JP5764463B2 - 光ファイバケーブル用分岐具および光ファイバケーブルの分岐方法 - Google Patents
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Description
特許文献1、2には、光ファイバケーブルの分岐部分に取り付け可能な分岐具が開示されている。特許文献3には、分岐部分に取り付け可能なクロージャが開示されている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、小型化が可能であり、かつ防水性に優れた光ファイバケーブル用分岐具および光ファイバケーブルの分岐方法の提供を目的とする。
前記外装体は、前記ケーブル本体が挿通する主筒部と、前記主筒部の長さ方向中間部から外方に突出する分岐筒部とを備えている構造とすることができる。
前記本体保持部は、固定具を締結することにより前記ケーブル本体を前記本体保持部に固定可能な被固定部を有することが好ましい。
前記本体保持部の両端部は、前記保護パイプの端部に挿入可能であることが好ましい。
また、ケーブル本体の露出部分のうち外装体に収容されない部分は保護パイプに覆われるため、防水性を高めることができる。
また、分岐具本体が、ケーブル本体を保持する本体保持部と、分岐光ファイバを分岐方向に導く分岐光ファイバ導出部とを有するため、ケーブル本体および分岐光ファイバを安定的に所定の方向に向けた状態で保持することができ、しかも分岐具本体内に無駄なスペースが生じない。このため、分岐具の小型化を図るうえで好適である。
ケーブル本体62は、スロット溝62a(光ファイバ収容溝)が形成されたスロット部材62bを有する。スロット溝62aには複数の光ファイバ64が収容されている。符号62cは抗張力体である。スロット溝62aは、ケーブル長さ方向に沿って形成されている。
光ファイバ64は、光ファイバ心線、光ファイバ素線等であってもよいし、光ファイバテープ心線であってもよい。
以下の説明において、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各構成の位置関係を説明する場合がある。
トレイ部11は、ケーブル本体62が配置される主部14と、主部14の両端にそれぞれ形成された先端延出部15と、主部14の長さ方向中間部から外方に延出する分岐部16とを有する。
先端延出部15は、略半円筒状とされ、主部14の延在方向(X方向)の一端および他端に、前記延在方向に沿って、主部14から離れる方向に突出して形成されている。先端延出部15は、保護パイプ4より径が小さく、保護パイプ4の端部に挿入可能な形状とするのが好ましい。
分岐部16は、底板16aと、その両側縁に形成された側板16b、16bとを有する。底板16aは、延出方向に徐々に幅が狭くなる底板主部16dと、底板主部16dからさらにY方向に延出する略一定幅の先端部16eを有する。
側板16bは、主部14の側板14cに連設されている。図示例では、底板主部16dの両側縁に形成された側板16bと側板14cとは、全体として、外面が凹状となる略円弧形の平面視形状を有する。
なお、分岐部16の延出方向は、ケーブル本体62の延在方向に対して直交する方向に限らず、ケーブル本体62の延在方向とは異なる方向であればよい。分岐部16の延出方向は、例えば、ケーブル本体62の延在方向(X方向)に対して0°を越え、90°未満の角度で傾斜する方向であってよい。
把持用突起17dは、例えばチューブ嵌合溝17cの深さ方向に延在する断面三角形状の突条とすることができる。把持用突起17dは、押圧により圧縮変形した状態で、自らの弾性で保護チューブ70外面に押し当てられることによって、保護チューブ70を挟み込むことができる。複数の把持用突起17dは、Y方向に間隔をおいて形成されている。
台部12は、主部14の底板14aの長さ方向中間部に形成された中央台部12aと、中央台部12aの一端側および他端側にそれぞれ中央台部12aから離れて形成された端部台部12b、12bとを有する。台部12(12a、12b)は、底板14aから上方に突出して形成されている。図示例の台部12a、12bの突出高さは互いに等しい。
