JP5757274B2 - 電気加熱式触媒コンバーター - Google Patents

電気加熱式触媒コンバーター Download PDF

Info

Publication number
JP5757274B2
JP5757274B2 JP2012138521A JP2012138521A JP5757274B2 JP 5757274 B2 JP5757274 B2 JP 5757274B2 JP 2012138521 A JP2012138521 A JP 2012138521A JP 2012138521 A JP2012138521 A JP 2012138521A JP 5757274 B2 JP5757274 B2 JP 5757274B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base material
region
mat
catalyst
catalytic converter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012138521A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014001704A (ja
Inventor
進 皿井
進 皿井
竹内 雅彦
雅彦 竹内
三好 直人
直人 三好
祐樹 長沼
祐樹 長沼
多香子 水野
多香子 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012138521A priority Critical patent/JP5757274B2/ja
Publication of JP2014001704A publication Critical patent/JP2014001704A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5757274B2 publication Critical patent/JP5757274B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

本発明は、排ガスの排気系統に配される電気加熱式触媒コンバーターに関するものである。
各種産業界においては、環境影響負荷低減に向けた様々な取り組みが世界規模でおこなわれており、中でも、自動車産業においては、燃費性能に優れたガソリンエンジン車は勿論のこと、ハイブリッド車や電気自動車等のいわゆるエコカーの普及とそのさらなる性能向上に向けた開発が日々進められている。
ところで、車両エンジンとマフラーを繋ぐ排ガスの排気系統には、常温時の排ガスを浄化することに加えて、冷間時には電気加熱によって触媒を可及的速やかに活性化させて排ガスを浄化する電気加熱式触媒コンバーターが搭載されることがある。この電気加熱式触媒コンバーターは、排ガスの排気系統に配されたハニカム触媒にたとえば一対の電極を取り付け、これら一対の電極を電源を有する外部回路で繋いだ構成とし、電極に通電することでハニカム触媒を加熱し、ハニカム触媒の活性を高めてこれを通過する排ガスを無害化するものである(電気加熱式触媒コンバーター(EHC: Electrically Heated Converter))。
電気加熱式触媒の反応初期の温度は300℃程度であるが、たとえばエンジン作動時に生成される排ガスが排気されるまでの極めて短い時間(20〜30秒程度)で触媒を効果的に加熱し、その性能を発揮し得る好適な活性温度雰囲気にすることがエミッション低減の観点から極めて重要である。
ところで、上記する電気加熱式触媒コンバーターの一般的な構成を概説すると、中空を有する外管と、この中空に配された触媒コート層を有する発熱性の基材と、外管と基材の間に介層された絶縁性のマットと、該マットのない領域において基材の表面に取付けられた一対の電極と、該一対の電極を繋ぐ外部回路とからなる構成を挙げることができる。
基材には少なくとも一対の電極がたとえば断面円形の基材の対角線位置に設けられ、これら一対の電極がリード線と電源からなる外部回路に繋がれてその全体が構成されている。
金属製の外管と発熱性の基材の間に絶縁性のマットが介層されていることで外管内に基材を確実に保持することができ、外管と基材を相互に絶縁することができる。そして、このマットは、外管内に基材を良好に保持すること、および外管−基材間の絶縁性を保証することに加えて、基材の表面をマットが包囲することで基材表面からの放熱を抑制することができ、基材の保温性を高める効果(基材が冷えるのを抑制する効果)を奏するものである。
ところで、基材表面に電極が形成される箇所にはこれが障害となってマットを配することができない。そのため、基材の中でも、マットで包囲されている領域と、電極の存在によってマットのない領域が生じることになる。
