以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、第1の実施形態に係る外部記憶装置10の構成を示す断面図である。外部記憶装置10は、配線基板20、少なくとも一つの半導体チップ(本図に示す例では2つの半導体チップ110,120)、記憶素子122(図4に図示)、インダクタ114、ドライバ回路112(図4に図示)、外部端子40、及び封止樹脂層30を備えている。半導体チップ110,120は、配線基板20の第1面(例えば上面)に配置されている。記憶素子122は、半導体チップ110,120のいずれかに設けられている。インダクタ114も、半導体チップ110,120のいずれかに設けられている。ドライバ回路112はインダクタ114を駆動する回路であり、半導体チップ110,120のいずれかに設けられている。本実施形態では、記憶素子122は半導体チップ120に設けられており、インダクタ114は半導体チップ110に設けられており、ドライバ回路112は半導体チップ110に設けられている。外部端子40は接触型の端子であり、少なくとも一部は電源端子及びグラウンド端子となっている。封止樹脂層30は配線基板20の第1面に形成され、半導体チップ110,120を封止し、かつ外部端子40を被覆していない。そしてインダクタ114は、半導体チップ110のうち配線基板20と対向しない面に形成されている。
配線基板20は、例えばプリント配線基板であり、少なくとも第1面に配線を有している。また配線基板20は、第1面とは反対側の面である第2面に保護樹脂層50(例えばソルダーレジスト層)を有している。
本図に示す例において半導体チップ110は、能動面を上に向けて配線基板20に固定されている。半導体チップ110の能動面には多層配線層が設けられている。この多層配線層のいずれかの配線層、例えば最上層の配線層にインダクタ114が形成されている。インダクタ114の直径は、例えば1mm以下である。そして半導体チップ110の能動面に形成されている電極パッドは、ボンディングワイヤ210を介して、配線基板20の第1面に形成された配線に接続している。また半導体チップ120は、能動面を下に向けて配線基板20に対してフリップチップ実装されており、バンプ220を介して配線基板20の第1面に形成された配線に接続している。ただし半導体チップ120は、図24に示すように、ボンディングワイヤ212により配線基板20の配線に接続されても良い。そして半導体チップ110,120は、配線基板20の配線を介して互いに接続している。
なお、半導体チップ110は例えば専用に設計された半導体チップであるが、半導体チップ120には、汎用のメモリチップ、例えば汎用の不揮発メモリチップを用いることができる。
外部端子40は、配線基板20の第1面に複数設けられている。上記したように外部端子40の少なくとも一部は電源端子及びグラウンド端子となっている。外部端子40を介して配線基板20に供給された電力は、少なくともインダクタ114のドライバ回路112に供給される。なお記憶素子122の読み書きに電力が必要な場合、この電力も外部端子40を介して供給される。
半導体チップ110,120は封止樹脂層30により一括封止されている。このため、外部記憶装置10のうち、半導体チップ110のインダクタ114より上の部分の厚さtを薄く、例えば0.5mm以下にすることができる。なお封止樹脂層30の側面は、外部端子40に面する側面をのぞいて、配線基板20の側面と同一の平面を形成している。
なお図25に示すように、外部記憶装置10の配線基板20の第1面には、チップコンダクタ、チップ抵抗などの受動部品150が設けられていてもよい。受動部品150も、半導体チップ110,120とともに封止樹脂層30により一括で封止されている。また配線基板20の第1面には、パッケージ部品(図示せず)が設けられていてもよい。
図2は外部記憶装置10の平面図である。図1は図2のA−A´断面図に相当している。図1及び図2に示す外部記憶装置10は、カード型の記憶装置であり、記憶素子122にコンテンツを格納した状態で販売される。記憶素子122に格納されるコンテンツは、ソフトウェア、音声コンテンツ、又は映像コンテンツである。具体的には、記憶素子122に格納されるコンテンツは、例えばゲームソフトデータ、コンピュータ端末用のソフトウェア、音楽データ、又はビデオデータである。
外部記憶装置10及び配線基板20は、平面形状が長方形又は正方形である。外部端子40は、配線基板20の一辺に沿って複数配置されており、また、当該一辺に直交する方向に延伸している。封止樹脂層30は、平面視において配線基板20のうち、外部端子40が設けられている一辺の近傍を除いて封止している。また半導体チップ110は、外部記憶装置10の中心を通り、かつ外部端子40が設けられている一辺に平行な線を介して、外部端子40とは逆側に位置している。
