JP4816694B2 - 自動車排ガス浄化用触媒の製造方法 - Google Patents

自動車排ガス浄化用触媒の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低温活性を高めた自動車排ガス浄化用触媒の製造方法に関する。
自動車排ガス浄化用触媒として、理論空燃比(stoichiometrical air-fuel ratio:以下「ストイキ」と略称する)において排ガス中のCOおよびHCの酸化とNOxの還元を同時に行なって浄化する三元触媒が用いられている。三元触媒としては、例えばコージェライト等から成る耐熱性基材の表面にγアルミナから成るコート層を形成し、そのコート層に白金Pt、ロジウムRh、パラジウムPd等の貴金属を担持したものが広く知られている。
ガソリンエンジンの排ガス浄化用三元触媒、特にエンジン近くに配置されるスタート触媒は、コールド時に排出するHCとNOxがエミッションの8割程度を占めるため、三元触媒のうちで最も低温活性を向上させることが必要である。
しかし、これまでは低温活性を高める具体的な手段が不明であったため、エミッション規制に対応させて、担持量を増やしたり、排気管保温などを強化して対応してきた。
ここで、上記コールド時の排気の大半を示すHCとNOxのうち、NOxについてはRhが高い浄化性能を有する。また、HCの浄化は、三元触媒反応機構においてNOxの浄化と一体の関係がある。
したがって、Rhを活用することにより低温活性を高めることが期待される。
ただし、Rhの場合、PtやPdのようにアルミナ(Al)を担体とすることはできない。それは、非特許文献1などにより従来から知られているように、Rh/γアルミナ系などでは、酸化雰囲気でRhがアルミナ担体中に固溶し、逆に還元雰囲気で析出するため、触媒として安定に維持できないからである。これは酸化ロジウム(Rh)がαアルミナと同じコランダム型結晶構造を有するため、アルミナ中に固溶し易いためである。
そのため、特許文献1などに開示されているように、Rhとは結晶構造が異なり固溶が生じないジルコニア(ZrO)を担体として用いることで、低温活性の向上と耐久性の向上が得られた。
しかし、Rhは非常に高価であるため、広範に実用化するには触媒金属量を大幅に低減する必要があるという問題があった。
さらに、ジルコニアはRhが固溶することがないが、触媒としての使用温度でジルコニア自体がシンタリングし易いため、結局、触媒としての劣化も避けられなかった。
ジルコニアがシンタリングし易いのは、高温焼成したジルコニアへのRhの担持が困難なため、Rhの担持性を確保するには低温焼成したジルコニアを用いざるを得なかったためである。例えば特許文献2には、ZrOにLaなどを添加して500℃で焼成した担体に、Rhをイオン吸着法により担持する方法が示されている。
しかし、自動車の走行中に排気温度は800℃以上に上昇する。本発明者の実験によると、約500℃で焼成したジルコニア担体は、初期表面積が100m/gであるが、最高温度が800℃に達した場合には40m/g、最高温度が900℃に達した場合は30m/gにまで減少した。ジルコニア粒子径(平均径)は、初期状態8nmに対して、800℃到達後25nm、900℃到達後33nmと大幅に粗大化していた。したがって、Rh用担体としてのジルコニアのシンタリングの問題は、高温焼成ジルコニアへのRh担持が困難であることに帰結する。
また、Rhをイオンとして吸着担持した触媒は、粒子として担持した触媒に比べて活性が劣るという問題があった。
これに対して、貴金属をイオンより活性の高いコロイドとして担持させる方法が従来から種々提起されている。
特許文献3、4には、高分子キレート金属コロイドとして担持する方法が開示されている。吸着法であるが担持に数十時間を要する上、唯一実用性があるPVPコロイドでは担持効率が約30%と低く、しかも性能向上は小さかった。
特許文献5には、保護剤と触媒金属とから成る金属コロイドを用いて蒸発乾固により担体へ担持する方法が開示されている。しかし、この方法では基本的に担持密度を低下することになり、また、担持性を確保するために蒸発乾固を用いており、結局は特許文献3、4の方法と大差なかった。
