以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は複数のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
遊技盤24には、遊技領域PEの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿66aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は発射ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
ここで、遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
遊技盤24の背面側には、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のそれぞれに対応させて検知センサ(図示略)が設けられており、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが対応する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口33に対する下作動口34の有利性を高める上では、上作動口33に係る払出個数よりも下作動口34に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口33,34に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33,34に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aは、閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り換えられる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、遊技盤24の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動部と連結されており、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43には、大当たり当選となることで可変入賞装置32が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSと、作動口33,34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための結果表示部ASとが設定されている。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
結果表示部ASでは、各作動口33,34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、各作動口33,34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。各作動口33,34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、結果表示部ASにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、各作動口33,34に対応させてそれぞれ結果表示部が設けられ、作動口33,34への入賞が発生した場合にはその対応する結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該対応する結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の第1表示画面G1の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により第1表示画面G1の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留発光部45が設けられている。遊技球が各作動口33,34のいずれかに入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留発光部45の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第2保留発光部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留発光部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部45,47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種発光部等の発光手段が設けられている。当該各種発光部の一部として表示発光部63が窓部61の右方に設けられている。また、窓部61の上方にはエラー発光部64が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部65が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部66と下側膨出部67とが上下に並設されている。上側膨出部66内側には上方に開口した上皿66aが設けられており、下側膨出部67内側には同じく上方に開口した下皿67aが設けられている。上皿66aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿67aは、上皿66a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
上側膨出部66における発射操作装置28と反対側には、遊技者らにより手動操作される操作ボタンユニット100が設けられている。操作ボタンユニット100は、図柄表示装置41の第1表示画面G1などにおいて所定の演出を行わせるために遊技の進行の過程で遊技者により手動操作される操作装置である。当該操作ボタンユニット100の具体的な構成や、その操作に基づく所定の演出については後に詳細に説明する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置81が搭載されている。主制御装置81は主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。
主制御装置81を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック72を備えており、当該裏パック72に対して、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿66a又は下皿67aに排出される。なお、払出機構部73には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源及び発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック72には、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74以外にも、外部端子板79が設けられている。外部端子板79は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板79は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
<操作ボタンユニット100>
次に、前扉枠14に設けられた操作ボタンユニット100の構成について、図4を参照して詳細に説明する。既に説明したように、操作ボタンユニット100は上側膨出部66において上皿66aの側方であって発射操作装置28と反対側に設けられている。図4(a)は上皿66a側から見た操作ボタンユニット100の側面図であり、図4(b)は上皿66aを向いて見た操作ボタンユニット100の縦断面図である。
図4(a)に示すように、操作ボタンユニット100は、遊技者らによる手動操作が行われる操作ボタン111を有するボタン装置110と、操作ボタン111の上方を検知範囲(検知エリア)とするセンサ装置120と、操作ボタン111の操作を促す誘い画像を表示する特別表示装置130と、を備えており、これら各装置110,120,130が前扉枠14の上側膨出部66における上皿66aの左側に設けられている(図1参照)。
各装置110,120,130の取り付け位置についてより詳細には、ボタン装置110は、上側膨出部66の上面から操作ボタン111を露出させて上側膨出部66に設けられている。操作ボタン111の上方の空間には装飾用の部材などが設けられておらず、遊技者らが当該操作ボタン111を手動操作できるように操作空間OEが確保されている(図1参照)。ここで操作空間OEとは、遊技者らが手で操作ボタン111を押圧操作するのに十分な空間であって、且つ、その押圧操作する前段階の動作も支障なく行える空間である。
センサ装置120と特別表示装置130とは、この操作空間OEを囲むように設けられている。具体的には、図1に示すように遊技機前面部において操作ボタン111の後方と側方とを囲うように壁部68が形成されており、その壁部68にセンサ装置120と特別表示装置130が設けられている。
壁部68は互いに交差する位置に設けられる第1壁部68aと第2壁部68bとを有し、第1壁部68aにセンサ装置120が設けられ、第2壁部68bに特別表示装置130が設けられている。第1壁部68aは操作ボタン111に対して側方(左方)に配置され、第2壁部68bは操作ボタン111に対して後方に配置される。
すなわち、センサ装置120は操作空間OEの側方に配置され、特別表示装置130は操作空間OEの後方に配置されている。そして、センサ装置120の検知範囲が操作空間OEに含まれるように設定されており、操作空間OEに存在する手などの操作体を、側方から検知することが可能となっている。また、特別表示装置130は操作ボタン111の後方位置から上記の誘い画像を表示し、遊技者から見ると操作空間OEにおいて誘い画像が表示されることになる。
なお、操作ボタン111は、遊技者が手に持った物によっても押圧操作可能となっており、物により押圧操作が行われた場合、その物が「操作体」に相当する。
上記のように配置された各装置110,120,130の構成について、以下、それぞれ詳細に説明する。
先ず、ボタン装置110の構成について図4(b)を参照して説明する。
上側膨出部66には、その上部において下方へ凹ませた受け部66bが形成されている。操作ボタン111の上面は遊技者らによって手動操作が行われる操作面112が形成されている。操作ボタン111は、受け部66bに対して上方から挿入され、上記操作面112を上側膨出部66の上面よりも上方へ突出させて設けられている。操作ボタン111の操作ボタン111の周面において受け部66b内に挿入された領域は、受け部66bを規定する周面と近接した領域において対向している。
操作ボタン111の周壁には外方に突出するように突起部113が形成されている。当該突起部113は操作ボタン111の周壁において複数形成されている。突起部113のそれぞれに対応させて、受け部66bの周壁には当該受け部66bの内側に凹ませた受け溝部66cが形成されており、各突起部113は対応する受け溝部66c内に入り込んでいる。受け溝部66cは操作ボタン111の操作方向(上下方向)に長く形成されており、操作ボタン111は受け溝部66cにより規定される範囲で上下方向に移動可能となっている。
操作ボタン111の底部と受け部66bの底部との間には、操作ボタン111を上方に付勢する付勢手段としてのスプリングバネ115が設けられている。そして、スプリングバネ115の付勢力により操作ボタン111は上方に位置する初期位置に配置され、遊技者らが操作ボタン111の操作面112を下方に押圧することにより操作ボタン111は下方に位置する操作位置へ移動する。そして、その押圧力を開放することにより操作ボタン111は再びスプリングバネ115の付勢力により初期位置に戻る。操作ボタン111の移動量について具体的には、操作ボタン111が初期位置から操作位置まで移動すると、操作ボタン111の上面は約2cm下方へ移動する。操作ボタン111の高さ寸法は、受け部66bの高さ寸法よりも長く形成されており、操作ボタン111が操作位置まで移動しても操作ボタン111の操作面112は上側膨出部66の上面よりも上方に配置される。
このように、ボタン装置110は、操作ボタン111の突起部113と受け部66bの受け溝部66cとを係合させ、スプリングバネ115により付勢する、という簡素な構成となっている。
次に、センサ装置120について説明する。
図4(a)に示すように、センサ装置120は、複数の非接触式のセンサ121と、各センサ121を収容するボックスベース122と、を備え当該ボックスベース122が第1壁部68aに収容されている。センサ装置120は複数のセンサ121がボックスベース122に収容されることで非接触センサ群として構成されている。
センサ装置120の各センサ121は、それぞれ赤外線を出力する発光部123と当該赤外線が検知対象(遊技者の手などの操作体)により反射された反射光を受光する受光部124とを有している。これら発光部123及び受光部124は、第1壁部68aに設けられた透明の合成樹脂板(図示略)を介して操作空間OEに向けて設けられている。
各センサ121の発光部123及び受光部124はサブ側の制御装置としての音声発光制御装置と電気的に接続されている。そして、センサ121は、各受光部124が赤外線を受光している場合にON状態となりHI信号の検知信号を音声発光制御装置へ出力し、各受光部124が赤外線を受光していない場合にOFF状態となりLOW信号の検知信号を出力する。これにより、音声発光制御装置は各センサ121のON/OFF状態を把握することができる。
なお、各発光部123から出力される赤外線は高い指向性を有し、その出力の方向は、互いに平行となる方向となっている。また、当該赤外線は、発光部123ごとに波長を異ならせており、発光部123から出力する赤外線と受光部124にて受光する赤外線とは、センサ121毎に1対1で対応付けられている。
上記のように構成された各センサ121は、発光部123から出力された赤外線の反射光を対応する受光部124にて受光できる範囲で検知対象を検知可能となっており、より具体的には、検知対象がセンサ装置120から約10cm離れるまでの範囲で検知可能となっている。そして、この範囲には、少なくとも操作ボタン111の上方の空間が含まれている。
さらに各センサ121のうち、下端に配置されるセンサは操作ボタン111の操作面112に触れた手などを検知可能な位置に配置され、上端に配置されるセンサは操作ボタン111の上方約10cmの位置に配置される。また、奥端に配置されるセンサは操作ボタン111の奥端よりも特別表示装置130側に配置され、前端に配置されるセンサは操作ボタン111の前端よりも遊技者側に配置される。このように配置される各センサ121によって、センサ装置120の検知範囲が規定され、操作ボタン111の上方の空間に操作体が存在することを検知することが可能となっている。
各センサ121は、操作ボタン111の操作方向及び当該操作方向と直交する方向にm行×n列のマトリクス状に配置されている。より具体的には、操作ボタン111の操作方向において、所定の間隔を隔てて整列され、また操作ボタン111の操作方向と直交する方向において特別表示装置130の前方に所定の間隔を隔てて整列されている。つまり、センサ装置120は、操作ボタン111の操作方向において、下端から1,2,3,・・・m−1,m行のセンサ121と、操作ボタン111の操作方向と直交する方向において、奥端から1,2,3,・・・n−1,n列のセンサ121とによって構成されている。
上記の所定の間隔について本実施形態では均一で1cmとなっており、操作ボタン111の操作方向において1〜10行のセンサと、操作ボタン111の操作方向と直交する方向において1〜10列のセンサと、の計100個のセンサ121をセンサ装置120は有している。
各センサ121が操作ボタン111の操作方向に整列されているため、ON状態となっているセンサ121を確認することで、本パチンコ機10は検知対象である遊技者らの手などの操作体の操作方向における位置を把握することが可能となっている。そしてこの操作方向における位置を把握する構成を利用して、本パチンコ機10では、操作体が操作ボタン111を操作するスタンバイ位置に存在する操作準備状態と、操作体が操作ボタン111を操作している操作実施状態と、を把握することができる。
