JP5754690B2 - 補強土壁工法 - Google Patents

補強土壁工法 Download PDF

Info

Publication number
JP5754690B2
JP5754690B2 JP2012006866A JP2012006866A JP5754690B2 JP 5754690 B2 JP5754690 B2 JP 5754690B2 JP 2012006866 A JP2012006866 A JP 2012006866A JP 2012006866 A JP2012006866 A JP 2012006866A JP 5754690 B2 JP5754690 B2 JP 5754690B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
earth
vegetation mat
sand
geocell
construction method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012006866A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013147791A (ja
Inventor
達朗 石川
達朗 石川
勗 岡田
勗 岡田
Original Assignee
株式会社ジオベクトル
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ジオベクトル filed Critical 株式会社ジオベクトル
Priority to JP2012006866A priority Critical patent/JP5754690B2/ja
Publication of JP2013147791A publication Critical patent/JP2013147791A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5754690B2 publication Critical patent/JP5754690B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Retaining Walls (AREA)

Description

本発明は、壁面材を積層させて擁壁を形成し、該擁壁により土壁を補強する補強土壁工法に係り、特に壁面緑化に適した補強土壁工法に関する。
従来、道路や敷地などに面している土壁に擁壁を形成して補強する補強土壁工法が用いられている。この補強土壁工法には、盛土や切土にアンカー孔を削孔し、このアンカー孔にコンクリートを注入して、引張材の先端をコンクリートに差し込むとともに、その上端部をアンカー孔から導出して、コンクリート板で形成された受圧板を定着させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3556607号公報(第2,3頁、第1,4,5図)
しかしながら、特許文献1に記載の工法にあっては、重量のあるコンクリート製の受圧板を用いて工事を行うため、この重量のある壁面材を拘束する充分な強度を確保するために、受圧板の厚みを増大させるとともに、引張材を土中深く差し込み、擁壁の背面距離を大きくする必要があり、施工コストが嵩むという問題がある。
また、コンクリートを利用する場合、受圧板の厚みが影響して緑化部として利用する土が充分に露出しないため、壁面緑化を充分に行えずに見栄えが悪いといった問題がある。特に自然侵入する植物などが自生するまでに数年程度の長い期間を要すといった事情もあり、その間の壁面緑化が望まれている。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、擁壁の背面距離を小さくして施工コストを低減させることができるばかりか、植物が自生するまでの間、仮の緑化部を確保できる補強土壁工法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の補強土壁工法は、
壁面材を積層させて擁壁を形成し、該擁壁により土壁を補強する補強土壁工法であって、
前記壁面材は、複数の略帯状をなす帯部材が所定間隔毎に接合されて形成され、該帯部材同士の非接合部位が互いに離間されることで土砂を拘束する土砂拘束部を形成できるジオセルで構成され、最前列に位置する複数の前記帯部材における非接合部位に植生マットを該植生マットの表面側が上方を向くように傾斜させた状態で固定し、前記植生マットの表面を金網で被覆した状態で前記帯部材における非接合部位に該金網の少なくとも上端部を固定し、前記ジオセルの前面に前記帯部材と前記植生マットで囲まれた空間を形成し、この空間に土砂を盛土することを特徴としている。
