JP5758287B2 - レーザー蒸着用複合ターゲット及びそれを用いた酸化物超電導線材の製造方法 - Google Patents

レーザー蒸着用複合ターゲット及びそれを用いた酸化物超電導線材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーザー蒸着用複合ターゲット及びそれを用いた酸化物超電導線材の製造方法に関する。
RE−123系酸化物超電導体(REBaCu7−X:REはYを含む希土類元素)は、液体窒素温度で超電導性を示し、電流損失が低いため、これを超電導線材に加工して電力供給用の超電導導体あるいは超電導コイルを製造することがなされている。この酸化物超電導体を線材に加工するための方法として、金属テープの基材上に中間層を介し酸化物超電導体の薄膜を形成し、この酸化物超電導薄膜の上に安定化層を形成する方法が実施されている。
酸化物超電導線材に形成する酸化物超電導薄膜は、結晶配向性に優れ、不純物の無い薄膜でなければ優れた超電導特性を得ることができないので、酸化物超電導薄膜は不純物混入のおそれの少ない減圧雰囲気において成膜法により形成されている。
酸化物超電導薄膜を形成する技術の1つとして知られているパルスレーザー蒸着法(PLD:Pulse Laser Deposition)は、ターゲットにパルスレーザーを照射し、レーザー照射によりターゲットからアブレーション(蒸発侵食)されて放出された原子、分子あるいは微粒子を基板上に堆積させる薄膜作製技術であり、半導体や酸化物超電導薄膜の作製に適用されている。また、ターゲットから薄膜を作製した場合、ターゲットと薄膜との間で組成ずれが少ないことから、PLD法は他の薄膜作製プロセスに比べ、複雑な化学組成を転写する場合に優れている特徴があるため、酸化物超電導体のように複数の元素からなる複合酸化物の薄膜を形成する場合に用いられている。(特許文献1、2参照)
また、この種のレーザー蒸着法に適用するターゲットの製造方法の一例として、希土類を含む原料粉末とバリウムを含む原料粉末と銅を含む原料粉末を目的の組成比になるように秤量混合して出発材料として用いる方法が知られている。この方法では、秤量混合した混合物を酸素雰囲気中において高温で仮焼きし、この仮焼物を粉砕し、この粉砕物を再度目的の粒径とアスペクト比に粉砕する2次粉砕工程を行い、この2次工程を経た粉砕物を圧縮成型し焼成することでターゲットを得ている。
特開2011−060668号公報 特開2011−174129号公報
レーザー蒸着法により酸化物超電導薄膜を形成し、酸化物超電導線材を製造する場合、ターゲットを大きく形成すればするほど、レーザーアブレーション可能な時間が向上するので、長い酸化物超電導線材を製造可能になる。ところが、一度に作製できるターゲットの大きさは最大でもφ30cm程度が一般的であり、これ以上に大きなターゲットを製造しようとすると、作製が困難となり、作製に膨大なコストがかかってしまう問題がある。また、ターゲットの厚みを厚くするならば、レーザーアブレーションできる時間も延びるが、厚いターゲットになればなるほど、ターゲットに歪みを生じる問題がある。例えば、原料の粉砕物を圧縮成型する際、厚みが増すと密度差が大きくなり、ターゲットの歪みの一因となり易く、歪みの状態によってはレーザー光を照射した場合に亀裂を生じる問題がある。
このため、レーザーアブレーションを用いる従来技術では、酸化物超電導薄膜を備え、つなぎ目のない、長さ1.5km以上の酸化物超電導線材を製造することは極めて困難とされてきた。
ターゲットは前述のように、原料粉末を目的の組成比になるように混合し、仮焼き後に金型プレスにて圧縮成型し、焼成することにより製造されている。ところが、ターゲットのサイズが大きくなればなるほど、ターゲットの全体にプレス圧力を十分に作用できなくなり、サイズが大きくなればなるほど成型体に密度のむらを生じ易くなるので、結果的に疎な部分を有する焼成体となってしまう問題がある。
焼成後のターゲットに部分的に疎な部分を有すると、この疎な部分の強度が低いので、大きなターゲットほど割れやすくなる問題がある。例えば、レーザー蒸着法ではターゲット表面にレーザー光を集光照射してレーザースポット部分に強力なエネルギーを投入し、ターゲット表面を高温に加熱しつつレーザーアブレーションするので、密度ばらつきの大きなターゲットは割れやすい問題がある
また、酸化物超電導線材は送電線用途にしても超電導マグネット用途にしても長尺のものが要求されているので、できるだけ長いものを製造したい要求がある。ところが、現状の技術ではレーザー蒸着法によって製造可能な酸化物超電導線材の長さの限界はターゲットサイズに拘束されており、更に長い酸化物超電導線材を製造可能なターゲットを安価に提供できる技術が望まれている。
本発明は、以上のような従来の背景に鑑みなされたもので、従来よりも大きなサイズであって、レーザーアブレーションに耐える強度の高いレーザー蒸着用ターゲットを提供できる技術の提供を目的とする。
また、本発明はそのターゲットを用いて従来よりも長い酸化物超電導線材を製造できる技術の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の複合ターゲットは、表面にレーザー光を集光照射して行うアブレーションにより放出させた原子、分子あるいは微粒子を基材に堆積させて成膜するためのレーザー蒸着用複合ターゲットであって、複数の四角形状のターゲット単体がそれらの直線状の周辺部を一致させるように突き合わされてなり、前記周辺部どうしを突き合わせて隣接された前記ターゲット単体どうしの突き合わせ周辺部どうしの表面段差が0.5mm以下とされ、前記ターゲット単体が、一般式REBa Cu (但し、REは希土類元素の内から選択される1つ以上の元素)で表記されるRE系酸化物超電導体を構成する元素からなることを特徴とする。
表面段差を0.5mm以下として複数のターゲット単体を突き合わせ、複合ターゲットを構成しているので、アブレーションによるプルームを発生させて成膜している最中にレーザー光が段差部分を通過して薄膜の堆積を行っても、段差部分から発生するプルームを正常に維持しつつ薄膜を生成できる結果、膜質の良好な薄膜を堆積できる。
