JPH09122744A - 防食鋼管杭の製造方法 - Google Patents
防食鋼管杭の製造方法Info
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- JPH09122744A JPH09122744A JP28394395A JP28394395A JPH09122744A JP H09122744 A JPH09122744 A JP H09122744A JP 28394395 A JP28394395 A JP 28394395A JP 28394395 A JP28394395 A JP 28394395A JP H09122744 A JPH09122744 A JP H09122744A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は高い耐食性を有するチタンなどの耐
食性金属を被覆した防食鋼管杭の製造方法を提供する。 【解決手段】 防食性樹脂を塗布した鋼管杭と耐食性金
属板とを抵抗シーム溶接するに際し、鋼管表面に防食樹
脂を予め前記耐食性金属板より幅狭に塗装ないし貼付す
ると共に、この防食樹脂非塗布部で、２００kg／cm2 以
上の加圧力を加えつつスパイラル状に巻回した耐食性金
属板端縁と鋼管杭とを抵抗シーム溶接することを特徴と
する。 【効果】 鋼管を耐食性金属板で確実かつ連続的に効率
良く被覆することができる。
食性金属を被覆した防食鋼管杭の製造方法を提供する。 【解決手段】 防食性樹脂を塗布した鋼管杭と耐食性金
属板とを抵抗シーム溶接するに際し、鋼管表面に防食樹
脂を予め前記耐食性金属板より幅狭に塗装ないし貼付す
ると共に、この防食樹脂非塗布部で、２００kg／cm2 以
上の加圧力を加えつつスパイラル状に巻回した耐食性金
属板端縁と鋼管杭とを抵抗シーム溶接することを特徴と
する。 【効果】 鋼管を耐食性金属板で確実かつ連続的に効率
良く被覆することができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い耐食性を有す
るチタンなどの耐食性金属を被覆した防食鋼管杭の製造
方法に係わり、特に、海洋構造物として、海水干満水面
での飛沫帯をチタン材で被覆した防食性に優れた鋼管杭
の製造方法に関する。
るチタンなどの耐食性金属を被覆した防食鋼管杭の製造
方法に係わり、特に、海洋構造物として、海水干満水面
での飛沫帯をチタン材で被覆した防食性に優れた鋼管杭
の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、海洋構造物の基礎として海中に設
立される鋼管杭は、海水に洗われる飛沫帯の腐食が大き
く進行するため、通常、この部分には塗装またはポリエ
チレン、ウレタン系重防食を施している。しかし、これ
らの鋼管杭の耐食性には限界があり、その寿命は塗装の
場合で１５〜２０年、重防食で４０年といわれている。
一方、防食鋼管杭の耐食性を高めるため、杭本体をステ
ンレス鋼またはステンレス鋼等の耐食材と普通鋼とのク
ラッド鋼により製造することが提案されているが、かか
る杭は初期コストが高く、不利である。このような不利
を解消するために特開平２−２５６７１３号公報には、
防食処理を施した鋼管杭が提案されている。すなわち、
鋼管杭の外表面に通常の塗装下地を施し、その上に耐食
性および弾力性を有する接着性樹脂を被覆し、さらにエ
ンボス状凹凸を加工した耐食性金属薄板を被覆した、具
体的には締め付けながら巻き付け、この薄板端部を折り
込み、またはかしめて締結した防食鋼管杭が開示されて
いるが、かかる鋼管杭にあっては、被覆される鋼管杭の
管径および被覆長さに対応した幅や長さを有する耐食性
金属薄板を準備しなければならず、従って、生産性が高
