JP5755806B2 - 流量調整弁 - Google Patents

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Description

本願は、2011年06月27日に中国特許局に提出した、出願番号が201110176275.7で、発明名称が「流量調整弁」である中国特許出願の優先権を主張し、当該特許出願の内容の全てを引用によって本願に取り入れる。
本発明は、流体制御部材の技術分野に関し、特に流量調整弁に関する。
流量調整弁は、冷却システムを構成する重要な部材であり、冷却システムにおける四つの基本部材のうちの蒸発器、コンプレッサー及びコンデンサーを除く基本部材である。流量調整弁の作動過程としては、一般的に、コイル装置の通電または停電に伴い、弁棒で弁口の開度を調整することにより、冷媒の流量を調節する。なお、流量調整弁は、液圧システム及び石油運送などの他の流体制御分野にも幅広く応用されている。
従来技術において、出願番号が200580023202.7である中国特許には流量調整弁が開示されている。具体的に、図1と図2を参照し、図1は従来技術による流量調整弁の構造模式図であり、図2は図1の流量調整弁の一部の拡大図である。
図1に示すように、モータケース62の内部にモータ70が設けられおり、当該モータケース62の下部ケース60は螺合により頭部48に接続されている。図2に示すように、弁ユニット40は雄ねじを有する駆動軸78(スクリューに相当する)を収容するための雌ねじを有する排出ピストン130(ナットに相当する)を備える。当該排出ピストン130は、軸方向に沿って比較的に長い長さで延伸しており、且つ摺動可能にスリーブ146に取り付けられており、当該スリーブ146は、下部ケース60に装着されている。排出ピストン130は、周方向に回転することができないようにスリーブ146によって規制されており、モータ70が歯車システムにより雄ねじを有する駆動軸78を回転駆動する時に、排出ピストン130は周方向に回転することができないため、軸方向にのみ移動することにより、弁ユニット40を連動させて弁座22における弁口の開度を調節する。しかしながら、従来技術による当該流量調整弁には以下の欠陥が存在する。
先ず、弁ユニット40は後部材94を備え、当該後部材94は螺合により中間部材96に接続されていることによって、排出ピストン130を軸方向に位置規制を行う。図2に示すように、排出ピストン130は、小弁口120bを開閉する必要があるため、径方向の揺れが許されず、つまり、排出ピストン130と後部材94又は中間部材96との間に径方向の隙間が存在しないようにする必要があり、さもなければ、小弁口120bを密閉する密閉性能に影響を及ぼす恐れがある。弁体の各部品の加工及び組立によって比較的大きな同軸度誤差が生じるため、駆動軸78と排出ピストン130との間に比較的大きな同軸度誤差が形成されており、また、排出ピストン130は径方向に揺れることができないため、駆動軸78の係止を招致し易い。
次に、後部材94は螺合により中間部材96に接続されており、排出ピストン130及び弁ユニット40が軸方向に移動するに伴い、螺合に緩みが生じ易いため、排出ピストン130を軸方向に位置決めする信頼性を低下させる。
また、排出ピストン130は、下部ケース60のスリーブ146に固定される必要があり、当該スリーブ146により周方向に回転不可に規制されているため、このスリーブ146に伸び込むように弁ユニット40から十分の長さで伸び出す必要がある。このような構造設計によって、排出ピストン130と取り合わせている駆動軸78は比較的に長い長さを持つように形成されているため、駆動軸78の撓みが大きくなり、排出ピストン130と駆動軸78とを組み立てる時の同軸度を確保し難く、位置ずれて装着されると、抵抗モーメントが増加し、ひいては駆動軸78の係止を招致する。
更に、上記のように、排出ピストン130は、スリーブ146に伸び込むように、弁ユニット40から十分の長さで伸び出す必要があり、それに応じて、駆動軸78と下部ケース60の軸方向に沿う長さは長くなり、材料のコストの増加を招く。
