JP5756124B2 - 改善された粘着性を有するハイドロゲルマトリックス - Google Patents

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Description

本発明は、創傷被覆材、特に肉芽形成期および上皮化期における創傷治療手段としての創傷被覆材に関する。この創傷被覆材は、特に、創傷の湿潤療法に使用することができる。
皮膚創傷の治癒は、皮膚上皮ならびに結合組織および支持組織の再生能力に基づく。再生自体は、治癒プロセスを段階的に進行させる細胞活動が互いに係わり合った複雑な事象を特徴とする。従って、文献には、創傷の種類に関係なく3つの主要な創傷治癒段階が記載されている。これには、止血および創傷清浄化のための炎症期または滲出期(第1期、清浄化期)、肉芽組織形成のための増殖期(第2期、肉芽形成期)、ならびに上皮化および瘢痕形成のための分化期(第3期、上皮化期)が含まれる。
各創傷治癒段階を促進するための多数の提案が文献に記載されている。特に、ハイドロゲルを有する創傷被覆材もかなり以前から専門文献の多数の論文や特許文献の対象となっている。例えば、欧州特許第455324B1号明細書、欧州特許第528091B1号明細書、欧州特許第567704B1号明細書、または欧州特許第630629B1号明細書には、様々な構成の透明ハイドロゲル創傷被覆材が記載されている。これらの一部多層創傷被覆材は、熱傷を治療するため、創傷接触層として含水または乾燥ハイドロゲルを含む。
欧州特許第0426422B1号明細書は、ポリ尿素/ポリウレタン共重合体をベースにするハイドロゲルを有する創傷ドレッシング材を開示している。前述の組成物は、多価アルコールを15〜30重量%含有する。イソシアネートの反応基対アミン基の比は、欧州特許第0426422B1号明細書に記載のハイドロゲル組成物では約0.63〜1.40である。好ましいと称されている実施形態によれば、その比は1.23である。欧州特許第0426422B1号明細書に記載の組成のハイドロゲルを含有する創傷被覆材は、Hydrosorb(登録商標)(Paul Hartmann Ag、ドイツ)の名称で上市されている。創傷被覆材は、48時間後、自重の約2倍の量の液体を吸収することができる。
さらに、例えば、欧州特許第457977B1号明細書、欧州特許第486522B1号明細書、欧州特許第541390B1号明細書、欧州特許第541391B1号明細書、欧州特許第570430B1号明細書、欧州特許第665856B1号明細書、欧州特許第691113B1号明細書、欧州特許第693913B1号明細書、または欧州特許第1082146B1号明細書には、吸収層としてポリウレタンフォームを含む様々な構成の創傷被覆材が記載されている。
さらに、欧州特許第855921B1号明細書および欧州特許第1156838B1号明細書には、疎水性シリコーンゲルで被覆されているポリウレタンフォームを含む創傷被覆材が開示されている。このシリコーンゲルは、創傷とポリウレタンフォームとの固着を防止することを目的としている。
さらに、国際公開第02/38097A1号パンフレット、国際公開第02/47761A1号パンフレット、国際公開第03/011352A1号パンフレット、国際公開第03/086255A1号パンフレット、国際公開第2004/052415A1号パンフレット、または欧州特許出願公開第1658865A1号明細書では、ハイドロゲルおよびポリマーフォームを含む創傷被覆材が記載されている。
本出願人の特許出願である、独国特許出願公開第102008031183.9号明細書(EPC第54条(3)の意味において従来技術である)にも同様に、第1の層としての創傷接触層を1つと、親水性ポリウレタンフォームを含む吸収層としての第2の層を少なくとも1つ有する多層(mehrschichtige bzw. mehrlagige)創傷被覆材が記載されている。創傷接触層は、ポリ尿素/ポリウレタン共重合体をベースにするハイドロゲルであってもよい。独国特許出願公開第102008031183.9号明細書の実施例は、プロピレングリコールを17.5重量%含むハイドロゲルを開示しており、前述のハイドロゲル中のイソシアネートの反応基対アミン基の比は1.23である。前述のポリ尿素/ポリウレタン共重合体を多層ドレッシング材の創傷接触層として使用することにより、非常に優れた創傷治癒特性を有する非外傷性創傷被覆材を提供することができる。前述のポリ尿素/ポリウレタン共重合体からなる創傷接触層は安定である。しかし、このような創傷接触層を有する多層創傷被覆材は、周囲の創傷組織に対する粘着性をほんの僅かしか有していない。包帯または絆創膏で創傷被覆材の固定を行うことができるが、それまで創傷被覆材を手で創傷に保持しておかなければならない。
最近の創傷治療では、創傷の治癒を早め、自然な創傷治癒プロセスを促進する創傷被覆材が要求されている。その場合、適切な創傷被覆材は、様々な望ましい特性を合わせ持っていなければならない。非常に優れた皮膚および組織適合性の他に、創傷被覆材は創傷治癒を促進する湿潤環境を確保しなければならず、過剰な液体は吸収されなければならない。さらに、創傷被覆材は非外傷性を有していなければならない、即ち、創傷被覆材は、ドレッシング材交換時に、再生した創傷組織を損傷することなく除去できなければならない。その場合、創傷接触層は、創傷組織と直接接触するため、望ましい非外傷性に関しても創傷治癒を促進する環境を提供するためにも重要な役割を果たす。創傷治癒には湿潤環境が好ましく、アルカリ性のpH値、特に8より大きいpH値は回避されなければならない。同時に、創傷領域から過剰な液体が排出される場合、創傷被覆材によって吸収されなければならない。さもなければ、過剰な液体または創傷滲出液により、創傷周縁の浸軟が起こるおそれがある。実務上、医師または看護師などの使用者は、さらに、創傷被覆材が包帯または絆創膏で固定される前に既に創傷部位に粘着している、即ち、創傷被覆材がある程度の表面粘着性(英:Tack(タック))を有することを望むことが多い。これは、特に、固定用包帯または絆創膏などの他の包帯手段で身体に固定される創傷被覆材の場合に望ましい。創傷被覆材の粘着性により、処置する人がまず創傷被覆材を創傷上に軽く固定した後、例えば、同時に創傷被覆材を手で創傷に押し当てておく必要なく、適した固定用包帯をきちんと巻くことが可能となる。創傷被覆材がタックを有すると、特に1人だけでドレッシング材を当てる場合、使用がずっと容易になる。他方、付着力が強過ぎると、創傷被覆材の非外傷性が低下し、さらに、ドレッシング材交換時に創傷周囲の損傷していない皮膚を損傷するおそれがある。また、創傷組織および創傷周囲の健康な皮膚に対する粘着性が強過ぎる創傷被覆材は、一度創傷と接触すると修正が非常に難しいため、タックが高過ぎるのもあまり望ましくないことがある。
従って、本発明の課題は、ポリ尿素/ポリウレタン共重合体ハイドロゲルマトリックスからなる創傷接触層を有する前述のおよび市販の創傷被覆材から出発し、改善された創傷被覆材を提供することである。特に、本発明の課題は、肉芽形成期および/または上皮化期における創傷治癒のために使用できる、改善された創傷被覆材を提供することである。さらに、正常で自然な創傷治癒過程を経ることができるように創傷の病理学的状態に影響を及ぼす非外傷性創傷被覆材を提供する。このために、創傷被覆材は十分量の湿気を創傷に供給すると同時に、創傷に適した中性点付近のpH値を有していなければならない。特に、固定用包帯を巻くまで、または絆創膏を貼るまで創傷被覆材を創傷部位に保持しておく必要がないように、創傷被覆材が創傷部位および創傷周囲の損傷していない皮膚に粘着できることが望ましい。その場合、創傷被覆材が十分な吸収能を有することも同様に望ましい。
これらの課題を解決するために、請求項1に記載の多層創傷被覆材を提案する。それによれば、本発明の多層創傷被覆材は、含水ハイドロゲルマトリックスを含む創傷接触層としての第1の層を含む。さらに、本創傷被覆材は少なくとも1つの第2の吸収層を含む。その場合、ハイドロゲルマトリックスは、プロピレングリコール37〜43重量%、イソホロンジイソシアネート末端基を有するプレポリマー(以下、「イソシアネート」と称する)とポリエチレンオキサイドをベースにするジアミンを合計12〜16.5重量%、無機塩化物0〜5重量%、および水残部を含み、イソシアネートの反応基対ジアミンのアミン基の比は1.25〜1.35とする。
