JP5758879B2 - ポリビニルアルコールの製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリビニルアルコールの製造方法及び製造装置に関する。より詳しくは、重合工程により得られたペーストから未反応のモノマーを除去する技術に関する。
ポリビニルアルコール(PVA)は、水溶性の合成樹脂であり、従来は主に合成繊維の原料として使用されていたが、近年、その特徴を生かして、フィルム材料、乳化分散剤、接着剤及びバインダー樹脂など様々な分野で使用されている。このPVA樹脂は、一般に、ビニルエステルを重合し、得られたポリビニルエステルを、有機溶媒中において、触媒の存在下で鹸化することにより製造されている。
また、PVA樹脂の製造方法においては、通常、重合工程と鹸化工程との間に、重合液から未反応のモノマーを除去する脱モノマー工程が行われている。その方法としては、例えば、多孔板を複数段有する脱モノマー塔に、重合工程により得られた重合液を導入すると共に、塔下部よりメタノール蒸気を吹き込み、メタノールと重合液とを接触させる方法がある(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特公昭32−3589号公報 特開2002−293823号公報 特開2007−245432号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の従来のPVA樹脂の製造方法には、脱モノマー効率が低いという問題点がある。そこで、従来の製造方法では、特許文献1に記載されているように、塔頂の溜出液を一部還流して熱効率の向上を図っているが、近年、より一層の効率化及び省エネルギー化が求められている。
そこで、本発明は、従来よりも少ないエネルギーで、重合液から効率よく未反応のモノマーを除去することができるポリビニルアルコールの製造方法及び製造装置を提供することを主目的とする。
本発明に係るポリビニルアルコール樹脂の製造方法は、1種若しくは2種以上のビニルエステルを重合するか、又は、ビニルエステルとこれと共重合可能なその他のモノマーとを共重合する重合工程と、該重合工程により得られたペースト状の重合液にメタノール蒸気を接触させて、未反応のモノマーを除去する脱モノマー工程と、未反応のモノマーを除去した溶液を、有機溶媒中において、アルカリ触媒の存在下で鹸化する鹸化工程と、を少なくとも有し、前記脱モノマー工程において、前記ペースト状の重合液にメタノール蒸気を接触させる前に、前記ペースト状の重合液に液体状のメタノールを添加して前記重合液中のポリマー濃度が10〜70質量%となるように前記重合液の濃度を調節する。
本発明においては、重合液に液体状のメタノールを添加しているため、メタノール蒸気の吹き込み量を低減することができる。
この製造方法では、更に、重合液とメタノール蒸気との接触により生じたモノマーとメタノールとの混合物を共沸組成物まで濃縮する工程を有していてもよい。
また、前記濃縮後の溶液から、モノマーを回収することもできる。
本発明に係るポリビニルアルコール樹脂の製造装置は、塔本体と、前記塔本体内部に配置された多孔板と、ペースト状の重合液に液体状のメタノールを添加するメタノール導入配管を備え、前記塔本体上部に重合液を導入する重合液導入機構と、前記塔本体下部にメタノール蒸気を導入するメタノール蒸気導入機構と、を有し、前記液体状のメタノールで希釈されてポリマー濃度が10〜70質量%となった前記重合液が前記塔本体に導入されるものである。
本発明においては、塔本体に導入する重合液を、液体状のメタノールで希釈しているため、メタノール蒸気の吹き込み量を少なくしても、モノマー除去後の溶液を、そのまま鹸化反応に使用することが可能である。
この製造装置では、前記塔本体内部において、重合液とメタノール蒸気とが向流接触する。
また、前記塔本体の頂部から取り出された溜出液を共沸組成まで濃縮する濃縮部を有していてもよい。
本発明によれば、重合液に液体状のメタノールを添加しているため、従来よりも少ないエネルギーで、重合液から効率よく未反応のモノマーを除去することができる。
本発明の第2の実施形態に係るPVA樹脂の製造装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の第3の実施形態に係るPVA樹脂の製造装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の比較例に係る従来のPVA樹脂の製造装置の構成を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係るポリビニルアルコール(PVA)樹脂の製造方法について説明する。本実施形態のPVAの製造方法では、重合工程後の重合液(ペースト)から未反応のモノマーを除去する脱モノマー工程において、メタノール蒸気と接触させる前に、重合液に液体状のメタノールを加えて、その濃度を調節する。