これに鑑み、如何に部品の加工及び組立によるスクリューとナットとの間の同軸度誤差を解消させる一方、ナットの軸方向の位置規制の信頼性を向上させるように、従来技術による流量調整弁を改良するかということは、当業者にとって急を要する課題である。
中国特許出願公開第1985118号公報
本発明の解決しようとする技術的課題は、独自な構造設計を介して、部品の加工及び組立によるスクリューとナットとの間の同軸度誤差を解消させる一方、ナットの軸方向の位置規制の信頼性を向上させる流量調整弁を提供することである。
上記技術的課題を解決するために、本発明は流量調整弁を提供し、この流量調整弁は、弁座及び前記弁座に接続されているケースを備え、前記ケースの内部にモータが設けられており、前記モータは、その出力軸を介してスクリューに接続されており、前記スクリューは、螺合によってナットに接続されており、前記ナットには弁ロッドが接続されており、前記弁ロッドは軸方向に沿って移動することによって前記弁座における弁口の開度を調節する。前記弁ロッドの内部には取付け溝が設けられており、前記ナットの全体または前記ナットの下部は、前記取付け溝に対し径方向に隙間を持って遊合する。前記取付け溝の内壁には環状位置規制溝が設けられており、前記環状位置規制溝には前記ナットを軸方向に位置規制し、且つ前記ナットの外側に遊合する位置規制部材が設けられている。
前記位置規制部材は係止環を備え、前記ナットの円周側壁には位置規制段階面が設けられており、前記係止環は、前記環状の位置規制溝に係合して取り付けられているとともに前記位置規制段階面に支持されおり、前記係止環の内壁とそれに対応する前記ナットの側壁との間には隙間があることが、好ましい。
前記位置規制部材はさらに止めリングを備え、前記止めリングは、周方向に沿って前記位置規制段階面にネストして装着され、支持されると共に、その内壁とそれに対応する前記ナットの側壁との間に隙間が有り、前記係止環は、さらに前記止めリングを介して前記位置規制段階面に支持されていることが、好ましい。
前記止めリングの頂面にはさらに止めリング段階面が設けられており、前記係止環はさらに前記止めリング段階面に支持されており、且つ前記係止環の内壁とそれに対応する前記止めリングの側壁との間に隙間があることが、好ましい。
前記位置規制段階面はさらに第1の錐面とされ、前記止めリングの底面はさらに第2の錐面とされ、且つ前記第1錐面の夾角は第2の錐面の夾角よりも小さいことが、好ましい。
前記取付け溝の底壁及び前記ナットの底壁のうちの一方には周方向位置規制溝が設けられており、他方には位置規制凸出部が設けられており、前記位置規制凸出部は前記周方向位置規制溝に係合するように設けられていることが、好ましい。
前記弁ロッドは射出成形体及びこの射出成形体を包む金属ハウジングを備え、前記射出成形体の上部のキャビティに前記取付け溝は形成され、且つ前記環状位置規制溝は前記射出成形体の内壁に設けられていることが、好ましい。
前記弁ロッドは射出成形体及びこの射出成形体を包む金属ハウジングを備え、前記金属ハウジングの先端部の内側にはさらに金属凸出部が設けられており、前記射出成形体の上部のキャビティ及び前記金属凸出部のキャビティに前記取付け溝は形成され、前記環状位置規制溝はさらに前記金属凸出部の内壁に設けられていることが、好ましい。
前記ナットの全体は前記取付け溝に設けられており、前記モータの出力軸は、さらに歯車システムによって、前記スクリューと接続されており、前記歯車システムは前記弁座の弁室に位置する歯車座に支持されており、前記スクリューは前記歯車座を挿通して前記ナットと螺合している。前記弁ロッドが前記歯車座に対して周方向に位置規制されると共に、軸方向に摺動可能にされるように、前記歯車座の下部には第1の位置規制部が設けられており、前記弁ロッドの上部には前記第1の位置規制部と取り合わせる第2の位置規制部が設けられていることが、好ましい。
