JP5770009B2 - ボリューム感のあるお好み焼きの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、お好み焼きの工業的な製造方法に関する。本発明の製造方法は、冷凍お好み焼きの製造方法とすることができる。本発明は、食品製造の分野で有用である。
お好み焼きは、関西風と広島風とに大別される。関西風お好み焼きは、小麦粉を主体とする生地に、キャベツや肉・魚介類等の具材を混ぜ、鉄板上で焼いて調理される。店や過程で手作りされることも多いが、工業的な製造方法もいくつか検討されている。
例えば、特許文献1は、個々に固形物(キャベツなどの具材)と流動状物(小麦粉を含む生地)とを所定の割合に混ぜ合わせ、機械的に連続して得られる小麦粉混練食品材料の製造方法及びその装置を提供する。ここでは、固形物K移送装置1と、流動状物R移送装置2と、これらの固形物Kと流動状物Rとを混ぜ合わせる混練装置3とを備えることにより、固形物を一個分に適する量に分けながら混練装置3に送り、その一方、流動状物Rを流動状物移送装置2によって一個分に適する量を混練装置3に送る。そして、混練装置3で一個分に適する量の固形物Kと流動状物Rとを順次混練することにより、製品個々のばらつきの削減が試みられている。また、特許文献2は、成型性、剥離性といった工業生産時の作業性を十分満足しながら、ソフトで、しなやかな食感を有し、かつ、しっとりして歯切れの良い食感が得られるお好み焼き類、たい焼き類用等のバッターを提供することを目的としてなされたものであり、 水、エタノール、糖類、及び乳化剤を含有するお好み焼き類及び/又はたい焼き類バッター用油脂組成物、並びに該油脂組成物を含有するお好み焼き類及び/又はたい焼き類用バッターを提供する。
冷蔵又は冷凍食品としてのお好み焼き製品に関する検討もある。例えば、特許文献3は、食感の経時的変化が少なく、特に冷蔵・冷凍保存後に電子レンジなどで再加熱しても食感の劣化の少ないお好み焼き類用生地組成物として、(1)α化度が20%以下である熱処理した穀粉及び/又は澱粉と、(2)α化度が60%以上のα化穀粉及び/又はα化澱粉とを含有させた、お好み焼き類用生地組成物を提供する。さらに特許文献4は、冷凍後、再加熱してもキャベツの繊維を崩さず、食感、風味共に良好なお好み焼きを得ることを目的として、冷凍お好み焼きの主な具材として用いられるキャベツに、塩漬キャベツを用いたことを特徴とする、冷凍お好み焼きを提供する。ここにおいて、キャベツその他の野菜のカットは、0.5×2.5cm程度の千切りが好ましいことが説明されている。
特開平7-67592 特開2001-116311 特開2002-125578 特開2003-24020(特許第3641801号)
お好み焼きに用いられるキャベツは、従来、千切りされてきた。千切りの形状は、水分が残りにくく、かつお好み焼きに好ましい食感を与えることができる点では優れていると考えられる。しかしながら、本発明者らの検討によると、工業的にお好み焼きを製造しようとする場合には、千切りされたキャベツは生産ラインを詰まらせ、そのため最終製品の重量にばらつきを生じさせる原因となった。その一方で、角切り(ダイス切り)されたキャベツを用いると、千切りキャベツを用いた場合に比較して、ボリューム感が乏しく、手作りした場合とは大きく異なるものとなった。
本発明者らは、機械的に連続生産可能で、かつ手作りされたような好ましい外観及び食感を有するお好み焼きの開発を試みた。そして、原料の配合や用いられるキャベツの裁断形状について鋭意検討した結果、本発明を完成した。
本発明は、以下を提供する:
[1]お好み焼きの製造方法であって:
(1) 40〜60mm×4.8〜5.2mmの千切りキャベツと7〜13mm角の角切りキャベツとの、重量比7:3〜3:7の混合物を含む、具材原料を準備し;
