JP5756070B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
したがって、例えば、グレンタンク内の穀粒量を、グレンタンク内部の適所に設けた光センサや感圧センサなどによって、満杯等の所定レベルに達したことを検出するように構成された構造のものに比べて、収穫作業中の任意の時点で重量を検知することができる便利さに加え、所定レベルの検知前まで、もしくは所定レベルの検知後にも収穫作業を続けた場合でも、最終的に収容されている穀物重量を正確に検知し得る点で有用である。
しかしながら、このようにグレンタンクの重量を検出する構造のものでは、グレンタンクを搭載する走行機体の姿勢が傾くと、ロードセルに対するグレンタンクの重量の作用方向が変化して正確な重量検出を行い難いという問題がある。
〔解決手段1〕
解決手段1にかかる発明では、走行機体に搭載されていて穀粒を貯留するグレンタンクと、そのグレンタンクの重量を検出するロードセルと、前記走行機体の傾斜を検出する傾斜センサと、前記ロードセルによる検出重量及び前記傾斜センサによる傾斜検出値が入力される制御装置と、前記制御装置からの制御指令を受ける出力対象機器とが備えられ、前記制御装置は、前記ロードセルから入力される重量検出信号に基づいて穀物重量を演算する収量計測手段と、前記収量計測手段での演算結果に基づく制御指令を出力する状態と出力しない状態とに切換可能な出力制御手段とを備え、前記出力制御手段は、前記傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲内であるときに前記収量計測手段での演算結果に基づく制御指令が前記出力対象機器へ出力され、前記傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲外であるときには前記収量計測手段での演算結果に基づく制御指令が前記出力対象機器へ出力されないように構成され、前記グレンタンク内に貯留された穀粒の量を計測するレベルセンサが備えられ、前記制御装置には、前記レベルセンサからのレベル検出信号に基づいて穀物重量を演算するとともに、その演算された穀物重量と前記収量計測手段によって演算される穀物重量との比較結果を出力する重量比較手段が備えられ、前記出力制御手段は、前記重量比較手段によって比較された穀物重量の差が所定以上であるときに計測値異常を報知する制御指令を出力するように構成されている。
上記の解決手段によれば、走行機体の傾斜を検出する傾斜センサを備え、傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲内であるときにだけ、収量計測手段での演算結果に基づく制御指令が出力対象機器へ出力され、傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲外であるときには、収量計測手段での演算結果に基づく制御指令が出力対象機器へ出力されないことになる。
したがって、出力対象機器側には精度の低い検出信号に基づく制御指令が伝達されず、穀物重量の検出精度の低減を避け得た高精度での検出結果が伝達されるという利点がある。
また、グレンタンクの重量を検出するロードセルの他に、グレンタンク内に貯留された穀粒の量を計測するレベルセンサを備えていて、その穀物の量に基づいて演算された穀物重量と、グレンタンクの重量に基づいて演算された穀物重量との比較結果によって計測値異常の有無を判別するようにしているので、穀物重量の誤検出を回避し易い点で有利である。
解決手段2にかかる発明では、前記走行機体の傾斜を修正する姿勢制御装置が備えられ、前記制御装置には、前記傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲外であることの検出に伴って、前記傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲内に戻されるように前記姿勢制御装置に対して制御指令を出力する姿勢修正手段が備えられ、前記出力制御手段は、前記姿勢修正手段による制御指令が、前記傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲外であることの検出に伴って前記姿勢制御装置に対して出力され、前記傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲内であると出力されないように構成されている。