この操作体の操作方向における位置の把握に関する構成について、図5を参照してより具体的に説明する。なお図5においては、説明の都合上、各行のセンサ121のうち1つずつのセンサ121のみ表示し、それらを下から♯1〜♯10として表示している。またON状態のセンサ121を黒丸で表示し、OFF状態のセンサ121を白丸で表示している。
図5(a)に示すように、操作空間OEに操作体Hが存在すると、その操作体Hに対応する位置のセンサ121がON状態となる(♯5〜♯7)。図5(a)では、このON状態のセンサ121よりも下方にOFF状態のセンサ121が存在し(♯1〜♯4)、ON状態となっているセンサ121の行とOFF状態となっているセンサ121の行との境界を把握することで、パチンコ機10は操作体Hと操作面112との距離を把握することができる。またこの場合、下端(♯1)の行のセンサ(以下、基準センサという)がOFF状態であるため、パチンコ機10としては操作体Hが操作面112に触れていないと把握する。
図5(b)に示すように、上記の基準センサ(♯1)よりも上方の行(本実施形態では、♯3)のセンサ(以下、準備確認センサという)がON状態となる位置まで操作体Hが移動すると、上記のスタンバイ位置に存在する操作準備状態として把握する。つまり図5(e)に示すように、準備確認センサ(♯3)がON状態となっていて、且つ基準センサ(♯1)がOFF状態となっている状況が、本実施形態における操作準備状態を意味する。
操作体Hがさらに下方に移動し、操作体Hが操作ボタン111の操作面112に触れると、図5(c)に示すように基準センサ(♯1)がON状態となり、以降の操作体Hの移動量に基づいて操作ボタン111の押圧操作の有無が把握される。そして図5(e)に示すように、この基準センサ(♯1)がON状態である状況が、本実施形態における操作実施状態を意味する。
操作ボタン111の押圧操作の有無の把握について具体的には、基準センサ(♯1)がOFF状態からON状態となった時点で、ON状態となっている行のセンサのうちの上端から1行下の行のセンサが操作確認センサとして設定される(図5(c)の♯2)。なお、この操作確認センサは、操作空間OEにおける操作体Hの存在位置(存在領域)によって変化する。具体的には、手の大きさや向きが異なれば、操作体Hの存在位置が異なることになる。例えば基準センサ(♯1)がOFF状態からON状態となった時点で、ON状態となっている行のセンサのうちの上端が♯5であれば、操作確認センサは♯4となる。
そして、図5(d)に示すように、当該操作確認センサ(♯2)がON状態からOFF状態となった場合、すなわち、操作体Hが2行分下方に移動した場合に操作ボタン111が押圧操作されたとして把握される。この2行分の移動量は、操作ボタン111における初期位置から操作位置までの移動量に相当する。
このように操作体Hが操作方向に移動すると、各センサ121(♯1〜♯10)のON/OFF状態が徐々に切り替わる(図5(e)参照)。本パチンコ機10では、この切り替わりの情報をもとに、操作ボタン111の操作の有無の状況、及びその操作の前の情報を把握可能に構成されている。そしてこれら把握した情報に基づいて図柄表示装置41による演出が行われる。
また、準備確認センサ(♯3)と基準センサ(♯1)との間にセンサ(♯2)が含まれているため、操作実施状態ではなく操作準備状態として認識できる範囲が複数段階に広げられている。これにより、操作準備状態における操作体Hの動作を詳細に把握することが可能となっている。この構成を利用して、本パチンコ機10では、操作準備状態における操作体Hの動作速度も把握することが可能となっている。具体的には、操作体Hの単位時間(単位期間)当たりの動作量を算出して、操作体Hの動作速度を把握する。そして、その動作速度に応じて、その後に操作ボタン111が操作された場合の演出を異ならせるように設定されている。これらの操作体Hの位置を把握するための処理や演出に関する処理については、後に詳細に説明する。
さらに各センサ121が特別表示装置130の前方において前後方向に整列されているため、ON状態となっているセンサ121を把握することで、操作体Hと特別表示装置130との距離を把握することが可能となっている。また、受光部124が受光した赤外線強度を解析することで、操作体Hとセンサ121との距離を測定することが可能となっている。つまり、センサ装置120は、操作体Hの操作ボタン111における操作方向における位置を把握するだけでなく、前後方向及び左右方向における位置も把握することができる。そして、本パチンコ機10では、操作体Hの移動方向に応じた演出が図柄表示装置41等を通じて行われるようになっている。これら演出に関する処理については、後に詳細に説明する。
次に、特別表示装置130について説明する。
特別表示装置130は、操作ボタン111を挟んで遊技者とは反対側となる位置(操作ボタン111の後方)において図柄表示装置41側の第1表示画面G1よりも小さな第2表示画面G2にて、操作ボタン111の操作を促す演出を行うために設けられている。
特別表示装置130は、パララックスバリア方式により3次元像を遊技者に視認させることができるように構成されており、具体的には図4(b)に示すように、第2表示画面G2は液晶表示部130aと、当該液晶表示部130aと間隔を隔てて前方に配置されるバリア表示部130bと、からなり、これら両表示部130a、130bの前方に配置される無色透明の合成樹脂製の保護カバー131を介して、前扉枠14の前方から視認可能に設けられている。
ここで、特別表示装置130により遊技者に3次元像を立体視させる原理を簡単に説明する。特別表示装置130は、図7に示すように、液晶表示部130aにバリア表示部130bを重ね、バリア表示部130bにて縦縞のフィルタを表示することで、右目と左目に異なる映像を見せるようにしている。
すなわち、バリア表示部130bによって、右目には右目用の画像だけが見え、左目には左目用の画像だけが見えることで、裸眼で3次元像を立体的に見ることが可能となっている。そして、液晶表示部130aに表示される画像は、遊技者から見ると特別表示装置130よりも前方に画像が飛び出したように見える。この画像が飛び出す位置について詳細には、操作ボタン111の上方、すなわち操作空間OEにおけるセンサ装置120の検知範囲に画像が飛び出すように設定されている。
特別表示装置130による3次元像としては、例えば、操作ボタン111に似せたボタンの3次元像(以下の説明では、仮想操作ボタン像という)が設定されており、当該仮想操作ボタン像が映し出されることによって、操作ボタン111があたかも操作空間OE側に突出した(延びた)かのような演出が行われる。そして、3次元像はセンサ装置120の検知範囲に映し出されるため、遊技者がこの仮想操作ボタン像を操作しようと手をかざしたり手を移動したりした場合には、パチンコ機10はそれを把握することが可能となっている。
この場合、操作ボタン111の操作において操作実施状態の判定に用いられる基準センサは、仮想操作ボタン像の操作面(以下の説明では、仮想操作面という)に対応させて、それよりも上方の行のセンサ121に設定される。
つまり、特別表示装置130は、3次元画像として、操作空間OEにおいて操作ボタン111が存在していない領域に仮想操作ボタン像を表示する。仮想操作ボタン像とは、操作ボタン111が大型化されるようにして操作ボタン111から延びている像である。そしてセンサ装置120は、操作空間OEにおいて操作体が仮想操作ボタン像に重複している位置に存在していないことを判定することで、仮想操作ボタン像の操作に対応する動作が行われたことを検知する構成としている。
より具体的には、図6(a)に示すように、本実施形態では操作ボタン111の操作面112よりも上方(約3cm)に、仮想操作ボタン像Xの仮想操作面Yが配置されるように映し出される。この場合、操作面112に対応する基準センサは、仮想操作面Yに対応するセンサとして、♯1よりも上方の♯4のセンサに変更される。また、当該変更後の基準センサ(♯4)よりも上方のセンサ(♯6)が準備確認センサとして変更される。
仮想操作ボタン像Xを遊技者が操作しようとすると、上記の操作ボタン111の操作における操作準備状態と操作実施状態との関係と同様に、仮想操作ボタン像Xの操作においても操作準備状態と操作実施状態とが把握される。具体的には、図6(a)に示すように、準備確認センサ(♯6)がON状態となる位置に操作体Hが移動すると操作準備状態となる。この状態では操作体Hと仮想操作ボタン像Xとが重複していない。そして、図6(b)に示すように、基準センサ(♯4)がON状態となる位置まで操作体Hが移動すると、操作実施状態となる。また、基準センサ(♯4)がON状態となった時点でON状態となっているセンサ121のうちの上端のセンサ(♯6)から4行下のセンサ(♯2)が操作確認センサとして設定される。
この場合、基準センサ(♯4)がON状態となった時点では、操作確認センサ(♯2)はON状態となっているとは限らない。そこで、上記の操作確認センサ(♯2)がON状態からOFF状態へ切り替わったこと、すなわちこの操作確認センサ(♯2)からの検知信号がHI信号からOFF信号へ切り替わったことを確認することで、本パチンコ機10は仮想操作ボタン像Xの操作に対応する動作が行われたと把握する構成としている。この場合の操作体Hの移動量は、操作方向において操作ボタン111の初期位置から操作位置までの移動量に加え、仮想操作ボタン像Xの突出量が加味されている。
また、基準センサ(♯4)がON状態となってから、操作体Hが下方に移動すると、操作体Hの大きさによっては操作実施状態中に基準センサ(♯4)がOFF状態となり得る。そこで、仮想操作ボタン像Xの操作における操作実施状態は、基準センサ(♯4)以下(♯1〜♯4)のいずれかがON状態となっている状況を含むものとなっている(図6(e)参照)。
操作実施状態において、操作体Hがさらに下方に移動すると、図6(c)に示すように、仮想操作ボタン像Xも操作体Hの移動にあわせて下方に移動するように変位するようにしている。これにより、遊技者にあたかも仮想操作ボタン像Xを操作しているかのように思わせることができる。
そして、図6(d)に示すように、操作確認センサ(♯2)がON状態からOFF状態に切り替わると、本パチンコ機10は仮想操作ボタン像Xの操作に対応する動作が完了したものと把握する。
なお、図6(d)に示す位置まで操作されたら操作に対応する動作が完了したとして把握する構成に代え、図6(c)に示す操作に対応する動作の途中で仮想操作ボタン像Xの操作に対応する動作が完了したものとして把握する構成としてもよい。これは操作ボタン111の操作の完了を把握する構成についても同様である。
さらに特別表示装置130による3次元像として、例えば、女の子のキャラクタの3次元像が設定されている。そして、上記のように本パチンコ機10では操作体Hの移動方向を把握することが可能となっていることを利用して、遊技者が当該女の子のキャラクタの3次元像を撫でようとした場合に、その撫でる方向によって異なる演出が行われる。これら3次元像による演出の処理については、後に詳細に説明する。
図1に示すように、特別表示装置130は遊技機前面部において左方に向かうほど前方へ傾斜させて配設されているとともに、下方に向かうほど前方に傾斜させて配設されており、両表示部130a、130bの面が遊技者の顔を向くように設置されている。
このため図柄表示装置41側の第1表示画面G1を見ている遊技者は、左下に視線を移すことで上記のように特別表示装置130側の第2表示画面G2を略正面から見ることが可能となる。ここで、操作ボタンユニット100を例えば上側膨出部66において左右方向の略中央に設ける構成とすると、図柄表示装置41側の第1表示画面G1を見ている遊技者にとっては、視線を真下に下ろすだけでよいため、視線の移動という観点からは好ましくも思える。
しかしこの構成の場合、例えば、ボタン装置110を操作しようと手をかざすと、その手が特別表示装置130側の第2表示画面G2と重なり、第2表示画面G2を見ることができなくなってしまう。そこで本実施形態では、操作ボタンユニット100を左側に配置し、遊技者がボタン装置110に手をかざしている場合であってもその手と特別表示装置130側の第2表示画面G2との重なりを最小限にとどめ、操作ボタン111が操作される場合であっても特別表示装置130における3次元像による演出の視認性の低下を抑制することが可能となっている。
また、第2表示画面G2は第1壁部68aによって、当該第1壁部68a側からの光りの入り込みが抑制されている。これによっても、3次元像による演出の視認性の低下を抑制することが可能となっている。
このように本実施形態では、操作手段としての操作ボタン111を備え、その操作によって演出が行われる構成としているため、遊技機側の一方的な演出のみならず遊技者による操作という双方向の演出を可能とし、遊技への積極参加を図ることができる。そして、この操作ボタン111の操作を行うための操作空間OEを利用して、上記のように様々な演出を行うことで興趣向上を図り、遊技への注目度を高める工夫が施されている。
特に操作準備状態といった、操作ボタン111が操作される前の状態を特定することが可能となっているため、操作ボタン111の操作の有無による演出だけでなく、その前段階の遊技者の操作態様を演出に反映させるという、斬新な遊技機となっている。
また、特別表示装置130を利用して操作ボタン111の操作を促すとともに、3次元像を映し出すようにしていることから、映し出された3次元像を遊技者が触れようとするといった、新たな演出が追加されている。この場合、3次元像をセンサ装置120の検知範囲に映し出す構成としているため、遊技者が当該3次元像に触れようとしたことをそれ専用のセンサを用いることなく特定することができ、機能の集約化を通じて設置領域の削減を図りつつ、各演出を好適に実現することが可能となっている。
さらに、図1に示すように、操作ボタンユニット100(より詳しくは、センサ装置120)が遊技機前面部において発射操作装置28と左右方向で反対側に設けられていることから、発射操作装置28を操作する手などを操作ボタンユニット100のセンサ装置120が検知してしまう所謂誤検知を抑制することが可能となっている。また、発射操作装置28の他にも、本パチンコ機10の通常遊技(操作ボタンユニット100を操作しないで遊技を行う遊技)に使用させる各種操作部(遊技球貸し出しボタンや、上皿66a又は下皿67aの球抜きボタンなど)も操作ボタンユニット100と左右方向で反対側に設けられている。この点からも、本パチンコ機10の通常遊技を行うにあたりセンサ装置120がその通常遊技を行う手などを検知してしまうことを抑制している。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図8のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU202が有する機能の一部、例えば、ROM203の機能やRAM204の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び音声発光制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声発光制御装置82には、主制御装置81から変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、主制御装置81のMPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、メイン表示部43及び役物用表示部44が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
