まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1(以下、パチンコ機1と略称する)を正面からみた正面図であり、図2はパチンコ機1を示す背面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側(遊技者側)をパチンコ機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機1の前面とは、遊技者側からパチンコ機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図2参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(図2参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が上面に形成された上皿部3aが、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。その右側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
操作レバー600は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガースイッチが内設されたトリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者が操作レバー600の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作レバー600の下部における下皿部4aの本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知するために四方向に配置されたレバースイッチ510a〜510dが設けられていればよい。
また、上皿3を形成する部材には、例えば上皿3本体の上面における手前側の所定位置(例えば操作レバー600の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能な操作ボタン516が設けられている。操作ボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、操作ボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図3を参照)が設けられていればよい。
下扉枠103の前面左右側には、後述する左右一対のスピーカ27a、27bが配設されている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた透明な遊技盤6が配置されている。尚、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が、透明な遊技盤6を透して目視できるように、該遊技盤6の背面に設けられている。また、遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8(図3参照)が設けられている。変動表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行う。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)等の各デバイスによって制御される。
特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aと、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第2始動口15bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
また、変動表示装置9は、図6に示すように、立体画像(映像)を表示する画像用液晶パネル9aと、該画像用液晶パネル9aの後方から前方側に向けて面状光を照射するバックライト9cと、画像用液晶パネル9aの前面側に該画像用液晶パネル9aと所定間隔を有して設けられた視差バリヤ用液晶パネル9bとを有する、パララックスバリヤ方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行う。
視差バリヤ用液晶パネル9bは、後述するように、画像用液晶パネル9aに縦長短冊状に表示される右目用画像を遊技者の左目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の右目が視認することを阻止するシャッタとなる縦縞状の黒部と、右目用画像を遊技者の右目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の左目が視認することを可能とする透明部とを有する視差バリヤ画像を表示する視差バリヤ画像表示状態と、縦縞状の黒部を有さない、全ての画素が透明部とされた透過状態の表示状態とが可能とされた比較的光透明性の高い液晶パネルとされている。
つまり、本実施例の視差バリヤ用液晶パネル9bは、遊技者の左目による右目用画像の視認を阻止するとともに遊技者の右目による左目用画像の視認を阻止するための視差バリヤを含む視差バリヤ表示と、該視差バリヤを表示しない全透過表示とが可能とされている。
なお、本実施例においては、変動表示装置9は、画像用液晶パネル9aとして液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、画像用液晶パネル9aのデバイスとしては、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等のその他の画像表示形態の表示装置により構成されてもよい。
視差バリヤ用液晶パネル9bは、遊技盤6の背面側であって、画像用液晶パネル9aに重なる遊技者側前方の配置位置に固定に設けられている。また、視差バリヤ用液晶パネル9bの前面側に、後述する表示部310を有するスコープ300が、視差バリヤ用液晶パネル9b前面の所定位置に向けて上下左右に移動可能に設けられている。
また、遊技盤6の背面側で且つ視差バリヤ用液晶パネル9bの前面側に、画像用液晶パネル9aの表示領域を開閉する上下のシャッタ60a,60bが、遊技盤6の背面側に固設されたシャッタ用モータ59a,59bの駆動により、上下方向にスライド移動可能に設けられている。前記シャッタ用モータ59a,59bは演出制御基板80に接続されており(図3参照)、すなわちシャッタ60a,60bは、演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ81の制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、シャッタの表面には、後述するように、初期予告演出において非立体(2D)または立体(3D)に表示される特定のキャラクタであるスペースシャトルの模型が、各シャッタ60a,60bに分割して設けられており、シャッタ60a,60bが閉じることにより、スペースシャトルの模型が実体物として遊技者により視認されるようになっている。
変動表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13、13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13、13が設けられているため、可動片13、13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13、13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
尚、始動入賞装置15は、可動片13、13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていても良い。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであっても良く、可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであっても良い。
始動入賞装置15の可動片13、13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13、13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13、13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
遊技盤6の所定箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18(図3参照)が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。尚、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしても良く、4個よりも少ない値にしても良い。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21a(図3参照)も設けられている。
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施例では、図示しない左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13、13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41(図3参照)が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。尚、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25L、25Rが設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27L、27Rが設けられ、左右下部には、効果音を発する2つのスピーカ27a、27bが設けられている。尚、以下の説明では、スピーカ27L、27R、27a、27bと総称してスピーカ27と表記する場合がある。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530内の各LED等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27L、27R、27a、27bからの音発生制御(音制御)も、演出制御用マイクロコンピュータ81により実施される。
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、例えば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(例えば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りAの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13、13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。例えば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施例の場合では、例えば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、例えば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。例えば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、例えば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左、中、右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施例の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(例えば、変動表示装置9における左、中、右の変動表示領域のうち左、右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、変動表示装置9における左、中、右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨を報知する擬似連等の大当り予告演出が行なわれる場合がある。
この実施例の場合は、大当りとして、後述するように通常大当りCおよび確変大当りAというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りCは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りAは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
次に、パチンコ機1の背面(裏面)の構造について図2を参照して説明する。図2は、パチンコ機1を示す背面図である。
図2に示すように、パチンコ機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板960や発射制御基板91Aが設けられている。電源基板960は、発射制御基板91Aの背面側に取り付けられ、その背面側に払出制御基板37が重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
尚、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27L、27R、27a、27b等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板(図示略)が設置されている。ターミナル基板には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
図示しない遊技機設置島から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留されたパチンコ球は、タンクレールを通り、カーブ樋を経てケースカバーで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方の球経路761には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れ検出スイッチ167が設けられている。球切れ検出スイッチ167が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れ検出スイッチ167はパチンコ球通路内のパチンコ球の有無を検出するスイッチである。球切れ検出スイッチ167がパチンコ球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ機1に対してパチンコ球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としてのパチンコ球や球貸し要求に基づくパチンコ球が多数払出されて上皿3が満杯になると、パチンコ球は後述する溢れ球通路を経て下皿4に導かれる。さらにパチンコ球が払出されると、スイッチ片(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19(図3参照)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図3には、パチンコ機1に搭載されている払出制御基板37、中継基板77、及び、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aからの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力回路58と、始動入賞装置15の可動片13、13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄および飾り図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いても良い。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板960において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
さらに、電源基板960からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力回路58に入力される。電源断信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力回路58に入力される。クリア信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載する出力回路78は、CPU56が出力する演出制御コマンドを中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、出力回路78は、CPU56が出力する制御信号を、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力し、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156が演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドには、客待ちデモ指定コマンドや可変表示コマンドが含まれる。
客待ちデモ指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ156が客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)であり、特別図柄の変動が終了してから所定時間が経過したことに応じて送出され、該客待ちデモ指定コマンドが演出制御基板80に対して送出されたときには、変動表示装置9に所定の客待ちデモ画面が表示される。つまり、通常においては、遊技者が交替するときには、遊技者が不在となる期間が存在するので、これら客待ちデモ指定コマンドは、遊技者が交替することで遊技者が不在となったと想定されるときに出力される。
また、可変表示コマンドは、特別図柄の可変表示に対応して変動表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定するために、変動開始時に送信される演出制御コマンドであり、変動開始を指定するためのコマンドである。
演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での演出表示の表示制御や効果音(演出音)の出力制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ1560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御やスピーカ27L、27R、27a、27bからの音出力制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、レバースイッチ510a〜510dやボタンスイッチ516aからの検出信号を検知することで、操作レバー600の操作や操作ボタン516の遊技者による操作を検知する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技盤6に設けられているステージLED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDの点灯制御を行う。
図4に示すように、演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵のROM84に格納されたプログラムに従って動作し、入力回路260を介して演出制御コマンドを受信する。このうち、ROM84には、後述する動画再生における、各動画のタイムチャート(図18及び図19参照)及び3D表示中止期間決定用テーブル(図20参照)が記憶されており、RAM85には、図示しないキャンセルカウンタが記憶されている。また、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に、変動表示装置9に表示する画像の生成や視差バリヤ画像の生成等の変動表示装置9の表示制御を行わせる表示制御処理を実施する。
次に、視差バリヤ用液晶パネル9bの手前側に配置される、透明部材に十字マークが付されることで遊技者が変動表示装置9の表示画面を透視可能とされた表示部310を有する役物であるスコープ300を使用し、遊技者の視点を視差バリヤ用液晶パネル9bの所定位置に誘導する視点誘導制御について説明する。
図7(a),(b)に示されるように、スコープ300は、遊技盤6の背面側で且つ視差バリヤ用液晶パネル9bの前面側に配設された筒状体305内の表示部310と、左右略水平方向に延設され表示部310を左右方向に移動可能に取付けた移動部315と、遊技盤6の背面側に固設され移動部315の左右両端を上下方向に移動可能に支持する支持部320,320とを有しており、3D表示に移行する際に遊技者の視点を誘導する必要があるときに、表示部310を変動表示装置9の表示領域外の格納位置から表示領域上の所定箇所に移動配置させる移動制御が、演出制御用CPU86により行われるようになっている。
尚、移動部315及び支持部320の構造の詳細については特に図示しないが、移動部315は、左右延設方向に延びる枠体部と、該枠体部の延設方向に沿って左右に移動可能なコンベア部とから成り、表示部310は、コンベア部の所定箇所に取り付けられることで、左右方向に移動可能に構成されている。また、両支持部320,320は、常に上下高さ位置を同じく保つように同期して移動制御されるとともに、移動部315を構成する枠体部の左右端部を例えば周知のラックピニオンの噛合により上下方向に移動可能に支持している。
スコープ300の移動制御について詳しくは、図7(a),(b)に示されるように、演出制御用CPU86は、例えば、立体(3D)画像を表示する前段階において、移動部315の左右両端部を同期して上下方向に駆動制御することにより、移動部315を略水平のまま所定の高さ位置に向けて上下移動させるとともに、移動部315の前記したコンベア部を左右方向に駆動制御することにより、コンベア部に取り付けられた表示部310を、図7(a)に示されるように、視差バリヤ用液晶パネル9bの左上方の遊技盤6背面に隠れた待機位置から、所定の配置位置に向けて上下・左右移動させる。
図7(b)に示されるように、画像用液晶パネル9aの全面領域にわたって立体(3D)画像を表示する場合は、演出制御用CPU86は、表示部310の配置位置として画像用液晶パネル9aの全面領域における上下中央且つ左右中央位置、つまり、表示領域の中心位置を決定し、該決定した中心位置に表示部310(スコープ300)を移動する。
尚、これら表示部310の配置位置は、これら表示領域の中心位置の1点に限られるのではなく、立体(3D)画像を表示する位置に応じて適宜に変更される。
具体的には、図9(a)に示されるように、画像用液晶パネル9aを左右に2分割した左側領域に立体(3D)画像を表示する場合は、演出制御用CPU86は、画像用液晶パネル9aの左側領域における上下中央且つ左右中央位置、つまり、立体(3D)画像を表示する左側領域の中心位置を表示部310の配置位置として決定し、該決定した位置に表示部310(スコープ300)を移動する。
