まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1(以下、パチンコ機1と略称する)を正面からみた正面図であり、図2はパチンコ機1を示す背面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側(遊技者側)をパチンコ機1の前面側、奥側(内方側)を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機1の前面とは、遊技者側からパチンコ機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図2参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(図2参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が上面に形成された上皿部3aが、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。その右側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
操作レバー600は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガースイッチが内設されたトリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者が操作レバー600の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作レバー600の下部における下皿部4aの本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知するために四方向に配置されたレバースイッチ510a〜510dが設けられていればよい。
また、上皿3を形成する部材には、例えば上皿3本体の上面における手前側の所定位置(例えば操作レバー600の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能な操作ボタン516が設けられている。操作ボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、操作ボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図3を参照)が設けられていればよい。
下扉枠103の前面左右側には、後述する左右一対のスピーカ27a、27bが配設されている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた透明な遊技盤6が配置されている。尚、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄ともいう)を変動(可変)表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が、透明な遊技盤6を透して目視できるように、該遊技盤6の背面に設けられている(図5参照)。
尚、本実施例では、透明な遊技盤6を使用しているので変動表示装置9の前方に開口を設けていないが、不透明な遊技盤を使用する場合には、変動表示装置9の表示を遊技者が視認できるようにするための開口を遊技盤6に設けるようにすれば良い。
また、変動表示装置9の下方の遊技盤6の背面側には、図5に示すように、変動表示装置9の前方の所定の空中画像表示位置に結像される画像を表示する空中画像用表示装置11と、該空中画像用表示装置11に表示された画像を空中画像表示位置に結像させる鏡画像結像板12が、空中画像用表示装置11と空中画像表示位置とが面対称となるように、パチンコ機1の背面側から前面側に傾斜して配置されている。
尚、変動表示装置9と遊技盤6の背面との間であって、変動表示装置9の両側部位置には、図9に示すように、動作することにより、変動表示装置9の前方領域に露出する剣の模型を有する可動役物(剣役物)500が設けられている。
遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8(図3参照)が設けられている。変動表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動(可変)表示を行う。変動表示装置9、空中画像用表示装置11、可動役物(剣役物)500は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)等の各デバイスによって制御される。
特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aと、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第2始動口15bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
これら第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける可変表示と変動表示装置9における飾り図柄の変動(可変)表示とは、後述するように、該第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける可変表示が開始されること連動して開始され、該第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける可変表示が停止されること連動して停止されるように同期しており、これら変動表示装置9における識別情報である飾り図柄の変動(可変)表示も、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aまたは第2始動口15bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(飾り図柄の組合せによる停止図柄)を導出表示する。
また、変動表示装置9は、本実施例では、液晶パネルとバックライトとを有する液晶表示モジュールにて形成されており、該液晶表示モジュールの液晶パネルにより表示部9aが形成されている。このように、本実施例では液晶表示モジュールを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら変動表示装置9は、飾り図柄等を所定の解像度で表示することのできるものであれば、液晶以外の画像表示形態の表示装置、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等の表示装置により構成されてもよい。特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行う。
変動表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13、13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13、13が設けられているため、可動片13、13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13、13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
尚、始動入賞装置15は、可動片13、13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていても良い。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであっても良く、可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであっても良い。
始動入賞装置15の可動片13、13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13、13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13、13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
遊技盤6の所定箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18(図3参照)が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。尚、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしても良く、4個よりも少ない値にしても良い。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイド21a(図3参照)も設けられている。
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施例では、図示しない左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13、13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41(図3参照)が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。尚、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25L、25Rが設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27L、27Rが設けられ、左右下部には、効果音を発する2つのスピーカ27a、27bが設けられている。尚、以下の説明では、スピーカ27L、27R、27a、27bと総称してスピーカ27と表記する場合がある。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530内の各LED等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27L、27R、27a、27bからの音発生制御(音制御)も、演出制御用マイクロコンピュータ81により実施される。
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を流下してくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8並びに変動表示装置9における図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、例えば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。
停止時の特別図柄表示器8並びに変動表示装置9における図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8並びに変動表示装置9での変動表示の停止時における図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(例えば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りAの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13、13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。例えば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施例の場合では、例えば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、例えば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。例えば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、例えば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左、中、右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施例の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(例えば、変動表示装置9における左、中、右の変動表示領域のうち左、右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、変動表示装置9における左、中、右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨を報知する擬似連等の大当り予告演出が行なわれる場合がある。
この実施例の場合は、大当りとして、後述するように通常大当りCおよび確変大当りAというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りCは、大当り遊技状態の終了後に前述した確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りAは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
次に、パチンコ機1の背面(裏面)の構造について図2を参照して説明する。図2は、パチンコ機1を示す背面図である。
図2に示すように、パチンコ機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板960や発射制御基板91Aが設けられている。電源基板960は、発射制御基板91Aの背面側に取り付けられ、その背面側に払出制御基板37が重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
尚、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27L、27R、27a、27b等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板(図示略)が設置されている。ターミナル基板には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
図示しない遊技機設置島から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留されたパチンコ球は、タンクレールを通り、カーブ樋を経てケースカバーで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方の球経路761には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れ検出スイッチ167が設けられている。球切れ検出スイッチ167が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れ検出スイッチ167はパチンコ球通路内のパチンコ球の有無を検出するスイッチである。球切れ検出スイッチ167がパチンコ球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ機1に対してパチンコ球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としてのパチンコ球や球貸し要求に基づくパチンコ球が多数払出されて上皿3が満杯になると、パチンコ球は後述する溢れ球通路を経て下皿4に導かれる。さらにパチンコ球が払出されると、スイッチ片(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19(図3参照)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図3には、パチンコ機1に搭載されている払出制御基板37、及び、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aからの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力回路58と、始動入賞装置15の可動片13、13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄および飾り図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いても良い。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板960において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
さらに、電源基板960からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力回路58に入力される。電源断信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力回路58に入力される。クリア信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載する出力回路78は、CPU56が出力する演出制御コマンドを演出制御基板80に送信(出力)する。また、出力回路78は、CPU56が出力する制御信号を、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に送信(出力)する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を、出力回路78を介して送信する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156が演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドには、客待ちデモ指定コマンドや可変表示コマンドが含まれる。
