パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球(パチンコ玉)を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。この上皿3の下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、その上端部には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン516や遊技者が発生する音声を入力するための指向性マイク61bが設けられている。また、上皿3の前面端面の左右位置端部位置には、図1に示すように遊技機周囲の音を入力するための指向性マイク61a,61cが設けられている。
これら指向性マイク61a〜61cは、向けられている方向からの音を高利得で入力可能な指向性を有する集音マイクとされており、パチンコ遊技機1の中央に遊技者を向けて配置された指向性マイク61bは、遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音を高利得で集音し、指向性マイク61aは、パチンコ遊技機1の右側(向かって左側)に向けて配置されていることで、パチンコ遊技機1の右側の周囲音を高利得で集音し、指向性マイク61cは、パチンコ遊技機1の左側(向かって右側)に向けて配置されていることで、パチンコ遊技機1の左側の周囲音を高利得で集音する。
プッシュボタン516は、図11に示すように、上下に可動可能とされて、遊技者により操作されていない非操作状態である非押下(高背)状態と、遊技者により操作されている操作状態である押下(低背)状態とを反復するようになっているとともに、プッシュボタン516の直下に設けられたバネ部材517により、常時、非押下(高背)状態に付勢されており、遊技者が操作したときにおいてのみ非押下(高背)状態から押下(低背)状態となる。
これらプッシュボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を受付け可能に構成されていればよい。プッシュボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図2を参照)が設けられている。
操作レバー600のパチンコ遊技機1内方側には、送風口が設けられていることで、操作レバー600を操作する遊技者の手に対し、演出に応じて送風するとともにバイブレータを動作させて振動させることにより臨場感を高めることができるようになっている。
ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられているとともに、該演出表示装置(飾り図柄表示装置)9の上部位置には、遊技者の遊技位置である、パチンコ遊技機1の正面に配置された椅子の配置位置を含むパチンコ遊技機1前面の所定領域(撮像領域)を撮像する赤外線撮像部11bと、赤外光放射部11aとを有する、遊技者の位置や動作を検出するための撮像ユニット11が設けられている。
本実施例では、赤外光放射部11aから網点状の所定パターンにパターン化されたパターン赤外光を放射して、該放射したパターン赤外光による距離画像を撮像することにより、各被写体の動作や距離を検出可能とされており、このように、パターン赤外光を放射することによる距離画像により対象物との距離や遊技者の遠近方向の動きを検出することで、例えば、これら対象物との距離や遊技者の遠近方向の動きを視差等により検出するために、複数の撮像カメラを設ける必要がなく、遊技機の構造が複雑化してしまうことを防止できる。
また、本実施例では、赤外光放射部11aを設けており、これら赤外光放射部11aによって撮像領域が、赤外線撮像部11bにて撮像可能な赤外光にて照らされるので、周囲の明るさ等に影響されることなく、遊技者の位置や動作を確実に検知できるようになるとともに、これら使用する電磁波(光)として、可視光ではなく目視できない赤外線を使用しているので、演出用の光以外にこれら検出用の光が放射されることにより、演出用の光による演出効果が低下してしまうことも回避できる。
演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
また、変動表示装置9は、図5に示すように、立体(3D)画像(映像)並びに非立体(2D)を表示する画像用液晶パネル9aと、該画像用液晶パネル9aの後方から前方側に向けて面状光を照射するバックライト9cと、画像用液晶パネル9aの前面側に該画像用液晶パネル9aと所定間隔を有して設けられた視差バリア用液晶パネル9bとを有する、パララックスバリア方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。
視差バリア用液晶パネル9bは、図5に示すように、画像用液晶パネル9aに縦長短冊状に表示される右目用画像を遊技者の左目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の右目が視認することを阻止するシャッタとなる縦縞状の黒部と、右目用画像を遊技者の右目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の左目が視認することを可能とする透明部とを有する視差バリア画像を表示する視差バリア画像表示状態と、縦縞状の黒部を有さない、全ての画素が透明部とされた透過状態の表示状態とが可能とされた比較的光透明性の高い液晶パネルとされている。
これら図5に示すように、視差バリア用液晶パネル9bには、視差バリア画像が視差バリア用液晶パネル9bに表示されることで、右目についは、画像用液晶パネル9aに表示されている各左目用画像(L)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各右目用画像(R)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、右目には右目用画像(R)のみが提供される一方、左目についは、画像用液晶パネル9aに表示されている各右目用画像(R)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各左目用画像(L)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、左目には左目用画像(L)のみが提供されることで、遊技者は、偏向メガネ等を装着することなく、裸眼の状態で、立体画像を視聴することができるようになっている。
これら表示が立体として遊技者に視認される原理について図23を用いて説明すると、人間は、右の目で視認した右目画像と左の目で視認した左目画像について、同一の対象物の画像の違い(視差量)に基づいて、物体との距離や形状を認識するので、図23(a)に示すように、右の目で視認する右目画像と左の目で視認する左目画像とを同じ位置に表示する、すなわち、右目画像と左目画像とが同一とされた非立体画像を表示することにより、当該表示された全ての表示物は、画像用液晶パネル9aの表示面の位置に存在しているように見えるので、非立体の画像表示となる。
このように、右目画像と左目画像とが同一とされた非立体画像を表示する場合には、以下において便宜的に視差量0と表現する場合がある。
これに対し、図23(b)に示すように、右目用画像と左目用画像とを、画像用液晶パネル9aの異なる位置であって、対応する目の位置と反対方向に位置するように表示した場合(便宜的に視差量マイナスと表現する)、つまり、右目で右目用画像を視認するとともに左目で左目用画像を視認したときに、ぞれぞれの目の視線が画像用液晶パネル9aの表示面よりも手前位置にて交差するように表示した場合には、これら表示画像を見た遊技者は、該表示画像の表示物が画像用液晶パネル9aの手前側に浮き出しているように見えるようになる。
これら浮き出して見える度合い(立体度)は、図23(b)に示すように、右目用画像と左目用画像とを表示する位置違い(視差量に相当)が大きくなるほど大きくなる。
また、図23(c)に示すように、右目用画像と左目用画像とを、画像用液晶パネル9aの異なる位置であって、対応する目の位置と同じ方向に位置するように表示した場合(便宜的に視差量プラスと表現する)、つまり、右目で右目用画像を視認するとともに左目で左目用画像を視認したときに、ぞれぞれの目の視線が画像用液晶パネル9aの表示面よりも奥方向の位置にて交差するように表示した場合には、これら表示画像を見た遊技者は、該表示画像の表示物が画像用液晶パネル9aの奥側に退没(引っ込んで)しているように見えるようになる。
これら退没(引っ込んで)して見える度合い(立体度)は、図23(c)に示すように、右目用画像と左目用画像とを表示する位置違い(視差量に相当)が、眼間距離を超えない範囲で大きくなるほど大きくなる。
よって、これら立体画像を表示する場合には、表示する対象物の右目用画像と左目用画像とを表示する位置の違いの大きさである視差量を小さくすることで、立体度を調節することができるとともに、これら右目用画像と左目用画像とを表示する位置を、遊技者の対応する目の位置と同じ方向となる、すなわち視差量が0またはプラス(0以上)となるように制限することで、表示される表示物が画像用液晶パネル9aの表示面よりも手前に浮き出して視認されることを防止できる。
なお、本実施例においては、変動表示装置9は、画像用液晶パネル9aとして液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、画像用液晶パネル9aのデバイスとしては、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等のその他の画像表示形態の表示装置により構成されてもよい。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ13b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第2入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bの検出結果及び第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、第1始動入賞口13への入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。尚、これら第1保留記憶数と第2保留記憶数は、特別図柄保留記憶表示器18の表示態様からも特定されるとともに、RAM55の所定アドレスに格納されている第1保留記憶数データと第2保留記憶数データからも特定可能とさている。
また、これら第1保留記憶数と第2保留記憶数は、第1保留記憶数と第2保留記憶数に変更がある毎に演出制御基板80に通知されて、該演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100内のRAMの所定記憶領域に記憶されている第1保留記憶数と第2保留記憶数のデータが更新されて、これら第1保留記憶数と第2保留記憶数のデータに基づく第1保留記憶数や第2保留記憶数が、後述する第1保留記憶表示領域や第2保留記憶表示領域に表示される。
また、演出表示装置9の表示画面には、後述する保留予告フラグがセットされているときにおいて第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部(図1参照)と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部(図1参照)とが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23(例えば、近接スイッチ)及び第3入賞確認スイッチ23a(例えば、フォトセンサ)で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
なお、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a,29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29b,29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
第1始動入賞口13内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b)が設けられている。この実施例では、第1始動入賞口13内で、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bとが上下に配置されている(本例では、第1始動口スイッチ13aが上側に配置され、第1入賞確認スイッチ13bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第1始動入賞口13内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第1始動口スイッチ13aで検出され、次いで第1入賞確認スイッチ13bで検出される。
また、第2始動入賞口14内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b)が設けられている。この実施例では、第2始動入賞口14内で、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bとが上下に配置されている(本例では、第2始動口スイッチ14aが上側に配置され、第2入賞確認スイッチ14bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第2始動口スイッチ14aで検出され、次いで第2入賞確認スイッチ14bで検出される。
また、大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。この実施例では、大入賞口内で、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとが配置されている(本例では、カウントスイッチ23が上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23aが下側に配置されている)。従って、この実施例では、大入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まずカウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとして、それぞれ異なる検出方式のスイッチが用いられる。この実施例では、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23として近接スイッチを用い、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aとしてフォトセンサを用いている。
