JP4802132B2 - 防食鋼管抗およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、防食鋼管抗およびその製造方法に関し、詳しくは、海洋の桟橋などで使用される防食鋼管抗であって、主として飛沫帯や干満帯の超長期防食を目的として有機樹脂被覆を施し、この有機樹脂被覆の表面をチタン等の高耐食金属板で被覆して防食性能を高めた防食鋼管抗およびその製造方法に関する。
従来、樹脂被覆層および金属被覆層を有した防食鋼管抗が海洋の桟橋などで使用されている。この防食鋼管抗は、高耐食金属板で金属被覆層を構成することで、樹脂被覆層に対して環境遮断性および耐衝撃性を付与し、これにより鋼管抗の超長期耐久性と高耐衝撃性とを実現しようとするものである。
このような防食鋼管抗としては、スパイラル状に溶接形成した高耐食金属の鞘管に鋼管を挿入し、鋼管と鞘管との隙間に樹脂を充填して製造されるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、鋼管杭に樹脂を被覆して樹脂被複層を形成してから、樹脂被複層の表面に接着用樹脂を塗布した後、接着用樹脂が未硬化のうちに所要枚数の高耐食金属板を互いに所定幅ずつラップさせて貼り付け、接着用樹脂が硬化した後に高耐食金属板のラップ部をシーム溶接して製造される防食鋼管抗も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−122742号公報 特開2002−54766号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載された従来の防食鋼管抗では、鋼管と鞘管との隙間管理が困難で、充填する樹脂の膜厚が不均一になりやすく未充填部ができるなど、樹脂の確実な充填が困難であり、品質確保が難しいという問題がある。また、鋼管と鞘管との隙間管理を容易にするために隙間を大きく設定すると、樹脂が大量に必要となってしまい材料コストが増大してしまうこととなる。
一方、前記特許文献2に記載された従来の防食鋼管抗では、特許文献1の防食鋼管抗と比較して、樹脂被複層の膜厚が均一にできることから材料コストの増大が防止できるものの、未硬化の接着剤の上に高耐食金属板を設置することが困難であり、製造作業の作業性が低下してしまうという問題がある。すなわち、接着用樹脂を所要の厚さ(例えば、0.1〜10mmの範囲で調整)に塗布しても、金属板を貼り付ける際に末硬化の接着用樹脂が変形して接着層の層厚が変動してしまったり、あるいは金属板がずれてしまうことがある。特に、鋼管径が大きいときには金属板が多数必要になるため、位置合わせが一層困難となって作業効率が悪化してしまう。
また、特許文献2の防食鋼管抗では、高耐食金属板のラップ部を溶接(例えば、シーム溶接)する際、入熱により樹脂被複層や接着用樹脂が変形したり損傷したりする可能性がある。その場合には、溶接中の金属板が変形することにより、金属板同士の接触面積が大きくなって接触抵抗が低下し、溶け込みが不十分となる可能性があり(シーム溶接は抵抗溶接のため)、金属被覆層の溶接の品質が低下し波浪などにより溶接部から破壊しやすくなってしまう。また、溶接熱により樹脂被複層まで変形、損傷した場合には、防食層が劣化して防食耐久性が低下する可能性もある。さらには、溶接熱により樹脂被複層や接着用樹脂が変形して金属板との間に隙間ができると、この隙間が水道となって、接着剤と金属板あるいは樹脂被複層との接着力が早期に低下するなど防食耐久性が低下する可能性もある。
本発明の目的は、高耐食金属被覆を用いることで超長期耐久性および優れた耐衝撃性等の品質が確保できるとともに、低コストかつ高生産効率で製造できる防食鋼管抗およびその製造方法を提供することにある。
本発明の防食鋼管抗は、鋼管抗本体と、この鋼管抗本体の軸方向所定領域の外周面に被覆された樹脂からなる樹脂被覆層と、この樹脂被覆層の外面に接着層を介して巻き付け固定された高耐食金属板を有した金属被覆層とを備えた防食鋼管抗であって、前記金属被覆層は、前記高耐食金属板と、前記高耐食金属板における前記樹脂被覆層への巻き付け始端部から周方向に所定距離だけずれて位置しかつ前記鋼管抗本体の軸方向に沿って延びる第1厚板部と、前記高耐食金属板における巻き付け終端部の近傍に位置しかつ前記鋼管抗本体の軸方向に沿って延びる第2厚板部と、前記第1厚板部よりも前記始端部側に前記終端部が位置した状態で前記始端部の外面に前記終端部側の前記高耐食金属板を重ねた重複部と、前記第1厚板部および第2厚板部の外面に跨って設けられかつ前記鋼管抗本体の軸方向に沿って延びる接合帯板とを有して構成され、前記高耐食金属板の終端部側に向かう巻き付け方向に沿って前記第2厚板部、終端部、第1厚板部の順で設けられ、前記鋼管杭本体の径方向における前記終端部の外側を前記接合帯板が覆って設けられるとともに、当該接合帯板の両端部と前記第1厚板部および第2厚板部とが溶接接合されたことを特徴とする。