提案される多層創傷被覆材は、ハイドロゲルが特に選択された量のプロピレングリコールと、イソホロンジイソシアネート末端基を有するプレポリマーと、ポリエチレンオキサイドをベースにするジアミンとを特徴とする組成を有する場合、改善されたタックを有するハイドロゲルを得ることができるという意外な発見に基づき、その場合、イソシアネートの反応基とジアミンのアミン基は所定の比で存在しなければならない。
プロピレングリコール37〜43重量%、イソホロンジイソシアネート末端基を有するプレポリマーとポリエチレンオキサイドをベースにするジアミンを合計12〜16.5重量%、無機塩化物0.5〜1.5重量%、および水残部を含み、イソシアネートの反応基対ジアミンのアミン基の比が1.25〜1.35であるハイドロゲルマトリックスを有する創傷接触層は、創傷部位に付着した状態を維持する、即ち、十分強いタックを有する。タック(創傷および周囲の皮膚に対する粘着性)を評価するために、本発明に関して実施される広範にわたる試験では1〜5の相対スケールを採用した。評価は、様々な製品の人差し指とゲルとの間での粘着性に基づく1人の主観的印象に基づいて行った。その場合、1人が市販の製品を5つのカテゴリーに分類した。その場合、タック1は、創傷被覆材が健康な皮膚に粘着しないことを意味し、タック5は、非常に高い粘着性を意味する。その場合、相対値4のタックが望ましい。本発明で開示されている含水ハイドロゲル創傷接触層は十分強いタック、例えば、値4のタックを有し、ポリ尿素/ポリウレタン共重合体ハイドロゲルマトリックスの従来技術から既知の有利な特性を維持するかまたはそれに優る。
含水ハイドロゲル創傷接触層(第1の層)と吸収層(第2の層)の組み合わせは、さらに、創傷治癒に非常に有利な中性点付近のpH値、例えば、約7.3〜7.5を有する。含水ハイドロゲルは迅速に硬化し、多層創傷被覆材の創傷接触層として使用するのに適した安定性を有する。創傷接触層が創傷接触層の面積の15〜70%を占める穴、流路、または開口部を有する場合、ハイドロゲルを含む創傷接触層の十分な安定性も得られる。
含水ハイドロゲルマトリックスの望ましい特性を得るために、ハイドロゲルマトリックス組成物は、一方では、37〜43重量%のプロピレングリコール分を有することが重要である。これは、従来技術で一般的に記載されている組成物と比較して、プロピレングリコールの含有率がかなり高い。他方、本組成物は、イソホロンジイソシアネート末端基を有するプレポリマーとポリエチレンオキサイドをベースにするジアミンを合計12〜16.5重量%含むものとし、イソシアネートの反応基(「NCO」)対ジアミンのアミン基(「NH 」)の比(「NCO:NH 」)が1.25〜1.35の範囲に調整されていなければならない。さらに、ハイドロゲルマトリックスは、少なくとも1種類の無機塩化物を0〜5重量%含む。本発明で開示される組成から外れると、比較的好ましくない特性を有するハイドロゲル、例えば、タックの評価値が3未満であるかまたは4より大きいハイドロゲル、望ましくないほど高い8より大きいpH値を有するハイドロゲル、または十分に硬化しないハイドロゲルが得られることが分かった。
組成物がプロピレングリコール37〜43重量%、好ましくはプロピレングリコール39〜41重量%、およびイソホロンジイソシアネート末端基を有するプレポリマーとポリエチレンオキサイドをベースにするジアミンを合計12〜16.5重量%、好ましくは14〜16重量%含み、イソシアネートの反応基対ジアミンのアミン基の比が1.27〜1.33の範囲に、理想的には1.29〜1.31に調整されている場合、特に有利なハイドロゲルを得ることができる。このようなハイドロゲルは、タック、pH値、および安定性に関して優れた特性を有する。
ハイドロゲルマトリックスが無機塩化物を0.5〜1.5重量%含むことが非常に好ましいことが判明し、無機塩化物は、好ましくは塩化ナトリウムである。特に、ハイドロゲルマトリックスは、塩化ナトリウムを0.9重量%含む。
ハイドロゲルを得る方法は、まず、水、プロピレングリコール、および無機塩化物(存在する場合)を混合し、その後、均一な溶液が得られるまで、撹拌しながら溶融したアミンを添加する。その後、イソシアネートを添加する。ゲルは、非常に迅速に、一般にほんの数分で、例えば3分で硬化する。望ましい場合、イソシアネートの添加後に組成物を冷却することにより、硬化を遅延させることができる。イソシアネートの反応基対ジアミンのアミン基の比は、一般的な方法で、使用される出発物質の分子量に基づき物質の品質(純度)を考慮して計算し、調整することができる。イソシアネートの反応基対ジアミンのアミン基の比をできるだけ正確に調整するため、イソシアネートを添加する前に、水、プロピレングリコール、NaClおよびジアミンからなる混合物のアミン含有量を当業者に既知の方法で正確に測定することが有利である。イソシアネートの反応基対ジアミンのアミン基の比は、測定されたアミン含有量を考慮し、添加されるイソシアネートの量に基づいて、1.25〜1.35、好ましくは1.27〜1.33、理想的には1.29〜1.31の値に調整することができる。イソシアネートの反応基対ジアミンのアミン基の比を1.30に調整すると、特に有利なゲルが得られる。
次の組成:
プロピレングリコール40重量%
ポリエチレンオキサイドをベースにするジアミン、例えば、Jeffamine ED−2003、5.7重量%
NaCl0.9重量%
イソシアネート、例えば、Aquapol PI−13000−3、9.3重量%
水残部
を有するハイドロゲルマトリックスを有する創傷接触層が、本発明の多層創傷被覆材に特に適していることが判明した。この組成物では、イソシアネートの反応基対ジアミンのアミン基の比は1.30である。
さらに、ハイドロゲル創傷接触層と吸収層とを含む本発明の多層創傷被覆材は、予想外に高い液体吸収能を有する。
特に、ハイドロゲル創傷接触層と10%以上の水分を有する親水性ポリウレタンフォームとを含む本発明の多層創傷被覆材は、特に高い液体吸収能を有する。
従って、厚さ0.8mmのハイドロゲルと厚さ3mmの親水性ポリウレタンフォーム(含水率約58%)とを有する創傷被覆材は、48時間後、自重に基づいて約8.5倍の量の水を吸収することができる。ハイドロゲルは、プロピレングリコール40重量%、Aquapol(イソシアネート)9.3重量%、Jeffamine(ポリエチレンオキサイドをベースにするジアミン)5.7重量%、NaCl0.9重量%、および水残部(約44重量%)を含む。イソシアネートの反応基対ジアミンのアミン基の比(NCO:NH )は、1.30である。前述の創傷被覆材は、創傷治癒を促進するpH値7.44とタック4を示す。
多層創傷被覆材の少なくとも1つの第2の層は、好ましくは水10重量%以上の水分を有する親水性ポリウレタンフォームを含む吸収層である。
その場合、特に好ましくは、第2の層は、水10重量%以上の含水率を有する親水性ポリウレタンフォームを含む。
特に、本発明の創傷被覆材の第2の層は、水20重量%以上、特に30重量%以上、とりわけ好ましくは水35重量%以上の水分を有する親水性ポリマーフォーム、特に親水性ポリウレタンフォームを含む。ここで、親水性ポリマーフォーム、特に親水性ポリウレタンフォームが、水80重量%以下の水分、特に70重量%以下、とりわけ好ましくは水65重量%以下の水分を有することがさらに好ましい。特に、この水分は、フォームのポリマーマトリックスまたはポリウレタンマトリックス中に均一に分布している。その場合、特に、親水性ポリマーフォームは、水10重量%以上、80重量%以下の水分を有し、この水は特に親水性ポリマーフォーム中に、特に親水性ポリウレタンフォーム中に均一に分布している。
以下で、本発明に関して、特記しない限り、ある成分の含有率は、その成分を含む構成材料の重量に基づく重量パーセント(重量%)で示すものと理解されたい。
各構成材料中の水の量を調べるため、本発明に関して規格DIN EN 14079を採用するものとし、次のように水の量を計算する:
Figure 0005756124
式中、W=構成材料の総重量に基づく水の重量%
=水を含有する構成材料の重量
=乾燥した構成材料の重量
