JP5759887B2 - ソーワイヤの評価方法 - Google Patents

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この発明はソーワイヤに関する。より詳細には,シリコンに代表される半導体インゴットからウェハーを切出すために用いられるソーワイヤに関する。
走行するソーワイヤに砥粒を含む液体(スラリー)を吹き付けながらインゴットを押しつけることで,インゴットから多数枚のウェハーが切出される。インゴットから切出されるウェハーの取れ高の向上,生産効率の向上等のために,近年のソーワイヤは細径化が進んでいる。ソーワイヤの細径化は,ソーワイヤの製造時およびソーワイヤを用いたインゴット切断時の両方において,ソーワイヤの断線のリスクを増大させる。
様々なソーワイヤが提案されている。特許文献1に記載のものは線径が0.04〜0.35mmのソーワイヤ(ピアノ線)であって,外周側の最大硬度が内周側の硬度の1.25倍以上のものを開示する。
特許文献2は軟質メッキ層の表面から20μmまでの硬度値が中心部の硬度値の1.00〜1.25倍であるソーワイヤを開示する。
特開平10−309627号公報 特開2003−205448号公報
特許文献1に記載のようにソーワイヤの外周側と内周側の硬度差が大きすぎると,細径のソーワイヤを製造するときのカッピー断線のリスクが増大してしまう。また,ソーワイヤの細径化に伴ってソーワイヤの使用時における耐摩耗性についても従来に比べて慎重に対策を施す必要性が増してきているが,特許文献2に記載のように外周側と内周側の硬度値の大きさの比を考慮するだけではソーワイヤの耐摩耗特性が十分でないケースが生じ始めている。
この発明は,良好な耐摩耗性を有し,切り出されるウェハーの品質を良好に保ちつつ,さらに使用時における断線リスクの少ないソーワイヤを提供する。
この発明はさらに製造時の断線リスクの少ないソーワイヤを提供する。
この発明によるソーワイヤは,線径が0.04〜0.14mmであり,表面からソーワイヤの半径に対して8%の深さ位置のマルテンス硬度が6,500 N/mm2以上であることを特徴とする。「線径」とはめっき層を除いたソーワイヤの直径を意味する。「表面」もめっき層を除いたソーワイヤの表面を意味する。
表面からワイヤ半径に対し8%の深さ位置のマルテンス硬度が6,500 N/mm2 以上であると,ソーワイヤの摩耗量が従来品と比べて大きくなってしまうことがない。また,ソーワイヤの直径が0.04〜0.14mmの範囲にあれば,インゴットの切断時にソーワイヤに断線が生じず,しかもそのソーワイヤを用いてインゴットから切出されるウェハー厚も均一なものとなる。
好ましくは,上記ソーワイヤは上記8%深さ位置のマルテンス硬度を中心位置のマルテンス硬度によって除した値が1.25未満であることを特徴とする。ソーワイヤを製造するときの断線のリスクを少なくすることができる。
ソーワイヤの横断面図であり,表層8%深さ位置のマルテンス硬度の計測箇所を示している。
(硬度指数と伸線断線指数との関係)
表1は,8種類のソーワイヤのそれぞれについて,表層8%の深さ位置のマルテンス硬度および中心位置のマルテンス硬度,硬度指数ならびに伸線断線指数をまとめたものである。
Figure 0005759887
「表層8%」とは,めっき層を除いたソーワイヤ(ソーワイヤ本体)の表面から,ソーワイヤの中心に向かって,ソーワイヤ本体の半径の8%分の深さ位置を意味する(以下,表層8%深さ位置と呼ぶ)。「中心位置」とはソーワイヤの円形断面における中心位置を意味する。表1には8種類のソーワイヤのそれぞれについて,マルテンス硬度試験機を用いて表層8%深さ位置と中心位置とで測定したマルテンス硬度が記載されている。