前記第1の位置規制部は非円異形キャビティであり、前記第2の位置規制部は前記非円異形キャビティに設けられている軸方向に沿って摺動可能な非円異形部であることが、好ましい。
前記歯車座は軸方向に沿って延在する複数の第1の位置決めレバーが設けられており、前記第1の位置規制部は前記第1の位置決めレバーであり、各前記第1の位置決めレバーのうちに、少なくとも1組の隣り合う第1の位置決めレバーの間の隙間には位置規制隙間が形成されており、前記第2の位置規制部は前記弁ロッドの側壁に設けられる第2の位置決めレバーであり、前記弁ロッドの上部は各前記第1の位置決めレバーによって周方向に沿って囲まれたスペースに伸びこむと共に、前記第2の位置決めレバーは前記位置規制隙間に挿入することが、好ましい。
従来技術に基き、本発明によって提供される流量調整弁の弁ロッドの内部には取付け溝が設けられており、前記ナットの全体または前記ナットの下部は、前記取付け溝に対し径方向に隙間を持って遊合している。前記取付け溝の内壁には環状位置規制溝が設けられており、前記環状の位置規制溝には前記ナットを軸方向に位置規制し、且つ前記ナットの外側に遊合している位置規制部材が設けられている。本発明において、ナットの全体または前記ナットの下部は前記取付け溝に対し径方向に隙間を持って遊合しており、且つ位置規制部材は径方向にナットに遊合しているため、組立を完成した後に、ナットはスクリューと連動して、弁ロッドにおいて径方向に沿って小隙間で揺れることができ、部品の加工及び組立によるスクリューとナットとの間の同軸度誤差を解消させるのみならず、さらにスクリューの係止現象の発生を避けることが可能になる。
また、本発明において、取付け溝の内壁には環状位置規制溝が設けられており、当該位置規制溝には位置規制部材が係合して取り付けられており、この位置規制部材によりナットを軸方向に位置規制し、この様な位置規制構造により、螺合接続による緩みを避けることができるため、この構造によって、ナットを軸方向に位置規制する信頼性を向上させている。
とにかく、本発明によって提供される流量調整弁は部品の加工及び組立によるスクリューとナットとの間の同軸度誤差を解消させる一方、ナットの軸方向の位置規制の信頼性を向上させることができる。
従来技術による流量調整弁の構造模式図である。 図1の流量調整弁の一部拡大図である。 本発明の第1の実施例に係る流量調整弁の構造模式図である。 図3の流量調整弁の弁ロッドの構造模式図である。 図4の弁ロッドの断面図である。 図5の弁ロッドの分解図である。 図5の弁ロッドのA部位の一部拡大図である。 図5の弁ロッドの止めリングとナットとの装着模式図である。 本発明の第2の実施例に係る弁ロッドの構造模式図である。 図9の弁ロッドの断面図である。 図9の弁ロッドの分解図である。 図10の弁ロッドのB部位の一部拡大図である。 図4の弁ロッドと取り合わせる歯車座の構造模式図である。 図9の弁ロッドと取り合わせる歯車座の構造模式図である。
本発明の核心は、構造設計を介して、部品の加工及び組立によるスクリューとナットとの間の同軸度誤差を解消させる一方、ナットの軸方向の位置規制の信頼性を向上させる流量調整弁を提供することである。
当業者が本発明の技術案を比較的良好に理解できるように、以下、図面と具体的な実施例に基いて本発明を更に詳細に説明する。
図3乃至図8を参照し、図3は本発明の第1の実施例に係る流量調整弁の構造模式図であり、図4は図3の流量調整弁の弁ロッドの構造模式図であり、図5は図4の弁ロッドの断面図であり、図6は図5の弁ロッドの分解図であり、図7は図5の弁ロッドのA部位の一部拡大図であり、図8は図5の弁ロッドの止めリングとナットとの装着模式図である。
基本的技術案において、本発明によって提供された流量調整弁は、弁座1及びこの弁座1に接続されているケース2を備え、ケース2内にモータ21が設けられており、モータ21の出力軸は歯車座6に支持されている歯車システム22によりスクリュー3と伝動接続されていることによって、スクリュー3はモータ21の出力軸に伴って回転する。スクリュー3は、螺合によってナット4に接続されており、ナット4には弁ロッド5が接続されており、モータ21の出力軸の回転に伴ってスクリュー3は回転し、スクリュー3はさらに弁ロッド5を軸方向に沿って移動するように連動させることによって、弁座1における弁口の開度を調節する。