このようにマットのない領域では、マットのある領域に比して放熱し易く、したがってその領域に対応する基材の温度は冷え易い傾向にある。このように基材の温度が冷え易いことによってマットのない領域におけるHC浄化率が低下し、このことによって基材全体のHC浄化性能が低下することになる。
ここで、特許文献1では、貴金属触媒の担持密度に関し、基材の上流側領域よりも下流側領域の担持密度を高くすることにより、上流側で加熱された排ガスが下流側に流入した際に担持密度の高い貴金属触媒にこの高温の排ガスを提供することができ、このことによって下流側の貴金属触媒の活性を十分に発揮させることを可能とした電気加熱式触媒装置が開示されている。
特開2009−275559号公報
特許文献1で開示される電気加熱式触媒装置によれば、上流側で加熱された排ガスを下流側にある担持密度の高い貴金属触媒に流入させることにより、下流側の貴金属触媒の活性を十分に発揮させることが可能となる。
しかしながら、この技術は、既述する外管と基材の間の絶縁性のマットの有無に関して十分に考察したものではない。したがって、マットのない領域では放熱性が高いために基材が冷め易く、この領域に対応する基材の領域に形成された触媒コート層の貴金属触媒の活性を効果的に高めることができるか否かは明らかでない。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、外管と基材の間に絶縁性のマットが介層された電気加熱式触媒コンバーターに関し、電極が存在することに起因するマットのない領域に対応する基材の領域に形成された触媒コート層の貴金属触媒の活性を効果的に高めることができ、もって、マットのない領域がマットのある領域に比して冷え易い場合であっても、基材に担持される貴金属触媒全体としての排ガス浄化性能を高めることのできる電気加熱式触媒コンバーターを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による電気加熱式触媒コンバーターは、中空を有する外管と、該中空に配された触媒コート層を有する発熱性の基材と、外管と基材の間に介層された絶縁性のマットと、該マットのない領域において基材の表面に取付けられた一対の電極と、該一対の電極を繋ぐ外部回路と、を備えた電気加熱式触媒コンバーターであって、マットのある領域に対応する基材の領域における触媒コート層の貴金属触媒に対し、マットのない領域に対応する基材の領域における触媒コート層の貴金属触媒の担持密度が相対的に高くなっているものである。
本発明の電気加熱式触媒コンバーターは、ハイブリッド車をはじめとする各種車両のエンジンの排気系統に適用されるものであり、排気系の途中位置に設けられる。
電気加熱式触媒コンバーターの基本構成は、外管、外管の中空に配された発熱性の基材、外管と基材の間に介層される絶縁性のマット(もしくはシート、シートの巻装体など)、基材の表面に取付けられた少なくとも一対の電極である。外管と基材の間に介層されるマットは、外管内で基材を良好に保持することに加えて、絶縁部材として外管と基材の間の絶縁を保証するものであるが、電極が取付けられる領域に設けることはできないため、電極形成部以外の領域に配設される。
ここで、基材は、通電性と発熱性を有し、炭化ケイ素やステンレス系金属等の導電性金属からなる三角形や四角形、六角形等の多数の孔を有した多孔質基材であり、一般にハニカム基材と称されるものである。そして、基材の有する多数のセルの表面には、アルミナ等の酸化物担体に白金やパラジウム等の貴金属触媒が担持された触媒コート層が形成されている。
このように基材の有する触媒コート層には貴金属触媒が分散して担持されているが、本発明の電気加熱式触媒コンバーターでは、マットのある領域に対応する基材の領域における触媒コート層の貴金属触媒に対し、マットのない領域に対応する基材の領域における触媒コート層の貴金属触媒の担持密度が相対的に高くなっている。
ここで、「担持密度」とは、基材の単位嵩容積当たりにおける貴金属触媒の担持量のことを意味しており、一般には基材の嵩容積1リットル当たりの担持量のことである。したがって、「貴金属触媒の担持密度が相対的に高くなっている」とは、基材の嵩容積1リットル当たりの貴金属触媒量が相対的に高いことを意味している。
マットのない領域に対応する基材の領域における触媒コート層の貴金属触媒の担持密度を相対的に高くすることにより、マットがないために冷え易い基材の領域における貴金属触媒の活性を高めることができ、このことによって基材に担持される貴金属触媒全体の触媒活性を向上させることができ、排ガス浄化性能を高めることができる。