図3は外部記憶装置10の使用状態を示す断面図である。外部記憶装置10は、専用の読取装置500の差込穴502に、外部端子40が設けられている側から矢印X方向に差し込まれる。差込穴502の奥には接触型の接続端子530が複数設けられている。外部記憶装置10が差込穴502に差し込まれている状態において、複数の外部端子40は互いに異なる接続端子530に接触し、導通する。これにより、外部記憶装置10には接続端子530から電力が供給される。なお、外部記憶装置10と差込穴502の内面の間には隙間が設けられている。
また差込穴502の内面には、読取部510が設けられている。読取部510は半導体チップを有している。この半導体チップは多層配線層を有しており、この多層配線層に受信用のインダクタ514が形成されている。インダクタ514は、外部記憶装置10が差込穴502に差し込まれた状態において、外部記憶装置10のインダクタ114それぞれと対向する位置に配置されている。上記したように外部記憶装置10のうち、半導体チップ110のインダクタ114より上の部分の厚さtは薄い。このためインダクタ114からインダクタ514までの距離を短く、例えば1mm以下にすることができる。従って、インダクタ114の直径が1mm以下であっても、インダクタ114とインダクタ514の間で通信を行うことができる。
なお、インダクタ514及びレシーバ回路を有する半導体チップを配線基板上に固定し、封止樹脂で封止することにより読取部510を形成すると、読取部510のうちインダクタ514より上(図3においては下側)に位置する部分の厚さを薄くすることができる。この場合、インダクタ114からインダクタ514までの距離を特に短くすることができる。
図4は、外部記憶装置10の使用状態における等価回路図である。外部記憶装置10と読取部510は、インダクタ114及びインダクタ514を介して互いに通信する。具体的には、記憶素子122に記憶されている情報は、ドライバ回路112によって読み出され、インダクタ114によって電磁波として出力される。この電磁波によってインダクタ514では誘導電流が生じる。この誘導電流の強弱をレシーバ回路512が解釈することにより、記憶素子122に記憶されている情報は読取部510に読み取られる。なお半導体チップ110には、記憶素子122に対する読み書きを制御する制御回路も設けられている。この制御回路は回路上、ドライバ回路112と記憶素子122の間に位置している。
本図に示す例においてインダクタ114,514は複数組設けられている。そして上記した情報の送信は、いずれかのインダクタ114,514の組み合わせを用いて行われる。いずれのインダクタ114,514の組み合わせを用いるかは、予め定められたルールに従って適宜切り替えられる。
なお、読取部510にドライバ回路及び送信用のインダクタを追加し、外部記憶装置10に受信用のインダクタ及びレシーバ回路を追加しても良い。この場合、読取部510から外部記憶装置10に情報を送信することができる。この情報は記憶素子122に格納される。
次に、図1の断面図を用いて外部記憶装置10の製造方法について説明する。まず、配線基板20の第1面に半導体チップ110,120を配置する。このとき半導体チップ120は配線基板20にフリップチップ実装される。そして、ボンディングワイヤ210を用いて半導体チップ110と配線基板20の配線とを接続する。次いでモールド封止を行うことにより、配線基板20の第1面に封止樹脂層30を設ける。このとき、封止用の金型の形状を工夫することにより、封止樹脂層30が外部端子40を被覆しないようにする。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。本実施形態によれば、インダクタ114とインダクタ514の間で通信を行うことにより、外部記憶装置10に記憶されている情報は読取部510によって読み取られる。ここでインダクタ114は半導体チップ110に形成されているため、小型である。言い換えると、インダクタ114と同等の径を有するインダクタは、半導体プロセスを用いずに形成することは難しい。半導体プロセスを実現するためには多大な設備投資が必要であり、このため半導体チップ110の模造品を製造することはコスト的に難しくなる。このため、本実施形態によれば、外部記憶装置10に記憶されているコンテンツを読み出すことができても、複製を行う者がコンテンツを格納するための外部記憶装置を準備することができなくなる。この結果、耐タンパ性が向上する。
またインダクタ114及びドライバ回路112を、記憶素子122を有する半導体チップ120とは別の半導体チップ110に設けている。このため、記憶素子122を有する半導体チップ120として、汎用のメモリチップを用いることができる。