「硬度指数」は,上述の表層8%深さ位置で測定したソーワイヤのマルテンス硬度(以下,表層硬度とも呼ぶ)と,上述の中心位置で測定したソーワイヤのマルテンス硬度(以下,中心硬度とも呼ぶ)の比であり,表層硬度を中心硬度によって除算した値である。伸線工程を経て製造されるソーワイヤはその中心側(内側)の硬度が低く,表層側(外側)に向かうにつれて硬度が高くなり,最表層では再び硬度が低くなる傾向を持つ。このため,8種類のソーワイヤのいずれについても,硬度指数として1以上の値が得られている。なお,表層8%深さ位置のマルテンス硬度を測定するのは,シリコンインゴット等をスライスするメーカ等においてソーワイヤの交換する基準は様々であるが,交換後(使用済)のソーワイヤの摩耗量(使用前のソーワイヤの半径と使用後のソーワイヤの半径の差)を計測すると,使用前のソーワイヤの半径に対しておおよそ8%であるためである。使用前(新品)のソーワイヤの表層8%深さ位置の硬度は,使用後のソーワイヤにおいても残存している硬度と言える。上述したように,伸線工程を経て製造されるソーワイヤは最表層では硬度が低くなる傾向を持つので,表層8%深さ位置よりもさらに表層に近い箇所の硬度は,一般に表層8%深さ位置の硬度よりもわずかに低い。
「伸線断線指数」は伸線工程時の断線しやすさを表す数値であり,その数値が大きいほど伸線加工時に断線しやすいものであることを表している。表1に示す伸線断線指数は,比較例3についての伸線断線率を 100とした相対値で示されている。各ソーワイヤの伸線断線率は,伸線時の断線回数(回)を総伸線量(t) で除した値(すなわち,ソーワイヤ1トンあたりの断線回数)を用いた。
表1を参照して,比較例1と実施例1と比べると,線径(直径)が同一でかつ表層8%深さ位置の硬度もほぼ同一であるが,比較例1の中心硬度(5638 N/mm2)は実施例1の中心硬度(6898 N/mm2)に比べて低い。このため,比較例1の硬度指数は1.39と比較的大きく,これに対して実施例1の硬度指数はそれよりも小さい(1.10)。伸線断線指数を見てみると,比較例1の伸線断線指数は 180,実施例1の伸線断線指数は93であり,比較例1は伸線時に断線が生じやすいことが分かる。比較例2と実施例2との対比,比較例3と実施例3との対比,および比較例4と実施例4との対比においても同様のことが言える。硬度指数が1.25を越えると伸線断線指数は悪化する傾向にある。
上述の表1の結果を踏まえると,伸線時の断線のしにくさを考慮すれば硬度指数が1.25未満のソーワイヤを用いるのが好ましい。
表2は切断条件Aのもとで,13種類のソーワイヤ(比較例5〜11および実施例5〜10)を用いてシリコン・インゴットを切断したときの試験結果を,表3は切断条件Bのもとで,上述の13種類のソーワイヤを用いてシリコン・インゴットを切断したときの試験結果をそれぞれ示している。表4は上述の切断条件AおよびBの内容を示している。
Figure 0005759887
Figure 0005759887
Figure 0005759887
表2および表3には,種々の線径(めっき層を除くソーワイヤの直径)およびマルテンス硬度を持つソーワイヤのそれぞれについて,表層8%深さ位置のマルテンス硬度のほかに,表層16%深さ位置(めっき層を除くソーワイヤの表面から,ソーワイヤの中心に向かって,ソーワイヤの半径の16%分の深さ位置)のマルテンス硬度が示されている。表2および表3にはまた,切断時断線評価,ワイヤ摩耗量評価,およびウェハー厚評価のそれぞれについて,後述する評価(○または×,評価できない場合には−)が示されている。
表2および表3の試験結果の説明に先立ち,表2および表3の試験結果を得るために行った試験内容を説明しておく。
