まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側(遊技者側)をパチンコ遊技機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。また、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示略)と、外枠に開閉可能に取り付けられた前面枠(図示略)と、で主に構成されている。前面枠の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体としての遊技球(パチンコ球,打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が上面に形成された上皿部3aが、パチンコ遊技機1の前方(前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ遊技機1の前方(前面方向)に向けて突設されている。その右側方には、遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
操作レバー600は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガースイッチが内設されたトリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者が操作レバー600の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作レバー600の下部における下皿4aの本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知するために四方向に配置されたレバースイッチ510a〜510d(図2参照)が設けられていればよい。
また、上皿3を形成する部材には、例えば上皿3本体の上面における手前側の所定位置(例えば操作レバー600の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能な操作ボタン516が設けられている。操作ボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、操作ボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図2を参照)が設けられていればよい。
下扉枠103の前面左右側には、後述する左右一対のスピーカ27a,27bが配設されている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠(図示略)に対して着脱可能に取り付けられた透明な遊技盤6が配置されている。尚、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄)を変動表示(可変表示)する複数の変動表示領域を含む演出表示装置(変動表示装置)9が、透明な遊技盤6を透して目視できるように、該遊技盤6の背面に設けられている。また、遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8(図2参照)が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示を行う。演出表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図2参照)等の各デバイスによって制御される。
特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示(変動表示)する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aと、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示(変動表示)する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第2始動口15bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
また、演出表示装置9は、図5に示すように、立体画像(映像)を表示する画像用液晶パネル900と、該画像用液晶パネル900の後方から前方側に向けて面状光を照射するバックライト901と、画像用液晶パネル900の前面側に該画像用液晶パネル900と所定間隔を有して設けられた視差バリア用液晶パネル910とを有する、パララックスバリア方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、演出図柄の変動表示を行う。
視差バリア用液晶パネル910は、後述するように、画像用液晶パネル900に縦長短冊状に表示される右目用画像を遊技者の左目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の右目が視認することを阻止するシャッタとなる縦縞状の黒部と、右目用画像を遊技者の右目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の左目が視認することを可能とする透明部とを有する視差バリア画像を表示する視差バリア画像表示状態と、縦縞状の黒部を有さない、全ての画素が透明部とされた透過状態の表示状態とが可能とされた比較的光透明性の高い液晶パネルとされている。
つまり、本実施例の視差バリア用液晶パネル910は、遊技者の左目による右目用画像の視認を阻止するとともに遊技者の右目による左目用画像の視認を阻止するための視差バリアを含む視差バリア表示と、該視差バリアを表示しない全透過表示とが可能とされている。
なお、本実施例においては、演出表示装置9は、画像用液晶パネル900として液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、画像用液晶パネル900のデバイスとしては、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等のその他の画像表示形態の表示装置により構成されてもよい。
演出表示装置9を囲むように遊技盤6の前面に配置された飾り枠の、演出表示装置9の直上中央位置には、図1に示すように、単焦点の赤外線カメラ60が設けられており、該赤外線カメラ60によって当該パチンコ遊技機1を遊技中の遊技者の顔画像を撮像できるようになっている。
本実施例では、この赤外線カメラ60により遊技者の視点位置を検出できるようになっており、後述するように、立体画像を演出表示装置9に表示するときに、遊技者の視点位置に応じて好適な立体画像(3D画像)を表示する制御、所謂アイトラッキングを実行可能になっている。
尚、本実施の形態では、遊技者の顔画像を、可能な限り正面位置から撮像することで、焦点制御に基づく距離特定の精度を向上するように、赤外線カメラ60を演出表示装置9の直上中央位置に設けるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら赤外線カメラ60の配置位置や配置数は、使用するカメラの精度や遊技盤6の形状等に応じて適宜に決定すれば良い。
また、本実の形態では、遊技者(人体)を容易に識別するとともに、他の周囲部に比較して温度のやや低い目(眼球)の部分を特定し易いことから赤外線カメラを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら赤外線カメラ60に代えて、通常の可視光カメラを使用したり、或いは、赤外線カメラ60とともに可視光カメラを併用するようにしても良いし、可視光カメラとともにサーモグラフィカメラを使用するようにしても良い。尚、後述するように、赤外線カメラ60は、演出制御基板80に接続されている(図2参照)。
視差バリア用液晶パネル910は、遊技盤6の背面側であって、画像用液晶パネル900に重なる遊技者側前方の配置位置に固定に設けられている。
また、遊技盤6の背面側で且つ視差バリア用液晶パネル910の前面側に、画像用液晶パネル900の表示領域を開閉する上下のシャッタ201a,201bが、遊技盤6の背面側に固設されたシャッタ用モータ59a,59bの駆動により、上下方向にスライド移動可能に設けられている。前記シャッタ用モータ59a,59bは演出制御基板80に接続されており(図2参照)、すなわちシャッタ201a,201bは、演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ81の制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、上下シャッタ201a,201bの表面には、演出画像である所定のキャラクタに関連する模型が、各シャッタ201a,201bに分割して設けられている。また、シャッタ201a,201bが閉じることにより、所定のキャラクタに関連する模型が実体物として遊技者により視認されるようになっている。
演出表示装置9の下方には、遊技球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13,13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常に遊技球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13,13が設けられているため、可動片13,13が閉状態であるときに遊技球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13,13が開状態であるときに遊技球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
尚、始動入賞装置15は、可動片13,13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていても良い。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであっても良く、可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであっても良い。
始動入賞装置15の可動片13,13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13,13が開状態となることにより、遊技球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13,13が閉状態となることにより、遊技球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
遊技盤6の所定箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18(図2参照)が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。尚、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしても良く、4個よりも少ない値にしても良い。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入った遊技球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21a(図2参照)も設けられている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施例では、図示しない左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13,13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41(図2参照)が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29への遊技球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30への遊技球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。尚、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27L,27Rが設けられ、左右下部には、効果音を発する2つのスピーカ27a,27bが設けられている。尚、以下の説明では、スピーカ27L,27R,27a,27bと総称してスピーカ27と表記する場合がある。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530内の各LED等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27L,27R,27a,27bからの音発生制御(音制御)も、演出制御用マイクロコンピュータ81により実施される。
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射された遊技球は、打球誘導レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、例えば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、演出表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(例えば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りAの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および演出図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じた遊技球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13,13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。例えば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施例の場合では、例えば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、例えば1分間等の単位時間における遊技球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。例えば、単位時間における遊技球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および演出図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および演出図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
演出表示装置9において変動表示される演出図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、例えば、特別図柄の変動表示が開始されたときに演出図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに演出図柄の表示結果が導出表示されて演出図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、演出表示装置9により、左、中、右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および演出図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と演出表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、演出表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施例の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(例えば、演出表示装置9における左、中、右の変動表示領域のうち左、右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、演出表示装置9における左、中、右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、演出表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨を報知する擬似連等の大当り予告演出が行なわれる場合がある。
この実施例の場合は、大当りとして、後述するように通常大当りCおよび確変大当りAというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りCは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りAは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