(2) 小麦粉、水、卵、油脂類を含む生地原料を混合して生地を調製し;
(3)生地と具材原料とを重量比5:5〜3:7でお好み焼き1枚適量毎に混合し;そして
(4)具材入り1枚適量生地を直ちに160℃〜200℃で連続的に成形焼成し、お好み焼きを得

工程を含み、各工程が機械的に連続実施される、製造方法。
[2] 千切りキャベツと角切りキャベツとの重量比が、6:4〜4:6である、[1]に記載の製造方法。
[3] 冷凍されたお好み焼き1枚の厚さ平均が、15mm〜20mmである、[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 生地原料が、乳化剤(ただし卵由来のものは除く。)を含まない、[1]〜[3]のいずれか一に記載の製造方法。
[5] 油脂類が牛脂からなり、牛脂が、生地原料の4〜11重量%である、[1]〜[4]のいずれか一に記載の製造方法。
[6] (5)得られたお好み焼きを冷凍する
工程をさらに含む、[1]〜[5]のいずれか一に記載の製造方法。
本発明により、大きさのばらつきの少ないお好み焼きを機械的に連続して製造することができる。
本発明により製造されたお好み焼きは、手作りされたものと同様の、ふわっとした食感とボリューム感とを有する。特に、従来の機械的に製造されたお好み焼きに比較して、キャベツの存在感が感得でき、またキャベツと生地との食感におけるバランスのよさが際立って優れている。
本発明により製造されたお好み焼きは、冷蔵品又は冷凍品とした場合にも、ボリューム感に優れている。
図1は、本発明の製造方法により、機械的に連続製造されたお好み焼きの一例の、上面の写真である。左は、焼成直後、右は冷凍後のものである。手作りした場合と相違ない外観を呈している。 図2は、本発明の製造方法により製造されたお好み焼きの一例の、断面の写真である。左は、焼成直後、右は冷凍後のものである。手作りした場合と相違ない外観を呈している。
本発明のお好み焼きの製造方法は、少なくとも、(1)具材原料を準備する工程、(2)生地原料を混合して生地を調製する工程、(3)生地と具材原料とをお好み焼き1枚適量毎に混合する工程、 (4)具材入り生地を成形焼成する工程を含む。
本発明のお好み焼きの製造方法においては、各工程が機械的に連続実施される。本発明で「機械的に連続実施」というときは、特に記載した場合を除き、工業生産におけるライン製造を指す趣旨である。
本発明で「お好み焼き」というときは、特に記載した場合を除き、生地と具材とを混合して焼成する、いわゆる関西風のお好み焼きをいう。また、本発明で「お好み焼き」というときは、特に記載した場合を除き、焼成後のものを指しており、ソース及びトッピング(マヨネーズ、削りかつお節、粉末状又は細断状の青のり、等)を施す前の状態ものを指している場合がある。
[具材準備工程]
本発明のお好み焼きの製造方法においては、具材として、少なくとも40〜60mm×4.8〜5.2mmの千切りキャベツと、7〜13mm角の角切りキャベツとを用いる。
本発明において「キャベツ」というときは、特に記載した場合を除き、野菜としてのキャベツの可食部を指す。本発明に用いるキャベツは、生キャベツであっても塩漬けなど加工処理がされた加工キャベツであってもよいが、生キャベツ用いることが好ましい。
本発明のお好み焼きの製造方法においては、千切りキャベツと角切りキャベツとを混合して用いる。本発明者らは、キャベツのカットサイズに関し、千切りについては、幅 2〜30mm、長さ 25〜100mmの範囲で、角切りについては、3〜20mm角の範囲で検討した結果、以下で述べるサイズが適することを見出した。
