JP2016154493A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、濡れ扱ぎ状態を正確に判定して脱穀装置の脱穀設定を濡れ扱ぎに適した状態に制御してコンバインでの収穫作業に慣れていない作業者でも、良好な穀粒を安定して収穫出来るようにすることを課題とする。
【解決手段】機体の前部に設ける刈取装置(4)で刈り取った穀稈の穀粒を脱穀装置(5)で脱穀選別してグレンタンク(7)に貯留するコンバインにおいて、前記グレンタンク(7)内に揚穀筒(51)から供給される穀粒の所定量を受ける穀粒受(71d)と、該穀粒受(71d)に溜まる穀粒の粒数をカウントする計数器(75)を設け、該計数器(75)が所定時間内に計数する穀粒数に基づいて、前記脱穀装置(5)における濡れ扱ぎ状態を判定することを特徴とするコンバインとする。
【選択図】図6
【解決手段】機体の前部に設ける刈取装置(4)で刈り取った穀稈の穀粒を脱穀装置(5)で脱穀選別してグレンタンク(7)に貯留するコンバインにおいて、前記グレンタンク(7)内に揚穀筒(51)から供給される穀粒の所定量を受ける穀粒受(71d)と、該穀粒受(71d)に溜まる穀粒の粒数をカウントする計数器(75)を設け、該計数器(75)が所定時間内に計数する穀粒数に基づいて、前記脱穀装置(5)における濡れ扱ぎ状態を判定することを特徴とするコンバインとする。
【選択図】図6
Description
本発明は、コンバインに関する。
コンバインでの麦や米の収穫作業は、早朝や降雨後に行うことがあるが、その際は穀稈が湿っているために、いわゆる脱穀装置で濡れ扱ぎ状態になって、通常の脱穀設定にしていると脱桴米が増加する。そのために、穀稈の状態を観察して穀稈が湿っている場合には脱穀装置の設定を濡れ扱ぎ用に調整する必要がある。
従来技術として、特開2001−211738号公報には、濡れ扱ぎ作業かどうかを検出する穀粒水分計を扱室内に設け、穀粒の水分率が大きくて濡れ扱ぎ作業と判定した場合は、唐箕による選別風量を増大し、シーブを絞り、且つ、エンジン回転数を低下させることにより扱胴の回転数を低下させるように自動制御する技術が記載されている。
前記の従来技術では、穀稈を脱穀する扱室内に設けた穀粒水分計で計測した穀粒の水分率で濡れ扱ぎを判定しているので、穀粒以外の藁屑が水分計に堆積して穀粒の水分率が正確に測定できないことがある。また、穀稈が乾いていても前日の降雨によって穀粒内部の水分率が高くなっている場合があって、穀稈が濡れている場合の濡れ扱ぎ作業を正確に判定できない場合もある。
本発明は、濡れ扱ぎ状態を正確に判定して脱穀装置の脱穀設定を濡れ扱ぎに適した状態に自動制御してコンバインでの収穫作業に慣れていない作業者でも、良好な穀粒を安定して収穫出来るようにすることを課題とする。
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、機体の前部に設ける刈取装置(4)で刈り取った穀稈の穀粒を脱穀装置(5)で脱穀選別してグレンタンク(7)に貯留するコンバインにおいて、前記グレンタンク(7)内に揚穀筒(51)から供給される穀粒の所定量を受ける穀粒受(71d)と、該穀粒受(71d)に溜まる穀粒の粒数をカウントする計数器(75)を設け、該計数器(75)が所定時間内に計数する穀粒数に基づいて、前記脱穀装置(5)における濡れ扱ぎ状態を判定することを特徴とするコンバインとする。
請求項2に記載の発明は、揚穀筒(51)から放出される穀粒を直接受ける位置に穀粒受(71d)を設けた請求項1に記載のコンバインとする。
請求項3に記載の発明は、穀粒受(71d)を水分計(74)への穀粒ガイドとした請求項1または請求項2に記載のコンバインとする。
