実施例1に係る遊技機につき、図1から図24を参照して説明する。先ず図1の符号1は、本発明の適用された遊技機である。
まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1(以下、パチンコ機1と略称する)を正面からみた正面図であり、図2はパチンコ機1を示す背面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側(遊技者側)をパチンコ機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機1の前面とは、遊技者側からパチンコ機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図2参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(図2参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が上面に形成された上皿部3aが、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。その右側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
操作レバー600は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガースイッチが内設されたトリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者が操作レバー600の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作レバー600の下部における下皿4の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知するために四方向に配置されたレバースイッチ510a〜510dが設けられていればよい。
また、上皿3を形成する部材には、例えば上皿3本体の上面における手前側の所定位置(例えば操作レバー600の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能な操作ボタン516が設けられている。操作ボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、操作ボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図3を参照)が設けられていればよい。
下扉枠103の前面左右側には、後述する左右一対のスピーカ27a、27bが配設されている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた透明な遊技盤6が配置されている。尚、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が、透明な遊技盤6を透して目視できるように、該遊技盤6の背面に設けられている。また、遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8(図3参照)が設けられている。変動表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行う。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)等の各デバイスによって制御される。
特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。
また、変動表示装置9は、図6に示すように、立体画像(映像)を表示する画像用液晶パネル9aと、該画像用液晶パネル9aの後方から前方側に向けて面状光を照射するバックライト9cと、画像用液晶パネル9aの前面の略全面に貼付けて設けられた出射方向限定素子としての垂直レンチキュラーシート9bとを有する、インテグラルイメージング方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行う。
なお、本実施例においては、変動表示装置9は、画像用液晶パネル9aとして液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、画像用液晶パネル9aのデバイスとしては、高解像度の表示が可能な表示体であれば良く、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネルや、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、FED(Field Emission Display)等のその他の画像表示形態の表示装置により構成されてもよい。
図6に示されるように、画像用液晶パネル9aは、各原色が独立した輝度情報を持ち縦方向に配列された三原色(RGB)からなる各画素Pが、横方向及び縦方向に繰返し多数隣接配置されて構成されている。図7に示されるように、各画素Pについて詳述すると、1つの画素Pは、各々が三原色(RGB)からなり比較的縦長に分割された副画素p1〜p9が、横方向に9つ隣接配置されて構成されている。以下、画素Pごとの各副画素には、図示左から右に向けてp1からp9までの副画素番号を付して説明する。隣接する複数の画素Pにおいて副画素番号が共通する各副画素p1〜p9は、各副画素p1〜p9に対応する立体画像A〜I若しくは非立体画像aを表示するようになっている。
より詳しくは、図8(a)に示されるように、表示制御部213は、立体画像を表示する場合、例えば各画素Pの副画素p1〜p9に、それぞれ異なる視差画像である立体画像A〜Iを表示するようになっており、また図8(b)に示されるように、非立体画像を表示する場合、各画素Pの副画素p1〜p9全てに、同一の非立体画像aを表示するようになっている。
また後述する表示制御部213は、パチンコ機1の演出の種別や遊技者の位置等に応じて、各画素Pの各副画素p1〜p9に対し個別に、異なる視差画像や同一の視差画像を表示させる制御、或いは黒色表示(非表示)の制御を行うようになっている。
次に図6に示されるように、垂直レンチキュラーシート9bは、透光性を有する材質の薄板部材から成るとともに、画像用液晶パネル9aに貼着される背面が略平面状に形成され、遊技者側である前面が、各画素Pの横幅に略等しく合わせた波状に連続した態様で、遊技者側に向けて略蒲鉾状に膨出する曲面に形成されている。
より詳しくは図7に示されるように、垂直レンチキュラーシート9bは、各画素Pの左右に並設された9つの副画素のうち中央の副画素p5の位置において、各画素P前面に向けて最も膨出した曲面に形成されており、各副画素p1〜p9に表示される立体画像を構成する最大9つの視差画像を、それぞれ異なる9方向に向けて放射させるレンズとして用いられる。すなわち垂直レンチキュラーシート9bは、各副画素p1〜p9から出射する各視差画像光の出射方向を当該視差画像に対応する所定方向に限定している。
遊技者の視点位置から視認できる立体画像の態様について詳述すると、例えば遊技者が、パチンコ機1の真正面を視点位置とした場合、9つの副画素p1〜p9のうち中央に位置する表示対象副画素p5に表示された画像のみを視認することができ、この場合における表示対象副画素p5を除く残りの副画素p1〜p4,p6〜p9を視認することが出来ない。したがって遊技者は、この場合における各画素Pの表示対象副画素p5を視認することで、当該視認位置である真正面位置から視認した画像に対応する所定の表示物の立体画像Eを表示物として認めることができる。尚、画面の側方領域においては、視認方向が変化することに対応して、表示対象副画素を画面の大きさに応じて補正するようにしても良い。
同様に、例えば遊技者が、パチンコ機1の真正面よりもやや左側を視点位置とした場合、9つの副画素p1〜p9のうち中央よりもやや左側に位置する例えば表示対象副画素p3に表示された画像を視認するようになり、この場合における表示対象副画素p3を除く残りの副画素p1,p2,p4〜p9を視認することが出来なくなる。したがって遊技者は、この場合における表示対象副画素p3に表示された画像を視認することで、当該視認位置である真正面よりもやや左側位置から視認した画像に対応する所定の表示物の立体画像Cを表示物として認めることができる。
すなわち各副画素p1〜p9には、互いに異なる各々の視認位置から視認した表示物の画像に対応する所定の表示物の立体画像A〜Iが表示可能になっている。
また、変動表示装置9の上部位置には、図1に示されるように、遊技者の位置を検出するための検出手段としての撮像ユニット11が設けられている。
図1に示されるように、変動表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13、13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13、13が設けられているため、可動片13、13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13、13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
尚、始動入賞装置15は、可動片13、13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていても良い。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであっても良く、可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであっても良い。
始動入賞装置15の可動片13、13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13、13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13、13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
遊技盤6の所定箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18(図3参照)が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。尚、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしても良く、4個よりも少ない値にしても良い。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21a(図3参照)も設けられている。
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施例では、図示しない左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13、13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41(図3参照)が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。尚、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25L、25Rが設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27L、27Rが設けられ、左右下部には、効果音を発する2つのスピーカ27a、27bが設けられている。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530内の各LED等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27L、27R、27a、27bからの音発生制御(音制御)も、演出制御用マイクロコンピュータ81により実施される。
