まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1(以下、パチンコ遊技機1と略称する)を正面からみた正面図であり、図2はパチンコ機を示す背面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側(遊技者側)をパチンコ機の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
図1は、本発明が適用されたパチンコ機を示す正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図2参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(図2参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。尚、本実施例では、下扉枠103は前面枠101に対して一側を中心に開閉可能に設けられているが、開放可能に設けられていなくてもよく、例えばネジ等により前面枠101の前面に止着されていてもよい。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が上面に形成された上皿部3aが、パチンコ遊技機1の前方(パチンコ遊技機1の前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ遊技機1の前方(パチンコ遊技機1の前面方向)に向けて突設されている。その右側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
下扉枠103の前面左右側には、後述する左右一対のスピーカ27a,27bが配設されているとともに、これらスピーカ27a,27bの間には、後述する送風ファン515からの風が送出される送風口352が形成されている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた透明な遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含み、視差バリアを用いたパララックスバリア方式による立体画像(映像)を表示可能とされた変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が、透明な遊技盤6を透して目視できるように、該遊技盤6の背面に設けられている。また、遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8(図3参照)が設けられている。変動表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行う。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)等の各デバイスによって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が変動表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置9の方に注目する。
特別図柄表示器8は、たとえば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。
また、変動表示装置9は、図9に示すように、立体画像(映像)を表示する画像用液晶パネル900と、該画像用液晶パネル900の後方から前方側に向けて面状光を照射するバックライト901と、画像用液晶パネル900の前面側に該画像用液晶パネル900と所定間隔を有して設けられた視差バリア用液晶パネル910とを有する、パララックスバリア方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行う。
視差バリア用液晶パネル910は、後述するように、画像用液晶パネル900に縦長短冊状に表示される右目用画像を遊技者の左目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の右目が視認することを阻止するシャッタとなる縦縞状の黒部と、右目用画像を遊技者の右目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の左目が視認することを可能とする透明部とを有する視差バリア画像を表示する視差バリア画像表示状態と、縦縞状の黒部を有さない、全ての画素が透明部とされた透過状態の表示状態とが可能とされた比較的光透明性の高い液晶パネルとされている。
つまり、本実施例の視差バリア用液晶パネル910は、遊技者の左目による右目用画像の視認を阻止するとともに遊技者の右目による左目用画像の視認を阻止するための視差バリアを含む視差バリア表示と、該視差バリアを表示しない全透過表示とが可能とされている。
なお、本実施例においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9を成す画像表示用のデバイスとしては、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等のその他の画像表示形態の表示装置により構成されてもよい。
変動表示装置9を囲むように遊技盤6の前面に配置された飾り枠の、変動表示装置9の直上中央位置には、図1に示すように、単焦点の赤外線カメラ60が設けられており、該赤外線カメラ60によって当該パチンコ遊技機1を遊技中の遊技者の顔画像を撮像できるようになっている。
尚、本実施の形態では、遊技者の顔画像を、可能な限り正面位置から撮像することで、焦点制御に基づく距離特定の精度を向上するように、赤外線カメラ60を変動表示装置9の直上中央位置に設けるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら赤外線カメラ60の配置位置や配置数は、使用するカメラの精度や遊技盤6の形状等に応じて適宜に決定すれば良い。
また、本実の形態では、遊技者(人体)を容易に識別するとともに、他の周囲部に比較して温度のやや低い目(眼球)の部分を特定し易いことから赤外線カメラを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら赤外線カメラ60に代えて、通常の可視光カメラを使用したり、或いは、赤外線カメラ60とともに可視光カメラを併用するようにしても良いし、可視光カメラとともにサーモグラフィカメラを使用するようにしても良い。
変動表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13,13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13,13が設けられているため、可動片13,13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13,13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
なお、始動入賞装置15は、可動片13,13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであってもよく、可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであってもよい。
始動入賞装置15の可動片13,13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13,13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13,13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
遊技盤6の所定箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18(図3参照)が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21a(図3参照)も設けられている。
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、図示しない左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13,13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41(図3参照)が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。なお、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27L,27Rが設けられ、左右下部には、効果音を発する2つのスピーカ27a,27bが設けられている。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。尚、本実施例では賞球LED51及び球切れLED52を左枠LED28bや右枠LED28cとは個別に設けているが、左枠LED28bや右枠LED28cの発光態様を異ならせることにより賞球払出中や補給球が切れた旨を報知するようにしてもよい。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530内の各LED等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27L,27R、27a,27bからの音発生制御(音制御)も、演出制御用マイクロコンピュータ81により実施される。
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、たとえば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。なお、V入賞領域を設けずに、各ラウンドにおいて無条件で継続権が発生するように制御してもよい。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13,13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、たとえば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。たとえば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の変動表示領域のうち左,右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨ことを報知する大当り予告演出が行なわれる場合がある。尚、この大当り予告演出の種類や内容に関しては後述することとする。
この実施の形態の場合は、大当りとして、通常大当りおよび確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
次に、パチンコ遊技機1の背面(裏面)の構造について図2を参照して説明する。図2は、パチンコ機を示す背面図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板960や発射制御基板91A(図38参照)が設けられている。電源基板960は、発射制御基板91Aの背面側に取り付けられ、その背面側に払出制御基板37が重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27L,27R,27a,27b等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板(図示略)が設置されている。ターミナル基板には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
尚、前記球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)及び球貸し情報(球貸し個数信号)は、主基板31から情報端子基板36を介して外部に出力するようにしてもよい。すなわち、このようにターミナル基板(図示略)に設けられた球切れ用端子、賞球用端子、球貸し用端子を情報端子基板36に設けることで、配線や基板の取り付け作業等を容易にすることができる。また、ターミナル基板及び情報端子基板36それぞれに設けられる各端子を1つの基板にまとめて搭載してもよく、このようにすることにより製造コストを削減することができる。
図示しない遊技機設置島から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留されたパチンコ球は、タンクレールを通り、カーブ樋を経てケースカバーで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方の球経路761には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れ検出スイッチ167が設けられている。球切れ検出スイッチ167が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れ検出スイッチ167はパチンコ球通路内のパチンコ球の有無を検出するスイッチである。球切れ検出スイッチ167がパチンコ球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対してパチンコ球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としてのパチンコ球や球貸し要求に基づくパチンコ球が多数払出されて上皿3が満杯になると、パチンコ球は後述する溢れ球通路を経て下皿4に導かれる。さらにパチンコ球が払出されると、スイッチ片(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19(図3参照)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。尚、満タンスイッチ19がオンした状態において、球払出装置の動作及び打球発射装置の駆動は必ずしも停止させなくてもよいし、あるいはオンした時点から所定時間経過後に停止させるようにしてもよい。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、LEDドライバ基板35、音声出力基板70、中継基板77、および、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aからの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力ドライバ回路58と、始動入賞装置15の可動片13,13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって各種の情報信号をホール管理コンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。情報出力回路53から出力された情報信号は、情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。