従って、本発明に関して、10重量%以上の水分を有する親水性ポリマーフォームまたは10重量%以上の水分を有する親水性ポリウレタンフォームとは、水を10重量%以上含み、その水をポリマーフォームまたはポリウレタンフォームから放出することができるポリマーフォームまたはポリウレタンフォームと理解されたい。換言すれば、例えば、ポリマーフォームまたはポリウレタンフォームの出発物質の重合時に、形成に使用され得る水分を意味するのではない。このような水は共有結合し、創傷治療に使用することはできない。さらにまた、フォームの製造時に製造に伴って使用される水分を意味するのでもない。このような水分は、ポリマーフォームの形成後または形成中に、たいていは乾燥により、例えば、オーブン中で乾燥させることによりフォームから除去され、従って、同様に創傷治療に使用することはできない。従って、本発明の創傷被覆材は、製造に起因し得る乾燥後の残留含水率を明らかに超える水分を有するポリマーフォームまたはポリウレタンフォームを有する。
さらに好ましくは、本発明の創傷被覆材は、20%以上の保持値Rを有する親水性ポリウレタンフォームを含む。ここで、親水性ポリウレタンフォームは、30%以上、特に40%以上、特に40%以上、とりわけ好ましくは50%以上の保持値Rを有することがさらに好ましい。
これとは独立して、創傷被覆材は、90%以下、特に80%以下、とりわけ70%以下の保持値Rを有する親水性ポリウレタンフォームを有することがさらに好ましいことがある。その場合、保持値Rは、本明細書に記載の方法により測定される。
とりわけ好ましくは、本発明の創傷被覆材は10重量%以上の水分を有する親水性ポリウレタンフォームを含み、水分はポリウレタンフォームの保持値Rに相当する。
従って、既知のハイドロゲル創傷被覆材と比較して高い吸収能と高含水率とを併せ持つ創傷被覆材を提供することができる。創傷被覆材は、創傷の治療時にこの水を放出すると同時に、創傷滲出液が存在する場合、これを取り込むことができる。既知のポリマーフォーム創傷被覆材と比較して、創傷面に十分液体または水を供給すると同時に、十分な吸収能を有する創傷被覆材を提供することができる。これによって、創傷治癒に悪影響を及ぼし得る要因が創傷面から取り除かれると同時に、十分な量の湿気や水が供給される。乾燥ポリマーフォームは、放出可能な水を含まず、たいてい非常に迅速に非常に多量の創傷分泌液を取り込み、それによって創傷面が乾燥するが、本創傷被覆材は、このような乾燥ポリマーフォームと比較して吸収能が低いため、創傷治癒の上皮化期または肉芽形成期に使用するのに非常に適している。
特に、本発明の多層創傷被覆材では、吸収性を有し創傷を湿潤状態に保つ親水性ポリマーフォームと、創傷治癒を阻害しないpH値(例えば、7.3〜7.5)を有するハイドロゲル創傷接触層との組み合わせにより、利点が生じる。
本発明に関して、親水性ポリマーフォームとして、水分をそのポリマー骨格に取り込むが、それにもかかわらず十分な吸収性を有する、最近の創傷治療に現在一般的に使用されているどのような親水性ポリマーフォームも使用することができる。従って、本発明に関して、親水性ポリマーフォームとは、液体を吸収して貯蔵することができ、この液体を少なくとも一部、また放出することができるポリマーフォームと理解されたい。特に、ポリマーフォームとして、親水性ポリウレタンフォーム、親水性ポリエーテルフォーム、親水性ポリウレタン−ポリエーテル共重合体フォーム、親水性ポリ酢酸ビニルフォーム、親水性ポリビニルアルコールフォーム、親水性コラーゲンフォーム、親水性キトサンフォーム、またはこれらのフォームの混合物を使用することができる。とりわけ好ましくは、ポリマーフォームとして、親水性ポリウレタンフォームを使用することができる。
本発明によれば、高い吸収能を有するポリマーフォーム、特にポリウレタンフォームを使用しなければならない。ポリマーフォーム、特にポリウレタンフォームが自重の一部の水をそのポリマーマトリックスまたはポリウレタンマトリックス中に取り込んでも、この吸収能が存在していなければならない。従って、本発明の他の実施形態(Weiterbildung)によれば、本発明の創傷被覆材は、水10重量%以上、80重量%以下の水分を有し、10g/g以上、特に12g/g以上、とりわけ好ましくは15g/g以上の自由吸収量Aを有する親水性ポリマーフォーム、特に親水性ポリウレタンフォームを含み、ここで、自由吸収量AはDIN−EN 13726−1(2002)に従って測定される。ここで、自由吸収量Aは、水を含有するポリマーフォームまたは水を含有するポリウレタンフォームの自由吸収量である。
さらに好ましくは、本発明の創傷被覆材は、水10重量%以上、80重量%以下の水分を有し、10g/g以上、特に12g/g以上、とりわけ好ましくは15g/g以上の自由吸収量Aを有する親水性ポリマーフォーム、特に親水性ポリウレタンフォームを含み、ここで、自由吸収量AはDIN−EN 13726−1(2002)に従って測定される。ここで、自由吸収量Aは、乾燥ポリマーフォームまたは乾燥ポリウレタンフォームの自由吸収量である。
従って、本発明の他の実施形態によれば、本発明の創傷被覆材は、吸収層として第1の面と第2の面を有する第2の層も含み、第2の層は親水性ポリマーフォームまたは親水性ポリウレタンフォームを含む。その場合、特に、第1の層は第2の層と直接接触する。しかしまた、その場合、吸収層としての第2の層は創傷接触層と直接接触してもよい。ここで、創傷接触層は創傷と直接接触する。
親水性ポリマーフォームとして親水性ポリウレタンフォームを使用すると、乾燥親水性ポリウレタンフォームを有する創傷被覆材と比較して、創傷に加わる剪断荷重が極めて小さい創傷被覆材を提供することができる。ポリマーフォームの水分を水10重量%以上とすることにより、予備調整された親水性ポリウレタンフォームを有する創傷被覆材を提供することができ、この創傷被覆材は、液体をほぼ同様に吸収した時、乾燥親水性ポリウレタンフォームを有する創傷被覆材と比較して、膨潤能が極めて小さい。従って、予備調整されたポリウレタンフォームの膨潤能がこのように小さいため、創傷被覆材の内部で他の層もしくは材料に対する剪断力、または治療される創傷に対する剪断力が小さくなる。これによって、特に創傷治癒を促進するポリウレタンフォーム創傷被覆材を提供することができる。
従って、1つの発展的概念によれば、第1の面と第2の面を有する第2の層を含む創傷被覆材も本発明の対象となるが、この層は10重量%以上の水分を有し、80%以下の膨潤能ΔVを有する親水性ポリウレタンフォームを含む。その場合、特に、親水性ポリウレタンフォームは、60%以下、特に40%以下、特に30%以下、とりわけ好ましくは20%以下の膨潤能ΔVを有する。その場合、ポリウレタンフォームが5%以上の残存膨潤能ΔVを有することがさらに有利になり得る。吸収中、創傷被覆材と創傷床との接触を改善できるように、この残存膨潤能を利用することもできる。
ここで、ポリウレタンフォームの膨潤能ΔVとは、水10重量%以上の含水率を有するポリマーフォームと比較して、その吸収能を完全に使い果たしたポリウレタンフォームが経ている体積の増加と理解されたい。その場合、この膨潤能は、本明細書に記載の試験に従って求められるものとする。
本発明に関して、ポリウレタンフォームとして、水分をそのポリウレタンマトリックス中に取り込んでも十分な吸収性を有する、最近の創傷治療に現在一般的に使用されているどのような親水性ポリマーフォームも使用することができる。従って、本発明に関して、親水性ポリウレタンフォームとは、液体をそのポリウレタンマトリックスおよびその気孔中に取り込んで貯蔵する、従って吸収することができ、取り込んだ液体を少なくとも一部また放出することができるポリウレタンフォームと理解されたい。ここで、親水性ポリマーフォームとしては、特に連続気泡親水性ポリウレタンフォームが適している。それに応じて、特に好ましい創傷被覆材は、連続気泡親水性ポリウレタンフォームを含む第2の層を含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明の創傷被覆材は、さらに、乾燥状態でISO 1798−M1による破断点伸びが50〜105kPa、好ましくは72〜94kPAである親水性ポリウレタンフォームを含む。乾燥状態でISO 1798−M1による破断点伸びが、50、72、特に72〜94kPAである親水性ポリウレタンフォームは本発明の創傷被覆材に特に適しているが、その理由は、このようなポリウレタンフォームを有する創傷被覆材は、十分な安定性を有すると同時に被着面(Untergrund)に十分よく追従するからである。
