JP5751509B2 - 導電性ペースト、導電性膜、電気回路及びタッチパネル - Google Patents

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Description

本発明は、導電性ペーストおよびその利用に関するものであり、さらに詳しくは高い湿熱信頼性、細線印刷性に優れる導電性ペースト、これを用いてなる導電性薄膜、該導電性薄膜が透明導電性層上に積層した導電性積層体、及びその導電性積層体を用いたタッチパネルに関する。
指や専用のペン等で画面に触れることにより操作を行う透明タッチパネルはATM、カーナビゲーションシステム、ゲーム機、駅の切符自動販売機、複写機、博物館の解説端末、及びコンビニの情報端末等、幅広い用途に用いられ、普及が進んでいる。透明タッチパネルは、透明な二枚の導電性薄膜を重ね合わせてスイッチを形成するように構成されている。透明タッチパネルの透明導電性薄膜としては、蒸着法やスパッタ法により酸化インジウム・スズ膜(以下ITO膜と略記する場合がある)をポリエステルフィルム、ガラス等の基材に付着させ、そのITO膜をエッチングすることによりパターニングして形成されているものが一般的である。
タッチパネルには種々の方式があり、抵抗膜方式と静電容量方式が代表的な方式である。近年、スマートフォンやタブレットPCの普及に伴い注目を浴びている静電容量方式は、指や専用のペンでパネルに触れることで起こる放電現象等を感知してパネル上の触れられた位置を特定する方式で、多点感知できることが抵抗膜方式に対する特徴である。多点感知を高解像度で行なうために、従来の抵抗膜方式と比較し、多数の電極回路配線を形成させる必要がある。
従来の抵抗膜方式の電極回路配線に求められる線幅は、ラインとスペースの幅(以下、L/Sと略記する)が各々200μm(200/200μm)以上であることが多く、比較的ラフなパターンが形成できれば事足りていたが、静電容量方式のタッチパネルの普及により近年のL/Sの要求は100/100μm以下となっている。
このような背景から、多数の配線電極を高密度で形成させることが要求され、コスト面や設備の簡易さのメリットがあるスクリーン印刷法を用いた電極回路配線の高細線化の要求が一層強くなっている。
一方で、近年のタッチパネルの小型化、汎用化に伴い、使用される環境、使用する頻度は従来よりも多種多用となっていることから、求められる形成電極の信頼性はますます高いものとなっており、特に高湿熱下の環境での回路配線の腐食、劣化を防ぐことは極めて重要となっている。
さらには上記で述べた電極回路配線の高細線化により電極間のスペースがより狭くなっているため、電気回路の短絡防止のためにも腐食、劣化を防止することの重要性はますます高まっている。
電子回路配線に用いられる材料としては銅や銀、アルミニウムが一般的に用いられるが、このような金属の腐食は基本的には酸素、水の存在下にて進行し、特に温度が高い場合においては腐食、劣化の反応速度が速くなる。さらには水中の不純物イオンの存在が、腐食、劣化の反応速度を高める因子となる場合が多い。例えば海水に含まれるナトリウムや塩素のイオンは水の電気伝導度を上昇させ、腐食速度を増加することが一般的に知られている。よって、このような腐食、劣化の速度を増加させるようなイオンを捕捉することは電極回路の腐食、劣化の抑制に非常に重要である。
尚、上記でいう腐食、劣化は、電極回路のマイグレーション、酸化、硫化さらには、変色や抵抗値の上昇、導電性薄膜との密着性の低下を指し示す。
さらに近年では、上記のようなイオンの存在下において、85℃×85%RHなどの高い湿熱信頼性が求められることが多く、電子回路配線に求められる湿熱信頼性の向上が強く求められている。
上述したような腐食、劣化を抑制するためには例えば、封止剤に用いられるエポキシ樹脂からなる組成物にイオン捕捉剤を添加した例が報告されている(特許文献1)。
しかしながらエポキシ樹脂は、製造時に残存する不純物として混入する加水分解性塩素が配線を腐食し、長期信頼性試験に悪影響を及ぼす他、これとは別に、樹脂中の有機塩素化合物の塩素が、長期間の使用時に脱塩化水素反応を起こし、回線をショートさせるというエポキシ樹脂特有の問題が起こっている。よって、エポキシ樹脂を主バインダーとした組成物にイオン補足剤を小量添加しただけでは腐食、劣化を完全に抑制することが困難であり、多量のイオン捕捉剤を添加する必要があるのが現状である。
さらにエポキシ樹脂は、吸水性が高く、水やイオン性不純物を取り込みやすい他、硬化剤を併用して使用する場合も多いため、硬化温度が高くなるため、生産工程上も好ましくはない。
尚、上記は導電性の無い封止剤における例であるが、回路電極そのものにイオン捕捉剤を配合することは特性のバランス上、極めて困難である。なぜなら回路電極は導電性を発現させるために導電剤を多量に配合しており、非導電性の添加剤を加えると導電剤の連結構造が崩れるため、顕著に導電性が低下するためである。一方でイオン捕捉剤は所定の添加量以上で添加しないとイオン捕捉効果が現れないため、電極剤にイオン捕捉剤を添加して、イオン捕捉効果を発現させることは、導電性を顕著に低下させることにつながり、イオン捕捉効果と導電性の確保はトレードオフの関係となる。
また特にエポキシ樹脂を用いた回路電極においては、上述したように残存塩素が存在するために、イオン捕捉剤を多量に添加する必要があり、導電性の確保は極めて難しいといわざるを得ない。
一般的に回路電極の形成方法としては導電性ペーストを用いたスクリーン印刷法が汎用的であるが、上記背景より導電性ペーストにイオン捕捉剤を添加した報告例は乏しい。
さらに、近年、加工工程の省エネ化や、加工(乾燥)に使用するボックスオーブンや遠赤外線乾燥炉内の系内温度変動による生産性低下の低減、下地の基材の耐熱性の観点から低温での乾燥工程が強く求められており、好ましくは140℃以下、さらに好ましくは135℃以下、より好ましくは120℃以下において塗膜物性を発現することが求められている。
以上の背景より、スクリーン印刷法において、細線形成に適し、形成後の細線電極は良好な導電性を保持したまま、高い耐湿信頼性が要求される場合において腐食、劣化に耐性のあるペーストの開発が望まれている。しかしながら、低温乾燥性を含め、上記を満足するペーストができていないのが現状である。
特開2007−63549号公報
本発明は、腐食、劣化することなく高い耐湿信頼性を付与した導電性ペーストを提供することを課題とする。より好適にはスクリーン印刷法において細線形成に適し、低温乾燥性良好な導電性ペーストを提供することを課題とするものである。
本発明は、前述のように高い湿熱信頼性に優れ、さらには細線印刷性、導電性、低温乾燥性良好な導電性ペーストを提供することを目的とする。
このような問題を解決するために、鋭意検討した結果、導電性ペースト中に熱可塑性樹脂(A)、導電性粉体(B)、イオン捕捉剤(C)、有機溶剤(D)含有させることで、高い耐湿信頼性に優れ、さらには良好な細線印刷性、導電性、そして低温乾燥性を保持できるという知見を得た。
本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。本発明は以下の構成からなる。
(1)熱可塑性樹脂(A)、導電性金属粉(B)、イオン捕捉剤(C)、有機溶剤(D)を含有してなり、該熱可塑性樹脂(A)がポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂であって、該イオン捕捉剤(C)の含有量が、(A)+(B)の合計重量部を100としたときに、0.2〜20重量部であることを特徴とする導電性ペースト。