図2は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図2には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、中継基板77、及び、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aからの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力回路58と、始動入賞装置15の可動片13、13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および演出図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄および演出図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いても良い。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板960において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
さらに、電源基板960からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力回路58に入力される。電源断信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力回路58に入力される。クリア信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載する出力回路78は、CPU56が出力する演出制御コマンドを、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、CPU56が出力する制御信号は、主基板31に接続された特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156が演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドには、客待ちデモ指定コマンドや可変表示コマンドが含まれる。
客待ちデモ指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ156が客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)であり、特別図柄の変動が終了してから所定時間が経過したことに応じて送出され、該客待ちデモ指定コマンドが演出制御基板80に対して送出されたときには、演出表示装置9に所定の客待ちデモ画面が表示される。つまり、通常においては、遊技者が交替するときには、遊技者が不在となる期間が存在するので、これら客待ちデモ指定コマンドは、遊技者が交替することで遊技者が不在となったと想定されるときに出力される。
また、可変表示コマンドは、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定するために、変動開始時に送信される演出制御コマンドであり、変動開始を指定するためのコマンドである。
演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9での演出表示の表示制御や効果音(演出音)の出力制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27L,27R,27a,27bからの音出力制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、レバースイッチ510a〜510dやボタンスイッチ516aからの検出信号を検知することで、操作レバー600の操作や操作ボタン516の遊技者による操作を検知する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技盤6に設けられているステージLED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDの点灯制御を行う。
この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP262が演出制御基板80に搭載されている。
VDP262は、図3に示すように、スプライト画像として用いる画像要素データとしてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等の画像データ、CGデータとも呼ぶ)などのデータが格納されるCGROM205、VRAM(ビデオRAM)領域として使用されるSDRAM210(シンクロナスDRAM)とともに表示制御回路を構成する。
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って2次元(2D)画像データや右目用画像と左目用画像から成る立体画像を表示するための立体(3D)画像データが記憶されたCGROM205から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。CGROM205は、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像の2次元或いは3次元の画像データをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU86の指令に応じて、CGROM205から画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
VDP262は、VDP262の各種設定などが格納されるシステムレジスタ202、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されるアトリビュートレジスタ203、VRAM領域の後述する描画領域への画像の描画制御を行う描画制御部206、CGROM205に格納されているCGデータをVRAM領域に転送する制御を行うデータ転送制御部211、VRAM領域の後述する表示領域に格納されている画像データを表示するためのビデオ信号(R(赤)、G(緑)、B(青))信号及び同期信号を出力する表示制御部213、表示制御部213から出力されたビデオ信号をアナログ信号に変換して演出表示装置9を構成する画像用液晶パネル900、視差バリア用液晶パネル910に出力するDAコンバータ214,215などが搭載された集積回路である。
VDP262の内部には、システムバス、CGバスが設けられており、システムバス及びCGバスはCPUインターフェイス201を介して演出制御用マイクロコンピュータ81の演出制御用CPU86と接続されているとともに、赤外線カメラ60が接続された画像処理DSP264が接続されている。更に、CGバスはCGバスインターフェイス204を介してCGROM205に接続されている。システムバスにはシステムレジスタ202が接続されているとともに、CGバスにはアトリビュートレジスタ203が接続されており、演出制御用CPU86は、システムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213はシステムバスに接続されており、システムレジスタ202にアクセスできるようになっている。また、描画制御部206、データ転送制御部211はCGバスに接続されており、CGROM205、アトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、VDP262の内部には、更にVRAMバスが設けられており、VRAMバスは、VRAMバスインターフェイス209を介してSDRAM210と接続されている。VRAMバスには、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213が接続されており、VRAMバスを介してSDRAM210のVRAM領域にアクセスできるようになっている。
システムレジスタ202には、初期設定、描画、データ転送などの命令を格納するシステム制御レジスタ、後述する割込信号の出力命令などを格納する割込制御レジスタ、VRAM領域における描画領域、パレットデータの配置領域などを格納する描画レジスタ、データ転送時の転送元のアドレス、転送先のアドレスなどを格納するデータ転送レジスタ、VRAM領域における表示領域などを格納する表示レジスタなどが割り当てられている。
CPUインターフェイス201は、Vブランク(画像を更新する周期)の開始毎に演出制御用CPU86に対してVブランク割込信号を出力するとともに、その他各種割込信号を、演出制御用CPU86に対して出力する。
表示制御部213は、表示レジスタにて指定されているVRAM領域の表示領域の画像データをビデオ信号として出力する表示処理を行う。本実施例では、Vブランク毎に表示領域及び描画領域が切り替わる。このため、あるVブランクにおいて描画領域として割り当てられた領域の描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された画像データが表示出力されることとなり、その間も他方の領域で描画が行われることとなる。
次に、本実施例のシャッタユニット200の構造について、図4にもとづいて説明する。図4に示すように、シャッタユニット200は、中央に横長長方形状の開口231が形成された四角枠状の枠板230と、枠板230の前面側に上下方向に移動可能に設けられる上シャッタ201a及び下シャッタ201bからなる上下一対のシャッタ201a,201bと、枠板230の背面側に設けられ、上下シャッタ201a,201bを駆動させるためのシャッタ用モータ59a,59bと、枠板230の前面左右側に設けられ、これら上シャッタ201a及び下シャッタ201bを連動させるための連動機構220L,221L,220R,221Rと(図1参照)、から主に構成される。
シャッタユニット200は、特に図4に示すように、遊技盤6の略中央位置に形成された開口部6aの背面側に起立姿勢で配設される。開口部6aの背面側に配設された状態において、枠板230の上下及び左右側辺部の前面側には、開口部6aに前面側から嵌合される枠状のセンター飾り11(図1参照)が配置され、遊技盤6の前面側、つまり遊技者側から枠板230の前面を視認できないようになっている(図1及び図4参照)。また、開口231は、枠板230の背面側に配設される演出表示装置9の表示部9aとほぼ同形に形成されるとともに、開口部6aの背面側に配置されるので、該開口231を介して表示部9aを遊技盤6の前面側から視認可能に形成されている。
このようにシャッタユニット200は、遊技盤6の背面と演出表示装置9の前面との間であって、センター飾り11の開口下部に形成されるステージ11aの背面側に配設されるため、ステージ11a上に乗り上がる遊技球と上下シャッタ201a,201bとが干渉することがないように、ステージ11aの後部には背面板11bが立設されている。尚、特に図示はしないが、センター飾り11の開口後面を閉塞する透明板を配設してもよく、このようにすることで、背面側に配設されるシャッタユニット200や演出表示装置9への遊技球の接触を防止してもよい。
このように構成される上シャッタ201aは、枠板230の上辺部202aの前面に配置される退避位置(図1参照)と、開口231の上部に配置され、演出表示装置9の表示部9aの上部を覆う前面位置と、の間で移動可能に設けられる。また、下シャッタ201bは、枠板230の下辺部202bの前面に配置される退避位置(図1参照)と、開口231の下部に配置され、演出表示装置9の表示部9aの下部を覆う前面位置と、の間で移動可能に設けられる。また、退避位置及び前面位置のいずれの位置に上下シャッタ201a,201bが配置されても、赤外線カメラ60が隠蔽されないようになっている。つまり上下シャッタ201a,201bの配置状態にかかわらず、赤外線カメラ60が遊技者の顔画像を撮像可能になっている。
次に、画像処理DSP264において、遊技者の目の位置を特定する視点位置特定処理について、図11に基づいて説明する。画像処理DSP264は、赤外線カメラ60にて撮像された画像を、視差バリア用液晶パネル910における視差バリア画像の更新期間(1秒を視差バリア用液晶パネル910の駆動周波数で除した値)よりも短い所定時間間隔、例えば駆動周波数が60ヘルツであれば、1/60秒=16.7ミリ秒よりも短い例えば10ミリ秒毎に取り込んで、遊技者の目の位置である視点位置を特定する。
これら視点位置を特定手法としては、前述したように、遊技者が遊技している場合には、遊技している遊技者の人体から赤外線が放射されていることから、これら放射されている赤外線を赤外線カメラ60にて撮像することで遊技者の人体部分が明るく写るので、撮像した画像中に遊技中の遊技者が存在するか否か、並びに遊技者の人体部分(頭部)の領域を容易に識別できるとともに、目の位置となる眼球については、血流の流れが他の周囲部分に比較して少ないために、通常において周囲の温度よりも低いことにより、やや暗く写ることから、該明るく認識される人体である顔部分の領域内でやや暗くなる領域部分の中心を、画像処理にて特定することにより遊技者の目の位置(視点位置)、具体的には、図11(b)に示すように、中心位置からの所定側の目(本実施の形態では、遊技者の右目)の移動距離(X;遊技者の左方向がプラス、遊技者の右方向がマイナス)として特定する。
画像処理DSP264は、これら左右方向の目の位置を、移動距離Xをパラメータ(指標)として特定するとともに、単焦点の赤外線カメラ60の焦点を合わせる焦点調整制御において、焦点の合った調整位置情報を用いて、遊技者の目から演出表示装置9までの距離D、つまり、遊技者の目の前後方向の位置を、距離Dをパラメータ(指標)として特定する。
具体的には、撮像するカメラとして単焦点の赤外線カメラ60を用いているため、距離Dと焦点が合う焦点調整の調整位置とが1対1の関係になるので、画像処理DSP264の内部に設けられている内部ROMには、予め、各焦点の調整位置情報に対応付けて距離Dの値が記憶された図示しない距離データテーブルが記憶されており、焦点が合った時点の調整位置情報に対応して距離データテーブルに記憶されている距離Dが、その時点における遊技者の目の位置から演出表示装置9までの距離Dとして特定される。
尚、本実施の形態では、赤外線カメラ60の焦点調整制御を、撮像された画像のコントラストが所定の閾値以下に低下した時に画像処理DSP264が実施するようにしており、これら焦点調整制御によって焦点が合った調整位置が変化したときに、該変化した調整位置に対応する距離Dを特定する。つまり、画像の取り込み毎に距離Dを常時特定するのではなく、焦点調整制御によって調整位置が変化する毎に距離Dを特定し、調整位置が変化しない場合、すなわち、遊技者が前後方向にあまり移動していないときには、既に特定した距離Dをそのまま使用する。
このように画像処理DSP264は、赤外線カメラ60にて撮像された画像に基づいて、遊技者の視点位置となる左右方向の距離Xと前後方向の距離Dとを特定する。
尚、本実施の形態では、赤外線カメラ60を使用しているのでコントラストによる焦点合わせの制御を実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら焦点合わせの制御方法としては、比較的高速にて焦点合わせが可能なものであって、使用するカメラに適するものであれば、公知の他の焦点合わせの手法を適用することができる。
また、画像処理DSP264は、図11(c)に示すように、遊技者の左右の目の間隔である眼間距離を、赤外線カメラ60にて撮像された画像に基づいて特定する眼間距離特定処理を、所定の遊技開始条件となる、主基板31から客待ちデモ指定コマンドの受信後における初めの可変表示コマンドを受信したことを条件に実施する。
つまり、遊技者が遊技を終了して遊技者の不在が発生した後、交替した遊技者が遊技を開始した場合には、遊技者の不在の発生に伴って客待ちデモ指定コマンドが送信され、その後、交替した遊技者が遊技を開始して始動入賞が発生することに応じて可変表示コマンドが送信されることになるので、客待ちデモ指定コマンドの受信後における初めの可変表示コマンドを受信することを条件に眼間距離特定処理を行うことで、交替した遊技者の眼間距離を的確に特定することができるとともに、これら眼間距離を特定するための特別な操作を遊技者や遊技場の係員等が実施する必要がなく、これら操作の手間を低減できるばかりか、これら眼間距離特定処理を定常的又は定期的に実施する場合等に比較して、眼間距離特定処理に要する処理負荷を著しく低減することもできる。
このように、本実施の形態では、遊技者の遊技の開始に応じて眼間距離を特定するので、一方の目となる遊技者の右目を特定することで、左目の位置をほぼ特定できることから、視点位置の特定を高速に実施できるようにするために、一方の右目のみについて位置(移動距離X)の特定を実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、右目と左目との位置を個別に特定し、これら右目と左目の位置の差から眼間距離を逐次特定して、これら特定した眼間距離に基づいて視差バリア画像を補正することにより、例えば、遊技者が頭を大きく傾けることで眼間距離が擬似的に短くなった場合においても立体画像を良好に視認できるようにしても良い。
また、画像処理DSP264の内部ROMには、前述した距離データテーブルに加えて、標準バリア画像テーブルが記憶されている。この標準バリア画像テーブルには、上述したようにして特定される遊技者の各視点位置(X,D)に対応付けて(図5参照)、視差バリア画像情報と視差バリア画像データとが記憶されている。
視点位置(X,D)は、(X0,D0)である基準位置からプラス側の(Xn,Dn)、マイナス側の(Xn’,Dn’)までの範囲における予め決定された所定の間隔毎の座標とされている。これら所定の間隔が小さい(分解能が高い)と誤差の小さい視差バリア画像の制御が可能となるがデータ容量が著しく多くなってしまい、逆に、これら所定の間隔が大きい(分解能が低い)と誤差の小さい視差バリア画像の制御が困難となるがデータ容量を小さくできることから、これら制御誤差とデータ容量とのバランスを考慮した間隔(分解能)とすることが好ましい。
