JPWO2018092762A1 - 導電性ペースト、導電性膜、導電性膜の製造方法、導電性微細配線、導電性微細配線の製造方法。 - Google Patents

導電性ペースト、導電性膜、導電性膜の製造方法、導電性微細配線、導電性微細配線の製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザーエッチング性に優れる微細配線の形成に有用な導電性膜を実現する導電性ペーストを提供する。【解決手段】中心径D50が0.5μm以上、5μm以下であり、好ましくはタップ密度が2.0g/cm3以上の銀粉、数平均分子量が3,000〜100,000、酸価が20〜500eq./106のフェノキシ樹脂を60重量%以上含有するバインダ樹脂、溶剤、好ましくは25℃以上にて固体の分散剤を混合分散後に濾過し、ISO 1524:2013に規定されるGrind Gageにより得られる分散度が10μm以下である導電ペーストを得る。得られた導電ペーストを無機薄膜が形成された機材に塗布乾燥硬化し、レーザーエッチングにより微細配線を得る。【選択図】 なし

Description

本発明の目的は、タッチパネル等に用いられる、透明導電薄膜と近接して形成される微細配線を形成するために好適に用いられる導電性ペーストを提供することにあり、また、プリンテッド・エレクトロニクスにおいて、TFTベース電極を形成する際に、高表面平滑性を持つ電極回路配線を問題なく製造することができる導電性ペーストを提供することにある。
近年、携帯電話や、ノートパソコン、電子書籍などに代表される透明タッチパネルを搭載する電子機器の高性能化と小型化が急激に進んでいる。これらの電子機器の高性能化と小型化には、搭載される電子部品の小型化、高性能化、集積度の向上に加え、これら電子部品相互を接合する電極回路配線の高密度化が求められている。透明タッチパネルの方式として電極回路配線の数が少ない抵抗膜方式に加え、電極回路配線の数が飛躍的に多い静電容量方式の普及が近年急速に進んでおり、このような観点から電極回路配線の高密度化が強く求められている。また、ディスプレイ画面をより大きくするために、また商品デザイン上の要求により、電極回路配線が配置される額縁部をより狭くしたいとの要求があり、このような観点からも電極回路配線の高密度化が求められている。以上のような要求を満たすために、従来以上の電極回路配線の高密度配置を行うことができる技術が求められている。
抵抗膜方式の透明タッチパネルの額縁部分の電極回路配線の配置密度は、平面方向のラインとスペースの幅が各々200μm(以下、L/S=200/200μmというように略記する)以上程度であり、これを導電性ペーストのスクリーン印刷によって形成することが従来から行われている。静電容量方式のタッチパネルでは、L/Sの要求は100/100μm程度以下となっており、さらにはL/Sが50/50μm以下を求められる場合もあり、スクリーン印刷による電極回路配線形成技術では対応困難な状況になりつつある。
スクリーン印刷に替わる電極回路配線形成技術の候補の一例として、フォトリソグラフィ法が挙げられる。フォトリソグラフィ法を用いれば、L/Sが50/50μm以下の細線を形成することも十分に可能である。しかしながらフォトリソグラフィ法にも課題がある。フォトリソグラフィ法の最も典型的な事例は感光性レジストを用いる手法であり、一般的には、銅箔層を形成した表面基板の銅箔部位に感光性レジストを塗布し、フォトマスクあるいはレーザー光の直接描画等の方法により所望のパターンを露光し、感光性レジストの現像を行ない、その後、所望のパターン以外の銅箔部位を薬品で溶解・除去することにより、銅箔の細線パターンを形成させる。このため、廃液処理による環境負荷が大きく、さらには工程が煩雑であり、生産効率の観点、コスト的観点を含め多くの課題を抱えている。
さらに近年のプリンテッド・エレクトロニクスでは、印刷によりトランジスタなどの能動素子を作製する技術が実現しつつある。かかる用途においては微細配線と同時に膜厚の均一性、薄膜化が要求される。
特許文献1には、無機粉末と、カルボキシル基含有樹脂と、ガラスフリットと、溶剤からなるペーストを基板上に塗布する塗布工程と、塗布された前記ペーストを乾燥し、乾燥塗膜を形成する乾燥工程と、 レーザー照射により、前記乾燥塗膜にパターンを描画するレーザー照射工程と、アルカリ溶液を用いて、前記パターンを現像する現像工程と、を含むパターン形成方法、が開示されている。かかる提案はレーザーによるペースト樹脂成分中の樹脂成分を除去することによりパターン化を行う点が、一般的なフォトリソグラフィと異なるが、アルカリ溶液による洗浄が必要な点で従来のフォトリソグラフィ法の欠点を解消したとは云えない。
特許文献2には、AlN粉末、ガラスフリット及び溶剤を含むペーストを基板上に塗布する塗布工程と、 塗布された前記ペーストを乾燥し、乾燥塗膜を形成する乾燥工程と、 レーザー光の照射により、前記乾燥塗膜に導電パターンを描画するレーザー描画工程と、前記乾燥塗膜のうち、前記レーザー光の未照射部分を、現像液を用いて除去する現像工程とを含むことを特徴とする導電パターン形成方法が開示されている。かかる発明も、パターニングにレーザーを使用する点では前記技術と同様であり、洗浄を必須とする点で、従来のフォトリソグラフィ法の欠点を解消した物とは云えない。
本出願人等は、かかる状況の解消を目指し、特許文献3に示す技術を提案している。すなわち、酸価50〜300eq./106gであるポリエステル樹脂および酸価50〜300eq./106gであるポリウレタン樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物からなるバインダ樹脂(A)、金属粉(B)および有機溶剤(C)を含有し、前記バインダ樹脂(A)が、数平均分子量が5,000〜60,000であり、なおかつ、ガラス転移温度が60〜100℃である熱可塑性樹脂であることを特徴とする、レーザーエッチング加工用導電性ペーストである。本提案に開示された技術によれば、高出力のレーザー光による熱アブレーションにより不要部分の導電層全体を除去して微細線の加工が可能である。しかしながら、さらなる微細線化、狭いピッチ化には、線幅だけでなく線間幅を狭める必要があり、当該技術においてもさらなる改良が要求されていた。
特開2010−237573号公報 特開2011−181338号公報 特開2015−127958号公報
本発明の目的は、タッチパネル等に用いられる、透明導電薄膜と近接して形成される微細配線を形成するために好適に用いられる導電性ペーストを提供することにあり、また、TFTベース電極を形成する際に、高表面平滑性を持つ電極回路配線を問題なく製造することができる導電性ペーストを提供することにある。
本発明者らは高表面平滑性を持つ電極回路配線を配置する導電性ペーストについて鋭意検討した結果、導電性膜を形成するのに適する導電性ペーストを見出した。すなわち、本願発明は以下の構成からなるものである。
[1] 少なくとも熱可塑性および/または熱硬化性樹脂からなるバインダ樹脂、銀粉および有機溶剤を含有する導電性ペーストにおいて、
前記銀粉の中心径D50が0.5μm以上、5μm以下であり、