解決手段2によれば、傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲外である場合に、その傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲内に戻されるように、走行機体の傾斜を修正する姿勢制御装置に対して制御指令を出力する姿勢修正手段が備えられているので、走行機体の傾斜姿勢を強制的に修正して、早期のうちに傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲外である状況を抜け出ることができる。したがって、作業中、許容範囲内における傾斜の検出値に基づく収量計測手段での演算結果が得られる状況を、長期間にわたって維持し易いという利点がある。
解決手段3にかかる発明の構成によると、前記グレンタンク内に貯留されている穀粒を搬出するための穀粒搬出用オーガと、その穀粒搬出用オーガが走行機体上の所定位置に存在するか否かを検出するオーガ検知手段とが備えられ、前記制御装置には、前記オーガ検知手段からの検出信号に基づいてオーガ位置を判別するオーガ位置判別手段が備えられ、前記出力制御手段は、前記オーガ位置判別手段での判別結果に基づいて、前記穀粒搬出用オーガが所定位置から外れていると前記収量計測手段での演算結果に基づく制御指令が出力され、前記穀粒搬出用オーガが所定位置に存在していると前記収量計測手段での演算結果に基づく制御指令が出力されないように構成されている。
解決手段3によれば、穀粒搬出用オーガが所定位置から外れていると収量計測手段での演算結果に基づく制御指令が出力され、穀粒搬出用オーガが所定位置に存在していると収量計測手段での演算結果に基づく制御指令が出力されないことになる。
したがって、前記所定位置を例えばオーガの格納位置とした場合、その格納位置からオーガが外れていると収量計測手段での演算結果に基づく制御指令を出力することになるので、グレンタンクが満杯になってオーガでの排出が必要なときに、オーガを所定位置から動かして排出準備を行えば、確実に収量計測手段での演算結果に基づく制御指令を出力して穀物重量を検出することができる。
つまり、穀物重量の検出が必要である度合いは、刈取作業中などの穀物の貯留途中よりも、穀物を排出したい満杯時点での必要度合いが高く、その際に、特別な検出開始操作などを要さず、オーガを排出準備のために所定位置から動かす動作を行うだけで穀物重量を検出することができる。また、前記所定位置を、例えば格納位置から外れた適宜箇所に設定した場合には、オーガを所定位置に位置させて刈取作業中での穀物重量の検出を行うことができ、使用形態に適した検出条件を設定することができる。
解決手段4にかかる発明の構成によると、前記ロードセルは、前記グレンタンクに貯留された穀粒重量を検出可能な計測位置と、前記グレンタンクに貯留された穀粒重量が作用しない非計測位置とに位置変更可能に構成されている。
解決手段4によれば、ロードセルを非計測位置に位置変更することができるので、ロードセルに対して常にグレンタンクの重量が作用し続けることを避けられる。したがって、路上走行中など、グレンタンク重量を計測する必要のないときにロードセルを非計測位置に位置変更させて、走行中の機体振動などによる衝撃的な荷重がロードセルに作用すること回避できる利点がある。
解決手段5にかかる発明の構成によると、前記ロードセルの計測位置と非計測位置との間における位置変更は、前記ロードセルの受圧面の位置を上下に位置変化させる油圧シリンダの作動によって行われるように構成されている。
解決手段5によれば、ロードセルの計測位置と非計測位置との間における位置変更を、油圧シリンダの上下昇降作動で簡単に行うことができ、操作性に優れた構造とし得る利点がある。
図1及び図2に示すように、コンバインは、自脱型に構成されている。
このコンバインの機体フレーム1が、左右一対のクローラ走行装置2によって支持されて自走式に構成されているとともに、機体フレーム1上には、操縦部3、脱穀装置4、グレンタンク5、排ワラ処理装置7等が装備されている。そして、その機体フレーム1の前部に対して、後端側を揺動支点として前端側を上下揺動可能に刈取部8が備えられている。このように構成されたコンバインでは、収穫対象の植立穀稈を刈り取って機体後方に向けて搬送し、脱穀装置4で脱穀・選別処理して、選別回収された穀粒をグレンタンク5に貯留し、排ワラは排ワラ処理装置7で細断処理して圃場へ排出するように構成されている。
前記クローラ走行装置2は、機体フレーム1上の操縦部3における運転座席30の載置台を兼ねるエンジンボンネット31に内装されたエンジン9の駆動力を受けて駆動されるように構成してある。つまり、エンジン9の駆動力は、図示しないミッションケースを介して、左右の駆動スプロケット20から左右のクローラベルト21に各別に伝達されるように構成してある。したがって、左右の駆動スプロケット20の等速同方向回転によって、前進、又は後進での直進走行が行われ、左右の駆動スプロケット20の不等速での同方向回転、もしくは互いに逆方向での回転によって旋回走行が行われる。