従来の電気加熱式触媒コンバーターでは、マットの有無に関わらず、基材全体で貴金属触媒の担持密度に変化はない(誤差による密度変化は当然にある)。仮に、この従来構造の電気加熱式触媒コンバーターと貴金属触媒の使用量を同じ条件とした場合、本発明の電気加熱式触媒コンバーターでは、マットのある領域に対応する基材の領域における貴金属触媒の担持密度が従来構造のものに比して相対的に低くなり、逆にマットのない領域に対応する基材の領域における貴金属触媒の担持密度は従来構造のものに比して相対的に高くなる。
そのため、マットのある領域では従来構造のものに比して触媒活性が低下することが考えられるが、本発明者等の検証によれば、本発明の電気加熱式触媒コンバーターの場合、マットのない領域(冷え易い領域)における貴金属触媒の活性向上効果が高く、そのためにマットのある領域における貴金属触媒の活性が多少低下したとしても、基材に形成された貴金属触媒全体としての触媒活性は大きく向上し、エミッション低減性が高くなることが実証されている。
なお、基材の表面に二対以上の電極が形成される場合は、各対の電極が基材のガス流れ方向に対して間隔を置いて形成される。たとえば二対の電極が相互に間隔を置いて基材表面に形成される場合、基材のガス流れ上流側から順に、一つ目のマットのある領域(X1領域)、一対目の電極によってマットのない領域(Y1領域)、二つ目のマットのある領域(X2領域)、二対目の電極によってマットのない領域(Y2領域)、三つ目のマットのある領域(X3領域)、といった具合に、三つのマットのある領域と二つのマットのない領域が交互に現れる形態となり得る。このような場合も、二つのマットのない領域に対応する基材の領域の貴金属触媒の担持密度を相対的に高くすればよく、より厳密には、二つのマットのない領域の貴金属触媒の担持密度を同一に設定してもよいし、上流側から一つ目のマットのない領域を下流側の二つ目のマットのない領域に比して貴金属触媒の担持密度を相対的に高くしてもよい(したがって、貴金属触媒の担持密度は、Y1領域≧Y2領域>X1領域=X2領域=X3領域)。
また、本発明による電気加熱式触媒コンバーターの好ましい実施の形態は、前記基材をガスの流れ方向の上流側から順に、上流側領域(Fr)、中央領域(Ce)、および下流側領域(Rr)の3つの領域に仮想的に分割した際に、前記一対の電極が中央領域(Ce)に形成されているものである。
本実施の形態は、一対の電極が基材表面に取付けられる形態に関し、基材を仮想的に3つの領域(Fr、Ce、Rr)に分割した際に、中央領域(Ce)に一対の電極が形成されているものであり、この構成によって、一対の電極にて基材全体(基材の中央領域から上流側および下流側)への通電効率を高めることができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の電気加熱式触媒コンバーターによれば、外管と基材の間に基材を保持するための絶縁性のマットが介層された電気加熱式触媒コンバーターに関し、マットのある領域に対応する基材の領域における触媒コート層の貴金属触媒に対し、マットのない領域に対応する基材の領域における触媒コート層の貴金属触媒の担持密度が相対的に高くなっていることにより、基材に形成された貴金属触媒全体としての触媒活性を大きく向上させることができ、高い排ガス浄化性もしくはエミッション低減性を実現することができる。
本発明の電気加熱式触媒コンバーターを説明した模式図である。 図1のII矢視図であって、基材と触媒コート層を拡大した図である。 触媒浄化予測シミュレーションにおける解析条件のうち、走行パターンを説明した図である。 触媒浄化予測シミュレーションにおける解析結果を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の電気加熱式触媒コンバーターの実施の形態を説明する。
(電気加熱式触媒コンバーター)
図1は本発明の電気加熱式触媒コンバーターを説明した模式図であり、図2は図1のII矢視図であって、基材と触媒コート層を拡大した図である。
図示する電気加熱式触媒コンバーター10は、排ガスの排気系統、より具体的には、不図示のエンジン、電気加熱式触媒コンバーター(EHC)、不図示の三元触媒コンバーター、および不図示のサブマフラーとメインマフラーが順に配され、相互に系統管20で繋がれている排気系統内に組み込まれている。エンジンを始動させた際に、可及的速やかに電気加熱式触媒コンバーター10を構成する貴金属触媒を所定温度まで加熱昇温し、エンジンから流通してくる排ガスをこの貴金属触媒にて浄化し、電気加熱式触媒コンバーター10で浄化しきれなかった排ガスはその下流に位置する三元触媒浄化装置にて浄化されるようになっている。