また半導体チップ110,120を、一つの封止樹脂層30で一括封止しているため、一つのチップのみを取り出すことが困難になる。このため、半導体チップ110のみを交換して半導体チップ120が記憶しているコンテンツを読み出すことが困難になる。また、半導体チップ110,120のうち動作情報を記憶しているチップのみを取り出して、その動作情報を読み出すことも困難になる。また、半導体チップ110,120のうちセキュリティを担保しているチップに、異常動作を誘発する条件を加えることにより、セキュリティを無効化させることも困難になる。このため、耐タンパ性が向上する。
また、半導体チップ110,120の高さが互いに異なる場合であっても、封止樹脂層30の表面を平坦に形成することができるため、外部記憶装置10の機械的強度が高くなる。このため、外部記憶装置10に筐体を設ける必要性が低下する。また筐体を設ける場合であっても、筐体を簡単な構造にして薄くすることができる。
また、封止樹脂層30の表面を外部端子40と平行にしている。このため、読取装置500に対する外部記憶装置10の抜き差しを容易かつスムーズに行うことができる。このため、外部記憶装置10に、読取装置500の抜き差しのためのガイド部を設けなくてもよく、また設けたとしてもその構造を簡略化することができる。
なお、外部記憶装置10に複雑な構造のガイド部を設ける場合、一般的に外部記憶装置10は厚くなる。外部記憶装置10が厚くなるとインダクタ114,514の間隔が広がるため、インダクタ114の径が大きくなる。インダクタ114の径が大きくなると、インダクタ114と互換性のあるインダクタを半導体プロセス以外でも形成できるようになるため、耐タンパ性が低下してしまう。
また図26に示すように、半導体チップ110の上面を半導体チップ120の上面より上に位置させてもよい。このようにすると、インダクタ114,514の間隔をさらに狭くすることができる。また、本実施形態では、封止樹脂層30のうち半導体チップ110より上に位置している部分を薄くする必要があるが、半導体チップ110の上面を半導体チップ120の上面より上に位置させると、半導体チップ120の表面が封止樹脂層30から露出することを抑制できる。
また本実施形態では、外部端子40は、配線基板20のうち半導体チップ110,120が搭載されている第1面に形成されている。一方、外部記憶装置10を読取装置500に差し込むと、読取装置500は、外部端子40と接続端子530の接続を確保するために、接続端子530を外部端子40に押し付ける。この押し付ける力は、図3において矢印Yで示すように、外部記憶装置10の厚さ方向において外部端子40を読取部510から遠ざける方向に加わる。
ここで、上記したように半導体チップ110は、外部記憶装置10の中心を通り、かつ外部端子40が設けられている一辺に平行な線を介して、外部端子40とは逆側に位置している。また、外部記憶装置10と差込穴502の内面の間には隙間が設けられている。そこで、図27に示すように、差込穴502の内面に、平面視において半導体チップ110と外部端子40の間に位置する凸部504を設け、凸部504の先端を外部記憶装置10に当接するようにしておいてもよい。このようにすると、矢印Yで示した力により、凸部504を支点として外部記憶装置10は、半導体チップ110のインダクタ114が読取部510のインダクタ514に近づく方向に回転する。
図5は、第2の実施形態に係る外部記憶装置10の構成を使用状態とともに示す断面図である。図6は、図5の状態における外部記憶装置10の等価回路図である。図5及び図6は、第1の実施形態における図3及び図4に相当する図である。本図に示す外部記憶装置10は、半導体チップ110,120の代わりに半導体チップ130が設けられている点を除いて、第1の実施形態に示した外部記憶装置10と同様の構成である。
半導体チップ130は専用に設計された半導体チップであり、記憶素子122、ドライバ回路112、及びインダクタ114を有している。そして半導体チップ130は、能動面とは逆側の面、すなわち記憶素子122、ドライバ回路112、及びインダクタ114を有している面とは逆側の面が、配線基板20に固定されている。半導体チップ130の電極パッドは、ボンディングワイヤ211を介して配線基板20の表面に形成された配線に接続されている。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また記憶素子122、ドライバ回路112、及びインダクタ114を一つの半導体チップ130の中に設けたため、外部記憶装置10を小型化することができる。
図7は、第3の実施形態に係る外部記憶装置10の構成を示す平面図であり、第1の実施形態における図2に相当する図である。図8は図7のB−B´断面図である。本実施形態に係る外部記憶装置10は、ガイド部32を有している点を除いて、第1の実施形態に係る外部記憶装置10と同様の構成である。
ガイド部32は封止樹脂層30に凹凸を設けることによって形成されている。本実施形態ではガイド部32は封止樹脂層30の互いに対向している2つの側面に形成された凸部である。本実施形態では、ガイド部32は、外部記憶装置10のうち、外部端子40が設けられている辺に直交する2つの側面に設けられている。