上記の構造に基づいて、図5及び図6を参照し、弁ロッド5の内部には取付け溝51が設けられており、ナット4の全体またはナット4の下部は、取付け溝51に対し径方向に隙間を持って遊合している。取付け溝51の内壁に環状位置規制溝52は設けられており、環状位置規制溝52には前記ナット4を軸方向に位置規制しており、且つナット4の外側に遊合している位置規制部材53が設けられている。
本発明において、ナット4の全体またはナット4の下部が取付け溝51に対し径方向に隙間を持って遊合しているとともに、位置規制部材53がナット4に径方向に遊合しているので、組立を完成した後に、ナット4は、スクリュー3に連動して、弁ロッド5において径方向に沿って小さい隙間で揺れることができ、部品の加工及び組立によるスクリューとナットとの間の同軸度誤差を解消させ、ひいてはスクリューの係止現象の発生を避けることが可能である。
なお、本発明において、取付け溝51の内壁に環状位置規制溝52は設けられており、当該位置規制溝52には位置規制部材53が係合して取り付けられており、この位置規制部材53によりナット4を軸方向に位置規制し、この位置規制構造により、螺合接続による緩みを避けることができるので、このような構造によっては、ナット4を軸方向に位置規制する信頼性を向上させている。
説明すべきこととして、上記の基本的技術案の注目するキーポイントが、ナット4が全体に弁ロッド5に内蔵するかどうかということではなく、ナット4が如何に弁ロッド5と接続するかということである。従って、本発明に係るナット4と弁ロッド5との接続構造を採用すれば、図5に示すようにナット4が全体に弁ロッド5の取付け溝51に内蔵する場合であれ、図1と図2に示すように排出ピストン130(本発明のナット4に相当する)の下部のみが弁ユニット40(本発明の弁ロッド5に相当する)に内蔵する場合であれ、本発明の保護範囲に該当すべきである。
なお、説明すべきこととして、図3に示すように、弁座1は、上弁座11、下弁座12及びスリーブ13を備える別体構造であってもよい。しかしながら、弁座1の構造はこれに限定されず、弁座1は一体化部材、即ち上弁座11、下弁座12及びスリーブ13の三つが一体化された部材であってもよいし、上弁座11と下弁座12が一体化されてから、スリーブ13と共に弁座1を形成してもよい。本発明は、上記の何れにも限定されることがない。
上記の基本的技術案において、位置規制部材53の構造を具体的に設計を行うことができる。例えば、図5、図6及び図7に示すように、位置規制部材53は係止環531を備え、ナット4の円周側壁には位置規制段階面41が設けられており、係止環531は、環状位置規制溝52に係合して取り付けられているとともに、位置規制段階面41に支持されており、係止環531の内壁とそれに対応するナット4の側壁との間に隙間がある。図6に示すように、係止環531は、開放構造であり、付勢されることにより収縮するため、環状位置規制溝52に便利に係合して取り付けられることができ、環状位置規制溝52に配置された後に、係止環531は元の状態に戻り、さらに位置規制段階面41にネストして支持されている。このような構造設計を介して、ナット4の軸方向の位置規制を便利に実現させると共に、構造は簡単であり、コストも低い。
さらに、図5、図6及び図7に示すように、位置規制部材53は止めリング532も備えてもよい。止めリング532は、周方向に沿って、位置規制段階面41にネストして支持されると共に、その内壁とそれに対応するナット4の側壁との間に隙間がある。係止環531は、さらに止めリング532によって、位置規制段階面41に支持されている。係止環531と止めリング532との両方が協働して、この構造設計を介して、さらにナット4の軸方向の位置規制の信頼性を向上させることができる。