また、複数の四角形状のターゲット単体で複合ターゲットを構成すると、複合ターゲット全体を1つのターゲットで構成するよりも小さい複数のターゲット単体で複合ターゲット全体を構成できるので、密度の高い、疎な部分の少ないターゲット単体を用いて薄膜の堆積ができ、レーザー光の照射時に割れるおそれの少ない複合ターゲットを提供できる。
RE系酸化物超電導体の薄膜は優れた結晶配向性で成膜することが望まれ、RE系酸化物超電導体の薄膜を備えた超電導線材は長尺のものが要求されるので、上述の構成の複合ターゲットであるならば、長尺かつ超電導特性の良好な超電導線材の提供に寄与する。
発明は、前記ターゲット単体の表面に照射されるレーザー光のスポット径に対し、隣接するターゲット単体間の隙間が1/10以下であることを特徴とする。
ターゲット単体表面に照射するレーザー光のスポット径の1/10以下のサイズになるようにターゲット単体間の隙間を狭くしておくならば、ターゲット単体間の隙間をレーザー光のスポットが通過してそこからプルームを発生させて成膜する場合、正常なプルームを発生させて基材上に粒子堆積ができる。
本発明の酸化物超電導線材の製造方法は、テープ状の基材に中間層を備えたテープ状の積層体に対し、一般式REBaCu(但し、REはYおよび/または希土類元素の内から選択される1つ以上の元素)で表記されるRE系酸化物超電導体の薄膜をレーザー蒸着法により形成して酸化物超電導導体を製造する方法であって、先のいずれかに記載の複合ターゲットを用いて前記中間層にRE系酸化物超電導体の薄膜を形成することを特徴とする。
先に記載の複合ターゲットを用いることで、ターゲットの大きさに制約されて製造長さが制限されていた酸化物超電導線材について、より長い酸化物超電導線材をつなぎ目無く製造できるようになる。
本発明によれば、表面段差を0.5mm以下として複数のターゲット単体を突き合わせ、複合ターゲットを構成しているので、レーザー光が段差部分を通過して薄膜の堆積を行なっても、正常な堆積ができる結果、欠陥の無い良質の薄膜を堆積できる。特に、ターゲット単体の表面にレーザー光を集光照射してプルームを生成しつつ基材上に粒子堆積を行っている際、0.5mm以下の段差部分をレーザー光が通過してもプルームの向かう方向を変えることなくプルームを基材に確実に向けることができるので、正常な薄膜の堆積ができる。
また、複数のターゲット単体で複合ターゲットを構成すると、複合ターゲット全体を1つのターゲットで構成するよりも小さい複数のターゲット単体の組み合わせで全体を構成できるので、大きな1つのターゲットに比べて密度の高い、疎な部分の少ないターゲット単体を用いて薄膜の堆積ができ、レーザー光の照射時に割れるおそれの少ない複合ターゲットを提供できる。
本発明に係るレーザー蒸着用複合ターゲットを備え、本発明に係る製造方法を実施するための成膜装置の概略構成を示す側面図。 図1に示す成膜装置の要部概略構成を示す斜視図。 図1に示す成膜装置における複合ターゲットと基材の位置関係を示す図。 図1に示す成膜装置で成膜する場合に対象とする酸化物超電導線材の一例構造を示す斜視図。 図1に示す構成の複合ターゲットの優位性を示すためにターゲットの位置毎の密度の概要を示すもので、図5(A)は従来の一般的なターゲットの説明図、図5(B)は本発明に係る複合ターゲットの密度を示す説明図。 図1に示す成膜装置に適用する複合ターゲットの他の例を示す平面図。 図6に示す成膜装置にレーザー光源を2基備えた例を示す構成図。
以下、本発明に係るレーザー蒸着用複合ターゲットとそれを備えたレーザー蒸着装置による酸化物超電導線材の製造方法について図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る複合ターゲットを備えたレーザー蒸着装置の概略構成を示す正面図、図2は同装置の要部を示す斜視図、図3は同装置の内部に設置されたターゲットと該ターゲットに対向配置された基材の位置関係を示す断面図である。図1〜図3に示す構成のレーザー蒸着装置10を用いて製造しようとする酸化物超電導線材1の一構造例を図4に示す。なお、図4に示す酸化物超電導線材は、本発明に係る複合ターゲットを用いて酸化物超電導層を成膜する対象としての一例であり、以下に説明する積層構造に限定されないのは勿論である。
この例の酸化物超電導線材1は、テープ状の基材2の上方に、配向層4とキャップ層5を含む中間層3と酸化物超電導体の薄膜6と第1の安定化層7と第2の安定化層8をこの順に積層してなる。この酸化物超電導線材1はその周面を図示略の絶縁被覆層などで覆って酸化物超電導導体として利用される。
前記基材2は、可撓性を有する酸化物超電導線材1とするためにテープ状であることが好ましく、耐熱性の金属からなるものが好ましい。各種耐熱性金属の中でも、ニッケル合金からなることが好ましい。なかでも、市販品であれば、ハステロイ(米国ヘインズ社製商品名)が好適である。基材2の厚さは、通常は、10〜500μmである。また、基材2として、ニッケル合金に集合組織を導入した配向Ni−W合金テープ基材等を適用することもできる。
中間層3は、以下に説明する下地層と配向層4とキャップ層5からなる構造を一例として適用できる。
下地層を設ける場合は、以下に説明する拡散防止層とベッド層の複層構造あるいは、これらのうちどちらか1層からなる構造とすることができる。
下地層として拡散防止層を設ける場合、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al、「アルミナ」とも呼ぶ)、あるいは、GZO(GdZr)等から構成される単層構造あるいは複層構造の層が望ましく、厚さは例えば10〜400nmである。
下地層としてベッド層を設ける場合、ベッド層は、耐熱性が高く、界面反応性を低減し、その上に配される膜の配向性を得るために用いる。このようなベッド層は、例えば、イットリア(Y)などの希土類酸化物であり、より具体的には、Er、CeO、Dy3、Er、Eu、Ho、La等を例示することができ、これらの材料からなる単層構造あるいは複層構造を採用できる。ベッド層の厚さは例えば10〜100nmである。また、拡散防止層とベッド層の結晶性は特に問われないので、通常のスパッタ法等の成膜法により形成すれば良い。
