JP5757657B2 - 鋼管杭の防食施工方法 - Google Patents
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Description
このような防食施工に関連して、例えば特許文献1には、鋼管杭の外面に防食材含浸テープを設け、その外面に耐食金属のカバーを設け、耐食金属のカバーの両端部に設けた締付部をボルトナットで締め付けてなる防食被覆体が記載されている。
また、例えば特許文献2には、鋼管杭の外周面に密着して設けた防錆層と、該防錆層の外周面を覆う発泡プラスチック層と、該発泡プラスチック層を外周から加圧しその外周面を覆うチタンまたはチタン合金の薄板製の保護カバーとを有する複数の帯状の防食帯を、鋼管杭の飛沫帯・干満帯に縦方向に並べて配することを特徴とする、鋼管杭の防食施工方法が記載されている。
また、上記の特許文献2に記載されたような従来の方法によれば、鋼管杭の防食施工を行うことができるものの、鋼管杭とその外周面に形成した各層との密着が不十分になり、防食も不十分となる場合があった。特に、鋼管杭が太く、最表面に設置する耐食性金属の薄板を複数枚繋ぎ合せる必要がある場合、鋼管杭とその外周面に形成した各層とを密着させることは非常に困難であった。
本発明は次の(1)〜(3)である。
(1)海洋構造物の鋼管杭の飛沫帯・干満帯の外周面に、防錆層、プラスチック層および保護層を含む防食層を形成して防食する防食施工方法であって、
前記鋼管杭の外周面に防錆層を密着させて形成する防錆層形成工程と、
前記防錆層の外周側にプラスチック層を形成するプラスチック層形成工程と、
前記プラスチック層の外周側に設置した場合の周方向に長い長孔を周方向の端部に複数個有する耐食性金属の薄板を、複数枚用意し、鋼管杭の表面から外側へ向かって伸びるスタッドボルトに前記薄板が有する前記長孔を貫通させ、さらに、同じスタッドボルトに別の前記薄板の前記長孔を貫通させることで2枚の薄板の端部を重ねる操作を行って、前記プラスチック層の外周側に、前記薄板からなる保護層を形成する保護層形成工程と、
加圧手段を用いて複数枚の前記薄板を内側へ向かって加圧し、重なった状態の2枚の薄板の端部を連結手段によって連結することで、前記保護層によって前記プラスチック層を内側へ向かって加圧した状態を保持する加圧保持工程と
を備える、防食施工方法。
(2)鋼管杭の直径が1,800〜10,000mmであり、
前記プラスチック層の外周側に設置した場合の、前記薄板の周方向の長さが1,000〜3,000mmであり、
前記保護層形成工程において、
前記プラスチック層の外周側に設置した場合の周方向における中央部分にスタッドボルトを貫通させるための孔をさらに有する前記薄板を用意し、この孔にスタッドボルトを貫通させナットで締め付けることで前記薄板を前記プラスチック層の外周側に固定する際に、前記プラスチック層の厚さが40〜90%となるように前記ナットを締め付ける、上記(1)に記載の防食施工方法。
(3)前記保護層形成工程が、鋼管杭の縦方向に100〜300mmの間隔で前記長孔を有する前記薄板を用いて前記保護層を形成する工程である、上記(1)または(2)に記載の防食施工方法。
本発明は、海洋構造物の鋼管杭の飛沫帯・干満帯の外周面に、防錆層、プラスチック層および保護層を含む防食層を形成して防食する防食施工方法であって、前記鋼管杭の外周面に防錆層を密着させて形成する防錆層形成工程と、前記防錆層の外周側にプラスチック層を形成するプラスチック層形成工程と、前記プラスチック層の外周側に設置した場合の周方向に長い長孔を周方向の端部に複数個有する耐食性金属の薄板を、複数枚用意し、鋼管杭の表面から外側へ向かって伸びるスタッドボルトに前記薄板が有する前記長孔を貫通させ、さらに、同じスタッドボルトに別の前記薄板の前記長孔を貫通させることで2枚の薄板の端部を重ねる操作を行って、前記プラスチック層の外周側に、前記薄板からなる保護層を形成する保護層形成工程と、加圧手段を用いて複数枚の前記薄板を内側へ向かって加圧し、重なった状態の2枚の薄板の端部を連結手段によって連結することで、前記保護層によって前記プラスチック層を内側へ向かって加圧した状態を保持する加圧保持工程とを備える、防食施工方法である。
図1は海洋構造物の鋼管杭1の飛沫帯・干満帯に、本発明の防食施工方法を施した状態を示す概略図であり、図2は図1におけるA−A線断面図である。ただし、図の理解を容易にするために、図1および図2ではスタッドボルトに螺合するナットは記していない。なお、後述する図3以降も含め、各図における各部分の大きさ等は、実際とは異なる場合がある。