くない。また、大径で長い帯域を被覆する場合には、被
覆する耐食性金属薄板の鋼管円周方向に継ぎ部が発生
し、効率的な被覆が難しくなる。
立される鋼管杭は、海水に洗われる飛沫帯の腐食が大き
く進行するため、通常、この部分には塗装またはポリエ
チレン、ウレタン系重防食を施している。しかし、これ
らの鋼管杭の耐食性には限界があり、その寿命は塗装の
場合で１５〜２０年、重防食で４０年といわれている。
一方、防食鋼管杭の耐食性を高めるため、杭本体をステ
ンレス鋼またはステンレス鋼等の耐食材と普通鋼とのク
ラッド鋼により製造することが提案されているが、かか
る杭は初期コストが高く、不利である。このような不利
を解消するために特開平２−２５６７１３号公報には、
防食処理を施した鋼管杭が提案されている。すなわち、
鋼管杭の外表面に通常の塗装下地を施し、その上に耐食
性および弾力性を有する接着性樹脂を被覆し、さらにエ
ンボス状凹凸を加工した耐食性金属薄板を被覆した、具
体的には締め付けながら巻き付け、この薄板端部を折り
込み、またはかしめて締結した防食鋼管杭が開示されて
いるが、かかる鋼管杭にあっては、被覆される鋼管杭の
管径および被覆長さに対応した幅や長さを有する耐食性
金属薄板を準備しなければならず、従って、生産性が高
くない。また、大径で長い帯域を被覆する場合には、被
覆する耐食性金属薄板の鋼管円周方向に継ぎ部が発生
し、効率的な被覆が難しくなる。
【０００３】他方、実開昭６２−４４９４８号公報に
は、被覆する金属薄板として耐食性に優れたチタン板を
用いた防食施工法が開示されている。すなわち図３に示
すように、所望の幅と長さを与えられたシート状チタン
カバー本体３０と、その両端にフランジ３１を形成し、
相対するフランジ３１，３１間に絶縁材３２を介装し、
前記フランジに絶縁性フランジ３３を当接して防食性金
属ボルトで着脱自在に固定した既設杭の防食カバーが提
案されている。なお、ここで３５は隙間充填材、３６は
緩衝層、３７は防食剤含浸層、３８は止水板である。こ
の既設杭の防食カバー取り付けには、ネジ構造のため海
中での施工となり、ダイバーによる取り付けが必要とな
り、取り付けコストが極めて高くなるという欠点があ
る。その他、鋼管などの筒状体に耐食性金属板をスパイ
ラル状に巻き付けて、その端縁同士を突合わせて溶接す
る方法が考えられる。しかし、その場合は耐食性金属板
と鋼管との間に塗装あるいは塗布した防食性充填材が接
合の邪魔となり、耐食性金属板の確実な接合が困難とな
る。
は、被覆する金属薄板として耐食性に優れたチタン板を
用いた防食施工法が開示されている。すなわち図３に示
すように、所望の幅と長さを与えられたシート状チタン
カバー本体３０と、その両端にフランジ３１を形成し、
相対するフランジ３１，３１間に絶縁材３２を介装し、
前記フランジに絶縁性フランジ３３を当接して防食性金
属ボルトで着脱自在に固定した既設杭の防食カバーが提
案されている。なお、ここで３５は隙間充填材、３６は
緩衝層、３７は防食剤含浸層、３８は止水板である。こ
の既設杭の防食カバー取り付けには、ネジ構造のため海
中での施工となり、ダイバーによる取り付けが必要とな
り、取り付けコストが極めて高くなるという欠点があ
る。その他、鋼管などの筒状体に耐食性金属板をスパイ
ラル状に巻き付けて、その端縁同士を突合わせて溶接す
る方法が考えられる。しかし、その場合は耐食性金属板
と鋼管との間に塗装あるいは塗布した防食性充填材が接
合の邪魔となり、耐食性金属板の確実な接合が困難とな
る。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる現実に
鑑み、防食性樹脂を表面に塗布した鋼管と耐食性金属板
とを抵抗シーム溶接を利用して確実かつ効率良く溶接を