配向層4は、その上方に形成する酸化物超電導体の薄膜6の結晶配向性を制御するバッファー層として機能し、酸化物超電導体と格子整合性の良い金属酸化物からなることが好ましい。配向層4の好ましい材質として具体的には、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)、SrTiO、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等の金属酸化物を例示できる。配向層4は、単層でも良いし、複層構造でも良い。
配向層4は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザー蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法(以下、IBAD法と略記する。)等の物理的蒸着法;化学気相成長法(CVD法);有機金属塗布熱分解法(MOD法);溶射等、酸化物薄膜を形成する公知の方法で積層できる。これらの方法の中でも特に、IBAD法で形成された前記金属酸化物層は、結晶配向性が高く、酸化物超電導体の薄膜6やキャップ層5の結晶配向性を制御する効果が高い点で好ましい。IBAD法とは、蒸着時に、結晶の蒸着面に対して所定の角度でイオンビームを照射することにより、結晶軸を配向させる方法である。通常は、イオンビームとして、アルゴン(Ar)イオンビームを使用する。例えば、GdZr、MgO又はZrO−Y(YSZ)からなる配向層は、IBAD法における配向度を表す指標であるΔΦ(FWHM:半値全幅)の値を小さくできるため、特に好適である。
前記キャップ層5は、前記配向層4の表面に対してエピタキシャル成長し、その後、横方向(面方向)に粒成長(オーバーグロース)して、結晶粒が面内方向に選択成長するという過程を経て形成されたものが好ましい。このようなキャップ層5は、前記配向層4よりも高い面内配向度が得られる可能性がある。
キャップ層5の材質は、前記機能を発現し得るものであれば特に限定されないが、好ましいものとして具体的には、CeO、LMO(LaMnO)、Y、Al、Gd、Zr等が例示できる。キャップ層5の材質がCeOである場合、キャップ層5は、Ceの一部が他の金属原子又は金属イオンで置換されたCe−M−O系酸化物を含んでいても良い。
キャップ層5は、PLD法(パルスレーザ蒸着法)、スパッタリング法等で成膜することができるが、大きな成膜速度を得られる点でPLD法を用いることが好ましい。PLD法によるCeO層の成膜条件としては、基材温度約500〜1000℃、約0.6〜100Paの酸素ガス雰囲気中で行うことができる。キャップ層5を成膜するために本実施形態では後に説明する構成の成膜装置Aを用いて後述するPLD法により形成することができる。勿論、キャップ層5をPLD法以外の成膜法で形成しても良い。
CeOのキャップ層5の膜厚は、50nm以上であればよいが、十分な配向性を得るには100nm以上が好ましい。但し、厚すぎると結晶配向性が悪くなるので、50〜5000nmの範囲、より好ましくは100〜5000nmの範囲とすることができる。
酸化物超電導体の薄膜6は通常知られている組成の酸化物超電導体を広く適用することができ、REBaCu(REはY、La、Nd、Sm、Er、Gd等の希土類元素を表す)なる材質のもの、具体的には、Y123(YBa2Cu3Oy)又はGd123(GdBaCu)を例示することができる。
酸化物超電導体の薄膜6は、本実施形態では後に説明する構成の成膜装置Aを用い、後述するPLD法により形成できる。酸化物超電導体の薄膜6の厚みは、0.5〜5μm程度であって、均一な厚みであることが好ましい。
酸化物超電導体の薄膜6の上面を覆うように形成されている第1の安定化層7は、AgあるいはAg合金からなり、スパッタ法などの気相法により成膜されており、その厚さを1〜30μm程度とされる。また、第1の安定化層7の上に第2の安定化層8が設けられていることが好ましい。第2の安定化層8は、良導電性の金属材料からなり、酸化物超電導体の薄膜6が超電導状態から常電導状態に転移した時に、第1の安定化層7とともに、電流を転流するバイパスとして機能する。第2の安定化層8を構成する金属材料としては、良導電性を有するものであればよく、特に限定されないが、銅、黄銅(Cu−Zn合金)、Cu−Ni合金等の銅合金、ステンレス等の比較的安価な材質からなるものを用いることが好ましく、中でも高い導電性を有し、安価であることがら銅からなることが好ましい。なお、酸化物超電導線材1を超電導限流器に使用する場合は、第2の安定化層8は高抵抗金属材料より構成され、例えば、Ni−Cr等のNi系合金などを使用できる。第2の安定化層8の厚さは特に限定されず、適宜調整可能であるが、10〜300μmとすることが好ましい。
本実施形態において、前記酸化物超電導線材1の酸化物超電導体の薄膜6を以下に説明するレーザー蒸着装置Aを用いて製造することができる。
本実施形態のレーザー蒸着装置Aは、レーザー光の照射によってターゲット13から叩き出され若しくは蒸発した原子や分子あるいは構成粒子の噴流(プルーム)19を基材上に向け、粒子堆積により酸化物超電導体の薄膜6を基材の上方に形成するレーザー蒸着法(PLD法)を実施する装置である。本実施形態のレーザー蒸着装置Aは、一例として、基材2上に配向層4とキャップ層5を上述の各種の方法により成膜した積層体9の状態から、その上に酸化物超電導体の薄膜6を成膜する場合に用いることができる。なお、以下に説明するレーザー蒸着装置10は、後述するキャップ層5を成膜する場合に用いることもできる。
レーザー蒸着装置10は、図1〜図3に示すようにテープ状の基材2をその長手方向に走行するための走行装置Aと、この走行装置Aの下側に設置されたターゲット13と、このターゲット13にレーザー光を照射するために図1に示すように処理容器(真空チャンバ)11の外部に設けられたレーザー光源18を備えている。
前記走行装置Aは、一例として、成膜領域15に沿って走行するテープ状の基材2を案内するための転向リールの集合体である転向部材群16、17を備え、これら転向部材群16、17に基材2を巻き掛けて成膜領域15に基材2の複数の走行レーンを構成するように基材2を案内できる装置として構成されている。
前記走行装置Aとターゲット13は処理容器11の内部に収容されており、処理容器11は、外部と成膜空間とを仕切る容器であり、気密性を有するとともに、内部が高真空状態とされるため耐圧性を有する構成とされる。この処理容器11には、処理容器内のガスを排気する排気手段24が接続され、他に、処理容器内にキャリアガスおよび反応ガスを導入するガス供給手段が形成されているが、図面ではガス供給手段を略し、各装置の概要のみを示している。