ここで保護層7を形成する薄板71および薄板72は、それぞれ周方向の端部に周方向に長い楕円形の長孔を有している。すなわち、薄板71は周方向の一方の端部に長孔711、712、713および714を縦方向(鋼管杭1の長手方向)に等間隔(例えば200mmピッチ)で有しており、周方向の他方の端部に長孔711´、712´、713´および714´を縦方向に同様の等間隔で有している。また、薄板72は周方向の一方の端部に長孔721、722、723および724を縦方向に同様の等間隔で有しており、周方向の他方の端部に長孔721´、722´、723´および724´を縦方向に同様の等間隔で有している。
図1および図2には示されていないが、スタッドボルト801、802、803および804にナットを螺合させ締め付けることで、防食層を鋼管杭の表面により密着させることができる。
図1および図2には示されていないが、スタッドボルト811、812、813および814ならびにスタッドボルト821、822、823および824にナットを螺合させ締め付けることで、防食層を鋼管杭の表面により密着させることができる。
本発明の防錆層形成工程では、前記鋼管杭の外周面に密着するように防錆層を形成する。
防錆層は特に限定されず、例えば従来公知のものを用いることができる。例えば市販の防錆剤(ペトロラタム、酸化重合樹脂、エポキシ樹脂など)を含浸した帯状の布を用いることができ、これを前記鋼管杭の外周面に巻き付けることで防錆層を形成することができる。また、例えばペトロラタムシートの表面にペトロラタムペーストを塗り、ペトロラタムペーストが内側になるように、ペトロラタムシートを鋼管杭の表面に張り付けることで防食層を形成することができる。
防錆層の形成に先だって、例えば鋼管杭の表面付着物を除去し、スクレーパやワイヤブラシ、機械ブラシ、グラインダーのような手工具および動力工具(例えばオートジゼル、エアーグラインダー、サンドブラスト)等で素地調整することが好ましい。
本発明のプラスチック層形成工程では、前記防錆層の外周側にプラスチック層を形成する。前記防錆層の外周面上に他の層を1層以上形成し、その外周面上にプラスチック層を形成してもよいが、前記防錆層の外周面に密着するようにプラスチック層を形成することが好ましい。
プラスチック層は、例えばプラスチックからなる帯状のシートを前記防錆層の外周側に巻き付けることによって形成することができる。また、前記保護層を形成するための薄板の表面にプラスチックからなる層を形成した後、後述する工程によって、前記防錆層の外側に、このプラスチックからなる層が内側になるように前記薄板を付けることで、前記防錆層の外周側に前記プラスチック層と前記保護層とを同時に形成することもできる。
プラスチック層は、発泡プラスチック層であることが好ましい。例えば三次元の方向に連通した多数の孔を有する市販の発泡ポリエチレンからなる発泡プラスチックを用いることができる。
本発明の保護層形成工程では、前記プラスチック層の外周側に設置した場合の周方向に長い長孔を周方向の端部に複数個有する耐食性金属の薄板を、複数枚用意し、鋼管杭の表面から外側へ向かって伸びるスタッドボルトに前記薄板が有する前記長孔を貫通させ、さらに、同じスタッドボルトに別の前記薄板の前記長孔を貫通させることで2枚の薄板の端部を重ねる操作を行って、前記プラスチック層の外周側に、前記薄板からなる保護層を形成する。
前記プラスチック層の外周面上に他の層を1層以上形成し、その外周面上に保護層を形成してもよいが、前記プラスチック層の外周面に密着するように保護層を形成することが好ましい。
薄板は、前記プラスチック層の外周側に設置した場合の周方向に長い長孔を端部に複数有し、例えば図3に示す態様のものが挙げられる。図3は、前述の図1および図2を用いて説明した薄板72の概略正面図である。図3において薄板72は、前記プラスチック層の外周側に設置した場合の周方向の両端部に、各々、長孔を4つずつ有する。すなわち、図3に示すように左端部に長孔721、722、723および724を有し、右端部に長孔721´、722´、723´および724´を有する。
また、これらの長孔は、その周方向に長い、例えば楕円形の孔である。図3に示した具体例では、各長孔の形状は楕円形である。楕円形や長方形等の長孔であると、スタッドボルトを貫通した状態で周方向へ薄板を動かして、薄板を前記プラスチック層へ密着させることができる。長孔の短径はスタッドボルトの断面直径とほぼ等しいことが好ましい。
また、このような長孔は、前記プラスチック層の外周側に設置した場合の鋼管杭の縦方向(長手方向)において、好ましくは100〜300mm、より好ましくは150〜250mm、より好ましくは180〜220mm、さらに好ましくは200mm程度の間隔で形成されていることが好ましい。