また、例えば、図9(b)に示されるように、画像用液晶パネル9aを上下左右に4分割した右上側領域に立体(3D)画像を表示する場合は、演出制御用CPU86は、画像用液晶パネル9aの右上側領域における上下中央且つ左右中央位置、つまり、該右上側領域の中心位置をスコープ300の配置位置として決定し、該決定した位置に表示部310(スコープ300)を移動する。
更に、例えば、図9(c)に示されるように、画像用液晶パネル9aを上下左右に4分割した左下側領域に立体(3D)画像を表示する場合は、演出制御用CPU86は、画像用液晶パネル9aの左下側領域における上下中央且つ左右中央位置、つまり、該左下側領域の中心位置をスコープ300の配置位置として決定し、該決定した位置に表示部310(スコープ300)を移動する。
尚、演出制御用CPU86は、後述する立体(3D)画像のキャンセル制御がされている場合、つまり、立体(3D)画像の表示が制限されている期間においては、これらの移動制御を実施しないようになっており、立体(3D)画像の表示が制限されているにもかかわらずにスコープ300が表示領域内に移動されて表示が不必要に遮られてしまうことを防止するようになっている。
このようにして、所定の配置位置に移動した表示部310を用いた遊技者の視点位置の誘導について以下に説明する。
図8(a),(b)に示されるように、スコープ300の表示部310は、前後方向に貫通形成された略円筒形の筒状体305の内部に、正面視で略円形状に設けられている。表示部310は、透光性を有する透光部から成り、その略中央位置に十字マークM1が印刷形成されている。
演出制御用CPU86は、スコープ300の表示部310を上述したように、立体(3D)画像を表示する表示領域に対応する位置、つまり、立体(3D)画像を良好に視認できる視点位置に遊技者の視点を誘導するのに好適な所定の配置箇所に配置するとともに、誘導したい視点位置と表示部310の十字マークM1とを結んだ延長線が画像用液晶パネル9aの表示面と交差する位置に、遊技者の視点位置の目標となる目標十字マークM2を表示する。
尚、目標十字マークM2の左右方向と上下方向の長さは、目標十字マークM2の中心点と十字マークM1の中心点とが完全に重なる位置に視点を合わせたとき、つまり、正しい視点位置から見たときに、十字マークM1の左右方向と上下方向の長さと、目標十字マークM2の左右方向と上下方向の長さとが完全に一致する(端部が一致する)ような長さ(目標十字マークM2の左右方向と上下方向の長さが少しだけ長い)に表示されるとともに、該目標十字マークM2の太さが十字マークM1よりも太くかつ、十字マークM1の色彩とは異なる色彩にて表示される。本実施例では、表示部310に表示された十字マークM1は黒色線とされ、目標十字マークM2は目立ち易い赤色線とされている。
遊技者は、移動制御にて配置位置に配置されたスコープ300の筒状体305内の表示部310を覗き見ることで、表示部310に表示された十字マークM1越しに、画像用液晶パネル9aに表示された目標十字マークM2を重ねて視認することができる。遊技者は、十字マークM1と目標十字マークM2の中心が完全に合致する(重なる)とともに、マークの端部位置も完全に一致する位置に視点を合わせることで、図8(b)に示すように、十字マークM1越しに重ねて見る目標十字マークM2が十字マークM1から上下幅及び左右幅方向に均等に突出して視認できる最適視認位置を把握することができる。遊技者は、互いの十字マークM1,M2を見ながら遊技者自身の視点位置を上下方向、左右方向及び前後方向に移動調整することで、例えば両十字マークM1,M2が図8(a)に示すように視認できる視認位置から図8(b)に示すように視認できる視認位置に移動調整することで、前記した最適視認位置に自身の視点を合わせることができる。
特に、本実施例の目標十字マークM2は、上記したように、最適視認位置に視点が一致したときに、十字線の長さが完全に同一の長さに見えるように表示されているため、両十字マークM1,M2の中心部の交点が重なるように大まかな視点位置を合わせた後、両十字マークM1,M2の縦線の上下端及び横線の左右端が全て完全に揃うように、視点位置を微調整することで、自身の視点位置を、容易かつ高精度にて最適視認位置に合わせることができる。
また、これら遊技者の視点を誘導する際において演出制御用CPU86は、遊技者を最適視認位置に適切に誘導するために、図7(b)に示されるように、画像用液晶パネル9aの所定箇所に、最適視認位置において視認できる両十字マークM1,M2の視認画像、すなわち表示部310に形成された十字マークM1と中心並びに端部位置が完全に揃うとともに十字マークM1の黒色の線幅から目標十字マークM2の赤色の線幅が均等にはみ出した態様の画像を、見本十字マークM3として表示するとともに、遊技者に対して、該見本十字マークM3を見本にして両十字マークM1,M2を重ねて視認するように促す旨のメッセージを表示するようになっている。遊技者は、この見本十字マークM3と見比べながら、両十字マークM1,M2を重ねて見て移動調整することで、その時点視認位置が最適視認位置であるか否かを容易に判断できる。
尚、本実施例では、十字マークM1及び目標十字マークM2の線長さや線の太さを固定としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、十字マークM1を表示する表示部310も液晶表示器にて形成して、十字マークM1の大きさや線幅を可変可能として、十字マークM1及び目標十字マークM2の線長さを段階的に変化(例えば長く)したり、若しくは線太さを段階的に変化(例えば細く)することで、遊技者を最適視認位置に誘導する精度を高めるようにしても良い。
このようにスコープ300を用いた場合には、遊技者の視点を比較的高い精度にて最適視認位置に誘導できるが、これらスコープ300の移動時間や十字マークM1及び目標十字マークM2を合わせる作業時間が必要となることから、誘導に時間を要するので演出の種別や演出の開始タイミングによっては、これらスコープ300を使用した誘導を利用できない場合もあるので、これらスコープ300を用いることなく、立体(3D)画像を表示する前段階で、遊技者に対し、この立体(3D)画像を最適な立体(3D)態様で見ることができる最適視点位置に比較的早く誘導するための制御について以下に説明する。
演出制御用CPU86は、例えば、立体(3D)画像を表示する前段階で、図10(a),(b)に示されるように、本実施例では視差バリヤ用液晶パネル9bの上下方向略中央位置の表示領域に、遊技者が視認できる程度に幅広とされた所定幅寸の縦縞状の黒帯部及び透光性を有する透明部を左右幅方向に交互に配置した視点誘導用バリヤ画像を表示するとともに、最適視認位置から該視点誘導用バリヤ画像の透明部を通じて見える画像用液晶パネル9aの表示領域に表示物C1の表示を行うとともに、最適視認位置から該視点誘導用バリヤ画像の黒帯部によって見えなくなる画像用液晶パネル9aの表示領域を表示物C1が表示されていない黒表示とする。
尚、この際、視点誘導用バリヤ画像を表示する表示領域以外の領域については、視差バリヤ用液晶パネル9bを透明状態とすることで、画像用液晶パネル9aの表示を視認できるようにして、画像用液晶パネル9aの該領域に、図10(a),(b)に示すように、表示物C1と同一の表示物(キャラクタ等)から成る見本表示物C2の画像を表示する。
遊技者は、視差バリヤ用液晶パネル9bに表示された透明部越しに、画像用液晶パネル9aに表示された表示物C1の表示と黒表示とを見ることになる。この際、遊技者の視点が最適視認位置から大きくずれていると、視差バリヤ用液晶パネル9bの各黒帯部との間に画像用液晶パネル9aの黒表示が位置することになり、表示物C1が殆ど見えない状態になるのに対し、遊技者の視点が最適視認位置に近い程、視差バリヤ用液晶パネル9bの各黒帯部との間に画像用液晶パネル9aにおける表示物C1の表示がより多く見えるようになる。
よって、遊技者は、視点誘導用バリヤ画像が表示されている中央領域に、該中央領域以外の領域に表示されている表示物C1がより多く表示される、つまり、より多く見えるように視点位置を移動することで、見本表示物C2を参考にしながら最適視認位置に視点位置を合わせることができる。
尚、演出制御用CPU86は、見本表示物C2とともに、該見本表示物C2と見比べながら表示物C1を見て、視点位置を移動調整することを促すメッセージを表示する。
また図11(a),(b)に示されるように、演出制御用CPU86は、上記した視差バリヤ用液晶パネル9bに表示される黒帯部及び透明部の幅寸と、画像用液晶パネル9aに表示される黒表示領域並びに表示物C1’の表示領域の幅寸とを、段階的に漸次減少するようにしてもよい。
より詳しくは、演出制御用CPU86は、先ず図10(a),(b)に示されるように、黒帯部、透明部、及び表示物C1を比較的幅広の幅寸にて表示し、遊技者が当該幅広の幅寸の表示物C1における好適視認位置に視点を移動するために必要と考えられる所定時間の経過後に、図11(a),(b)に示されるように、黒帯部、透明部、及び表示物C1’の表示幅を低減した表示に変更することで、遊技者は、上記で得た好適視認位置から僅かに移動調整すると、当該幅狭の幅寸の表示物C1’における好適視認位置を得ることができる。
以降同様に、演出制御用CPU86は、所定時間経過後に、黒帯部、透明部、及び表示物を直近の幅寸よりも更に幅狭の幅寸にて変更表示することを所定回数繰り返し、遊技者は、変更表示の度毎に直近の好適視認位置から僅かな移動調整を繰り返すことで、最終的に立体(3D)画像を最適な立体(3D)態様で見ることができる最適視認位置に向けて、遊技者を容易に誘導することができる。
尚、これら変更表示する所定回数としては、表示する立体(3D)画像の種類(最適視認位置として高い精度が必要とされる変化が大きい種別の画像か、或いは、最適視認位置としてあまり高い精度が必要されない変化が少ない種別の画像等)に応じて適宜に決定すれば良い。
また、遊技者に対し、立体(3D)画像を最適な立体(3D)態様で見ることができる最適視認位置の誘導は、必ずしも上記した実施態様に限られず、その他の手法で最適視認位置を遊技者に報知して誘導するようにしても良い。例えば、立体(3D)画像を表示する前段階で、同一の表示である2次元の「X」マーク若しくは3次元の「X」マーク等の所定表示を、該所定表示を両目で同時に視認することで1つの表示に見える位置に視点を移動させるようにすることで、遊技者の視点を最適視認位置に誘導するようにしても良い。
本実施例では、図12(a)、(b)に示されるように、視差バリヤ用液晶パネル9bは、画像用液晶パネル9aと略同じ左右幅寸法に形成されており、画像用液晶パネル9aの全面領域と重なる配置位置に固定に配置されており、該視差バリヤ用液晶パネル9bの全面を透明化することで、図12(a)に示されるように、画像用液晶パネル9aの全面領域に2次元(2D)画像を表示することができる。
そして、上述したように、遊技者の視点を最適視認位置に誘導して立体(3D)画像を表示するときは、図12(b)に示されるように、演出制御用CPU86は、遊技者の視点位置との距離差が比較的小さいことで、立体(3D)画像が視認し易い画像用液晶パネル9aの左右方向の中心領域に立体(3D)画像を表示するとともに、画像用液晶パネル9aの左右方向の端部領域を、画像を表示しない黒表示状態にして、立体(3D)画像ではない2次元(2D)画像が立体(3D)画像とともに視認されることにより立体(3D)画像を視認しづらくなってしまうことを防止するようにしている。
また、本実施例では、画像用液晶パネル9aの表示領域の全領域を立体(3D)画像のみ若しくは2次元(2D)画像のみ表示させるだけではなく、例えば、図13に示すように、画像用液晶パネル9aの左半分の表示領域(第1表示領域)に右目用画像と左目用画像から成る立体(3D)画像を表示させ、画像用液晶パネル9aの右半分の表示領域(第2表示領域)に2次元(2D)画像を表示させることで、2次元(2D)画像と立体(3D)画像とを同時に表示することができるようになっている。
つまり、画像用液晶パネル9aは、立体(3D)画像を表示する左半分の表示領域(第1表示領域)と、2次元(2D)画像を表示する右半分の表示領域(第2表示領域)とを有し、演出制御用CPU86は、左半分の表示領域(第1表示領域)と右半分の表示領域(第2表示領域)とに立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する制御を行う。
つまり、本実施例のように、変動表示装置9の表示領域が横方向に長い長方形である場合には、表示領域の中心位置間の距離が大きくなる左右に表示領域を設けることで、左右に表示領域に立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示しても、遊技者が立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に視認してしまう可能性を低くできるので、これら立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に視認してしまうことで立体(3D)画像の視認がし難くなってしまうことを低減できるので、このように、立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する場合にあっては、このように、横長の表示領域の左右に表示領域を設けて立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを表示することが好ましい。
尚、これら立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する場合にあっては、左右に表示領域の境界に比較的幅広の黒表示領域を設けることで、立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に視認する可能性を低減できるようにしても良い。
また、図13に示されるように、左半分の表示領域(第1表示領域)と右半分の表示領域(第2表示領域)とに立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する場合、立体(3D)画像において表示される表示体、例えば飾り図柄やキャラクタの動きの速度(移動速度)を、2次元(2D)画像において表示される表示体、例えば飾り図柄やキャラクタの動きの速度(移動速度)よりも緩やかとなるように、立体(3D)画像を生成して表示させることで、表示体の移動速度が、立体(3D)画像と2次元(2D)画像とで同じ場合に比較して、動作の速い立体(3D)画像の視認によって遊技者に不快感を与えてしまうことを低減することができる。
次に、パチンコ機1の遊技者が視認する立体(3D)画像の立体度を補正するための調整操作について、図14に基づいて説明する。
つまり、本実施例の形態では、遊技者が変動表示装置9に表示される立体画像を視認する場合に、立体画像が予め定められた固定の立体度であって変更不可なものであると、該固定された立体度が、必ずしも個々の遊技者に適したものではない場合があることから、個々の遊技者が、立体画像の立体度を調整操作することにより適宜変更することで、遊技者各自の好みに応じた立体度の立体画像を遊技者が視認できるようになっている。
この調整操作を遊技者が実施したい場合には、本実施例では客待ちデモンストレーション時(パチンコ機1が非稼働状態)において、操作レバー600及び操作ボタン516を同時に所定操作することで、図14に示されるように、予め画像データROM263に記憶されている立体度調整用立体画像が変動表示装置9に表示されるとともに、該立体度調整用画面の上部位置に所定数の立体度目盛りと、当該目盛りに対応した立体度の立体画像とが表示されて、操作ボタン516にて立体度目盛りを変更することが可能とされる。
図14に示されるように、立体度の調整操作を実施する場合には、操作者は、操作ボタン516の押圧しながら操作レバー600を操作し立体度目盛り上の操作片表示にカーソルを合わせた後、該操作片表示を0〜10の範囲内において移動させる。操作片表示の移動に伴い、生成される右目用画像と左目用画像における表示位置の差が変化することで、当該変更された目盛りに対応した立体度の立体画像が生成されて表示される。操作者は、立体度が順次変更される立体画像を見ながら、自らの好みに応じた立体画像の立体度において、操作レバー600を操作し立体度決定ボタンにカーソルを合わせ操作ボタン516を押圧することで、立体画像の立体度が当該立体度に設定される。
尚、本実施例では、操作者の操作により操作片表示を最小の0(ゼロ)に合わせることで、予め定められた最小の立体度を設定することが可能であって、立体度自体を0(ゼロ)、つまり、2D画像のみを表示させる設定を遊技者が実施することが不能とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作片表示を最小の0(ゼロ)に合わせることで、立体度がゼロすなわち2D画像のみを表示するように遊技者が設定可能としてもよい。
尚、本実施例では、客待ちデモンストレーション時において、当該パチンコ機1が設置された遊技機設置島と、該遊技機設置島と対向する遊技機設置島との間に形成された島間通路を通行する遊技者である通行者の視点位置において良好に立体視認できるデモンストレーション用の立体(3D)画像を表示するようになっている。
デモンストレーション用の立体(3D)画像表示について、演出制御基板80は、遊技制御用マイクロコンピュータ156から客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモンストレーション状態に移行したときに、該パチンコ機1のPR(紹介)画像等から成る所定の客待ちデモ画像を画像用液晶パネル9aに表示するとともに、視差バリヤ用液晶パネル9bに表示される視差バリヤ画像を、パチンコ機1の遊技者の視点位置である遊技者視点位置よりも遠距離である島間通路を通行する遊技者の視点位置である通行者視点位置から、良好な立体(3D)画像が視認できる通行者用視差バリヤ画像に変更することで、島間通路を通行する遊技者が、良好な立体画像にて客待ちデモ画像を視認できるようになっている。
より具体的には、図15に示されるように、通行者視点位置は、当該パチンコ機1で遊技をする遊技者の通行者視点位置よりも遠方となるので、図15に示す通行者視点位置での視差バリヤ画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)の中心位置が全体的に表示領域の外側(中心部より右側は右端側、中心部より左側は左端側)に移動するとともに、黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや広がった視差バリヤ画像が視差バリヤ用液晶パネル9bに表示されることで、特に画面の両端部領域において逆視画像が視認されてしまうことが防止され、良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、遠方となる通行者視点位置に適正化した視差バリヤ画像、すなわち、通行者視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリヤ用液晶パネル9b上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が遊技者視点位置の視差バリヤ画像に比較して全体的に外側(両側端側)に移動するとともに、黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が遊技者視点位置の視差バリヤ画像に比較してやや広幅とされた視差バリヤ画像に変更する制御を実施することで、島間通路を通行する遊技者が、客待ちデモ画像の立体(3D)画像を良好に視認することができる。
このように、当該パチンコ機1に遊技者が存在しない客待ちデモンストレーション時において、通行者の視点位置から良好な立体(3D)画像が視認できるようにすることで、通行者に対し当該パチンコ機1にて遊技する意欲を喚起する効果を奏することができる。
尚、島間通路の幅等は、遊技場によって個々に異なるため、通行者視点位置も遊技場によって異なることになるため、これら通行者視点位置が遊技場毎に異なることで通行者が良好に立体(3D)画像を視認できなくなってしまうことを解消するために、本実施例のパチンコ機1においては、これら島間通路幅の違いによる通行者視点位置の変化を補正できるようになっている。
この島間通路幅の違いによる通行者視点位置の変化を補正するための調整操作について、図16に基づいて説明する。尚、本実施例では、客待ちデモンストレーション時において、当該調整操作が可能とされている。
これら調整操作を行いたい場合には、演出制御基板80の背面側に設けられている、図示しない調整操作用スイッチを操作することで、図16に示すように、予め画像データROM263に記憶されている調整用立体映像が繰返し表示される調整用画面が変動表示装置9に表示されるとともに、該調整用画面上にカーソルが表示されて、該カーソルを操作レバー600にて移動することが可能とされる。
この調整用画面には、図16に示すように、画面の下方位置に「バリヤ幅調整」、「バリヤピッチ調整」、「バリヤ位置調整」の3つのメニュー項目が選択可能に設けられている。
調整操作を行う場合には、「バリヤ幅調整」、「バリヤピッチ調整」、「バリヤ位置調整」のいずれかのメニューを選択して、調整を実施する。
具体的に、「バリヤ幅調整」、「バリヤピッチ調整」、「バリヤ位置調整」のいずれかのメニューを選択した場合には、図16において、「バリヤ幅調整」のメニューを選択した場合を例示したように、画面の上部位置にコントロールバーが表示されて、該コントロールバー上の操作片表示にカーソルを合わせて該操作片表示を、−5〜+5の範囲内において段階的に移動させた後に調整用立体映像の立体表示の状態を確認して、最も良好な立体表示がなされる段階を選択する。
尚、図16に示すバリヤ幅調整の場合には、+側に操作片表示を移動させるに連れてバリヤとなる後述する黒帯部(バリヤ)の幅が順次漸増し、−側に操作片表示を移動させるに連れてバリヤとなる後述する黒帯部(バリヤ)の幅が順次漸減する。
また、バリヤピッチ調整の場合には、+側に操作片表示を移動させるに連れてバリヤとなる後述する隣接する黒帯部(バリヤ)間の間隔が順次漸増し、−側に操作片表示を移動させるに連れて隣接する黒帯部(バリヤ)間の間隔が順次漸減する。
また、バリヤ位置調整の場合には、+側に操作片表示を移動させるに連れてバリヤとなる後述する黒帯部(バリヤ)が、幅、間隔を維持しつつ、その位置を向かって右方向に移動し、−側に操作片表示を移動させるに連れてバリヤとなる後述する黒帯部(バリヤ)が、幅、間隔を維持しつつ、その位置を向かって左方向に移動する。
このように、指定した領域内の黒帯部(バリヤ)の幅、間隔(ピッチ)、位置をそれぞれ、調整用立体映像の立体表示の状態を確認しつつ、調整する。
尚、これら調整した内容は、補正データとして演出制御用CPU86が有する図示しない不揮発性の内部ROMに更新記憶される。そして、これら補正データを、演出制御基板80に設けられている図示しない入出力ポートから外部に出力することが可能とされているとともに、該入出力ポートから、他のパチンコ機1から出力された補正データを入力して、演出制御用CPU86内の不揮発性の内部ROMに記憶させることができる。
