JP2001327636A - ゴルフクラブヘッド及びその製造方法 - Google Patents

ゴルフクラブヘッド及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001327636A
JP2001327636A JP2000151803A JP2000151803A JP2001327636A JP 2001327636 A JP2001327636 A JP 2001327636A JP 2000151803 A JP2000151803 A JP 2000151803A JP 2000151803 A JP2000151803 A JP 2000151803A JP 2001327636 A JP2001327636 A JP 2001327636A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
golf club
face
club head
coating layer
ball
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000151803A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaya Tsunoda
昌也 角田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2000151803A priority Critical patent/JP2001327636A/ja
Publication of JP2001327636A publication Critical patent/JP2001327636A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Golf Clubs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピン性能の向上を長期に亘って維持する。 【解決手段】 ボールを打撃するフェース面2の少なく
とも一部に、気相コーティングによって形成されたコー
ティング層7により被覆されかつ十点平均粗さRzが
0.6〜35μmである粗面部9を具えることを特徴と
するゴルフクラブヘッド1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピン性能の向上
を長期に亘って維持しうるゴルフクラブヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ゴルフ
クラブには、ボールを打球して遠くに飛ばすための飛距
離性能と目標位置に対して正確にボールを飛ばすコント
ロール性能とが要求される。中でも直接グリーンを狙う
機会の多いアイアン型のゴルフクラブにおいては、特に
かかる要求が強いものである。このような諸性能を向上
するための一つの手段として、打球に適度な量のバック
スピンを与えることが挙げられる。打球のバックスピン
量は、概ねゴルフクラブヘッドのフェース面の表面の性
状によってコントロールすることができる。例えばロフ
ト角の大きいいわゆるショートアイアンにあっては、フ
ェース面の表面粗さが大きいほど打球のバックスピン量
が大となり、グリーンに落下してからのボールの転がり
を減じ、コントロール性を向上しうる。
【0003】従来のゴルフクラブヘッドでは、フェース
面に、研掃材を噴射、衝突させるショットブラスト等の
表面処理を施して微細な凹凸面を形成することにより、
該フェース面を所定の表面粗さで形成している。しかし
ながら、このようなフェース面では、繰り返してボール
を打球すると、その衝撃や打球時に土砂等の異物を噛む
ことなどにより、フェース面の前記微細な凹凸面が変形
してしまい、初期の表面粗さが失われ、継続して打球に
意図したバックスピン量を与えることができないという
問題がある。またフェース面にメッキや塗装を施しその
耐久性を向上させることも考えられるが、このようなメ
ッキ層や塗膜は一般的にその膜厚さが大となるため、フ
ェース面の前記凹凸部分を埋めてしまい表面粗さを維持
できないという問題がある。
【0004】発明者らは、このような問題点に鑑み鋭意
研究を重ねた結果、気相コーティングによって形成され
るコーティング層が非常に薄膜でありかつ耐久性に優れ
る点を利用して、フェース面にこのコーティング層を施
しても該フェース面の所定の表面粗さが維持されうるこ
とを見出し本発明を完成させるに至った。以上のよう
に、本発明は、ボールを打撃するフェース面の少なくと
も一部に、気相コーティングによって形成されたコーテ
ィング層により被覆されかつ十点平均粗さRzが0.6
〜35μmである粗面部を形成することを基本として、
粗面部の表面粗さを長期に亘り維持しうるゴルフクラブ
ヘッドを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、ボールを打撃するフェース面の少なくとも
一部に、気相コーティングによって形成されたコーティ
ング層により被覆されかつ十点平均粗さRzが0.6〜
35μmである粗面部を具えることを特徴とするゴルフ
クラブヘッドである。特にアイアン型のゴルフクラブヘ
ッドにあっては、前記粗面部の十点平均粗さRzが3〜