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、例えば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(例えば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13、13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。例えば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施例の場合では、例えば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、例えば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。例えば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、例えば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左、中、右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施例の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(例えば、変動表示装置9における左、中、右の変動表示領域のうち左、右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、変動表示装置9における左、中、右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨を報知する大当り予告演出が行なわれる場合がある。
この実施例の場合は、大当りとして、通常大当りおよび確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
次に、パチンコ機1の背面(裏面)の構造について図2を参照して説明する。図2は、パチンコ機1を示す背面図である。
図2に示すように、パチンコ機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板960や発射制御基板91Aが設けられている。電源基板960は、発射制御基板91Aの背面側に取り付けられ、その背面側に払出制御基板37が重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
尚、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27L、27R、27a、27b等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板(図示略)が設置されている。ターミナル基板には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
図示しない遊技機設置島から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留されたパチンコ球は、タンクレールを通り、カーブ樋を経てケースカバーで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方の球経路761には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れ検出スイッチ167が設けられている。球切れ検出スイッチ167が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れ検出スイッチ167はパチンコ球通路内のパチンコ球の有無を検出するスイッチである。球切れ検出スイッチ167がパチンコ球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ機1に対してパチンコ球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としてのパチンコ球や球貸し要求に基づくパチンコ球が多数払出されて上皿3が満杯になると、パチンコ球は後述する溢れ球通路を経て下皿4に導かれる。さらにパチンコ球が払出されると、スイッチ片(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19(図3参照)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図3には、パチンコ機1に搭載されている払出制御基板37、中継基板77、及び、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aからの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力回路68と、始動入賞装置15の可動片13、13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路69と、が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否か判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄および飾り図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いても良い。
尚、図21に示すように、変動表示装置9の所定領域に、特別図柄保留記憶表示器18の表示と同様の表示を実施する保留記憶表示部を設けて、保留記憶の状態を遊技者が把握し易くする場合には、これら大当りとするか否か判定や、スーパーリーチ等なるか等の判定を始動入賞時に実施して、判定結果を演出制御基板80に通知して、演出制御基板80においてどの保留記憶において大当りが発生するのかや、スーパーリーチが発生するのかを把握できるようにして、これら大当りやスーパーリーチが発生することを把握した保留記憶について表示態様を通常の表示態様と変更することで、大当りやスーパーリーチとなる可能性が高いことを遊技者に事前に示唆する保留予告演出を実施するようにしても良い。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板960において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
さらに、電源基板960からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力回路68に入力される。電源断信号は、入力回路68を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力回路68に入力される。クリア信号は、入力回路68を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力回路68を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載する出力回路78は、CPU56が出力する演出制御コマンドを中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、出力回路78は、CPU56が出力する制御信号を、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力し、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156が演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドには、客待ちでも指定コマンドや可変表示コマンドや抽選結果指定コマンドが含まれる。
客待ちデモ指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ156が客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)であり、特別図柄の変動が終了してから所定時間が経過したことに応じて送出され、該客待ちデモ指定コマンドが演出制御基板80に対して送出されたときには、変動表示装置9に所定の客待ちデモ画面が表示される。つまり、通常においては、遊技者が交替するときには、遊技者が不在となる期間が存在するので、これら客待ちデモ指定コマンドは、遊技者が交替することで遊技者が不在となったと想定されるときに出力される。
また、可変表示コマンドは、特別図柄の可変表示に対応して変動表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定するために、変動開始時に送信される演出制御コマンドであり、変動開始を指定するためのコマンドである。
また、抽選結果指定コマンドは、乱数値に基づく抽選結果(大当りとなるかや、大当りとなる場合の大当り種別等の抽選結果)を演出制御基板80に対して、可変表示の開始時において通知するためのコマンドであり、演出制御基板80は、該抽選結果指定コマンドにより通知される抽選結果に基づいて、変動表示装置9の可変表示結果を、3つの飾り図柄が揃わないはずれの表示結果とするか、或いは通常大当りの表示結果(例えば偶数の飾り図柄が揃った表示結果)とするか、確変大当りの表示結果(例えば奇数の飾り図柄が揃った表示結果)とするかを決定する。
演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での演出表示の表示制御や効果音(演出音)の出力制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御やスピーカ27L、27R、27a、27bからの音出力制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、レバースイッチ510a〜510dやボタンスイッチ516aからの検出信号を検知することで、操作レバー600の操作や操作ボタン516の遊技者による操作を検知する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技盤6に設けられているステージLED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDの点灯制御を行う。
図4に示すように、演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵のROM84に格納されたプログラムに従って動作し、入力回路260を介して演出制御コマンドを受信する。このうち、ROM84には、後述する動画再生における、各動画のタイムチャート(図18及び図19参照)及び3D表示中止期間決定用テーブル(図20参照)が記憶されており、RAM85には、図示しないキャンセルカウンタが記憶されている。また、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に、変動表示装置9に表示する画像の生成等の変動表示装置9の表示制御を行わせる表示制御処理を実施する。
さらに、本実施例の演出制御基板80には、図4に示すように、前述した撮像ユニット11に接続され、これら撮像ユニット11にて撮像された画像に基づいて、遊技中の遊技者の視点位置を特定して出力する位置検出処理部111が設けられている。
ここで、本実施例に用いた撮像ユニット11について説明すると、撮像ユニット11は、図12に示すように、網点状の所定パターンにパターン化されたパターン赤外光を、パチンコ機1前方の遊技者側の領域に向けて広がるように放射する赤外光放射部11aと、この赤外光放射部11aから放射されるパターン赤外光による撮像を行う赤外線撮像部11bを備えており、赤外線撮像部11bにて撮像した遊技者の画像により、遊技者の両目の中央位置に代表される遊技者の視点位置の左右方向位置や前後方向位置を、該画像を位置検出処理部111にて画像認識することにより正確に特定できるようになっている。