図4および図5のZ方向は、XおよびY方向に直交する方向である。上方(または高さ方向)とはZ方向に沿って底板14aから離れる方向であり、下方とはその反対方向である。
後述するように、固定橋部13には、固定具28によってケーブル本体62が固定される。
主筒部21は、図2、図3および図7に示すX方向に延在して、分岐具本体2の主部14を収容可能に形成されている。主筒部21の両端には、それぞれケーブル本体62が挿通するケーブル本体挿通口21a、21aが形成されている。ケーブル本体挿通口21aには、保護パイプ4が挿入可能である。
分岐筒部22は、延出方向に徐々に幅が狭くなる筒部主部22aと、筒部主部22aからさらにY方向に延出する略一定幅の先端部22bを有する。筒部主部22aには分岐光ファイバ導出部6の底板主部16dが収容され、先端部22bには先端部16eが収容される。
分岐筒部22の先端には、保護チューブ70が挿通する分岐光ファイバ挿通口22cが形成されている。
図7に示すように、第1分割体23は、主筒部21の下部半体である主筒部半体21Aと、分岐筒部22の下部半体である分岐筒部半体22Aとからなる。第2分割体24は、主筒部21の上部半体である主筒部半体21Bと、分岐筒部22の上部半体である分岐筒部半体22Bとからなる。
第2分割体24の分岐筒部半体22Bには、第1分割体23と第2分割体24とを閉じ合せたときに係止枠部25内の係止口部25aに挿入可能なラッチ部26が形成されている。ラッチ部26は、分岐筒部半体22Bからいったん外側方に延出し、さらに下方に延出する、概略L字形に形成されている。ラッチ部26の先端外面には、外方(図7のX方向)に突出する係止爪部26a(係止部)が形成されている。係止爪部26aは、第1分割体23と第2分割体24とを閉じ合せたときに係止枠部25に内縁側から係止可能であるため、第1分割体23と第2分割体24とを閉じ合せた状態に維持できる。
ラッチ部26、26は、互いに近づく方向に変形させることによって、係止爪部26aの係止を解除することもできる。
第1分割体23には、XY平面に沿って外方に延出する固定板27が形成されている。固定板27には、前記設置面に分岐具1を固定するための固定具を挿通させる挿通口部27aが形成されている。固定板27の下面27bは下面23aと面一であることが好ましい。
ケーブル本体62に装着した部分の保護パイプ4の内径は、ケーブル本体62の外径と同じ、またはこれよりやや大きい程度とすると、保護パイプ4を細径化できるため、美観や取り回ししやすさの点で好ましい。ケーブル本体挿通口21aに挿入された部分の保護パイプ4の外径はケーブル本体挿通口21aの内径と同じ、またはこれよりやや小さい程度とすると、防水性を高めるうえで好ましい。
図1に示す例では、保護パイプ4の一方の端部は、分岐具本体2の先端延出部15に達し、他方の端部は光ファイバケーブル61のシース63に達している。具体的には、保護パイプ4の一方の端部には、分岐具本体2の先端延出部15が挿通され、保護パイプ4の他方の端部は、光ファイバケーブル61のシース63の端部を含む所定長さの範囲を覆っている。
保護パイプ4は、例えば周方向の1か所で軸方向に沿って切断された断面略C形の構造とすると、保護パイプ4を開いてケーブル本体62に容易に装着できる。保護パイプ4は、側縁部を防水テープで覆うことによって防水性を高めることができる。
図9(a)、図9(b)に示すように、光ファイバケーブル61のシース63をカッター67で周方向に切断し、所定の長さ範囲のシース63を除去してケーブル本体62を露出させる。ケーブル本体62の露出部分62d(露出範囲)の長さは、十分な長さの分岐光ファイバ64aを確保できるように定めることができる。
露出部分62dでは、光ファイバ64はスロット溝62aから取り出し可能となる。
保護チューブ70は、例えば図17に示す光ファイバケーブル81と同じ外形を有するものが使用できる。保護チューブ70の構造は、例えば抗張力体82を有する外被83に、分岐光ファイバ64aを挿通させる挿通孔部が形成された構造のものが使用できる。
保護パイプ4は、端部に先端延出部15を挿入することによって、分岐具本体2に対し安定に位置決めできる。
保護パイプ4は、分岐具本体2の取り付けの後に取り付ければよいため、ケーブル本体62の露出部分62dに応じて適切な長さに調整してから設置できる。よって、保護パイプ4の長さを適正化し、その設置範囲を最小限にすることができる。