つまり、隣接するパチンコ機1においては、通路幅が同一であるために微調整のみを行うだけで良好な調整が実施可能であることが多いことから、1のパチンコ機1の入出力ポートから出力された補正データを、他のパチンコ機1の入出力ポートから入力することで、入力された補正データに基づいてバリヤ画像が調整されることにより、これら調整操作においては微調整のみを行うだけで通行者が客待ちデモ画像の立体(3D)画像を良好に視認できるようになるので、これら調整操作の時間を著しく短縮することができる。
尚、上記した調整操作は、パチンコ機1から離れた通路位置にて変動表示装置9の表示を視認して確認しながら調整を行う必要があるため操作レバー600に手が届かず、操作が困難となる場合があるので、該通路位置において表示画像を確認しながら調整操作を容易に行うべく、例えば、前述した演出制御基板80の入出力ポートに、前記した調整操作可能な図示しないコントローラを、延長ケーブルを使用して接続することで、遠隔操作を可能としてもよい。
この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して変動表示装置9の表示制御を行うVDP262が演出制御基板80に搭載されている。
VDP262は、図4に示すように、スプライト画像として用いる画像要素データとしてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等の画像データ、CGデータとも呼ぶ)などのデータが格納されるCGROM205、VRAM(ビデオRAM)領域として使用されるSDRAM210(シンクロナスDRAM)とともに表示制御回路を構成する。
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って2次元(2D)画像データや右目用画像と左目用画像から成る立体画像を表示するための立体(3D)画像データが記憶された画像データROM263から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。画像データROM263は、変動表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像の2次元或いは3次元の画像データをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU86の指令に応じて、画像データROM263から画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
VDP262は、VDP262の各種設定などが格納されるシステムレジスタ202、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されるアトリビュートレジスタ203、VRAM領域の後述する描画領域への画像の描画制御を行う描画制御部206、CGROM205に格納されているCGデータをVRAM領域に転送する制御を行うデータ転送制御部211、VRAM領域の後述する表示領域に格納されている画像データを表示するためのビデオ信号(R(赤)、G(緑)、B(青))信号及び同期信号を出力する表示制御部213、表示制御部213から出力されたビデオ信号をアナログ信号に変換して変動表示装置9を構成する画像用液晶パネル9a、視差バリヤ用液晶パネル9bに出力するDAコンバータ214、215などが搭載された集積回路である。
VDP262の内部には、システムバス、CGバスが設けられており、システムバス及びCGバスはCPUインターフェイス201を介して演出制御用マイクロコンピュータ81の演出制御用CPU86と接続されているとともに、CGバスはCGバスインターフェイス204を介してCGROM205に接続されている。システムバスにはシステムレジスタ202が接続されているとともに、CGバスにはアトリビュートレジスタ203が接続されており、演出制御用CPU86は、システムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213はシステムバスに接続されており、システムレジスタ202にアクセスできるようになっている。また、描画制御部206、データ転送制御部211はCGバスに接続されており、CGROM205、アトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、VDP262の内部には、更にVRAMバスが設けられており、VRAMバスは、VRAMバスインターフェイス209を介してSDRAM210と接続されている。VRAMバスには、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213が接続されており、VRAMバスを介してSDRAM210のVRAM領域にアクセスできるようになっている。
システムレジスタ202には、初期設定、描画、データ転送などの命令を格納するシステム制御レジスタ、後述する割込信号の出力命令などを格納する割込制御レジスタ、VRAM領域における描画領域、パレットデータの配置領域などを格納する描画レジスタ、データ転送時の転送元のアドレス、転送先のアドレスなどを格納するデータ転送レジスタ、VRAM領域における表示領域などを格納する表示レジスタなどが割り当てられている。
CPUインターフェイス201は、Vブランク(画像を更新する周期)の開始毎に演出制御用CPU86に対してVブランク割込信号を出力するとともに、その他各種割込信号を、演出制御用CPU86に対して出力する。
表示制御部213は、表示レジスタにて指定されているVRAM領域の表示領域の画像データをビデオ信号として出力する表示処理を行う。本実施例では、Vブランク毎に表示領域及び描画領域が切り替わる。このため、あるVブランクにおいて描画領域として割り当てられた領域の描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された画像データが表示出力されることとなり、その間も他方の領域で描画が行われることとなる。
図5は、SDRAM210のVRAM領域の構成を示す図である。VRAM領域には、パレットデータが配置されるパレット領域、必要なキャラクタがCGROM205から読み出されて格納されるキャラクタ用バッファ、描画制御部206が画像を描画する際にパレットデータ(キャラクタの表示色が定義されたデータ)を一時的に保存するため、及び描画制御部206が画像を描画する際にCGデータを一時的に保存するためのCG用バッファなどの各領域が割り当てられている。
また、VRAM領域には、画像用液晶パネル9aに表示される非立体画像に基づく画像データが格納される非立体画像表示領域、画像用液晶パネル9aに表示される非立体画像に基づく画像データが描画される非立体画像描画領域が割り当てられている。これら非立体画像表示領域と非立体像描画領域とは、Vブランク毎に切り替わるようになっている。このため、あるVブランクにおいて非立体画像描画領域として割り当てられた領域では非立体画像の画像データの描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は非立体画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された非立体画像の画像データが画像用液晶パネル9aに非立体画像として表示出力されることとなり、その間も他方の領域で画像データの描画が行われることとなる。
更に、VRAM領域には、画像用液晶パネル9aに表示される立体画像に基づく画像データが格納される立体画像表示領域、画像用液晶パネル9aに表示される立体画像に基づく画像データが描画される立体画像描画領域、が割り当てられている。これら立体画像表示領域と立体像描画領域とは、Vブランク毎に切り替わるようになっている。このため、あるVブランクにおいて立体画像描画領域として割り当てられた領域では立体画像の画像データの描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は立体画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された立体画像の画像データが立体画像として画像用液晶パネル9aに表示出力されることとなり、その間も他方の領域で非立体画像の画像データの描画が行われることとなる。
同様に、VRAM領域には、視差バリヤ用液晶パネル9bに表示される視差バリヤ画像に基づく画像データが格納される視差バリヤ画像表示領域、視差バリヤ用液晶パネル9bに表示される視差バリヤ画像に基づく画像データが描画される視差バリヤ画像描画領域、が割り当てられている。これら視差バリヤ画像表示領域と視差バリヤ画像描画領域とは、前述した非立体画像表示領域と非立体画像描画領域、及び立体画像表示領域と立体画像描画領域と同様に、あるVブランクにおいて視差バリヤ画像描画領域として割り当てられた領域では視差バリヤ画像の画像データの描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は視差バリヤ画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された視差バリヤ画像の画像データが視差バリヤ画像として画像用液晶パネル9aに表示出力されることとなり、その間も他方の領域で非立体画像の画像データの描画が行われることとなる。
このように、非立体画像表示領域と非立体画像描画領域、立体画像表示領域と立体画像描画領域、視差バリヤ画像表示領域と視差バリヤ画像描画領域は、それぞれVブランク毎に一方の領域での画像データの描画と、他方の領域での画像データを画像として画像用液晶パネル9aまたは視差バリヤ用液晶パネル9bへの表示を交互に行うことで、本実施例の描画制御部206は、非立体描画領域、立体画像描画領域及び視差バリヤ画像描画領域への描画処理を並行して行うことが可能となっているとともに、表示制御部213は、非立体画像表示領域の画像データを非立体画像として画像用液晶パネル9aに表示させること、または、立体画像表示領域の立体画像データを立体画像として画像用液晶パネル9aに表示させること及び視差バリヤ画像表示領域の視差バリヤ画像データを視差バリヤ画像として視差バリヤ用液晶パネル9bに表示させることを並行して行うことが可能となっている。
前述のように、演出制御用CPU86は、CPUインターフェイス201を介してシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっており、前述した変動表示装置9の表示パターンを定めたプロセスデータに従ってこれらシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203に実行命令や必要なデータを格納することで、VDP262を間接的に制御する。
プロセスデータには、Vブランク毎に演出制御用CPU86がシステムレジスタ202やアトリビュートレジスタ203に対して行う設定内容が定められている。システムレジスタ202の設定内容としては、描画、データ転送命令や、データ転送を行うCGデータやパレットデータ、アトリビュートの設定などがある。また、アトリビュートレジスタ203の設定内容は、アトリビュート、すなわちキャラクタを描画する際に使用されるパラメータそのものである。
また、プロセスデータには、Vブランク毎に画像の更新が行われるようにアトリビュートが設定されている。このため、画像の更新は、Vブランク毎に行われることとなる。
次に、描画制御について説明する。
描画制御部206が描画処理を行うためには、描画に必要なキャラクタがVRAM領域に配置されている必要がある。すなわちスプライト画像のソースデータとなるキャラクタをVRAM領域に配置する必要がある。
このため、演出制御用CPU86は、演出を実行する際に、当該演出の実行に必要な全てのキャラクタのCGROM205からVRAM領域への転送命令を行う。これに伴いデータ転送制御部211によって演出の実行に必要な全てのキャラクタがVRAM領域に配置されることとなる。演出を実行する場合には、何度も繰り返して同じキャラクタを描画に用いることが多いが、CGROM205に格納されたデータは圧縮されており、これを読み出すのに時間を要するので、前述のように演出を実行する最初の段階で、必要な全てのキャラクタをVRAM領域に配置することにより、各フレーム毎にCGROM205からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済むこととなる。尚、本実施例では、演出制御用CPU86が演出を実行する際に、当該動画再生に必要な全てのキャラクタのCGROM205からVRAM領域への転送命令を行うようになっているが、描画に必要なキャラクタの転送命令をその都度行うようにしても良い。
また、描画制御部206が描画処理を行うためには、アトリビュートレジスタ203にアトリビュートが設定されている必要がある。アトリビュートは、Vブランク毎に異なるため、Vブランク毎にプロセスデータに従ったアトリビュートをアトリビュートレジスタ203に格納する。
そして、演出制御用CPU86は、演出を開始した後、Vブランク毎に、アトリビュートをアトリビュートレジスタ203に設定した後、アトリビュートの読込の実行を命令する。これに伴い描画制御部206は、アトリビュートレジスタ203のアトリビュートを読み込んで、読込が終了すると読込終了割込信号の出力を命令する。これを受けて演出制御用CPU86は描画の実行を命令し、描画制御部206は、読み込んだアトリビュートに従って非立体画像描画領域、立体画像描画領域及び視差バリヤ画像描画領域に画像データの描画を行う。
次に、変動表示装置9において実施される演出の表示について説明する。本実施例のパチンコ機1においては、スーパーリーチとなる可能性や擬似連となる可能性を予告する初期予告演出を含む予告演出や、大当りとなる可能性を報知するスーパーリーチ演出等の異なる種別の演出が実施される。
これら予告演出とスーパーリーチ演出が実施される場合を例に説明する。図17(a)、図17(b)及び図18に示すように、このスーパーリーチ演出となる変動パターンにおいては、変動表示の開始とともに実施される予告演出S1と、該予告演出S1の後にスーパーリーチ演出が開始されるまでの変動演出S2と、該スーパーリーチ演出S3と、から主に構成されている。
このうち、予告演出S1においては、図17(a)に示すように、変動表示装置9には、例えば、立体画像によって遊技者に対して大きく突出する立体度のスペースシャトルCH1、このスペースシャトルCH1よりも小さい立体度のスペースシャトルCH2、スペースシャトルCH2よりも小さい立体度の小型艇CH3、小型艇CH3よりも小さい立体度の星CH4、が表示されるようになっている。
このように、変動表示装置9で表示される各キャラクタで立体度に差をつけることで、最も立体度が大きいスペースシャトルCH1が遊技者に対して最も飛び出すように立体表示され、スペースシャトルCH1よりも立体度の小さいスペースシャトルCH2は、スペースシャトルCH1よりも遊技者から遠方に見えるよう立体表示されている。更に、スペースシャトルCH2よりも立体度の小さい小型艇CH3は、スペースシャトルCH2よりも遊技者から遠方に見えるよう立体表示され、小型艇CH3よりも立体度の小さい星CH4は、小型艇CH3よりも遊技者から遠方に見えるよう立体表示される。
尚、図17(a)では、説明の都合上、上述のスペースシャトルCH1から星CH4までの4種類のキャラクタ全てが変動表示装置9に表示されている状態を示しているが、予告演出S1では、実際にはこれらキャラクタの内1種類ないし2種類が表示されるようになっている。このため、変動表示装置9に表示されるキャラクタ数が、後述するスーパーリーチの場合等に比較して少なくなっているので、これらの演出における描画処理及び表示処理を行うVDP262にかかる処理負荷が、スーパーリーチ演出の実施期間よりも軽くなっているために、立体表示から非立体表示に切り替える切り替え処理の処理負荷を十分に賄うことができることから、遊技者が操作ボタン516を押圧することで変動表示装置9における表示を立体表示から非立体表示に切り替えることが可能なキャンセル可能演出とされている。
また、変動演出S2は、予告演出S1の終了後にスーパーリーチ演出S3の開始までに変動表示装置9の表示を変動させる期間である。このため、キャラクタ等を表示する演出等が実施されない期間であるので、該変動演出S2は立体画像の表示がなされない期間とされている。よって、立体表示自体がなされないので、当然に、立体画像のキャンセル操作が無効な期間とされている。
尚、これら変動演出S2においても、特定のキャラクタ等を表示して立体画像の表示を実施しても良い。
一方、スーパーリーチ演出S3においては、図17(b)に示すように、上述のスペースシャトルCH1から星CH4の他、スペースシャトルCH2と略同一の立体度のUFOCH5や土星CH6等の多種のキャラクタが変動表示装置9に表示される演出が実施される(図48参照)。
このため、スーパーリーチ演出S3においては、VDP262が、予告演出S1よりも多くのキャラクタの描画処理及び表示処理を行う必要があるため、VDPにかかる負荷が非常に大きくなっているため、立体表示から非立体表示に切り替える切り替え処理の処理負荷を十分に賄うことができない畏れがあるために、スーパーリーチ演出S3においては、遊技者が操作ボタン516を押圧することで変動表示装置9における表示を立体表示から非立体表示に切り替えることが不可能なキャンセル不能演出とされている。
これら予告演出S1及びスーパーリーチ演出S3では、前述した描画制御によって描画された画像データに基づく画像を、演出制御用CPU86が表示制御部213に画像用液晶パネル9a及び視差バリヤ用液晶パネル9bにそれぞれ表示させることで、変動表示装置9において立体画像を表示するようになっている。
これら立体表示をする場合において演出制御用CPU86は、立体表示されるキャラクタの立体度に応じて各キャラクタの移動速度を変化するように制御する。具体的には、図17(c)に示すように、演出制御用CPU86は、変動表示装置9にて立体画像として表示される各キャラクタの立体度が大、すなわち遊技者側に飛び出すように立体表示される程、キャラクタの移動速度が低速となるように表示を制御する。また、演出制御用CPU86は、変動表示装置9にて立体画像として表示される各キャラクタの立体度が中、すなわち、立体度が大よりも遊技者から遠い位置に見えるときには、立体度が大の場合よりも早い中速となるように表示を制御し、変動表示装置9にて立体画像として表示される各キャラクタの立体度が小、すなわち、遊技者から遠ざかって立体表示される程、キャラクタの移動速度が高速となるように表示を制御する。
よって、本実施例においては図17(a)に示すように、遊技者に対して最も立体度が大きく表示されているスペースシャトルCH1の移動速度が最も遅くなるようにスペースシャトルCH1の描画が演出制御用CPU86により制御されるとともに、スペースシャトルCH2、UFOCH5、土星CH6、小型艇CH3と立体度が小さくなるにつれて移動速度が早くなるようにスペースシャトルCH2、UFOCH5、土星CH6、小型艇CH3の描画が演出制御用CPU86により制御される。これにより、最も立体度が小さく表示されている星CH4の移動速度が最も早く、最も立体度が大きく表示されているスペースシャトルCH1の移動速度が最も遅くなるように、演出制御用CPU86により制御される。
このため、遊技者が、自分に近いように立体表示される立体度が大であるキャラクタの移動に合わせて視線を移動させても、これら立体度が大であるキャラクタの移動自体が遅く制御されているので、自分に近いキャラクタが素早く移動してしまうために、該移動に伴って大きく視点を遊技者が素早く移動させることによって、該遊技者の眼精疲労が大きくなったり、該遊技者が不快感を感じてしまうことを抑えることができる。
本実施例の予告演出S1は、図18及び図19に示すように、演出期間T1,T2,T3,T4,T5の5つの期間から構成されている。これら演出期間T1,T2,T3,T4,T5のうち、演出期間T1,T3,T5は、演出期間T2,T4よりも変動表示装置9にて立体画像として表示されるキャラクタの数やキャラクタの動作が小さい小変化演出期間である。
また、この演出期間T1,T3,T5は、予告演出S1において、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧すること(長押しすること)で、変動表示装置9における立体画像での表示を非立体画像での表示に切り替えることができるようになっている。以下、この演出の変動表示装置9における立体画像の表示から非立体画像の表示への切り替えについて説明する。
図18、図19及び図21(a)に示すように、演出制御用CPU86は、描画制御部206にVRAM領域にて立体画像を構成する右目用画像及び左目用画像と、非立体画像との描画を並行して開始させる。同時に、演出制御用CPU86は、表示制御部213によってVRAM領域にて描画された右目用画像と左目用画像とを画像用液晶パネル9aに交互に表示させるとともに、視差バリヤ用液晶パネル9bに黒部と透明部とからなる視差バリヤ画像を表示させ、遊技者が立体画像を視認可能な状態で予告演出S1を開始する。
尚、予告演出S1の一連の演出期間T1,T2,T3,T4,T5において、演出期間T1,T3,T5は演出期間T2,T4よりも変動表示装置9にて立体画像として表示されるキャラクタの数や動作が小さい小変化演出期間であるため、前述したように、VDP262において演出期間T2,T4における描画処理にかかる負荷が軽いため、非立体画像への切り替え処理を実施できるように設定されている。このため、演出期間T1,T3,T5は、遊技者が操作ボタン516を押圧することで容易に予告演出S1の立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えることが可能なキャンセル可能期間とされている一方、演出期間T2,T4は、逆に、描画処理にかかる負荷が比較的大きいために、予告演出S1の立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えることが不可能なキャンセル不能期間とされている。
つまり、本実施例では、立体画像として表示されるキャラクタの数や動作が大きい演出期間T2,T4において、遊技者が操作ボタン516を押圧しても、非立体画像への表示の切り替えが不可能となっているため、これらキャラクタの数や動作の変化が激しい立体画像から非立体画像へいきなり表示が切り替わることで、遊技者が混乱してしまうことを回避できるようになっている。
これらキャンセル可能期間である演出期間T1,T3,T5において演出制御用CPU86は、図17(a)に示すように「キャンセルOK」の表示を、立体(3D)画像の表示の支障にならない変動表示装置9の右下位置に表示することで、立体(3D)画像の表示をキャンセル可能であることを遊技者に報知する。一方、キャンセル不能期間である演出期間T2,T4において演出制御用CPU86は、図17(b)に示すように、「キャンセルOK」の表示を実施しないようになっている。
そして、図18に示すように、遊技者が、例えば、予告演出S1のキャンセル可能期間である演出期間T5にて操作ボタン516を所定時間押圧すると、演出制御用CPU86は、キャンセル操作として、変動表示装置9にて表示されている立体画像を非立体画像の表示に即座に切り替える。