(2) 該熱可塑性樹脂(A)の数平均分子量が8,000〜60,000、ガラス転移温度が60〜100℃であることを特徴とする(1)に記載の導電性ペースト。
(3)導電性粉体(B)が主として、銀からなることを特徴とする(1)〜(2)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(4)有機溶剤(D)の含有量が(A)+(B)+(C)の合計重量部を100としたときに、40重量部以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(5)さらにシリカ粒子を含有してなり、該シリカ粒子が(A)+(B)+(C)の合計重量部を100としたときに0.5〜10重量部含まれていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(6)さらにカーボンブラックを含有してなり、該カーボンブラックが(A)+(B)+(C)の合計重量部を100としたときに0.1〜5重量部含まれていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(7)イオン捕捉剤(C)が2種以上の異なるイオン捕捉剤を含有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(8)導電性粉体(B)の平均粒子径D50が5μm以下であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載の導電性ペーストから形成された導電性薄膜。
(10)(9)に記載の導電性薄膜を用いてなる電気回路。
(11)(10)に記載の電気回路を構成部材として含むタッチパネル。
本発明の導電性ペーストは、熱可塑性樹脂(A)、導電性粉体(B)、イオン捕捉剤(C)、有機溶剤(D)を必須とする導電性ペーストにおいて、高い湿熱信頼性とファイン印刷性と両立したものである。詳しくは、イオン捕捉剤(C)を含有することで高い湿熱信頼性を確保し、さらにはスクリーン印刷法におけるファイン印刷性、低温乾燥を実現することができたものである。
本発明の導電性ペーストを用いることで、近年要求されるタッチパネルの高い湿熱信頼性を確保し、さらにはスクリーン印刷法におけるファイン印刷性、低温乾燥を実現することができる。
<本発明の導電性ペーストを構成する成分>
本発明における導電性ペーストは、熱可塑性樹脂(A)、導電性粉体(B)、イオン捕捉剤(C)、有機溶剤(D)を必須成分として含有する。
本発明に用いる熱可塑性樹脂(A)の種類は特に限定はされないが、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、スチレンーアクリル樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、フェノール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、スチレンーアクリル樹脂、スチレンーブタジエン共重合樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合、ポリスチレン、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる。
上記樹脂の中でも、ポリエステル樹脂、またはポリエステルからなるポリウレタン樹脂が好ましい。
ポリエステルにおいては、ジカルボン酸およびグリコール成分を選定し、共重合成分を自在に変化させることで、ポリエステルのガラス転移温度や分子量を適宜調整することができる。
また、分子鎖中、もしくは分子末端へ自由に官能基を付与することができるため設計の自由度が高まる。
またポリウレタン樹脂に関しても、ポリウレタンを構成するポリオールや化合物を選定することで、ガラス転移温度や分子量を適宜調整することができる他、必要に応じて官能基を導入することができる。
尚、上記に示した樹脂を併用することにも何ら制限は設けない。
ポリエステル樹脂の共重合成分として用いられる前記ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸とポリオールの縮合により得られるものが好ましい。
前記ポリエステル樹脂の共重合成分として使用されるジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸;ダイマー酸等の炭素数12〜28の二塩基酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、2−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールA、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールS、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸、水素添加ナフタレンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;ヒドロキシ安息香酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸が挙げられる。また、発明の効果を損なわない範囲で、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の多価のカルボン酸、フマール酸等の不飽和ジカルボン酸、さらに、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を共重合してもよい。
前記ポリエステル樹脂の共重合成分として使用されるポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1、3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、ダイマージオール等の脂環族ジオールが挙げられる。また、発明の効果を損なわない範囲でトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の多価ポリオールを併用してもよい。
上記ポリエステルは、強度や耐熱性、耐湿性、及び耐熱衝撃性等の機械的強度の観点から、ポリエステルポリオールを構成する酸成分として、芳香族ジカルボン酸を含有することが好ましい。全酸成分のうち芳香族ジカルボン酸が60モル%以上共重合されていることが好ましく、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。全酸成分が芳香族ジカルボン酸からなることは好ましい実施態様である。芳香族ジカルボン酸成分の共重合比率が低すぎると、得られるポリエステル樹脂のガラス転移温度が60℃より低くなり、得られる導電性薄膜の耐湿熱性、機械的強度が低下するおそれがある。
芳香族ジカルボン酸の中でも機械的強度、溶剤溶解性の観点からテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸が特に好ましい。
上記ポリエステルは、強度や耐熱性、耐湿性、及び耐熱衝撃性等の機械的強度等の観点から、ポリエステルポリオールを構成する全ポリオールが、強度や耐熱性、耐湿性、及び耐熱衝撃性等の機械的強度等の観点から、ポリエステルポリオールを構成するポリオール成分として、主鎖の炭素数が4以下であるグリコール成分を含有することが好ましい。全ポリオール成分の内、主鎖の炭素数が4以下であるグリコールが60モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましい。全ポリオール成分の内、主鎖の炭素数が4以下であるグリコールの共重合比率低すぎると得られるポリウレタン樹脂のガラス転移温度が60℃より低くなり、得られる導電性薄膜の耐湿熱性、機械的強度が低下するおそれがある。主鎖の炭素数が4以下であるグリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールが特に好ましい。
