JP2016173933A - 導電性ペースト、導電パターン及び導電パターンの製造方法 - Google Patents

導電性ペースト、導電パターン及び導電パターンの製造方法 Download PDF

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周平 米田
英樹 大籏
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英樹 大籏
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Hiroshi Uchida
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Abstract

【課題】基材との密着性及び導電性に優れた、実質的にハロゲンを含まない導電性ペーストを提供する。【解決手段】(A)導電性粉末、(B)分散媒、及び(C)バインダー樹脂を含み、前記(C)バインダー樹脂が(c1)分子量または重量平均分子量が570以下であるジオール化合物、(c2)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物、並びに(c3)ジイソシアネート化合物を重付加反応することによって得られる構造を有するカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂であり、前記(B)分散媒の含有量が、(A)導電性粉末100質量部に対して5〜100質量部であり、かつ、(C)バインダー樹脂の含有量が、(A)導電性粉末100質量部に対して1〜15質量部である導電性ペースト。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性ペースト、導電パターン及び導電パターンの製造方法に関するものであり、更に詳しくはバインダー樹脂としてカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂を含む導電性ペースト、該導電性ペーストを用いてなる導電パターン及びその製造方法に関する。
一般に、電子回路に必要な配線パターンを形成する際にはフォトリソグラフィーの手法が用いられる。しかしながら、フォトリソグラフィーは材料を除去してパターンを形成するため無駄になる材料も多く、工程や設備にかかるコストも多くなる。
一方、導電性粉末を分散媒中に分散させた導電性ペーストを印刷して配線パターンを形成する手法を用いると、必要な箇所にだけ材料を付加できることに加え、工程や設備にかかるコストを大きく削減することが出来る。
この手法においては、導電性ペーストが重要な役割を果たしている。特に、焼結後に十分低い抵抗を示し、かつ、基材と良好な密着性を発現するようなペーストが求められている。このようなペーストを実現するためには、ペーストに含まれるバインダー樹脂の開発が必要不可欠である。
近年、バインダー樹脂として、カルボキシル基を含有したウレタン樹脂を用いた技術が報告されている。例えば、特許文献1、2、3では、カルボキシル基含有ウレタン樹脂をバインダー樹脂とした導電性ペーストを用いて導電性薄膜を形成している。また、特許文献4ではウレタン樹脂とフェノキシ樹脂をバインダー樹脂とした導電性ペーストを用いて導電性薄膜を形成している。
しかしながら、特許文献1には、ポリウレタン樹脂の原料として使用する非晶性ポリオールの好適な例として示されるポリエステルポリオールを一旦合成する工程が含まれるため、バインダー樹脂を得る工程としてはコスト的に不利であり、最終的に得る導電性ペーストの製造工程としては煩雑と言える。
特許文献2、3では最終的に形成される導電性薄膜の体積抵抗率が6.8×10−5Ω・cm以上と高く、更に低抵抗化する必要がある。特許文献4では、フェノキシ樹脂がハロゲンを含有しているため、環境負荷が高くなってしまうという問題点がある。
WO2011/046076号パンフレット 特開2012−216287号公報 特開2013−131385号公報 特開2009−176728号公報
本発明は、基材との密着性及び導電性に優れた、実質的にハロゲンを含まない導電性ペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは検討の結果、低分子量のジオールを原料に用いて、ジイソシアネート化合物、カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物を反応させて合成されるポリウレタン樹脂をバインダー樹脂として用いることにより、基材との密着性及び導電性に優れた導電性ペーストを実現できることを見出した。すなわち、本発明は以下の[1]〜[5]に示される導電性ペースト、[6]に示される導電パターン、及び[7]に示される導電パターンの製造方法に関する実施態様を含む。
[1](A)導電性粉末、(B)分散媒、及び(C)バインダー樹脂を含み、
前記(C)バインダー樹脂が
(c1)分子量または重量平均分子量が570以下であるジオール化合物
(c2)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物、並びに
(c3)ジイソシアネート化合物
を重付加反応することによって得られる構造を有するカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂であり、
前記(B)分散媒の含有量が、(A)導電性粉末100質量部に対して5〜100質量部であり、かつ、(C)バインダー樹脂の含有量が、(A)導電性粉末100質量部に対して1〜15質量部であることを特徴とする導電性ペースト。