この特徴によれば、壁面材が複数の略帯状をなす帯部材で形成されたジオセルで土砂を拘束するため、擁壁の背面距離を小さくすることができるようになり、擁壁の施工コストを低減させることができる。また、帯部材によりジオセルが構成されることにより、帯部材の最前列の部位において蛇行する構造となるため、複数の帯部材における非接合部位に植生マットを固定することにより、ジオセルの前面に帯部材と植生マットで囲まれた空間を形成できる。この空間に土砂を盛土し、短期間に育つ植物を植生マットに植生することにより、土砂拘束部内の盛土に植物が自生するまでの間、仮の緑化部を確保できることになる。さらに、植物の根は下方に向かってほぼ垂直に延びるため、植生マットの表面側が上方を向くように傾斜されていることで、植物の根が下方に向かって生え易くなり、かつ太陽光が充分に植生マットの表面に当たるようになり、植物が短期間で育つようになる。さらに、金網によって植生マットに太陽光が当たる状態で、この植生マットを保持するとともに、帯部材における接合部位と植生マットで囲まれた空間に充分な量の土砂を盛土できるようになる。
本発明の補強土壁工法は、
前記積層されるジオセルの間に、略格子状をなすシート部材で形成されたジオグリッドの前部側を挟み込み、該ジオグリッドの後部側を盛土内に埋設して前記擁壁を形成することを特徴としている。
この特徴によれば、壁面材が複数の略帯状をなす帯部材で形成されたジオセルで土砂を拘束させ、かつジオグリッドにより盛土の荷重を利用してジオセルの積層状態を拘束するため、擁壁の背面距離を小さくすることができるようになり、擁壁の施工コストを低減させることができる。
本発明の補強土壁工法は、
上方位置の前記植生マットと下方位置の前記植生マットとの間に段部を形成することを特徴としている。
この特徴によれば、上下の植生マットの間の段部が雨水の流速を抑え、帯部材と植生マットで囲まれた空間内に盛土された土砂の早急な流出を阻止することができる。
本発明の補強土壁工法は、
前記金網の上端部を前記帯部材における非接合部位にステイプルにより固定するとともに、該金網の下端部を下方位置の前記土砂拘束部内の盛土にピンにより固定することを特徴としている。
この特徴によれば、金網の設置作業が容易に行えるとともに、ステイプルやピンが時間の経過に従って腐食して自然回帰するようになる。
本発明の補強土壁工法は、
前記金網の上端部を前記帯部材における非接合部位に上部が屈曲された棒状のアンカーにより固定するとともに、該アンカーの下部を下方位置の前記土砂拘束部内の盛土に差し込むことを特徴としている。
この特徴によれば、金網の設置作業が容易に行えるとともに、金網の上端部から下端部までがアンカーにより押さえられ、この金網とともに植生マットが保持されるようになる。
実施例1における擁壁を示す断面図である。 ジオセルを示す斜視図である。 ジオセルを積層した状態を示す斜視図である。 芝植物が植生した状態を示す断面図である。 在来植物が遷移した状態を示す断面図である。 帯部材に設けられた凹凸及び貫通孔を示す拡大断面図である。 実施例2における芝植物が植生した状態を示す断面図である。 実施例3におけるジオセルを示す斜視図である。 実施例4における芝植物が植生した状態を示す断面図である。 実施例5における芝植物が植生した状態を示す断面図である。
本発明に係る補強土壁工法を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る補強土壁工法につき、図1から図6を参照して説明する。以下、図1、図4、図5の紙面左側を擁壁の正面側(前方側)とし、図2及び図3の紙面左下側を擁壁の正面側(前方側)として説明する。
図1の符号1は、本発明の適用された擁壁である。この擁壁1は、道路や敷地などに面している土壁2の正面全体を覆うように形成されている。この擁壁1は、擁壁1の壁面を形成する本発明の壁面材としてのジオセル3と、補強材としてのジオグリッド4と、を用いて施工される。
さらに、ジオセル3の正面(前面)には、植生マット20及び金網21が設置されている。なお、植生マット20には、スダレ状に形成されたワラの表面に薄綿と植物種が付けられている。この植物種は、短期間に育つ芝等の芝植物14の種子となっており、施工完了後には、植生マット20の表面に短期間(約2〜3ヶ月)で芝植物14が生えるようになっている。
図2に示すように、ジオセル3は、合成樹脂等の可撓性を有する材料で形成された複数枚の略帯状をなす帯部材5により構成されている。本実施例では、前後方向に6枚の帯部材5が設けられ、これらの帯部材5がその幅方向が垂直を向くように配置されており、互いに帯部材5が積層配置された状態で、その長手方向の所定間隔毎に接合されている。この接合部位は、圧力を加えながら溶着(若しくは圧着)される溶着部6(圧着部)となっている。