視差バリア画像情報には、対応する視点位置(Xn,Dn)、(Xn’,Dn’)からの目視において、逆視画像(右目であれば左目用画像、左目であれば右目用画像を指す)の視認を適切にブロックできる縦縞状の黒帯部(シャッタ)と、正視画像(右目であれば右目用画像、左目であれば左目用画像を指す)の視認を可能とする非黒帯部(ブランク)の幅のデータが、画面の一方端からの距離となる画素数を用いて記述されている。
また、視差バリア画像データには、対応する視差バリア画像情報にて記述された黒帯部(シャッタ)と非黒帯部(ブランク)とが交互配列された視差バリア画像に固有に付与された画像IDが格納されており、内部ROMに記憶されている該画像IDの視差バリア画像データを読み出すことで、その都度、視差バリア画像情報から視差バリア画像データをいちいち生成することなく、視差バリア画像データを迅速に得ることができるようになっている。
また、画像処理DSP264は、図示しない内部RAMを有しており、該内部RAMには、遊技者用バリア画像テーブルが記憶されている。この遊技者用バリア画像テーブルは、前述した所定の遊技開始条件の成立に応じて眼間距離特定処理が実施されて眼間距離が特定される毎に更新される。
眼間距離は、眼間距離が大きい遊技者もいれば、眼間距離が小さい遊技者もいるように、個々の遊技者で異なるので、通常において遊技者が交代した場合には眼間距離が変更する。これら眼間距離が変更した場合には、図10に示すように、立体画像の良好な表示を確保するためには、逆視画像の適切なブロックと正視画像の適切な視認とを行うために黒帯部(シャッタ)と非黒帯部(ブランク)の位置や幅等を変更する、具体的には、眼間距離が大きい場合には、黒帯部(シャッタ)の位置を両端(外部)方向に移動するとともに幅を拡大するように変更し、眼間距離が小さい場合には、黒帯部(シャッタ)の位置を中心(内部)方向に移動するとともに幅を縮小するように変更することが必要となる。
よって、特定した新たな眼間距離と、内部ROMに記憶されている前述した補正データとに基づいて、当該遊技者並びに当該パチンコ遊技機1に特化(最適化)した各視点位置からの視差バリア画像である特化画像を新たに生成して、当該視点位置のパラメータである(Xn,Dn)、(Xn’,Dn’)を含むIDを付与して内部RAMに事前記憶する。
尚、画像処理DSP264の内部ROMには、眼間距離や補正データに応じて標準バリア画像から特化画像を生成するアルゴリズムが記述された特化画像生成プログラムが予め記憶されており、該特化画像生成プログラムを実行することにより、視差バリアとなる黒帯部(シャッタ)の表示位置、表示幅、隣接する黒帯部(シャッタ)との間隔(ピッチ)の少なくともいずれか1つが適正化された特化画像が生成される。
そして、これら生成された特化画像のIDと視差バリア画像情報とが、各視点位置(Xn,Dn)、(Xn’,Dn’)に対応付けて遊技者用バリア画像テーブルに記憶されることで、特定した各視点位置に対応する特化画像を迅速に特定して内部RAMから読み出して視差バリア用液晶パネル910に表示させることができるようになっている。
ここで、遊技者の視点位置が変化することに応じて、遊技者の視点位置に応じて好適な立体画像(3D画像)を表示する制御(アイトラッキング)が実行されて視差バリア画像が変化する状況について、図5〜図9に基づいて説明する。
尚、図5〜図9においては、画像用液晶パネル900には、VDP262により、演出制御用CPU86からの指示に基づいて画像データROM263から読み出された立体画像を成す、縦方向の帯状とされた所定幅の右目用画像(R)と左目用画像(L)とが交互に表示されている。
本実施の形態では、右目用画像(R)と左目用画像(L)との表示幅を均一としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら表示幅を、画面の中央部と端部とで異なるようにしても良い。
遊技者の視点位置が、例えば基準位置となるX0,D0にあった場合には、図5に示すように、X0,D0に対応する特化画像ID(X0,D0)の特化画像が、画像処理DSP264により視差バリア用液晶パネル910に表示されることで、右目についは、画像用液晶パネル900に表示されている各左目用画像(L)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各右目用画像(R)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、右目には右目用画像(R)のみが提供される一方、左目についは、画像用液晶パネル900に表示されている各右目用画像(R)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各左目用画像(L)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、左目には左目用画像(L)のみが提供されることで、遊技者は、偏向メガネ等を装着することなく、裸眼の状態で、立体画像を視聴することができる。
遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(X0,Dz;Zは0からnまでの範囲の変数)の後方(遠方)に移動した場合には、図6に示すように、X0,Dzに対応する特化画像ID(X0,Dz)の特化画像、具体的には、図5のX0,D0の特化画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に外側(両側端側)に移動するとともに黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや広がった特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル910に表示されることで、特に画面の両端部領域において逆視画像が視認されてしまうことが防止され、良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の後方(遠方)に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル910上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に外側(両側端側)に移動するとともに、黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してやや広幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が後方(遠方)に移動したとしても、これら後方(遠方)への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の後方(遠方)への移動によっても行うことができる。
尚、図5〜図10においては、理解を助けるために、画像用液晶パネル900と視差バリア用液晶パネル910との距離L1に比較して、視差バリア用液晶パネル910と遊技者の目との距離L2を、図示の都合上、実際の長さよりも著しく小さく示しているために、右目と左目の視線を示す線分が交錯する交錯位置が、視差バリア用液晶パネル910よりも前方側或いは後方側に移動しているが、これら交錯位置の実際の移動量は非常に少ないものとなる。
一方、遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(X0,Dz’)の前方(近方)に移動した場合には、図7に示すように、X0,Dz’に対応する特化画像ID(X0,Dz’)の特化画像、具体的には、図5のX0,D0の特化画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に中心側に移動するとともに黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや狭まった特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル910に表示されることで、特に画面の両端部領域において逆視画像が視認されてしまうことがより良く防止され、より良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の前方(近方)に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル910上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に中心側に移動するとともに、黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してやや狭幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が前方(近方)に移動したとしても、これら前方(近方)への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の前方(近方)への移動によっても行うことができる。
また、遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(Xz,D0)である左方向に移動した場合には、図8に示すように、Xz,D0に対応する特化画像ID(Xz,D0)の特化画像、具体的には、図5のX0,D0の特化画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に左方向に移動するとともに、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや狭く、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや広い特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル910に表示されることで、特に移動方向である左と反対方向の右側端部領域において逆視画像が視認されてしまうことが防止され、良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の左方向に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル910上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に左方向に移動するとともに、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや狭幅とされる一方、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや広幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が左方向に移動したとしても、これら左方向への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の左方向への移動によっても行うことができる。
また、遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(Xz’,D0)である右方向に移動した場合には、図9に示すように、Xz’,D0に対応する特化画像ID(Xz’,D0)の特化画像、具体的には、図5のX0,D0の特化画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に右方向に移動するとともに、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや狭く、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや広い特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル910に表示されることで、特に移動方向である右と反対方向の左側端部領域において逆視画像が視認されてしまうことが防止され、良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の右方向に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル910上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に右方向に移動するとともに、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや広幅とされる一方、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや狭幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が右方向に移動したとしても、これら右方向への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の右方向への移動によっても行うことができる。
尚、これら各特化画像(視差バリア画像)の表示中において、遊技者が急激に左または右に移動することにより、移動に対応した特化画像(視差バリア画像)を表示することが困難となる場合には、右目に左目用画像が視認され、左目に右目用画像が視認される逆視状態となって、気分が悪くなってしまう等の不都合が遊技者に生じてしまうことを回避するために、これら一定の閾値以上の急激な左右の移動が発生した場合においては、画像処理DSP264から演出制御用CPU86に対して急激移動の発生を通知して、演出制御用CPU86からVDP262に対して、立体(3D)画像ではなく、2次元(2D)画像の表示指示を出力させるとともに、特化画像(視差バリア画像)の表示を中断する(全てを透過部とする)ことで、逆視状態となることを回避するようにすることが好ましい。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における変動パターンについて、図14を用いて説明する。図14は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図14に示すように、この実施例では、可変表示結果が「ハズレ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−2(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−1とノーマルPB2−3(ノーマルリーチA)、ノーマルPB2−2とノーマルPB2−4(ノーマルリーチB)、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図14に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図14に示すように、この実施例では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−5とノーマルPB2−7(ノーマルリーチA)、ノーマルPB2−6とノーマルPB2−8(ノーマルリーチB)、スーパーPB3−4〜スーパーPB3−5、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1(ノーマルリーチA)〜特殊PG2−2(ノーマルリーチB)の変動パターンが用意されている。なお、図14において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、確変大当りBまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンであり、確変大当りBまたは小当りとなる場合には、ノーマルリーチA(非立体画像)のリーチ演出を含む特殊PG2−1や、ノーマルリーチB(立体画像)のリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定される場合がある。また、図14に示すように、確変大当りBまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、確変大当りBまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3、特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
なお、この実施例では、図14に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は6.75秒で固定であり、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が26.75秒で固定であり、スーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図15は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する確変大当りA、確変大当りB、通常大当りC)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施例では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、各種ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施例では、確変大当りAまたは通常大当りCである場合には、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、各種ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、ノーマルリーチとスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、確変大当りBである場合には、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合にも、確変大当りBである場合と同じく、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、「ハズレ」である場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、各種ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、各種ノーマルリーチおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、ノーマルリーチとスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、とに種別分けされている。