さらに、このような周方向の中央部分に形成された孔は、前記プラスチック層の外周側に設置した場合の鋼管杭の縦方向(長手方向)において、好ましくは100〜300mm、より好ましくは150〜250mm、より好ましくは180〜220mm、さらに好ましくは200mm程度の間隔で形成されていることが好ましい。
薄板の板厚も特に限定されないが0.3〜3.0mmが好ましく、0.6〜1.5mmがより好ましく、0.6〜1.0mmがさらに好ましい。軽量であり施工時の取扱いが容易だからである。
薄板の周方向の長さも特に限定されないが1,000〜3,000mmが好ましく、1,500〜2,500mmがより好ましい。
また、薄板は周方向や鋼管杭の縦方向に2以上を接合したものであってもよい。
例えば、図1〜図3を用いて説明した具体例のように、薄板72の中央部分に形成した孔(725、726、727および728)にスタッドボルト(821、822、823および824)を貫通させ、ナットで締め付けることで薄板72を固定し、支える操作を行うことが好ましい。また、同様の方法で薄板71をスタッドボルトで固定し、支える操作を行うことが好ましい。
次に、同様の操作をもう一度行う。すなわち、図2に示されるように、スタッドボルト831、832、833および834に薄板72が有する長孔721´、722´、723´および724´の各々を貫通させる。そして、さらに、これらのスタッドボルトに薄板71が有する長孔711´、712´、713´および714´の各々を上から貫通させることで、薄板71の端部と薄板72の端部とを重ねる。
このようにして、前記プラスチック層の外周側に、前記薄板からなる保護層を形成することができる。
本発明の加圧保持工程では、加圧手段を用いて複数枚の前記薄板を内側へ向かって加圧し、重なった状態の2枚の薄板の端部を連結手段によって連結することで、前記保護層によって前記プラスチック層を内側へ向かって加圧した状態を保持する。
ここで、スタッドボルトを貫通させナットで締め付けることで前記薄板を前記プラスチック層の外周側に固定する際に、前記プラスチック層におけるナットで締め付けている部分がやや潰れるように、そのナットを締め付けることが好ましい。具体的には、前記プラスチック層における前記ナットで締め付けている部分の前記プラスチック層の厚さが、好ましくは40〜90%、より好ましくは40〜60%、より好ましくは45〜55%、さらに好ましくは50%程度となるように前記ナットを締め付けることが好ましい。全周にわたって防錆層を前記鋼管杭の表面に密着することができるからである。全周にわたって防錆層を鋼管杭の表面に密着させることは困難であるが、上記のようにプラスチック層が潰れるように(特に上記のような数値範囲の厚さとなるように)固定することで、鋼管杭の全周において防食層を前記鋼管杭の表面に密着させることができることを、本発明者は見出した。
このような防食施工方法によると、鋼管杭の全周において防食層を前記鋼管杭の表面に、より密着させることができ、その結果、防食をより高度に行うことができるからである。また、特に、鋼管杭が太く、最表面に設置する耐食性金属の薄板を複数枚繋ぎ合せる必要がある場合であっても、鋼管杭とその外周面に形成した各層とを、より密着させることができる。さらに、最表面の金属カバーの接合部に漂流物や小舟が衝突し難いため破損し難い。
薄板2はチタン製で、図4の左右方向(鋼管杭の外周側に設置した場合の周方向)における一方の端部および他方の端部に、各々8つの長孔(221、222、223、224、225、226、227、228、および241、242、243、244、245、246、247、248)を有し、中央部分にも同様に8つの孔(271、272、273、274、275、276、277、278)を有している。また、薄板2の周方向における長さは1,946mmであり、それに直角方向(鋼管杭の外周側に設置した場合の鋼管杭の縦方向)における長さは1,500mmであり、厚さは1mmである。また、長孔の大きさ(短径×長径)は16×30mmであり、中央部分の孔の直径は16mmであり、薄板の端部に形成された長孔および中央部分に形成された孔の、鋼管杭の縦方向における間隔は、いずれも200mmである。
図5(a)はスタッドボルト付き鋼帯4の概略正面図であり、図5(b)は、図5(a)におけるB−B線断面図であり、図5(c)は、図5(a)におけるC−C線断面図である。