また、ジオセル3は前後方向に広げると、帯部材5同士の非接合部位が互いに離間されることで土砂を拘束する土砂拘束部7を形成できる。この土砂拘束部7は、千鳥状またはハニカム状に配置されるようになっている。この土砂拘束部7内に、土砂を入れて転圧処理により締め固め(図3参照)、ジオセル3及び土砂により上下に厚い板状の層構造に形成できるようになっている。
図2に示すように、ジオセル3の前面には、所定の傾斜がつけられた盛土がなされ、この盛土の傾斜面に、植生マット20及び金網21が設置される。このように、金網21とジオセル3の最前列に挟まれるようにして植生マット20が配置されており、この植生マット20の表面を金網21で被覆した状態で、金網21の上端部がジオセル3の最前列に位置する複数の帯部材5における非接合部位にステイプル22により固着されるようになっている。
また、植生マット20及び金網21は、盛土の傾斜面に設置されることで、植生マット20及び金網21の表面側が上方を向くように傾斜された状態となって配置される。そして、植生マット20及び金網21の下端部を下方位置の土砂拘束部7内の盛土にピン24により固定する。このピン24は、U字状をなし、金網21の網目に挿通させた状態で、下方位置の土砂拘束部7内の盛土に上方から差し込まれる。なお、ピン24の配置位置は、ステイプル22の配置位置に対応している。このように、ステイプル22及びピン24を用いることで、金網21の設置作業が容易に行えるとともに、ステイプル22やピン24が時間の経過に従って腐食して自然回帰するようになっている。
こうして植生マット20及び金網21がジオセル3の前面側に固着されることにより、ジオセル3の前面側に植生マット20と帯部材5とに囲まれた空間23に土砂が盛土された状態となる。そして、この盛土に接している植生マット20に短期間に育つ芝植物14が植生されることにより、後述する在来植物11(在来種)が土砂拘束部7に遷移するまでの間(図5参照)、芝植物14により仮の緑化部を確保できることになる(図4参照)。
さらに、芝植物14の根15は下方に向かってほぼ垂直に延びるようになっており、植生マット20の表面側が上方を向くように傾斜されていることで、芝植物14の根15が下方に向かって生え易くなり、かつ太陽光が充分に植生マット20の表面に当たるようになり、芝植物14が短期間で育つようになる。
また、金網21を用いることで、金網21の網目を通して植生マット20に太陽光が当たる状態で、この植生マット20を保持することができる。さらに、金網21の上端部が帯部材5における非接合部位にステイプル22により固着されることで、帯部材5における接合部位と植生マット20で囲まれた空間23に充分な量の土砂を盛土できるようになる。
また、帯部材5は合成樹脂等の材料で形成されているため、雨天時の雨水が帯部材5の表面を急速に流れてしまう恐れがあるが、帯部材5の正面には、前述した植生マット20、金網21及び空間23に盛土された土砂が設けられているため、帯部材5の表面が露出せず、かつ雨水の流速が抑えられ、ジオセル3内に盛土された土砂の早急な流出を阻止することができる。
また、植生マット20や金網21が時間の経過とともに腐食して自然回帰することにより、在来植物11(在来種)が完全に遷移した時期に、仮の緑化部が消失することになる(図5参照)。なお、本実施例では、植生マット20としてワラ芝を用いているが、植生マット20はワラ芝に限らず、例えば、ココナッツファイバーを利用したヤシマットや、生分解性プラスチック糸を利用した生分解性マットなどであっても良い。
このジオセル3の帯部材5には、複数の小さな貫通孔8が形成されており、互いの土砂拘束部7が貫通孔8により連通される。なお、ジオセル3の最前列に位置する帯部材5には、貫通孔8は形成されておらず、土砂拘束部7内の土砂が流出しないようになっているため、在来植物11(在来種)が遷移するジオセル3内の土砂と、仮の緑化部とを区別して配置されることになり、互いの干渉がなく長期間にわたって緑化が可能となる。
また、ジオセル3内に盛土される土砂に対しては転圧処理が行われ、土砂が高い密度で盛土されており、ジオセル3前面に形成された帯部材5と植生マット20で囲まれた空間23内の土砂が、少なくともジオセル3内の土砂よりも低い密度で盛土されている。これによれば、ジオセル3内に盛土された土砂が転圧処理により強度が高められ、土砂の流出を防ぐとともに、空間23内の土砂が時間の経過とともに下方に位置するジオセル3内に盛土される土砂表面に流れ、本来、在来植物11(在来種)が遷移するジオセル3内の土砂を肥沃化できることになる。