(1)ソーワイヤの製造
JIS G 3502に規定されるSWRS72A 以上に相当する化学成分を含有し,熱間圧延により線径 5.5mmまで圧延され,その後調整冷却により組織調整されたピアノ線材を用意する。このピアノ線材の表面のスケールを酸で除去した後,ボラックス皮膜処理をし,これを乾式伸線する。乾式伸線されたワイヤに熱処理を行う。熱処理工程では約1000℃の加熱炉で均一にオーステナイト化させ,さらに約 550℃のパテンティング炉で金属組織を調整する。乾式伸線と熱処理は必要な回数繰返し行い,その後に銅めっきおよび亜鉛メッキを電気めっきして拡散炉で銅と亜鉛を拡散させてブラスめっきとする。ブラスめっきを行うのは,ワイヤにめっき層を形成することで次の湿式伸線加工時の表層潤滑性を向上させるためである。ブラスめっき後に湿式伸線することで,線径0.03mm〜0.15mmのソーワイヤを製造した。使用するピアノ線材(原材料)の直径,および乾式または湿式伸線回数を増減することによりソーワイヤの線径は調整される。また,使用するピアノ線材(原材料)の直径,熱処理の温度,伸線速度などの調整によりマルテンス硬度は調整される。
(2)マルテンス硬度の測定
製造したソーワイヤについて,マルテンス硬度試験機を用いて,表層8%深さ位置および表層16%深さ位置のマルテンス硬度を測定した。
図1はソーワイヤ1の断面を示している。完成状態のソーワイヤ1は,上述したように,ソーワイヤ本体2の表面にブラスめっき層3が積層されたものである。図1に三角印で示すのがマルテンス硬度の測定箇所であり,ソーワイヤ本体2の表面からソーワイヤ本体2の半径の8%に相当する深さ位置にある,互いに間隔をあけた4点についてマルテンス硬度を測定し,その平均値を表層8%深さ位置のマルテンス硬度とした。マルテンス硬度の測定には,押込み型マルテンス硬度試験機であるエリオニクス製「ENT-1100a」を用い,測定荷重を20mNとして,10秒かけて次第に20mNまで負荷をかけ,20mNの負荷を1秒間保持し,最後に10秒かけて次第に除荷した。圧子にはダイヤモンド三角錐圧子を用いた。
ダイヤモンド三角錐圧子をソーワイヤ本体2の断面に押込むと,ソーワイヤ本体2の断面に圧痕が生じる。マルテンス硬度(HM)は,試験力(F)を圧子の侵入表面積(As(h))によって除した値と定義される。圧痕の高さをh とすると,マルテンス硬度はたとえば次式によって算出される。
マルテンス硬度(HM)=F/As(h)=F/(a*h2)
上記算出式において,aは使用する圧子に固有の係数である。
表層16%深さ位置のマルテンス硬度についても上述と同様に測定を行った。
金属等の硬さを表す尺度として,マルテンス硬度のほかにビッカース硬度が知られている。ビッカースないしマイクロビッカース硬度試験機では一般にダイヤモンド四角錐圧子を所定の試験力で試料に押しつけ,試料に残る圧痕の対角線の長さを測定するが,一般的なビッカースないしマイクロビッカース硬度試験機の試験力は最低でも 100mN程度であり,表層8%深さ位置,すなわち表層からかなり浅い箇所の試料の硬さを計測するのが難しい。これに対し,マルテンス硬度試験機は比較的小さな試験力のもとで硬度を計測することができ,このため8%深さ位置の硬度の計測に適している。これがこの実施例においてソーワイヤの硬さを表す指標としてマルテンス硬度を用いる理由である。なお,同一試料を測定する場合であればマルテンス硬度とビッカース硬度は相関関係を持ち,ビッカース硬度試験機では測定できない表層位置の硬度を除いて,ソーワイヤの様々な深さ位置でマルテンス硬度およびビッカース硬度を測定すると,いずれについてもソーワイヤの中心側(内側)で低い硬度が測定され,表層側(外側)に向かうにつれて高い硬度が測定される。
