JP5757309B2 - エポキシ樹脂組成物、トウプリプレグ及び圧力容器 - Google Patents

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本発明は保存安定性に優れ、硬化物の靭性に優れたエポキシ樹脂組成物に関する。
自動車等の移動体に搭載する天然ガスや水素ガスの貯蔵タンクにはその軽量性からタンクライナーを強化繊維複合材料で補強した圧力容器が利用されている。使用される強化繊維としてはガラス繊維、炭素繊維等が使用できる。中でも炭素繊維は比強度が高く圧力容器軽量化のメリットが大きく、天然ガスの貯蔵タンクよりも高い耐圧性能が要求される水素ガスの貯蔵タンクに好適に使用されている。
強化繊維複合材料で補強した圧力容器は一般的にフィラメントワインディング成型(FW成形)で作製される。すなわち、FW成形とは、強化繊維束を1本、又は複数本引き揃え、その工程中でマトリックス樹脂を供給、含浸させながら、回転するタンクライナーへ所望の張力、角度で強化繊維束を巻きつけて行く成型法である。強化繊維複合材料としては、強化繊維束の代わりに予め強化繊維束に樹脂を含浸させたトウプリプレグを使用することもできる。この場合は、強化繊維束を1本、又は複数本引き揃える工程中、マトリックス樹脂の供給、含浸は行わず、回転するタンクライナーへ所望の張力、角度で巻きつけて行く。
圧力容器を補強する強化繊維複合材料におけるマトリックス樹脂としては、高物性であり、取扱が良いエポキシ樹脂組成物が一般的に使用されている。圧力容器を補強する強化繊維複合材料におけるマトリックス樹脂は、FW成形においては工程中で強化繊維束へ供給、含浸される必要がある。また、トウプリプレグを用いる場合も、トウプリプレグの解舒性、工程通過性、ドレープ性を良好にする必要がある。そのため、圧力容器を補強する強化繊維複合材料におけるマトリックス樹脂は、一般的なエポキシ樹脂組成物と比較して非常に低粘度である必要がある。上記の理由からエポキシ樹脂組成物の硬化剤としては酸無水物が広く使用されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。酸無水物は低粘度の液状の硬化剤であり、エポキシ樹脂組成物の粘度を低くすることができる。
しかし酸無水物を使用したエポキシ樹脂組成物はそのポットライフが短く、トウプリプレグの様な中間材に使用することが出来ないのは当然である。また、酸無水物を使用したエポキシ樹脂組成物をFW成形の工程中で供給した場合も、樹脂を供給するキスロールやダイ、樹脂を貯めておく樹脂バスや樹脂タンク、樹脂を送液するポンプや配管等、これらの多くの設備を小まめにメンテナンスする必要があり、生産性を大きく落とす原因となっている。
またジシアンジアミドのような固形の硬化剤を使用した場合、酸無水物と比較してポットライフが長いエポキシ樹脂組成物が得られるが、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなってしまう問題が生じる。また、さらに固形の硬化剤を使用すると強化繊維複合材料にボイドが発生しやすくなり、圧力容器の性能を低下させたりする原因となる(特許文献4)。
特開平8−219393号公報 特開2012−56980号公報 特開2012−63015号公報 特開2011−157491号公報
本発明はかかる背景に鑑み、保存安定性に優れ、かつ硬化物の靭性に優れたFW成形の様な直接成型にも、トウプレグの様な中間材にも好適に使用可能なエポキシ樹脂組成物;解舒性、工程通過性、及びドレープ性の優れたトウプリプレグ;並びに高い耐圧性能を有した圧力容器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下に関する。
[1] エポキシ樹脂組成物であって、
前記エポキシ樹脂組成物は、成分A:エポキシ樹脂、成分B:三ハロゲン化ホウ素アミン錯体であるエポキシ樹脂硬化剤、及び成分C:熱可塑性樹脂を含み、
前記成分Cが以下の成分であり、
前記エポキシ樹脂組成物は硬化させたとき、硬化物中で、前記エポキシ樹脂の硬化物相と、前記熱可塑性樹脂の相とが海島相分離構造である相分離構造1を形成し、
前記相分離構造1における島構造を海構造として、さらに海島相分離構造である相分離構造2を形成する特性を有するエポキシ樹脂組成物。
成分C:S−B−Mトリブロック共重合体及びM−B−Mトリブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1つのブロック共重合体であり、
前記S、B及びMで表される各ブロックは共有結合によって連結されており、
前記ブロックMは、ポリメタクリル酸メチルのホモポリマー、又は、前記ブロックMの仕込み量である全モノマーの総質量に対して、モノマー換算でメタクリル酸メチルを少なくとも50質量%含有するコポリマーであり、
前記ブロックBは、ブロックMに非相溶で、そのガラス転移温度が20℃以下であるブロックであり、
前記ブロックSは、ブロックB及びMに非相溶で、かつ、そのガラス転移温度が、ブロックBのガラス転移温度よりも高いブロックである。
[2] 前記成分Bの含有量が、前記成分A 100質量部に対し、8〜20重量部であり、前記成分Cの含有量が、前記成分A 100質量部に対し、1〜50重量部である前記[1]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[3] 前記相分離構造1における、海構造がエポキシ樹脂の硬化物相であり、島構造が熱可塑性樹脂の相である、前記[1]又は[2]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[4] 前記相分離構造2における、島構造がエポキシ樹脂の硬化物からなる球状である、前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
[5] 前記相分離構造1における島構造の、長辺の長さが50nm〜300μmである、前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
[6] 前記相分離構造2における島構造の、長辺の長さ(但し、該島構造が球状の場合はその直径)が10nm〜100μmである、前記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
] 更に、成分D:ゴム粒子を、前記成分A 100質量部に対し、12〜110質量部含有する、前記[1]〜[]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
] 前記[1]〜[]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を、強化繊維束に含浸させてなるトウプリプレグ。
] 前記強化繊維束が炭素繊維束である前記[]に記載のトウプリプレグ。
[1] 前記炭素繊維束は、繊維径3〜12μmのフィラメントを1000〜70000本まとめた炭素繊維束である、前記[]に記載のトウプリプレグ。
[1] 前記炭素繊維の、JIS R 7601に準拠したストランド強度が3500 MPa以上である、[]または[1]記載のトウプリプレグ。
[1] 前記[]〜[1]のいずれか1つに記載のトウプリプレグを用いて製造された複合材料補強圧力容器。
[1] 前記[1]〜[]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を含浸させた強化繊維束を用いて、フィラメントワインディング成形により製造された複合材料補強圧力容器。
[1] 前記エポキシ樹脂組成物を含浸させた強化繊維束を、ライナーに巻き付け、フィラメントワインディング成形により製造された複合材料補強圧力容器であり、前記ライナーが熱可塑性樹脂製である、前記[1]に記載の複合材料補強圧力容器。
[1] 前記強化繊維束が炭素繊維束である、前記[1]又は[1]に記載の複合材料補強圧力容器。
[1] ライナーの外面を複合材料層が被覆してなる複合材料補強圧力容器であり、該複合材料層が、前記[]〜[1]のいずれか1つに記載のトウプリプレグを用いて形成された層である、複合材料補強圧力容器。
[1] 前記ライナーが熱可塑性樹脂製である、前記[1]に記載の複合材料補強圧力容器。
[1] 前記[]〜[1]のいずれか1つに記載のトウプリプレグを用いて形成された、複合材料からなる緊張材。