行なうことを可能とする耐食性金属被覆鋼管または鋼管
杭の製造方法を提供することを目的とする。
鑑み、防食性樹脂を表面に塗布した鋼管と耐食性金属板
とを抵抗シーム溶接を利用して確実かつ効率良く溶接を
行なうことを可能とする耐食性金属被覆鋼管または鋼管
杭の製造方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(1)鋼
管杭と耐食性金属板とを抵抗シーム溶接するに際し、鋼
管杭表面に、前記耐食性金属板より幅狭の防食樹脂を非
塗布部となる間隔をあけて予め塗装ないし貼付し、その
後、鋼管杭に耐食性金属板を巻き付け、この防食樹脂非
塗布部で耐食性金属板と鋼管杭とを圧力を加えつつ抵抗
シーム溶接することを特徴とする防食鋼管杭の製造方
法。および(2)鋼管杭と耐食性金属板とを抵抗シーム溶
接するに際し、鋼管杭表面に、前記耐食性金属板より幅
狭の防食樹脂を非塗布部となる間隔をあけて予めスパイ
ラル状に塗装ないし貼付すると共に、その後段で鋼管杭
に耐食性金属板をスパイラル状に巻き付け、この防食樹
脂非塗布部で耐食性金属板と鋼管杭とを圧力を加えつつ
抵抗シーム溶接することを特徴とする防食鋼管杭の製造
方法である。上記本発明において、鋼管に耐食性金属板
を溶接するには裏当て金を介在せしめてもよく、また、
溶接の際に加える圧力は２００kg／cm2 以上が好まし
い。
管杭と耐食性金属板とを抵抗シーム溶接するに際し、鋼
管杭表面に、前記耐食性金属板より幅狭の防食樹脂を非
塗布部となる間隔をあけて予め塗装ないし貼付し、その
後、鋼管杭に耐食性金属板を巻き付け、この防食樹脂非
塗布部で耐食性金属板と鋼管杭とを圧力を加えつつ抵抗
シーム溶接することを特徴とする防食鋼管杭の製造方
法。および(2)鋼管杭と耐食性金属板とを抵抗シーム溶
接するに際し、鋼管杭表面に、前記耐食性金属板より幅
狭の防食樹脂を非塗布部となる間隔をあけて予めスパイ
ラル状に塗装ないし貼付すると共に、その後段で鋼管杭
に耐食性金属板をスパイラル状に巻き付け、この防食樹
脂非塗布部で耐食性金属板と鋼管杭とを圧力を加えつつ
抵抗シーム溶接することを特徴とする防食鋼管杭の製造
方法である。上記本発明において、鋼管に耐食性金属板
を溶接するには裏当て金を介在せしめてもよく、また、
溶接の際に加える圧力は２００kg／cm2 以上が好まし
い。
【０００６】本発明において、鋼管杭表面に防食樹脂を
予め前記耐食性金属板より幅狭に所定の間隔を設けて塗
装ないし貼付（以下これらを塗布という）する工程は、
別工程で防食樹脂を鋼管杭表面に施してもよいし、抵抗
シーム溶接ラインの前工程で連続的に防食樹脂を鋼管杭
表面に塗布してもよい。この防食樹脂の塗布は連続した
スパイラル状に行なうことが好ましい。また防食樹脂
は、これを予め間隔を設けず連続的に塗布しておき、そ
の後耐食性金属板の溶接端縁部と重なる部分の樹脂を剥
離する方法を採用してもよい。このように樹脂のない
（非塗布部）鋼管杭の表面で耐食性金属板端縁部とを直
接、或いはさらに裏当て金を介して抵抗シーム溶接を行
う。この抵抗シーム溶接での接合においては高温滞留時
間が少なく、さらに溶融した析出物などを適当な圧力で
加圧してチリとして排出できるので高速接合が可能とな
り、かつ安定な優れた接合特性を有する金属被覆防食鋼
管杭を得ることができる。
予め前記耐食性金属板より幅狭に所定の間隔を設けて塗
装ないし貼付（以下これらを塗布という）する工程は、
別工程で防食樹脂を鋼管杭表面に施してもよいし、抵抗
シーム溶接ラインの前工程で連続的に防食樹脂を鋼管杭
表面に塗布してもよい。この防食樹脂の塗布は連続した
スパイラル状に行なうことが好ましい。また防食樹脂
は、これを予め間隔を設けず連続的に塗布しておき、そ
の後耐食性金属板の溶接端縁部と重なる部分の樹脂を剥