請求項1に記載の発明によれば、グレンタンク(7)内で穀粒を受ける穀粒受(71d)で受けた穀粒数をカウントする計数器(75)は、藁屑等による阻害を受けずに穀粒を正確にカウントでき、湿った穀粒による穀粒受(71d)への穀粒溜まり減少で濡れ扱ぎ状態を判定することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、穀粒の湿り具合によって飛びが変化する揚穀筒(51)の放出穀粒を直接穀粒受(71)dで受けて穀粒数をカウントするので、濡れ扱ぎ状態を正確に判定できる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明による効果に加えて、穀粒受(71d)が穀粒カウントと水分計(74)の穀粒ガイドを兼ねて構成が簡略化される。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
実施形態に係るコンバイン1を、図1乃至図8に基づいて説明する。
[実施形態]
実施形態に係るコンバイン1を、図1乃至図8に基づいて説明する。
以下では、便宜上、図示のように互いに直交する3つの方向をそれぞれ前後方向、左右方向および上下方向と定義し、この定義に従い各部の構成を説明する。前後方向は、コンバイン(機体)1の長さ方向であり、左右方向は幅方向、上下方向は高さ方向である。このうち、前方は、刈取り作業時におけるコンバイン1の進行方向であり、左方は、前方に向かって左手方向であり、右方は、前方に向かって右手方向であり、下方は、重力が作用する方向である。なお、これらの方向は、説明をわかりやすくするために便宜上定義したものであり、これらの方向によって本発明が限定されるものではない。
コンバイン1は、走行しながら農作物の刈取りと脱穀を行う移動式農業機械である。このコンバイン1は、機体フレーム2の下部に配設された走行装置3と、機体フレーム2の前端部に取り付けられた刈取装置4と、機体フレーム2の上部左側(一側)に搭載された脱穀装置5と、機体フレーム2上の右前部に配設された運転室6と、機体フレーム2の上部右側(他側)であって運転室6の後方に配設されたグレンタンク(穀粒貯留装置)7と、機体フレーム2上であって、運転室6の後部下方に配設されたディーゼルエンジン(以下、エンジンという)8とが搭載されている。
走行装置3は、エンジン8からの動力を左右一対の履帯3aに伝え、コンバイン1を走行させる。
刈取装置4は、穀稈を分草する分草具4aと、分草された穀稈を引き起こす引き起こし装置4bと、引き起こされた穀稈の根元を切断する刈刃4cとを有し、圃場に植生する穀稈を所定の高さで刈り取る。刈取装置4により刈り取られた穀稈は、機体フレーム2の左端部に設けられた搬送チェーン9(図2参照)とその上方の挟扼杆との間に挟まれ、エンジン8からの動力による搬送チェーン9の駆動により脱穀装置5に搬送される。
脱穀装置5は、搬送チェーン9により穀稈が後方に搬送される過程で、穀稈から穀粒を切り離し(脱粒)、藁等の夾雑物と穀粒とを分離する。脱穀装置5を通過して、穀粒が扱ぎ取られた穀稈(排藁)は、搬送チェーン9により、機体フレーム2の後端部に設けられた排藁切断装置10へ搬送される。排藁は、排藁切断装置10で切断された後、例えば、圃場に放出される。
運転室6は、作業員が着座した状態で、運転操作や刈取操作などを行うための運転座席である。運転室6は、機体フレーム2の前後方向の前方に設けられ、エンジン8の鉛直方向の上側に設けられている。また、運転室6の周囲には、作業員が着座した状態で操作可能な位置に、例えば、刈取装置4の昇降操作を行うための刈取昇降レバー(図示省略)、排出オーガの昇降操作や旋回操作を行うためのオーガ操作レバー(図示省略)、表示パネル等が設けられている。
エンジン8は、コンバイン1で用いる駆動力の発生源であり、燃焼室で燃料を燃焼させることにより燃料のエネルギーを機械的仕事に変換して回転力として出力する熱機関である。エンジン8は、機体フレーム2の前後方向の前方で、運転室6の鉛直方向の下側に形成されたエンジンルーム(図示省略)に搭載されている。
