全体が直交する下地材の開口側に延出する面域を有して湾曲皿状に形成されており、直交する下地材の開口側の向きが異なっていても、案内片424を案内孔415に遊挿係合させた状態で、上面固定部材42を野縁受け2の長手方向にスライド操作して位置合わせ調整を行うことで、傾斜面部42bの先端部を補強下地材3の裏面側下面部の角部に当接させた状態から、案内片424側の傾斜面部42bの先端部を野縁受け2の上面部に当接させ、直交する下地材の板厚分の段差を吸収して傾斜状に跨らせて支持受け配設してセットできるようになっている。
垂下固定片422、422は、平面部42aの両端側に細幅面を介して案内片424側に膨出する広幅面有して、斜面部42bが折曲し易いように横向きの凹溝状部426が形成されており、この広幅面に野縁受け2の側面部にビス固定するためのビス孔423、423がそれぞれ穿設されている。また、補強下地材3の裏面側下面部の角部に当接される傾斜面部42bの先端部から垂下固定片422までの長さ幅は、補強下地材3の下面部の幅よりも僅かに広幅に設定されている。
つまり、圧接挟持による連結固定だけでは、地震等により、直角度を狭角・広角する方向のねじれや、傾斜方向の振動を受けた際に、対面する下地材同士の位置ズレを生じる危惧があるが、その発生を防止することができると共に、その振動負荷を、垂下固定片422と傾斜面部41bの先端部、立上り固定片412と傾斜面部42bの先端部、凹溝状部416などの各部の共同作用によって下地材が挟持された状態が確保され、締結手段5や案内片424と共に、しっかりと受け止めて、挟持された下面固定部材41と上面固定部材42同士は勿論、直交する下地材同士の滑りや離間、ガタツキ、位置ズレなどが規制され、これらの発生や変形が防止されて耐震強度を向上することができる。
なお、下面支持片411と上面支持片421を湾曲形成したが、下地材の板厚分の段差を吸収して配設できるよう段差状やコ字状に折曲形成しても良く、その形状は任意である。
この様に構成すると、下面支持片411(傾斜面部41b)と上面支持片421(傾斜面部42b)のそれぞれ一方の先端部が下地材の角部へ線状に当接面当てされた状態となり、この線状面当て状態を基点として、他方の下面支持片411(傾斜面部41b)と上面支持片421(傾斜面部42b)の先端部がそれぞれ直交する補強下地材3の下面部と野縁受け2の上面部とに跨って線状に当接面当てされた状態となって、それぞれが一方の下地材の板厚分の段差を吸収して傾斜状に圧接挟持することができると共に、直交する下地材の開口側に延出する面域におけ先端部同士も、両者がそれぞれ板厚分を吸収した均等な傾斜状態の同面で点状に圧着させることができ、対面する下地材の上面部と下面部同士を互いに強固に押圧密着させて圧接挟持することができる。しかも、締結手段5は、締め付け機能だけでなく、角根丸頭ボルト5aが振動による位置ズレを規制する耐震規制部材としても機能させることができ、振動負荷を、下面固定部材41と上面固定部材42と共にしっかりと受け止めて、直交する下地材同士の滑りや離間、ガタツキ、位置ズレなどを総合的に防止することができる。
2 野縁受け
21 野縁受けハンガー
3 補強下地材
4 下地材固定金具
41 下面固定部材
411 下面支持片
41a 平面部
41b 傾斜面部
412 立上り固定片
413 ビス孔
414 ボルト挿通孔
415 案内孔
416 凹溝状部
42 上面固定部材
421 上面支持片
42a 平面部
42b 傾斜面部
422 垂下固定片
423 ビス孔
424 案内片
425 ボルト挿通孔
426 凹溝状部
5 締結手段
5a 角根丸頭ボルト
5b ナット
Claims (4)
- 躯体天井部から垂下する複数の吊りボルト間に架設される複数の野縁受けや振れ止めなどのチャンネル状の天井下地材に対して、その上面側又は下面側に直交させて配設されるチャンネル状の耐震用補強下地材を連結固定するための下地材固定金具であって、
該下地材固定金具は、直交する下地材の開口側から配設されるよう、下側下地材の裏面側上面部と上側下地材の下面部に跨って支持受けする略矩形状の下面支持片を有する下面固定部材と、上側下地材の裏面側下面部と下側下地材の上面部に跨って支持受けする略矩形状の上面支持片を有する上面固定部材とを組みとして上下一対に備えると共に、
前記下面支持片に、上側下地材の側面部に係合してビス固定される立上り固定片を折曲形成する一方、前記上面支持片に、下側下地材の側面部に係合してビス固定される垂下固定片を折曲形成せしめて、
前記下面支持片と上面支持片とを、挿通された締結手段の締め付け操作によって挟み込み挟持させた状態で、対面する下地材の上面部と下面部同士を互いに圧着させて挟持固定可能に構成し、
直交する下地材同士を、前記下面固定部材と上面固定部材とによる前記挟持固定状態で組み付け調整を行いつつ、前記立上り固定片と垂下固定片とをそれぞれビス固定することにより位置ズレ規制可能に構成されていることを特徴とする下地材固定金具。 - 請求項1において、前記下面支持片と上面支持片とは、それぞれ湾曲状に形成され、直交する下地材の開口側に延出する面域に穿設せしめたボルト挿通孔を介して、前記締結手段による締め付け操作を行うべく構成されていることを特徴とする下地材固定金具。
- 請求項1又は2において、前記下面固定部材と上面固定部材とは、直交する下地材に配置した際に、案内片と案内孔とによる遊挿係合関係をもって、互いの位置合わせが行えるよう構成されていることを特徴とする下地材固定金具。
- 請求項1乃至3の何れかにおいて、前記下面固定部材と上面固定部材は、直交する下地材の開口側となる勝手違いの配設に対応すべく、前記立上り固定片を前記下面支持片の一端側となる略中央部位に設けると共に、前記垂下固定片を前記上面支持片の両端側に一対として設けることにより、略左右対称に形成されていることを特徴とする下地材固定金具。
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