つまり、左右のクローラ走行装置2は、夫々、多数の転輪23を支持する左右のトラックフレーム22の夫々が、前後一対の昇降リンク24,24で支持されており、その昇降リンク24,24は、各トラックフレーム22が機体フレーム1に対して、各別に上下方向で遠近移動するように、夫々の揺動軸心P1,P2周りで揺動可能に構成されている。
これらの各油圧シリンダ25と、その油圧シリンダ25に対する圧油の給排を行うことによって伸縮作動を制御する電磁操作弁26とによって、クローラ走行装置2の姿勢制御を行う姿勢制御装置27が構成されている。
また、前後の昇降リンク24,24のうち、前側の昇降リンク24を後側の昇降リンク24よりも大きく押し下げて前側を高くすると機体フレーム1を後傾姿勢とすることができ、逆に後側の昇降リンク24を前側の昇降リンク24よりも大きく押し下げて後側を高くすると機体フレーム1を前傾姿勢とすることができる。
前記操縦部3では、運転座席30の前方位置に操縦パネル32を備え、運転座席30の左横側方にサイドパネル33を備えている。前方の操縦パネル32に表示装置34(出力対象機器に相当する)、ならびに前後左右に揺動操作可能な操縦レバー35が装備され、サイドパネル33に変速操作具36ならびにオーガ操作具37が装備されている。
前記表示装置34には、車速やエンジン回転数、及び燃料残量等の他に、グレンタンク5に収容された穀物の重量を表示可能に構成されている。
この指操作スイッチ35Aが、後述する制御装置100に設けられている姿勢修正手段103に対して人為操作指令を入力するように構成されていて、指操作スイッチ35Aによる人為操作指令に基づいて前記クローラ走行装置2の昇降リンク24を揺動操作する姿勢制御装置27に対して姿勢修正手段103からの制御信号が出力されるように構成してある。
前記操縦レバー35の近傍位置には、表示指令スイッチ38も設けてある。この表示指令スイッチ38を押し操作すると、後述する出力制御手段106の指令によって姿勢修正手段103が機体を水平姿勢に戻すように制御指令を出力し、機体が水平姿勢に戻されることによって、表示装置34に穀物重量が表示されるように構成されている。
このオーガ操作具37では、オーガ50を上下方向、及び左右方向に操作するための操作スイッチ部を備えてあり、人為操作でオーガ50の上下左右方向での操作を行うことができる。
また、オーガ50を格納位置で下方から支えるための受け部43Aを有するオーガ受け43が備えられている。受け部43Aの底部に、オーガ50が格納位置に存在していることを検出するためのオーガ検知手段としての検出スイッチ44が備えられている。
脱穀装置4は、刈取部8から搬送された刈取穀稈の株元側を図示しないフィードチェーンにより挟持して搬送しながら、扱室内で回転駆動される扱胴(図示せず)により穂先側を扱いて脱穀処理する。脱穀装置4の内部に備えられた選別機構(図示せず)による選別作用により、脱穀処理物は、単粒化した穀粒とワラ屑等の塵埃とに選別される。単粒化した穀粒はグレンタンク5に搬送され、塵埃は機外へ排出される。又、脱穀処理後の排ワラは排ワラ処理装置7で細断処理される。
前記揚穀装置41は、図示しないが、円筒状の筒内にスクリュー軸を内装し、かつスクリュー軸の上端部に穀粒をグレンタンク5内に向けて跳ね飛ばす回転羽根が設けられ、穀粒を極力広範囲に拡散させて、均した状態でグレンタンク5内に貯留させることができるように構成されている。
図1に示すように、グレンタンク5の底部に穀粒を機体後方側に向けて搬送する搬出用底スクリュー51が備えられ、グレンタンク5の機体後部側に、搬出用底スクリュー51とベベルギア伝動機構(図示せず)を介して連動連結される状態で、搬送終端部から穀粒を揚上搬送する縦送りスクリューコンベア52が備えられている。又、縦送りスクリューコンベア52の上部には、揚上搬送された穀粒を横送り搬送して先端の排出口53Aから排出する横送りスクリューコンベア53の基端部が、水平軸芯x1周りで上下揺動自在にベベルギア伝動機構(図示せず)を介して連動連結されている。
このとき、穀物搬出用に設けられたオーガ50として用いられるところの横送りスクリューコンベア53が、格納位置、つまり受け部43Aの底部に支持されている状態であることを検出スイッチ44(オーガ検知手段に相当する)の入り作動で検出することができ、格納位置から外れて、上昇もしくは旋回している状態であることを、前記検出スイッチ44の切り作動で検出することができるように構成されている。
レベルセンサ57は、感圧センサで構成されていて、機体前方側の前側壁部5Cに3個と、機体後方側の後側壁部5Dに1個の計4個が上下方向で所定間隔置きに設けられ、穀物が各レベルセンサ57の存在箇所にまで貯留されたことの検出信号を後述する制御装置100に出力する。