搬送チェーン9は、刈り取られた穀稈を脱穀装置5へ搬送するものである。搬送チェーン9は、機体フレーム2の左右方向の左側に設けられている。搬送チェーン9は、供給搬送装置(図示省略)と、脱穀搬送装置(図示省略)と、排藁搬送装置(図示省略)と、を備えている。供給搬送装置は、刈り取られた穀稈を前後方向の後方へ搬送しつつ、穀稈の株元側が左右方向の左側へ向き、穀稈の穂先側が左右方向の右側へ向くように、穀稈を倒した姿勢に変更する。
また、供給搬送装置は、穀稈が倒れた状態で、扱ぎ深さを調節し、穀稈を脱穀搬送装置へ引き継ぐ。脱穀搬送装置は、穀稈が倒れた状態で、穀稈の株元側をフィードチェーンと挟持杆とで挟持しつつ、脱穀装置5へ搬送する。また、脱穀搬送装置は、脱穀装置5より脱穀された脱穀済みの排藁を排藁搬送装置へ引き継ぐ。排藁搬送装置は、排藁を前後方向の後方へ搬送し、排藁切断装置10で切断した後、コンバイン1の前後方向の後方から外部へ排藁を排出する。
排藁切断装置10は、複数の回転刃を備えており、搬送チェーン9によって投入された排藁を、回転刃で切断して、コンバイン1の前後方向の後方から外部、例えば、圃場に放出する。
グレンタンク7は、箱状に形成され、脱穀装置5により選別された穀粒を一時的に貯留する穀粒貯留装置である。グレンタンク7は、運転室6の前後方向の後方で、機体フレーム2の左右方向の右側上に配設されている。本実施形態では、グレンタンク7は、左右方向において、脱穀装置5と併設されている。また、グレンタンク7は、後端部外側である右後端部に設けられたヒンジ部7a(回動中心に相当)を中心にして、車両外側、すなわち車両の右後方(図2の矢印A方向)に回動可能である。グレンタンク7は、ヒンジ部7aを中心に前端部が機体フレーム2から離間するメンテナンス位置(図3中に実線で示す)と、機体フレーム2上に位置する動作位置(図3中に二点鎖線で示す)とに亘って回動自在に設けられている。
グレンタンク7は、動作位置からメンテナンス位置に向かって車両外側に回動されることで、グレンタンク7の左方に配設された脱穀装置5等のメンテナンス等を行うことができる。グレンタンク7は、動作位置において、脱穀装置5から穀粒が供給されるとともに、内部に貯留された穀粒を揚穀筒と横送り筒とからなる排出オーガ7bによって外部に排出する。グレンタンク7は、脱穀装置5などに設けられた図示しない係止アームが係止したり、上下方向にスライド自在に設けた位置決めピン7c(図9に示す)が機体フレーム2に設けられた係止孔7dに係止したりすることで、動作位置で機体フレーム2などに固定される。
グレンタンク7は、図3及び図6に示すように、箱状に形成されたタンク本体71と、タンク本体71の底部に設けられたスクリューコンベア72(図8に示し、搬送手段に相当)と、タンク側補強部材73(図8に示す)と、水分計74とを備えている。タンク本体71は、下端部に下方に向かうにしたがって左右方向の幅が徐々に縮小する幅減少部71aを設けている。
また、タンク本体71は、脱穀装置5により選別された穀粒が揚穀筒51(図6に示す)により供給される。揚穀筒51は、脱穀装置5の選別部が選別し回収部により回収された穀粒を選別部の回収部からグレンタンク7のタンク本体71に供給するものである。揚穀筒51は、回収部から上方に延在した筒部51aと、筒部51a内に設けられかつ軸心回りに回転することで、穀粒を回収部から上方に搬送する揚穀コンベア51bなどを備えている。筒部51aは、グレンタンク7のタンク本体71の後ろ側の壁71bに向かって穀粒を排出するための排出口51cを上端に設けている。このために、揚穀筒51は、穀粒をグレンタンク7のタンク本体71の後方に排出する構成である。