ポリウレタン樹脂の共重合成分に関しても特に限定はされないが、設計の自由度や耐湿熱性、機械的強度の維持といった観点では、ポリエステルポリオールを用いることが好ましい。用いられるポリエステルポリオールとしては、例えば上記のポリエステルポリオールが好ましい。
上記ポリウレタン樹脂はポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られる。
上記ウレタン樹脂の作製に用いられるポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート等が挙げられる。
上記のポリイソシアネートの中でも機械的強度、反応性の観点から4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。
上記ポリウレタン樹脂はポリオールとさらに、イソシアネートと反応し得る官能基を有する化合物を必要に応じて共重合することができる。イソシアネートと反応し得る官能基としては、水酸基及びアミノ基が好ましく、いずれか一方を有するものでも双方を有するものであっても良い。具体的な成分としては、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸の他、ネオペンチルグリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3’−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−フェニル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−3−ナトリウムスルホ−2,5−ヘキサンジオール、ダイマージオール(たとえば、ユニケマ・インターナショナル社製PRIPOOL−2033)等の1分子中に2個の水酸基を有する化合物、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の多価アルコール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の1分子に1個以上の水酸基とアミノ基を有するアミノアルコール、エチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン
、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、1,12-ドデカンジアミンな
どの脂肪族ジアミンやメタキシレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンなどの1分子中に2個のアミノ基を有する化合物が挙げられる。上記の数平均分子量1,000未満の1分子に2個以上のイソシアネートと反応し得る官能基を有する化合物は単独で用いてもよいし複数を併用しても何ら問題はない。上記の中でもジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、ネオペンチルグリコールが好ましい。
本発明に用いる熱可塑性樹脂(A)の数平均分子量としては、特に限定はされないが数平均分子量が8,000〜60,000であることが好ましい。
数平均分子量が8000より低いと、形成された導電性薄膜の機械的強度、湿熱信頼性の面で好ましくない。一方、数平均分子量が60000以上であると、樹脂の凝集力が増し、導電性薄膜としての機械的強度は向上するものの、スクリーン印刷時に版離れが顕著に悪くなり、印刷性の不良が生じる。さらに好ましい数平均分子量の範囲は10000〜50000の範囲である。
熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度は60℃以上であることが好ましく、65℃以上であることがより好ましい。ガラス転移温度が低いと導電性薄膜としての湿熱信頼性が低下するおそれがあり、また、表面硬度の低下を誘発しタック性により製造工程及び/又は使用の際に接触相手側へのペースト含有成分の移行が生じて導電性薄膜の湿熱信頼性が低下するおそれがある。
一方、熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度は、印刷性、密着性、溶剤溶解性を考慮すると100℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましい。
熱可塑性樹脂(A)は、特定の範囲の酸価を有していてもよい。酸価を付与することで、基材に対する密着性を著しく向上させることができる。すなわち、酸価を導入することで、ITOとの密着性が向上し、湿熱信頼性が向上する。
熱可塑性樹脂(A)の酸価は50〜500eq/tonであることが好ましく、さらに好ましくは100〜300eq/tonの範囲である。酸価が低すぎると、形成される導電性薄膜と基材との密着性が低くなる傾向がある。一方、酸価が高すぎると、形成される導電性薄膜の吸水性が高くなる上、カルボキシル基による触媒作用により熱可塑性樹脂の加水分解が促進される可能性があり、導電性薄膜の湿熱信頼性の低下につながる傾向がある。
本発明ではイオン捕足剤(C)を含有することが必須となる。
イオン補捕足剤とは、イオンキャッチャー、イオン交換体、イオントラップ剤、イオン吸着剤と呼ばれるもので、イオン捕捉能を有する有機、無機化合物のことをさす。ハロゲンイオンなどの陰イオンを捕捉する場合は一般的には陽イオン捕捉剤を使用し、陽イオンを捕捉する場合には陰イオン捕捉剤を使用することが多い。また併用することでより一層性能が向上することもある。イオン捕捉剤としては、従来公知のものを用いることができるが、たとえば、ハイドロタルサイト類や、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマスから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられる。
本発明で用いられるイオン捕捉剤(C)としては、イオン捕捉能を有する無機化合物であることが好ましい。例えば下記一般式
MgAl(OH)2X+3Y−2Z(CO・mH
[ここで、X、Y、Zは2X+3Y−2Z≧0を満たす正数、mは正数である]
で表されるハイドロタルサイト系イオン捕捉剤、下記一般式
BiOX(OH)Y(NO3)Z
[ここで、Xは0.9〜1.1、Yは0.6〜0.8、Zは0.2〜0.4の正数である]
で表される酸化ビスマス系イオン捕捉剤、酸化アンチモン系イオン捕捉剤、さらにはリン酸チタン系イオン捕捉剤、リン酸ジルコニウム系イオン捕捉剤等が挙げられる。これらのイオン捕捉剤として、例えば、DHT−4A(ハイドロタルサイト系イオン捕捉剤、協和化学工業株式会社製)、キョーワードKW−2000(ハイドロタルサイト系イオン捕捉剤、協和化学工業株式会社製)、IXE−100(東亞合成株式会社製、リン酸ジルコニウム系イオン捕捉剤)、IXE−300(東亞合成株式会社製、酸化アンチモン系イオン捕捉剤)、IXE−400(東亞合成株式会社製、リン酸チタン系イオン捕捉剤)、IXE−500(東亞合成株式会社製、酸化ビスマス系イオン捕捉剤)、IXE−600(東亞合成株式会社製、酸化アンチモン・酸化ビスマス系イオン捕捉剤)が挙げられる。