また、上記のような高分子安定化金属コロイドとして担持した触媒では、従来から行なわれている含浸法により担持した触媒に比べて、初期性能は良好であり、耐久性でも有利な面があったが、結局、厳しい耐久条件では含浸担持による触媒より性能が低下するという欠点があった。
すなわち、高分子安定化コロイドは、高分子の親水基によりコロイドとして分散しており、個々のコロイド粒子は小さくても、多数のコロイドが凝集して大きな二次粒子となっている。これを蒸発乾固すると粗大な二次粒子として担持され、高温の耐久下で大きくシンタリングを起こすため、含浸担持に比べて初期性能は良好でも、高温耐久下では性能低下して優位性が実質的に失われる。
更に、特許文献6には、貴金属の中心部と貴金属以外の遷移金属の表層部とを有する複合金属コロイドを蒸発乾固により担持する方法が開示されている。この方法では、高分子安定化コロイドのようなコロイドの安定性が得られない上、蒸発乾固による特許文献3、4、5と同様の問題を回避できない。
特許文献7には、酸性Rh+ZrO溶液にLa等の塩基性塩を添加してRhを還元析出させ蒸発乾固して担持することにより、Rhの結晶格子が担体の結晶格子と整合してシンタリングを抑制する方法が開示されている。この方法でも、蒸発乾固による特許文献3、4、5と同様の問題を回避できない。
このようにコロイド粒子として担持する方法は、担持効率が低いという問題があった。
C. Wong and R. W. McCabe, Journal of Catalysis, 119, 47-64 (1989) 特開平4−219140号公報 特開2002−282692号公報 特開2000−279818号公報 特開2000−279824号公報 特開2005−296733号公報 特開2004−82000号公報 特開2005−279435号公報
本発明は、担体のシンタリングを防止し、担持効率を高め、低温活性を高めた、ZrOを主体とする担体に触媒金属としてRhを担持した自動車排ガス浄化用触媒の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、焼成されたままのZrOが触媒金属担持処理液中で実質的に帯電しない焼成条件で焼成されたZrOを主体とする担体に、触媒金属としてRhが粒子状態で担持されて成ることを特徴とする自動車排ガス浄化用触媒が提供される。
ただし、「実質的に帯電しない」とは、「ζ電位の絶対値が5mV未満である」ことを意味する。
また、本発明によれば、上記の自動車排ガス浄化用触媒の製造方法であって、
上記焼成条件で焼成されたZrOを主体とする担体に、酸処理および塩基処理の少なくとも一方の処理を施すことにより帯電させる工程、および
触媒金属としてRhのコロイドを含む上記触媒担持処理液中に、上記帯電した状態の担体を浸漬して該Rhコロイドを該担体に吸着させる工程
を含むことを特徴とする自動車排ガス浄化用触媒の製造方法が提供される。
本発明は、焼成されたままのZrOが触媒金属担持処理液中で実質的に帯電しない焼成条件で焼成されたZrOを主体とする担体を酸処理および/または塩基処理により帯電させた状態とすることで、触媒金属としてのRhを粒子状態で高い担持効率で担持できる。これにより、従来はRh粒子の担持が困難になるため適用できなかった高温で担体を焼成することができるので、担体のシンタリングとそれに伴う触媒活性の低下を防止して、Rh本来の高い低温活性を発揮できる。
〔Rh粒子の埋もれによる触媒活性の劣化機構〕
従来、Rhも他の貴金属と同様に、Rhのシンタリングやイオン固溶により触媒活性が劣化すると考えられていた。
これに対して本発明者は、1000℃までのストイキ耐久による評価を行なった結果、触媒金属のシンタリングや固溶よりも、むしろ担体のシンタリングによる触媒金属の物理的な埋もれが劣化機構として重要な役割を果たしていることを新規に見出した。