[2](c1)分子量または重量平均分子量が570以下であるジオール化合物の炭素原子数が2〜20である前記[1]に記載の導電性ペースト。
[3](c1)分子量または重量平均分子量が570以下であるジオール化合物が、アルキレンオキサイド単位を含むジオールである前記[1]または[2]に記載の導電性ペースト。
[4](c1)分子量または重量平均分子量が570以下であるジオール化合物が、エステル結合を含むジオールである前記[1]に記載の導電性ペースト。
[5](c2)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物が、ジメチロールブタン酸である前記[1]〜[4]に記載の導電性ペースト。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の導電性ペーストを用いてなる導電パターン。
[7]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の導電性ペーストを基材上に塗布または印刷する工程、及び加熱する工程を含む導電パターンの製造方法。
本発明の導電性ペーストは、バインダー樹脂であるカルボキシル基含有ポリウレタンの原料として低分子量のジオールを用いているために、高分子量のジオールを用いる場合に比べて一分子中に含まれるウレタン結合の数が多くなる。したがって、導電性粉末に対して少量を添加することにより、ウレタン結合と基材間の相互作用(水素結合等)に基づく良好な密着性を発現できる。また導電性を阻害する樹脂の量を減らすことが可能となり、より低い抵抗を示す導電性パターンを実現することが可能となる。更にはポリウレタンのジオール成分として低分子量のジオールを用い、必ずしもジオール成分を合成する必要がないため、導電性ペーストの製造工程が簡素化できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)について説明する。
本実施形態にかかる導電性ペーストは、導電性粉末(A)、分散媒(B)、バインダー樹脂(C)を含む。各成分について、詳細に説明する。
(A)導電性粉末
本実施形態に使用することができる(A)導電性粉末は導電性を有するものであれば特に制限はないが、主として金属粉末を用いることが好ましく、銀粉、金粉、白金粉、パラジウム粉等の貴金属粉、銅粉、ニッケル粉、アルミ粉、真鍮粉等の卑金属粉、銀等の貴金属でメッキ、または合金化した卑金属粉等が挙げられる。これらの金属粉末は、単独で用いてもよく、また併用してもよい。これらの中で銀粉を主体とするものが導電性が高い点でより好ましい。
好適に用いられる金属粉末の平均粒径としては、例えば、0.01〜100μmの範囲、より好ましくは0.02〜50μmの範囲、さらに好ましくは0.1〜10μmの範囲である。ここでの平均粒径とはレーザー回折法で測定されたメジアン径(D50)のことであり、測定には例えばSALD−3100(島津製作所製)やLA−950V2(堀場製作所製)を用いることができる。
焼成後の銀薄膜の充填率を向上させるという観点から、粒径の異なる大小の球状粒子や扁平粉、あるいは球状粒子と扁平粉との組み合わせなど、異なる粒径を有する金属粉末を2種類以上混合して用いることも可能である。
また、前記の金属粉末以外に、金属酸化物や炭素系材料を用いることも可能である。金属酸化物の例としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛、酸化銅、二酸化スズ、酸化インジウム等が挙げられる。炭素系材料の例としては、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
(B)分散媒
本実施形態に使用することができる(B)分散媒としては、後述の(C)バインダー樹脂を溶解でき、導電性ペースト中において(A)導電性粉末を均一に分散可能な有機溶剤であれば制限なく使用できるが、保管中の揮発を抑えるために、沸点が高いことが好ましく、また(C)バインダー樹脂に対する溶解性という観点から、水酸基を有する化合物を含むこと好ましい。水酸基を有する化合物の好適な例示として、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシブタノール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ターピネオール、グリセリン、ジグリセリン、ボルニルシクロヘキサノール、ボルネオール、イソボルニルシクロヘキサノール、イソボルネオール等が挙げられるが、これらの中でもターピネオール、イソボルニルシクロヘキサノールがより好ましい。これらの分散媒に他の分散媒、例えば、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等を混合してもよい。
導電性ペースト中に含まれる(B)分散媒の比率は、(A)導電性粉末100質量部に対して5〜100質量部であり、9〜20質量部であることが好ましい。前記配合比率が5質量部を下回るとペーストの粘度が高くなりすぎ、100質量部を上回るとペーストの粘度が低くなりすぎて、塗布または印刷によって薄膜を作製することが困難となる。
(C)バインダー樹脂
本実施形態で使用する(C)バインダー樹脂はカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂であって、(c1)分子量または重量平均分子量570以下のジオール、(c2)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物、並びに(c3)ジイソシアネート化合物を反応させて得られるものである。