前記バインダ樹脂が、数平均分子量が3,000〜100,000、酸価が20〜500eq./106のフェノキシ樹脂を60重量%以上含有することを特徴とする導電ペースト。
[2] [1]に記載の導電ペーストを、表面粗さが0.1μm以下の表面を有する無機薄膜層が形成された高分子フィルム上に塗布し、乾燥硬化することによる、表面粗さRaが0.4μm以下である導電性膜の製造方法。
[3] 高分子フィルム、または表面粗さが0.1μm以下無機薄膜層を表面に有する高分子フィルムのいずれかを基材とする、
少なくとも数平均分子量が3,000〜100,000、酸価が20〜500eq./106のフェノキシ樹脂硬化物および導電性粒子からなり、線幅が100μm以下、線間幅が100μm以下である導電性微細配線。
[4] 前記導電性微細配線の線間幅が50μm以下であり、かつ線間幅が導電性膜の厚さの4倍以下である事を特徴とする[3]に記載の導電性微細配線。
[5] 前記導電性微細配線の線幅が50μm以下で有り、かつ導電性膜の厚さの3.5倍以下である事を特徴とする[3]または[4]記載の導電性微細配線。
[6] [2]に記載の導電性膜の不要部分を、レーザー光にて除去することによる[3]から[5]のいずれかに記載の導電性微細配線の製造方法。
本発明はさらに以下の構成を有する。
[7] 少なくとも熱可塑性および/または熱硬化性樹脂からなるバインダ樹脂、銀粉および有機溶剤を含有する導電性ペーストにおいて、
前記銀粉の中心径D50が0.5μm以上、5μm以下であり、
前記銀粉のタップ密度が2.0g/cm3以上であり、
前記バインダ樹脂が、数平均分子量が3,000〜100,000のフェノキシ樹脂を60重量%以上含有し、ISO 1524:2013に規定されるGrind Gageにより得られる分散度が10μm以下であることを特徴とする導電ペースト。
[8] 少なくとも、中心径D50が0.5μm以上、5μm以下であり、タップ密度が2.0g/cm3以上である銀粉、 数平均分子量が3,000〜100,000のフェノキシ樹脂を60重量%以上含有するバインダ樹脂、溶剤、分散剤を含む組成物を三本ロールミルにて混合分散した後に、目開き1μm以上25μmのフィルターにて濾過することを特徴とする[7]記載の導電ペーストの製造方法。
[9] [8]の製造方法により得られた導電ペーストを、表面粗さが0.1μm以下の表面を有する無機薄膜層が形成された高分子フィルム上にスクリーン印刷し、乾燥硬化することによる、表面粗さRaが00.4μm以下である導電性膜の製造方法。
[10] [9]の製造方法にて得られた導電性膜の不要部分を、レーザー光にて除去することを特徴とする、表面粗さRaが0.4以下であり、線幅が100μm以下で有り、線間が100μm以下である導電性微細配線の製造方法。
さらに本発明では、以下の構成を含む事が好ましい。
[11] ISO 1524:2013に規定されるGrind Gageにより得られる分散度が10μm以下であることを特徴とする[1]に記載の導電ペースト。
[12] 前記混合分散後に、目開き1μm以上25μmのフィルターにて濾過することを特徴とする[1]または[11]に記載の導電ペーストの製造方法。
さらに本発明では、以下の構成を含む事が好ましい。
[15] 少なくとも、数平均分子量が3000〜100000のフェノキシ樹脂とブロックイソシアネートからなる反応硬化物と、中心径D50が0.5μm以上である銀粉を含有し、塗膜の表面粗さRaが0.4以下である事を特徴とする、レーザーエッチング用導電塗膜。
[16] 前記分散剤が25℃にて固体であり、かつ、銀粉、バインダ樹脂の溶剤溶液、分散剤を一括で混合分散することを特徴とする[2]に記載の導電ペーストの製造方法。
[17] 前記フェノキシ樹脂の酸価が20当量/10g以上500当量/10g以下であることを特徴とする[7]記載の導電ペースト。
[18] 前記フェノキシ樹脂の酸価が20当量/10g以上500当量/10g以下であることを特徴とする[8]記載の導電ペーストの製造方法。
[19] 前記フェノキシ樹脂の酸価が20当量/10g以上500当量/10g以下であることを特徴とする[9]記載の導電性膜の製造方法。
[20] 前記フェノキシ樹脂の酸価が20当量/10g以上500当量/10g以下であることを特徴とする[10]記載の導電性微細配線の製造方法。
本発明の導電性ペーストは、酸価が20〜500eq./106のフェノキシ樹脂をバインダとして用いる事によりスクリーン印刷にて形成した塗膜の表面粗さRaが0.4μm以下であり、湿熱試験後の基材との接着性に優れる導電膜を形成できる導電性ペーストであり、このような構成をとることによって、線幅、線間幅ともに微細化が可能で、タッチパネルなどに要求される微細配線ならびにプリンテッドエレクトロニクスによるTFTゲート電極等、ベース、コレクタ、エミッタ電極などに適した導電性膜を形成できることができる。
また本発明の導電性ペーストは、熱可塑性および/または熱硬化性樹脂を含む有機成分、銀粉および有機溶剤を含有する導電性ペーストにおいて、前記有機成分中にバインダ樹脂を含み、スクリーン印刷にて形成した塗膜の表面粗さRaが0.4μm以下であることを特徴とする導電性ペーストであり、このような構成をとることによって、TFTベース電極に適した導電性膜を形成できることができる。
また本発明では好ましくは特定の配合方法によりペーストを混合分散し、濾過工程を経ることにより所定の分散度が得られ、結果として表面が平滑で、レーザーエッチング適正に優れる導電性膜を得ることができる。
<<本発明の導電性ペーストを構成する成分>>
本発明の導電性ペーストは、熱可塑性および/または熱硬化性樹脂を含む有機成分、銀粉および有機溶剤を含有し、前記有機成分中にバインダ樹脂を必須成分として含有する。本発明における有機成分とは、導電性ペースト中の無機成分と有機溶剤とを除いた、全ての部分のことを指す。
<バインダ樹脂>
本発明では、数平均分子量が3,000〜100,000、酸価が20〜500eq./106のフェノキシ樹脂を60重量%以上含有するバインダ樹脂を必須とする。
本発明におけるフェノキシ樹脂とは、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンより合成されるポリヒドロキシポリエーテルである。本発明におけるバインダ樹脂として用いられるフェノキシ樹脂とは、たとえば、ビスフェノールA型、ビスフェノールA/F共重合型、ビスフェノールS型、ビスフェノールA/S共重合型が挙げられる。このうち基材密着性の観点より、ビスフェノールA型から得られるフェノキシ樹脂を好ましく用いる事ができる。
本発明におけるフェノキシ樹脂の酸価は20eq./106g以上500eq./106g以下であることが好ましく、30eq./106g以上200eq./106g以下であることがより好ましい。有機成分中の酸価は基材密着性、特に湿熱試験後の密着性を向上させるが、高すぎると有機成分の加水分解を促進し導電性や基材密着性を損なう恐れがある。また耐マイグレーション性にも悪影響を及ぼす恐れがある。