図16(a)は、大当り判定テーブル130aを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図16(a)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図16(a)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図16(a)に記載されている数値が大当り判定値である。
図16(b),(c)は、小当り判定テーブル130b,130cを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bと、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cとがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bには、図16(b)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cには、図16(c)に記載されている各数値が設定されている。また、図16(b),(c)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図16(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する確変大当りA、確変大当りB)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図16(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図16(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図16(b),(c)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施例では、図16(b),(c)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合には70分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)130cを用いる場合には120分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施例では、第1始動口15aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動口15bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
また、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合に小当りと決定される割合(1/70)は、確変大当りBに決定する割合(1/1596(低確時)、1/160(高確時))に比較して高く、小当りが確変大当りBよりも高頻度にて発生するようになっている。
図16(d)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、遊技球が第1始動口15aに入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)および遊技球が第2始動口15bに入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示においても、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示においても、同一の大当り種別判定テーブル131aが使用されて、大当り種別が決定される。
大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「通常大当りC」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、「確変大当りA」に対して15個の判定値が割り当てられ(40分の15の割合で確変大当りAと決定される)、「確変大当りB」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で確変大当りBと決定される)、「通常大当りC」に対して20個の判定値が割り当てられている(40分の20の割合で通常大当りCと決定される)。従って、この実施例では、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、「確変大当りA」となる確率は「確変大当りB」となる確率よりも高いが、第1始動口15aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動口15bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りA」または「確変大当りB」または「通常大当りC」と決定される割合は同じである。なお、第1始動口15aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動口15bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合を異ならせてもよい。
また、この実施例では、図16(d)に示すように、第2特定遊技状態としての2ラウンドの確変大当りBと、この確変大当りBと比較して、ラウンド数を多くした第1特定遊技状態としての確変大当りAと、を決定する場合を説明するが、付与される遊技価値は、この実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第2特定遊技状態と比較して、大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とでラウンド数が同じ5ラウンドであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を5回開放したときに(この場合、第2特定遊技状態の場合には5ラウンド全てを終了し、第1特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第2特定遊技状態の場合には内部的に5ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も5回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
「確変大当りA」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態(確変・時短状態、高確高ベース状態)に移行させる大当りである。大当り終了後、次の大当りが発生するまで確変状態並びに時短状態が継続する。
「確変大当りB」とは、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が「確変大当りA」に比べて短くかつラウンド数も少ない2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態にのみ移行させる大当りである。大当り終了後、次の大当りの発生まで確変状態が継続する。ただし、大当り終了後に時短状態には移行せずに低ベース状態に移行される。従って、この実施例では、確変大当りBの終了後、次の大当りが発生するまでは高確率状態のみとされ、高ベース状態には移行されない(高確低ベース状態)。
つまり、「確変大当りA」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長くラウンド数も15ラウンドと多いのに対して、「確変大当りB」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.5秒と短いとともに、ラウンド数も2ラウンドと少なく、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施例では、その確変大当りBの大当り遊技状態の終了後には確変状態に移行されるが高ベース状態には移行しない。
なお、この実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.5秒間ずつ2回行われ、「確変大当りB」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の高速開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、例え遊技者が大入賞口の開放を確認できたとしても、「確変大当りB」または「小当り」のいずれにもとづく開放なのかを特定しにくく、しかもその後の遊技状態が確変状態または通常状態のいずれに移行したかを特定することもできなくなるため、遊技者にわからないように、確変大当りBを発生させ、かつ、該大当りの終了後に遊技状態を確変状態に移行させる、つまり確変状態を潜伏させることができる。また、逆に、低確状態において確変大当りBと同様の演出制御が実施される小当りを発生させることで、該小当りの終了後は遊技状態が確変状態に移行しないので、低確状態を潜伏させることができる。
「通常大当りC」とは、確変大当りAと同じく15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態とはならずに、変動表示を100回終了するまで(始動回数が100回となるまで)、時短状態のみの低確高ベース状態に移行させる大当りである。つまり、大当り終了後、変動表示が100回となるまで時短状態が継続する。
図17(a)は、確変大当りA/通常大当りC用変動パターン種別判定テーブル132aを示す説明図である。確変大当りA/通常大当りC用変動パターン種別判定テーブル132aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
確変大当りA/通常大当りC用変動パターン種別判定テーブル132aには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が、大当りの種別毎に設定されている。
これら判定値の数としては、図17(a)に示すように、大当りの種別が「確変大当りA」である場合には、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2に比較してスーパーCA3−3の判定値の数が多くなるように設定されており、「確変大当りA」となる場合には、変動パターンとしてスーパーリーチが多く決定されるように設定されている。
一方、大当りの種別が「通常大当りC」である場合には、スーパーCA3−3に比較してノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2の判定値の数が多くなるように設定されており、「通常大当りC」となる場合には、変動パターンとしてノーマルリーチが多く決定されるように設定されている。
また、図17(b)は、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを示す説明図である。確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bは、ランダムR並びにランダム1に基づく当り種別の判定において、確変大当りB及び小当りが決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、図17(b)に示すように、確変大当りBまたは小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2のうちいずれかが決定される場合が示されている。
また、確変大当りBでは、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、確変大当りBとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチBを含む特殊PG2−2等の擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがハズレとなる演出が実施された後、再変動が2回実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
また、小当りについては、該小当りとすることに決定された時点の遊技状態が、高確状態であるか、低確状態であるか、つまり、確変フラグがセットされているか否かに応じて、判定値の割り当てが異なっている。
具体的には、高確時の小当りでは、確変大当りBと同様に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、高確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
一方、低確時の小当りでは、確変大当りBとは逆に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜201の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して202〜251の判定値が割り当てられており、低確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチAを含む特殊PG2−1等の滑りの演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがハズレとなる演出が実施された後、滑り変動が実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
このように、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBの場合には、立体画像によるノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定され、高確状態に移行しない小当りの場合には、非立体画像によるノーマルリーチAのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴わない滑りの変動パターンが多く決定されることで、ノーマルリーチBや擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に確変大当りBの遊技状態(小当りの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、発生したのが高確状態に移行する確変大当りBである可能性が高いのではとの期待感を与えることができるようになっている。
つまり、潜伏条件が成立する確変大当りBや小当りが発生するときにおいては、変動パターンとしてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときよりも高確(確変)状態に移行しない小当りのときにおいて多く決定され、変動パターンとしてノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行しない小当りのときよりも高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときにおいて多く決定される。
尚、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBのときと、高確状態に移行しない小当りのときとで、決定される変動パターンの種別が異なるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態に移行する確変大当りBであるか高確状態に移行しない小当りであるかにかかわらずに、変動パターンを選択して決定するようにしても良い。
また、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるので、擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に小当りの遊技状態(確変大当りBの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、確変大当りBと同じく、その後の遊技状態が高確状態となっている可能性が高いのではとの期待感を与えることができる。
尚、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態における小当りの場合にも、低確状態における小当りと同様に、擬似連の演出を伴わない滑り変動パターン種別である特殊CA4−1が多く決定されるようにしても良い。