そして、制御装置100では、機体前方側の前側壁部5Cに設けられた上から3つ目のレベルセンサ57が穀物の存在を検出すると、グレンタンク5内に約1/3の穀物量が貯留されたとして、その時点での貯留量に基づいて穀物重量を演算し、上から2つ目のレベルセンサ57が穀物の存在を検出すると、グレンタンク5内に約2/3の穀物量が貯留されたとしてその時点の穀物重量を演算し、最上位のレベルセンサ57が穀物の存在を検出すると、グレンタンク5内に満杯の穀物量が貯留されたとして穀物重量を演算するように構成されている。
制御装置100では、水分センサ58による水分量の計測結果とレベルセンサ57による穀物量の検出結果とに基づいて、前記レベルセンサ57での各検出時点おける穀物重量を演算するように構成されている。
そして、このコンバインには、グレンタンク5に貯留された穀粒の重量を計測するための重量検出部6が設けられている。
この重量検出部6では、図3乃至図5に示すように、グレンタンク5に貯留される穀粒の重量を計測するためのロードセル60が、作業位置に位置するグレンタンク5の荷重を受け止めて重量を計測可能な状態で機体フレーム1に備えられている。
そして、グレンタンク5がメンテナンス位置から作業位置に向けて回動するに伴って、グレンタンク5の下端部を受け止め支持しながらロードセル60での重量計測が可能な所定位置まで案内する受け止め案内体61が備えられている。
このローラ62は、グレンタンク5の前側下部に取り付けられた支持部材5Eに対して、その支持部材5Eの下端部よりも下方に突出する状態でグレンタンク5の長手方向に沿った向きの支持軸62aにより回動自在に支持されている。又、このローラ62は、グレンタンク5が作業位置にあるとき、グレンタンク5の機体前後方向視でグレンタンク5の左右幅方向の略中央部に位置する状態で設けられている。
尚、支持部材5Eは、図3に示すように、グレンタンク5の前側壁部5Cの下端部に固定され、グレンタンク5の排出クラッチ70の伝動部材やロック機構72等を支持するものである。
すなわち、図4及び図5に示すように、機体フレーム1における横幅方向外側部に設けられた前後向きフレーム部1Aにおける横外側面に前後一対のブラケット10が固定状態で設けられ、受け止め案内体61の基端部61Aが、この前後のブラケット10により機体前後軸芯z1周りで回動自在に支持されている。
この案内載置部61Bの上面の傾斜は、グレンタンク5がメンテナンス位置から作業位置に向けて回動するに伴って転動案内される際に、ローラ62が少し乗り上がり気味に移動して、その重量を確実にロードセル60側へ伝えられるようにするためのものである。
したがって、グレンタンク5の回動移動に対する大きな抵抗とはならず、グレンタンク5に穀粒がほぼ満杯の状態で、ローラ62が乗り上がったとき、その重量による受け止め案内体61自体の僅かな変形を伴うことによって、その上面が水平となる程度の傾斜であるのが望ましい。
このように受圧面60Aが下降してストッパー部65の上面と同等もしく下方に位置すると、受け止め案内体61の下面がストッパー部65の上面に受け止められて受圧面60Aが受け止め案内体61の下面から離れることになる。このため、ローラ62からの重量が受圧面60Aに作用しなくなり、ロードセル60は、グレンタンク5に貯留された穀粒重量が作用しない非計測位置に存在した状態となる。
前記支持台部材63は、支持用フレーム部1Bに対してフランジ部63Cをネジ止めして取り付けられるように着脱自在に構成されている。
尚、グレンタンク5を揺動可能に機体フレーム1に支持する支持箇所においては、グレンタンク5が上下方向に少しだけ移動可能なように上下方向に融通があり、その融通を利用してロードセル60にグレンタンク5の荷重が作用するように構成してある。したがって、グレンタンク5の荷重をそのままロードセル60で受け止めることができ、貯留される穀粒の重量を計測可能な構成となっている。
図7に示すように、姿勢制御装置27、オーが50、及び出力対象機器としての表示装置34に対して制御指令を出力する制御装置100は次のように構成されている。
すなわち、制御装置100はマイクロコンピュータを利用して構成されており、オーガ位置判別手段101、オーガ制御手段102、姿勢修正手段103、収量計測手段104、重量比較手段105、出力制御手段106、及び位置検出手段107のそれぞれを、EEPROM等の不揮発性メモリーに記憶されたプログラムによって構成している。