また、第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第1特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第1カウントスイッチ23または第2カウントスイッチ24によって遊技球が検出されたことにもとづいて、賞球払出が実行される。また、第1始動口スイッチ13aによる検出結果に加えて第1入賞確認スイッチ13bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第2始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、カウントスイッチ23による検出結果に加えて第3入賞確認スイッチ23aの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。従って、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aは、異常入賞の判定のみに用いられる。
このように、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23は近接スイッチを用いて構成し、第1〜第3入賞確認スイッチ14b,15b,23aはフォトセンサを用いているが、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aの検出方式はこの実施例で示したものにかぎらず、例えば、第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23と、第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとで異なる検出方式であれば、逆に第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23としてフォトセンサを用い、第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとして近接スイッチを用いてもよい。この場合、フォトセンサである第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23の検出結果にもとづいて特別図柄の変動表示や賞球払出処理が実行され、近接スイッチである第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aの検出結果は、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口の異常入賞の判定のみに用いられることになる。また、例えば、電磁式のスイッチである近接スイッチや光学式のフォトセンサに代えて、第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23または第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとして、機械式のスイッチ(マイクロスイッチなど)を用いてもよい。
また、この実施例では、特別図柄の変動表示や賞球払出処理の実行の契機となる第1,2始動口スイッチ14a,15aカウントスイッチ23は、異常入賞の判定に用いられる第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aよりも上流側に設けられていたが、異常入賞の判定に用いられるスイッチの下流側に設けてもよい。
そして遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、第1始動口スイッチ13a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第1入賞確認スイッチ13b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第1始動口スイッチ13aにて検出された遊技球数と第1入賞確認スイッチ13bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第1始動入賞口13への異常入賞が発生したと判定する。また、第2始動口スイッチ14a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第2入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第2始動口スイッチ14aにて検出された遊技球数と第2入賞確認スイッチ14bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定する。また、カウントスイッチ23(近接スイッチ)から入力した検出信号と第3入賞確認スイッチ23a(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、カウントスイッチ23にて検出された遊技球数と第3入賞確認スイッチ23aにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、5以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、大入賞口への異常入賞が発生したと判定する。
このように、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aと、を互いに異なる検出方式のセンサ(本例では、近接スイッチとフォトセンサ)により構成していることで、例えば電磁波などを用いて第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われた場合に、近接スイッチにて検出された遊技球数とフォトスイッチにて検出された遊技球数とに差が生じ、遊技制御用マイクロコンピュータ1560はこの差球数が所定の閾値を超えた場合に異常入賞が発生したと判定するため、確実な不正行為対策を講ずることができる。
遊技領域7には、遊技状態に応じて発光する複数の装飾LED25a、25bを有する装飾部材25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
図1では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天ランプモジュール530の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。なお、賞球LED51および球切れLED52は、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100によって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「確変大当りA」または「通常大当りC」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、第1大当り状態(15ラウンド大当り状態)に移行する。大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。なお、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「確変大当りB」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、第2大当り状態(高速2ラウンド大当り状態)に移行する。第2大当り状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)あるいは所定個数(例えば3個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。第2大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第2ラウンド数(例えば「2」)となる。
このような第2大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉(賞球)が得られるが、大入賞口の開放期間が第2期間(0.5秒間)であって、非常に短い。そのため、第2大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、第2大当り状態は第2特定遊技状態ともいう。また、第2大当り状態は、本実施例のように、第1大当り状態に比べてラウンドの実行回数が少ないものではなく、同一のラウンド数であって、大入賞口の開放期間が非常に短い(例えば0.1秒間)としたものであってもよい。すなわち、第2大当り状態は、各ラウンドで大入賞口を開放状態に変化させる期間が第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第1大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであってもよい。
また、非確変大当りである「通常大当りC」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば70回等)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。このように非確変大当りである「通常大当りC」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基に対応する大当り図柄特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
「確変大当りA」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後や、確変状態において「確変大当りB」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第2大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。
こうした「確変大当りA」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。また、「確変大当りB」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、突確大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「確変大当り」と称される。突確大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「突確大当り」(「突確大当り」ともいう)と称される。なお、これら大当り図柄は任意であり、例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号等にしてもよい。
「小当り」に対応する特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、確変大当りB(第2大当り状態)と同様に特別可変入賞球装置20において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置20を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が、第2回数{第2ラウンド数に等しい実行回数(本例では2回)に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、第2大当り状態と同様に、特別可変入賞球装置20を第1状態とする期間が第2期間となることと、第1状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合せられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
また、この実施例では、通常状態において「確変大当りB」の終了後には、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない第2確変制御(潜伏確変状態;高確低ベース状態)へ移行する。また、確変状態において「突確大当り」となったことに基づく第2大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態)へ移行する。
このように確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないもの(潜伏確変)が含まれていてもよい。また、例えば、特図ゲームにける可変表示結果が「確変大当り」となったことに基づく第1大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態ともいう)に制御され、その後、特図表示結果が「大当り」となることなく、特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば70回)に達したときには、確変制御は継続して行われるものの、時短制御や高開放制御が終了して行われなくなる第2確変状態(高確低ベース状態ともいう)に制御されるようにしてもよい。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(変動表示)が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について簡単に説明する。パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケースに収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ1560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板が設置されている。ターミナル基板には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。なお、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