客待ちデモ指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ156が客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)であり、特別図柄の変動が終了してから所定時間が経過したことに応じて送出され、該客待ちデモ指定コマンドが演出制御基板80に対して送出されたときには、変動表示装置9に所定の客待ちデモ画面が表示される。つまり、通常においては、遊技者が交替するときには、遊技者が不在となる期間が存在するので、これら客待ちデモ指定コマンドは、遊技者が交替することで遊技者が不在となったと想定されるときに出力される。
また、可変表示コマンドは、特別図柄の可変表示に対応して変動表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定するために、変動開始時に送信される演出制御コマンドであり、変動開始を指定するためのコマンドである。
演出制御基板80には、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9並びに空中画像用表示装置11での演出表示の表示制御や効果音(演出音)の出力制御、並びに可動役物(剣役物)500の動作制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御や空中画像用表示装置11の表示制御、並びにスピーカ27L、27R、27a、27bからの音出力制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、レバースイッチ510a〜510dやボタンスイッチ516aからの検出信号を検知することで、操作レバー600の操作や操作ボタン516の遊技者による操作を検知する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技盤6に設けられている装飾LED25aの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDの点灯制御を行う。
また、演出制御基板80には、図3に示すように、可動役物(剣役物)500を動作(開閉)させるための2つの役物モータ59a,59bが接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ81が該役物モータ59a,59bの動作を制御することで、可動役物(剣役物)500の開閉動作が制御されるようになっている。
図4に示すように、演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵のROM84に格納されたプログラムに従って動作し、入力回路260を介して演出制御コマンドを受信する。このうち、ROM84には、各種の演出において空中画像用表示装置11に表示する空中画像に関するデータ、例えば、空中画像の画像データや表示の開始タイミングや終了タイミング等のタイムチャート等が演出の種別毎に記憶されており、RAM85には、図示しないキャンセルカウンタが記憶されている。また、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に、変動表示装置9に表示する画像の生成やバックライト9cの発光強度の調整等の変動表示装置9の表示制御を行わせる第1表示制御処理や、空中画像用表示装置11に表示する画像の生成等の空中画像用表示装置11の表示制御を行わせる第2表示制御処理を実施する。
この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して変動表示装置9や空中画像用表示装置11の表示制御を行うVDP262が演出制御基板80に搭載されている。
VDP262は、図4に示すように、スプライト画像として用いる画像要素データとしてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等の画像データ、CGデータとも呼ぶ)などのデータが格納されるCGROM205、VRAM(ビデオRAM)領域として使用されるSDRAM210(シンクロナスDRAM)とともに表示制御回路を構成する。
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って各種の画像データが記憶された画像データROM263から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。画像データROM263は、変動表示装置9や空中画像用表示装置11に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像の画像データをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU86の指令に応じて、画像データROM263から画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
VDP262は、VDP262の各種設定などが格納されるシステムレジスタ202、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されるアトリビュートレジスタ203、VRAM領域の後述する描画領域への画像の描画制御を行う描画制御部206、CGROM205に格納されているCGデータをVRAM領域に転送する制御を行うデータ転送制御部211、VRAM領域の後述する表示領域に格納されている画像データを表示するためのビデオ信号(R(赤)、G(緑)、B(青))信号及び同期信号を出力する表示制御部213、表示制御部213から出力されたビデオ信号をアナログ信号に変換して変動表示装置9や空中画像用表示装置11に出力するDAコンバータ214、215などが搭載された集積回路である。
VDP262の内部には、システムバス、CGバスが設けられており、システムバス及びCGバスはCPUインターフェイス201を介して演出制御用マイクロコンピュータ81の演出制御用CPU86と接続されているとともに、CGバスはCGバスインターフェイス204を介してCGROM205に接続されている。システムバスにはシステムレジスタ202が接続されているとともに、CGバスにはアトリビュートレジスタ203が接続されており、演出制御用CPU86は、システムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213はシステムバスに接続されており、システムレジスタ202にアクセスできるようになっている。また、描画制御部206、データ転送制御部211はCGバスに接続されており、CGROM205、アトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、VDP262の内部には、更にVRAMバスが設けられており、VRAMバスは、VRAMバスインターフェイス209を介してSDRAM210と接続されている。VRAMバスには、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213が接続されており、VRAMバスを介してSDRAM210のVRAM領域にアクセスできるようになっている。
システムレジスタ202には、初期設定、描画、データ転送などの命令を格納するシステム制御レジスタ、後述する割込信号の出力命令などを格納する割込制御レジスタ、VRAM領域における描画領域、パレットデータの配置領域などを格納する描画レジスタ、データ転送時の転送元のアドレス、転送先のアドレスなどを格納するデータ転送レジスタ、VRAM領域における表示領域などを格納する表示レジスタなどが割り当てられている。
CPUインターフェイス201は、Vブランク(画像を更新する周期)の開始毎に演出制御用CPU86に対してVブランク割込信号を出力するとともに、その他各種割込信号を、演出制御用CPU86に対して出力する。
表示制御部213は、表示レジスタにて指定されているVRAM領域の表示領域の画像データをビデオ信号として出力する表示処理を行う。本実施例では、Vブランク毎に表示領域及び描画領域が切り替わる。このため、あるVブランクにおいて描画領域として割り当てられた領域の描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された画像データが表示出力されることとなり、その間も他方の領域で描画が行われることとなる。
尚、SDRAM210のVRAM領域には、パレットデータが配置されるパレット領域、必要なキャラクタがCGROM205から読み出されて格納されるキャラクタ用バッファ、描画制御部206が画像を描画する際にパレットデータ(キャラクタの表示色が定義されたデータ)を一時的に保存するため、及び描画制御部206が画像を描画する際にCGデータを一時的に保存するためのCG用バッファなどの各領域が割り当てられている。
また、VRAM領域には、変動表示装置9に表示される画像データが格納される変動表示装置表示領域、変動表示装置9に表示される画像データが描画される変動表示装置描画領域が割り当てられている。これら変動表示装置表示領域と変動表示装置描画領域とは、Vブランク毎に切り替わるようになっている。このため、あるVブランクにおいて変動表示装置表示領域として割り当てられた領域では画像の描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は変動表示装置描画領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された画像が変動表示装置9に表示出力されることとなり、その間も他方の領域で画像の描画(画像データの生成)が行われることとなる。
更に、VRAM領域には、空中画像用表示装置11に表示される画像が格納される空中画像表示領域、空中画像用表示装置11に表示される画像が描画される空中画像描画領域、が、変動表示装置9と同様に割り当てられている。これら空中画像表示領域と空中画像描画領域とは、Vブランク毎に切り替わるようになっている。このため、あるVブランクにおいて空中画像描画領域として割り当てられた領域では画像の描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は空中画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された画像の画像データが空中画像用表示装置11に表示出力されることとなり、その間も他方の領域で空中画像の描画(画像データの生成)が行われることとなる。
前述のように、演出制御用CPU86は、CPUインターフェイス201を介してシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっており、前述した変動表示装置9や空中画像用表示装置11の表示パターンを定めたプロセスデータに従ってこれらシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203に実行命令や必要なデータを格納することで、VDP262を間接的に制御する。
プロセスデータには、Vブランク毎に演出制御用CPU86がシステムレジスタ202やアトリビュートレジスタ203に対して行う設定内容が定められている。システムレジスタ202の設定内容としては、描画、データ転送命令や、データ転送を行うCGデータやパレットデータ、アトリビュートの設定などがある。また、アトリビュートレジスタ203の設定内容は、アトリビュート、すなわちキャラクタを描画する際に使用されるパラメータそのものである。
また、プロセスデータには、Vブランク毎に画像の更新が行われるようにアトリビュートが設定されている。このため、画像の更新は、Vブランク毎に行われることとなる。
ここで、描画制御について簡潔に説明する。描画制御部206が描画処理を行うためには、描画に必要なキャラクタがVRAM領域に配置されている必要がある。すなわちスプライト画像のソースデータとなるキャラクタをVRAM領域に配置する必要がある。
このため、演出制御用CPU86は、演出を実行する際に、当該演出の実行に必要な全てのキャラクタのCGROM205からVRAM領域への転送命令を行う。これに伴いデータ転送制御部211によって演出の実行に必要な全てのキャラクタがVRAM領域に配置されることとなる。演出を実行する場合には、何度も繰り返して同じキャラクタを描画に用いることが多いが、CGROM205に格納されたデータは圧縮されており、これを読み出すのに時間を要するので、前述のように演出を実行する最初の段階で、必要な全てのキャラクタをVRAM領域に配置することにより、各フレーム毎にCGROM205からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済むこととなる。尚、本実施例では、演出制御用CPU86が演出を実行する際に、当該動画再生に必要な全てのキャラクタのCGROM205からVRAM領域への転送命令を行うようになっているが、描画に必要なキャラクタの転送命令をその都度行うようにしても良い。
また、描画制御部206が描画処理を行うためには、アトリビュートレジスタ203にアトリビュートが設定されている必要がある。アトリビュートは、Vブランク毎に異なるため、Vブランク毎にプロセスデータに従ったアトリビュートをアトリビュートレジスタ203に格納する。
そして、演出制御用CPU86は、演出を開始した後、Vブランク毎に、アトリビュートをアトリビュートレジスタ203に設定した後、アトリビュートの読込の実行を命令する。これに伴い描画制御部206は、アトリビュートレジスタ203のアトリビュートを読み込んで、読込が終了すると読込終了割込信号の出力を命令する。これを受けて演出制御用CPU86は描画の実行を命令し、描画制御部206は、読み込んだアトリビュートに従って変動表示装置描画領域や空中画像描画領域に画像データの描画を行う。
次に、本実施例のパチンコ機1に使用した空中画像用表示装置11と鏡画像結像板12について説明する。
空中画像用表示装置11は、空中画像表示位置に結像される空中画像を表示出力するための表示装置であり、本実施例では、変動表示装置9と同様に、液晶パネルとバックライトとを有する液晶表示モジュールを使用しており、該液晶表示モジュールの液晶パネルにより表示部11aが形成されている。尚、これら空中画像用表示装置11は、空中画像表示位置に結像される画像を所定の解像度にて表示することのできるものであれば、液晶以外の画像表示形態の表示装置、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等の表示装置により構成されてもよい。
本実施例の空中画像用表示装置11は、図5に示すように、変動表示装置9の前方であって、遊技盤6の前面を覆うガラス板よりも前方(遊技者側)の空中画像表示位置(結像位置)と、変動表示装置9の直下位置に前方側が低くなるように傾斜配置された鏡画像結像板12に対して面対称となる位置に、変動表示装置9の表示部9a側、つまり、パチンコ機1の背面側に向いて背面側が低くなるように傾斜し、空中画像用表示装置11と離間して配置されており、該空中画像用表示装置11に表示された画像の画像光が鏡画像結像板12に入射するようになっている。
鏡画像結像板12は、図5に示すように、表示対称物である空中画像用表示装置11の表示部11aから放射されて一方面側から入射する種々の角度θ1〜θ4にて入射する光(画像光)を、同一角度θ1〜θ4にて放射することで、他方面側における表示対称物の面対称位置に各角度の光を結像させる機能を有するものであり、該結像された光を遊技者が視認することにより、空中画像用表示装置11の表示部11aに表示された画像が、結像位置である空中画像表示位置にて空中表示されているように視認されるようになっている。
図6は、鏡画像結像板12の構造を示す図である。本実施例に用いた鏡画像結像板12は、図6に模式的に示すように、2つの相互に直交する鏡面61a,61bから構成される2面コーナーリフレクタ61の多数の集合であり、全2面コーナーリフレクタ61を構成するそれぞれ2つの鏡面61a,61bに対してほぼ垂直な平面を対称面12Sとして、その面対称位置に表示対称物である空中画像用表示装置11の表示部11aに表示された画像の実鏡映像Pを結像させることで、観察者である遊技者により空中画像が観察されるようにしたものである。
なお、本実施形態において2面コーナーリフレクタ61は鏡画像結像板12の全体の大きさ(cmオーダ)と比べて非常に微小(μmオーダ)である。そして、図6では、2面コーナーリフレクタ61の模式的な平面図を図6(a)に、同(b)に部分的な斜視図を示す。但し、図6では、鏡画像結像板12の全体に比して、2面コーナーリフレクタ61及び鏡面61a,61bを大きく誇張して表している。
鏡画像結像板12は、例えば光線を屈曲しつつ透過し得るように、平板状の基盤に、平らな基盤表面に対して垂直に肉厚を貫通する物理的・光学的な穴を多数形成し、各穴の内壁面を2面コーナーリフレクタ61として利用するために、穴の内壁面のうち直交する2つにそれぞれ鏡面61a,61bを形成したものを採用することができる。したがって、基盤が半透過性となるように、図6に示すように、薄い平板状の基盤に平面視ほぼ矩形状(例えば正方形状)の光線が透過する物理的・光学的な穴(例えば一辺が例えば50〜200μm)を多数形成し、各穴のうち隣接して直交する2つの内壁面に平滑鏡面処理を施して鏡面61a,61bとすれば、これら2つの鏡面61a,61bを反射面とする2面コーナーリフレクタ61を得ることができる。なお、穴の内壁面のうち2面コーナーリフレクタ61を構成しない部分には鏡面処理を施さず光が反射不能な面とするか、又は角度をつけるなどして多重反射光を抑制することが好ましい。
また、各2面コーナーリフレクタ61は、基盤上において鏡面61a,61bがなす内角が全て同じ向きとなるように、規則的な格子点上に整列させて形成することが好ましい。よって、各2面コーナーリフレクタ61では、2つの直交する鏡面CLの交線が対称面12Sに直交することが好ましい。以下、この鏡面61a,61bの内角の向きを、2面コーナーリフレクタ61の向き(方向)と称することがある。