離する方法を採用してもよい。このように樹脂のない
（非塗布部）鋼管杭の表面で耐食性金属板端縁部とを直
接、或いはさらに裏当て金を介して抵抗シーム溶接を行
う。この抵抗シーム溶接での接合においては高温滞留時
間が少なく、さらに溶融した析出物などを適当な圧力で
加圧してチリとして排出できるので高速接合が可能とな
り、かつ安定な優れた接合特性を有する金属被覆防食鋼
管杭を得ることができる。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照して詳細に説明する。図１は本発明に係わる耐食性金
属被覆防食鋼管の製造方法の一例を説明する斜視図、図
２はこの方法で得られた金属被覆防食鋼管杭の溶接部の
断面図を示す。まず、図１に示すように、防食樹脂とし
てアクリル系、エポキシ系、ブチル系、ポリオレフィン
系、ビニール系の合成樹脂などの有機充填材、あるいは
無機充填材を帯状にした防食樹脂ストリップ１を巻いた
コイル１ａから防食樹脂ストリップ１を引き出し、硬化
性接着剤を収容した容器２を経由して該ストリップ１の
裏面に硬化性樹脂を塗布してから鋼管３の表面にスパイ
ラル状に巻回貼着する。この防食樹脂ストリップ１は、
同じくスパイラル状に巻回される耐食性金属板（以下チ
タン板という）４の幅より狭いものを用い、鋼管杭とチ
タン板の端縁との溶接が可能となるように、或いは裏当
て金が密着できるように、一定の間隔Ｗに樹脂非塗布部
が形成されるようにスパイラル状に巻回される。
照して詳細に説明する。図１は本発明に係わる耐食性金
属被覆防食鋼管の製造方法の一例を説明する斜視図、図
２はこの方法で得られた金属被覆防食鋼管杭の溶接部の
断面図を示す。まず、図１に示すように、防食樹脂とし
てアクリル系、エポキシ系、ブチル系、ポリオレフィン
系、ビニール系の合成樹脂などの有機充填材、あるいは
無機充填材を帯状にした防食樹脂ストリップ１を巻いた
コイル１ａから防食樹脂ストリップ１を引き出し、硬化
性接着剤を収容した容器２を経由して該ストリップ１の
裏面に硬化性樹脂を塗布してから鋼管３の表面にスパイ
ラル状に巻回貼着する。この防食樹脂ストリップ１は、
同じくスパイラル状に巻回される耐食性金属板（以下チ
タン板という）４の幅より狭いものを用い、鋼管杭とチ
タン板の端縁との溶接が可能となるように、或いは裏当
て金が密着できるように、一定の間隔Ｗに樹脂非塗布部
が形成されるようにスパイラル状に巻回される。
【０００８】ついで、チタン板４とともに裏当て金とな
る帯板の耐食性金属板５が鋼管３上の充填材のない間隔
Ｗ部にスパイラル状に巻回される。この帯板の耐食性金
属板５としては耐食性金属板４と同様、チタンがよく
（以下チタン帯板という）、通常、板厚が０．３〜１．
０mm、板幅は５０〜１２０mmのものを用いる。
る帯板の耐食性金属板５が鋼管３上の充填材のない間隔
Ｗ部にスパイラル状に巻回される。この帯板の耐食性金
属板５としては耐食性金属板４と同様、チタンがよく
（以下チタン帯板という）、通常、板厚が０．３〜１．
０mm、板幅は５０〜１２０mmのものを用いる。
【０００９】コイル８から繰り出されるチタン帯板５
は、その１／２部分５ａがチタン板４の端縁４ａと重な
るように配置され、かつ、巻き付けロール１０の手前で
チタン板４の端縁４ａと抵抗シーム溶接機１１で加圧接
合された後、図に示すように鋼管杭３表面の間隔Ｗ部分
に配置されるようにチタン板４と共に鋼管杭３にスパイ
ラル状に巻き付けられる。同時に帯板５の端縁４ａと重
ならない他の部分５ｂはチタン板４の端縁４ａから約２
分の１張り出した状態でチタン板４とともに鋼管杭３に
巻回し、かつ、チタン板４の他の端縁４ｂと重合する。
は、その１／２部分５ａがチタン板４の端縁４ａと重な
るように配置され、かつ、巻き付けロール１０の手前で