この所定の周波数の赤外光を放射する赤外光放射部11aには、所定の周波数の赤外光を発光可能な赤外線LEDを好適に使用することができるとともに、上記したパターンに対応する多数の孔が形成されたスクリーンを使用して、該赤外線LEDから放射される光を上記のパターンにパターン化して放射するようにすれば良い。
これら撮像ユニット11は、前述したように、演出制御基板80に搭載された位置検出処理部111に接続されており、該撮像ユニット11の動作制御が位置検出処理部111にて実施されるとともに、該撮像ユニット11にて撮像された赤外線画像が撮像ユニット11に入力されることで、該位置検出処理部111においてパチンコ機1において遊技中の遊技者が識別されるとともに、該識別された遊技者の視点位置が検出されて、該視点位置の情報が演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)に出力される。
本実施例の位置検出処理部111には、撮像ユニット11により放射された放射パターンにより映し出された遊技者の画像を記憶する画像用メモリや、この画像中に含まれるパターンを構成する所定図形点(本実施例では丸図形)の間隔(距離)や、変形状況(輪郭部分においては変形や欠けが大きい)を解析する画像処理を実施して、遊技者までの距離特定や、これら解析による被写体の輪郭並びに形状と、予め登録されている人体や人体の身体部位の形状パターンとの対比により画像中に含まれる人体や該人体の各身体部位を特定し、該画像解析結果(人物や各身体部位までの距離情報と位置情報等)を出力する距離画像センサ用集積回路112や、該距離画像センサ用集積回路112から出力される画像解析結果に基づいて、遊技者の視点位置(両目の中央位置)の座標を特定する位置特定回路113や、該位置特定回路113が視点位置座標の特定のために使用する、異なった姿勢における各人体部位についての姿勢データ等が格納されたデータROM等が搭載されている。
これら距離画像センサ用集積回路112としては、例えば、「Light Coding技術」に対応したPS1080(米国、PrimeSense社製商品名)を好適に使用でき、位置特定回路113としては、PS1080から出力される画像解析結果と姿勢データROMに記憶されている各種データに基づいて遊技者の視点位置の座標を特定するための視点位置特定アルゴリズムをプログラム化した視点位置特定プログラムが組み込まれた、比較的処理能力に優れたマイクロコンピュータを使用することができる。
尚、本実施例では、上述したように、上記したパターンのように所定の放射パターンとされた赤外光を放射して画像を撮像することで、遊技者の視点位置認識を実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら放射パターンとされた赤外光を放射することなく、例えば、2つの可視光カメラをパチンコ機1前面の所定位置に、遊技者の視点位置を撮像可能に設置し、該2つの可視光カメラによる視差等に基づいて遊技者との距離等を特定することにより、遊技者の視点位置認識を実施するようにしても良い。
また、本実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して変動表示装置9の表示制御を行うVDP262が演出制御基板80に搭載されている。
VDP262は、図4に示すように、スプライト画像として用いる画像要素データとしてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等の画像データ、CGデータとも呼ぶ)などのデータが格納される画像データROM263、VRAM(ビデオRAM)領域として使用されるSDRAM210(シンクロナスDRAM)、視差画像を生成するための視差画像生成ICから成る視差画像生成部264とともに表示制御回路を構成する。
画像データROM263には、スプライト画像として用いる画像要素データなどの2次元画像を生成するためのデータに加えて、画像用液晶パネル9aの所定視差数ごとに1画面(フルスクリーン)分の立体画像に相当する予め生成された画像データを記憶している。
尚、本実施例では、これら1画面(フルスクリーン)分の立体画像のうち、所定の副画素に対応する視差画像(本実施例では中央位置の副画素p5の視差画像)を非立体画像の表示として用いるようにしており、これら立体画像の画像データを記憶することで、非立体画像に相当する画像データも記憶していることになり、記憶容量を低減できるようになっている。
また、画像データROM263には、画像用液晶パネル9aに表示される全ての立体画像の画像データが記憶されているのではなく、立体画像を構成する視差画像の生成が困難なもの、例えば、視差方向の違いによって異なる内容の表示を含むようにする等の場合に使用されるもののみが記憶されており、その他の立体画像(視差画像)は、後述するように、視差画像生成部264により非立体画像から各視差画像が生成されることにより生成される。
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って2次元(2D)画像データや立体(3D)画像を表示するための立体(3D)画像データが記憶された画像データROM263から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。画像データROM263は、前述したように、変動表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像の2次元或いは3次元の画像データをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU86の指令に応じて、画像データROM263から画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
VDP262は、VDP262の各種設定などが格納されるシステムレジスタ202、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されるアトリビュートレジスタ203、VRAM領域の後述する描画領域への画像の描画制御を行う描画制御部206、画像データROM263に格納されているCGデータをVRAM領域に転送する制御や描画領域に描画された2次元画像を視差画像生成部264に転送する制御や視差画像生成部264により生成された視差画像をVRAM領域に転送する制御を行うデータ転送制御部211、VRAM領域の後述する表示領域に格納されている画像データを表示するためのビデオ信号(R(赤)、G(緑)、B(青))信号及び同期信号を出力する表示制御部213、表示制御部213から出力されたビデオ信号をアナログ信号に変換して変動表示装置9を構成する画像用液晶パネル9aに出力するDAコンバータ214、215などが搭載された集積回路である。
VDP262の内部には、システムバス、CGバスが設けられており、システムバス及びCGバスはCPUインターフェイス201を介して演出制御用マイクロコンピュータ81の演出制御用CPU86と接続されているとともに、CGバスはCGバスインターフェイス204を介して画像データROM263に接続されている。また、CGバスはICインターフェイス205を介して視差画像生成部264のと視差画像生成ICと接続されている。システムバスにはシステムレジスタ202が接続されているとともに、CGバスにはアトリビュートレジスタ203が接続されており、演出制御用CPU86は、システムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213はシステムバスに接続されており、システムレジスタ202にアクセスできるようになっている。また、描画制御部206、データ転送制御部211はCGバスに接続されており、画像データROM263、アトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、VDP262の内部には、更にVRAMバスが設けられており、VRAMバスは、VRAMバスインターフェイス209を介してSDRAM210と接続されている。VRAMバスには、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213が接続されており、VRAMバスを介してSDRAM210のVRAM領域にアクセスできるようになっている。
システムレジスタ202には、初期設定、描画、データ転送などの命令を格納するシステム制御レジスタ、後述する割込信号の出力命令などを格納する割込制御レジスタ、VRAM領域における描画領域、パレットデータの配置領域などを格納する描画レジスタ、データ転送時の転送元のアドレス、転送先のアドレスなどを格納するデータ転送レジスタ、VRAM領域における表示領域などを格納する表示レジスタなどが割り当てられている。
CPUインターフェイス201は、Vブランク(画像を更新する周期)の開始毎に演出制御用CPU86に対してVブランク割込信号を出力するとともに、その他各種割込信号を、演出制御用CPU86に対して出力する。
表示制御部213は、表示レジスタにて指定されているVRAM領域の表示領域の画像データをビデオ信号として出力する表示処理を行う。本実施例では、Vブランク毎に表示領域及び描画領域が切り替わる。このため、あるVブランクにおいて描画領域として割り当てられた領域の描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された画像データが表示出力されることとなり、その間も他方の領域で描画が行われることとなる。
表示制御部213が実施する非立体画像の表示について詳述すると、表示制御部213は、演出制御用CPU86の指令に応じて、2次元画像(非立体画像)を生成するか、或いは、画像データROM263から立体画像のうちの所定の副画素の視差画像データを読み出し、この画像データを非立体画像として画像用液晶パネル9aの全帯状表示領域に単一表示する(図8(b)参照)。
次に、画像データROM263に記憶されている立体画像の表示について詳述すると、表示制御部213は、演出制御用CPU86の指令に応じて、画像データROM263から画像用液晶パネル9aの立体画像に相当する画像データを読み出し、該読み出した画像データに含まれる各視差画像を各画素の副画素に表示する。
このようにすることにより、各画素の副画素には、その画素が該当する位置の画像であって、各視線方向からの視差画像が表示されることにより、遊技者の左右の目の視認位置の違いにより、異なる視差画像が左右の目により視認されることで、画像用液晶パネル9aに表示される画像が立体画像として視認されるようになっている。尚、視差画像生成部264により非立体画像から生成された各視差画像から成る立体画像も同様である。
図5は、本実施例におけるSDRAM210のVRAM領域の構成を示す図である。VRAM領域には、パレットデータが配置されるパレット領域、必要なキャラクタが画像データROM263から読み出されて格納されるキャラクタ用バッファ、描画制御部206が画像を描画する際にパレットデータ(キャラクタの表示色が定義されたデータ)を一時的に保存するため、及び描画制御部206が画像を描画する際にCGデータを一時的に保存するためのCG用バッファなどの各領域が割り当てられている。
また、VRAM領域には、画像用液晶パネル9aに表示される非立体画像に基づく画像データが格納される非立体画像表示領域、画像用液晶パネル9aに表示される非立体画像に基づく画像データが描画される非立体画像描画領域が割り当てられている。これら非立体画像表示領域と非立体像描画領域とは、Vブランク毎に切り替わるようになっている。このため、あるVブランクにおいて非立体画像描画領域として割り当てられた領域では非立体画像の画像データの描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は非立体画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された非立体画像の画像データが画像用液晶パネル9aに非立体画像として表示出力されることとなり、その間も他方の領域で画像データの描画が行われることとなる。