図3に示すように、施工する際には、ジオセル3の土砂拘束部7に土砂を入れつつ、この土砂とともにジオセル3を積層させる。なお、土砂拘束部7に土砂を入る際には、施工現場に本来生息するものと同じ在来植物11の種子を混入させる。なお、植生マット20と帯部材5とに囲まれた空間23に盛土される土砂にも、同様の在来植物11の種子を混入させるようにしてもよい。また、積層されるジオセル3は、下方位置のジオセル3の土砂拘束部7に、上方位置のジオセル3の土砂拘束部7の少なくとも一部が被るように配置され、積層されたジオセル3により階段状の擁壁1が形成される。
また、植生マット20及び金網21は、ジオセル3毎に設置されるため、上方位置の植生マット20及び金網21と、下方位置の植生マット20及び金網21と、の間に水平面をなす段部10が形成される。このようにすることで、植生マット20及び金網21の表面を流れ落ちる雨水が段部10にて一時的に滞るようになり、雨水の流速が抑えられるため、帯部材5と植生マット20で囲まれた空間23内に盛土された土砂の早急な流出を阻止することができる。
図1に示すように、本実施例では、各ジオセル3の前後方向に複数の土砂拘束部7が形成され、下方位置のジオセル3の最前列から2列目の土砂拘束部7に、その上方位置のジオセル3の最前列の土砂拘束部7の一部の領域が被さるようになっている。このように、各ジオセル3の土砂拘束部7内の土砂を介してジオセル3同士が連結され、擁壁1の強度を向上させることができる。さらに、両者のズレにより、帯部材5と植生マット20で囲まれた空間23の土砂が、時間の経過とともに下方に位置するジオセル3内に盛土される土砂表面に流れ易くなる。
なお、ジオセル3の土砂拘束部7には、施工現場に本来生息するものと同じ在来植物11の種子を混入させるため、この在来植物11がジオセル3の土砂拘束部7内で自生するようになる。施工後において、所定期間経過すると、ジオセル3の土砂拘束部7内で成長した在来植物11の根12が、帯部材5の貫通孔8に入り込み(図6参照)、帯部材5に絡みつくようになる。そして、この帯部材5に絡みついた在来植物11の根12が土中深くまで延びる。
また、図6に示すように、ジオセル3の帯部材5の表面には、エンボス加工が施され、微小な凹凸部13(エンボス)が形成される。この微小な凹凸部13が土砂拘束部7内の土砂とジオセル3との間の摩擦力を向上させて、擁壁1の強度を向上させることができる。さらに、帯部材5の貫通孔8には、土砂が入り込むようになり、この貫通孔8が土砂拘束部7内の土砂とジオセル3との間の摩擦力を向上させて、擁壁1の強度を向上させることができる。また、空間23内の土砂とジオセル3表面との間の摩擦力を向上させて土砂の早急な流出を阻止できることになる。
このように、擁壁1の壁面材が複数の略帯状をなす帯部材5で形成されたジオセル3となっていることで、壁面材が軽量化されて搬送が容易なり、壁面材が軽量なジオセル3となっても、ジオセル3の土砂拘束部7に土砂を拘束させることで、擁壁1の強度を充分に保つことができるようになり、かつ軽量化されたジオセル3により盛土9を拘束して壁面を形成しつつ、ジオグリッド4により盛土9の荷重を利用してジオセル3の積層状態を拘束するため、擁壁1の壁面から土壁2までの背面距離L(図1参照)を小さくすることができるようになり、擁壁1の施工コストを低減させることができる。なお、擁壁1の背面距離Lが小さいことで、擁壁1の形成対象となっている土壁2の正面を深く掘る必要がなくなり、施工期間を短縮することもできる。また、積層されるジオセル3の間に、略格子状をなすシート部材で形成されたジオグリッド4の前部側を挟み込むことで施工を行えるため、ジオセル3とジオグリッド4との連結作業を、連結用アンカーなどの別途の連結部材等を用いることなく行えるようになり、施工作業が簡素化される。
次に、実施例2に係る補強土壁工法につき、図7を参照して説明する。なお、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
図7に示すように、植生マット20’は、その上端縁がジオセル3の高さより高くなるように構成されている。そして、植生マット20’は、その上部が屈曲されて、ジオセル3の土砂拘束部7及びジオセル3の前面側の空間23の上方側、即ち水平面をなす段部10を覆うようになっている。
これによれば、土砂が盛土される土砂拘束部7及び空間23が植生マット20’により覆われているため、土砂拘束部7及び空間23の土砂部分が露出せず、見栄えを保った仮の緑化部を確保することができる。また、植生マット20’がジオセル3の高さより高く構成されているため、段部10の水平面を流れる雨水を植生マット20’が抑えることができ、土砂の早急な流出を阻止することができる。
次に、実施例3に係る補強土壁工法につき、図8を参照して説明する。なお、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