マグネシウム・アルミニウム系イオン交換体として、具体的には下記一般式で示されるものが例示される。
MgxAly(OH)2x+3y-2z(CO3z・mH2
(x,y,zはそれぞれ0<y/x≦1,0≦z/y<1.5なる関係を有し、mは正数を示す。)
市販品としては、IXE−700F(東亞合成株式会社製マグネシウム・アルミニウム系イオン捕捉剤)として市販されている。
本発明で用いるイオン捕捉剤は上記のいずれを単独でも2種以上を混合して用いても良い。用途によっては、陰イオン捕捉剤と陽イオン捕捉剤のように捕捉イオン種の異なるイオン捕捉剤を少なくとも各1種以上用いることで各種イオンの存在下での高い湿熱信頼性が確保できる場合もある。
上記の中でも本発明で使用するイオン捕捉剤としてはDHT−4A、IXE−100、IXE−700Fが好ましい。
イオン捕捉剤の添加量としては、イオン捕捉剤(C)の重量分率が熱可塑性樹脂(A)+導電性粉体(B)の合計重量部を100としたとき、0.2〜20重量部で、更に好ましくは1.0〜10重量部であることが望ましい。本発明者らの検討によれば、添加量が0.2重量部未満では十分なイオン捕捉効果が得られないことが分かった。また、添加量が20重量部を超えると、導電性が顕著に悪化する他、導電性ペーストの揺変性が下がり、スクリーン印刷後のにじみが顕著となり、細腺形成に適していないことがわかった。これはイオン捕捉剤が水素結合などの分子間相互作用を有していないことに起因すると推定される。以上より、本発明においてイオン捕捉剤の添加量はイオン捕捉能を発現し、かつ細線適性を低下させない上記の最適の添加量を選定することが特に好ましい。
これらイオン捕捉剤(C)の最大粒径および平均粒径は、小さいほうが好ましいが、より好ましくは、最大粒径が10μm以下、平均粒径が5μm以下であり、更に好ましくは、最大粒径が7μm以下、平均粒径が3μm以下であり、特に好ましくは、最大粒径が5μm以下、平均粒径が2μm以下である。
最大粒径が10μmを超えたり、平均粒径が5μmを超えたりする場合、イオン捕捉能が低下し、また細線印刷形状が低下する。
本発明の導電性ペーストにおいては、シリカ粒子を配合してもよい。シリカ粒子を配合することにより、細線形成適性を付与することができる他、シリカ粒子の種類によっては耐湿熱性を向上させることができる。
シリカ粒子の添加量は熱可塑性樹脂(A)+導電性粉体(B)+イオン捕捉剤(C)の合計重量部に対し重量分率0.5〜10重量%であることが好ましく、0.6〜8重量部がより好ましく、0.7〜7重量部がさらに好ましい。
当該シリカ粒子としては、例えば、日本アエロジル株式会社製のAEROSIL 300,130,200等や、表面処理をしているシリカ、AEROSIL R812,R972,R974,R976,RX200,RX300等を好適に用いることが出来る。
これらの中でも好適に分散できるという観点、耐湿熱性を向上させるという観点から表面処理を行ってシリカ表面を疎水性にしているR972、R974、RX200が好ましい。
本発明の導電性ペーストにおいては、本発明の効果を損なわない程度に熱可塑性樹脂(A)と反応し得る硬化剤を配合してもよい。硬化剤を配合することにより、硬化温度が高くなり、生産工程の負荷が増す可能性はあるが、塗膜乾燥時の熱による架橋で塗膜の湿熱信頼性の向上が期待できる。
本発明の熱可塑性樹脂(A)に反応し得る硬化剤は、種類は限定しないが接着性、耐屈曲性、硬化性等からイソシアネート化合物が特に好ましい。さらに、これらのイソシアネート化合物として、イソシアネート基をブロック化したものを使用すると、貯蔵安定性が向上し、好ましい。イソシアネート化合物以外の硬化剤としては、メチル化メラミン、ブチル化メラミン、ベンゾグアナミン、尿素樹脂等のアミノ樹脂、酸無水物、イミダゾール類、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の公知の化合物が挙げられる。これらの硬化剤には、その種類に応じて選択された公知の触媒あるいは促進剤を併用することもできる。硬化剤の配合量としては、本発明の効果を損なわない程度に配合されるものであり、特に制限されるものではないが、熱可塑性樹脂(A)に対して0.5〜30重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましく、2〜15重量%がさらに好ましい。
本発明の導電性ペーストに配合することができるイソシアネート化合物の例としては、芳香族又は脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等があり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、等の芳香族ジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、あるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰量と例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子活性水素化合物又は各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物等と反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。また、イソシアネート基のブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノール等のフェノール類;アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール等のハロゲン置換アルコール類;t−ブタノール、t−ペンタノール等の第三級アルコール類;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタム等のラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステル等の活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、イミダゾール類、尿素類、ジアリール化合物類、重亜硫酸ソーダ等も挙げられる。このうち、硬化性よりオキシム類、イミダゾール類、アミン類が特に好ましい。
本発明における導電性粉体(B)は金属粉をさし、銀粉、金粉、白金粉、パラジウム粉等の貴金属粉、銅粉、ニッケル粉、アルミ粉、真鍮粉等の卑金属粉、銀等の貴金属でめっき又は合金化した卑金属粉等が挙げられる。これらの金属粉は、単独で用いてもよく、また、併用してもよい。
これらの中でも導電性、安定性、コスト等を考慮すると銀粉単独又は銀粉を主体とするものが好ましい。安価な材料として銅、アルミニウム等も用いることができるが、酸化しやすく、導電パターンとして満足できる抵抗値を得ることができない。
導電性粉体(B)の形状としては、公知のフレーク状(リン片状)、球状、樹枝状(デンドライト状)、特開平9−306240号公報に記載されている球状の1次粒子が3次元状に凝集した形状(凝集銀粉)等があるが、これらの中で特にフレーク状銀粉が好ましい。なぜなら、フレーク状銀粉は導電性粉体同士の接触面積が大きくなるため、非導電性のイオン捕捉剤(C)を含有しても導電性の顕著な低下を抑制することができるためである。
また上記導電性粉体(B)の平均粒径(D50)としては、スクリーン印刷後の細線形状が良好であるという観点から、平均粒径(D50)が5μm以下であることが好ましい。中心径が5μm以下の小さい導電性粉体(B)を用いることで、スクリーン印刷における細線形状が良好となる。