本発明においては、千切りのサイズは、幅は、4.0〜6.0mm、好ましくは4.5〜5.5 mm、より好ましくは4.8〜5.2mmである。幅がいずれの場合であっても、長さは、30mm以上、好ましくは40mm以上、より好ましくは48mm以上である。長さは、いずれの場合においても、製造上の取り扱い性の観点からは、70mm以下であり、好ましくは65mm以下であり、より好ましくは60mm以下である。一般に、家庭や店で調理され、焼成直後に喫食される手作りのお好み焼においては、冷凍によりキャベツの食感(歯ごたえ)が弱まることを考慮する必要がないため、上述したものより細くカットしたキャベツを用いる。本発明のお好み焼きの製造方法は、冷凍食品としてのお好み焼きの製造に適しているが、上述したような千切りのサイズは、冷凍調理後のキャベツの食感が最良になる点で、特に優れている。
本発明で「角切り(ダイス切りということもある。)」というときは、特に記載した場合を除き、四角形にカットされている状態をいう。本発明においては、角切りのサイズは、一辺5〜15mm、好ましくは6〜14mm、より好ましくは7〜13mmである。製造ラインにおける詰まりの発生が少ないとの観点からは、略正方形であることが好ましい。
なお、キャベツの性質上、意図したサイズよりも小さい切れ端が生じることがあるが、カットされたキャベツにおいて、カット片の大部分が規定されたサイズに合致していれば、そのカットキャベツ全体を所定のサイズであるということができる。キャベツは、繊維方向に関係なく、ランダムな方向にカットすることができる。
本発明のお好み焼きの製造方法においては、混合される千切りキャベツと角切りキャベツとの重量比は、7:3〜3:7であり、好ましくは6:4〜4:6であり、より好ましくは5.5:4.5〜4.5:5.5である。
千切りキャベツは生地に混合された際に生地内に空隙を形成することができ、そのためにお好み焼きにふわっとした食感を与えうる。また、ある程度の長さがあるために、キャベツの存在感を与えうる。しかしながら、本発明者らの検討によると、千切りキャベツは、製造ライン(連続製造工程)に詰まる場合が多いことが分かった。特に、冷凍後の食感に配慮したサイズにカットされたキャベツを含む具材と生地とを、1枚適量毎に混合した後、焼成板に充填(焼成板上に注ぐこと)しようとすると、キャベツが充填口に引っかかり、具材入りの生地が全量は充填されない。その結果、製品としては重量不足のものの比率が高まり、製造上のロスが増してしまう。
その一方で、特定の大きさの角切りキャベツは、製造ラインに詰まることが少なく、ほぼすべての工程に流れよく移送されうるが、角切りキャベツのみではお好み焼きにボリューム感がでない。本発明により製造されたお好み焼きは、千切りキャベツと角切りキャベツとを混合して用いることで、予想外にも、製造ラインに詰まりにくく、かつ適度なボリューム感を有し得る。
本発明のお好み焼きの製造方法においては、具材として、キャベツのほか、一般のお好み焼きに用いる具材を特に制限なく、用いることができる。具材の例は、肉類(例えば、豚肉、牛肉、鶏肉)、魚介類(例えば、いか、えび、たこ)、餅、麺類(例えば、うどん、中華麺、日本そば)、紅しょうが、天かす、野菜(例えば、葱、たまねぎ、ピーマン、にんじん、ごぼう)、乳製品(例えば、チーズ)を含むことができる。具材の大きさ(カットサイズ、形状)及び量は、通常のお好み焼きの場合を参考に、当業者であれば適宜設計することができるが、野菜の場合、上記で説明したキャベツの場合を参考にすることができる。
[生地調製工程]
本発明のお好み焼きの製造方法においては、小麦粉、水、卵、油脂類を含む生地原料を混合することにより、お好み焼きのための生地が調製される。
生地の主原料である小麦粉は、特に制限はなく、強力系、準強力系、中力系、薄力系の小麦粉のいずれも使用できる。卵は、生のものを用いてもよく、冷凍したものを用いてもよい。全卵を用いてもよく、卵黄のみを用いてもよい。