図8に示すように、ジオセル3は、前記実施例1と異なり、前後反対に設置可能となっている。この場合には、貫通孔8がジオセル3の正面側に向くよう設置される。
この実施例3によれば、植生マット20及び空間23に植生した芝植物14や在来植物11の根12,15が貫通孔8を通してジオセル3内の土砂拘束部7まで伸びるようになり、芝植物14や在来植物11の成長を促進させることができる。
次に、実施例4に係る補強土壁工法につき、図9を参照して説明する。なお、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
図9に示すように、実施例4において金網21の固定する際には、ラスアンカー25を用いる。このラスアンカー25は、上部が屈曲された棒状をなし、その屈曲部位の角度は、ジオセル3の前面の盛土の傾斜面の傾斜角度に合わせて予め設定されている。
そして、金網21の固定する際には、植生マット20を盛土の傾斜面に設置し、かつ植生マット20の表面を金網21で被覆した状態で、金網21の上端部がジオセル3の最前列に位置する複数の帯部材5における非接合部位に接するように設置し、金網21と帯部材5とをラスアンカー25の上部の屈曲部位で挟み込むとともに、ラスアンカー25の下部を下方位置のジオセル3の土砂拘束部7内の盛土に差し込むようにする。
このように、前記実施例1では、ステイプル22とピン24の2種類の部材で金網21を固定していたが、本実施例4では、ラスアンカー25のみで金網21を固定することができ、金網21の設置作業が容易に行えるとともに、金網21の上端部から下端部までがラスアンカー25により押さえられ、この金網21とともに植生マット20が保持されるようになる。
次に、実施例5に係る補強土壁工法につき、図10を参照して説明する。なお、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
図10に示すように、実施例5の擁壁1には、前記実施例1と異なり、段部10(図4参照)が形成されておらず、ジオセル3毎に設置された植生マット20及び金網21が、互いに面一をなすように配置されている。このようにすることで、盛土の傾斜面の傾斜角度が緩やかになり、植生マット20及び金網21の表面側が、前記実施例1よりも上方を向くように傾斜された状態となって配置される。そのため、芝植物14の根15がより下方に向かって生え易くなり、かつ太陽光がより植生マット20の表面に当たるようになる。
また、実施例5では、植生マット20の表面を金網21で被覆した状態で、金網21の上端部が、ジオセル3の最前列の帯部材5における非接合部位にステイプル22(図2参照)により固着されるとともに、植生マット20及び金網21の下端部を、下方位置のジオセル3の帯部材5における非接合部位を挟持するように上方から差し込まれたピン24により固定する。
このように、植生マット20及び金網21がその上端部と下端部でジオセル3の帯部材5に固定されるため、植生マット20及び金網21がジオセル3と強固に連結されるようになる。また、ジオセル3毎に設置された植生マット20及び金網21が互いに面一をなすように配置されることで、ジオセル3が完全に隠蔽されるようになり、擁壁1の見栄えを向上させることができる。
なお、実施例5では、ジオセル3毎に植生マット20及び金網21が配置されているが、これに限らず、植生マット20及び金網21の上下幅寸法をジオセル3の高さ寸法よりも大きく形成して、複数段のジオセル3を覆う大きさの植生マット20及び金網21を用いるようにしてもよいし、擁壁1を形成する全段のジオセル3を覆う大きさの植生マット20及び金網21を用いるようにしてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、ジオセル3の土砂拘束部7内に、施工現場で採取した土砂を入れることで、その土砂内に生息する植物11の在来種がジオセル3の土砂拘束部7内で自生するようになっているが、土砂拘束部7に自生させる植物11の種子は在来種に限らず、他の種子であってもよく、特に蔦等のジオセル3の正面側に絡みつく植物であってもよい。
また、前記実施例では、補強材としてのジオグリッド4を使用しているが、必ずしもジオグリッド4を使用しなくてもよく、例えば、ジオセル3、植生マット20及び金網21のみによって擁壁1を施工するようにしてもよい。
1 擁壁
2 土壁
3 ジオセル(壁面材)
4 ジオグリッド(補強材)
5 帯部材
6 溶着部
7 土砂拘束部
8 貫通孔
9 盛土
10 段部
11 在来植物
12 根
13 凹凸部
14 芝植物
15 根
20,20’ 植生マット
21 金網
22 ステイプル
23 空間
24 ピン
25 ラスアンカー
L 背面距離