尚、本実施例では満タンスイッチ19の検出信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。
情報出力回路53から出力される情報信号としては、大当り1情報信号、大当り2情報信号、大当り3情報信号、高確率情報信号、時短情報信号、第1始動情報信号、第2始動情報信号、第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号、第1ベース異常信号、第2ベース異常信号、および、始動口入賞異常信号が含まれる。
大当り1情報信号、大当り2情報信号および大当り3情報信号のそれぞれは、確変大当り、非確変大当り等の大当りの種類を特定した大当りの発生を示す信号である。高確率情報信号は、確率変動が生じたことを示す信号である。時短情報信号は、時短状態が生じたことを示す信号である。第1始動情報信号は、第1始動口15aへの入賞により特別図柄および飾り図柄の変動表示開始に利用されるパチンコ球が検出されたことを示す信号である。第2始動情報信号は、第2始動口15bへの入賞により特別図柄および飾り図柄の変動表示開始に利用されるパチンコ球が検出されたことを示す信号である。
第1入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第1入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値よりも大きい第2入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第2入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
第1ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(以下、ベースという)が第1のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第1ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(ベース)が第1のベース異常判定値よりも大きい第2のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第2ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
始動口入賞異常信号は、第2始動口15bを対象として、可動片13,13が閉状態であるときにパチンコ球が入賞したことに基づく異常状態が生じたときに、そのような異常状態が生じた旨を示す信号である。
なお、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、パチンコ球を検出できる遊技媒体検出手段(この例ではパチンコ球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aへのパチンコ球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへパチンコ球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。また、V入賞領域に入賞したパチンコ球がカウントスイッチ23でも検出される。よって、大入賞口に入賞したパチンコ球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。また、V入賞領域に入賞したパチンコ球はV入賞スイッチのみで検出されるようにし、大入賞口に入賞したパチンコ球数は、V入賞スイッチによる検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になるようにしてもよい。また、V入賞領域を設けず、最終ラウンド以外のラウンドでは、常に継続権が発生するようにしてもよい。また、V入賞領域を設け、1ラウンド目は無条件(V入賞領域への入賞によらず)継続権が発生し、2ラウンド目以降においてV入賞領域への入賞により継続権が発生するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54およびI/Oポート57は、外付けであっても内蔵されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄および飾り図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いてもよい。
乱数回路は、ユーザーによる数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、乱数回路は、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路が更新する数値データの初期値を設定する機能を有しており、たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路が更新する数値データの初期値として設定する。これにより、乱数回路が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。また、初期値を設定するときに、IDナンバを用いた所定の演算を行うことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取込み信号をパチンコ遊技機1に対して発生させるなどの行為によって、大当り状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を2の7乗(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路を搭載する。第1の乱数回路は、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路は、12ビットで発生できる範囲(すなわち、1から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、第2の乱数回路は、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路は、16ビットで発生できる範囲(すなわち、1から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。2つの乱数回路は、予め選択されたどちらか一方の回路が乱数の発生に用いられる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ156が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1つの乱数回路を内蔵してもよく、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路および16ビット乱数回路を包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路と16ビット乱数回路とのうちいずれかを指す場合に、乱数回路という。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板960において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板960からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板960からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、払出制御基板37を経由して、電源基板960からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力ドライバ回路58に入力される。電源断信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力ドライバ回路58に入力される。クリア信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
尚、本実施例では、電源断信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。また、電源基板960からの電源電圧が所定値以下に低下したことを検出する電断検出回路(図示略)を、主基板31に設けてもよいし、主基板31及び払出制御基板37の双方に設けてもよい。あるいは、電源基板960に設け、電源断信号を主基板31及び払出制御基板37の双方に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、大当り遊技状態以外の状態においてカウントスイッチ23により球が検出されたとき、すなわち、例えば大当り遊技状態以外の状態において特別可変入賞球装置20の開閉板が不正器具等により遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)とされてカウントスイッチ23により球が検出されたときに、エラーが発生したとして、エラー情報を出力する旨を示す演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。
また、クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ156が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
尚、本実施例では、電源断信号が払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電源断信号が払出制御基板37を経由することなく、主基板31にのみ直接入力されることでバックアップデータをRAM55に保存するようにしても良い。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタなどによって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。なお、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
また、本実施例では、CPU56が出力する制御信号をシリアル出力回路78にてシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力するようになっていたが、これら特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41からなる各表示器を主基板31に中継基板等を介すことなく直接接続し、CPU56が出力する制御信号をパラレルデータのまま各表示器8、18、10、41に出力するようにしてもよい。このようにすることにより、外部から信号が入ることがないので、正確な表示を行うことができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での演出表示の表示制御や効果音(演出音)の出力制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをシリアルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御やスピーカ27L,27R、27a,27bからの音出力制御を行う。尚、演出制御手段が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをパラレルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御を行うようにしてもよい。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられているステージLED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDの表示制御を行う。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、演出制御手段が出力する各LEDを表示制御するための制御信号をパラレルデータからシリアルデータに変換するシリアル出力回路253が搭載されている。また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して演出制御手段に出力するシリアル入力回路254が搭載されている。したがって、演出制御手段は、シリアル出力回路253を介して点灯指示となる制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各LEDの表示制御を行う。
また、遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての天ランプモジュール基板542、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板542、473b、473c、508、509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
なお、図3に示すように、演出制御基板80、中継基板88および中継基板89は、バス型に1系統の配線ルートで接続される。図4は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80と音声出力基板70とを設ける場合を示すが、これらに加えて、LEDドライバ基板を設けてもよいし、逆に、音声出力基板70を統合して演出制御に関して演出制御基板80のみを設けるようにしても良い。尚、LEDドライバ基板および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85、シリアル出力回路253、シリアル入力回路254、クロック信号出力部256および入力取込信号出力部257を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路260および入力ポート261を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路260は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262並びに視差バリア制御用DSP(デジタルシグナルプロセッサ)264に、変動表示装置9に表示する立体画像の画像生成や視差バリア画像の画像生成等の変動表示装置9の表示制御を行わせる表示制御処理を実施するとともに、視差バリア制御用DSP264に、後述する昇降パルスモータ61の動作を制御させて視差バリア用液晶パネル910を移動させる移動制御処理を実施する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して変動表示装置9の表示制御を行うVDP262並びに視差バリア制御用DSP264が演出制御基板80に搭載されている。VDP262は、変動表示装置9に設けられている、後述する画像用液晶パネル900の画像表示を制御するためのデバイスであり、演出制御用マイクロコンピュータ81とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP262は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して変動表示装置9に出力して画像用液晶パネル900に表示させる。