パチンコ遊技機1の背面上部の貯留タンクに貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチが設けられている。球切れスイッチが球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチが遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ1560(遊技制御手段に相当)が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ1560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ1560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、乱数回路53が内蔵されている。乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切り替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ1560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ1560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路53から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ100)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路52が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータ100にも、遊技制御用マイクロコンピュータ1560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ1560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ1560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ1560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ1560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14a、第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23aおよび各入賞口スイッチ30a,30bや、演出装置500に設けられる昇降センサ90からの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、演出装置500の可動部800を昇降する昇降モータ533を基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ1560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ1560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU120およびRAM122を含む演出制御用マイクロコンピュータ100(図3参照)や、指向性マイク61a〜61cにより集音された音声を入力するための音声入力用回路110や、該音声入力用回路110を通じて指向性マイク61a〜61cから入力された音声信号を処理して、音声認識により所定の合言葉と一致するか等の判定処理等を行う音声信号処理回路111や、撮像ユニット11の動作を制御するとともに、該撮像ユニット11にて撮像した赤外線放射パターンによる画像信号を画像認識処理して、画像認識により遊技者の動作検出等の各種処理を行う動作検出処理部112を搭載している。
なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
音声入力用回路110は、パチンコ遊技機1の右側(向かって左側)に設けられている指向性マイク(右マイク)61aと、パチンコ遊技機1の左側(向かって右側)に設けられている指向性マイク(左マイク)61cとが接続され、これら指向性マイク(右マイク)61a並びに指向性マイク(左マイク)61cからパチンコ遊技機1の周囲の音声が入力され、該入力された各音声の波形を合成し、該合成した音声波形を反転して出力する波形合成反転回路と、該波形合成反転回路から出力された音声波形の音量レベル、つまり、パチンコ遊技機1の周囲音の音量レベルを検出する音量レベル検出回路と、該音量レベル検出回路を通過した波形合成反転回路により合成反転された波形を有する周囲音の波形と、指向性マイク(中央マイク)61bから入力される音の波形とを合成する波形合成回路と、該波形合成回路で合成されることで強調される指向性マイク(中央マイク)61bからの入力音を増幅するアンプ等から成る音声増幅回路と、該音声増幅回路にて増幅された音声をデジタルデータにA/D変換するA/D変換回路とが設けられている。
つまり、音声入力用回路110においては、指向性マイク(右マイク)61a並びに指向性マイク(左マイク)61cから入力されるパチンコ遊技機1の周囲音の音、すなわち、パチンコ遊技機1に隣接している他のパチンコ遊技機1や他の遊技者の声等の周囲音を合成するとともに波形反転させて、指向性マイク(中央マイク)61bからの入力音の波形と合成することで、指向性マイク(中央マイク)61bから遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音とともに入力される周囲音が減衰されることにより、遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音が相対的に強調されることになり、これら遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音を、周囲の音が大きくても良好に取り出すことができる。
また、音量レベル検出回路は、検出した周囲音の音量レベルを演出制御用CPU120とともに音声増幅回路に出力しており、音声増幅回路は、該周囲音の音量レベルに基づいて波形合成回路から出力される音声波形、つまり、周囲音が減衰された音声を増幅する。具体的には、周囲音の音量レベルが高ければ増幅を大きくし、周囲音の音量レベルが低ければ増幅を小さくする。
音声信号処理回路111は、A/D変換回路にて変換された音声データを一時記憶可能なワークメモリや、これらワークメモリに記憶されている音声データを高速で処理可能な音声処理プロセッサを有している。
音声処理プロセッサにおいては、ワークメモリに記憶されている音声データに基づいて、入力された音声の総音量を特定して出力する処理や入力された音声を文字列データに変換する音声認識が実施され、該音声認識にて変換された文字列が所定の合言葉に合致しているかを判断することができる。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従って画像ROM263から必要なデータを読み出す。画像ROM263は、演出表示装置9に非立体(2D)表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号や、3D画像データ等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、画像ROM263から読み出したデータをVDP262に出力する。VDP262は、演出制御用CPU120から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ1560側)に入り込まない。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段である演出制御用CPU120が、遊技盤6に設けられているステージLED(図示略)の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c並びに天ランプモジュール530内の各LEDの表示制御を行う。
図3に示すように、演出制御基板80は、演出制御用CPU120、ROM121、RAM122、I/O123を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵のROM122に格納されたプログラムに従って動作し、入力回路260を介して演出制御コマンドを受信する。このうち、ROM122には、後述する動画再生における、各動画のタイムチャート(図20及び図21参照)及び3D表示中止期間決定用テーブル(図22参照)が記憶されており、RAM122には、図示しないキャンセルカウンタが記憶されている。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に、変動表示装置9に表示する画像の生成や視差バリア画像の生成等の変動表示装置9の表示制御を行わせる表示制御処理を実施する。
VDP262は、図3に示すように、スプライト画像として用いる画像要素データとしてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等の画像データ、CGデータとも呼ぶ)などのデータが格納される画像データROM263、VRAM(ビデオRAM)領域として使用されるSDRAM210(シンクロナスDRAM)とともに表示制御回路を構成する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従って2次元(2D)画像データや右目用画像と左目用画像から成る立体画像を表示するための立体(3D)画像データが記憶された画像データROM263から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。画像データROM263は、変動表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像の2次元或いは3次元の画像データをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU120の指令に応じて、画像データROM263から画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
VDP262は、VDP262の各種設定などが格納されるシステムレジスタ202、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されるアトリビュートレジスタ203、VRAM領域の後述する描画領域への画像の描画制御を行う描画制御部206、画像データROM263に格納されているCGデータをVRAM領域に転送する制御を行うデータ転送制御部211、VRAM領域の後述する表示領域に格納されている画像データを表示するためのビデオ信号(R(赤)、G(緑)、B(青))信号及び同期信号を出力する表示制御部213、表示制御部213から出力されたビデオ信号をアナログ信号に変換して変動表示装置9を構成する画像用液晶パネル9a、視差バリア用液晶パネル9bに出力するDAコンバータ214、215などが搭載された集積回路である。
VDP262の内部には、システムバス、CGバスが設けられており、システムバス及びCGバスはCPUインターフェイス201を介して演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU120と接続されているとともに、CGバスはCGバスインターフェイス204を介して画像データROM263に接続されている。システムバスにはシステムレジスタ202が接続されているとともに、CGバスにはアトリビュートレジスタ203が接続されており、演出制御用CPU120は、システムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213はシステムバスに接続されており、システムレジスタ202にアクセスできるようになっている。また、描画制御部206、データ転送制御部211はCGバスに接続されており、画像データROM263、アトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、VDP262の内部には、更にVRAMバスが設けられており、VRAMバスは、VRAMバスインターフェイス209を介してSDRAM210と接続されている。VRAMバスには、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213が接続されており、VRAMバスを介してSDRAM210のVRAM領域にアクセスできるようになっている。
システムレジスタ202には、初期設定、描画、データ転送などの命令を格納するシステム制御レジスタ、後述する割込信号の出力命令などを格納する割込制御レジスタ、VRAM領域における描画領域、パレットデータの配置領域などを格納する描画レジスタ、データ転送時の転送元のアドレス、転送先のアドレスなどを格納するデータ転送レジスタ、VRAM領域における表示領域などを格納する表示レジスタなどが割り当てられている。
CPUインターフェイス201は、Vブランク(画像を更新する周期)の開始毎に演出制御用CPU120に対してVブランク割込信号を出力するとともに、その他各種割込信号を、演出制御用CPU120に対して出力する。
表示制御部213は、表示レジスタにて指定されているVRAM領域の表示領域の画像データをビデオ信号として出力する表示処理を行う。本実施例では、Vブランク毎に表示領域及び描画領域が切り替わる。このため、あるVブランクにおいて描画領域として割り当てられた領域の描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された画像データが表示出力されることとなり、その間も他方の領域で描画が行われることとなる。
図4は、SDRAM210のVRAM領域の構成を示す図である。VRAM領域には、パレットデータが配置されるパレット領域、必要なキャラクタが画像データROM263から読み出されて格納されるキャラクタ用バッファ、描画制御部206が画像を描画する際にパレットデータ(キャラクタの表示色が定義されたデータ)を一時的に保存するため、及び描画制御部206が画像を描画する際にCGデータを一時的に保存するためのCG用バッファなどの各領域が割り当てられている。
また、VRAM領域には、画像用液晶パネル9aに表示される非立体画像に基づく画像データが格納される非立体画像表示領域、画像用液晶パネル9aに表示される非立体画像に基づく画像データが描画される非立体画像描画領域が割り当てられている。これら非立体画像表示領域と非立体像描画領域とは、Vブランク毎に切り替わるようになっている。このため、あるVブランクにおいて非立体画像描画領域として割り当てられた領域では非立体画像の画像データの描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は非立体画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された非立体画像の画像データが画像用液晶パネル9aに非立体画像として表示出力されることとなり、その間も他方の領域で画像データの描画が行われることとなる。