基材2は処理容器11の内部に設けられている供給リール20に巻き付けられ、必要長さ繰り出すことができるように構成されている。供給リール20から繰り出された基材2は、複数の転向リール16aを同軸的に隣接配置した転向部材群16と、複数の転向リール17aを同軸的に隣接配置した転向部材群17に交互に巻き掛けられている。これらの転向部材群16、17は処理容器11の内部において離間して配置され、それらの間に複数の平行なレーン2Aを構成するように基材2が配置され、基材2は転向部材群17から引き出されて巻取リール21に巻き取られるように構成されている。
また、処理容器11の内部に、転向部材群16、17とその周囲を囲む矩形箱状のヒーターボックス23が設けられ、供給リール20から繰り出された基材2はヒーターボックス23の一側の入口部23aを通過して転向部材群16に至るように構成され、転向部材群17から引き出された基材2はヒーターボックス23の他側の出口部23bを介し巻取リール21側に巻き取られるようになっている。なお、図に示すレーザー蒸着装置においてヒーターボックス23は成膜領域15の温度制御を行うために設けられているが、ヒーターボックス23は略しても差し支えない。
ヒーターボックス23の下面中央部には、転向部材群16、17間において基材2が走行する複数のレーン2Aの全幅に該当するように開口部23cが形成されている。また、ヒーターボックス23において開口部23cの内側には熱板などの加熱装置27が配置され、転向部材群16、17の間を複数のレーン状に走行移動される基材2をそれらの裏面側から所望の温度に加熱できるように構成されている。加熱装置27は基材2をその裏面側から目的の加熱できる装置であればその構成は問わないが、通電式の電熱ヒータを内蔵した金属盤からなる一般的な加熱ヒータを用いることができる。
ヒーターボックス23の下方に、本発明に係る矩形板状の複合ターゲット13が設けられている。この複合ターゲット13は、矩形板状のターゲットホルダ25に装着されて支持され、ターゲットホルダ25は、その下面中央部に取り付けられた支持ロッド26により回転自在(自転自在)に支持されている。更にターゲットホルダ25は、図示略の往復移動機構により図2に示すX、X方向(転向部材群16、17の間に形成される基材2のレーン2Aに対し直角前後方向)に水平に往復移動自在に支持され、Y、Y方向(同基材2のレーン2Aに沿う前後方向)に水平に往復移動自在に支持されている。これらの機構によるターゲットホルダ25の回転移動と往復前後移動により、複合ターゲット13の表面に照射されるレーザー光の位置を適宜変更しつつ複合ターゲット13の表面全域をレーザー光で走査できるように構成されている。
複合ターゲット13は、酸化物超電導体の薄膜6を成膜するために、形成しようとする酸化物超電導体の薄膜6と同等または近似した組成、あるいは、成膜中に逃避しやすい成分を多く含有させた複合酸化物の焼結体あるいは酸化物超電導体などからなるターゲット単体13Aの集合体として構成されている。
従って、酸化物超電導薄膜形成用のターゲット単体13Aは、RE−123系酸化物超電導体(REBaCu7−x:REはY、La、Nd、Sm、Eu、Gd等の希土類元素)を成膜する場合は、それらに類似した組成の材料を用いることができる。RE−123系酸化物として好ましいのは、Y123(YBaCu7−x)又はGd123(GdBaCu7−x)等であるが、その他の希土類系酸化物超電導体と同一の組成か、近似した組成のものを用いることが好ましい。
本実施形態では、前記複合ターゲット13が9枚の平面視長方形状のターゲット単体13Aの集合体として構成されている。これらターゲット単体13Aは、平面視四角形状(正方形、長方形、平行四辺形、台形状などを含む四角形状)であれば良く、この実施形態では同一形状の9枚のターゲット単体13Aから長方形状の複合ターゲット13が形状とされている。これらのターゲット単体13Aはそれらの外周の直線状の周辺部13aのうちいずれかを隣接する他のターゲット単体13Aの周辺部13aと突き合わせて隙間無くターゲットホルダ25の上に敷き詰められている。ターゲットホルダ25の上に敷き詰められた隣接するターゲット単体13Aの周辺部13aは互いに重なって平面視1本の直線状になるように突き合わされ、各ターゲット単体13Aは接着等の手段によりターゲットホルダ25に固定されている。
図1に示すように処理容器11において、複合ターゲット13を中心として複合ターゲット13の一側に位置する側壁に複合ターゲット13に対向するように照射窓が形成されている。照射窓の外方には集光レンズと反射ミラーを介しアブレーション用のレーザー光源18が配置されている。
前記アブレーション用のレーザー光源18はエキシマレーザーあるいはYAGレーザー等のようにパルスレーザーとして良好なエネルギー出力を示すレーザー光源を用いることができる。レーザー光源18の出力として、例えば、エネルギー密度1〜5J/cm程度、パルス周波数200〜600Hzのレーザー光源を用いることができる。
次に、前記複合ターゲット13を製造する方法の一例について説明する。
原料としてのY粉末と、BaCO粉末とCuO粉末をY:Ba:Cuが1:2:3の割合となるように秤量して粉砕混合する。粉砕混合した粉末を酸素含有雰囲気において仮焼きしたならば、仮焼き物を再度粉砕混合し、2次仮焼きする。
この後、2次仮焼物を再度粉砕混合し、乾燥し、目的のターゲット形状、長方形状にプレス成型し、本焼成する。この本焼成により目的のターゲット単体13Aを得ることができる。このターゲット単体13Aを9枚用意して図2のようにターゲットホルダ25の上に敷き詰めて接着等の手段により固定することにより、ターゲット単体13Aの9倍の面積を有する複合ターゲット13を得ることができる。
次に、前記複合ターゲット13を用い、図1〜図3に示す構成のレーザー蒸着装置10を用いることで、臨界電流密度の高い、超電導特性の優れた、酸化物超電導薄膜を製造できる。