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って2次元(2D)画像データや右目用画像と左目用画像から成る立体画像を表示するための立体(3D)画像データが記憶された画像データROM263から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。画像データROM263は、変動表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像の2次元或いは3次元の画像データをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU86の指令に応じて、画像データROM263から画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
また、視差バリア制御用DSP264は、図4に示すように、視差バリア用液晶パネル910の昇降を行うために変動表示装置9に設けられている昇降パルスモータ61の動作を制御して、視差バリア用液晶パネル910の昇降を制御する昇降制御を行うとともに、赤外線カメラ60にて撮像された画像に基づいて遊技者の目の位置である視点位置を特定して、変動表示装置9に設けられている視差バリア用液晶パネル910における縦縞状の視差バリア画像の表示制御を行うためのデバイスであり、遊技者の目の位置の変化等に応じた視差バリア画像(後述する特化画像)を視差バリア用液晶パネル910に表示させる。
尚、本実施の形態では、ほぼリアルタイムに視点位置の変化を特定できるように、信号処理の処理の能力に優れたDSP(デジタルシグナルプロセッサ)をデバイスとして使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらデバイスとしては、画像処理に特化した画像処理用のASICやマイコンを用いるようにしても良い。
視差バリア制御用DSP264には、図4に示すように、変動表示装置9や赤外線カメラ60に加えて、視差バリア用液晶パネル910の昇降を行う昇降パルスモータ61や、変動表示装置9の前面に設けられている透明な遊技盤6による補正データの入出力等を行うための入出力ポート265が接続されており、視差バリア用液晶パネル910を変動表示装置9の表示領域に重ならない上部位置に格納することが可能とされているとともに、補正データに基づいて補正された視差バリア画像を視差バリア用液晶パネル910に表示することで、透明な遊技盤6を透過することにより生じる視差変化があっても、透明な遊技盤6がない場合と同様の良好な立体画像を表示することができるようになっている。
これら昇降パルスモータ61として、本実施例では、出力するパルス数に応じて移動位置が決定されることにより位置制御が容易なパルスモータを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらモータとしては、パルスモータ以外のモータを使用しても良い。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。
さらに、演出制御用CPU86は、シリアル出力回路253を介してLEDを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したLEDを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板88に出力する。
また、演出制御用CPU86は、サウンド生成用IC173に対して音番号データを出力する。サウンド生成用IC173には、図4に示すように、サウンドデータROM174が接続されており、該サウンドデータROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
サウンド生成用IC173は、演出制御用CPU86からの音番号データの出力に応じて、該音番号データに対応する制御データをサウンドデータROM174から読み出して出力するサウンド(演出効果音)を生成して、音声出力基板70に出力する。該音声出力基板70には、図4に示すように、サウンド生成用IC173から出力されてきたサウンド(演出効果音)を所定の音量に増幅するデジタルアンプ等から成るSP(スピーカ)増幅部73が設けられており、該SP増幅部73により増幅されたサウンド(演出効果音)が、各スピーカ27L,27R、27a,27bから出力される。
また、クロック信号出力部256は、図5に示すように、クロック信号を中継基板88,89に出力する。クロック信号出力部256からのクロック信号は、中継基板88,89を介して各枠側IC基板542,473b,473c,508,509に搭載されたシリアル−パラレル変換IC520,…やパラレル−シリアル変換IC523,…に供給される。また、クロック信号出力部256からのクロック信号は、中継基板88,89を介して盤側IC基板98,99に搭載されたシリアル−パラレル変換ICやパラレル−シリアル変換ICに供給される。したがって、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC520,…および各パラレル−シリアル変換IC523,…に共通のクロック信号が供給されることになる。
同様に、枠ボタン基板509に搭載された入力ICであるパラレル−シリアル変換ICも、入力取込信号出力部257から出力される入力取込信号が入力されると、ボタンスイッチ516検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。
中継基板88は、演出制御用マイクロコンピュータ81から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板98,99に搭載された各シリアル−パラレル変換ICに供給する。そして、各シリアル−パラレル変換ICは、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各LED25a,25bに供給する。
また、中継基板89は、バス型に1系統の配線ルートで中継基板88と接続されており、各シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、盤側IC基板上でバス形式に接続されている。また、盤側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICにはそれぞれ固有のIDがある。
中継基板89に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、各枠側IC基板542,473b,473c,508,509に搭載された各シリアル−パラレル変換IC520,580…に供給される。そして、各シリアル−パラレル変換IC520,580…は、供給されたシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば供給されたシリアルデータをパラレルデータに変換して出力する。
また、各枠側IC基板542,473b,473cには、シリアル−パラレル変換IC520,580…と同様に中継基板89に入力されたシリアルデータおよびクロック信号が供給されるLED制御IC582,…が実装されており、各LED制御IC582,…には、各シリアル−パラレル変換IC520,580…とともに、それぞれ固有のIDが付与されていて、各LED制御IC582,…は、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば供給されたシリアルデータに基づいて、前面枠101に設けられた各LED51,52,28b,28cや、天ランプモジュールの各LEDを点灯・消灯させる。
また、各シリアル−パラレル変換IC520,580…や各LED制御IC582,…に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、各枠側IC基板上でバス形式に接続されている。また、各シリアル−パラレル変換IC520,580…並びに各LED制御IC582,…に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、中継基板89から直接接続される。
また、操作台基板508には、図5に示すように、シリアル−パラレル変換IC520に加えて、これらシリアル−パラレル変換IC520から出力されるパラレルデータが入力されることで、バイブレータ514内の振動モータ514a並びに風モータ515aを駆動する駆動制御IC521や、操作レバー600に設けられたレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513から出力される信号や、駆動フィードバック(FB)信号出力ゲート525a,525bから出力される駆動フィードバック(FB)信号や、励磁相フィードバック(FB)信号出力ゲート526a,526bから出力される励磁相フィードバック(FB)信号の入力を検出し、信号入力に対応した所定の検知信号を出力するセンサ監視IC524と、該センサ監視IC524による検知信号が入力されるパラレル−シリアル変換IC523が搭載されている。
この実施の形態では、操作台基板508に搭載された入力ICであるパラレル−シリアル変換IC523と演出制御用マイクロコンピュータ81とは、中継基板88,89を介して入力信号線、クロック信号線および入力取込信号線が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ81は、所定のタイミングで、入力取込信号を、中継基板88,89を介してパラレル−シリアル変換IC523に出力する。すると、パラレル−シリアル変換IC523は、入力取込信号(ラッチ信号)に基づいて、センサ監視IC524から出力されるレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513からの検出信号および振動モータ514aと風モータ515aの各駆動フィードバック(FB)信号並びに励磁相フィードバック(FB)信号の検出信号をラッチし、中継基板88,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。つまり、パラレル−シリアル変換IC523は、レバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513、駆動フィードバック(FB)信号出力ゲート525a,525b、励磁相フィードバック(FB)信号出力ゲート526a,526bから、センサ監視IC524を介してパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。尚、操作台基板508と枠ボタン基板509とを一体化し、センサ監視IC524にボタンスイッチ516aからの検出信号が入力されるようにしてもよい。
駆動制御IC521は、バイブレータ514に内在されている振動モータ514a並びに風モータ515aに接続されている。これら振動モータ514a並びに風モータ515aとしては、電圧パルス信号が個別に入力される4つの励磁コイルを備える周知の4相のパルスモータ(ステッピングモータともいう)が共に使用されており、駆動制御IC521は、各相の励磁コイルに1相励磁駆動または1−2相励磁駆動となるように個別に電圧パルス信号を、演出制御用マイクロコンピュータ81から送信されるシリアルデータに基づくパラレルデータに基づいて供給することで、振動モータ514a並びに風モータ515aを、演出制御用マイクロコンピュータ81からの指示に応じて回転または停止させる。
また、駆動制御IC521から振動モータ514a並びに風モータ515aの各励磁コイルに供給される電圧パルス信号は、振動モータ514aと風モータ515aとともに、振動モータ用の駆動フィードバック(FB)信号出力ゲート525aと、風モータ用の駆動フィードバック(FB)信号出力ゲート525bに並列して入力されるように、各駆動フィードバック(FB)信号出力ゲート525a,525bが、電圧パルス信号の各信号線に接続されている。
これら駆動フィードバック(FB)信号出力ゲート525a,525bとしては、1相から4相のいずれかの励磁コイルに電圧パルス信号が供給されているとき、つまり、全ての励磁コイルに電圧パルス信号が供給されていないとき以外において所定電圧の駆動フィードバック(FB)信号をセンサ監視IC524に出力する一方、全ての励磁コイルに電圧パルス信号が供給されていないときには、駆動フィードバック(FB)信号をセンサ監視IC524に出力しない。つまり、駆動フィードバック(FB)信号出力ゲート525a,525bから出力される駆動フィードバック(FB)信号は、振動モータ514aや風モータ515aにおいていずれかの励磁コイルに電圧信号が供給されている場合においてHighレベル信号となり、いずれかの励磁コイルにも電圧信号が供給されていない場合においてLowレベル信号となる。
これら駆動フィードバック(FB)信号出力ゲート525a,525bとしては、論理ゲート回路であるORゲート回路を好適に使用することができる。
また励磁相フィードバック(FB)信号出力ゲート526a,526bとしては、1相から4相の4つの励磁コイルのうち、3つ以上の励磁コイルに同時に電圧パルス信号が供給されているとき、つまり、1相励磁や1−2相励磁から逸脱した異常な駆動がなされた場合において所定電圧の励磁相フィードバック(FB)信号をセンサ監視IC524に出力する一方、同時に電圧パルス信号が供給されている励磁コイルの数が2つ以下であるときには、励磁相フィードバック(FB)信号をセンサ監視IC524に出力しない。
つまり、励磁相フィードバック(FB)信号出力ゲート526a,526bから出力される励磁相フィードバック(FB)信号は、振動モータ514aや風モータ515aにおいて、同時に電圧パルス信号が供給されている励磁コイルの数が3つ以上となる異常な駆動がなされた場合においてHighレベル信号となり、同時に電圧パルス信号が供給されている励磁コイルの数が2つ以下となる正常な駆動がなされた場合においてLowレベル信号となる。