更に、VRAM領域には、画像用液晶パネル9aに表示される立体画像に基づく画像データが格納される立体画像表示領域、画像用液晶パネル9aに表示される立体画像に基づく画像データが描画される立体画像描画領域、が割り当てられている。これら立体画像表示領域と立体像描画領域とは、Vブランク毎に切り替わるようになっている。このため、あるVブランクにおいて立体画像描画領域として割り当てられた領域では立体画像の画像データの描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は立体画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された立体画像の画像データが立体画像として画像用液晶パネル9aに表示出力されることとなり、その間も他方の領域で非立体画像の画像データの描画が行われることとなる。
同様に、VRAM領域には、視差バリア用液晶パネル9bに表示される視差バリア画像に基づく画像データが格納される視差バリア画像表示領域、視差バリア用液晶パネル9bに表示される視差バリア画像に基づく画像データが描画される視差バリア画像描画領域、が割り当てられている。これら視差バリア画像表示領域と視差バリア画像描画領域とは、前述した非立体画像表示領域と非立体画像描画領域、及び立体画像表示領域と立体画像描画領域と同様に、あるVブランクにおいて視差バリア画像描画領域として割り当てられた領域では視差バリア画像の画像データの描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は視差バリア画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された視差バリア画像の画像データが視差バリア画像として画像用液晶パネル9aに表示出力されることとなり、その間も他方の領域で非立体画像の画像データの描画が行われることとなる。
このように、非立体画像表示領域と非立体画像描画領域、立体画像表示領域と立体画像描画領域、視差バリア画像表示領域と視差バリア画像描画領域は、それぞれVブランク毎に一方の領域での画像データの描画と、他方の領域での画像データを画像として画像用液晶パネル9aまたは視差バリア液晶パネル9bへの表示を交互に行うことで、本実施例の描画制御部206は、非立体描画領域、立体画像描画領域及び視差バリア画像描画領域への描画処理を並行して行うことが可能となっているとともに、表示制御部213は、非立体画像表示領域の画像データを非立体画像として画像用液晶パネル9aに表示させること、または、立体画像表示領域の立体画像データを立体画像として画像用液晶パネル9aに表示させること及び視差バリア画像表示領域の視差バリア画像データを視差バリア画像として視差バリア用液晶パネル9bに表示させることを並行して行うことが可能となっている。
次に、描画制御について説明する。描画制御部206が描画処理を行うためには、描画に必要なキャラクタがVRAM領域に配置されている必要がある。すなわちスプライト画像のソースデータとなるキャラクタをVRAM領域に配置する必要がある。
このため、演出制御用CPU120は、演出を実行する際に、当該演出の実行に必要な全てのキャラクタの画像データROM263からVRAM領域への転送命令を行う。これに伴いデータ転送制御部211によって演出の実行に必要な全てのキャラクタがVRAM領域に配置されることとなる。演出を実行する場合には、何度も繰り返して同じキャラクタを描画に用いることが多いが、画像データROM263に格納されたデータは圧縮されており、これを読み出すのに時間を要するので、前述のように演出を実行する最初の段階で、必要な全てのキャラクタをVRAM領域に配置することにより、各フレーム毎に画像データROM263からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済むこととなる。尚、本実施例では、演出制御用CPU120が演出を実行する際に、当該動画再生に必要な全てのキャラクタの画像データROM263からVRAM領域への転送命令を行うようになっているが、描画に必要なキャラクタの転送命令をその都度行うようにしても良い。
また、描画制御部206が描画処理を行うためには、アトリビュートレジスタ203にアトリビュートが設定されている必要がある。アトリビュートは、Vブランク毎に異なるため、Vブランク毎にプロセスデータに従ったアトリビュートをアトリビュートレジスタ203に格納する。
そして、演出制御用CPU120は、演出を開始した後、Vブランク毎に、アトリビュートをアトリビュートレジスタ203に設定した後、アトリビュートの読込の実行を命令する。これに伴い描画制御部206は、アトリビュートレジスタ203のアトリビュートを読み込んで、読込が終了すると読込終了割込信号の出力を命令する。これを受けて演出制御用CPU120は描画の実行を命令し、描画制御部206は、読み込んだアトリビュートに従って非立体画像描画領域、立体画像描画領域及び視差バリア画像描画領域に画像データの描画を行う。
また、本実施例の演出制御基板80には、図3に示すように、前述した撮像ユニット11に接続され、これら撮像ユニット11にて撮像された画像に基づいて、遊技中の遊技者の視点位置や動作を特定して出力する動作検出処理部112が設けられている。
ここで、本実施例に用いた撮像ユニット11について説明すると、撮像ユニット11は、図6(b)に示すように、網点状の所定パターンにパターン化されたパターン赤外光を、図6(a)に示すように、パチンコ遊技機1前方の遊技者側の領域に向けて広がるように放射する赤外光放射部11aと、この赤外光放射部11aから放射されるパターン赤外光による撮像を行う赤外線撮像部11bを備えており、赤外線撮像部11bにて撮像した遊技者の画像により、撮像した画像中に含まれる人物や該人物の各身体部位を抽出したり、これら人物や各身体部位までの距離や位置を特定することによる抽出した各身体部位の動作の特定を、該画像を動作検出処理部112にて画像認識することにより正確に特定できるようになっている。
これら撮像ユニット11は、演出制御基板80に搭載された動作検出処理部112に接続されており、該撮像ユニット11の動作制御が動作検出処理部112にて実施されるとともに、該撮像ユニット11にて撮像された赤外線画像が撮像ユニット11に入力されることで、該動作検出処理部112においてパチンコ遊技機1において遊技中の遊技者が識別されるとともに、該識別された遊技者の動作が検出されて、該遊技者の位置情報(視点位置情報)や動作情報が演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)に出力される。
本実施例の動作検出処理部112には、撮像ユニット11により放射された放射パターンにより映し出された遊技者の画像を記憶する画像用メモリや、この画像中に含まれるパターンを構成する所定図形点の間隔(距離)や、変形状況(輪郭部分においては変形や欠けが大きい)を解析する画像処理を実施して、各被写体までの距離特定や、これら解析による被写体の輪郭並びに形状と、予め登録されている人体や人体の身体部位の形状パターンとの対比により画像中に含まれる人体や該人体の各身体部位を特定し、該画像解析結果(人物や各身体部位までの距離情報と位置情報等)を出力する距離画像センサ用集積回路113や、該距離画像センサ用集積回路113から出力される画像解析結果に基づいて、人体の姿勢推定を実施するとともに、該推定した姿勢に基づいた動作認識を行う姿勢推定用集積回路(IC)114や、該姿勢推定用集積回路(IC)が姿勢推定のために使用する、異なった姿勢における各人体部位についての姿勢データが格納された姿勢データROM等が搭載されている。
これら距離画像センサ用集積回路(IC)としては、例えば、「Light Coding技術」に対応したPS1080(米国、PrimeSense社製商品名)を好適に使用でき、姿勢推定用集積回路(IC)としては、PS1080から出力される画像解析結果と姿勢データROMに記憶されている姿勢データに基づいて姿勢推定を実施するための姿勢推定アルゴリズムをプログラム化した姿勢推定プログラムが組み込まれた、比較的処理能力に優れたマイクロコンピュータを使用することができる。
つまり、距離画像センサ用集積回路113においては、撮像された画像中に含まれる各人物と各人物の各部位が抽出されるともに、これら各部位の左右方向座標並びに遠近方向の距離座標とが出力され、これらの情報に基づいて、姿勢推定用集積回路(IC)114は、各人物の姿勢を推定し、推定した姿勢に基づく動作情報を個々の人物毎に演出制御用CPU120に出力することで、遊技者の各部位にマーカ等を付けることなく、演出制御用CPU120は、撮像された各人物毎を個別に認識できるとともに、各人物毎の動作を動作情報から把握できるようになっている。
遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての天ランプモジュール基板542、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板542、473b、473c、508、509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
操作台基板508には、操作レバー600に設けられたレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513から出力される信号を検出し、信号入力に対応した所定の検知信号を出力するセンサ監視IC(図示略)と、該センサ監視ICによる検知信号が入力されるパラレル−シリアル変換IC(図示略)が搭載されており、操作レバー600の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
同様に、枠ボタン基板509には、プッシュボタン516の操作を検出するボタンスイッチ516からの出力信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)に出力するパラレル−シリアル変換ICが実装されており、これらプッシュボタン516の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
ここで、動作検出処理部112により検出された遊技者の眼間距離に応じて、表示制御部213により、視差バリア用液晶パネル9bの視差バリア画像が変化する状況について、図7に基づいて以下に説明する。
眼間距離は、眼間距離が大きい遊技者もいれば、眼間距離が小さい遊技者もいるように、個々の遊技者で異なるので、通常において遊技者が交代した場合には眼間距離が変化する。これら眼間距離が変化した場合、つまり遊技者が交代した場合には、図7に示すように、立体画像の良好な表示を確保するためには、逆視画像の適切なブロックと正視画像の適切な視認とを行うために黒帯部(シャッタ)と非黒帯部(ブランク)の位置や幅等を変更する、具体的には、眼間距離が大きい場合には、黒帯部(シャッタ)の位置を両端(外部)方向に移動するとともに幅を拡大するように変更し、眼間距離が小さい場合には、黒帯部(シャッタ)の位置を中心(内部)方向に移動するとともに幅を縮小するように変更することが必要となる。
よって、特定した新たな眼間距離と、表示制御部213に含まれる図示しない内部ROMに記憶されている補正データとに基づいて、当該遊技者並びに当該パチンコ遊技機1に特化(最適化)した視差バリア画像である特化画像を新たに生成して、該生成した特化画像を視差バリア用液晶パネル9bに表示することで、個々の遊技者の視点位置に対応した視差バリア画像が視差バリア用液晶パネル9bに表示されるようになっている。
次に、上述のようにパチンコ遊技機1からのパターン赤外光の放射、撮像により、動作検出処理部112により検出される遊技者の位置に応じて、表示制御部213により、視差バリア用液晶パネル9bの視差バリア画像が変化する状況について、図8〜図11に基づいて以下に説明する。
尚、図8〜図11においては、画像用液晶パネル9aには、VDP262により、演出制御用CPU120からの指示に基づいて画像データROM263から読み出された立体画像を成す、縦方向の帯状とされた所定幅の右目用画像(R)と左目用画像(L)とが交互に表示されている。
本実施の形態では、右目用画像(R)と左目用画像(L)との表示幅を均一としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら表示幅を、画面の中央部と端部とで異なるようにしても良い。
遊技者の視点位置が、例えば、前述した図5に示すように、所定の基準位置となるX0、D0にあった場合には、X0、D0に対応するように特化された視差バリア画像である特化画像ID(X0、D0)の特化画像が、表示制御部213により視差バリア用液晶パネル9bに表示されることで、右目についは、画像用液晶パネル9aに表示されている各左目用画像(L)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各右目用画像(R)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、右目には右目用画像(R)のみが提供される一方、左目についは、画像用液晶パネル9aに表示されている各右目用画像(R)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各左目用画像(L)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、左目には左目用画像(L)のみが提供されることで、遊技者は、基準位置の視点位置から立体画像を良好に視認することができる。
遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(X0、Dz;Zは0からnまでの範囲の変数)の後方(遠方)に移動した場合には、図8に示すように、X0、Dzに対応する特化画像ID(X0、Dz)の特化画像、具体的には、図5のX0、D0の基準画像(基準視差バリア画像)に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に外側(両側端側)に移動するとともに黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや広がった特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル9bに表示されることで、特に画面の両端部領域において逆視画像が視認されてしまうことが防止され、良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の後方(遠方)に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル9b上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に外側(両側端側)に移動するとともに、黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してやや広幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が後方(遠方)に移動したとしても、これら後方(遠方)への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の後方(遠方)への移動によっても行うことができる。
尚、図8〜図11においては、画像用液晶パネル9aと視差バリア用液晶パネル9bとの距離L1に比較して、視差バリア用液晶パネル9bと遊技者の目との距離L2を、図示の都合上、実際の長さよりも著しく小さく示しているために、右目と左目の視線を示す線分が交錯する交錯位置が、視差バリア用液晶パネル9bよりも前方側或いは後方側に移動しているが、これら交錯位置の実際の移動量は非常に少ないものとなる。
一方、遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(X0、Dz’)の前方(近方)に移動した場合には、図9に示すように、X0、Dz’に対応する特化画像ID(X0、Dz’)の特化画像、具体的には、図5のX0、D0の基準画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に中心側に移動するとともに黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや狭まった特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル9bに表示されることで、特に画面の両端部領域において逆視画像が視認されてしまうことがより良く防止され、より良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の前方(近方)に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル9b上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に中心側に移動するとともに、黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してやや狭幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が前方(近方)に移動したとしても、これら前方(近方)への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の前方(近方)への移動によっても行うことができる。
また、遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(Xz、D0)である左方向に移動した場合には、図10に示すように、Xz、D0に対応する特化画像ID(Xz、D0)の特化画像、具体的には、図5のX0、D0の基準画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に左方向に移動するとともに、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや狭く、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや広い特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル9bに表示されることで、特に移動方向である左と反対方向の右側端部領域において逆視画像が視認されてしまうことが防止され、良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の左方向に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル9b上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に左方向に移動するとともに、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや狭幅とされる一方、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや広幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が左方向に移動したとしても、これら左方向への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の左方向への移動によっても行うことができる。
また、遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(Xz’、D0)である右方向に移動した場合には、図11に示すように、Xz’、D0に対応する特化画像ID(Xz’、D0)の特化画像、具体的には、図5のX0、D0の基準画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に右方向に移動するとともに、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや狭く、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや広い特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル9bに表示されることで、特に移動方向である右と反対方向の左側端部領域において逆視画像が視認されてしまうことが防止され、良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の右方向に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル9b上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に右方向に移動するとともに、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや広幅とされる一方、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや狭幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が右方向に移動したとしても、これら右方向への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の右方向への移動によっても行うことができる。
つまり、遊技者の視点位置の変化に応じて、該視点位置において立体画像が良好に視認できるように特化された特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル9b上に表示されることで、遊技者が演出を楽しむために動作することで視点位置が移動しても、裸眼にて立体画像を良好に視認することができる。
ここで、本実施例に用いた変動表示装置9の駆動形態について、図15〜図17を用いて以下に説明する。
本実施例に用いた変動表示装置9は、前述したとともに図15に示すように、交互に配置された異なる表示領域に右目用画像(R)と左目用画像(L)とを表示可能とされた画像用液晶パネル9aと、該画像用液晶パネル9aの前面側に所定間隔を有して設けられ、縦縞状の視差バリア画像を表示可能とされた視差バリア用液晶パネル9bとを有している。
また、画像用液晶パネル9aの各表示領域には、右目用画像(R)と左目用画像(L)ではなく、図15に示すように、右目用画像(R)と左目用画像(L)の区別がない通常の非立体画像(2D画像)も表示可能とされており、このように画像用液晶パネル9aに非立体画像(2D画像)を表示する場合には、演出制御用CPU120の指示に基づいて表示制御部213により視差バリア用液晶パネル9bが視差バリア画像を非表示とされた透明状態とされることで、変動表示装置9において非立体画像(2D画像)も表示できるようになっており、これら非立体画像(2D画像)と立体画像(3D画像)との切り替え表示が可能とされている。
これら変動表示装置9における表示を、非立体画像(2D画像)から立体画像(3D画像)に切り替えた場合には、図15に示すように、非立体画像(2D画像)の場合には各表示領域に同一の2D画像が表示されて遊技者の左右の目により視認されるので、画像用液晶パネル9aの解像度による表示を実施できるものの、立体画像(3D画像)を表示する場合には、縞状に形成された表示領域に右目用画像(R)と左目用画像(L)とが交互に表示されるようになるため、非立体画像(2D画像)に比較して、表示解像度が半分程度に低下してしまい、立体画像においては非立体画像(2D画像)のような鮮明な表示ができず、遊技者に違和感を与えてしまうことがある。
このため、本実施例の変動表示装置9においては、これら立体画像の表示における解像度の低下を解消するために、図16、図17に示す時分割交互駆動を行うことで、立体画像の表示においても非立体画像(2D画像)のような鮮明な表示ができるとともに、動画についても非立体画像(2D画像)と同様の滑らかな表示を可能としている。
つまり、従来の立体画像の表示においては、視差バリア用液晶パネル9bに表示される視差バリア画像は、画像用液晶パネル9aの立体画像(3D画像)の表示更新に同期することなく、ほぼ同一の表示状態に維持されるとともに、画像用液晶パネル9aにおいても右目用画像(R)と左目用画像(L)とがほぼ同一の表示領域に表示されているのに対し、本実施例では、画像用液晶パネル9aの立体画像(3D画像)の表示更新に同期して視差バリア用液晶パネル9bに表示される視差バリア画像として、第1の視差バリア画像と該第1の視差バリア画像の反転(ネガ)画像である第2の視差バリア画像を交互に表示するとともに、これら画像用液晶パネル9aの立体画像(3D画像)の表示更新において、更新前に右目用画像(R)が表示されていた表示領域に該表示領域に対応した左目用画像(L’)を表示し、更新前に左目用画像(L)が表示されていた表示領域に該表示領域に対応した右目用画像(R’)を表示するように、表示制御部213が画像用液晶パネル9a並びに視差バリア用液晶パネル9bを駆動する。
このように画像用液晶パネル9a並びに視差バリア用液晶パネル9bを駆動することにより、遊技者の右目からは、図17に示すように、偶数回の更新タイミングにて右目用画像R1、R2、R3…が表示される表示領域に挟まれた左目用画像L1、L2、L3…が表示される表示領域に、奇数回の更新タイミングにて該表示領域に対応した右目用画像R’1、R’2、R’3…が表示され、これらの表示更新を目視における残像時間よりも短い時間となる高速で実施することで、擬似的に画像用液晶パネル9aの全面領域に右目用画像(R)と右目用画像(R’)とが、あたかも連なって表示されているように見えることになり、これら立体画像の表示においても、非立体画像(2D画像)の場合と同じく画像用液晶パネル9aの解像度にて鮮明な表示を行うことが可能となる。
また、遊技者の左目からも、図17に示すように、偶数回の更新タイミングにて左目用画像L1、L2、L3…が表示される表示領域に挟まれた右目用画像R1、R2、R3…が表示される表示領域に、奇数回の更新タイミングにて該表示領域に対応した左目用画像L’1、L’2、L’3…が表示され、これらの表示更新を目視における残像時間よりも短い時間となる高速で実施することで、擬似的に画像用液晶パネル9aの全面領域に左目用画像(L)と左目用画像(L’)とが、あたかも連なって表示されているように見えることになり、これら立体画像の表示においても、非立体画像(2D画像)の場合と同じく画像用液晶パネル9aの解像度にて鮮明な表示を行うことが可能となる。
但し、このように画像用液晶パネル9a並びに視差バリア用液晶パネル9bを駆動すると、非立体画像(2D画像)を表示する場合に比較して、同一の表示領域に対する更新サイクル期間が2倍(更新サイクル周波数が半分)となるので、表示される立体画像が早い動きの画像を含む場合には、画像が不鮮明になったり、早く動く動作体の動きがぎこちなくなってしまい画像品質が低下してしまう場合があるので、これら立体画像(3D画像)を表示する場合には、図15に示すように、非立体画像(2D画像)を表示する場合の更新サイクル周波数Nヘルツの倍の周波数(2Nヘルツ)にて画像用液晶パネル9a並びに視差バリア用液晶パネル9bを駆動することにより、早い動きの画像を含む立体画像(3D画像)についても、非立体画像(2D画像)の場合と同様の滑らかな画像品質にて表示できるようになっている。
尚、本実施例では、これら立体画像(3D画像)を表示する場合には、バックライト9cの発光強度を、非立体画像(2D画像)を表示する場合における発光強度よりも大きくすることで、これら倍速駆動することによって表示が暗くなってしまうことを補完することで、非立体画像(2D画像)の表示と立体画像(3D画像)の表示とで、表示の明るさが変化しないように制御している。
次に、パチンコ遊技機1の遊技者が視認する立体(3D)画像の立体度を補正するための調整操作について、図12に基づいて説明する。
つまり、本実施例の形態では、遊技者が変動表示装置9に表示される立体画像を視認する場合に、立体画像が予め定められた固定の立体度であって変更不可なものであると、該固定された立体度が、必ずしも個々の遊技者に適したものではない場合があることから、個々の遊技者が、立体画像の立体度を調整操作することにより適宜変更することで、遊技者各自の好みに応じた立体度の立体画像を遊技者が視認できるようになっている。