更に、VRAM領域には、画像用液晶パネル9aに表示される立体画像に基づく画像データが格納される立体画像表示領域、画像用液晶パネル9aに表示される立体画像に基づく画像データが描画される立体画像描画領域、が割り当てられている。これら立体画像表示領域と立体像描画領域とは、Vブランク毎に切り替わるようになっている。このため、あるVブランクにおいて立体画像描画領域として割り当てられた領域では立体画像の画像データの描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は立体画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された立体画像の画像データが立体画像として画像用液晶パネル9aに表示出力されることとなり、その間も他方の領域で非立体画像の画像データの描画が行われることとなる。
このように、非立体画像表示領域と非立体画像描画領域、立体画像表示領域と立体画像描画領域は、それぞれVブランク毎に一方の領域での画像データの描画と、他方の領域での画像データを画像として画像用液晶パネル9aへの表示を交互に行うことで、本実施例の描画制御部206は、非立体描画領域、立体画像描画領域への描画処理を並行して行うことが可能となっているとともに、表示制御部213は、非立体画像表示領域の画像データを非立体画像として画像用液晶パネル9aに表示させること、または、立体画像表示領域の立体画像データを立体画像として画像用液晶パネル9aに表示させることを行うことが可能となっている。
前述のように、演出制御用CPU86は、CPUインターフェイス201を介してシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっており、前述した変動表示装置9の表示パターンを定めたプロセスデータに従ってこれらシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203に実行命令や必要なデータを格納することで、VDP262を間接的に制御する。
プロセスデータには、Vブランク毎に演出制御用CPU86がシステムレジスタ202やアトリビュートレジスタ203に対して行う設定内容が定められている。システムレジスタ202の設定内容としては、描画、データ転送命令や、データ転送を行うCGデータやパレットデータ、アトリビュートの設定などがある。また、アトリビュートレジスタ203の設定内容は、アトリビュート、すなわちキャラクタを描画する際に使用されるパラメータそのものである。
また、プロセスデータには、Vブランク毎に画像の更新が行われるようにアトリビュートが設定されている。このため、画像の更新は、Vブランク毎に行われることとなる。
次に、本実施例における2次元画像(非立体画像)の描画制御について説明する。描画制御部206が描画処理を行うためには、描画に必要なキャラクタがVRAM領域に配置されている必要がある。すなわちスプライト画像のソースデータとなるキャラクタをVRAM領域に配置する必要がある。
このため、演出制御用CPU86は、演出を実行する際に、当該演出の実行に必要な全てのキャラクタの画像データROM263からVRAM領域への転送命令を行う。これに伴いデータ転送制御部211によって演出の実行に必要な全てのキャラクタがVRAM領域に配置されることとなる。演出を実行する場合には、何度も繰り返して同じキャラクタを描画に用いることが多いが、画像データROM263に格納されたデータは圧縮されており、これを読み出すのに時間を要するので、前述のように演出を実行する最初の段階で、必要な全てのキャラクタをVRAM領域に配置することにより、各フレーム毎に画像データROM263からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済むこととなる。尚、本実施例では、演出制御用CPU86が演出を実行する際に、当該動画再生に必要な全てのキャラクタの画像データROM263からVRAM領域への転送命令を行うようになっているが、描画に必要なキャラクタの転送命令をその都度行うようにしても良い。
また、描画制御部206が描画処理を行うためには、アトリビュートレジスタ203にアトリビュートが設定されている必要がある。アトリビュートは、Vブランク毎に異なるため、Vブランク毎にプロセスデータに従ったアトリビュートをアトリビュートレジスタ203に格納する。
そして、演出制御用CPU86は、演出を開始した後、Vブランク毎に、アトリビュートをアトリビュートレジスタ203に設定した後、アトリビュートの読込の実行を命令する。これに伴い描画制御部206は、アトリビュートレジスタ203のアトリビュートを読み込んで、読込が終了すると読込終了割込信号の出力を命令する。これを受けて演出制御用CPU86は描画の実行を命令し、描画制御部206は、読み込んだアトリビュートに従って非立体画像描画領域に画像データの描画を行う。
尚、これら非立体画像描画領域に描画された非立体画像の立体画像を生成する場合には、該描画された非立体画像が視差画像生成部264に転送されて視差画像が生成され、該生成された視差画像から成る立体画像が転送されて立体画像描画領域に描画される。
このように、立体画像と非立体画像で、画像描画領域と画像表示領域を個別としているので、前述した立体画像と非立体画像で画像描画領域と画像表示領域を共通とした場合よりも、さらに迅速に、非立体画像から立体画像への移行や、立体画像から非立体画像への移行を実施することができる。
また、表示制御部213は、演出制御用CPU86の指令に応じて、9つの副画素p1〜p9のうち、位置検出処理部111が特定した左右方向における遊技者の視点位置から視認できるn番目の表示対象副画素p(n)及び当該表示対称副画素p(n)の両隣に隣接する副画素p(n−1)、p(n+1)に、立体画像(視差画像)を表示する制御を行うとともに、これら副画素p(n)、p(n−1)及びp(n+1)を除く残りの副画素を非表示(非表示状態が黒の場合、非表示状態が透明の場合には黒表示)とする制御を行うことができる。
例えば図9(a)に示されるように、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち、位置検出処理部111が撮像ユニット11にて撮像したパターン放射による撮像画像に基づいて検出した遊技者の左右方向における視点位置から視認できる中央の表示対象副画素p5及び当該表示対称副画素p5の両隣に隣接する副画素p4、p6に、それぞれ視差画像である立体画像(視差画像)D,E及びFを表示するとともに、これら副画素p4〜6を除く残りの副画素を非表示または黒表示とする制御を行うことができる。
このように、立体画像表示装置を成す画像用液晶パネル9aにおいて、一部の副画素である表示対象副画素には視差画像が表示される一方、該表示対象副画素以外の副画素には視差画像が表示されないので、副画素の全てに視差画像を表示する場合に比較して、各視差画像光が互いに干渉することにより生ずる干渉縞の発生を低減できるばかりか、各副画素に表示する視差画像を生成する場合にあっては、該視差画像を生成する処理負荷も低減できる。
これら立体画像(視差画像)を表示する表示対象副画素の位置は、位置検出処理部111が特定した遊技者の視点位置が変化することに応じて、後述するように逐次変化される。
このように、本実施例では、表示対象副画素を遊技者の位置の変化に応じて時系列に変化させることで、遊技者側が表示に併せて視点位置を変化させる必要がないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら表示対象副画素が、遊技者の視点位置の変化に応じて時系列に変化しないことで、同一の副画素のみが固定的に視差画像を表示することにより、遊技者側が表示に併せて視点位置を変化させるようにしても良い。
尚、この場合にあっては、パチンコ機1に、後述するように、自分の位置を遊技者自身が入力して設定できる遊技者位置設定手段を設けるようにすることで、遊技者が所望の姿勢における視点位置を入力・設定することで、所望の姿勢により立体画像を視認できるようにすることが好ましい。
尚、表示制御部213は、必ずしも位置検出処理部111が特定した遊技者の視点位置から視認できる表示対象副画素p(n)及びその両隣に隣接する副画素p(n−1),p(n+1)に立体画像を表示する制御を行うものに限られず、例えば図9(b)に示されるように、表示制御部213は、位置検出処理部111が特定した遊技者の視点位置から視認できる表示対象副画素p(n)(図示ではp5)に立体画像Eのみを表示し、残りの副画素を非表示とする制御を行うことができるものであってもよいし、逆に、図9(c)に示されるように、表示制御部213は、位置検出処理部111が特定した遊技者の視点位置から視認できる表示対象副画素p(n)(図示ではp5)及び当該表示対象副画素の近隣に隣接する所定数の副画素p(n−1),p(n−2),・・及びp(n+1),p(n+2),・・(図示ではp3,4及び6,7)に、それぞれ視差画像である立体画像C,D,E,及びF,Gを表示し、残りの副画素を非表示とする制御を行う。
つまり、演出制御用CPU86は、表示対象副画素に含まれる副画素数を、位置検出処理部111が特定した遊技者の視点位置の変化状況に応じて変化させ、表示制御部213は、該演出制御用CPU86にて指示された表示対象副画素に視差画像を表示する制御を実施する。
具体的に演出制御用CPU86は、位置検出処理部111が特定した遊技者の視点位置の変化状況、つまり、視点位置の所定時間当たりの変化量が副画素数5に対応する所定の閾値以上である場合には、表示対象副画素に含まれる副画素数を、例えば3から5に増やし、視点位置の所定時間当たりの変化量が副画素数1に対応する所定の閾値未満である場合には、表示対象副画素に含まれる副画素数を、例えば3から1に低減する制御を実施する。
尚、特に図示しないが、表示制御部213は、位置検出処理部111が特定した遊技者の視点位置から視認できる表示対象副画素p(n)(図示ではp5)及び当該表示対象副画素の近隣に所定間隔おきに離間した副画素(例えば、副画素p(n−2)、p(n−4)、・・及びp(n+2)、p(n+4)等)(図示ではp1,3及び7,9)に視差画像である立体画像A,C,E,G及びIを表示し、残りの副画素を非表示或いは黒表示とする制御を行ってもよい。
また、表示制御部213は、上記したように各副画素p1〜p9それぞれに対応して視差画像である立体画像A〜Iを個別に表示するものに限られず、例えば副画素p1〜p9のうち互いに隣接した一部の副画素に同一の立体画像を割り当てて表示する制御や、若しくは、このように一部の副画素に同一の立体画像を表示するとともに他の副画素を非表示または黒表示とする制御を行うことで、副画素p1〜p9の表示画像数と視差画像数とに変化を与えることができる。以下に、図10,11を参照して具体例を示して説明する。
先ず、視差画像数が3画像の場合の表示態様について例示する。
例えば、図10(a)に示されるように、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち中央側3つの副画素p4〜p6に、真正面位置から視認した表示物の画像に相当する視差画像である同一の立体画像Eを表示するとともに、これら副画素p4〜p6の左右各側それぞれ3つの副画素p1〜p3、副画素p7〜p9に、左右各側から視認した表示物の画像に相当する視差画像である同一の立体画像D、立体画像Fをそれぞれ表示する制御を行うことで、実質的に立体画像の視差数を9視差から3視差に変化させることができる。