以上の本発明によれば、鋼管抗本体の外周に樹脂被覆層を形成してから、その外面に接着層を介して巻き付け固定した高耐食金属板で金属被覆層を形成すればよいので、樹脂被覆層を所定の層厚に形成して防食耐久性を確保しつつ、樹脂の材料コストの増加を防止して低コストで製造することができる。
また、高耐食金属板を巻き付けて金属被覆層を形成することで、接着層と金属板とのずれが防止できるとともに、高耐食金属板の位置合わせが容易にでき、高耐食金属板の設置の作業性を良好にして生産効率を向上させることができる。さらに、高耐食金属板に第1厚板部および第2厚板部を設けておき、これらの第1厚板部および第2厚板部に接合帯板を溶接接合して金属被覆層を形成する。これにより、接着層や樹脂被覆層への溶接熱の入熱を抑制して熱による接着層や樹脂被覆層の変形、破損が防止でき、高耐食金属板と接合帯板との溶接品質を確保することができるとともに、接着層と金属板あるいは樹脂被複層との接着力も確保することができる。
従って、樹脂被覆層、接着層および金属被覆層それぞれを高品質に形成することができ、超長期耐久性が確保されかつ耐衝撃性に優れた防食鋼管抗が実現できる。
この際、本発明の防食鋼管抗では、前記高耐食金属板は、前記鋼管抗本体の軸方向に沿って長尺な複数の金属板の長手端縁同士を互いに溶接接合して構成されることが好ましい。
このような構成によれば、複数の金属板同士を予め溶接接合して所要サイズの1枚の高耐食金属板を製作することで、低コストで高耐食金属板を生産効率よく製造し、金属被覆層の品質を向上させることができる。すなわち、高耐食金属板のサイズとしては、防食鋼管抗の飛沫帯や干満帯に対応した軸方向の長さ寸法Lと、周方向の幅寸法Wとが必要とされるが、高耐食金属板を圧延製造する際の幅寸法W’が限定されるために、製造幅寸法W’が長さ寸法Lおよび幅寸法Wのいずれよりも小さい場合には、1枚の金属板から高耐食金属板を構成することが困難となる。ここで、製造幅寸法W’を任意に大きくすることが可能な圧延製造装置を用いて高耐食金属板を製造することも考えられるが、このような製造装置では、装置コストが増加してしまうという問題が生じる。このため、必要とされる周方向の幅寸法Wを所定数に分割した寸法が製造幅寸法よりも小さくなるように設定し、分割した複数の金属板同士を接合することで、各種径寸法の鋼管に対応した幅寸法Wを有した高耐食金属板を低コストに製造することができる。
また、複数の金属板同士を溶接接合した溶接線の方向を鋼管抗本体の軸方向に平行としたことで、高耐食金属板の巻きつけが容易にできるとともに、巻き付けの際に溶接部分に過大な応力が生じず、巻き付け後の高耐食金属板の品質を確保することができる。
また、本発明の防食鋼管抗では、前記第1厚板部および第2厚板部は、それぞれ前記高耐食金属板の内周面に固定された第1バックアップ材および第2バックアップ材を含んで構成されることが好ましい。
ここで、第1バックアップ材および第2バックアップ材を高耐食金属板に固定する手段としては、溶接や粘着テープ、接着剤等の適宜な手段が利用可能である。
この際、溶接や粘着テープや接着剤によって前記第1バックアップ材および第2バックアップ材を前記高耐食金属板の内周面に固定する際には、高耐食金属板との間に、金属板巻き付けの際に接着剤が入らないように、鋼管の軸方向に沿って2列でシールするように固定することが好ましい。さらに、2列で固定する場合には、1列を連続溶接し、他の1列を粘着テープなどによって固定すると巻きつけ時に高耐食金属板のスプリングバックが小さくなるので高耐食金属板を巻き付けしやすいのでさらに好ましい。
また、第1バックアップ材および第2バックアップ材としては、高耐食金属板と同種の金属材料から構成されたものでもよく、また異種の材料から構成されたものでもよいが、防食上は同種の材料を用いて第1バックアップ材および第2バックアップ材を構成することが好ましい、すなわち同種の材料を用いれば、異種金属接触腐食を防止することができる。一方、バックアップ材に高耐食金属板と異種の材料を用いる場合は、設置される環境(海洋環境)において高耐食金属板より卑な電位を示し、かつ高耐食金属板との電位差が小さい材料を用いるのが好ましい。