本発明のお好み焼きの製造方法においては、油脂類として、動物性のもの、植物性のものを用いることができ、また固型脂、半固型脂、液状油、これら2種以上の混合物のいずれも用いることができる。油脂類の例として、牛脂(精製牛脂を含む。)、豚脂(精製豚脂を含む。)、大豆油、菜種油、オリーブ油、パーム油、ショートニング、粉末油脂等が挙げられるが、お好み焼きの食感を良好にするとの観点からは、牛脂を用いることが特に好ましい。
本発明で「牛脂(Fett、フェット、ヘット、ということもある。)」というときは、特に記載した場合を除き、食品として許容される牛由来の脂肪分を指し、天然物そのものであってもよく、精製されたものであってもよい。本発明のお好み焼きの製造方法においては、精製された牛脂を用いることが好ましい。精製方法は特に問わないが、通常、切断機で細切れにした脂肪組織を高圧缶に入れ、加熱蒸気を送って溶出し採取する方法が採られる。牛脂は、脱臭工程を経たものでもよい。安全上の観点からは、高温処理(例えば約250℃において約60分間の処理)がされていてもよい。本発明のお好み焼きの製造方法においては、牛脂として、融点41±2℃のものを特に好適に用いることができる。本発明者らの検討によると、お好み焼きの生地に約10%用いた場合に、ラードではねちゃつき感があるのに対し、牛脂ではそれがなく、適度な口溶け感を奏した。また、牛脂は、常温で液体の油を用いた場合に比較しても、口溶け感に優れており、かつ常温で液体の油では付与しえないうま味・こく味(甘味)をお好み焼きに与えうる点で、大変優れていた。さらに、本発明者らの検討によると、牛脂には、お好み焼き中において、口どけ感の向上、うま味・こく味の付与のほか、野菜等の具材からの離水によるねちゃつきを感じにくくするという、食感改善効果も奏しうる。
生地に牛脂を用いる場合、その量は、生地全重量に対して、4〜11%、好ましくは5〜11%、より好ましくは6〜11%となるようにすることが好ましい。用いない場合又は4%未満で用いた場合、できあがったお好み焼きにおいて、油っぽさは感じられないものの口どけ感が悪く、特に冷凍食品とした場合は、ぱさつきが感じられるものとなる。一方、11%を越えると、口どけ感は良好であるが、油っぽさを感じるものとなる。
なお、本発明において生地原料としての油脂類の量に言及するときは、特に記載した場合を除き、具材原料としての肉類等に由来する油脂類は含まない。
牛脂は、予め加熱し、溶解させてから、他の生地原料と混合するとよい。
本発明のお好み焼きの製造方法においては、乳化剤は、原料としての卵に由来するものを除き、添加しないことができる。後述するように、本発明においては、焼成する直前に具材原料と生地とが、一枚適量ごとに混合されるので、経時的に生地成分が分離することが少ないからである。
本発明のお好み焼きの製造方法においては、生地原料全において20〜40%となるように、水を加え、混合する。すべての材料を混合した後、必要に応じ、適切な大きさのメッシュを通して、生地中のダマを除くことができる。
本発明のお好み焼きの製造方法においては、生地は、上記成分の他に、山芋(すりおろしたもの、粉等)、調味料(塩、こしょう、醤油、味噌、砂糖、みりん、酒)、エキス類(例えば、鰹節エキス、昆布エキス、酵母エキス)、穀粉類、澱粉(例えば、生でん粉及び加工でん粉)、トレハロース、デキストリン、大豆蛋白質、えんどう蛋白質、小麦グルテン、乳製品(例えば、牛乳、脱脂粉乳)、食物繊維、膨脹剤、増粘剤(例えばキサンタンガム、タマリンドガム、グアガム、カードラン、ローカストビンガム、ジェランガム、サイリウムシードガム、カラギーナン、プルラン、CMC、アルギン酸ナトリウム等)、乳化剤、食塩、糖類、甘味料、香辛料、調味料、ビタミン類、ミネラル類等を適宜含むことができる。
[混合工程]