これら励磁相フィードバック(FB)信号出力ゲート526a,526bとしては、ORゲート回路や、ANDケート回路、NORゲート回路や、NANDケート回路等の各種の論理ゲートを組み合わせたものを好適に使用することができる。
これら駆動フィードバック(FB)信号や励磁相フィードバック(FB)信号は、レバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513からの出力信号が入力されるセンサ監視IC524に入力される。センサ監視IC524は、レバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513、駆動フィードバック(FB)信号出力ゲート525a,525b、励磁相フィードバック(FB)信号出力ゲート526a,526bから出力される、異なる形態の信号の入力を検知して、各信号の入力状態に応じた所定形態(電圧、High、Low等)の信号を、レバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513、駆動フィードバック(FB)信号出力ゲート525a,525b、励磁相フィードバック(FB)信号出力ゲート526a,526bのそれぞれに対応する、パラレル−シリアル変換IC523のパラレル入力ポートに出力する。
よって、パラレル−シリアル変換IC523のパラレル入力ポートには、レバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513、駆動フィードバック(FB)信号出力ゲート525a,525b、励磁相フィードバック(FB)信号出力ゲート526a,526bから出力される出力信号と合致した信号が入力されるので、該パラレル入力ポートに入力される信号が、入力取込信号(ラッチ信号)の入力に応じて取り込まれ、中継基板88,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ81にシリアルデータとして出力されることで、演出制御用マイクロコンピュータ81が、操作レバー600の指触の有無や、操作レバー600の操作方向や、トリガースイッチ512aの操作を検知できるとともに、振動モータ514a並びに風モータ515aが動作(回転)中であるか否かや異常な駆動がなされているか否かを検知できるようになっており、これら振動モータ514a並びに風モータ515aが動作(回転)中であるか否かや異常な駆動がなされているか否かに基づいて、後述するモータ異常判定処理(Sa59)において、振動モータ514a並びに風モータ515aの異常の有無が、演出制御用マイクロコンピュータ81により判定されるようになっている。
尚、本実施の形態では、レバースイッチ510a〜510dからの操作信号が入力される、本発明の操作信号入力回路部を成すセンサ監視IC524に駆動フィードバック(FB)信号や励磁相フィードバック(FB)信号を入力するようにしており、このようにすることは、操作信号と各フィードバック(FB)信号とが、共通のセンサ監視IC524に入力されるので、駆動フィードバック(FB)信号や励磁相フィードバック(FB)信号を演出制御用マイクロコンピュータ81に出力するための個別の回路部となる入力ICを、操作台基板508に実装する手間を省くことができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら駆動フィードバック(FB)信号や励磁相フィードバック(FB)信号を演出制御用マイクロコンピュータ81に出力するための個別のICを実装するようにしても良い。
また、本実施の形態では、振動モータ514a並びに風モータ515aの励磁相フィードバック(FB)信号をセンサ監視IC524に入力するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら励磁相フィードバック(FB)信号をセンサ監視IC524に入力しないことで、異常な駆動の発生検出を実施しないようにしても良い。
また、本実施の形態では、風モータ515aとしてパルスモータを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら風モータ515aとして公知のDCモータを使用するようにしても良く、この場合には、駆動フィードバック(FB)信号出力ゲート525bを設けることなく直接的に、DCモータへ供給される駆動電圧を、適宜な抵抗を介してセンサ監視IC524に並行入力するようにしても良い。
また、本実施の形態では、前述した昇降パルスモータ61については、振動モータ514a並びに風モータ515aのように、励磁相フィードバック(FB)信号による動作確認を実施していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、昇降パルスモータ61についても、振動モータ514a並びに風モータ515aと同様に、励磁相フィードバック(FB)信号を生成して視差バリア制御用DSP264に入力し、該視差バリア制御用DSP264において昇降パルスモータ61が正常に動作しているかを確認するようにしても良い。
盤側IC基板98,99に搭載されたシリアル−パラレル変換ICと各枠側IC基板542、473b、473c、508,509に搭載されたシリアル−パラレル変換ICとは、1系統の配線を介して接続されている。1系統の配線を介して接続とは、具体的には、各中継基板88,89がバス型に接続されているとともに、各シリアル−パラレル変換ICがバス型またはデイジーチェーン型に接続されていることである。なお、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICはバス型に接続されている。このように、この実施の形態では、盤側IC基板98,99に搭載された各シリアル−パラレル変換ICと、各枠側IC基板542、473b、473c、508,509に搭載された各シリアル−パラレルICとが、中継基板88,89を介してコネクタを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行うだけで前面枠101と遊技盤6との配線作業を行うことができ、前面枠101と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行えるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板98,99に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、枠側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC520,580…、LED制御IC582,…およびパラレル−シリアル変換IC523に、演出制御用マイクロコンピュータ81から共通のクロック信号を入力する。そのため、シリアル−パラレル変換IC520,580…へのクロック信号の配線と、LED制御IC582,…へのクロック信号の配線と、パラレル−シリアル変換IC523へのクロック信号の配線と共通化することができ、演出制御手段と盤側IC基板との間の通信、および演出制御手段と枠側IC基板との間の通信を、それぞれ1チャネルを用いて実現することができ、配線数を低減することができる。また、盤側IC基板98,99に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、枠側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC520,580…、LED制御IC582,…およびパラレル−シリアル変換IC523とを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC520,580…、各LED制御IC582,…には、あらかじめアドレス(ID)が付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ81は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータにアドレス(ID)を付加して出力する。尚、制御信号は、固定長(コマンドのバイト数(例えば2バイトや3バイトのコマンド))のコマンドで構成され、アドレスに対応するビットを異ならせている。各IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC520,580…、各LED制御IC582は、シリアルデータが入力されると、入力されたシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレス(ID)に合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して出力するか、若しくは、シリアルデータに基づき点灯が指示されたLEDに電圧を出力(通電)して点灯させる。アドレスが合致していなければパラレルデータの出力やLEDへの通電は行わない。尚、各LED制御IC582,…に入力されるシリアルデータは、アドレスに対応するビット以外のビットも点灯パターン等に応じて異なっており、これにより各アドレスに対応するLEDが様々な点灯パターンにて発光するようになっている。
つまり、演出制御用マイクロコンピュータ81は、大当り遊技状態以外の状態においてカウントスイッチ23から球検出信号が入力されたときに遊技制御用マイクロコンピュータ156から出力される演出制御コマンドを受信したことに基づいて、前面枠101側に設けられた各種LEDの点灯を制御するための制御信号を出力するときには、枠側シリアル−パラレル変換回路を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル出力回路253からシリアル信号方式で出力する。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ81は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータにアドレスを付加して出力し、各IC基板に搭載されたLED制御IC582,…は、シリアルデータが入力されると、入力されたシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して、接続されている各LEDに通電を行うようになっているため、前面枠101における遊技盤6以外の箇所に設けられた各LED等による発光演出が行われる際に、該発光により遊技盤6側に設けられた変動表示装置9等にて行われている演出が遮られることがないので、演出効果の減退を防止できるとともに、パラレルの場合に比べてシリアルの方が配線数を少なくできるので、配線が容易になる。
ここで、遊技盤6や変動表示装置9の取付け構造について、図6〜図8に基づいて説明する。まず、図6は、パチンコ遊技機を開放した状態を示す斜視図であり、図7は、遊技盤ユニットを示す分解斜視図であり、図8は、遊技盤6に部品ユニットを取り付ける状況を示す斜視図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。外枠100は、木製の板材からなる上板100a及び下板100dと、鉄製の板材からなる左右の側板100b,100cと、から構成され、上板100aの左右端部と左右の側板100b,100cの上端部及び下板100dの左右端部と左右の側板100b,100cの下端部とをL字金具100eにて連結することにより方形枠状に構成されている。尚、左右の側板100b,100cは鉄材にて構成されていたが、アルミ材等他の金属材にて構成してもよい。
左右の側板100b,100cは、縦長帯状の鉄板を左右幅方向の中央部を中心に左右側を後方に折り曲げて2重構造としており、外側の折曲片には、前端部に沿って上下方向に延設された縦膨出部110a及び該縦膨出部110aの上下方向の複数箇所から後向きに連設される横膨出部110bからなる膨出部110が、折曲片を内側からプレス加工することにより外面に膨出して形成されている。このように折曲げ加工による2重構造及びプレス加工による膨出部110の形成により剛性を持たせることで、上板100a,下板100dのような木製の板材と同等もしくはそれ以上の剛性を有するとともに、上板100a,下板100dよりも幅寸法が肉薄の側板100b,100cを構成することができる。
前面枠101は、外枠100の開口を閉塞する閉塞位置において、該前面枠101の背面の周縁部が外枠100の前端部に当接するように配置され、このときに背面から突出する部位や該背面に搭載される各種部品等は外枠100の内側に収容される。よって、上記ように左右の側板100b,100cの左右幅寸法を肉薄として外枠100の開口の左右幅寸法を極力長寸とすることで、前面枠101の背面から突出する部位や各種部品等が、開閉時や閉塞時において左右の側板100b,100cの内面と干渉することが防止される。
上板100aの左端部と左の側板100bの上端部とを連結するL字金具100eの前端からは、前面枠101の左側辺上部を枢支する縦断面L字形の枢支片100fが前方に向けて延設されている。また、左の側板100bの下部所定箇所からは、前面枠101の左側辺下部を枢支する枢支片100gが前方に向けて延設されている。
前面枠101は、図6に示すように、中央に縦長長方形状の開口部115が形成されており、開口部115の左側上下部には係止凹部116a,116bが設けられ、右側上下部には後述する盤押え金具692,693が設けられており、遊技盤6の左端部を図中太矢印に示すように係止凹部116a,116bに差し込んだ状態で右端部を盤押え金具692,693で係止することにより該遊技盤6が前面に取り付けられるようになっている。係止凹部116a,116bには後述する盤押えバネ690,691が設けられており、係止凹部116a,116bに係止された遊技盤6の前後のガタツキが防止される。
遊技盤6は、遊技領域7が前面に形成された透明な合成樹脂であるアクリル樹脂製の盤面板6aと、所定の厚み幅寸法を有し、盤面板6aを取り付ける取付面が前面に設けられたスペーサ部材6bと、から構成され、該スペーサ部材6bの背面側には、変動表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット49等の遊技に関連する遊技用部品が組み付けられるユニット部材6cが一体的に取り付けられている。そして、遊技盤6とユニット部材6cとが一体的に組み付けられた遊技盤ユニットを前面枠101の前面に取り付ける際には、スペーサ部材6bの背面に設けられたユニット部材6cを、開口部117を介して前面枠101の背面側に臨ませることができるようになっている。
遊技盤ユニット400は、図7に示すように、遊技盤6と、該遊技盤6の背面側に配置され、遊技盤6を背面側から装飾する装飾体301と、該装飾体301を遊技盤6に対して取り付けるためのカバー体302と、装飾体301の背面に取り付けられ、変動表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット49と、から主に構成されている。