Claims (5)

  1. 壁面材を積層させて擁壁を形成し、該擁壁により土壁を補強する補強土壁工法であって、
    前記壁面材は、複数の略帯状をなす帯部材が所定間隔毎に接合されて形成され、該帯部材同士の非接合部位が互いに離間されることで土砂を拘束する土砂拘束部を形成できるジオセルで構成され、最前列に位置する複数の前記帯部材における非接合部位に植生マットを該植生マットの表面側が上方を向くように傾斜させた状態で固定し、前記植生マットの表面を金網で被覆した状態で前記帯部材における非接合部位に該金網の少なくとも上端部を固定し、前記ジオセルの前面に前記帯部材と前記植生マットで囲まれた空間を形成し、この空間に土砂を盛土することを特徴とする補強土壁工法。
  2. 前記積層されるジオセルの間に、略格子状をなすシート部材で形成されたジオグリッドの前部側を挟み込み、該ジオグリッドの後部側を盛土内に埋設して前記擁壁を形成することを特徴とする請求項1に記載の補強土壁工法。
  3. 上方位置の前記植生マットと下方位置の前記植生マットとの間に段部を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の補強土壁工法。
  4. 前記金網の上端部を前記帯部材における非接合部位にステイプルにより固定するとともに、該金網の下端部を下方位置の前記土砂拘束部内の盛土にピンにより固定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の補強土壁工法。
  5. 前記金網の上端部を前記帯部材における非接合部位に上部が屈曲された棒状のアンカーにより固定するとともに、該アンカーの下部を下方位置の前記土砂拘束部内の盛土に差し込むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の補強土壁工法。
JP2012006866A 2012-01-17 2012-01-17 補強土壁工法 Expired - Fee Related JP5754690B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012006866A JP5754690B2 (ja) 2012-01-17 2012-01-17 補強土壁工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012006866A JP5754690B2 (ja) 2012-01-17 2012-01-17 補強土壁工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013147791A JP2013147791A (ja) 2013-08-01
JP5754690B2 true JP5754690B2 (ja) 2015-07-29