フェノキシ樹脂の酸価を、所定の範囲に収めるには、フェノキシ樹脂と酸無水物を反応させることによる。本発明では酸無水物として、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、水添トリメリット酸、無水フタル酸、無水マレイン酸などを用いる事ができる。触媒としては、ピリジン系触媒、ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン等を使用できる。また、高酸価のフェノキシ樹脂と、低酸価のフェノキシ樹脂を配合して、所定の酸価に調整する手法も有効である。
本発明では所定の酸価のフェノキシ樹脂以外の樹脂を配合することができる。バインダ樹脂の種類は熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、スチレンーアクリル樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、フェノール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、スチレンーアクリル樹脂、スチレンーブタジエン共重合樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合、ポリスチレン、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独で、あるいは2種以上の混合物として、使用することができる。ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、繊維素誘導体樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることが好ましい。。
本発明におけるフェノキシ樹脂の数平均分子量は特に限定はされないが、数平均分子量が3,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは8000〜50000である。数平均分子量が低すぎると、形成された導電性膜の耐久性、耐湿熱性の面で好ましくない。一方、数平均分子量が高すぎると、樹脂の凝集力が増し、導電性膜としての耐久性等は向上するものの、表面平滑性が顕著に悪化する。
本発明におけるフェノキシ樹脂のガラス転移温度は60℃以上であることが好ましく、65℃以上であることがより好ましい。ガラス転移温度が低いと導電性膜としての湿熱後信頼性が低下する恐れがあり、また表面硬度の低下を誘発しタック性により使用の際に接触相手側へのペースト含有成分の移行が生じて導電性膜信頼性が低下するおそれがある。一方バインダ樹脂のガラス転移温度は印刷性、密着性、溶解性、ペースト粘度を考慮すると、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましい。
<銀粉>
本発明に用いられる銀粉の形状は特に限定されない。従来から知られている形状の例としては、フレーク状(リン片状)、球状、樹枝状(デンドライト状)、特開平9−306240号公報に記載されている球状の1次粒子が3次元状に凝集した形状(凝集状)等がある。
本発明に用いられる銀粉の中心径(D50)は0.5μm以上であることが好ましい。中心径が0.5μm以下のものを用いた場合には、導電パスが良好に形成されず、導電性悪化を招く可能性がある。また粒径が細かくなると凝集し易く、結果として分散が困難となるため、中心径は0.5μm以上であることが好ましい。
なお、中心径(D50)とは、何らかの測定方法によって得られた累積分布曲線(体積)において、その累積値が50%となる粒径(μm)のことである。本発明においては、累積分布曲線をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(日機装(株)製、MICROTRAC HRA)を用い全反射モードで測定することとする。
本発明に用いられる銀粉のタップ密度は2.0g/cm3以上であることが好ましい。タップ密度が低いと塗膜内の銀充填度が低くなり、結果として表面平滑性が悪化する。タップ密度の上限は特に限定されないが好ましくは9.0g/cm3、さらに好ましくは7.5g/cm3、さらに好ましくは5.5g/cm3である。
銀粉の含有量は、形成された導電性膜の導電性が良好であるという観点から、バインダ樹脂100質量部に対して、400質量部以上が好ましく、560質量部以上がより好ましい。また、成分の含有量は、基材との密着性において良好であるという観点から、熱可塑性樹脂100質量部に対して、1,900質量部以下が好ましく、1,230質量部以下がより好ましい。
<有機溶剤>
本発明に用いることのできる有機溶剤は、とくに限定されないが、有機溶剤の揮発速度を適切な範囲に保つ観点から、沸点が100℃以上、300℃未満であることが好ましく、より好ましくは沸点が150℃以上、280℃未満である。本発明の導電性ペーストは、典型的には熱可塑性樹脂、銀粉、有機溶剤および必要に応じてその他の成分を三本ロールミル等で分散して作製するが、その際に有機溶剤の沸点が低すぎると、分散中に溶剤が揮発し、導電性ペーストを構成する成分比が変化する懸念がある。一方で、有機溶剤の沸点が高すぎると、乾燥条件によっては溶剤が塗膜中に多量に残存する可能性があり、塗膜の信頼性低下を引き起こす懸念がある。
また、本発明に用いることのできる有機溶剤としては、バインダが可溶であり、かつ、銀粉を良好に分散させることができるものが好ましい。具体例としては、エチルジグリコールアセテート(EDGAC)、ブチルグリコールアセテート(BMGAC)、ブチルジグリコールアセテート(BDGAC)、シクロヘキサノン、トルエン、イソホロン、γ-ブチロラクトン、ベンジルアルコール、エクソン化学製のソルベッソ100,150,200、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アジピン酸、こはく酸およびグルタル酸のジメチルエステルの混合物(例えば、デュポン(株)社製DBE)、ターピオネール等が挙げられるが、これらの中で、バインダ樹脂の溶解性に優れ、連続印刷時の溶剤揮発性が適度でありスクリーン印刷法等による印刷に対する適性が良好であるという観点から、EDGAC、BMGAC、BDGACおよびそれらの混合溶剤が好ましい。
有機溶剤の含有量としては、ペースト全重量100重量部に対して5重量部以上、40重量部以下であることが好ましく、10重量部以上、35重量部以下であることがさらに好ましい。有機溶剤の含有量が高すぎるとペースト粘度が低くなりすぎ、細線印刷の際にダレを生じやすくなる傾向にある。一方で有機溶剤の含有量が低すぎると、ペーストとしての粘度が極めて高くなり、導電性膜を形成させる際の例えばスクリーン印刷性が顕著に低下する場合がある。
本発明の導電性ペーストには、炭素系フィラーを添加することができる。例としては、カーボンブラック、グラファイト粉、ケッチェンブラックなどの炭素系のフィラーを挙げることができる。前記炭素系フィラーの含有量としては銀粉100重量部に対し、0.1〜5重量部であることが好ましく、0.3〜2重量部であることがより好ましい。