尚、図7中の49’は、変動表示制御ユニット49にて昇降される視差バリア用液晶パネル910を格納するための格納部である。
装飾体301は、透明なアクリル樹脂板により形成される遊技盤6の遊技領域7を背面側から装飾する立体状に形成された装飾体であり、前後方向に所定幅の肉厚を有している。装飾体301の前面は、特に詳細な図示はしないが、非平坦面状に形成され、奥行き感のある装飾部が形成されている。また、遊技盤6側に設けられる各種表示装置(例えば特別図柄表示器8等)、駆動手段(ソレノイド16,21等)、LED、各種スイッチ(例えばゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23等)から延出される配線は、遊技盤6の背面と装飾体301の前面との間から側方に引き出されるため、これら配線は、装飾部と同色または同系色に着色され、これにより配線が目立たないようにしている。
また、装飾体301の前面略中央位置には、背面側に配設される変動表示装置9の表示画面の前面部を囲むように飾り枠が配置されるとともに、その周辺には、遊技領域7に配設される各種入賞口(例えば第1始動口15aや第2始動口15b等)に入賞した遊技球を背面側に排出するための遊技球排出口(図示略)が複数形成されている。さらに装飾体301には、特に図示はしないが、駆動手段等により可動自在に設けられる演出用の可動物や、LEDやランプ等の装飾用発光体が設けられる。このように構成された装飾体301は、背面側のカバー体302に前面側から組み付けられる。
カバー体302は、透明な合成樹脂材からなり、前面が開口する箱状に形成された本体部311内に、装飾体301を前面側から収容可能に形成されている。本体部311の前面開口の周縁部には、遊技盤6の振動が、カバー体302並びに該カバー体302に取り付けられる変動表示装置9を含む変動表示制御ユニット49に伝播することを防止するための所定厚みの弾性部材であるゴムシート317が貼着されているとともに、遊技盤6に取り付けるためのフランジ片310が外向きに形成されており、該フランジ片310の前面側には、遊技盤6に対する当該カバー体302の取付位置を決定するための複数の位置決め用ボス312a〜312dが前面側に向けて突設されているとともに、遊技盤6に当該カバー体302を取り付けるための取付ネジ313が取り付けられる取付穴314が複数箇所に形成されている。
尚、本実施例では、弾性部材としてゴムシート317を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら弾性部材は、パチンコ玉の発射や玉の流下等に伴う遊技盤6の振動や各スピーカ27L,27R、27a,27bからの音出力等によるパチンコ遊技機1の振動が、立体画像(映像)の表示を行う変動表示装置9に伝播されることを防止できるものであれば良く、これらゴムシートに代えて、シリコーンゲル等から成るシートや発泡スポンジ等も好適に使用することができる。
本体部311の背板311aには、当該背板311aの背面側に組み付けられる変動表示装置9の表示画面を視認可能とするための開口部315が形成されている。変動表示装置9を含む変動表示制御ユニット49は、背板311aの背面側から変動表示装置9の表示画面を開口部315に臨ませるように背板311aの背面に取り付けられる。
カバー体302には、これら装飾体301、変動表示制御ユニット49だけでなく、他の装置や基板等が組み付け可能とされており、カバー体302及び該カバー体302に一体的に組み付けられる装飾体301、変動表示制御ユニット49等を含む遊技に関連する複数の遊技用部品により、遊技用部品ユニット300が構成される。このように構成される遊技用部品ユニット300は、遊技盤6に対して着脱可能に取り付けられ、複数の機種に共通して使用される機種共通部品であるカバー体302に、機種固有の装飾体301や変動表示制御ユニット49等の各種遊技用部品を着脱可能に組み付けることができるため、遊技盤6の背面側に配設される複数の遊技用部品が組み付けられたカバー体302を遊技盤6の背面に取り付けるだけで、複数の遊技用部品を一度に配設することができるばかりか、機種変更やメンテナンスの際には、カバー体302から機種固有の装飾体や遊技用部品を取り外すことができるため、作業性が向上する。
ここで、遊技盤6に対する部品ユニットの取り付けについて、図8にもとづいて簡潔に説明する。図8に示すように、スペーサ部材250の背板252における開口部251の上部左右側及び下部左右側には、カバー体302に設けられた位置決め用ボス312a〜312dが嵌合可能な円形状のカバー体用位置決め穴265a〜265dが形成されている。尚、本実施例では、カバー体用位置決め穴265a〜265dと盤面板200の背面200bとにより、位置決め用ボス312a〜312dが嵌合可能な凹部が構成されているが、スペーサ部材250の背板252に直接凹部を形成してもよい。
尚、各カバー体用位置決め穴265a〜265dからは、開口部251の周縁まで延びる案内凹溝266a〜266dが上下方向に向けて凹設されており、案内凹溝266a〜266dの底面は、カバー体用位置決め穴265a〜265dから開口部251の周縁に向けて、つまり遠ざかるにつれて幅寸法が漸次幅広となるように形成されている。よって、案内凹溝266a〜266dにおける幅広部に位置決め用ボス312a〜312dの先端を載置した後、カバー体用位置決め穴265a〜265dに向けて位置決め用ボス312a〜312dの先端を滑らせることで、カバー体用位置決め穴265a〜265dに容易に嵌合できるようになっている。
このように構成されたスペーサ部材250の背面250bに、遊技用部品ユニット300を取り付ける場合、図8に示すように、例えば遊技盤6を、背面を上方に向けた状態で載置面上に載置し、遊技用部品ユニット300を、その前面側から組み付けられた装飾体301を遊技盤6に対向させた状態で上方から取り付ける。
この場合、例えば、複数のカバー体用位置決め穴265a〜265dのうち、上側のカバー体用位置決め穴265a、265bまたは下側のカバー体用位置決め穴265c、265dのいずれかから位置決めを行うかを決定し、上側または下側のうち大径のカバー体用位置決め穴265a、265dから位置決め用ボス312a、312dを嵌合させることが好ましい。
ここで、上側のカバー体用位置決め穴265aを足がかりとして位置決めを行う場合の具体例を説明する。
まず、図8に示すように、例えば遊技盤6を、背面を上向きにした状態で所定の設置面に設置した後、遊技用部品ユニット300を持ち上げ、前面側の位置決め用ボス312a〜312dを遊技盤6に対向させるように遊技盤6の上方に配置する。
そして、位置決め用ボス312aが、カバー体用位置決め穴265a及び該カバー体用位置決め穴265aから連設される案内凹溝266aの底面G1からなる案内領域上に載置されるように遊技用部品ユニット300の上部側を下方に傾倒させるように下降する。このとき、案内凹溝266aの底面は開口部251の周縁に向けて漸次幅広となるように開口部251に向けて延設されている、つまり底面はカバー体用位置決め穴265aの開口面積よりも面積が大きいため、カバー体用位置決め穴265aに直接挿入するよりも簡単に案内凹溝266a内に載置させることができる。
ここで、案内凹溝266aの底面上に位置決め用ボス312aが載置された場合、遊技用部品ユニット300(カバー体302)の荷重を底面上に掛けた状態で、位置決め用ボス312aがカバー体用位置決め穴265aに向けて移動するように遊技用部品ユニット300を上方に向けてスライド移動させる。このとき、位置決め用ボス312aが案内凹溝266aの左右側に配置された内側面によりガイドされてカバー体用位置決め穴265aに向けて案内される。これにより、位置決め用ボス312aが底面上から逸脱することが防止されるとともに、カバー体用位置決め穴265aに近づくにつれて、カバー体用位置決め穴265aに対する位置決め用ボス312aの左右方向の位置ずれが漸次小さくなっていくため、遊技用部品ユニット300をスライドさせるだけで位置決め用ボス312aをカバー体用位置決め穴265a内に簡単に挿入することができる。
そして、このように位置決め用ボス312aがカバー体用位置決め穴265a内に挿入された状態で、カバー体用位置決め穴265a内で位置決め用ボス312aを中心として遊技用部品ユニット300を遊技盤6の背面に対して水平回転させる。この際、位置決め用ボス312aがカバー体用位置決め穴265aの内周面により囲まれることで、回転中心が大きくずれることがないため、位置決め用ボス312bをカバー体用位置決め穴265bに簡単に合致させて嵌合することができる。尚、この場合も、一旦案内凹溝266bの底面上に位置決め用ボス312bを載置してから位置決め用ボス312bをカバー体用位置決め穴265bに向けてスライドさせて嵌合してもよい。
そして上側のカバー体用位置決め穴265a、265bに位置決め用ボス312a、312bを挿入した状態で、遊技用部品ユニット300の下部側を下方に傾倒させて下降させれば、カバー体用位置決め穴265c、265dに位置決め用ボス312c、312dが嵌合され、これにより遊技盤6に対する遊技用部品ユニット300の取付位置が決定される。このとき、背面側から見て左側の上下のカバー体用位置決め穴265b,265cに位置決め用ボス312b,312cが嵌合されるため、遊技盤6に対する遊技用部品ユニット300の水平方向の位置ずれが規制される。
そして図8に示すように、遊技盤6の背面側に位置決めされた遊技用部品ユニット300は、各取付穴314に背面側から取付ネジ313を取り付け、スペーサ部材250の背板252に形成されたネジ穴に螺入することで、遊技盤6の背面における所定の取り付け位置に所定の姿勢で取り付けられる(止着される)。このように遊技用部品ユニット300がスペーサ部材250の背板252に止着されることで、遊技領域7が形成される盤面板200に遊技用部品ユニット300のネジ穴等を形成しなくて済むため、盤面板200の強度の低下が防止される。
以上説明したように、遊技盤6を背面側に向けた状態で設置し、その上方から遊技用部品ユニット300の位置決め用ボス312a〜312dをカバー体用位置決め穴265a〜265dに嵌合することで、遊技盤6に対する遊技用部品ユニット300の取り付け位置を簡単に決定することができるばかりか、位置決め用ボス312aをカバー体用位置決め穴265aに嵌合する際には、カバー体用位置決め穴265aから周辺に広がる底面上に載置した位置決め用ボス312aをカバー体用位置決め穴265aに向けてスライド移動させればよく、その際に内側面により位置決め用ボス312aが底面外に逸脱してカバー体用位置決め穴265aから離れることが防止されるため、遊技用部品ユニット300が大きい場合や重量がある場合でも、位置決め用ボス312aのカバー体用位置決め穴265aへの嵌合作業を極めて簡単に行うことができる。
次に、本実施例に用いた変動表示装置9において、視差バリア用液晶パネル910を昇降させる昇降ユニット500の構成について、図18を用いて説明する。
図18に示すように、本実施例の昇降ユニット500は、中央に横長長方形状の開口503が形成された四角枠状の枠板502と、枠板502の前面側に上下方向に移動可能に設けられ、視差バリア用液晶パネル910を保持可能とされた枠ホルダ508と、枠板502の背面側に設けられ、枠ホルダ508を昇降させるための昇降パルスモータ61と、から主に構成される。
昇降ユニット500は、特に図示はしないが、開口503の背面に設けられる画像用液晶パネル900の前面側に起立姿勢で配設される。開口503は、枠板502の背面側に配設される画像用液晶パネル900の表示面とほぼ同形に形成され、該開口503を介して表示面を遊技盤6の前面側から視認可能に形成されている。
枠ホルダ508は、中央が開口503と同形状の開口とされた額縁状をなす枠状体とされており、枠ホルダ508の下部左右側辺からは、後述する案内部材520L,520Rを取り付けるための取付片508a,508bが外向きに形成されている。
枠ホルダ508は、枠板502の上辺部の前面上部位置に配置される格納位置(図19(a)参照)と、開口503を塞ぐように該開口503の前面に配置される配置位置(図19(b)参照)と、の間で移動可能に設けられ、該枠ホルダ508の内部に保持される視差バリア用液晶パネル910が枠ホルダ508の移動に伴って、格納位置と配置位置とを移動する。
枠ホルダ508の左側の取付片508aには、横断面コ字形をなす棒状の案内部材520Lが取り付けられるとともに、右側の取付片508bには、横断面コ字形をなす棒状の案内部材520Rが上方に向けて延びるように取り付けられる。
案内部材520Rの内面には、後述する従動ピニオンギヤ565に噛合する駆動用ラックギヤ526が長手方向にわたり形成されている。
案内部材520Lの背面には、枠板502の前面左辺に突設された上下方向に延びる案内片522Lに嵌合される案内溝523Lが長手方向にわたり形成されており、案内片522Lにより案内部材520Lが上下方向に移動案内されるようになっている。また、案内部材520Rの背面には、枠板502の前面右辺に案内片522Lに対して平行に設けられた上下方向に延びる案内片522Rに嵌合される案内溝523Rが長手方向にわたり形成されており、案内片522Rにより案内部材520Rが上下方向に移動案内されるようになっている。
案内部材520L,520Rは、被取付片527a,527bの前面に枠ホルダ508の左右の取付片508a,508bを配置した状態で枠ホルダ508に取り付けられる。
開口503の左右に配置された案内部材520L,520Rは、それぞれの案内溝523L,523R内に上下方向を向く案内片522L,522Rを嵌合させることで、上下方向に摺動可能に案内される。尚、これら案内部材520L,520Rの前面は、図示しないカバー部材により覆われることで、遊技者からの視認が防止されるようになっている。
案内部材520Rに形成された駆動用ラックギヤ526は、枠板502の背面に配設された従動ピニオンギヤ565に枠板502の背面にて噛合され、この従動ピニオンギヤ565は、前後方向を向く回動軸566周りに回動自在に設けられており、駆動用ラックギヤ526と噛合する。
また、従動ピニオンギヤ565は、枠板502の背面側に取り付けられる昇降パルスモータ61の出力軸61aに固着された駆動ギヤ61bに噛合する背面側の従動ギヤ567に、枠板502の背面側において噛合されている。
よって、昇降パルスモータ61が正回転することにより、従動ギヤ567及び従動ピニオンギヤ565が回転駆動し、これに噛合する案内部材520Rが下方に移動する。つまり、案内部材520Rに連結されている枠ホルダ508は開口503の上部の格納位置から配置位置に向けて移動(下降)する。
また、昇降パルスモータ61が逆回転すると、案内部材520Rは上方に移動して枠ホルダ508が配置位置から格納位置に向けて上方に移動する。
