JPH08303638A - 開閉度表示機能付電子膨張弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 実際の開閉度が直接検出できる開閉度表示機
能付電子膨張弁を提供する。 【構成】 開閉度表示機能付電子膨張弁１において、開
閉度表示部４の開閉度表示容器の一端側が媒体流入口
に、他端側が媒体流出口に各々直接連結され、媒体流入
口側、媒体流出口側の各々の媒体が流体圧として表示で
きる。電子膨張弁１の駆動装置１７、弁（又は弁座）の
駆動機構等に機械的故障や電気的故障が発生した場合で
も、媒体流入口側、媒体流出口側の流体圧差から直接開
閉度が表示できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は開閉度表示機能付電子膨
張弁（ＬＥＶ）に関する。特に本発明は、内臓されたパ
ルスモータが外部パルス駆動回路で制御され、弁の開閉
度が調節される開閉度表示機能付電子膨張弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来技術に係る電子膨張弁、電子
膨張弁に接続された外部パルス駆動装置及びパルス検出
装置（開閉度表示装置）の概要を示すブロック構成図で
ある。図４は前記電子膨張弁の断面図である。図４に示
すように、冷流体、熱流体等の媒体の供給量を調節する
電子膨張弁１には媒体流入口に配管１１が連結され、媒
体流出口に配管１２が連結される。前記媒体流入口から
媒体流出口に至る媒体供給経路（電子膨張弁１内）には
媒体の流量を調節する弁座（シート）１３及び弁１４が
配設される。媒体供給経路を横切る弁１４の周囲にはベ
ローズ１５が配設され、気密性が保持される。弁１４は
駆動機構１６を介在し駆動装置１７に連結される。駆動
装置１７にはパルスモータが使用される。駆動機構１６
はねじ機構部１６Ａと歯車機構部１６Ｂとの組み合わせ
で構成される。すなわち、駆動機構１６においては駆動
装置１７であるパルスモータの回転力が弁１４を上下方
向に移動する直線力に変換される。前記弁１４と弁座１
３との間の隙間、つまり弁開閉度の調節で媒体流量が調
節できる。

【０００３】図３に示すように、前記電子膨張弁１の駆
動装置１７にはパルス検出回路３を介在し外部パルス駆
動回路２に接続される。外部パルス駆動回路２は電子膨
張弁１の駆動装置１７の回転を制御し、弁１４の上下の
移動が行われ、電子膨張弁１の開閉度が調節される。パ
ルス検出回路３においては、外部パルス駆動回路２から
出力されるパルス出力数が検出され、この検出されたパ
ルス数に基づき電子膨張弁１の開閉度が表示される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電子膨張弁１においては以下の点の配慮がなされていな
い。前記外部パルス駆動回路２から駆動装置１７を駆動
するために出力されるパルス数がパルス検出回路３で検
出され、検出されたパルス数に応じた弁１４の移動量が
発生する前提で電子膨張弁１の開閉度が表示される。す
なわち、弁１４の移動量、媒体の流量等が直接検出され
ず、外部パルス駆動回路２から出力されるパルス数に基
づき間接的に電子膨張弁１の開閉度が検出される。この
ため、駆動機構１６や駆動装置１７に予期せぬ不良が発
生した場合等には、パルス検出回路３で表示される電子
膨張弁１の開閉度と実際の電子膨張弁１の開閉度とが相
違するという不具合が発生する。

【０００５】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、本発明の目的は実際の開閉度が直接検出
できる開閉度表示機能付電子膨張弁の提供を目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る開閉度表示機能付電子膨張弁は、媒体
流入口から媒体流出口までの間の媒体通過経路に配設さ
れ、開閉度の調節で媒体通過経路を通過する媒体流量が
調節できる弁及び弁座と、前記弁、弁座のいずれかに連
結され、前記開閉度が調節できる駆動装置と、前記媒体
流入口に一端側が連結され、前記媒体流出口に他端側が
連結され、媒体流入口側、媒体流出口側の各々の媒体が
流体圧として取り込まれる開閉度表示容器と、前記開閉
度表示容器内の一端側と他端側との間に配置され、媒体
流入口側、媒体流出口側の各々から取り込まれる媒体の
流体圧差で開閉度表示容器内をスライドする仕切部と、
前記仕切部のスライドに応じて開閉度を数量で表示する
開閉度目盛と、を備えたことを特徴とする。