(c1)分子量または重量平均分子量570以下のジオール化合物
本実施形態で使用するカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の原料となる分子量または重量平均分子量が570以下、好ましくは550以下の低分子量のジオール化合物である。分子量分布、すなわち分子中に特定の繰り返し単位(例えばアルキレン(エチレン、プロピレン等)オキサイドユニット)を有し、その繰り返し単位数が異なる複数の化合物の混合物である場合はその重量平均分子量が、いわゆる単一の分子量を有する化合物の場合はその分子量が、各々570以下、好ましくは550以下である。このようなジオール化合物の例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,12−ドデカンジオール、ジエチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、川崎化成工業製のポリエステルジオールであるマキシモール(登録商標)RDK−142、マキシモール(登録商標)RLK−085などが挙げられる。またこれらのジオール化合物は1種又は2種以上を組み合わせて用いることが出来る。2種類以上を組み合わせて使用する場合各々のジオール化合物の分子量または重量平均分子量が570以下、好ましくは550以下である。
これらの中でも特に、分子構造が直鎖状であるジオール化合物を用いた場合に、導電性パターンの基材との密着性について優れた性能が発現する。直鎖状であるジオール化合物としては例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,12−ドデカンジオール、ジエチレングリコールが挙げられる。
本実施形態で使用するカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の原料として上記低分子量のジオール化合物を用いることにより、高分子量のジオール化合物を用いる場合に比べて一分子中に含まれるウレタン結合数が多くなり、このウレタン結合部位が基材と相互作用(水素結合等)することにより基材との密着性が向上すると推定される。
(c2)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物
本実施形態で使用するカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の原料となる(c2)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物としては特に制限はないが、(c1)分子量または重量平均分子量570以下のジオール化合物と同様に分子量が570以下であることが好ましい。例えばジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等が挙げられ、これらの中でも後述のポリウレタン樹脂合成の際に用いる有機溶剤への溶解度の観点から、ジメチロールブタン酸が特に好ましい。これらの(c2)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
(c3)ジイソシアネート化合物
本実施形態で使用するカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の原料となる(c3)ジイソシアネート化合物の例としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネートが挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂は、前記(c1)、(c2)、(c3)の3成分だけでも合成は可能であるが、更に末端のイソシアナト残基の影響をなくす目的で、モノヒドロキシ化合物を反応させることが出来る。モノヒドロキシ化合物としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等が挙げられる。上記の通り本実施形態のカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂はハロゲンを含む原料を使用していないので、実質的にハロゲンを含まない。
(C)バインダー樹脂の合成方法
本実施形態のカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂は無溶媒でも合成が可能であるが、反応熱による急激な温度上昇や、温度上昇に伴う爆発的な反応の進行を防ぐために、有機溶剤を使用することが望ましい。用いる有機溶剤は、イソシアネートとの反応性が低いものであれば特に限定されないが、沸点が110℃以上、好ましくは200℃以上である有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、シクロヘキサン、イソホロン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、クロロホルムおよび塩化メチレンなどを挙げることが出来る。
(c1)、(c2)、(c3)の仕込み比については特に制限はないが、最終的に合成されるカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の酸価が10〜170mgKOH/g、より好ましくは20〜160mgKOH/g、さらに好ましくは40〜100mgKOH/gとなるような比率がよい。