図18(a),(b)は、ハズレ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bを示す説明図である。ハズレ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bは、可変表示結果をハズレ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各ハズレ用変動パターン種別判定テーブルA,Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−8の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図18(a)〜(b)に示すように、この実施例では、ハズレである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチBのいずれか)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図18(a)示す通常用のハズレ用変動パターン種別判定テーブルA135aにおいては、超短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や、短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)を含む非リーチCA2−3や、擬似連3回よりも変動時間が短い擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に対して判定値の割り当てがないのに対し、短縮用のハズレ用変動パターン種別判定テーブルB135bでは、該非リーチCA2−3に対して100〜199の判定値が割り当てられているとともに、擬似連3回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−5に代えて擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に判定値が割り当てられていることにより、変動時間が短い非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)が決定されるようになるため、変動時間の平均時間が通常よりも短縮されることで、単位時間当たりに実施される変動回数が多くなる。
図19(a),(b)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図19(a)に示す例では、変動パターン種別として、各種のノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、各種のノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図19(b)に示す例では、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図19(b)において、擬似連の演出の有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、リーチ演出の有無や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出となる擬似連の演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1、特殊PG1−2、特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出となる擬似連の演出を伴う特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成すれば良い。
図20は、ROM54に記憶されているハズレ変動パターン判定テーブル138aを示す説明図である。ハズレ変動パターン判定テーブル138aは、可変表示結果を「ハズレ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ハズレ変動パターン判定テーブル138aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
次に、遊技機の動作について説明する。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降の図示しないメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(S8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、S43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ156が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ81は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ156が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄(演出図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ81である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図21に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ81に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にハズレ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がハズレ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にハズレ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
図22および図23は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動口15aに遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動口15aへの始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。また、CPU56は、第2始動口15bに遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14bがオンしていたら、すなわち第2始動口15bへの始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(S313,S314)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14bがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ81に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ81に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ156が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ81に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ81に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ81に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。図24は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ81(具体的には、演出制御用CPU86)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU86は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S700)。その後、演出制御用CPU86は、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S701)。
その後、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU86は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU86は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。また、タイマ割込が発生していない場合には、S701の乱数更新処理を実施して再度S702に戻る。
演出制御処理において、演出制御用CPU86は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU86は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。その後、S701に移行する。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
図25は、演出制御用マイクロコンピュータ81が用いる乱数を示す説明図である。図25に示すように、この実施例では、予告演出決定用乱数SR1、擬似連において演出画像を非立体から立体に変更するか否かとともに、変更する場合の変更タイミングとを決定するために使用される3D表示変更タイミング決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
予告演出決定用乱数SR1は、予告演出を実施するか否かを決定するために使用される乱数であり、1〜100の数値範囲の値をとる。
3D表示変更タイミング決定用乱数SR2は、擬似連において演出画像を非立体から立体に変更するか否かとともに、変更する場合の変更タイミングとを決定するために使用される3D表示変更タイミングを決定するために使用される乱数であり、1〜105の数値範囲の値をとる。
尚、これらSR1〜SR2の乱数を生成するためのカウンタがRAMに形成されている。そして、各カウンタの数値は、図24に示す乱数更新処理(S706)で更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(図25に示された範囲における最大値)を越えると下限値(図25に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
演出制御用マイクロコンピュータ81におけるROMには、図柄変動制御パターンテーブル(図示略)を初めとする、予告演出の演出制御パターンを含む予告演出制御パターンテーブル(図示略)、擬似連やノーマルリーチやスーパーリーチ等の各種の変動パターンにおける演出制御パターンや、大当り状態や小当り状態における演出制御パターンを含む各種演出制御パターンテーブル(図示略)等が記憶されている。図柄変動制御パターンテーブル(図示略)には、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、並びに音制御実行データ、操作ボタン516や操作レバー600の操作受付け開始タイミングや操作受付け終了タイミング等の操作制御実行データ、といった演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
なお、図柄変動制御パターン、予告演出制御パターン、各種演出制御パターン各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
これら演出制御パターンは、例えばプロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作制御実行データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データとなるプロセスデータから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
プロセスタイマ設定値は、演出制御用CPU86における演出制御用のプロセスタイマの格納値であるプロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、プロセスタイマ設定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU86において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における各演出図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御実行データは、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。音制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における演出図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、各スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音制御実行データは、各スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御実行データには、例えば装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28cといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御実行データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御実行データ、ランプ制御実行データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用役物が備える可動部材における動作態様を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
演出制御用CPU86は、これら演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、プロセスタイマ値がプロセスタイマ設定値のいずれかと合致したときには、そのプロセスタイマ設定値と対応付けられた演出制御実行データに含まれる表示制御実行データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させる制御を行う。また、音声制御実行データにより指定される態様で各スピーカ27から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御実行データにより指定される態様で装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c等の発光体を点滅させる制御を行う。なお、プロセスタイマ設定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
尚、演出制御用マイクロコンピュータ81におけるRAMには、第1保留記憶表示部並びに第2保留記憶表示部の表示を行うための第1保留表示バッファと第2保留表示バッファや、時短回数をカウントするための時短回数カウンタ等が設けられている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81におけるROMには、図26に示す、予告演出を実施するか否かの決定において使用される予告演出決定テーブルや、図27(a)、(b)に示す、主基板31にて決定された変動パターンが擬似連の変動パターンであるときにおいて、擬似連の演出画像を立体(3D)表示に変更するタイミング決定するための3D表示変更タイミング決定テーブルが記憶されている。
本実施例の予告演出決定テーブルには、図26に示すように、変動パターンの種別として、2回の再変動を伴う「擬似連2回」の変動パターンと、3回の再変動を伴う「擬似連3回」の変動パターンと、3D(立体)のリーチ演出画像が表示される3Dリーチ(擬似連なし)の演出パターン(具体的には、ノーマルリーチB、スーパーリーチBの変動パターンが該当する)と、これら以外の変動パターンのそれぞれについて、予告演出を実施するとともに該予告演出の演出画像の表示を非立体にて実施する「2D表示」と、予告演出を実施するとともに該予告演出の演出画像の表示を立体にて実施する「3D表示」と、予告演出を実施しない「予告なし」とに、図26に示す判定値数となるように、SR1の判定値が割り当てられている。
具体的には、「擬似連2回」の変動パターンについては、「2D表示」に25個の判定値、「3D表示」に60個の判定値、「予告なし」に15個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが2回の再変動を伴う擬似連である場合、つまり、非リーチPA1−4、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2、ノーマルPB2−5、ノーマルPB2−6、特殊PG1−3、特殊PG2−2のいずれかの変動パターンである場合には、該「擬似連2回」に対応して「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、予告演出の態様として「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