図9及び図10は、図7及び図8に示した外部記憶装置の製造方法を示す断面図である。まず図9(a)に示すように、配線基板20を準備する。この状態において配線基板20は、複数の外部記憶装置10となる部分が互いにつながった形状である。次いで、配線基板20に、外部記憶装置10となる部分ごとに半導体チップ110,120(図9では半導体チップ120のみ図示)を配置する。そしてボンディングワイヤ210(図9では図示せず)を用いて、複数の半導体チップ110それぞれを配線基板20の配線に接続する。
次いで複数の半導体チップ110,120を一括で封止し、封止樹脂層30を形成する。この状態において、封止樹脂層30は、複数の外部記憶装置10それぞれごとに独立して設けられてはおらず、複数の外部記憶装置10となる部分が互いにつながった状態に形成される。
次いで、配線基板20及び封止樹脂層30の切断ラインを示すダイシングラインのうち、ガイド部32が設けられる辺に沿っているダイシングラインに沿ってダイシングブレード400を移動させる。これにより、封止樹脂層30の表層に溝37を形成する。
次いで図9(b)に示すように、ダイシングラインのうち、ガイド部32が設けられる辺に沿っているダイシングラインに沿ってダイシングブレード402を移動させる。これにより、配線基板20及び封止樹脂層30のうち配線基板20側の一部を切断する。ダイシングブレード402の幅は、ダイシングブレード400の幅に等しくても良いし、異なっていても良い。これにより、溝38が形成される。溝38は平面視において溝37と重なっているが、底部は溝37とつながっていない。溝37の底部から溝38の底部までの距離はガイド部32の厚さに等しい。すなわち本図に示す状態において複数の外部記憶装置10は、ガイド部32となる部分によって互いにつながった状態である。
次いで図10に示すように、ダイシングラインに沿ってダイシングブレード404を移動させることにより、配線基板20及び封止樹脂層30を切断する。ダイシングブレード404の幅は、ダイシングブレード400,402の幅より狭い。これにより、複数の外部記憶装置10は互いに分離し、かつガイド部32が形成される。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。またガイド部32を有しているため、読取装置500の差込穴502にガイド部32に対応する凹凸を形成することにより、外部記憶装置10を差込穴502に差し込むときに外部記憶装置10が破損することを抑制できる。またガイド部32は封止樹脂層30の側面に形成されているため、ガイド部32に起因してインダクタ114からインダクタ514までの距離が長くなることはない。
図11は、第4の実施形態に係る外部記憶装置10の構成を示す断面図である。本図は図7のB−B´断面に相当している。本図に示す外部記憶装置10は、以下の点を除いて第3の実施形態に示した外部記憶装置10と同様の構成である。
まず、ガイド部32が設けられていない。そして、封止樹脂層30の側面のうち、外部記憶装置10が読取装置500の差込穴502に差し込まれる方向と平行な2つの側面33は、配線基板20の一面上に位置している。これにより、封止樹脂層30と配線基板20の間に段差21が生じる。段差21は差込用のガイドとして機能する。
図12は、図11に示した外部記憶装置10の製造方法を示す断面図である。まず図12(a)に示すように、配線基板20を準備する。この状態において配線基板20は、複数の外部記憶装置10となる部分が互いにつながった形状である。次いで、配線基板20に、外部記憶装置10となる部分ごとに半導体チップ110,120(図12(a)では半導体チップ120のみ図示)を配置する。そしてボンディングワイヤ210(図12(a)では図示せず)を用いて、複数の半導体チップ110それぞれを配線基板20の配線に接続する。
次いで半導体チップ110,120を搭載した状態の配線基板20を、封止用の金型である下型610内に配置する。次いで下型610に対応する上型600を、下型610及び配線基板20上に配置する。上型600の内面の天井部分には凸部602が設けられている。凸部602は先端が平坦になっており、この平坦部分が配線基板20のダイシングラインのうち段差21を形成すべき領域に接している。凸部602の幅は、後述するダイシングブレード410より大きい。
次いで、下型610及び上型600の間の空間に封止用の樹脂を注入する。これにより封止樹脂層30が形成される。この状態において封止樹脂層30は、凸部602が位置している部分には形成されず、その結果、外部記憶装置10別に互いに独立した形状になる。