スクリューコンベア72は、タンク本体71の幅減少部71aの底部に前後方向と平行に設けられている。また、スクリューコンベア72は、グレンタンク7のタンク本体71の前後方向の略全長に亘って設けられ、前後方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられている。さらに、スクリューコンベア72は、エンジン8からの駆動力により軸心回りに回転されて、グレンタンク7のタンク本体71内の穀粒を後方即ち排出オーガ7bに向けて搬送する。
タンク側補強部材73は、ステンレス鋼で構成され、グレンタンク7のタンク本体71の幅減少部71aの底部の外側において幅減少部71aの前部に取り付けられている。また、タンク側補強部材73は、幅減少部71aの底部の外側において幅減少部71aの前部に取り付けられて、スクリューコンベア72の下方の前部を覆う。また、タンク側補強部材73は、水平方向と平行でかつグレンタンク7の重心の下方に設けられる平坦面73aが設けられている。さらに、タンク側補強部材73は、スクリューコンベア72が後方に穀粒を搬送する際に、スクリューコンベア72と底部との間に侵入した穀粒によって、グレンタンク7の幅減少部71aの特に底部が外側に広がる方向に弾性変形することを抑制する。なお、本明細書でいう、グレンタンク7の前端部とは、グレンタンク7のタンク側補強部材73が設けられた部分及びタンク側補強部材73よりも前側の部分を含んでいる。
水分計74は、グレンタンク7内の穀粒の一部をサンプリングして、穀粒の含有する水分の平均値及び標準偏差(ばらつき、水分ムラともいう)を測定するものである。また、水分計74は、グレンタンク7のタンク本体71の後ろ側の壁71bの上部に取り付けられて、図7に示すように、カバー部材74aにより覆われている。このように、水分計74は、後ろ側の壁71bの上部に取り付けられることで、揚穀筒51から排出される穀粒の軌跡上に配設されている。このために、水分計74は、正確にグレンタンク7内に貯留された穀粒を取り込みやすくなり、穀粒の水分の平均値及び標準偏差を正確に測定することができる。水分計74は、排出オーガ7bの基端部の左右方向に並ぶ位置でかつ排出オーガ7bの左右方向の内側に設けられている。このために、水分計74は、排出オーガ7bにより異物から保護されている。
水分計74が取り付けられた後ろ側の壁71bには、水分計74内に穀粒の一部を取り込むための開口71cと、開口71cの下縁部に取り付けられ穀粒を水分計74に取り込みやすくする穀粒受71dが設けられている。開口71cは、後ろ側の壁71bを貫通している。穀粒受71dは、グレンタンク7のタンク本体71の内側に取り付けられている。穀粒受71dは、上方が開口した断面樋状に形成され、かつ穀粒を内側に収容することで、穀粒を水分計74に取り込みやすくしている。このために、水分計74の精度向上を図ることができる。
また、穀粒受71dには揚穀筒51から放出されて溜まる穀粒数をカウントする計数器75を設け、所定時間内に溜まる穀粒数で刈取装置4が刈り取っている穀稈が濡れ穀稈であるかを判定する。すなわち、収穫中の穀稈が濡れていて揚穀筒51から放出し難いと穀粒受71d内に至る穀粒が通常よりも少なくなるので、濡れ扱ぎと判定して、モニタ27に濡れ扱ぎ警告を表示したり電子ブザー28で警報を鳴らしたりして、従来の如く、制御装置30により唐箕変速モータ25で唐箕による選別風量を増大し、シーブ調整モータ26でシーブを開き、且つ、エンジン8の回転数を低下させることにより扱胴の回転数を低下させる。(図13参照)なお、計数器75を水分計74に兼ねさせることもできる。すなわち、水分計74に取り込まれた穀粒の粒数に基づいて脱穀装置5の各部を制御することもできる。
計数器75は、光学式のセンサにより穀粒をカウントするもので、収穫作業中に揚穀筒51から放出される穀粒を常時検出し、例えば直近の5秒間に検出された穀粒の数をカウントして、逐次、制御装置30へ送信するようにすれば良いが、収穫開始の検出は、刈脱レバー位置センサ31のレバーの入り検出や車速センサ34の走行開始検出や搬送チェーン9に設ける穀稈検出センサ33の穀稈検出による。