この調整操作を遊技者が実施したい場合には、本実施例では演出表示装置9において飾り図柄の変動表示が実施されていないときに、操作レバー600及び操作ボタン516を同時に操作することで、図示しない設定メニュー画面が表示され、該設定メニュー画面において「立体度設定」のメニューを選択することで、図12に示されるように、予め画像データROM263に記憶されている立体度調整用立体画像が変動表示装置9に表示されるとともに、該立体度調整用画面の上部位置に所定数の立体度目盛りと、当該目盛りに対応した立体度の立体画像とが表示されて、遊技者の動作が動作検出処理部112により検出されることで立体度目盛りを変更することが可能とされる。
図12に示されるように、立体度の調整操作を実施する場合には、操作者は、カーソルを移動させる所定動作、例えば、人差し指を左右に動かす動作を実施して立体度目盛り上の操作片表示にカーソルを合わせた後、該操作片表示を0〜10の範囲内において移動させる。操作片表示の移動に伴い、生成される右目用画像と左目用画像における表示位置の差が変化することで、当該変更された目盛りに対応した立体度の立体画像が生成されて表示される。操作者は、立体度が順次変更される立体画像を見ながら、自らの好みに応じた立体画像の立体度において、カーソルを移動させる所定動作を実施して立体度決定ボタンにカーソルを合わせた後、処理の決定動作(例えば、手を2回握る動作)を実施することで、立体画像の立体度が当該立体度に設定される。
尚、本実施例では、操作者の操作により操作片表示を最小の0(ゼロ)に合わせることで、予め定められた最小の立体度を設定することが可能であって、立体度自体を0(ゼロ)、つまり、2D画像のみを表示させる設定を遊技者が実施することが不能とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作片表示を最小の0(ゼロ)に合わせることで、立体度がゼロすなわち2D画像のみを表示するように遊技者が設定可能としてもよい。
ここで、本発明の特定領域となる本実施例の第1保留記憶表示領域や第2保留記憶表示領域、第4図柄表示領域、時短残回数表示領域に立体画像を表示する際に、表示面の手前側へ立体画像が飛び出して(浮き出て)いるように見えることが防止される流れについて、図13、図14に基づいて説明する。
本実施例の変動表示装置9の表示領域内には、図13に示すように、画面の下辺近傍位置に、第1保留記憶数や第2保留記憶数が表示される第1保留記憶表示領域や第2保留記憶表示領域が設定され、画面に向かって上方右隅部位置に、第4図柄が表示される第4図柄表示領域が設定され、画面に向かって上方左隅部位置に、時短状態が終了するまでの残り変動表示回数である時短残回数が表示される時短残回数表示領域が設定されている。
本実施例の第1保留記憶表示領域には、本発明の遊技関連情報となる第1始動口15aへの有効入賞球の記憶数、すなわち第1保留記憶数が表示され、第2保留記憶表示領域には、本発明の遊技関連情報として第2始動口15bへの有効入賞球の記憶数すなわち第2保留記憶数が、図13に示すように、非立体(2D)表示とされた「●」の表示数にて表示される。
これら第1保留記憶数が第1保留記憶表示領域に表示されている期間においては、演出制御用CPU120によって第1保留記憶数表示中フラグがセットされることで、第1保留記憶数が表示されているか否かを該第1保留記憶数表示中フラグのセットの有無により特定できるようになっている。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように遊技状態が時短状態以外の遊技状態においては、第2始動口15bへの入賞は殆ど発生しないので、遊技状態が通常遊技状態である場合には、図13(a)に示すように、第2保留記憶表示領域には殆ど何も表示されず、第1保留記憶表示領域のみに第1保留記憶数が表示される状態となり易い。
また、本実施例の第4図柄表示領域には、例えば、リーチやスーパーリーチのリーチ演出時のように、飾り図柄の変動表示が消去されて、変動表示装置9の画面全体においてリーチの演出が実施される場合において、飾り図柄の変動表示が継続していることを遊技者に知覚させるための第4図柄が表示される。この第4図柄としては、例えば、図13(b9に示すように、「●○」の非立体表示と「○●」の非立体表示とが交互に表示されることで、飾り図柄の変動表示が継続していることを遊技者が認識できるようになっている。
尚、これら第4図柄表示領域に第4図柄が表示されている期間においては、演出制御用CPU120によって第4図柄表示中フラグがセットされることで、第4図柄が表示されているか否かを該第4図柄表示中フラグのセットの有無により特定できるようになっている。
このように、本実施例では、飾り図柄が表示されていない期間においてのみ第4図柄を表示するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第4図柄を常に表示するものであっても良い。
また、これら第4図柄に加えて、3つの飾り図柄が縮小された小図柄を、飾り図柄と同じく、変動表示(リーチ状態の変動表示を含む)させて表示するようにしても良く、このように小図柄を表示することにより、第4図柄のみではリーチとなっている飾り図柄の種別(確変対象の飾り図柄であるか、非確変の飾り図柄であるか)を確認することができないのに対し、リーチとなっている飾り図柄の種別を遊技者が確認できるようにしても良い。
また、本実施例の時短残回数表示領域には、時短状態中において当該時短状態が終了するまでの変動回数である終了時短残回数が、非立体(2D)表示とされた文字と数字にて常に表示されるようになっており、これら終了時短残回数が表示されている期間においては、演出制御用CPU120によって時短残回数表示中フラグがセットされることで、終了時短残回数が表示されているか否かを該時短残回数表示中フラグのセットの有無により特定できるようになっている。
尚、本実施例では、時短状態中において常に終了時短残回数を表示するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら時短残回数が、例えば、90、80、70、60、50…10、9、8…1のように、10回よりも大きいときは10回毎に、10回以下については全ての回数が非立体の数字として表示されるようにしても良い。つまり、時短残回数表示領域には、時短中において常に時短残回数が表示されているのではなく、変動表示回数が90回、80回…等の所定回数となるときにおいてのみ表示され、所定回数以外は表示しないものであっても良い。
また、これら時短状態中においては、前述したように、第2始動口15bへの入賞がし易い状態とされることで、該第2始動口15bへの有効入賞により第2保留記憶数が存在する場合には、図13(c)に示すように、該第2保留記憶数が第2保留記憶表示領域に第1保留記憶表示領域と同様に、非立体(2D)表示とされた「●」の表示数にて表示される。
これら第2保留記憶数が第2保留記憶表示領域に表示されている期間においては、演出制御用CPU120によって第2保留記憶数表示中フラグがセットされることで、第2保留記憶数が表示されているか否かを該第2保留記憶数表示中フラグのセットの有無により特定できるようになっている。
尚、ROM121には、図14に示す領域特定データテーブルが記憶されており、該領域特定データテーブルに基づいて、当該時点において立体画像の飛び出し(浮き出し)を制限する突出制限領域を特定できるようになっている。
本実施例の領域特定データテーブルには、図14に示すように、第1保留記憶数表示中フラグ、第2保留記憶数表示中フラグ、第4図柄表示中フラグ、時短残回数表示中フラグのセットの有無の各組合せに対応付けて、D1〜D15までの各領域特定データが記憶されている。
具体的には、例えば、第1保留記憶数表示中フラグのセットが有り、第2保留記憶数表示中フラグ、第4図柄表示中フラグ、時短残回数表示中フラグのセットが無い状態に対応する領域特定データD1には、図13(a)に示すように、第1保留記憶表示領域のみが突出制限領域であることを示すエリアデータが含まれており、領域特定データD1に基づいて突出制限領域が第1保留記憶表示領域のみに特定される。
また、第1保留記憶数表示中フラグと第4図柄表示中フラグのセットが有り、第2保留記憶数表示中フラグ、時短残回数表示中フラグのセットが無い状態に対応する領域特定データD3には、図13(b)に示すように、第1保留記憶表示領域と第4図柄表示領域とが突出制限領域であることを示すエリアデータが含まれており、領域特定データD3に基づいて突出制限領域が第1保留記憶表示領域と第4図柄表示領域であると特定される。
また、第1保留記憶数表示中フラグ、第2保留記憶数表示中フラグ、時短残回数表示中フラグのセットが有り、第4図柄表示中フラグのセットが無い状態に対応する領域特定データD7には、図13(c)に示すように、第1保留記憶表示領域と第21保留記憶表示領域と時短残回数表示領域とが突出制限領域であることを示すエリアデータが含まれており、領域特定データD7に基づいて突出制限領域が第1保留記憶表示領域と第2保留記憶表示領域と時短残回数表示領域であると特定される。
ここで、予告演出やリーチ演出等において立体画像が描画されて表示される場合には、図14(b)に示す突出表示制限処理が実施されることで、その時点において非立体表示にて遊技関連情報が表示されている表示領域については、該立体画像が表示画面の手前側へ飛び出して(浮き出て)いるように見えることが禁止される。
具体的に突出表示制限処理において演出制御用CPU120は、まず、その時点における第1保留記憶数表示中フラグ、第2保留記憶数表示中フラグ、第4図柄表示中フラグ、時短残回数表示中フラグのセットの有無を確認する(ステップS1)。
そして、確認した第1保留記憶数表示中フラグ、第2保留記憶数表示中フラグ、第4図柄表示中フラグ、時短残回数表示中フラグのセットの有無状態に対応する領域特定データを特定する(ステップS2)。
例えば、図13(c)に示すように、時短状態であることにより、第1保留記憶数と第2保留記憶数とともに時短残回数が表示されている状態、つまり、第1保留記憶数表示中フラグ、第2保留記憶数表示中フラグ、時短残回数表示中フラグのセットが有り、第4図柄表示中フラグのセットが無い状態において、立体画像のキャラクタが出現する予告演出を実施する場合であれば、D7の領域特定データが特定される。
そして、該特定したD7の領域特定データから、突出制限領域が、図13(c)に示す斜線部分である、第1保留記憶表示領域と第2保留記憶表示領域と時短残回数表示領域であることを特定する(ステップS3)。尚、これら突出制限領域の特定に伴い、突出制限領域以外の領域が非突出制限領域として特定されることになる。
そして、特定した突出制限領域に対して非突出立体画像を描画させる指示をVDP262に出力することで、突出制限領域に対する非突出立体画像を実行する(ステップS4)。
具体的には、特定した突出制限領域のエリアを特定するためのエリア座標データと、該エリア座標データに描画する立体画像の視差量が0以上となるように指示する所定の指示コマンドをVDP262に出力することにより実施する。
該指示によりVDP262においては、エリア座標データに描画する立体画像について、マイナスの視差量がある場合には、該マイナスの視差量が0となる、つまり、立体画像において飛び出して(浮き出て)見える突出部分が表示面の位置となるように補正して描画し、立体画像においてプラスの視差量の部分については、そのまま描画することで、突出制限領域においては、奥方向に退没する立体画像のみが表示される。
そして、該指示に対するVDP262からの応答に応じて、これら突出制限領域以外の突出非制限領域に通常の立体画像を描画させる指示(所定の指示コマンド)をVDP262に出力して、突出制限領域以外の突出非制限領域への通常の立体画像の描画を実施する(ステップS5)。
その後、セットされている第1保留記憶数表示中フラグ、第2保留記憶数表示中フラグ、時短残回数表示中フラグに対応する第1保留記憶表示領域と第2保留記憶表示領域と時短残回数表示領域に、該当する遊技関連情報である第1保留記憶数、第2保留記憶数、時短残回数の上書き描画を行ことで、該領域においてこれら遊技関連情報が立体画像よりも優先して表示されるようにする(ステップS6)。
具体的には、各表示領域のエリア座標データと、優先描画する第1保留記憶数、第2保留記憶数、時短残回数の情報とを含む遊技関連情報描画指示コマンドをVDP262に出力することにより実施する。
そして、このようにして描画された画像データが、次のVブランクにて読み出されて画像用液晶パネル9aに表示される。
このように演出制御用CPU120が突出表示制限処理を実施することで、立体画像が変動表示装置9に表示される時点において、非立体表示にて表示される第1保留記憶数、第2保留記憶数、第4図柄、時短残回数が表示されている場合には、該表示されている領域について表示される立体画像の視差量が全て0以上となるように描画されることで、表示面の手前側へ立体画像が飛び出して(浮き出て)いるように見えることが防止されるので、これら立体表示による遊技関連情報の視認性低下を防止して遊技関連情報の視認性を確保しつつ、立体画像の表示領域を広げて画面全体に立体画像を表示することができる。
つまり、図35(a)に示すように、突出表示制限処理を実施しない場合には、例えば、第1保留記憶表示領域において、表示面の手前側へ飛び出して(浮き出て)見える立体画像が表示されると、飛び出して(浮き出て)見える立体画像の中に、第1保留記憶数を示す「●」の非立体表示が存在することにより、立体画像が虫食い状態に表示されることになるため、遊技者が視認により認識する立体画像の飛び出し(浮き出し)感に矛盾を生じて、遊技者に違和感を与えてしまうのに対し、図35(b)に示すように、突出表示制限処理を実施した場合には、第1保留記憶表示領域に表示される立体画像について、表示面の手前側へ飛び出して(浮き出て)見える部分が、表示面の手前側へ飛び出して(浮き出て)見えないように、第1保留記憶数の表示と同じく、視差量が「0」に変更されて表示されることで、立体画像が表示面の手前側へ飛び出して(浮き出て)見えることが制限されるので、立体画像の飛び出し(浮き出し)感に矛盾が生じることがなく、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止することができる。
尚、本実施例では、上記したように、特定領域となる第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、第4図柄表示領域、時短残回数表示領域に表示する立体画像の視差量を、当該表示領域に表示される各遊技関連情報の非立体表示の表示面である画像用液晶パネル9aの表示面よりも変動表示装置9の手前側に浮き出しているように視認されることのない視差量である0以上の視差量に変更することにより、これら手前側に浮き出た立体画像の表示を禁止する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各遊技関連情報の非立体表示の表示面である画像用液晶パネル9aの表示面よりも変動表示装置9の手前側に浮き出しているように視認される立体画像を、特定領域となる第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、第4図柄表示領域、時短残回数表示領域以外の領域に表示させることで特定領域において手前側に浮き出た立体画像の表示を禁止するようにしても良い。