下限は特に限定されないが、コスト的観点ならびに、粒径が細かくなると凝集し易く、結果として分散が困難となるため80nm以上が好ましい。80nmより小さくなると、導電性粉体(B)の凝集力が増し、スクリーン印刷性が悪化する他、コスト的観点からも好ましくない。
中心径が5μmより大きい導電性粉体(B)を用いた場合には、スクリーン印刷後の細線形状が悪くなり、結果として細線同士が接触を起こし、短絡を招く可能性がある。
本発明で用いる導電性粉体(B)の中心径は3μm以下であることが好ましい。
導電性粉体(B)の含有量は、形成された導電性薄膜の導電性が良好であるという観点から、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、300重量部以上が好ましく、400重量部以上がより好ましく、700重量部以上がさらに好ましい。また、(B)成分の含有量は、透明導電性層との密着性が良好であるという観点から、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、1,900重量部以下が好ましく、1,230重量部以下がより好ましく、800重量部以下がさらに好ましい。
本発明の導電性ペーストにはカーボンブラック、グラファイト粉などの炭素系のフィラー等の非金属を含有してもよい。
カーボンブラック、グラファイト粉を添加することで、導電性、印刷性を改善することができる。上記の中でも特にカーボンブラックが好ましく、カーボンブラックの添加量としては熱可塑性樹脂(A)+導電性粉体(B)+イオン捕捉剤(C)の合計重量部を100としたときに0.1〜5重量部、もしくは0.3〜2重量部含むことが好ましい。0.1重量部未満の場合は、導電性を高める効果が小さい。一方で5重量部より多い値においては、導電性薄膜の導電性が低下する他、カーボンの空隙部位へ樹脂が吸着し、基材との密着性が低下するという問題点がある。
本発明の導電性ペーストには、下記の無機物を添加することができる。無機物としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブテン、炭化カルシウム、ダイヤモンドカーボンラクタム等の各種炭化物;窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物;酸化チタン(チタニア)、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム等の各種酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物;二硫化モリブデン等の硫化物;フッ化マグネシウム、フッ化炭素等の各種フッ化物;ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸;その他、滑石、ベントナイト、タルク、炭酸カルシウム、ベントナイト、カオリン、ガラス繊維、雲母等を用いることができる。これらの無機物を添加することによって、印刷性や耐熱性、さらには機械的強度を向上させることが可能となる場合がある。中でも、本発明の導電性ペーストにおいては、機械的強度を保持し、スクリーン印刷適正を付与するという観点でシリカが好ましい。
また、チキソ性付与剤、消泡剤、難燃剤、粘着付与剤、加水分解防止剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料、染料を用いることができる。さらには樹脂分解抑制剤としてカルボジイミド、エポキシ等を適宜使用することもできる。これらは単独もしくは併用で用いることができる。
本発明における有機溶剤(D)は、沸点が100℃以上、300℃未満であることが好ましく、より好ましくは沸点が150℃以上、280℃未満である。有機溶剤(D)の沸点が低すぎると、ペースト製造工程やペースト使用に際に溶剤が揮発し、導電性ペーストを構成する成分比が変化しやすい懸念がある。一方で、有機溶剤の沸点が高すぎると、低温乾燥工程が求められる場合(例えば135℃以下)において、溶剤が塗膜中に多量に残存する可能性があり、塗膜の信頼性低下を引き起こす懸念がある。
また、本発明における有機溶剤(D)としては、熱可塑性樹脂(A)が可溶であり、かつ、イオン捕捉剤(C)導電性粉体(B)を良好に分散させることができるものが好ましい。具体例としては、ダイセル社製のエチルジグリコールアセテート(ECA)、ブチルグリコールアセテート(BCA)、ブチルジグリコールアセテート(BDGAC)、エクソン化学製のソルベッソ100,150,200が挙げられる。その他、シクロヘキサノン、トルエン、イソホロン、γ-ブチロラクトン、ベンジルアルコール、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、ターピオネール等の汎用溶剤を用いても何ら問題はない。
上記の中でも、スクリーン印刷性の観点から、沸点200℃以上の溶剤が好まれる。これはスクリーン印刷の連続印刷時において、溶剤の揮発性を抑え、ペーストの粘度が上昇しないようにする必要があるためである。
一方で、生産工程の負荷や、フィルム基材へのダメージ低減の観点から、導電塗膜の低温での乾燥性が求められている背景もあり、沸点200℃以上の溶剤と、沸点が200℃より低い溶剤を混合して用いられる場合もある。
本発明においては、溶解性、スクリーン印刷性(連続印刷時の溶剤揮発性)において良好であるという観点から、ECA、BCA、BDGACからなる群より選択されてなる少なくとも1種類以上の溶剤が好ましい。
有機溶剤(D)の含有量としては、熱可塑性樹脂(A)+導電性粉体(B)+イオン捕捉剤(C)の合計重量部を100としたとき、40重量部以下であることが好ましく、35重量部以下であることがさらに好ましい。有機溶剤(D)の含有量が高すぎるとペースト粘度が低くなり、細線印刷の際にダレを生じる。有機溶剤(D)の含有量が低すぎると、導電性ペーストの粘度が高くなり、版のメッシュ開口部の通過性が悪くなり、印刷形状にカスレを生じる。
本発明の導電性ペーストは、細線を形成させる必要があるため、従来からキーボード用のメンブレンスイッチや感圧センサ等の電極用用途に用いられる一般的な導電性ペーストの粘度よりも高いことが好ましい。具体的にはE型粘度計(RE―85型(東機産業社製)で測定した場合に100Pa・s以上、さらに好ましくは200Pa・s以上であることが好ましい。上限は特には限定されないが、粘度が高すぎると版通過性(吐出性)の観点で、印刷性が顕著に低下する他、連続印刷にて版詰まりが起こる可能性が高くなる。
本発明の導電性ペーストは、F値が55〜95%であることが好ましく、より好ましくは75〜95%である。F値とはペースト中に含まれる全固形分100重量部に対するフィラー重量部を示す数値であり、F値=(フィラー重量部/固形分重量部)×100で表される。ここで言うフィラー重量部とは導電性粉体の重量部、固形分重量部とは溶剤以外の成分の重量部であり、導電性粉体、バインダー樹脂、イオン捕捉剤、その他の硬化剤や添加剤を全て含む。F値が55%未満であると良好な導電性が得られず、95%をこえると密着性及び/又は硬度が低下する傾向にある。印刷性の低下も避けられない。なお、ここで導電性粉体とは、導電性粉体(B)および非金属からなる導電性粉体の双方を指す。