本発明によれば、保存安定性に優れ、硬化物の靭性に優れたエポキシ樹脂組成物が提供される。このエポキシ樹脂組成物は、強化繊維複合材料におけるマトリックス樹脂としても好適に使用することが出来る。即ち、このエポキシ樹脂組成物は、スポーツ用品、自動車、圧力容器、航空機、緊張材等の一般産業用途に用いることが出来る。特に、このエポキシ樹脂組成物は、圧力容器や緊張材に用いた場合、高い性能を示すことを特徴とする。また、このエポキシ樹脂組成物は、強化繊維複合材料におけるマトリックス樹脂として用いる場合、このエポキシ樹脂組成物を強化繊維と組み合わせてプリプレグやトウプリプレグのような中間材料に適用することも出来る。特に、このエポキシ樹脂組成物をトウプリプレグに適用した場合、ボビンからの解舒や工程通過性が良好で、かつドレープ性に優れる。本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、RTM成形(Resin Transfer Molding)、フィラメントワインディング成形(FW成形)、引抜成形等、中間材料を介さない成形に使用することも出来るし、本発明におけるエポキシ樹脂組成物を使用したトウプリプレグを、フィラメントワインディング成形、引抜成形等に使用することも出来る。
本発明の一実施形態におけるエポキシ樹脂組成物を用いて製造される複合材料補強圧力容器の一例を示す概略断面図である。 本発明の実施例における、硬化物の海島相分離構造の状態を示すLSM写真である。 本発明の態様における島構造の長辺の長さの測定方法を説明する図である。
<エポキシ樹脂組成物>
本発明におけるエポキシ樹脂組成物は下記の成分A〜Cを必須成分とする。
成分A:エポキシ樹脂
成分B:三ハロゲン化ホウ素アミン錯体
成分C:熱可塑性樹脂(前記成分A及びBを含有するエポキシ樹脂組成物と相溶可能であり、かつ硬化後に相分離構造を形成するポリマー)
また本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、前記成分A〜C以外にも、上述の通り成分D:ゴム粒子や、各種添加剤等を含有していてもよい。
このようなエポキシ樹脂組成物は、公知の方法に従って調製すればよく、例えば特開2012−25892号公報や、WO2011/037239号公報等に記載の方法に準じて調製すればよい。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び熱可塑性樹脂を含むエポキシ樹脂組成物であり、前記エポキシ樹脂組成物は、硬化したときに、硬化物中で、前記エポキシ樹脂の硬化物相と、前記熱可塑性樹脂の相が海島相分離構造(すなわち相分離構造1)を形成し、前記相分離構造1における島構造を海構造として、さらに海島相分離構造(相分離構造2)を形成する特性を有するエポキシ樹脂組成物である。
なお、本願明細書及び請求の範囲における「海島相分離構造」とは相分離構造の1種である。例えば2種類の樹脂を混合し硬化させた際に、混合比率に偏りがあれば、大量成分が連続相、少量成分が孤立相となる構造となる。このとき、連続相を「海構造」、孤立相を「島構造」と称する。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物においては、硬化したときに、硬化物がこのように特殊な相分離構造を形成することにより、高い靱性及び耐熱性を有することができる。そのため、本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、強化繊維複合材料におけるマトリックス樹脂として好適に用いることができる。
前記相分離構造1においては、海構造がエポキシ樹脂の硬化物相であり、島構造が熱可塑性樹脂の相であることが好ましい。また前記相分離構造2においては、島構造がエポキシ樹脂の硬化物相であることが好ましく、球状であることが特に好ましい。
海構造及び島構造が、各々このような相であることにより、高い靱性及び耐熱性を有することができると考えられる。なお、「エポキシ樹脂の硬化物相」は、その相を破壊しない範囲で、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤由来の成分以外の成分を含有していてもよく、「熱可塑性樹脂の相」も同様に、その相を破壊しない範囲で、熱可塑性樹脂以外の成分を含有していてもよい。
前記相分離構造1における島構造の、長辺の長さは、特に制限は無いが、好ましくは50nm〜300μm、より好ましくは50nm〜200nm、更に好ましくは50nm〜100μmである。
この範囲であることにより、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物における亀裂が島相へ進展しやすくなり、亀裂進展距離が伸び、硬化物の靱性値が向上するという利点がある。 また相分離構造2における島構造の、長辺の長さ(但し、前記島構造が球状の場合はその直径)は、前記相分離構造1の島構造(即ち、相分離構造2の海構造)のサイズを超えない限り特に制限は無いが、好ましくは10nm〜100μm、より好ましくは10nm〜50μmであり、更に好ましくは10nm〜30μmである。
この範囲であることにより、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物における亀裂が島相へ進展しやすくなり、かつ、小さい島相の方が大きい島相よりも亀裂進展距離が伸び、硬化物の靱性値が向上するという利点がある。
このような特定の海島構造を形成するための、前記樹脂組成物の硬化条件に特に制限は無いが、例えば昇温速度を1℃/分間以下とし、硬化温度を110〜135℃程度とすると、組成物の硬化速度が適切になり、所望の相分離構造が得やすくなる。
なお、ここでいう「長辺の長さ」とは、島構造の最長部分の長さを意味する。
長辺の長さを測定するには、本願実施例に記載のように、まずエポキシ樹脂組成物を用いて硬化板を作製し、その断面をレーザースキャン顕微鏡で観察し、島構造の各短辺における最短距離を結び、その中心を線で繋いだ長さを長辺とした。島構造の長辺の長さの測定例を図3に示す。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂100質量部に対し、前記エポキシ樹脂硬化剤を8〜20重量部、前記熱可塑性樹脂を1〜50重量部含有することが好ましい。
特に、組成物に含まれる各成分が、以下に記す種類及び量であることが好ましい。
<成分(A)>
成分(A)はエポキシ樹脂である。
通常、エポキシ樹脂という用語は熱硬化性樹脂の一つのカテゴリーの名称、および分子内に複数の1,2−エポキシ基を有する化合物という化学物質のカテゴリーの名称として用いられるが、本発明においては後者の意味で用いられる。また、エポキシ樹脂組成物という用語はエポキシ樹脂と硬化剤、場合により他の成分を含む組成物を意味する。
前記エポキシ樹脂は、分子内に2以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば特に制限は無いが、硬化物への耐熱性付与の観点から、分子内に芳香族環を有するエポキシ樹脂、及び分子内に脂肪族環を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1つのエポキシ樹脂であることが好ましい。
成分Aとしては、分子内に芳香族環を有する2官能のエポキシ樹脂を使用することが好ましい。分子内に芳香族環を有する2官能のエポキシ樹脂を使用することにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の粘度を取り扱いに適した範囲に調整することが出来る。また、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物の機械的特性を適正な範囲に調整することができる。
なお、ここでいう「2官能のエポキシ樹脂」とは、分子内に2個のエポキシ基を有する化合物を意味する。
分子内に芳香族環を有する2官能のエポキシ樹脂における芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環等が挙げられる。
分子内に芳香族環を有する2官能のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、レゾルシンジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ヒドロキノンジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テレフタル酸ジグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、さらに2種以上のエポキシ樹脂を併用しても良い。