チタン板４の端縁４ａと抵抗シーム溶接機１１で加圧接
合された後、図に示すように鋼管杭３表面の間隔Ｗ部分
に配置されるようにチタン板４と共に鋼管杭３にスパイ
ラル状に巻き付けられる。同時に帯板５の端縁４ａと重
ならない他の部分５ｂはチタン板４の端縁４ａから約２
分の１張り出した状態でチタン板４とともに鋼管杭３に
巻回し、かつ、チタン板４の他の端縁４ｂと重合する。
【００１０】この巻き付きの際、チタン板４は巻き付け
ロール１０を介して鋼管杭３との間には１０kg／cm2 以
上の張力で引張られ、かつ、端縁４ａと端縁５ｂの重合
部分と鋼管杭３とは、上下に配置した電極ローラ１２
ｃ，１２ｃ′で加圧しつつ（好ましくは２００kg／cm2
以上）抵抗シーム溶接機１２で接合する。しかもチタン
帯板５溶接部分には防食樹脂がないため確実な溶接がで
きる。図中１２ａは抵抗シーム溶接機のブームウェルダ
ー、１２ｂはブームウェルダー先端圧力保持ロール、１
３，１４は抵抗シーム溶接機１２で接合された接合部を
示す。
ロール１０を介して鋼管杭３との間には１０kg／cm2 以
上の張力で引張られ、かつ、端縁４ａと端縁５ｂの重合
部分と鋼管杭３とは、上下に配置した電極ローラ１２
ｃ，１２ｃ′で加圧しつつ（好ましくは２００kg／cm2
以上）抵抗シーム溶接機１２で接合する。しかもチタン
帯板５溶接部分には防食樹脂がないため確実な溶接がで
きる。図中１２ａは抵抗シーム溶接機のブームウェルダ
ー、１２ｂはブームウェルダー先端圧力保持ロール、１
３，１４は抵抗シーム溶接機１２で接合された接合部を
示す。
【００１１】耐食性金属板４の例としては、板厚が０．
３〜１．６mm、幅が１０００〜１２００mmのものが通常
選ばれる。この耐食性金属板４，５の材料としては、通
常チタンが用いられるが、その他の金属としてチタン合
金、ステンレス、アルミニウム、亜鉛溶融メッキ鋼板、
アルミニウム溶融メッキ鋼板などを利用してもよい。ま
た、防食樹脂ストリップ１としてはとしては、アクリル
系、エポキシ系、ブチル系、ポリオレフィン系、ビニー
ル系の合成樹脂などの有機充填材を用いることができ
る。海洋構造物の基礎として海中に植立される鋼管杭３
としては、例えば直径６００〜２０００mm、厚さ９〜２
５．４mmの鋼管が用いられる。
３〜１．６mm、幅が１０００〜１２００mmのものが通常
選ばれる。この耐食性金属板４，５の材料としては、通
常チタンが用いられるが、その他の金属としてチタン合
金、ステンレス、アルミニウム、亜鉛溶融メッキ鋼板、
アルミニウム溶融メッキ鋼板などを利用してもよい。ま
た、防食樹脂ストリップ１としてはとしては、アクリル
系、エポキシ系、ブチル系、ポリオレフィン系、ビニー
ル系の合成樹脂などの有機充填材を用いることができ
る。海洋構造物の基礎として海中に植立される鋼管杭３
としては、例えば直径６００〜２０００mm、厚さ９〜２
５．４mmの鋼管が用いられる。
【００１２】このようにして、コイル６，８に巻かれた
チタン板４とチタン帯板５を同時に鋼管３にスパイラル
状に巻き付けることで、帯板５はチタン板４の内側に円
滑に介装でき、溶接時の裏当て金としての作用をする。
なお、上記実施例ではチタン帯板５をチタン板４ととも
に鋼管杭３に巻き付ける例について説明したが、このチ
タン帯板５をチタン板４とは別に、防食樹脂塗布済み鋼
管杭３表面に予め所定の間隔をおいて（すなわち、防食
樹脂１の間隔Ｗの部分）巻き付け、抵抗シーム溶接をし
ておいて、後にチタン板４を上記と同様の要領で鋼管杭
３表面に端縁部が重合するよう巻き付け、抵抗シーム溶
接にして帯板のチタン帯板５と接合させるようにしても
よい。さらに、本発明においては、チタン帯板を使用せ
ず、スパイラル状に巻回したチタン板４の端縁を重ね、
この部分と鋼管杭と直接抵抗シーム溶接してもよい。