鏡面61a,61bの形成にあたっては、例えば金属製の金型をまず作成し、鏡面61
a,61bを形成すべき内壁面をナノスケールの切削加工処理や、金型を用いたプレス工
法をナノスケールに応用したナノインプリント工法又は電鋳工法による処理をすることに
よって鏡面形成を行い、これらの面粗さを10nm以下とし、可視光スペクトル域に対し
て一様に鏡面となるようにするとよい。なお、電鋳工法によりアルミやニッケルなどの金
属で基盤を形成した場合、鏡面61a,61bは、金型の面粗さが十分小さければ、それ
によって自然に鏡面となるが、ナノインプリント工法を用いて、基盤を樹脂製などとした
場合には、鏡面61a,61bを作成するには、スパッタリングなどによって、鏡面コー
ティングを施す必要がある。また、隣り合う2面コーナーリフレクタ61同士の離間寸法
を極力小さく設定することで、透過率を向上させることができる。
但し、鏡画像結像板12の構成は上述のものに限定されず、直交する2つの鏡面61a,61bにより2面コーナーリフレクタ61が多数形成され、且つ各2面コーナーリフレクタ61が光学的な穴として光を透過するものであれば、適宜の構成及び製造方法を採用することができる。
そして、鏡画像結像板12では、各2面コーナーリフレクタ61は、下面(裏面)側から穴に入った光を一方の鏡面61a(又は61b)で反射させ、さらにその反射光を他方の鏡面61b(又は61a)で反射させて上面(表面)側へと通過させる機能を有し、この光の進入経路と射出経路とが対称面12Sを挟んで面対称をなすこととなる。
すなわち、鏡画像結像板12の対称面12S(各鏡面の高さ方向中央部を通り且つ各鏡面と直交する面を仮定)は、鏡画像結像板12の下方に離間配置された空中画像用表示装置11の表示部11aに表示された画像の実像を、変動表示装置9の表示部9aと遊技者との間の空間領域内における面対称位置となる空中画像表示位置に鏡像(実鏡映像)として結像させる対称面である。
ここで、鏡画像結像板12による結像様式について、表示対称物として点光源oから発せられた光の経路とともに簡単に説明する。図7に平面的な模式図で、図8に模式的な側面図でそれぞれ示すように、点光源oから発せられる光(一点鎖線矢印で示す。図7において3次元的には紙面奥側から紙面手前側へ進行する)は、鏡画像結像板12を通過する際に、2面コーナーリフレクタ61を構成する一方の鏡面61a(又は61b)で反射して更に他方の鏡面61b(又は61a)で反射した後に対称面12Sを通過し、鏡画像結像板12の対称面12Sに対して点光源oの面対称位置を広がりながら通過する。図7では入射光と反射光とが平行をなすように表されているが、これは同図では点光源oに対して2面コーナーリフレクタ61を誇張して大きく記載しているためであり、実際には各2面コーナーリフレクタ61は極めて微小なものであるため、同図のように鏡画像結像板12を上方から見た場合には、入射光と反射光とは殆ど重なってみえる。すなわち、結局は点光源oの対称面12Sに対する面対称位置に透過光が集まり、図7、図8においてpの位置に実鏡映像として結像することになる。
このように、表示対称物の実像映像Pを対称面12Sに対して面対称位置に鏡映像として結像させる機能を有する鏡画像結像板12を、変動表示装置9の下端から前方に向けて傾斜するようにパチンコ機1に組み込んでいるため、変動表示装置9の前方の空間に、表示対称物となる空中画像用表示装置11の表示部11aに表示された画像(表示部11aの表示面)の実鏡映像Pを投影することができる。
すなわち、空中画像用表示装置11に画像を表示させていない時には、空中画像表示位置には何も表示されず変動表示装置9の表示部9aを視認することができるとともに、空中画像用表示装置11に画像を表示させているときには、何もないはずの空中画像表示位置に、該表示された画像が現れ、該空中表示を透して変動表示装置9の表示部9aを視認するようになり、遊技者に対してインパクトある表示を提供することができる。
次に、本実施例に用いた可動役物(剣役物)500について、図9に基づいて説明する。可動役物(剣役物)500は、前述したように、変動表示装置9と遊技盤6の背面との間の領域に、変動表示装置9を挟むように、変動表示装置9の両側方位置に設けられている。
可動役物(剣役物)500は、図9に示すように、揺動軸502a,502bを中心に揺動し、下端部にギア部が形成された剣の模型501a,501bと、該剣の模型501a,501bを、ギア部を介して揺動させる役物モータ59a,59bとを備えており、役物モータ59a,59bの回転を演出制御用CPU86が制御することで、剣の模型501a,501bを、図9(a)の開状態(格納状態)や、図9(b)の閉状態(露出状態)とすることができるようになっている。
次に、本実施例のパチンコ機1における変動パターンについて、図10を用いて説明する。図10は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図10に示すように、この実施例では、可変表示結果が「ハズレ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−2(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−1とノーマルPB2−3(ノーマルリーチA)、ノーマルPB2−2とノーマルPB2−4(ノーマルリーチB)、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図10に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図10に示すように、この実施例では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−5とノーマルPB2−7(ノーマルリーチA)、ノーマルPB2−6とノーマルPB2−8(ノーマルリーチB)、スーパーPB3−4〜スーパーPB3−5、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1(ノーマルリーチA)〜特殊PG2−2(ノーマルリーチB)の変動パターンが用意されている。なお、図10において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、確変大当りBまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンであり、確変大当りBまたは小当りとなる場合には、ノーマルリーチA(非立体視画像)のリーチ演出を含む特殊PG2−1や、ノーマルリーチB(立体視画像)のリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定される場合がある。また、図10に示すように、確変大当りBまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、確変大当りBまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3、特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
なお、この実施例では、図10に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は6.75秒で固定であり、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が26.75秒で固定であり、スーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図11は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する確変大当りA、確変大当りB、通常大当りC)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施例では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、各種ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施例では、確変大当りAまたは通常大当りCである場合には、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、各種ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、ノーマルリーチとスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、確変大当りBである場合には、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合にも、確変大当りBである場合と同じく、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、「ハズレ」である場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、各種ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、各種ノーマルリーチおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、ノーマルリーチとスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、とに種別分けされている。
図12(a)は、大当り判定テーブル130aを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図12(a)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図12(a)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図12(a)に記載されている数値が大当り判定値である。
図12(b),(c)は、小当り判定テーブル130b,130cを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bと、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cとがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bには、図12(b)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cには、図12(c)に記載されている各数値が設定されている。また、図12(b),(c)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図12(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する確変大当りA、確変大当りB)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図12(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図12(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図12(b),(c)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施例では、図12(b),(c)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合には70分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)130cを用いる場合には120分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施例では、第1始動口15aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動口15bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
また、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合に小当りと決定される割合(1/70)は、確変大当りBに決定する割合(1/1596(低確時)、1/160(高確時))に比較して高く、小当りが確変大当りBよりも高頻度にて発生するようになっている。
図12(d)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、遊技球が第1始動口15aに入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)および遊技球が第2始動口15bに入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示においても、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示においても、同一の大当り種別判定テーブル131aが使用されて、大当り種別が決定される。
大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「通常大当りC」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、「確変大当りA」に対して15個の判定値が割り当てられ(40分の15の割合で確変大当りAと決定される)、「確変大当りB」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で確変大当りBと決定される)、「通常大当りC」に対して20個の判定値が割り当てられている(40分の20の割合で通常大当りCと決定される)。従って、この実施例では、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、「確変大当りA」となる確率は「確変大当りB」となる確率よりも高いが、第1始動口15aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動口15bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りA」または「確変大当りB」または「通常大当りC」と決定される割合は同じである。なお、第1始動口15aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動口15bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合を異ならせてもよい。
また、この実施例では、図12(d)に示すように、第2特定遊技状態としての2ラウンドの確変大当りBと、この確変大当りBと比較して、ラウンド数を多くした第1特定遊技状態としての確変大当りAと、を決定する場合を説明するが、付与される遊技価値は、この実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第2特定遊技状態と比較して、大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とでラウンド数が同じ5ラウンドであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を5回開放したときに(この場合、第2特定遊技状態の場合には5ラウンド全てを終了し、第1特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第2特定遊技状態の場合には内部的に5ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も5回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
「確変大当りA」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態(確変・時短状態、高確高ベース状態)に移行させる大当りである。大当り終了後、次の大当りが発生するまで確変状態並びに時短状態が継続する。
「確変大当りB」とは、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が「確変大当りA」に比べて短くかつラウンド数も少ない2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態にのみ移行させる大当りである。大当り終了後、次の大当りの発生まで確変状態が継続する。ただし、大当り終了後に時短状態には移行せずに低ベース状態に移行される。従って、この実施例では、確変大当りBの終了後、次の大当りが発生するまでは高確率状態のみとされ、高ベース状態には移行されない(高確低ベース状態)。
つまり、「確変大当りA」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長くラウンド数も15ラウンドと多いのに対して、「確変大当りB」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.5秒と短いとともに、ラウンド数も2ラウンドと少なく、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施例では、その確変大当りBの大当り遊技状態の終了後には確変状態に移行されるが高ベース状態には移行しない。