さらに好ましくは、本発明の創傷被覆材は、平均孔径が1000μm未満、特に100〜1000μm、特に100〜500μm、とりわけ好ましくは100〜300μmの親水性ポリマーフォーム、特に親水性ポリウレタンフォームを含む。本発明の多層創傷被覆材に関して、特に、顕微鏡で測定した孔径が150〜220μmである親水性ポリウレタンフォームが特に有利であることが判明した。ここで、特に、第2の層の第1の面の平均孔径は、第2の層の内部の孔径と同じ大きさであってもよい、および/または第2の層の第2の面の孔径と同じ大きさであってもよい。さらに好ましい親水性ポリウレタンフォームは、150kg/m未満、特に140kg/m未満、とりわけ好ましくは50〜120kg/m未満の密度を有する。さらに、層厚が0.1〜10.0mmの親水性ポリマーフォーム、特にポリウレタンフォームを含む創傷被覆材は、特に有利な実施形態となることが分かった。従って、特に、本発明の創傷被覆材は、層厚が0.1〜6.0mm、特に0.5〜6.0mm、とりわけ好ましくは2.0〜5.5mmの吸収層を有する。このような層厚を有する創傷被覆材は、一方では、創傷から放出される創傷滲出液を取り込むことができると同時に、十分な量の水または湿気を創傷に供給できる能力を示す。この有利な効果は、層厚0.6〜1.0mmの含水ハイドロゲルマトリックスを含む創傷接触層によってさらに強化される。本発明の好ましい実施形態によれば、多層創傷被覆材は、a)層厚0.8mmの含水ハイドロゲルマトリックスを含む創傷接触層としての第1の層と、b)層厚4.0mmの親水性ポリウレタンフォームを含む第2の吸収層とを含み、第1の層と第2の層は互いに直接接触している。
本発明の他の非常に有利な実施形態によれば、多層創傷被覆材は、a)層厚0.8mmの含水ハイドロゲルマトリックスを含む創傷接触層としての第1の層と、b)層厚2.8mmの親水性ポリウレタンフォームを含む第2の吸収層とを含み、第1の層と第2の層は互いに直接接触している。これらの層厚は、創傷接触層のどの箇所でも等しくなっていてもよく、または、創傷接触層の異なる領域で異なる値を取ってもよい。また、特に、吸収層またはポリウレタンフォームの周縁は平坦になっているものとする。
本発明に関して、さらに、本発明の創傷被覆材は、創傷接触層として、水を39.5重量%以上、特に43重量%以上含み、さらに好ましくは水を50重量%以下含む含水ハイドロゲルマトリックスを含むものとする。従って、自然な創傷治癒に十分な量の湿気を供給する創傷被覆材を提供することができる。
本発明に関して、含水ハイドロゲルマトリックスとして、特に、凝集性の不連続層を形成し、圧力がかかっても水を放出しないハイドロゲルマトリックスを使用することができる。本発明に関して、それは、ポリウレタン−ポリ尿素共重合体を含むハイドロゲルマトリックスである。これらのハイドロゲルマトリックスは、水を貯蔵し、この水を創傷に放出するのに特に好適である。
さらに、含水ハイドロゲルマトリックスは、プロピレングリコールを37〜43重量%含有するものとする。このアルコールは、湿気付与剤(Feuchtigkeitsspender)として非常に適しており、従って創傷周囲の皮膚に対するケア成分となる。
その場合、含水ハイドロゲルマトリックスは、特に、多価アルコールであるプロピレングリコールを37〜43重量%含む。特に、ハイドロゲルマトリックスは、プロピレングリコールを39〜41重量%、とりわけ好ましくはプロピレングリコールを40重量%含む。
さらに、イソシアネートの反応基(NCO)対ジアミンのアミン基(NH )の比(NCO:NH2)が1.25〜1.35であることが本発明に重要であるが、この理由は、例えば、ハイドロゲルのpH値または安定性などの他の特性を損なうことなく、ハイドロゲルマトリックスの有利なタックが得られるのは、そのような場合に限られるからである。特に、イソシアネートの反応基対ジアミンのアミン基の比は、1.27〜1.33、好ましくは1.29〜1.31とする。特に有利には、イソシアネートの反応基対ジアミンのアミン基の比が1.30の範囲である。
さらに、含水ハイドロゲルマトリックスは少なくとも1種類の無機塩化物を含むものとする。これに関して、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、またはこれらの混合物が特に適している。これらの塩は、創傷から放出される創傷血清中の電解質混合物を特によく模倣している。従って、これらの塩を含むハイドロゲルマトリックスは、ハイドロゲルと創傷滲出液との浸透圧比が類似しているため、特に創傷治癒を促進する環境を創傷に提供する。
ここで、ハイドロゲルマトリックスは、少なくとも1種類の無機塩化物を0〜5重量%含んでもよい。特に、ハイドロゲルマトリックスは、無機塩化物を0.1〜3重量%、とりわけ好ましくは無機塩化物を0.5〜1.5重量%含む。塩化ナトリウムを0.9重量%含有するハイドロゲルマトリックスが非常に好ましいことが判明した。
プロピレングリコール37〜43重量%、イソホロンジイソシアネート末端基を有するプレポリマーとポリエチレンオキサイドをベースにするジアミンを合計12〜16.5重量%、無機塩化物0.5〜1.5重量%、および水残部を含み、イソシアネートの反応基対ジアミンのアミン基の比が1.25〜1.35である含水ハイドロゲルマトリックスは、1g/g以上、10g/g以下の自由吸収量A(DIN EN 13726−1(2002)に従って測定)を有する。含水ハイドロゲルマトリックスは、非刺激性、液体吸収性、クッション性を有し、細菌から保護する皮膚のような手段を提供し、従って、創傷接触層として特に好適である。
本発明によれば、第1の層は創傷接触層である。ここで、創傷接触層とは、創傷と直接接触することができる層と理解されたい。本発明によれば、創傷接触層は、治療される創傷からポリウレタンフォームを剥離する役割を果たすのに過ぎない。創傷接触層は、それに加えて、創傷被覆材に関する他の機能ならびに治療される創傷に関する他の機能を果たしてもよい。特に、本発明の創傷被覆材は、ハイドロゲルマトリックスの他に、ポリマーフィルム、ハイドロコロイドマトリックス、ポリマー網状構造物、不織布、または接着剤をさらに含む創傷接触層を含んでもよい。
さらに、層厚0.1〜5.0mmのハイドロゲルマトリックスを含む創傷被覆材が、特に有利な実施形態となることが分かった。従って、特に、本発明の創傷被覆材は、層厚0.1〜5.0mm、特に0.5〜5.0mm、とりわけ好ましくは0.5〜3.0mmのハイドロゲルマトリックスを有する。創傷接触層としてこのような層厚を有する創傷被覆材は、一方では創傷に固着せず、他方では創傷から放出される創傷滲出液を取り込んで吸収層に移送する能力を示す。第2の吸収層との協働に関して特に適した創傷接触層は、層厚0.6〜1.0mm、特に0.8mmのハイドロゲルマトリックスを含む。これらの層厚は、創傷接触層のどの箇所でも等しくなっていてもよく、または、創傷接触層の異なる領域で異なる値を取ってもよい。
さらに好ましくは、ハイドロゲルマトリックスは、第1の面から第2の面に液体を透過させるための流路、特に円錐形の流路を備えてもよい。これによって、特に、創傷滲出液の透過を改善することができる。ここで、流路が楕円形または円形の断面を有し、即ち、流路がハイドロゲルマトリックスの第1の面にも第2の面にも円形または楕円形の開口部を有し、第1の面と第2の面の円形または楕円形の開口部の大きさが異なっていることが特に好ましい。しかしまた、流路の断面は三角形、長方形、正方形、五角形、六角形、または他の多角形であってもよい。ここで、第1の面の開口部が、第2の面にある開口部と比較して大きいことがとりわけ好ましい。
本発明の他の実施形態によれば、また、ハイドロゲルマトリックスは、直径0.5〜10mmの開口部を有してもよい。特に、創傷接触層またはハイドロゲルマトリックスは、直径1〜8mmの開口部を有する。とりわけ好ましくは、創傷接触層またはハイドロゲルマトリックスは、創傷に面する第1の面に直径2〜6mmの開口部を有し、ここで、創傷接触層またはハイドロゲルマトリックスの第2の面は、ポリウレタンフォームと直接接触している。
