JP2015028255A - 水路構造 - Google Patents

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Takashi Matsuzawa
貴士 松澤
文雄 菅野
Fumio Sugano
文雄 菅野
敏彦 伊東
Toshihiko Ito
敏彦 伊東
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Abstract

【課題】発電所の運用を停止することなく水路に堆積した土砂を効率的に排除することができ、溢水電力、土砂排除作業にかかる労力およびコスト等を大幅に低減することが可能な水路構造を提供する。【解決手段】水路構造の構成は、水路に設けられ水路を開閉するゲート(余水ゲート122)と、ゲートの上流側でゲートに近接して配置される板状の敷板130と、を備え、敷板は、水路の底面102から所定高さ上方に位置することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、河川からの水を取水する水路であって、かかる水路を開閉するゲートを備える水路構造に関する。
水力発電所(以下、単に発電所と称する)では、水路によって河川からの水を取水し、発電用水としている。かかる水路には、発電所の運用に伴って恒常的に土砂が堆積する。土砂が大量に堆積すると、取水量ひいては発電電力(発電効率)が低下してしまう。このため、発電所を効率的に運用するには、水路内の土砂を定期的に排除する必要がある。しかしながら、土砂排除作業を行うためには発電所の運転を停止しなければならず、溢水電力の増加を招いてしまう。
また発電後に地元用水路に放流する水は灌漑用水として利用されることがあるため、発電所を停止すると灌漑用水の分水支障を伴うこととなる。更に、土砂排除作業に要する人件費や、土砂排除作業に伴って発生する濁水によって河川の濁りが生じることにより地元の産業に与える影響も課題となっていた。
そこで例えば特許文献1では、河川から水力発電用の水を水力発電所に導入するために設けられる導水路において、その底部から水面に達する高さを有する塵芥除去スクリーンを導水路の幅方向に差し渡されるように配設し、塵芥除去スクリーンよりも上流側には、導水路の下部を流過する水中に混在する塵芥を捕集する塵芥捕集用金網を導水路の底部に幅方向に差し渡すように配設している。特許文献1では、導水路の下部を流過する水中に混在する塵芥を、塵芥除去スクリーンの上流側に配設される塵芥捕集用金網によって捕集することができるため、塵芥除去スクリーンの下部に堆積する塵芥が少なくなり、目詰まり状態の発生を効果的に抑えることができ、メンテナンスが容易で安定した発電出力を確保可能であるとしている。
特開2005−299246号公報
しかし、特許文献1のように塵芥除去スクリーンおよび塵芥捕集用金網を水路に設置しても、結局のところそれらによって捕集された土砂等の塵芥(以下、単に土砂と称する)を排除するために土砂排除作業が必要になることには変わりはない。したがって、特許文献1の構成であると、塵芥除去スクリーンのメンテナンスは容易になるとは思われるものの、土砂排除作業に纏わる課題を解決することができない。
ここで、水路には、河川からの水を取水する取水路と、そこから分岐し余水を河川に放出する余水路が設けられていて、かかる余水路にはそこを開閉するための余水ゲートが設置されている。余水路および余水ゲートは古くからある技術である。余水ゲートの下方を一部開くことで、排砂の目的にも利用することができる。このため、余水ゲートは通常時の運用では閉め切られているが、余水ゲートの下方の一部を時折開くことで、発電所の運転を継続しながら土砂の堆積を抑制できる可能性がある。
しかしながら、発明者らが検証を行った結果、余水ゲート近傍の土砂は排出されるものの、それより上流側の土砂は残留してしまうことがわかった。このため、単に余水ゲートの下方の一部を開いておくだけでは、土砂排除作業にかかる労力を若干軽減することは可能であるものの、十分な土砂排除効果を得ることができず、更なる改善が求められていた。