なお、この実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.5秒間ずつ2回行われ、「確変大当りB」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の高速開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、例え遊技者が大入賞口の開放を確認できたとしても、「確変大当りB」または「小当り」のいずれにもとづく開放なのかを特定しにくく、しかもその後の遊技状態が確変状態または通常状態のいずれに移行したかを特定することもできなくなるため、遊技者にわからないように、確変大当りBを発生させ、かつ、該大当りの終了後に遊技状態を確変状態に移行させる、つまり確変状態を潜伏させることができる。また、逆に、低確状態において確変大当りBと同様の演出制御が実施される小当りを発生させることで、該小当りの終了後は遊技状態が確変状態に移行しないので、低確状態を潜伏させることができる。
「通常大当りC」とは、確変大当りAと同じく15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態とはならずに、変動表示を100回終了するまで(始動回数が100回となるまで)、時短状態のみの低確高ベース状態に移行させる大当りである。つまり、大当り終了後、変動表示が100回となるまで時短状態が継続する。
図13(a)は、確変大当りA/通常大当りC用変動パターン種別判定テーブル132aを示す説明図である。確変大当りA/通常大当りC用変動パターン種別判定テーブル132aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
確変大当りA/通常大当りC用変動パターン種別判定テーブル132aには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が、大当りの種別毎に設定されている。
これら判定値の数としては、図13(a)に示すように、大当りの種別が「確変大当りA」である場合には、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2に比較してスーパーCA3−3の判定値の数が多くなるように設定されており、「確変大当りA」となる場合には、変動パターンとしてスーパーリーチが多く決定されるように設定されている。
一方、大当りの種別が「通常大当りC」である場合には、スーパーCA3−3に比較してノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2の判定値の数が多くなるように設定されており、「通常大当りC」となる場合には、変動パターンとしてノーマルリーチが多く決定されるように設定されている。
また、図13(b)は、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを示す説明図である。確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bは、ランダムR並びにランダム1に基づく当り種別の判定において、確変大当りB及び小当りが決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、図13(b)に示すように、確変大当りBまたは小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2のうちいずれかが決定される場合が示されている。
また、確変大当りBでは、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、確変大当りBとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチBを含む特殊PG2−2等の擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがハズレとなる演出が実施された後、再変動が2回実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
また、小当りについては、該小当りとすることに決定された時点の遊技状態が、高確状態であるか、低確状態であるか、つまり、確変フラグがセットされているか否かに応じて、判定値の割り当てが異なっている。
具体的には、高確時の小当りでは、確変大当りBと同様に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、高確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
一方、低確時の小当りでは、確変大当りBとは逆に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜201の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して202〜251の判定値が割り当てられており、低確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチAを含む特殊PG2−1等の滑りの演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがハズレとなる演出が実施された後、滑り変動が実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
このように、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBの場合には、立体視画像によるノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定され、高確状態に移行しない小当りの場合には、非立体視画像によるノーマルリーチAのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴わない滑りの変動パターンが多く決定されることで、ノーマルリーチBや擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に確変大当りBの遊技状態(小当りの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、発生したのが高確状態に移行する確変大当りBである可能性が高いのではとの期待感を与えることができるようになっている。
つまり、潜伏条件が成立する確変大当りBや小当りが発生するときにおいては、変動パターンとしてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときよりも高確(確変)状態に移行しない小当りのときにおいて多く決定され、変動パターンとしてノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行しない小当りのときよりも高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときにおいて多く決定される。
尚、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBのときと、高確状態に移行しない小当りのときとで、決定される変動パターンの種別が異なるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態に移行する確変大当りBであるか高確状態に移行しない小当りであるかにかかわらずに、変動パターンを選択して決定するようにしても良い。
また、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるので、擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に小当りの遊技状態(確変大当りBの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、確変大当りBと同じく、その後の遊技状態が高確状態となっている可能性が高いのではとの期待感を与えることができる。
尚、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態における小当りの場合にも、低確状態における小当りと同様に、擬似連の演出を伴わない滑り変動パターン種別である特殊CA4−1が多く決定されるようにしても良い。
なお、図14(a)〜(b)に示すように、この実施例では、ハズレである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチBのいずれか)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図14(a)示す通常用のハズレ用変動パターン種別判定テーブルA135aにおいては、超短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や、短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)を含む非リーチCA2−3や、擬似連3回よりも変動時間が短い擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に対して判定値の割り当てがないのに対し、短縮用のハズレ用変動パターン種別判定テーブルB135bでは、該非リーチCA2−3に対して100〜199の判定値が割り当てられているとともに、擬似連3回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−5に代えて擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に判定値が割り当てられていることにより、変動時間が短い非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)が決定されるようになるため、変動時間の平均時間が通常よりも短縮されることで、単位時間当たりに実施される変動回数が多くなる。
図15(a),(b)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図15(a)に示す例では、変動パターン種別として、各種のノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、各種のノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図15(b)に示す例では、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図15(b)において、擬似連の演出の有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、リーチ演出の有無や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出となる擬似連の演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1、特殊PG1−2、特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出となる擬似連の演出を伴う特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成すれば良い。
図16は、ROM54に記憶されているハズレ変動パターン判定テーブル138aを示す説明図である。ハズレ変動パターン判定テーブル138aは、可変表示結果を「ハズレ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ハズレ変動パターン判定テーブル138aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
次に、パチンコ機1の動作について説明する。パチンコ機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降の図示しないメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ156が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ81は、初期化指定コマンドを受信すると、変動表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ156が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、変動表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ81である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図17に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ81に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび変動表示装置9にハズレ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がハズレ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび変動表示装置9にハズレ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に変動表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、変動表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する変動表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
図18および図19は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動口15aに遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動口15aへの始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動口15bに遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14bがオンしていたら、すなわち第2始動口15bへの始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14bがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ81に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ81に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ156が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると変動表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ81に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ81に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ81に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。図20は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ81(具体的には、演出制御用CPU86)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU86は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS700)。その後、演出制御用CPU86は、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS701)。
その後、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU86は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU86は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。また、タイマ割込が発生していない場合には、ステップS701の乱数更新処理を実施して再度ステップS702に戻る。
演出制御処理において、演出制御用CPU86は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU86は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。その後、ステップS701に移行する。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して変動表示装置9の表示制御を実行する。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
図21は、演出制御用マイクロコンピュータ81が用いる乱数を示す説明図である。図21に示すように、この実施例では、初期予告演出決定用乱数SR1、擬似連において再始動時に表示される演出画像(キャラクタ)を空中画像に変更するか否かとともに、変更する場合の変更タイミングを決定するために使用される空中画像表示タイミング決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
初期予告演出決定用乱数SR1は、初期予告演出を実施するか否かを決定するために使用される乱数であり、1〜100の数値範囲の値をとる。