図1に、ジルコニア担体にRh粒子を担持した触媒のSTEM−EDSによるRhナノ分析像を示す。触媒の作製は、市販のRhコロイド(田中貴金属工業性Rh‐PVP(ポリビニルピロリドン、Rh粒子径2nm))を用い、担体重量の約10倍の蒸留水で希釈した後、中性付近にpH調整した溶液中に、500℃焼成のジルコニア担体を浸漬してにRh粒子を担持させることにより行なった。この触媒に1000℃、ストイキ、2hの耐久を行なった後に観察した。加速電圧200V、分解能2nmである。STEM−EDSはEPMAと比較すると、下記のように格段に高い分析能力を持つ。
EDS EPMA
分解能 : 2nm 数μm
加速電圧: 200kV 数10kV
検出閾値: 低い 高い (特に重元素について)
また、図1中の分析箇所1〜6におけるZrおよびRhの分析値を表1に示す。
ZrとRhの分析強度の関係から、分析箇所1〜4にはRh粒子は存在せず、分析箇所5ではRh粒子が露出しており、分析箇所6ではRh粒子が担体中に物理的に埋もれていると判断される。
このようにRh粒子の埋もれが起きたのは、耐久下において、Rh粒子はシンタリングが軽微で微細な状態に維持されているのに対して、担体のジルコニアはシンタリングが顕著で粗粒化しており、微細なRh粒子が粗大なジルコニア粒子間に埋もれたことによると考えられる。
このように物理的にジルコニア担体中に埋もれてしまったRh粒子は触媒として機能しないため、実際のRh担持量に対して実効的なRh量が大幅に減少し、触媒活性が劣化する。
実際、上記のサンプルについて初期状態と耐久後とで比較すると、ジルコニア担体の表面積は95m/gから11m/gに減少しており、粒子径は9nmから50nmに粗大化していた。一方、Rh粒子径をCO吸着法で測定すると、初期状態の1.9nmから耐久後の12nmに増大しているが、FE−SEMで測定した耐久後の粒子径は7nmであり、測定法の違いによる粒子径の差異から約78%のRh粒子が埋もれている可能性が推定された。
Rh粒子の埋もれ現象はこれまでは全く知られておらず、本発明者によって初めて発見された。埋もれを防止して触媒活性を高めるには、ジルコニア担体のシンタリングの防止が必須であり、それには正常な運転状態での最高使用温度以上の焼成温度で焼成したジルコニア担体を用いることが必要である。従来は、最高使用温度以上の高温で焼成したジルコニア担体はRh粒子の担持性が低いため、蒸発乾固による担持を余儀なくされたため、担持効率が低かった。
本発明において、正常な運転状態での最高使用温度以上の焼成温度は、ガソリン車でエキゾーストマニホールド付近の触媒の場合は900℃以上、ガソリン車で床下触媒の場合は750℃以上、ディーゼル車でPM・NOx同時低減触媒の場合は700℃以上とすることが望ましい。
〔高温焼成ジルコニアの帯電処理〕
本発明者は、高温焼成ジルコニアのRh粒子担持性が低い原因として、焼成したままのジルコニアは触媒金属担持処理溶液中でのζ電位がほぼゼロであることに着目した。そして、焼成したままのジルコニア担体に酸処理および塩基処理の少なくとも一方の処理を施すと、触媒金属担持処理でのζ電位が著しく増加し、Rh粒子の担持性が大幅に高まることを発見した。望ましくは、酸処理後に塩基処理を行う。
図2に、触媒金属担持処理溶液としてRhコロイド溶液中における、900℃にて焼成したジルコニア担体(A)、これに酸処理+塩基処理を施したサンプル(B、C)、Rh粒子自体(D)について、溶液のpHを種々に変化させたときのζ電位の変化を示す。市販のRhコロイド(田中貴金属工業性Rh‐PVP(ポリビニルピロリドン、Rh粒子径2nm))を用い、担体重量の約10倍の蒸留水で希釈した後、種々のpH値に調整した。
サンプルA、B、Cの処理条件は下記のとおりである。
(A)900℃焼成したまま
(B)900℃焼成後、酸処理(HCl(2M),70℃,3h攪拌)+塩基処理(NH洗浄)
(C)900℃焼成後、酸処理(HCl(2M),室温,1h静置)+塩基処理(NH洗浄)+乾燥