このような構成によれば、高耐食金属板の内周面、すなわち接着層および樹脂被覆層の側に第1バックアップ材および第2バックアップ材を設けたことで、接合帯板を溶接接合する際の溶接熱が分散され、接着層および樹脂被覆層に対する溶接熱の影響を軽減することができる。
さらに、本発明の防食鋼管抗では、前記第1厚板部および第2厚板部と前記接合帯板とがシーム溶接で接合されることが好ましい。
このような構成によれば、鋼管本体の軸方向に沿った長尺の接合帯板を第1厚板部および第2厚板部に対して連続的にシーム溶接することができ、溶接品質を確保しつつコストを低減することができる。さらに、樹脂被覆層および接着層に重なった高耐食金属板の外面側からシーム溶接する際に、第1厚板部および第2厚板部を設けたことで、電気抵抗値が安定するため溶接品質(ピール強度)を向上させることができる。また、連続的にシーム溶接することで溶接部からの腐食因子の侵入を防止することができる。さらにまた、シーム溶接によれば、アーク溶接よりも低コストで溶接できるほか、前記接着層や前記樹脂被覆層等の樹脂への入熱を抑制することができる。
また、本発明の防食鋼管抗では、前記接合帯板の内面と前記高耐食金属板の外面との間に樹脂が充填されることが好ましい。
さらに、本発明の防食鋼管抗では、前記高耐食金属板の上端縁と前記樹脂被覆層との間、および前記高耐食金属板の下端縁と前記樹脂被覆層との間のうち、少なくとも一方が樹脂でシールされることが好ましい。
このような構成によれば、接合帯板を溶接接合した後に接合帯板の内面と高耐食金属板の外面とに隙間ができたり、高耐食金属板の上端縁および下端縁の少なくとも一方と樹脂被覆層とに隙間ができたりしても、これらの隙間を樹脂で塞ぐことで、海水の浸入を防止することができ、耐食性を向上させることができる。
そして、本発明の防食鋼管抗では、前記高耐食金属板がチタンまたは耐海水ステンレス鋼からなることが好ましい。
このような構成によれば、高耐食金属板により前記接着層や前記樹脂被覆層の耐食性を高めて防食鋼管抗の超長期耐久性や高耐衝撃性を確保することができる。
一方、本発明の防食鋼管抗の製造方法は、鋼管抗本体と、この鋼管抗本体の軸方向所定領域の外周面に被覆された樹脂からなる樹脂被覆層と、この樹脂被覆層の外面に接着層を介して巻き付け固定された高耐食金属板からなる金属被覆層とを備えた防食鋼管抗の製造方法であって、前記鋼管抗本体の外周面に樹脂被覆層を被覆するとともに、前記高耐食金属板における前記樹脂被覆層への巻き付け始端部から周方向に所定距離だけずれた位置に前記鋼管抗本体の軸方向に沿って延びる第1厚板部を形成し、前記高耐食金属板における巻き付け終端部の近傍位置に前記鋼管抗本体の軸方向に沿って延びる第2厚板部を形成しておき、前記高耐食金属板の始端部を前記樹脂被覆層外面の所定位置に位置決めしてから、これらの高耐食金属板と樹脂被覆層との間に樹脂接着剤を充填しつつ前記高耐食金属板を前記樹脂被覆層の外面に巻き付け、前記第1厚板部よりも前記始端部側に前記終端部が位置した状態で前記始端部の外面に前記終端部側の高耐食金属板を重ね、当該高耐食金属板の終端部側に向かう巻き付け方向に沿って前記第2厚板部、終端部、第1厚板部の順で配置しておき、前記鋼管抗本体の軸方向に沿って延びる接合帯板を前記第1厚板部および第2厚板部の外面に跨って配置し、前記鋼管杭本体の径方向における前記終端部の外側を前記接合帯板で覆うとともに、当該接合帯板の両端部と前記第1厚板部および第2厚板部とを溶接接合することを特徴とする。
以上の本発明によれば、鋼管抗本体の外周に樹脂被覆層を形成してから、その外面に接着層を介して高耐食金属板を巻き付けて金属被覆層を形成することで、樹脂被覆層を所定の層厚に形成して防食耐久性を確保しつつ、樹脂の材料コストの増加を防止して低コストで製造することができる。
また、高耐食金属板を巻き付けて金属被覆層を形成することで、接着層と金属板とのずれが防止できるとともに、高耐食金属板の位置合わせが容易にでき、高耐食金属板の設置の作業性を良好にして生産効率を向上させることができる。さらに、高耐食金属板の第1厚板部および第2厚板部に接合帯板を溶接接合することで、接着層や樹脂被覆層への溶接熱の入熱を抑制し、熱による接着層や樹脂被覆層の変形、破損が防止でき、高耐食金属板と接合帯板との溶接品質を確保することができるとともに、接着層と金属板あるいは樹脂被複層との接着力も確保することができる。
従って、樹脂被覆層、接着層および金属被覆層それぞれを高品質に形成することができ、これにより超長期耐久性が確保されかつ耐衝撃性に優れた防食鋼管抗を製造することができる。