制御装置30は、上記以外に、走行装置3の車高シリンダ40による機体フレーム2の昇降制御を行っているが、その車高ストローク基準位置調整モードは、ホーンスイッチ35と表示切換スイッチ36の同時押しによって開始し、所定時間内に車高下げスイッチを複数回操作すると、下限値調整モードに移行する。その後、車高シリンダ40を限界まで伸長して、下げ限界に達すると、その車高を下限値として制御装置30に記憶する。車高の上限値も同様にして制御装置30に記憶する。
水分計74は、図7に示すように、開口71cを通して穀粒を一粒ずつ取り込む円柱状の取り込み部材74bと、取り込み部材74bの下方に設けられた一対の電極ローラ74cなどを備えている。取り込み部材74bは、外周面に穀粒を一粒ずつ収容する図示しない間欠螺旋溝が設けられ、軸心回りに回転されることで、穀粒を一粒ずつ一対の電極ローラ74c間に供給する。電極ローラ74cは、一粒ずつ穀粒を互いの間で押しつぶして、一対の電極ローラ74c間の電気的な抵抗値を測定する。水分計74は、一対の電極ローラ74c間で一粒ずつ穀粒を押しつぶして、一対の電極ローラ74c間の電気的な抵抗値を測定することで、一粒ずつ穀粒の含有する水分を測定する。水分計74は、複数の穀粒の水分を測定して、穀粒の水分の平均値及び標準偏差を測定して、モニタ27に表示する。
また、水分計74を覆ってグレンタンク7のタンク本体71の後ろ側の壁71bに取り付けられたカバー部材74aは、この後ろ側の壁71bにボルトなどにより取り付けられることで、着脱自在となっている。カバー部材74aを設けることで、水分計74を保護することができ、カバー部材74aを着脱自在とすることで水分計74のメンテナンス性を向上することができる。
また、グレンタンク7は、その重心の左右方向の位置がスクリューコンベア72と上下方向に重なる位置となるように、各部品が配設されている。望ましくは、グレンタンク7は、その重心の左右方向の位置がスクリューコンベア72の軸心と上下方向に重なる位置に配設される。
また、コンバイン1は、グレンタンク7の重量、即ち、グレンタンク7が貯留した穀粒の重量を検出するロードセル11(図11及び図12に示す)と、グレンタンク7の前端部をロードセル11上に案内する案内手段12(図9及び図10に示す)とを備えている。
ロードセル11は、機体フレーム2上に取り付けられて、機体フレーム2上と動作位置のグレンタンク7の前端部との間に配設されるとともに、グレンタンク7が動作位置に位置づけられた状態においてスクリューコンベア72の下方に配設される。ロードセル11は、図11に示すように、機体フレーム2のフレーム部材21と、フレーム部材21と第2フレーム部材22とに掛け渡された補強板23(補強部材に相当)上に取り付けられている。即ち、ロードセル11は、フレーム部材21と補強板23上に取り付けられて、少なくとも一部がフレーム部材21上に取り付けられ、補強板23上にも取り付けられている。
フレーム部材21と第2フレーム部材22は、前後方向と平行な直線状に形成され、断面形が四角形の四角筒状に形成されている。フレーム部材21は、機体フレーム2の左右方向の外縁部に設けている。第2フレーム部材22は、フレーム部材21よりも左右方向の内側に配設されている。補強板23は、ステンレス鋼で構成され、平板状に形成されている。前述した構成のロードセル11は、グレンタンク7が動作位置に位置付けられると、その上にタンク側補強部材73の平坦面73aが重なって、グレンタンク7即ちグレンタンク7が貯留した穀粒の重量を検出する。なお、グレンタンク7は、動作位置では、上下方向にはロードセル11のみにより支持され、ヒンジ部7aと係止アームと位置決めピン7cなどにより前後方向及び左右方向に位置決めされる。また、フレーム部材21と第2フレーム部材22を表面上に固定する板状部材24(図5に示す)などで機体フレーム2が構成されている。