具体的には、図34(a)に示すように、星の立体画像が画像用液晶パネル9aの表示面を横断する予告演出を実施する場合において、時短残回数表示中フラグのセットがなく、時短残回数表示領域に時短残回数が表示されていない場合には、該時短残回数表示領域を星の立体画像が通過する際(時短残回数表示領域に星の立体画像を表示するときに該当)には、時短残回数表示領域における星の立体画像の表示を制限せずに実施することで、該時短残回数表示領域にも星の立体画像が表示されるようにする一方、図34(b)に示すように、時短残回数表示中フラグのセットが有り、時短残回数表示領域に時短残回数が表示されている場合には、該時短残回数表示領域を星の立体画像が通過して、時短残回数の非立体表示と重ならないように、該時短残回数表示領域を通過する星の立体画像の表示(描画)位置を、該時短残回数表示領域以外の突出非制限領域に表示(描画)させることで、該時短残回数表示領域(特定領域)において手前側に浮き出た星の立体画像の表示を禁止するようにしても良い。
また、特定領域における手前側に浮き出た立体画像の表示を禁止する形態としては、さらに、遊技関連情報の非立体表示の表示面である画像用液晶パネル9aの表示面よりも変動表示装置9の手前側に浮き出しているように視認される立体画像の表示を含まない演出を決定することにより、これら手前側に浮き出た立体画像の表示を禁止するようにしても良い。
例えば、時短状態において時短残回数表示中フラグのセットが有り、時短残回数表示領域に時短残回数が表示されている場合には、図34(c)に示すように、星の立体画像が表示される予告演出が決定される予告演出の決定テーブル(第1予告演出決定テーブル)に代えて、合言葉演出等の立体画像が表示される演出を含まない予告演出が決定されるが星の立体画像が表示される予告演出は決定されることのない予告演出の決定テーブル(第2予告演出決定テーブル)を使用することで、手前側に浮き出しているように視認される立体画像の表示を含まない予告演出のみが決定されるようにすることで、これら手前側に浮き出た立体画像の表示を禁止することができる。
また、本実施例では、画像用液晶パネル9aの表示領域の全領域を立体(3D)画像のみ若しくは2次元(2D)画像のみ表示させるだけではなく、例えば、図18に示すように、画像用液晶パネル9aの左半分の表示領域(第1表示領域)に右目用画像と左目用画像から成る立体(3D)画像を表示させ、画像用液晶パネル9aの右半分の表示領域(第2表示領域)に2次元(2D)画像を表示させることで、2次元(2D)画像と立体(3D)画像とを同時に表示することができるようになっている。
つまり、画像用液晶パネル9aは、立体(3D)画像を表示する左半分の表示領域(第1表示領域)と、2次元(2D)画像を表示する右半分の表示領域(第2表示領域)とを有し、演出制御用CPU120は、左半分の表示領域(第1表示領域)と右半分の表示領域(第2表示領域)とに立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する制御を行う。
つまり、本実施例のように、変動表示装置9の表示領域が横方向に長い長方形である場合には、表示領域の中心位置間の距離が大きくなる左右に表示領域を設けることで、左右に表示領域に立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示しても、遊技者が立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に視認してしまう可能性を低くできるので、これら立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に視認してしまうことで立体(3D)画像の視認がし難くなってしまうことを低減できるので、このように、立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する場合にあっては、このように、横長の表示領域の左右に表示領域を設けて立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを表示することが好ましい。
尚、これら立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する場合にあっては、左右に表示領域の境界に比較的幅広の黒表示領域を設けることで、立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に視認する可能性を低減できるようにしても良い。
また、図18に示されるように、左半分の表示領域(第1表示領域)と右半分の表示領域(第2表示領域)とに立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する場合、立体(3D)画像において表示される表示体、例えば飾り図柄やキャラクタの動きの速度(移動速度)を、2次元(2D)画像において表示される表示体、例えば飾り図柄やキャラクタの動きの速度(移動速度)よりも緩やかとなるように、立体画像(視差画像)を生成して表示させることで、表示体の移動速度が、立体(3D)画像と2次元(2D)画像とで同じ場合に比較して、動作の速い立体(3D)画像の視認によって遊技者に不快感を与えてしまうことを低減することができる。
次に、変動表示装置9において実施される演出の表示について説明する。本実施例のパチンコ遊技機1においては、スーパーリーチとなる可能性や大当りとなる可能性を予告する予告演出や、大当りとなる可能性を報知するスーパーリーチ演出等の異なる種別の演出が実施される。
これら予告演出とスーパーリーチ演出が実施される場合を例に説明する。図19(a)、図19(b)及び図20に示すように、このスーパーリーチ演出となる変動パターンにおいては、変動表示の開始とともに実施される予告演出S1と、該予告演出S1の後にスーパーリーチ演出が開始されるまでの変動演出S2と、該スーパーリーチ演出S3と、から主に構成されている。
このうち、予告演出S1においては、図19(a)に示すように、変動表示装置9には、例えば、立体画像によって遊技者に対して大きく突出する立体度(多い視差数)のスペースシャトルCH1、このスペースシャトルCH1よりも小さい立体度(少ない視差数)のスペースシャトルCH2、スペースシャトルCH2よりも小さい立体度(少ない視差数)の小型艇CH3、小型艇CH3よりも小さい立体度(少ない視差数)の星CH4、が表示されるようになっている。
このように、変動表示装置9で表示される各キャラクタで立体度(視差数)に差をつけることで、最も立体度が大きい(最も視差数が多い)スペースシャトルCH1が遊技者に対してより広い視野角で視認できるように立体表示され、スペースシャトルCH1よりも立体度の小さい(視差数が少ない)スペースシャトルCH2は、スペースシャトルCH1よりも比較的狭い視野角で遊技者から見えるよう立体表示されている。更に、スペースシャトルCH2よりも立体度の小さい(視差数が少ない)小型艇CH3は、スペースシャトルCH2よりも比較的狭い視野角で遊技者から見えるよう立体表示され、小型艇CH3よりも立体度の小さい(視差数が少ない)星CH4は、小型艇CH3よりも比較的狭い視野角で遊技者から見えるよう立体表示されている。
尚、図19(a)では、説明の都合上、上述のスペースシャトルCH1から星CH4までの4種類のキャラクタ全てが変動表示装置9に表示されている状態を示しているが、予告演出S1では、実際にはこれらキャラクタの内1種類ないし2種類が段階的に順次表示されることによって、大当りやスーパーリーチとなる可能性が報知されるステップアップ予告がなされるようになっている。このため、変動表示装置9に表示されるキャラクタ数が、後述するスーパーリーチの場合等に比較して少なくなっているので、これらの演出における描画処理及び表示処理を行うVDP262にかかる処理負荷が、スーパーリーチ演出の実施期間よりも軽くなっているために、立体表示から非立体表示に切り替える切り替え処理の処理負荷を十分に賄うことができることから、遊技者が操作ボタン516を押圧することで変動表示装置9における表示を立体表示から非立体表示に切り替えることが可能なキャンセル可能演出とされている。
また、変動演出S2は、予告演出S1の終了後にスーパーリーチ演出S3の開始までに変動表示装置9の表示を変動させる期間である。このため、キャラクタ等を表示する演出等が実施されない期間であるので、該変動演出S2は立体画像の表示がなされない期間とされている。よって、立体表示自体がなされないので、当然に、立体画像のキャンセル操作が無効な期間とされている。
尚、これら変動演出S2においても、特定のキャラクタ等を表示して立体画像の表示を実施しても良い。
一方、スーパーリーチ演出S3においては、図19(b)に示すように、上述のスペースシャトルCH1から星CH4の他、スペースシャトルCH2と略同一の立体度のUFOCH5や土星CH6等のキャラクタが一斉に変動表示装置9に表示される演出が実施される。
このため、スーパーリーチ演出S3においては、VDP262が、予告演出S1よりも多くのキャラクタの描画処理及び表示処理を行う必要があるため、VDPにかかる負荷が非常に大きくなっているため、立体表示から非立体表示に切り替える切り替え処理の処理負荷を十分に賄うことができない畏れがあるために、スーパーリーチ演出S3においては、遊技者が操作ボタン516を押圧することで変動表示装置9における表示を立体表示から非立体表示に切り替えることが不可能なキャンセル不能演出とされている。
これら予告演出S1及びスーパーリーチ演出S3では、前述した描画制御によって描画された画像データに基づく画像を、演出制御用CPU120が表示制御部213に画像用液晶パネル9aに表示させることで、変動表示装置9において立体画像を表示するようになっている。
これら立体表示をする場合において演出制御用CPU120は、立体表示されるキャラクタの立体度に応じて各キャラクタの移動速度を変化するように制御する。具体的には、図19(c)に示すように、演出制御用CPU120は、変動表示装置9にて立体画像として表示される各キャラクタの立体度(視差量)が大、すなわち遊技者がより各キャラクタが表示画面よりも浮き出しまたは退埋しているように立体表示される程、キャラクタの移動速度が低速となるように表示を制御する。また、演出制御用CPU120は、変動表示装置9にて立体画像として表示される各キャラクタの立体度(視差量)が中、すなわち、立体度が大の場合よりも各キャラクタの浮き出しまたは退埋している度合いが少なく視認できるときには、立体度が大の場合よりも早い中速となるように表示を制御し、変動表示装置9にて立体画像として表示される各キャラクタの立体度(視差量)が小、すなわち、立体度が中の場合よりも各キャラクタの浮き出しまたは退埋している度合いが少なく視認できるときには、キャラクタの移動速度が高速となるように表示を制御する。
よって、本実施例においては図19(a)に示すように、遊技者に対して最も立体度(視差量)が大きく表示されているスペースシャトルCH1の移動速度が最も遅くなるようにスペースシャトルCH1の描画が演出制御用CPU120により制御されるとともに、スペースシャトルCH2、UFOCH5、土星CH6、小型艇CH3と立体度が小さくなるにつれて移動速度が早くなるようにスペースシャトルCH2、UFOCH5、土星CH6、小型艇CH3の描画が演出制御用CPU120により制御される。これにより、最も立体度が小さく表示されている星CH4の移動速度が最も早く、最も立体度が大きく表示されているスペースシャトルCH1の移動速度が最も遅くなるように、演出制御用CPU120により制御される。
このため、遊技者が、自分に近いように立体表示される立体度が大であるキャラクタの移動に合わせて視線を移動させても、これら立体度(視差量)が大であるキャラクタの移動自体が遅く制御されているので、自分に近いキャラクタが素早く移動してしまうために、該移動に伴って大きく視点を遊技者が素早く移動させることによって、該遊技者の眼精疲労が大きくなったり、該遊技者が不快感を感じてしまうことを抑えることができる。
本実施例の予告演出S1は、図20及び図21に示すように、演出期間T1,T2,T3,T4,T5の5つの期間から構成されている。これら演出期間T1,T2,T3,T4,T5のうち、演出期間T1,T3,T5は、演出期間T2,T4よりも変動表示装置9にて立体画像として表示されるキャラクタの数やキャラクタの動作が小さい小変化演出期間である。
また、この演出期間T1,T3,T5は、予告演出S1において、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧すること(長押しすること)で、変動表示装置9における立体画像での表示を非立体画像での表示に切り替えることができるようになっている。以下、この演出の変動表示装置9における立体画像の表示から非立体画像の表示への切り替えについて説明する。
図20、図21に示すように、演出制御用CPU120は、描画制御部206にVRAM領域にて立体画像を構成する右目用画像及び左目用画像と、非立体画像との描画を並行して開始させる。同時に、演出制御用CPU120は、表示制御部213によってVRAM領域にて描画された右目用画像と左目用画像とを画像用液晶パネル9aに交互に表示させるとともに、視差バリア用液晶パネル9bに黒部と透明部とからなる視差バリア画像を表示させ、遊技者が立体画像を視認可能な状態で予告演出S1を開始する。
尚、予告演出S1の一連の演出期間T1,T2,T3,T4,T5において、演出期間T1,T3,T5は演出期間T2,T4よりも変動表示装置9にて立体画像として表示されるキャラクタの数や動作が小さい小変化演出期間であるため、前述したように、VDP262において演出期間T2,T4における描画処理にかかる負荷が軽いため、非立体画像への切り替え処理を実施できるように設定されている。このため、演出期間T1,T3,T5は、遊技者が操作ボタン516を押圧することで容易に予告演出S1の立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えることが可能なキャンセル可能期間とされている一方、演出期間T2,T4は、逆に、描画処理にかかる負荷が比較的大きいために、予告演出S1の立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えることが不可能なキャンセル不能期間とされている。