具体的には、図18、図21(b)及び図21(c)に示すように、演出制御用CPU86は、操作ボタン516が遊技者によって所定時間押圧されると、描画制御部206にVRAM領域における立体画像と非立体画像の描画のうち、立体画像の描画のみを停止させるとともに、表示制御部213にVRAM領域にて立体画像と並行して描画されていた非立体画像を、右目用画像及び左目用画像に替えて画像用液晶パネル9aに表示させる。
次いで、演出制御用CPU86は、視差バリヤ用液晶パネル9bにおいて表示している視差バリヤ画像中の黒部の領域全てを透明部に切り替えることで、視差バリヤ用液晶パネル9bを透明状態に移行させる。
つまり、演出制御用CPU86は、視差バリヤ用液晶パネル9b全体を透過させることで、遊技者が両目で画像用液晶パネル9aに表示された非立体画像を視認可能とする。以降、変動表示装置9では、所定時間となる後述する3D表示中止期間TS(図20(a)参照)が経過するまでの間は、変動表示が終了するスーパーリーチ演出S3の期間が終了した後も非立体画像による表示が継続される。
尚、予告演出において変動表示装置9に立体画像が表示されている状態では、キャンセル可能期間である演出期間T1,T3,T5のときに限り立体画像の描画と非立体画像の描画とを並行させる。このようにすることにより、VDP262における負荷が演出期間T2,T4よりも少ない演出期間T1,T3,T5において遊技者が操作ボタン516を押圧すると、平行描画している非立体画像を読み出して即座に変動表示装置9に非立体画像を表示させることで、立体画像表示から非立体画像表示に迅速に表示切り替えができるとともに、VDP262に比較的高い負荷がかかっている演出期間T2,T4においては、非立体画像の描画を実施しないことにより、これら非立体画像を描画する処理負荷が、VDP262にさらにかかってしまうことを防ぐことができる。
このように、本実施例では、画像用液晶パネル9aに表示されている右目用画像及び左目用画像を、視差バリヤ用液晶パネル9b全体を透過させるよりも先に非立体画像の表示に切り替えることで、遊技者の右目に左目用画像が視認されてしまうことを防ぐと同時に、遊技者の左目に右目用画像が視認されてしまうことを防ぎ、遊技者が混乱してしまうことが防止されている。
尚、図19に示すように、遊技者が予告演出S1のキャンセル不能演出である演出期間T4にて操作ボタン516を所定時間押圧した場合には、演出制御用CPU86は、予告演出S1が演出期間T4からキャンセル可能演出である演出期間T5となるまで変動表示装置9での立体画像の表示を継続させる。
そして、演出制御用CPU86は、予告演出S1が演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点で、前記演出期間T5にて操作ボタン516を所定時間押圧した場合と同様に、描画制御部206にVRAM領域における立体画像の描画を停止させるとともに非立体画像の描画を開始させ、表示制御部213にVRAM領域にて描画された非立体画像を、右目用画像及び左目用画像の代わりに画像用液晶パネル9aに表示させ、表示制御部213に視差バリヤ用液晶パネル9bの黒部の表示を、透明部の表示に切り替えて表示させる。
尚、本実施例では、キャンセル不能演出である演出期間T4で遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した際、予告演出S1が演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点で、変動表示装置9での立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替える場合を例示したが、遊技者が演出期間T2で操作ボタン516を所定時間押圧した際には、予告演出S1が演出期間T2から演出期間T3に切り替えられる時点で変動表示装置9での立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替える。
つまり、本実施例では、キャンセル不能期間とされている演出期間T2、T4においても、キャンセル操作自体は受付けておき、該演出期間T2、T4が経過した時点で非立体表示へ移行するようにしているので、キャンセル可能期間T3、T5に移行した時に、改めてキャンセル操作をする必要がなく、遊技者の操作の面倒を低減できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出期間T2、T4においては、キャンセル操作の受付け自体を無効とするようにしても良い。
このように、遊技者のキャンセル操作によって立体画像の表示から非立体画像の表示への切り替えが実施された場合において立体画像の表示が禁止される3D表示中止期間TSは、同一の遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧する度に延長されるようになっている。
具体的には、図20(a)に示すように、演出制御用CPU86は、変動表示装置9において立体画像の表示が開始されると、この立体画像の表示が開始された時点から予めキャンセル回数加算期間TKとして設定されている時間の計時を開始する。
このキャンセル回数加算期間TK中において遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧すると、演出制御用CPU86は、RAM85に記憶されている図示しないキャンセルカウンタにキャンセル回数として1を加算する。
そして、演出制御用CPU86は、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した演出期間がキャンセル可能演出である演出期間T1,T3,T5であれば、その時点を切り替えポイントとし、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した演出期間がキャンセル不能演出である演出期間T2,T4であれば、演出期間T2から演出期間T3に切り替えられる時点または演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点を切り替えポイントとして、前述したように変動表示装置9における立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えて3D表示中止期間TSを開始する。
このとき、演出制御用CPU86は、図20(c)に示すように、ROM84に記憶されている3D表示中止期間決定テーブル及びRAM85に記憶されている前記キャンセルカウンタを参照し、該キャンセルカウンタに記憶されているキャンセル回数に応じた3D表示中止期間TSの時間を決定する。この3D表示中止期間決定テーブルに記憶されている3D表示中止期間TSの時間は、キャンセル回数の増加に応じて順次長時間となっていくように、各キャンセル回数に対応付けられて記憶されている。このため、3D表示中止期間TSは、前記キャンセルカウンタに記憶されているキャンセル回数が多いほど長時間継続されるようになっている。
このようにすることにより、同一の遊技者が繰返しキャンセル操作した場合には、立体表示中止期間である3D表示中止期間TSが長くなるので、遊技者がキャンセル操作する手間を削減することができる。
演出制御用CPU86は、3D表示中止期間TSが終了すると、変動表示装置9における立体画像の表示を可能とする制御を行う。そして、該可能とした後において実施される変動表示において、立体画像を表示する演出がなされる場合には、該立体画像を実行する制御を行う。尚、3D表示中止期間TSが終了する時点で変動表示装置9にて立体画像の表示を伴う演出が実行されている場合、演出制御用CPU86は、該演出の実行が終了するまで3D表示中止期間TSの終了を延長する。このため、本実施例では、変動表示装置9にて非立体画像で表示されている演出が、3D表示中止期間TSが終了することで突如立体画像での表示に切り替わることがないので、遊技者の混乱を防ぐことができる。
一方、図20(b)に示すように、キャンセル回数加算期間TKにて遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧しなかった場合には、演出制御用CPU86は、キャンセル回数加算期間TKの終了時点でRAM85に記憶されている前記キャンセルカウンタのキャンセル回数をリセットする。
つまり、一度、キャンセル操作を実施した遊技者が、再度、立体画像が表示された際にキャンセル操作を行わなかった場合、つまり、立体画像の表示を容認した場合には、キャンセル回数がリセットされるので、キャンセル回数が不必要に加算されて3D表示中止期間TSが不必要に長くなってしまうことを回避できる。
尚、本実施例では、これらキャンセル回数は、立体表示の開始に伴って計時が開始されるキャンセル回数加算期間TKが、遊技者によるキャンセル操作がないまま経過した時点においてリセットされるので、1の遊技者がキャンセル操作を複数回実施することでキャンセル回数が加算されるとともに、該キャンセル回数に応じた3D表示中止期間TSが設定されて立体表示が禁止された後、再度、立体表示が可能とされたとしても、該遊技者が遊技を終了するまでの期間において、必ずしも立体表示を伴う演出が実行されるとは限らないため、これら立体表示を伴う演出が実行されずに遊技者が遊技を終了した場合には、他の遊技者が遊技を開始することで、立体表示を伴う演出が実行された場合に、該他の遊技者が初めてキャンセル操作を実施したにもかかわらず、前に遊技していた遊技者のキャンセル回数への加算が実施されて、非常に長い3D表示中止期間TSが設定されてしまい、立体表示が実施されなくなってしまうという不都合が発生してしまう、つまり、前に遊技していた遊技者のキャンセル回数が他の遊技者のキャンセル回数として持ち越されてしまうという問題が生じる可能性があるので、これらの不都合を解消するために、遊技者が交替してパチンコ機1が非稼働になったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信される客待ちデモ指定コマンドを受信したことを条件に、キャンセル回数をリセットすることで、これらキャンセル回数が異なる遊技者に持ち越されてしまうことを防止できるようになっている。
また、本実施例では、これら客待ちデモ指定コマンドを受信したときにおいて、3D表示中止期間TSの期間中である場合には、演出制御用CPU86は、該3D表示中止期間TSを終了して、立体表示を可能とする制御を実施する。
つまり、本実施例では、上述したように、遊技者のキャンセル操作の面倒を低減できるようにするために、3D表示中止期間TSがキャンセル回数の増加に応じて漸増するようにしているので、これら設定された長い3D表示中止期間TS中に遊技者が交替した場合にあっては、次に遊技を開始した他の遊技者の遊技において、これら長い3D表示中止期間TSが経過するまでは立体表示が全くなされないことになってしまい、その結果、遊技機の興趣が著しく低下してしまうことになってしまう不都合が生じるが、遊技者が交替してパチンコ機1が非稼働になったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信される客待ちデモ指定コマンドを受信したことを条件に、3D表示中止期間TSを終了することにより、交替した遊技者の遊技においては、遊技の開始から立体表示が可能とされるようになるので、上記したように遊技機の興趣が著しく低下してしまうことを回避することができる。
尚、本実施例1では、操作ボタン516を遊技者が所定時間押圧することによって画像用液晶パネル9a及び視差バリヤ用液晶パネル9bにて表示される立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えたが、画像用液晶パネル9a及び視差バリヤ用液晶パネル9bにて表示される立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えるための専用のスイッチを別途設けるようにしてもよい。
更に尚、本実施例1では、予告演出S1において、演出制御用CPU86は、演出期間T1,T3,T5において描画制御部206にVRAM領域にて立体画像を構成する右目用画像及び左目用画像と、非立体画像との描画を並行して実行させ、演出期間T2,T4において描画制御部206にVRAM領域にて立体画像を構成する右目用画像及び左目用画像のみを描画させたが、描画制御部206が十分な処理能力を有しているのであれば、演出制御用CPU86は、予告演出S1において、常時描画制御部206にVRAM領域にて立体画像と非立体画像との描画を並行して実行させるようにしてもよい。
ここで、本実施例に用いた変動表示装置9の駆動形態について、図22〜図24を用いて以下に説明する。
本実施例に用いた変動表示装置9は、前述したとともに図22に示すように、交互に配置された異なる表示領域に右目用画像(R)と左目用画像(L)とを表示可能とされた画像用液晶パネル9aと、該画像用液晶パネル9aの前面側に所定間隔を有して設けられ、縦縞状の視差バリヤ画像を表示可能とされた視差バリヤ用液晶パネル9bとを有している。
また、画像用液晶パネル9aの各表示領域には、右目用画像(R)と左目用画像(L)ではなく、図22に示すように、右目用画像(R)と左目用画像(L)の区別がない通常の非立体画像を成す非立体画像(2D画像)も表示可能とされており、このように画像用液晶パネル9aに非立体画像(2D画像)を表示する場合には、演出制御用CPU86の指示に基づいて表示制御部213により視差バリヤ用液晶パネル9bが視差バリヤ画像を非表示とされた透明状態とされることで、変動表示装置9において非立体画像(2D画像)も表示できるようになっており、これら非立体画像(2D画像)と立体画像(3D画像)との切り替え表示が可能とされている。
これら変動表示装置9における表示を、非立体画像(2D画像)から立体画像(3D画像)に切り替えた場合には、図22に示すように、非立体画像(2D画像)の場合には各表示領域に同一の2D画像が表示されて遊技者の左右の目により視認されるので、画像用液晶パネル9aの解像度による表示を実施できるものの、立体画像(3D画像)を表示する場合には、縞状に形成された表示領域に右目用画像(R)と左目用画像(L)とが交互に表示されるようになるため、非立体画像(2D画像)に比較して、表示解像度が半分程度に低下してしまい、立体画像においては非立体画像(2D画像)のような鮮明な表示ができず、遊技者に違和感を与えてしまうことがある。
このため、本実施例の変動表示装置9においては、これら立体画像の表示における解像度の低下を解消するために、図23、図24に示す時分割交互駆動を行うことで、立体画像の表示においても非立体画像(2D画像)のような鮮明な表示ができるとともに、動画についても非立体画像(2D画像)と同様の滑らかな表示を可能としている。
つまり、従来の立体画像の表示においては、視差バリヤ用液晶パネル9bに表示される視差バリヤ画像は、画像用液晶パネル9aの立体画像(3D画像)の表示更新に同期することなく、ほぼ同一の表示状態に維持されるとともに、画像用液晶パネル9aにおいても右目用画像(R)と左目用画像(L)とがほぼ同一の表示領域に表示されているのに対し、本実施例では、画像用液晶パネル9aの立体画像(3D画像)の表示更新に同期して視差バリヤ用液晶パネル9bに表示される視差バリヤ画像として、第1の視差バリヤ画像と該第1の視差バリヤ画像の反転(ネガ)画像である第2の視差バリヤ画像を交互に表示するとともに、これら画像用液晶パネル9aの立体画像(3D画像)の表示更新において、更新前に右目用画像(R)が表示されていた表示領域に該表示領域に対応した左目用画像(L’)を表示し、更新前に左目用画像(L)が表示されていた表示領域に該表示領域に対応した右目用画像(R’)を表示するように、表示制御部213が画像用液晶パネル9a並びに視差バリヤ用液晶パネル9bを駆動する。
このように画像用液晶パネル9a並びに視差バリヤ用液晶パネル9bを駆動することにより、遊技者の右目からは、図24に示すように、偶数回の更新タイミングにて右目用画像R1、R2、R3…が表示される表示領域に挟まれた左目用画像L1、L2、L3…が表示される表示領域に、奇数回の更新タイミングにて該表示領域に対応した右目用画像R’1、R’2、R’3…が表示され、これらの表示更新を目視における残像時間よりも短い時間となる高速で実施することで、擬似的に画像用液晶パネル9aの全面領域に右目用画像(R)と右目用画像(R’)とが、あたかも連なって表示されているように見えることになり、これら立体画像の表示においても、非立体画像(2D画像)の場合と同じく画像用液晶パネル9aの解像度にて鮮明な表示を行うことが可能となる。
また、遊技者の左目からも、図24に示すように、偶数回の更新タイミングにて左目用画像L1、L2、L3…が表示される表示領域に挟まれた右目用画像R1、R2、R3…が表示される表示領域に、奇数回の更新タイミングにて該表示領域に対応した左目用画像L’1、L’2、L’3…が表示され、これらの表示更新を目視における残像時間よりも短い時間となる高速で実施することで、擬似的に画像用液晶パネル9aの全面領域に左目用画像(L)と左目用画像(L’)とが、あたかも連なって表示されているように見えることになり、これら立体画像の表示においても、非立体画像(2D画像)の場合と同じく画像用液晶パネル9aの解像度にて鮮明な表示を行うことが可能となる。
但し、このように画像用液晶パネル9a並びに視差バリヤ用液晶パネル9bを駆動すると、非立体画像(2D画像)を表示する場合に比較して、同一の表示領域に対する更新サイクル期間が2倍(更新サイクル周波数が半分)となるので、表示される立体画像が早い動きの画像を含む場合には、画像が不鮮明になったり、早く動く動作体の動きがぎこちなくなってしまい画像品質が低下してしまう場合があるので、これら立体画像(3D画像)を表示する場合には、図23に示すように、非立体画像(2D画像)を表示する場合の更新サイクル周波数Nヘルツの倍の周波数(2Nヘルツ)にて画像用液晶パネル9a並びに視差バリヤ用液晶パネル9bを駆動することにより、早い動きの画像を含む立体画像(3D画像)についても、非立体画像(2D画像)の場合と同様の滑らかな画像品質にて表示できるようになっている。
尚、本実施例では、これら立体画像(3D画像)を表示する場合には、バックライト901の発光強度を、非立体画像(2D画像)を表示する場合における発光強度よりも大きくすることで、これら倍速駆動することによって表示が暗くなってしまうことを補完することで、非立体画像(2D画像)の表示と立体画像(3D画像)の表示とで、表示の明るさが変化しないように制御している。
次に、本実施例のパチンコ機1における変動パターンについて、図25を用いて説明する。図25は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図25に示すように、この実施例では、可変表示結果が「ハズレ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−2(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−1とノーマルPB2−3(ノーマルリーチA)、ノーマルPB2−2とノーマルPB2−4(ノーマルリーチB)、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図25に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図25に示すように、この実施例では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−5とノーマルPB2−7(ノーマルリーチA)、ノーマルPB2−6とノーマルPB2−8(ノーマルリーチB)、スーパーPB3−4〜スーパーPB3−5、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1(ノーマルリーチA)〜特殊PG2−2(ノーマルリーチB)の変動パターンが用意されている。なお、図25において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、確変大当りBまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンであり、確変大当りBまたは小当りとなる場合には、ノーマルリーチA(非立体画像)のリーチ演出を含む特殊PG2−1や、ノーマルリーチB(立体画像)のリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定される場合がある。また、図25に示すように、確変大当りBまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、確変大当りBまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3、特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
なお、この実施例では、図25に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は6.75秒で固定であり、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が26.75秒で固定であり、スーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図26は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する確変大当りA、確変大当りB、通常大当りC)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施例では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、各種ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施例では、確変大当りAまたは通常大当りCである場合には、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、各種ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、ノーマルリーチとスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、確変大当りBである場合には、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合にも、確変大当りBである場合と同じく、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、「ハズレ」である場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、各種ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、各種ノーマルリーチおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、ノーマルリーチとスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、とに種別分けされている。