また、MPU202の出力側には、外部端子板79が接続されている。外部端子板79には、複数の外部端子(出力端子)が設けられている。外部端子は例えば8個設けられており、管理コンピュータに向けて外部出力する情報の種類が相違している。これら複数の外部端子には、開閉実行モード中であることを示す開閉実行信号の外部出力を行うための端子と、高頻度サポートモード中であることを示す高頻度信号の外部出力を行うための端子とが含まれている。MPU202は、RAM204に設けられた外部出力バッファに対して、遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、外部出力バッファに設定された情報に応じて、信号出力用の設定を外部端子板79に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。なお、各外部端子は、主制御装置81から管理コンピュータへ向けた電気信号の送信を可能としながら、その逆の流れを防止すべく、フォトカプラを用いて構成されている。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構27は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45,47及び前扉枠14に設けられた表示発光部63、エラー発光部64及びスピーカ部65を駆動制御するとともに、表示制御装置500を制御するものである。そして、表示制御装置500では、音声発光制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41及び特別表示装置130の表示制御を実行する。
また、音声発光制御装置82には、操作ボタンユニット100におけるセンサ装置120の各センサ121がそれぞれ接続されている。各センサ121の検知結果はそれぞれ音声発光制御装置82に入力される。音声発光制御装置82は各センサ121の検知結果を解析することにより、操作体Hの位置や当該操作体Hが動作した場合にはその動作量及びその動作速度を特定する。そして、その特定された結果に基づいて表示発光部63やスピーカ部65を駆動制御するとともに、表示制御装置500を制御して図柄表示装置41及び特別表示装置130による演出等を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図9に基づいて説明する。図9は図柄表示装置41の第1表示画面G1を示す図である。
図9(a)に示すように、図柄表示装置41の第1表示画面G1には、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、第1表示画面G1では、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図9(b)に示すように、第1表示画面G1は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、第1表示画面G1には、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図10に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の結果表示部ASに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選用カウンタエリア231に適宜格納される。RAM204には、結果表示部用保留エリアREと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア232が設けられている。そして、この保留球格納エリア232に、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、各作動口33,34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の結果表示部用保留エリアREに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率対応状態)と高確率モード(高確率対応状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、各作動口33,34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の結果表示部用保留エリアREに格納される。
ここで、本実施形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モードに差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
ここで、下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードについて説明する。下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2の説明に戻る。大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。
振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、及び確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、確変大当たり結果は、確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
本実施形態の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜14」が通常大当たり結果に対応しており、「15〜29」が確変大当たり結果に対応している。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、各作動口33,34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の結果表示部用保留エリアREに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の第1表示画面G1に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の第1表示画面G1内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図9の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、第1表示画面G1の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の結果表示部ASにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、結果表示部ASにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU202では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、結果表示部ASにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、結果表示部ASにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
<保留球格納エリア232の構成>
次に、保留球格納エリア232の構成を、図10を用いてより詳細に説明する。
結果表示部用保留エリアREは、各作動口33,34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。以下には、結果表示部用保留エリアREの構成について説明する。
結果表示部用保留エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3、第4保留エリアRE4の4つの保留エリアと、保留数記憶エリアNAとより構成されている。各保留エリアRE1〜RE4は、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するための記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するための記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するための記憶領域とがそれぞれ構成されている。この第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4の4つの保留エリアにより、各作動口33,34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
図10に示す実行エリアAEは、結果表示部ASの変動表示を開始する際に、結果表示部用保留エリアREの保留エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。実行エリアAEは、結果表示部用保留エリアREの1つ分の記憶エリアと同一構成となっている。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS104にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、各作動口33,34のいずれかに遊技球が入賞したことに基づいて、その入賞に基づいて遊技球を払い出させる賞球コマンドを設定するとともに、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行う。
具体的には、遊技球が各作動口33,34に入賞(始動入賞)したか否かを各作動口33,34に対応してそれぞれ設けられた検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。また、遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
また、情報取得処理では、保留数記憶エリアNAの値が上限値(本実施の形態では4)未満であることに基づいて、保留数記憶エリアNAの値を1インクリメントするとともに、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、結果表示部用保留エリアREの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記1インクリメントした保留数記憶エリアNAと対応する保留エリアに格納する。
なお、作動口用の入賞処理では、各作動口33,34に遊技球が入賞し、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を記憶した場合、保留コマンドを設定する。この保留コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて音声発光制御装置82に送信される。音声発光制御装置82では、保留コマンドを受信した場合には、第1保留発光部45を点灯させるための処理を実行する。第1保留発光部45は左側から順次点灯されるようになっており、例えば保留数記憶エリアNAの値が1であれば左端の第1保留発光部45が点灯され、保留数記憶エリアの値が4であれば全ての第1保留発光部45が点灯されるようになっている。
ステップS104にて作動口用の入賞処理を実行したらステップS105に進む。ステップS105では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。そして、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満である場合、役物保留記憶数SNの値を1インクリメントするとともに、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM204の電役保留エリア233の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。スルー用の入賞処理を実行したら、本タイマ割込み処理を終了する。
なお、スルー用の入賞処理では、第2保留発光部47を点灯させるための処理を実行する。第2保留発光部47は左側から順次点灯されるようになっており、例えば役物保留記憶数SNが1であれば左端の第2保留発光部47が点灯され、役物保留記憶数SNが4であれば全ての第2保留発光部47が点灯されるようになっている。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図12のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声発光制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204における抽選用カウンタエリア231の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置97より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS204では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の結果表示部ASの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS205では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技回制御処理における大当たり判定の結果に基づいて遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。また、遊技状態が開閉実行モードである場合には、大入賞口32aが閉鎖状態となったり、開放状態となったりする大入賞口開閉処理が実行される。
ステップS206では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリア233に格納されている情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、電動役物34aの開閉処理及び役物用表示部44の表示制御などを行う。
ステップS207では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射制御処理が実行されることにより、発射操作装置28に対して発射操作が継続されている状況では、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。また、発射制御処理では、発射操作装置28に対して発射操作が継続されている場合、発射操作が行われていることに対応した信号を音声発光制御装置82に出力する。音声発光制御装置82は、その信号を入力することで、発射操作が行われていることを把握できる。
続くステップS208では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS209,S210)。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204における抽選用カウンタエリア231の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204における抽選用カウンタエリア231の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS204の遊技回制御処理を図13のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS301にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS309の遊技回開始用処理及びステップS310〜ステップS313の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、結果表示部ASが変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、結果表示部ASについて変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS309の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、保留数記憶エリアNAの値が「0」か否かを判定する。保留数記憶エリアNAの値が「0」である場合とは、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4のいずれについても入賞履歴が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。