原料の仕込みを行う順番については特に制約はないが、一般には(c1)及び(c2)を先に仕込み、溶媒に完全に溶解させたのち、20〜150℃、より好ましくは60〜120℃で、(c3)を滴下しながら加え、その後、30〜160℃、より好ましくは50〜130℃で反応させる。
反応時間については特に制限はないが、イソシアナト基が十分消失する程度であればよい。イソシアナト基の消失の程度は、イソシアナト基の伸縮振動に基づく赤外吸収スペクトルで波数2270cm−1付近に観測される吸収ピークの低減から確認することができる。
本実施形態で用いるカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の重量平均分子量については、特に制限はないが、2,000〜200,000であることが好ましく、4,000〜100,000であるとさらに好ましい。ここで、分子量はゲル担体クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値である。分子量が2,000未満では、印刷後の塗膜の伸度、可撓性、並びに強度を損なうことがあり、200,000を超えると溶媒へのカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の溶解性が低くなる上に、溶解しても粘度が高くなりすぎるために、使用面で制約が大きくなることがある。
上記合成方法により得られる(C)バインダー樹脂(カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂)の導電性ペースト中に含まれる比率は、(A)導電性粉末100質量部に対して1〜15質量部であり、1.5〜10質量部であることが好ましく、2〜5質量部がより好ましい。配合比率が1質量部を下回ると導電性ペーストと基材間の密着性が著しく低下し、配合比率が15質量部を上回ると絶縁性物質である(C)バインダー樹脂によって最終的に形成される銀薄膜の抵抗が悪化する可能性がある。本実施形態の導電性ペーストの粘度は、用いられる各種印刷方法に適した粘度であればよい。
導電パターン
本実施形態の導電性ペーストを塗布、印刷する基材としては、形状に特に制限はないが、塗布、印刷のし易さという観点では板状、シート状、フィルム状のものが好ましい。例えばガラス、アルミナなどのセラミックや、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。更にはこれら基材表面を、より密着性を高める処理を用いて活性化処理して用いることも可能である。上記基材の中でも(C)バインダー樹脂(カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂)中のウレタン結合と相互作用(水素結合等)を有する官能基(水酸基、カルボニル基、アミノ基等)を有するガラス、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等が好ましい。
導電パターンの形状については特に限定はないが、基材上に形成される配線、電極として、あるいは基材の全面または一部の面を被覆する膜としての形状での使用が可能である。
導電パターンの印刷方法としては、公知の方法であれば特に制限はなく、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコート、凸版印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法等を用いることができる。また塗布する方法や材料の条件によっては、ウェットコートの後に基材を加熱して、塗布した材料や用いた溶媒を除去するプロセスや、分散媒などを洗浄によって洗い流すプロセスなどが含まれていてもよい。
印刷後は、導電パターンはそのまま用いてもよいが、加熱により分散媒を揮発させ除去することが望ましい。塗布後における塗膜中に含まれている分散媒の除去は適切な手法が用いられる。例えば加熱炉や遠赤外炉等を用いての乾燥によって分散媒を除去できる。真空乾燥等の手法も用いることが可能である。
更に金属微粒子の相互融結等を促進する低抵抗化処理をすることも可能である。低抵抗化処理としては、導電パターンに、熱、光等のエネルギーを与えて実現できる。エネルギー源としては、通常の乾燥機による加熱、あるいはマイクロ波、キセノンフラッシュランプ等を備える光源から照射されるパルス光等を使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明はこれらの実施例によって何等の制約を受けるものではない。
なお、本明細書中の重量平均分子量の値は、ゲル担体クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値であり、測定条件は以下の通りである。
・装置名 Shodex GPC−101
・カラム ShodexカラムLF−804
・移動相 テトラヒドロフラン(THF)
・流速 1.0mL/min
・測定時間 40min
・検出器 Shodex RI−71S
・温度 40.0℃
・試料量 サンプルループ100μL
・試料濃度 約1質量%のTHF溶液となるように調製
また、本明細書において、樹脂の酸価は以下の方法により測定した値である。
100ml三角フラスコに試料約1gを精密天秤にて精秤し、これにメタノール30mlを加えて溶解する。さらに、指示薬としてフェノールフタレインエタノール溶液を1〜3滴添加し、試料が均一になるまで十分に撹拌する。これを0.1N水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒続いたときを、中和の終点とする。その結果から下記の計算式を用いて得た値を、樹脂の酸価とする。