案内手段12は、グレンタンク7がメンテナンス位置から動作位置に向かって回動する際に、グレンタンク7の前端部をロードセル11上に案内するものである。案内手段12は、図9及び図10に示すように、機体フレーム2に取り付けられた機体側案内部材80と、グレンタンク7の前端部に設けられたタンク側案内部材90とを備える。
機体側案内部材80は、メンテナンス位置から動作位置に向かって回動するグレンタンク7の前端部を、動作位置に向かうにしたがって徐々に上昇させた後に、グレンタンク7の前端部の少なくとも一部がロードセル11の上方を通過するように案内した後、ロードセル11上にグレンタンク7のタンク側補強部材73の平坦面73aの前端部を案内するものである。機体側案内部材80は、ロードセル11と前後方向に並び、ロードセル11の前側に設けられている。
機体側案内部材80は、図4及び図5に示すように、第1上昇傾斜部81(上昇傾斜部に相当)と、第2上昇傾斜部82(上昇傾斜部に相当)と、水平部83と、凹部84とを備えている。第1上昇傾斜部81と第2上昇傾斜部82と水平部83と凹部84とは、左右方向に機体フレーム2の外側から順に並べられている。
第1上昇傾斜部81と第2上昇傾斜部82とは、機体フレーム2よりも左右方向の外側に配設され、メンテナンス位置から動作位置に向かって回動するグレンタンク7の前端部を乗り上げさせて、グレンタンク7の前端部を徐々に上昇させるものである。第1上昇傾斜部81及び第2上昇傾斜部82は、左右方向に機体フレーム2の内側に向かうにしたがって徐々に上方に向かうように傾斜している。第2上昇傾斜部82の左右方向の外側の端は、第1上昇傾斜部81の左右方向の内側の端よりも下方に位置し、第2上昇傾斜部82の左右方向の内側の端は、第1上昇傾斜部81の左右方向の内側の端よりも上方に位置している。
水平部83は、第2上昇傾斜部82の左右方向の内側の端に連なり、メンテナンス位置から動作位置に向かって回動するグレンタンク7の前端部を水平に移動させるものである。水平部83は、第2上昇傾斜部82の左右方向の内側の端から左右方向の内側に向かって左右方向に延びている。水平部83は、機体フレーム2上に配設されている。また、水平部83は、位置決めピン7cが係止する係止孔7dが設けられている。
凹部84は、水平部83の左右方向の内側の端に連なり、かつロードセル11上に位置するグレンタンク7の前端部の少なくとも一部が侵入するものである。凹部84は、水平部83よりも下方に凹に形成されている。凹部84は、水平部83の左右方向の内側の端から左右方向の内側に向かって左右方向に延びている。凹部84は、ロードセル11と前後方向に並ぶ位置に配設されている。また、凹部84の深さは、動作位置のグレンタンク7のタンク側補強部材73の平坦面73aが水平部83上に重なると、タンク側案内部材90が内側に侵入して、タンク側案内部材90が底面に当接しない程度の深さに形成されている。
また、機体側案内部材80は、凹部84と水平部83との左右方向の間に配設された傾斜部85を備えている。傾斜部85は、水平部83の表面と凹部84の底面とに連なり、機体フレーム2の左右方向の外側に向かうにしたがって徐々に上方に向かうように、水平方向と上下方向との双方に対して傾斜している。また、機体側案内部材80は、水平部83と傾斜部85と凹部84とが一体に構成され、かつ凹部84の底面がボルト86(固定手段に相当)などにより機体フレーム2に取り付けられている。
タンク側案内部材90は、グレンタンク7がメンテナンス位置から動作位置に向かって回動する際に、機体側案内部材80上に乗り上げ、グレンタンク7が動作位置に位置付けられると、一部が機体側案内部材80の凹部84内に侵入するものである。タンク側案内部材90は、図8に示すように、下方延在部材91と、タンク側上昇傾斜部92と、タンク側水平部93と、ピン案内部材94とを備えている。下方延在部材91は、グレンタンク7の幅減少部71aの底部の前端部に取り付けられ、かつグレンタンク7の幅減少部71aの底部の前端部から下方に延在している。