中でも、分子内に芳香族環を有する2官能のエポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂組成物の粘度を低くすることが出来るため取り扱いや強化繊維束への含浸が容易であり、かつ硬化物の耐熱性も優れる点から、特にエポキシ当量が170g/eq以上、200g/eq以下である液状のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。
成分Aとしては、分子内に芳香族環を有する3官能や4官能のエポキシ樹脂を使用してもよい。成分Aとして、分子内に芳香族環を有する3官能や4官能のエポキシ樹脂を使用することにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の取り扱い、及び、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性を適正な範囲に調整することができる。
なお、ここでいう「3官能、4官能のエポキシ樹脂」とは、分子内に3個または4個のエポキシ基を有する化合物を意味する。
分子内に芳香族環を有する3官能や4官能のエポキシ樹脂における芳香族環としては、例えば「2官能のエポキシ樹脂」が有しうる芳香族環と同様の環が挙げられる。
分子内に芳香族環を有する3官能エポキシ樹脂としては、具体的には、ノボラック型エポキシ樹脂、N,N ,O−トリグリシジル−P−又は−m−アミノフェノール型エポキシ樹脂、N,N,O−トリグリシジル−4−アミノ−m−又は−5−アミノ−o−クレゾール型エポキシ樹脂、1,1,1−(トリグリシジルオキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
分子内に芳香族環を有する4官能エポキシ樹脂としては、例えば、グリシジルアミン型エポキシ樹脂が挙げられる。具体的には、ジアミノジフェニルメタン型、ジアミノジフェニルスルホン型、メタキシレンジアミン型、等のエポキシ樹脂が挙げられる。
中でもエポキシ樹脂組成物の粘度を比較的低くすることが出来るため、強化繊維束への含浸や取り扱いが容易となり、かつ硬化物の耐熱性も優れることから、エポキシ当量が110g/eq以上、130g/eq以下であるN,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)型エポキシ樹脂が特に好ましく用いられる。
分子内に芳香族環を有する3官能エポキシ樹脂及び4官能エポキシ樹脂は、これらに限定されるものではない。また、2種以上の分子内に芳香族環を有するエポキシ樹脂を併用しても良い。
なお、分子内に芳香族環を有するエポキシ樹脂として、2官能エポキシ樹脂と3官能や4官能エポキシ樹脂とを併用する場合、これらの割合は、質量比で3官能及び4官能エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1つのエポキシ樹脂:2官能エポキシ樹脂が10:90〜40:60であることが好ましく、15:85〜60:40であることがより好ましい。
2官能エポキシ樹脂の含有量が著しく多いと、硬化物のガラス転移温度が150℃以上の比較的高い耐熱性を付与することが困難であるという問題が生じる場合がある。逆に、2官能エポキシ樹脂の含有量が著しく少ないと、硬化物が著しく脆くなり、エポキシ樹脂組成物が比較的高粘度となり、取り扱いや強化繊維束への含浸が困難になるという問題が生じる可能性がある。また3官能や4官能エポキシ樹脂の含有量が著しく多いと、エポキシ樹脂組成物が比較的高粘度となり、取り扱いや強化繊維束への含浸が困難になるという問題が生じる場合がある。逆に、3官能や4官能エポキシ樹脂の含有量が著しく少ないと、硬化物のガラス転移温度が150℃以上の比較的高い耐熱性を付与することが困難であるという問題が生じる可能性がある。
成分Aとしては、分子内に脂肪族環を有する2〜4官能のエポキシ樹脂を使用してもよい。前記エポキシ樹脂としては、脂肪族環にエポキシ環が縮合した化合物や、脂肪族環にグリシジル基等のエポキシ基を含む置換基が結合した化合物等が挙げられる。 脂肪族環にエポキシ環が縮合した化合物における脂肪族環としては、炭素数6の脂肪族環が好ましく、具体的にはシクロヘキサン環等が挙げられる。
脂肪族環にエポキシ環が縮合した化合物としては、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート等が挙げられる。
成分Aとしてこれらを使用する場合、エポキシ樹脂組成物の粘度を低くすることが出来るため、取り扱いや強化繊維束への含浸が容易となり、かつ硬化物の耐熱性も優れるため、好ましい。さらに、繊維強化複合材料を作製した場合、マトリックス樹脂と強化繊維の表面との接着の強さを適切に調整できる効果も得られるため、好ましい。また、脂肪族環にグリシジル基等のエポキシ基を含む置換基が結合した化合物における脂肪族環としては、炭素数6の脂肪族環が好ましく、具体的にはシクロヘキサン環等が挙げられる。
脂肪族環にグリシジル基等のエポキシ基を含む置換基が結合した化合物としては、例えばヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、メチルテトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。成分Aとしてこれらを使用する場合、エポキシ樹脂組成物の粘度を低くすることが出来るため、取り扱いや強化繊維束への含浸が容易となり、かつ繊維強化複合材料を作製した場合、マトリックス樹脂と強化繊維の表面との接着の強さを適切に調整できるため、好ましい。上記、分子内に脂肪族環を有するエポキシ樹脂は、2種以上を併用しても良い。
また、成分Aとして、分子内に芳香族環を有するエポキシ樹脂と分子内に脂肪族環を有するエポキシ樹脂とを併用して用いても良い。
このように、本発明の成分Aとしては種々のエポキシ樹脂が使用できるが、硬化物への耐熱性付与の観点から、分子内に芳香族環を有するエポキシ樹脂が好ましい。特に、成分A100質量部中、分子内に芳香族環を有するエポキシ樹脂が30〜100質量部であることが好ましく、40〜100質量部であることがより好ましく、50〜100質量部であることが更に好ましく、さらに60〜100重量部であることが最も好ましい。
具体的には、上記分子内に芳香族環を有するエポキシ樹脂としては、エポキシ当量が170g/eq以上、200g/eq以下である液状のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましく、これらを成分A100質量部中、30〜100質量部で用いることが好ましい。
なお、成分Aとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、上述以外のエポキシ樹脂を含有していてもよい。
<成分B>
成分Bは、三ハロゲン化ホウ素アミン錯体である。
三ハロゲン化ホウ素アミン錯体としては、三塩化ホウ素や三フッ化ホウ素等のハロゲン化ホウ素と有機アミンとからなる錯体が好ましい。即ち、成分Bとしては、三塩化ホウ素アミン錯体や三フッ化ホウ素アミン錯体が好ましい。
具体的には、例えば三フッ化ホウ素アニリン錯体、三フッ化ホウ素p−クロロアニリン錯体、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体、三フッ化ホウ素イソプロピルアミン錯体、三フッ化ホウ素ベンジルアミン錯体、三フッ化ホウ素ジメチルアミン錯体、三フッ化ホウ素ジエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素ジブチルアミン錯体、三フッ化ホウ素ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素ジベンジルアミン錯体、これらに於けるフッ素原子が塩素原子に置き換わった化合物、及び三塩化ホウ素ジメチルオクチルアミン錯体等が挙げられる。
これら錯体の中でも特にエポキシ樹脂に対する溶解性が優れ、含有する組成物の保存安定性に優れ、工業的に入手が容易である三フッ化ホウ素ピペリジン錯体又は三塩化ホウ素ジメチルオクチルアミン錯体が好ましく使用できる。
これら錯体を硬化剤として使用することによって作製された繊維強化複合材料は、マトリックス樹脂と強化繊維の表面との接着の強さにおいて、優れた引張強度を発現するのに適した強さを得ることが出来る。
前記成分Aとして、分子内に芳香族環を有するエポキシ樹脂及び脂肪族環にグリシジル基等のエポキシ基を含む置換基が結合した化合物(特にヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル)からなる群から選択される少なくとも1つを使用する場合は、より低温で短時間に硬化できることから、成分Bとして三塩化ホウ素アミン錯体を使用することが好ましい。