本発明の導電性ペーストの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下のような工程により、製造することができる。まず、熱可塑性樹脂(A)を有機溶剤(D)に溶解する。次いでこの溶液に導電性粉体(B)、イオン捕捉剤(C)ならびに、必要であればその他の添加剤を添加し、ダブルプラネタリーやディゾルバー、遊星式の攪拌機等で予備分散を実施する。次いでこれを、三本ロールミルで分散して、導電性ペーストを得る。このような工程により得られた導電性ペーストは、さらに濾過しても良い。
また、本発明のような溶剤含有量が少ない導電性ペーストにおいては、三本ロールミルを用いる分散工程が生産効率の点で特に有効であるが、その他の分散機、例えばビーズミル、ニーダー、エクストルーダーなどを用いて分散しても何ら問題はない。
本発明の導電性ペーストを基材上に塗布または印刷して塗膜を形成し、次いで塗膜に含まれる有機溶剤(D)を揮散させる乾燥させることにより、導電性薄膜を形成することができる。
有機溶剤(D)を揮散させる工程は、常温下および/または加熱下で行うことが好ましい。加熱する場合、乾燥後の導電性薄膜の導電性や密着性、表面硬度が良好となることから、加熱温度は80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、110℃以上がさらに好ましい。また、下地の透明導電性層の耐熱性、及び生産工程における省エネルギーの観点から、加熱温度は150℃以下が好ましく、135℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。本発明の導電性ペーストに硬化剤が配合されている場合には、有機溶剤(D)を揮散させる工程を加熱下で行うと、硬化反応が進行する。
導電性薄膜の厚さは、用いられる用途に従って適切な厚さに設定すればよい。乾燥後の導電性薄膜の導電性において良好であるという観点から、5μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましく、9μm以上がさらに好ましい。また、導電性薄膜の厚さは、スクリーン印刷性において良好である点、ペースト使用量低減によるコストメリットの観点から、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。
導電性ペーストが塗布される基材は特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリイミド、ポリエステル等が挙げられる。また、前記基材と導電性膜との間に透明導電性層を設け、導電性薄膜を透明導電性層上に積層することにより、導電性積層体を得ることができる。透明導電性層の素材は特に限定されないが、例えば、酸化インジウム・スズを主成分としてなるITO膜の導電薄膜を適用することが可能である。また、透明導電性層は基材全面に形成されたものだけでなく、エッチングにより透明導電性層の一部が除去されたものを使用することもできる。
本発明の導電性積層体を用い、タッチパネルを製造することができる。タッチパネルは、抵抗膜方式であっても静電容量方式であってもよい。いずれのタッチパネルにも適用が可能であるが、本ペーストは、細線形成に好適であるため、静電容量方式に用いられることが好ましい。
タッチパネルの製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ITO膜等の透明導電性層を積層した基材上に、硬化後、導電性を与える回路を形成するように、導電性ペーストを塗布又は印刷し、加熱により塗布又は印刷した導電性ペーストを硬化させ、導電性積層体を形成させ、得られる導電性積層体を別の導電性積層体と貼り合わせることにより製造することができる。
本発明の導電性ペーストは、タッチパネルの電極回路配線用として好適に用いられるが、それ以外にも、電磁波シールド用途、電子部品の回路形成用途、端子やリード線の導電性接着剤等の用途にも使用することが可能である。
本発明の導電性ペーストは、スクリーン印刷用として好適に用いられるが、それ以外の印刷方式、例えばグラビア印刷、凸版印刷等、その他印刷方式にも適用することができる。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、特に断らない限り例中の「部」は「重量部」を示し、固形分濃度とは有機溶剤を完全に揮発させた後の不揮発分のことを示す。
本発明におけるポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂、導電性ペーストの評価は、下記の方法により行った。
1.数平均分子量
2.ガラス転移温度(Tg)
試料樹脂5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製の示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、200℃まで、昇温速度20℃/分にて測定し、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
3.酸価
試料樹脂0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタレイン溶液を用いた。酸価の単位はeq/ton、すなわち試料1トン当たりの当量とした。
4.樹脂組成
クロロホルム−dに試料樹脂を溶解し、VARIAN製400MHz−NMR装置を用い、1H−NMR分析により樹脂組成比を求めた。
5.導電性積層体テストピースの作製
厚み100μmのアニール処理をしたPETフィルム(東レ社製ルミラーS)又はITO膜(尾池工業(株)製、KH300)に、スクリーン印刷法により導電性ペーストを印刷し、幅25mm、長さ450mmのべた塗りパターンを形成し、120℃で30分乾燥、硬化したものを導電性積層体テストピースとした。乾燥膜厚は8〜12μmになるように印刷時の塗布厚を調整した。
6.導電性積層体抵抗値測定用テストピースの作成
厚み100μmのアニール処理をしたPETフィルム(東レ社製ルミラーS)に、スクリーン印刷法により導電性ペーストを印刷し、0.1mm、長さ450mmの電極パターンを3本形成し、120℃で30分乾燥したものを抵抗値測定用のテストピースとした。乾燥膜厚は8〜12μmになるように印刷時の塗布厚を調整した。
7.密着性
導電性積層体テストピースを用いてJIS K−5400−5−6:1990に従って、セロテープ(登録商標)(ニチバン(株)製)を用い、剥離試験により評価した。但し、格子パターンの各方向のカット数は11個、カット間隔は1mmとした。100/100は剥離がなく密着性が良好なことを示し、0/100は全て剥離してしまったことを表す。
8.比抵抗
導電性積層体テストピースのシート抵抗と膜厚を測定し、比抵抗を算出した。膜厚はゲージスタンドST−022(小野測器社製)を用い、PETフィルムの厚みをゼロ点として硬化塗膜の厚みを5点測定し、その平均値を用いた。シート抵抗はMILLIOHMMETER4338B(HEWLETT PACKARD社製)を用いてテストピース4枚について測定し、その平均値を用いた。
9.鉛筆硬度
導電性積層体テストピースを厚さ2mmのSUS304板上に置き、JIS K 5600−5−4:1999に従って鉛筆硬度を測定した。
10.耐ブロッキング性:
導電性積層体テストピースを2枚、塗膜面を接するように重ね合わせ、導電性塗膜部分に500gの荷重を印加して、80℃で72時間放置した。ついで荷重を取り除き常温で1時間放置した後に以下の基準で外観により良否を判定した。
○:塗膜双方への転写がなく、元の塗膜状態を保持している。
×:双方への転写が見られ、ハガレが生じている。
11.耐湿熱試験(1)