pH3〜10の実験範囲において、900℃焼成したままのジルコニア担体(A)はpH値によらずζ電位がほぼ0のままである。これに酸処理+塩基処理を施したサンプル(B、C)は、酸処理時の温度と攪拌の有無および塩基処理後の乾燥の有無により絶対値は異なるが、ζ電位が低pH側で正の値となりpH値の増加に伴い低下して高pH側で負の値となる傾向が認められる。一方、共存するRhコロイド(D)のζ電位は低pH側で小さな正の値でありpH値の増加に伴い低下して高pH側で大きな負の値となる。
このようなジルコニア担体とRh粒子とのpH値に対する帯電挙動の差を利用すると、両者間に働く静電吸着力により担持を促進できる。例えば図の例では、70℃にて3h攪拌の酸処理を施したサンプルとRhコロイドの帯電値は、pH値が6.5のときにそれぞれ正負の大きな値となって、両者間に大きな静電吸着力が働くので、これを利用して高い担持性を得ることができる。
〔Rh粒径と浄化性能〕
図3に、粉末状態のRh/ジルコニア触媒について、ストイキエージングの熱処理温度によるRh粒径とHC50%浄化温度との関係を示す。縦軸は下端から上端へ熱処理温度の高温から低温へ目盛ってあり、上方にプロットされているデータほど浄化性能が高い(低温活性が高い)ことを示している。横軸はエージング熱処理後のRh粒子径であり、下の横軸にはCO吸着法による見掛けの粒子径、上の横軸にはFE−SEM写真による実粒子径を目盛った。
実験範囲でRh粒径の最小端(熱処理なし、見掛け粒径2nm程度)から見掛け粒径9nm程度までは粒径の増加にともなって浄化温度は低下し、それ以上の粒径では粒径への依存性はほぼなくなっている。これは、小粒径領域ではRhの状態変化により浄化反応が律速され、大粒径領域では反応自体が律速している。このようにRh粒径が小さいと浄化性能は低下する。すなわち、ある程度以上の粒径を持つ粒子の状態でRhが担持されることが、低温活性の向上には必須である。
HCの浄化は、三元触媒反応機構においてHCを還元剤とする下記の反応シリーズによりNOxの浄化と一体の関係にある。したがって、上記のHC50%浄化温度によりNOxをも対象とする三元触媒として評価を行なうことができる。なお、下記式中で「*」は触媒金属上の活性点を表わす。
≪NOx還元分解反応≫
2NO+2 → 2NOads (1)
2NOads+2 → 2Nads+2Oads (2)
2Nads → N+2 (3)
≪残存酸素の還元浄化≫
上記(2)式の2OadsがHCと下記のように反応する。
2Oads+2/(2m+n/2)・CmHnads
→ 2m/(2m+n/2)・CO+n/(2m+n/2)・HO+2 (4)
(上記のm、nはHCのCとHの組成比である。)
〔担体の表面積の望ましい範囲〕
図4および表2に、粉末状態のRh/ジルコニア触媒のジルコニア担体の表面積と1000℃耐久後のHC50%浄化温度との関係を示す。ジルコニア担体は酸処理後に塩基処理を施した。各処理条件は下記のとおりであった。
酸処理条件:0.2M HCl水溶液中で1h撹拌。その後、濾過、水洗、濾過。
塩基処理条件:0.1M NHOH水溶液中で1h撹拌。その後、濾過、水洗、濾過。
他の作製条件は、後出の実施例1と同様である。ただし、焼成温度を種々に変えて表面積を変えた。
実験範囲内において、HC50%浄化温度は担体表面積が30m/g〜60m/gの範囲で最も低くなっており、低温活性が高いことが分かる。
したがって、本発明の触媒に用いるジルコニア担体の表面積は上記の範囲内とすることが望ましい。
以下の実施例1、2、3は、本発明により、高温焼成したジルコニアを主体とする担体に前処理として酸処理+塩基処理を施した後に、Rhコロイドを担持した具体例である。なお、以下の実施例、従来例、比較例において「ジルコニア担体」とは「ジルコニアを主体とする担体」を指し、安定化剤を含み得る。
〔実施例1〕
≪高温焼成ジルコニア担体の酸処理・塩基処理≫
900℃で焼成したジルコニア担体に、塩酸0.2mol/L水溶液中で1h攪拌する酸処理を施した後、濾過し、蒸留水で30分水洗した。次に、0.1mol/Lアンモニア水溶液中で30分攪拌する塩基処理を施した後、濾過した。次に、30分水洗した後、濾過した。
≪Rhコロイドの担持≫