一方、前記成分Aとして、脂肪族環にエポキシ環が縮合した化合物を使用する場合には、より低温で短時間に硬化できることから、成分Bとして三フッ化ホウ素アミン錯体を使用することが好ましい。
成分Bの好ましい配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中に含まれる成分A100質量部に対して、通常8質量部以上、好ましくは9質量部以上であり、また通常20質量部以下、好ましくは18質量部以下、より好ましくは17質量部以下である。
即ち、成分Bの好ましい配合量は、成分A100質量部に対して、8質量部以上、20質量部以下が好ましく、8質量部以上、18質量部以下がより好ましく、9質量部以上、18質量部以下がよりさらに好ましく、9質量部以上、17質量部以下が特に好ましい。成分Bの配合量が著しく多い、又は著しく少ない場合、硬化樹脂の耐熱性が低くなってしまう可能性がある。
<成分C>
本発明におけるエポキシ樹脂組成物に含まれる成分C:熱可塑性樹脂としては、前記成分A及びBを含有するエポキシ樹脂組成物と相溶可能であり、かつ成分Cを含むエポキシ樹脂を硬化したときに、硬化物中で、相分離構造を形成する特性を有するポリマー、が挙げられる。
成分Cとしては、具体的には、S−B−Mトリブロック共重合体、及びM−B−Mトリブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体が好ましい。
ここで、前記S、B及びMで表される各ブロックは、共有結合によって連結されている。
ブロックMは、ポリメタクリル酸メチルのホモポリマー、又は、前記ブロックMの仕込み量である全モノマーの総質量に対して、モノマー換算でメタクリル酸メチルを少なくとも50質量%含有するコポリマーである。
ブロックBは、ブロックMに非相溶で、そのガラス転移温度が20℃以下であるブロックであり、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン及び(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1つのモノマーを重合してなるポリマーである。
ブロックSは、ブロックB及びMに非相溶で、かつ、そのガラス転移温度が、ブロックBのガラス転移温度よりも高いブロックであり、スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエンから選ばれる少なくとも1つのモノマーを重合してなるポリマーである。
トリブロック共重合体M−B−Mの具体例としては、メタクリル酸メチル−ブチルアクリレート−メタクリル酸メチルからなる共重合体が挙げられ、具体的には、Nanostrength M22(アルケマ社製)、極性官能基をもつNanostrength M22N(アルケマ社製)等が挙げられる。
トリブロック共重合体S−B−Mの具体例としては、スチレン−ブタジエン−メタクリル酸メチルからなる共重合体が挙げられ、具体的には、Nanostrength 123、Nanostrength 250、Nanostrength 012,Nanostrength E20,Nanostrength E40(以上、アルケマ社製)等が挙げられる。
成分Cとしては、各種ポリマーを1種類単独で使用してもよく、2種類以上のポリマーを併用してもよい。
成分Cの好ましい配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中に含まれる成分A100質量部に対して、通常1〜50質量部であり、さらに好ましくは5〜25重量部である。成分Cが多すぎるとエポキシ樹脂組成物が高粘度となり取り扱いや強化繊維束への含浸が困難になるという問題が生じる場合がある。逆に、成分Cが少なすぎると成分Cを含有させることによる効果が十分に得られない可能性がある。
<成分D>
本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、さらに成分D:ゴム粒子を含有してもよい。
成分Dはゴム粒子であり、硬化後のエポキシ樹脂組成物の靱性向上のために配合される。エポキシ樹脂組成物の硬化物の靭性は成分Cの熱可塑性樹脂により向上されるが、成分Dを加えることで更に靭性を向上しうる。
成分Dとしては、架橋ゴム粒子、及び架橋ゴム粒子の表面に架橋ゴム粒子を構成するポリマーとは異なるポリマーをグラフト重合したコアシェル型ゴム粒子からなる群から選択される少なくとも1つのゴム粒子が、好ましく用いられる。
架橋ゴム粒子については、ゴムの種類は制限されず、例えばブタジエンゴム、アクリルゴム、シリコ−ンゴム、ブチルゴム、NBR,SBR,IR,EPR等が用いられる。
架橋ゴム粒子の例としては、製品名:YR−500シリーズ(東都化成(株)製)等が挙げられる。
「コアシェル型ゴム粒子」とは、架橋されたゴム状ポリマーを主成分とする粒子状コア成分の表面に、コア成分とは異種のシェル成分ポリマーをグラフト重合することで粒子状コア成分の表面の一部あるいは全体をシェル成分で被覆したゴム粒子である。
コアシェル型ゴム粒子を構成するコア成分としては、前記架橋ゴム粒子と同様のものが挙げられる。中でもスチレンとブタジエンから構成される架橋ゴム状ポリマーが、靭性向上効果が高く好ましい。
コアシェル型ゴム粒子を構成するシェル成分は、前記したコア成分にグラフト重合されており、コア成分を構成するポリマーと化学結合していることが好ましい。なお、ここでいう「化学結合」とは、原子又はイオンを結びつけて、分子又は結晶を形成させる原子間の結合を意味する。特に、ここでの化学結合は電子対が二つの原子に共有されることにより形成される共有結合を意味する。
かかるシェル成分を構成する成分としては、例えばアクリル酸エステル系モノマー、及びメタクリル酸エステル系モノマー、及び芳香族系ビニルモノマー等からなる群から選択される少なくとも1種が重合した重合体を用いることができる。コア成分としてスチレンとブタジエンから構成される架橋ゴム状ポリマーを使用する場合、シェル成分としては、(メタ)アクリル酸エステルであるメタクリル酸メチルと芳香族ビニル化合物であるスチレンの混合体を好適に用いることができる。
また、前記シェル成分には分散状態を安定化させるために、本発明のエポキシ樹脂組成物を構成する成分Aと反応する官能基が導入されていることが好ましい。かかる官能基としては、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基が挙げられ、中でもエポキシ基が好ましい。エポキシ基を導入する方法としては、前記したシェル成分に、例えばメタクリル酸2,3−エポキシプロピルを併用して、コア成分にグラフト重合する方法がある。
具体的な市販品としては、アクリルゴムを使用した製品名:W−5500或いは製品名:J−5800(三菱レイヨン(株)製)、シリコーン・アクリル複合ゴムを使用した製品名:SRK−200E(三菱レイヨン(株)製)、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物からなる製品名:パラロイドEXL−2655(呉羽化学工業(株)製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル共重合体からなる製品名:スタフィロイドAC−3355或いは製品名:TR−2122(武田薬品工業(株)製)、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル共重合物からなる製品名:PARALOID EXL−2611或いは製品名:EXL−3387(Rohm&Haas社製)等を挙げることができる。
ゴム粒子は、エポキシ樹脂組成物の調製時に攪拌機やロールミル等を使用して成分A中へ分散してもよいが、ゴム粒子が予めエポキシ樹脂に分散されたマスターバッチ型のゴム粒子分散エポキシ樹脂を用いると、エポキシ樹脂組成物の調製時間を短縮するだけでなく、エポキシ樹脂組成物中のゴム粒子の分散状態を良好にすることが出来るので好ましい。さらにはゴム粒子とエポキシ樹脂成分が化学結合又は物理結合しているものが特に好ましい。
このようなマスターバッチ型の架橋ゴム粒子分散エポキシ樹脂としては、アクリルゴムを含有した製品名:BPF307或いは製品名:BPA328(日本触媒(株)製);スチレン及びブタジエンの共重合体のコア成分とメタクリル酸メチルを含み、かつエポキシ樹脂と反応する官能基を有するシェル成分とからなるコアシェルゴム粒子を含有した製品名:MX−113或いは製品名:MX−416;ブタジエンゴムを含有した製品名:MX−156;シリコンゴムを含有した製品名:MX−960(カネカ(株)製)等が挙げられる。