図27(a)は、大当り判定テーブル130aを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図27(a)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図27(a)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図27(a)に記載されている数値が大当り判定値である。
図27(b),(c)は、小当り判定テーブル130b,130cを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bと、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cとがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bには、図27(b)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cには、図27(c)に記載されている各数値が設定されている。また、図27(b),(c)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図27(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する確変大当りA、確変大当りB)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図27(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図27(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図27(b),(c)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施例では、図27(b),(c)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合には70分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)130cを用いる場合には120分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施例では、第1始動口15aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動口15bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
また、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合に小当りと決定される割合(1/70)は、確変大当りBに決定する割合(1/1596(低確時)、1/160(高確時))に比較して高く、小当りが確変大当りBよりも高頻度にて発生するようになっている。
図27(d)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、遊技球が第1始動口15aに入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)および遊技球が第2始動口15bに入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示においても、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示においても、同一の大当り種別判定テーブル131aが使用されて、大当り種別が決定される。
大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「通常大当りC」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、「確変大当りA」に対して15個の判定値が割り当てられ(40分の15の割合で確変大当りAと決定される)、「確変大当りB」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で確変大当りBと決定される)、「通常大当りC」に対して20個の判定値が割り当てられている(40分の20の割合で通常大当りCと決定される)。従って、この実施例では、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、「確変大当りA」となる確率は「確変大当りB」となる確率よりも高いが、第1始動口15aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動口15bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りA」または「確変大当りB」または「通常大当りC」と決定される割合は同じである。なお、第1始動口15aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動口15bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合を異ならせてもよい。
また、この実施例では、図27(d)に示すように、第2特定遊技状態としての2ラウンドの確変大当りBと、この確変大当りBと比較して、ラウンド数を多くした第1特定遊技状態としての確変大当りAと、を決定する場合を説明するが、付与される遊技価値は、この実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第2特定遊技状態と比較して、大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とでラウンド数が同じ5ラウンドであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を5回開放したときに(この場合、第2特定遊技状態の場合には5ラウンド全てを終了し、第1特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第2特定遊技状態の場合には内部的に5ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も5回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
「確変大当りA」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態(確変・時短状態、高確高ベース状態)に移行させる大当りである。大当り終了後、次の大当りが発生するまで確変状態並びに時短状態が継続する。
「確変大当りB」とは、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が「確変大当りA」に比べて短くかつラウンド数も少ない2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態にのみ移行させる大当りである。大当り終了後、次の大当りの発生まで確変状態が継続する。ただし、大当り終了後に時短状態には移行せずに低ベース状態に移行される。従って、この実施例では、確変大当りBの終了後、次の大当りが発生するまでは高確率状態のみとされ、高ベース状態には移行されない(高確低ベース状態)。
つまり、「確変大当りA」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長くラウンド数も15ラウンドと多いのに対して、「確変大当りB」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.5秒と短いとともに、ラウンド数も2ラウンドと少なく、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施例では、その確変大当りBの大当り遊技状態の終了後には確変状態に移行されるが高ベース状態には移行しない。
なお、この実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.5秒間ずつ2回行われ、「確変大当りB」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の高速開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、例え遊技者が大入賞口の開放を確認できたとしても、「確変大当りB」または「小当り」のいずれにもとづく開放なのかを特定しにくく、しかもその後の遊技状態が確変状態または通常状態のいずれに移行したかを特定することもできなくなるため、遊技者にわからないように、確変大当りBを発生させ、かつ、該大当りの終了後に遊技状態を確変状態に移行させる、つまり確変状態を潜伏させることができる。また、逆に、低確状態において確変大当りBと同様の演出制御が実施される小当りを発生させることで、該小当りの終了後は遊技状態が確変状態に移行しないので、低確状態を潜伏させることができる。
「通常大当りC」とは、確変大当りAと同じく15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態とはならずに、変動表示を100回終了するまで(始動回数が100回となるまで)、時短状態のみの低確高ベース状態に移行させる大当りである。つまり、大当り終了後、変動表示が100回となるまで時短状態が継続する。
図28(a)は、確変大当りA/通常大当りC用変動パターン種別判定テーブル132aを示す説明図である。確変大当りA/通常大当りC用変動パターン種別判定テーブル132aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
確変大当りA/通常大当りC用変動パターン種別判定テーブル132aには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が、大当りの種別毎に設定されている。
これら判定値の数としては、図28(a)に示すように、大当りの種別が「確変大当りA」である場合には、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2に比較してスーパーCA3−3の判定値の数が多くなるように設定されており、「確変大当りA」となる場合には、変動パターンとしてスーパーリーチが多く決定されるように設定されている。
一方、大当りの種別が「通常大当りC」である場合には、スーパーCA3−3に比較してノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2の判定値の数が多くなるように設定されており、「通常大当りC」となる場合には、変動パターンとしてノーマルリーチが多く決定されるように設定されている。
また、図28(b)は、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを示す説明図である。確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bは、ランダムR並びにランダム1に基づく当り種別の判定において、確変大当りB及び小当りが決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、図28(b)に示すように、確変大当りBまたは小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2のうちいずれかが決定される場合が示されている。
また、確変大当りBでは、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、確変大当りBとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチBを含む特殊PG2−2等の擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがハズレとなる演出が実施された後、再変動が2回実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
また、小当りについては、該小当りとすることに決定された時点の遊技状態が、高確状態であるか、低確状態であるか、つまり、確変フラグがセットされているか否かに応じて、判定値の割り当てが異なっている。
具体的には、高確時の小当りでは、確変大当りBと同様に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、高確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
一方、低確時の小当りでは、確変大当りBとは逆に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜201の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して202〜251の判定値が割り当てられており、低確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチAを含む特殊PG2−1等の滑りの演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがハズレとなる演出が実施された後、滑り変動が実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
このように、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBの場合には、立体画像によるノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定され、高確状態に移行しない小当りの場合には、非立体画像によるノーマルリーチAのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴わない滑りの変動パターンが多く決定されることで、ノーマルリーチBや擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に確変大当りBの遊技状態(小当りの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、発生したのが高確状態に移行する確変大当りBである可能性が高いのではとの期待感を与えることができるようになっている。
つまり、潜伏条件が成立する確変大当りBや小当りが発生するときにおいては、変動パターンとしてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときよりも高確(確変)状態に移行しない小当りのときにおいて多く決定され、変動パターンとしてノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行しない小当りのときよりも高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときにおいて多く決定される。
尚、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBのときと、高確状態に移行しない小当りのときとで、決定される変動パターンの種別が異なるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態に移行する確変大当りBであるか高確状態に移行しない小当りであるかにかかわらずに、変動パターンを選択して決定するようにしても良い。
また、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるので、擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に小当りの遊技状態(確変大当りBの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、確変大当りBと同じく、その後の遊技状態が高確状態となっている可能性が高いのではとの期待感を与えることができる。
尚、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態における小当りの場合にも、低確状態における小当りと同様に、擬似連の演出を伴わない滑り変動パターン種別である特殊CA4−1が多く決定されるようにしても良い。
図29(a),(b)は、ハズレ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bを示す説明図である。ハズレ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bは、可変表示結果をハズレ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各ハズレ用変動パターン種別判定テーブルA,Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−8の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図29(a)〜(b)に示すように、この実施例では、ハズレである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチBのいずれか)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図29(a)示す通常用のハズレ用変動パターン種別判定テーブルA135aにおいては、超短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や、短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)を含む非リーチCA2−3や、擬似連3回よりも変動時間が短い擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に対して判定値の割り当てがないのに対し、短縮用のハズレ用変動パターン種別判定テーブルB135bでは、該非リーチCA2−3に対して100〜199の判定値が割り当てられているとともに、擬似連3回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−5に代えて擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に判定値が割り当てられていることにより、変動時間が短い非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)が決定されるようになるため、変動時間の平均時間が通常よりも短縮されることで、単位時間当たりに実施される変動回数が多くなる。
図30(a),(b)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図30(a)に示す例では、変動パターン種別として、各種のノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、各種のノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図30(b)に示す例では、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図30(b)において、擬似連の演出の有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、リーチ演出の有無や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出となる擬似連の演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1、特殊PG1−2、特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出となる擬似連の演出を伴う特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成すれば良い。
図31は、ROM54に記憶されているハズレ変動パターン判定テーブル138aを示す説明図である。ハズレ変動パターン判定テーブル138aは、可変表示結果を「ハズレ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ハズレ変動パターン判定テーブル138aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
次に、遊技機の動作について説明する。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ1560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降の図示しないメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ1560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ81は、初期化指定コマンドを受信すると、変動表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ1560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ1560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、変動表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ81である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図32に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ81に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび変動表示装置9にハズレ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がハズレ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび変動表示装置9にハズレ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に変動表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、変動表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する変動表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