空中画像表示タイミング決定用乱数SR2は、擬似連において再始動時のキャラクタの演出画像を変動表示装置9による表示画像(画面表示)から、空中画像用表示装置11による空中画像に変更するか否かとともに、変更する場合の変更タイミングとを決定するために使用される空中画像表示タイミングを決定するために使用される乱数であり、1〜105の数値範囲の値をとる。
尚、これらSR1〜SR2の乱数を生成するためのカウンタがRAMに形成されている。そして、各カウンタの数値は、図20に示す乱数更新処理(ステップS701)で更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(図21に示された範囲における最大値)を越えると下限値(図21に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
演出制御用マイクロコンピュータ81におけるROMには、図22に示す図柄変動制御パターンテーブル180を初めとする、初期予告演出の演出制御パターンを含む予告演出制御パターンテーブル(図示略)、擬似連やノーマルリーチやスーパーリーチ等の各種の変動パターンにおける演出制御パターンや、大当り状態や小当り状態における演出制御パターンを含む各種演出制御パターンテーブル(図示略)等が記憶されている。図22に示す図柄変動制御パターンテーブル180には、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、並びに音制御実行データ、操作ボタン516や操作レバー600の操作受付け開始タイミングや操作受付け終了タイミング等の操作制御実行データ、といった演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
尚、図柄変動制御パターン、予告演出制御パターン、各種演出制御パターン各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
これら演出制御パターンは、例えばプロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作制御実行データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データとなるプロセスデータから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
プロセスタイマ設定値は、演出制御用CPU86における演出制御用のプロセスタイマの格納値であるプロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、プロセスタイマ設定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU86において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、変動表示装置9の表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御実行データは、変動表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。音制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における演出図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、各スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音制御実行データは、各スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御実行データには、例えば装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28cといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御実行データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御実行データ、ランプ制御実行データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用役物が備える可動部材における動作態様を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
演出制御用CPU86は、これら演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、プロセスタイマ値がプロセスタイマ設定値のいずれかと合致したときには、そのプロセスタイマ設定値と対応付けられた演出制御実行データに含まれる表示制御実行データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を変動表示装置9の表示部9aや空中画像用表示装置11の表示部11aに表示させる制御を行う。また、音声制御実行データにより指定される態様で各スピーカ27から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御実行データにより指定される態様で装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c等の発光体を点滅させる制御を行う。なお、プロセスタイマ設定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
尚、演出制御用マイクロコンピュータ81におけるRAMには、第1保留記憶表示部並びに第2保留記憶表示部の表示を行うための第1保留表示バッファと第2保留表示バッファや、時短回数をカウントするための時短回数カウンタ等が設けられている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81におけるROMには、図23(a)に示す、非確変時に初期予告演出を実施するか否かの決定において使用される初期予告演出決定テーブル(非確変時)や、図23(b)に示す、確変時に初期予告演出を実施するか否かの決定において使用される初期予告演出決定テーブル(確変時)や、図24(a)、(b)に示す、主基板31にて決定された変動パターンが擬似連の変動パターンであるときにおいて、擬似連の再変動時のキャラクタ演出画像を空中画像に変更するタイミングを決定するための空中表示変更タイミング決定テーブルが記憶されている。
本実施例の初期予告演出決定テーブル(非確変時)には、図23(a)に示すように、変動パターンの種別として、2回の再変動を伴う「疑似連2回」の変動パターンと、3回の再変動を伴う「疑似連3回」の変動パターンと、スーパーリーチ演出画像が表示される演出パターン(具体的には、スーパーリーチA、スーパーリーチBの変動パターンが該当する)と、これら以外の変動パターンのそれぞれについて、初期予告演出を実施するとともに該初期予告演出の演出画像の表示を変動表示装置9における「通常表示」と、初期予告演出を実施するとともに該初期予告演出の演出画像の表示を空中画像にて実施する「空中表示」と、初期予告演出を実施しない「予告なし」とに、図23(a)に示す判定値数となるように、SR1の判定値が割り当てられている。
具体的には、「疑似連2回」の変動パターンについては、「通常表示」に20個の判定値、「空中表示」に55個の判定値、「予告なし」に25個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが2回の再変動を伴う疑似連である場合、つまり、非リーチPA1−4、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2、ノーマルPB2−5、ノーマルPB2−6、特殊PG1−3、特殊PG2−2のいずれかの変動パターンである場合には、該「疑似連2回」に対応して「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、初期予告演出の態様として「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
また、「疑似連3回」の変動パターンについては、「通常表示」に15個の判定値、「空中表示」に65個の判定値、「予告なし」に20個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが3回の再変動を伴う疑似連である場合、つまり、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4、ノーマルPB2−7、ノーマルPB2−8のいずれかの変動パターンである場合には、該「疑似連3回」に対応して「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR2の判定値が格納されている項目により、初期予告演出の態様として「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
また、「スーパーリーチ」の変動パターンについては、「通常表示」に25個の判定値、「空中表示」に45個の判定値、「予告なし」に30個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンがスーパーリーチA、Bである場合、つまり、スーパーPB3−1、スーパーPB3−2、スーパーPB3−4、スーパーPB3−5のいずれかの変動パターンである場合には、該「スーパーリーチ」に対応して「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR2の判定値が格納されている項目により、初期予告演出の態様として「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
また、図23(a)において「上記以外」として表示される変動パターン、つまり、擬似連2回、擬似連3回、スーパーリーチではないの変動パターンについては、「通常表示」に30個の判定値、「空中表示」に5個の判定値、「予告なし」に65個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが擬似連2回、擬似連3回、スーパーリーチ以外の変動パターンである場合には、該「上記以外」に対応して「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR2の判定値が格納されている項目により、初期予告演出の態様として「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
一方、初期予告演出決定テーブル(確変時)も、図23(b)に示すように、変動パターンの種別として、2回の再変動を伴う「疑似連2回」の変動パターンと、3回の再変動を伴う「疑似連3回」の変動パターンと、スーパーリーチ演出画像が表示される演出パターン(具体的には、スーパーリーチA、スーパーリーチBの変動パターンが該当する)と、これら以外の変動パターンのそれぞれについて、初期予告演出を実施するとともに該初期予告演出の演出画像の表示を変動表示装置9における「通常表示」と、初期予告演出を実施するとともに該初期予告演出の演出画像の表示を空中画像にて実施する「空中表示」と、初期予告演出を実施しない「予告なし」とに、図23(b)に示す判定値数となるように、SR1の判定値が割り当てられている。
具体的には、「疑似連2回」の変動パターンについては、「通常表示」に20個の判定値、「空中表示」に65個の判定値、「予告なし」に15個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが2回の再変動を伴う疑似連である場合、つまり、非リーチPA1−4、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2、ノーマルPB2−5、ノーマルPB2−6、特殊PG1−3、特殊PG2−2のいずれかの変動パターンである場合には、該「疑似連2回」に対応して「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、初期予告演出の態様として「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
また、「疑似連3回」の変動パターンについては、「通常表示」に15個の判定値、「空中表示」に75個の判定値、「予告なし」に10個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが3回の再変動を伴う疑似連である場合、つまり、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4、ノーマルPB2−7、ノーマルPB2−8のいずれかの変動パターンである場合には、該「疑似連3回」に対応して「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR2の判定値が格納されている項目により、初期予告演出の態様として「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
また、「スーパーリーチ」の変動パターンについては、「通常表示」に10個の判定値、「空中表示」に85個の判定値、「予告なし」に5個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンがスーパーリーチA、Bである場合、つまり、スーパーPB3−1、スーパーPB3−2、スーパーPB3−4、スーパーPB3−5のいずれかの変動パターンである場合には、該「スーパーリーチ」に対応して「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR2の判定値が格納されている項目により、初期予告演出の態様として「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
また、図23(b)において「上記以外」として表示される変動パターン、つまり、擬似連2回、擬似連3回、スーパーリーチではない変動パターンについては、「通常表示」に40個の判定値、「空中表示」に10個の判定値、「予告なし」に50個の判定値がそれぞれ割り当てられており、変動パターンが擬似連2回、擬似連3回、スーパーリーチ以外の変動パターンである場合には、該「上記以外」に対応して「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR2の判定値が格納されている項目により、初期予告演出の態様として「通常表示」、「空中表示」、「予告なし」のいずれかが決定される。
尚、本実施例では、図23(a)、(b)に示すように、初期予告演出決定テーブル(確変時)の「空中表示」に割り当てられた各変動パターンの判定値数が、初期予告演出決定テーブル(非確変時)の「空中表示」に割り当てられた各変動パターンの判定値数よりも大きな値とされており、遊技者にとって有利な遊技状態である確変状態においては、非確変状態(本実施例では通常状態)よりも高い割合にて空中表示により初期予告演出が実施されるようになる。
つまり、初期予告演出が空中表示にて実施されることが多い場合には、確変状態にあるのではないかという期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
尚、本実施例のパチンコ機1は、遊技者からは判断ができない高確低ベース状態(潜伏確変状態)と低確低ベース状態とが発生するために、空中表示にて実施されることが多いことで確変状態にあるのではないかという期待感を遊技者に与えるようになっているが、これら潜伏確変状態が発生せずに確変状態となる遊技機については、例えば、確変状態となったときに空中表示による演出を実施することにより、遊技者にとって有利な確変状態になったという高揚感や、確変状態となることで次の大当りが近いという期待感を遊技者に与えるようにしても良い。
また、本実施例では、図23(a),(b)に示すように、「空中表示」に対して割り当てられている判定値数が、再変動2回の疑似連においては「55」と「65」であるのに対し、再変動3回の疑似連においては「65」と「75」とされていることで、再変動回数が多くなる程「空中表示」が決定され易い、つまり、空中表示による初期予告演出が実施された場合には再変動2回の疑似連よりも再変動3回の疑似連の方が発生しやすくなるように設定されている。
また、本実施例では、各擬似連の変動パターンに対応する「通常表示」の項目についても判定値が割り当てられていることで、擬似連の変動パターンが発生する場合であっても、「通常表示」の初期予告演出が決定されるとともに、後述するように、該擬似連の途中において「空中表示」に表示が変更されるように決定される場合があり、このように決定されることにより、「通常表示」の予告が実施された後に実施される擬似連の途中において「空中表示」に表示が変更される演出が実施される場合がある。
本実施例の空中表示変更タイミング決定テーブルは、図24(a)に示す、可変表示結果がハズレの図柄の組合せとなるときに使用される空中表示変更タイミング決定テーブル(ハズレ時)と、図24(b)に示す、可変表示結果が大当りの図柄の組合せとなるときに使用される空中表示変更タイミング決定テーブル(当り時)とから構成されている。
各空中表示変更タイミング決定テーブルには、図24に示すように、変動パターンの種別として、2回の再変動を伴う「疑似連2回」の変動パターンと、3回の再変動を伴う「疑似連3回」の変動パターンのそれぞれについて、「再変動1回目」、「再変動2回目」、「再変動3回目」、「変更なし」とに、図24に示す各判定値数となるように、SR2の判定値が割り当てられている。
具体的に、空中表示変更タイミング決定テーブル(ハズレ時)においては、図24(a)に示すように、「疑似連2回」の変動パターンについては、「再変動1回目」に10個の判定値、「再変動2回目」に25個の判定値、「変動なし」に70個の判定値がそれぞれ割り当てられ、「疑似連3回」の変動パターンについては、「再変動1回目」に6個の判定値、「再変動2回目」に17個の判定値、「再変動3回目」に27個の判定値、「変動なし」に55個の判定値がそれぞれ割り当てられている。