【０００７】さらに、本発明に係る開閉度表示機能付電
子膨張弁は、前記開閉度が調節できる駆動装置にはパル
スモータが使用され、前記パルスモータにはこのパルス
モータの回転を制御するパルス駆動回路が接続され、前
記パルスモータの回転軸は回転運動を直線運動に変換す
る駆動機構を介在し前記弁又は弁座に連結されることを
特徴とする。

【０００８】さらに、本発明に係る開閉度表示機能付電
子膨張弁は、前記仕切部と開閉度表示容器内の一端側と
の間、前記仕切部と開閉度表示容器内の他端側との間に
は各々弾性体が取り付けられ、流体圧差が生じない場合
に前記仕切部は開閉度表示容器内の中央部分に保持され
ることを特徴とする。

【０００９】

【作用】本発明に係る開閉度表示機能付電子膨張弁にお
いては、開閉度表示容器の一端側が媒体流入口に、他端
側が媒体流出口に各々直接連結され、媒体流入口側、媒
体流出口側の各々の媒体が流体圧として開閉度表示容器
内に取り込まれる。開閉度表示容器内に取り込まれた各
々の媒体は仕切部を介在し遮蔽され、流体圧力差に従っ
て仕切部がスライドする。この仕切部のスライドに応じ
て弁の開閉度が流体圧から数量として表示できる。この
結果、開閉度表示機能付電子膨張弁の駆動装置、弁又は
弁座の駆動機構等に機械的故障や電気的故障が発生した
場合でも、媒体流入口側、媒体流出口側の流体圧差から
直接開閉度が表示できる。従って、実際の開閉度と測定
された開閉度との相違に基づく不具合が解決できる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の構成について実施例とともに
説明する。なお、本実施例において、前述の図３及び図
４に示す要素に付した符号と同一符号を付した要素は同
一機能を有し、説明が重複するので、重複部分の説明は
省略する。

【００１１】図１は本発明の一実施例に係る開閉度表示
機能付電子膨張弁及び外部パルス駆動回路を説明するブ
ロック構成図である。図２は前記電子膨張弁に設置され
た開閉度表示部の構成図である。図１及び図２に示すよ
うに、本発明の一実施例に係る電子膨張弁１には開閉度
表示機能を構成する開閉度表示部４が付加される。開閉
度表示部４は開閉度表示容器４１、仕切部４４、弾性体
４５及び開閉度目盛４６を備える。

【００１２】前記開閉度表示部４の開閉度表示容器４１
の一端側には圧力取出し管４２が接続され、この圧力取
出し管４２は媒体流入口側に接続された配管１１に接続
される。圧力取出し管４２においては配管１１に流れる
媒体が開閉度表示容器４１内に流体圧として取り出せ
る。開閉度表示容器４１の他端側には圧力取出し管４３
が接続され、この圧力取出し管４３は媒体流出口側に接
続された配管１２に接続される。圧力取出し管４３にお
いては配管１２に流れる媒体が開閉度表示容器４１内に
流体圧として取り出せる。

【００１３】前記仕切部４４は開閉度表示容器４１内の
一端側と他端側との間に配置される。仕切部４４は圧力
取出し管４２を通して取り出される媒体流入口側の媒体
流体圧、圧力取出し管４３を通して取り出される媒体流
出口側の媒体流体圧を各々分離し、双方の流体圧差に応
じて仕切部４４は開閉度表示容器４１内をスライドでき
る。仕切部４４の一側側と開閉度表示容器４１内の一端
側との間には弾性体４５が取付けられ、適度な弾性力で
仕切部４４が押圧される（引き寄せられる）。弾性体４
５には例えばコイルスプリングが使用される。同様に、
仕切部４４の他端側と開閉度表示容器４１内の他端側と
の間には弾性体４５が取付けられる。すなわち、仕切部
４４は両側から適度な弾性力で押圧され、開閉度表示容
器４１内の適当な位置、例えば中央部に仕切部４４が常
時セットされる。

【００１４】前記開閉度目盛４６は開閉度表示容器４１
に設置され、仕切部４４のスライドに応じて開閉度が検
出できる。つまり、流体圧差でスライドしスライドが停
止した仕切部４４が差し示す開閉度目盛４６が読み取ら
れ、開閉度が検出できる。