本発明のお好み焼きの製造方法においては、生地、具材原料、それぞれが計量され、重量比5:5〜3:7、好ましくは4.5:5.5〜3.5:6.5、より好ましくは4.2:5.8〜3.8:6.2でお好み焼き1枚適量毎に混合される。1枚適量毎の混合は、例えば、前掲特許文献1に開示された装置及び方法を適用して実施することができる。詳細には、移送可能な具材移送部材上に、キャベツ等の固形具材原料を、具材検知装置によってお好み焼き1枚適量毎に分け、移送する。その一方、調製された生地を、一定量生地送り手段によってお好み焼き1枚適量毎に順次移送する。そして、移送されてくる各1枚適量の具材原料と生地とを、混合することができる。
大量製造に際して、予め生地と具材原料とを大量に混ぜ合わせておくと、時間の経過により具材から水分が出て、その水分が生地の物性を変えてしまう。その結果、安定的に同一の品質のものを製造することが困難となる。一方で、千切りキャベツ含む具材原料を、計量して一枚適量毎に混合し、製造ラインに流そうとすると、通常は、千切りキャベツが詰まりを生じさせてしまう。本発明のお好み焼きの製造方法においては、千切りキャベツの一部が角切りキャベツで置き換えられていることにより、製造ラインでの詰まりを防止することができる。
[焼成工程]
本発明のお好み焼きの製造方法においては、具材入り1枚適量生地は、直ちに成形焼成される。焼成は、必要に応じ、コテ等で円形に形を整えながら、160℃〜260℃で5〜20分間行われる。
通常お好み焼きを焼く鉄板の温度は、230℃〜250℃であるが、本発明のお好み焼きの製造方法においては、上火を使用することにより、鉄板温度を160℃〜200℃として、焼成することができる。
[その他]
本発明の製造方法により得られたお好み焼きは、冷蔵又は冷凍して、冷蔵食品又は冷凍食品とするのに特に適している。
冷蔵又は冷凍工程における条件は、当業者であれば、適宜設計できる。冷蔵又は冷凍のための手段は、従来技術を適用することができる。例えば、スパイラルフリーザー、ワゴンフリーザー、フレキシブルフリーザー、アルミフィンコイル式冷蔵庫、ユニットクーラ式冷蔵庫等が適用できる。冷凍は、例えば約−30℃で、スパイラルフリーザーを利用して急速に行うことができる。
本発明により奏される、ボリューム感などの良好な食感は、冷蔵又は冷凍されても変化することが少なく、また保存による経時的変化が少ない。そのため、本発明により、冷蔵・冷凍保存後に電子レンジなどで再加熱しても食感の変化の少ないお好み焼きを得ることができる。本発明により製造された冷凍お好み焼きは、約-18℃で、約1年間冷凍保存することができ、そのような条件で冷凍保存した場合であっても、良好な食感を奏しうる。
本発明により製造された冷凍お好み焼きは、電子レンジで解凍調理するのに特に適している。
本発明の製造方法は、上述の冷蔵又は冷凍工程のほか、具材原料下処理工程(例えば、具材として含まれる魚介類、肉類を、予め加熱調理し、調味する工程)、検査工程、包装工程が含まれていてもよい。包装工程は、冷凍工程の後に行うことができる。包装に際しては、お好み焼き自体を包装し、別途個別に包装されたソース及びトッピング類(例えば、マヨネーズ、削りかつお節、粉末状又は細断状の青のり)を添え、お好み焼き製品とすることができる。