また、この姿勢修正手段103には、出力制御手段106からの制御指令も入力されるように構成してある。つまり、走行機体の傾斜を検出する傾斜センサ66が許容範囲外の機体傾斜を検出している状態で、表示指令スイッチ38が押し操作されると、この傾斜センサ66及び表示指令スイッチ38の検出信号が入力される出力制御手段106から、姿勢修正手段103に対して、走行機体を水平姿勢に戻すように指令する信号が出力される。これに基づいて姿勢修正手段103から姿勢制御装置27に対して制御指令が出力され、走行機体が水平姿勢に戻されるように制御される。
つまり、オーガ50が所定位置から外れていることの判別結果がオーガ位置判別手段101から入力され、傾斜センサ66の検出信号に基づく出力制御手段106からの制御指令が、機体傾斜が許容範囲内であることによる穀物重量の演算指令が入力され、ロードセル60の検出信号が入力されると、ロードセル60の検出信号に基づく穀物重量が演算されて重量比較手段105に出力される。
オーガ50が所定位置から外れていないことの判別結果がオーガ位置判別手段101から入力された場合、あるいは、傾斜センサ66の検出信号に基づく出力制御手段106からの制御指令が、機体傾斜が許容範囲外であることによる指令が入力された場合には、ロードセル60の検出信号に基づく穀物重量の演算結果は重量比較手段105に出力されない。
レベルセンサ57から入力される検出信号が、前回に検出されたレベルセンサ57と同じレベルセンサ57からの検出信号であるときには、そのレベルセンサ57で検出される穀物量や水分センサ58で検出される水分量に基づく穀物重量の演算は行わず、前記収量計測手段104での穀物重量の演算結果の情報がそのまま出力制御手段106に伝えられ、出力制御手段106からは、表示装置34に対してロードセル60での検出信号に基づく穀物重量の演算結果を表示するように制御指令が出力される。
また、レベルセンサ57で検出される穀物量や水分センサ58で検出される水分量に基づく穀物重量と、前記ロードセル60の検出重量に基づく収量計測手段104で演算された穀物重量とを比較し、その差が所定以上であれば、計測値が異常であることの情報を出力制御手段106に伝え、出力制御手段106からは、表示装置34で計測値が異常であることを警告する表示がなされるように制御指令が出力される。
そして、出力制御手段106からは、姿勢修正手段103に対する制御指令と、収量計測手段104に対する制御指令と、出力対象機器である表示装置34、及び送信機46に対する制御指令が出力されるように構成されている。
このとき、表示指令スイッチ38が入り操作されると、傾斜している走行機体を水平姿勢に戻すための制御指令が姿勢修正手段103から姿勢制御装置27に出力されるように構成されており、この姿勢修正手段103による制御指令を表示指令スイッチ38の操作に連繋させて出力させるための指令が出力制御手段106から出力される。
また、位置検出手段107から入力された作業地点に関する情報を、出力対象機器としての送信機46に対して出力するように構成してある。
尚、図示しないが、送信機46から送信される作業地点に関する情報は、無線通信で適宜外部の管理施設で、作業地点毎の穀物収量や水分量などの各種データとともに集中管理される。
制御装置100による制御動作を図8及び図9の記載に基づいて説明する。
図8に示すメインルーチンでは、姿勢制御(ステップ1)、オーガ操作制御(ステップ2)、収量出力制御(ステップ3)、位置検出制御(ステップ4)の各サブルーチンでの制御が順次行われ、図示しないエンジンキースイッチの入り操作などの制御開始条件が満たされたときに制御作動を開始し、エンジンキースイッチの切り操作などの終了条件が満たされたとき(ステップ5)、制御作動を停止するように構成されている。
[1]検出スイッチ44によるオーガ50の位置情報、傾斜センサ66による機体傾斜角度の情報、ロードセル60による検出重量、レベルセンサ57による穀物量の検出情報、水分センサ58による含水量の情報、表示指令スイッチ38の検出情報、GPS受信機39による位置情報、等の検出データを読み込む(ステップ6)。
[2]検出スイッチ44の検出情報からオーガ50が所定位置から外れているか否かをオーガ位置判別手段101で判別し、外れていなければメインルーチンに戻り、外れていれば傾斜センサ66による機体傾斜角度の情報から、機体傾斜が許容範囲内であるのか否かを出力制御手段106で判別する(ステップ7及び8)。
[4]機体傾斜が許容範囲外であると、表示指令スイッチ38が入り操作されたか否かを出力制御手段106で判別し、入り操作されていなければメインルーチンに戻る。入り操作されていれば、姿勢修正手段103から姿勢制御装置27に対して走行機体を水平姿勢に戻す制御指令が出力されるように、姿勢修正手段103に対して指令する(ステップ9及びステップ10)。