その後図12(b)に示すように、下型610及び上型600を取り外す。次いで、ダイシングブレード410をダイシングラインに沿って移動させ、配線基板20を切断する。これにより複数の外部記憶装置10が互いに切り離される。上記したように、上型600の凸部602の幅はダイシングブレード410より大きい。このため、配線基板20のうち凸部602によって覆われていた部分は一部残り、これによって段差21が形成される。
本実施形態によっても、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。また第3の実施形態と比較して、配線基板20を切断して個々の外部記憶装置10を切り出すときの工程数が少なくなる。
図13は、第5の実施形態に係る外部記憶装置10の構成を示す断面図である。本図は図7のB−B´断面図に相当している。本図に示す外部記憶装置10は、凸部であるガイド部32の代わりに、溝形状のガイド部34を有している点を除いて、第3の実施形態に係る外部記憶装置10の構成と同様である。
図14は、図13に示した外部記憶装置の製造方法を示す断面図である。まず配線基板20を準備する。この状態において配線基板20は、複数の外部記憶装置10となる部分が互いにつながった形状である。次いで、配線基板20に、外部記憶装置10となる部分ごとに半導体チップ110,120(図14では半導体チップ120のみ図示)を配置する。そしてボンディングワイヤ210(図14では図示せず)を用いて、複数の半導体チップ110それぞれを配線基板20の配線に接続する。
次いで複数の半導体チップ110,120を一括で封止し、封止樹脂層30を形成する。この状態において、封止樹脂層30は、複数の外部記憶装置10それぞれごとに独立して設けられてはおらず、複数の外部記憶装置10となる部分が互いにつながった状態に形成される。そしてダイシングブレード(図示せず)を用いて封止樹脂層30及び配線基板20を切断し、複数の外部記憶装置10を切り出す。
次いで、ダイシングブレード420を用いて溝形状のガイド部34を形成する。
本実施形態によっても、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図15は、第6の実施形態に係る外部記憶装置10の構成を示す断面図であり、第1の実施形態における図2のA−A´断面図に相当している。本図に示す外部記憶装置10は、支持部材140を有している点を除いて、第1の実施形態に係る外部記憶装置10と同様の構成である。
支持部材140は、配線基板20の第1面と半導体チップ110の間に位置している。すなわち支持部材140は配線基板20の第1面上に設けられており、半導体チップ110は支持部材140上に設けられている。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また半導体チップ110に対して半導体チップ120が厚い場合など、半導体チップ110の上面が半導体チップ120の上面より下に位置することがある。このような場合、封止樹脂層30の厚さは半導体チップ120の上面にあわせて設計されるため、インダクタ114から封止樹脂層30の上面までの厚さtが厚くなることがある。これに対して本実施形態では、配線基板20の第1面と半導体チップ110の間に支持部材140を設けたため、厚さtを薄くすることができる。
また、インダクタ114,514の間隔を狭くするためには、封止樹脂層30のうち半導体チップ110より上に位置している部分を薄くする必要がある。これに対して図28に示すように、半導体チップ120を裏面研削して薄くすると、半導体チップ110の上面を半導体チップ120の上面より上に位置させることができる。これにより、半導体チップ120の表面が封止樹脂層30から露出することを抑制できる。
図16は、第7の実施形態に係る外部記憶装置10の構成を示す断面図であり、第1の実施形態における図2のA−A´断面図に相当している。本図に示す外部記憶装置10は、以下の点を除いて第1の実施形態に係る外部記憶装置10の構成と同様である。
まず、封止樹脂層30には凹部36が形成されている。凹部36は、少なくとも平面視でインダクタ114と重なる領域に形成されている。本図に示す例では、凹部36は半導体チップ110の全面と重なっている。また差込方向Xで見た場合、外部端子40、半導体チップ110、及び半導体チップ120の順に並んでいる。そして凹部36は、封止樹脂層30のうち外部端子40に面している辺につながっている。言い換えると、封止樹脂層30は、半導体チップ120が設けられている領域が、他の領域と比べて厚くなっている。
図17は、図16に示した外部記憶装置10の変形例を示す図である。本図に示す例では、凹部36は、平面視において半導体チップ110の一部のみと重なっているが、少なくともインダクタ114とは重なっている。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また半導体チップ110の上面が半導体チップ120の上面より下に位置していても、インダクタ114から封止樹脂層30の上面までの厚さtを薄くすることができる。