酸価(mgKOH/g)=〔B×f×5.611〕/S
B:0.1N水酸化カリウム‐エタノール溶液の使用量(ml)
f:0.1N水酸化カリウム‐エタノール溶液のファクター
S:試料の採取量(g)
合成例1:エチレングリコール系ポリウレタン樹脂
滴下ロート、撹拌装置、温度測定用熱電対、リービッヒ冷却管を備えた500mL4つ口セパラブルフラスコに、ジオール化合物(c1)としてエチレングリコール(炭素原子数2、分子量62、東京化成工業製)を3.85g、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(c2)としてジメチロールブタン酸(日本化成製)を11.43g、溶媒としてエチルカルビトールアセテート(ダイセル製)を108.26g仕込み、50℃で全ての原料を溶解した。滴下ロートにより、ジイソシアネート化合物(c3)としてイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン製、製品名デスモジュール(登録商標)I)30.85gを5分かけて滴下した。滴下終了後、1時間かけて110℃まで昇温したのち、110℃にて5時間反応を行った。赤外線吸収スペクトルで2270cm−1に観測されるイソシアナト基の吸収スペクトルがほぼ消失したことを確認したのち、末端封止剤としてイソブタノール0.17g(和光純薬製)を加え、更に110℃にて1時間反応を行った。室温まで放冷することで、粘稠なペースト状ウレタン樹脂組成物86.32gが析出・沈殿した。
得られたペースト状ウレタン樹脂組成物の固形分の酸価は85mgKOH/g、重量平均分子量は5.0×10であった。
合成例2:1,4−ブタンジオール系ポリウレタン樹脂
滴下ロート、撹拌装置、温度測定用熱電対、リービッヒ冷却管を備えた500mL4つ口セパラブルフラスコに、ジオール化合物(c1)として1,4−ブタンジオール(炭素原子数4、分子量90、東京化成工業製)を5.60g、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(c2)としてジメチロールブタン酸(日本化成製)を11.45g、溶媒としてエチルカルビトールアセテート(ダイセル製)を107.75g仕込み、55℃で全ての原料を溶解した。滴下ロートにより、ジイソシアネート化合物(c3)としてイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン製、製品名デスモジュール(登録商標)I)30.62gを5分かけて滴下した。滴下終了後、110℃で5時間反応を行い、赤外線吸収スペクトルで2270cm−1に観測されるイソシアナト基の吸収スペクトルがほぼ消失したことを確認したのち、末端封止剤としてイソブタノール(和光純薬製)0.17gを加え、更に110℃にて1時間反応を行った。室温まで放冷することで、粘稠なペースト状ウレタン樹脂組成物102.48gが析出・沈殿した。
得られたペースト状ウレタン樹脂組成物の固形分の酸価は90mgKOH/g、重量平均分子量は6.6×10であった。
合成例3:1,3−プロパンジオール系ポリウレタン樹脂
滴下ロート、撹拌装置、温度測定用熱電対、リービッヒ冷却管を備えた500mL4つ口セパラブルフラスコに、ジオール化合物(c1)として1,3−プロパンジオール(炭素原子数3、分子量76、東京化成工業製)を4.74g、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(c2)としてジメチロールブタン酸(日本化成製)を11.51g、溶媒としてエチルカルビトールアセテート(ダイセル製)を108.20g仕込み、50℃で全ての原料を溶解した。滴下ロートにより、ジイソシアネート化合物(c3)としてイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン製、製品名デスモジュール(登録商標)I)31.00gを5分かけて滴下した。滴下終了後、1時間かけて110℃まで昇温したのち、110℃にて5時間反応を行った。赤外線吸収スペクトルで2270cm−1に観測されるイソシアナト基の吸収スペクトルがほぼ消失したことを確認したのち、末端封止剤としてイソブタノール0.17g(和光純薬製)を加え、更に110℃にて1時間反応を行った。室温まで放冷することで、粘稠なペースト状ウレタン樹脂組成物96.02gが析出・沈殿した。
得られたペースト状ウレタン樹脂組成物の固形分の酸価は88mgKOH/g、重量平均分子量は5.7×10であった。
合成例4:ジエチレングリコール系ポリウレタン樹脂
滴下ロート、撹拌装置、温度測定用熱電対、リービッヒ冷却管を備えた500mL4つ口セパラブルフラスコに、ジオール化合物(c1)としてジエチレングリコール(炭素原子数4、分子量106、和光純薬製)を6.58g、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(c2)としてジメチロールブタン酸(湖州長盛化工製)を11.41g、溶媒としてエチルカルビトールアセテート(ダイセル製)を114.05g仕込み、50℃で全ての原料を溶解した。滴下ロートにより、ジイソシアネート化合物(c3)としてイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン製、製品名デスモジュール(登録商標)I)30.93gを5分かけて滴下した。滴下終了後、1時間かけて110℃まで昇温したのち、110℃にて5時間反応を行った。赤外線吸収スペクトルで2270cm−1に観測されるイソシアナト基の吸収スペクトルがほぼ消失したことを確認したのち、末端封止剤としてイソブタノール0.17g(和光純薬製)を加え、更に110℃にて1時間反応を行った。室温まで放冷することで、粘稠なペースト状ウレタン樹脂組成物84.67gが析出・沈殿した。