35μmであることが望ましい。また前記気相コーティ
ングは、例えばCVD又はPVDを用いることが望まし
い。
【0006】ここで、「十点平均粗さRz」は、JIS
−B−0601の規定に準拠して測定される。すなわ
ち、フェース面の粗さ曲線からその平均値の方向に基準
長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均値から縦倍
率の方向に測定した最も高い山頂から5番目までの山頂
の標高の絶対値の平均と、最も低い谷底から5番目まで
の谷底の標高の絶対値の平均との和を求め、この値をマ
イクロメートルで表したものを十点平均粗さRzとして
いる。なお本例では測定個所は、フェース面の実質的な
打球部分であるバーチカルライン間の中央でかつフェー
ス溝を除いた粗面部上の位置としている。
【0007】また前記粗面部は、ユニバーサル硬さ値が
13700〜35500HU(N/mm2 )であることが
望ましい。ここで、「ユニバーサル硬さ値」は、対面角
が136度をなす四角錐のダイヤモンド圧子を粗面部の
表面に所定の試験荷重をかけて押し込み、そのときの押
し込み深さを測定するとともに、試験荷重を、その試験
荷重で生じた圧痕(圧子の幾何学的形状から計算された
圧痕)の表面積で除した比率(式1参照)で表示する。 ユニバーサル硬さ値HU =試験荷重(N)/試験荷重下での圧痕の表面積(mm2 ) =F/26.43h2 …(1) ここで、Fは試験荷重(N)、hは試験荷重下での押し
込み深さ(mm)である。
【0008】また本明細書では、ユニバーサル硬さ値の
測定には、(株)フィッシャー・インストルメンツの
「フィッシャースコープH100V(微小硬さ測定装
置)」を用い、試験荷重を0(N)から1Nまで60秒
かけて作用させ、試験荷重1N時の押し込み深さから計
算したものである。
【0009】また硬さ試験においては、従来ビッカース
硬さが良く知られている。しかしビッカース硬さは、ダ
イヤモンド圧子をフェース面の表面に所定の試験荷重を
かけて押し込んだ後、除荷した状態での圧子による圧痕
の表面積と前記試験荷重から求めた硬さである。このた
め、ビッカース硬さでは塑性変形しか考慮されておら
ず、とりわけコーティング層の弾性皮膜の弾性変形量な
どは考慮されない。本発明では、ビッカース硬さではな
くユニバーサル硬さ値を用いて荷重負荷状態での押し込
み深さを測定しているため、ビッカース硬さに比べて粗
面部、とりわけ小さい試験荷重としてコーティング層の
弾性硬さを含む粗面部の表面硬さをより正確に測定する
ことができる。なおビッカース硬さは、換言すれば傷付
きの硬さ値であるため、弾性変形及び塑性変形の双方の
要素を持っているユニバーサル硬さ値とは相関性がな
い。
【0010】また本発明のゴルフクラブヘッドは、例え
ばボールを打撃するフェース面の少なくとも一部に、十
点平均粗さRzが0.6〜35μmの処理面を形成する
工程と、前記処理面に、この処理面の十点平均粗さRz
を実質的に維持する厚さのコーティング層を気相コーテ
ィングにより形成する工程とを含んで容易に製造するこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づき説明する。図1は本実施形態のゴルフクラブ
ヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある。)1
の正面図、図2は図1のA−A線端面図をそれぞれ示し
ている。図において、本実施形態のヘッド1は、前面に
ボールを打撃するフェース面2を有するヘッド本体部3
と、このヘッド本体部3のヒールh側に一体に形成され
図示しないシャフトが装着されるシャフト取付部4とを
含んで構成されている。
【0012】前記ヘッド本体部3は、本例ではチタン合
金からなる板状のフェース板5と、このフェース板5を
前面に配するフェース受け部6とを含んで構成したもの
を例示している。前記フェース板5を形成するチタン合
金には、本例ではTi−6Al−4Vを用いているがこ
れ以外のチタン合金、さらには他の合金等を用いること
もできる。またフェース板5は、略一定の厚さ、例えば
1mm以上、より好ましくは2mm以上の厚さを有する板状
をなし、前記フェース受け部6に接着、カシメ、溶接等
の適宜の固着手段にて配されている。そしてフェース板
5は、その表面により、前記フェース面2の実質的な有
効打球領域を含んでその主要部を構成している。なお前
記フェース受け部6は、本例では軟鉄或いはステンレス
鋼など前記フェース板5よりも比重が大の金属材料によ
り形成されており、ヘッド1の周辺に重量をより多く配
分することで慣性モーメントの増大を図っている。
【0013】また前記フェース面2は、本例ではトウt
側とヒールh側においてそれぞれ略垂直にのびるバーチ
カルラインL1、L2が設けられ、これらの間にて大凡
の打球エリアが視覚的に区画されている。そして、この
バーチカルラインL1、L2の間には、ヘッド1を規定
のライ角、ロフト角に合わせて水平面に載置した状態に
おいてトウt、ヒールh方向、すなわち略水平にのびる
フェース溝3が凹設されている。このフェース溝3は、
例えばフェース面2においてボール打撃時にボールとの
摩擦力を高めるのに役立つ。
【0014】また本実施形態のヘッド1は、ボールを打