本発明は、このような課題に鑑み、発電所の運用を停止することなく水路に堆積した土砂を効率的に排除することができ、土砂排除作業にかかる労力およびコスト等を大幅に低減することが可能な水路構造を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる水路構造の代表的な構成は、水路に設けられ水路を開閉するゲートと、ゲートの上流側でゲートに近接して配置される板状の敷板と、を備え、敷板は、水路の底面から所定高さ上方に位置することを特徴とする。また好ましくは、敷板は、水路の底面と平行に設置されるとよい。
上記構成によれば、ゲートを敷板の高さまで開口させることにより、水路内において敷板の下方に速い底面流が生じる。これにより、敷板より上流側、すなわちゲートより上流側の土砂が速い底面流によって敷板の下方に吸い込まれるように移動し、ゲートから排出される。したがって、発電所の運用を停止することなく、水路に堆積した土砂を効率的に排除することができる。故に、発電所の運用停止に纏わる不具合を生じさせることなく、土砂排除作業にかかる労力およびコスト等を大幅に低減することが可能となる。
上記敷板は、ゲート側の縁を前縁としたときに、前縁と後縁との中途位置に1または複数の貫通孔を有するとよい。これにより、敷板上に溜まった土砂が、敷板下方の底面流に吸い込まれるように貫通孔から敷板の下方に移動し、ゲートから排出される。したがって、敷板上に溜まった土砂の排砂も可能となる。
上記貫通孔は、ゲートと平行に敷板の幅方向に延びるスリット状であるとよい。貫通孔をスリット状とすることで、敷板の幅方向に複数の貫通孔を設けることなく、敷板上の土砂を効率的に排砂することが可能となる。
上記水路は、屈曲部を有する本流と、屈曲部から分岐する支流とからなり、ゲートは支流に配置され、敷板は、ゲート側の縁を前縁としたときに、後縁が屈曲部の角に至っているとよい。水路が屈曲部を有する場合、かかる屈曲部において水路を流れる水の流速が低下するため、屈曲部の角に土砂が堆積しやすい。このため、敷板の後縁を屈曲部の角に位置させることにより、そこに堆積した土砂を好適に排除することができ、土砂の堆積を抑制することが可能となる。
上記水路は、屈曲部を有する本流と、屈曲部から分岐する支流とからなり、ゲートは支流に配置され、貫通孔は、屈曲部より下流側の本流の幅の中央に対応する位置に設けられているとよい。これにより、屈曲部より下流側の本流の手前において敷板上に堆積した土砂を好適に排除することができる。したがって、屈曲部より下流側の本流、ひいては発電設備への土砂の持込を抑制することが可能となる。
本発明によれば、発電所の運用を停止することなく水路に堆積した土砂を効率的に排除することができ、土砂排除作業にかかる労力およびコスト等を大幅に低減することが可能な水路構造を提供することができる。
本実施形態にかかる水路構造を例示する平面図である。 図1(b)のA−A断面の模式図である。 本実施形態にかかる実施例および比較例を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態にかかる水路構造100を例示する平面図であり、図1(a)は後述する敷板130を設置する前の状態の水路構造100を例示する平面図であり、図1(b)は敷板130が設置された状態の水路構造100を例示する平面図である。図1(a)に示すように、本実施形態にかかる水路構造100では、水路は、本流である導水路110および支流である余水路120を含んで構成される。
取水口(不図示)から取り入れられた河川からの水は、本流である導水路110を矢印に示すように流れることで発電所(不図示)に導かれる。本実施形態では、導水路110は屈曲部112を有し、この屈曲部112から支流である余水路120が分岐している。また導水路110の屈曲部112と余水路120との間には、水路を開閉するゲートである余水ゲート122が設けられている。なお、以下の説明では、導水路110のうち、屈曲部112より上流側を上流110aと称し、屈曲部112より下流側を下流110bと称する。
図1(a)に示すように、屈曲部112にはスクリーン124が設置されていて、このスクリーン124を通過することにより、河川から取水された水に含まれる木や石等が取り除かれる。またスクリーン124より下流側には沈砂池126が設けられていて、ここで水に含まれる砂が沈降することにより、河川の水から砂が取り除かれる。