電気加熱式触媒コンバーター10は、金属製の外管1の中空1aに、触媒コート層7を有する発熱性の基材3が配され、外管1と基材3の間に基材3を保持するとともに外管−基材間の電気絶縁性を保証するためのマット2が介層され、さらに、基材3の表面に一対の電極4A,4Bが取付けられてその全体が大略構成されている。
外筒1はその内部に発熱性の基材3を収容できる中空1aを有する筒状のものであればその形状は任意であり、収容される基材3の形状に応じて円筒状のもの、角筒状のものなどを適用できる。
外筒1の内部に収容される基材3は、図2で示すように、平箔6aと、平箔6aを曲げ加工して得られた波箔6cを重ねてロウ付けし、さらに平箔6aに絶縁箔6bを積層したものをたとえば巻装し(基材骨格)、この基材骨格に触媒コート層7を形成してその全体が構成される。
平箔6aや波箔6cは、通電によって加熱することのできる非金属素材ものや金属素材のものを適用でき、非金属素材の発熱体としては、窒素等をドープして通電可能とした炭化珪素(SiC)などを挙げることができ、金属素材の発熱体としては、Ni-Cr系金属やAl-Cr系金属などを挙げることができる。
触媒コート層7は、アルミナ(Al2O3)等の酸化物やにパラジウム(Pd)やロジウム(Rh)、白金(Pt)等の白金族元素や白金族元素化合物、あるいはそれ以外の貴金属やその化合物をアルミナやセリアジルコニア系の複合酸化物(CeO2−ZrO2)に担持させ、これをアルミナゾルや水とともに調製してなるスラリーを基材骨格に対し、含浸法やイオン交換法、ゾルゲル法、ウォッシュコート法などを適用して形成したものである。
図2で示すように、基材3には、多数のセルからなるハニカム構造の排ガス流路8が形成され、この排ガス流路8を排ガスが流通する過程で貴金属触媒の活性によって浄化される。
図1に戻り、外管1の中空1aに配設される基材3は、排ガスの流れ方向(X方向)の上流側から順に、上流側領域の基材3A、中央領域の基材3B、および下流側領域の基材3Cに仮想的に分割することができる。
そして、中央領域の基材3Bの表面には、その上下位置に一対の電極4A,4Bが取付けられ、それぞれの電極4A,4Bの周囲には絶縁体5が配されており、これによって基材3Bと外管1の間の絶縁が保証されている。さらに、一対の電極4A,4Bはリード線4Cに繋がれ、リード線4Cの途中位置には電源4Dが介在して外部回路を形成している。
エンジン始動の際に電源4DをON制御し、基材3の中央に位置する電極4A,4Bに電流を通電することで中央領域の基材3Bから順に昇温させ、左右の上流側領域の基材3Aと下流側領域の基材3Cに伝熱して昇温させることで可及的速やかに基材3の全体を昇温させ、基材3の表面に形成されている触媒コート層7中の貴金属触媒の活性を促進させる。
同図において、上流側領域の基材3Aと下流側領域の基材3Cはその表面に絶縁性のマット2A,2Bが設けてあり、中央領域の基材3Bの電極周りの絶縁体5と合わせて、基材3と外管1の間の絶縁保証を図っている。
絶縁性のマット2A,2Bは、絶縁性のほかにも耐熱性や強度に優れたアルミナ等を素材とするセラミックス繊維シートから形成することができる。
上流側領域の基材3Aと下流側領域の基材3Cはその表面に絶縁性のマット2A,2Bが設けてあることで、保温性が良好となって冷え難い(換言すれば、放熱性が悪い)。これに対し、中央領域の基材3Bは、電極の存在によってその周囲にマットを設けることができないため、放熱性が良好であり、基材3A,3Cに比して冷え易い。
したがって、中央領域の基材3Bの冷え易さは当該領域における貴金属触媒の活性を不十分なものとしてしまい、EHC全体の排ガス浄化性能を低下させる要因となる。
そこで、図示する電気加熱式触媒コンバーター10においては、マット2A,2Bのある領域に対応する上流側領域の基材3A、下流側領域の基材3Cにおける触媒コート層7中の貴金属触媒に対し、マットのない中央領域の基材3Bにおける触媒コート層7中の貴金属触媒の担持密度を相対的に高く設定している。
たとえば、基材の全領域の触媒コート層中の貴金属触媒の担持密度に変化をもたせていない従来構造の電気加熱式触媒コンバーターと比較した場合、使用する貴金属触媒の量を同一にした条件下において、上流側領域の基材3Aおよび下流側領域の基材3Cの触媒コート層7中の貴金属触媒の担持密度を従来構造のものに比して低くし、代わりに、中央領域の基材3Bの触媒コート層7中の貴金属触媒の担持密度を従来構造のものに比して高くするものである。
このような構成とすることで、上流側領域の基材3Aと下流側領域の基材3Cでは従来構造のものに比して触媒活性が低下する一方で、他の領域に比して冷え易い中央領域の基材3Bにおける貴金属触媒の活性が著しく向上し、結果として基材3に形成された貴金属触媒全体としての触媒活性を従来構造のものに比して大きく向上させることができ、エミッション低減性の向上に繋がる。