5で作製した導電性積層体テストピースを85℃、85%RH(相対湿度)で240時間加熱し、その後24時間常温で放置した後、上記7の密着性評価と同様にセロテープ(登録商標)(ニチバン(株)製)を用い、剥離試験により評価した。但し、格子パターンの各方向のカット数は11個、カット間隔は1mmとした。100/100は剥離がなく密着性が良好なことを示し、0/100は全て剥離してしまったことを表す。
また上記9と同様に湿熱試験後の鉛筆硬度の測定も行った。
12.耐湿熱試験(2)
6で作製した抵抗値測定用のテストピースを85℃、85%RH(相対湿度)で240時間加熱し、その後24時間常温で放置した後、抵抗値を測定した。抵抗値は、3本のパターンの平均値を採用し、判断基準は下記とした。
○:初期の抵抗値に対し、抵抗値の変動が10%以上である。
△;初期の抵抗値に対し、抵抗値の変動が20%以上である。
×:初期の抵抗値に対し、抵抗値の変動が30%以上である。
13.ペースト粘度
サンプル温度25℃において、コーン・プレート型粘度計(RE―85型(東機産業社製、コーン形状角度3°、R14)を用い、0.5rpmでローターを回転させ、回転開始180秒後の測定値を元に、導電性ペーストの粘度を測定した。
14.貯蔵安定性
導電性ペーストをポリ容器に入れ、密栓したものを40℃で1ヶ月貯蔵した。貯蔵後に粘度測定及び上記5.導電性積層体テストピースにより作製したテストピースの評価を行った。
○:著しい粘度変化はなく、初期の比抵抗、鉛筆硬度、密着性を維持している。
×:著しい粘度上昇(初期粘度の2倍以上)、または減粘(初期粘度の1/2以下)が認められ、比抵抗、鉛筆硬度、密着性の低下が認められる。
15.細線の印刷性評価
細線の線幅としてラインとスペースの幅(L/S)を80/80μmとし、スクリーン版として、東京プロセスサービス社製のST500ステンレスメッシュ(版サイズ320mm、乳剤厚10μm、線径18μm)を用いて、ITOエッチングフィルム上に連続100枚印刷を行なった。スクリーン印刷条件は、スキージー圧を0.4MPa、スキージー速度を100mm/sec、クリアランスを1.5mmとした。
連続印刷性の評価は下記判断基準で行った。
○:連続100枚印刷において、カスレ、にじみが生じず、版離れにも特に問題が生じない。
△:連続100枚印刷において、一部カスレ、にじみが生じるが、版離れには特に問題が生じない。
×:連続100枚印刷においてカスレ、にじみが多発する、または、版離れが悪化して連続100枚印刷ができない。
また、形成された細線の評価は、上記印刷物(100枚目)を用い、レーザー顕微鏡(キーエンスVHX−1000)にてL/Sを測定し、また細線の状態の観察を実施して下記判断基準により細線印刷性を評価した。
○:断線がなく、細線間の短絡(ショート)がない。
△:一部断線もしくは細線間の短絡(ショート)がある。
×:断線もしくは細線間の短絡(ショート)が多発している。
(樹脂の製造例)
(ポリエステル樹脂P−1の製造例)
攪拌機、コンデンサー、及び温度計を具備した反応容器にテレフタル酸700部、イソフタル酸700部、無水トリメリット酸16.9部、エチレングリコール983部、2−メチル−1、3−プロパンジオール154部、窒素雰囲気2気圧加圧下、160℃から230℃まで3時間かけてエステル化反応を行った。放圧後、テトラブチルチタネート0.92部を仕込み、次いで系内を徐々に減圧していき、20分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、260℃にて40分間重縮合反応を行った。窒素気流下、220℃まで冷却し、無水トリメリット酸を50.6部投入し、30分間反応を行いポリエステル樹脂を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂P−1の組成及び物性を表1に示した。
(ポリエステル樹脂P−2の製造例)
攪拌機、コンデンサー、及び温度計を具備した反応容器にテレフタル酸ジメチル700部、イソフタル酸ジメチル700部、エチレングリコール671部、ネオペンチルグリコール526部、テトラブチルチタネート0.48部を仕込み、180℃、3時間エスエル交換を行なった。次に、1mmHg以下まで徐々に減圧し、240℃、1.5時間重合した。得られた共重合ポリエステル樹脂P−2の組成及び物性を表1に示した。
(ポリエステル樹脂P−3、P−4の製造例)
ポリエステル樹脂P−1の製造例においてモノマーを変更し、ポリエステル樹脂P−3を製造した。得られた共重合ポリエステル樹脂の組成及び樹脂物性を表1に示した。
(ポリウレタン樹脂U−1の製造例)
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にポリエステル樹脂P−2を1000部、ネオペンチルグリコール(NPG)を80部、ジメチロールブタン酸(DMBA)を90部投入した後、エチルジグリコールアセテート(ECA)1087部仕込み、85℃において溶解した。その後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を460部加え、85℃、2時間反応を行った後、触媒としてジブチルチンジラウレートを0.5部添加し、85℃でさらに4時間反応させた。ついで、ECA1940部で溶液を希釈し、ポリウレタン樹脂U−1を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液の固形分濃度は35(重量%)であった。このようにして得た樹脂溶液をポリプロピレンフィルム上に滴下し、ステンレス鋼製のアプリケーターを用いて延展し、樹脂溶液の薄膜を得た。これを120℃に調整した熱風乾燥機内に3時間静置して溶剤を揮散させ、次いでポリプロピレンフィルムから樹脂薄膜を剥がし、フィルム状の乾燥樹脂薄膜を得た。乾燥樹脂薄膜の厚みは約30μmであった。左記乾燥樹脂薄膜をポリウレタン樹脂U−1の試料樹脂として、各種樹脂物性の評価結果を表2に示した。
(ポリウレタン樹脂U−2の製造例)
ポリウレタン樹脂U−2は、ポリエステルポリオール、イソシアネートと反応する基を有する化合物及びポリイソシアネートを表2に示すものに代えた以外は、ポリウレタン樹脂U−1の製造例と同様の方法にて製造した。ポリウレタン樹脂U−2の樹脂物性の評価結果を表2に示した。
DMBA:ジメチロールブタン酸
NPG:ネオペンチルグリコール
DMH:2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイイソシアネート

ポリウレタン樹脂U−2の樹脂物性の評価結果を表2に示した。
(ポリウレタン樹脂U−3〜U−4の製造例)
ポリウレタン樹脂U−3〜U−4は、ポリエステルポリオール、イソシアネートと反応する基を有する化合物及びポリイソシアネートを表2に示すものに代えた以外は、ポリウレタン樹脂U−1の製造例と同様の方法にて製造した。ポリウレタン樹脂(U-3)〜(U-4)を製造する際に用いた各成分及び樹脂物性を表2に示す。
(実施例1)
固形分濃度35重量%のポリエステル樹脂P−1溶液を2,857部(固形部換算1000部)となるようにECAへ溶解した溶液285部(固形部換算200部)、フェロ・ジャパン(株)製のフレーク状銀粉SF70Aを7,888部、カーボンブラックとしてライオン(株)製のECP600JDを111部、(株)中越黒鉛工業所製のグラファイトBFを111部、レベリング剤として共栄社化学(株)製のMKコンクを71部、分散剤とビックケミー・ジャパン(株)製のDisperbyk2155を30部、溶剤としてECAを300部配合し、チルド三本ロール混練り機に3回通して分散した。得られたペーストの評価結果を表3に示した。
(実施例2〜10および比較例1〜7)