図18は、第8の実施形態に係る外部記憶装置10の構成を示す断面図であり、第1の実施形態における図2のA−A´断面図に相当している。本図に示す外部記憶装置10は、以下の点を除いて第1の実施形態に係る外部記憶装置10と同様の構成である。
半導体チップ110,120は、配線基板20の第1面に形成された保護樹脂層60(例えばソルダーレジスト層)の上に位置している。そして半導体チップ120は、配線基板20にフリップチップ接続ではなく、能動面を上に向けて配置されている。
また外部端子40は、配線基板20のうち第1面とは逆側の第2面(たとえば裏面)に形成されている。外部端子40は、配線基板20を貫通する貫通ビア22を介して、配線基板20の第1面に位置する配線70,72に接続している。配線70は、ボンディングワイヤ210を介して半導体チップ110の電極パッドに接続しており、配線72は、ボンディングワイヤ212を介して半導体チップ120の電極パッドに接続している。
なお本図に示す例において、封止樹脂層30は配線基板20の第1面側にのみ形成されている。このため外部端子40は封止樹脂層30に被覆されていない。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、外部端子40は、配線基板20のうち半導体チップ110,120が搭載されている面(第1面)とは逆側の面(第2面)に形成されている。外部記憶装置10を図3に示した読取装置500に差し込むと、読取装置500は、外部端子40と接続端子530の接続を確保するために、接続端子530を外部端子40に押し付ける。この押し付ける力は、半導体チップ110のインダクタ114を読取部510のインダクタ514に近づける方向に働く。このため、インダクタ114をインダクタ514に近づけることができる。
図19(a)は、第9の実施形態に係る外部記憶装置10の構成を示す断面図であり、第8の実施形態における図18に相当している。本図に示す外部記憶装置10は、配線基板20が位置合わせ用の貫通孔24を備えている点を除いて、第8の実施形態に係る外部記憶装置10と同様の構成である。
図19(b)は、貫通孔24の構成を示すための平面拡大図である。この図において封止樹脂層30は図示を省略している。貫通孔24は、貫通ビア22を形成する工程と同一工程で形成される。このため、貫通孔24の周囲及び内側壁に導体膜26、例えばCu膜とAu膜の積層膜が形成される。ただし導体膜26は貫通孔24の全体を埋めないため、導体膜26が形成された後においても、貫通孔24にはスルーホール27が残る。また導体膜26は配線基板20の電源配線、信号配線、及びグラウンド配線のいずれにも接続していない。なお導体膜26は、グラウンド配線に接続していてもよい。
また図19(a)に示すように、保護樹脂層50,60には、貫通孔24を露出する開口52,62が形成されている。半導体チップ110,120を配線基板20に載置する際、半導体チップ110,120の位置は、貫通孔24のスルーホール27を基準に位置決めされている。
次に、図19に示す外部記憶装置10の製造方法を説明する。まず配線基板20を準備する。この状態において配線基板20は、複数の外部記憶装置10となる部分が互いにつながった形状である。次いで、配線基板20に、外部記憶装置10となる部分ごとに半導体チップ110,120を配置する。このとき、半導体チップ110,120の位置は、貫通孔24のスルーホール27を基準に位置決めされる。
そしてボンディングワイヤ210,212を用いて、複数の半導体チップ110,120それぞれを配線基板20の配線70,72に接続する。
次いで、複数の半導体チップ110,120を一括で封止し、封止樹脂層30を形成する。この状態において、封止樹脂層30は、複数の外部記憶装置10それぞれごとに独立して設けられてはおらず、複数の外部記憶装置10となる部分が互いにつながった状態に形成される。また配線基板20の第1面は封止樹脂層30によって封止されているため、第1面側からは貫通孔24のスルーホール27を確認することはできない。ただし、配線基板20のうち第1面とは逆側の第2面側からは、スルーホール27を確認することができる。なお封止樹脂層30を形成するとき、スルーホール27を予め充填材で充填しておき、封止樹脂層30を形成してもよい。このようにすると、スルーホール27を介して封止樹脂層30となる樹脂が配線基板20の第2面側に漏れることを抑制できる。なお充填材は、封止樹脂層30を形成した後に配線基板20の第2面側から除去されてもよいが、そのまま残していてもよい。
次いで、配線基板20のうち第2面側から、貫通孔24のスルーホール27を基準に位置あわせを行ったうえで、第2面側から配線基板20及び封止樹脂層30を切断する。これにより一組の半導体チップ110,120単位で配線基板20及び封止樹脂層30が個片化され、複数の外部記憶装置10が形成される。