一方、空中表示変更タイミング決定テーブル(当り時)においては、図24(b)に示すように、「疑似連2回」の変動パターンについては、「再変動1回目」に53個の判定値、「再変動2回目」に42個の判定値、「変更なし」に10個の判定値がそれぞれ割り当てられ、「疑似連3回」の変動パターンについては、「再変動1回目」に68個の判定値、「再変動2回目」に32個の判定値、「再変動3回目」に5個の判定値、「変更なし」に0個の判定値がそれぞれ割り当てられている。
つまり、可変表示結果がハズレの図柄の組合せになる場合の疑似連においては、「変更なし」に多くの判定値が割り当てられていることにより、各再変動におけるキャラクタ演出において、空中画像への変更が発生しにくくなるとともに、変更が発生しても、再変動3回目が再変動2回目よりも判定値数の割り当てが多く、再変動2回目が再変動1回目よりも判定値数の割り当てが多く設定されることにより、遅いタイミングにて空中画像への変更が発生するように設定されている。
一方、可変表示結果が大当りの図柄の組合せになる場合の疑似連においては、「変更なし」に割り当てられている判定値が少なく、各再変動におけるキャラクタ演出において、空中画像への変更が発生し易くなるとともに、再変動1回目が再変動2回目よりも判定値数の割り当てが多く、再変動2回目が再変動3回目よりも判定値数の割り当てが多く設定されることにより、早いタイミングにてキャラクタ画像の空中画像への変更が発生するように設定されている。
つまり、疑似連において再変動時に登場するキャラクタ画像の空中画像への変更が早い段階で発生した場合には、最終的に大当りの図柄の組合せになる可能性が高くなるように各判定値が設定されているので、遊技者に、これら疑似連において空中画像への変更が発生するか否かや、どの段階で変更するのかを注目させることができるようになるので、疑似連における興趣を向上することができる。
図25は、図20に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU86は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、変動表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ1560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、変動表示装置9に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、変動表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(ステップS806):変動表示装置9において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
なお、本実施例では、小当りが発生した場合においては、ステップS804〜806において、確変大当りBが発生した場合と同様の演出処理を実施することで、発生したのが、確変状態に移行する確変大当りBであるのか、確変状態に移行しない小当りが発生したのかを遊技者が判別できないようになっている。
図26は、図25に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU86は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。尚、変動パターンコマンド格納領域には、主基板31から受信した変動パターンを特定可能な変動パターンコマンドが格納されている。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。この場合、演出制御用CPU86は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する表示結果2指定コマンドである場合において、演出制御用CPU86は、例えば、停止図柄として3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。受信した表示結果指定コマンドが通常大当りCに該当する表示結果4指定コマンドである場合においては、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りB或いは小当りに該当する表示結果3〜8指定コマンドである場合においては、停止図柄として、予めチャンス目として設定されている図柄の複数の組合せ(例えば「135」、「334」、「787」…などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが、ハズレに該当する表示結果1指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(ハズレ図柄)を決定する。尚、演出図柄の組合の中には、ハズレ図柄並びにチャンス目の双方に含まれるものが存在し、小当りの場合とハズレの場合とで同一の停止図柄となる場合が存在する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU86は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。よって、確変大当りBと小当りにおいては、同一の停止図柄が決定される場合があり得る。
そして、ステップS823に進み、初期予告演出を実施するか否かとともに、実施を決定した初期予告演出や擬似連に関する設定を行う、図42に示す予告演出設定処理を実施する。
そして、ステップS824に進んで、初期予告演出または擬似連の実施が決定されているか否か、具体的には、後述するステップS834にてセットされる初期予告実行決定フラグまたはステップS835+にてセットされる擬似連フラグがセットされているか否かを判定する。
初期予告実行決定フラグまたは擬似連フラグがセットされている場合には、ステップS825+に進んで、予告演出開始待ち時間を特定し、該特定した待ち時間を予告演出開始待ちタイマにセットした後、ステップS825に進む。
一方、初期予告実行決定フラグまたは擬似連フラグがセットされていない場合には、ステップS825+を経由することなくステップS825に進み、変動パターンコマンドに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。
そして演出制御用CPU86は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての変動表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、操作ボタン516や操作レバー600)の制御を実行する(ステップS827)。例えば、変動表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP262に指令を出力する。また、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDに対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施例では、演出制御用CPU86は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU86は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS828)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS829)。なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU86は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDPがVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を変動表示装置9に出力し、変動表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS830)。
図27は、演出図柄変動開始処理における予告演出設定処理(ステップS823)の処理内容を示すフローチャートである。
本実施例の予告演出設定処理においては、まず、初期予告演出決定用乱数SR1を抽出する(ステップS831)。
次いで、該抽出した初期予告演出決定用乱数SR1と図23に示す初期予告演出決定テーブルと当該変動表示(可変表示)における変動パターンの種別に基づいて初期予告演出の実施/非実施と、実施する場合における演出画像である星のキャラクタ画像の表示種別(通常表示、空中表示)とを決定する。
具体的には、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドから該変動表示(可変表示)における変動パターンの種別を特定して、初期予告演出決定テーブルにおけるどの変動パターンに対応する判定値を使用するかを決定する。つまり、変動パターンコマンドから特定される変動パターンの種別が、2回の再変動を伴う疑似連の変動パターンである場合には「疑似連2回」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定し、3回の再変動を伴う疑似連の変動パターンである場合には「疑似連3回」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定し、スーパーリーチの演出パターンである場合には「スーパーリーチ」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定し、これら以外の演出パターンある場合には「上記以外」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定する。
そして、これら使用対象に決定した該変動表示(可変表示)における変動パターンについての判定値において、ステップS831にて抽出したSR1の判定値が「通常表示」の項目に格納されている判定値に該当する場合には通常表示(画面表示)による初期予告演出を実施することを決定し、抽出したSR1の判定値が「空中表示」の項目に格納されている判定値に該当する場合には空中画像による初期予告演出を実施することを決定し、抽出したSR1の判定値が「予告なし」の項目に格納されている判定値に該当する場合には初期予告演出を実施しないことに決定する。
そして、ステップS833に進み、ステップS832において初期予告演出を実施することを決定したか否かを判定し、初期予告演出を実施することを決定した場合にはステップS834に進んで初期予告実行決定フラグをセットしてステップS835に進む一方、初期予告演出を実施しないことを決定した場合にはステップS834を経由することなくステップS835に進む。
ステップS835では、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドから該変動表示(可変表示)における変動パターンの種別が擬似連の変動パターンであるか否かを判定する。
擬似連の変動パターンでない場合には、当該予告設定処理を終了する一方、擬似連の変動パターンである場合には、ステップS835+に進み、擬似連フラグをセットした後にステップS836に進み、空中画像表示タイミング決定用乱数SR2を抽出した後、遊技結果が当りとなるか否かを変動パターンコマンドから判定する。
つまり、変動パターンコマンド格納領域に格納されている当該変動表示の変動パターンコマンドが、ハズレの変動パターンコマンドである場合には遊技結果がハズレであると判定し、確変大当りA・Bまたは通常大当りCとなる変動パターンコマンドである場合には遊技結果が当りであると判定する。
遊技結果がハズレである場合には、ステップS839に進み、図24(a)の空中表示変更タイミング決定テーブル(ハズレ時)とステップS836にて抽出した空中画像表示タイミング決定用乱数SR2とに基づいて当該擬似連における再変動時に出現するキャラクタの演出表示を空中表示(空中画像)に変動するか否かとともに、変更する場合における変更タイミングをどの再変動時とするかを決定する。
一方、遊技結果が当りである場合には、ステップS838に進み、図24(b)の空中表示変更タイミング決定テーブル(当り時)とステップS836にて抽出した空中画像表示タイミング決定用乱数SR2とに基づいて当該擬似連における再変動時に出現するキャラクタの演出表示を空中表示(空中画像)に変動するか否かとともに、変更する場合における変更タイミングをどの再変動時とするかを決定する。
具体的には、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドから該変動表示(可変表示)における擬似連の変動パターンの種別(再変動2回、再変動3回)を特定して、空中表示変更タイミング決定テーブルにおけるどの変動パターンに対応する判定値を使用するかを決定する。つまり、変動パターンコマンドから特定される擬似連の変動パターンの種別が、2回の再変動を伴う疑似連の変動パターンである場合には「疑似連2回」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定し、3回の再変動を伴う疑似連の変動パターンである場合には「疑似連3回」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定する。
そして、これら使用対象に決定した該変動表示(可変表示)における変動パターンについての判定値において、ステップS836にて抽出したSR2の判定値が「再変動1回目」の項目に格納されている判定値に該当する場合には、再変動時のキャラクタ画像を空中表示(空中画像)に変更するとともにその変更タイミングを1回目の再変動において実施すると決定し、抽出したSR2の判定値が「再変動2回目」の項目に格納されている判定値に該当する場合には、再変動時のキャラクタ画像を空中表示(空中画像)に変更するとともにその変更タイミングを2回目の再変動において実施すると決定し、抽出したSR2の判定値が「再変動3回目」の項目に格納されている判定値に該当する場合(擬似連3回の変動パターンの場合のみ)には、再変動時のキャラクタ画像を空中表示(空中画像)に変更するとともにその変更タイミングを1回目の再変動において実施すると決定し、抽出したSR2の判定値が「変更なし」の項目に格納されている判定値に該当する場合には、再変動時のキャラクタ画像を空中表示(空中画像)に変更しないこと、つまり、通常表示(画面表示)の演出画像の表示を擬似連の演出において継続することを決定する。
そして、ステップS840に進んで、ステップS832における初期予告演出の実施・非実施並びに表示種別の決定内容と、変動パターンが擬似連である場合にはステップS838またはステップS839にて決定した擬似連における再変動時のキャラクタ画像の空中表示への変更の実施・非実施並びに変更タイミングの決定内容を予告演出内容として設定する。
図28は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU86は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、演出制御用CPU86は、初期予告演出または擬似連の演出による予告演出を行うことに決定されているか、またはこれら予告演出の実行中である場合には(ステップS841でYes)、予告演出処理を実行する(ステップS842)。予告演出を行うことに決定されているか否かは、初期予告実行決定フラグまたは擬似連フラグがセットされているか否かによって判定される。予告演出の実行中であるか否かは、予告演出を開始するときにセットされる予告実行中フラグによって判定される。予告実行決定フラグも擬似連フラグも予告実行中フラグもセットされていない場合にはステップS842の予告演出処理を実施することなく、ステップS843に進む。
また、演出制御用CPU86は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS843)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS845)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS846)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS847)、演出制御用CPU86は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS848)。そのようにして、変動表示装置9において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP262は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を変動表示装置9に出力する。そのようにして、変動表示装置9において、演出図柄の変動における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS849)。
また、演出制御用CPU86は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。なお、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、ステップS843の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データおよびランプ制御実行データ)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
ここで、図29、図30に基づいて、ステップS842において実施される予告演出処理について説明すると、予告演出処理において、演出制御用CPU86は、予告実行中フラグがセットされているか否かにより、初期予告演出や擬似連演出による予告演出が開始されているか否かを判定する。