なお、図7に示すように、止めリング532の内壁とそれに対応するナット4の側壁との間に隙間aが有り、且つ取付け溝51の内壁とそれに対応するナット4の側壁との間に隙間bが有り,これらの隙間が同時に存在することにより、ナット4を取付け溝51内に径方向に沿って小隙間で揺れることができる。なお、図7に示すように、係止環531の内壁とそれに対応する止めリング532の側壁との間に隙cが有り,この隙間cの構造によって、係止環531が環状位置規制溝52に便利に係合して取り付けられることができる。
とにかく、係止環531と止めリング532との構造設計を介して、ナット4が径方向に沿って小隙間で揺れることを非常に便利に実現させる一方、ナット4の軸方向の位置規制の信頼性をさらに向上させることができる。
また、図8に示すように、位置規制段階面41はさらに第1の錐面とされ、且つ止めリング532の底面はさらに第2の錐面532bとされると共に、図8に示すように、前記第1の錐面の夾角βは第2の錐面532bの夾角αよりも小さい。第1の錐面の夾角βは第2の錐面532bの夾角αよりも小さいため、第1の錐面が第2の錐面532bと接する時に、両方間の接触は面接触ではなく、線接触になり、接触面積は小さく、第1の錐面と第2の錐面532bとの間の摩擦力は小さくなるので、ナット4が径方向に揺れが生じる際の抵抗を著しく減らすことができる。
さらに、上記の基本的技術案において、さらに改良することができる。具体的には、図6に示すように、取付け溝51の底壁にさらに周方向位置規制溝54が設けられており、ナット4の底壁にさらに位置規制凸出部42が設けられており、図5に示すように、位置規制凸出部42は周方向位置規制溝54に係合するように設けられている。このような構造設計を介して、ナット4の弁ロッド5に対する周方向の回転を制限することができると共に、構造は簡単であり、コストも低い。勿論、取付け溝51の底壁に位置規制凸出部42を設置すると共に、ナット4の底壁に周方向位置規制溝54を設置してもよい。明らかなように、この構造を介しても上記の技術的効果を奏することができる。
上記の基本的技術案に基づいて、さらに改良することによって、本発明の第1の実施例を得てもよい。具体的には、第1の実施例において、図5と図6に示すように、弁ロッド5は射出成形体55及びこの射出成形体55を包む金属ハウジング56を備え、射出成形体55の上部のキャビティは取付け溝51が形成されると共に、環状位置規制溝52は射出成形体55の内壁に設けられている。環状位置規制溝52を形成するための加工工芸は簡単であり、加工コストも低い。
また、上記の基本的技術案においては、さらに改良することによって、本発明の第2の実施例を得てもよい。具体的には、図9乃至図12に参考し、図9は本発明の第2の実施例に係る弁ロッドの構造模式図であり、図10は図9の弁ロッドの断面図であり、図11は図9の弁ロッドの分解図であり、図12は図10の弁ロッドのB部位の一部拡大図である。
説明すべきこととして、本発明によって提供される第2の実施例における弁ロッド5の構造設計は第1の実施例における弁ロッド5の構造設計とほぼ同一であり、異なることと言えば、第2の実施例において、図10と図12に示すように、金属ハウジング56の先端部の内側にはさらに金属凸出部56aが設けられており、射出成形体55の上部のキャビティと金属凸出部56aのキャビティに取付け溝51が形成されており、環状位置規制溝52はさらに金属凸出部56aの内壁に設けられている。
上記の第1の実施例においては、環状位置規制溝52は射出成形体55に設けられるため、金属ハウジング56の内部に射出成形体55が形成された後に、弁ロッド5をチャッキングすることによって、環状位置規制溝52を加工し出す。この加工過程において、弁ロッド5をチャッキングすると、弁ロッド5の下端の射出成形体55から形成される密閉面に影響を及ぼすため、弁ロッド5の密閉性能に影響を及ぼす。