なお、硬化後のエポキシ樹脂組成物の靭性向上のため、特に後述する圧力容器に使用した場合の破壊圧力の向上効果のためには、成分Dはブタジエンゴムを含むゴム粒子であることが好ましい。すなわち、ブタジエンゴム粒子や、ブタジエンゴム粒子をコア成分とするコアシェル型ゴム粒子が好ましく、ブタジエンゴム粒子をコア成分とするコアシェル型ゴム粒子が特に好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物中における成分Dの粒径は、50nm以上、400nm以下であることが好ましく、50nm以上、300nm以下であることがより好ましい。硬化物中の成分Dの粒径は、以下の方法で測定することができる。
(成分Dの粒径を走査型電子顕微鏡(SEM)で確認可能な場合)
ASTM D5045に準拠して硬化樹脂の破壊靱性値を測定した際の試験体破面の任意の100μmの範囲をSEMを用いて観察し、確認された成分Dの粒径、又は成分Dが抜け落ちた凹部の径を任意の10箇所測定してその平均値を成分Dの粒径とする。
(成分Dの粒径をSEMで確認困難な場合)
硬化樹脂板をジクロロメタンに浸漬し成分Dを溶出させる。成分Dを溶出させた硬化樹脂板の任意の100μmの範囲を走査型プローブ顕微鏡で観察し、確認された成分Dが溶出した凹部の径を任意の10箇所測定してその平均値を成分Dの粒径とする。
硬化物中の粒径を前記範囲内とするためには、好ましくは一次粒子の体積平均粒子径が50nm以上、400nm以下、より好ましくは50nm以上、300nm以下の成分D:ゴム粒子を使用し、攪拌機やロールミル等を使用して成分A中へ分散させ、又は成分Dが予め成分Aに分散されたマスターバッチ型のゴム粒子分散エポキシ樹脂を用いて、エポキシ樹脂組成物を調製することにより、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物中における成分Dの粒径を上記範囲内に制御することができる。なお、ゴム粒子の一次粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分析計等で測定することができる。
成分Dの好ましい配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中に含まれる成分(A1)100質量部に対して、通常12質量部以上、好ましくは16質量部以上、更に好ましくは20質量部以上であり、また通常110質量部以下、好ましくは100質量部以下、さらに好ましくは80質量部以下である。
即ち、成分Dの好ましい配合量は、成分A100質量部に対して、通常12質量部以上、110質量部以下が好ましく、16質量部以上、100質量部以下がより好ましく、20質量部以上、80質量部以下が特に好ましい。
成分Dが著しく多い場合はエポキシ樹脂への分散が困難となり、エポキシ樹脂組成物が高粘度となってしまい、取り扱いや強化繊維束への含浸が困難となる問題が生じる場合がある。逆に、成分Dが著しく少ない場合は、硬化後のエポキシ樹脂組成物の靭性向上が不十分で、本発明の効果が得られないという問題が生じる可能性がある。
<添加剤>
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、シリカ粉末、アエロジル、マイクロバルーン、三酸化アンチモン、アルミナ、酸化チタン等の無機粒子;リン化合物等の難燃剤;カーボンブラック、活性炭等の炭素粒子;また、消泡剤;湿潤剤等の添加剤を目的に応じて配合してもよい。これら添加剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であればよく、本発明におけるエポキシ樹脂組成物100重量部に対して0.1重量部以上、20重量部以下であることが望ましい。
<トウプリプレグ>
トウプリプレグとは、数千〜数万本のフィラメントが一方向に配列した強化繊維束に樹脂組成物を含浸させて得られる細幅の中間基材である。本発明のトウプリプレグは、上述した本発明のエポキシ樹脂組成物を強化繊維束に含浸させることにより得られる。この強化繊維束を構成するフィラメントの繊維径及び本数に特に制限は無いが、繊維径は3〜100μmであることが好ましく、本数は1,000〜70,000本であることが好ましい。
なお本発明における「繊維径」とは、それぞれの繊維の断面の等面積円相当直径のことである。
繊維径が3μm未満では、例えばフィラメントが、各種加工プロセスにおいて、ロールやボビン等の表面で横移動を起こす際に、切断したり毛羽だまりが生じたりする場合があり、100μmを越えるとフィラメントが硬くなり、屈曲性が低下する傾向がある。
本発明における強化繊維束としてはガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、ボロン繊維等、通常の繊維強化複合材料に使用される強用繊維を使用することができる。なかでも好ましくはJIS R 7601に準拠したストランド強度が3500MPa以上の炭素繊維、黒鉛繊維;より好ましくはストランド強度4500MPa以上の炭素繊維、黒鉛繊維;より一層好ましくはストランド強度が5000MPa以上の炭素繊維である。ストランド強度は、強いほど好ましい。
なお、強化繊維束が炭素繊維束である場合、フィラメントの繊維径は3〜12μm、本数は1,000〜70,000であることが好ましい。
繊維径が3μm未満では、例えばフィラメントが、各種加工プロセスにおいて、ロールやボビン等の表面で横移動を起こす際に、切断したり毛羽だまりが生じたりする場合がある。上限については、炭素繊維の製造上の困難性から、通常12μm程度である。
<エポキシ樹脂組成物の含有量>
トウプリプレグに含まれるエポキシ樹脂組成物の含有量は、20重量%以上、40重量%以下が好ましい。20重量%以上であると、強化繊維束中に十分エポキシ樹脂組成物を容易に行き渡らせることが出来、40重量%以下であると、強化繊維複合材料の繊維含有体積率が高いため、機械特性を効果的に発現できる。機械特性の性能をより効果的に発現させるには、20重量%以上、30重量%以下がより好ましい。
<エポキシ樹脂組成物の硬化方法>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、公知の手段で硬化させることができる。中でも熱風炉等の、エポキシ樹脂組成物の周囲を均一に加熱できる加熱手段を使用することが好ましい。好ましい硬化温度及び硬化時間は、成分(A)及び成分(B)の種類により異なるが、通常110℃〜135℃程度で2時間くらい加熱することにより硬化させることができる。
本発明のトウプリプレグはいずれの公知の製造方法でも作製することができる。なかでも以下の手順で作製することが好ましい。
<好ましいトウプリプレグ製造方法>
(1)強化繊維束の少なくとも片面にエポキシ樹脂組成物を供給する前に、予めトウを加熱、拡幅する。
(2)強化繊維束の少なくとも片面にエポキシ樹脂組成物を供給する。
(3)供給したエポキシ樹脂組成物を強化繊維束へ均一に含浸させる。
(4)トウプリプレグの温度を室温程度まで冷却する。
(5)トウプリプレグを紙管等に巻取る。
強化繊維束は拡幅され扁平形状であることがエポキシ樹脂組成物との接触面積が広くなるため望ましい。拡幅させる方法としては、円筒バーで擦過させる方法、振動を加える方法、及び押しつぶす方法等が挙げられる。さらに強化繊維束を拡幅する際は、強化繊維束に塗布されたサイズ剤を軟化させ拡幅しやすくするため加熱しておく。塗布されたサイズ剤の軟化点程度まで強化繊維束を加熱することが好ましい。さらにトウの予備加熱は、樹脂との接触後、強化繊維束内への樹脂の浸透時に樹脂温度が低下しないように、予め強化繊維束の温度を上昇させておく意味もある。加熱により強化繊維束の温度を接触前の樹脂温度以上にしておけば、強化繊維束と樹脂の接触後の強化繊維束の温度は接触前の樹脂温度より低くなることはない。加熱方法としては加熱体との接触加熱、及び通電加熱、誘電加熱、赤外線加熱、雰囲気加熱等の非接触加熱法がいずれも使用可能である。
本発明において、強化繊維束の拡幅はインラインで実施してもオフラインで実施してもよい。例えば市販の拡幅されたテープ状強化繊維束はオフラインで拡幅された強化繊維束とみなされる。
エポキシ樹脂組成物の供給方法としては、レジンバス法;回転ロール法;紙上転写法;特開平09−176346号公報、特開2005−335296号公報及び特開2006−063173号公報に記載されたノズル滴下法;特開平08−073630号公報、特開平09−031219号公報、及び特開平8−73630号公報に記載された樹脂接触並びにトウ移動法が挙げられる。