チタン板４とチタン帯板５を同時に鋼管３にスパイラル
状に巻き付けることで、帯板５はチタン板４の内側に円
滑に介装でき、溶接時の裏当て金としての作用をする。
なお、上記実施例ではチタン帯板５をチタン板４ととも
に鋼管杭３に巻き付ける例について説明したが、このチ
タン帯板５をチタン板４とは別に、防食樹脂塗布済み鋼
管杭３表面に予め所定の間隔をおいて（すなわち、防食
樹脂１の間隔Ｗの部分）巻き付け、抵抗シーム溶接をし
ておいて、後にチタン板４を上記と同様の要領で鋼管杭
３表面に端縁部が重合するよう巻き付け、抵抗シーム溶
接にして帯板のチタン帯板５と接合させるようにしても
よい。さらに、本発明においては、チタン帯板を使用せ
ず、スパイラル状に巻回したチタン板４の端縁を重ね、
この部分と鋼管杭と直接抵抗シーム溶接してもよい。
【００１３】上記抵抗シーム溶接は、例えば溶接電流
７．２ＫＡ、加圧力２００kg、溶接速度１００cm／分で
Ｔｉ−Ｔｉ並びにＦｅ−Ｔｉの重ね溶接を行なうことが
できる。また本抵抗シーム溶接機は、ブームウエルダー
１２ａの先端下部にブームウエルダー先端圧力保持ロー
ラー１２ｂを設置することにより、給電ローラに高い加
圧力を安定して加えることができ、またトランスと給電
ローラの二次側ケーブルが短くなり電流低減が少なくて
すみ良好な溶接を行なうことができる。
７．２ＫＡ、加圧力２００kg、溶接速度１００cm／分で
Ｔｉ−Ｔｉ並びにＦｅ−Ｔｉの重ね溶接を行なうことが
できる。また本抵抗シーム溶接機は、ブームウエルダー
１２ａの先端下部にブームウエルダー先端圧力保持ロー
ラー１２ｂを設置することにより、給電ローラに高い加
圧力を安定して加えることができ、またトランスと給電
ローラの二次側ケーブルが短くなり電流低減が少なくて
すみ良好な溶接を行なうことができる。
【００１４】このように上記した実施例では、予めチタ
ン帯板５と抵抗シーム溶接してあるチタン板４は、巻き
付けロール１０を介して鋼管３との間には１０kg／cm2
以上の張力をかけながら巻き付け、チタン板４の端部４
ｂ及びチタン帯板の端縁５ｂの重合部分と鋼管杭３とを
加圧しながら抵抗シーム溶接が行われるのであるが、鋼
管杭とチタンとを抵抗溶接を行う場合、Ｔｉ−Ｆｅの直
接溶接であり、接合部の溶融金属中にＦｅＴｉ＋Ｆｅ2
ＴｉやＴｉ3 ＦｅおよびＴｉＣ等の化合物が生成する。
しかし、溶融金属中のこれらの化合物は抵抗溶接時に加
える加圧調整（好ましくは２００kg／cm2 以上）と高い
溶接電流により、板間にチリとして放散せしめて極めて
有用なＴｉ−Ｆｅの溶接が行なわれ、そのため優れた接
合特性と防食機能を備えた溶接チタンクラッド鋼管杭を
得ることが可能となった。さらに、本発明の方法によれ
ば、大気中での作業が可能なため、耐食性金属の接合時
に雰囲気制御などの制約条件が少ない。
ン帯板５と抵抗シーム溶接してあるチタン板４は、巻き
付けロール１０を介して鋼管３との間には１０kg／cm2
以上の張力をかけながら巻き付け、チタン板４の端部４
ｂ及びチタン帯板の端縁５ｂの重合部分と鋼管杭３とを
加圧しながら抵抗シーム溶接が行われるのであるが、鋼
管杭とチタンとを抵抗溶接を行う場合、Ｔｉ−Ｆｅの直
接溶接であり、接合部の溶融金属中にＦｅＴｉ＋Ｆｅ2
ＴｉやＴｉ3 ＦｅおよびＴｉＣ等の化合物が生成する。
しかし、溶融金属中のこれらの化合物は抵抗溶接時に加
える加圧調整（好ましくは２００kg／cm2 以上）と高い
溶接電流により、板間にチリとして放散せしめて極めて
有用なＴｉ−Ｆｅの溶接が行なわれ、そのため優れた接
合特性と防食機能を備えた溶接チタンクラッド鋼管杭を
得ることが可能となった。さらに、本発明の方法によれ
ば、大気中での作業が可能なため、耐食性金属の接合時
に雰囲気制御などの制約条件が少ない。