この際、本発明の防食鋼管抗の製造方法では、前記鋼管抗本体を回転可能に支持する回転支持手段と、この回転支持手段で支持された前記鋼管抗本体に対して所定の間隔を保持した状態で前記高耐食金属板を押圧する押圧手段とを有した製造装置を用い、前記回転支持手段により前記鋼管抗本体を回転させて前記高耐食金属板を前記樹脂被覆層の外面に巻き付けるとともに、前記押圧手段により前記高耐食金属板を前記樹脂被覆層に向かって押圧しつつ当該高耐食金属板と樹脂被覆層との間隔を保持し、この間隔に前記樹脂接着剤を充填することが好ましい。
このような構成によれば、鋼管抗本体を回転させて高耐食金属板を巻き付けることで、巻き付け作業の効率化を図り、生産性を高めることができる。さらに、押圧手段により高耐食金属板と樹脂被覆層との間隔を保持した状態で、この間隔部分に樹脂接着剤を充填することで、接着層の層厚を均一にすることができるとともに、高耐食金属板と樹脂被覆層との安定した接着力を得ることができる。
また、本発明の防食鋼管抗の製造方法では、前記高耐食金属板の終端部側が始端部の外面に重なるまで当該高耐食金属板を巻き付けてから、前記樹脂接着剤による所定の接着強度が得られるまで前記押圧手段で前記終端部を押圧した後に、前記接合帯板と前記第1厚板部および第2厚板部とを溶接接合することが好ましい。
このような構成によれば、樹脂接着剤による所定の接着強度が得られるまで押圧手段で高耐食金属板の終端部を押圧することで、高耐食金属板のずれを防止するとともに接着力を安定させることができ、高耐食金属板と樹脂被覆層とを確実に接着させて高品質な防食鋼管抗を製造することができる。
以上のような本発明の防食鋼管抗および防食鋼管抗の製造方法によれば、高耐食金属被覆を用いることで超長期耐久性および優れた耐衝撃性等の品質が確保できるとともに、低コストかつ高生産効率で防食鋼管抗を製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の防食鋼管抗を示す一部を断面した斜視図である。図2は、防食鋼管抗を示す断面図である。図3(A),(B)は、それぞれ防食鋼管抗の高耐食金属板を示す断面図および正面図である。
図1〜図3において、本発明の防食鋼管抗1は、鋼管抗本体2と、この鋼管抗本体2の軸方向所定領域の外周面に被覆された樹脂からなる樹脂被覆層3と、この樹脂被覆層3の外面に接着層4を介して巻き付け固定された高耐食金属板51を有した金属被覆層5とを備えて構成されている。この防食鋼管抗1は、海洋の桟橋などで使用されるものであって、主として海面近傍の飛沫帯や干満帯を所定領域として、樹脂被覆層3および金属被覆層5が設けられている。樹脂被覆層3は、ポリエチレンやウレタン樹脂、ポリプロピレン等の防食性に優れた樹脂から構成され、高耐食金属板51は、チタンや耐海水ステンレス鋼(例えばSUS316、SUS317、SUS317にCu、N等を添加して耐孔食性等を改善したステンレス鋼など)の高耐食金属から構成されている。
金属被覆層5は、図2、図3に示すように、複数の金属板52を互いに溶接接合して形成した高耐食金属板51と、この高耐食金属板51における巻き付け始端部53から周方向に所定距離だけずれて固定された第1バックアップ材55と、高耐食金属板51における巻き付け終端部54の近傍に固定された第2バックアップ材56とを有して構成されている。これらの第1バックアップ材55および第2バックアップ材56は、それぞれ鋼管抗本体2の軸方向に沿って延びて形成されるとともに、高耐食金属板51の内周面に溶接固定されており、これらの高耐食金属板51と第1バックアップ材55および第2バックアップ材56とによって、第1厚板部および第2厚板部が構成されている。
さらに、金属被覆層5は、始端部53の外面に終端部54側の高耐食金属板51を重ねた重複部57と、第1バックアップ材55および第2バックアップ材56位置の高耐食金属板51外面に跨って設けられた接合帯板58とを有して構成されている。重複部57は、第1バックアップ材55よりも始端部53側に終端部54および第2バックアップ材56が位置して構成されており、これらの第1バックアップ材55および第2バックアップ材56と反対側の高耐食金属板51に接合帯板58が溶接接合されている。この接合帯板58は、高耐食金属板51と同等の高耐食金属から鋼管抗本体2の軸方向に沿って延びた長尺状に形成されるとともに、その長手方向に沿った両端部が高耐食金属板51に溶接接合されている。