本発明の導電性ペーストには、下記の無機物を添加することができる。無機物としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブテン、炭化カルシウム、ダイヤモンドカーボンラクタム等の各種炭化物;窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物;酸化チタン(チタニア)、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、シリカ、フュームドシリカ(例えば日本アエロジル社製のアエロジル)コロイダルシリカ等の各種酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物;二硫化モリブデン等の硫化物;フッ化マグネシウム、フッ化炭素等の各種フッ化物;ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸;その他、滑石、ベントナイト、タルク、炭酸カルシウム、ベントナイト、カオリン、ガラス繊維、雲母等を用いることができる。これらの無機物を添加することによって、印刷性や耐熱性、さらには機械的特性や長期耐久性を向上させることが可能となる場合がある。中でも、本発明の導電性ペーストにおいては、耐久性、印刷適性、特にスクリーン印刷適性を付与するという観点でフュームドシリカが好ましい。
本発明の導電性ペーストには、添加剤として分散剤、表面調整剤、消泡剤、レオロジーコントロール剤を配合することができる。さらにはカルボジイミド、エポキシ等を適宜配合することもできる。これらは単独でもしくは併用して用いることができる。これらはペーストに添加することでペーストのレオロジーを変化せしめ、表面平滑性を向上させる場合がある。
分散剤の例としては、Disperbyk-2155などが挙げられ、さらにラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチンサン、マルガリン酸、ステアリン酸などのモノカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸等のジカルボン酸、マレイン酸、ダイマー酸等の炭素数12〜28の二塩基酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、2−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールA、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールS、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸、水素添加ナフタレンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、ヒドロキシ安息香酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸を挙げることができる。また無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の三価以上のカルボン酸、フマール酸等の不飽和ジカルボン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸等のカルボン酸ジオールを挙げることができる。
本発明ではこれらの内、25℃にて固体の脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸を分散剤として用いる事が好ましい。具体的にはラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチンサン、マルガリン酸、ステアリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸等のジカルボン酸、マレイン酸等を例示できる。
さらに本発明ではこれらの固体脂肪酸の内、60℃〜150℃に融点を有する化合物が分散剤として好ましい。かかる分散剤は、ペースト硬化時の温度条件にて溶剤が揮発すると共に析出するが、同時に自らが融点に達するために液状化し、ペースト硬化膜を平滑化する効果を発揮する。
本発明における、その他の表面調整剤、消泡剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤としては、インクないしペーストに使用される公知の添加剤を必要に応じて使用すれば良い。
<硬化剤>
本発明の導電性ペーストには、バインダ樹脂と反応し得る硬化剤を、本発明の効果を損なわない程度に配合してもよい。硬化剤を配合することにより、硬化温度が高くなり、生産工程の負荷が増す可能性はあるが、塗膜乾燥に発生する熱による架橋で塗膜の耐湿熱性の向上が期待できる。
本発明のバインダ樹脂に反応し得る硬化剤は、種類は限定しないが密着性、耐屈曲性、硬化性等からイソシアネート化合物および/またはエポキシ樹脂が特に好ましい。さらに、イソシアネート化合物に関しては、イソシアネート基をブロック化したものを使用すると、貯蔵安定性が向上し、好ましい。イソシアネート化合物以外の硬化剤としては、メチル化メラミン、ブチル化メラミン、ベンゾグアナミン、尿素樹脂等のアミノ樹脂、酸無水物、イミダゾール類、フェノール樹脂等の公知の化合物が挙げられる。これらの硬化剤には、その種類に応じて選択された公知の触媒あるいは促進剤を併用することもできる。硬化剤の配合量としては、本発明の効果を損なわない程度に配合されるものであり、特に制限されるものではないが、バインダ樹脂100質量部に対して、0.5〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましく、2〜20質量部がさらに好ましい。
本発明の導電性ペーストに配合することができるイソシアネート化合物の例としては、芳香族又は脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等があり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、等の芳香族ジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、あるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰量と例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子活性水素化合物又は各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物等と反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。また、イソシアネート基のブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノール等のフェノール類;アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール等のハロゲン置換アルコール類;t−ブタノール、t−ペンタノール等の第三級アルコール類;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタム等のラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステル等の活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、イミダゾール類、尿素類、ジアリール化合物類、重亜硫酸ソーダ等も挙げられる。このうち、硬化性よりオキシム類、イミダゾール類、アミン類が特に好ましい。