このように昇降パルスモータ61の回転を、演出制御用マイクロコンピュータ81からの指示に基づいて視差バリア制御用DSP264が制御することで、枠ホルダ508に保持されている視差バリア用液晶パネル910が、図19(a)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ81からの指示に基づいてVDP262によって画像用液晶パネル900に2次元(2D)画像が表示されているときには、画像用液晶パネル900の表示領域に重ならない、該表示領域の上部位置の格納位置に格納されることで、遊技者は、視差バリア用液晶パネル910を透過しない、鮮明な2次元(2D)画像を直接視認することができるとともに、演出制御用マイクロコンピュータ81からの指示に基づいてVDP262によって画像用液晶パネル900に立体(3D)画像が表示されているときには、画像用液晶パネル900の表示領域と重なる配置位置に配置されることで、該配置された視差バリア用液晶パネル910によって遊技者は視差画像を視認できるようになるので、立体(3D)画像を視認することができる。
つまり、演出制御用マイクロコンピュータ81とVDP262と視差バリア制御用DSP264とが共動することで、画像用液晶パネル900に2次元(2D)画像を表示するときには視差バリア用液晶パネル910を昇降ユニット500にて格納位置に移動させ、画像用液晶パネル900に立体(3D)画像を表示するときには視差バリア用液晶パネル910を昇降ユニット500にて配置位置に移動させる移動処理を実施する。
尚、本実施例では、これら視差バリア用液晶パネル910の移動(下降)が、例えば、1の変動表示中においてスーパーリーチに移行する場合等において低速で実施される場合と、例えば、変動表示結果が特定遊技状態である大当りとなる可能性を予告するステップアップ予告や大当りの発生時等において高速で実施される場合とがあり、これら移動(下降)形態の違いにより、移動(下降)中の表示状態が、図20、図21に示すように、異なっている。
具体的には、予め低速移動の対象とされている特定の変動パターン、例えば、スーパーリーチの変動パターンの演出を実施する際に、演出制御用マイクロコンピュータ81からの指示に基づいて視差バリア用液晶パネル910の移動(下降)が低速で実施される場合、つまり、演出制御用マイクロコンピュータ81からの指示に応じて視差バリア制御用DSP264が昇降パルスモータ61の回転を低速で正回転させる場合には、下降する視差バリア用液晶パネル910に、視差バリア画像を表示させる制御を実施するとともに、昇降パルスモータ61に対して出力した駆動パルス数に基づいて視差バリア用液晶パネル910と重なった画像用液晶パネル900の表示領域を特定し、該特定した視差バリア用液晶パネル910と重なった表示領域のエリア情報をVDP262に出力することで、VDP262に、該エリア情報から特定される視差バリア用液晶パネル910と重なった表示領域に右目用画像と左目用画像から成る立体(3D)画像を表示させるとともに、該表示領域以外の表示領域、つまり、未だ視差バリア用液晶パネル910と重なっていない表示領域に2次元(2D)画像を表示させる。
このようにすることにより、視差バリア用液晶パネル910が低速で移動(下降)する場合には、該移動(下降)中において、既に視差バリア用液晶パネル910と重なった表示領域に立体(3D)画像が表示されるとともに、未だ視差バリア用液晶パネル910と重なっていない表示領域には2次元(2D)画像が継続表示されるようになり、これら視差バリア用液晶パネル910の移動中において表示が不自然となることを防止することができるとともに、これら視差バリア用液晶パネル910の移動中においても遊技を進行させることができるようになる。
一方、予め高速移動の対象とされている特定の変動パターン、例えば、ステップアップ予告が発生する擬似連の変動パターンの演出を実施する際や、特定の演出、例えば、大当り演出を実施する際に、演出制御用マイクロコンピュータ81からの指示に基づいて視差バリア用液晶パネル910の移動(下降)が高速で実施される場合、つまり、演出制御用マイクロコンピュータ81からの指示に応じて視差バリア制御用DSP264が昇降パルスモータ61の回転を高速で正回転させる場合には、下降する視差バリア用液晶パネル910に、視差バリア画像を表示せず、視差バリア用液晶パネル910を全て透明な全透過表示状態とする制御を実施するとともに、VDP262に対してエリア情報を出力しない制御を実施することで、VDP262に、画像用液晶パネル900の全表示領域に、2次元(2D)画像を継続して表示させることで、既に視差バリア用液晶パネル910と重なった表示領域にも、未だ視差バリア用液晶パネル910と重なっていない表示領域にも2次元(2D)画像を表示させる(図21(a))。
そして、視差バリア用液晶パネル910が所定の配置位置に到達して移動(下降)が完了したときに、視差バリア用液晶パネル910に、視差バリア画像の表示を開始するとともに、VDP262に対して、画像用液晶パネル900の全表示領域が重なっていることを示すエリア情報を出力することで、画像用液晶パネル900の全表示領域に右目用画像と左目用画像から成る立体(3D)画像の表示を開始させることで、図21(b)に示すように、立体(3D)画像の視認が可能となる。
つまり、視差バリア用液晶パネル910が高速で移動する場合において、既に視差バリア用液晶パネル910と重なっている画像用液晶パネル900の表示領域に立体(3D)画像を表示すると、移動とともに立体(3D)画像が表示されることになるので、遊技者が不快感を感じてしまうことを回避できるとともに、視差バリア用液晶パネル910が低速で移動する場合においては、既に視差バリア用液晶パネル910と重なっている画像用液晶パネル900の表示領域に立体(3D)画像を表示することで、徐々に立体(3D)画像の表示エリアが拡大することで、急峻に立体(3D)画像の表示に移行する場合に比較して、遊技者に不快感を与えてしまうことを回避できるようになる。
尚、本実施例では、上記したように、視差バリア用液晶パネル910の移動速度を低速と高速としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら視差バリア用液晶パネル910の移動速度を低速のみ、或いは高速のみとしても良い。
また、低速においても、高速の場合と同様の制御を実施することで、移動が完了した時点から立体(3D)画像を表示するようにしても良い。
また、本実施例では、視差バリア用液晶パネル910を、画像用液晶パネル900の表示領域の全体と重なる配置位置だけではなく、図22に示すように、画像用液晶パネル900の上半分の表示領域と重なる中間位置(第2配置位置)に停止させる制御を視差バリア制御用DSP264が実施するとともに、視差バリア制御用DSP264がVDP262に対して、画像用液晶パネル900の上半分の表示領域(第1表示領域)が重なっていることを示すエリア情報を出力することで、画像用液晶パネル900の上半分の表示領域(第1表示領域)に右目用画像と左目用画像から成る立体(3D)画像を表示させ、画像用液晶パネル900の下半分の表示領域(第2表示領域)に2次元(2D)画像を表示させることで、2次元(2D)画像と立体(3D)画像とを同時に表示することができるようになっている。
つまり、画像用液晶パネル900は、立体(3D)画像を表示する上半分の表示領域(第1表示領域)と、2次元(2D)画像を表示する下半分の表示領域(第2表示領域)とを有し、上半分の表示領域(第1表示領域)と下半分の表示領域(第2表示領域)とに立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示するときに視差バリア制御用DSP264は、視差バリア用液晶パネル910を上半分の表示領域(第1表示領域)のみを覆う第2配置位置に昇降ユニット500により移動させる制御を行う。
ここで、変動表示装置9の前面に透明な遊技盤6が存在することにより、これら透明な遊技盤6を透して遊技者が変動表示装置9に表示される立体画像を視認すること伴う視差変化を補正するための調整操作について、図17に基づいて説明する。
つまり、本実施の形態では、前述したように、変動表示装置9を含む変動表示制御ユニット49が、遊技盤6やパチンコ遊技機1の振動等が変動表示装置9に伝播することを防止するためにゴムシート317を介在させて遊技盤6に取り付けられているため、同一機種であっても、個々のパチンコ遊技機1において、変動表示装置9の前面位置と遊技盤6との間隔が同一とならずに個体差が存在することから、これら個体差が大きいと、遊技者が変動表示装置9に表示される立体画像を、遊技盤6を透して視認する場合に、特に表示領域の左右両端部分において良好な立体画像が表示されない場合があることから、視差バリア用液晶パネル910に表示される視差バリア画像を、調整操作を行って調整することで、良好な立体画像が表示されるようにする。
これら調整操作を行いたい場合には、演出制御基板80の背面側に設けられている、図示しない調整操作用スイッチを操作することで、図17(a)に示すように、予め画像データROM263に記憶されている調整用立体映像が繰返し表示される調整用画面が変動表示装置9に表示されるとともに、該調整用画面上にカーソルが表示されて、該カーソルを操作レバー600にて移動することが可能とされる。
この調整用画面には、図17(a)に示すように、画面の下方位置に「領域指定」、「バリア幅調整」、「バリアピッチ調整」、「バリア位置調整」の4つのメニュー項目が選択可能に設けられている。
調整操作を行う場合には、まず、「領域指定」のメニューにカーソルを合わせて、トリガースイッチ512aを操作すると、「領域指定」のメニュー表示が反転表示されて、領域の選択が可能となる。
操作者は、調整用立体映像を見ながら立体映像が良好に表示されていない領域、例えば、向かって左側の端部領域において立体映像が良好に表示されていない場合であれば、図17(b)に示すように、「領域指定」のメニュー表示が反転表示されている段階で、トリガースイッチ512aを操作しながら操作レバー600を操作してカーソルを移動することにより、向かって左側の端部領域を調整する領域として指定する。
そして、これら領域を指定した後、「バリア幅調整」、「バリアピッチ調整」、「バリア位置調整」のいずれかのメニューを選択して、調整を実施する。
具体的に、「バリア幅調整」、「バリアピッチ調整」、「バリア位置調整」のいずれかのメニューを選択した場合には、図17(c)において、「バリア幅調整」のメニューを選択した場合を例示したように、画面の上部位置にコントロールバーが表示されて、該コントロールバー上の操作片表示にカーソルを合わせて該操作片表示を、−5〜+5の範囲内において段階的に移動させた後に調整用立体映像の立体表示の状態を確認して、最も良好な立体表示がなされる段階を選択する。
尚、これら図17(c)に示すバリア幅調整の場合には、+側に操作片表示を移動させるに連れてバリアとなる後述する黒帯部(バリア)の幅が順次漸増し、−側に操作片表示を移動させるに連れてバリアとなる後述する黒帯部(バリア)の幅が順次漸減する。
また、バリアピッチ調整の場合には、+側に操作片表示を移動させるに連れてバリアとなる後述する隣接する黒帯部(バリア)間の間隔が順次漸増し、−側に操作片表示を移動させるに連れて隣接する黒帯部(バリア)間の間隔が順次漸減する。
また、バリア位置調整の場合には、+側に操作片表示を移動させるに連れてバリアとなる後述する黒帯部(バリア)が、幅、間隔を維持しつつ、その位置を向かって右方向に移動し、−側に操作片表示を移動させるに連れてバリアとなる後述する黒帯部(バリア)が、幅、間隔を維持しつつ、その位置を向かって左方向に移動する。
このように、指定した領域内の黒帯部(バリア)の幅、間隔(ピッチ)、位置をそれぞれ、調整用立体映像の立体表示の状態を確認しつつ、調整する。
尚、これら調整した内容は、補正データとして不揮発性の内部ROMに更新記憶される。そして、これら補正データを、入出力ポート265から外部に出力することが可能とされているとともに、該入出力ポート265から、他のパチンコ遊技機1から出力された補正データを入力して、視差バリア制御用DSP264内の不揮発性の内部ROMに記憶させることができる。
つまり、同一機種のパチンコ遊技機1においては、個体差があっても、調整の内容がほぼ同様であって、微調整のみを行うだけで良好な調整が実施可能であることが多いことから、1のパチンコ遊技機1の入出力ポート265から出力された補正データを、他のパチンコ遊技機1の入出力ポート265から入力することで、入力された補正データに基づいてバリア画像が調整されることにより、これら調整操作においては微調整のみを行うだけで良好な立体画像を表示できるようになるので、これら調整操作の時間を著しく短縮することができる。
次に、視差バリア制御用DSP264において、遊技者の目の位置を特定する視点位置特定処理について図16に基づいて説明する。
視差バリア制御用DSP264は、赤外線カメラ60にて撮像された画像を、視差バリア用液晶パネル910における視差バリア画像の更新期間(1秒を視差バリア用液晶パネル910の駆動周波数で除した値)よりも短い所定時間間隔、例えば駆動周波数が60ヘルツであれば、1/60秒=16.7ミリ秒よりも短い例えば10ミリ秒毎に取り込んで、遊技者の目の位置である視点位置を特定する。
これら視点位置を特定手法としては、前述したように、遊技者が遊技している場合には、遊技している遊技者の人体から赤外線が放射されていることから、これら放射されている赤外線を赤外線カメラ60にて撮像することで遊技者の人体部分が明るく写るので、撮像した画像中に遊技中の遊技者が存在するか否か、並びに遊技者の人体部分(頭部)の領域を容易に識別できるとともに、目の位置となる眼球については、血流の流れが他の周囲部分に比較して少ないために、通常において周囲の温度よりも低いことにより、やや暗く写ることから、該明るく認識される人体である顔部分の領域内でやや暗くなる領域部分の中心を、画像処理にて特定することにより遊技者の目の位置(視点位置)、具体的には、図16(b)に示すように、中心位置からの所定側の目(本実施の形態では、遊技者の右目)の移動距離(X;遊技者の左方向がプラス、遊技者の右方向がマイナス)として特定する。
視差バリア制御用DSP264は、これら左右方向の目の位置を、移動距離Xをパラメータ(指標)として特定するとともに、単焦点の赤外線カメラ60の焦点を合わせる焦点調整制御において、焦点の合った調整位置情報を用いて、遊技者の目から変動表示装置9までの距離D、つまり、遊技者の目の前後方向の位置を、距離Dをパラメータ(指標)として特定する。
具体的には、撮像するカメラとして単焦点の赤外線カメラ60を用いているため、距離Dと焦点が合う焦点調整の調整位置とが1対1の関係になるので、視差バリア制御用DSP264の内部に設けられている内部ROMには、予め、各焦点の調整位置情報に対応付けて距離Dの値が記憶された図示しない距離データテーブルが記憶されており、焦点が合った時点の調整位置情報に対応して距離データテーブルに記憶されている距離Dが、その時点における遊技者の目の位置から変動表示装置9までの距離Dとして特定される。