また、例えば、図10(b)に示されるように、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち中央側3つの副画素p4〜p6に、真正面位置から視認した表示物の画像に相当する視差画像である同一の立体画像Eを表示するとともに、これら副画素p4〜p6の左右各側それぞれ2つの副画素p2,p3、副画素p7,p8に、左右各側から視認した表示物の画像に相当する視差画像である同一の立体画像D、立体画像Fをそれぞれ表示し、他の左右両端の副画素p1,p9を非表示または黒表示とする制御を行うことができる。
また、例えば、図10(c)に示されるように、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち中央の副画素p5に、真正面位置から視認した表示物の画像に相当する視差画像である立体画像Eを表示するとともに、この副画素p5の左右各側それぞれ2つの副画素p3,p4、副画素p6,p7に、左右各側から視認した表示物の画像に相当する視差画像である同一の立体画像D、立体画像Fをそれぞれ表示し、その他の左右両端側の副画素p1,p2、副画素p8,p9を非表示または黒表示とする制御を行うことができる。
また、視差画像数が5画像の場合には、例えば、図11(a)に示されるように、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち中央の副画素p5に、真正面位置から視認した表示物の画像に相当する視差画像である立体画像Eを表示するとともに、この副画素p5の左右各側2つずつの副画素p1,p2、副画素p3,p4、副画素p6,p7及び副画素p8,p9をそれぞれ組にして、左右各側から視認した表示物の画像に相当する視差画像である同一の立体画像C、立体画像D、立体画像F及び立体画像Gをそれぞれ表示する制御を行うことができる。
また、視差画像数が7画像の場合には、例えば、図11(b)に示されるように、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち中央の副画素p5に、真正面位置から視認した表示物の画像に相当する視差画像である立体画像Eを表示するとともに、この副画素p5の左右各側2つの副画素p3,p4、副画素p6,p7に、左右各側から視認した表示物の画像に相当する視差画像である立体画像C、立体画像D、立体画像F及び立体画像Gをそれぞれ表示し、更に左右両端側の副画素p1,p2及び副画素p8,p9をそれぞれ組にして、左右各側から視認した表示物の画像に相当する視差画像である同一の立体画像B及び立体画像Hをそれぞれ表示する制御を行うことができる。
以上、図10(a)に基づいて説明した視差数が3の場合、図11(a)基づいて説明した視差数が5の場合及び図11(b)基づいて説明した視差数が7の場合のように、視差数を変化させても、副画素の全てに各視差画像が割り当てられて表示されるため、視差数が変化しても立体画像を視認できる視野範囲が狭くならないので、これら視野範囲が狭くなることにより遊技者に違和感を与えてしまうことを回避できる。
尚、これら図10(a)、図11(a)、及び図11(b)のような立体画像の表示態様とする制御は、例えば、遊技者が急激にパチンコ機1に接近した場合等において実施され、これら急激な近接により左右の目の視点角度が大きくなって、より視差角度の大きな画像を遊技者が視認してしまうことにより、立体画像が不自然に見えてしまったり、遊技者が不快感を覚えてしまうことを防止できる。
次に、上記で説明した位置検出処理部111が特定した遊技者の左右位置若しくは前後位置に基づいて、各副画素p1〜p9の表示・非表示を制御する具体例を説明する。
表示制御部213は、演出制御用CPU86の指令に応じて、9つの副画素p1〜p9のうち、位置検出処理部111が特定した遊技者の左右方向の視点位置に応じた所定の副画素に、遊技者の視点位置に応じて立体度が定められた立体画像を表示する制御を行う。
より詳しくは、表示制御部213は、例えば図13(a)に示されるように、位置検出処理部111が特定した遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し左右方向の略中央に位置している場合は、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち、位置検出処理部111が特定した遊技者の中央の視点位置から視認できる中央の表示対象副画素p5及び当該表示対称副画素p5の両隣に隣接する副画素p4、p6に、視認位置に対応する視差画像である立体画像D,E及びFを表示する制御を行うとともに、これら副画素p4〜p6を除く残りの副画素を非表示とする制御を行う。
また図13(b)に示されるように、表示制御部213は、位置検出処理部111が特定した遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し左右方向の左側に位置している場合は、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち、位置検出処理部111が特定した遊技者の左側の視点位置から視認できる3つの表示対象副画素p1〜p3に、視認位置に対応する視差画像である立体画像A,B及びCを表示する制御を行うとともに、これら副画素p1〜p3を除く残りの副画素を非表示とする制御を行う。
また図13(c)に示されるように、表示制御部213は、位置検出処理部111が特定した遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し左右方向の右側に位置している場合は、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち、位置検出処理部111が特定した遊技者の右側の視点位置から視認できる3つの表示対象副画素p7〜p9に、視認位置に対応する視差画像である立体画像G,H及びIを表示する制御を行うとともに、これら副画素p7〜p9を除く残りの副画素を非表示とする制御を行う。
また表示制御部213は、演出制御用CPU86の指令に応じて、9つの副画素p1〜p9のうち、位置検出処理部111が特定した遊技者の前後方向の視点位置に応じた所定の副画素に、遊技者の視点位置に応じて立体度が定められた立体画像を表示する制御を行う。より詳しくは、表示制御部213は、例えば図14(a)に示されるように、位置検出処理部111が特定した遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し比較的近い距離に離間している場合は、9つの副画素p1〜p9のうち一部の副画素、中央の3つの副画素p4〜p6に視差画像を表示し、また例えば図14(b)に示されるように、遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し比較的遠い距離に離間している場合は、上記した数の副画素よりも多くの副画素、例えば9つ全ての副画素p1〜p9に視差画像を表示するように、すなわち遊技者とパチンコ機1との離間距離に比例するように立体画像の視差数を変化させる制御を行う。
このように、遊技者が遊技中に左右方向に若しくは前後方向に移動しても、移動した位置に対応した副画素または副画素群が表示対象副画素として特定されて、該表示対象副画素に視差画像が表示されるようになるので、遊技者の位置変化に対応した干渉縞の発生の少ない良好な立体画像の表示を実施できる。
またこのように、遊技者の位置、例えば遠近等に合わせて、立体画像の立体度を適宜に変更することができ、遊技者の位置に合わせた立体表示を実施することができる。
特に表示制御部213が、位置検出処理部111が特定した遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し近い場合は立体度が小さい立体画像を表示し、また遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し遠い場合は立体度が大きい立体画像を表示することで、遊技者とパチンコ機1との離間距離に比例するように立体画像の立体度を変化させることで、遊技者がパチンコ機1から比較的遠くに離間していても、離間距離に応じて立体画像の臨場感を高めることができる。
尚、図14(a)に示す例は、遊技者がパチンコ機1に接近している状態が長く続いている場合の立体画像の表示態様であり、遊技者が通常は図14(b)に示す距離状態にいて、該距離状態から急激に図14(a)に示す接近した状態となった場合には、前述したように、図10(a)に示すように、副画素p1〜p9に各視差画像が割り当てられて表示されるようになっている。
また、本実施例では、画像用液晶パネル9aの表示領域の全領域を立体(3D)画像のみ若しくは2次元(2D)画像のみ表示させるだけではなく、例えば、図16に示すように、画像用液晶パネル9aの左半分の表示領域(第1表示領域)に右目用画像と左目用画像から成る立体(3D)画像を表示させ、画像用液晶パネル9aの右半分の表示領域(第2表示領域)に2次元(2D)画像を表示させることで、2次元(2D)画像と立体(3D)画像とを同時に表示することができるようになっている。
つまり、画像用液晶パネル9aは、立体(3D)画像を表示する左半分の表示領域(第1表示領域)と、2次元(2D)画像を表示する右半分の表示領域(第2表示領域)とを有し、演出制御用CPU86は、左半分の表示領域(第1表示領域)と右半分の表示領域(第2表示領域)とに立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する制御を行う。
つまり、本実施例のように、変動表示装置9の表示領域が横方向に長い長方形である場合には、表示領域の中心位置間の距離が大きくなる左右に表示領域を設けることで、左右に表示領域に立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示しても、遊技者が立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に視認してしまう可能性を低くできるので、これら立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に視認してしまうことで立体(3D)画像の視認がし難くなってしまうことを低減できるので、このように、立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する場合にあっては、このように、横長の表示領域の左右に表示領域を設けて立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを表示することが好ましい。
尚、これら立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する場合にあっては、左右に表示領域の境界に比較的幅広の黒表示領域を設けることで、立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に視認する可能性を低減できるようにしても良い。
また、図16に示されるように、左半分の表示領域(第1表示領域)と右半分の表示領域(第2表示領域)とに立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する場合、立体(3D)画像において表示される表示体、例えば飾り図柄やキャラクタの動きの速度(移動速度)を、2次元(2D)画像において表示される表示体、例えば飾り図柄やキャラクタの動きの速度(移動速度)よりも緩やかとなるように、立体画像(視差画像)を生成して表示させることで、表示体の移動速度が、立体(3D)画像と2次元(2D)画像とで同じ場合に比較して、動作の速い立体(3D)画像の視認によって遊技者に不快感を与えてしまうことを低減することができる。
次に、パチンコ機1の遊技者が視認する立体(3D)画像の立体度を補正するための調整操作について、図15に基づいて説明する。ここで本発明において立体画像の立体度とは、副画素p1〜p9に表示する視差画像の数である視差画像数を変化させることにより立体画像表示装置に表示するものをいう。