冷え難い上流側領域の基材3Aや下流側領域の基材3Cでは、一旦触媒活性状態が形成された後は、貴金属触媒の量を多くしたからといってこの領域における排ガス浄化性能が大きく向上するわけではない。これに対し、放熱性に優れ、冷え易い中央領域の基材3Bでは、貴金属触媒の密度を増加することで触媒活性による発熱量を増加させ、この領域における温度低下を抑制することで排ガス浄化性能の低下を抑制できると考えられる。これらのことから、冷え易い領域の貴金属触媒の担持密度を高めることで基材全体の排ガス浄化性能が向上するものと考えられる。
なお、図示を省略するが、一対の電極の取り付け部位は、中央領域の基材3B以外にも、上流側領域の基材3Aの表面であってもよいし、下流側領域の基材3Cの表面であってもよく、それらの場合には、図示例と同様に電極が取付けられた領域の基材における触媒コート層中の貴金属触媒の担持密度を相対的に高く設定する。
図示する電気加熱式触媒コンバーター10によれば、使用する貴金属触媒の総量を変更することなく、電気加熱式触媒コンバーターのエミッション低減性能(排ガス浄化性能)を向上させることができる。
[触媒浄化予測シミュレーションとその結果]
本発明者等は、エミッション低減性能を検証(予測)するべく、以下の内容に基づく解析をおこない、実施例および比較例にかかる電気加熱式触媒コンバーターの解析モデルのHC排出量を算出した。
(解析内容)
図3で示すように、米国にてエミッションを測定する際の車速・エンジン回転数パターンを条件として、最もエミッションの生じ易い時間帯でのHC積算排出量を計算した。具体的には、図3で示す走行パターンにおいて最もエミッションの生じ易い2山目の時間(200秒)を継続して測定をおこなった。
実施例および比較例にかかる各解析モデルについては、基材に担持される貴金属触媒の担持量を変化させた。より具体的には、実施例1〜3と比較例の4種の解析モデルにおいて、貴金属触媒の中でもPtとRhの担持量を各解析モデルともに一定とし、Pdの担持量を解析モデルごとに基材の部位で変化させた。ここで、基材は、ガス流れ上流側から順にFr領域(上流領域)、Ce領域(中流領域)およびRr領域(下流領域)の3つの領域に等分し、解析モデルごとに各領域のPd担持量(担持密度)を以下の表1のように変化させた。
本解析に先だち、解析モデルとなる試験体の入りガスと試験体からの出ガスの濃度差から、各温度におけるHC浄化率のデータを測定した。つまり、本解析では、各解析モデルにおけるPd担持量ごとに入りガス温度(℃)とHC浄化率(%)の相関を予め求めておき、この相関に基づく関係グラフをコンピュータ内に格納しておいて触媒の酸化温度特性として計算過程で適用している。
各解析モデルともに、上記するようにFr領域(上流領域)、Ce領域(中流領域)およびRr領域(下流領域)の3つの領域を有しているが、解析では各領域をさらに分割し、基材を複数分割されたブロックの集合体モデルとして解析をおこなっている。
解析時の入力条件としては、図3で示す走行パターンを用い、この際の入りガスの温度や濃度(ガスとしては、HC、CO、CO2、O2)、エンジンが吸入する空気量の測定値を計算に用い、上記触媒の酸化温度特性を使用して、基材の初期温度を設定している。
解析では、以下で示す反応速度式を用いてHC反応量を計算し、解析結果として触媒排ガス量(HC量)を計算した。
[式1]
Figure 0005757274
ここで、vは反応速度であり、kは速度定数、E/R、lnAは、触媒の酸化温度特性のアレニウスプロットより算出している。
HC反応量の計算に際しては、ガスと触媒の熱伝達、触媒反応熱、触媒内熱伝導を考慮して解析モデルにおける次ブロックの入りガス温度(反応温度)を算出している。
次に、本解析モデルにおいて、上記する複数分割ブロックにおける計算の考え方を概説する。
上流側の1つ目のブロックに関し、エンジンが吸入する空気量とHCの濃度等より、入りガス中のHC量を計算する。次に、入りガス温度と式1を用いて反応速度を求め、反応するHC量を計算した。入りガス中のHC量から反応するHC量を差し引くことで浄化されずに残ったHCが計算でき、これが次のブロック(隣接する下流側のブロック)に流れるHC量となる。
2つ目のブロックに流れるガスの温度は、1つ目のブロックの反応熱と1つ目のブロックに入るガスとブロック基材(触媒)との相互の熱伝達によって決定される。この温度を用いて酸化温度特性から浄化率を求め、反応するHC量を計算した。そして、残ったHCが次のブロックに流れるHC量となる。
3つ目のブロックに流れるガスの温度は、2つ目のブロックの反応熱と2つ目のブロックに入るガスとブロック基材(触媒)の相互の熱伝達、およびブロック基材(触媒)間の熱伝導によって決定される。この温度と式1を用いて反応速度を求め、反応するHC量を計算した。そして、残ったHCが次のブロックに流れるHC量となる。