得られたペースト状ウレタン樹脂組成物の重量平均分子量は7.1×10であった。
合成例5:1,12−ドデカンジオール系ポリウレタン樹脂
滴下ロート、撹拌装置、温度測定用熱電対、リービッヒ冷却管を備えた500mL4つ口セパラブルフラスコに、ジオール化合物(c1)として1,12−ドデカンジオール(炭素原子数12、分子量202、東京化成工業製)を10.53g、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(c2)としてジメチロールブタン酸(湖州長盛化工製)を12.89g、溶媒としてエチルカルビトールアセテート(ダイセル製)を126.71g仕込み、70℃で全ての原料を溶解した。滴下ロートにより、ジイソシアネート化合物(c3)としてイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン製、製品名デスモジュール(登録商標)I)30.94gを5分かけて滴下した。滴下終了後、15分かけて110℃まで昇温したのち、110℃にて5時間反応を行った。赤外線吸収スペクトルで2270cm−1に観測されるイソシアナト基の吸収スペクトルがほぼ消失したことを確認したのち、末端封止剤としてイソブタノール0.19g(和光純薬製)を加え、更に110℃にて1時間反応を行った。室温まで放冷することで、粘稠なペースト状ウレタン樹脂組成物110.5gが析出・沈殿した。
得られたペースト状ウレタン樹脂組成物の重量平均分子量は8.7×10であった。
合成例6:1,4−ベンゼンジメタノール系ポリウレタン樹脂
滴下ロート、撹拌装置、温度測定用熱電対、リービッヒ冷却管を備えた500mL4つ口セパラブルフラスコに、ジオール化合物(c1)として1,4−ベンゼンジメタノール(炭素原子数8、分子量138、東京化成工業製)を7.88g、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(c2)としてジメチロールブタン酸(湖州長盛化工製)を12.16g、溶媒としてエチルカルビトールアセテート(ダイセル製)を118.94g仕込み、55℃で全ての原料を溶解した。滴下ロートにより、ジイソシアネート化合物(c3)としてイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン製、製品名デスモジュール(登録商標)I)30.90gを5分かけて滴下した。滴下終了後、1時間かけて110℃まで昇温したのち、110℃にて5時間反応を行った。赤外線吸収スペクトルで2270cm−1に観測されるイソシアナト基の吸収スペクトルがほぼ消失したことを確認したのち、末端封止剤としてイソブタノール0.18g(和光純薬製)を加え、更に110℃にて1時間反応を行った。室温まで放冷することで、粘稠なペースト状ウレタン樹脂組成物110.62gが析出・沈殿した。
得られたペースト状ウレタン樹脂組成物の重量平均分子量は9.4×10であった。
合成例7:ポリエチレングリコール400系ポリウレタン樹脂
滴下ロート、撹拌装置、温度測定用熱電対、リービッヒ冷却管を備えた500mL4つ口セパラブルフラスコに、ジオール化合物(c1)としてポリエチレングリコール400(重量平均分子量400、日油製)を24.95g、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(c2)としてジメチロールブタン酸(日本化成製)を11.41g、溶媒としてエチルカルビトールアセテート(ダイセル製)を100.90g仕込み、55℃で全ての原料を溶解した。滴下ロートにより、ジイソシアネート(c3)としてイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン製、製品名デスモジュール(登録商標)I)30.90gを5分かけて滴下した。滴下終了後、1時間かけて110℃まで昇温したのち、110℃にて5時間反応を行った。赤外線吸収スペクトルで2270cm−1に観測されるイソシアナト基の吸収スペクトルがほぼ消失したことを確認したのち、末端封止剤としてイソブタノール0.17g(和光純薬製)を加え、更に110℃にて1時間反応を行った。室温まで放冷し、一様なウレタン樹脂溶液を得た。
得られたカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂組成物の重量平均分子量は1.0×10であった。
合成例8:ポリエステル系ポリウレタン樹脂
滴下ロート、撹拌装置、温度測定用熱電対、リービッヒ冷却管を備えた500mL4つ口セパラブルフラスコに、ジオール化合物(c1)としてマキシモール(登録商標)RLK−085(重量平均分子量550、川崎化成工業製)を34.27g、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(c2)としてジメチロールブタン酸(湖州長盛化工製)を11.41g、溶媒としてエチルカルビトールアセテート(ダイセル製)を76.68g仕込み、55℃で全ての原料を溶解した。滴下ロートにより、ジイソシアネート化合物(c3)としてイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン製、製品名デスモジュール(登録商標)I)30.93gを5分かけて滴下した。滴下終了後、1時間かけて110℃まで昇温したのち、110℃にて5時間反応を行った。赤外線吸収スペクトルで2270cm−1に観測されるイソシアナト基の吸収スペクトルがほぼ消失したことを確認したのち、末端封止剤としてイソブタノール0.22g(和光純薬製)を加え、更に110℃にて1時間反応を行った。室温まで放冷し、一様なウレタン樹脂溶液を得た。
得られたカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂組成物の重量平均分子量は2.0×10であった。
比較合成例1:ポリエチレングリコール1000系ポリウレタン樹脂
滴下ロート、撹拌装置、温度測定用熱電対、リービッヒ冷却管を備えた500mL4つ口セパラブルフラスコに、ジオール化合物(c1に非相当)としてポリエチレングリコール1000(重量平均分子量1000、日油製)を62.72g、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(c2)としてジメチロールブタン酸(湖州長盛化工製)を11.41g、溶媒としてエチルカルビトールアセテート(ダイセル製)を105.05g仕込み、60℃で全ての原料を溶解した。滴下ロートにより、ジイソシアネート化合物(c3)としてイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン製、製品名デスモジュール(登録商標)I)30.91gを5分かけて滴下した。滴下終了後、1時間かけて110℃まで昇温したのち、110℃で5時間反応を行った。赤外線吸収スペクトルで2270cm−1に観測されるイソシアナト基の吸収スペクトルがほぼ消失したことを確認したのち、末端封止剤としてイソブタノール0.17g(和光純薬製)を加え、更に110℃にて1時間反応を行った。室温まで放冷し、一様なウレタン樹脂溶液を得た。
得られたカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂組成物の固形分の酸価は42mgKOH/g、重量平均分子量は1.5×10であった。
比較合成例2:ポリテトラメチレングリコール系ポリウレタン樹脂
滴下ロート、撹拌装置、温度測定用熱電対、リービッヒ冷却管を備えた500mL4つ口セパラブルフラスコに、ジオール化合物(c1に非相当)としてポリテトラメチレングリコール1000(重量平均分子量1000、三菱化学製)を62.69g、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(c2)としてジメチロールブタン酸(湖州長盛化工製)11.41g、溶媒としてエチルカルビトールアセテート(ダイセル製)104.99gを仕込み、60℃で全ての原料を溶解した。滴下ロートにより、ジイソシアネート化合物(c3)としてイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン製、製品名デスモジュール(登録商標)I)30.94gを5分かけて滴下した。滴下終了後、1時間かけて110℃まで昇温したのち、110℃で5時間反応を行った。赤外線吸収スペクトルで2270cm−1に観測されるイソシアナト基の吸収スペクトルがほぼ消失したことを確認したのち、末端封止剤としてイソブタノール0.20g(和光純薬製)を加え、更に110℃にて1時間反応を行った。室温まで放冷し、一様なウレタン樹脂溶液を得た。
得られたカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂組成物の重量平均分子量は2.4×10であった。
比較合成例3:ポリカーボネートジオール系ポリウレタン樹脂
滴下ロート、撹拌装置、温度測定用熱電対、リービッヒ冷却管を備えた500mL4つ口セパラブルフラスコに、ポリカーボネートジオール化合物(c1非相当)としてクラレポリオールC−1015N(重量平均分子量1000、クラレ製)を62.05g、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(c2)としてジメチロールブタン酸(湖州長盛化工製)11.41g、溶媒としてエチルカルビトールアセテート(ダイセル製)104.49gを仕込み、55℃で全ての原料を溶解した。滴下ロートにより、ジイソシアネート化合物(c3)としてイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン製、製品名デスモジュールI)30.94gを5分かけて滴下した。滴下終了後、1時間かけて110℃まで昇温したのち、110℃で5時間反応を行った。赤外線吸収スペクトルで2270cm−1に観測されるイソシアナト基の吸収スペクトルがほぼ消失したことを確認したのち、末端封止剤としてイソブタノール0.18g(和光純薬製)を加え、更に110℃にて1時間反応を行った。室温まで放冷し、一様なウレタン樹脂溶液を得た。
得られたカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂組成物の固形分の酸価は44mgKOH
/g、重量平均分子量は2.0×10であった。
比較合成例4:ポリエチレングリコール600系ポリウレタン樹脂