撃するフェース部の少なくとも一部に、気相コーティン
グによって形成されたコーティング層7により被覆され
かつ十点平均粗さRzが0.6〜35μmである粗面部
9を具えている。本例では前記粗面部9が、前記バーチ
カルラインL1、L2、フェース面2の上縁2a、及び
フェース面2の下縁2bで囲まれる実質的な打球エリア
(ドットを付す)に形成されたものが例示され、通常に
打球した場合にはボールがこの粗面部9と確実に接触し
うるように形成される。
【0015】このようなヘッド1は、例えば次のように
して製造しうる。先ず鋳造等により前記フェース板5、
前記フェース受け部6とをそれぞれ成形し両者を接合す
る。次に、フェース面2にバレル研磨、バフ研磨、サン
ドブラスト、ショットピーニング、グリットブラスト又
は液体ホーニング等を行い、フェース面2の打球エリア
に十点平均粗さRzが0.6〜35μmである処理面を
形成する。しかる後、この処理面に、該処理面の十点平
均粗さRzを実質的に維持する厚さの薄いコーティング
層7を気相コーティングにより形成して図3の如く前記
粗面部9を形成する。また必要により、フェース面2に
前記フェース溝3などを気相コーティングの前工程又は
後工程のいずれかで凹設する。
【0016】また前記気相コーティングとは、液相コー
ティングや粉体コーティングなどでは困難である微細な
凹凸面へのコーティングを、この凹凸面を維持したまま
均一なコーティング厚さで行うことが可能であり、例え
ば、CVD(Chemical VaporDeposition 、化学的蒸着
法)、PVD(Physical Vapor Deposition 、物理的蒸
着法)等の蒸着法、拡散法といった気相法による表面改
質技術が挙げられる。前記CVDは、薄いコーティング
層を構成する材料の原料となるガス状の化合物をフェー
ス面2の表面で熱分解又は還元し析出被覆させて所望の
コーティング層を形成するもので、例えば化学反応を励
起させるエネルギーの相違によりプラズマCVD、レー
ザ励起CVD、光励起CVD等が挙げられ、さらには化
学反応が行われるチャンバー内の圧力の相違による常圧
CVDや減圧CVDなどが挙げられる。
【0017】また、PVDには、真空蒸着、スパッタリ
ング、イオンプレーティング、イオンビーム蒸着、イオ
ン注入蒸着などが含まれうる。前記真空蒸着は、高真空
中で金属を加熱蒸発させ、蒸発原子をフェース面2に凝
固させてコーティング層7を形成する。またスパッタリ
ングは、不活性ガス(例えばアルゴンガス)を槽内に流
し、電極から数千ボルトの電圧をかけてグロー放電を起
こさせ、不活性ガスイオンを負に印加したターゲットに
衝突させ、飛散したターゲット物質をフェース面に凝固
させることによりコーティング層を形成しうる。さらに
イオンプレーティングは、加熱蒸発させた蒸発原子をア
ルゴングロー放電中でイオン化し負に印加したフェース
面に衝突させコーティング層を形成しうる。
【0018】一般に電気めっき等にあっては、被覆しよ
うとする形状がフェース面2のように微細な凹凸を有し
ていると、該凹凸によって電荷がばらつくために均一な
めっき厚さを確保することが困難となり、かつ薄いコー
ティング層を形成するのが困難であるためフェース面に
意図的に形成した凹凸面がめっき層により埋められてし
まう。また無電解めっきにおいても液相であるため、本
実施形態のフェース面2の如く微細な凹凸面に均一にメ
ッキ層を形成することは困難である。これに対し、気相
コーティングでは、フェース面の凹凸に沿って均一な厚
さで薄膜を容易に形成できるため、例えばフェース面2
を所望の表面粗さとした後に気相コーティングを行って
も、前記表面粗さを維持しうる点で好ましい。また、気
相コーティングは、コーティング層7の厚さのコントロ
ールが容易で、防湿、防錆、防食等、数々の優れた特徴
を具える。
【0019】このように本実施形態のヘッド1では、フ
ェース面2に、気相コーティングによって形成されたコ
ーティング層7で被覆されかつ所定の表面粗さを有する
粗面部9が形成されているため、この粗面部9の表面粗
さをコーティング層7によって長期に亘って保護するこ
とができ、フェース面2の表面特性を長く維持すること
ができる。
【0020】また前記粗面部9の十点平均粗さRzは、
0.6〜35μmであることが必要である。前記粗面部
9の十点平均粗さRzが0.6μm未満であると、フェ
ース面2が平滑化されてしまいボールとの十分な摩擦力
が得られ難く、十分なバックスピン量が得られない。逆
に粗面部9の十点平均粗さRzが35μmを超えると、
表面が過度に粗くなってボールを傷つける傾向があった
り、粗面部9に打撃痕が付き易くなるため好ましくな
い。特に直接グリーンを狙う機会の多いアイアン型のゴ
ルフクラブヘッドにあっては、より好ましいバックスピ
ン量を得るために、前記粗面部9の十点平均粗さRz
を、好ましくは3〜35μm、より好ましくは5〜35
μm、さらに好ましくは10〜35μm、より好ましく
は12〜35μm、特に好ましくは12〜20μmとす
ることが望ましい。
【0021】また前記粗面部9は、ユニバーサル硬さ値
が13700〜35500HU(N/mm2 )、より好ま
しくは22400〜31100HU(N/mm2 )とする
ことが望ましい。前記コーティング層7のユニバーサル