[重合工程]
本実施形態のポリビニルアルコール樹脂の製造方法では、先ず、1種若しくは2種以上のビニルエステルを重合するか、又は、ビニルエステルとこれと共重合可能なその他のモノマーとを共重合して、ポリビニルエステルを得る。ここで使用するビニルエステルとしては、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピパリン酸ビニル及びバーサチック酸ビニルなどが挙げられるが、重合安定性の観点から特に酢酸ビニルが好ましい。
また、これらビニルエステルと共重合可能な他のモノマーは、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン及びプロピレンなどのα−オレフィン類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリルアミド及びN−メチロールアクリルアミドなどの不飽和アミド類、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸及びフマル酸などの不飽和酸類、不飽和酸のアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)エステル、無水マレイン酸などの不飽和酸の無水物、不飽和酸の塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基含有モノマー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩類などのスルホン酸基含有モノマー、アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート及びアシッドホスホオキシプロピルメタアクリレートなどのリン酸基含有モノマー、アルキルビニルエーテル類などが挙げられる。
[脱モノマー工程]
次に、重合工程後の重合液(ペースト)から、未反応のモノマー(ビニルエステル及びその他のモノマー)を除去する脱モノマー工程を行う。具体的には、例えば蒸留塔内において重合液とメタノール蒸気とを向流接触させて、未反応のモノマーとメタノールとの混合物を重合液から分離する。これにより、未反応のモノマーをほとんど含まないポリマー溶液を得ることができる。
また、本実施形態のPVA樹脂の製造方法においては、メタノール蒸気と接触させる前の重合液に、液体状のメタノールを加えて、その濃度を調節する。従来の製造方法では、メタノール蒸気と接触させる前の重合液に、分離したモノマーとメタノールの混合物の一部を還流液として添加し、その添加量を変えることにより重合液の濃度を調節していたが、この場合、未反応のモノマーの循環量が多くなるため、大量のメタノール蒸気が必要となる。
これに対して、本実施形態の製造方法では、重合液の濃度調節用として、還流液とは別に、液体状のメタノールを重合液に添加しているため、従来の方法に比べて還流液の添加量を少なくすることができる。これにより、未反応のモノマーの循環量が少なくなるため、メタノール蒸気の吹き込み量を低減して、エネルギーの消費量を抑えることができる。
なお、本実施形態の製造方法においても、重合液に還流液を添加しているのは、重合液中のモノマー濃度を高めて、分離液を共沸組成物に近い組成にするためである。
このとき、液体状のメタノールを添加した後の重合液の濃度は、10〜70質量%であることが望ましい。メタノール蒸気と接触する前の重合液の濃度が10質量%未満の場合、メタノール蒸気が多量に必要となり、エネルギー消費量が大きくなることがあり、また、70質量%を超えると、塔内で重合液の流動性が低下し、閉塞が起こることがあるためである。また、重合液の粘度は0.001〜2.0Pa・sとすることが望ましい。これにより、高効率で脱モノマー処理することができる。
[鹸化工程]
その後、脱モノマー処理したポリマー(ポリビニルエステル)溶液を、有機溶媒中において、触媒の存在下で鹸化する。ここで使用する有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン及びジエチレングリコールなどのアルコール類を使用することができるが、特に、メタノールが好ましい。
また、鹸化触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムアルコラート及び炭酸ナトリウムなどのアルカリ触媒、硫酸、燐酸及び塩酸などの酸触媒が挙げられる。これら鹸化触媒の中でも、アルカリ触媒を使用することが好ましく、水酸化ナトリウムを使用することがより好ましい。これにより、鹸化速度を早くして、生産性を向上させることができる。