図5に示すように、スタッドボルト付き鋼帯4は、鋼帯40の主面上に8つのスタッドボルト(41、42、43、44、45、46、47、48)を突き立てるように溶接したものである。ここでスタッドボルトの間隔は、薄板2の端部の長孔と同じ200mmである。また、スタッドボルトの長さは40mmであり、直径は12mmである。また、鋼帯40の長さは1460mmであり、幅は50mmであり、厚さは6mmである。
また、この鋼帯40には7つの孔(401、402、403、404、405、406、407)が開いている。この孔の直径は30mmである。この7つの孔の各々に、後述する突起付き当て板8の突起を嵌合させることで、プラスチック層の外周側に設置した2枚の薄板2の端部を強固に連結することができる。そして、保護層によってプラスチック層を内側へ向かって加圧した状態をより好ましく保持することができる。
図6に示すスタッドボルト付き鋼帯6は、薄板2における中央部分の孔(271、272、273、274、275、276、277、278)を貫通させるスタッドボルトを鋼管杭の表面に付けるために用いる。
図6(a)はスタッドボルト付き鋼帯6の概略正面図であり、図6(b)は、図6(a)におけるD−D線断面図である。
図6に示すように、スタッドボルト付き鋼帯6は、鋼帯60の主面上に8つのスタッドボルト(61、62、63、64、65、66、67、68)を突き立てるように溶接したものである。ここで、スタッドボルトの間隔は、薄板2の中央部分の8つ孔の場合と同じ200mmである。また、スタッドボルトの長さは40mmであり、直径は12mmである。また、鋼帯60の長さは1460mmであり、幅は32mmであり、厚さは6mmである。
図7に示す突起付き当て板8は、前述のスタッドボルト付き鋼帯4が有する7つの孔(401、402、403、404、405、406、407)の各々に突起を嵌合させて2枚の薄板2の端部を連結するために用いる。
図7(a)は突起付き当て板8の概略正面図であり、図7(b)は、図7(a)におけるE−E線断面図であり、図7(c)は、図7(a)におけるF−F線断面図である。
突起付き当て板8は、スタッドボルト付き鋼帯4が有するスタッドボルトを貫通する8つの孔(81、82、83、84、85、86、87、88)を有しており、これらの孔の直径は18mmであり、孔の間隔はスタッドボルト付き鋼帯4におけるスタッドボルトの間隔と同じ200mmである。また、7つの突起(891、892、893、894、895、896、897)は円柱状のものであり、図7(c)に示すように、鋼帯80の一方の主面において溶接され溶接部αを形成しており、他方の主面において突起部βを形成している。この突起部βが前述のスタッドボルト付き鋼帯4が有する7つの孔(401、402、403、404、405、406、407)の各々に嵌合する。この突起部βはスタッドボルトを貫通するための8つ孔(81、82、83、84、85、86、87、88)の各孔のほぼ中央部に形成されており、突起部βの間隔は200mmであり、直径は22mmであり、突起の長さ(鋼帯80の他方の主面からの突出の程度)は7mmである。
また、突起付き当て板8における鋼帯80の長さは1500mmであり、幅は100mmであり、厚さは5mmである。
図8に示す当て板9は、スタッドボルト付き鋼帯6におけるスタッドボルトをナットで締め付ける際に用いるものであり、スタッドボルト付き鋼帯6が有するスタッドボルトを貫通する8つの孔(91、92、93、94、95、96、97、98)を有する。図8(a)は当て板9の概略正面図であり、図8(b)は、図8(a)におけるG−G線断面図である。
当て板9における鋼帯90の長さは1500mmであり、幅は50mmであり、厚さは5mmである。また、各々の孔の直径は22mmであり、孔の間隔は200mmである。
なお、ここでスタッドボルトをナットで締め付ける際に、ナットと突起付き当て板8との間にはプラスチック製ワッシャーとステンレス製ワッシャーとを挟んだ。また、ナットで締め付けた後、スタッドボルトを防食キャップでキャップした。また、ナットと防食キャップとの隙間には水中硬化型エポキシパテを充填した(詳細は後述する図12参照)。
鋼管杭の全周に渡って(すなわち全8枚の薄板2について)、同様の操作を行った。
そして、加圧した状態を保持したまま、隣り合う薄板2が重なった部分(各々の薄板2の端部)に突起付き当て板8を設置するための孔を開けた。すなわち、薄板2の外側から、スタッドボルト付き鋼帯4が有する7つの孔(401、402、403、404、405、406、407)と貫通する孔を開けた。そして、その開けた孔を通してスタッドボルト付き鋼帯4が有する7つの孔に突起部βが嵌合するように、突起付き当て板8を設置した(詳細は後述する図11参照)。