高耐食金属板51は、図3に示すように、4枚の金属板52を互いに溶接接合して構成され、鋼管抗本体2の軸方向に沿った長さ寸法Lと、樹脂被覆層3の外面に沿った鋼管抗本体2の外周よりも所定寸法だけ長い幅寸法Wとを有して全体矩形に形成された大板である。4枚の金属板52は、圧延製造された板材を切断加工したもので鋼管抗本体2の軸方向に沿って長尺矩形状に形成され、個々の金属板52の短辺方向の幅寸法は、圧延製造装置の製造可能幅寸法以下に設定されている。また、金属板52は、その長手方向に沿った互いの側端縁同士が溶接接合されて一体化されている。この金属板52同士を接合する溶接方法としては、Tig溶接や抵抗シーム溶接、レーザー溶接などが使用できるが、ここでは抵抗シーム溶接が用いられている。このような金属板52の長手方向が鋼管抗本体2の軸方向に沿うように高耐食金属板51を巻き付けることで、図1に示すように、溶接線Bが鋼管抗本体2の軸方向と平行になるように構成されている。
以上の高耐食金属板51としては、直径が1200mm、杭長30mの鋼管抗本体2を用い、樹脂被覆層3の被覆長が4200mm、層厚が2.5mm、接着層4の層厚が1.5mm以上に設定した場合に、以下のような各部寸法が例示できる。すなわち、高耐食金属板51の板厚寸法が0.6mm、長さ寸法Lが3000mm、幅寸法Wが3970mmのものが例示できる。この際、4枚の金属板52は、それぞれ幅寸法が1000mmのもので、各々の長手方向端縁同士を10mmずつラップさせて、このラップ部分がシーム溶接されて一体に接合されている。また、第1バックアップ材55は、幅寸法が100mmの板材からなり高耐食金属板51の始端部53から150mmだけ内方側に寄った位置にシーム溶接により固定されている。さらに、第2バックアップ材56は、幅寸法が100mmの板材からなり高耐食金属板51の終端部54に揃えた位置に、それぞれ高耐食金属板51にシーム溶接により固定されている。
なお、以上の各部寸法は、一例を示したにすぎず、樹脂被覆層3や接着層4の層厚、高耐食金属板51の板厚等は、設計条件に応じて適宜設定可能である。すなわち、高耐食金属板51の板厚としては、0.1mm以上1.0mm以下の範囲で設定されていることが経済性や製造しやすさや耐衝撃性の点で好ましい。
次に、前記防食鋼管抗1の製造方法について、図4〜図10に基づいて説明する。
図4は、防食鋼管抗1の製造装置を示す斜視図である。図5〜図10は、防食鋼管抗1の製造手順を示す断面図である。
本実施形態において、防食鋼管抗1は、鋼管抗本体2を回転可能に支持する回転支持手段としての4つの回転用ロールR1と、この回転用ロールR1で支持された鋼管抗本体2に対して所定の間隔を保持した状態で高耐食金属板51を押圧する押圧手段としての押圧用ロールR2とを有した製造装置を用いて製造される。押圧用ロールR2は、一対のスペーサSを備え、このスペーサSによって鋼管抗本体2に対する所定の間隔が保持できるように構成されている。さらに、製造装置には、樹脂被覆層3と高耐食金属板51との間に接着層4を構成するウレタン樹脂やエポキシ樹脂などの樹脂接着剤4’を充填する充填装置(スプレーやスリットノズルなど、図示略)や、高耐食金属板51に接合帯板58を抵抗シーム溶接するための溶接装置SW(図9)等が設けられている。
防食鋼管抗1の製造手順としては、先ず、鋼管抗本体2の外周面にポリエチレンやウレタン樹脂を被覆して樹脂被覆層3を形成しておくとともに、前述の図3に示した高耐食金属板51を製造しておく。すなわち、複数(4枚)の金属板52を互いに溶接接合して高耐食金属板51を形成するとともに、この高耐食金属板51の所定位置に、第1バックアップ材55を溶接固定して第1厚板部を形成し、第2バックアップ材56を溶接固定して第2厚板部を形成しておく。そして、図5に示すように、樹脂被覆層3が形成された鋼管抗本体2を回転用ロールR1上にセットするとともに、樹脂被覆層3表面の適宜な位置に高耐食金属板51の始端部53を仮止めするための仮止め部材59を接着剤等の固定手段により固定しておく。
次に、図6に示すように、高耐食金属板51の始端部53を仮止め部材59に仮止め溶接や接着剤などによって仮止めしてから、回転用ロールR1を巻き付け方向に回転させて高耐食金属板51を鋼管抗本体2に一旦巻き付け、高耐食金属板51が環状の形になりやすいようにする。その後、回転用ロールR1を巻き付け方向と逆に回転させて高耐食金属板51の始端部53が初期位置になるように位置合わせする。
次に、図7、8に示すように、高耐食金属板51と樹脂被覆層3との間に充填装置から樹脂接着剤4’を充填しつつ、回転用ロールR1を巻き付け方向に回転させて高耐食金属板51を鋼管抗本体2に巻き付ける。この際、高耐食金属板51の外面側から押圧用ロールR2を押し付けるとともに、スペーサSを鋼管抗本体2に当接させることで、高耐食金属板51と樹脂被覆層3との間隔、つまり樹脂接着剤4’により形成される接着層4の層厚を、所定寸法に保持した状態で高耐食金属板51の巻き付けを連続的に実施する。そして、高耐食金属板51の終端部54が始端部53側の外面に重なる位置まで巻き付け終わったら、樹脂接着剤4’に所定の接着強度が得られるまでの期間(数分〜数十分程度)、押圧用ロールR2を終端部54に押し付けておき、高耐食金属板51の巻き付け状態を維持させる。