しかしまた、第1の層と第2の層との間に、特に創傷接触層としての第1の層と吸収層としての第2の層との間に、移行層が配置されてもよい。この実施形態では、本発明の創傷被覆材は、ハイドロゲルマトリックスとポリマーフォームとの間に、特にハイドロゲルマトリックスとポリウレタンフォームとの間に、両方の材料からなる層を有する。この移行層は創傷接触層と同様に、流路、開口部または穴を有してもよい。移行層が流路、開口部または穴を有する場合、別の好ましい実施形態によれば、この流路、開口部または穴はポリウレタンフォームで充填されている。さらに好ましくは、この流路、開口部または穴は、創傷接触層の流路、開口部または穴と一致する。このような移行層を配置することによって、ポリウレタンフォームとハイドロゲルマトリックスからなり、吸収層と創傷接触層との間に特に強固な結合を有する積層体を含む創傷被覆材を提供することができる。
本発明によれば、創傷接触層として、創傷治癒に悪影響を及ぼさない材料が使用される。この創傷接触層は、治療される創傷からポリウレタンフォームまたはハイドロゲルマトリックスを剥離する役割を果たすのに過ぎないが、この創傷接触層は、創傷被覆材に関する他の機能、ならびに治療される創傷に関する他の機能も果たしてもよい。特に、本発明の創傷被覆材は、第1の面と第2の面を有する創傷接触層を含み、創傷接触層はハイドロゲルマトリックスを含む。
本発明の創傷被覆材の他の実施形態によれば、創傷接触層は、液体を透過させるための多数の流路、開口部または穴を含んでもよい。その場合、特に、創傷接触層は、第1の面から第2の面に創傷分泌液を透過させる流路を有するものとする。この実施形態では、創傷接触層の第1の面が治療される創傷と直接接触し、創傷接触層の第2の面が吸収層の第1の面と直接接触するものとする。
特に、創傷接触層は、直径0.5〜10mmの流路、開口部または穴を有してもよい。特に、創傷接触層は、直径3〜6mmの流路、開口部または穴を有する。とりわけ好ましくは、創傷接触層は、創傷被覆材の使用に即した状態で創傷に面する第1の面に直径4〜5mmの開口部を有し、創傷接触層の第2の面はポリウレタンフォームと直接接触している。以下で、流路、開口部または穴が円錐形の流路、開口部または穴である場合、流路、開口部または穴の直径は中心部の直径を指す。これに関して、中心部の直径とは、当該層、例えば、創傷接触層の中心部における直径と理解される。この中心部の直径は、円錐形の流路、開口部または穴の場合、第1の面の流路、開口部または穴の直径より小さく、且つ、同時に第2の面の流路、開口部または穴の直径より大きくてもよい。同様に、流路、開口部または穴の間隔とは、中心部における流路、開口部または穴の間隔を意味する。それに応じて、列の互いの間隔とは、中心部における列の互いの間隔と理解される。さらに好ましくは、創傷接触層は、液体を透過させるための多数の流路、開口部または穴を有し、流路、開口部または穴は創傷接触層の第1の面で、創傷接触層の第1の面の面積の70%以下の面積を占める。ここで、流路、開口部または穴が、創傷接触層の第1の面の面積の70%以下、特に60%以下、とりわけ好ましくは50%以下の面積を占めることがさらに好ましい。とりわけ好ましくは、創傷接触層は、層の第1の面で創傷接触層の第1の面の面積の15%以上の面積を占める流路、開口部または穴を有する。とりわけ好ましくは、創傷接触層は、さらに、層の第1の面で創傷接触層の第1の面の面積の40%以上、47%以下の面積を占める流路、開口部または穴を有する。とりわけ、創傷被覆材は示す。非常に有利な実施形態によれば、流路、開口部または穴は列が互い違いになるように配置されてもよい。その場合、特に、流路、開口部または穴の中心部の直径が4.5mmであることが有利であることが判明した。その場合、1列の流路、開口部または穴の中心点の間隔は6.5mmであり、そのため流路、開口部または穴の間に幅2mmのゲルブリッジが形成される。3つの穴の中心点間に正三角形が形成されるように、列の互いの間隔は5.63mmに選択されている。従って、製品面上に43.5%の開口面積が均一に分布している。穴の直径がずっと小さいと、特に粘稠な滲出液はゲル層をあまりよく通過することができなくなる。それに対して、穴がずっと大きいと、ゲル面積が小さくなるか、またはブリッジの幅が広くなり、それによってまた創傷滲出液がこの箇所に滞留するおそれがある。ゲル面積が小さいと、製品全体の有する付着面積が小さくなり、従ってタックが低下するおそれがある。
本発明の他の発展的概念によれば、ハイドロゲルマトリックスと親水性ポリマーフォームとの間にバリア層を有する創傷被覆材も本発明の対象となる。このようなバリア層は、例えば、開口部を備えるポリマーフィルムを含んでもよい。
さらに、本発明の創傷被覆材は支持体層を含んでもよい。この支持体層は、様々な材料からなってもよい。一般的に、創傷被覆材には、繊維支持材、不織布、ポリマーフィルムまたはポリマーフォームが使用される。この支持体層は、吸収層の第2の面または親水性ポリマーフォームと直接接触しても、または間接的に接触してもよい。直接接触する場合、支持体層は吸収層またはポリウレタンフォーム上に直接積層されるのに対し、間接的に接触する場合、支持体層は接着剤によって吸収層またはポリウレタンフォーム上に設けられる。その場合、接着剤は、支持体層と吸収層との間に全面的に塗布されてもよく、または一部の領域だけに塗布されてもよい。
本発明の創傷被覆材の支持体層として、特にポリマーフィルムまたはポリマーフォームを使用してもよい。不透水性であり、且つ高い水蒸気透過率を有するポリマーフィルムまたはポリマーフォームがとりわけ好ましい。これには、特に、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエーテル−ポリアミド共重合体、ポリアクリレート、またはポリメタクリレートから製造されるフィルムまたはフォームが適している。特に、支持体層として、不透水性で水蒸気透過性のポリウレタンフィルムまたは不透水性で水蒸気透過性のポリウレタンフォームが適している。特に、ポリマーフィルムとして、ポリウレタンフィルム、ポリエステルウレタンフィルム、またはポリエーテルウレタンフィルムが好ましい。しかし、とりわけ、厚さ15〜50μm、特に20〜40μm、とりわけ好ましくは25〜30μmのポリマーフィルムも好ましい。創傷被覆材のポリマーフィルムの水蒸気透過率は、好ましくは750g/m/24時間以上、特に1000g/m/24時間以上、とりわけ好ましくは2000g/m/24時間以上である(DIN EN 13726に従って測定)。特に好ましい実施形態では、このフィルムは、水密で粘着性の周縁部を有する。この周縁部により、確実に、創傷被覆材を所定の場所に貼付し、固定することができる。さらに、シートと治療される創面の周囲の皮膚との間から液体が漏出することを確実に防止することができる。
フィルムに20〜35g/mで薄く塗布した場合の水蒸気透過率(DIN EN 13726に従って測定)が800g/m/24時間以上、好ましくは1000g/m/24時間以上である接着剤が、特に好ましいと考えられる。
本発明の1つの発展的概念によれば、含水ハイドロゲルマトリックスを含む創傷接触層としての第1の層と、親水性ポリマーフォームを含む吸収層としての第2の層と、支持体層と、分配層とを含む多層創傷被覆材も同様に本発明の対象となる。特に、吸収層は創傷接触層と結合している。このような創傷被覆材は、特に有利には、支持体層と吸収層との間に、親水性ポリウレタンフォームからなる分配層を有する。分配層により、取り込まれた創傷液を創傷被覆材の全面に、特に吸収層の上方に分配することが可能になる、即ち、創傷液は、z方向(創傷から支持体層の方に)だけでなく、x−y方向に(創傷被覆材の面上に)も取り込まれる。
本発明の他の発展的概念によれば、創傷接触層として含水ハイドロゲルマトリックスを含む第1の層と、親水性ポリマーフォームを含む吸収層としての第2の層と、分配層としての第3の層と、支持体層とを含む多層創傷被覆材も本発明の対象となる。ここで、前述の材料は全て支持体層として使用することができる。
ここで、本明細書に記載した本発明の好ましい実施形態または代替の実施形態の特徴は、個々の好ましい特徴または代替の特徴に限定されるものではないことを強調しておく。むしろ、実施形態の組み合わせまたは代替の実施形態の個々の特徴の組み合わせも同様に本発明の一実施形態に含めることができる。同様に、本発明は以下の図面の説明によって限定されるものではないことを理解されたい。
本発明の第1の創傷被覆材の(創傷接触層を見た)図である。 本発明の第2の創傷被覆材の断面図である。 本発明の第2の創傷被覆材の部分断面図である。 本発明の第3の創傷被覆材の断面図である。 本発明の第3の創傷被覆材の部分断面図である。