また、「擬似連3回」の変動パターンについては、「2D表示」に20個の判定値、「3D表示」に70個の判定値、「予告なし」に10個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが3回の再変動を伴う擬似連である場合、つまり、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4、ノーマルPB2−7、ノーマルPB2−8のいずれかの変動パターンである場合には、該「擬似連3回」に対応して「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR2の判定値が格納されている項目により、予告演出の態様として「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
また、「3Dリーチ(擬似連なし)」の変動パターンについては、「2D表示」に30個の判定値、「3D表示」に50個の判定値、「予告なし」に20個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが3D(立体)のリーチ演出画像が表示される3Dリーチ(擬似連なし)である場合、つまり、ノーマルPA2−2、スーパーPB3−2、ノーマルPA2−4、スーパーPB3−5のいずれかの変動パターンである場合には、該「3Dリーチ(擬似連なし)」に対応して「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR2の判定値が格納されている項目により、予告演出の態様として「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
尚、本実施例では、図26に示すように、「3D表示」に対して割り当てられている判定値数が、再変動2回の擬似連においては「60」であるのに対し、再変動3回の擬似連においては「70」とされていることで、再変動回数が多くなる程「3D表示」が決定され易い、つまり、立体(3D)画像の予告演出が実施された場合には再変動2回の擬似連よりも再変動3回の擬似連の方が発生しやすくなるように設定されている。
また、「3D表示」に対して割り当てられている判定値数が、擬似連においては「60」、「70」であるのに対し、3Dリーチ(擬似連なし)においては「50」とされていることで、立体(3D)画像の予告演出が実施された場合には、擬似連に移行する割合が高くなるように設定されている。
また、「上記以外」の変動パターン、つまり、擬似連または3Dリーチ(擬似連なし)以外の変動パターン(2Dのノーマルリーチや2Dのスーパーリーチを含む)については、「2D表示」に35個の判定値、「3D表示」に10個の判定値、「予告なし」に55個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが擬似連または3Dリーチ(擬似連なし)以外の変動パターンである場合、つまり、非リーチPA1−0〜PA1−3、ノーマルPA2−1、スーパーPB3−1、ノーマルPA2−3、スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−2、特殊PG2−1のいずれかの変動パターンである場合には、該「上記以外」に対応して「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR2の判定値が格納されている項目により、予告演出の態様として「2D表示」、「3D表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
尚、本実施例では、図26に示すように、「3D表示」に対して割り当てられている判定値数が、「上記以外」においては「10」であり、再変動2回、再変動3回、3Dリーチ(擬似連なし)の項目に格納されている「60」、「70」、「50」に対して著しく少なく設定されているとともに、「2D表示」に対して割り当てられている判定値数が、「上記以外」においては「35」であり、再変動2回、再変動3回、3Dリーチ(擬似連なし)の項目に格納されている「25」、「20」、「30」に対して多く設定されおり、「上記以外」の変動パターン、例えば、2Dのノーマルリーチや2Dのスーパーリーチが実施される場合には「2D表示」が決定され易い、つまり、非立体(2D)画像の予告演出が実施された場合には3D(立体)のノーマルリーチやスーパーリーチが発生せずに非立体(2D)のノーマルリーチや2Dのスーパーリーチや非リーチの演出がしやすくなるように設定されている。
また、本実施例では、各擬似連の変動パターンに対応する「2D表示」の項目についても判定値が割り当てられていることで、擬似連の変動パターンが発生する場合であっても、「2D表示」の予告演出が決定されるとともに、後述するように、該擬似連の途中において「3D表示」に表示が変更されるように決定される場合があり、このように決定されることにより、「2D表示」の予告が実施された後に実施される擬似連の途中において「3D表示」に表示が変更される演出が実施される場合がある。
本実施例の3D表示変更タイミング決定テーブルは、図27(a)に示す、可変表示結果がハズレの図柄の組合せとなるときに使用される3D表示変更タイミング決定テーブル(ハズレ時)と、図27(b)に示す、可変表示結果が大当りの図柄の組合せとなるときに使用される3D表示変更タイミング決定テーブル(当り時)とから構成されている。
各3D表示変更タイミング決定テーブルには、図27に示すように、変動パターンの種別として、2回の再変動を伴う「擬似連2回」の変動パターンと、3回の再変動を伴う「擬似連3回」の変動パターンのそれぞれについて、「再変動1回目」、「再変動2回目」、「再変動3回目」、「変更なし」とに、図27に示す各判定値数となるように、SR2の判定値が割り当てられている。
具体的に、3D表示変更タイミング決定テーブル(ハズレ時)においては、図27(a)に示すように、「擬似連2回」の変動パターンについては、「再変動1回目」に10個の判定値、「再変動2回目」に25個の判定値、「変動なし」に70個の判定値がそれぞれ割り当てられ、「擬似連3回」の変動パターンについては、「再変動1回目」に6個の判定値、「再変動2回目」に17個の判定値、「再変動3回目」に27個の判定値、「変動なし」に55個の判定値がそれぞれ割り当てられている。
一方、3D表示変更タイミング決定テーブル(当り時)においては、図27(b)に示すように、「擬似連2回」の変動パターンについては、「再変動1回目」に53個の判定値、「再変動2回目」に42個の判定値、「変更なし」に10個の判定値がそれぞれ割り当てられ、「擬似連3回」の変動パターンについては、「再変動1回目」に68個の判定値、「再変動2回目」に32個の判定値、「再変動3回目」に5個の判定値、「変更なし」に0個の判定値がそれぞれ割り当てられている。
つまり、可変表示結果がハズレの図柄の組合せになる場合の擬似連においては、「変更なし」に多くの判定値が割り当てられていることにより、各再変動における演出において、立体(3D)画像への変更が発生しにくくなるとともに、変更が発生しても、再変動3回目が再変動2回目よりも判定値数の割り当てが多く、再変動2回目が再変動1回目よりも判定値数の割り当てが多く設定されることにより、遅いタイミングにて立体(3D)画像への変更が発生するように設定されている。
一方、可変表示結果が大当りの図柄の組合せになる場合の擬似連においては、「変更なし」に割り当てられている判定値がすくなく、各再変動における演出において、立体(3D)画像への変更が発生し易くなるとともに、再変動1回目が再変動2回目よりも判定値数の割り当てが多く、再変動2回目が再変動3回目よりも判定値数の割り当てが多く設定されることにより、早いタイミングにて立体(3D)画像への変更が発生するように設定されている。
つまり、擬似連において立体(3D)画像への変更が早い段階で発生した場合には、最終的に大当りの図柄の組合せになる可能性が高くなるように各判定値が設定されているので、遊技者に、これら擬似連において立体(3D)画像への変更が発生するか否かや、どの段階で変更するのかを注目させることができるようになるので、擬似連における興趣を向上することができる。
尚、本実施例では、擬似連または3Dリーチ(擬似連なし)において、演出画像であるキャラクタA〜Dを立体画像(3D画像)として表示するときに、後述するように、遊技者の視点位置に応じて好適な立体画像を表示する制御(アイトラッキング)が実行される。
図28は、図24に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU86は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ156から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
当り遊技中処理(S805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(S806)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(S806):演出表示装置9において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
なお、本実施例では、小当りが発生した場合においては、S804〜806において、確変大当りBが発生した場合と同様の演出処理を実施することで、発生したのが、確変状態に移行する確変大当りBであるのか、確変状態に移行しない小当りが発生したのかを遊技者が判別できないようになっている。
図29は、図28に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU86は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S821)。尚、変動パターンコマンド格納領域には、主基板31から受信した変動パターンを特定可能な変動パターンコマンドが格納されている。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(S822)。この場合、演出制御用CPU86は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する表示結果2指定コマンドである場合において、演出制御用CPU86は、例えば、停止図柄として3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。受信した表示結果指定コマンドが通常大当りCに該当する表示結果4指定コマンドである場合においては、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りB或いは小当りに該当する表示結果3〜8指定コマンドである場合においては、停止図柄として、予めチャンス目として設定されている図柄の複数の組合せ(例えば「135」、「334」、「787」…などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが、ハズレに該当する表示結果1指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(ハズレ図柄)を決定する。尚、演出図柄の組合の中には、ハズレ図柄並びにチャンス目の双方に含まれるものが存在し、小当りの場合とハズレの場合とで同一の停止図柄となる場合が存在する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU86は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。よって、確変大当りBと小当りにおいては、同一の停止図柄が決定される場合があり得る。
そして、S823に進み、予告演出を実施するか否かとともに、実施を決定した予告演出や擬似連に関する設定を行う、図30に示す予告演出設定処理を実施する。
そして、S824に進んで、予告演出または擬似連の実施が決定されているか否か、具体的には、後述するS834にてセットされる予告演出実行決定フラグ、またはS835+にてセットされる擬似連フラグがセットされているか否かを判定する。
予告演出実行決定フラグまたは擬似連フラグがセットされている場合には、S825+に進んで、予告演出開始待ち時間を特定し、該特定した待ち時間を予告演出開始待ちタイマにセットした後、S825に進む。
一方、予告演出実行決定フラグまたは擬似連フラグがセットされていない場合には、S825+を経由することなくS825に進み、変動パターンコマンドに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S826)。
そして演出制御用CPU86は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、操作ボタン516や操作レバー600)の制御を実行する(S827)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP262に指令を出力する。また、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDに対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施例では、演出制御用CPU86は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU86は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S828)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S829)。
図30は、演出図柄変動開始処理における予告演出設定処理(S823)の処理内容を示すフローチャートである。
本実施例の予告演出設定処理においては、まず、予告演出決定用乱数SR1を抽出する(S831)。
次いで、該抽出した予告演出決定用乱数SR1と図26に示す予告演出決定テーブルと当該変動表示(可変表示)における変動パターンの種別に基づいて予告演出の実施、非実施と、実施する場合における演出画像である所定のキャラクタA〜Dの画像の表示種別(2D(非立体)表示、3D(立体)表示)とを決定する。
具体的には、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドから該変動表示(可変表示)における変動パターンの種別を特定して、予告演出決定テーブルにおけるどの変動パターンに対応する判定値を使用するかを決定する。つまり、変動パターンコマンドから特定される変動パターンの種別が、2回の再変動を伴う擬似連の変動パターンである場合には「擬似連2回」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定し、3回の再変動を伴う擬似連の変動パターンである場合には「擬似連3回」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定し、3D(立体)のリーチ演出画像が表示される3Dリーチ(擬似連なし)の演出パターンある場合には「3Dリーチ(擬似連なし)」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定し、これら以外の演出パターンある場合には「上記以外」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定する。
そして、これら使用対象に決定した該変動表示(可変表示)における変動パターンについての判定値において、S831にて抽出したSR1の判定値が「2D表示」の項目に格納されている判定値に該当する場合には2D表示による予告演出を実施することを決定し、抽出したSR1の判定値が「3D表示」の項目に格納されている判定値に該当する場合には3D表示による予告演出を実施することを決定し、抽出したSR1の判定値が「予告なし」の項目に格納されている判定値に該当する場合には予告演出を実施しないことを決定する。
そして、S833に進み、S832において予告演出を実施することを決定したか否かを判定し、予告演出を実施することを決定した場合にはS834に進んで予告演出実行決定フラグをセットしてS835に進む一方、予告演出を実施しないことを決定した場合にはS834を経由することなくS835に進む。
S835では、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドから該変動表示(可変表示)における変動パターンの種別が擬似連の変動パターンであるか否かを判定する。
擬似連の変動パターンでない場合には、当該予告設定処理を終了する一方、擬似連の変動パターンである場合には、S835+に進み、擬似連フラグをセットした後にS836に進み、3D表示変更タイミング決定用乱数SR2を抽出した後、表示結果が当りとなるか否かを変動パターンコマンドから判定する(S837)。
つまり、変動パターンコマンド格納領域に格納されている当該変動表示の変動パターンコマンドが、ハズレの変動パターンコマンドである場合には表示結果がハズレであると判定し、確変大当りA・Bまたは通常大当りCとなる変動パターンコマンドである場合には表示結果が当りであると判定する。
表示結果がハズレである場合には、S839に進み、図27(a)の3D表示変更タイミング決定テーブル(ハズレ時)とS836にて抽出した3D表示変更タイミング決定用乱数SR2とに基づいて当該擬似連における演出表示を3Dの表示に変動するか否かとともに、変更する場合における変更タイミングをどの再変動時とするかを決定する。
一方、表示結果が当りである場合には、S838に進み、図27(b)の3D表示変更タイミング決定テーブル(当り時)とS836にて抽出した3D表示変更タイミング決定用乱数SR2とに基づいて当該擬似連における演出表示を3Dの表示に変動するか否かとともに、変更する場合における変更タイミングをどの再変動時とするかを決定する。