タンク側上昇傾斜部92とタンク側水平部93とピン案内部材94とは、左右方向に機体フレーム2の内側から順に並べられ、機体側案内部材80上に重なる位置に配設されている。タンク側上昇傾斜部92は、グレンタンク7がメンテナンス位置から動作位置に向かって回動する際に、第1上昇傾斜部81及び第2上昇傾斜部82上に乗り上げるとともに、左右方向の内側に向かうにしたがって徐々に上方に傾斜している。タンク側上昇傾斜部92は、下方延在部材91の左右方向の内側の端部に設けられている。
タンク側水平部93は、タンク側上昇傾斜部92に連なりかつ水平方向と平行である。
タンク側水平部93は、下方延在部材91の左右方向の中央部に設けられている。タンク側上昇傾斜部92とタンク側水平部93とは、グレンタンク7が動作位置に位置付けられると、機体側案内部材80の凹部84内に侵入する位置に配設されている。タンク側上昇傾斜部92とタンク側水平部93とは、タンク側案内部材90の一部に相当する。
タンク側水平部93は、下方延在部材91の左右方向の中央部に設けられている。タンク側上昇傾斜部92とタンク側水平部93とは、グレンタンク7が動作位置に位置付けられると、機体側案内部材80の凹部84内に侵入する位置に配設されている。タンク側上昇傾斜部92とタンク側水平部93とは、タンク側案内部材90の一部に相当する。
ピン案内部材94は、位置決めピン7cを上下方向にスライド自在に支持している。ピン案内部材94は、下方延在部材91の左右方向の外側の端部に設けられている。ピン案内部材94は、グレンタンク7が動作位置に位置付けられると、機体側案内部材80の水平部83上に重なる位置に配設されている。
前述した構成のコンバイン1のグレンタンク7をメンテナンス位置から動作位置に向かって回動させる際の動作を図9から図12を参照して説明する。図9は、本発明の実施形態に係るコンバインのタンク側案内部材が機体側案内部材上に乗り上げた状態を示す断面図である。図10は、本発明の実施形態に係るコンバインのタンク側案内部材が機体側案内部材の凹部内に侵入した状態を示す断面図である。図11は、本発明の実施形態に係るコンバインのタンク側案内部材が機体側案内部材上に乗り上げた状態のロードセルなどを示す断面図である。図12は、本発明の実施形態に係るコンバインのグレンタンクがロードセル上に乗り上げた状態を示す断面図である。
ヒンジ部7aを中心にしてグレンタンク7をメンテナンス位置から動作位置に向かって回動していくと、タンク側案内部材90のタンク側上昇傾斜部92の脱穀装置5寄りの先端が機体側案内部材80の第1上昇傾斜部81に接触する。そして、さらに、グレンタンク7を動作位置に向かって回動すると、タンク側案内部材90のタンク側上昇傾斜部92の脱穀装置5寄りの先端が、機体側案内部材80の第1上昇傾斜部81上に乗り上げて、第1上昇傾斜部81に沿って徐々に上昇した後、機体側案内部材80の第2上昇傾斜部82上に乗り上げて、第2上昇傾斜部82に沿って徐々に上昇する。そして、図9に示すように、タンク側案内部材90のタンク側水平部93が機体側案内部材80の水平部83上に乗り上げる。すると、図11に示すように、グレンタンク7の幅減少部71aの前端部がロードセル11から間隔をあけてロードセル11の上方に位置する。
そして、さらに、グレンタンク7を動作位置に向かって回動すると、タンク側案内部材90のタンク側水平部93が機体側案内部材80の水平部83上を摺動した後、図10に示すように、タンク側案内部材90の下方延在部材91が機体側案内部材80の水平部83上に重なり、タンク側案内部材90のタンク側上昇傾斜部92及びタンク側水平部93が凹部84内に侵入する。そして、係止アームがグレンタンク7に係止し、位置決めピン7cが係止孔7dに係止して、グレンタンク7は、動作位置で機体フレーム2などに固定される。すると、図11に示すように、グレンタンク7の幅減少部71aの前端部がロードセル11上に重なり、ロードセル11がグレンタンク7の重量を検出可能になる。