本発明において硬化剤として用いられるエポキシ化合物は、たとえば、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールSグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、ブロム化ビスなどのグリシジルエーテルタイプ、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステルタイプ、トリグリシジルイソシアヌレート、あるいは3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油などの脂環族あるいは脂肪族エポキサイドなどが挙げられ、一種単独で用いても二種以上を併用しても構わない。このうち硬化性の観点より、ビスフェノールAグリシジルエーテルが最も好ましく、その中でも分子量3000未満、一分子中にグリシジルエーテル基を2つ以上有するものがさらに好ましい。
<<本発明の導電性ペーストに求められる物性>>
本発明の導電性ペーストの粘度は特に限定されず、塗膜の形成方法に応じて適切に調整すればよい。例えば、導電性ペーストの基材への塗布をスクリーン印刷によって行う場合には、導電性ペーストの粘度は、印刷温度において100dPa・s以上、さらに好ましくは150dPa・s以上であることが好ましい。上限は特には限定しないが、粘度が高すぎると表面平滑性が低下する場合がある。
本発明の導電性ペーストは、F値が60〜95%であることが好ましく、より好ましくは75〜95%である。F値とはペースト中に含まれる全固形分100質量部に対するフィラー質量部を示す数値であり、F値=(フィラー質量部/固形分質量部)×100で表される。ここで言うフィラー質量部とは導電性粉末の質量部、固形分質量部とは溶剤以外の成分の質量部であり、導電性粉末、有機成分、その他の硬化剤や添加剤を全て含む。F値が低すぎると良好な導電性を示す導電性膜が得られず、F値が高すぎると導電性膜と基材との密着性及び/又は導電性膜の表面硬度が低下する傾向にあり、印刷性の低下も避けられない。尚、ここで導電性粉末とは、銀粉のことを指す。
本発明の導電ペーストは、ISO 1524:2013に規定されるGrind Gageにより得られる分散度が10μm以下であることが必須である。分散度がこの範囲を超えると、ペーストから得られる導電性膜表面に異常突起が増え、レーザーエッチングによる細線のキレが悪くなる。
<<本発明の導電性ペーストの製造方法>>
本発明の導電性ペーストは前述したように有機成分、銀粉、有機溶剤および必要に応じてその他の成分を三本ロール等で分散して作製することができる。ここで、より具合的な作製手順の例を示す。バインダ樹脂をまずは有機溶剤に溶解する。その後、銀粉ならびに、分散剤、必要に応じてその他の添加剤を添加し、ダブルプラネタリーやディゾルバー、遊星式の攪拌機等で分散を実施する。その後、三本ロールミルで分散して、導電性ペーストを得る。このようにして得られた導電性ペーストは必要に応じて濾過することができる。その他の分散機、例えばビーズミル、ニーダー、エクストルーダーなどを用いて分散しても何ら問題はない。
本発明では、ここで25℃にて固体である分散剤を用い、かつ、銀粉、バインダ樹脂の溶剤溶液、分散剤を一括で混合分散することが好ましい。
本発明では材料を混合分散した後に濾過を行う。導電性ペーストを濾過するフィルターとしての目開きはとくに限定されないが、25μm以下のフィルターが好ましく、さらに好ましくは20μm以下であり、最も好ましくは15μm以下である。目開きが25μmを超えるフィルターを用いた場合、導電性粉体の未分散物、粗大粒子、異物などが除去できなくなり、エッチング後の細線間に短絡が発生した結果、歩留りを悪化させる。
一方で、目開きは1μm以上が好ましく、これより細かくすると銀粉の粒子径によっては、濾過速度が顕著に落ち、最終的には濾過フィルターが目詰まりする。結果的には濾過フィルター交換回数が増え、生産効率が著しく低下する。
以上の工程を経て、本発明の、ISO 1524:2013に規定されるGrind Gageにより得られる分散度が10μm以下である導電ペーストを得ることができる。
<<本発明の導電性膜、導電性積層体およびこれらの製造方法>>
本発明の導電性ペーストを基材上に塗布または印刷して塗膜を形成し、次いで塗膜に含まれる有機溶剤を揮散させ塗膜を乾燥させることにより、本発明の導電性膜を形成することができる。導電性ペーストを基材上に塗布または印刷する方法はとくに限定されず、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、インクジェット印刷、反転印刷、マイクロコンタクト印刷等のあらゆる印刷方法に適用することが出来るが、特にスクリーン印刷法により印刷することが工程の簡便さおよび導電性ペーストを用いて電気回路を形成する業界で普及している技術である点から好ましい。
有機溶剤を揮散させる工程は、常温下および/または加熱下で行うことが好ましい。加熱する場合、乾燥後の導電性膜の導電性や密着性、表面硬度が良好となることから、加熱温度は80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、110℃以上がさらに好ましい。また、下地の透明導電性層の耐熱性、及び生産工程における省エネルギーの観点から、加熱温度は150℃以下が好ましく、135℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。本発明の導電性ペーストに硬化剤が配合されている場合には、有機溶剤を揮散させる工程を加熱下で行うと、硬化反応が進行する。
本発明の導電性膜の厚さは、用いられる用途に従って適切な厚さに設定すればよい。但し、乾燥後の導電性膜の導電性が良好であるという観点から、導電性膜の膜厚は0.5μm以上、30μm以下が好ましく、より好ましくは0.8μm以上、20μm以下であり、さらに好ましくは1.2μm以上、10μm以下であり、なおさらには1.6μm以上7μm以下である。導電性膜の膜厚が薄すぎると、回路としての所望の導電性が得られない可能性がある。また導電性膜の厚さは、レーザーエッチングにより形成される線幅、線間幅に影響するため、特に微細配線を要求される場合には必要以上に厚くしない方が良い。
本発明の導電性膜の表面粗度Raは0.40μm以下であることが必須である。表面粗度Raが高すぎるとレーザーエッチング工程においてレーザー光の散乱が顕著になり、細線のキレ(エッジの直線性)が低下する。
本発明では以上のようにして得られた導電性膜をレーザー光を用いて不要部分を除去し(レーザーエッチング)、微細配線を得る。本発明において用いられるレーザーとしては炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、YVOレーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザー、エキシマレーザー等を用いる事ができる。
本発明ではレーザーエッチングにより、線幅が100μm以下、線間幅が100μm以下である導電性微細配線が形成可能になる。本発明では好ましくは導電性微細配線の線間幅が50μm以下であり、かつ線間幅が導電性膜の厚さの4倍以下とすることができる。さらに本発明では前記導電性微細配線の線幅が35μm以下で有り、かつ線幅が導電性膜の厚さの3.5倍以下とすることができる。
本発明においてレーザーエッチングで得られる細線幅は100μm以下で有り、本発明においては導電膜の厚さの2.5倍程度の線幅を実現で可能であり、例えば、導電膜の厚さを10μmに調整した場合には最小線幅25μm、導電膜の厚さを5μmとした場合には線幅12.5μmを実現可能である。
本発明においてレーザーエッチングで得られる線間幅は100μm以下で有り、本発明においては導電膜の厚さの3倍程度の最小線間幅を実現で可能であり、例えば、導電膜の厚さを10μmに調整した場合には最小線間幅30μm、導電膜の厚さを5μmとした場合には最小線間幅15μmを実現可能である。
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例、比較例を挙げるが、本発明は実施例によってなんら限定されるものではない。尚、実施例、比較例に記載された各測定値は次の方法によって測定したものである。
<数平均分子量>
試料樹脂を、樹脂濃度が0.5重量%程度となるようにテトラヒドロフランに溶解し、孔径0.5μmのポリ四フッ化エチレン製メンブランフィルターで濾過し、GPC測定試料とした。テトラヒドロフランを移動相とし、島津製作所社製のゲル浸透クロマトグラフ(GPC)Prominenceを用い、示差屈折計(RI計)を検出器として、カラム温度30℃、流量1ml/分にて樹脂試料のGPC測定を行なった。尚、数平均分子量は標準ポリスチレン換算値とし、分子量1000未満に相当する部分を省いて算出した。GPCカラムは昭和電工(株)製のshodex KF−802、804L、806Lを用いた。
<酸価1>
試料樹脂0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、指示薬にフェノールフタレイン溶液を用い、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定を行った。酸価の単位はeq./106g、すなわち試料1メトリックトン当たりの当量とした。
<酸価2>
樹脂0.1gをベンジルアルコール/クロロホルム(1/1vo比l)混合溶媒10mlに溶解して得られた溶液を、ベンジルアルコール/メタノール(9/1vol比)混合溶媒に水酸化ナトリウム0.4gを溶解したアルカリ溶液で滴定することにより測定した。
<ガラス転移温度(Tg)>
試料樹脂5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製の示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、200℃まで、昇温速度20℃/分にて測定し、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
<ペースト粘度>
粘度の測定はサンプル温度25℃において、BH型粘度計(東機産業社製,)を用い、20rpmにおいて測定を実施した。
<分散度>
ISO 1524:2013に規定されるGrind Gageにより測定した。
<導電性積層体テストピース1の作成>
厚み100μmのアニール処理をしたPETフィルム(東レ社製ルミラーS)に、400メッシュのステンレススクリーンを用いてスクリーン印刷法により導電性ペーストを印刷し、幅25mm、長さ450mmのべた塗りパターンを形成し、次いで熱風循環式乾燥炉にて130℃で30分加熱したものを導電性積層体テストピースとした。なお、乾燥膜厚が5〜10μmになるように印刷時の塗布厚を調整した。
<密着性>
前記導電性積層体テストピース1を用いてJIS K−5400−5−6:1990に従って、セロテープ(登録商標)(ニチバン(株)製)を用い、剥離試験により評価した。但し、格子パターンの各方向のカット数は11個、カット間隔は1mmとした。100/100は剥離がなく密着性が良好なことを示し、0/100は全て剥離してしまったことを表す。
<湿熱試験>
試料を85℃85%RH1気圧に調整した高温高湿槽にて240時間暴露し、標準状態の室内に24時間以上整地した後に密着性試験を行い、湿熱試験評価とした。
<比抵抗>
前記導電性積層体テストピース1のシート抵抗と膜厚を測定し、比抵抗を算出した。膜厚はゲージスタンドST−022(小野測器社製)を用い、PETフィルムの厚みをゼロ点として硬化塗膜の厚みを5点測定し、その平均値を用いた。シート抵抗はMILLIOHMMETER4338B(HEWLETT PACKARD社製)を用いてテストピース4枚について測定し、その平均値を用いた。尚、本ミリオームメーターで検出できる範囲は1×10-2以下(Ω・cm)であり、1×10-2(Ω・cm)以上の比抵抗は測定限界外となる。
<表面粗度>
前記導電性積層体テストピース1において、表面粗さ計(ハンディーサーフ E-35B、東京精密社製、JIS-1994に基づき算出)を用い、表面粗さRaを測定した。
<レーザーエッチング性>
スクリーン印刷法により、ITO薄膜が形成されたポリエステル基材のITO上に、導電性ペーストを2.5×10cmの長方形にスクリーン印刷を用いて印刷塗布し、印刷塗布後、熱風循環式乾燥炉にて120℃で30分間の乾燥を行って導電性薄膜を得た。なお、ITO畳の表面粗さRは0.3μmであった。また、膜厚は4〜6μmとなるように印刷条件等を調整した。次いで、上記方法にて作成した導電性薄膜にレーザーエッチング加工を行い、以下に示す線幅/線間幅を描画し、各設定線幅/線間幅にて微細配線形成の有無を顕微鏡観察および、導通性、線間の短絡有無により確認し、長さ100mm以上の配線部分導通している場合、および長さ100mm以上の線間幅が電気的に短絡していない場合を微細配線形成が出来た、と判定した。
線幅/線間幅=100μm/100μm
線幅/線間幅= 70μm/ 70μm
線幅/線間幅= 50μm/ 50μm
線幅/線間幅= 50μm/ 40μm
線幅/線間幅= 50μm/ 35μm
線幅/線間幅= 50μm/ 30μm
線幅/線間幅= 50μm/ 25μm
線幅/線間幅= 50μm/ 20μm
線幅/線間幅= 40μm/ 40μm
線幅/線間幅= 40μm/ 35μm
線幅/線間幅= 40μm/ 30μm
線幅/線間幅= 40μm/ 25μm
線幅/線間幅= 40μm/ 20μm
線幅/線間幅= 40μm/ 15μm
線幅/線間幅= 35μm/ 35μm
線幅/線間幅= 35μm/ 30μm
線幅/線間幅= 35μm/ 25μm
線幅/線間幅= 35μm/ 20μm
線幅/線間幅= 35μm/ 15μm
線幅/線間幅= 35μm/ 10μm
線幅/線間幅= 30μm/ 30μm
線幅/線間幅= 30μm/ 25μm
線幅/線間幅= 30μm/ 20μm
線幅/線間幅= 30μm/ 15μm
線幅/線間幅= 30μm/ 10μm
線幅/線間幅= 25μm/ 25μm
線幅/線間幅= 25μm/ 20μm
線幅/線間幅= 25μm/ 15μm
線幅/線間幅= 25μm/ 10μm
線幅/線間幅= 20μm/ 20μm
線幅/線間幅= 20μm/ 15μm
線幅/線間幅= 20μm/ 10μm
なおレーザー光にはYAGレーザーを用い、ビーム最小径はそれぞれの線間幅の半分以下となるように調整した。また配線の導通性、線間の短絡有無は、印可電圧1.5Vのテスターを用いた。
<合成例>
<バインダ樹脂PH001>
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器に InChem製フェノキシ樹脂PKHCを400部投入した後、エチルジグリコールアセテート(EDGAC)489部を仕込み、85℃において溶解した。その後、無水トリメリット酸を1部加え、触媒としてジメチルアミノピリジンを0.19部、ジアザビシクロウンデセンを0.48部添加し、85℃で4時間反応させフェノキシ樹脂PH001の溶液を得た。
得られたフェノキシ樹脂溶液の固形分濃度は35質量%であった。このようにして得た樹脂溶液をポリプロピレンフィルム上に滴下し、ステンレス鋼製のアプリケーターを用いて延展し、樹脂溶液の薄膜を得た。これを120℃に調整した熱風乾燥機内に3時間静置して溶剤を揮散させ、次いでポリプロピレンフィルムから樹脂薄膜を剥がし、フィルム状の乾燥樹脂薄膜を得て、酸価測定などに用いた。
以下同様に原料を変えて変性操作を行い、表1に示す酸変性フェノキシ樹脂を得た。
[実施例1]
表1に示した酸変性フェノキシ樹脂PH001を固形分濃度が35質量%となるようにEDGACに溶解した溶液2857部(固形部換算1000部)、フレーク状銀粉1を8361部、硬化剤1を100部、レベリング剤を59部、添加剤1を34部、溶剤としてEDGACを164部配合し、チルド三本ロール混練り機に2回通して分散した。次いで、ペースト濾過機に635メッシュ(ステンレスメッシュフィルター(目開き20μm)の濾過フィルターを取り付け、上記ペーストの濾過を行った。その後、得られた導電性ペーストを所定のパターンに印刷後、130℃×30分間乾燥し、導電性膜を得た。本導電性膜を用いて基本物性を測定し、次いで表面平滑性の検討を行った。さらに耐湿熱試験、レーザーエッチングによる微細配線形成性を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2018092762
なお、表1において
フェノキシ樹脂1 InChme製PKHC 数平均分子量21000 Tg 67℃
フェノキシ樹脂2 新日鉄住金化学製YP-70 数平均分子量28000 Tg 60℃
フェノキシ樹脂3 三菱化学製 jER-1010 数平均分子量 8000 Tg 55℃
フェノキシ樹脂4 三菱化学製 jER-1002 数平均分子量 1000 Tg 54℃
(Tg:ガラス転移温度)
である。
[実施例2〜11][比較例1〜3]
導電性ペーストの樹脂および配合を変えて実施例2〜11、および比較例1〜3を実施した。結果を表2に示す。実施例においてはオーブン130℃×30分という比較的低温かつ短時間の加熱により良好な塗膜物性を得ることができた。またITO膜への密着性、湿熱環境試験後の密着性も良好であった。さらに良好なレーザーエッチングによる微細配線形成性を示した。
Figure 2018092762
なお表2において
バインダ樹脂 RV−200:
東洋紡製RV-200(ポリエステル樹脂、数平均分子量27000、Tg=67℃)、
銀粉1:凝集粉SF-2J (D50:1.4μm、タップ密度3.8g/cm3 )、
銀粉2:フレーク銀粉SF−70A(D50:2.4μm、タップ密度3.0g/cm3 )、
銀粉3:Ag2−1C(D50:0.9μm、タップ密度5.0g/cm3 ) 、
シリカ:日本アエロジル(株)製 #300、
カーボンブラック:ライオン(株)製ケッチェンECP600JD、
硬化剤1:旭化成ケミカルズ(株)製MF−K60X、
硬化剤2:バクセンデン製BI-7960、
硬化触媒:共同薬品(株)製KS1260、
レベリング剤:共栄社化学(株)MKコンク、
分散剤3:シュウ酸二水和物 融点101.5℃、
分散剤5:マロン酸 融点135℃、
分散剤12:マルガリン酸、融点61℃、
EDGAC:(株)ダイセル製エチルジグリコールアセテート、
BDGAC:(株)ダイセル製ブチルジグリコールアセテート、
である。
[実施例21]
フェノキシ樹脂PH−1を固形分濃度が35質量%となるようにEDGACに溶解した溶液2857部(固形部換算1000部)、フレーク状銀粉1を8361部、硬化剤1を100部、レベリング剤を59部、添加剤1を34部、溶剤としてEDGACを164部配合し、チルド三本ロール混練り機に2回通して分散した。次いで、ペースト濾過機に635メッシュ(ステンレスメッシュフィルター(目開き20μm)の濾過フィルターを取り付け、上記ペーストの濾過を行った。その後、得られた導電性ペーストを所定のパターンに印刷後、130℃×30分間乾燥し、導電性膜を得た。本導電性膜を用いて基本物性を測定し、次いで表面平滑性の検討を行った。ペーストおよびペースト塗膜の評価結果を表3に示した。
[実施例22〜53][比較例11〜14]
導電性ペーストの樹脂および配合を変えて実施例22〜53、および比較例11〜14を実施した。導電性ペーストの配合および評価結果を表3〜表6に示した。実施例においてはオーブン130℃×30分という比較的低温かつ短時間の加熱により良好な塗膜物性を得ることができた。またITO膜への密着性も良好であった。
なお、表3〜表6において、バインダ樹脂、導電粉末、添加剤及び溶剤は以下のものを用いた。
バインダ樹脂PH-1:
InChem製PKHB(フェノキシ樹脂、数平均分子量16000、Tg=64℃、酸価 3当量/10g)
バインダ樹脂PH-2:
InChem製PKHC(フェノキシ樹脂、数平均分子量21000、Tg=66℃、酸価 2当量/10g)
バインダ樹脂PH-3:InChme製PKHC変性物
(フェノキシ樹脂、数平均分子量21000、Tg=67℃、酸価 105当量/10g)
バインダ樹脂PH-4:
InChem製PKHH(フェノキシ樹脂、数平均分子量27000、Tg=67℃、酸価 2当量/10g)
バインダ樹脂PH-5:新日鉄住金化学製YP-50
(フェノキシ樹脂、数平均分子量27000、Tg=65℃、酸価 3当量/10g)
バインダ樹脂PH-6:新日鉄住金化学製YP-70
(フェノキシ樹脂、数平均分子量28000、Tg=60℃、酸価 1当量/10g )
バインダ樹脂PH-7:三菱化学製jER-1010
(フェノキシ樹脂、数平均分子量8000、Tg=55℃、酸価 2当量/10g)
バインダ樹脂PH-8:三菱化学製jER-1002
(フェノキシ樹脂、数平均分子量1000、Tg=54℃、酸価 3当量/10g)
バインダ樹脂PS-1:東洋紡製RV-200(ポリエステル樹脂、数平均分子量27000、Tg=67℃)
銀粉1:凝集粉SF-2J (D50:1.4μm、タップ密度3.8g/cm3
銀粉2:フレーク銀粉SF−70A(D50:3.0μm、タップ密度3.2g/cm3
銀粉3:AC−2594(D50:1.7μm、タップ密度5.0g/cm3
銀粉4:AGC−A(D50:3.5μm、タップ密度3.3g/cm3
銀粉5:Ag2−1C(D50:0.9μm、タップ密度5.0g/cm3
銀粉6:SFQ−ED(D50:1.4μm、タップ密度2.7g/cm3
銀粉7:S11000−25(D50:0.3μm、タップ密度1.95g/cm3
シリカ:日本アエロジル(株)製 #300
ケッチェンブラック(カーボンブラック):ライオン(株)製ケッチェンECP600JD
硬化剤1:旭化成ケミカルズ(株)製MF−K60X
硬化剤2:バクセンデン製BI-7960
硬化触媒:共同薬品(株)製KS1260
レベリング剤:共栄社化学(株)MKコンク
添加剤1:MKコンク(レベリング剤)
添加剤2:ビックケミー・ジャパン(株)社製BYK-410(レオロジーコントロール剤)
添加剤3:ビックケミー・ジャパン(株)社製BYK-405(レオロジーコントロール剤)
添加剤4:jER-820(エポキシ)
分散剤1:ビックケミー・ジャパン(株)社製Disperbyk2155(分散剤)、
分散剤2:ビックケミー・ジャパン(株)社製Disperbyk130(分散剤)、
分散剤3:シュウ酸二水和物 融点101.5℃、
分散剤4:アジピン酸 融点152.1℃、
分散剤5:マロン酸 融点135℃、
分散剤6:コハク酸 融点184℃、
分散剤7:マレイン酸 融点131℃、
分散剤8:フマル酸、
分散剤9:ラウリン酸、融点 43.2℃、
分散剤10:ミリスチル酸、融点54.4℃
分散剤11:パルミチンサン、融点62.9℃
分散剤12:マルガリン酸、融点61℃、
分散剤13:ステアリン酸、融点69.6℃
EDGAC:(株)ダイセル製エチルジグリコールアセテート
BDGAC:(株)ダイセル製ブチルジグリコールアセテート
なお、バインダ樹脂PH-3は以下の操作により作製した。
<バインダ樹脂PH-3>
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器に InChem製フェノキシ樹脂PKHCを400部投入した後、エチルジグリコールアセテート(EDGAC)489部を仕込み、85℃において溶解した。その後、無水トリメリット酸を3部加え、触媒としてジメチルアミノピリジンを0.19部、ジアザビシクロウンデセンを0.48部添加し、85℃で4時間反応させフェノキシ樹脂PH-3の溶液を得た。得られたフェノキシ樹脂溶液の固形分濃度は35質量%であった。このようにして得た樹脂溶液をポリプロピレンフィルム上に滴下し、ステンレス鋼製のアプリケーターを用いて延展し、樹脂溶液の薄膜を得た。これを120℃に調整した熱風乾燥機内に3時間静置して溶剤を揮散させ、次いでポリプロピレンフィルムから樹脂薄膜を剥がし、フィルム状の乾燥樹脂薄膜を得て各種測定に用いた。
Figure 2018092762
Figure 2018092762
Figure 2018092762
Figure 2018092762
以上述べてきたように、本発明の導電ペースト高い分散度を有し、本発明のペーストから得られる導電性膜は良好なレーザーエッチング性を有し、ITO等の導電性薄膜と組み合わせる事によりタッチパネル等の入出力インターフェース用の部材として有用に活用することができる。また微細配線が必要な印刷TFTなどの配線層に好適に使用できる。


Claims (10)

  1. 少なくとも熱可塑性および/または熱硬化性樹脂からなるバインダ樹脂、銀粉および有機溶剤を含有する導電性ペーストにおいて、
    前記銀粉の中心径D50が0.5μm以上、5μm以下であり、
    前記バインダ樹脂が、数平均分子量が3,000〜100,000、酸価が20〜500eq./106のフェノキシ樹脂を60重量%以上含有することを特徴とする導電ペースト。
  2. 請求項1に記載の導電ペーストを、表面粗さが0.1μm以下の表面を有する無機薄膜層が形成された高分子フィルム上に塗布し、乾燥硬化することによる、表面粗さRaが0.4μm以下である導電性膜の製造方法。
  3. 高分子フィルム、または表面粗さが0.1μm以下無機薄膜層を表面に有する高分子フィルムのいずれかを基材とする、
    少なくとも数平均分子量が3,000〜100,000、酸価が20〜500eq./106のフェノキシ樹脂硬化物および導電性粒子からなり、線幅が100μm以下、線間幅が100μm以下である導電性微細配線。
  4. 前記導電性微細配線の線間幅が50μm以下であり、かつ線間幅が導電性膜の厚さの4倍以下である事を特徴とする請求項3に記載の導電性微細配線。
  5. 前記導電性微細配線の線幅が50μm以下で有り、かつ線幅が導電性膜の厚さの3.5倍以下である事を特徴とする請求項3または4記載の導電性微細配線。
  6. 請求項2に記載の導電性膜の不要部分を、レーザー光にて除去することによる請求項3から5のいずれかに記載の導電性微細配線の製造方法。
  7. 少なくとも熱可塑性および/または熱硬化性樹脂からなるバインダ樹脂、銀粉および有機溶剤を含有する導電性ペーストにおいて、
    前記銀粉の中心径D50が0.5μm以上、5μm以下であり、
    前記銀粉のタップ密度が2.0g/cm3以上であり、
    前記バインダ樹脂が、数平均分子量が3,000〜100,000のフェノキシ樹脂を60重量%以上含有し、ISO 1524:2013に規定されるGrind Gageにより得られる分散度が10μm以下であることを特徴とする導電ペースト。
  8. 少なくとも、中心径D50が0.5μm以上、5μm以下であり、タップ密度が2.0g/cm3以上である銀粉、
    数平均分子量が3,000〜100,000のフェノキシ樹脂を60重量%以上含有するバインダ樹脂、
    溶剤、
    分散剤、
    を含む組成物を三本ロールミルにて混合分散した後に、目開き1μm以上25μmのフィルターにて濾過することを特徴とする請求項7記載の導電ペーストの製造方法。
  9. 請求項8の製造方法により得られた導電ペーストを、表面粗さが0.1μm以下の表面を有する無機薄膜層が形成された高分子フィルム上にスクリーン印刷し、乾燥硬化することによる、表面粗さRaが0.4μm以下である導電性膜の製造方法。
  10. 請求項9の製造方法にて得られた導電性膜の不要部分を、レーザー光にて除去することを特徴とする、表面粗さRaが0.4以下であり、線幅が100μm以下で有り、線間が100μm以下である導電性微細配線の製造方法。










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