【００１５】なお、このようにして得られたチタンシー
ム溶接部の引張り試験を行なった結果、引張り強さは１
５０〜２００kgf/mm2 であり、十分な接合強度が確認さ
れた。また、Ｔｉ−Ｆｅ溶接部も引張り強さは５０〜６
０kgf/mm2 であり、十分な接合強度が確認された。な
お、本発明は上記実施例に限らず、その他この発明の要
旨を変更しない範囲で種々変更しうること勿論である。
ム溶接部の引張り試験を行なった結果、引張り強さは１
５０〜２００kgf/mm2 であり、十分な接合強度が確認さ
れた。また、Ｔｉ−Ｆｅ溶接部も引張り強さは５０〜６
０kgf/mm2 であり、十分な接合強度が確認された。な
お、本発明は上記実施例に限らず、その他この発明の要
旨を変更しない範囲で種々変更しうること勿論である。
【００１６】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の製造方法に
よれば、防食性樹脂を効率良く塗布すると共に、塗布さ
れた樹脂に邪魔されることなく耐食性金属板を確実に接
合被覆した防食鋼管杭を得ることができる。
よれば、防食性樹脂を効率良く塗布すると共に、塗布さ
れた樹脂に邪魔されることなく耐食性金属板を確実に接
合被覆した防食鋼管杭を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の１実施例に係わる金属被覆防食鋼管の
製造方法を説明する斜視図。
製造方法を説明する斜視図。
【図２】金属被覆防食鋼管の接合部の一部を示す断面
図。
図。
【図３】従来の金属被覆防食鋼管の接合部の一部を示す
断面図。
断面図。
１…防食樹脂ストリップ ２…容器 ３…鋼管 ４…耐食性金属板（チタン板） ５…帯板の耐食性金属板（チタン帯板） ６…チタン板コイル ８…チタン帯板コイル ９…回転ロール １０…巻き付けロール １１…抵抗シーム溶接機 １２…抵抗シーム溶接機 １２ａ…ブームウェルダー
フロントページの続き (72)発明者 足立 忠美 東京都中央区築地三丁目５番４号 日鐵溶 接工業株式会社内 (72)発明者 深野 真司 東京都中央区築地三丁目５番４号 日鐵溶 接工業株式会社内 (72)発明者 松岡 和巳 千葉県富津市新富20−１ 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 後藤 信弘 千葉県富津市新富20−１ 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 金井 久 東京都千代田区大手町２−６−３ 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 赤坂 正芳 東京都千代田区大手町２−６−３ 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 高橋 康雄 東京都千代田区大手町２−６−３ 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 木下 和宏 東京都千代田区大手町２−６−３ 新日本 製鐵株式会社内
Claims (2)
- 【請求項１】 鋼管杭と耐食性金属板とを抵抗シーム溶
接するに際し、鋼管杭表面に、前記耐食性金属板より幅
狭の防食樹脂を非塗布部となる間隔をあけて予め塗装な
いし貼付し、その後、鋼管杭に耐食性金属板を巻き付
け、この防食樹脂非塗布部で耐食性金属板と鋼管杭とを
圧力を加えつつ抵抗シーム溶接することを特徴とする防
食鋼管杭の製造方法。 - 【請求項２】 鋼管杭と耐食性金属板とを抵抗シーム溶
接するに際し、鋼管杭表面に、前記耐食性金属板より幅
狭の防食樹脂を非塗布部となる間隔をあけて予めスパイ
ラル状に塗装ないし貼付すると共に、その後段で鋼管杭
に耐食性金属板をスパイラル状に巻き付け、この防食樹