硬さ値が13700HU(N/mm2 )未満であると、フ
ェース面の粗さ形状が塑性変形し易くスピン性能が変わ
り易いという不具合があり、逆に35500HU(N/
mm2 )を超えると、表面改質を行うベースの金属との硬
さが違いすぎる為、コーティング層7が剥がれ易くなる
傾向がある。
【0022】また粗面部9のコーティング層7の厚さは
特に限定されるものではないが、該厚さが過小になる
と、摩耗によってコーティング層7が比較的早期に無く
なってしまい、フェース面2の表面粗さを長期に亘って
維持する効果が低下する傾向があり、逆に過大である
と、フェース面2の微細な凹凸を埋めてしまうなど所望
の表面粗さを維持できなくなる傾向がある。このような
観点より、前記コーティング層7の厚さは、例えば1〜
5μm、より好ましくは1.5〜4μm、さらに好まし
くは2〜3μmとするのが望ましいものである。また本
例ではコーティング層7を一層としているが、コーティ
ング材料が異なる複数の層で形成しても良い。
【0023】さらに前記コーティング層7には、例えば
TiN、TiAlN、TiC、TiCN、CrN、Si
C、Si3 4 、Al2 3 、いわゆるDLC(ダイヤ
モンドライクカーボン)、BNなどを用いることがで
き、中でも、TiN、TiAlNなどが特に好ましい。
TiNは金属母材との密着性が良く、TiAlNは硬度
が大であり耐摩耗性に優れるためである。
【0024】またフェース面2において、該フェース面
2の全面積S2に占める粗面部9の全面積S1が小さす
ぎるとボールに十分なスピンを与え難くなる傾向があ
る。このような観点より、特に限定されるものではない
が、粗面部4の全面積S1とフェース面Fの全面積S2
との比(S1/S2)は、例えば0.5〜1.0、より
好ましくは0.6〜0.9、さらに好ましくは0.7〜
0.9とするのが望ましい。
【0025】図4には、本発明の他の実施形態としてウ
ッド型のゴルフクラブのヘッド1を例示している。本例
では、ヘッド全体をチタン合金(Ti−6Al−4V)
により形成するとともに、フェース面2の略全域に前記
粗面部9を形成したものを例示している。ウッド型のゴ
ルフクラブの場合、アイアン型のゴルフクラブに比べて
バックスピン量が多すぎると、打球が吹け上がり飛距離
を失いやすく、逆に少な過ぎるとボールを十分に上げる
ことができないため、粗面部9の十点平均粗さRzは、
特に好ましくは3〜35μm、より好ましくは10〜2
5μm、さらに好ましくは12〜20μmであることが
望ましい。なお粗面部9のユニバーサル硬さ値HUなど
はアイアン型のゴルフクラブヘッドの場合と同様の範囲
で採用できる。
【0026】
【実施例】次に本発明のより具体的な実施例について説
明する。Ti−6Al−4Vからなるフェース面を具え
るアイアン型のゴルフクラブヘッド(#5)に、ショッ
トブラストを行い、しかる後、CVDによりTiNのコ
ーティング層を形成し粗面部を有する複数種類のゴルフ
クラブヘッドを試作した(実施例1〜7)。そして、各
ヘッドに同一のシャフトを装着してアイアン型ゴルフク
ラブを試作するとともに、ヘッドスピードが36〜40
m/sのテスター5人により人工芝の上から各クラブで
100球づつ打球テストを行ない、打球前後の粗面部の
十点平均粗さを測定した。十点平均粗さの変化が少ない
ものほどフェース面の耐久性が高く良好である。また比
較のために、ショットブラストだけを行い、コーティン
グ層を形成していないヘッド(比較例1〜6)について
も併せて試作を行い性能を比較した。各ヘッドのフェー
ス面の十点平均粗さとテストの結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】テストの結果、実施例のものは比較例に比
べて、打球前後の表面粗さが殆ど変化しておらず、優れ
た耐久性を維持していることが確認できた。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明のゴルフクラ
ブヘッドは、気相コーティングによって形成されたコー
ティング層で被覆されかつ所定の表面粗さを有する粗面
部が形成されている。このため、この粗面部の表面粗さ
をコーティング層によって保護することができ、フェー
ス面の耐久性を高めかつ長期に亘って打球に適度なスピ
ンを与えうる。
【0030】また請求項2記載の発明の如く、直接グリ
ーンを狙う機会の多いアイアン型のゴルフクラブヘッド
において粗面部の十点平均粗さを一定範囲に限定したと
きには、ボールにさらに最適なバックスピン量を与え、
打球のコントロール性能を向上できる。また請求項3記
載の発明の如く、粗面部のコーティング層のユニバーサ
ル硬さ値HUを一定範囲に限定したときには、粗面部の
耐久性をさらに向上でき、フェース面の表面粗さをより
長期に亘って維持することが可能となる。
【0031】また請求項5記載如く、ボールを打撃する
フェース面の少なくとも一部に、十点平均粗さRzが
0.6〜35μmの処理面を形成する工程と、前記処理
面に、この処理面の十点平均粗さRzを実質的に維持す
る厚さのコーティング層を気相コーティングにより形成
する工程とを含んでゴルフクラブヘッドを製造すること
により、フェース面の耐久性に優れかつバックスピン量