樹脂接着剤4’に所定の接着強度が得られた後に、図9に示すように、高耐食金属板51の終端部54が上になるように回転用ロールR1を回転させてから、終端部54表面と、この終端部54に隣接する第1バックアップ材55位置と反対側の高耐食金属板51表面と、に跨って接合帯板58をセットする。この際、接合帯板58を適宜な接着剤やスポット溶接などで仮止めしてから、先ず、溶接装置SWの溶接側電極輪SW1を接合帯板58の表面で、かつ第1バックアップ材55の上側に設置し、アース側電極輪SW2を高耐食金属板51の表面に設置し、接合帯板58の長手方向に沿った一方の端部を高耐食金属板51に溶接接合する。次いで、溶接装置SWの溶接側電極輪SW1を接合帯板58の表面で、かつ第2バックアップ材55の上側に設置し、アース側電極輪SW2を高耐食金属板51の表面に設置し、接合帯板58の長手方向に沿った他方の端部を高耐食金属板51に溶接接合する。なお、接合帯板58の両端部を高耐食金属板51に溶接接合する手順としては、上述した手順に限らず、逆の手順でもよいし、一方および他方の端部を同時に溶接してもよい。この後、接合帯板58と高耐食金属板51との隙間に樹脂接着剤4’と同一の樹脂を充填するとともに、図10に示すように、高耐食金属板51の下端縁と樹脂被覆層3との間を樹脂接着剤4’と同一の樹脂でシールしてシール部6を形成する。なお、図示を省略するが、高耐食金属板51の上端縁においても下端縁と同様に、当該上端縁と樹脂被覆層3との間をシール部6でシールすることが好ましい。
以上の本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)すなわち、鋼管抗本体2の外周に樹脂被覆層3を形成してから、その外面に接着層4を介して巻き付け固定した高耐食金属板51で金属被覆層5を形成したので、樹脂被覆層3を所定の層厚に形成することができ、防食耐久性を確保しつつ、樹脂被覆層3の樹脂を節約して材料コストの増加を防止することができる。
(2)また、高耐食金属板51を巻き付けて金属被覆層5を形成したので、接着層4と高耐食金属板51とのずれが防止できるとともに、高耐食金属板51の位置合わせが容易にでき、高耐食金属板51の設置の作業性を良好にして生産効率を向上させることができる。
(3)さらに、高耐食金属板51に第1バックアップ材55および第2バックアップ材56を設けておき、これらで形成した第1および第2の厚板部に接合帯板58を溶接接合して金属被覆層5が形成されるので、接着層4や樹脂被覆層3への溶接熱の入熱を抑制して熱による接着層4や樹脂被覆層3の変形、破損が防止できる。従って、高耐食金属板51と接合帯板58との溶接品質を確保することができるとともに、接着層4と高耐食金属板51あるいは樹脂被複層3との接着力も確保することができる。
(4)また、複数の金属板52同士を予め溶接接合して所要サイズの1枚の高耐食金属板51を製作することで、低コストで高耐食金属板51を生産効率よく製造し、金属被覆層5の品質を向上させることができる。
(5)さらに、複数の金属板52同士を溶接接合した溶接線Bの方向が鋼管抗本体2の軸方向に平行になっていることで、高耐食金属板51の巻きつけが容易にできるとともに、巻き付けの際に溶接部分に過大な応力が生じず、巻き付け後の高耐食金属板51の品質を確保することができる。
(6)また、高耐食金属板51の内周面側(接着層4の側)に第1バックアップ材55および第2バックアップ材56を設けたことで、接合帯板58を溶接接合する際の溶接熱が分散され、接着層4および樹脂被覆層3に対する溶接熱の影響を一層軽減することができる。
(7)さらに、接合帯板58を溶接接合してから接合帯板58の内面と高耐食金属板51の外面との隙間や、高耐食金属板51の上端縁および下端縁と樹脂被覆層3との間を各々樹脂製のシール部6でシールすることで、海水の浸入を防止することができ、耐食性を向上させることができる。