図1は、創傷接触層(15)を見た第1の多層創傷被覆材(10)を示す。創傷被覆材(10)は、不透水性で水蒸気透過性のポリウレタンフィルムからなる支持体層(この図では見えない)からなり、この層は全面的にアクリレート接着剤で被覆されている。支持体層上に、吸収性親水性ポリウレタンフォーム層が設けられており(この図には示していない)、その上にハイドロゲルマトリックスが創傷接触層(15)として設けられている。創傷から吸収層への創傷滲出液の透過を可能にするため、創傷接触層(15)には直径4.5mmの円形の穴(16)が多数穿設されている。創傷接触層(15)により、再生した細胞がポリウレタンフォームの気孔の中に侵入することが防止される。さらに、創傷接触層(15)は、創傷部位および周囲の皮膚に対する粘着性(タック)を付与し、それによってドレッシング材を当てることが容易になる。同時に、創傷接触層(15)は、創傷治癒を促進するpH値を有する。しかしまた、親水性ポリウレタンフォームに含有される水を穴(16)を通して創傷に放出することもできる。多層創傷被覆材(10)は、粘着性周縁を有してもよい、即ち、いわゆるアイランド型ドレッシング材として製造されてもよい(この図には示していない)。
図2は、本発明の創傷被覆材の他の実施形態を示している。創傷被覆材(20)は、不透水性で水蒸気透過性のポリウレタンフォームからなり、吸収層(23)と一致する支持体層(21)を含む。創傷被覆材(20)は、さらに、吸収層(23)と支持体層(21)との間に第1の含水ハイドロゲルマトリックス(22)を有する。含水ハイドロゲルマトリックスは、吸収層を支持体層に固定する役割も果たし、創傷被覆材の追加の貯水手段としての役割も果たす。創傷被覆材は、層厚2.8mmの吸収層(23)と、層厚1.5mmの支持体層(21)と、層厚0.8mmのハイドロゲルマトリックス(22)とを含む。吸収層(23)は連続気泡親水性ポリウレタンフォームから形成され、その孔径は平均208μmである。その場合、ポリウレタンフォームは、10重量%以上の水分を有する。ポリウレタンフォームの第1の面に、第2のハイドロゲルマトリックスが創傷接触層(25)として設けられている。ハイドロゲルマトリックスには、円柱状で、(創傷に平行な)断面が円形の流路(26)が形成されているため、創傷から吸収性親水性フォームへの創傷滲出液の流れを改善することができる。創傷被覆材の製造時にまだ粘性のあるハイドロゲルマトリックスがほんの少しだけポリウレタンフォームに侵入したため、ハイドロゲルマトリックスと親水性ポリウレタンフォームとの間に、ハイドロゲルマトリックスと親水性ポリウレタンフォームからなる移行層(24)が形成されている。移行層は、ポリウレタンフォームだけで充填され、ハイドロゲルマトリックス中の流路と一致するように配置されている流路(27)を有する。ポリウレタンフォームの第1の面の面積は25cmであり、流路(26)は合計で約11cmの面積を占める。
図3は、本発明の創傷被覆材の第3の実施形態を示している。創傷被覆材(30)は、不透水性で水蒸気透過性のポリウレタンフィルムからなる支持体層(31)と、10重量%以上(ポリウレタンフォームに基づいて)の水分を有する連続気泡親水性ポリウレタンフォームからなる吸収層(33)と、約45重量%(ハイドロゲルに基づいて)の水分を有する含水ハイドロゲルマトリックスからなる創傷接触層(35)とを含む。支持体層(31)は、全面的に、ポリマーフィルム上に塗布されたアクリレート接着剤(32)により親水性ポリマーフォーム上に積層されている。使用時に創傷の方を向く吸収層の第1の面に、ポリウレタン−ポリ尿素共重合体を含む含水ハイドロゲルマトリックス(35)が設けられている。ハイドロゲルマトリックスには、円錐形で、(創傷に平行な)断面が円形の流路(36)が形成されているため、創傷から吸収性親水性フォームへの創傷滲出液の流れを改善することができる(図3a参照)。創傷被覆材の製造時に、まだ粘性のあるハイドロゲルマトリックスがほんの少しだけポリウレタンフォームに侵入したため、ハイドロゲルマトリックスと親水性ポリウレタンフォームとの間に、ハイドロゲルマトリックスと親水性ポリウレタンフォームからなる移行層(34)が形成されている。移行層は、ポリウレタンフォームだけで充填され、ハイドロゲルマトリックス中の流路と一致するように配置されている流路(37)を有する。
A)〜D)比較例
A)ハイドロゲルの製造(比較例)
ハイドロゲルを製造するために、次の水溶液および構成材料(構成材料A、B、C)を使用する:
Figure 0005756124
構成材料Aを製造するため、成分を混合し、塩が完全に溶解するまで撹拌する。構成材料Aを2℃に冷却する。
Figure 0005756124
水性構成材料Bを製造するため、固体のJeffaminを50℃で溶融し、予め入れておいた水に撹拌しながら添加する。構成材料Bを室温に冷却する。
Figure 0005756124
構成材料Cを室温にする。
調製した構成材料A、B、およびCを75.4:14.0:10.6の比で、回転式混合装置で均質化することにより互いに均質に混合し、準備した型枠内にできるだけ気泡が入らないように流延する。
組成物のプロピレングリコール含有率は、17.5重量%である。組成物中のイソシアネートの反応基対ジアミンのアミン基の比は、1.23である。
B1)使用するポリウレタンフォーム
親水性ポリウレタンフォーム(Polyurethanschaum MCF.03R;Fa.Corpura,−Etten Leur、オランダ)を使用する。この乾燥親水性ポリウレタンフォームは、次の特性を有する:
a)密度:77.9〜83.7kg/m(EN−ISO 845)
b)平均孔径:208μm(測定は顕微鏡で行い、試料の断面を顕微鏡で調べた;記載した孔径は、ランダムに選択し測定した5つの気孔(試料1つ当たり)の平均値に相当する
c)層厚:2.8mm(25cmのプレートを有する厚み計、荷重2g/cm、EN ISO 9073−2に従って測定)
d)水蒸気透過率:MVTR(直立(upright))=3593g/m/24h
(DIN EN 13726−2に従って測定)
e)吸収性:自由吸収量A=20.5g/g(DIN EN 13726−1に従って測定)
f)膨潤能:ΔV=89.7%
ポリウレタンフォームの膨潤能ΔVは、乾燥ポリウレタンフォームが最大吸収に達した後で経る体積変化を表す。膨潤能ΔVを測定するため、乾燥ポリマーフォームの試験片の空間寸法およびこの試験片が完全に吸収した後の空間寸法をDIN EN 13726−1の自由吸収量に従って測定する。厚さ(高さ)を測定するため、25cmのプレートを有する厚み計を使用し、EN ISO 9073−2に従い荷重を2g/cmに調整する。横方向の寸法(長さ、幅)は、試験片が変形しないようにノギスで測定する。寸法を測定するため、各試験片を応力がかからないように平滑な表面上に置く。吸収後の体積変化は、乾燥ポリウレタンフォームの膨潤能ΔVに相当し、3つの空間方向全てを考慮する。
Figure 0005756124
Figure 0005756124
式中、V=吸収前の試験片の体積(標準気候条件(23℃、相対湿度50%)で測定)、および
=完全に吸収した後の試験片の体積である。
g)保持値:R=52.8%
保持値Rは、ポリウレタンフォームがそのポリウレタンマトリックス中に結合させることができる最大の水の量を表し、気孔中に取り込まれ得る水は考慮されていない。保持値の測定方法は、まず、厚さ5mm以下の親水性ポリウレタンフォームから5cm×5cmの試験片(標準気候で貯蔵)を打ち抜き、その重量を標準気候条件で測定する。この後、DIN EN 13726−1と同様に試験片に水を自由吸収させる。気孔に取り込まれた水を試験片からローラー(重量5000g、直径10cm、幅5cm)で圧搾するが、これは、試料を数回、新しいセルロース布の間に挟み、ローラーで転圧することによって行われる。セルロース布に水の吸収が認められなくなるまで、このプロセスを繰り返す。保持値Rを測定するため、吸収および圧搾後にポリウレタンフォーム中に含有されている水分WwwをDIN EN 14079に従って測定し、下記のように計算する。
Figure 0005756124
測定した試験片の厚さは2.80mmである。
Figure 0005756124
式中、Www=吸収および圧搾後にポリウレタンフォーム中に含有されている水の重量パーセント
tt=乾燥後の試験片の重量、および
gg=吸収および圧搾後の試験片の重量