[6]レベルセンサ57からの穀物検出信号が重量比較手段105に対して入力されていると、その穀物検出信号が最下端のレベルセンサ57からの入力であるか否かを判別し、最下端のレベルセンサ57からの入力であると、出力制御手段106から表示装置34に対して、収量計測手段104での穀物重量の演算結果の情報とともに、穀物貯留が開始されたことを表示する指令が出力される(ステップ13、ステップ14、及びステップ18)。
[8]重量比較手段105に対して入力されているレベルセンサ57からの穀物検出信号が前回に入力されたレベルセンサ57からのものと同じではないと判断された場合には、そのレベルセンサ57で検出された穀物量と水分センサ58で検出された水分量とから、そのレベルセンサ57で検出された時点での穀物量に基づく穀物重量が演算される。そして、この穀物量に基づく穀物重量と、収量計測手段104で演算されたロードセンサ60での検出重量に基づく穀物重量とが比較され、その差が所定範囲内であれば、収量計測手段104で演算された穀物重量の演算結果が、そのまま出力制御手段106から出力対象機器である表示装置34に対して出力される(ステップ16及びステップ18)。
[9]レベルセンサ57で検出された時点での穀物量に基づく穀物重量と、収量計測手段104で演算されたロードセンサ60での検出重量に基づく穀物重量との差が所定範囲外であると判断されると、計測値が異常である信号を出力制御手段106に送り、出力制御手段106から出力対象機器である表示装置34に対して計測値異常の表示を指令する出力がなされる(ステップ16及びステップ17)。
走行機体の姿勢制御としては、実施の形態で示したような、機体フレーム1に対してトラックフレーム22を昇降させたり傾斜させたりする構造のものに限らず、例えば、機体フレーム1上に図示しない別の搭載フレームを設けて、その搭載フレームを機体フレーム1に対して前後左右に傾けられるように構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
グレンタンク5の下部に設けるローラ62を介してタンク重量がロードセル60に確実に作用するようにするために、実施の形態で示したように、グレンタンク5を上下軸心回りで揺動可能に機体フレーム1に支持する支持箇所において、グレンタンク5が上下方向に少しだけ移動可能であるように上下方向に融通を設けたものに限らず、例えば、グレンタンク自体が貯留された穀粒の重量によって僅かに変形することを利用して、その僅かな変形による上下動を利用してロードセル60による重量検出を行えるように構成してもよい。
また、グレンタンク5の荷重をロードセル60に伝えるものとしては、前述したローラ62に限らず、単なる接当片など、適宜の構造を採用すればよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
実施の形態では、オーガ50が所定位置から外れているときに収量検出を行えるように構成した構造のものを示したが、これに限らず、例えばオーガ50が格納位置などの所定位置に存在しているときに収量検出を行えるようにしてもよい。
また、このようなオーガ50の位置に関係なく収量検出を行えるようにしたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
実施の形態では、走行機体の傾斜が許容範囲外であるときに、表示指令スイッチ38の入り操作に伴って走行機体の傾斜を水平に戻すように構成したものを示したが、これに限らず、例えば、表示指令スイッチ38の入り操作で、機体傾斜を水平姿勢に戻すことなく、穀物重量とともに機体傾斜が許容範囲外であることを表示するなどの構成を採用してもよい。また、表示指令スイッチ38を備えないものであっても差し支えない。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
実施の形態では、グレンタンク5に、感圧式のレベルセンサ57や水分センサ58を設けて計測値異常を判別できるようにした構造のものを示したが、レベルセンサ57としては感圧式のものに限らず、近接センサや赤外線センサなどを採用してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
実施の形態では、出力対象機器として、穀物重量などを表示する表示装置34や送信機46を示したが、これに限らず、例えば、音声による報知装置など任意の出力対象機器を選択することができる。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
実施の形態では、ロードセル60の受圧面60Aの退避を、ピストン部材63Bの昇降動作による油圧シリンダ機構を用いて行うようにした構造のものを示したが、これに限らず、例えばロードセル60を水平方向に移動させて受け止め案内体61の作用箇所から退避させる、あるいは、受け止め案内体61と受圧面60Aとの接当を防ぐストッパー部材を用いて、そのストッパー部材を受け止め案内体61の作用箇所に対して出退させるように構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