なかでもエポキシ樹脂組成物の供給量の制御や実施の容易さのため、回転ロール法や、樹脂接触並びにトウ移動法が、エポキシ樹脂組成物の供給方法として好ましい。また強化繊維束の幅は通常安定化しておらず、その広がり方にはばらつきがある。従って特開平8−73630号公報に記載の通り、強化繊維束を拡幅した後、樹脂接触直前あるいは樹脂接触時にトウ幅を狭めて安定化させることが効果的である。具体例としては、樹脂吐出口部又はその直前の位置に所定幅の溝を設けて、前記溝内に強化繊維束を走行させて強化繊維束の幅を狭める方法がある。
エポキシ樹脂組成物の強化繊維束への含浸方法は公知の含浸方法を使用することができる。なかでも加熱ロールや熱板等の加熱体に擦過させる方法;エポキシ樹脂組成物が供給された強化繊維束が空走する際に加熱炉を通過させる方法;空気電熱加熱、通電加熱、誘電加熱、赤外線加熱等の非接触加熱手段で加熱する方法が好ましい。強化繊維束へエポキシ樹脂組成物が供給されてから加熱体により加熱されるまでの間、及び加熱体と加熱体との間で強化繊維束やエポキシ樹脂組成物の温度が下がらないよう非接触加熱手段で加熱しておくことがより一層好ましい。
またさらに樹脂含浸工程において、強化繊維束へ外力を加えて強化繊維束を構成するフィラメントを横方向(長手方向と直交する方向)に動かし、フィラメント間の相対位置を変化させて樹脂とフィラメントの接触機会を増やす工程を加えることが好ましい。単なる加圧や毛細管現象による含浸効果以上の均一な含浸効果を上げることが出来る。
具体的には、強化繊維束を折り畳む、強化繊維束を拡幅する、強化繊維束を縮幅する、又は強化繊維束を加撚する等の少なくとも一つの手段で行う。これらの手段において、折り畳み手段と加撚手段は、幅縮小手段と同様に強化繊維束の幅を狭める傾向にある。そして強化繊維束の幅を狭める作用を有する手段と強化繊維束の幅を拡大する手段とを併用すると均一含浸の効果が高くなる。なお、加撚は樹脂含浸時におこなえばよく、含浸後に撚りのない状態が必要ならば含浸後に撚り戻しをすればよい。また仮撚りであれば撚り戻しをする必要はなく、撚りのない強化繊維束が必要な場合には望ましい。また加撚と同時にあるいは直後に擦過を加えれば強化繊維束の幅の広がる傾向となり、更に樹脂の厚さ方向の移動のため、含浸の均一性は高くなる。
フィラメントの横方向移動の均一含浸において、強化繊維束の走行速度未満の周速で回転する回転体に強化繊維束を接触させて擦過させることは、毛羽の堆積やロールのクリーニング等にとって有用である。擦過されていれば強化繊維束は回転体表面で絡まりつくこともなく、また回転体は強化繊維束でこすられ且つ回転しているので強化繊維束と接触する面は常にクリーニングされている状態となり、製造環境の向上にも有用である。ただし回転体の周速は強化繊維束の走行速度の50%以上、99%以下とすることが好ましい。回転体の周速が強化繊維束の走行速度に対し1/2以上であると、強く擦過されることで強化繊維束が毛羽立ちにくく、後の工程での巻きつきや紙管に巻き取られたトウプリプレグを解舒する際に問題が生じにくい。
エポキシ樹脂組成物が強化繊維束に均一に含浸されると、作製した強化繊維複合材料の機械的特性が向上し、本発明の効果が十分に得られる。
エポキシ樹脂組成物を均一に含浸させた強化繊維束は、紙管への巻取り工程までに冷却体への擦過や非接触冷却手段等の公知の冷却手段を使用して室温程度まで冷却しておくことが好ましい。十分に冷却しない状態で巻き取ってしまうと、エポキシ樹脂組成物が低粘度であるため、巻き取る際に滑りが生じ巻き形態が乱れる。また、一度巻き取ってしまうと中心部からは熱が逃げにくく温度が高い状態が比較的長時間続くため、エポキシ樹脂組成物のポットライフが短くなる可能性がある。
このようにして得られた本発明のトウプリプレグはボビンからの解舒、工程通過性、ドレープ性に優れるという長所(特色)があるため、フィラメントワインディング成形や引抜き成形等に適する。
<複合材料補強圧力容器>
「複合材料補強圧力容器」とは、複合材料で補強した圧力容器を意味する。
「複合材料」とは、繊維強化複合材料を意味し、本発明においては、本発明のトウプリプレグを加熱(及び必要に応じて加圧)し硬化させた後、冷却して得られる硬化物か、或いは強化繊維束を本発明のエポキシ樹脂組成物に含浸させた後、プリプレグを経ずに加熱(及び必要に応じて加圧)し硬化させた後、冷却して得られる硬化物を意味する。
本発明の複合材料は、スポーツ用品、自動車、圧力容器、航空機、緊張材等の一般産業用途に用いることが出来るが、特に圧力容器や緊張材に用いた場合、高い性能を示すことを特徴とする。特に、水素貯蔵用の圧力容器や自動車等の移動体に搭載する圧力容器として使用した場合に、少量の複合材料による補強で圧力容器として十分な性能を得られるため、より軽量な圧力容器を得ることができ、その長所が最も生かされる。
本発明の複合材料補強圧力容器(以下、単に「本発明の圧力容器」と称することがある)は、通常、その内層に樹脂製や金属製のライナーを用い、このライナーの外面を複合材料層が覆うことにより形成されている。
<ライナー>
本発明の複合材料補強圧力容器の製造方法に用いるライナーは、用途によって樹脂製、又は金属製を選んで用いることができる。
なお、本願明細書及び請求の範囲における「ライナー」とは、筒状の胴と胴の両端開口部を閉鎖する鏡板からなり、通常両端の鏡板の1つは口金取り付け部を有し、他方は口金取り付け部を有さない。
水素貯蔵用の圧力容器や自動車等の移動体に搭載する圧力容器では、より軽量化できるため樹脂製ライナーを使用することが好ましい。樹脂製ライナーとしては、高密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を回転成形やブロー成形にて容器形状に賦形し、金属製の口金をつけたライナーが使用できる。樹脂製ライナーは耐熱性が比較的低いためエポキシ樹脂組成物を硬化する際の反応発熱を低く抑える必要がある。本発明はゴム粒子等のエポキシ樹脂や硬化剤以外の発熱反応を起こさない成分を比較的多く含むため、硬化時の発熱が小さく、ライナーが樹脂製であっても好適に使用することが出来る。又、金属製のライナーは、パイプ形状や板形状のアルミニウム合金や鋼鉄等をスピニング加工等により容器形状に賦形したあとで、口金形状を付与して得られる。
<フィラメントワインディング(FW)成形>
本発明の圧力容器における複合材料層の形成工程において、前述したトウプリプレグや、エポキシ樹脂組成物を含浸させた強化繊維束をライナーに巻き付けるための代表的な方法として、フィラメントワインディング(FW)法がある。
フィラメントワインディング(FW)法は、強化繊維束を1本、又は複数本引き揃え、マトリックス樹脂を供給、含浸させながら、回転するタンクライナーへ所望の張力、角度で強化繊維束を巻きつけて行くこと、又はトウプリプレグを使用する場合は、強化繊維束を1本、又は複数本引き揃え、マトリックス樹脂の供給、含浸は行わず、回転するタンクライナーへ所望の張力、角度で巻きつけて行くこと、を含む成形法である。
本発明で用いるフィラメントワインディング装置(FW機)は従来公知のFW機でよく、ただ1本の強化繊維束、又はトウプリプレグを芯金又は芯金に固定したライナーに巻き付けることができるFW機であっても、複数本の強化繊維束、又はトウプリプレグを同時に巻き付けられるFW機であってもかまわない。
FW成形中に強化繊維束へエポキシ樹脂組成物を供給、含浸させる場合、ドクターブレード等を使用して円柱状のドラムに一定厚みのエポキシ樹脂組成物を塗布して、その上に繊維を接触させてエポキシ樹脂組成物を供給し、ローラー等によりエポキシ樹脂組成物を内部に含浸させる方法;エポキシ樹脂組成物の浴に繊維を漬けた後、バーやガイド等により不要なエポキシ樹脂組成物を殺ぎ落とす方法;ディスペンサーのようなもので定量的にエポキシ樹脂組成物を送液して塗布する方法等が挙げられるが、特に限定しない。強化繊維束に余分な樹脂を与えず、目標量に正確に管理して塗布する方法としては、ドラムやディスペンサーを使用する方法が好ましい。
本発明の複合材料補強圧力容器は、強化繊維束を1本、又は複数本引き揃え、マトリックス樹脂を供給、含浸させながら、回転するタンクライナーへ所望の張力、角度で強化繊維束を巻きつけて行く工程、又はトウプリプレグを使用する場合は、強化繊維束を1本、又は複数本引き揃え、マトリックス樹脂の供給、含浸は行わず、回転するタンクライナーへ所望の張力、角度で巻きつけて行く工程と、前記タンクライナーへ巻きつけた強化繊維束又はトウプリプレグを加熱(及び必要に応じて加圧)し硬化させる工程と、を含む製造方法により製造される複合材料補強圧力容器である。
本発明の複合材料補強圧力容器の製造において、ライナー外周に形成される複合材料中間体は、その異方性材料としての特質を生かすため層構造を形成する。