滴下ロート、撹拌装置、温度測定用熱電対、リービッヒ冷却管を備えた500mL4つ口セパラブルフラスコに、ジオール化合物(c1非相当)としてポリエチレングリコール600(重量平均分子量600、日油製)を36.82g、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物(c2)としてジメチロールブタン酸(日本化成製)を11.42g、溶媒としてエチルカルビトールアセテート(ダイセル製)を79.30g仕込み、55℃で全ての原料を溶解した。滴下ロートにより、ジイソシアネート化合物(c3)としてイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン製、製品名デスモジュール(登録商標)I)30.90gを5分かけて滴下した。滴下終了後、1時間かけて110℃まで昇温したのち、110℃で5時間反応を行った。赤外線吸収スペクトルで2270cm−1に観測されるイソシアナト基の吸収スペクトルがほぼ消失したことを確認したのち、末端封止剤としてイソブタノール0.17g(和光純薬製)を加え、更に110℃にて1時間反応を行った。室温まで放冷し、一様なウレタン樹脂溶液を得た。
得られたカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂組成物の固形分の酸価は61mgKOH/g、重量平均分子量は1.5×10であった。
実施例1〜11及び比較例1〜7
導電パターン形成
銀粒子として、福田金属箔粉工業株式会社製AgC239(扁平形状、D50=2.3μm)およびトクセン工業株式会社製N300(扁平形状、D50=360nm)を用い、表1に示す各成分及び配合割合(質量部[g])で、自転・公転ミキサーあわとり練太郎(シンキー製)を用いて常温常圧下で混合し(自転600rpm、公転1200rpmで3分間を3回)、10gの導電性ペーストを調製した。なお、使用した分散媒は、日本テルペン化学株式会社製ターピネオールC(2−(4−メチルシクロヘキサ−3−エニル)プロパン−2−オール、α−, β−, γ−ターピネオールの異性体混合物)および株式会社ダイセル製エチルカルビトールアセテート(ECA)である。得られた導電性ペーストを使用し、スクリーン印刷にて膜厚10μm以上の2cm×2cmの正方形パターンとなるように、ポリイミドフィルム(製品名カプトン(登録商標)150EN−C、東レ・デュポン製)上に印刷した。インクパターン形成後、恒温器エタックHS350(楠本化成製)を使用して、空気下140℃×1時間の条件で熱焼成し導電パターンとした。
性能評価
(1)体積抵抗率
前述の前記導電パターンの膜厚をマイクロメータで測定したのち、導電パターンの表面抵抗を4端子法に基づく「抵抗率計ロレスタGP(三菱化学アナリテック製)で測定した。測定モードおよび使用端子はESPモードを用いた。得られた膜厚に表面抵抗を乗じて、薄膜の体積抵抗率とした。
(2)密着性
前記導電パターンに、カッターナイフとクロスカットガイドCCJ−1(コーテック製)を用いて1mm間隔で切り込みを11本入れた後、90°向きを変えてさらに11本引いて100個の1mm角のマス目を形成した。カットした印刷面に付着するようにセロハン粘着テープを貼りつけ、セロハン粘着テープ上をこすって塗膜にテープを付着させた。テープを付着させてから1〜2分後にテープの端を持って印刷面に直角に保ち、瞬間的に引きはがした。剥離したマス目の数を碁盤目剥離とした。
実施例1〜11及び比較例1〜7における性能評価結果を表1に示す。
Figure 2016173933
実施例1〜11はいずれも基材との密着性が良好であり、かつ比較例1〜7に比べて体積抵抗値が5×10−5Ω・cm未満と小さく導電性も良好であることが示唆された。

Claims (7)

  1. (A)導電性粉末、(B)分散媒、及び(C)バインダー樹脂を含み、
    前記(C)バインダー樹脂が
    (c1)分子量または重量平均分子量が570以下であるジオール化合物
    (c2)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物、並びに
    (c3)ジイソシアネート化合物
    を重付加反応することによって得られる構造を有するカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂であり、
    前記(B)分散媒の含有量が、(A)導電性粉末100質量部に対して5〜100質量部であり、かつ、(C)バインダー樹脂の含有量が、(A)導電性粉末100質量部に対して1〜15質量部であることを特徴とする導電性ペースト。
  2. (c1)分子量または重量平均分子量が570以下であるジオール化合物の炭素原子数が2〜20である請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. (c1)分子量または重量平均分子量が570以下であるジオール化合物が、アルキレンオキサイド単位を含むジオールである請求項1または2に記載の導電性ペースト。
  4. (c1)分子量または重量平均分子量が570以下であるジオール化合物が、エステル結合を含むジオールである請求項1に記載の導電性ペースト。
  5. (c2)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物が、ジメチロールブタン酸である請求項1〜4に記載の導電性ペースト。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ペーストを用いてなる導電パターン。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ペーストを基材上に塗布または印刷する工程、及び加熱する工程を含む導電パターンの製造方法。
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