予告演出が開始されている場合には(ステップS501でYes)、ステップS521(図30)に移行し、予告演出が開始されていない場合には、(ステップS501でNo)、ステップS502に進む。
ステップS502においては、予告演出開始待ちタイマの値を−1する。なお、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、初期予告演出を行うことに決定されたときにセットされる(ステップS825+参照)。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS503)、処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、予告実行決定フラグをリセットして(ステップS504)、ステップS511に移行する。
ステップS511では、演出制御用CPU86は、予告演出の実行中であることを示す予告実行中フラグをセットする。また、前述したステップS840にて設定されている、予告演出設定処理にて決定された初期予告演出における表示態様(通常表示、空中表示)や、擬似連演出において空中表示に変更するタイミング(時期)に対応した予告演出パターンを特定し(ステップS512)、特定した予告演出パターンが該当する予告演出期間に相当する値を予告期間タイマにセットする(ステップS513)。
次いで、演出制御用CPU86は、実行する予告演出パターンに対応する予告プロセステーブル(予告演出制御パターン)を、予告演出制御パターンテーブル(図示略)から読み出して選択してセットした後(ステップS515)、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)のプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせる(ステップS517)。
そして演出制御用CPU86は、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)の最初のプロセスデータ1の内容(変動表示制御実行データ1、空中表示制御実行データ1、役物動作制御データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての変動表示装置9、空中画像用表示装置11、可動役物(剣役物)500、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、操作ボタン516、操作レバー600)の制御を開始する(ステップS518)。
これら予告プロセスデータに基づいて予告演出が開始された後においてステップS530、ステップS531に進む。このステップS530において演出制御用CPU86は、予告プロセスタイマの値を−1し、ステップS531において予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1する。
そして、予告期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS532でYes)、変動表示装置9並びに空中画像用表示装置11に表示されている予告演出に関する画像を消去する制御を行い(ステップS533)、予告実行中フラグをリセットする(ステップS534)。
一方、予告期間タイマがタイムアウトしていない場合には、演出制御用CPU86は、予告プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS535)。予告プロセスタイマがタイムアウトしていたら、予告プロセスデータの切り替えを行う(ステップS536)。すなわち、予告プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS537)。また、その次に設定されている予告プロセスデータに含まれる変動表示制御実行データ、空中表示制御実行データ、役物動作制御データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して実施する(ステップS538)。
予告プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は、ステップS535〜ステップS538を経由することなく処理を終了する。
このように、ステップS533においては、当該可変表示における予告演出の終了に応じて該予告演出に伴う予告演出画像の表示が終了されるが、当該予告演出の実行中において表示される各種の予告演出画像の表示終了(消去)は、ステップS515にて選択してセットされる予告演出制御パターン(予告プロセスデータ)に記述された表示制御の制御データがステップS538において実行されることで実施される。つまり、予告期間タイマがタイマアップするまでにおいてステップS535〜ステップS538の処理が実施されることにより、予告演出の実行中において表示される各種の予告演出画像の表示並びに表示終了(消去)の制御が実施される。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)が実施する演出図柄の可変表示に伴う予告演出の流れの一例を、図31〜図35にもとづいて説明する。
まず、演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)は、初期予告演出を実行することを決定している場合、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を開始させた後(図31(A)参照)、初期予告演出の演出画像として複数の星のキャラクタが横切る画像を表示する。
本実施例では、初期予告演出の表示態様として通常表示が決定されている場合は、変動表示装置9の表示部9a上に、変動表示する演出図柄とともに複数の星が画面上を向かって右から左に横切る画像を表示させる(図31(B)参照)。
また、初期予告演出の表示態様として空中表示が決定されている場合は、複数の星が向かって右から左に横切る空中画像が表示されることで、変動表示装置9の表示部9a上に表示された演出図柄の前方の空間を横切るように視認される演出が実施される(図31(D)参照)。
これら通常表示による星が横切る初期予告演出が実施される場合は、前述したように、確変状態である可能性が低く(通常状態(低確低ベース状態)である可能性が高く)、空中表示による星が横切る初期予告演出が実施される場合は、確変状態である可能性が高いことになり、どちらの表示態様の初期演出が実施されるかで、確変状態であるのか否かを推定できるようになるので、これら初期予告演出に遊技者を注目させることができる。
また、空中表示による初期予告演出が実施された場合には、前述したように、通常表示による初期予告演出が実施された場合よりも、その後において擬似連やスーパーリーチが発生する確率が高いので、空中表示による初期予告演出が実施されることで、擬似連やスーパーリーチが発生して大当りとなるのではないかという期待感を遊技者に与えることができ、変動表示への注目をより一層高めることができる。
ここで、演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)は、初期予告演出の実行を決定している場合であって、擬似連を伴う変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信している場合には、上記のような初期予告演出としての表示画像を表示させるとともに、演出図柄の仮停止図柄としてチャンス目図柄を決定し、仮停止図柄の仮停止タイミングの前に、左可変表示部と右可変表示部とに演出図柄を停止表示し(図316(C)参照)、擬似連演出(図32参照)に移行する。
また、初期予告演出の実行を決定している場合であって、擬似連を伴わないリーチ変動パターン、例えばスーパーリーチA,Bを指定する変動パターンコマンドを受信している場合には、上記のような初期予告演出としての表示画像を表示した後、演出図柄の停止図柄として決定したリーチ目図柄を停止表示し(図31(E)参照)、図示しないスーパーリーチ演出に移行する。
尚、本実施例では、これらスーパーリーチ演出においてもスーパーリーチAは通常表示のみであるが、スーパーリーチBについては空中画像による表示演出が実施される。
これら初期予告演出が実施される場合には、本発明の遊技関連情報となる保留記憶の情報を表示する保留記憶表示や時短の残り回数の情報を表示する残り回数表示が、図33、図34に示すように、一時的に消去したり、表示位置を移動する制御が実施される。
具体的には、本実施例の変動表示装置9の表示領域内には、図33、図34、図35に示すように、画面の下辺近傍位置に、第1保留記憶数や第2保留記憶数が表示される第1保留記憶表示領域や第2保留記憶表示領域が設定され、画面に向かって上方左隅部位置に、時短状態が終了するまでの残り変動表示回数である時短残回数が表示される時短残回数表示領域が設定されている。
本実施例の第1保留記憶表示領域には、本発明の遊技関連情報として第1始動口15aへの有効入賞球の記憶数すなわち第1保留記憶数が表示され、第2保留記憶表示領域には、本発明の遊技関連情報として第2始動口15bへの有効入賞球の記憶数すなわち第2保留記憶数が、通常表示の画像として表示される。
尚、本実施例のパチンコ機1では、前述したように遊技状態が時短状態以外の遊技状態においては、第2始動口15bへの入賞は殆ど発生しないので、遊技状態が通常遊技状態である場合には、図33〜図35に示すように、第2保留記憶表示領域には殆ど何も表示されず、第1保留記憶表示領域のみに第1保留記憶数が表示される状態となり易い。
また、本実施例の時短残回数表示領域には、時短状態中において時短残回数が常に表示されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら時短残回数が、例えば、90、80、70、60、50…10、9、8…1のように、10回よりも大きいときは10回毎に、10回以下については全ての回数が非立体の数字として表示されるようにしても良い。つまり、時短残回数表示領域には、時短中において常に時短残回数が表示されているのではなく、変動表示回数が90回、80回…等の所定回数となるときにおいてのみ表示され、所定回数以外は表示しないものであっても良い。
まず、図33、図34に基づいて、初期予告演出における本実施例の第1保留記憶表示領域の表示状態について説明する。
初期予告演出においては、図33(a)に示すように、演出図柄の変動開始時においては、第1保留記憶表示領域において第1保留記憶数が表示されている。尚、本実施例では、縦方向に変動表示される演出図柄は通常表示による図柄とされている。
変動開始後において初期予告演出を実施するときに演出制御用CPU86は、該初期予告演出を開始する段階において図33(b)に示すように、第1保留記憶表示領域における第1保留記憶数の表示を消去する。
そして、図33(c)に示すように、初期予告演出の表示態様が空中画像である場合には、前述したように、複数の星の空中画像が画面を横方向に横断する演出を実行する。つまり、横断する星の空中画像が、第1保留記憶表示領域も横切ることになる、すなわち、該第1保留記憶表示領域と星の空中画像とが重なるようになるので、演出制御用CPU86は、第1保留記憶表示領域における第1保留記憶数の表示を中止して、これら第1保留記憶数の表示と星の空中画像とが重なることで、保留記憶数が誤認されてしまうことを防止する。尚、これら空中画像として表示される星の数や配置は、複数のパターンの内から選択されるため、異なる数や配置の星のキャラクタが横断する場合があり得る。
そして、これら初期予告演出を終了するときに演出制御用CPU86は、図33(d)に示すように、該初期予告演出の開始時において消去した第1保留記憶表示領域における第1保留記憶数の表示を再開させる。
これに対し、初期予告演出の表示態様が通常画像である場合には、図34(a)に示すように、空中画像の場合と同じく、演出図柄の変動開始時においては、第1保留記憶表示領域において第1保留記憶数が表示されている。
そして、初期予告演出の開始時においては、空中画像の場合と同様に、一旦、第1保留記憶表示領域における第1保留記憶数の表示を消去する。
そして、図34(c)に示すように、通常表示による複数の星の非画像が、画面を横方向に横断する演出を実行するとともに、星の非立体画像が表示される時点において第1保留記憶数を再表示させる。尚、横断する星の表示は、第1保留記憶数の表示の後方を通過するように表示され(第1保留記憶数の表示を優先表示)、該星の通過により第1保留記憶数の表示は変化しない。
このように、本実施例では、初期予告演出の開始時から星群の画像が表示されるまで、第1保留記憶数の表示を消去することで、空中画像または通常表示による星群の画像が表示される以前に、当該初期予告演出が通常表示であるのか空中表示であるのかを遊技者が判別できないようにすることで、初期予告演出の演出効果を高めることができるようにしているとともに、星群の通常表示が表示されて通常表示による初期予告演出であることを遊技者が判別できた後には、第1保留記憶数の表示を再表示することで、通常表示の初期予告演出中においても第1保留記憶数を遊技者が確認できるようにしている。
つまり、通常表示の初期予告演出においては、本来であれば第1保留記憶数の表示を消去しなくても良いが、これら第1保留記憶数の表示を消去しないと、当該初期予告演出が通常表示の初期予告演出であるのか空中表示の初期予告演出であるのかを、星群が表示されるタイミングの前に遊技者が判別できるようになってしまい、表示される星の画像が通常表示であるのか空中表示であるのかを遊技者を注目させることができなくなってしまうため、初期予告演出の演出効果が著しく低下してしまうので、通常表示の場合においても空中表示の場合と同じく、第1保留記憶数の表示を消去する制御を実施する。
次に、図35に基づいて時短残回数表示領域の表示状態について、時短状態中において初期予告演出が実施された場合を例に説明する。
尚、図35においても、第1保留記憶数の表示については、図33と同一であるので、説明を省略する。
図35に示すように、時短状態中においては、図35(a),(b)に示すように、時短残回数表示領域に残りの時短回数が表示されおり、該時短回数表示は、第1保留記憶数とは異なり、初期予告演出の開始時には、消去されずに、表示が継続される(図35(b)参照)。
そして、初期予告演出の表示態様が空中画像である場合には、図35(c)に示すように、空中画像による星群が横断する空中表示が実施されるが、この際、星の空中画像と時短回数表示とが重複しないように、時短残回数表示領域を画面の向かって左上隅部位置から、既に星の空中画像が通過した右上隅部位置に移動し、初期予告演出が終了した時点で、図35(d)に示すように、時短残回数表示領域を左上隅部位置に戻す制御を実施することで、初期予告演出中においても残りの時短回数が継続して表示されるようになっている。
一方、初期予告演出の表示態様が通常表示である場合には、保留記憶表示と同じく、時短残回数表示領域において星の画像よりも時短残回数表示が優先されるので、時短残回数表示領域の移動は実施しない。
尚、本実施例では、初期予告演出についての場合を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら空中画像が前述したようにスーパーリーチBでも表示されることから、これらスーパーリーチBで空中画像が表示される場合においても、同様の制御を実施すれば良い。
また、本実施例では、保留記憶表示と時短回数表示とを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の遊技関連情報、例えば、スーパーリーチの演出が変動表示装置9の画面全体において実施される場合において、演出図柄の変動表示が継続していることを遊技者に知覚させるための第4図柄の表示を、時短回数表示の例のように、表示位置を移動させるようにしても良い。
次いで、本実施例のパチンコ機1における擬似連の演出について、図32を用いて以下に説明する。擬似連を伴う変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信している場合は、演出図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、チャンス目図柄を仮停止表示した後(図32(B)参照)、演出図柄の再変動を開始させる演出を、変動パターンに応じた回数だけ繰返し実施する表示演出を実施する。
この図32(B)に示す仮停止時から、図32(F)に示すように変動表示が再度開始されるまでの仮停止状態において、再始動時のキャラクタ表示が空中画像に変更しない場合(通常表示の場合)には、図32(C)〜図32(D)の演出を実施する一方、再始動時のキャラクタ表示が空中画像に変更する場合(空中表示の場合)には、図32(G)〜図32(H)の演出を実施する。
具体的には、擬似連演出の再変動におけるキャラクタ画像の表示態様として通常表示が決定されている場合、具体的には、空中表示変更タイミングとして再変動2回目以降が決定されている場合の再変動1回目である場合、空中表示変更タイミングとして再変動3回目が決定されている場合の再変動2回目である場合、或いは「変更なし」が決定されている場合には、図32(C)に示すように、可動役物500を動作して剣の模型501a,bを変動表示装置9の表示部9aの前方において交差させた閉状態とした後、該剣の模型501a,bを、人物キャラクタが開放させる通常画像を変動表示装置9の表示部9aに表示しつつ剣の模型501a,bが開放するとともに、再変動1回目においては「まだ」のキャラクタ音声を、再変動2回目においては「まだまだ」の音声を、再変動3回目においては「まだまだまだ」の音声を出力する演出制御を演出制御用CPU86が実施することで、図32(D)に示すように、変動表示装置9の表示部9aに通常表示された人物キャラクタが、閉じている剣の模型501a,bをこじ開けて、「まだ」といって変動が終了せずに継続することを報知する演出が実施される。