図33および図34は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ1560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動口15aに遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動口15aへの始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動口15bに遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14bがオンしていたら、すなわち第2始動口15bへの始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14bがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ81に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ81に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると変動表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ81に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ81に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ81に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。図35は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ81(具体的には、演出制御用CPU86)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU86は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS700)。その後、演出制御用CPU86は、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS701)。
その後、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU86は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU86は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。また、タイマ割込が発生していない場合には、ステップS701の乱数更新処理を実施して再度ステップS702に戻る。
演出制御処理において、演出制御用CPU86は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU86は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。その後、ステップS701に移行する。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して変動表示装置9の表示制御を実行する。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ1560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
図36は、演出制御用マイクロコンピュータ81が用いる乱数を示す説明図である。図36に示すように、この実施例では、初期予告演出決定用乱数SR1、擬似連において演出画像を非立体から立体に変更するか否かとともに、変更する場合の変更タイミングとを決定するために使用される3D表示変更タイミング決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
初期予告演出決定用乱数SR1は、初期予告演出を実施するか否かを決定するために使用される乱数であり、1〜100の数値範囲の値をとる。
3D表示変更タイミング決定用乱数SR2は、擬似連において演出画像を非立体から立体に変更するか否かとともに、変更する場合の変更タイミングとを決定するために使用される3D表示変更タイミングを決定するために使用される乱数であり、1〜105の数値範囲の値をとる。
尚、これらSR1〜SR2の乱数を生成するためのカウンタがRAMに形成されている。そして、各カウンタの数値は、図35に示す乱数更新処理(ステップS706)で更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(図36に示された範囲における最大値)を越えると下限値(図36に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
演出制御用マイクロコンピュータ81におけるROMには、図37に示す図柄変動制御パターンテーブル180を初めとする、初期予告演出の演出制御パターンを含む予告演出制御パターンテーブル(図示略)、擬似連やノーマルリーチやスーパーリーチ等の各種の変動パターンにおける演出制御パターンや、大当り状態や小当り状態における演出制御パターンを含む各種演出制御パターンテーブル(図示略)等が記憶されている。図37に示す図柄変動制御パターンテーブル180には、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、並びに音制御実行データ、操作ボタン516や操作レバー600の操作受付け開始タイミングや操作受付け終了タイミング等の操作制御実行データ、といった演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
なお、図柄変動制御パターン、予告演出制御パターン、各種演出制御パターン各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
これら演出制御パターンは、例えばプロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作制御実行データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データとなるプロセスデータから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
プロセスタイマ設定値は、演出制御用CPU86における演出制御用のプロセスタイマの格納値であるプロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、プロセスタイマ設定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU86において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、変動表示装置9の表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御実行データは、変動表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。音制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における演出図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、各スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音制御実行データは、各スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御実行データには、例えば装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28cといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御実行データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御実行データ、ランプ制御実行データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用役物が備える可動部材における動作態様を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
演出制御用CPU86は、これら演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、プロセスタイマ値がプロセスタイマ設定値のいずれかと合致したときには、そのプロセスタイマ設定値と対応付けられた演出制御実行データに含まれる表示制御実行データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を変動表示装置9の表示画面に表示させる制御を行う。また、音声制御実行データにより指定される態様で各スピーカ27から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御実行データにより指定される態様で装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c等の発光体を点滅させる制御を行う。なお、プロセスタイマ設定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
尚、演出制御用マイクロコンピュータ81におけるRAMには、第1保留記憶表示部並びに第2保留記憶表示部の表示を行うための第1保留表示バッファと第2保留表示バッファや、時短回数をカウントするための時短回数カウンタ等が設けられている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81におけるROMには、図38に示す、初期予告演出を実施するか否かの決定において使用される初期予告演出決定テーブルや、図39(a)、(b)に示す、主基板31にて決定された変動パターンが擬似連の変動パターンであるときにおいて、擬似連の演出画像を立体(3D)表示に変更するタイミング決定するための3D表示変更タイミング決定テーブルが記憶されている。
本実施例の初期予告演出決定テーブルには、図38に示すように、変動パターンの種別として、2回の再変動を伴う「疑似連2回」の変動パターンと、3回の再変動を伴う「疑似連3回」の変動パターンと、3D(立体)のリーチ演出画像が表示される3Dリーチの演出パターン(具体的には、ノーマルリーチB、スーパーリーチBの変動パターンが該当する)と、これら以外の変動パターンのそれぞれについて、初期予告演出を実施するとともに該初期予告演出の演出画像の表示を非立体にて実施する「2D表示」と、初期予告演出を実施するとともに該初期予告演出の演出画像の表示を立体にて実施する「3D表示」と、初期予告演出を実施しない「予告なし」とに、図38に示す判定値数となるように、SR1の判定値が割り当てられている。
具体的には、「疑似連2回」の変動パターンについては、「2D表示」に25個の判定値、「3D表示」に60個の判定値、「予告なし」に15個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが2回の再変動を伴う疑似連である場合、つまり、非リーチPA1−4、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2、ノーマルPB2−5、ノーマルPB2−6、特殊PG1−3、特殊PG2−2のいずれかの変動パターンである場合には、該「疑似連2回」に対応して「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、初期予告演出の態様として「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
また、「疑似連3回」の変動パターンについては、「2D表示」に20個の判定値、「3D表示」に70個の判定値、「予告なし」に10個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが3回の再変動を伴う疑似連である場合、つまり、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4、ノーマルPB2−7、ノーマルPB2−8のいずれかの変動パターンである場合には、該「疑似連3回」に対応して「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR2の判定値が格納されている項目により、初期予告演出の態様として「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
また、「3Dリーチ」の変動パターンについては、「2D表示」に30個の判定値、「3D表示」に50個の判定値、「予告なし」に20個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが3D(立体)のリーチ演出画像が表示される3Dリーチである場合、つまり、ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−2、ノーマルPB2−4、スーパーPB3−2、ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−6、ノーマルPB2−8、スーパーPB3−5、特殊PG2−2のいずれかの変動パターンである場合には、該「3Dリーチ」に対応して「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR2の判定値が格納されている項目により、初期予告演出の態様として「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
尚、本実施例では、図38に示すように、「3D表示」に対して割り当てられている判定値数が、再変動2回の疑似連においては「60」であるのに対し、再変動3回の疑似連においては「70」とされていることで、再変動回数が多くなる程「3D表示」が決定され易い、つまり、立体(3D)画像の初期予告演出が実施された場合には再変動2回の疑似連よりも再変動3回の疑似連の方が発生しやすくなるように設定されている。
また、「3D表示」に対して割り当てられている判定値数が、疑似連においては「60」、「70」であるのに対し、3Dリーチにおいては「50」とされていることで、立体(3D)画像の初期予告演出が実施された場合には、疑似連に移行する割合が高くなるように設定されている。
また、「上記以外」の変動パターン、つまり、疑似連または3Dリーチ以外の変動パターン(2Dのノーマルリーチや2Dのスーパーリーチを含む)については、「2D表示」に35個の判定値、「3D表示」に10個の判定値、「予告なし」に55個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが疑似連または3Dリーチ以外の変動パターンである場合、つまり、非リーチPA1−0〜PA1−3、ノーマルPA2−1、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−3、スーパーPB3−1、ノーマルPA2−3、ノーマルPB2−5、ノーマルPB2−7、スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1のいずれかの変動パターンである場合には、該「上記以外」に対応して「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR2の判定値が格納されている項目により、初期予告演出の態様として「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
尚、本実施例では、図38に示すように、「3D表示」に対して割り当てられている判定値数が、「上記以外」においては「10」であり、再変動2回、再変動3回、3Dリーチの項目に格納されている「60」、「70」、「50」に対して著しく少なく設定されているとともに、「2D表示」に対して割り当てられている判定値数が、「上記以外」においては「35」であり、再変動2回、再変動3回、3Dリーチの項目に格納されている「25」、「20」、「30」に対して多く設定されおり、「上記以外」の変動パターン、例えば、2Dのノーマルリーチや2Dのスーパーリーチが実施される場合には「2D表示」が決定され易い、つまり、非立体(2D)画像の初期予告演出が実施された場合には3D(立体)のノーマルリーチやスーパーリーチが発生せずに非立体(2D)のノーマルリーチや2Dのスーパーリーチや非リーチの演出がしやすくなるように設定されている。
また、本実施例では、各擬似連の変動パターンに対応する「2D表示」の項目についても判定値が割り当てられていることで、擬似連の変動パターンが発生する場合であっても、「2D表示」の初期予告演出が決定されるとともに、後述するように、該擬似連の途中において「3D表示」に表示が変更されるように決定される場合があり、このように決定されることにより、「2D表示」の予告が実施された後に実施される擬似連の途中において「3D表示」に表示が変更される演出が実施される場合がある。
本実施例の3D表示変更タイミング決定テーブルは、図39(a)に示す、可変表示結果がハズレの図柄の組合せとなるときに使用される3D表示変更タイミング決定テーブル(ハズレ時)と、図39(b)に示す、可変表示結果が大当りの図柄の組合せとなるときに使用される3D表示変更タイミング決定テーブル(当り時)とから構成されている。
各3D表示変更タイミング決定テーブルには、図39に示すように、変動パターンの種別として、2回の再変動を伴う「疑似連2回」の変動パターンと、3回の再変動を伴う「疑似連3回」の変動パターンのそれぞれについて、「再変動1回目」、「再変動2回目」、「再変動3回目」、「変更なし」とに、図39に示す各判定値数となるように、SR2の判定値が割り当てられている。
具体的に、3D表示変更タイミング決定テーブル(ハズレ時)においては、図39(a)に示すように、「疑似連2回」の変動パターンについては、「再変動1回目」に10個の判定値、「再変動2回目」に25個の判定値、「変動なし」に70個の判定値がそれぞれ割り当てられ、「疑似連3回」の変動パターンについては、「再変動1回目」に6個の判定値、「再変動2回目」に17個の判定値、「再変動3回目」に27個の判定値、「変動なし」に55個の判定値がそれぞれ割り当てられている。
一方、3D表示変更タイミング決定テーブル(当り時)においては、図39(b)に示すように、「疑似連2回」の変動パターンについては、「再変動1回目」に53個の判定値、「再変動2回目」に42個の判定値、「変更なし」に10個の判定値がそれぞれ割り当てられ、「疑似連3回」の変動パターンについては、「再変動1回目」に68個の判定値、「再変動2回目」に32個の判定値、「再変動3回目」に5個の判定値、「変更なし」に0個の判定値がそれぞれ割り当てられている。
つまり、可変表示結果がハズレの図柄の組合せになる場合の疑似連においては、「変更なし」に多くの判定値が割り当てられていることにより、各再変動における演出において、立体(3D)画像への変更が発生しにくくなるとともに、変更が発生しても、再変動3回目が再変動2回目よりも判定値数の割り当てが多く、再変動2回目が再変動1回目よりも判定値数の割り当てが多く設定されることにより、遅いタイミングにて立体(3D)画像への変更が発生するように設定されている。
一方、可変表示結果が大当りの図柄の組合せになる場合の疑似連においては、「変更なし」に割り当てられている判定値がすくなく、各再変動における演出において、立体(3D)画像への変更が発生し易くなるとともに、再変動1回目が再変動2回目よりも判定値数の割り当てが多く、再変動2回目が再変動3回目よりも判定値数の割り当てが多く設定されることにより、早いタイミングにて立体(3D)画像への変更が発生するように設定されている。
つまり、疑似連において立体(3D)画像への変更が早い段階で発生した場合には、最終的に大当りの図柄の組合せになる可能性が高くなるように各判定値が設定されているので、遊技者に、これら疑似連において立体(3D)画像への変更が発生するか否かや、どの段階で変更するのかを注目させることができるようになるので、疑似連における興趣を向上することができる。
図40は、図35に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU86は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、変動表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ1560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、変動表示装置9に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、変動表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(ステップS806):変動表示装置9において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
なお、本実施例では、小当りが発生した場合においては、ステップS804〜806において、確変大当りBが発生した場合と同様の演出処理を実施することで、発生したのが、確変状態に移行する確変大当りBであるのか、確変状態に移行しない小当りが発生したのかを遊技者が判別できないようになっている。
図41は、図40に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU86は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。尚、変動パターンコマンド格納領域には、主基板31から受信した変動パターンを特定可能な変動パターンコマンドが格納されている。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。この場合、演出制御用CPU86は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する表示結果2指定コマンドである場合において、演出制御用CPU86は、例えば、停止図柄として3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。受信した表示結果指定コマンドが通常大当りCに該当する表示結果4指定コマンドである場合においては、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りB或いは小当りに該当する表示結果3〜8指定コマンドである場合においては、停止図柄として、予めチャンス目として設定されている図柄の複数の組合せ(例えば「135」、「334」、「787」…などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが、ハズレに該当する表示結果1指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(ハズレ図柄)を決定する。尚、演出図柄の組合の中には、ハズレ図柄並びにチャンス目の双方に含まれるものが存在し、小当りの場合とハズレの場合とで同一の停止図柄となる場合が存在する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU86は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。よって、確変大当りBと小当りにおいては、同一の停止図柄が決定される場合があり得る。