を最適化しうるゴルフクラブヘッドを容易に形成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のアイアン型ゴルフクラブヘッドを
例示する正面図である。
【図2】その断面図である。
【図3】フェース面の拡大断面図である。
【図4】本実施形態のウッド型のゴルフクラブヘッドの
正面図である。
【符号の説明】
1 ゴルフクラブヘッド 2 フェース面 3 ヘッド本体部 4 シャフト取付部 5 フェース板 6 フェース受け部 7 コーティング層 9 粗面部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボールを打撃するフェース面の少なくとも
    一部に、気相コーティングによって形成されたコーティ
    ング層により被覆されかつ十点平均粗さRzが0.6〜
    35μmである粗面部を具えることを特徴とするゴルフ
    クラブヘッド。
  2. 【請求項2】前記粗面部は、十点平均粗さRzが3〜3
    5μmであることを特徴とする請求項1記載のアイアン
    型のゴルフクラブヘッド
  3. 【請求項3】前記粗面部は、ユニバーサル硬さ値が13
    700〜35500HU(N/mm2)であることを特徴
    とする請求項1又は2記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 【請求項4】前記気相コーティングが、CVD又はPV
    Dである請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラ
    ブヘッド。
  5. 【請求項5】ボールを打撃するフェース面の少なくとも
    一部に、十点平均粗さRzが0.6〜35μmの処理面
    を形成する工程と、 前記処理面に、この処理面の十点平均粗さRzを実質的
    に維持する厚さのコーティング層を気相コーティングに
    より形成する工程とを含むことを特徴とするゴルフクラ
    ブヘッドの製造方法。
JP2000151803A 2000-05-23 2000-05-23 ゴルフクラブヘッド及びその製造方法 Pending JP2001327636A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000151803A JP2001327636A (ja) 2000-05-23 2000-05-23 ゴルフクラブヘッド及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000151803A JP2001327636A (ja) 2000-05-23 2000-05-23 ゴルフクラブヘッド及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001327636A true JP2001327636A (ja) 2001-11-27

Family

ID=18657300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000151803A Pending JP2001327636A (ja) 2000-05-23 2000-05-23 ゴルフクラブヘッド及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001327636A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009201703A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Sri Sports Ltd アイアン型ゴルフクラブヘッド
JP2010011878A (ja) * 2008-06-05 2010-01-21 Sri Sports Ltd ゴルフクラブヘッド及びその製造方法
JP2010110425A (ja) * 2008-11-05 2010-05-20 Sri Sports Ltd ゴルフクラブヘッド及びその製造方法
JP2011245133A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Bridgestone Sports Co Ltd ゴルフクラブヘッドの処理方法及びゴルフクラブヘッド
JP2013129026A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Tokyo Seiko Co Ltd ソーワイヤ
US8617002B2 (en) * 2009-06-24 2013-12-31 Acushnet Company Wedge type golf club head with improved performance
JP2014528325A (ja) * 2011-10-07 2014-10-27 ナイキ イノベイト セー. フェー. スロット付きフェースマスクを備えるゴルフクラブヘッドまたは他の打球装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009201703A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Sri Sports Ltd アイアン型ゴルフクラブヘッド