本実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態のように半導体チップ110のインダクタ114の直径が小さい場合、外部記憶装置10の内部において半導体チップ110の位置が少しでもずれると、インダクタ114と読取装置500のインダクタ514が重ならず、その結果、情報の読取が行えない。これに対して本実施形態では、半導体チップ110,120を搭載するときの位置あわせと、配線基板20及び封止樹脂層30をダイシングして複数の外部記憶装置10を切り出すときの位置あわせを、同一のスルーホール27を基準にして行っている。従って、外部記憶装置10の内部において半導体チップ110の位置がずれることを抑制できる。特にスルーホール27と半導体チップ110と隣り合うように形成し、これらの間に他の配線や素子が位置しないようにすると、半導体チップ110を配線基板20に搭載するマウンタがスルーホール27の位置を確認しに行くまでの時間を短くすることができる。
なお、貫通孔24、導体膜26、スルーホール27、及び開口52,62を、配線基板20のうちいずれの外部記憶装置10にもならない部分に形成しても良い。このようにすると、外部記憶装置10に貫通孔24、導体膜26、スルーホール27、及び開口52,62を残さないですむ。
図20は、第10の実施形態に係る外部記憶装置10の構成を示す断面図である。本図に示す外部記憶装置10は、以下を除いて第9の実施形態に係る外部記憶装置10と同様の構成である。
まず、配線基板20の第2面側にも封止樹脂層30を形成している。ただし封止樹脂層30は外部端子40を被覆していない。また、第9の実施形態に示した貫通孔24、導体膜26、スルーホール27、及び開口52,62を、配線基板20のうちいずれの外部記憶装置10にもならない部分に形成している。このため、外部記憶装置10は貫通孔24、導体膜26、スルーホール27、及び開口52,62を有していない。
図21は、本実施形態における配線基板20の形状を示す平面図である。配線基板20は、半導体チップ110,120及び配線基板20上の配線と重ならない位置に、複数のスルーホール28,29を有している。スルーホール28は配線基板20のうち外部記憶装置10となる領域に位置しており、スルーホール29は、配線基板20のうち外部記憶装置10の4つの角となる部分それぞれに位置している。スルーホール28,29は、封止樹脂層30を配線基板20の第1面側から第2面側に案内するためのものである。すなわちスルーホール28,29を設けることにより、配線基板20の第2面側にも封止樹脂層30を形成することができる。
本実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また封止樹脂層30を配線基板20の第2面側にも形成したため、外部記憶装置10の耐久性を向上させることができる。
図22は、第11の実施形態に係る外部記憶装置10の構成を示す断面図である。図23は図22に示した外部記憶装置10の平面図である。図22は図23のC−C´断面図に相当している。本図に示す外部記憶装置10は、以下を除いて第1の実施形態に係る外部記憶装置10と同様の構成である。
まず、外部記憶装置10は筐体80を有している。筐体80は、配線基板20及び封止樹脂層30を覆っている。また筐体80には、開口82,84が設けられている。開口82、84は配線基板20の第1面と対向する領域に設けられている。平面視において開口82は外部端子40と重なっており、開口84はインダクタ114と重なっている。
本図に示す例では、外部記憶装置10の差込方向Xで見た場合、外部記憶装置10では、外部端子40、半導体チップ110、及び半導体チップ120がこの順に並んでいる。そして開口82は、平面視において外部記憶装置10のうち差込方向Xの先端まで広がっている。また開口84は、図23に示すように、開口82より幅は狭いが、開口82につながっている。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また配線基板20及び封止樹脂層30を筐体80によって覆ったため、外部記憶装置10の耐久性を向上させることができる。
また筐体80にはインダクタ114と重なる位置に開口84を設けている。このため、筐体80を設けても、インダクタ114から読取装置500のインダクタ514までの距離が遠くなることを抑制できる。
また開口84は、開口82につながっている。開口82は平面視において外部記憶装置10のうち差込方向Xの先端まで広がっている。このため、外部記憶装置10を読取装置500の差込穴502に差し込むときに、筐体80が読取装置500の読取部510と干渉することを防止できる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。