(8)また、回転用ロールR1によって鋼管抗本体2を回転させて高耐食金属板51を巻き付けることで、巻き付け作業の効率化を図り、生産性を高めることができる。さらに、押圧用ロールR2およびスペーサSによって高耐食金属板51と樹脂被覆層3との間隔を保持した状態で、この間隔部分に樹脂接着剤4’を充填することで、接着層4の層厚を均一にすることができ、高耐食金属板51と樹脂被覆層3との安定した接着力を得ることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、高耐食金属板51として、複数(4枚)の金属板52を互いに溶接した大板としたが、これに限らず、単一(1枚)の大板から高耐食金属板を構成してもよい。また、複数の金属板を互いに溶接して高耐食金属板を構成する場合でも、金属板の枚数は、適宜に設定することができ、2枚や3枚、あるいは5枚以上の金属板で高耐食金属板を構成してもよい。
さらに、前記実施形態では、複数の金属板52を互いに溶接して高耐食金属板51を構成する際に、鋼管抗本体2の軸方向に平行に溶接線Bが形成される方向に金属板52同士を接合したが、これに限らず、次の図11に示すように、金属板52同士を溶接する溶接線Bが鋼管抗本体2の周方向(軸方向と交差する方向)になるように金属板52同士を接合してもよい。
すなわち、図11に示す防食鋼管抗1Aにおいて、金属被覆層5Aを構成する高耐食金属板51Aは、鋼管抗本体2の周方向に長尺な金属板52を上下に3枚用い、これらの金属板52同士の上下端縁同士を溶接接合して一体化されている。そして、この高耐食金属板51Aでは、前記実施形態と相違して金属板52同士の接合方法として、Tig溶接やレーザー溶接が用いられており、前記実施形態の高耐食金属板51のように金属板52の端縁同士がラップされておらず、端縁同士を突き合わせた状態で溶接されている。このため、高耐食金属板51Aを鋼管抗本体2に巻き付ける際に溶接部分に作用する応力を抑制することができ、溶接部の品質を確保できるようになっている。
また、前記実施形態では、高耐食金属板51の内周面に第1バックアップ材55および第2バックアップ材56を溶接固定して第1厚板部および第2厚板部を構成したが、これに限らず、各厚板部としては、高耐食金属板51自身の厚さ寸法を部分的に厚く形成したものでもよく、さらには、高耐食金属板51の厚さ寸法よりも厚く形成された厚板に、高耐食金属板を突き合わせて溶接(レーザー溶接等)して形成したものでもよい。
さらに、前記実施形態では、複数の金属板52の端部をラップさせ、この端部同士をシーム溶接して高耐食金属板51を形成したが、これに限らず、複数の金属板の端縁同士を突き合わせてTig溶接やレーザー溶接等で接合したものでもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の実施形態に係る防食鋼管抗を示す一部を断面した斜視図である。 前記防食鋼管抗を示す断面図である。 (A),(B)は、それぞれ前記防食鋼管抗の高耐食金属板を示す断面図および正面図である。 前記防食鋼管抗の製造装置を示す斜視図である。 前記防食鋼管抗の製造手順を示す断面図である。 図5に続く前記防食鋼管抗の製造手順を示す断面図である。 図6に続く前記防食鋼管抗の製造手順を示す断面図である。 図7に続く前記防食鋼管抗の製造手順を示す断面図である。 図8に続く前記防食鋼管抗の製造手順を示す断面図である。 図9に続く前記防食鋼管抗の製造手順を示す断面図である。 前記実施形態の変形例に係る防食鋼管抗を示す斜視図である。
符号の説明
1,1A…防食鋼管抗、2…鋼管抗本体、3…樹脂被覆層、4…接着層、4’…樹脂接着剤、5,5A…金属被覆層、6…シール部、51,51A…高耐食金属板、52…金属板、53…始端部、54…終端部、55…第1バックアップ材、56…第2バックアップ材、57…重複部、58…接合帯板、59…仮止め部材、R1…回転支持手段としての回転用ロール、R2…押圧手段としての押圧用ロール、SW…溶接装置、SW1…溶接側電極輪、SW2…アース側電極輪。

Claims (10)

  1. 鋼管抗本体と、この鋼管抗本体の軸方向所定領域の外周面に被覆された樹脂からなる樹脂被覆層と、この樹脂被覆層の外面に接着層を介して巻き付け固定された高耐食金属板を有した金属被覆層とを備えた防食鋼管抗であって、
    前記金属被覆層は、前記高耐食金属板と、
    前記高耐食金属板における前記樹脂被覆層への巻き付け始端部から周方向に所定距離だけずれて位置しかつ前記鋼管抗本体の軸方向に沿って延びる第1厚板部と、
    前記高耐食金属板における巻き付け終端部の近傍に位置しかつ前記鋼管抗本体の軸方向に沿って延びる第2厚板部と、
    前記第1厚板部よりも前記始端部側に前記終端部が位置した状態で前記始端部の外面に前記終端部側の前記高耐食金属板を重ねた重複部と、
    前記第1厚板部および第2厚板部の外面に跨って設けられかつ前記鋼管抗本体の軸方向に沿って延びる接合帯板と