(3)ソーワイヤを用いたシリコン・インゴットの切断
ソーワイヤを用いたシリコン・インゴットの切断では,一本のソーワイヤを2つのガイドロール間に複数回掛け渡し,ソーワイヤを送り出し側から巻き取り側に走行させる。この2つのガイドロールの間に張られたソーワイヤにシリコン・インゴットが押し付けることでシリコン・インゴットが切断される。ガイドロール間には 500本程度のソーワイヤが等間隔に互いに平行に掛け渡され,1つのシリコン・インゴットから一度に 500枚程度のウェハーが得られる。
この実施例では,切断条件Aおよび切断条件Bの2種類の条件のもとで,製造したソーワイヤを用いて長さ 840mmのシリコン・インゴットを切断した。表4を参照して,「切断条件A」はソーワイヤを一方向に走行させるものである。これに対し「切断条件B」はソーワイヤを所定量分送り出し,次にソーワイヤを所定量分巻き戻し,これを繰り返しながらソーワイヤを少しずつ送り出すものである。切断条件Bにおいて送り出される所定量は,巻き戻される所定量よりも大きい(長い)のは言うまでもない。切断条件Bはソーワイヤ1mあたりのインゴット切断面積が切断条件Aに比べて大きいことが特徴である。このため切断条件Bの方が切断条件Aに比べてソーワイヤにかかる負荷は大きい。切断条件Aおよび切断条件Bの共通項目として,ソーワイヤの走行方向はインゴットの長手方向に対して垂直方向,ソーワイヤ張力は切断荷重の50%とした。また,切断時に切断箇所に吹付けられるスラリーとして,ベース液と砥粒とを重量混合比1:1で混合した液温20℃のSiCスラリーを総量400リットル用い,吹付け流量は140リットル/minとした。
表2および表3を参照して,「切断時断線評価」には,ソーワイヤを用いてシリコン・インゴットを切断している最中に断線しなかったものに○が,断線したものに×がそれぞれ示されている。「ワイヤ摩耗量評価」には,使用前のソーワイヤ(上述のソーワイヤ本体を意味する)の半径と使用後のソーワイヤの半径の差(すなわち摩耗量)が使用前のソーワイヤの半径に対して8%未満であったものに○が,8%以上であったものに×が示されている。「ウェハー厚評価」では,1本のシリコン・インゴットから多数枚切り出されるウェハーのうち,走行するソーワイヤの送り出し側に近い箇所のウェハーを5枚,ソーワイヤの巻き取り側に近い箇所のウェハーを5枚,合計10枚のウェハーを抜き取り,ウェハー1枚につき5箇所の厚さを測定した。合計50箇所のウェハー厚さの測定値のうちの最大値と最小値の差が10μm未満であれば○が,10μm以上であれば×が示されている。上述したように,表2の「切断時断線評価」,「ワイヤ摩耗量評価」および「ウェハー厚評価」には,切断条件Aのもとでシリコン・インゴットを切断したときの評価が示されている。表3には,切断条件Bのもとでシリコン・インゴットを切断したときの評価が示されている。
表2を参照して,比較例7〜比較例10はワイヤ摩耗量およびウェハー厚の評価がいずれも×であった。さらに,比較例7および9についてはシリコン・インゴットの切断時にソーワイヤの断線が発生した。さらに比較例11はウエハー厚の評価が×となった。
同一直径である比較例8と実施例7を比較して,表層16%深さ位置のマルテンス硬度は比較例8が6823 N/mm2,実施例7が6703 N/mm2であり,比較例8の方が約100 N/mm2 高いが,表層8%深さ位置のマルテンス硬度を見てみると,比較例8が6404 N/mm2,実施例7が6654 N/mm2であり,実施例7の方が約250 N/mm2 高い。比較例8はワイヤ摩耗量評価およびウェハー厚評価がいずれも×であり,ワイヤ摩耗量評価およびウェハー厚評価がいずれもが×となった比較例7〜10は,表層8%深さ位置のマルテンス硬度が比較的低いものであったことが共通していることからすると,ソーワイヤの摩耗量,および切出されるウェハーの品質には,表層8%深さ位置のマルテンス硬度が大きな影響を与えていることが分かる。