この鹸化工程により、ポリビニルエステルにおけるビニルエステル単位の一部又は全部が鹸化されて、ビニルアルコール単位となる。なお、鹸化工程により得られるPVA樹脂の鹸化度は、特に限定されるものではなく、用途などに応じて適宜設定することができる。
また、本実施形態のPVA樹脂の製造方法においては、前述した重合工程及び鹸化工程を行った後、必要に応じて、酢酸ナトリウムなどの不純物を除去するための洗浄工程や乾燥工程を行ってもよい。
以上詳述したように、本実施形態のPVA樹脂の製造方法においては、液体状のメタノールを添加することにより重合液の濃度調節を行っているため、従来の方法のように、脱モノマー後のポリマー溶液を鹸化工程で必要とされる濃度にするために、還流液を過剰に添加する必要がない。これにより、メタノール蒸気の吹き込み量を削減することができ、従来よりも少ないメタノール蒸気で、重合液から効率よく未反応のモノマーを除去することができる。
更に、本実施形態のPVA樹脂の製造方法では、重合液に対する還流液の添加量を調整することにより、容易に、分離液の組成をモノマーとメタノールの共沸組成に近づけることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るPVA樹脂の製造装置について説明する。図1は本実施形態のPVA樹脂の製造装置の構成を模式的に示す図である。本実施形態のPVA樹脂の製造装置1は、前述した第1の実施形態のPVA樹脂製造方法を実現するものであり、図1に示すように略筒状の塔本体2を備えている。
この塔本体2の上部には、重合液を導入するための重合液導入口が設けられており、塔本体2の下部にはメタノール蒸気を導入するためのメタノール導入口が設けられている。また、塔本体2の内部には、多孔板などが多段で配置され、重合液とメタノール蒸気とが、向流で接触するようになっている。
更に、塔本体2の頂部には、モノマーとメタノールとの混合ガスを取り出すための脱気口が設けられており、塔本体2の底部には脱モノマーされたポリマー溶液を排出するための排出口が設けられている。
一方、塔本体2の重合液導入口には、重合液を通流させる配管が連結されており、この配管には、還流液を導入するための注入配管と、濃度調節用の液体状のメタノールを注入するための注入配管が連結されている。即ち、このPVA樹脂の製造装置1では、重合缶から排出された重合液は、この配管内で所定濃度に調整され、塔本体2内に導入されるようになっている。
次に、このPVA樹脂の製造装置1の動作について説明する。本実施形態のPVAの製造装置1では、先ず、重合缶(図示せず)から排出された重合液に、還流液と液体状のメタノールとを添加し、その濃度を所定範囲に調節する。そして、濃度調節後の重合液を、重合液導入口から塔本体2内部に導入すると共に、メタノール導入口からメタノール蒸気を導入する。
そうすると、重合体は塔本体2の上方から下方に向かって移動し、メタノール蒸気は、塔本体2の下方から上方に向かって移動するため、重合液とメタノール蒸気とが向流で接触し、重合液に含まれるモノマーがメタノールと共にガス化する。これにより、重合液に含有されていた未反応のモノマーは、メタノールとの混合物として、塔頂部から排出される。一方、モノマーが除去された重合液(ポリマー溶液)は、塔底部から排出され、後述する鹸化工程に送られる。
そして、塔頂部から排出されたモノマーとメタノールとの混合物は、その一部が還流液として重合液が通流する配管に注入され、重合液と共に塔本体2内部に導入される。また、残りの混合物は、一部が重合工程において再利用され、未利用分はモノマーとメタノールとに分離し、回収する溶剤回収系に送られる。
本実施形態のPVA樹脂の製造装置は、重合液に還流液と共に、液体状のメタノールを添加しているため、未反応のモノマーの循環量が少なくなり、従来よりも少ないエネルギーで、重合液から効率よく未反応のモノマーを除去することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係るPVA樹脂の製造装置について説明する。図2は本実施形態のPVA樹脂の製造装置の構成を模式的に示す図である。図2に示すように、本実施形態のPVA樹脂の製造装置11には、塔本体2に加えて、塔本体2から排出したメタノールとモノマーの混合物を、共沸組成物に濃縮する濃縮部3が設けられている。この濃縮部3の構成は、特に限定されるものではないが、塔本体内に、複数のガス噴出部を備えたバルブトレイを、多段に配設した構成とすることが好ましい。
このPVA樹脂の製造装置11では、塔本体2から取り出されたモノマーとメタノールの混合物は、濃縮部3の下部に導入されて共沸組成物まで濃縮される。これにより、濃縮部3の頂部から、モノマー濃度が高められた溜出液が得られる、この溜出液は、その一部が還流液として再度濃縮部3の上部に導入される。そして、溜出液の残りは、重合工程において一部が再利用され、未利用分はモノマーとメタノールに分離・回収する溶剤回収系に送られる。