例えば、レーザー蒸着装置10において、転向部材群16、17を利用してこれらの間に基材2の複数のレーン2Aを構成し、複合ターゲット13を基材2の走行方向に前後させる並進運動(図2のY、Y方向の並進運動)か、基材2の走行方向と直角方向に前後させる並進運動(図2のX、X方向の並進運動)させるターゲット移動を行いつつレーザー蒸着する。また、パルスレーザー用のレーザー光源18から出射するレーザー光18Aのパルス周波数を調整し、更に、複合ターゲット13に対してレーザー光を走査する際のスキャン幅を調整しながら成膜するならば、複合ターゲット13を用いて臨界温度の優れた超電導特性の良好な酸化物超電導体の薄膜6を備えた長尺の酸化物超電導線材を製造できる。
以下に、図1〜図3に示すレーザー蒸着装置Aを用いて酸化物超電導体の薄膜6を製造する方法について更に詳しく説明する。
酸化物超電導層6を成膜するには、基材2上に中間層3を先に説明した種々の成膜法で形成したテープ状の積層体9を用いる。
このテープ状の積層体9を供給リール20から転向部材群16、17を介して巻取リール21に図1または図2に示すように巻き掛け、ターゲットホルダ25に複合ターゲット13を取り付けた後、処理容器11の内部を減圧する。
目的の圧力に減圧後、レーザー光源18からパルス状のレーザー光18Aを複合ターゲット13の表面に集光照射する。
複合ターゲット13の表面にレーザー光源18からのパルス状のレーザー光18Aを集光照射すると、複合ターゲット13の表面部分から原子や分子あるいは構成粒子を叩き出し若しくは蒸発させてプルーム19を発生させることができ、レーン2Aを構成し走行しているテープ状の基材2のキャップ層5の上に目的の粒子堆積を行って、酸化物超電導体の薄膜6を成膜できる。更に、レーザー光をターゲット11の表面に集光照射する場合、集光スポット径を2mm〜10mm程度の大きさとすることができる。
レーザー光18を複合ターゲット13の表面に集光照射してプルーム19を発生させつつ粒子堆積を行う場合、ターゲットホルダ25をX方向とX方向あるいはY1方向とY方向に移動させつつレーザー光18Aを照射する位置を適宜変更して複合ターゲット13の表面のできる限り全面にレーザー光18Aを照射して複合ターゲット13の表面全域を利用することが好ましい。なお、本実施形態の場合、9枚のターゲット単体13Aから複合ターゲット13を構成しているので、1枚目のターゲット単体13Aに対し表面全域に蛇行状にレーザー光18Aを往復走査して1枚目のターゲット単体13Aの全域からプルーム19を発生させて1枚目のターゲット単体13Aを使用後、2枚目のターゲット単体13Aにレーザー光18Aを照射する操作手順を3枚目以降〜順次9枚目まで繰り返して成膜することができる。複合ターゲット13を用いることにより、1枚のターゲット単体13Aを用いる場合よりも9倍長い時間成膜できるので、従来技術では対応不可能であった長尺の酸化物超電導線材1を製造できる。
また、9枚のターゲット単体13Aにレーザー光18Aを集光照射する場合、1枚単位ではなく、複数枚単位でレーザー光18Aを集光照射して各ターゲット単体13Aからプルーム19を発生させて粒子堆積を行い、酸化物超電導体の薄膜6を形成しても良い。例えば、2枚単位でそれらの表面全域に順次レーザー光18Aを集光照射するか、9枚単位でそれらの表面全域に順次レーザー光18Aを集光照射しながら粒子堆積を行って酸化物超電導体の薄膜6を形成しても良い。
前記レーザー光18Aを集光照射してプルーム19を発生させつつ酸化物超電導体の薄膜6を成膜する場合、9枚のターゲット単体13Aのいずれかの周辺部13aをレーザー光18Aが通過する。しかし、隣接するターゲット単体13Aの周辺部13aの表面段差を0.5mm以下としておくならば、ターゲット表面から生成するプルーム19の方向を変えることなく走行レーン2Aに沿って移動中の基材2に向かわせることができる。このため、隣接するターゲット単体13A、13Aの境界に位置する周辺部13aをレーザー光18Aが走査する場合であっても支障なくプルーム19からの粒子堆積を各レーン2Aのキャップ層5上に確実に行わせて酸化物超電導体の薄膜6を成膜できる。なお、各ターゲット単体13Aの周辺部13aをレーザー光18Aが通過する場合、何らかの原因によってプルーム19の方向が多少変化し、レーン2Aを移動中の基材2上に一部粒子の堆積が満足になされないことを生じるおそれがある。この場合であっても、レーン2Aを複数設け、各レーン2Aにおいて繰り返し粒子の堆積を行って酸化物超電導体の薄膜6を得るならば、周辺部13aの通過の際に生成した若干の粒子堆積不足部分を他のレーン2Aの走行中に補うことができるので、複数のレーン2Aを通過後に得られる最終的な酸化物超電導体の薄膜6として良好な膜質の超電導特性の良好な薄膜6を得ることができる。
次に、9枚のターゲット単体13Aのうち、隣接するターゲット単体13Aのいずれかの周辺部13aをレーザー光18Aが通過する場合、隣接するターゲット単体13A間の隙間の大きさによっては、プルーム19の生成が正常ではなくなる場合が考えられる。
しかし、ターゲット単体13Aの表面に対するレーザー光18Aのスポット径との比較において、ターゲット単体13A間の隙間の大きさをレーザー光18Aのスポット径に対して1/10以下としておくことが好ましい。隙間をこのように設定することにより、ターゲット表面から生成するプルーム19の方向を変えることなくレーン2Aに沿って移動中の基材2に向かわせることができる。
ところで、通常、上述した一般的なターゲットの製造方法において生産販売されているこの種の酸化物超電薄膜形成用のターゲット単体は、外径30mm(φ30mm)程度である。しかし、このサイズの9倍の面積のターゲットを上述の製造方法に基づき製造すると、金型が大型となり、現状水準のプレス装置を用い、金型でプレス成形した場合、内部に疎な部分を含むターゲットとなってしまう。
その一例を図5(A)に模式的に示すが、1枚の長方形状の大きなターゲット14をプレス金型で圧縮成型し、焼成すると、ターゲット14において中央部14Aはその厚さ方向中心部14aと表面部14aで密度が異なり、中央部14Aよりも外側の周辺部14Bにおいて、その厚さ方向中心部14bとその周囲部14bで密度が異なり、周辺部14Bよりも外側の周縁部14Cにおいて厚さ方向に均一な密度となる。
図5(A)に示す構造のターゲット14では、表面部14aと周辺部14Cが高密度になり易いが、中心部14aと周囲部14bは中程度の密度になり易く、周辺部14Bの中心部14bはこれらよりも更に低密度になり易い。即ち、ターゲット14において、密度の異なる箇所が複数存在し、特に周辺部14Bの中心部14bは最も密度の低い部分となるので、これらの密度差に起因してレーザー光を照射している間にターゲット14に亀裂を生じる危険性がある。