4つ目以降についても上記内容を繰返して残ったHCが次のブロックに流れるものとし、最後のブロックで浄化されずに残ったHC量と最初のブロックで流れるHC量の差分によって各解析モデルにおけるトータルの浄化率を計算する。
Figure 0005757274
注記:その他、Pt(1g/リットル)、Rh(0.3g/リットル)は全体に均一に塗布している。
解析結果を図4に示す。同図より、比較例に比して実施例1〜3はいずれもHC積算排出量が低下しており、エミッション低減性が向上していることが実証されている。
より具体的には、比較例の排出量約0.53gに対し、実施例1で約0.52g、実施例2で約0.49g、実施例3で約0.51gとなっており、中でも実施例2のエミッション低減性の向上が顕著となっていることが分かる。これは、電極を基材の中央領域に配したことで基材全体の昇温性が比較例に対しては勿論のこと、実施例1、3に対しても良好であったことによるものである。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…外管、1a…中空、2…マット、2A…上流側のマット、2B…下流側のマット、3…基材、3A…上流側領域の基材、3B…中央領域の基材、3C…下流側領域の基材、4A、4B…一対の電極、4C…リード線、4D…電源、5…絶縁体、6a…平箔、6b…絶縁箔、6c…波箔、7…触媒コート層、8…排ガス流路、10…電気加熱式触媒コンバーター、20…系統管

Claims (2)

  1. 中空を有する外管と、該中空に配された触媒コート層を有する発熱性の基材と、外管と基材の間に介層された絶縁性のマットと、該マットのない領域において基材の表面に取付けられた一対の電極と、該一対の電極を繋ぐ外部回路と、を備えた電気加熱式触媒コンバーターであって、
    マットのある領域に対応する基材の領域における触媒コート層の貴金属触媒に対し、マットのない領域に対応する基材の領域における触媒コート層の貴金属触媒の担持密度が相対的に高くなっている電気加熱式触媒コンバーター。
  2. 前記基材をガスの流れ方向の上流側から順に、上流側領域(Fr)、中央領域(Ce)、および下流側領域(Rr)の3つの領域に仮想的に分割した際に、前記一対の電極が中央領域(Ce)に形成されている請求項1に記載の電気加熱式触媒コンバーター。
JP2012138521A 2012-06-20 2012-06-20 電気加熱式触媒コンバーター Active JP5757274B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012138521A JP5757274B2 (ja) 2012-06-20 2012-06-20 電気加熱式触媒コンバーター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012138521A JP5757274B2 (ja) 2012-06-20 2012-06-20 電気加熱式触媒コンバーター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014001704A JP2014001704A (ja) 2014-01-09
JP5757274B2 true JP5757274B2 (ja) 2015-07-29

Family

ID=50035101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012138521A Active JP5757274B2 (ja) 2012-06-20 2012-06-20 電気加熱式触媒コンバーター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5757274B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015135059A (ja) * 2014-01-16 2015-07-27 トヨタ自動車株式会社 電気加熱式排ガス浄化システム
KR102542435B1 (ko) * 2015-03-31 2023-06-13 다이요 홀딩스 가부시키가이샤 경화성 수지 조성물, 드라이 필름, 경화물 및 프린트 배선판
JP6387976B2 (ja) 2016-02-05 2018-09-12 トヨタ自動車株式会社 電気加熱式触媒
JP2023000472A (ja) 2021-06-18 2023-01-04 株式会社キャタラー 排ガス浄化触媒