【００１５】以上説明したように、開閉度表示機能付電
子膨張弁１においては、開閉度表示容器４１の一端側が
媒体流入口に、他端側が媒体流出口に各々直接連結さ
れ、媒体流入口側、媒体流出口側の各々の媒体が流体圧
として開閉度表示容器４１内に取り込まれる。開閉度表
示容器４１内に取り込まれた各々の媒体は仕切部４４を
介在し遮蔽され、流体圧力差に従って仕切部４４がスラ
イドする。この仕切部４４のスライドに応じて前述の図
４に示す弁１４の開閉度が流体圧から数量として表示で
きる。この結果、開閉度表示機能付電子膨張弁１の駆動
装置１７、弁１４（又は弁座１３）の駆動機構１６等に
機械的故障や電気的故障が発生した場合でも、媒体流入
口側、媒体流出口側の流体圧差から直接開閉度が表示で
きる。従って、実際の開閉度と測定された開閉度との相
違に基づく不具合が解決できる。

【００１６】なお、本発明は前述の実施例に限定されな
い。例えば、本発明は、開閉度表示部４が電子膨張弁１
に内臓されても外付けされてもよい。さらに、本発明
は、外部パルス駆動回路２が電子膨張弁１に内臓されて
も外付けされてもよい。

【００１７】

【発明の効果】本発明においては、実際の開閉度が直接
検出できる開閉度表示機能付電子膨張弁が提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例に係る開閉度表示機能付電
子膨張弁及び外部パルス駆動回路を説明するブロック構
成図である。

【図２】 前記電子膨張弁に設置された開閉度表示部の
構成図である。

【図３】 従来技術に係る電子膨張弁、電子膨張弁に接
続された外部パルス駆動装置及びパルス検出装置の概要
を示すブロック構成図である。

【図４】 前記電子膨張弁の断面図である。

【符号の説明】 １ 電子膨張弁、２ 外部パルス駆動回路、３ パルス
検出回路、４ 開閉度表示部、１１，１２ 配管、１３
弁座、１４ 弁、１５ ベローズ、１６ 駆動機構、
１６Ａ ねじ機構部、１６Ｂ 歯車機構部、１７ 駆動
装置、４１ 開閉度表示容器、４４ 仕切部、４５ 弾
性体、４６ 開閉度目盛。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 媒体流入口から媒体流出口までの間の媒
   体通過経路に配設され、開閉度の調節で媒体通過経路を
   通過する媒体流量が調節できる弁及び弁座と、 前記弁、弁座のいずれかに連結され、前記開閉度が調節
   できる駆動装置と、 前記媒体流入口に一端側が連結され、前記媒体流出口に
   他端側が連結され、媒体流入口側、媒体流出口側の各々
   の媒体が流体圧として取り込まれる開閉度表示容器と、 前記開閉度表示容器内の一端側と他端側との間に配置さ
   れ、媒体流入口側、媒体流出口側の各々から取り込まれ
   る媒体の流体圧差で開閉度表示容器内をスライドする仕
   切部と、 前記仕切部のスライドに応じて開閉度を数量で表示する
   開閉度目盛と、 を備えたことを特徴とする開閉度表示機能付電子膨張
   弁。
2. 【請求項２】 前記請求項１に記載される開閉度表示機
   能付電子膨張弁において、 前記開閉度が調節できる駆動装置にはパルスモータが使
   用され、 前記パルスモータにはこのパルスモータの回転を制御す
   るパルス駆動回路が接続され、 前記パルスモータの回転軸は回転運動を直線運動に変換
   する駆動機構を介在し前記弁又は弁座に連結されること
   を特徴とする開閉度表示機能付電子膨張弁。
3. 【請求項３】 前記請求項１又は請求項２に記載される
   開閉度表示機能付電子膨張弁において、 前記仕切部と開閉度表示容器内の一端側との間、前記仕
   切部と開閉度表示容器内の他端側との間には各々弾性体
   が取り付けられ、 流体圧差が生じない場合に前記仕切部は開閉度表示容器
   内の中央部分に保持される、 ことを特徴とする開閉度表示機能付電子膨張弁。