Family

ID=49045562

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012006866A Expired - Fee Related JP5754690B2 (ja) 2012-01-17 2012-01-17 補強土壁工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5754690B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
UA118468C2 (uk) * 2014-02-12 2019-01-25 Джеотек Текнолоджис Лтд. Геостільниковий матеріал з поліпшеним опором ущільненню і деформації
JP6378898B2 (ja) * 2014-02-27 2018-08-22 公益財団法人鉄道総合技術研究所 擁壁の構築工法および擁壁
CN107165013A (zh) * 2017-06-02 2017-09-15 东南大学 土工格室加筋泡沫混凝土轻质路基填筑结构及其方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05106225A (ja) * 1991-10-17 1993-04-27 Oyo Kikaku:Kk 補強盛土法面の植生基盤形成方法
JPH05311664A (ja) * 1992-05-14 1993-11-22 Oyo Kikaku:Kk 植生盤体と植生基盤形成方法。
JPH11100849A (ja) * 1997-09-29 1999-04-13 Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp 擁壁および法面の構築方法
JP2000080654A (ja) * 1998-09-04 2000-03-21 Nisshoku Corp 補強土工法
JP5052872B2 (ja) * 2006-12-01 2012-10-17 東京インキ株式会社 擁壁の構築方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013147791A (ja) 2013-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2013053427A (ja) 補強土壁工法
JP3810198B2 (ja) 強化複合マツト
JP5683990B2 (ja) 補強土壁工法及び壁面材
KR100754979B1 (ko) 시공석 고정구조물을 이용한 하천 구조물
KR101162547B1 (ko) 녹화용 식생 보강 매트리스 개비온 및 그 시공방법
JP6298250B2 (ja) 擁壁の連結構造
JP5754690B2 (ja) 補強土壁工法
JP5319462B2 (ja) 植生シート付き竹製網を用いた地山斜面の緑化保護工法
JP6192763B1 (ja) ジオグリッド・ハニカム擁壁
KR101373904B1 (ko) 절첩매트 및 이를 이용한 바닥 시공방법
JP6688660B2 (ja) 斜面対策構造
WO2018025640A1 (ja) 法面形成用ブロックおよび法面構造
JP7498486B2 (ja) 植生マットの施工方法
JP6668051B2 (ja) 竹製土留構造体
KR101276567B1 (ko) 사면보강용 식생옹벽
JP6715639B2 (ja) 崩壊斜面対策構造
JP6280322B2 (ja) 緑化法面構造及び緑化法面構造の構築方法
KR101981432B1 (ko) 녹생토 부착력 향상을 위한 체인 철망과 계단식 전면을 갖는 식생 옹벽의 시공방법
KR101055295B1 (ko) 그리드일체형 식생철망바구니를 이용한 호안블록 시공법 및 그리드일체형 식생철망바구니
KR101508591B1 (ko) 강화 옹벽을 위한 친환경 옹벽프레임과 이를 위한 식생형 옹벽 시공방법
JP2000328577A (ja) 土留めかご枠及びそれを用いた急勾配盛土の築造法
JP6371123B2 (ja) 盛土構造、盛土構造の構築工法および盛土構造用の壁部構成体
JP3601947B2 (ja) 植生体
KR101364260B1 (ko) 자연식생 철망 옹벽 구조
KR101701770B1 (ko) 커플링 디바이스와 망형 보강재를 이용한 상,하부 자연석 결합구조를 가지는 자연석 옹벽 구조물 및 그 시공방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150512

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150518

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150518

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5754690

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees