JP5751073B2 - 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池及びその製造方法に関するものである。
近年、次世代型のクリーンエネルギーとして燃料電池が注目を集めている。その中でも、固体酸化物形燃料電池は、高い発電効率を示すことで注目されている。固体酸化物形燃料電池は、種々の形態があるが、その一つとしては、板状の固体電解質の両面に燃料極および空気極をそれぞれ配置した構造を有する平板型と呼ばれるものがある。この構造の電池では、空気極で生成された酸素イオンが固体電解質を介して燃料極へと移動することで発電が行われる。
上述した平板型の固体酸化物形燃料電池の中にも種々の形態があり、例えば、板状の電解質を支持体として使用し、その電解質の一方面に燃料極を、他方の面に空気極を形成した、いわゆる自立膜式(例えば、特許文献1参照)や、燃料極又は空気極のどちらかを一方の電極を支持体として使用し、その上に電解質、他方の電極を順に形成した、いわゆる支持膜式(例えば、特許文献2参照)などがある。
しかしながら、上記自立膜式または支持膜式の固体酸化物形燃料電池は、それぞれ、支持体として使用される電解質や燃料極、空気極の強度が十分でなく割れやすいという問題がある。そこで、支持体として金属基板を使用し、この金属基板上に単セルを形成する燃料電池(例えば、特許文献3)も提案されている。
特開2004−055194号公報 特開2006−253071号公報 特許第4515028号公報
上述した燃料電池では、金属基板上に形成された電極へ燃料ガスや酸化剤ガスを供給するためのガス流路として、金属基板を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔が形成されている。しかしながら、ガス流路を貫通孔によって形成すると、貫通孔から供給されるガスが電極へ直接供給されるために電極へのガス拡散性が良くないといった問題や、複数の貫通孔が形成されているために金属基板と電極との接触面積、すなわち集電面積が小さくなるといった問題があった。そこで、本発明は、ガス拡散性を向上させ、また、集電面積を小さくすることのない固体酸化物形燃料電池及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る第1の固体酸化物形燃料電池は、厚さ方向に下面から途中まで延びる穴が形成された多孔質の第1の金属基板と、前記第1の金属基板上に形成された、燃料極又は空気極のいずれか一方の電極と、前記一方の電極上に形成された電解質と、前記電解質上に形成された燃料極又は空気極のいずれか他方の電極と、を備えている。
このように構成された第1の固体酸化物形燃料電池は、第1の金属基板に形成された穴が途中までしか延びていないため、第1の金属基板の下面から供給された燃料ガス又は酸化剤ガスが直接一方の電極に供給されず、第1の金属基板で一旦拡散されてから一方の電極に供給される。この結果、ガス拡散性を向上させることができる。また、一方の電極が形成される第1の金属基板の上面には穴が形成されていないために、第1の金属基板と電極との接触面積が小さくなることがない。なお、燃料ガスとして、水素、炭化水素ガス、一酸化炭素ガスなどを使用でき、酸化剤ガスとして、空気、酸素などを使用することができる。
また、本発明に係る第2の固体酸化物形燃料電池は、厚さ方向に下面から途中まで延びる穴が形成された多孔質の第1の金属基板と、前記第1の金属基板上に形成された電解質と、前記電解質上に形成された空気極と、を備え、前記第1の金属基板は、燃料極の活性を有する材料からなる。なお、燃料極の活性を有する材料とは、燃料極の表面で、水素等の燃料ガスに酸化反応を生じさせる材料のことをいい、例えば、Ni、Pt,Ru,Fe、Cu、Al,Mn,Mo,Nbなどを挙げることができる。
このように構成された第2の固体酸化物形燃料電池は、上述した第1の固体酸化物形燃料電池と同様に、第1の金属基板に形成された穴が途中までしか延びていないため、第1の金属基板の下面から穴を介して供給された燃料ガスを金属基板内に十分に拡散させることができる。また、電解質が形成される第1の金属基板の上面には穴が形成されていないために、第1の金属基板と電解質との接触面積が小さくなることがないため、第1の金属基板に貫通孔を形成した場合に比べて三相界面を大きくすることができる。
上記各固体酸化物形燃料電池は種々の構成をとることができ、例えば、上記第1の金属基板を支持する第2の金属基板をさらに備え、第2の金属基板は、第1の金属基板に形成された穴と連結する穴が厚さ方向に貫通するように形成されているような構成とすることができる。この構成によれば、第2の金属基板を緻密体にすることができるため、強度を向上させることができる。
また、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の製造方法は、厚さ方向に下面から途中まで延びる穴が形成された多孔質の第1の金属基板を形成する工程と、前記第1の金属基板上に燃料極又は空気極のどちらか一方の電極を形成する工程と、前記一方の電極上に電解質を形成する工程と、前記電解質上に燃料極又は空気極のどちらか他方の電極を形成する工程と、を含んでいる。
この製造方法によれば、製造された固体酸化物形燃料電池は第1の金属基板に形成された穴が途中までしか延びていないため、第1の金属基板の下面から供給された燃料ガス又は酸化剤ガスが直接一方の電極に供給されず、一旦第1の金属基板で拡散されてから一方の電極に供給される。この結果、ガス拡散性を向上させることができる。また、一方の電極が形成される第1の金属基板の上面には穴が形成されていないために、接触面積が小さくなることがない。
上記第1の金属基板を形成する工程は、第1の金属基板用グリーンシートを準備して厚さ方向に貫通する穴を形成する工程と、穴が形成された第1の金属基板用グリーンシート上に、穴が形成されていない第1の金属基板用グリーンシートを積層して構成されたグリーンシート積層体を加熱して焼結させる工程と、を含む工程とすることができる。また、燃料極や電解質、空気極を形成する工程は種々の方法をとることができ、例えば、それぞれのグリーンシートを準備して、第1の金属基板用グリーンシートをともに焼結してもよいし、ウェットコーティング法によって第1の金属基板上に形成することもできるし、これらを組み合わせた方法とすることもできる。
本発明によれば、ガス拡散性を向上させ、また、集電面積を小さくすることのない固体酸化物形燃料電池及びその製造方法を提供することができる。
図1は本発明に係る固体酸化物形燃料電池の実施形態を示す正面断面図である。 図2は本発明に係る固体酸化物形燃料電池の実施形態を示す平面図である。 図3は本発明に係る固体酸化物形燃料電池の製造方法の実施形態を示す説明図である。 図4は本発明に係る固体酸化物形燃料電池の他の実施形態を示す正面断面図である。 図5は本発明に係る固体酸化物形燃料電池の他の実施形態を示す正面断面図である。 図6は本発明に係る固体酸化物形燃料電池の他の実施形態を示す正面断面図である。 図7は比較例1に係る固体酸化物形燃料電池を示す正面断面図である。
以下、本発明に係る固体酸化物形燃料電池及びその製造方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池1は、第1の金属基板2と、第1の金属基板2上に形成された燃料極3と、燃料極3上に形成された電解質4と、電解質4上に形成された空気極5とを備えており、平面視円形状に形成されている。
第1の金属基板2は、下面から厚さ方向に上方に向かって延びる複数の穴21が形成されており、複数の穴21は、第1の金属基板2を貫通しておらず第1の金属基板2の途中で止まっている。第1の金属基板2の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、100〜1000μmとすることができ、好ましくは250〜500μmとすることができる。また、特に限定されるものではないが、穴21の長さは、200〜800μmであることが好ましく、250〜400μmであることがより好ましい。なお、穴21は全て長さが同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第1の金属基板2は、電気伝導性を有しており、集電機能を有している。このように、複数の穴21が形成されているために、第1の金属基板2上に形成された燃料極3へ燃料ガスを効率的に送ることができ、また、この複数の穴21は貫通していないために、燃料極3へ直接燃料ガスを送るのではなく一旦ガスを拡散させてから燃料極3へ送ることができる。なお、上述した非貫通の穴21に加えて燃料極3まで貫通する穴が形成されていてもよい。また、穴21の直径は、0.1μm〜250μmが好ましく、5μm〜50μmがより好ましい。
また、第1の金属基板2は細孔が形成された多孔質体であり、この第1の金属基板2の内部の細孔の体積は、金属基板2全体の体積の5〜50%程度とすることが好ましく、第1の金属基板2における貫通孔21の占有体積としては、第1の金属基板2全体の体積の10〜70%程度とすることが好ましい。
この第1の金属基板2としては、Fe,Ti,Cr,Cu,Ni,Ag,Au,Pt等の導電性金属を用いることができ、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合してもよい。例えば、ステンレス系耐熱材料などが使用でき、具体的には、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、インコネルやハステロイなどのニッケルの耐熱合金などを用いることができる。
次に、固体酸化物形燃料電池を構成する材料について説明する。燃料極3及び空気極5は、セラミックス粉末材料により形成することができる。このとき用いられる粉末の平均粒径は、好ましくは10nm〜100μmであり、さらに好ましくは50nm〜50μmであり、特に好ましくは100nm〜10μmである。なお、平均粒径は、例えば、JISZ8901にしたがって計測することができる。この燃料極3及び空気極5の厚さは、それぞれ、1〜100μmとすることができ、好ましくは5〜50μmとすることができる。
燃料極3は、例えば、金属触媒と酸素イオン伝導性材料からなるセラミックス粉末材料との混合物を用いることができる。このとき用いられる金属触媒としては、ニッケル、鉄、コバルトや、貴金属(白金、ルテニウム、パラジウム等)等の還元性雰囲気中において安定で水素酸化活性を有する材料を用いることができる。また、酸素イオン伝導性材料としては、蛍石型構造又はペロブスカイト型構造を有するものを好ましく用いることができる。蛍石型構造を有するものとしては、例えばサマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物などを挙げることができる。また、ペロブスカイト型構造を有するものとしてはストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物を挙げることができる。上記材料の中では、酸素イオン伝導性材料とニッケルとの混合物で、燃料極を形成することが好ましい。なお、酸素イオン伝導性材料とニッケルとの混合形態は、物理的な混合形態であってもよいし、ニッケルへの粉末修飾または酸素イオン伝導性材料へのニッケル修飾などの形態であってもよい。また、上述した酸素イオン伝導性材料は、1種類を単独で、或いは2種類以上を混合して使用することができる。また、燃料極3は、金属触媒を単体で用いて構成することもできる。
空気極5を形成するセラミックス粉末材料としては、例えば、ペロブスカイト型構造等を有するCo,Fe,Ni,Cr又はMn等からなる金属酸化物を用いることができる。具体的には(Sm,Sr)CoO,(La,Sr)MnO,(La,Sr)CoO,(La,Sr)(Fe,Co)O,(La,Sr)(Fe,Co,Ni)O,(Pr,Sr)FeO,(Pr,Sr)MnOなどの酸化物が挙げられ、好ましくは、(La,Sr)(Fe,Co)Oである。上述したセラミックス粉末材料は、1種を単独で、或いは2種以上を混合して使用することができる。
電解質4の材料としては、固体酸化物形燃料電池の電解質として公知のものを使用することができ、例えば、サマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物(SDC:SmCeOx、GDC:GdCeOx)、ストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物(YSZ)などの酸素イオン伝導性セラミックス材料を用いることができる。また、電解質4の厚さは、例えば0.1μm〜100μmとすることができ、好ましくは1〜50μmとすることができる。
次に上述したように構成された固体酸化物形燃料電池の製造方法について説明する。
まず、第1の金属基板2や、燃料極3、電解質4のグリーンシートをテープキャスティング法により作製する。詳細を説明すると、まず、第1の金属基板2のグリーンシートは、上記第1の金属基板粉末を主成分とし、これにバインダー樹脂、有機溶剤可塑剤、及び造孔剤を適量加えてスラリーを作製する。なお、上記主成分とバインダー樹脂との混合において、上記主成分が約50〜95重量%となるようにバインダー樹脂を加えることが好ましい。そして、このスラリーをドクターブレード法などによってポリエチレンテレフタレートなどのフィルム上に塗布し、これを乾燥させて第1の金属基板用グリーンシートを作製する。
また、燃料極3のグリーンシートは、上記燃料極粉末を主成分とし、これにバインダー樹脂、有機溶剤、可塑剤、及び造孔剤を適量加えてスラリーを作製する。なお、上記主成分とバインダー樹脂との混合において、上記主成分が約50〜95重量%となるようにバインダー樹脂を加えることが好ましい。そして、このペーストをドクターブレード法などによってポリエチレンテレフタレートなどのフィルム上に塗布し、これを乾燥させて燃料極用グリーンシートを作製する。なお、所望する燃料極3の厚さによっては、燃料極用グリーンシートを複数枚作製してもよい。
また、電解質4のグリーンシートは、上記電解質粉末を主成分とし、これにバインダー樹脂、有機溶剤、及び可塑剤を適量加えてスラリーを作製する。なお、上記主成分とバインダー樹脂との混合において、上記主成分が約50〜95重量%となるようにバインダー樹脂を加えることが好ましい。そして、このスラリーをドクターブレード法などによってポリエチレンテレフタレートなどのフィルム上に塗布し、これを乾燥させて電解質用グリーンシートを作製する。なお、所望する電解質4の厚さによっては、電解質用グリーンシートを複数枚作製してもよい。
なお、上記バインダー樹脂に含まれる有機樹脂は焼結する温度で分解して気化することが必要であり、例えば、エチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エチルセルロース系誘導体、或いはスチレンアクリル共重合体、メタクリレート系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、マレイン酸系樹脂、ビニルアセタール系樹脂、ビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ビニルアルコール系樹脂等の樹脂を、単独または混合して使用することができる。
また、上記有機溶剤としては、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類等を、単独または混合して使用することができ、具体的にはイソプロパノール、ノルマルプロパノール、ジアセトンアルコール、グリコールジアセテート、メチルセルソルブ、カルビトール、シクロヘキサン、テルピネオール、グリセリン等が使用できる。
また、上記可塑剤としては、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、ポリエステル類、燐酸エステル類、クエン酸エステル類、エポキシ化植物油、セバシン酸エステル類、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル、安息香酸エステル等が使用でき、具体的にはフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、トリメリット酸トリオクチル、低分子ポリエステル、燐酸トリクレシル、アセチルクエン酸トリブチル、ジフチルフタレート、ジオクチルフタレート等が使用できる。
また、造孔剤としては、カーボン粉末等があげられる。造孔剤の添加量は、5〜20wt%である。添加されているカーボン粉末は、焼結の際に消失して気化するため、カーボン粒子の存在していた箇所には空孔が形成される。なお、造孔剤は、カーボン粉末に限るものではなく、焼結の際に気化して空孔が形成可能な材料であれば、他の材料を用いるようにしてもよい。
次に、上述した第1の金属基板用グリーンシート20aをパンチなどによって複数の穴21を形成する(図3(a))。この穴が形成された第1の金属基板用グリーンシート20aの上に、穴が形成されていない第1の金属基板用グリーンシート20bを積層する(図3(b))。そして、さらにその上に、燃料極用グリーンシート30及び電解質用グリーンシート40をこの順で積層し(図3(c))、これらを加熱することで共焼結させる(図3(d))。このときの焼結温度は、1100℃〜1500℃程度が好ましい。焼結により、第1の金属基板用グリーンシート20a、20b、燃料極用グリーンシート30、電解質用グリーンシート40はそれぞれ、第1の金属基板2、燃料極3、電解質4になる。また、このとき、第1の金属基板2が例えばフェライト系ステンレス鋼やNiなどの金属材料から作製される場合は、酸化を防止するために、NやArガスなどの不活性雰囲気下あるいは還元雰囲気下で焼結させることが好ましい。一方、第1の金属基板2が例えばNiOなどの金属酸化物材料から作製される場合は、酸化雰囲気下で焼結させることもできる。
続いて、形成された電解質4の一方面(表面)に空気極ペーストを塗布する。空気極ペーストの塗布は、例えば、電気泳動法(EPD法)、ドクターブレード法や、スプレーコート法、インクジェット法、スピンコート法、ディップコート法などの公知なウェットコーティング法によって形成することができる。その後、空気極ペーストを加熱して焼結させることにより空気極5が形成され、これにより燃料電池1が製造される(図3(e))。このときの焼結温度は、1100℃〜1500℃程度が好ましい。また、焼結はNやArガスなどの不活性雰囲気下あるいは還元雰囲気下で行うことが好ましいが、第1の金属基板2の酸化を防止できる温度であれば酸化雰囲気下で焼結をすることもできる。また、上記第1の金属基板2の焼結において酸化雰囲気下で行った場合は、空気極を焼結する前に金属基板2を還元処理後、上記方法で空気極を焼結することができるが、空気極焼結後に、金属基板2を還元処理することもできる。以上により、上述した固体酸化物形燃料電池が完成する(図3(e))。
なお、上記製造方法では、燃料極3及び電解質4はグリーンシートを用いて作製しているが、特にこれに限定されるものではなく、第1の金属基板2のみグリーンシートで形成し、このグリーンシートから形成された第1の金属基板2上に、燃料極3、電解質4,及び空気極5をこの順に種々の方法で形成することができ、例えば上述したようなウェットコーティング法や、ドライコーティング法によって形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、図4に示すように、第1の金属基板2の下にさらに第2の金属基板6を備えた構成とすることができる。この第2の金属基板6は、第1の金属基板2に形成された穴21と対応する位置に貫通孔61が形成されており、この貫通孔61と穴21とは連通している。第2の金属基板6は、強度の観点から緻密体とすることが好ましいが、第1の金属基板2と同様に多孔質体であってもよい。なお、第2の金属基板6に形成された貫通孔61の全てが第1の金属基板の穴21と対応している必要はない。この燃料電池1における第1及び第2の金属基板2,6の形成方法としては、例えば、上述したような第1の金属基板用グリーンシートと第2の金属基板用グリーンシートとを重ねてからパンチなどによって複数の穴を形成し、この穴が形成された第1及び第2の金属基板用グリーンシート積層体の第1の金属基板用グリーンシートの上に穴が形成されていない第1の金属基板用グリーンシートを積層して形成することができる。
また、図5に示すように、燃料極を省略した構成とすることができる。この場合は、第1の金属基板2として、燃料極の活性を有する材料、例えば、Ni、Pt,Ru,Fe、Cu、Al,Mn,Mo,Nbなどの材料を単独若しくは2種以上を組み合わせて使用しているため、第1の金属基板2が燃料極としても機能し、燃料極の形成を省略することができる。また、この場合も、上述したように第2の金属基板6をさらに備えた構成とすることができる(図6参照)。
また、上述した各実施形態において、第1の金属基板上に燃料極3が形成され、電解質4上に空気極5が形成されていたが、燃料極3と空気極5とを入れ替えた構成としてもよい。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(第1の金属基板用グリーンシート)
実施例1として、図1に示すような構造を有する燃料電池を作製した。第1の金属基板2の材料として、SUS粉末(粒径範囲:0.1〜3μm、平均粒子径1μm)にカーボン粉末からなる造孔剤を総量の10wt%添加し、バインダー樹脂としてポリビニルブチラール、および可塑剤としてジブチルフタレートを加え、2−プロパノールの有機溶剤に分散されたスラリーを作製した。このスラリーをドクターブレード法によってPETフィルム上に塗布し、110℃で乾燥させて分散溶剤を除去した。これにより第1の金属基板用グリーンシートを膜厚160μmのものと、膜厚160μmの第1の金属基板用グリーンシートを4枚熱プレスにより積層した膜厚640μmのものをそれぞれ作製した。
(燃料極用グリーンシート)
続いて、燃料極用グリーンシートを以下の方法で作製した。燃料極の材料としてNiO(粒径範囲:0.1〜3μm、平均粒子径1μm)、ならびに酸素イオン伝導性材料としてガドリニウムドープトセリア(GDC:GdCeOx)にカーボン粉末からなる造孔剤を総量の10wt%添加し、バインダー樹脂として、ポニビニルブチラール、および可塑剤としてジブチルフタレートを加え、2−プロパノールの有機溶剤に分散されたスラリーを作製した。これをドクターブレード法によってPETフィルム上に塗布し、110℃で乾燥させて分散溶剤を除去した。これにより膜厚40μmの燃料極用グリーンシートを形成した。
(電解質用グリーンシート)
続いて、電解質用グリーンシートを以下の方法で作製した。電解質の材料としてガドリニウムドープトセリア(GDC:GdCeOx)に、バインダー樹脂としてポリビニルブチラール、および可塑剤としてジブチルフタレートを加え、2−プロパノールの有機溶剤に分散されたスラリーを作製した。このスラリーをドクターブレード法によってPETフィルム上に塗布し、110℃で乾燥させて分散溶剤を除去した。これにより膜厚40μmの電解質2用グリーンシートを形成した。
(グリーンシート積層体)
次いで、熱プレスして膜厚640μmとした第1の金属基板用グリーンシートに対してパンチ加工を施すことにより、直径50μmの貫通する穴21を20個形成した。このパンチ加工を施した第1の金属基板用グリーンシートの上に、パンチ加工を施していない160μmの第1の金属基板用グリーンシートを積層させた。また、この穴が形成されていない第1の金属基板用グリーンシート上に、上述した燃料極用グリーンシート、電解質用グリーンシートをこの順に積層させてグリーンシート積層体を準備し、熱プレス機により2kN/m2,70℃の条件でプレス処理を施し、1500℃で10時間加熱して焼結させ、φ13mmのハーフセルを作製した。このときのハーフセルの厚みは800μmであった。