これに対しターゲット14と同じ大きさ(縦横のサイズが同じ)のターゲット13を構成する場合、本実施形態において複数枚の、例えば、4枚のターゲット単体13Aを横に敷き詰めて構成したとする。すると、これらのターゲット単体13Aは、その中心のコア部13aが多少密度の低い領域となるが、コア部13aの表面部13aと周辺部13aはいずれも密度の高い領域にできるので、レーザー光の照射によりターゲット単体13Aが割れるおそれを少なくできる。
なお、図5を基に先に説明した事情をより具体的に説明すると、現状の一般的な技術で製造できる最大ターゲットがφ30mmであるので、図5(B)に示すターゲット単体13Aが縦横最大30mmの正方形状と仮定すると、4つのターゲット単体13Aで構成できる複合ターゲット13の最大サイズは縦30mm×横120mmとなる。この横120mmサイズの複合ターゲット13を1枚のターゲットで構成しようとすると、図5(A)のターゲット14となり、疎な部分を必然的に複数含むターゲットになることを意味している。
以上説明のように複数のターゲット単体13Aからなる複合ターゲット13を用い、図1〜図3に示すレーザー蒸着装置10を用いて複数のレーン2Aにわたり、ターゲット13のレーザー光照射位置を移動させつつ酸化物超電導体の薄膜6を成膜するならば、臨界電流の高い優れた酸化物超電導体の薄膜6を備えた長尺の酸化物超電導線材1を製造できる。
また、現状の一般技術で製造可能な複数のターゲット単体13Aを継ぎ合わせた複合ターゲット13は、同一サイズの大きな1枚もののターゲットより安価に実現できるので、安価な複合ターゲット13を用い、図1〜図3に示すレーザー蒸着装置10を用いることで、臨界温度などの超電導特性に優れ、従来技術では製造できなかった長尺の酸化物超電導線材1を安価に製造できる特徴を有する。
図6は本発明に係る複合ターゲットの他の実施形態を示すもので、この実施形態の複合ターゲット30は、縦横の大きさがそれぞれ異なる複数のターゲット単体31、32、33、34、35、36をそれらの周辺部を突き合わせ、ターゲットホルダ37の上で6枚組み合わせて構成されている。一例として、図6に示すようにそれぞれ矩形状のターゲット単体31、32、33が縦一列に並べられ、それらの横にそれぞれ矩形状のターゲット単体34、35、36が縦一列に並列配置されている。各ターゲット単体31、32、33、34、35、36は各々に隣接する他のターゲット単体の周辺部31a、32a、33a、34a、35a、36aのいずれかを突き合わせてターゲットホルダ37上において一体化されている。
この実施形態のターゲットホルダ37は平面視矩形状に形成され、その上面周縁部全周にターゲットホルダ37の上面から若干突出する支持壁37aが立設されている。この支持壁37aの内側に互いの周辺部を突き合わせるようにターゲット単体31〜36が組み合わされ、各ターゲット単体31〜36とその周囲の支持壁37aとの間に各ターゲット単体31〜36を相互に突き合わせ固定するための、バネ部材の付勢部材38と押圧板39からなる付勢手段40が設けられている。
図6に示す構成の互いに異なる大きさの矩形状のターゲット単体31〜36の組み合わせ構造によって複合ターゲット30を構成することができる。
図6に示す構造の複合ターゲット30においても先の実施形態のターゲット単体13Aの場合と同様にレーザー光18Aを集光照射して酸化物超電導体の薄膜6の製造に利用することができる。
なお、図6の構造では、用いるターゲット単体の大きさは任意で良く、6枚組み合わせてターゲットホルダ37の上に隙間無く敷き詰めできる形状のターゲット単体を任意に利用できる。
この形態のように異なる大きさのターゲット単体31〜36を組み合わせて利用できるならば、使用できるターゲット単体の適用範囲を広げることができ、ターゲット単体の製造も容易となる。
ところで、図1〜図3と図6に示す実施形態では、いずれも矩形状(長方形状あるいは正方形状)のターゲット単体13A、31〜36を用いたが、ターゲット単体の形状はこれらに限るものではなく、平行四辺形状、台形状を含む4角形状であっても良い。本発明では、周辺部を突き合わせて、突き合わせた周辺部を平面視1本の直線を形成するように重ね合わせることができる4角形状のターゲット単体の組み合わせであれば、いずれの四角形状のターゲット単体であっても適用できるのは勿論である。
図7は本発明に係る複合ターゲットを利用可能なレーザー蒸着装置の他の実施形態を示すもので、この実施形態のレーザー蒸着装置40は、先の実施形態のレーザー蒸着装置10に対し、レーザー光源41を1基追加した形態の装置である。
本実施形態のレーザー蒸着装置40において先の実施形態のレーザー蒸着装置10と同一の構成要素には同一の符号を付して共通部分の説明を略する。
図7に示すように処理容器11において、ターゲット13を中心としてターゲット13の一側の側壁11Aにターゲット11に向くように第1の照射窓42が形成され、他側の側壁11Bにターゲット13に向くように第2の照射窓43が形成されている。第1の照射窓42の外方には集光レンズ44を介しアブレーション用の第1のレーザー光源18が配置され、第2の照射窓43の外方に集光レンズ45と反射ミラー46を介しターゲット加熱用の第2のレーザー光源41が配置されている。なお、図7において符号50で示すものは、複合ターゲット上のレーザー光照射部分の温度を計測するための赤外線放射温度計である。
本実施形態のレーザー蒸着装置40は、先の実施形態のレーザー蒸着装置10が1基のレーザー光源18を用いていたのに対し、レーザー光源41を追加して合計2基のレーザー光源を設けた形態である。本実施形態のレーザー蒸着装置40においてレーザー光源18とレーザー光源41は同等の性能を有する光源とされ、レーザー光源18を用いて成膜している間にレーザー光源41を待機させることができ、レーザー光源41を用いて成膜している間にレーザー光源18を待機させることができる。レーザー光源18、41としてエキシマレーザーを適用する場合、エキシマレーザーはガスレーザーであるがために、連続使用するためにはガスの交換が必要となる。