尚、本実施の形態では、赤外線カメラ60の焦点調整制御を、撮像された画像のコントラストが所定の閾値以下に低下した時に視差バリア制御用DSP264が実施するようにしており、これら焦点調整制御によって焦点が合った調整位置が変化したときに、該変化した調整位置に対応する距離Dを特定する。つまり、画像の取り込み毎に距離Dを常時特定するのではなく、焦点調整制御によって調整位置が変化する毎に距離Dを特定し、調整位置が変化しない場合、すなわち、遊技者が前後方向にあまり移動していないときには、既に特定した距離Dをそのまま使用する。
このように視差バリア制御用DSP264は、赤外線カメラ60にて撮像された画像に基づいて、遊技者の視点位置となる左右方向の距離Xと前後方向の距離Dとを特定する。
尚、本実施の形態では、赤外線カメラ60を使用しているのでコントラストによる焦点合わせの制御を実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら焦点合わせの制御方法としては、比較的高速にて焦点合わせが可能なものであって、使用するカメラに適するものであれば、公知の他の焦点合わせの手法を適用することができる。
また、視差バリア制御用DSP264は、図16(c)に示すように、遊技者の左右の目の間隔である眼間距離を、赤外線カメラ60にて撮像された画像に基づいて特定する眼間距離特定処理を、所定の遊技開始条件となる、主基板31から客待ちデモ指定コマンドの受信後における初めの可変表示コマンドを受信したことを条件に実施する。
この客待ちデモ指定コマンドや可変表示コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出制御用マイクロコンピュータ81に対する多数の制御コマンドのうちの1つである。
客待ちデモ指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ156が客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)であり、打球操作ハンドル(操作ノブ)5の操作がなされなくなってから所定時間が経過したことに応じて送出され、該客待ちデモ指定コマンドが演出制御基板80に対して送出されたときには、変動表示装置9に所定の客待ちデモ画面が表示される。つまり、通常においては、遊技者が交替するときには、遊技者が不在となる期間が存在するので、これら客待ちデモ指定コマンドは、遊技者が交替することで遊技者が不在となったときに出力される。
また、可変表示コマンドは、特別図柄の可変表示に対応して変動表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定するために、変動開始時に送信される演出制御コマンドであり、変動開始を指定するためのコマンドである。
つまり、遊技者が遊技を終了して遊技者の不在が発生した後、交替した遊技者が遊技を開始した場合には、遊技者の不在の発生に伴って客待ちデモ指定コマンドが送信され、その後、交替した遊技者が遊技を開始して始動入賞が発生することに応じて可変表示コマンドが送信されることになるので、客待ちデモ指定コマンドの受信後における初めの可変表示コマンドを受信することを条件に眼間距離特定処理を行うことで、交替した遊技者の眼間距離を的確に特定することができるとともに、これら眼間距離を特定するための特別な操作を遊技者や遊技場の係員等が実施する必要がなく、これら操作の手間を低減できるばかりか、これら眼間距離特定処理を定常的又は定期的に実施する場合等に比較して、眼間距離特定処理に要する処理負荷を著しく低減することもできる。
このように、本実施の形態では、遊技者の遊技の開始に応じて眼間距離を特定するので、一方の目となる遊技者の右目を特定することで、左目の位置をほぼ特定できることから、視点位置の特定を高速に実施できるようにするために、一方の右目のみについて位置(移動距離X)の特定を実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、右目と左目との位置を個別に特定し、これら右目と左目の位置の差から眼間距離を逐次特定して、これら特定した眼間距離に基づいて視差バリア画像を補正することにより、例えば、遊技者が頭を大きく傾けることで眼間距離が擬似的に短くなった場合においても立体画像を良好に視認できるようにしても良い。
また、視差バリア制御用DSP264の内部ROMには、前述した距離データテーブルに加えて、図15(a)に示す標準バリア画像テーブルが記憶されている。
この標準バリア画像テーブルには、上述したようにして特定される遊技者の各視点位置(X、D)に対応付けて、視差バリア画像情報と視差バリア画像データとが記憶されている。
視点位置(X、D)は、(X0、D0)である基準位置からプラス側の(Xn、Dn)、マイナス側の(Xn’、Dn’)までの範囲における予め決定された所定の間隔毎の座標とされている。これら所定の間隔が小さい(分解能が高い)と誤差の小さい視差バリア画像の制御が可能となるがデータ容量が著しく多くなってしまい、逆に、これら所定の間隔が大きい(分解能が低い)と誤差の小さい視差バリア画像の制御が困難となるがデータ容量を小さくできることから、これら制御誤差とデータ容量とのバランスを考慮した間隔(分解能)とすることが好ましい。
視差バリア画像情報には、対応する視点位置(Xn、Dn)、(Xn’、Dn’)からの目視において、逆視画像(右目であれば左目用画像、左目であれば右目用画像を指す)の視認を適切にブロックできる縦縞状の黒帯部(シャッタ)と、正視画像(右目であれば右目用画像、左目であれば左目用画像を指す)の視認を可能とする非黒帯部(ブランク)の幅のデータが、画面の一方端からの距離となる画素数を用いて記述されている。つまり、B1は、一方端から1番目の非黒帯部(ブランク)の幅の大きさ(画素数)であり、S1は、B1の次に表示される一方端から1番目の黒帯部(シャッタ)の幅の大きさ(画素数)であり、以下、B2、S2、B3、S3と記述されることで、当該視差バリア画像に含まれる黒帯部(シャッタ)と非黒帯部(ブランク)とがどのような状態で配列されているかを特定できるようになっている。
また、視差バリア画像データには、対応する視差バリア画像情報にて記述された黒帯部(シャッタ)と非黒帯部(ブランク)とが交互配列された視差バリア画像に固有に付与された画像IDが格納されており、内部ROMに記憶されている該画像IDの視差バリア画像データを読み出すことで、その都度、視差バリア画像情報から視差バリア画像データをいちいち生成することなく、視差バリア画像データを迅速に得ることができるようになっている。
また、視差バリア制御用DSP264は、図示しない内部RAMを有しており、該内部RAMには、図15(b)に示す遊技者用バリア画像テーブルが記憶されている。
この遊技者用バリア画像テーブルは、前述した所定の遊技開始条件の成立に応じて眼間距離特定処理が実施されて眼間距離が特定される毎に更新される。
眼間距離は、眼間距離が大きい遊技者もいれば、眼間距離が小さい遊技者もいるように、個々の遊技者で異なるので、通常において遊技者が交代した場合には眼間距離が変更する。これら眼間距離が変更した場合には、図14に示すように、立体画像の良好な表示を確保するためには、逆視画像の適切なブロックと正視画像の適切な視認とを行うために黒帯部(シャッタ)と非黒帯部(ブランク)の位置や幅等を変更する、具体的には、眼間距離が大きい場合には、黒帯部(シャッタ)の位置を両端(外部)方向に移動するとともに幅を拡大するように変更し、眼間距離が小さい場合には、黒帯部(シャッタ)の位置を中心(内部)方向に移動するとともに幅を縮小するように変更することが必要となる。
よって、特定した新たな眼間距離と、内部ROMに記憶されている前述した補正データとに基づいて、当該遊技者並びに当該パチンコ遊技機1に特化(最適化)した各視点位置からの視差バリア画像である特化画像を新たに生成して、当該視点位置のパラメータである(Xn、Dn)、(Xn’、Dn’)を含むIDを付与して内部RAMに事前記憶する。
尚、視差バリア制御用DSP264の内部ROMには、眼間距離や補正データに応じて標準バリア画像から特化画像を生成するアルゴリズムが記述された特化画像生成プログラムが予め記憶されており、該特化画像生成プログラムを実行することにより、視差バリアとなる黒帯部(シャッタ)の表示位置、表示幅、隣接する黒帯部(シャッタ)との間隔(ピッチ)の少なくともいずれか1つが適正化された特化画像が生成される。
そして、これら生成された特化画像のIDと視差バリア画像情報とが、図15(b)に示すように、各視点位置(Xn、Dn)、(Xn’、Dn’)に対応付けて遊技者用バリア画像テーブルに記憶されることで、特定した各視点位置に対応する特化画像を迅速に特定して内部RAMから読み出して視差バリア用液晶パネル910に表示させることができるようになっている。
ここで、遊技者の視点位置が変化することに応じて、視差バリア画像が変化する状況について、図9〜図13に示す上方断面図に基づいて説明する。
尚、図9〜図13においては、画像用液晶パネル900には、VDP262により、演出制御用CPU86からの指示に基づいて画像データROM263から読み出された立体画像を成す、縦方向の帯状とされた所定幅の右目用画像(R)と左目用画像(L)とが交互に表示されている。
本実施の形態では、右目用画像(R)と左目用画像(L)との表示幅を均一としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら表示幅を、画面の中央部と端部とで異なるようにしても良い。
遊技者の視点位置が、例えば基準位置となるX0、D0にあった場合には、図9に示すように、X0、D0に対応する特化画像ID(X0、D0)の特化画像が、視差バリア制御用DSP264により視差バリア用液晶パネル910に表示されることで、右目についは、画像用液晶パネル900に表示されている各左目用画像(L)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各右目用画像(R)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、右目には右目用画像(R)のみが提供される一方、左目についは、画像用液晶パネル900に表示されている各右目用画像(R)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各左目用画像(L)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、左目には左目用画像(L)のみが提供されることで、遊技者は、偏向メガネ等を装着することなく、裸眼の状態で、立体画像を視聴することができる。
遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(X0、Dz;Zは0からnまでの範囲の変数)の後方(遠方)に移動した場合には、図10に示すように、X0、Dzに対応する特化画像ID(X0、Dz)の特化画像、具体的には、図9のX0、D0の特化画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に外側(両側端側)に移動するとともに黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや広がった特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル910に表示されることで、特に画面の両端部領域において逆視画像が視認されてしまうことが防止され、良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の後方(遠方)に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル910上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に外側(両側端側)に移動するとともに、黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してやや広幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が後方(遠方)に移動したとしても、これら後方(遠方)への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の後方(遠方)への移動によっても行うことができる。
尚、図10〜図13においては、画像用液晶パネル900と視差バリア用液晶パネル910との距離L1に比較して、視差バリア用液晶パネル910と遊技者の目との距離L2を、図示の都合上、実際の長さよりも著しく小さく示しているために、右目と左目の視線を示す線分が交錯する交錯位置が、視差バリア用液晶パネル910よりも前方側或いは後方側に移動しているが、これら交錯位置の実際の移動量は非常に少ないものとなる。
一方、遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(X0、Dz’)の前方(近方)に移動した場合には、図11に示すように、X0、Dz’に対応する特化画像ID(X0、Dz’)の特化画像、具体的には、図9のX0、D0の特化画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に中心側に移動するとともに黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや狭まった特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル910に表示されることで、特に画面の両端部領域において逆視画像が視認されてしまうことがより良く防止され、より良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の前方(近方)に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル910上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に中心側に移動するとともに、黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してやや狭幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が前方(近方)に移動したとしても、これら前方(近方)への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の前方(近方)への移動によっても行うことができる。