そして、ステップS823に進み、初期予告演出を実施するか否かとともに、実施を決定した初期予告演出や擬似連に関する設定を行う、図42に示す予告演出設定処理を実施する。
そして、ステップS824に進んで、初期予告演出または擬似連の実施が決定されているか否か、具体的には、後述するステップS834にてセットされる初期予告実行決定フラグまたはステップS835+にてセットされる擬似連フラグがセットされているか否かを判定する。
初期予告実行決定フラグまたは擬似連フラグがセットされている場合には、ステップS825+に進んで、予告演出開始待ち時間を特定し、該特定した待ち時間を予告演出開始待ちタイマにセットした後、ステップS825に進む。
一方、初期予告実行決定フラグまたは擬似連フラグがセットされていない場合には、ステップS825+を経由することなくステップS825に進み、変動パターンコマンドに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。
そして演出制御用CPU86は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての変動表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、操作ボタン516や操作レバー600)の制御を実行する(ステップS827)。例えば、変動表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP262に指令を出力する。また、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDに対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施例では、演出制御用CPU86は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU86は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS828)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS829)。
図42は、演出図柄変動開始処理における予告演出設定処理(ステップS823)の処理内容を示すフローチャートである。
本実施例の予告演出設定処理においては、まず、初期予告演出決定用乱数SR1を抽出する(ステップS831)。
次いで、該抽出した初期予告演出決定用乱数SR1と図38に示す初期予告演出決定テーブルと当該変動表示(可変表示)における変動パターンの種別に基づいて初期予告演出の実施、非実施と、実施する場合における演出画像であるスペースシャトルの画像の表示種別(2D(非立体)表示、3D(立体)表示)とを決定する。
具体的には、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドから該変動表示(可変表示)における変動パターンの種別を特定して、初期予告演出決定テーブルにおけるどの変動パターンに対応する判定値を使用するかを決定する。つまり、変動パターンコマンドから特定される変動パターンの種別が、2回の再変動を伴う疑似連の変動パターンである場合には「疑似連2回」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定し、3回の再変動を伴う疑似連の変動パターンである場合には「疑似連3回」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定し、3D(立体)のリーチ演出画像が表示される3Dリーチの演出パターンある場合には「3Dリーチ」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定し、これら以外の演出パターンある場合には「上記以外」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定する。
そして、これら使用対象に決定した該変動表示(可変表示)における変動パターンについての判定値において、ステップS831にて抽出したSR1の判定値が「2D表示」の項目に格納されている判定値に該当する場合には2D表示による初期予告演出を実施することを決定し、抽出したSR1の判定値が「3D表示」の項目に格納されている判定値に該当する場合には3D表示による初期予告演出を実施することを決定し、抽出したSR1の判定値が「予告なし」の項目に格納されている判定値に該当する場合には初期予告演出を実施しないことを決定する。
そして、ステップS833に進み、ステップS832において初期予告演出を実施することを決定したか否かを判定し、初期予告演出を実施することを決定した場合にはステップS834に進んで初期予告実行決定フラグをセットしてステップS835に進む一方、初期予告演出を実施しないことを決定した場合にはステップS834を経由することなくステップS835に進む。
ステップS835では、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドから該変動表示(可変表示)における変動パターンの種別が擬似連の変動パターンであるか否かを判定する。
擬似連の変動パターンでない場合には、当該予告設定処理を終了する一方、擬似連の変動パターンである場合には、ステップS835+に進み、擬似連フラグをセットした後にステップS836に進み、3D表示変更タイミング決定用乱数SR2を抽出した後、遊技結果が当りとなるか否かを変動パターンコマンドから判定する。
つまり、変動パターンコマンド格納領域に格納されている当該変動表示の変動パターンコマンドが、ハズレの変動パターンコマンドである場合には遊技結果がハズレであると判定し、確変大当りA・Bまたは通常大当りCとなる変動パターンコマンドである場合には遊技結果が当りであると判定する。
遊技結果がハズレである場合には、ステップS839に進み、図39(a)の3D表示変更タイミング決定テーブル(ハズレ時)とステップS836にて抽出した3D表示変更タイミング決定用乱数SR2とに基づいて当該擬似連における演出表示を3Dの表示に変動するか否かとともに、変更する場合における変更タイミングをどの再変動時とするかを決定する。
一方、遊技結果が当りである場合には、ステップS838に進み、図39(b)の3D表示変更タイミング決定テーブル(当り時)とステップS836にて抽出した3D表示変更タイミング決定用乱数SR2とに基づいて当該擬似連における演出表示を3Dの表示に変動するか否かとともに、変更する場合における変更タイミングをどの再変動時とするかを決定する。
具体的には、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドから該変動表示(可変表示)における擬似連の変動パターンの種別(再変動2回、再変動3回)を特定して、3D表示変更タイミング決定テーブルにおけるどの変動パターンに対応する判定値を使用するかを決定する。つまり、変動パターンコマンドから特定される擬似連の変動パターンの種別が、2回の再変動を伴う疑似連の変動パターンである場合には「疑似連2回」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定し、3回の再変動を伴う疑似連の変動パターンである場合には「疑似連3回」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定する。
そして、これら使用対象に決定した該変動表示(可変表示)における変動パターンについての判定値において、ステップS836にて抽出したSR2の判定値が「再変動1回目」の項目に格納されている判定値に該当する場合には、3D表示に変更するとともにその変更タイミングを1回目の再変動における変動表示において実施すると決定し、抽出したSR2の判定値が「再変動2回目」の項目に格納されている判定値に該当する場合には、3D表示に変更するとともにその変更タイミングを2回目の再変動における変動表示において実施すると決定し、抽出したSR2の判定値が「再変動3回目」の項目に格納されている判定値に該当する場合(擬似連3回の変動パターンの場合のみ)には、3D表示に変更するとともにその変更タイミングを1回目の再変動における変動表示において実施すると決定し、抽出したSR2の判定値が「変更なし」の項目に格納されている判定値に該当する場合には、3D表示に変更しないこと、つまり、2D(非立体)の演出画像の表示を擬似連の演出において継続することを決定する。
そして、ステップS840に進んで、ステップS832における初期予告演出の実施・非実施並びに表示種別の決定内容と、変動パターンが擬似連である場合にはステップS838またはステップS839にて決定した擬似連の3D表示への変更の実施・非実施並びに変更タイミングの決定内容を予告演出内容として設定する。
尚、この際、初期予告演出や擬似連の演出において3Dを実施する場合には、前述したように、3Dを実施するキャラクタの移動速度に応じた立体度となるように、3Dを実施するキャラクタの移動速度を特定して、該特定した移動速度に応じた立体度となるように、プロセステーブルをセットする。
図39は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU86は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、演出制御用CPU86は、初期予告演出または擬似連の演出による予告演出を行うことに決定されているか、またはこれら予告演出の実行中である場合には(ステップS841でYes)、予告演出処理を実行する(ステップS842)。予告演出を行うことに決定されているか否かは、初期予告実行決定フラグまたは擬似連フラグがセットされているか否かによって判定される。予告演出の実行中であるか否かは、予告演出を開始するときにセットされる予告実行中フラグによって判定される。予告実行決定フラグも擬似連フラグも予告実行中フラグもセットされていない場合にはステップS842の予告演出処理を実施することなく、ステップS843に進む。
また、演出制御用CPU86は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS843)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS845)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS846)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS847)、演出制御用CPU86は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS848)。そのようにして、変動表示装置9において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP262は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を変動表示装置9に出力する。そのようにして、変動表示装置9において、演出図柄の変動における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS849)。
また、演出制御用CPU86は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。なお、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、ステップS843の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データおよびランプ制御実行データ)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
ここで、図44、図45に基づいて、ステップS842において実施される予告演出処理について説明すると、予告演出処理において、演出制御用CPU86は、予告実行中フラグがセットされているか否かにより、初期予告演出や擬似連演出による予告演出が開始されているか否かを判定する。
予告演出が開始されている場合には(ステップS501でYes)、ステップS521(図45)に移行し、予告演出が開始されていない場合には、(ステップS501でNo)、ステップS502に進む。
ステップS502においては、予告演出開始待ちタイマの値を−1する。なお、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、初期予告演出や擬似連演出を行うことに決定されたときにセットされる(ステップS825+参照)。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS503)、処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、予告実行決定フラグをリセットして(ステップS504)、ステップS511に移行する。
ステップS511では、演出制御用CPU86は、予告演出の実行中であることを示す予告実行中フラグをセットする。また、前述したステップS840にて設定されている、予告演出設定処理にて決定された初期予告演出における表示態様(2D、3D)や、擬似連演出において3Dに変更するタイミング(時期)に対応した予告演出パターンを特定し(ステップS512)、特定した予告演出パターンが該当する予告演出期間に相当する値を予告期間タイマにセットする(ステップS513)。
次いで、演出制御用CPU86は、実行する予告演出パターンに対応する予告プロセステーブル(予告演出制御パターン)を、予告演出制御パターンテーブル(図示略)から読み出して選択してセットした後(ステップS515)、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)のプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせる(ステップS517)。
そして演出制御用CPU86は、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)の最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての変動表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、操作ボタン516、操作レバー600)の制御を開始する(ステップS518)。
これら予告プロセスデータに基づいて予告演出が開始された後においてステップS530、ステップS531に進む。このステップS530において演出制御用CPU86は、予告プロセスタイマの値を−1し、ステップS531において予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1する。
そして、予告期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS532でYes)、変動表示装置9に表示されている予告演出に関する画像を消去する制御を行い(ステップS533)、予告実行中フラグをリセットする(ステップS534)。
一方、予告期間タイマがタイムアウトしていない場合には、演出制御用CPU86は、予告プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS535)。予告プロセスタイマがタイムアウトしていたら、予告プロセスデータの切り替えを行う(ステップS536)。すなわち、予告プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS537)。また、その次に設定されている予告プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して実施する(ステップS538)。
予告プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は、ステップS535〜ステップS538を経由することなく処理を終了する。
このように、ステップS533においては、当該可変表示における予告演出の終了に応じて該予告演出に伴う予告演出画像の表示が終了されるが、当該予告演出の実行中において表示される各種の予告演出画像の表示終了(消去)は、ステップS515にて選択してセットされる予告演出制御パターン(予告プロセスデータ)に記述された表示制御の制御データがステップS538において実行されることで実施される。つまり、予告期間タイマがタイマアップするまでにおいてステップS535〜ステップS538の処理が実施されることにより、予告演出の実行中において表示される各種の予告演出画像の表示並びに表示終了(消去)の制御が実施される。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)が実施する演出図柄の可変表示に伴う予告演出の流れの一例を、図46〜図48にもとづいて説明する。
まず、演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)は、初期予告演出を実行することを決定している場合、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を開始させた後(図46(A)参照)、初期予告演出の演出画像としてスペースシャトルを表示する。本実施例では、初期予告演出の表示画像として非立体(2D)表示が決定されている場合は、非立体表示の1機のスペースシャトルが画面上を右から左に横切る画像を表示させる(図46(B)参照)。
また、初期予告演出の表示画像として立体(3D)表示が決定されている場合は、立体表示の1機のスペースシャトルが画面上を右から左に横切る画像を表示させた後(図46(D)参照)、変動表示装置9の表示画面の上方及び下方に退避して表示画面を開放する開放位置と、該開放位置から表示画面上に重畳するように移動して表示画面を閉止する閉止位置と、の間で移動可能に設けられた上下のシャッタ60a,60bを閉止位置まで移動させた後(図46(E)参照)、所定時間経過後に開放させる。
尚、上下のシャッタ60a,60bそれぞれの当接辺には、表示画像として表示されるスペースシャトルを模した模型が上下のシャッタ60a,60bにそれぞれ上下に2分割して設けられており、シャッタ60a,60bが閉止位置まで移動して表示画面が閉止されたときに、スペースシャトルの模型が形成されるようになっている。
ここで、演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)は、初期予告演出の実行を決定している場合であって、擬似連を伴う変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信している場合には、上記のような初期予告演出としての表示画像を表示させるとともに、演出図柄の仮停止図柄としてチャンス目図柄を決定し、仮停止図柄の仮停止タイミングの前に、左可変表示部と右可変表示部とに演出図柄を停止表示し(図46(C)参照)、擬似連演出(図47参照)に移行する。
これら初期予告演出においては、図38に示す初期予告演出決定テーブルの説明において先述したように、図46(D)に示すように、立体(3D)のスペースシャトルが表示された場合には、図46(B)に示すように、非立体(2D)のスペースシャトルが表示された場合に比較して擬似連の演出に移行する割合(確率)が高いとともに、擬似連における再変動回数が3回と多い擬似連が発生する割合(確率)が高いので、図46(D)に示すように、立体(3D)のスペースシャトルが表示された場合には、再変動回数が多い擬似連が発生するのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。
つまり、本実施例では、これら再変動回数が多い擬似連の変動パターンは、再変動回数が少ない擬似連の変動パターンよりも最終的に大当りとなる信頼度(大当りとなるときに出現する出現確率を、大当りとなるときと大当りとならないときの全ての出現確率で除することで得られる指標値)が高くなるように、変動パターン種別判定テーブルや変動パターン判定テーブルが設定されているので、再変動回数が多い擬似連が発生して大当りとなる可能性が高いのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。
また、初期予告演出の実行を決定している場合であって、擬似連を伴わないリーチ変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信している場合には、上記のような初期予告演出としての表示画像を表示した後、演出図柄の停止図柄として決定したリーチ目図柄を停止表示し(図46(F)参照)、ノーマルリーチ演出(図示略)やスーパーリーチ演出(図48参照)に移行する。
これら初期予告演出後に擬似連を経由せずにリーチ演出に移行する場合においては、図38に示す初期予告演出決定テーブルの説明において先述したように、図46(D)に示すように、立体(3D)のスペースシャトルが表示された場合には、図46(B)に示すように、非立体(2D)のスペースシャトルが表示された場合に比較して立体(3D)リーチ演出画像が表示される3DノーマルリーチであるノーマルリーチBや3DスーパーリーチであるスーパーリーチBに移行する割合(確率)が高いので、図46(D)に示すように、立体(3D)のスペースシャトルが表示された場合には、3DノーマルリーチであるノーマルリーチBや3DスーパーリーチであるスーパーリーチBが発生するのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。
つまり、本実施例では、これら3DノーマルリーチであるノーマルリーチBや3DスーパーリーチであるスーパーリーチBは、2DノーマルリーチであるノーマルリーチAや2DスーパーリーチであるスーパーリーチAよりも最終的に大当りとなる信頼度(大当りとなるときに出現する出現確率を、大当りとなるときと大当りとならないときの全ての出現確率で除することで得られる指標値)が高くなるように、変動パターン種別判定テーブルや変動パターン判定テーブルが設定されているので、3Dのノーマルリーチやスーパーリーチが発生して大当りとなる可能性が高いのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。
また、本実施例では、図38に示す初期予告演出決定テーブルに示すように、擬似連2回、擬似連3回に対応する「3D表示」の判定値数の方が、3Dリーチに対応する「3D表示」の判定値数よりも多く設定されていることで、「3D表示」に決定される確率が擬似連である場合の方が高くなる、つまり、図46(D)に示すように、立体(3D)のスペースシャトルが表示された場合には擬似連が発生する可能性が高くなるので、図46(D)に示すように、立体(3D)のスペースシャトルが表示された場合には、擬似連が発生するのではないかという期待感も遊技者に与えることができる。