このように2基のエキシマレーザーのレーザー光源18、41を備えたレーザー蒸着装置40を用いて酸化物超電導体の薄膜6を成膜する場合、1基目のレーザー光源18を用いて成膜している間に2基目のレーザー光源41を待機させておき、レーザー光源18のガスが無くなった場合に、レーザー光源41を作動させて成膜を続行することができる。また、レーザー光源41が作動している間にレーザー光源18のガスを交換し、レーザー光源41のガスが無くなった際にレーザー光源18を再度使用できる。
以上の操作を繰り返し交互に行うことにより、レーザー光源18とレーザー光源41を使い分けて光源としての装置寿命が尽きるまでほぼ無限に成膜処理を連続できる。このため、図7に示すレーザー蒸着装置40を用いるならば、装置寿命が尽きるまで、無限長さの酸化物超電導線材1を製造することが可能となる。
このため、数kmあるいはそれ以上に長い酸化物超電導線材を製造することが可能となる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
「実施例1」
ハステロイC−276(米国ヘインズ社商品名)からなる幅10mm、厚さ0.1mm、長さ10mのテープ状の基材上に、アモルファスAlの拡散防止層(a−Alの厚さ80nm)と、アモルファスYのベッド層(a−Yの厚さ30nm)と、イオンビームアシスト蒸着法によるMgOの中間層(IBAD−MgOの厚さ10nm)と、PLD法によるCeOのキャップ層(厚さ300nm)を積層したテープ状の基材を用意した。この基材を用いて図1〜図3に示す構造のレーザー蒸着装置を用い、25×15cmのターゲット単体を用いてレーザー蒸着法により酸化物超電導薄膜を作製した。
図1〜図3に示す構造のレーザー蒸着装置を用いてYBaCu7−xなる組成比の酸化物超電導薄膜を成膜する条件は、レーザー光源として、エキシマレーザー(KrF:248nm)を用い、エネルギー密度3.0J/cm(600mJ)、T−S(ターゲット基材間距離):7cm、テープ基材の移動時の線速60m/h、パルスレーザーの繰り返し周波数300Hz、処理容器の酸素分圧PO=80mTorr、熱板によるテープ状基材の加熱温度970℃、転向部材間に配置する基材のレーン数を5レーンとして、5つのレーンに対応する6cm×6cmの領域に対応するターゲット表面をレーザー光で走査する条件でキャップ層上に膜厚200nmになるように酸化物超電導体の薄膜の堆積を行った。また、パルスレーザーの複合ターゲットに対する照射順序は、複合ターゲットの縦移動と横移動を組み合わせ、長方形状の複合ターゲットに対し幅方向に沿って一端側から他端側に直線状に走査後、戻り方向に走査する際に若干斜め方向に走査する順序を繰り返し行い、複合ターゲットの長さ方向の一端側から他端側まで平面視ジグザグ走査する走査順序とした。
上述の製造条件により、長さ1kmの酸化物超電導線材の製造が可能であった。この酸化物超電導線材の臨界電流値Icを測定したところ、全長にわたり、300Aの優れた値を得ることができた。
次に、製造条件を調整するために、パルスレーザーの繰り返し周波数を300Hzから50Hzに変更して成膜したところ、エキシマレーザーのガスの寿命が延び、長さ4kmまでの酸化物超電導線材を製造可能であった。しかし、得られた酸化物超電導線材の臨界電流値Icを測定したところ、全長にわたり、70Aとなり、特性が低下した。
そこで、Ic値の向上を図って繰り返し周波数50Hzのパルスレーザーの繰り返し4回の成膜処理を行って酸化物超電導体の薄膜6を生成し、Ic値を測定した。
この結果、得られた酸化物超電導線材の前半部分のIc値は300Aとなったが、後半部分においてターゲットが彫れる現象が発生し、Ic値が150Aになった。
次に、繰り返し周波数50Hzとしてレーザー光源を4基用いて成膜することで、ガスの寿命が伸びて4kmの酸化物超電導線材の製造が可能であった。
この結果、得られた酸化物超電導線材の前半部分のIc値は300Aとなったが、後半部分においてターゲットが彫れる現象が発生し、Ic値が150Aになった。
上述の結果に鑑み、エキシマレーザーのパルス繰り返し周波数を300Hzとして、一度、1kmの長さの酸化物超電導線材を製造し、エキシマレーザーのガスが無くなった時点で一端成膜を停止し、エキシマレーザーのガスの交換を行い、ガス交換後にエキシマレーザーを作動させて続きの部分から再度繰り返し周波数300Hzで成膜を続行し、長さ1kmの酸化物超電導線材を製造し、合計2kmの酸化物超電導線材を製造した。
得られた全長2kmの酸化物超電導線材のIcを測定したところ、前半1kmの酸化物超電導線材のIcは300Aであったが、つなぎ目の部分の酸化物超電導線材のIcが210Aに低下した。なお、この酸化物超電導線材はつなぎ目の部分で酸化物超電導体の薄膜を2度重ねて成膜したので、つなぎ目の部分の膜厚が増加し、酸化物超電導線材がつなぎ目の部分で反ってしまった。また、この酸化物超電導線材はつなぎ目の部分で部分的に厚くなったことにより酸化物超電導体の薄膜の上にAgの保護層を蒸着した後、劣化が生じた。即ち、つなぎ目の部分に膨れが生じたことに起因し、後半の酸化物超電導線材Ic値が150Aに劣化したので、全長Ic値は150Aとなった。
次に、10×10cmの正方形状のターゲット単体を縦方向に20個並べ、実質有効面積を10×200cmとした複合ターゲットを用意した。レーザー蒸着装置にレーザー光源を2基設け、ターゲットホルダの前後往復移動機構制御とレーザー光の照射位置を制御するプログラムによりレーザー光源から複合ターゲットの表面全域にレーザー光を順次スキャンしつつ照射できるようにして2基の光源をパルスレーザーの繰り返し周波数(300Hz)内で切り替えして連続成膜した。
以上の製造方法により、つなぎ目の部分に膜厚変化の無い、つなぎ目の部分でIc値の劣化していない、長さ4kmの酸化物超電導線材を製造することができた。この酸化物超電導線材の全長のIcは300Aであった。
次に、酸化物超電導線材を製造する場合にキャップ層としてCeOの薄膜を図1、図2に示すレーザー蒸着装置を用いて成膜した。