具体的には、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドから該変動表示(可変表示)における擬似連の変動パターンの種別(再変動2回、再変動3回)を特定して、3D表示変更タイミング決定テーブルにおけるどの変動パターンに対応する判定値を使用するかを決定する。つまり、変動パターンコマンドから特定される擬似連の変動パターンの種別が、2回の再変動を伴う擬似連の変動パターンである場合には「擬似連2回」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定し、3回の再変動を伴う擬似連の変動パターンである場合には「擬似連3回」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定する。
そして、これら使用対象に決定した該変動表示(可変表示)における変動パターンについての判定値において、S836にて抽出したSR2の判定値が「再変動1回目」の項目に格納されている判定値に該当する場合には、3D表示に変更するとともにその変更タイミングを1回目の再変動における変動表示において実施すると決定し、抽出したSR2の判定値が「再変動2回目」の項目に格納されている判定値に該当する場合には、3D表示に変更するとともにその変更タイミングを2回目の再変動における変動表示において実施すると決定し、抽出したSR2の判定値が「再変動3回目」の項目に格納されている判定値に該当する場合(擬似連3回の変動パターンの場合のみ)には、3D表示に変更するとともにその変更タイミングを1回目の再変動における変動表示において実施すると決定し、抽出したSR2の判定値が「変更なし」の項目に格納されている判定値に該当する場合には、3D表示に変更しないこと、つまり、2D(非立体)の演出画像の表示を擬似連の演出において継続することを決定する。
そして、S840に進んで、S832における予告演出の実施・非実施並びに表示種別の決定内容と、変動パターンが擬似連である場合にはS838またはS839にて決定した擬似連の3D表示への変更の実施・非実施並びに変更タイミングの決定内容を予告演出内容として設定する。
尚、この際、予告演出や擬似連の演出において3Dを実施する場合には、前述したように、3Dを実施するキャラクタの移動速度に応じた立体度となるように、3Dを実施するキャラクタの移動速度を特定して、該特定した移動速度に応じた立体度となるように、プロセステーブルをセットする。
図31は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU86は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S840A,S840B,S840C)。また、演出制御用CPU86は、予告演出または擬似連の演出による予告演出を行うことに決定されているか、またはこれら予告演出の実行中である場合には(S841でYes)、予告演出処理を実行する(S842)。予告演出を行うことに決定されているか否かは、予告演出実行決定フラグまたは擬似連フラグがセットされているか否かによって判定される。予告演出の実行中であるか否かは、予告演出を開始するときにセットされる予告実行中フラグによって判定される。予告演出実行決定フラグも擬似連フラグも予告実行中フラグもセットされていない場合にはS842の予告演出処理を実施することなく、S843に進む。
また、演出制御用CPU86は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(S843)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S845)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S846)。尚、後述するように、遊技者の視点位置が変化している場合には、当該プロセスデータの切り替えを行うときに、遊技者の視点位置に対応したプロセスデータに切り替えるようにする。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(S847)、演出制御用CPU86は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S848)。そのようにして、演出表示装置9において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP262は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出表示装置9において、演出図柄の変動における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S849)。
また、演出制御用CPU86は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(S850)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S852)。尚、擬似連フラグがセットされている場合には、擬似連フラグをリセットする。また、変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。なお、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S843の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データおよびランプ制御実行データ)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
ここで、図32、図33に基づいて、S842において実施される予告演出処理について説明すると、予告演出処理において、演出制御用CPU86は、予告実行中フラグがセットされているか否かにより、予告演出や擬似連演出による予告演出が開始されているか否かを判定する。
予告演出が開始されている場合には(S501でYes)、S521(図33)に移行し、予告演出が開始されていない場合には(S501でNo)、S502に進む。
S502においては、予告演出開始待ちタイマの値を−1する。なお、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、予告演出や擬似連演出を行うことに決定されたときにセットされる(S825+参照)。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ(S503)、処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、予告演出実行決定フラグをリセットして(S504)、S511に移行する。
S511では、演出制御用CPU86は、予告演出の実行中であることを示す予告実行中フラグをセットする。また、前述したS840にて設定されている、予告演出設定処理にて決定された予告演出における表示態様(2D、3D)や、擬似連演出において3Dに変更するタイミング(時期)に対応した予告演出パターンを特定し(S512)、特定した予告演出パターンが該当する予告演出期間に相当する値を予告期間タイマにセットする(S513)。
次いで、演出制御用CPU86は、実行する予告演出パターンに対応する予告プロセステーブル(予告演出制御パターン)を、予告演出制御パターンテーブル(図示略)から読み出して選択してセットした後(S515)、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)のプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせる(S517)。
そして演出制御用CPU86は、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)の最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、操作ボタン516、操作レバー600)の制御を開始する(S518)。
これら予告プロセスデータに基づいて予告演出が開始された後においてS530、S531に進む。このS530において演出制御用CPU86は、予告プロセスタイマの値を−1し、S531において予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1する。
そして、予告期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(S532でYes)、演出表示装置9に表示されている予告演出に関する画像を消去する制御を行い(S533)、予告実行中フラグをリセットする(S534)。
一方、予告期間タイマがタイムアウトしていない場合には、演出制御用CPU86は、予告プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(S535)。予告プロセスタイマがタイムアウトしていたら、予告プロセスデータの切り替えを行う(S536)。すなわち、予告プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S537)。また、その次に設定されている予告プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して実施する(S538)。
予告プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は、S535〜S538を経由することなく処理を終了する。
このように、S533においては、当該可変表示における予告演出の終了に応じて該予告演出に伴う予告演出画像の表示が終了されるが、当該予告演出の実行中において表示される各種の予告演出画像の表示終了(消去)は、S515にて選択してセットされる予告演出制御パターン(予告プロセスデータ)に記述された表示制御の制御データがS538において実行されることで実施される。つまり、予告期間タイマがタイマアップするまでにおいてS535〜S538の処理が実施されることにより、予告演出の実行中において表示される各種の予告演出画像の表示並びに表示終了(消去)の制御が実施される。
ここで、本発明の特定領域となる本実施例の第1保留記憶表示領域や第2保留記憶表示領域、第4図柄表示領域、時短残回数表示領域に画像を表示する際に、遊技者に表示内容の誤認がされないようにするための表示態様について、図12に基づいて説明する。図12(a)は、演出表示装置9の表示領域における通常時の表示態様を示す図であり、図12(b)は、演出表示装置9の表示領域における時短状態中の表示態様を示す図であり、図12(c)は、演出表示装置9の表示領域におけるリーチ後演出中の表示態様を示す図である。尚、本実施例では、リーチが成立した後であって全図柄が停止するまでの期間の演出をリーチ後演出と称する。
本実施例の演出表示装置9の表示領域内には、図12(a)〜(c)に示すように、画面の下辺近傍位置に、第1保留記憶数や第2保留記憶数が表示される第1保留記憶表示領域や第2保留記憶表示領域が設定され、画面に向かって上方右隅部位置に、第4図柄が表示される第4図柄表示領域が設定され、画面に向かって上方左隅部位置に、時短状態が終了するまでの残り変動表示回数である時短残回数が表示される時短残回数表示領域が設定されている。尚、第1保留記憶数や第2保留記憶数や第4図柄や時短残回数を遊技関連情報と称する場合がある。
尚、これら第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、第4図柄表示領域、及び時短残回数表示領域は、非立体(2D)表示とされた文字と数字にて常に表示される2D表示領域と設定されており、これら以外の領域が立体(3D)表示とされた立体画像が表示される3D表示領域として設定されている。
図12(a)に示すように、本実施例の第1保留記憶表示領域には、本発明の遊技関連情報となる第1始動口15aへの有効入賞球の記憶数、すなわち第1保留記憶数が表示され、第2保留記憶表示領域には、本発明の遊技関連情報として第2始動口15bへの有効入賞球の記憶数すなわち第2保留記憶数が、非立体(2D)表示とされた「●」の表示数にて表示される。
これら第1保留記憶数が第1保留記憶表示領域に表示されている期間においては、演出制御用CPU86によって第1保留記憶数表示中フラグがセットされることで、第1保留記憶数が表示されているか否かを該第1保留記憶数表示中フラグのセットの有無により特定できるようになっている。
これら第2保留記憶数が第2保留記憶表示領域に表示されている期間においては、演出制御用CPU86によって第2保留記憶数表示中フラグがセットされることで、第2保留記憶数が表示されているか否かを該第2保留記憶数表示中フラグのセットの有無により特定できるようになっている。
また、本実施例の第4図柄表示領域には、第4図柄が表示される。この第4図柄は、例えば、リーチやスーパーリーチのリーチ演出時のように、演出図柄の変動表示が消去されて、演出表示装置9の画面全体においてリーチの演出が実施される場合であっても、演出図柄の変動表示が継続していることを遊技者に知覚させるために表示され続ける。この第4図柄としては、例えば、図12に示すように、「●○」の非立体表示と「○●」の非立体表示とが交互に表示されることで、飾り図柄の変動表示が継続していることを遊技者が認識できるようになっている。
尚、これら第4図柄表示領域に第4図柄が表示されている期間においては、演出制御用CPU86によって第4図柄表示中フラグがセットされることで、第4図柄が表示されているか否かを該第4図柄表示中フラグのセットの有無により特定できるようになっている。
本実施例では、図12(a)〜(c)に示すように、第4図柄を常に表示するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出図柄が表示されていない期間においてのみ第4図柄を表示するようにしても良い。
また、これら第4図柄に加えて、3つの飾り図柄が縮小された小図柄(図12(c)の画面左上参照)を、演出図柄と同じく、変動表示(リーチ状態の変動表示を含む)させて表示するようにしても良く、このように小図柄を表示することにより、第4図柄のみではリーチとなっている演出図柄の種別(確変対象の演出図柄であるか、非確変の演出図柄であるか)を確認することができないのに対し、リーチとなっている飾り図柄の種別を遊技者が確認できるようにしても良い。
図12(b)に示すように、本実施例では、時短残回数表示領域には、時短状態中において当該時短状態が終了するまでの変動回数である終了時短残回数が、非立体(2D)表示とされた文字と数字にて常に表示されるようになっており、これら終了時短残回数が表示されている期間においては、演出制御用CPU86によって時短残回数表示中フラグがセットされることで、終了時短残回数が表示されているか否かを該時短残回数表示中フラグのセットの有無により特定できるようになっている。
尚、本実施例では、時短状態中において常に終了時短残回数を表示するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら時短残回数が、例えば、90、80、70、60、50…10、9、8…1のように、10回よりも大きいときは10回毎に、10回以下については全ての回数が非立体の数字として表示されるようにしても良い。つまり、時短残回数表示領域には、時短中において常に時短残回数が表示されているのではなく、変動表示回数が90回、80回…等の所定回数となるときにおいてのみ表示され、所定回数以外は表示しないものであっても良い。
図12(c)に示すように、本実施例では、リーチ後演出中において、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域の表示態様が非表示になる。尚、第4図柄表示領域の第4図柄は、前述したように表示され続ける。また、リーチ後演出中においては、演出表示装置9の表示領域全体を用いる多様な立体画像(3D画像)が表示されることがあるため、非立体画像(2D画像)が表示される第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域が非表示となることで、保留記憶表示や時短残回数の表示が立体画像によるリーチ演出の邪魔にならずに済むようになる。
尚、本実施例では、リーチ後演出中において、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域の表示態様が非表示になるが、本発明はこれに限定されるものではなく、リーチ後演出中において、演出表示装置9の表示領域全体を用いる多様な立体画像(3D画像)が表示される場合であっても、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域の表示を継続するようにしても良い。
尚、本実施例では、リーチ後演出中において、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域の表示態様が非表示になるが、本発明はこれに限定されるものではなく、リーチが成立する前のリーチ前演出中においても、演出表示装置9の表示領域全体を用いる多様な立体画像(3D画像)が表示される場合は、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域の表示態様を非表示にしても良い。