次に、このように構成されたコンバイン1の動作について説明する。
コンバイン1は、エンジン8が発生させる駆動力によって走行装置3が駆動して走行しながら、刈取装置4によって穀稈を刈り取る。刈取装置4により刈り取られた穀稈は、搬送チェーン9の駆動により脱穀装置5に搬送される。脱穀装置5においては、搬送チェーン9により穀稈が後方に搬送される過程で、穀稈から穀粒を切り離し(脱粒)、藁等の夾雑物と穀粒とを分離する。穀粒が扱ぎ取られた穀稈(排藁)は、搬送チェーン9により、機体フレーム2の後端部に設けられた排藁切断装置10へ搬送される。排藁は、排藁切断装置10で切断された後、例えば、圃場に放出される。脱穀装置5において分離された穀粒は、グレンタンク7に貯留される。
グレンタンク7には脱穀装置5の選別部で選別された穀粒が揚穀筒51から内部に放出される。この放出される穀粒を穀粒受71dに受けて計数器75で穀粒数をカウントする。濡れ扱ぎによって湿った穀粒は飛びが悪く、穀粒受71dに放出される穀粒数が通常よりも減少すると、濡れ扱ぎ状態と制御装置30で判定して、モニタ27に濡れ扱ぎ警告を表示したり電子ブザー28で警報を鳴らしたりし、、制御装置30により唐箕変速モータ25で唐箕による選別風量を増大し、シーブ調整モータ26でシーブを開き、且つ、エンジン8の回転数を低下させることにより扱胴の回転数を低下させる。
4 刈取装置
5 脱穀装置
7 グレンタンク
51 揚穀筒
71d 穀粒受
74 水分計
75 計数器
5 脱穀装置
7 グレンタンク
51 揚穀筒
71d 穀粒受
74 水分計
75 計数器
Claims (3)
- 機体の前部に設ける刈取装置(4)で刈り取った穀稈の穀粒を脱穀装置(5)で脱穀選別してグレンタンク(7)に貯留するコンバインにおいて、前記グレンタンク(7)内に揚穀筒(51)から供給される穀粒の所定量を受ける穀粒受(71d)と、該穀粒受(71d)に溜まる穀粒の粒数をカウントする計数器(75)を設け、該計数器(75)が所定時間内に計数する穀粒数に基づいて、前記脱穀装置(5)における濡れ扱ぎ状態を判定することを特徴とするコンバイン。
- 揚穀筒(51)から放出される穀粒を直接受ける位置に穀粒受(71d)を設けた請求項1に記載のコンバイン。
- 穀粒受(71d)を水分計(74)への穀粒ガイドとした請求項1または請求項2に記載のコンバイン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015035278A JP2016154493A (ja) | 2015-02-25 | 2015-02-25 | コンバイン |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015035278A JP2016154493A (ja) | 2015-02-25 | 2015-02-25 | コンバイン |
Publications (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017000027A (ja) * | 2015-06-05 | 2017-01-05 | 井関農機株式会社 | コンバイン |
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JP2021141843A (ja) * | 2020-03-11 | 2021-09-24 | 三菱マヒンドラ農機株式会社 | コンバイン |
-
2015
- 2015-02-25 JP JP2015035278A patent/JP2016154493A/ja active Pending
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