CeOのキャップ層の成膜条件は、CeOのターゲットを用い、レーザー光源として、エキシマレーザー(KrF:248nm)を用い、エネルギー密度3.0J/cm(600mJ)、T−S(ターゲット基材間距離):7cm、テープ基材の移動時の線速60m/h、パルスレーザーの繰り返し周波数300Hz、処理容器の酸素分圧PO=80mTorr、熱板によるテープ状基材の加熱温度970℃、転向部材間に配置する基材のレーン数を5レーンとして、CeOターゲットの各領域をレーザー光で走査する条件で配向層上に膜厚200nmになるようにキャップ層の成膜を行った。上述の実質有効面積を10×200cmとしたCeO複合ターゲットを用い、2基のレーザー光源を用いて交互にガス交換しながら使用することにより、長さ2kmのテープ状の積層体を得ることができ、このキャップ層上に先の実施例1で用いた条件と同等条件により酸化物超電導体の薄膜と安定化層を形成した。即ち、キャップ層上に膜厚200nmになるように酸化物超電導体の薄膜の堆積を行い、酸化物超電導線材を製造した。
この工程により、全長のIc値が300Aの酸化物超電導線材を製造することができた。
また、この試験により、目的の配向度のCeOのキャップ層をMgOの中間層(IBAD−MgOの厚さ10nm)の上に成膜できることが判明した。
「試験例1」
次に、前述のレーザー蒸着装置に適用したターゲットにおいて、面積900cm(30cm×30cm)のターゲットを基準として、このターゲットを2分割〜100分割した各ターゲットを用いて酸化物超電導体の薄膜を形成し、1パスあたりの膜厚と薄膜表面に付着するパーティクル数の比を測定した。
YBaCu7−xなる組成比の酸化物超電導薄膜を成膜する条件は、レーザー光源として、エキシマレーザー(KrF:248nm)を用い、エネルギー密度3.0J/cm(300mJ)、T−S(ターゲット基材間距離):7cm、テープ基材の移動時の線速20m/h、パルスレーザーの繰り返し周波数60Hz、処理容器の酸素分圧PO=80mTorr、熱板によるテープ状基材の加熱温度970℃、転向部材間に配置する基材のレーン数を5レーンとして、5つのレーンに対応する6cm×6cmの領域に対応するターゲット表面をレーザー光で走査する条件でキャップ層上に膜厚200nmになるように酸化物超電導体の薄膜の堆積を行った。
レーザー照射を開始してから、3時間後、ターゲットに割れを生じなかったものは以下の表1に○印、ターゲットが割れてしまったものは×印を以下の表1に示す。
ターゲットを分割する際の分割率は、均等割とし、2分割のターゲットとは正方形ターゲットの2等分、3分割とは正方形ターゲットの均等3分割を意味する。以下、6分割〜100分割においても均等割とした。各ターゲットの寸法誤差は0.1mm以下に抑えた。
その試験結果を以下の表1に記載する。
Figure 0005758287
表1に示す結果から、複合ターゲットを複数のターゲット単体の組み合わせとして構成する場合、ターゲット単体1枚あたりの面積を9cm〜300cmの範囲とするならば、複合ターゲットにレーザー光を照射して3時間成膜してもターゲット単体に割れを生じないことが判明した。
「試験例2」
先の9分割型のターゲット単体(100cm×9枚)を用いて複合ターゲットを構成する場合、隣接するターゲット単体間の段差幅(表面段差)の値を種々変更して酸化物超電導体の薄膜を成膜し、蒸着量とパーティクルの違いを調べた。各ターゲット単体間の段差の値は、目標値までターゲット単体表面を研磨して段差を付与することで実現した。その結果を以下の表2に記載する。
Figure 0005758287
表2に示す試験結果から、隣接するターゲット単体どうしの高さの表面段差(段差幅)を0.5mm以下とするならば、プルームの傾きを防止することができ、小さいターゲットを並列して用いても高成膜速成を維持できることが判明した。
また、表面段差の値が増えるとパーティクル数が増え、膜質が悪化することがわかった。今回のレーザー光の照射面積は1mm×5mmの大きさとしている。また、ターゲットのつなぎ目があっても、レーザー照射面積に比べて無視できるほど小さい(100μm以下)のため、ターゲットの側面が直線であれば、並列させたターゲット単体を使用しても蒸着には全く影響を与えないことも判明した。
1…酸化物超電導線材、2…基材、2A…レーン、3…中間層、4…配向層、5…キャップ層、6…酸化物超電導体の薄膜、7…第1の安定化層、8…第2の安定化層、9…積層体、10…レーザー蒸着装置、11…処理容器、11A、11B…側壁、13…複合ターゲット、13A…ターゲット単体、13a…周辺部、16、17…転向部材群、16a、17a…転向リール、19…噴流(プルーム)、20…供給リール、21…巻取リール、23…ヒーターボックス、24…排気手段、25…ターゲットホルダ、26…支持ロッド、27…加熱装置、30…複合ターゲット、31、32、33、34、35、36…ターゲット単体、37…ターゲットホルダ、40…レーザー蒸着装置、41…レーザー光源。

Claims (3)

  1. 表面にレーザー光を集光照射して発生するアブレーションにより放出させた原子、分子あるいは微粒子を基材に堆積させて成膜するためのレーザー蒸着用複合ターゲットであって、
    複数の平面視四角形状のターゲット単体がそれらの直線状の周辺部を一致させるように突き合わされてなり、前記周辺部どうしを突き合わせて隣接された前記ターゲット単体どうしの突き合わせ周辺部どうしの表面段差が0.5mm以下とされ
    前記ターゲット単体が、一般式REBa Cu (但し、REは希土類元素の内から選択される1つ以上の元素)で表記されるRE系酸化物超電導体を構成する元素からなることを特徴とするレーザー蒸着用複合ターゲット。
  2. 前記ターゲット単体の表面に照射されるレーザー光のスポット径に対し、隣接する前記ターゲット単体間の隙間が1/10以下であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー蒸着用複合ターゲット。
  3. テープ状の基材に中間層を備えたテープ状の積層体に対し、一般式REBaCu(但し、REは希土類元素の内から選択される1つ以上の元素)で表記されるRE系酸化物超電導体の薄膜をレーザー蒸着法により形成して酸化物超電導線材を製造する方法であって、
    請求項1または2に記載の複合ターゲットを用いて前記中間層にRE系酸化物超電導体の薄膜を形成することを特徴とする酸化物超電導線材の製造方法。
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