保留数記憶エリアNAの値が「0」でない場合には、ステップS304にて、結果表示部用保留エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、保留数記憶エリアNAの値を1ディクリメントする。そして、結果表示部用保留エリアREにおける第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。さらに、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されたデータを下位側にシフトさせる。具体的には、第1保留エリアRE1のデータをクリアすると共に、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各保留エリア内のデータをシフトする。
また、各保留エリアのデータをシフトした場合、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、音声発光制御装置82に送信される。音声発光制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留発光部45における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
データ設定処理を実行したらステップS305に進む。ステップS305では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。そして、高確率モードである場合には高確率モードに対応した当否判定処理を実行し、低確率モードである場合には低確率モードに対応した当否判定処理を実行する。当否判定処理を実行する場合、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、各抽選モードにおける大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。つまり、当否判定処理では、通常大当たり結果、確変大当たり結果、及び大当たり非当選に対応した外れ結果のうち、いずれに対応しているか否かを判定している。また、大当たり当選に対応している場合には、その大当たり当選が、通常大当たり結果及び確変大当たり結果のいずれに対応しているかを実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値から決定する。
また、当否判定処理が実行された場合、今回の遊技回における結果表示部ASの変動表示時間が設定される。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値から、今回の遊技回がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。また、リーチ乱数カウンタC3の値がリーチ非発生に対応している場合には、変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、変動表示時間カウンタエリアにセットする。なお、当否判定処理の結果が、大当たり当選に対応している場合、リーチ乱数カウンタC3の値に関らず、リーチ発生用変動表示時間テーブルが参照されるようになっている。
続くステップS306では停止結果設定処理を実行する。停止結果設定処理では、当否判定処理の結果に対応した結果表示部ASの停止結果を設定する。具体的には、通常大当たり結果に対応した停止結果、確変大当たり結果に対応した停止結果及び外れ結果に対応した停止結果が、予めRAM204に記憶されている。そして、停止結果設定処理にて、記憶されている停止結果のうちいずれの停止結果とするかが決定される。
ステップS307では種別コマンドを設定する。種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報が含まれる。
続くステップS308では、変動用コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無や変動表示時間の情報が含まれている。
ステップS307にて設定された種別コマンド及びステップS308にて設定された変動用コマンドのそれぞれは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、音声発光制御装置82に送信される。音声発光制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、音声発光制御装置82では、その受信した変動用コマンド及び種別コマンドをそのまま表示制御装置500に送信する。表示制御装置500では、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS309にて、結果表示部ASにおいて絵柄の変動表示を開始させる。その後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS302にてメイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS310〜ステップS313の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS310にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。この変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図11)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS311にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS312にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS306にて決定した今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように結果表示部ASを表示制御する。
続くステップS313では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS313にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、音声発光制御装置82に送信される。音声発光制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声発光制御装置82から表示制御装置500に送信され、表示制御装置500では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<音声発光制御装置82及び表示制御装置500>
次に、図14のブロック図を参照して、音声発光制御装置82及び表示制御装置500の電気的構成について説明する。
音声発光制御装置82は、MPU249が搭載された音声発光制御基板248を具備している。MPU249には、当該MPU249により実行される各種プログラムや固定値データを記憶したROM250と、そのROM250内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM251と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU249には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU249の入力側には主制御装置81が接続されており、当該主制御装置81から既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、シフト時コマンド等の保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、更には、オープニングコマンドやエンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU249の出力側には、既に説明したように前扉枠14に設けられた各種発光部45,47,63,64及びスピーカ部65、表示制御装置500が接続されている。上記各種コマンドは、情報形態をそのまま維持した状態又は情報形態を解析し新たな情報を加えた上で表示制御装置500に送信される。
また、MPU249の入力側には前扉枠14に設けられた操作ボタンユニット100のセンサ装置120の各センサ121が接続されており、当該各センサ121からの検知情報(検知信号)が入力される。MPU249においては、当該検知情報に基づいて、検知情報に対応する演出を実行するためのコマンドを表示制御装置500に送信する。
MPU249では、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信することで、遊技回用の演出を開始させる必要があることを認識し、遊技回用の変動開始用処理を実行する。また、主制御装置81から送信された終了コマンドを受信することで、遊技回の演出を終了させる必要があることを認識し、遊技回の変動終了用処理を実行する。また、主制御装置81から送信された大当たり演出用の各種コマンドを受信することで、大当たり演出を開始させる必要があること又は進行させる必要があることを認識し、大当たり演出用処理を実行する。また、主制御装置81から送信されたデモ表示用のコマンドを受信することで、デモ表示を開始させる必要があることを認識し、デモ表示用処理を実行する。
なお、MPU249において主制御装置81からコマンドを受信するとは、主制御装置81からコマンドを直接受信する構成に限定されることはなく、中継基板に中継されたコマンドを受信する構成も含まれる。
表示制御装置500は、統括CPU510、2D用表示CPU520、3D用表示CPU530、メモリモジュール540、ワークRAM550、VRAM560,570、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)580,590が搭載された表示制御基板501を備えている。
統括CPU510は、表示制御装置500においてメイン制御部としての機能を有しており、制御プログラム等の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。詳細には、統括CPU510は表示制御基板501に搭載された入力ポート505にバスを介して接続されており、音声発光制御装置82から送信された各種コマンドは入力ポート505を通じて統括CPU510に入力される。なお、統括CPU510において音声発光制御装置82からコマンドを受信するとは、音声発光制御装置82からコマンドを直接受信する構成に限定されることはなく、中継基板に中継されたコマンドを受信する構成も含まれる。
統括CPU510は、バスを介してワークRAM550、メモリモジュール540及び表示CPU520,530と接続されており、音声発光制御装置82から受信したコマンドに基づいて、メモリモジュール540に記憶された各種データをワークRAM550に転送させる転送指示を行う。また、統括CPU510は、バスを介して表示CPU520,530と接続されており、音声発光制御装置82から受信したコマンドに基づいて、それら表示CPU520,530に動作用のコマンドを出力する。
各表示CPU520,530についても、メモリモジュール540及びVRAM560,570に接続されており、統括CPU510から受信した動作用のコマンドに基づいてメモリモジュール540に記憶された各種データをVRAM560,570に転送させる転送指示を行う。また、表示CPU520,530は、バスを介してVDP580,590と接続されており、統括CPU510から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41及び特別表示装置130に画像信号を出力させる描画指示を行う。以下、メモリモジュール540、ワークRAM550、VRAM560,570及びVDP580,590について説明する。
メモリモジュール540は、制御プログラム及び固定値データを含む制御用データ(制御用情報)を予め記憶しているとともに、2D画像及び3D画像を表示するための各種画像データ(画像用情報)を予め記憶している記憶手段である。当該メモリモジュール540は、記憶保持に外部からの電力供給が不要な不揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてNAND型フラッシュメモリが用いられている。ちなみに、記憶容量は4Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置500における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、当該メモリモジュール540は、パチンコ機10の使用に際して、非書き込み用であって読み出し専用のメモリ(ROM)として用いられる。
メモリモジュール540に記憶されている各種画像データには、図柄表示装置41に表示される図柄やキャラクタなどの2D画像データや、特別表示装置130に表示される右目用画像と左目用画像とから成る3D画像データなどを含む各種画像データ(画像用情報)が含まれている。
ワークRAM550は、メモリモジュール540から読み出されて転送された制御用データを一時的に記憶しておくとともに、フラグ等を一時的に記憶しておくための記憶手段である。ワークRAM550は、記憶保持に外部からの電力供給が必要な揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてDRAMが用いられている。但し、DRAMに限定されることはなくSRAMといった他のRAMを用いてもよい。なお、記憶容量は1Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置500における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、ワークRAM550は、パチンコ機10の使用に際して、読み書き両用として用いられる。
ワークRAM550には、統括CPU510からメモリモジュール540へのデータ転送指示に基づき、当該メモリモジュール540から制御用データが転送される。この場合、当該制御用データは、その制御用データに対応した統括CPU510における処理の実行タイミングとなるまでに事前に転送される。そして、統括CPU510は、ワークRAM550に転送された制御用データを必要に応じて内部のメモリ領域(レジスタ群)に読み込み、各種処理を実行する。
第1VRAM560は、図柄表示装置41に対して画像出力を行うために必要な各種データを一時的に記憶しておくための記憶手段である。また、第2VRAM570は、特別表示装置130に対して画像出力を行うために必要な各種データを一時的に記憶しておくための記憶手段である。これらVRAM560,570は、記憶保持に外部からの電力供給が必要な揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてSDRAMが用いられている。但し、SDRAMに限定されることはなく、DRAM、SRAM又はデュアルポートRAMといった他のRAMを用いてもよい。なお、記憶容量は2Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置500における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、当該VRAM560,570は、パチンコ機10の使用に際して、読み書き両用として用いられる。
第1VRAM560は展開用バッファ561を備えており、展開用バッファ561には、2D用表示CPU520からメモリモジュール540へのデータ転送指示に基づき、当該メモリモジュール540から画像データが転送される。また、第2VRAM570は展開用バッファ571を備えており、展開用バッファ571には、3D用表示CPU530からメモリモジュール540へのデータ転送指示に基づき、当該メモリモジュール540から画像データが転送される。この場合、当該画像データは、その画像データを用いた対応するVDP580,590における処理の実行タイミングとなるまでに事前に転送される。また、第1VRAM560には、第1VDP580により描画データが作成されるフレームバッファ562が設けられている。また、第2VRAM570には、第2VDP590により描画データが作成されるフレームバッファ572が設けられている。なお、VRAM560,570がVDP580,590に内蔵されていてもよい。