つまり、本実施例の形態では、遊技者が変動表示装置9に表示される立体画像を視認する場合に、立体画像が予め定められた固定の立体度であって変更不可なものであると、該固定された立体度が、必ずしも個々の遊技者に適したものではない場合があることから、個々の遊技者が、立体画像の視差数を調整操作することにより適宜変更することで、遊技者各自の好みに応じた視差数の立体画像を遊技者が視認できるようになっている。
この調整操作を遊技者が実施したい場合には、本実施例では客待ちデモンストレーション時(パチンコ機1が非稼働状態)において、操作レバー600及び操作ボタン516を同時に所定操作することで、図15(a),(b)に示されるように、予め画像データROMに記憶されている視差数調整用画面が変動表示装置9に表示されて、立体画像を表示する表示対象副画素の位置や、視差数の設定を受付ける調整設定処理が演出制御用CPU86にて実施される。この視差数調整用画面に遊技者の位置を設定するとともに視差数を設定するための操作片及び決定ボタンが表示される。
図15(a)に示されるように、視差数の調整操作を実施する場合には、先ず操作者は、操作ボタン516の押圧しながら操作レバー600を操作し遊技者位置目盛り上の操作片表示にカーソルを合わせた後、該操作片表示を左側〜中央〜右側の範囲内において移動させる。操作者は、自らの好みに応じたパチンコ機1に対する左右位置において、操作レバー600を操作し遊技者位置決定ボタンにカーソルを合わせ、操作ボタン516を押圧することで、遊技者の左右位置が当該左右位置に設定され、該設定された位置に対応する副画素、例えば、画像用液晶パネル9aの中央位置の画素であれば、図15(a)に示されるように、遊技者が中央位置からやや右側位置に位置を設定した場合には、表示対象副画素が、p4〜p6からp5〜p6に変更される。尚、画像用液晶パネル9aの両側端部位置では、補正のために中央位置とは異なる副画素が表示対象副画素として決定される場合がある。
次に図15(b)に示されるように、操作者は、操作ボタン516の押圧しながら操作レバー600を操作し視差数目盛り上の操作片表示にカーソルを合わせた後、該操作片表示を3〜9の範囲内において移動させる。操作者は、自らの好みに応じた視差数において、操作レバー600を操作し視差数決定ボタンにカーソルを合わせ操作ボタン516を押圧することで、遊技者の好む視差数が当該視差数に設定される。操作片表示の移動に伴い、表示される視差画像の表示位置及び視差画像数が変化することで、当該変更された目盛りに対応した立体画像が生成されて表示される。このように、遊技者が立体画像を視認する位置を自ら自在に設定することができる。
尚、本実施例では、遊技者位置決定ボタンにより遊技者の位置が入力、設定された場合には、前述した位置検出処理部111により遊技者の位置特定を行う自動モードが解除されて手動モードが設定されることで、位置検出処理部111により遊技者の位置特定が非実施状態となる。尚、これら手動モードは、所定の解除操作を実施するか、客待ちデモンストレーションが表示されることで解除されて自動モードに移行する。
また、本実施例では、客待ちデモンストレーション時において、当該パチンコ機1が設置された遊技機設置島と、該遊技機設置島と対向する遊技機設置島との間に形成された島間通路を通行する遊技者である通行者の視点位置において良好に立体視認できるデモンストレーション用の立体(3D)画像を表示するようになっている。
デモンストレーション用の立体(3D)画像表示について、演出制御基板80は、遊技制御用マイクロコンピュータ156から客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモンストレーション状態に移行したときに、該パチンコ機1のPR(紹介)画像等から成る所定の客待ちデモ画像を画像用液晶パネル9aに表示する。本実施例では演出制御基板80は、客待ちデモ画像として、全ての副画素p1〜p9を表示する制御を行う。このように、パチンコ機1の遊技者よりも遠距離である島間通路を通行する遊技者の様々な視点位置から、より広範な視野角において、良好な立体(3D)画像が視認できる客待ちデモ画像に変更することで、島間通路を通行する遊技者が、良好な立体画像にて客待ちデモ画像を視認できるようになっている。
このように、当該パチンコ機1に遊技者が存在しない客待ちデモンストレーション時において、より広範な視野角にわたる通行者の視点位置から良好な立体(3D)画像が視認できるようにすることで、通行者に対し当該パチンコ機1にて遊技する意欲を喚起する効果を奏することができる。
次に、変動表示装置9において実施される演出の表示について説明する。本実施例のパチンコ機1においては、スーパーリーチとなる可能性や大当りとなる可能性を予告する予告演出や、大当りとなる可能性を報知するスーパーリーチ演出等の異なる種別の演出が実施される。
これら予告演出とスーパーリーチ演出が実施される場合を例に説明する。図17(a)、図17(b)及び図18に示すように、このスーパーリーチ演出となる変動パターンにおいては、変動表示の開始とともに実施される予告演出S1と、該予告演出S1の後にスーパーリーチ演出が開始されるまでの変動演出S2と、該スーパーリーチ演出S3と、から主に構成されている。
このうち、予告演出S1においては、図17(a)に示すように、変動表示装置9には、例えば、立体画像によって遊技者に対して大きく突出する立体度(多い視差数)のスペースシャトルCH1、このスペースシャトルCH1よりも小さい立体度(少ない視差数)のスペースシャトルCH2、スペースシャトルCH2よりも小さい立体度(少ない視差数)の小型艇CH3、小型艇CH3よりも小さい立体度(少ない視差数)の星CH4、が表示されるようになっている。
このように、変動表示装置9で表示される各キャラクタで立体度(視差数)に差をつけることで、最も立体度が大きい(最も視差数が多い)スペースシャトルCH1が遊技者に対してより広い視野角で視認できるように立体表示され、スペースシャトルCH1よりも立体度の小さい(視差数が少ない)スペースシャトルCH2は、スペースシャトルCH1よりも比較的狭い視野角で遊技者から見えるよう立体表示されている。更に、スペースシャトルCH2よりも立体度の小さい(視差数が少ない)小型艇CH3は、スペースシャトルCH2よりも比較的狭い視野角で遊技者から見えるよう立体表示され、小型艇CH3よりも立体度の小さい(視差数が少ない)星CH4は、小型艇CH3よりも比較的狭い視野角で遊技者から見えるよう立体表示されている。
尚、図17(a)では、説明の都合上、上述のスペースシャトルCH1から星CH4までの4種類のキャラクタ全てが変動表示装置9に表示されている状態を示しているが、予告演出S1では、実際にはこれらキャラクタの内1種類ないし2種類が段階的に順次表示されることによって、大当りやスーパーリーチとなる可能性が報知されるステップアップ予告がなされるようになっている。このため、変動表示装置9に表示されるキャラクタ数が、後述するスーパーリーチの場合等に比較して少なくなっているので、これらの演出における描画処理及び表示処理を行うVDP262にかかる処理負荷が、スーパーリーチ演出の実施期間よりも軽くなっているために、立体表示から非立体表示に切り替える切り替え処理の処理負荷を十分に賄うことができることから、遊技者が操作ボタン516を押圧することで変動表示装置9における表示を立体表示から非立体表示に切り替えることが可能なキャンセル可能演出とされている。
また、変動演出S2は、予告演出S1の終了後にスーパーリーチ演出S3の開始までに変動表示装置9の表示を変動させる期間である。このため、キャラクタ等を表示する演出等が実施されない期間であるので、該変動演出S2は立体画像の表示がなされない期間とされている。よって、立体表示自体がなされないので、当然に、立体画像のキャンセル操作が無効な期間とされている。
尚、これら変動演出S2においても、特定のキャラクタ等を表示して立体画像の表示を実施しても良い。
一方、スーパーリーチ演出S3においては、図17(b)に示すように、上述のスペースシャトルCH1から星CH4の他、スペースシャトルCH2と略同一の立体度のUFOCH5や土星CH6等のキャラクタが一斉に変動表示装置9に表示される演出が実施される。
このため、スーパーリーチ演出S3においては、VDP262が、予告演出S1よりも多くのキャラクタの描画処理及び表示処理を行う必要があるため、VDPにかかる負荷が非常に大きくなっているため、立体表示から非立体表示に切り替える切り替え処理の処理負荷を十分に賄うことができない畏れがあるために、スーパーリーチ演出S3においては、遊技者が操作ボタン516を押圧することで変動表示装置9における表示を立体表示から非立体表示に切り替えることが不可能なキャンセル不能演出とされている。
これら予告演出S1及びスーパーリーチ演出S3では、前述した描画制御によって描画された画像データに基づく画像を、演出制御用CPU86が表示制御部213に画像用液晶パネル9aに表示させることで、変動表示装置9において立体画像を表示するようになっている。
これら立体表示をする場合において演出制御用CPU86は、立体表示されるキャラクタの立体度に応じて各キャラクタの移動速度を変化するように制御する。具体的には、図17(c)に示すように、演出制御用CPU86は、変動表示装置9にて立体画像として表示される各キャラクタの立体度が大(例えば視差数が9つ)、すなわち遊技者がより広い視野角で視認できるように立体表示される程、キャラクタの移動速度が低速となるように表示を制御する。また、演出制御用CPU86は、変動表示装置9にて立体画像として表示される各キャラクタの立体度が中(例えば視差数が5つ)、すなわち、立体度が大よりも遊技者が比較的狭い視野角で視認できるときには、立体度が大の場合よりも早い中速となるように表示を制御し、変動表示装置9にて立体画像として表示される各キャラクタの立体度が小(例えば視差数が3つ)、すなわち、遊技者が狭い視野角で視認できるように立体表示される程、キャラクタの移動速度が高速となるように表示を制御する。
よって、本実施例においては図17(a)に示すように、遊技者に対して最も立体度が大きく(最も視差数が多く)表示されているスペースシャトルCH1の移動速度が最も遅くなるようにスペースシャトルCH1の描画が演出制御用CPU86により制御されるとともに、スペースシャトルCH2、UFOCH5、土星CH6、小型艇CH3と立体度が小さくなるにつれて移動速度が早くなるようにスペースシャトルCH2、UFOCH5、土星CH6、小型艇CH3の描画が演出制御用CPU86により制御される。これにより、最も立体度が小さく(最も視差数が少なく)表示されている星CH4の移動速度が最も早く、最も立体度が大きく(最も視差数が多く)表示されているスペースシャトルCH1の移動速度が最も遅くなるように、演出制御用CPU86により制御される。
このため、遊技者が、自分に近いように立体表示される立体度が大である(視差数が多い)キャラクタの移動に合わせて視線を移動させても、これら立体度が大である(視差数が多い)キャラクタの移動自体が遅く制御されているので、自分に近いキャラクタが素早く移動してしまうために、該移動に伴って大きく視点を遊技者が素早く移動させることによって、該遊技者の眼精疲労が大きくなったり、該遊技者が不快感を感じてしまうことを抑えることができる。
本実施例の予告演出S1は、図18及び図19に示すように、演出期間T1,T2,T3,T4,T5の5つの期間から構成されている。これら演出期間T1,T2,T3,T4,T5のうち、演出期間T1,T3,T5は、演出期間T2,T4よりも変動表示装置9にて立体画像として表示されるキャラクタの数やキャラクタの動作が小さい小変化演出期間である。
また、この演出期間T1,T3,T5は、予告演出S1において、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧すること(長押しすること)で、変動表示装置9における立体画像での表示を非立体画像での表示に切り替えることができるようになっている。以下、この演出の変動表示装置9における立体画像の表示から非立体画像の表示への切り替えについて説明する。