第2の実施例においては、射出成形前に金属ハウジング56が既に成形されたので、つまり、金属ハウジング56の内部に射出成形体55が形成される前に、金属凸出部56aに環状位置規制溝52が既に加工し出されたので、射出成形体55が形成された後に、弁ロッド5をチャッキングすることによって、環状位置規制溝52を加工し出す必要がないため、このチャッキングにより弁ロッド5の下端の射出成形体55から形成される密閉面に影響を及ぼすことを避けることができ、さらに弁ロッド5の密閉性能に影響を及ぼさないことを確保することができる。
上記のいずれか一つの技術案に基づいて、さらに改良することができる。例えば、図3、図4、図9、図13及び図14を同時に参考し、図13は図4の弁ロッドと取り合わせる歯車座の構造模式図であり、図14は図9の弁ロッドと取り合わせる歯車座の構造模式図である。
前記歯車座6の下部には第1の位置規制部が設けられることができる。弁ロッド5が歯車座6に対して周方向に位置規制されると共に軸方向に摺動可能となるように、弁ロッド5の上部には前記第1の位置規制部と取り合わせる第2の位置規制部が設けられることができる。これに基づいて、ナット4の全体はさらに弁ロッド5の取付け溝51に設けられることができ、且つナット4は軸方向と周方向との両方向に位置規制されると共に当該取付け溝51に接続されている。
弁ロッド5は、全体に歯車座6に対して周方向に位置規制されると共に軸方向に摺動すると同時に、ナット4は軸方向と周方向との両方向に位置規制されると共に弁ロッド5の取付け溝51に接続されているため、スクリュー3の回転に伴い、ナット4に連動して弁ロッド5は軸方向に沿って摺動することによって、弁ロッド5により弁口の開度を調節する目的を達成する。
図1と図2に示すように、排出ピストン130は、下部ケース60のスリーブ146に固定される必要があり、当該スリーブ146により周方向の回転が規制されているため、このスリーブ146に伸び込むように弁ユニット40から十分の長さで伸び出す必要がある。このような構造設計を介して、排出ピストン130と取り合わせている駆動軸78は比較的長い長さを持つようにされるため、駆動軸78の撓みが大きくなり、排出ピストン130と駆動軸78とを組み立てる時の同軸度を確保し難く、位置ずれて装着されると、抵抗モーメントが増加し、ひいては駆動軸78の係止を招致する。
本発明においては、歯車座6によって、直接に弁ロッド5全体を周方向に位置規制を行うと同時に、直接にナット4を周方向に位置規制を行わず、ナット4を軸方向と周方向との両方向に位置規制するとともに、弁ロッド5の取付け溝51に接続させるため、ナット4は弁ロッド5から伸び出す必要がなく、ナット4が弁ロッド5に内蔵されることができる。従って、ナット4の軸方向の長さを著しく短縮することができ、さらにスクリュー3の長さと撓みを低下させ、スクリュー3とナット4を組み立てる時の同軸度を容易に確保でき、スクリュー3の係止を避けることができる。
上記の技術案において、第1の位置規制部と第2の位置規制部の構造を具体的に設計を行うことができる。例えば、図13に示すように、前記第1の位置規制部は非円異形キャビティ61であり、図4に示すように、前記第2の位置規制部は非円異形キャビティ61に設けられている軸方向に沿って摺動可能な非円異形部57である。このような構造設計を介して、弁ロッド5が歯車座6に対して周方向に位置規制され固定されると共に、軸方向に沿って摺動する目的をとても便利に達成できる。
説明すべきこととして、図4と図13に示すように、非円異形キャビティ61及び非円異形部57は、いずれも六角形であるが、これに限定されず、弁ロッド5の歯車座6に対する回転さえ制限できれば、いずれかの非円形状であっても、本発明の保護範囲に該当すべきである。