図1(b)に示すように、本実施形態の特徴として、水路構造100では余水ゲート122の上流側において板状の敷板130がかかる余水ゲート122に近接して配置される。図2は、図1(b)のA−A断面の模式図であり、図2(a)は敷板130を設置していない状態の模式図であり、図2(b)は敷板130を設置していない状態で余水ゲートの下方を開いた場合の模式図であり、図2(c)は敷板130を設置した状態で余水ゲート122の下方を開いた場合の模式図であり、図2(d)はスリット状の貫通孔132を設けた敷板130を設置した状態で余水ゲート122の下方を開いた場合の模式図である。
取水口から取り入れられて導水路110の上流110aを流れ、屈曲部112において水が下流110bに流れる際、水の流速が低下する。このため、屈曲部112の近傍には水に含まれている土砂が堆積する。このとき、本実施形態の敷板130を設けていない場合、図2(a)に示すように、余水ゲート122の上流側に土砂140が堆積する。そして、図2(b)に示すように余水ゲート122の下方を開くと余水ゲート122を通過する水の流れの流速V2が生じる。
ここで、B−C断面間でエネルギー損失は無く、B−B断面での圧力は静水圧分布であり、C−C断面での圧力は大気圧と仮定すると、上記の流速V2はB-C断面間でベルヌーイの定理を適用することにより、下記の数式1から6によって求めることができる。なお、CVは流速補正係数、haは接近流速水頭である。図2(b)に示すように、単に余水ゲート122を開いただけでは、余水ゲート122の上流側では、その近傍、例えば余水ゲート122から2m程度上流の位置までの土砂140は排出されるが、それより更に上流の土砂140の排出が困難である。
Figure 2015028255
そこで本実施形態では、上述したように余水ゲート122の上流側において、かかる余水ゲート122に近接する位置に板状の敷板130を配置する。図2(c)に示すように、敷板130は、水路の底面102から所定高さ上方に位置し、水路の底面102と平行に配置される。そして、敷板130が設置された状態で、かかる敷板130の高さまで余水ゲート122を開くと、図2(c)に示すように、敷板130の下方において水路の底面102を沿う流れ、すなわち底面流が発生する。
図2(c)の状態において余水ゲート122を開いた際の底面流速発生のメカニズムは、図2(b)に示すように敷板130を設置していない状態で余水ゲート122の下方を開いたときにV2が生じることと同じであるが、敷板130によって土砂140が吸い込まれる箇所を余水ゲート122の上流側に移動させたことにより、水路の底面102を沿う底面流が発生する。そして、この底面流によって、敷板130より上流側の土砂140が敷板130の下方に吸い込まれるように移動し、余水ゲート122の下方から排出される。
特に本実施形態のように水路(導水路110)が屈曲部112を有する場合、図1(b)に示すように、敷板130は、余水ゲート122側の縁を前縁130aとしたときに、後縁130bが屈曲部112(図1(a)参照)の角112a(屈曲の内側の角)に至っているとよい。水路に屈曲部112が存在する場合、かかる屈曲部112において水路を流れる水の流速が低下し、その角112aに土砂140が堆積しやすい傾向がある。そこで、敷板130の後縁130bを屈曲部112の角に位置させることで、屈曲部112の角に堆積した土砂140を効率的に排除することができ、導水路110の下流110bへの土砂140の持ち込みを抑制することが可能となる。
ここで、水路に敷板130を設置した場合、図2(a)のような余水ゲート122に近接している箇所よりも更に上流側の土砂140を好適に排出可能であるものの、図2(c)に示すように、敷板130の上方への土砂140が残ってしまう。この敷板130の上方の土砂140を排出するために、敷板130には、図2(d)に示すように、前縁130aと後縁130bとの中途位置に貫通孔132を有するとよい。
図1(b)および図2(d)に示すように、本実施形態では、上記の貫通孔132を、余水ゲート122と平行に敷板130の幅方向に延びるスリット状としている。これにより、敷板130の下方の底面流によって敷板130の上方において貫通孔132での圧力が低下するため、敷板130の上に堆積する土砂140が貫通孔132に吸い込まれる流れが発生する。このことは、下記の数式7(ベルヌーイの定理)によって確認される。そして、敷板130の上の土砂140が、敷板130の下方の底面流に吸い込まれるように貫通孔132から敷板130の下方に移動し、余水ゲート122から排出されることで、敷板130の上の土砂140の排砂も可能となる。