第1VDP580は、2D用表示CPU520からの描画指示に基づき、展開用バッファ561に記憶保持されているデータを用いて、具体的には加工することにより、図柄表示装置41に対して描画を行う画像生成デバイスであり、図柄表示装置41において液晶表示部41aを駆動制御するように組み込まれた画像処理デバイス41bを操作する一種の描画回路である。また、第2VDP590は、3D用表示CPU530からの描画指示に基づき、展開用バッファ571に記憶保持されているデータを用いて、具体的には加工することにより、特別表示装置130に対して描画を行う画像生成デバイスであり、特別表示装置130において液晶表示部130aを駆動制御するように組み込まれた画像処理デバイス130cを操作する一種の描画回路である。これらVDP580,590はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。
詳細には、VDP580,590は、制御部581,591と、レジスタ582,592と、動画デコーダ583,593と、表示回路584,594と、をそれぞれ備えている。また、これら各回路はバスを介して相互に接続されているとともに、第1VDP580では2D用表示CPU520用のI/F585及び第1VRAM560用のI/F586が接続されており、第2VDP590では3D用表示CPU530用のI/F595及び第2VRAM570用のI/F596が接続されている。
これらVDP580,590では、各表示CPU520,530から送信された描画指示情報としての描画リストをレジスタ582,592に記憶させる。レジスタ582,592に描画リストが記憶されることにより、制御部581,591では描画リストに従ったプログラムが起動されて予め定められた処理が実行される。なお、制御部581,591が動作するための制御プログラムの全てが描画リストにより提供される構成としてもよく、制御プログラムを予め記憶したメモリを制御部581,591に内蔵させ、当該制御プログラムと描画リストの内容とによって制御部581,591が所定の処理を実行する構成としてもよい。また、メモリモジュール540から制御プログラムを事前に読み出す構成としてもよい。
上記処理として、制御部581では、第1VRAM560の展開用バッファ561に展開されている画像データを用いて(又は加工することにより)、フレームバッファ562に1フレーム分の描画データを作成する。なお、1フレーム分の描画データとは、予め定められた更新タイミングで図柄表示装置41の第1表示画面G1における画像が更新される構成において、一の更新タイミングにおける画像を表示させるのに必要なデータのことをいう。また、制御部591では、第2VRAM570の展開用バッファ571に展開されている画像データを用いて(又は加工することにより)、フレームバッファ572に1フレーム分の描画データを作成する。同じく、1フレーム分の描画データとは、予め定められた更新タイミングで特別表示装置130の第2表示画面G2における画像が更新される構成において、一の更新タイミングにおける画像を表示させるのに必要なデータのことをいう。
ここで、フレームバッファ562,572には、複数のフレーム領域562a,562b,572a,572bがそれぞれ設けられている。具体的には、2D用表示CPU520に1対1で対応して設けられた第1VRAM560のフレームバッファ562は第1フレーム領域562a及び第2フレーム領域562bを有し、3D用表示CPU530に1対1で対応して設けられた第2VRAM570は第1フレーム領域572a及び第2フレーム領域572bを有している。これら各フレーム領域562a,562b,572a,572bは、それぞれ1フレーム分の描画データを記憶可能な容量に設定されている。
具体的には、各フレーム領域562a,562b,572a,572bにはそれぞれ、液晶表示部41a(すなわち第1表示画面G1)又は液晶表示部130a(すなわち第2表示画面G2)のドット(画素)に所定の倍率で対応させた多数の単位エリア(単位設定領域)が含まれている。各単位エリアは、いずれの色を表示するかを特定するためのデータを格納可能な記憶容量を有している。より詳細には、フルカラー方式が採用されており、各ドットにおいてR(赤),G(緑),B(青)のそれぞれに256色の設定が可能となっている。これに対応させて、各単位エリアにおいては、RGB各色に1バイト(8ビット)が割り当てられている。つまり、各単位エリアは、少なくとも3バイトの記憶容量を有している。
なお、フルカラー方式に限定されることはなく、例えば各ドットにおいて256色のみ表示可能な構成においては、各単位エリアにおいて色情報を格納するために必要な記憶容量は1バイトでよい。
各フレームバッファ562,572には、第1フレーム領域562a,572a及び第2フレーム領域562b,572bが設けられていることにより、一方のフレーム領域に作成された描画データを用いて表示装置41,130への描画が実行されている状況において、他のフレーム領域に対して今後用いられる描画データの作成が実行される。つまり、各フレームバッファ562,572においては、ダブルバッファ方式が採用されている。
第1VDP580の表示回路584では、各フレーム領域562a,562bの何れか1つに作成された描画データに基づいて液晶表示部41aの各ドットに対応した画像信号が生成され、その画像信号が、表示回路584に接続された出力ポート506を介して図柄表示装置41に出力される。また第2VDP590の表示回路594では、各フレーム領域572a,572bの何れか1つに作成された描画データに基づいて液晶表示部130aの各ドットに対応した画像信号が生成され、その画像信号が、表示回路594に接続された出力ポート506を介して特別表示装置130に出力される。
<操作ボタンユニット100に関連する演出について>
ここで図柄表示装置41及び特別表示装置130により行われる操作ボタンユニット100に関連する演出について説明する。
本実施形態では、各遊技回の演出における各種リーチ演出の一部の特別演出として、操作ボタンユニット100における操作ボタン111の操作に関係するボタン演出と、キャラ演出とが設定されている。そしてボタン演出には、図柄表示装置41の第1表示画面G1のみで行う通常のボタン演出のほかに、特別表示装置130により3次元像のボタンを表示させる特殊ボタン演出が設定されている。またキャラ演出では、第1表示画面G1及び第2表示画面G2により演出が行われる。
通常のボタン演出、すなわち図柄表示装置41の第1表示画面G1のみで行うボタン演出では、まず図柄表示装置41の第1表示画面G1にて操作ボタン111の押圧操作を促す内容の操作開始演出として、図15(a)に示すように、例えば「Ready」という文字表示が行われる。そして、遊技者が操作ボタン111の上方に手などの操作体Hをかざし、その操作体Hがセンサ121のうちの準備確認センサ(図5では♯3)より検知された場合には、第1表示画面G1の表示が変化し操作ボタン111の操作準備ができ、操作準備状態となったことを示す先特定演出として、図15(b)に示すように、例えば「Go!!」という文字表示とともにリーチ表示中の中図柄列Z2に点火された爆弾のキャラクタが出現する。
上記の先特定演出は、予め定められた所定の期間内においてセンサ121が操作体Hを検知して、且つ操作ボタン111が操作されない限り継続して行われる。一方、先特定演出を行ってから上記所定の期間の経過前に、例えば遊技者が手を引っ込めた場合などセンサ121が操作体Hを検知できなくなった場合や、準備確認センサよりも上方に操作体Hが移動した場合には、操作の準備が整わない状態に変化した内容を表示する不実行演出として、図15(c)に示すように、例えば「スカッ」という文字表示が行われるとともに上記の爆弾のキャラクタが消える。この場合、上記の所定の期間が経過していないことを条件に、操作開始演出に戻る。
さらに遊技者が操作ボタン111を押圧操作した場合には、その押圧操作に至るまでの速度によって異なる表示態様の操作演出が行われる。具体的には、操作体Hの移動速度が基準速度よりも遅い場合には、図15(d)に示すように、リーチ表示中の中図柄列Z2の図柄が爆発する第1操作演出が行われ、操作体Hの移動速度が基準速度以上の場合には、図15(e)に示すように、上記第1操作演出の場合の爆発よりも大きな爆発となる第2操作演出が行われる。また、操作開始演出を行ってから所定の期間が経過したにも関わらず、操作ボタン111が押圧操作されなかった場合には、図15(f)に示すように、中図柄列Z2の爆発が不発に終わる操作無し演出が行われる。
またボタン演出には、操作ボタン111の操作を複数回要求する連発演出が含まれている。この連発演出が選択されている場合には、いずれかの操作演出が行われた後も上記所定の期間に亘って、例えば「まだまだ!」という文字表示が出現する。そして、操作ボタン111を少なくとも1回操作したにも関わらず上記所定の期間の経過前に、例えば遊技者が手を引っ込めた場合には、連発要求演出として「あきらめるな!」といった文字表示が行われる。
このボタン演出が特殊ボタン演出の場合には、特別表示装置130により、例えば図16(a)に示すように、操作ボタン111が初期位置から上方に移動したかのような仮想操作ボタン像Xが表示される。一方、図柄表示装置41側では、上記ボタン演出が行われる。
すなわち、ボタンの操作を促す操作開始演出が行われ、センサ装置120によって仮想操作ボタン像Xの上方に操作体Hが検知された場合には、仮想操作ボタン像Xの操作の準備ができ、操作準備状態となったとして先特定演出が行われる。この場合、既に説明したとおり、操作実施状態の判定に用いられる基準センサが下から1行目のセンサ(図6における♯1)から4行目のセンサ(図6における♯4)に変更され、操作準備状態の判定に用いられる準備確認センサが基準センサの2行上の行の6行目のセンサ(図6における♯6)に変更されている。そして、基準センサがOFF状態であって、且つ準備確認センサがON状態となることで先特定演出が行われる。
そして所定の期間の経過前に準備確認センサが操作体Hを検知できなくなった場合には、不実行演出が行われる。また、先特定演出が行われている状況で遊技者が仮想操作ボタン像Xにあわせて手を操作方向に移動した場合には、それ以前の操作体Hの移動速度によって第1操作又は第2操作演出が行われ、操作しなかった場合には操作無し演出が行われる。さらに、遊技者が仮想操作ボタン像Xに合わせて手を操作方向に移動した場合には、特別表示装置130側では、図16(b)に示すように、操作体Hの動作にあわせて仮想操作ボタン像Xを移動させる。
また特殊ボタン演出において連発演出が選択されている場合には、仮想操作ボタン像Xを少なくとも1回操作したにも関わらず上記所定の期間の経過前に、例えば遊技者が手を引っ込めた場合には、連発要求演出が行われる。
このように、特殊ボタン演出においては、図柄表示装置41側の表示と特別表示装置130側の3次元表示とをリンクさせるとともに、ボタン演出と同様に操作体Hの動作の有無と動作速度によって異なる表示となるように設定することで、遊技者にあたかも仮想操作ボタン像Xを操作しているかのように思わせることが可能となる。
なお、以下の説明で単にボタン演出という場合には、図柄表示装置41による演出のみが行われる場合をいい、特殊ボタン演出という場合には、特別表示装置130による演出も行われる場合をいう。
キャラ演出の場合には、図16(c)に示すように、操作ボタン111の上方に女の子のキャラクタが出現したかのようなキャラの3次元像が表示される。
特別表示装置130側にてキャラ演出が行われる場合、図柄表示装置41側では、リーチ演出として女の子のキャラクタが登場するスーパーリーチ(図16(d)参照)が行われる。この場合、図柄表示装置41側のキャラ演出用の操作開始演出として、例えば「やさしく撫でてね」という文字表示が行われた後、操作ボタン111の上方に映し出された女の子のキャラクタの3次元像を遊技者らが撫でるように手を動かすと、当該女の子のキャラクタの3次元表示とともに図柄表示装置41側の女の子のキャラクタが変化する。
具体的には、図16(e)に示すように、遊技者が女の子のキャラクタの3次元像を左右に撫でる様に手を動かすと、図16(f)に示すように、女の子のキャラクタの3次元表示は笑顔になって喜んでいるように変化し、図柄表示装置41側では、図16(g)に示すように、女の子のキャラクタもウインク等をして喜びを表現する画像に変化する。一方、図16(h)に示すように、遊技者が女の子のキャラクタを上下に引っかくように手を動かすと、図16(i)に示すように、女の子のキャラクタの3次元像はうなだれて悲しむように変化し、図柄表示装置41側では、図16(j)に示すように、女の子のキャラクタは涙を流して悲しむ画像に変化する。
このようにキャラ演出では、図柄表示装置41側の表示と特別表示装置130側の3次元表示とをリンクさせるとともに、操作体Hの動作方向によって異なる演出を行うことで、遊技者が3次元像を触れているかのように楽しむ遊技性を実現している。
ちなみに、ボタン演出、特殊ボタン演出及びキャラ演出は、それぞれ遊技回の遊技結果が大当たり結果である期待度が高ければ高いほど発生し易く設定されている。一方でこれらの各演出のいずれにおいても操作体Hの動作方向や動作速度、さらに操作体Hがセンサ装置120により検知されるか否かによっては、当該演出が行われている遊技回の遊技結果は変化しない。すなわち、これらの各演出はあくまで遊技回の演出の一部として設定されており遊技結果に影響を及ぼすものではないものの、そもそもこれらの各演出が発生することで遊技者は大当たり結果であることを期待するため注目度が高まる演出となっている。但し、これらの演出が遊技結果に影響を及ぼすように設定してもよい。
また、操作体のHの動作方向や動作速度等に加えて遊技結果をその後の演出の変化の一条件に加えてもよい。例えば、特殊ボタン演出において遊技結果が大当たり結果である場合には、操作体Hの動作速度が基準速度未満であっても派手な演出となる第2操作演出が行われる構成としてもよい。
<変動表示制御処理>
次に、音声発光制御装置82にて実行される変動表示制御処理について図17のフローチャートを参照して説明する。本処理はMPU249により定期的に(例えば2msec周期で)起動される処理である。ここで、音声発光制御装置82のMPU249ではコマンドの受信を主制御装置81から行うが、この受信したコマンドはRAM251のコマンド格納エリア252に一旦格納される。当該コマンド格納エリア252は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。
変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信している場合に、図柄表示装置41において1遊技回分の図柄の変動表示を開始させるとともに、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信している場合に、図柄の変動表示を最終停止表示させる処理を実行する。
具体的には先ずステップS401では、図柄の変動表示中であるか否かを判定する。すなわち、図柄の変動表示中である場合、各種フラグ格納エリア254に設けられた変動フラグ格納エリアに変動フラグが格納されている。この変動フラグは、主制御装置81から変動用コマンドを受信した場合に格納されるとともに、変動終了コマンドを受信した場合に消去される。ステップS401では、変動フラグが格納されているか否かを判定し、変動フラグが格納されている場合、変動表示中であると判定する。図柄の変動表示中でない場合、ステップS402に進む。ステップS402では、主制御装置81から変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドを受信していない場合、本変動表示制御処理を終了する。
ステップS402にて変動用コマンドを受信している場合、ステップS403に進み、変動開始用処理を実行してから本変動表示制御処理を終了する。