その後、突起付き当て板8が有する8つの孔(81、82、83、84、85、86、87、88)から突き出ているスタッドボルトをナットで締め付けて、突起付き当て板8を固定した。そして、この操作を鋼管杭の全周において行うことで薄板2を鋼管杭の外周面に固定した。ここでナットによる締付けは、締付部分における発泡プラスチック層の厚さが元厚(10mm)の42〜61%の厚さとなるように締め付けた。
なお、ここでスタッドボルトをナットで締め付ける際に、ナットと突起付き当て板8との間にはプラスチック製ワッシャーとステンレス製ワッシャーとを挟んだ。また、ナットで締め付けた後、スタッドボルトを防食キャップでキャップした。また、ナットと防食キャップとの隙間には水中硬化型エポキシパテを充填した(詳細は後述する図10参照)。
このような操作によって、8つの薄板によってプラスチック層(発泡ポリエチレンシート)を内側へ向かって加圧した状態を保持した。
その結果、いずれに箇所においても防食層の厚さは、元の厚さよりも薄かった。したがって、鋼管杭の全周において防錆層が鋼管杭の表面に密着しているといえる。
3 防錆層
5 プラスチック層
7 保護層
71、72 薄板
711、712、713、714 長孔
721、722、723、724 長孔
725、726、727、728 孔
801、802、803、804 スタッドボルト
811、812、813、814 スタッドボルト
821、822、823、824 スタッドボルト
10 防食層
50 受け台
51 スリーブ
52 プレート
R リベット
100 鋼管杭
2 薄板
221、222、223、224、225、226、227、228 長孔
241、242、243、244、245、246、247、248 長孔
271、272、273、274、275、276、277、278 孔
4 スタッドボルト付き鋼帯
40 鋼帯
41、42、43、44、45、46、47、48 スタッドボルト
401、402、403、404、405、406、407 孔
6 スタッドボルト付き鋼帯
60 鋼帯
61、62、63、64、65、66、67、68 スタッドボルト
8 突起付き当て板
80 鋼帯
81、82、83、84、85、86、87、88 孔
891、892、893、894、895、896、897 突起
α 溶接部
β 突起部
9 当て板
90 鋼帯
30 防錆層
50 プラスチック層
PW プラスチック製ワッシャー
SW ステンレス製ワッシャー
CP 防食キャップ
N ナット
EP 水中硬化型エポキシパテ
Claims (3)
- 海洋構造物の鋼管杭の飛沫帯・干満帯の外周面に、防錆層、プラスチック層および保護層を含む防食層を形成して防食する防食施工方法であって、
前記鋼管杭の直径が1,800〜10,000mmであり、前記鋼管杭の外周面に防錆層を密着させて形成する防錆層形成工程と、
前記防錆層の外周側にプラスチック層を形成するプラスチック層形成工程と、
前記プラスチック層の外周側に設置した場合の周方向に長い長孔を周方向の端部に複数個有し、さらに、前記周方向における中央部分にスタッドボルトを貫通させるための孔を有し、前記周方向の長さが1,000〜3,000mmである耐食性金属の薄板を、複数枚用意し、前記周方向における中央部分にスタッドボルトを貫通させるための孔にスタッドボルトを貫通させナットで締め固定して支え、その後、鋼管杭の表面から外側へ向かって伸びるスタッドボルトに前記薄板が有する前記長孔を貫通させ、さらに、同じスタッドボルトに別の前記薄板の前記長孔を貫通させることで2枚の薄板の端部を重ねる操作を行って、前記プラスチック層の外周側に、前記薄板からなる保護層を形成する保護層形成工程と、
加圧手段を用いて複数枚の前記薄板を内側へ向かって加圧し、重なった状態の2枚の薄板の端部を連結手段によって連結することで、前記保護層によって前記プラスチック層を内側へ向かって加圧した状態を保持する加圧保持工程と
を備える、防食施工方法。 - 前記保護層形成工程において、
前記周方向における中央部分にスタッドボルトを貫通させるための孔にスタッドボルトを貫通させナットで締め付けることで前記薄板を前記プラスチック層の外周側に固定する際に、前記プラスチック層の厚さが40〜90%となるように前記ナットを締め付ける、請求項1に記載の防食施工方法。 - 前記加圧手段が、荷締め機を用いた手段である、請求項1または2に記載の防食施工方法。
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