導電性ペーストの樹脂および配合を変えて実施例2〜10を実施した。さらに同様に導電性ペーストの樹脂および配合を変えて比較例1〜7を実施した。導電性ペーストの配合および評価結果を表3に示した。いずれの実施例もオーブン120℃×30分という比較的低温かつ短時間の加熱により良好な塗膜物性を得ることができた。またITO膜への密着性、環境試験後の密着性、耐ブロッキング性等も良好であった。
なお、表3において、バインダー樹脂、導電粉末、添加剤及び溶剤は以下のものを用いた。
銀粉1:フレーク状銀粉(D50:2μm)
銀粉2:球状銀粉(D50:1μm)
カーボンブラック:ライオン(株)製ケッチェンECP600JD
イオン捕捉剤(1):東亞合成(株)社製のIXE700F
イオン捕捉剤(2):東亞合成(株)社製のIXE100
イオン捕捉剤(3):協和化学(株)社製のDHT−4A
シリカ(1):日本アエロジル(株)社製シリカR972
シリカ(2):日本アエロジル(株)社製シリカR974
硬化剤:旭化成ケミカルズ(株)製MFK-60X
硬化触媒:共同薬品(株)製KS1260
レベリング剤:共栄社化学(株)MKコンク
分散剤1:ビックケミー・ジャパン(株)社製のDieperbyk130
分散剤2:ビックケミー・ジャパン(株)社製のDisperbyk2155

ECA:ダイセル化学工業(株)製エチルジグリコールアセテート(沸点217℃)
BCA:ダイセル化学工業(株)製ブチルグリコールアセテート(沸点188℃)
BDGAC:ダイセル化学工業(株)製ブチルジグリコールアセテート(沸点247℃)
(比較例1)
固形分濃度35重量%のポリエステル樹脂P−1溶液を2,860部(固形部換算1000部)、フェロ・ジャパン(株)製のフレーク状銀粉SF70Aを7,888部、カーボンブラックとしてライオン(株)製のECP600JDを111部、(株)中越黒鉛工業所製のグラファイトBFを111部、レベリング剤として共栄社化学(株)製のMKコンクを71部、分散剤とビックケミー・ジャパン(株)製のDisperbyk2155を30部、溶剤としてエチルジグリコールアセテート(ECA)を300部配合し、チルド三
本ロール混練り機で3回通して分散した表5に全溶液中の各成分の量を示す。得られた銀ペーストをアニール処理をしたPETフィルムに4.密着性試験において記述した方法で印刷した後、120℃×30分で乾燥した。得られた塗膜物性は、比抵抗は8.6×10-5Ω・cm、密着性100/100、鉛筆硬度Bであった。結果を表4に示す。
一方で、基材としてITOフィルムKH300(尾池工業社製)を用い、4.密着性試験において記述した方法で印刷、乾燥し評価した。また環境試験を実施した。
さらに、KH300をエッチング処理によってITOを除去したITOエッチングフィルムを用いて、スクリーン印刷において細線印刷性の検討を実施した。結果を表4に示す。
(比較例2)
ポリウレタン樹脂溶液(U-1)を固形分濃度40重量%となるようにエチルジグリコール
アセテートに溶解したポリエステル溶液を2,501部(固形部換算1,000部)、フェロ・ジャパン(株)製のフレーク状銀粉SF70Aを6540部、カーボンブラックとしてライオン(株)製のケッチェンECP600JDを111部、(株)中越黒鉛工業所製のグラファイトBFを111部、レベリング剤として共栄社化学(株)製のMKコンクを71部、分散剤1としてビックケミー・ジャパン(株)製のDiesperbyk2155を31部、溶剤としてエチルジグリコールアセテートを370部を配合し、チルド三本ロール混練り機で3回通して分散した。表5に全溶液中の各成分の量を示す。得られた銀ペーストをアニール処理をしたPETフィルムに4.密着性試験において記述した方法で印刷した後、120℃×30分で乾燥した。得られた塗膜物性は、比抵抗は9.6×10-5Ω・cm、密着性100/100、鉛筆硬度HBであった。結果を表4に示す。
一方で、上記比較例1と同様に、環境試験ならびにスクリーン印刷における細線印刷性の検討を実施した。結果を表4に示す。
(比較例3〜7)
表4に示す成分及び配合により実施例1と同様に銀ペーストを作製し、アニール処理をしたPETフィルムを基材として塗膜を作製した。塗膜物性を表4に示す。
比較例1と同様にITOフィルムKH300(尾池工業社製)を用い、4.密着性試験において記述した方法で印刷、乾燥し評価した。また環境試験を実施し、さらに、KH300をエッチング処理によってITOを除去したITOエッチングフィルムを用いて、スクリーン印刷において細線印刷性の検討を実施例1と同様に実施した。評価結果を表4に示す。
なお、表4に示す、導電粉末、添加剤及び溶剤は、表3のものと同じである。
本発明の導電性ペーストを用いることで、形成された電極が腐食、劣化することなく高い耐湿信頼性を維持することができる。さらにはスクリーン印刷法において細線形成に適し、低温乾燥性良好な導電性ペーストを提供することができ、タッチパネル等の回路配線に好適に利用可能であり、産業界に寄与することが期待される。

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂(A)、導電性金属粉(B)、イオン捕捉剤(C)、有機溶剤(D)を含有してなり、該熱可塑性樹脂(A)がポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂であって、該イオン捕捉剤(C)の含有量が、(A)+(B)の合計重量部を100としたときに、0.2〜20重量部であることを特徴とする導電性ペースト。
  2. 該熱可塑性樹脂(A)の数平均分子量が8,000〜60,000、ガラス転移温度が60〜100℃であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 導電性粉体(B)が主として、銀からなることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の導電性ペースト。
  4. 有機溶剤(D)の含有量が(A)+(B)+(C)の合計重量部を100としたときに、40重量部以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ペースト。
  5. さらにシリカ粒子を含有してなり、該シリカ粒子が(A)+(B)+(C)の合計重量部を100としたときに0.5〜10重量部含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペースト。
  6. さらにカーボンブラックを含有してなり、該カーボンブラックが(A)+(B)+(C)の合計重量部を100としたときに0.1〜5重量部含まれていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ペースト。
  7. イオン捕捉剤(C)が2種以上の異なるイオン捕捉剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の導電性ペースト。
  8. 導電性粉体(B)の平均粒子径D50が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の導電性ペースト。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の導電性ペーストから形成された導電性薄膜。
  10. 請求項9に記載の導電性薄膜を用いてなる電気回路。
  11. 請求項10に記載の電気回路を構成部材として含むタッチパネル。
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