図18、図19に示すように、演出制御用CPU86は、描画制御部206にVRAM領域にて立体画像を構成する右目用画像及び左目用画像と、非立体画像との描画を並行して開始させる。同時に、演出制御用CPU86は、表示制御部213によってVRAM領域にて描画された右目用画像と左目用画像とを画像用液晶パネル9aに交互に表示させ、遊技者が立体画像を視認可能な状態で予告演出S1を開始する。
尚、予告演出S1の一連の演出期間T1,T2,T3,T4,T5において、演出期間T1,T3,T5は演出期間T2,T4よりも変動表示装置9にて立体画像として表示されるキャラクタの数や動作が小さい小変化演出期間であるため、前述したように、VDP262において演出期間T2,T4における描画処理にかかる負荷が軽いため、非立体画像への切り替え処理を実施できるように設定されている。このため、演出期間T1,T3,T5は、遊技者が操作ボタン516を押圧することで容易に予告演出S1の立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えることが可能なキャンセル可能期間とされている一方、演出期間T2,T4は、逆に、描画処理にかかる負荷が比較的大きいために、予告演出S1の立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えることが不可能なキャンセル不能期間とされている。
つまり、本実施例では、立体画像として表示されるキャラクタの数や動作が大きい演出期間T2,T4において、遊技者が操作ボタン516を押圧しても、非立体画像への表示の切り替えが不可能となっているため、これらキャラクタの数や動作の変化が激しい立体画像から非立体画像へいきなり表示が切り替わることで、遊技者が混乱してしまうことを回避できるようになっている。
これらキャンセル可能期間である演出期間T1,T3,T5において演出制御用CPU86は、図17(a)に示すように「キャンセルOK」の表示を、立体(3D)画像の表示の支障にならない変動表示装置9の右下位置に表示することで、立体(3D)画像の表示をキャンセル可能であることを遊技者に報知する。一方、キャンセル不能期間である演出期間T2,T4において演出制御用CPU86は、図18(b)に示すように、「キャンセルOK」の表示を実施しないようになっている。
つまり、演出制御用CPU86は、表示手段となる変動表示装置9に表示している立体画像の演出がキャンセル可能演出である予告演出S1であるときに、該立体画像の表示中止が可能であることを報知する「キャンセルOK」を表示する報知手段の機能を有するので、遊技者は、立体画像の表示を中止できるか否かを正確に把握できるようになる。
そして、図18に示すように、遊技者が、例えば、予告演出S1のキャンセル可能期間である演出期間T5にて操作ボタン516を所定時間押圧すると、演出制御用CPU86は、キャンセル操作として、変動表示装置9にて表示されている立体画像を非立体画像の表示に即座に切り替える。
尚、本実施例のように、VRAM領域において立体画像の描画領域と非立体画像の描画領域とを別個に有している場合、演出制御用CPU86は、操作ボタン516が遊技者によって所定時間押圧されると、描画制御部206にVRAM領域における立体画像と非立体画像の描画のうち、立体画像の描画のみを停止させるとともに、表示制御部213にVRAM領域にて立体画像と並行して描画されていた非立体画像を、立体画像に替えて画像用液晶パネル9aに表示させるようにしてもよい。
つまり、演出制御用CPU86は、遊技者が両目で画像用液晶パネル9aに表示された非立体画像を視認可能とする。以降、変動表示装置9では、所定時間となる後述する3D表示中止期間TS(図20(a)参照)が経過するまでの間は、変動表示が終了するスーパーリーチ演出S3の期間が終了した後も非立体画像による表示が継続される。
つまり、遊技者からのキャンセル操作の受付け時においては、非立体画像を表示して立体画像の表示を中止するため、立体画像から非立体画像へ迅速に切り替えを実施できるので、例えば、立体画像の表示による遊技者の不快感が継続してしまうことを回避できる。
尚、予告演出において変動表示装置9に立体画像が表示されている状態では、キャンセル可能期間である演出期間T1,T3,T5のときに限り立体画像の描画と非立体画像の描画とを並行させる。このようにすることで、VDP262における負荷が演出期間T2,T4よりも少ない演出期間T1,T3,T5において遊技者が操作ボタン516を押圧すると、平行描画している非立体画像を読み出して即座に変動表示装置9に非立体画像を表示させることで、立体画像表示から非立体画像表示に迅速に表示切り替えができるとともに、VDP262に比較的高い負荷がかかっている演出期間T2,T4においては、非立体画像の描画を実施しないことにより、これら非立体画像を描画する処理負荷が、VDP262にさらにかかってしまうことを防ぐことができる。
尚、図19に示すように、遊技者が予告演出S1のキャンセル不能演出である演出期間T4にて操作ボタン516を所定時間押圧した場合には、演出制御用CPU86は、予告演出S1が演出期間T4からキャンセル可能演出である演出期間T5となるまで変動表示装置9での立体画像の表示を継続させる。
そして、演出制御用CPU86は、予告演出S1が演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点で、前記演出期間T5にて操作ボタン516を所定時間押圧した場合と同様に、描画制御部206にVRAM領域における立体画像の描画を停止させるとともに非立体画像の描画を開始させ、表示制御部213にVRAM領域にて描画された非立体画像を、立体画像の代わりに画像用液晶パネル9aに表示させる。
尚、本実施例では、キャンセル不能演出である演出期間T4で遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した際、予告演出S1が演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点で、変動表示装置9での立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替える場合を例示したが、遊技者が演出期間T2で操作ボタン516を所定時間押圧した際には、予告演出S1が演出期間T2から演出期間T3に切り替えられる時点で変動表示装置9での立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替える。
つまり、本実施例では、キャンセル不能期間とされている演出期間T2、T4においても、キャンセル操作自体は受付けておき、該演出期間T2、T4が経過した時点で非立体表示へ移行するようにしているので、キャンセル可能期間T3、T5に移行した時に、改めてキャンセル操作をする必要がなく、遊技者の操作の面倒を低減できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出期間T2、T4においては、キャンセル操作の受付け自体を無効とするようにしても良い。
このように、遊技者のキャンセル操作によって立体画像の表示から非立体画像の表示への切り替えが実施された場合において立体画像の表示が禁止される3D表示中止期間TSは、同一の遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧する度に延長されるようになっている。
具体的には、図20(a)に示すように、演出制御用CPU86は、変動表示装置9において立体画像の表示が開始されると、この立体画像の表示が開始された時点から予めキャンセル回数加算期間TKとして設定されている時間の計時を開始する。
このキャンセル回数加算期間TK中において遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧すると、演出制御用CPU86は、RAM85に記憶されている図示しないキャンセルカウンタにキャンセル回数として1を加算する。
そして、演出制御用CPU86は、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した演出期間がキャンセル可能演出である演出期間T1,T3,T5であれば、その時点を切り替えポイントとし、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した演出期間がキャンセル不能演出である演出期間T2,T4であれば、演出期間T2から演出期間T3に切り替えられる時点または演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点を切り替えポイントとして、前述したように変動表示装置9における立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えて3D表示中止期間TSを開始する。
このとき、演出制御用CPU86は、図20(c)に示すように、ROM84に記憶されている3D表示中止期間決定テーブル及びRAM85に記憶されている前記キャンセルカウンタを参照し、該キャンセルカウンタに記憶されているキャンセル回数に応じた3D表示中止期間TSの時間を決定する。この3D表示中止期間決定テーブルに記憶されている3D表示中止期間TSの時間は、キャンセル回数の増加に応じて順次長時間となっていくように、各キャンセル回数に対応付けられて記憶されている。このため、3D表示中止期間TSは、前記キャンセルカウンタに記憶されているキャンセル回数が多いほど長時間継続されるようになっている。
このようにすることで、同一の遊技者が繰返しキャンセル操作した場合には、立体表示中止期間である3D表示中止期間TSが長くなるので、遊技者がキャンセル操作する手間を削減することができる。
演出制御用CPU86は、3D表示中止期間TSが終了すると、変動表示装置9における立体画像の表示を可能とする制御を行う。そして、該可能とした後において実施される変動表示において、立体画像を表示する演出がなされる場合には、該立体画像を実行する制御を行う。尚、3D表示中止期間TSが終了する時点で変動表示装置9にて立体画像の表示を伴う演出が実行されている場合、演出制御用CPU86は、該演出の実行が終了するまで3D表示中止期間TSの終了を延長する。このため、本実施例では、変動表示装置9で非立体画像で表示されている演出が、3D表示中止期間TSが終了することで突如立体画像での表示に切り替わることがないので、遊技者の混乱を防ぐことができる。
一方、図20(b)に示すように、キャンセル回数加算期間TKにて遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧しなかった場合には、演出制御用CPU86は、キャンセル回数加算期間TKの終了時点でRAM85に記憶されている前記キャンセルカウンタのキャンセル回数をリセットする。
つまり、一度、キャンセル操作を実施した遊技者が、再度、立体画像が表示された際にキャンセル操作を行わなかった場合、つまり、立体画像の表示を容認した場合には、キャンセル回数がリセットされるので、キャンセル回数が不必要に加算されて3D表示中止期間TSが不必要に長くなってしまうことを回避できる。
