JP5762989B2 - 粗目細目兼用バースクリーン式除塵機 - Google Patents
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Description
しかしながら、スクリーンの目幅を小さくすると、通水能力が低下し、損失水頭が大きくなるという問題があった。
この粗目細目兼用バースクリーン式除塵機は、細目スクリーンバーの板厚を小さくすることにより、同じ目幅の従来形バースクリーン式除塵機よりも通水能力を大きく、損失水頭を小さくすることができるが、水路内の目幅は同一であり、豪雨等で多量の下水が流入した場合、スクリーンの通水能力を越え、水位が上昇してポンプ場の上流部で浸水が発生するおそれがある。
この粗目細目兼用バースクリーン式除塵機は、目詰まりしにくく、スクリーンの閉塞による水位上昇が防げる反面、水路内の目幅は同一であり、豪雨等で多量の下水が流入した場合、スクリーンの通水能力を越え、水位が上昇してポンプ場の上流部で浸水が発生するおそれがある。
スクリーンの目幅を小さくすると、スクリーンの通水能力は低下し、損失水頭が大きくなる。
既存のポンプ場では、上流部での浸水を防ぐため、流入部水位の上限(HHWL)(以下、「HHWL」という。)が決められており、スクリーンの目幅を小さくしても、このHHWLを変えることができない。したがって、スクリーン部で許容できる損失水頭は限られることになる。
この許容可能な水位条件を超える流入水量となった場合、スクリーンの通水能力を大きくすることが対策の一つである。
しかし、従来のスクリーンは、スクリーン全長に亘り、同じ目幅であるから、通水能力を大きくすることはできない。
特許文献1で提案されている粗目細目兼用形スクリーン、特許文献2で提案されている目詰まり防止形スクリーンにおいても、スクリーン全長に亘り、同じ目幅であるから、許容可能な水位条件を超える流入水量となった場合、通水能力を大きくすることはできない。
この粗目細目兼用バースクリーン式除塵機は、粗目スクリーンバー11の間に細目スクリーンバー12を配置し、かつ、粗目スクリーンバー11の水流方向の端縁が細目スクリーンバー12より水流の流入側に突出して構成したスクリーン1を備えた粗目細目兼用バースクリーン式除塵機において、スクリーン1の高水位部となる水路内上部を、細目スクリーンバー12を省略して粗目スクリーンバー11のみで構成するようにしている。
さらに、昨今の異常な集中豪雨に鑑み、これに十分対応できるように、細目スクリーンバー12を省略して粗目スクリーンバー11のみで構成する部位を、HHWLからスクリーン1の全長の30%、さらには、50%下方位置から上方にかけて形成するようにすることもできる。
また、細目スクリーンバー12の板厚を、粗目スクリーンバー11の板厚より小さく設定したが、これに限定されるものでない。
さらに、昨今の異常な集中豪雨に鑑み、細目スクリーンバー12を省略して粗目スクリーンバー11のみで構成する部位の範囲を、地域の降雨実態に合わせて設定することにより、地域の実態に適応した雨水処理を行うことができる。
これにより、細目スクリーンバー12を省略して粗目スクリーンバー11のみで構成することによって目幅が大きくなったスクリーン1の高水位部(HHWL)において、レーキによって掻き上げられた夾雑物が流出側へ落下することを防止することができる。
この粗目細目兼用バースクリーン式除塵機は、水流方向の幅が広いスクリーンバー13の間に水流方向の幅が狭いスクリーンバー14を配置し、かつ流入側の端縁を揃えて同一平面としたスクリーン1を備えた粗目細目兼用バースクリーン式除塵機において、スクリーン1の高水位部となる水路内上部を、水流方向の幅が狭いスクリーンバー14を省略して水流方向の幅が広いスクリーンバー13のみで構成するようにしている。
また、水流方向の幅が広いスクリーンバー13と水流方向の幅が狭いスクリーンバー14の板厚を、同一に設定したが、これに限定されるものでない。
この場合、細目スクリーンバー12や水流方向の幅が狭いスクリーンバー14の省略を開始するのは、通常の水位(WL)を基準として設定することが好ましい。
これにより、1基のスクリーン1で、夾雑物の捕捉能力と通水能力とを多段階に設定することができる。
11 粗目スクリーンバー
12 細目スクリーンバー
13 水流方向の幅が広いスクリーンバー
14 水流方向の幅が狭いスクリーンバー
2 レーキ
21 掻上片
3 スクリーン閉鎖板
31 重錘
Claims (4)
- 粗目スクリーンバーの間に細目スクリーンバーを配置し、かつ粗目スクリーンバーの水流方向の端縁が細目スクリーンバーより水流の流入側に突出して構成したスクリーンと、該スクリーンの水流の流入側から流出側に向けて挿入され、スクリーンに捕捉された夾雑物を掻き上げるようにした掻上片を有するレーキとを備えた粗目細目兼用バースクリーン式除塵機において、前記スクリーンの高水位部となる水路内上部を、細目スクリーンバーを省略して粗目スクリーンバーのみで構成するとともに、前記レーキの掻上片のスクリーンの水流の流入面の上流に位置する基端側の上面を水平より下向きに形成し、それに連なるスクリーンに挿入される先端側の上面を漸次水平から先端側ほど傾斜が大きくなる上向きに形成したことを特徴とする粗目細目兼用バースクリーン式除塵機。
- 水流方向の幅が広いスクリーンバーの間に水流方向の幅が狭いスクリーンバーを配置し、かつ流入側の端縁を揃えて同一平面としたスクリーンと、該スクリーンの水流の流入側から流出側に向けて挿入され、スクリーンに捕捉された夾雑物を掻き上げるようにした掻上片を有するレーキとを備えた粗目細目兼用バースクリーン式除塵機において、前記スクリーンの高水位部となる水路内上部を、水流方向の幅が狭いスクリーンバーを省略して水流方向の幅が広いスクリーンバーのみで構成するとともに、前記レーキの掻上片のスクリーンの水流の流入面の上流に位置する基端側の上面を水平より下向きに形成し、それに連なるスクリーンに挿入される先端側の上面を漸次水平から先端側ほど傾斜が大きくなる上向きに形成したことを特徴とする粗目細目兼用バースクリーン式除塵機。
- スクリーンの設置角度を略垂直としたことを特徴とする請求項1又は2記載の粗目細目兼用バースクリーン式除塵機。
- 前記スクリーンの高水位部となる水路内上部のスクリーンの背面に沿って設置されるスクリーン閉鎖板を可動に配設したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の粗目細目兼用バースクリーン式除塵機。
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