本実施例では、前述したように、遊技者の視点位置に応じて好適な立体画像(3D画像)を表示する制御(アイトラッキング)が実行されるが、演出表示装置9の表示領域に立体画像(3D画像)が表示されても、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、第4図柄表示領域、及び時短残回数表示領域には、非立体画像(2D画像)として各遊技関連情報が表示されるので、遊技者の視点位置がずれても、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、第4図柄表示領域、及び時短残回数表示領域の表示内容が明確に見えるため、遊技者に表示内容の誤認がされないようにすることができる。
また、リーチ後演出中は、演出表示装置9の第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域の表示態様が非表示になることで(図35参照)、これら第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域に表示される情報が遊技者に誤認されることを防止できる。
尚、リーチ後演出中は、演出表示装置9の第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域の表示態様が非表示になるが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域の表示情報(遊技関連情報)を他の表示装置、例えば、変形例におけるパチンコ遊技機1では、演出表示装置9(メイン液晶)とは別個に第2の演出表示装置(サブ液晶)を設けるようにし、当該第2の演出表示装置に、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域の表示情報を表示するようにしても良い。
また、別個に演出表示装置以外にも、遊技関連情報を示すLEDランプ(7セグメントLED等)を設けるようにし、演出表示装置9の第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域の表示態様が非表示になったときに、LEDランプにより遊技関連情報を遊技者に認識させるものであっても良い。また、保留記憶数を表示する保留記憶表示ランプや右打ちを報知する右打ち報知ランプを設けるようにし、当該ランプの点灯により、遊技者に対して遊技関連情報認識させるようにしても良い。更に、これらの保留記憶表示ランプや右打ち報知ランプを、演出表示装置9の第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域の表示態様が非表示になったときのみならず、常に点灯されるようにし、演出表示装置9の第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域と重複して遊技関連情報を遊技者に認識させるものであっても良い。
尚、変形例に示すように、メイン液晶とサブ液晶の双方の演出表示装置を設けた場合において、通常時には、メイン液晶とサブ液晶の双方の演出表示装置で、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域に表示情報を表示し、リーチ後演出中には、メイン液晶にて当該表示情報(遊技関連情報)を非表示にするとともに、サブ液晶のみで当該表示情報を表示するようにしても良い。更に、通常時には、メイン液晶のみで、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域に表示情報を表示し、リーチ後演出中には、メイン液晶にて当該表示情報を非表示にするとともに、サブ液晶のみで当該表示情報を表示するようにしても良い。
次に、演出表示装置9に表示される立体画像(3D画像)を用いた演出態様について図13、図34、及び図35を用いて説明する。本実施例では、前述したように、遊技者の視点位置に応じて好適な立体画像(3D画像)を表示する制御(アイトラッキング)が実行される。更に、本実施例では、演出表示装置9の表示領域において、右側の領域に立体画像で表示されるキャラクタA及びCと左側の領域に立体画像で表示されるキャラクタB及びDとが遊技者の視点位置に応じて、その表示立体度が変化するようになっている(図34及び図35参照)。
尚、本実施例における表示立体度とは、遊技者が立体画像を視認した場合における見かけ上の突出量であり、表示立体度が大きいほどその立体画像が遊技者側に向かって大きく突出されているように見える。これら表示立体度を変更する制御は、前述した演出図柄変動中処理(図31参照)において、実行するプロセスデータの切り替えるときに、遊技者の視点位置に対応するプロセスデータの切り替えられることで実現される。尚、これらの表示立体度の変化は、視差を大きくしたり小さくしたりすることで実現されるようになっている。また、図13中における「表示立体度−大」とは、立体画像が大きく手前側に突出されているように見える態様を示しており、「表示立体度−小」とは、立体画像が奥側に離れているように見える態様を示しており、「表示立体度−中」とは、「表示立体度−大」の立体画像と「表示立体度−小」の立体画像との中間位置にあるように見える態様を示している。
図13に示すように、演出表示装置9の表示領域(画面)に表示される演出画像であるキャラクタA〜Dのうち、キャラクタA及びBは予告演出中に表示され、キャラクタC及びDはリーチ後演出中に表示される。また、キャラクタA及びCは演出表示装置9の表示領域の右側に表示され、キャラクタB及びDは演出表示装置9の表示領域の左側に表示される(図34及び図35参照)。
また、予告演出中において、遊技者の視点位置が中央位置である場合には、キャラクタA及びBは、双方とも表示立体度が中程度に表示される(図34(a)参照)。また、遊技者が左側に姿勢を傾け、遊技者の視点位置が左側に移動した場合は、右側のキャラクタAの表示立体度が小さくなり、左側のキャラクタBの表示立体度が大きくなる(図34(b)参照)。つまり、遊技者には、左側のキャラクタBがより突出して見えるようになる。また、遊技者が右側に姿勢を傾け、遊技者の視点位置が右側に移動した場合は、右側のキャラクタAの表示立体度が大きくなり、左側のキャラクタBの表示立体度が小さくなる(図34(c)参照)。つまり、遊技者には、右側のキャラクタAがより突出して見えるようになる。
尚、本実施例では、遊技者の視点位置が左右に移動されることに応じて、演出表示装置9の表示領域における左右位置に表示されるキャラクタA及びBの表示立体度が変更されるようになっているが、演出表示装置9の表示領域における第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、第4図柄表示領域、及び時短残回数表示領域は、前述したように、非立体画像(2D画像)として表示され続けるため、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、第4図柄表示領域、及び時短残回数表示領域に表示される遊技関連情報を遊技者に誤認させてしまうことを抑制できる。
リーチが成立したリーチ後演出中(リーチ演出中)において、遊技者の視点位置が中央位置である場合には、キャラクタC及びDは、双方とも表示立体度が中程度に表示される(図35(a)参照)。また、遊技者が左側に姿勢を傾け、遊技者の視点位置が左側に移動した場合は、右側のキャラクタCの表示立体度が小さくなり、左側のキャラクタDの表示立体度が大きくなる(図35(b)参照)。つまり、遊技者には、左側のキャラクタDがより突出して見えるようになる。また、遊技者が右側に姿勢を傾け、遊技者の視点位置が右側に移動した場合は、右側のキャラクタCの表示立体度が大きくなり、左側のキャラクタDの表示立体度が小さくなる(図35(c)参照)。つまり、遊技者には、右側のキャラクタCがより突出して見えるようになる。
また、リーチ後演出中においては、非立体画像(2D画像)が表示される第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、及び時短残回数表示領域が非表示となることで、保留記憶表示や時短残回数の表示が立体画像によるリーチ演出の邪魔にならずに済むようになる。
以上、本実施例によれば、図12に示すように、第1保留記憶数や第2保留記憶数や第4図柄や時短残回数を非立体画像(2D画像)として表示することで、同一の演出表示装置9で演出画像と遊技関連情報を表示するもので、遊技関連情報を遊技者に誤認させてしまうことを抑制できる。
また、本実施例によれば、図34及び図35に示すように、遊技者が左側に姿勢を傾け、遊技者の視点位置が左側に移動した場合は、右側のキャラクタA及びCの表示立体度が小さくなり、左側のキャラクタB及びDの表示立体度が大きくなることで、キャラクタA〜D(演出要素)の変化の態様が単調とならず興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、第1保留記憶や第2保留記憶を非立体画像(2D画像)として表示することで、保留記憶の数を遊技者に誤認させてしまうことを抑制できる。
また、本実施例によれば、退避位置及び前面位置のいずれの位置に上下シャッタ201a,201bが配置されても、赤外線カメラ60が隠蔽されないことで、上下シャッタ201a,201b(可動体)の位置に関わらず遊技者の目の位置と向きを検出できる。
また、本実施例によれば、図12(c)に示すように、リーチ後演出中において、第1保留記憶数や第2保留記憶数や時短残回数を非表示にすることで、立体画像が表示されることがあるリーチ後演出中(リーチ状態)であるときに、遊技関連情報を遊技者に誤認させてしまうことを抑制できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、パララックスバリア方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で立体画像の表示を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、レンチキュラレンズ方式やインテグラルイメージング方式の裸眼立体表示液晶表示装置を用いて立体画像の表示を行っても良い。また、裸眼で立体視を行うものに限らず、偏向メガネ等を装着することで立体視を行うものであっても良い。
また、前記実施例では、アイトラッキングを用いて演出表示装置9の表示領域に立体画像で表示されるキャラクタA〜Dが遊技者の視点位置に応じて、その表示立体度が変化し、当該表示立体度が変化することが「異なる態様」の例として説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、「異なる態様」とは、立体画像で表示されるオブジェクトが遊技者の姿勢の変化に応じて回り込んで見るような表示態様、例えば、遊技者が右側に行くとオブジェクトの右側面が見え、遊技者が左側に行くとオブジェクトの左側面が見えるような表示態様であっても良い。また、立体画像のオブジェクトの正面側、つまり演出表示装置9の真正面からは見えない(表示していない)が、演出表示装置9の横斜め方向からは見える(表示される)態様等であっても良い。
また、前記実施例では、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、第4図柄表示領域、及び時短残回数表示領域を非立体画像(2D画像)として表示され続けることで、遊技関連情報を遊技者に誤認させてしまうことを抑制しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、第4図柄表示領域、及び時短残回数表示領域を立体画像(3D画像)として表示した場合において、他の表示領域の立体画像の表示立体度を遊技者の視点位置が左右に移動されることに応じて変化させても、第1保留記憶表示領域、第2保留記憶表示領域、第4図柄表示領域、及び時短残回数表示領域に表示される立体画像の表示立体度を変化させないようにし、遊技関連情報を遊技者に誤認させてしまうことを抑制しても良い。
また、前記実施例では、アイトラッキングを行うに当たって赤外線カメラ60を用いて遊技者の目の位置を検出するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、目以外の他の部位を検出対象としても良く、例えば、遊技者の顔のパーツ(例えば鼻など)、顔全体、上半身全体等を検出対象としても良い。尚、本発明の「遊技者の位置と向き」とは、遊技者の少なくとも顔の位置と向きを含む概念としている。
また、前記実施例では、アイトラッキングを行うに当たって遊技者の人体から放射される赤外線を赤外線カメラ60にて撮像することで遊技者の目の位置を特定する画像を取得するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、赤外線カメラ60を用いた画像に限らず、可視光やその他の波長の光(レーザー光線等を含む)を用いて取得した画像に基づいて遊技者の体の所定部位などを検出するようにしても良い。また、超音波や電磁波により遊技者の体の所定部位などを検出するようにしても良い。
また、前記実施例では、立体画像(3D画像)として表示される演出画像として表示される所定のキャラクタA〜Dを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、立体画像(3D画像)として表示される演出画像は、演出図柄であっても良いし、演出画像は、大当り中演出やデモ演出中や一斉演出中などに表示される画像であっても良い。
また、前記実施例では、アイトラッキングにより演出画像の表示態様が変化しても、表示態様が変化されない遊技関連情報として第1保留記憶数や第2保留記憶数や第4図柄や時短残回数を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技関連情報は、ラウンド数表示や獲得玉数表示やモード名表示や右打ち表示や小図柄や演出図柄等であっても良い。
また、前記実施例では、擬似連または3Dリーチ(擬似連なし)の演出が実行されるタイミングで、演出画像を立体画像(3D画像)として表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常時とは異なる特定モード中や大当り演出中やデモ演出中や一斉演出中などの演出が実行されるタイミングで、演出画像を立体画像(3D画像)として表示するようにしても良い。
また、前記実施例では、立体画像(3D画像)の表示中に赤外線カメラ60を用いて随時遊技者の目の位置を検出して、当該検出結果に応じてアイトラッキングを行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、立体画像(3D画像)を表示する直前にのみ遊技者の目の位置を検出し、当該検出結果に応じてアイトラッキングを行うようにしても良い。
また、前記実施例では、視差バリア用液晶パネル910を画像用液晶パネル900の前面側に配置することで、裸眼による立体画像の視認を可能にしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像用液晶パネル900の前面に視差バリア用のシートを張り付けることで、裸眼による立体画像の視認を可能にしているものであっても良い。
尚、前記実施例では、パチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体としてメダルを使用して遊技を行うスロットマシンや、遊技媒体が、遊技機内部に内封され、貸し出されたパチンコ玉やメダルの数や、入賞に応じて付与されたパチンコ玉やメダルの数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ玉やメダルの数が減算されて記憶される封入式遊技機や、パチンコ玉やメダルを用いずに、例えば貸出要求に応じて貸し出されたポイントや点数等の価値や入賞に応じて付与されたポイントや点数等の価値を全てクレジットとして記憶し、クレジットとして記憶された価値のみを使用して遊技を行うことが可能な遊技機であっても良い。尚、この場合には、これらポイントや点数等が遊技媒体に相当し、クレジットが遊技用価値となる。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU86に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU86に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは、例えば、擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU86は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU56の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU86の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、図2に示すように、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41の一部または全てを主基板31に直接接続する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41が中継基板77を介して主基板31に接続された形態であっても良い。
また、前記実施例では、図12(c)に示すように、リーチ後演出を実行中にキャラクタA〜Dを3D画像にて表示するときに、第1保留記憶数や第2保留記憶数や時短残回数のみを非表示にしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第4図柄やラウンド数表示や獲得玉数表示やモード名表示や右打ち表示や小図柄や演出図柄等を含めた全ての遊技関連情報を非表示にしても良い。