ワイヤ摩耗量の評価が×であった比較例7〜比較例10は,いずれも表層8%深さ位置のマルテンス硬度が6500 N/mm2未満である。他方,表層8%深さ位置のマルテンス硬度が6500 N/mm2以上であれば,ワイヤ摩耗量の評価は○となった(比較例5,6および11,実施例5〜10)。ワイヤ摩耗量を従来のソーワイヤと少なくとも同等に保つには,表層8%深さ位置のマルテンス硬度が6500 N/mm2以上である必要があることが分かる。
比較例11を参照して,比較例11のソーワイヤは表層8%深さ位置のマルテンス硬度は6500 N/mm2以上であるものの,ソーワイヤの直径が比較的太い(0.15mm)。このとき,ウェハー厚の評価が×となっている。1本のシリコン・インゴットから切り出されるウェハーの厚さのばらつきを抑制し,ウェハーの品質の低下を避けるには,ソーワイヤの直径が0.14mm以下である必要がある。
表2の結果をまとめると,切断時断線評価,ワイヤ摩耗量評価およびウェハー厚評価のいずれもを○とするには,表層8%深さ位置のマルテンス硬度が6500 N/mm2以上であり,かつ線径が0.03mm〜0.14mmのソーワイヤを用いる必要があることが分かった。
次に表3を参照して,比較例5および比較例6を除き,切断条件Bのもとでシリコン・インゴットを切断した場合も,切断条件Aのもとでシリコン・インゴットを切断した上記表2と同じ評価が得られた。比較例5および比較例6のソーワイヤはいずれも線径が0.03mmであり,シリコン・インゴットの切断時にソーワイヤの断線が頻発し,ワイヤ摩耗量評価およびウェハー厚評価をいずれも行うことができなかったものである。切断条件Aよりもソーワイヤにかかる負荷の大きい切断条件Bのもとでは,線径の細いソーワイヤはシリコン・インゴットの切断に用いることができないことが分かる。切断条件Bのもとでシリコン・インゴットを切断する場合には,0.04mm以上の線径を持つソーワイヤである必要がある。
切断条件Aおよび切断条件Bのいずれの切断条件のもとにおいても用いられることが想定されるソーワイヤについて,切断時断線評価,ワイヤ摩耗量評価およびウェハー厚評価のいずれについても○とするには,表層8%深さ位置のマルテンス硬度が6500 N/mm2以上であり,かつ線径が0.04mm〜0.14mmであるソーワイヤを用いる必要があることが分かった。上述したように,伸線時にも断線しにくいものにするには,さらに硬度指数が1.25未満であることが要求される。
1 ソーワイヤ
2 ソーワイヤ本体
3 めっき層

Claims (2)

  1. 一方向および双方向のいずれの走行方向においても用いられ,走行中に押し当てられる半導体インゴットを切断するために用いられるソーワイヤの評価方法であって,
    上記ソーワイヤは,その線径が0.04〜0.14mmのものであり
    表面から半径に対して8%の深さ位置のマルテンス硬度を測定し,
    上記マルテンス硬度が6,500N/mm2以上であるかどうかを確認する,
    ソーワイヤの評価方法
  2. 上記ソーワイヤの中心位置のマルテンス硬度を測定し,
    上記8%深さ位置のマルテンス硬度を中心位置のマルテンス硬度によって除した値が1.25未満であるかどうかを確認する,
    請求項1に記載の方法。
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