次いで、擬似連を伴う変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信している場合は、演出図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、チャンス目図柄を仮停止表示した後(図47(A)参照)、演出図柄の再変動を開始させる(図47(B)参照)。
ここで、擬似連演出の演出画像(再変動1回目の画像)として非立体(2D)表示が決定されている場合は、非立体表示の2機のスペースシャトルが画面上を右から左に横切る画像を表示させ(図47(C)参照)、その後、上下のシャッタ60a,60bを可動させることなく、左可変表示部と右可変表示部とに演出図柄を停止表示させる(図47(D)参照)。
一方、擬似連演出の演出画像(再変動1回目の画像)として立体(3D)表示が決定されている場合は、立体表示の2機のスペースシャトルが画面上を右から左に横切る画像を表示させ(図47(G)参照)、その後、上下のシャッタ60a,60bを表示画面の上下位置にて上下に小刻みに可動させる可動演出を実行しながら、左可変表示部と右可変表示部とに演出図柄を停止表示させる(図47(H)参照)。
次いで、仮停止図柄の仮停止タイミングとなると、チャンス目図柄を仮停止表示した後(図47(E)参照)、2回目の演出図柄の再変動を開始する(図47(F)参照)。以上の態様でチャンス目図柄の仮停止表示と再変動とを繰り返し実行することによって擬似連演出が実行される。よって、2回目の演出図柄の再変動を開始した後(図47(F)参照)、2回または3回の再変動を伴う擬似連の変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信している場合には、再び図47(C)(D)の非立体の擬似連予告演出または図47(G)(H)の立体の擬似連予告演出を繰り返し実行する。
そして、2回目の再変動に伴う擬似連予告演出を経た後にチャンス目図柄を仮停止表示し、3回目の再変動を演出図柄の再変動を開始したとき(図47(F)参照)、3回の再変動を伴う擬似連の変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信している場合には、再び図47(C)(D)の非立体の擬似連予告演出または図47(G)(H)の立体の擬似連予告を再度実行する。
また、2回の再変動を伴う擬似連の変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信している場合には、3回目の演出図柄の再変動を開始した後、ノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出(図48参照)に移行する。尚、特に図示はしないが、非リーチ変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信している場合には、演出図柄の停止図柄としてハズレ目図柄を決定し、所定時間経過後にハズレ目図柄を停止表示する(変動パターン非リーチPA1−4)。
次いで、スーパーリーチ演出に発展した場合について説明すると、演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)は、演出図柄の停止図柄として決定したリーチ目図柄を停止表示した後(図48(A)参照)、上下のシャッタ60a,60bを表示画面の上下位置にて上下に小刻みに可動する可動演出を実行し、立体(3D)表示演出に移行することに対する遊技者の期待感を煽る(図48(B)参照)。
次いで、スーパーリーチ演出の表示画像として非立体(2D)表示が決定されている場合は、上下のシャッタ60a,60bを閉止位置まで移動させることなく開放位置に戻した後(図48(C)参照)、変動中の演出図柄を画面左上に縮小表示するとともに、小型艇や星等が表示される宇宙背景の表示画面上をスペースシャトル(小)が右から左に横切る非立体表示画像を表示させる(図48(D)参照)。
一方、スーパーリーチ演出の表示画像として立体(3D)表示が決定されている場合は、上下のシャッタ60a,60bを一旦閉止位置まで移動させて表示画面を閉止させる(図48(G)参照)。その後、シャッタ60a,60bを開放位置まで移動させ、変動中の演出図柄を画面左上に縮小表示するとともに、小型艇や星等が表示される宇宙背景の表示画面上をスペースシャトル(大)が右から左に横切る立体表示画像を表示させる(図48(H)参照)。
演出制御マイクロコンピュータは、図48(D)または図48(H)に示す表示画像を表示した後、スペースシャトルが小惑星(図示略)に着陸できるか否かの演出画像を表示する(図示略)。
そして、ハズレの変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信している場合には、スペースシャトルが小惑星(図示略)への着陸に失敗した旨を示す非立体表示画像(2D)を表示させた後(図48(E)参照)、演出図柄の最終停止図柄として決定したハズレ目図柄を停止表示させる(図48(F)参照)。
一方、大当りの変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信している場合には、スペースシャトルが小惑星(図示略)への着陸に成功した旨を示す立体表示画像(3D)を表示させた後(図48(I)参照)、演出図柄の最終停止図柄として決定した大当り図柄を停止表示させる(図48(J)参照)。
以上、本実施例によれば、非立体(2D)画像の初期予告演出が実行されたときには第1演出となる、所定のリーチ状態となってリーチ演出画像が表示されるノーマルリーチやスーパーリーチが実行され易く、立体(3D)画像の初期予告演出が実行されたときには第2演出となる、識別情報の可変表示を再度実行する再可変表示を1回または複数回実行する再可変表示演出である擬似連の演出が実行され易くなるので、非立体(2D)画像の初期予告演出が実行されたときと立体(3D)画像の初期予告演出が実行されたときとで、その後に実行される演出が異なるようになるので、これら非立体(2D)画像と立体(3D)画像の演出による示唆による遊技機の興趣を効果的に向上させることができる。
また、本実施例によれば、初期予告演出は、所定の演出画像となるスペースシャトルの演出画像を立体(3D)画像にて表示するかまたは非立体(2D)画像にて表示するかの表示形態のみが異なる演出としているので、これらスペースシャトルの演出画像が表示される演出であっても、該スペースシャトルの演出画像が立体(3D)画像であるか非立体(2D)画像であるかによって、該演出後に実行される演出が異なるようになるので、これら初期予告演出においてスペースシャトルの演出画像が立体画像または非立体画像のいずれであるのかに遊技者を注目させることができ、これら初期予告演出における興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、非立体(2D)画像の初期予告演出が実行されたときには第1演出となる、非立体(2D)画像のリーチ演出画像が表示されるノーマルリーチAやスーパーリーチAの2Dリーチが実行され易く、立体(3D)画像の初期予告演出が実行されたときには第2演出となる、立体(3D)画像のリーチ演出画像が表示されるノーマルリーチBやスーパーリーチBの3Dリーチが実行され易くなるので、非立体(2D)画像の初期予告演出が実行されたときと立体(3D)画像の初期予告演出が実行されたときとで、その後に実行されるリーチ演出の演出画像の態様が異なるようになるので、立体(3D)画像の初期予告演出が実行されることにより、3Dリーチに移行するのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。
また、本実施例によれば、初期予告演出において、立体(3D)画像のスペースシャトルの表示を実行することで、実際の立体物であるスペースシャトルの模型が設けられた可動物であるシャッタ60a,60bが閉じる(移動する)のではないかとの期待感を遊技者に与えることができるとともに、スペースシャトルの立体(3D)画像を表示した後に、現実の立体物であるスペースシャトルの模型を遊技者に視認させることができるようになるため、遊技者に驚愕感を与えることができるので、演出の効果を高めることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、初期予告演出におけるスペースシャトルを立体(3D)表示と非立体(2D)表示のいずれとするかを、当該変動表示の表示結果が当りとなるかハズレとなるかに係わらずに同様に決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら立体(3D)表示と非立体(2D)表示のいずれとするかを、図49、図50に示すように、判定値数の割り当ての異なる当り用テーブルとハズレ用テーブルとを表示結果が当りとなる場合とずれとなる場合において使い分けることで、変動表示の表示結果が当りとなるかハズレとなるときに立体(3D)表示または非立体(2D)表示に異なる割合にて決定するようにしても良い。
また、前記実施例では、初期予告演出における立体(3D)表示と非立体(2D)表示のいずれとするかの決定と、擬似連において立体(3D)表示に変更するか否かの決定とを個別に実施するようにしているため、初期予告演出において立体(3D)表示がされた後に、擬似連における再変動の演出において非立体(2D)表示が実施される場合があるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら初期予告演出おける立体(3D)表示と非立体(2D)表示の決定と、擬似連の各再変動の演出における立体(3D)表示と非立体(2D)表示の決定とを、図49、図50に示す各テーブルを、図51に示す所定の規則に基づいて使用することで、初期予告演出と擬似連とが、立体(3D)表示を実施した後には非立体(2D)表示を実施しないように連動するようにしても良い。
ここで、図49、図50に示す決定テーブルを使用して、初期予告演出や擬似連における立体(3D)表示と非立体(2D)表示の種別を決定する流れについて説明すると、図49は、変動表示結果がハズレとなるときに使用される決定テーブルであって、図49(a)に示す、当該変動表示における演出画像として所定の予告画像である表示画面を横切るスペースシャトルの演出画像が未だ表示されていないとき(初回や再変動1回目以降で予告画像が未だ表示されていないとき)に使用されるハズレ時用第1決定テーブルと、図49(b)に示す、当該変動表示における演出画像として所定の予告画像である表示画面を横切るスペースシャトルの非立体(2D)の演出画像が表示されているが立体(3D)の演出画像は表示されていないときに使用されるハズレ時用第2決定テーブルとから構成される。
また、図50は、変動表示結果が当りとなるときに使用される決定テーブルであって、図50(a)に示す、当該変動表示における演出画像として所定の予告画像である表示画面を横切るスペースシャトルの演出画像が未だ表示されていないとき(初回や再変動1回目以降で予告画像が未だ表示されていないとき)に使用される当り時用第1決定テーブルと、図50(b)に示す、当該変動表示における演出画像として所定の予告画像である表示画面を横切るスペースシャトルの非立体(2D)の演出画像が表示されているが非立体(3D)の演出画像は表示されていないときに使用される当り時用第2決定テーブルとから構成される。
ハズレ時用第1決定テーブルには、図49(a)に示すように、飾り図柄が次に停止(擬似連の仮停止を含む)する場合の停止状態である図柄目の種別として、ハズレに該当する「ハズレ目」、種別の項目に「2D」が格納されており、両端の飾り図柄が揃ことでリーチ状態に移行する図柄目であって該図柄目となった後のリーチ演出において非立体(2D)のリーチ演出画像が表示される2Dの「リーチ目」、種別の項目に「3D」が格納されており、両端の飾り図柄が揃ことでリーチ状態に移行する図柄目であって該図柄目となった後のリーチ演出において立体(3D)のリーチ演出画像が表示される3Dの「リーチ目」、擬似連に該当する所定の「擬似連目」のそれぞれについて、所定の予告画像の表示を非立体にて実施する「2D表示」と、所定の予告画像の表示を立体にて実施する「3D表示」と、所定の予告画像の表示を実施しない「予告なし」とに、図49(a)に示す判定値数となるように、SR1の判定値が割り当てられている。
また、当り時用第1決定テーブルには、図50(a)に示すように、飾り図柄が次に停止(擬似連の仮停止を含む)する場合の停止状態である図柄目の種別として、上述した2Dの「リーチ目」、上述した3Dの「リーチ目」、「擬似連目」、これらの停止目以外の図柄、目(例えば小当りにおけるチャンス目等)のそれぞれについて、所定の予告画像の表示を非立体にて実施する「2D表示」と、所定の予告画像の表示を立体にて実施する「3D表示」と、所定の予告画像の表示を実施しない「予告なし」とに、図50(a)に示す判定値数となるように、SR1の判定値が割り当てられている。
また、ハズレ時用第2決定テーブルには、図49(b)に示すように、飾り図柄が次に停止(擬似連の仮停止を含む)する場合の停止状態である図柄目の種別として、上述した「ハズレ目」、上述した2Dの「リーチ目」、上述した3Dの「リーチ目」、上述した「擬似連目」のそれぞれについて、所定の予告画像の表示を非立体にて実施する「2D表示」と、所定の予告画像の表示を立体にて実施する「3D表示」とに、図49(b)に示す判定値数となるように、SR1の判定値が割り当てられている。尚、ハズレ時用第2決定テーブルは、既に予告画像が表示されているときに使用されるテーブルであるので、「予告なし」
の項目に対するSR1の判定値の割り当ては存在しない。
また、当り時用第2決定テーブルには、図50(b)に示すように、飾り図柄が次に停止(擬似連の仮停止を含む)する場合の停止状態である図柄目の種別として、上述した「ハズレ目」、上述した2Dの「リーチ目」、上述した3Dの「リーチ目」、上述した「擬似連目」のそれぞれについて、所定の予告画像の表示を非立体にて実施する「2D表示」と、所定の予告画像の表示を立体にて実施する「3D表示」とに、図50(b)に示す判定値数となるように、SR1の判定値が割り当てられている。尚、当り時用第2決定テーブルも、既に予告画像が表示されているときに使用されるテーブルであるので、「予告なし」
の項目に対するSR1の判定値の割り当ては存在しない。
本実施例のハズレ時用第1決定テーブルにおける2Dの「リーチ目」、3Dの「リーチ目」、「擬似連目」に対応する「予告なし」の各判定値数は、当り時用第1決定テーブルにおける2Dの「リーチ目」、3Dの「リーチ目」、「擬似連目」に対応する「予告なし」の各判定値数よりもいずれも多くなるように設定されており、変動表示結果がハズレとなる場合には、予告なしが決定され易く、変動表示結果が当りとなる場合には、予告なしがハズレとなる場合に比較して決定され難い、つまり、「2D表示」または「3D表示」が決定され易くなっている。
また、本実施例のハズレ時用第1決定テーブルにおける2Dの「リーチ目」、3Dの「リーチ目」、「擬似連目」に対応する「3D表示」の各判定値数は、当り時用第1決定テーブルにおける2Dの「リーチ目」、3Dの「リーチ目」、「擬似連目」に対応する「3D表示」の各判定値数よりもいずれも多くなるように設定されており、変動表示結果がハズレとなる場合には「3D表示」が決定され難く、変動表示結果が当りとなる場合には「3D表示」がハズレとなる場合に比較して決定され易くなっている。
また、本実施例のハズレ時用第2決定テーブルにおける2Dの「リーチ目」、3Dの「リーチ目」、「擬似連目」に対応する「3D表示」の各判定値数は、当り時用第2決定テーブルにおける2Dの「リーチ目」、3Dの「リーチ目」、「擬似連目」に対応する「3D表示」の各判定値数よりもいずれも多くなるように設定されており、変動表示結果がハズレとなる場合には「3D表示」が決定され難く、変動表示結果が当りとなる場合には「3D表示」がハズレとなる場合に比較して決定され易くなっている。
また、本実施例のハズレ時用第1決定テーブル、ハズレ時用第2決定テーブル、当り時用第1決定テーブル、当り時用第2決定テーブルのいずれにおいても、2Dの「リーチ目」については、「3D表示」よりも「2D表示」に対して多くの判定値数が割り当てられていることで、リーチ演出において非立体(2D)のリーチ演出画像が表示される2Dリーチとなる場合には「2D表示」が決定され易くなっているとともに、3Dの「リーチ目」については、「2D表示」よりも「3D表示」に対して多くの判定値数が割り当てられていることで、リーチ演出において立体(3D)のリーチ演出画像が表示される3Dリーチとなる場合には「3D表示」が決定され易くなっている。
つまり、「2D表示」が決定されて非立体(2D)による予告画像が表示された場合には2Dリーチとなる可能性が高く、「3D表示」が決定されて立体(3D)による予告画像が表示された場合には3Dリーチとなる可能性が高くなるように設定されている。
また、本実施例のハズレ時用第1決定テーブル、ハズレ時用第2決定テーブル、当り時用第1決定テーブル、当り時用第2決定テーブルのいずれにおいても、「擬似連目」については、「2D表示」よりも「3D表示」に対して多くの判定値数が割り当てられていることで、擬似連が発生する場合には「3D表示」が決定され易くなっている。
つまり、「3D表示」が決定されて立体(3D)による予告画像が表示された場合には、「2D表示」が決定されて非立体(2D)による予告画像が表示された場合よりも、擬似連が発生し易くなるように設定されている。
また、本実施例のハズレ時用第1決定テーブル、ハズレ時用第2決定テーブル、当り時用第1決定テーブル、当り時用第2決定テーブルのいずれにおいても、「擬似連目」についての「3D表示」に対して割り当てられている判定値数が、2Dの「リーチ目」についての「3D表示」に対して割り当てられている判定値数や3Dの「リーチ目」についての「3D表示」に対して割り当てられている判定値数よりも多くなるように設定されており、「3D表示」が決定されて立体(3D)による予告画像が表示された場合には2Dリーチや3Dリーチに直接移行するよりも擬似連に移行し易くなるように設定されている。
以上のように、最終的にハズレとなる場合と当りとなる場合において判定値の割り当て状態の異なる決定テーブルを使用することで、最終的に当りとなる場合とハズレとなる場合とで、立体(3D)による予告画像が表示される割合(確率)が異なるようになる、具体的には、立体(3D)による予告画像が表示され易くなるので、これら立体(3D)による予告画像が表示されるか否かを遊技者に注目させることができるようになるので、パチンコ機1の興趣を向上できる。
これらハズレ時と当り時の各第1決定テーブル並びに第2決定テーブルは、図51に示す規則(使用ルール)に基づいて使用される。
具体的には、当該変動表示において未だ予告画像の表示を実施していない第1停止(仮停止)までの初回の予告画像の表示タイミングである場合には全て第1決定テーブルを使用して「予告なし」、「2D表示」、「3D表示」のいずれかに決定する。
また、1回目の仮停止後の再変動(再変動1回目)における予告画像の表示タイミング(2回目の予告画像の表示タイミング)や、2回目の仮停止後の再変動(再変動2回目)における予告画像の表示タイミング(3回目の予告画像の表示タイミング)や、3回目の仮停止後の再変動(再変動3回目)における予告画像の表示タイミング(4回目の予告画像の表示タイミング)においては、各表示タイミングの以前において非立体(2D)の予告画像の表示が実施されていない場合には、初回と同じく第1決定テーブルを継続して使用して決定を行う。
一方、上記した2回目以降の予告画像の各表示タイミングにおいて、該表示タイミングの以前において非立体(2D)の予告画像の表示が既に実施されている場合、つまり、少なくとも1回は「2D表示」が決定されている場合には、第2決定テーブルを使用して決定を行う。
また、上記した2回目以降の予告画像の各表示タイミングにおいて、該表示タイミングの以前において立体(3D)の予告画像の表示が既に実施されている場合、つまり、少なくとも1回は「3D表示」が決定されている場合には、一義的に「3D表示」に決定する。
尚、これらの各表示タイミングにおける表示態様の決定は、各表示タイミングとなった時点で実施するのではなく、当該変動表示の開始時において決定された停止図柄目等に基づいて表示パターン(予告演出パターン)を事前に変動表示の開始時に決定して、該決定した予告演出パターンの予告演出制御パターン(プロセステーブル)をセットするようにすれば良い。
このような使用ルール(規則)により使用する決定テーブルを特定して決定に使用することで、予告画像を複数回表示して予告を実施する場合においても、一度、非立体(2D)の予告画像の表示が実施された後に予告画像が非表示とされることや、一度、立体(3D)の予告画像の表示が実施された後に非立体(2D)の予告画像の表示となったり、予告画像が非表示となったりすることを防止できるので、非立体(2D)の予告画像の表示や立体(3D)の予告画像の表示により遊技者に与えた期待感が、著しく減衰してしまうことによってパチンコ機1の興趣が低下してしまうことを防止できるようになる。
尚、前記実施例では、パチンコ機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体としてメダルを使用して遊技を行うスロットマシンや、遊技媒体が、遊技機内部に内封され、貸し出されたパチンコ玉やメダルの数や、入賞に応じて付与されたパチンコ玉やメダルの数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ玉やメダルの数が減算されて記憶される封入式遊技機や、パチンコ玉やメダルを用いずに、例えば貸出要求に応じて貸し出されたポイントや点数等の価値や入賞に応じて付与されたポイントや点数等の価値を全てクレジットとして記憶し、クレジットとして記憶された価値のみを使用して遊技を行うことが可能な遊技機であっても良い。尚、この場合には、これらポイントや点数等が遊技媒体に相当し、クレジットが遊技用価値となる。
また、前記実施例では、擬似連の演出に移行しやすい立体(3D)のスペースシャトルの画像を表示する初期予告演出が実行されたときにおいても、ノーマルリーチやスーパーリーチに移行する場合がある形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら立体(3D)のスペースシャトルの画像を表示する初期予告演出を実行したときには、必ず擬似連の演出に移行し、ノーマルリーチやスーパーリーチには移行しないようにしても良い。
また、前記実施例では、ノーマルリーチやスーパーリーチに移行しやすい非立体(2D)のスペースシャトルの画像を表示する初期予告演出を実施されたときにおいても、擬似連に移行する場合がある形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら非立体(2D)のスペースシャトルの画像を表示する初期予告演出を実行したときには、必ずノーマルリーチやスーパーリーチに移行し、擬似連には移行しないようにしても良い。
また、前記実施例では、図3に示すように、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41が中継基板77を介して主基板31に接続された形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41の一部または全てを主基板31に直接接続するようにしても良い。