B2)ポリウレタンフォームの調整
乾燥親水性ポリウレタンフォームを20×30cmの寸法に裁断し、ポリウレタンフォームが最大吸収に達するように3分間水に浸漬する。ポリウレタンフォームを水から取り出し、手で慎重に搾る。この後、ポリウレタンフォームを数回、乾燥したセルロース布の間に挟み、セルロース布に水の吸収が認められなくなるまでローラーで圧搾する(線圧10N/m)。このようにして、フォームの気孔中に水が存在しない可能性をなくすことができる。
含水ポリウレタンフォームは、次の特徴を有する:
a)含水率:親水性ポリウレタンフォームは、水分W=52.8重量%(DIN EN 14079に従って測定)を有し、これは乾燥ポリウレタンフォームの保持値Rに相当する。
b)吸収性:自由吸収量A=16.2g/g(DIN EN 13726−1に従って測定)
c)膨潤能:ΔV=4%
含水ポリウレタンフォーム材料の膨潤能は、乾燥ポリマーフォームと同様に測定される。
Figure 0005756124
Figure 0005756124
式中、V=含水試験片の体積、および
=完全に吸収した後の試験片の体積である。
C)使用する他の材料
支持体層として、厚さ60μmの不透水性ポリウレタンフィルム(Fa.Exopack,Wrexham、英国)を使用する。このフィルムに、アクリレートベースの感圧接着剤を30μmの層厚で被覆する。そのフィルムの水蒸気透過率MVTR(直立)は、1100g/m/24h(DIN EN 13726−1)である。
D)創傷被覆材の製造
創傷被覆材(サンプル)を手で次の手順で製造する。
1.ポリウレタンフォームをB)に従って予備調整し、準備する。
2.流路を有するハイドロゲルマトリックスを製造するため、突起構造を有するPTFE製型枠を準備する。突起構造の突起は円錐形であり、中心部の直径1.38mm(基部1.56mm、先端1.2mm)である。突起は高さ1.35mmであり、5mm間隔の矩形格子状に配置されている。
3.ハイドロゲルをA)に従って製造し準備するが、ハイドロゲルは、混合および均質化の後、直ぐに、さらに処理されなければならない。このため、ハイドロゲルマトリックスを形成するために、ハイドロゲルを準備した型枠内にできるだけ気泡が入らないように流延する。
4.ゲル層が突起の高さ(1.35mm)となるように、PTFE製のブレードでゲルを分配する。余分なゲルを型枠から除去する。
5.約3分後、予備調整されたポリウレタンフォームをゲル表面に載せる。フォームを200N/mの圧力でプレスし、維持する。
6.さらに約7分後、ゲルはフォームと結合し、そのため含水ポリウレタンフォームと含水ハイドロゲルマトリックスからなる積層体を型枠から取り出すことができる。含水ハイドロゲルマトリックスと含水ポリウレタンフォームからなる厚さ0.3mmの移行層が形成された。
7.創傷の方を向く面が保護されるように、準備した剥離シートに積層体のハイドロゲル面を載せる(シリコーン処理面がゲルの方を向く)。
8.積層体のフォーム面に粘着性ポリウレタンフィルム(D参照)を被覆し、ポリウレタンフィルムを200N/mの圧力でしっかりプレスする。
9.多層材料積層体から、辺の長さ10×10cmの創傷被覆材を打ち抜く。
このようにして製造された創傷被覆材は図3に記載の構成を有し、図3には剥離ライナーを示していない。従って、創傷被覆材は、水を63.5重量%(ハイドロゲルマトリックスに基づく)含有する創傷接触層としての可撓性含水ハイドロゲルマトリックスと、水分52.8重量%(ポリウレタンフォームに基づく)を有する連続気泡親水性ポリウレタンフォームからなる吸収層とからなる積層体からなる。
さらに、創傷被覆材は、次の特性を有する:
a)坪量:1550g/m(DIN EN 29073−1に従って測定)
b)吸収性:自由吸収量A=56g/100cm(DIN EN 13726−1に従って測定)
Figure 0005756124
d)膨潤能:ΔV=10%(前述の方法に従って測定)
従って、本発明の創傷被覆材は、高い水分と、高い吸収性と、低い膨潤能を有する。従って、本創傷被覆材は、創傷治癒第2期および第3期(肉芽形成期および上皮化期)で使用するのに非常に適している。
この創傷被覆材は皮膚に付着しない。創傷被覆材のタックは値1と評価される。創傷被覆材は、ドレッシング材を当てる時、例えば、固定用包帯または絆創膏で固定されるまで、手で創傷部位に保持しておかなければならない。従って、創傷被覆材が粘着性周縁を有することが有利になり得る、即ち、創傷被覆材はいわゆるアイランド型ドレッシング材として形成されてもよい。
E)ハイドロゲルの製造
前述のA)で記載したのと同じ手順を使用し、A)と異なる次の組成で他のハイドロゲルマトリックスを製造する。記載は全て、組成物に基づく重量%で示す。
Figure 0005756124
F)多層創傷被覆材の製造
本発明の創傷被覆材を製造するため、第1の層として、前述のE)で記載したハイドロゲル組成物を使用する。さらに、第2の層として、前述のB1)で記載したポリウレタンフォームを使用する。創傷被覆材は、さらにC)で記載した支持体層を含む。ハイドロゲルは、流延後、それぞれ1.0mmの厚さを有する。ハイドロゲルにポリウレタンフォームを積層した後、ハイドロゲルの厚さは0.8mmしかない。積層により、ハイドロゲルとポリウレタンフォームとの間に、含水ポリウレタンフォームと含水ハイドロゲルマトリックスからなる別のハイブリッド層(「移行層」)が形成される。まだ完全に硬化していないゲルがフォームの開口部に部分的に入ることによって、移行層が形成される。厚さ約0.3mmの別のハイブリッド層は、ハイドロゲルと接触するポリウレタンフォーム層の箇所だけに形成される。ハイドロゲルの中に入った開口部の領域には、別のハイブリッド層は形成されない。第1の層と第2の層との間に形成される別のハイブリッド層が形成されることが望ましいが、その理由は、この別のハイブリッド層が積層体の安定性を向上させるからである。
創傷被覆材(サンプル)を手で次の手順で製造する:
1.流路を有するハイドロゲルマトリックスを製造するため、突起構造を有するPTFE製型枠(Teflon(登録商標))を準備する。突起構造の突起は、高さが1.0mmであり、円錐形である。突起の中心部の直径は4.5mm(基部5.1、先端3.9mm)である。その場合、1列の突起の中心点の間隔は6.5mmであり、そのためハイドロゲルは、流延後、幅2mmのゲルブリッジを有する。列の互いの間隔は、3つの穴の中心点間に正三角形が形成されるように5.63mmに選択されている。従って、列は互い違いに配置されている。この配置により、確実にハイドロゲルの開口面積が均一に分布することになる。その場合、ハイドロゲルの開口部の面積は創傷側では約43.5%である。
2.ハイドロゲル組成物はE)に従って製造されるが、ハイドロゲルは、混合および均質化の後、直ぐに、さらに処理されなければならない。このため、ハイドロゲルマトリックスを形成するために、ハイドロゲルを1)で記載した型枠内にできるだけ気泡が入らないように流延する。
3.ゲル層が突起の高さ、即ち、約1mmとなるように、PTFE製のブレードでゲルを分配する。余分なゲルを型枠から除去する。
4.約3分後、ハイドロゲルが完全に硬化する前にポリウレタンフォームをゲル表面に載せる。フォームを200N/mの圧力でプレスし、維持する。
5.約7分後、ゲルはフォームと結合し、そのため含水ポリウレタンフォームと含水ハイドロゲルマトリックスからなる積層体を型枠から取り出すことができる。ハイドロゲルとポリウレタンフォームの接触面に、含水ハイドロゲルマトリックスと含水ポリウレタンフォームからなる厚さ約0.3mmの移行層が形成された。
6.準備したシリコーン処理剥離シートに積層体のハイドロゲル面を載せる(シリコーン処理面がゲルの方を向く)。剥離シートは、創傷接触層を保護する役割を果たす。
7.積層体のポリウレタンフォーム面に粘着性ポリウレタンフィルム(C参照)を被覆し、ポリウレタンフィルムを200N/mの圧力で少なくとも10秒間しっかりプレスする。
8.多層材料積層体から、辺の長さ10×10cmの創傷被覆材を打ち抜く。
D)で記載した手順と異なり、ポリウレタンフォームの予備調整、即ち、D)の工程1は行わなかった。


このようにして製造された創傷被覆材は図3に記載の構成を有し、図3には剥離ライナーを示していない。
G)測定方法