ステップS401にて図柄の変動表示中である場合、ステップS404に進む。ステップS404では、変動終了コマンドを受信しているか否かを判定し、変動終了コマンドを受信していない場合にはステップS405にて変動中用処理を実行して本変動表示制御処理を終了する。一方、変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS406にて変動終了用処理を実行して本変動表示制御処理を終了する。変動終了用処理では、表示発光部63及びスピーカ部65を制御するとともに、変動表示用の各種フラグを消去してから、受信した変動終了コマンドをそのまま表示制御装置500へ送信する。表示制御装置500では、受信した変動終了コマンドに基づいて、図柄の変動表示を終了し、主制御装置81の抽選結果に対応した最終停止図柄を停止するよう図柄表示装置41を制御する。
<変動開始用処理>
次に、変動開始用処理について図18のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS501では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置81は変動用コマンドを送信する場合には種別コマンドも送信する。ステップS501では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS501では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をレジスタに記憶する。
続くステップS502では、ステップS501にて把握した情報から今回の遊技回にて大当たり当選となるか否かを判定する。大当たり当選となる場合、ステップS503に進む。
ステップS503では、ボタン演出抽選処理を行う。かかる処理は、今回の遊技回にてボタン演出を実行するか否かを決定するための処理である。具体的には、音声発光制御装置82のRAM251に設けられた各種カウンタエリア253からボタン演出抽選用の値を取得する。そして、その取得した値がボタン演出抽選の当選に対応したものか否かを判定する。本実施形態では、ステップS503の抽選に当選する確率が50%となっている。
続くステップS504では、ボタン演出抽選に当選していたか否かを判定する。ボタン演出抽選に当選している場合、ステップS505に進む。ステップS505では、RAM251の各種フラグ格納エリア254に設けられたボタンフラグ格納エリアにボタンフラグを格納する。これによりMPU249は今回の遊技回でボタン演出を実行することを認識することが可能となる。
ステップS506では、特殊ボタン演出抽選処理を行う。かかる処理は、今回の遊技回にて特殊ボタン演出を実行するか否かを決定するための処理である。具体的には、各種カウンタエリア253から特殊ボタン演出抽選用の値を取得する。そして、その取得した値が特殊ボタン演出抽選の当選に対応したものか否かを判定する。本実施形態では、ステップS506の特殊ボタン演出抽選に当選する確率が10%となっている。すなわち、大当たりに対応する遊技回では、50%の確率でボタン演出が実行され、そのボタン演出を実行する遊技回のうち10回に1回が特殊ボタン演出となる。
続くステップS507では、特殊ボタン演出抽選に当選していたか否かを判定する。特殊ボタン演出抽選に当選している場合、ステップS508に進む。ステップS508では、特殊ボタン演出制限処理を実行する。特殊ボタン演出制限処理は、予め定められた期間内における特殊ボタン演出の実行頻度を調整する処理である。音声発光制御装置82は、現時点から少なくとも所定期間(例えば1hour)前までの特定期間において特殊ボタン演出を行ったこと及びその時刻を記憶可能な記憶手段を備えており、ステップS508では、当該特定期間において特殊ボタン演出を予め定められた回数(本実施形態では10回)実行している場合には、特殊ボタン演出を実行しないように設定する。
上記の記憶手段についてより具体的には、RAM251には上記予め定められた回数分の個別の記憶エリアが設けられており、特殊ボタン演出を行った場合には記憶エリアへ実行済みのフラグがセットされる。そして、実行済みのフラグがセットされている記憶エリアについてはそれぞれ特定期間の経過がカウントされ、特定期間が経過した場合には実行済みフラグが消去される。ステップS508では、実行済みのフラグがセットされていない記憶エリアの有無を確認することで、特定期間における特殊ボタン演出の実行回数が上限に至っているか否かを判定することができる。このようにすることで、特殊ボタン演出が頻出することによる遊技者の飽きを低減するとともに、3次元像を連続して見ることによる遊技者の目の疲れを低減することが可能となっている。上記記憶手段は、後述する外れ時に行われる特殊ボタン演出についても同様に記憶する。
なお上記特定期間は、現時点(ステップS506の特殊ボタン演出抽選の当選タイミング)を基準として、それ以前の所定遊技回数で規定されていてもよいし、遊技実施期間(発射操作装置28が操作されている期間)で規定されていてもよい。また例えば、画像センサなどで当該パチンコ機10を遊技する遊技者が変わったことを特定した場合には、記憶エリアの実行済みフラグを消去するなどして、再度特定期間における実行回数の計測を開始する構成としてもよい。
ステップS509では、ステップS508の処理に基づいて特殊ボタン演出を制限するか否かを判定し、特殊ボタン演出を制限しない場合にはステップS510に進む。
ステップS510では、基準センサ及び準備確認センサの変更を行う。既に説明したとおり基準センサとは、操作実施状態であることを判定するための基準となるセンサのことであり、通常は下から1行目のセンサが基準センサ(図5における♯1)となっている。また、準備確認センサは操作準備状態であることを判定するための基準となるセンサのことであり、通常は上記の基準センサより上方の3行目のセンサ(図5における♯3)となっている。そして、特殊ボタン演出では、操作ボタン111の上方に仮想操作ボタン像Xを映し出すため、当該仮想操作ボタン像Xにおける操作面、すなわち仮想操作面Yに対応する下から4行目のセンサを基準センサに変更する(図6における♯4)。また、4行目のセンサの上方の6行目のセンサを準備確認センサに変更する(図6における♯6)。これにより特殊ボタン演出において操作準備状態であるか操作実施状態であるかを判定することができ、仮想操作面Yにあわせて操作体Hの位置を把握することができる。
続くステップS511では、RAM251の各種フラグ格納エリア254に設けられた特殊ボタンフラグ格納エリアに特殊ボタンフラグを格納する。これによりMPU249は今回の遊技回で特殊ボタン演出を行うことを認識することが可能となる。
ステップS507にて特殊ボタン演出抽選に当選しなかった場合、ステップS509にて特殊ボタン演出を制限すると判断した場合、又はステップS511の処理を実行した後は、ステップS512に進む。ステップS512では、大当たりに対応した停止図柄設定処理を実行する。本停止図柄設定処理では、今回の遊技回が終了する場合の停止図柄を決定する。例えば、今回の大当たり種別が確変大当たり結果である場合には同一の特定図柄の組合せが最終的に停止表示されるように、今回の大当たり種別が通常大当たり結果である場合には同一の非特定図柄の組合せが最終的に停止表示されるように、停止図柄を決定する。具体的には、音声発光制御装置82のROM250に、停止図柄テーブル記憶エリアが設定されている。そして、ステップS512では、停止図柄テーブル記憶エリアに記憶されている大当たりに対応した停止図柄テーブルを参照して、大当たりに対応した停止図柄を決定する。
続くステップS513では、ボタン演出に対応した変動表示態様設定処理を実行する。かかる処理では、今回の遊技回が開始されてから終了されるまでに図柄表示装置41側の第1表示画面G1の演出としてボタン演出が実行されるように図柄の変動表示態様を決定する。具体的には、音声発光制御装置82のROM250には変動態様テーブル記憶エリアが設定されており、この変動態様テーブル記憶エリアに記憶されているボタン演出に対応した変動態様テーブルを参照して変動態様を決定する。またボタン演出に対応した変動態様テーブルには連発演出が含まれている。
すなわち、ボタン演出を行う場合は特殊ボタン演出を行うか否かによらず、図柄表示装置41側の第1表示画面G1にて行われる演出は同様の演出となる。これにより、表示制御装置500が制御する表示画面を複数備える構成において、処理負荷の低減を図ることが可能となっている。
続くステップS514では、ボタン用変動コマンドを表示制御装置500へ出力する。ボタン用変動コマンドには、停止図柄の情報と、変動表示態様の情報と、に加えて特殊ボタン演出を実行するか否かの情報が含まれている。表示制御装置500は、ボタン用変動コマンドを受信することに基づいて、図柄表示装置41の第1表示画面G1にてボタン演出に対応する変動表示が行われるように制御するとともに、特殊ボタン演出を行う場合には特別表示装置130の第2表示画面G2にて仮想操作ボタン像Xを表示させるように制御する。表示制御装置500の処理については後に詳細に説明する。ステップS514の処理を実行した後は、変動開始用処理を終了する。
ステップS504にてボタン演出抽選に当選していないと判定した場合は、ステップS515に進む。ステップS515ではキャラ演出抽選処理を行う。キャラ演出抽選処理は、今回の遊技回にてキャラ演出を実行するか否かを決定するための処理である。具体的には、各種カウンタエリア253からキャラ演出抽選用の値を取得し、その取得した値がキャラ演出抽選の当選に対応したものか否かを判定する。本実施形態では、ステップS515のキャラ演出抽選に当選する確率が10%となっている。すなわち、大当たりに対応する遊技回では、50%の確率でボタン演出が実行され、10%の確率でキャラ演出が実行される。
続くステップS516では、キャラ演出抽選に当選したか否かを判定する。キャラ演出抽選に当選している場合、ステップS517に進む。ステップS517では、キャラ演出制限処理を実行する。キャラ演出制限処理は、ステップS508の特殊ボタン演出制限処理と同様に、特定期間内におけるキャラ演出の実行頻度を調整する処理である。すなわち、音声発光制御装置82は、特殊ボタン演出用の上記の記憶手段とは別途、キャラ演出用の記憶手段を備えており、ステップS517ではこのキャラ演出用の記憶手段の情報を基に、特定期間においてキャラ演出を予め定められた回数(本実施形態では10回)実行している場合には、キャラ演出の実行を行わないように設定する。キャラ演出用の記憶手段の構成は特殊ボタン演出用の記憶手段の構成と同様であるため、説明を省略する。また、上記キャラ演出用の記憶手段は、後述する外れ時に行われるキャラ演出も含めて記憶する。
なお本実施形態では、特殊ボタン演出制限処理とキャラ演出制限処理とでは、各演出の実行回数を別々にカウントしてそれぞれ実行を制限する構成としているが、これらの3次元像を用いた演出の総実行回数を用いて制限する構成としてもよい。この構成とすることで、遊技者の目の疲れを低減する効果を高めることが可能となる。但し、各演出が頻出することによる遊技者の飽きを低減するという観点からすると、本実施形態のように別々に制限する構成のほうが好ましい。
続くステップS518では、ステップS517の処理に基づいてキャラ演出を制限するか否かを判定し、キャラ演出を制限しない場合にはステップS519に進む。ステップS519では、各種フラグ格納エリア254に設けられたキャラフラグ格納エリアにキャラフラグを格納する。これによりMPU249は今回の遊技回でキャラ演出を行うことを認識することが可能となる。
続くステップS520では、大当たりに対応した停止図柄設定処理を実行する。かかる処理はステップS512の処理と同様であるため説明を省略する。
ステップS521では、キャラ演出に対応した変動表示態様設定処理を実行する。かかる処理では、今回の遊技回が開始されてから終了されるまでに図柄表示装置41側の第1表示画面G1の演出としてリーチ表示中に女の子のキャラクタが登場する演出が実行されるように図柄の変動態様を決定する。具体的には、変動態様テーブル記憶エリアに記憶されているキャラ演出に対応した変動態様テーブルを参照して変動態様を決定する。
続くステップS522では、キャラ用変動コマンドを表示制御装置500へ出力する。キャラ用変動コマンドには、停止図柄の情報と、変動表示態様の情報と、が含まれている。表示制御装置500は、キャラ用変動コマンドを受信することに基づいて、図柄表示装置41の第1表示画面G1にて女の子のキャラクタが登場する演出に対応する変動表示が行われるように制御するとともに、特別表示装置130の第2表示画面G2にて女の子のキャラクタの3次元画像を表示するように制御する。表示制御装置500の処理については後に詳細に説明する。ステップS521の処理を実行した後は、変動開始用処理を終了する。
ステップS516にてキャラ演出抽選に当選しなかった場合、又はステップS518にてキャラ演出を制限すると判定した場合には、ステップS523へ進む。ステップS523では、ステップS512及びステップS520と同様に大当たりに対応した停止図柄設定処理を実行する。
続くステップS524では、通常演出に対応した変動表示態様設定処理を実行する。かかる処理では、今回の遊技回が開始されてから終了されるまでに図柄表示装置41側の第1表示画面G1の演出として、通常のリーチ演出が実行されるように図柄の変動態様を決定する。具体的には、変動態様テーブル記憶エリアから通常演出に対応した変動態様テーブルを参照して変動態様を決定する。通常演出に対応した変動態様テーブルには、リーチ表示の最中に女の子のキャラクタが登場する変動態様も設定されている。したがって、第1表示画面G1にて女の子のキャラクタが登場する場合であっても、第2表示画面G2にて女の子のキャラクタの3次元像が登場する場合もあれば、登場しない場合もある。
ステップS525では、通常用変動コマンドを表示制御装置500へ出力する。通常用変動コマンドには、停止図柄の情報と、変動態様の情報と、が含まれている。表示制御装置500は、通常用変動コマンドを受信することに基づいて、図柄表示装置41の第1表示画面G1にて通常演出に対応する変動表示が行われるように制御する。表示制御装置500の処理については後に詳細に説明する。ステップS525の処理を実行した後は、変動開始用処理を終了する。
ステップS502にて大当たり当選ではない場合には、ステップS526にて外れに対応した変動態様設定処理を実行してから、変動開始用処理を終了する。
ここで、外れに対応した変動態様設定処理について図19のフローチャートを参照して説明する。
外れに対応した変動態様設定処理は、上記変動開始用処理におけるステップS502〜ステップS525の処理と略同様の処理である。
すなわちステップS601では、変動開始用処理のステップS501にて把握した情報から今回の遊技回における変動表示がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。ステップS601にてリーチ発生に対応した変動表示である場合、ステップS602に進む。
ステップS602では、外れ用のボタン演出抽選処理を行う。かかる処理はステップS503と同様に、各種カウンタエリア253からボタン演出用抽選用の値を取得して、その値が外れ用のボタン演出抽選の当選に対応したものか否かを判定する。本実施形態では、ステップS602の外れ用のボタン演出抽選に当選する確率が10%となっており、ステップS503の大当たり時のボタン演出抽選に当選する確率よりも低くなっている。
続くステップS603では、上記ステップS602の処理結果に基づいてボタン演出抽選に当選したか否かを判定し、ボタン演出抽選に当選した場合には、続くステップS604にて、各種フラグ格納エリア254にボタンフラグを格納する。
続くステップS605では、外れ用の特殊ボタン演出抽選処理を行う。かかる処理はステップS506と同様に、各種カウンタエリア253から特殊ボタン演出抽選用の値を取得して、その値が外れ用の特殊ボタン演出抽選の当選に対応したものか否かを判定する。本実施形態では、ステップS605の外れ用の特殊ボタン演出抽選に当選する確率が5%となっており、ステップS507の大当たり時の特殊ボタン演出抽選に当選する確率よりも低くなっている。
続くステップS606では、ステップS605の処理結果に基づいて特殊ボタン演出抽選に当選したか否かを判定し、特殊ボタン演出抽選に当選した場合には、ステップS607に進む。ステップS607では、上記ステップS508と同様に特殊ボタン演出制限処理を実行し、ステップS608にて特殊ボタン演出を制限するか否かを判定する。特殊ボタン演出を制限しない場合には、ステップS609に進み、ステップS510と同様に基準センサ及び準備確認センサを変更して、ステップS610にて特殊ボタンフラグを格納する。