Figure 2015028255
好ましくは、上記貫通孔132は、図1(b)に示すように、屈曲部112より下流側の本流、すなわち本実施形態の導水路110の下流110bの幅の中央に対応する位置に設けられているとよい。これにより、屈曲部112、すなわち下流110bの手前に配置された敷板130の上に堆積した土砂140を好適に排除し、下流110bひいては発電所への土砂の持ち込みを低減することができる。
なお、本実施形態では、スリット状の貫通孔132を例示したが、これに限定するものではなく、例えば単なる丸穴や長穴のような形状であってもよい。また本実施形態では、貫通孔132、すなわちスリットは1つしか形成されていないが、これにおいても限定されず、敷板130の幅方向に複数の丸穴を並べて形成することによっても上述したスリット状の貫通孔132と同様の効果を得ることができる。ただし、貫通孔をスリット状とすれば、貫通孔に木や石等が詰まる可能性を軽減させることができ、また、複数の貫通孔を形成する手間をかけることなく上記の効果を得ることが可能である。
更に本実施形態では、敷板130を水路の底面102から所定高さ上方に位置させることとしたが、この所定高さは、取水口から取り入れられる河川の水に含まれる木や石等の大きさに応じて適宜設定することが可能である。なお、敷板130が設置される高さ(所定高さ)に応じて、余水ゲート122を開口する高さも変更されることは言うまでもない。また貫通孔132の径(スリット状である場合はスリットの幅)についても、河川の水に含まれる木や石等の大きさに応じて決定することが好ましい。また本実施形態においては、水路の底面102と平行になるように敷板130を設置したが、これに限定するものではなく、水路の底面102に対して傾斜するように設置することも可能である。
(実施例)
図3は、本実施形態にかかる実施例および比較例を説明する図であり、図3(a)は実験条件について説明する図であり、図3(b)は実験結果について説明する図である。図3(b)のうち、従来構造とは、図2(b)に示す敷板130が設置されていない状態で余水ゲート122を開いた場合(比較例1)であり、二階建てとは、図2(c)に示す敷板130が設置された状態で余水ゲート122を開いた場合(実施例1)である。1スリットとは、図2(d)に示す1つのスリット状の貫通孔132が設けられた敷板130が設置された状態で余水ゲート122を開いた場合(実施例2)であり、2スリットとは、図示はしていないが、2つのスリット状の貫通孔132が設けられた敷板130が設置された状態で余水ゲート122を開いた場合である(実施例3)。
図3(a)に示すように、本実施形態の水路構造100の効果を検証するために、実際に本発明にかかる水路構造100を適用する水路の1/20スケールの模型を用いて実験を行った。水路模型の水路長は0.9mであり、水路幅は0.2mである。実施例1〜3の敷板130の設置高さ(所定高さ)および余水ゲート122の開口幅はともに2.5cmとし、敷板130の長さは40cmとし、実施例2〜3の敷板130のスリット状の貫通孔132のスリット幅は1.5cmとした。また水路模型に流す水の流量は340L/minとし、その水に含まれる土砂の粒径は0.07〜0.6mm、土砂比重は2.6とした。
図3(a)に示す条件のもとで、予め水路模型内に堆積させた0.01mの土砂(珪砂6号)の量から、10分間で余水ゲート122から排出される量を減算した土砂残留量によって土砂残留率を計測した。図3(b)に示すように、従来構造(比較例1:敷板130なし)の場合、余水ゲート122から10cm程度上流の位置までの土砂を排出することは可能であったものの、それより上流の土砂を排出することができず、土砂残留率は60%であった。
一方、本実施形態のように二階建て(実施例1:敷板設置)では、敷板130の下方に底面流が発生するため、余水ゲートから40cm上流の土砂を排出することができた。これにより、水路模型の底面に堆積する土砂残留率が15%程度となる。このことから、敷板130を設置することが土砂の排出に大きく寄与していることがわかる。しかしながら、実施例1では敷板上に土砂が残留してしまうため、敷板上の土砂残留量およびそれ以外の土砂の土砂残留量を合計すると、土砂残留率は41%であった。