本発明においては、その層構造の構成、各層の厚み、強化繊維束、又はトウプリプレグをライナーへ巻きつける角度、及び張力は、容器の用途や形状、内容物の種類等によって自由に選択することができる。
本発明の複合材料補強圧力容器は、少量の複合材料による補強で圧力容器として十分な性能が得られるため、軽量であり、特に水素貯蔵用の圧力容器や自動車等の移動体に搭載する圧力容器として好適に使用される。
以下、実施例、比較例によって本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例 及び、比較例>
各例で用いた樹脂組成物の原料、調製方法、及び各物性の測定方法を以下に示す。各エポキシ樹脂組成物の組成、及び物性の測定結果を実施例、比較例を表1に示す。なお、表1の中の各成分の数値は、エポキシ樹脂組成物に配合する各成分の質量部数を表す。
<原料>
実施例、比較例においては以下の原料を使用した。
<成分A>
jER828
「製品名」jER828
「成分」ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:189g/eq)
CY−184
「製品名」ARALDITE CY−184
「成分」ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル型エポキシ樹脂(エポキシ当量:151g/eq)
「メーカー」ハンツマン・ジャパン株式会社
<成分Dを成分Aであるエポキシ樹脂に分散したマスターバッチ型のゴム粒子分散エポキシ樹脂>
MX−113
「製品名」カネエースMX−113
「成分」
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2官能エポキシ樹脂。エポキシ当量: 189g/eq):66質量%
ブタジエン系コアシェル型ゴム粒子(体積平均粒径:100nm):3 3質量%
「メーカー」株式会社カネカ
MX−416
「製品名」カネエースMX−416
「成分」
TGDDM型エポキシ樹脂(4官能エポキシ樹脂。エポキシ当量:11 2g/eq):75質量%
<成分(B)>
DY9577
「製品名」DY9577
「成分」三塩化ホウ素アミン錯体
「メーカー」ハンツマン・ジャパン株式会社
<成分C>
M52N
「製品名」Nanostrength M52N
「成分」メタクリル酸メチルとブチルアクリレートとのブロック共重合
「メーカー」アルケマ株式会社
M52
「製品名」Nanostrength M52
「成分」メタクリル酸メチルとブチルアクリレートとのブロック共重合
「メーカー」アルケマ株式会社
<その他の原料>
(硬化剤)
DICY7
「製品名」jERキュア DICY7
「成分」ジシアンジアミド
「メーカー」三菱化学株式会社
2P4MHZ−PW
「製品名」キュアゾール2P4MHZ―PW
「成分」2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール
「メーカー」四国化成工業株式会社
(硬化助剤)
オミキュア24
「製品名」オミキュア24
「成分」2,4−トルエンビス(ジメチルウレア)
「メーカー」PTIジャパン株式会社
<実施例1の樹脂組成物調製>
表1に記載の組成の、エポキシ樹脂組成物を調製した。
CY−184とM52Nとをフラスコに秤量した後、オイルバスで145℃〜155℃に加温しながらフラスコの内容物が均一となるまで攪拌した。その後、フラスコをオイルバスから取り出し、内容物の温度が60℃以下となるまで放冷して、残りの原料をフラスコに秤量追加した。続いてウォーターバスで55℃〜65℃に加温しながらフラスコの内容物が均一となるまで攪拌して、エポキシ樹脂組成物を得た。
<比較例1の樹脂組成物調製>
表1に記載の組成の、エポキシ樹脂組成物を調製した。
全ての原料をフラスコに秤量し、ウォーターバスで45〜60℃に加温しながらフラスコの内容物が均一となるまで攪拌して、エポキシ樹脂組成物を得た。
<実施例2〜5、比較例2〜4の樹脂組成物調製>
表1に記載の組成の、エポキシ樹脂組成物を調製した。
CY−184とM52NもしくはM52をフラスコに秤量した後、オイルバスで145℃〜155℃に加温しながらフラスコの内容物が均一となるまで攪拌した。その後、フラスコをオイルバスから取り出し、内容物の温度が60℃以下となるまで放冷して、残りの原料をフラスコに秤量追加した。続いてウォーターバスで55℃〜65℃に加温しながらフラスコの内容物が均一となるまで攪拌して、エポキシ樹脂組成物を得た。
実施例1〜5、比較例1〜4で得られた組成物を用い、樹脂組成物の保存安定性、硬化性確認を行った。また、得られた組成物の硬化板を作製し、破壊靱性の測定を行った。得られた組成物を用い、複合材料補強圧力容器の作製を行い、破裂圧力(耐圧性能)の測定を行った。これらの結果を表1に示した。
<保存安定性の確認>
エポキシ樹脂組成物を下記の条件に暴露する前後の、エポキシ樹脂組成物の23℃における粘度とタックの変化を触感で確認することで、保存安定性を確認した。
暴露条件
温度:23℃
湿度:50%RH
<エポキシ樹脂組成物の硬化性確認>
直径50mmのアルミカップにエポキシ樹脂組成物を13g秤量し、熱風炉で加熱し、硬化の可否を確認した。
昇温条件:室温から2℃/minで硬化温度まで昇温
硬化条件:110℃で2時間保持、又は135℃で2時間保持
降温条件:硬化温度から50℃以下まで自然放冷
熱風炉:ETAC HT−310S(楠本化成製)
<エポキシ樹脂組成物の硬化板の作製>
調製した各エポキシ樹脂組成物を、厚さ2mm又は3mmのスペーサーを挟んだ2枚のガラス板の間に注入し、110℃まで2℃/分間で昇温後、炉内の温度を110℃℃に保ち、2時間エポキシ樹脂組成物を硬化させることでエポキシ樹脂組成物の硬化板を作製した。
<硬化樹脂のKIc(破壊靭性値)測定>
試験片の作製及び試験を、温度20℃、湿度50%RH(相対湿度)の環境下で、ASTM D5045に準拠したSENB(SingleEdge Noched Bend)試験法に準拠して実施した。実施例並びに比較例のエポキシ樹脂組成物を、硬化性確認と同じ加熱条件で硬化させて得た3mmの厚さの硬化樹脂板より、所定寸法(27mm×3mm×6mm)の小片を切り出し、湿式ダイヤモンドカッターにてノッチを入れ、MEK(メチルエチルケトン)にて脱脂した剃刀をノッチの先端に押しつけながらスライドさせて、プリクラックを形成し試験片を作成した。形成した試験片は、万能試験機(インストロン社製、4465)にて破壊靱性試験を行った。
また同様に作成された硬化板を用い、以下の<硬化物の海島相分離構造の観察>に記載の方法で硬化板の断面状態を観察した。
<硬化物の海島相分離構造の観察>
硬化物を包埋樹脂(日新EM製、テクノビット4000)に包埋し、研磨機(リファインテック製、ADM−122)を用い研磨して硬化物断面を得た。
硬化物の断面をLSM(レーザースキャン顕微鏡。オリンパス製「ナノサーチレーザー顕微鏡LEXT3500」)で観察し、観察が可能な倍率、輝度に調整し撮影を行った。
なお、実施例1については、得られた組成物を用いて作製された硬化板の断面のLSM写真を図2に示す。
<複合材料補強圧力容器の作製>
評価用の複合材料補強圧力容器を以下の手順で作製した。
エポキシ樹脂組成物を樹脂含有率24%となるように含浸させたグラフィル社製高強度炭素繊維 製品名:37−800(引張強度:5300MPa、引張弾性率:255GPa)(即ち、後述の<トウプリプレグの作製>に従って作製されたトウプリプレグ)を、フィラメントワインディング装置を用いて、外径が160mmで、長さが515mmのアルミライナー(容量9リットル、形状は図1を参照のこと)に巻き付けた。使用したアルミライナーは、JIS H 4040のA6061−T6に規定されるアルミニウム素材に熱処理を施した材料でできており、胴部の厚みが約3.3mmであった。
トウプリプレグは、ガイドロールを介して、その位置を調整した後にアルミライナーへ巻き付けた。まずアルミライナーの胴部に接する第一層目として、胴部上に回転軸方向に対し88.6°をなすフープ層をその厚みが0.63mmになるように形成した。その後、回転軸方向に対し14°の角度でライナーの鏡部を補強するヘリカル層を積層し、胴部の繊維強化樹脂層の厚みが2.5mmとなるように巻き付けた。なお、繊維強化樹脂層の厚みはノギスで外径を測定することにより求めた。
上記の手順で繊維強化樹脂層を形成したライナーを、フィラメントワインディング装置から外して熱風炉内に吊り下げ、炉内の温度を110℃まで2℃/分間で昇温させた。繊維強化樹脂層の表面温度が110℃に到達したことを確認した後、2時間、炉内の温度を110℃に保ち、エポキシ樹脂組成物を硬化させた。その後、炉内温度を1℃/分間で60℃まで冷却し、複合材料補強圧力容器(9Lタンク)を得た。