本発明でお好み焼きに関し「ボリューム感(がある)」というときは、特に記載した場合を除き、生地、具材のバランスの中での、キャベツの歯ごたえ(存在感)が充分にある状態をいう。本発明により製造されたお好み焼きは、千切りキャベツを用いず、角切りキャベツだけを用いた点でのみ異なり、他の点では同じ条件で製造されたお好み焼きに比較して、ボリューム感がある(強く感じられる)。また、本発明により製造されたお好み焼きは、千切りキャベツだけを用いて手作りされたお好み焼きと同様のボリューム感がある。対象となるお好み焼きのボリューム感の評価は、当業者であれば適宜行うことができる。例えば、訓練されたパネラー1名以上(例えば、5名)に、必要であれば、対照として、角切りキャベツだけを用いた点でのみ異なり他の点では同じ条件で製造されたお好み焼き、及び/又は千切りキャベツだけを用いて手作りされたお好み焼きを準備し、対象お好み焼きを実際に喫食させ、数段階で比較評価させることにより、判断することができる。より詳しい評価のための手法及び基準は、本明細書の実施例を参考にすることができる。
下表に示す配合で、お好み焼きを製造した。
製造は、機械的に(前掲特許文献1参照)を用い、連続的に行った。具材及び生地をそれぞれ調製し、具材:生地を重量比40:60で、焼成する直前に空気を含ませるように一枚適量毎に混合した。混合後、200℃の鉄板で、上火を使いながらコテで形を整えつつ、9〜10分間かけて焼成した。途中、一度上下を返した。次いで、スパイラルフリーザーで、約-30℃で急速凍結した後、約-20℃、約1ヶ月冷凍保存した。
冷凍品は、凍ったまま皿にのせ、ラップをかけずに、電子レンジで1枚当たり、500W約7分10秒、又は600Wで約6分40秒解凍調理した。千切りキャベツと角切りキャベツの重量比が異なる以外は同じお好み焼きを同様に調製した。
解凍調理したお好み焼きは、しばらく放冷した後、訓練されたパネラー5名に試食させ、ボリューム感等について評価させた。
パネラーによる評価は、熟練者が手作りしたものに近く、非常に良い場合を◎とし、手作りにはやや劣るが好ましいといえる場合に○、手作りにはかなり劣るが、お好み焼き製品として一応許容できる程度である場合を△、製品としては許容できない場合を×とした。
結果を下表に示した。
千切りのみの場合、お好み焼きにボリューム感が十分にあったが、製造ラインに詰まる場合が多く、その結果、最終製品の重量がばらついた。角切りキャベツのみの場合は、製造ラインに詰まることが少なかったが、お好み焼きにボリューム感が得られなかった。千切りキャベツと角切りキャベツの70:30の混合比のものは、手作り感があり、好ましいものであったが、製造ラインで詰まりやすい点は、完全には解消されておらず、機械的にライン生産するとの観点からは、総合的に見て、千切りキャベツと角切りキャベツの50:50の混合比のものが最も優れていた。

Claims (5)

  1. お好み焼きの製造方法であって:
    (1) 40〜60mm×4.8〜5.2mmの千切りキャベツと7〜13mm角の角切りキャベツとの、重量比6:4〜4:6の混合物を含む、具材原料を準備し;
    (2) 小麦粉、水、卵、油脂類を含む生地原料を混合して生地を調製し;
    (3)生地と具材原料とを重量比5:5〜3:7でお好み焼き1枚適量毎に混合し;そして
    (4)具材入り1枚適量生地を直ちに160℃〜200℃で連続的に成形焼成し、お好み焼きを得

    工程を含み、各工程が機械的に連続実施される、製造方法。
  2. 冷凍されたお好み焼き1枚の厚さ平均が、15mm〜20mmである、請求項1に記載の方法。
  3. 生地原料が乳化剤含まない、ただし前記乳化剤に卵由来のものは含まない、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 油脂類が牛脂からなり、牛脂が、生地原料の4〜11重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. (5)得られたお好み焼きを冷凍する
    工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
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