実施の形態では、GPS受信機39で受信した位置情報を送信機46へ出力するように構成した構造のものを示したが、このようなGPS受信機39や送信機46を備えていないものであっても差し支えない。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
34 表示装置(出力対象機器)
44 検出スイッチ(オーガ検知手段)
50 穀粒搬出用オーガ
57 レベルセンサ
60 ロードセル
60A 受圧面
66 傾斜センサ
100 制御装置
101 オーガ位置判別手段
103 姿勢修正手段
104 収量計測手段
105 重量比較手段
106 出力制御手段
Claims (5)
- 走行機体に搭載されていて穀粒を貯留するグレンタンクと、
そのグレンタンクの重量を検出するロードセルと、
前記走行機体の傾斜を検出する傾斜センサと、
前記ロードセルによる検出重量及び前記傾斜センサによる傾斜検出値が入力される制御装置と、
前記制御装置からの制御指令を受ける出力対象機器とが備えられ、
前記制御装置は、前記ロードセルから入力される重量検出信号に基づいて穀物重量を演算する収量計測手段と、
前記収量計測手段での演算結果に基づく制御指令を出力する状態と出力しない状態とに切換可能な出力制御手段とを備え、
前記出力制御手段は、前記傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲内であるときに前記収量計測手段での演算結果に基づく制御指令が前記出力対象機器へ出力され、前記傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲外であるときには前記収量計測手段での演算結果に基づく制御指令が前記出力対象機器へ出力されないように構成され、
前記グレンタンク内に貯留された穀粒の量を計測するレベルセンサが備えられ、
前記制御装置には、前記レベルセンサからのレベル検出信号に基づいて穀物重量を演算するとともに、その演算された穀物重量と前記収量計測手段によって演算される穀物重量との比較結果を出力する重量比較手段が備えられ、
前記出力制御手段は、前記重量比較手段によって比較された穀物重量の差が所定以上であるときに計測値異常を報知する制御指令を出力するように構成されているコンバイン。 - 前記走行機体の傾斜を修正する姿勢制御装置が備えられ、
前記制御装置には、前記傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲外であることの検出に伴って、前記傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲内に戻されるように前記姿勢制御装置に対して制御指令を出力する姿勢修正手段が備えられ、
前記出力制御手段は、前記姿勢修正手段による制御指令が、前記傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲外であることの検出に伴って前記姿勢制御装置に対して出力され、前記傾斜センサによる傾斜の検出値が許容範囲内であると出力されないように構成されている請求項1記載のコンバイン。 - 前記グレンタンク内に貯留されている穀粒を搬出するための穀粒搬出用オーガと、その穀粒搬出用オーガが走行機体上の所定位置に存在するか否かを検出するオーガ検知手段とが備えられ、
前記制御装置には、前記オーガ検知手段からの検出信号に基づいてオーガ位置を判別するオーガ位置判別手段が備えられ、
前記出力制御手段は、前記オーガ位置判別手段での判別結果に基づいて、前記穀粒搬出用オーガが所定位置から外れていると前記収量計測手段での演算結果に基づく制御指令が出力され、前記穀粒搬出用オーガが所定位置に存在していると前記収量計測手段での演算結果に基づく制御指令が出力されないように構成されている請求項1又は2記載のコンバイン。 - 前記ロードセルは、前記グレンタンクに貯留された穀粒重量を検出可能な計測位置と、前記グレンタンクに貯留された穀粒重量が作用しない非計測位置とに位置変更可能に構成されている請求項1〜3のいずれか一項記載のコンバイン。
- 前記ロードセルの計測位置と非計測位置との間における位置変更は、前記ロードセルの受圧面の位置を上下に位置変化させる油圧シリンダの作動によって行われるように構成されている請求項4記載のコンバイン。
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