市販のRhコロイド(田中貴金属工業製Rh‐PVP(ポリビニルピロリドン、Rh粒子径2nm))を用い、担体重量の約10倍の蒸留水で希釈した後、中性付近にpH調整した。
このコロイド溶液に、上記処理を施したジルコニア担体を入れて1h攪拌し、Rhコロイド微粒子を吸着担持した。以下、定法により担体重量に対して担持量0.3wt%のRh微粒子を担持した触媒を得た。このときのRh担持効率は99.9%であり、上記担持量は仕込み値をそのまま用いている。
〔実施例2〕
実施例1と同様の処理および手順によりジルコニア担体にRhコロイド粒子を吸着担持した。以下、定法により担体重量に対して担持量0.6wt%のRh微粒子を担持した触媒を得た。Rh担持効率は99.3%であり、上記担持量は仕込み値をそのまま用いている。
〔実施例3〕
実施例1と同様の処理および手順によりジルコニア担体にRhコロイド粒子を吸着担持した。以下、定法により担体重量に対して担持量1.0wt%のRh微粒子を担持した触媒を得た。Rh担持効率は97.4%であり、上記担持量となるように仕込み値を調整した。
以下の従来例1、2、3は、高温焼成したジルコニア担体に、本発明の前処理を行なわず、Rhイオンを含浸担持した具体例である。
〔従来例1〕
≪高温焼成ジルコニア担体へのRhイオンの含浸担持≫
900℃で焼成したジルコニア担体をそのまま用いた。これを、50℃に暖めた塩化Rh水溶液中で1hゆっくり攪拌し、Rhイオンの吸着を行なった。以下、定法により担体重量に対して担持量0.3wt%のRhイオンを担持した含浸担持触媒を得た。このときのRh担持効率は92.0t%であり、初期量を調整して上記担持量とした。
900℃のような高温で焼成したジルコニア担体にRhを担持するのは一般に非常に困難である。その原因は、大きく分けて二つある。一つは、高温焼成によって表面積が低下することであり、もう一つは、酸点等のイオン吸着点が減少し、疎水性となることである。ただし、この状態は担体の性質(親水性など)によって左右され、個々のケースで異なり、安定した担持性を常に確保することは事実上不可能である。本従来例ではたまたま担持できたが、常に担持できるとは限らない。
〔従来例2〕
従来例1と同じく900℃焼成のジルコニア担体に同様の処理を行い、Rhイオンの吸着を行なった。以下、定法により担体重量に対して担持量0.6wt%のRhイオンを担持した含浸担持触媒を得た。このときのRh担持効率は85.7%であり、初期量を調整して上記担持量とした。
〔従来例3〕
従来例1と同じく900℃焼成のジルコニア担体に同様の処理を行い、Rhイオンの吸着を行なった。以下、定法により担体重量に対して担持量1.0wt%のRhイオンを担持した含浸担持触媒を得た。このときのRh担持効率は54.5%であり、初期量を調整して上記担持量とした。
下記の従来例4は、高温焼成したジルコニア担体に、本発明の前処理を行なわず、Rhコロイドを担持した具体例である。
〔従来例4〕
≪高温焼成ジルコニア担体へのRhコロイドの担持≫
900℃で焼成したジルコニア担体をそのまま用いた。先ず、実施例1と同じRh−PVPコロイド液を蒸留水へ添加し、攪拌した。次にジルコニア担体を添加し、3h攪拌した。以下、定法により担体重量に対して担持量0.3wt%のRh微粒子を担持した触媒を得た。このときのRh担持効率は85.2%であり、Rhコロイド量を調整して上記担持量とした。
以下の比較例1、2、3は、低温焼成したジルコニア担体にRhイオンを含浸担持した具体例である。
〔比較例1〕
≪低温焼成ジルコニア担体へのRhイオンの含浸担持≫
550℃で焼成したジルコニア担体をそのまま用いた。これを、50℃に暖めた塩化Rh水溶液中で1hゆっくり攪拌し、Rhイオンの吸着を行なった。以下、定法により担体重量に対して担持量1.0wt%のRhイオンを担持した含浸担持触媒を得た。このときのRh担持効率は97.2%であり、初期量を調整して上記担持量とした。
〔比較例2〕
比較例1と同じく550℃焼成のジルコニア担体に同様の処理を行い、Rhイオンの吸着を行なった。以下、定法により担体重量に対して担持量0.6wt%のRhイオンを担持した含浸担持触媒を得た。このときのRh担持効率は99.4%であり、上記担持量は仕込み値をそのまま用いている。