そして、図32(D)の演出後、図32(E)に示すように、剣の模型501a,bが元の格納位置に戻るとともに人物キャラクタが消えた後、図32(F)に示すように、演出図柄の再変動が開始される。
一方、擬似連演出の再変動におけるキャラクタ画像の表示態様として空中表示が決定されている場合、具体的には、空中表示変更タイミングとして再変動1回目が決定されている場合における1回目の仮停止の場合、空中表示変更タイミングとして再変動2回目が決定されている場合における2回目の仮停止の場合、空中表示変更タイミングとして再変動31回目が決定されている場合における3回目の仮停止の場合には、図32(G)に示すように、変動表示装置9の表示部9aの表示画像を反転表示するとともに、バックライトの輝度を低下させて表示部9aの明るさを低下させるとともに、可動役物500を動作させることなく、可動役物500の剣の模型501a,bの画像を表示部9aに表示させる制御を実施する。
その後、空中画像用表示装置11に、変動表示装置9の表示部9aに表示された剣の模型画像を開放させる動作を行う人物キャラクタを表示するとともに、変動表示装置9の表示部9aに、徐々に開放する剣の模型画像を表示し、再変動1回目においては「まだ」のキャラクタ音声を、再変動2回目においては「まだまだ」の音声を、再変動3回目においては「まだまだまだ」の音声を出力する演出制御を演出制御用CPU86が実施することで、図32(H)に示すように、空中画像として表示された人物キャラクタが、変動表示装置9の表示部9aに表示されている剣の模型をこじ開けて、「まだ」といって変動が終了せずに継続することを報知する演出が実施される。
そして、図32(H)の演出後、図32(E)に示すように、反転表示を終了し、剣の模型画像を消去するとともに、空中画像の人物キャラクタの表示を終了した後、図32(F)に示すように、演出図柄の再変動が開始される。
つまり、図32(G)、(H)に示すように、空中画像を表示する場合において、変動表示装置9の表示部9aの明るさが低下するように演出制御用CPU86が制御することでにより、変動表示装置9の表示部9aが過度に明るいことで、これら空中画像を遊技者が視認し難くなってしまうことを防止できるようにしている。
尚、本実施例では、これら空中画像を表示するときには、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDの発光を制限していないが、これらの発光を伴う場合、例えば、スーパーリーチB等で空中画像の表示を行う場合には、これら右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDが発光されている場合には、その発光を停止または発光強度を低減するように制御しても良い。
また、図32の擬似連の演出において、仮停止の期間においては、演出用のLEDやランプを全て消灯することで、あたかも、パチンコ機1の動作が停止(フリーズ)したかのような演出を実施することで、人物キャラクタの空中画像を見やすくするようにしても良い。尚、この場合にあっては、図32(C)、(D)の演出が実施される、人物キャラクタが通常表示の場合においても、演出用のLEDやランプを全て消灯する制御を実施することで、通常表示か空中表示かを実際に人物キャラクタが表示される前に知覚されてしまうことがないようにすることが好ましい。
また、本実施例では、図32(G)に示すように、人物キャラクタを空中表示する場合にあっては可動役物500を動作させずに、剣の模型の画像を変動表示装置9の表示部9aに表示することで、鏡画像結像板12から出射された未結像の光が可動役物500の剣の模型501a,bによって遮られて、空中表示が良好に表示されなくなってしまうことを防止するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら役物装置が鏡画像結像板12から出射された未結像の光を遮らないものである場合には、役物装置を、空中画像の表示とともに動作させて、これら役物装置と空中画像とが連携した表示演出を実施するようにしても良い。
以上、本実施例によれば、本発明の第2表示部となる空中画像用表示装置11の表示部11aに表示された画像が、変動表示装置9の表示部9a(第1表示部)と遊技者との間の空間領域内における所定の空中画像表示位置(結像位置)に結像し、遊技者は、該結像した空中画像を透して表示部9aの画像を視認するようになるので、パチンコ機1内方側の表示部9aの画像を視認しやすい透過画像である空中画像を表示することができるとともに、表示部11aと鏡画像結像板12の配置位置を図5に示すように配置することで、遊技盤6並びにガラス板の前面よりも遊技者側に空中画像表示位置を設けることが可能となるので、より大きな奥行きのある透過表示である空中表示を実施することができる。
また、本実施例によれば、空中画像用表示装置11(第2表示装置)に表示される画像に基づく空中画像が表示されるときには、該空中画像の後方において画像を表示する表示部9a(第1表示部)の明るさが低減されるので、これら表示部9a(第1表示部)に表示される画像によって空中画像が視認し難くなってしまうことを抑えることができる。
また、本実施例によれば、同一の擬似連の演出であっても、空中画像が表示されるときには、可動役物500を動作しないように制御することで、可動役物500の剣の模型501a,501bが表示部9a前方の空間領域内に移動することで、空中画像表示位置に空中画像が良好に結像せずに見難くなってしまうことを防止できる。
また、本実施例によれば、空中画像が表示されるときには、遊技に関連する遊技関連情報である保留記憶表示が消去、或いは、遊技関連情報である時短残回数表示の表示位置が、空中画像が表示されていない位置に移動されて表示されるので、これら遊技関連情報と空中画像とが重なってしまうことがなく、これら遊技関連情報と空中画像とが重なってしまうことにより、遊技関連情報が誤って認識されてしまうことを防止できる。
また、本実施例によれば、遊技者にとって有利な確変状態(第2状態)である場合には、初期予告演出において、非確変状態である通常状態(第1状態)よりも高い割合にて空中画像が表示されるようになるため、これら空中画像が表示された場合には、有利な確変状態(第2状態)であるのではないかという遊技者の期待感を高めることができるので、遊技機の興趣を向上することができる。
次に、本発明の変形例を図36、図37に基づいて簡潔に説明する。この変形例では、前述した実施例が、空中画像が2次元的な平面画像であるのに対し、空中画像が前後方向に移動することで、遊技者により立体的に視認されるようにしたものである。
具体的には、図36に示すように、空中画像の結像位置が前後方向に移動するように、空中画像用表示装置11の表示部11aを移動させるための空中画像移動手段となるレールギアRと、駆動ギアGを備えた移動基台Dを設けて、空中画像用表示装置11を昇降移動させるようにするとともに、これら昇降移動に伴って表示部11aに表示させる画像を変化(遠近に応じた大きさや位置)させるようにすれば良い。
このようにすることにより、図37に示すような立体的な空中画像の演出が可能となる。具体的には、図37(a) に示すように、遊技者に近い結像位置において結像された星の空中画像が、結像位置が変動表示装置9の表示部9a側に移動する(空中画像用表示装置11を鏡画像結像板12に近い位置に移動させる)とともに、該移動に伴って大きさが徐々に小さくなる星の画像を空中画像用表示装置11に表示することで、図37(b) に示すように、空中画像の星が変動表示装置9の表示部9aに表示された演出図柄に向かって飛んでいくような表示演出が実施される。
そして、最も表示部9a側に近い結像位置に達したときに、図37(c) に示すように、星が演出図柄である「6」に衝突したような空中画像を表示するとともに、変動表示装置9において、該衝突に呼応した画像として「6」の演出図柄が振動する画像を表示することで、星が衝突したことにより「6」の演出図柄に力が与えられたような連動演出が実施された後、図37(d) に示すように、該「6」の演出図柄が変動を開始する画像を変動表示装置9に表示することで、星の空中画像が遊技者の近くから表示部9aの方向へ飛んで行き、演出図柄に衝突することで再変動が開始されるという立体感のある空中画像と通常画像の連携演出を実施することができ、よりインパクトのある演出を行うことができる。
上記した変形例によれば、空中画像表示位置(結像位置)をパチンコ機1の前後方向に移動させることで、パチンコ機1の前後方向に立体感のある空中画像を表示することができるようになり、これら奥行き感を生かした違和感のないインパクトのある演出を実施することができる。
また、本変形例によれば、空中映像のキャラクタである星が、特定の動作である演出図柄に衝突する動作をすることに応じた呼応画像として、振動する演出図柄「6」の画像や演出図柄「6」の再変動の画像が変動表示装置9の表示部9aに表示されることで、空中映像のキャラクタが変動表示装置9の表示画像に作用するような演出表示を実施することができる。
尚、図36の例では、比較的長い時間をかけて空中画像用表示装置11(表示部11a)を移動させているが、該移動を、目の残像が得られる短い時間で移動させるとともに、該移動に伴って立体物の断面画像を表示することで、空中画像として立体画像を表示することもできる。
この際、空中画像用表示装置11(表示部11a)には、立体画像の表面側の半分の画像のみを表示するようにすることで、移動の負荷と表示の負荷とを低減するとともに、裏面側の表示により、該空中表示を透して見る変動表示装置9の表示部9aの表示が見にくくなってしまうことを回避するようにすることが好ましい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、パチンコ機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体としてメダルを使用して遊技を行うスロットマシンであっても良く、図38、図39は、本発明をスロットマシン1001に適用した例である。
スロットマシン1001は、前面が開口する筐体1001aと、この筐体1001aの側端に回動自在に枢支された前面扉1001bと、から構成されている。
スロットマシン1001の筐体1001aの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール1002L、1002C、1002R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図38に示すように、これらリール1002L、1002C、1002Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1001bに設けられた透視窓1003から見えるように配置されている。
スロットマシン1001においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部1004から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ1006を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図38参照)が有効となり、スタートスイッチ1007の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール1002L、1002C、1002Rの透視窓1003に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図387に示すように、各リール1002L、1002C、1002Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール1002L、1002C、1002Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール1002L、1002C、1002Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール1002Lの上段、リール1002Cの中段、リール1002Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール1002Lの下段、リール1002Cの中段、リール1002Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ1007を操作すると、各リール1002L、1002C、1002Rが回転し、各リール1002L、1002C、1002Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ1008L、1008C、1008Rを操作すると、対応するリール1002L、1002C、1002Rの回転が停止し、透視窓1003に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール1002L、1002C、1002Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール1002L、1002C、1002Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口1009(図38参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化され複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール1002L、1002C、1002Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
これらスロットマシン1001において、画像用液晶パネル1051の前方に空中画像を表示する場合には、図39に示すように、画像用液晶パネル1051の下方位置に鏡画像結像板12と同じ鏡画像結像板1112を、前方が低くなるように傾斜して配置するとともに、該鏡画像結像板1112の下方位置に、該鏡画像結像板1112と離間して空中画像用表示装置1111を配置するようにすれば良く、このようにすることで、パチンコ機1と同様に、画像用液晶パネル1051の前方位置に、空中画像用表示装置1111に表示した画像が結像して空中画像として表示することができる。
尚、遊技機が変形例のスロットマシン1001である場合においては、パチンコ機1の擬似連の演出に代えて、複数のゲームに亘って演出が実施される連続演出等に同様の制御を適用することができる。
また、遊技機が変形例のスロットマシン1001である場合において表示する遊技関連情報としては、例えば、再遊技役の発生確率が通常よりも高い確率とされたリプレイタイム(RT)が終了するまでのゲーム数や、ストップスイッチ1008L、1008C、1008Rの操作順序が報知されるアシストタイムが終了するまでのゲーム数や、アシストタイムを発生させる権利の獲得数(ナビストック数)や、ボーナス中の払出枚数や獲得枚数や、リプレイタイム(RT)中の払出枚数や獲得枚数等の情報が例示され、これらの情報の1つまたは複数を、特定領域を構成する所定の表示領域に表示するようにすれば良い。
また、前記実施例や変形例では、パチンコ機1やスロットマシン1001を例示したが、これら以外の遊技機、例えば、遊技媒体が、遊技機内部に内封され、貸し出されたパチンコ玉やメダルの数や、入賞に応じて付与されたパチンコ玉やメダルの数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ玉やメダルの数が減算されて記憶される封入式遊技機や、パチンコ玉やメダルを用いずに、例えば貸出要求に応じて貸し出されたポイントや点数等の価値や入賞に応じて付与されたポイントや点数等の価値を全てクレジットとして記憶し、クレジットとして記憶された価値のみを使用して遊技を行うことが可能な遊技機であっても良い。尚、この場合には、これらポイントや点数等が遊技媒体に相当し、クレジットが遊技用価値となる。
また、前記実施例では、空中画像用表示装置11として、2次元画像を表示する通常のディスプレイを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら空中画像用表示装置として、視差バリア方式やインテグラルイメージ方式等の裸眼視にて立体表示が可能な裸眼視立体表示装置を用いても良い。
また、前記実施例では、空中画像を表示するときに、変動表示装置9の表示部9aの明るさを低減する画像として明度を反転した反転画像を表示するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら画像としては、空中画像が表示される表示部9aの領域を無表示とすることで明るさを低減して、空中画像を視認し易くするようにしても良い。
また、前記実施例では、確変中における初期予告演出においては、非確変中である通常遊技状態中よりも空中画像が表示される割合が高くなるものの、必ず空中画像が表示されるようにはならない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変状態において初期予告演出が実施されるとき、つまり、擬似連やスーパーリーチが発生するときには、100%にて空中画像による初期予告演出が実施される空中演出モードに移行するようにしても良い。
また、前記実施例並びに変形例では、遊技者の視点位置を考慮して空中画像の表示位置を補正する等の制御を実施していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら空中画像の結像位置(表示位置)と、変動表示装置9の表示部9aの位置とが大きく異なるために、遊技者の視点位置が、遊技者の体型の違いにより変化すると、空中画像と変動表示装置9の表示部9aの画像とが連携した演出表示を実施する場合に、空中画像の位置と、表示部9aの画像の位置とがずれて連携が不自然になってしまう畏れがある場合には、遊技者の目の位置(視点位置)を検出する視点位置検出センサを設けて、これら視点位置検出センサにより検出された遊技者の視点位置に応じて、空中画像用表示装置11に表示する画像の位置や変動表示装置9に表示する画像の位置を補正するようにすれば良い。