ステップS606にて特殊ボタン演出抽選に当選していない場合、ステップS608にて特殊ボタン演出を制限する場合、又はステップS610の処理を実行した後は、ステップS611に進む。ステップS611では、外れリーチに対応した停止図柄設定処理を実行する。本停止図柄設定処理では、リーチ図柄の組み合わせが形成されるように、かつ、最終停止図柄にて同一の図柄の組合せが停止されることがないように停止図柄を決定する。具体的には、ROM250の停止図柄テーブル記憶エリアに記憶された外れリーチに対応した停止図柄テーブルを参照して停止図柄を決定する。
続くステップS612では、ボタン演出に対応した変動表示態様設定処理を実行する。具体的には、変動態様テーブル記憶エリアからボタン演出に対応した変動態様テーブルを参照して変動態様を決定する。かかる処理はステップS513と同様である。
ステップS612の処理を行った後は、ステップS613にて、ボタン用変動コマンドを表示制御装置500へ出力して、外れに対応した変動態様設定処理を終了する。
ステップS603にてボタン演出抽選に当選していないと判定した場合は、ステップS614に進む。ステップS614では、外れ用のキャラ演出抽選処理を行う。かかる処理はステップS515と同様に、各種カウンタエリア253からキャラ演出抽選用の値を取得して、その値が外れ用のキャラ演出抽選の当選に対応したものか否かを判定する。本実施の形態では、ステップS615の外れ用のキャラ演出抽選に当選する確率が5%となっており、ステップS515の大当たり時のキャラ演出抽選に当選する確率より低くなっている。すなわち、本パチンコ機10では外れリーチの発生時に10%の確率でボタン演出が発生し、5%の確率でキャラ演出が発生する。また、外れリーチの発生時のボタン演出における5%が特殊ボタン演出となる。
続くステップS615では、ステップS614の処理結果に基づいてキャラ演出抽選に当選したか否かを判定し、キャラ演出抽選に当選した場合には、ステップS616に進む。ステップS616では、上記ステップS517と同様にキャラ演出制限処理を実行し、ステップS617にてキャラ演出を制限するか否かを判定する。キャラ演出を制限しない場合には、続くステップS618にて各種フラグ格納エリア254にキャラフラグを格納する。そして、ステップS619にて、ステップS611と同様に外れリーチに対応した停止図柄設定処理を実行し、ステップS620にて、キャラ演出に対応した変動表示態様設定処理を実行する。具体的には、変動態様テーブル記憶エリアからキャラ演出に対応した変動態様テーブルを参照して変動態様を決定する。かかる処理はステップS522と同様である。そして、ステップS621にてキャラ用変動コマンドを表示制御装置500へ出力して、外れに対応した変動態様設定処理を終了する。
ステップS615にてキャラ演出抽選に当選していないと判定した場合、又はステップS617にてキャラ演出を制限すると判定した場合には、ステップS622にて、ステップS611及びステップS619と同様に外れリーチに対応した停止図柄設定処理を実行し、ステップS623にて通常演出に対応した変動表示態様設定処理を実行する。かかる処理はステップS524と同様である。そしてステップS624にて、通常用変動コマンドを表示制御装置500へ出力して、外れに対応した変動態様設定処理を終了する。
ステップS601にてリーチ非発生と判定した場合には、ステップS625にて、完全外れに対応した停止図柄設定処理を実行する。本停止図柄設定処理では、リーチ図柄の組み合わせが形成されないように、かつ、最終停止図柄にて同一の図柄の組合せが停止されることがないように停止図柄を決定する。具体的には、ROM250の停止図柄テーブル記憶エリアに記憶された完全外れに対応した停止図柄テーブルを参照して停止図柄を決定する。
続くステップS626では、完全外れに対応した変動表示態様設定処理を実行する。具体的には、変動態様テーブル記憶エリアから完全はずれに対応した変動態様テーブルを参照して変動態様を決定する。ステップS626の処理を行った後は、ステップS627にて完全外れ用変動コマンドを表示制御装置500へ出力してから、外れに対応した変動態様設定処理を終了する。
<変動中用処理>
次に、変動表示制御処理(図17)におけるステップS405にて実行される変動中用処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップS701では、ボタン演出、特殊ボタン演出及びキャラ演出のいずれかの特別演出を実行する遊技回であるか否かを判定する。具体的には、各種フラグ格納エリア254にボタンフラグ、特殊ボタンフラグ及びキャラフラグのいずれかが格納されているか否かを確認する。いずれのフラグも格納されていない場合には、そのまま変動中用処理を終了し、いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS702に進む。
ステップS702では、RAM251の各種フラグ格納エリア254に操作開始フラグが格納されているか否かを判定する。操作開始フラグは、ボタン演出、特殊ボタン演出又はキャラ演出が実行される遊技回において、操作開始演出が開始される場合に格納されるフラグである。
操作開始フラグが格納されていない場合には、ステップS703に進み、操作開始演出の開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、今回の遊技回の変動表示時間と、変動開始用処理にて決定した変動表示態様との組合せに対応付けて操作開始演出の開始タイミングが予め設定されている。ステップS703では、その予め設定された操作開始演出の開始タイミングであるか否かを判定する。なお、音声発光制御装置82のRAM251には、遊技回が開始されてから経過した期間を測定するための経過カウンタエリアが設けられている。経過カウンタエリアの値は所定周期にて更新されるようになっており、経過カウンタエリアの値から遊技回が開始されてから経過した期間を把握できるようになっている。この経過カウンタエリアの値から操作開始演出の開始タイミングであるか否かを判定する。操作開始演出の開始タイミングでない場合、本変動中用処理を終了する。
ステップS703にて、操作開始演出の開始タイミングであると判定した場合、ステップS704に進む。ステップS704では、操作開始フラグ格納エリアに操作開始フラグを格納する。そしてセンサ装置120の各センサ121における発光部123からの赤外線の出力を開始する。これにより、センサ装置120は操作体Hを検知することが可能となる。
続くステップS705では、操作演出開始コマンドを表示制御装置500に出力する。当該操作演出開始コマンドを受信した表示制御装置500は操作開始演出が行われるように図柄表示装置41を制御する。表示制御装置500側の処理については後に詳細に説明する。ステップS705の処理を実行した後は、変動中用処理を終了する。
ステップS702にて操作開始フラグが格納されている場合、ステップS706に進む。ステップS706では、特別演出の終了タイミングであるか否かを判定する。特別演出の終了タイミングは、操作開始演出の開始タイミングと同様に予め設定されているものであり、経過カウンタエリアの値から操作演出の終了タイミングであるか否かを判定する。
ステップS706にて特別演出の終了タイミングではない場合、ステップS707に進む。ステップS707では、今回の遊技回における特別演出がボタン演出又は特殊ボタン演出であるか否かを判定する。具体的には、各種フラグ格納エリア254にボタンフラグが格納されているか否かを判定する。ボタンフラグが格納されている場合には、ステップS708にてボタン用操作対応処理を実行してから、変動中用処理を終了する。一方、ボタンフラグが格納されていない場合には、ステップS709にてキャラ用操作対応処理を実行してから、変動中用処理を終了する。これら各特別演出に対応する操作対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS706にて特別演出の終了タイミングである場合は、ステップS710にて操作開始フラグを消去する。またステップS710では、センサ装置120の各センサ121における発光部123からの赤外線の出力を停止する。これにより、センサ装置120は操作体Hを検知することができなくなる。
すなわちステップS704にて各センサ121における発光部123からの赤外線の出力を開始してから、ステップS710にて当該出力を停止するまでの期間が、センサ装置120が検知対象を検知可能な期間といえる。
続くステップS711では、操作演出終了コマンドを表示制御装置500に出力して、その後変動中用処理を終了する。操作演出終了コマンドには、特別演出の終了タイミングであることに対応した情報が含まれている。表示制御装置500は、操作演出終了コマンドを受信することにより、特別演出を終了するよう図柄表示装置41を制御する。表示制御装置500の処理については後に詳細に説明する。
<ボタン用操作対応処理>
上記のステップS708にて実行されるボタン演出及び特殊ボタン演出に対応するボタン用操作対応処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS801では、操作準備状態であるか否かを確認する準備状態の確認処理を実行し、続くステップS802では、操作実施状態であるか否かを確認する実施状態の確認処理を実行する。そしてステップS803にて操作実施状態であるか否かを判定し、操作実施状態ではない場合には、ステップS804にて操作演出などの演出の設定を行うための演出用処理を実行する。操作実施状態である場合には、ステップS805にて操作実施の確認処理を実行する。ステップS804又はステップS805の処理を実行した後は、ボタン用操作対応処理を終了する。
以下、それぞれ準備状態の確認処理(ステップS801)、実施状態の確認処理(ステップS802)、演出用処理(ステップS804)及び操作実施の確認処理(ステップS805)について説明する。
<準備状態の確認処理>
準備状態の確認処理では、図22のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて、既に操作準備状態として把握済みか否かを判定する。具体的には、RAM251の各種フラグ格納エリア254には検知フラグ格納エリアが設けられており、当該エリアに検知フラグが格納されているか否かを判定する。検知フラグは、操作準備状態であることを把握した場合に格納されるフラグである。
検知フラグが格納されていない場合は、ステップS902に進み、準備確認センサにて操作体Hを検知しているか否かを判定する。既に説明したとおり、準備確認センサは通常は下から3行目のセンサ(図5における♯3)であり、特殊ボタン演出が行われる場合には下から6行目のセンサ(図6における♯6)となっている。そしてこれらの変更はステップS510又はステップS609にて行われている。ステップS902にて操作体Hを検知していない場合には、そのまま準備状態の確認処理を終了する。操作体Hを検知している場合には、続くステップS903にて、検知フラグを検知フラグ格納エリアに格納する。これにより、以後の処理にてステップS901では肯定判定することになる。
ステップS903の処理を行った後は、ステップS904にて先特定コマンドを表示制御装置500へ出力して、準備状態の確認処理を終了する。先特定コマンドは、操作体Hを準備確認センサ(♯3又は♯6)にて検知したことを表示制御装置500へ認識させるためのコマンドである。先特定コマンドを受信した表示制御装置500は、先特定演出が行われるように図柄表示装置41を制御する。表示制御装置500の処理については後に詳細に説明する。
ステップS901にて検知フラグが格納されている場合、ステップS905に進む。ステップS905では、さらに準備確認センサ(♯3又は♯6)にて操作体Hを検知しているか否かを判定する。ステップS905にて否定判定する場合とは、前の処理回では操作準備状態であったのに今回の処理回では操作準備状態ではなくなったことを意味する。この場合、ステップS906にて操作実施状態であるか否かを判定する。具体的には、RAM251の各種フラグ格納エリア254には到達フラグ格納エリアが設けられており、当該エリアに到達フラグが格納されているか否かを判定する。到達フラグは、操作体Hが基準センサ(図5における♯1又は図6における♯4)によって検知された場合、すなわち操作実施状態となった場合に格納されるフラグである。
これら検知フラグ及び到達フラグと操作準備状態及び操作実施状態との関係について補足説明すると、検知フラグが格納され、且つ到達フラグが格納されていない状態が操作準備状態であり、到達フラグが格納されている状態が操作実施状態である。すなわち操作準備状態は、検知フラグが格納されてから到達フラグが格納されるまでの状態であり、操作実施状態とは、到達フラグが格納されてから操作ボタン111や仮想操作ボタン像Xの操作に対応する操作体Hの動作が行われ、その後、到達フラグが消去されるまでの状態である。
ここで、検知フラグが格納されていない場合であっても、操作体Hがセンサ装置120の検知範囲に存在している場合もある。すなわち各センサ121のいずれかがON状態となっているものの、準備確認センサがON状態となっていない状況があり、これは、操作準備状態に至る前の状態である。つまり、操作体Hが検知範囲に含まれると、この操作準備状態に至る前の状態となり、操作体Hがスタンバイ位置に移動すると操作準備状態となり、操作体Hが操作面112又は仮想操作面Yに対応する位置に移動すると操作実施状態となる。このように本実施形態では、操作体Hの位置に応じて各状態を段階的に把握して、それぞれの状態に対応する演出を行うことで、一連の演出の一体感を高めている。
ステップS906にて操作実施状態である場合には、操作準備状態から操作実施状態に移行したこと、すなわち操作体Hがスタンバイ位置から操作ボタン111の押圧方向(下方)に移動したことを意味し、この場合、そのまま準備状態の確認処理を終了する。操作実施状態ではない場合には、操作準備状態からその前の状態、又は操作体Hが検知範囲に含まれないそれよりも前の状態に移行したこと、すなわち操作体Hがスタンバイ位置から押圧方向と逆方向(上方)、又は検知範囲の外へ移動したことを意味し、この場合、ステップS907に進む。
ステップS907では検知フラグを消去して、続くステップS908にてRAM251の各種フラグ格納エリア254に設けられた操作フラグ格納エリアに操作フラグが格納されているか否かを判定する。操作フラグとは、操作ボタン111又は仮想操作ボタン像Xの操作に対応する動作が少なくとも1回行われた場合に格納されるフラグである。
操作フラグが格納されていない場合には、ステップS909にて不実行コマンドを表示制御装置500に出力する。不実行コマンドは、前回の処理回では操作準備状態であったのに今回の処理回では操作準備状態ではなくなったことを、表示制御装置500へ認識させるためのコマンドである。不実行コマンドを受信した表示制御装置500は、不実行演出が行われるように図柄表示装置41を制御する。表示制御装置500の処理については後に詳細に説明する。ステップS909の処理を実行した後は、準備状態の確認処理を終了する。
ステップS908にて操作フラグが格納されている場合には、ステップS910に進み、今回のボタン演出が連発演出であるか否かを判定する。ステップS910にて連発演出である場合とは、連発演出において操作に対応する動作が少なくとも1回行われたものの、その後、操作実施状態及び操作準備状態のいずれの状態でもなくなったことを意味し、この場合、ステップS911にて連発要求コマンドを表示制御装置500へ出力してから、準備状態の確認処理を終了する。連発要求コマンドを受信した表示制御装置500は、連発要求演出が行われるように図柄表示装置41を制御する。表示制御装置500の処理については後に詳細に説明する。
ステップS910にて連発演出ではない場合には、そのまま準備状態の確認処理を終了する。
<実施状態の確認処理>
次に、ボタン用操作対応処理(図21)のステップS802にて実行される実施状態の確認処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1001にて、いずれかのセンサ121がON状態であるか否かを判定する。いずれのセンサ121もOFF状態である場合には、操作体Hがセンサ装置120の検知範囲に存在しないため、そのまま実施状態の確認処理を終了する。