外装体3は2分割構造であるため、分割体23、24の間にケーブル本体62および分岐具本体2を配置して分割体23、24を閉じ合せるという簡単な操作で外装体3を組み立てることができる。
図示例では、保護パイプ4はケーブル本体挿通口21a内に挿入された状態となっている。保護パイプ4がケーブル本体挿通口21aの内面に当接することによって、防水性が高められる。
保護パイプ4の端部4aと光ファイバケーブル61のシース63との接続部分30を含む範囲30Aについても、同様に、防水テープで覆うことで防水性を高めることができる。範囲30Aは、接続部分30からケーブル一端および他端方向の両方にわたる所定長さの範囲である。
防水テープは、主筒部21、保護パイプ4、光ファイバケーブル61に対して、一部が互いに重なるように螺旋状に巻きつけると、防水性を高めるうえで好適である。
外装体3の主筒部21と保護パイプ4は外径に大きな差がなく、また、保護パイプ4と光ファイバケーブル61も外径に大きな差がない。このため、範囲29A、30Aに対する防水テープの巻き付け作業は容易である。
防水テープによる防水構造は、構造として簡略であるため、分岐作業の現場での作業性を高めるうえで好ましい。
また、露出部分62dのうち外装体3に収容されない部分は保護パイプ4に覆われるため、防水性を高めることができる。
また、分岐具本体2が、ケーブル本体62を保持する本体保持部5と、分岐光ファイバ64aを分岐方向に導く分岐光ファイバ導出部6とを有するため、ケーブル本体62および分岐光ファイバ64aを安定的に所定の方向に向けた状態で保持することができ、しかも分岐具本体2内に無駄なスペースが生じない。このため、分岐具1の小型化を図るうえで好適である。
光ファイバ84は、例えば光ファイバ心線や光ファイバ素線等が挙げられる。抗張力体82としては、例えばアラミド繊維等の抗張力繊維、鋼線等を挙げることができる。外被83の両側面には、光ファイバケーブル81の長さ方向に沿う断面V字形の溝部であるノッチ部85がそれぞれ成されている。光ファイバケーブル81としては、インドアケーブル、ドロップケーブル等が挙げられる。
図20に示すように、分岐光ファイバ84aおよび第1外被半体83Aを取り扱いやすくするため、第2外被半体83Bの一部または全部を切除することもできる。
図12に示すように、第1外被半体83Aは、固定具28を用いて固定橋部13に固定することが好ましい。
図22に示すように、保護パイプ4、4で第1外被半体83Aを覆うとともに、分岐具本体2を外装体3に収容する。
分岐光ファイバ84aの先端を、融着接続などにより光ファイバ71に接続する。
なお、図3等では、バンド状の固定具28が例示されているが、ケーブル本体62(または第1外被半体83A)を分岐具本体2に固定する手段は特に限定されず、例えば保持片、係止爪、クリップ部などによってケーブル本体62(または第1外被半体83A)を分岐具本体2に固定することができる。
また、図示例では、固定具28が固定橋部13に締結されるが(図11、図12参照)、固定具28が固定される構造は固定橋部13に限定されない。例えば台部12からX方向に延出した舌状の固定片(被固定部)に固定具28を締結固定する構造も可能である。
分岐具本体2は、台部12および固定橋部13が形成されていない構造も可能である。この構造の分岐具本体2を採用する場合には、例えばケーブル本体62(または第1外被半体83A)と主部14にバンド状の固定具28を一括して巻きつけて締結することによってケーブル本体62を分岐具本体2に固定できる。また、分岐具本体2には、先端延出部15が形成されていなくてもよい。
Claims (5)
- ケーブル本体と、これに沿う複数の光ファイバとを有する光ファイバケーブルから、前記光ファイバの少なくとも1つが分岐光ファイバとして引き出される分岐部に設けられる光ファイバケーブル用分岐具であって、
前記光ファイバを取り出し可能に露出した範囲の前記ケーブル本体の一部を保持するとともに前記分岐光ファイバを導く概略トレイ状の分岐具本体と、
前記分岐具本体を収容する外装体と、
前記露出した範囲のうち少なくとも前記外装体に収容されていない部分の前記ケーブル本体を覆う保護パイプと、を備え、