尚、本実施例では、これらキャンセル回数は、立体表示の開始に伴って計時が開始されるキャンセル回数加算期間TKが、遊技者によるキャンセル操作がないまま経過した時点においてリセットされるので、1の遊技者がキャンセル操作を複数回実施することでキャンセル回数が加算されるとともに、該キャンセル回数に応じた3D表示中止期間TSが設定されて立体表示が禁止された後、再度、立体表示が可能とされたとしても、該遊技者が遊技を終了するまでの期間において、必ずしも立体表示を伴う演出が実行されるとは限らないため、これら立体表示を伴う演出が実行されずに遊技者が遊技を終了した場合には、他の遊技者が遊技を開始することで、立体表示を伴う演出が実行された場合に、該他の遊技者が初めてキャンセル操作を実施したにもかかわらず、前に遊技していた遊技者のキャンセル回数への加算が実施されて、非常に長い3D表示中止期間TSが設定されてしまい、立体表示が実施されなくなってしまうという不都合が発生してしまう、つまり、前に遊技していた遊技者のキャンセル回数が他の遊技者のキャンセル回数として持ち越されてしまうという問題が生じる可能性があるので、これらの不都合を解消するために、遊技者が交替してパチンコ機1が非稼働になったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信される客待ちデモ指定コマンドを受信したことを条件に、キャンセル回数をリセットすることで、これらキャンセル回数が異なる遊技者に持ち越されてしまうことを防止できるようになっている。
また、本実施例では、これら客待ちデモ指定コマンドを受信したときにおいて、3D表示中止期間TSの期間中である場合には、演出制御用CPU86は、該3D表示中止期間TSを終了して、立体表示を可能とする制御を実施する。
つまり、本実施例では、上述したように、遊技者のキャンセル操作の面倒を低減できるようにするために、3D表示中止期間TSがキャンセル回数の増加に応じて漸増するようにしているので、これら設定された長い3D表示中止期間TS中に遊技者が交替した場合にあっては、次に遊技を開始した他の遊技者の遊技において、これら長い3D表示中止期間TSが経過するまでは立体表示が全くなされないことになってしまい、その結果、遊技機の興趣が著しく低下してしまうことになってしまう不都合が生じるが、遊技者が交替してパチンコ機1が非稼働になったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信される客待ちデモ指定コマンドを受信したことを条件に、3D表示中止期間TSを終了することにより、交替した遊技者の遊技においては、遊技の開始から立体表示が可能とされるようになるので、上記したように遊技機の興趣が著しく低下してしまうことを回避することができる。
尚、本実施例1では、操作ボタン516を遊技者が所定時間押圧することによって画像用液晶パネル9aにて表示される立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えたが、画像用液晶パネル9aにて表示される立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えるための専用のスイッチを別途設けるようにしてもよい。
更に尚、本実施例1では、予告演出S1において、演出制御用CPU86は、演出期間T1,T3,T5において描画制御部206にVRAM領域にて立体画像を構成する右目用画像及び左目用画像と、非立体画像との描画を並行して実行させ、演出期間T2,T4において描画制御部206にVRAM領域にて立体画像を構成する右目用画像及び左目用画像のみを描画させたが、描画制御部206が十分な処理能力を有しているのであれば、演出制御用CPU86は、予告演出S1において、常時描画制御部206にVRAM領域にて立体画像と非立体画像との描画を並行して実行させるようにしてもよい。
次いで、図21に基づいて、保留予告演出について説明すると、前述したように、始動入賞が発生した場合に、可変表示が開始できなければ、所定数である4つを上限に、保留記憶数に1が加算されて、該加算された保留記憶に対応する表示が、変動表示装置9の保留記憶表示部に表示される。
保留記憶表示部に新たに表示された保留記憶による変動表示においてスーパーリーチが発生するか或いは大当りとなるかは、該保留記憶の始動入賞時において遊技制御用マイクロコンピュータ156において先読み抽選が実施されて、該抽選結果が演出制御基板80に始動入賞時判定結果コマンドとして通知されることで、演出制御用CPU86が把握可能とされており、これらスーパーリーチが発生するか或いは大当りとなる場合には高い割合にて、スーパーリーチ或いは大当りとならない場合には低い割合にて、通常の保留表示である丸印の表示とは異なる四角の保留表示が実施される。
また、通常の丸印の保留表示が非立体画像として表示されることで、左右に移動しても丸印の保留表示は変化しないのに対し、これら四角の保留表示については、該四角の保留表示を表示する画素に含まれる副画素に、画像データROM263に記憶されている当該保留表示の立体画像を成す9つの視差画像が読み出されて表示されることで、該保留表示の左右方向に回り込むことにより、図21に示すように、四角に見えていた保留表示がサイコロ状の立方体であることを視認できるようになる。
そして、最終的に大当りとなることが決定されている場合は大当りとならないことが決定されている場合よりも高い割合にて、側面にV字のマークを表示するようになっており、これら立体表示された保留表示である立方体の側面にV字のマークが表示されているか否かにより、当該保留表示による変動表示で大当りとなる可能性が高いことが、立体表示によって示唆されるようになり、遊技者は、これらの示唆を確認するために、保留表示の左右方向に回り込むことを実施するようになる、つまり、保留表示の左右方向に回り込まなければ示唆を確認できないという遊技性をパチンコ機1に付与することができ、パチンコ機1の興趣を向上させることができる。
つまり、図21の保留予告演出においては、特定の演出に関する四角の保留表示の画像表示する表示領域に含まれる画素の副画素についてのみ、保留予告演出に対応する最大視差数となる9の視差数の視差画像を表示する制御を行っており、このようにすることで、これら保留表示の画像表示する表示領域に含まれる画素についてのみ、視差画像を表示する制御を実施すれば良いので、該制御の処理負荷を低減できるとともに、本実施例のように、視差画像を画像データROM263から読み出すのではなく、視差画像生成部264において生成する場合にあっては、該表示領域に含まれる画素の副画素に表示する視差画像のみを生成すれば良いので、これら視差画像を生成する処理負荷も低減できる。
このように、本実施例のパチンコ機1においては、保留予告演出において大当りとなる可能性を該保留記憶による変動が開始される前において示唆するようにしているが、本実施例では、保留記憶による変動が開始された後において発生するスーパーリーチにおいて、これら大当りとなる可能性を示唆するようになっており、これらスーパーリーチにおいて、大当りとなる可能性を示唆する点について、図22〜図24に基づいて説明する。
図22は、演出制御用マイクロコンピュータ81が用いる乱数を示す説明図である。図22に示すように、この実施例では、視差数決定用乱数SR1を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
視差数決定用乱数SR1は、スーパーリーチにおいて表示される所定チャラクタ(本実施例ではスペースシャトル)の立体度となる視差数を決定するために使用される乱数であり、1〜100の数値範囲の値をとる。
尚、これらSR1の乱数を生成するためのカウンタがRAM85に形成されている。そして、各カウンタの数値は、演出制御用マイクロコンピュータ81が所定時間間隔毎にタイマ割込により実施するタイマ割込処理における乱数更新処理においてで更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(図22に示された範囲における最大値)を越えると下限値(図22に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81に内蔵されているROM84には、図23に示す視差数決定テーブルが記憶されており、該視差数決定テーブルと視差数決定用乱数SR1を用いて、最終的に大当りとなる場合とならない場合とで異なる割合にて各視差数が決定される。
本実施例の視差数決定テーブルには、図23に示すように、変動表示の表示結果が最終的に大当りの表示結果とならない「はずれ時」と、大当りの表示結果となる「大当り時」のそれぞれについて、各視差数である「3視差」、「5視差」、「9視差」とに、図22に示す判定値数となるように、SR1の各判定値が割り当てられている。
具体的には、「はずれ時」については、「3視差」に70個の判定値、「5視差」に20個の判定値、「9視差」に10個の判定値が割り当てられており、最終的にはずれとなる場合には、該「はずれ時」に対応して「3視差」、「5視差」、「9視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図24に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」、「9視差」のいずれかが決定される。
また、「大当り時」については、「3視差」に10個の判定値、「5視差」に30個の判定値、「9視差」に60個の判定値が割り当てられており、最終的に大当りとなる場合には、該「大当り時」に対応して「3視差」、「5視差」、「9視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図24に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」、「9視差」のいずれかが決定される。
尚、本実施例では、図23に示すように、最終的にはずれとなる場合には、少ない視差数である「3視差」に対して判定値の割り当て数が最も多く、該「3視差」よりも多い視差数である「5視差」や「9視差」に対して順次、判定値の割り当て数が少なくなっているとともに、最終的に大当りなる場合には、少ない視差数である「3視差」に対して判定値の割り当て数が最も少なく、該「3視差」よりも多い視差数である「5視差」や「9視差」に対して順次、判定値の割り当て数が多くなるように設定されており、このように設定することにより、最終的にはずれとなるときには少ない視差数が決定され易く、最終的に大当りとなるときには多い視差数が決定され易くなっている。
つまり、図24(A)に示すように、「左」と「右」の変動表示領域(図柄表示エリア)に同一の飾り図柄が導出されて停止されたリーチ状態となった後、可動体である、例えば、図示しないシャッタが動作されて変動表示装置9の前面が閉じることで、図24(B)に示すように、変動表示装置9の表示を目視できない状態に移行した後、該シャッタが開放されて変動表示装置9を視認できる状態となったときから立体画像(視差画像)の表示が開始され、立体画像によるスペースシャトルが、敵の攻撃をかわしつつ画面を横切っていく演出画像が表示される(図24(C))。
この際、これら画面を横断するスペースシャトルの画像の視差数が、該スーパーリーチの演出開始時において、上述したようにして、視差数決定テーブルとSR1とにより決定された視差数の視差画像にて立体表示される。
すなわち、視差数が多い場合(例えば視差数が9)には、例えば、スペースシャトルの進行方向に回り込むことで、スペースシャトルのほぼ前方から見た画像を視認することができる、つまり、図24(C1)に示すように、視差数が多いことにより立体度が大きい画像が表示され、その後、敵をかわして着陸に成功して図24(D1)、飾り図柄が全て揃って図24(E1)大当りとなる割合が高くなる一方、視差数が少ない場合(例えば視差数が3)には、スペースシャトルの進行方向に回り込んでも、スペースシャトルをほぼ前方から見た画像を視認することはできず、少し斜めから見た画像を視認できる、つまり、図24(C)に示すように、視差数が少ないことにより立体度が小さい画像が表示され、その後、敵をかわしきれずに着陸に失敗して図24(D)、飾り図柄が全て揃わずに図24(E)はずれとなる割合が高くなる。
よって、スーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数が多く立体度が大きい場合には大当りとなる可能性が高くなり、スペースシャトルの視差数が少なく立体度が小さい場合にははずれとなる可能性が高くなるので、大当りとなる可能性が視差数により示唆されるようになっている。