図14に示すように、歯車座6は軸方向に沿って延在する複数の第1の位置決めレバー62が設けられており、前記第1の位置規制部は第1の位置決めレバー62であり、各第1の位置決めレバー62のうちに、少なくとも1組の隣り合う第1の位置決めレバー62の間の隙間に位置規制隙間63が形成されている。具体的には、図14に示すように、歯車座6は四つの第1の位置決めレバー62が設置されており、これら四つの第1の位置決めレバー62によって二つの位置規制隙間63が形成されてもよい。図9に示すように、前記第2の位置規制部は弁ロッド5の側壁に設けられる第2の位置決めレバー58である。これに基づいて、弁ロッド5の上部は各第1の位置決めレバー62によって周方向に沿って囲まれたスペースに伸びこみ、且つ第2の位置決めレバー58は位置規制隙間63に挿入する。明らかなように、このような構造設計を介しても、弁ロッド5が歯車座6に対して周方向に位置規制され、固定されると共に、軸方向に沿って摺動する目的を達成することができ、且つ歯車座6にはただ若干の第1の位置決めレバー62が設けられているため、歯車座6の材料コストを著しく低減することができる。
以上、本発明によって提供される流量調整弁を詳細に説明した。本文には具体的な個別例を利用して本発明の原理及び実施方式を説明したが、上記の実施例の説明は、本発明の方法及びその核心思想を理解し易くするためのものに過ぎない。なお、当業者にとって、本発明の原理を外れない前提で、若干の改良や修飾を行うことができる。これらの改良や修飾も本発明の保護範囲に該当することを理解すべきである。
なお、図1及び図2における符号と部材名称との対応関係は、以下の通りである。
62:モータケース 70:モータ 48:頭部 40:弁ユニット 130:排出ピストン 78:駆動軸 146:スリーブ 60:下部ケース 22:弁座 94:後部材 96:中間部材 120b:小弁口。
図3乃至図14における符号と部材名称との対応関係は、以下の通りである。
1:弁座 11:上弁座 12:下弁座 13:スリーブ 2:ケース 21:モータ 22:歯車システム 3:スクリュー 4:ナット 41:位置規制段階面 42:位置規制凸出部 5:弁ロッド 51:取付け溝 52:環状位置規制溝 53:位置規制部材 531:係止環 532:止めリング 532a:止めリング段階面 532b:第2の錐面 54:周方向位置規制溝 55:射出成形体 56:金属ハウジング 56a:金属凸出部 57:非円異形部 58:第2の位置決めレバー 6:歯車座 61:非円異形キャビティ 62:第1の位置決めレバー 63:位置規制隙間。

Claims (11)

  1. 弁座(1)及びこの弁座(1)に接続されているケース(2)を備え、前記ケース(2)の内部にモータ(21)が設けられており、前記モータ(21)がその出力軸を介してスクリュー(3)に接続されており、前記スクリュー(3)が螺合によってナット(4)に接続されており、前記ナット(4)に弁ロッド(5)が接続されており、前記弁ロッド(5)が軸方向に沿って移動することによって前記弁座(1)における弁口の開度を調節する流量調整弁において、
    前記弁ロッド(5)の内部には取付け溝(51)が設けられており、前記ナット(4)の全体または前記ナット(4)の下部は、前記取付け溝(51)に対し径方向に隙間を持って遊合しており、前記取付け溝(51)の内壁には環状位置規制溝(52)が設けられており、前記環状位置規制溝(52)には前記ナット(4)を軸方向に位置規制し、且つ前記ナット(4)の外側に遊合している位置規制部材(53)が設けられていることを特徴とする流量調整弁。
  2. 前記位置規制部材(53)は係止環(531)を備え、前記ナット(4)の円周側壁には位置規制段階面(41)が設けられており、前記係止環(531)は、前記環状位置規制溝(52)に係合して取り付けられており、且つ前記位置規制段階面(41)に支持されおり、前記係止環(531)の内壁とそれに対応する前記ナット(4)の側壁との間には隙間があることを特徴とする請求項1に記載の流量調整弁。
  3. 前記位置規制部材(53)はさらに止めリング(532)を備え、前記止めリング(532)は、周方向に沿って前記位置規制段階面(41)にネストして装着され、支持されると共に、その内壁とそれに対応する前記ナット(4)の側壁との間に隙間が有り、前記係止環(531)は、さらに前記止めリング(532)を介して前記位置規制段階面(41)に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の流量調整弁。