    を有して構成され
    前記高耐食金属板の終端部側に向かう巻き付け方向に沿って前記第2厚板部、終端部、第1厚板部の順で設けられ、前記鋼管杭本体の径方向における前記終端部の外側を前記接合帯板が覆って設けられるとともに、当該接合帯板の両端部と前記第1厚板部および第2厚板部とが溶接接合されたことを特徴とする防食鋼管抗。
  2. 請求項1に記載の防食鋼管抗において、
    前記高耐食金属板は、前記鋼管抗本体の軸方向に沿って長尺な複数の金属板の長手端縁同士を互いに溶接接合して構成されることを特徴とする防食鋼管抗。
  3. 請求項1または請求項2に記載の防食鋼管抗において、
    前記第1厚板部および第2厚板部は、それぞれ前記高耐食金属板の内周面に固定された第1バックアップ材および第2バックアップ材を含んで構成されることを特徴とする防食鋼管抗。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の防食鋼管抗において、
    前記第1厚板部および第2厚板部と前記接合帯板とがシーム溶接で接合されることを特徴とする防食鋼管抗。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の防食鋼管抗において、
    前記接合帯板の内面と前記高耐食金属板の外面との間に樹脂が充填されることを特徴とする防食鋼管抗。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の防食鋼管抗において、
    前記高耐食金属板の上端縁と前記樹脂被覆層との間、および前記高耐食金属板の下端縁と前記樹脂被覆層との間のうち、少なくとも一方が樹脂でシールされることを特徴とする防食鋼管抗。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の防食鋼管抗において、
    前記高耐食金属板がチタンまたは耐海水ステンレス鋼からなることを特徴とする防食鋼管抗。
  8. 鋼管抗本体と、この鋼管抗本体の軸方向所定領域の外周面に被覆された樹脂からなる樹脂被覆層と、この樹脂被覆層の外面に接着層を介して巻き付け固定された高耐食金属板からなる金属被覆層とを備えた防食鋼管抗の製造方法であって、
    前記鋼管抗本体の外周面に樹脂被覆層を被覆するとともに、
    前記高耐食金属板における前記樹脂被覆層への巻き付け始端部から周方向に所定距離だけずれた位置に前記鋼管抗本体の軸方向に沿って延びる第1厚板部を形成し、
    前記高耐食金属板における巻き付け終端部の近傍位置に前記鋼管抗本体の軸方向に沿って延びる第2厚板部を形成しておき、
    前記高耐食金属板の始端部を前記樹脂被覆層外面の所定位置に位置決めしてから、これらの高耐食金属板と樹脂被覆層との間に樹脂接着剤を充填しつつ前記高耐食金属板を前記樹脂被覆層の外面に巻き付け、
    前記第1厚板部よりも前記始端部側に前記終端部が位置した状態で前記始端部の外面に前記終端部側の高耐食金属板を重ね、当該高耐食金属板の終端部側に向かう巻き付け方向に沿って前記第2厚板部、終端部、第1厚板部の順で配置しておき、
    前記鋼管抗本体の軸方向に沿って延びる接合帯板を前記第1厚板部および第2厚板部の外面に跨って配置し、前記鋼管杭本体の径方向における前記終端部の外側を前記接合帯板で覆うとともに、当該接合帯板の両端部と前記第1厚板部および第2厚板部とを溶接接合することを特徴とする防食鋼管抗の製造方法。
  9. 請求項8に記載の防食鋼管抗の製造方法において、
    前記鋼管抗本体を回転可能に支持する回転支持手段と、この回転支持手段で支持された前記鋼管抗本体に対して所定の間隔を保持した状態で前記高耐食金属板を押圧する押圧手段とを有した製造装置を用い、
    前記回転支持手段により前記鋼管抗本体を回転させて前記高耐食金属板を前記樹脂被覆層の外面に巻き付けるとともに、前記押圧手段により前記高耐食金属板を前記樹脂被覆層に向かって押圧しつつ当該高耐食金属板と樹脂被覆層との間隔を保持し、この間隔に前記樹脂接着剤を充填することを特徴とする防食鋼管抗の製造方法。
  10. 請求項9に記載の防食鋼管抗の製造方法において、
    前記高耐食金属板の終端部側が始端部の外面に重なるまで当該高耐食金属板を巻き付けてから、前記樹脂接着剤による所定の接着強度が得られるまで前記押圧手段で前記終端部を押圧した後に、前記接合帯板と前記第1厚板部および第2厚板部とを溶接接合することを特徴とする防食鋼管抗の製造方法。
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