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05179939A (ja) * 1991-12-26 1993-07-20 Toyota Motor Corp 通電加熱式触媒コンバータ
JP3122919B2 (ja) * 1992-07-16 2001-01-09 三菱自動車工業株式会社 電気加熱触媒装置
JPH0647625U (ja) * 1992-12-07 1994-06-28 カルソニック株式会社 電熱式触媒コンバータ
JPH09944A (ja) * 1995-06-13 1997-01-07 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 担持量分布付排気触媒
JP2004176592A (ja) * 2002-11-26 2004-06-24 Toyota Industries Corp エンジンの排気浄化装置および排気浄化方法
JP2005076454A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Aisin Takaoka Ltd 内燃機関の排気ガス浄化装置
JP2009275559A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Toyota Motor Corp 電気加熱式触媒装置
JP4816694B2 (ja) * 2008-07-31 2011-11-16 トヨタ自動車株式会社 自動車排ガス浄化用触媒の製造方法
US9060387B2 (en) * 2010-08-23 2015-06-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Electric heating catalyst

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014001704A (ja) 2014-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9295944B2 (en) Electrically heated catalyst device and its manufacturing method
EP3078410B1 (en) Method for producing an electrically heated catalyst device
JP5757274B2 (ja) 電気加熱式触媒コンバーター
JP5804004B2 (ja) 触媒コンバーター
JP5888259B2 (ja) 触媒コンバーター
JP2014151306A (ja) 触媒コンバーター
KR102180483B1 (ko) 전기 가열식 촉매 장치
JP5783037B2 (ja) 通電加熱式触媒装置及びその製造方法
US9815024B2 (en) Electrically heated catalyst device and its manufacturing method
US9464549B2 (en) Electrically heated catalyst device and its manufacturing method
JP2011099405A (ja) 排気浄化装置
JP6206102B2 (ja) 触媒コンバーター
US9731275B2 (en) Catalytic converter
JP2013244438A (ja) 触媒コンバーター
JP2013244437A (ja) 触媒コンバーター
JP7046028B2 (ja) ハニカム構造体の発熱分布測定方法、ハニカム構造体の発熱分布測定システム、ハニカム構造体の製造方法及び電気加熱式担体の製造方法
US10071365B2 (en) Catalytic converter
JP7313540B2 (ja) 電気加熱式担体及び排気ガス浄化装置
JP2013083162A (ja) 通電加熱式触媒装置
CN102596409B (zh) 电加热式催化器
JP6367729B2 (ja) ハニカム体及び触媒担体
JP2013113251A (ja) 電気加熱式の排ガス浄化システム
JPH05138042A (ja) 排ガス浄化用メタル担体触媒
JP2016037867A (ja) 通電加熱式触媒装置
JP2023074264A (ja) ハニカム構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150520

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5757274

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151