脂非塗布部で耐食性金属板と鋼管杭とを圧力を加えつつ
抵抗シーム溶接することを特徴とする防食鋼管杭の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28394395A JPH09122744A (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 防食鋼管杭の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28394395A JPH09122744A (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 防食鋼管杭の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09122744A true JPH09122744A (ja) | 1997-05-13 |
Family
ID=17672237
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28394395A Withdrawn JPH09122744A (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 防食鋼管杭の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09122744A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009520604A (ja) * | 2005-12-23 | 2009-05-28 | アイティーアイ・スコットランド・リミテッド | らせん形に巻かれた構造体を形成するための装置および方法 |
| JP2013007711A (ja) * | 2011-06-27 | 2013-01-10 | Ihi Corp | 放射性廃棄物処分容器、その製造方法及びその容器を用いた放射性廃棄物の封入方法 |
| CN108161224A (zh) * | 2017-12-25 | 2018-06-15 | 常州天正智能装备有限公司 | 用于矿用液压支架立柱的激光包覆焊工艺 |
| CN108161365A (zh) * | 2018-01-08 | 2018-06-15 | 浙江雷尼摩申精密机械有限公司 | 精密薄壁卷制焊接金属管的制备方法 |
| CN115139022A (zh) * | 2022-08-29 | 2022-10-04 | 南通泰胜蓝岛海洋工程有限公司 | 一种用于钻井平台桩腿的齿条板与半圆板的焊接工艺 |
-
1995
- 1995-10-31 JP JP28394395A patent/JPH09122744A/ja not_active Withdrawn
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2013007711A (ja) * | 2011-06-27 | 2013-01-10 | Ihi Corp | 放射性廃棄物処分容器、その製造方法及びその容器を用いた放射性廃棄物の封入方法 |
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| CN115139022A (zh) * | 2022-08-29 | 2022-10-04 | 南通泰胜蓝岛海洋工程有限公司 | 一种用于钻井平台桩腿的齿条板与半圆板的焊接工艺 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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