上記実施例1に対し、1スリット(実施例2:スリット状の貫通孔を1つ形成した敷板設置)では、余水ゲート122から40cm上流の土砂を排出可能であることに加え、スリット状の貫通孔132を通じて敷板上の土砂を排出することができるため、敷板上の土砂の堆積量が大幅に低減される。このため、実施例2では、敷板上の土砂残留量およびそれ以外の土砂の土砂残留量を合計すると、土砂残留率が19%程度まで低下していた。このことから、敷板130を設置するだけでなく、敷板130に更に貫通孔132を形成することにより、土砂の排出効果を一層高めることが可能であることがわかる。
実施例1の敷板130に更にスリット状の貫通孔132を1つ追加した2スリット(実施例3:スリット状の貫通孔を2つ形成した敷板設置)では、敷板上の土砂は実施例1と比して大幅に減量しているが、敷板上以外の土砂、すなわち水路模型の底面に堆積している土砂の残留率が実施例1および2と比して上昇している。このため、実施例3では、土砂残留率は34%程度に留まっている。これは、スリット状の貫通孔を追加したことにより、敷板上の土砂を排出する効果は高まったものの、底面流によって得られる効果が減少し、余水ゲート近傍より上流側の土砂排出効果が低下したためと考えられる。
上記結果から、図3(a)に示す条件下において、スリット状の貫通孔132を1つ形成した敷板(実施例2)を設置することにより、最も高い土砂排出効果が得られることが理解できる。なお、本実施形態では、実施例2において最も高い効果が得られたが、他の条件においては実施例1または3において高い土砂排出効果が得られることも考えられるため、すべての設置現場において実施例2の構成を推奨するものではない。
上記説明したように、本実施形態にかかる水路構造100によれば、水路内に敷板130を設置することにより、余水ゲート122を敷板130の高さまで開口させると、敷板130の下方に底面流が生じる。この底面流により、敷板130より上流側の土砂が敷板130の下方に吸い込まれるように移動し、余水ゲート122から排出される。また敷板130に貫通孔132を形成することにより、敷板130の上に堆積する土砂も排出される。このため、発電所を運用しながら、水路に堆積した土砂を効率的に排除することができる。したがって、発電所の運用停止に伴う溢水電力の増加や灌漑用水への分水支障等の不具合の発生を防ぎ、且つ土砂排除作業に要する労力および人件費の大幅な削減や河川の濁水発生の抑制を図ることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、河川からの水を取水する水路であって、かかる水路を開閉するゲートを備える水路構造として利用することができる。
100…水路構造、102…底面、110…導水路、110a…上流、110b…下流、112…屈曲部、112a…角、120…余水路、122…余水ゲート、124…スクリーン、126…沈砂池、130…敷板、130a…前縁、130b…後縁、132…貫通孔、140…土砂

Claims (6)

  1. 水路に設けられ該水路を開閉するゲートと、
    前記ゲートの上流側で該ゲートに近接して配置される板状の敷板と、
    を備え、
    前記敷板は、前記水路の底面から所定高さ上方に位置することを特徴とする水路構造。
  2. 前記敷板は、前記水路の底面と平行に設置されることを特徴とする請求項1に記載の水路構造。
  3. 前記敷板は、前記ゲート側の縁を前縁としたときに、該前縁と後縁との中途位置に1または複数の貫通孔を有することを特徴とする請求項1または2に記載の水路構造。
  4. 前記貫通孔は、前記ゲートと平行に前記敷板の幅方向に延びるスリット状であることを特徴とする請求項3に記載の水路構造。
  5. 前記水路は、屈曲部を有する本流と、該屈曲部から分岐する支流とからなり、
    前記ゲートは前記支流に配置され、
    前記敷板は、前記ゲート側の縁を前縁としたときに、後縁が前記屈曲部の角に至っていることを特徴とする請求項1に記載の水路構造。
  6. 前記水路は、屈曲部を有する本流と、該屈曲部から分岐する支流とからなり、
    前記ゲートは前記支流に配置され、
    前記貫通孔は、前記屈曲部より下流側の本流の幅の中央に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の水路構造。
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