前記分岐具本体は、前記ケーブル本体を前記分岐具本体の開放面側に保持する本体保持部と、底板の両側縁に側板が形成された構成であり前記底板の前記側板が形成された前記分岐具本体開放面側にて前記分岐光ファイバを前記ケーブル本体の延在方向とは異なる方向に導く分岐光ファイバ導出部とを有し、前記分岐光ファイバ導出部はその先端部に前記分岐光ファイバを挿入する保護チューブの端部を把持固定する把持部を有し、
前記外装体は、前記分岐具本体の一方の面側に設けられる第1分割体と、前記分岐具本体の他方の面側に前記第1分割体に対向して設けられる第2分割体とからなる分割構造体であり、前記本体保持部に保持された前記ケーブル本体が挿通する一対のケーブル本体挿通口と、前記分岐光ファイバ導出部を経た前記分岐光ファイバ及び前記保護チューブが挿通される分岐光ファイバ挿通口を有し、
前記分岐具本体の前記把持部は前記一対の側板間に前記保護チューブが嵌め込まれるチューブ嵌合溝を有することを特徴とする光ファイバケーブル用分岐具。 - 前記外装体は、前記ケーブル本体が挿通する主筒部と、前記主筒部の長さ方向中間部から外方に突出する分岐筒部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル用分岐具。
- 前記本体保持部は、固定具を締結することにより前記ケーブル本体を前記本体保持部に固定可能な被固定部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバケーブル用分岐具。
- 前記本体保持部の両端部は、前記保護パイプの端部に挿入可能であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光ファイバケーブル用分岐具。
- ケーブル本体と、これに沿う複数の光ファイバとを有する光ファイバケーブルから、前記光ファイバの少なくとも1つを分岐光ファイバとして引き出して、光ファイバケーブル用分岐具を用いて分岐する光ファイバケーブルの分岐方法であって、
前記光ファイバケーブル用分岐具は、前記光ファイバを取り出し可能に露出した範囲の前記ケーブル本体の一部を保持するとともに前記分岐光ファイバを導く概略トレイ状の分岐具本体と、前記分岐具本体を収容する外装体と、前記露出した範囲のうち少なくとも前記外装体に収容されていない部分の前記ケーブル本体を覆う保護パイプと、を備え、前記分岐具本体は、前記ケーブル本体を前記分岐具本体の開放面側に保持する本体保持部と、底板の両側縁に側板が形成された構成であり前記底板の前記側板が形成された前記分岐具本体開放面側にて前記分岐光ファイバを前記ケーブル本体の延在方向とは異なる方向に導く分岐光ファイバ導出部とを有し、前記分岐光ファイバ導出部はその先端部に前記分岐光ファイバを挿入する保護チューブの端部を把持固定する把持部を有し、前記外装体は、前記分岐具本体の一方の面側に設けられる第1分割体と、前記分岐具本体の他方の面側に前記第1分割体に対向して設けられる第2分割体とからなる分割構造体であり、前記本体保持部に保持された前記ケーブル本体が挿通する一対のケーブル本体挿通口と、前記分岐光ファイバ導出部を経た前記分岐光ファイバ及び前記保護チューブが挿通される分岐光ファイバ挿通口を有し、前記分岐具本体の前記把持部は前記一対の側板間に前記保護チューブが嵌め込まれるチューブ嵌合溝を有し、
前記光ファイバケーブルの所定の長さ範囲において、前記光ファイバが取り出し可能となるように前記ケーブル本体の一部を露出させ、
前記分岐具本体の本体保持部に、前記露出した前記ケーブル本体の一部を保持させるとともに、前記分岐光ファイバ導出部によって前記分岐光ファイバを導き、前記分岐光ファイバを前記保護チューブに挿通し、前記把持部に把持させ前記分岐光ファイバ挿通口に挿通して前記外装体外側へ延出させた前記保護チューブに前記分岐光ファイバが挿通された状態とし、
前記分岐具本体を、前記外装体内に収容するとともに、前記露出した範囲のうち少なくとも前記外装体に収容されていない部分の前記ケーブル本体を保護パイプで覆うことを特徴とする光ファイバケーブルの分岐方法。
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