JP2010011878A (ja) * 2008-06-05 2010-01-21 Sri Sports Ltd ゴルフクラブヘッド及びその製造方法
JP2010110425A (ja) * 2008-11-05 2010-05-20 Sri Sports Ltd ゴルフクラブヘッド及びその製造方法
US8617002B2 (en) * 2009-06-24 2013-12-31 Acushnet Company Wedge type golf club head with improved performance
US9216328B2 (en) 2009-06-24 2015-12-22 Acushnet Company Wedge type golf club head with improved performance
JP2011245133A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Bridgestone Sports Co Ltd ゴルフクラブヘッドの処理方法及びゴルフクラブヘッド
JP2014528325A (ja) * 2011-10-07 2014-10-27 ナイキ イノベイト セー. フェー. スロット付きフェースマスクを備えるゴルフクラブヘッドまたは他の打球装置
JP2013129026A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Tokyo Seiko Co Ltd ソーワイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9683301B2 (en) Golf club head with face insert
US6402636B1 (en) Golf club for minimizing spin of golf ball
US8822027B2 (en) Mold for plastic forming and a method for producing the same, and method for forging aluminum material
GB2451317A (en) Golf club head with impact surface insert
US20080045352A1 (en) Golf club head
US20050250594A1 (en) Golf club head
US9440121B2 (en) Coated golf club head/component
US20120302367A1 (en) Metal wood club
EP1718782A2 (en) Treatment process for improving the mechanical , catalytic, chemical and biological activity of surfaces and articles treated therewith
JP2001327636A (ja) ゴルフクラブヘッド及びその製造方法
US6974392B2 (en) Golf club for minimizing spin of golf ball
US20020004426A1 (en) Diamond-like carbon coated golf club head
US11890512B2 (en) High density outer layer of a golf club head
JP3475083B2 (ja) ゴルフクラブヘッド
WO2018181335A1 (ja) ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ
JP4425539B2 (ja) ゴルフクラブ
EP0960635A2 (en) Head for golf club
WO2006063090A2 (en) Putter-type club head with an insert and method of manufacturing
WO1997020961A1 (en) Method for coating a golf club striking surface
JPH09206411A (ja) ゴルフクラブのヘッド
JPH114920A (ja) ゴルフクラブヘッド
JP3263799B2 (ja) バルブリフタの表面処理方法
JPH04288173A (ja) 飛球具およびその製造方法
JP2004222905A (ja) ゴルフクラブヘッド及びこのヘッドを備えたゴルフクラブ
JP2992243B2 (ja) 高密着性被膜付ゴルフクラブヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050519

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050613

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090421

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090908