一方、濃縮部3の下部からはモノマー濃度が低いメタノール溶液が取り出され、重合液が通流する配管に、希釈液として注入される。このように、濃縮部3を設け、塔本体2の塔頂部から排出された混合物を共沸組成物まで濃縮することにより、効率的にモノマーを回収することができる。その結果、従来の製造装置に比べて、少ないエネルギーで、効率よく重合液から未反応のモノマーを、分離し、回収することができる。
なお、本実施形態のPVA樹脂の製造装置11における上記以外の構成及び効果は、前述した第2の実施形態の製造装置1と同様である。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。本実施例においては、図2に示す第3の実施形態の製造装置(実施例)と、図3に示す従来の製造装置(比較例)を使用して、重合液から未反応のモノマーを分離し、そのエネルギー効率を比較した。
具体的には、重合缶から塔本体2,102に、酢酸ビニル濃度が29質量%、ポリマー濃度が54質量%の重合液を、流量:3.4t/時間で導入した。その際、図2に示す製造装置11を使用した実施例では、塔本体2に導入する手前で、重合液に液体のメタノールを、流量:1.0t/時で注入した。一方、図3に示す製造装置101を使用した比較例では、塔本体2に導入する手前で、重合液に還流液を、流量:3.3t/時で注入した。
その結果、比較例の製造装置では、吹き込みメタノール量が3.4t/時、回収されるポリマー溶液が流量5.2t/時で、ポリマー濃度:36質量%、酢酸ビニル残留量が1500ppm未満であった。また、溜出液中の酢酸ビニル濃度は58.6質量%、重合工程で再利用された溜出液と回収系に送られた液の合計(流量)は1.6t/時であった。
これに対して、本発明の実施例の製造装置では、吹き込みメタノール量が2.4t/時、回収されるポリマー溶液が流量5.2t/時で、ポリマー濃度:36質量%、酢酸ビニル残留量が1500ppm未満であった。また、溜出液中の酢酸ビニル濃度は58.9質量%、重合工程で再利用された溜出液と回収系に送られた液の合計(流量)は1.6t/時、濃縮部に戻された還流液が1.5t/時であった。
以上の結果から、本発明のPVA樹脂の製造装置を使用することにより、メタノール蒸気の吹き込み量を低減することができるため、メタノール蒸気を発生させるために必要なエネルギーを低減できると共に、効率よく脱モノマー処理できることが確認された。
1、11、101 PVA樹脂の製造装置
2 塔本体
3 濃縮部

Claims (6)

  1. 1種若しくは2種以上のビニルエステルを重合するか、又は、ビニルエステルとこれと共重合可能なその他のモノマーとを共重合する重合工程と、
    該重合工程により得られたペースト状の重合液にメタノール蒸気を接触させて、未反応のモノマーを除去する脱モノマー工程と、
    未反応のモノマーを除去した溶液を、有機溶媒中において、アルカリ触媒の存在下で鹸化する鹸化工程と、を少なくとも有し、
    前記脱モノマー工程において、前記ペースト状の重合液にメタノール蒸気を接触させる前に、前記ペースト状の重合液に液体状のメタノールを添加して前記重合液中のポリマー濃度が10〜70質量%となるように前記重合液の濃度を調節するポリビニルアルコールの製造方法。
  2. 更に、重合液とメタノール蒸気との接触により生じたモノマーとメタノールとの混合物を共沸組成物まで濃縮する工程を有することを特徴とする請求項1に記載のポリビニルアルコールの製造方法。
  3. 前記濃縮後の溶液から、モノマーを回収することを特徴とする請求項2に記載のポリビニルアルコールの製造方法。
  4. 塔本体と、
    前記塔本体内部に配置された多孔板と、
    ペースト状の重合液に液体状のメタノールを添加するメタノール導入配管を備え、前記塔本体上部に重合液を導入する重合液導入機構と、
    前記塔本体下部にメタノール蒸気を導入するメタノール蒸気導入機構と、を有し、
    前記液体状のメタノールで希釈されてポリマー濃度が10〜70質量%となった前記重合液が前記塔本体に導入されるポリビニルアルコールの製造装置。
  5. 前記塔本体内部において、重合液とメタノール蒸気とが向流接触することを特徴とする請求項4に記載のポリビニルアルコールの製造装置。
  6. 更に、前記塔本体の頂部から取り出された溜出液を濃縮する濃縮部を有することを特徴とする請求項4又は5に記載のポリビニルアルコールの製造装置。
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