つまり、本実施例では、立体画像として表示されるキャラクタの数や動作が大きい演出期間T2,T4において、遊技者が操作ボタン516を押圧しても、非立体画像への表示の切り替えが不可能となっているため、これらキャラクタの数や動作の変化が激しい立体画像から非立体画像へいきなり表示が切り替わることで、遊技者が混乱してしまうことを回避できるようになっている。
これらキャンセル可能期間である演出期間T1,T3,T5において演出制御用CPU120は、図19(a)に示すように「キャンセルOK」の表示を、立体(3D)画像の表示の支障にならない変動表示装置9の右下位置に表示することで、立体(3D)画像の表示をキャンセル可能であることを遊技者に報知する。一方、キャンセル不能期間である演出期間T2,T4において演出制御用CPU120は、図19(b)に示すように、「キャンセルOK」の表示を実施しないようになっている。
つまり、演出制御用CPU120は、表示手段となる変動表示装置9に表示している立体画像の演出がキャンセル可能演出である予告演出S1であるときに、該立体画像の表示中止が可能であることを報知する「キャンセルOK」を表示する報知手段の機能を有するので、遊技者は、立体画像の表示を中止できるか否かを正確に把握できるようになる。
そして、図20に示すように、遊技者が、例えば、予告演出S1のキャンセル可能期間である演出期間T5にて操作ボタン516を所定時間押圧すると、演出制御用CPU120は、キャンセル操作として、変動表示装置9にて表示されている立体画像を非立体画像の表示に即座に切り替える。
具体的には、図20に示すように、演出制御用CPU120は、操作ボタン516が遊技者によって所定時間押圧されると、描画制御部206にVRAM領域における立体画像と非立体画像の描画のうち、立体画像の描画のみを停止させるとともに、表示制御部213にVRAM領域にて立体画像と並行して描画されていた非立体画像を、右目用画像及び左目用画像に替えて画像用液晶パネル9aに表示させる。
次いで、演出制御用CPU120は、視差バリア用液晶パネル9bにおいて表示している視差バリア画像中の黒部の領域全てを透明部に切り替えることで、視差バリア用液晶パネル9bを透明状態に移行させる。
つまり、演出制御用CPU120は、視差バリア用液晶パネル9b全体を透過させることで、遊技者が両目で画像用液晶パネル9aに表示された非立体画像を視認可能とする。以降、変動表示装置9では、所定時間となる後述する3D表示中止期間TS(図22(a)参照)が経過するまでの間は、変動表示が終了するスーパーリーチ演出S3の期間が終了した後も非立体画像による表示が継続される。
よって、遊技者からのキャンセル操作の受付け時においては、非立体画像を表示して立体画像の表示を中止するため、立体画像から非立体画像へ迅速に切り替えを実施できるので、例えば、立体画像の表示による遊技者の不快感が継続してしまうことを回避できる。
尚、予告演出において変動表示装置9に立体画像が表示されている状態では、キャンセル可能期間である演出期間T1,T3,T5のときに限り立体画像の描画と非立体画像の描画とを並行させる。このようにすることで、VDP262における負荷が演出期間T2,T4よりも少ない演出期間T1,T3,T5において遊技者が操作ボタン516を押圧すると、平行描画している非立体画像を読み出して即座に変動表示装置9に非立体画像を表示させることで、立体画像表示から非立体画像表示に迅速に表示切り替えができるとともに、VDP262に比較的高い負荷がかかっている演出期間T2,T4においては、非立体画像の描画を実施しないことにより、これら非立体画像を描画する処理負荷が、VDP262にさらにかかってしまうことを防ぐことができる。
このように、本実施例では、画像用液晶パネル9aに表示されている右目用画像及び左目用画像を、視差バリア用液晶パネル9b全体を透過させるよりも先に非立体画像の表示に切り替えることで、遊技者の右目に左目用画像が視認されてしまうことを防ぐと同時に、遊技者の左目に右目用画像が視認されてしまうことを防ぎ、遊技者が混乱してしまうことが防止されている。
尚、図21に示すように、遊技者が予告演出S1のキャンセル不能演出である演出期間T4にて操作ボタン516を所定時間押圧した場合には、演出制御用CPU120は、予告演出S1が演出期間T4からキャンセル可能演出である演出期間T5となるまで変動表示装置9での立体画像の表示を継続させる。
そして、演出制御用CPU120は、予告演出S1が演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点で、前記演出期間T5にて操作ボタン516を所定時間押圧した場合と同様に、描画制御部206にVRAM領域における立体画像の描画を停止させるとともに非立体画像の描画を開始させ、表示制御部213にVRAM領域にて描画された非立体画像を、右目用画像及び左目用画像の代わりに画像用液晶パネル9aに表示させ、表示制御部213に視差バリア用液晶9bの黒部の表示を、透明部の表示に切り替えて表示させる。
尚、本実施例では、キャンセル不能演出である演出期間T4で遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した際、予告演出S1が演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点で、変動表示装置9での立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替える場合を例示したが、遊技者が演出期間T2で操作ボタン516を所定時間押圧した際には、予告演出S1が演出期間T2から演出期間T3に切り替えられる時点で変動表示装置9での立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替える。
つまり、本実施例では、キャンセル不能期間とされている演出期間T2、T4においても、キャンセル操作自体は受付けておき、該演出期間T2、T4が経過した時点で非立体表示へ移行するようにしているので、キャンセル可能期間T3、T5に移行した時に、改めてキャンセル操作をする必要がなく、遊技者の操作の面倒を低減できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出期間T2、T4においては、キャンセル操作の受付け自体を無効とするようにしても良い。
このように、遊技者のキャンセル操作によって立体画像の表示から非立体画像の表示への切り替えが実施された場合において立体画像の表示が禁止される3D表示中止期間TSは、同一の遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧する度に延長されるようになっている。
具体的には、図22(a)に示すように、演出制御用CPU120は、変動表示装置9において立体画像の表示が開始されると、この立体画像の表示が開始された時点から予めキャンセル回数加算期間TKとして設定されている時間の計時を開始する。
このキャンセル回数加算期間TK中において遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧すると、演出制御用CPU120は、RAM85に記憶されている図示しないキャンセルカウンタにキャンセル回数として1を加算する。
そして、演出制御用CPU120は、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した演出期間がキャンセル可能演出である演出期間T1,T3,T5であれば、その時点を切り替えポイントとし、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した演出期間がキャンセル不能演出である演出期間T2,T4であれば、演出期間T2から演出期間T3に切り替えられる時点または演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点を切り替えポイントとして、前述したように変動表示装置9における立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えて3D表示中止期間TSを開始する。
このとき、演出制御用CPU120は、図22(c)に示すように、ROM84に記憶されている3D表示中止期間決定テーブル及びRAM85に記憶されている前記キャンセルカウンタを参照し、該キャンセルカウンタに記憶されているキャンセル回数に応じた3D表示中止期間TSの時間を決定する。この3D表示中止期間決定テーブルに記憶されている3D表示中止期間TSの時間は、キャンセル回数の増加に応じて順次長時間となっていくように、各キャンセル回数に対応付けられて記憶されている。このため、3D表示中止期間TSは、前記キャンセルカウンタに記憶されているキャンセル回数が多いほど長時間継続されるようになっている。
このようにすることで、同一の遊技者が繰返しキャンセル操作した場合には、立体表示中止期間である3D表示中止期間TSが長くなるので、遊技者がキャンセル操作する手間を削減することができる。
演出制御用CPU120は、3D表示中止期間TSが終了すると、変動表示装置9における立体画像の表示を可能とする制御を行う。そして、該可能とした後において実施される変動表示において、立体画像を表示する演出がなされる場合には、該立体画像を実行する制御を行う。尚、3D表示中止期間TSが終了する時点で変動表示装置9にて立体画像の表示を伴う演出が実行されている場合、演出制御用CPU120は、該演出の実行が終了するまで3D表示中止期間TSの終了を延長する。このため、本実施例では、変動表示装置9で非立体画像で表示されている演出が、3D表示中止期間TSが終了することで突如立体画像での表示に切り替わることがないので、遊技者の混乱を防ぐことができる。
一方、図22(b)に示すように、キャンセル回数加算期間TKにて遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧しなかった場合には、演出制御用CPU120は、キャンセル回数加算期間TKの終了時点でRAM85に記憶されている前記キャンセルカウンタのキャンセル回数をリセットする。
つまり、一度、キャンセル操作を実施した遊技者が、再度、立体画像が表示された際にキャンセル操作を行わなかった場合、つまり、立体画像の表示を容認した場合には、キャンセル回数がリセットされるので、キャンセル回数が不必要に加算されて3D表示中止期間TSが不必要に長くなってしまうことを回避できる。
尚、本実施例では、これらキャンセル回数は、立体表示の開始に伴って計時が開始されるキャンセル回数加算期間TKが、遊技者によるキャンセル操作がないまま経過した時点においてリセットされるので、1の遊技者がキャンセル操作を複数回実施することでキャンセル回数が加算されるとともに、該キャンセル回数に応じた3D表示中止期間TSが設定されて立体表示が禁止された後、再度、立体表示が可能とされたとしても、該遊技者が遊技を終了するまでの期間において、必ずしも立体表示を伴う演出が実行されるとは限らないため、これら立体表示を伴う演出が実行されずに遊技者が遊技を終了した場合には、他の遊技者が遊技を開始することで、立体表示を伴う演出が実行された場合に、該他の遊技者が初めてキャンセル操作を実施したにもかかわらず、前に遊技していた遊技者のキャンセル回数への加算が実施されて、非常に長い3D表示中止期間TSが設定されてしまい、立体表示が実施されなくなってしまうという不都合が発生してしまう、つまり、前に遊技していた遊技者のキャンセル回数が他の遊技者のキャンセル回数として持ち越されてしまうという問題が生じる可能性があるので、これらの不都合を解消するために、遊技者が交替してパチンコ遊技機1が非稼働になったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信される客待ちデモ指定コマンドを受信したことを条件に、キャンセル回数をリセットすることで、これらキャンセル回数が異なる遊技者に持ち越されてしまうことを防止できるようになっている。
また、本実施例では、これら客待ちデモ指定コマンドを受信したときにおいて、3D表示中止期間TSの期間中である場合には、演出制御用CPU120は、該3D表示中止期間TSを終了して、立体表示を可能とする制御を実施する。
つまり、本実施例では、上述したように、遊技者のキャンセル操作の面倒を低減できるようにするために、3D表示中止期間TSがキャンセル回数の増加に応じて漸増するようにしているので、これら設定された長い3D表示中止期間TS中に遊技者が交替した場合にあっては、次に遊技を開始した他の遊技者の遊技において、これら長い3D表示中止期間TSが経過するまでは立体表示が全くなされないことになってしまい、その結果、遊技機の興趣が著しく低下してしまうことになってしまう不都合が生じるが、遊技者が交替してパチンコ遊技機1が非稼働になったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信される客待ちデモ指定コマンドを受信したことを条件に、3D表示中止期間TSを終了することにより、交替した遊技者の遊技においては、遊技の開始から立体表示が可能とされるようになるので、上記したように遊技機の興趣が著しく低下してしまうことを回避することができる。
尚、本実施例1では、操作ボタン516を遊技者が所定時間押圧することによって画像用液晶パネル9aにて表示される立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えたが、画像用液晶パネル9aにて表示される立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えるための専用のスイッチを別途設けるようにしてもよい。
更に尚、本実施例1では、予告演出S1において、演出制御用CPU120は、演出期間T1,T3,T5において描画制御部206にVRAM領域にて立体画像を構成する右目用画像及び左目用画像と、非立体画像との描画を並行して実行させ、演出期間T2,T4において描画制御部206にVRAM領域にて立体画像を構成する右目用画像及び左目用画像のみを描画させたが、描画制御部206が十分な処理能力を有しているのであれば、演出制御用CPU120は、予告演出S1において、常時描画制御部206にVRAM領域にて立体画像と非立体画像との描画を並行して実行させるようにしてもよい。