脱イオン水の吸収能は、EN 13726−1に準拠して測定する。測定は37℃で行う。2.5×2.5cmの大きさの試験片をハイドロゲル層の中央から切り取る。被覆シートが存在する場合、それを剥離し、除去する。試料の重量を測定しビーカーに入れる。その後、40倍の量の脱イオン水を添加する。ビーカーを時計皿で覆う。48時間後、再び試料の重量を測定する。水の取り込みをゲル1g当たりの水gで計算する(g/g)。
本発明に関して、創傷被覆材のpH値は、ハイドロゲルとポリウレタンフォームからなる積層体(支持体層および剥離シートを含まない)を水に入れ、溶液のpH値を測定することにより求められる。この測定は室温(20℃)で行う。2.5×2.5cmの大きさの試験片をハイドロゲル層の中央から切り取る。被覆シートが存在する場合、それを剥離し、除去する。試料の重量を測定しビーカーに入れる。その後、脱イオン水12.5mlを添加する。ビーカーを時計皿で覆う。24時間後、溶液から試料を取り出す。その後、20℃に調整した溶液にpH電極を浸漬する。表示される数値が安定になると直ぐにpH値を読み取る。
損傷していない皮膚に対する創傷被覆材の粘着性(タック)を評価した。この場合、1人が市販の製品を5つのカテゴリーに分類した。この場合、タック1は創傷被覆材が健康な皮膚に粘着しないことを意味し、タック5は、粘着性が非常に高いことを意味する。製造された創傷被覆材の人差し指とゲルとの間での粘着性に基づく1人の主観的印象に基づいて評価を行った。
H)創傷被覆材の特性
Figure 0005756124
創傷被覆材は、高い水分、高い吸収性、および低い膨潤能を有する。
実験1.10のハイドロゲルを有する創傷被覆材は、望ましくないほど高いpH値8.83を有し、これは創傷治癒を促進しない。さらに、創傷被覆材はタック5を有する、即ち、創傷被覆材は皮膚に非常によく付着するが、全く痛みなく除去することはできない。タックが非常に強い5である場合、ドレッシング材交換時に、特に、損傷を受け易い創傷周縁を損傷するおそれがある。
実験2.1.5のハイドロゲルを有する創傷被覆材は、創傷治癒を促進する非常に有利なpH値7.44を有する。さらに創傷被覆材はタック4を有する、即ち、創傷被覆材は皮膚によく付着し、容易に除去することができる。タックは望ましい範囲にある。
実験2.1.11のハイドロゲルを有する創傷被覆材は、望ましくないほど高いpH値8.18を有する。さらに、創傷被覆材はタック5を有する、即ち、創傷被覆材は皮膚に非常によく付着するが、全く痛みなく除去することはできない。タックが非常に強い5である場合、ドレッシング材交換時に、特に、損傷を受け易い創傷周縁を損傷するおそれがある。
A)〜C)に従って製造された創傷被覆材は皮膚に粘着しない(タック1)。

Claims (18)

  1. a)含水ハイドロゲルマトリックスを含む創傷接触層としての第1の層と、
    b)少なくとも1つの第2の吸収層と、
    を含む多層創傷被覆材であって、前記ハイドロゲルマトリックスが、プロピレングリコール37〜43重量%、イソホロンジイソシアネート末端基を有するプレポリマーとポリエチレンオキサイドをベースにするジアミンを合計12〜16.5重量%、無機塩化物0〜5重量%、および水残部を含み、前記イソシアネートの反応基対前記ジアミンのアミン基の比を1.25〜1.35とする創傷被覆材。
  2. 前記ハイドロゲルマトリックスが、イソホロンジイソシアネート末端基を有するプレポリマー8〜10.5重量%と、ポリエチレンオキサイドをベースにするジアミン4〜7重量%を含む、
    前記含水ハイドロゲル創傷接触層は、十分強いタックを有する、
    前記第1の層と第2の層の組合せは、創傷治癒に非常に有利な中点付近のpH値を有する、及び
    前記含水ハイドロゲルは迅速に硬化し、多層創傷被覆材の創傷接触層として使用するのに適した安定性を有する、
    請求項1に記載の創傷被覆材。
  3. 前記ハイドロゲルマトリックスが、プロピレングリコール39〜41重量%、およびイソホロンジイソシアネート末端基を有するプレポリマーとポリエチレンオキサイドをベースにするジアミンを合計14〜16重量%含む、請求項1または2に記載の創傷被覆材。
  4. 前記ハイドロゲルマトリックスが、プロピレングリコール40重量%、イソホロンジイソシアネート末端基を有するプレポリマー8.5重量%、およびポリエチレンオキサイドをベースにするジアミン6.5重量%を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  5. 前記第2の吸収層が親水性ポリマーフォームを含み、前記ポリウレタンフォームが、水10重量%以上、水80重量%以下の水分、好ましくは水35重量%以上、水65重量%以下の水分を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  6. 前記水が前記ポリウレタンフォーム中に均一に分布していることを特徴とする、請求項5に記載の創傷被覆材。
  7. 前記乾燥ポリウレタンフォームが、ISO 1798−M1による破断点伸び50〜105kPaを有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  8. 前記ポリウレタンフォームの厚さが2.0〜5.5mmであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  9. 液体が外部から前記創傷接触層を透過して前記第2の吸収層に到達できるように、前記創傷接触層が、創傷接触層を完全に貫通する多数の穴、流路または開口部を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  10. 前記穴、流路または開口部が、規則的な模様で存在することを特徴とする、請求項9に記載の創傷被覆材。
  11. 前記穴、流路または開口部が、前記創傷接触層の面積の15〜70%を占めることを特徴とする、請求項9または10に記載の創傷被覆材。
  12. 前記創傷接触層が、直径各2〜6mmの穴、流路または開口部を有することを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  13. 前記創傷接触層の厚さが0.6〜1.0mmであることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  14. 前記創傷接触層が、ポリマーフィルム、ハイドロコロイドマトリックス、ポリマー網状構造物、不織布、または接着剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  15. 前記創傷被覆材が、支持体層として、不透水性で水蒸気透過性のポリマーフィルムまたは不透水性で水蒸気透過性のポリマーフォームをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の多層創傷被覆材の製造方法であって、
    a)親水性ポリウレタンフォームを準備する工程であって、前記ポリウレタンフォームが水10重量%以上、水80重量%以下の水分を有する工程、
    b)a)で製造した含水ポリウレタンフォームをハイドロゲルマトリックスに積層する工程であって、前記ハイドロゲルマトリックスがプロピレングリコール37〜43重量%、イソホロンジイソシアネート末端基を有するプレポリマーとポリエチレンオキサイドをベースにするジアミンを合計12〜16.5重量%、無機塩化物0〜5重量%、および水残部を含み、但し、前記イソシアネートの反応基対前記ジアミンのアミン基の比を1.25〜1.35とすることを条件とする方法。
  17. 組織欠損を治療するための創傷接触層としてのハイドロゲルマトリックスであって、プロピレングリコール37〜43重量%、イソホロンジイソシアネート末端基を有するプレポリマーとポリエチレンオキサイドをベースにするジアミンを合計12〜16.5重量%、無機塩化物0〜5重量%、および水残部を含み、前記イソシアネートの反応基対前記ジアミンのアミン基の比を1.25〜1.35とするハイドロゲルマトリックス。
  18. 前記含水ハイドロゲル創傷接触層は、十分強いタックを有する、及び
    前記含水ハイドロゲルは迅速に硬化し、多層創傷被覆材の創傷接触層として使用するのに適した安定性を有する、
    請求項17に記載のハイドロゲルマトリックス。
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