次に、空気極ペーストを以下の方法で作製した。材料には、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3(粒径範囲:0.1〜3μm、平均粒子径1μm)を用い、さらにバインダー樹脂としてエチルセルロース、溶剤としてエチルカルピトールを加えた後、これを混練してペーストを作製した。このペーストを上述したハーフセルの電解質上にスクリーン印刷によりパターニング形成し、130℃で乾燥させた後、1200℃で1時間加熱して焼結させ、厚み約20μmの空気極5を形成した。こうして、固体酸化物形燃料電池1を得た。
(比較例1)
比較例1として、第1の金属基板以外は、実施例1と同じ方法で固体酸化物形燃料電池を作製した。なお、第1の金属基板は、まず実施例1と同じ方法で160μmの金属基板用グリーンシートを5枚作製した。そして、この5枚の金属基板用グリーンシートを熱プレスにより積層して800μmとし、図7に示すように第1の金属基板2を貫通する直径50μmの穴21を20個形成した。
そして、実施例1及び比較例1の電池性能を以下に示す方法で評価した。すなわち、作動温度を600℃にして第1の金属基板2側から水素を30ml/min(3%H2O)で供給するとともに、空気極5側から空気を30ml/minで供給し、起電力ならびに最高出力密度を測定した。表1に示した最高出力密度の測定結果から分かるように、実施例1の固体酸化物形燃料電池1は比較例1のものよりも性能が向上していることから、第1の金属基板2の穴21を貫通させず途中で止めることで、燃料ガスの水素が通過する際に拡散効果が得られ、電極に有効に導入できていると考えられる。
Figure 0005751073
1 固体酸化物形燃料電池
2 第1の金属基板
21 穴
3 燃料極
4 電解質
5 空気極

Claims (7)

  1. 多孔質体であって、厚さ方向に下面から途中まで延びる穴が形成された第1の金属基板と、
    前記第1の金属基板上に形成された、燃料極又は空気極のいずれか一方の電極と、
    前記一方の電極上に形成された電解質と、
    前記電解質上に形成された燃料極又は空気極のいずれか他方の電極と、
    を備えた、固体酸化物形燃料電池。
  2. 多孔質体であって、厚さ方向に下面から途中まで延びる穴が形成された第1の金属基板と、
    前記第1の金属基板上に形成された電解質と、
    前記電解質上に形成された空気極と、を備え、
    前記第1の金属基板は、燃料極の活性を有する材料からなる、固体酸化物形燃料電池。
  3. 前記穴の直径は0.1μm〜250μmである、請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池。
  4. 前記第1の金属基板を支持する第2の金属基板をさらに備え、
    前記第2の金属基板は、前記第1の金属基板に形成された穴と連結する穴が厚さ方向に貫通するように形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
  5. 多孔質体であって、厚さ方向に下面から途中まで延びる穴が形成された第1の金属基板を形成する工程と、
    前記第1の金属基板上に燃料極又は空気極のどちらか一方の電極を形成する工程と、
    前記一方の電極上に電解質を形成する工程と、
    前記電解質上に燃料極又は空気極のどちらか他方の電極を形成する工程と、
    を含む、固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  6. 前記穴の直径は0.1μm〜250μmである、請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  7. 前記第1の金属基板を形成する工程は、
    第1の金属基板用グリーンシートを準備して厚さ方向に貫通する穴を形成する工程と、
    前記穴が形成された第1の金属基板用グリーンシート上に、穴が形成されていない第1の金属基板用グリーンシートを積層して構成されたグリーンシート積層体を加熱して焼結させる工程と、
    を含む、請求項5又は6に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
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