〔比較例3〕
比較例1と同じく550℃焼成のジルコニア担体に同様の処理を行い、Rhイオンの吸着を行なった。以下、定法により担体重量に対して担持量0.3wt%のRhイオンを担持した含浸担持触媒を得た。このときのRh担持効率は99.5%であり、上記担持量は仕込み値をそのまま用いている。
以上の実施例、従来例、比較例で得られた触媒について耐久性評価を行なった。ただし、従来例3はRh担持効率が54.5%と低く、規定量のRhを担持できなかったため、評価対象から除外した。耐久条件および評価条件は下記のとおりである。
≪耐久条件≫
1000℃、ストイキ、2h
≪評価条件≫
SV: 50000万
NOx: 2500ppm
CO: 6000ppm
HC: 3000ppm
CO: 12%
O: 10%
ストイキとなるように酸素調節
ガソリンU/F触媒やNOx触媒(USR触媒)の最高使用温度はストイキで900℃以下である。そのため1000℃ストイキ条件にて促進耐久を実施した。これはRh粒子のシンタリングについて実際より過酷な条件であり、より安全サイドでの評価が保証できる。実施例および従来例は、担持量0.3wt%が基準となり、比較例は担持量1wt%が基準となる。評価結果を表3にまとめて示す。
表3に示したように、耐久後の暖機性を比較すると、本発明の実施例の触媒は、Rh担持量がより多い比較例よりも高い活性を示している。また、比較例が担持量の低下と共に暖機性が急激に低下しているのに対して、実施例は担持量が低下による暖機性の低下が少ない。
また、実施例3の結果が示すように、高温焼成したジルコニア担体でも、多量のRhを担持することができ、担持の適応範囲が広いことが分かる。
一方、従来例は、比較例1(担持量1.0wt%)の暖機性を上回ることができなかった。これは、高温焼成担体のイオンの担持性が低いためにRhの分散性が低下したためであると考えられる。
このように、本発明の触媒は、高温焼成ジルコニア担体を用いたにもかかわらず、Rh粒子を高分散に担持でき、同じRh担持量での暖機性が大幅に向上しており、適用できるRh担持量範囲も広い。
本発明によれば、担体のシンタリングを防止し、担持効率を高め、低温活性を高めた、ZrOを主体とする担体に触媒金属としてRhを担持した自動車排ガス浄化用触媒およびその製造方法が提供される。
図1は、ジルコニア担体にRh粒子を担持した触媒のSTEM−EDSによるRhナノ分析像である。 図2は、触媒金属担持処理溶液としてRhコロイド溶液中における、900℃にて焼成したジルコニア担体、これに酸処理+塩基処理を施したサンプル、Rh粒子自体について、溶液のpHを種々に変化させたときのζ電位の変化を示すグラフである。 図3に、粉末状態のRh/ジルコニア触媒について、ストイキエージングの熱処理温度によるRh粒径とHC50%浄化温度との関係を示すグラフである。 図4は、粉末状態のRh/ジルコニア触媒のジルコニア担体の表面積と1000℃耐久後のHC50%浄化温度との関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 焼成されたままのZrOが触媒金属担持処理液中で実質的に帯電しない焼成条件で焼成されたZrOを主体とする担体に、触媒金属としてRhが粒子状態で担持されて成る自動車排ガス浄化用触媒の製造方法であって、
    上記焼成条件で焼成されたZrOを主体とする担体に、酸処理および塩基処理の少なくとも一方の処理を施すことにより帯電させる工程、および
    触媒金属としてRhのコロイドを含む上記触媒金属担持処理液中に、上記帯電した状態の担体を浸漬して該Rhコロイドを該担体に吸着させる工程
    を含むことを特徴とする自動車排ガス浄化用触媒の製造方法。
  2. 請求項1において、上記ZrOを主体とする担体は、表面積が30〜60m/gであることを特徴とする自動車排ガス浄化用触媒の製造方法。
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