また、遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(Xz、D0)である左方向に移動した場合には、図12に示すように、Xz、D0に対応する特化画像ID(Xz、D0)の特化画像、具体的には、図9のX0、D0の特化画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に左方向に移動するとともに、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや狭く、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや広い特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル910に表示されることで、特に移動方向である左と反対方向の右側端部領域において逆視画像が視認されてしまうことが防止され、良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の左方向に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル910上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に左方向に移動するとともに、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや狭幅とされる一方、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや広幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が左方向に移動したとしても、これら左方向への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の左方向への移動によっても行うことができる。
また、遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(Xz’、D0)である右方向に移動した場合には、図13に示すように、Xz’、D0に対応する特化画像ID(Xz’、D0)の特化画像、具体的には、図9のX0、D0の特化画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に右方向に移動するとともに、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや狭く、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや広い特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル910に表示されることで、特に移動方向である右と反対方向の左側端部領域において逆視画像が視認されてしまうことが防止され、良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の右方向に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル910上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に右方向に移動するとともに、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや広幅とされる一方、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや狭幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が右方向に移動したとしても、これら右方向への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の右方向への移動によっても行うことができる。
尚、これら各特化画像(視差バリア画像)の表示中において、遊技者が急激に左または右に移動することにより、移動に対応した特化画像(視差バリア画像)を表示することが困難となる場合には、右目に左目用画像が視認され、左目に右目用画像が視認される逆視状態となって、気分が悪くなってしまう等の不都合が遊技者に生じてしまうことを回避するために、これら一定の閾値以上の急激な左右の移動が発生した場合においては、視差バリア制御用DSP264から演出制御用CPU86に対して急激移動の発生を通知して、演出制御用CPU86からVDP262に対して、立体(3D)画像ではなく、2次元(2D)画像の表示指示を出力させるとともに、特化画像(視差バリア画像)の表示を中断する(全てを透過部とする)ことで、逆視状態となることを回避するようにすることが好ましい。
以上、上記した実施形態によれば、本発明の表示体となる画像用液晶パネル900に2次元(2D)画像(非立体画像)が表示されるときには本発明の視差形成体となる視差バリア用液晶パネル910が格納位置(退避位置)に移動されるようになるので、遊技者は、視差バリア用液晶パネル910を透過することなく、画像用液晶パネル900に表示された2次元(2D)画像(非立体画像)を直接視認できるようになるので、立体(3D)画像と2次元(2D)画像(非立体画像)とを表示しても、2次元(2D)画像(非立体画像)の鮮明度が低下して遊技者が見づらくなってしまうことを解消することができるとともに、視差バリア用液晶パネル910が所定の配置位置に配置されることで、立体(3D)画像への表示の切り替えタイミングを遊技者に明確に示すことができ、立体(3D)画像へ注目させることができる。
また、上記した実施形態によれば、視差バリア用液晶パネル910が格納位置(退避位置)から配置位置への移動中においても、視差バリア用液晶パネル910が重なっている表示領域に立体(3D)画像が表示されるようになるので、該視差バリア用液晶パネル910の移動中において画像用液晶パネル900の表示が不自然となることを防止することができるとともに、これら視差バリア用液晶パネル910の移動中においても遊技を進行させることができる。
また、上記した実施形態によれば、視差バリア用液晶パネル910が格納位置(退避位置)から配置位置への移動中においても、視差バリア用液晶パネル910が重なっている表示領域においても、視差バリア用液晶パネル910が重なっていない表示領域と同様に2次元(2D)画像(非立体画像)が表示されるようになるので、該視差バリア用液晶パネル910の移動中において画像用液晶パネル900の表示が不自然となることを防止することができるとともに、これら視差バリア用液晶パネル910の移動中においても遊技を進行させることができる。
また、上記した実施形態によれば、図22に示すように、立体(3D)画像と2次元(2D)画像(非立体画像)とを同時に表示できることで、多彩な演出を実施できるようになるため、遊技者の興趣を向上できるとともに、2次元(2D)画像(非立体画像)が表示される第2表示領域には視差バリア用液晶パネル910が重ならないので、これら立体(3D)画像と2次元(2D)画像(非立体画像)の同時表示においても、2次元(2D)画像(非立体画像)の鮮明度が低下して遊技者が見づらくなってしまうことを解消することができる。
また、上記した実施形態によれば、遊技者の目の位置である視点位置を逐次特定する視点位置特定手段となる赤外線カメラ60や視差バリア制御用DSP264を備え、視差バリア制御用DSP264(視差バリア制御手段)は、逐次特定した遊技者の視点位置(Xn、Dn)の変化に応じて、視差バリアの表示位置、表示幅、隣接する視差バリアとの間隔の少なくともいずれか1つを、該変化後の視点位置において画像用液晶パネル900に表示される右目用画像並びに左目用画像の視認をより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像である、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル910上における位置に応じて補正された視差バリア画像である、特定した視点位置を含む特化画像IDの特化画像に変更する制御を行うので、遊技者の視点位置が変化しても、視差バリア制御手段となる視差バリア制御用DSP264によって最適化された視差バリア画像である特化画像が視差バリア用液晶パネル910に表示されるため、右目用画像と左目用画像の表示位置等を変更しなくても、逆視画像となる左目による右目用画像に視認並びに右目による左目用画像の視認が適切に阻止されて良好な立体画像が表示されるようになるため、同一の立体画像を表示するために、各視点に対応した多数の立体画像データを作成並びに使用する必要がないので、立体画像(コンテンツ)の作成に要する労力を低減できるとともに、立体画像データの記憶に必要とされる記憶容量の肥大化も回避することができる。
また、上記した実施形態によれば、遊技者の目に進入すると危険なレーザー光や、隣接或いは対向する他の超音波源からの超音波の影響を受けることで正確な測定が困難となる超音波等を使用せずに、単焦点の赤外線カメラ60における焦点制御に基づいて遊技者の目と立体画像表示手段である変動表示装置9との距離を特定するので、安全かつ正確に、変動表示装置9と遊技者の目との距離に基づく視点位置を特定することができる。
また、上記した実施形態によれば、入出力ポート265から入力された補正データ、或いは、調整用画面における調整操作による補正データによって、視差バリア画像が最適化された特化画像が視差バリア用液晶パネル910に表示されるので、透明な遊技盤6の屈折率や厚み、並びに遊技盤6と変動表示装置9との距離の違い等により、該透明な遊技盤6を透過することにより生じる視差変化によって、良好な立体画像が表示されなくなってしまうことを回避することができる。
また、上記した実施形態によれば、立体画像表示手段である変動表示装置9を含む変動表示制御ユニット49が、ゴムシート317を介在させて遊技盤6に取り付けされているので、遊技によって生じる遊技盤6やパチンコ遊技機1の振動が変動表示装置9に伝播して、良好な立体画像が表示されなくなってしまうことを極力防止することができる。
また、上記した実施形態によれば、遊技中の遊技者の眼間距離に対応した視差バリア画像である特化画像が視差バリア用液晶パネル910に表示されるので、これら眼間距離が各遊技者によって異なることによって良好な立体画像が表示されなくなってしまうことを極力防止することができる。
また、上記した実施形態によれば、遊技者が交替して新たに遊技を開始する場合には、所定の遊技開始条件となる、客待ちデモ指定コマンドの受信後における初めの可変表示コマンドの受信することが成立するので、遊技者の眼間距離の特定を、これら遊技開始条件の成立に応じて実施することにより、遊技者や遊技場の係員等が、眼間距離を特定するための特別な操作を実施する必要がなく、これら操作の手間を低減できるばかりか、これら眼間距離の特定を定常的又は定期的に実施する場合等に比較して、眼間距離の特定に要する処理負荷を著しく低減することもできる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、変動表示装置9の表示領域の中央直上位置に単一のカメラを用いた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらカメラ60’を、例えば、図23に示すように、遊技者の頭部の直上位置に配置して、頭部の位置の左右前後の移動を画像認識により特定することにより、遊技者の視点位置を特定するようにしても良い。つまり、前後方向の視点位置についても、焦点制御による特定ではなく、左右の視点位置と同様に、画像処理によって特定するようにしても良い。尚、これらカメラ60’を、赤外線カメラ60と共に設けるようにしても良い。
また、前記した実施の形態においては、変動表示装置9の立体表示を、透明な遊技盤6を透して視認する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら変動表示装置9の前面部に開口を設けて、遊技盤6を透過することなく変動表示装置9の立体表示を視認できるようにしても良い。
また、前記した実施の形態においては、パチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球またはメダル等の遊技媒体を含む遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン等の種々の遊技機であっても良い。
また、前記実施例では、視差形成体として、視差バリア用液晶パネル910を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら視差形成体としては、視差を形成可能な、かまぼこ状の凸レンズが横方向に複数個連ねて構成された公知のレンティキュラレンズとしても良い。
また、前記実施例では、視差形成体として、1枚の視差バリア用液晶パネル910を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら視差形成体を、例えば2枚の視差バリア用液晶パネルや2枚のレンティキュラレンズにて構成し、一の視差バリア用液晶パネルやレンティキュラレンズを画像用液晶パネル900の表示領域の上方から下方へ移動させるとともに、他方の視差バリア用液晶パネルやレンティキュラレンズを画像用液晶パネル900の表示領域の下方から上方へ移動させるようにしても良い。
また、前記実施例では、視差バリア用液晶パネル910の移動方向を上下方向(垂直方向)としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら移動方向を左右方向(水平方向)としても良い。
また、前記実施例では、VDP262と視差バリア制御用DSP264とを個別に設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらVDP262と視差バリア制御用DSP264とを1つの集積回路(LSI)として構成しても良い。
また、前記実施例では、画像用液晶パネル900の上半分の表示領域を第1表示領域とし、画像用液晶パネル900の下半分の表示領域を第2表示領域としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、立体画像表示に適した画像用液晶パネル900の中央領域を、立体画像を表示する第1表示領域とし、画像用液晶パネル900の左右両端の領域を第2表示領域としても良い。
また、前記実施例では、視差形成体として可撓性を有しない視差バリア用液晶パネル910を使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら視差形成体としては、可撓性のあるものを使用し、該可撓性視差形成体を巻取り或いは湾曲させて格納するようにしても良い。