<トウプリプレグの作製>
上述の各実施例及び比較例で得られたエポキシ樹脂組成物と、グラフィル社製高強度炭素繊維 製品名:37−800(引張強度:5300MPa、引張弾性率:255GPa。)を用いてトウプリプレグを作製した。
まず、上記炭素繊維を50〜100℃に加熱し、幅11−15mmに拡幅させた。
拡幅させた炭素繊維(以下、単に「炭素繊維束」と称す)に、エポキシ樹脂組成物供給装置を用いて、65℃に調整したエポキシ樹脂組成物を定量的に供給し、さらに加熱ロールから構成される樹脂含浸装置を用いて、炭素繊維束に均一に含浸させた。エポキシ樹脂組成物が強化繊維束へ均一に含浸するよう含浸手段の一つとして、上記のフィラメントを横方向に移動させる方法を採った。
これを室温まで冷却した後、ボビンに巻き取った。
<破裂圧力の測定方法>
水圧破壊試験機に圧力容器をセットし、圧力容器内に水を満たした後、昇圧速度15MPa/分間で圧力容器に水圧を負荷し、圧力容器が破裂したときの水圧を記録して圧力容器の実測の破裂圧力とした。
また、フープ応力としては、ライナーの内圧に対する抵抗が無い、即ち、ライナーに接するフープ層の径方向応力と圧力容器の破壊圧力とが等しいと仮定し、さらにヘリカル層の周方向の弾性率が無視し得るほど小さい、即ち、フープ層の最外層表面におけるフープ応力がゼロと仮定することによって、式(1)に示す厚肉円筒のフープ応力の算出式により、任意のフープ層におけるフープ応力を得ることができる。

σ=(P×r ×(r +r))/(r×(r −r ))・・・式(1)

σ:厚肉円筒のフープ応力(MPa)
p:圧力容器の内圧(MPa)
r:圧力容器の軸に垂直な断面における中心からの任意の半径(mm)
:圧力容器の軸に垂直な断面における中心から圧力容器の内壁までの半径(mm)
:圧力容器の軸に垂直な断面における中心から圧力容器の外壁までの半径(mm)
ここで上記のとおり測定したフープ層の厚みが0.63mmのタンクの実測の破裂圧力(実測値)に基づいて算出されるライナーに接するフープ層の破壊フープ応力と、フープの厚みが2.80mmのタンクのライナーに接するフープ層のフープ応力と、が等しくなる場合のタンク内圧を、破裂圧力(換算値)とする。破裂圧力(換算値)が複合材料補強圧力容器(9Lタンク)の仕様である70MPaに安全率2.25倍をかけた158MPaを超える場合を合格と判定した。

実施例1〜5、比較例1〜4の全ての樹脂組成物に置いて、23℃、50%RH環境下で1ヶ月暴露した後も樹脂粘度に大きな変化は見られず、保存安定性は良好であった。
実施例1〜5のエポキシ樹脂組成物は、110℃で硬化することが可能であるが、比較例2および比較例4は硬化が不可能であった。比較例2は135℃において硬化可能であるため、硬化剤は適当量あるが、比較例4は135℃においても硬化が不十分であり、硬化剤の量が不適当であることがわかる。
実施例1と比較例1を比較すると、成分CであるM52の添加の有無が異なる。成分Cを添加した実施例1の破裂圧力(換算値)は182MPaであり、複合材料補強圧力容器の物性として十分(合格)であるが、成分Cを添加していない比較例1の破裂圧力(換算値)は154MPaであり、物性が不十分であった。
実施例1と比較例3を比較すると、硬化剤を変更している点が異なる。比較例3は保存安定性、110℃硬化が可能な樹脂組成ではあるが、硬化物の破壊靭性が0.6MPa/m2と脆い。そのため、破壊圧力(換算値)は144MPaであり、複合材料補強圧力容器の物性として不十分であった。
本発明によれば、保存安定性に優れ、かつ硬化物の靭性が優れたFW成形の様な直接成形にも、トウプリプレグの様な中間材にも好適に使用可能なエポキシ樹脂組成物;解舒性、工程通過性、及びドレープ性の優れたトウプリプレグ;並びに高い耐圧性能を有した圧力容器を提供することが出来るので、産業上極めて有用である。

Claims (18)

  1. エポキシ樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂組成物は、成分A:エポキシ樹脂、成分B:三ハロゲン化ホウ素アミン錯体であるエポキシ樹脂硬化剤、及び成分C:熱可塑性樹脂を含み、
    前記成分Cが以下の成分であり、
    前記エポキシ樹脂組成物は硬化させたとき、硬化物中で、前記エポキシ樹脂の硬化物相と、前記熱可塑性樹脂の相とが海島相分離構造である相分離構造1を形成し、
    前記相分離構造1における島構造を海構造として、さらに海島相分離構造である相分離構造2を形成する、エポキシ樹脂組成物。
    成分C:S−B−Mトリブロック共重合体及びM−B−Mトリブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1つのブロック共重合体であり、
    前記S、B及びMで表される各ブロックは共有結合によって連結されており、
    前記ブロックMは、ポリメタクリル酸メチルのホモポリマー、又は、前記ブロックMの仕込み量である全モノマーの総質量に対して、モノマー換算でメタクリル酸メチルを少なくとも50質量%含有するコポリマーであり、
    前記ブロックBは、ブロックMに非相溶で、そのガラス転移温度が20℃以下であるブロックであり、
    前記ブロックSは、ブロックB及びMに非相溶で、かつ、そのガラス転移温度が、ブロックBのガラス転移温度よりも高いブロックである。
  2. 前記成分Bの含有量が、前記成分A 100質量部に対し、8〜20重量部であり、
    前記成分Cの含有量が、前記成分A 100質量部に対し、1〜50重量部である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記相分離構造1における、海構造がエポキシ樹脂の硬化物相であり、島構造が熱可塑性樹脂の相である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記相分離構造2における、島構造がエポキシ樹脂の硬化物からなる球状である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記相分離構造1における島構造の、長辺の長さが50nm〜300μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記相分離構造2における島構造の、長辺の長さ(但し、該島構造が球状の場合はその直径)が10nm〜100μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 更に、成分D:ゴム粒子を、前記成分A 100質量部に対し12〜110質量部含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を、強化繊維束に含浸させてなるトウプリプレグ。
  9. 前記強化繊維束が炭素繊維束である請求項に記載のトウプリプレグ。
  10. 前記炭素繊維束は、繊維径3〜12μmのフィラメントを1000〜70000本まとめた炭素繊維束である、請求項に記載のトウプリプレグ。
  11. 前記炭素繊維の、JIS R7601に準拠したストランド強度が3500MPa以上である、請求項または1に記載のトウプリプレグ。
  12. 請求項〜1のいずれか1項に記載のトウプリプレグを用いて製造された、複合材料補強圧力容器。
  13. 請求項1〜のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を含浸させた強化繊維束を用いて、フィラメントワインディング成形により製造された複合材料補強圧力容器。
  14. 前記エポキシ樹脂組成物を含浸させた強化繊維束を、ライナーに巻き付け、フィラメントワインディング成形により製造された複合材料補強圧力容器であり、前記ライナーが熱可塑性樹脂製である、請求項1に記載の複合材料補強圧力容器。
  15. 前記強化繊維束が炭素繊維束である、請求項1又は1に記載の複合材料補強圧力容器。
  16. ライナーの外面を複合材料層が被覆してなる複合材料補強圧力容器であり、該複合材料層が、請求項〜1のいずれか1項に記載のトウプリプレグを用いて形成された層である、複合材料補強圧力容器。
  17. 前記ライナーが熱可塑性樹脂製である、請求項16に記載の複合材料補強圧力容器。
  18. 請求項〜1のいずれか1項に記載のトウプリプレグを用いて形成された、複合材料からなる緊張材。
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