  4. 前記止めリング(532)の頂面にはさらに止めリング段階面(532a)が設けられており、前記係止環(531)はさらに前記止めリング段階面(532a)に支持されており、且つ前記係止環(531)の内壁とそれに対応する前記止めリング(532)の側壁との間に隙間があることを特徴とする請求項3に記載の流量調整弁。
  5. 前記位置規制段階面(41)はさらに第1の錐面とされ、前記止めリング(532)の底面はさらに第2の錐面(532b)とされ、且つ前記第1の錐面の夾角は第2の錐面(532b)の夾角よりも小さいことを特徴とする請求項3または4に記載の流量調整弁。
  6. 前記取付け溝(51)の底壁及び前記ナット(4)の底壁のうちの一方には周方向位置規制溝(54)が設けられており、他方には位置規制凸出部(42)が設けられており、前記位置規制凸出部(42)は前記周方向位置規制溝(54)に係合するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の流量調整弁。
  7. 前記弁ロッド(5)は射出成形体(55)及びこの射出成形体(55)を包む金属ハウジング(56)を備え、前記射出成形体(55)の上部のキャビティに前記取付け溝(51)は形成され、且つ前記環状位置規制溝(52)は前記射出成形体(55)の内壁に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の流量調整弁。
  8. 前記弁ロッド(5)は射出成形体(55)及びこの射出成形体(55)を包む金属ハウジング(56)を備え、前記金属ハウジング(56)の先端部の内側にはさらに金属凸出部(56a)が設けられており、前記射出成形体(55)の上部のキャビティ及び前記金属凸出部(56a)のキャビティに前記取付け溝(51)は形成され、前記環状位置規制溝(52)はさらに前記金属凸出部(56a)の内壁に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の流量調整弁。
  9. 前記ナット(4)の全体は前記取付け溝(51)に設けられており、前記モータ(21)の出力軸はさらに歯車システム(22)によって前記スクリュー(3)と接続されており、前記歯車システム(22)は前記弁座(1)のキャビティに位置する歯車座(6)に支持されており、前記スクリュー(3)は前記歯車座(6)を挿通して前記ナット(4)と螺合しており、前記弁ロッド(5)が前記歯車座(6)に対して周方向に位置規制されると共に軸方向に摺動可能になるように、前記歯車座(6)の下部には第1の位置規制部が設けられており、前記弁ロッド(5)の上部には前記第1の位置規制部と取り合わせる第2の位置規制部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の流量調整弁。
  10. 前記第1の位置規制部は非円異形キャビティ(61)であり、前記第2の位置規制部は前記非円異形キャビティ(61)に設けられて軸方向に沿って摺動可能な非円異形部(57)であることを特徴とする請求項9に記載の流量調整弁。
  11. 前記歯車座(6)は軸方向に沿って延在する複数の第1の位置決めレバー(62)が設けられており、前記第1の位置規制部は前記第1の位置決めレバー(62)であり、各前記第1の位置決めレバー(62)のうちに、少なくとも1組の隣り合う第1の位置決めレバー(62)の間の隙間に位置規制隙間(63)が形成されており、前記第2の位置規制部は前記弁ロッド(5)の側壁に設けられている第2の位置決めレバー(58)であり、前記弁ロッド(5)の上部は各前記第1の位置決めレバー(62)によって周方向に沿って囲まれたスペースに伸びこむと共に、前記第2の位置決めレバー(58)は前記位置規制隙間(63)に挿入することを特徴とする請求項9に記載の流量調整弁。
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