続くステップS1002では、操作体Hの最下位置を特定する。具体的にはON状態となっているセンサ121のうち下端のセンサ121を把握する。
ステップS1003では、操作体Hの最下位置が基準センサに到達しているか否かを判定する。具体的には、ボタン演出においてはステップS1002にて把握したセンサ121に基準センサが含まれているか否かを判定し、特殊ボタン演出においてはステップS1002にて把握したセンサ121が基準センサよりも下方のセンサであるか否かを判定する。既に説明したとおり、基準センサは、操作ボタン111の操作面112又は仮想操作面Yに対応するセンサであり、操作実施状態であることを特定するためのセンサである。そしてボタン演出のみの場合には1行目のセンサが基準センサ(図5における♯1)であり、特殊ボタン演出も行われる場合には4行目のセンサ(図6における♯4)が基準センサである。
ステップS1003にて操作体Hの下端が基準センサ(♯1又は♯4)に到達している場合、すなわち操作実施状態である場合には、ステップS1004にて到達フラグ格納エリアを確認し、到達フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1004にて到達フラグが格納されている場合は、実施状態の確認処理を終了する。
ステップS1004にて到達フラグが格納されていない場合には、ステップS1005にて到達フラグを格納し、続くステップS1006にて操作体Hの最上位置を把握する。具体的にはON状態となっているセンサ121のうち上端のセンサを把握する。そして、その把握したセンサよりも下方のセンサを、続くステップS1007にて操作確認センサとして設定してから、実施状態の確認処理を終了する。
既に説明したとおり、操作確認センサとは、操作に対応する動作が行われたことを確認するためのセンサであり、ステップS1007では、ステップS1006にて把握したセンサの下方のセンサとして、ボタン演出の場合には1行下のセンサ(図5では♯2)を操作確認センサとし、特殊ボタン演出の場合には4行下のセンサ(図6では♯2)を操作確認センサとする。
すなわち、ボタン演出の場合には、当該1行下の操作確認センサがON状態からOFF状態となることで操作ボタン111の操作に対応する動作が完了したと把握し、特殊ボタン演出の場合には当該4行下の操作確認センサがON状態からOFF状態となることで仮想操作ボタン像Xの操作に対応する動作が完了したと把握する。
ここで、操作に対応する動作が行われたことを確認するための構成として、操作体Hの最下位置を基準としてその最下位置の移動量を把握して操作の有無を確認する構成も考えられる。しかしこのような構成の場合、特にボタン演出のみを行う場合には、操作体Hが操作ボタン111の上端に到達してから(♯1がON状態となってから)は、操作体Hと操作ボタン111との境目を明確に区別することが困難となり得る。より詳細には、例えば1行目のセンサ(♯1)よりも下方にセンサを設け、操作体Hが操作ボタン111の上端に達してからの移動量をそのセンサがON状態となることから把握しようとしても、操作ボタン111が押圧操作されていない状況であっても操作ボタン111の存在によりそのセンサは既にON状態となっており、操作体Hが存在することによってそのセンサがON状態となっているかを把握することが困難となり得る。
そこで本実施形態では、操作実施状態においては、操作体Hの最上位置を基準として操作に対応する動作の有無を把握する構成としており、ステップS1007にて設定されたセンサがON状態からOFF状態に変化した場合、すなわちボタン演出の場合には操作体Hが2cm以上下方に移動した場合であり、特殊ボタン演出の場合には操作体Hが5cm以上下方に移動した場合に、操作に対応する動作が行われたと判定する構成としている。
ステップS1003にて操作体Hの最下位置が基準センサに到達していない場合、すなわち操作実施状態ではない場合には、ステップS1008にて到達フラグ格納エリアを確認し、到達フラグが格納されている場合にはそれを消去し、格納されていない場合にはその状態を維持して、実施状態の確認処理を終了する。
したがって、操作実施状態となった場合には、その時点で操作確認センサの設定が行われ、上記のように当該操作確認センサを用いて操作に対応する動作の有無が把握される。一方、操作実施状態となってから、その後に操作準備状態等に移行した場合には、到達フラグが消去されるため、再び操作実施状態となってから操作確認センサの再設定が行われる。このような構成とすることで、連発演出において、例えば遊技者が、手の平で操作ボタン111を押圧操作する操作態様から握りこぶしで押圧操作する操作態様に変更した場合であっても、各押圧操作を好適に特定することが可能となる。
<演出用処理及び操作実施の確認処理について>
次に、ボタン用操作対応処理(図21)におけるステップS804の演出用処理と、ステップS805の操作実施の確認処理と、について説明する。既に説明したとおり、操作実施状態ではない場合には演出用処理が行われ、操作実施状態である場合には操作実施の確認処理が行われる。つまり、処理が行われる時系列的には、演出用処理が先に行われ、その後、操作実施の確認処理が行われる。但しここでは先ず、操作実施の確認処理を先に説明し、その後に演出用処理を説明する。
<操作実施の確認処理>
操作実施の確認処理では、図24のフローチャートに示すように、先ずステップS1101にて今回のボタン演出が連発演出に対応するものか否かを判定する。連発演出ではない場合には、続くステップS1102にて操作フラグ格納エリアに操作フラグが格納されているか否かを判定する。操作フラグが格納されている場合には、そのまま操作実施の確認処理を終了する。
ステップS1101にて連発演出である場合、又はステップS1102にて操作フラグが格納されていない場合には、ステップS1103以降の操作に対応する動作の確認用の処理を行う。すなわち連発演出においては、操作フラグの有無に関わらずステップS1103以降の処理が行われる。
ステップS1103では、特殊ボタンフラグが格納されているか否かを確認することで、今回のボタン演出が特殊ボタン演出であるか否かを判定する。特殊ボタン演出である場合には、ステップS1104及びステップS1105にて、操作体Hの動作にあわせて仮想操作ボタン像Xを変化させるための処理を行う。
すなわちステップS1104では、操作体Hの最下位置を把握し、その把握した結果をステップS1105にて位置コマンドとして表示制御装置500へ出力する。かかる位置コマンドを受信した表示制御装置500は、操作体Hの最下位置に仮想操作ボタン像Xの仮想操作面Yがくるように仮想操作ボタン像Xを変化させるための処理を実行する。表示制御装置500側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1103にて特殊ボタン演出ではなく通常のボタン演出である場合、又はステップS1105の処理を実行した後は、ステップS1106に進む。ステップS1106では、上記の実施状態の確認処理(図23)のステップS1007にて設定した操作確認センサがON状態からOFF状態に切り替わったか否かを判定する。OFF状態に切り替わった場合とは、操作体Hが少なくとも2cm(特殊ボタン演出の場合には5cm)下方へ移動したことを意味し、この場合、ステップS1107にてRAM251の各種フラグ格納エリア254に設けられた第2演出フラグ格納エリアに第2演出フラグが格納されているか否かを判定する。第2演出フラグとは、操作実施状態の前段階である状態(操作準備状態)において操作体Hの動作速度が基準値以上である場合に格納されるフラグであり、この処理については後に詳細に説明する。なお、ステップS1106にて否定判定した場合にはそのまま操作実施の確認処理を終了する。
ステップS1107にて第2演出フラグが格納されていない場合には、ステップS1108にて第1操作コマンドを表示制御装置500へ出力する。第1操作コマンドは、操作体Hの動作速度が基準値未満であった場合に、操作に対応する動作が行われたことを表示制御装置500へ認識させるためのコマンドである。第1操作コマンドを受信した表示制御装置500は、第1操作演出が行われるように図柄表示装置41を制御する。表示制御装置500の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1107にて第2演出フラグが格納されている場合には、ステップS1109にて第2操作コマンドを表示制御装置500へ出力する。第2操作コマンドは操作体Hの動作速度が基準値以上であった場合に、操作に対応する動作が行われたことを表示制御装置500へ認識させるためのコマンドである。第2操作コマンドを受信した表示制御装置500は、第2操作演出が行われるように図柄表示装置41を制御する。表示制御装置500の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1108又はステップS1109の処理を実行した後は、ステップS1110にて操作フラグを格納してから、操作実施の確認処理を終了する。これにより、以降の処理回においてステップS1102にて肯定判定することになる。
<演出用処理>
次に、ボタン用操作対応処理(図21)のステップS804の演出用処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。既に説明したように、演出用処理は、操作実施状態ではない場合に行われる処理であり、操作実施の確認処理(図24)に先立って行われる。
先ずステップS1201では、いずれかのセンサ121にて操作体Hを検知しているか否かを判定する。いずれのセンサ121も検知していない場合にはそのまま演出用処理を終了する。
続くステップS1202では、操作体Hが画面限界位置に存在するか否かを判定する。本実施形態では、操作体Hが特別表示装置130の第2表示画面G2に近付きすぎないように、操作体Hが第2表示画面G2から予め定められた距離の位置まで近付いた場合には警告を行う構成としており、操作ボタン111の後端よりも後方に配置されている奥端から1列目のセンサの位置が画面限界位置に相当する。そしてステップS1202では、この1列目のセンサがON状態となっている場合に、操作体Hが画面限界位置に存在すると判定する。
なお画面限界位置は、第2表示画面G2よりも前方であって且つ操作ボタン111を操作する際に頻繁に上記の警告が行われてしまわない位置、すなわち第2表示画面G2よりも前方であって且つ操作ボタン111よりも後方であればよく、画面限界位置を変更する場合にはその位置に別途センサを設ける構成とするとよい。
ステップS1202にて肯定判定した場合、ステップS1203にてスピーカ部65から警告音を発するように制御するとともに、警告コマンドを表示制御装置500に出力する。表示制御装置500の処理については後に詳細に説明する。
ステップS1202にて画面限界位置に存在しない場合、又はステップS1203の処理を実行した後は、ステップS1204に進む。
ステップS1204では、準備確認センサがON状態であるか否かを判定し、ON状態ではない場合、すなわち操作準備状態ではない場合にはそのまま演出用処理を終了する。操作準備状態である場合には、ステップS1205にて、準備確認センサの1行下のセンサ(図5では♯2、図6では♯5)がON状態であるか否かを判定することで、操作体Hの動作が開始されたか否かを判定する。このセンサがON状態ではなくOFF状態である場合は、そのまま演出用処理を終了する。
準備確認センサの1行下のセンサ(♯2又は♯5)がON状態に切り替わった場合には、ステップS1206にて操作体Hの動作速度を算出するための期間の計測を開始する。具体的には、RAM251の各種カウンタエリア253には期間カウンタが設けられており、この期間カウンタを所定周期(例えば2msec)ごとに1ずつカウント(更新)することで、動作速度を算出するための期間の計測を行うことができる。そして、ステップS1206ではこの期間カウンタのカウントを開始する。なお、ステップS1206では、以前の処理回にて既に期間カウンタのカウントが開始されている場合には、そのままステップS1207に進む。
続くステップS1207では、準備確認センサの2行下のセンサ(♯1又は♯4)がOFF状態からON状態に切り替わったか否かを判定する。ON状態に切り替わっていない場合には、そのまま演出用処理を終了する。基準センサがON状態に切り替わった場合には、続くステップS1208にて、操作体Hの動作速度の算出を行う。具体的には、準備確認センサの1行下のセンサがON状態に切り替わってから準備確認センサの2行下のセンサがON状態に切り替わるまでに要した期間、すなわち、操作体Hが1cm操作方向(下方)に移動するまでに要した期間を、上記の期間カウンタの値から把握して、操作体Hの動作速度を算出する。
なお、特殊ボタン演出の場合には、動作速度の算出の際に操作体Hがさらに操作方向(下方)に移動するまでに要した期間を参照する構成としてもよい。この場合、例えば、♯5がON状態に切り替わってから♯1がON状態に切り替わるまでの期間を参照する構成とすると、操作体Hの動作においてより平均的な動作速度を算出することができる。
続くステップS1209では、ステップS1208にて算出した動作速度が基準速度以上であったか否かを判定する。基準速度は本実施形態では50cm/secとなっている。なお、この基準速度の値は、早急な動作(操作)とそれよりも遅く早急でない動作(操作)とを区別できる値であればよく、それが可能な範囲で任意である。
ステップS1209にて基準速度以上の速度で操作体Hの動作が行われた場合には、ステップS1210にて、動作時演出を設定する。かかる処理では、操作体Hの操作方向への動作に伴う効果音(例えば、「ビュン」という音)をスピーカ部65により出力する。そしてステップS1211にて、第2演出フラグを格納する。ここで第2演出フラグがセットされることにより、その後の操作実施状態において実行される操作実施の確認処理(図24)のステップS1104にて肯定判定することになる。ステップS1211の処理を行った後は、演出用処理を終了する。
ステップS1209にて基準速度以上の速度での動作がないと判定した場合は、そのまま演出用処理を終了する。したがって、基準速度未満でゆっくりと操作体Hの動作が行われた場合には、動作時演出は行われず、さらに第2演出フラグは格納されないため、その後の操作実施状態において操作に対応する動作が行われた場合に第1操作演出が行われることになる。
このように、操作実施状態となる状態に先立って実行される演出用処理の情報を利用して、その後の操作に対応する動作が行われた場合の演出を決定する構成としているため、操作実施状態において当該動作が行われた場合にその動作速度に基づいて演出を決定する構成と比較して、猶予が生じる。したがって、操作に対応する動作が行われた場合の演出を行うための処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
<キャラ用操作対応処理>
次に変動中用処理(図20)におけるステップS709にて実行されるキャラ用操作対応処理について、図26のフローチャートを参照して説明する。既に説明したとおりキャラ演出では、キャラの3次元像を遊技者が左右に撫でるか上下に引っかくかによってその後の演出が異なるように設定されており、キャラ用操作対応処理では、その演出を行うために操作体Hの動作方向を特定する処理を実行する。
具体的には、先ずステップS1301では、操作体Hが検知されているか否かを判定する。具体的には、センサ装置120のいずれかのセンサ121がON状態となっているか否かを判定する。いずれのセンサ121も検知状態となっていない場合には、そのままキャラ用操作対応処理を終了する。
いずれかのセンサ121がON状態となっている場合には、ステップS1302にて、操作体Hが画面限界位置に存在するか否かを判定する。かかる処理は上記ステップS1202と同様の処理である。画面限界位置である場合には、続くステップS1303にて警告音をスピーカ部65から出力するとともに、警告コマンドを表示制御装置500へ出力する。
ステップS1302にて画面限界位置ではない場合、又はステップS1303の処理を行った後は、ステップS1304に進む。ステップS1304では、操作フラグが格納されているか否かを判定し、格納されている場合には、そのままキャラ用操作対応処理を終了する。操作フラグは、上記のボタン用操作対応処理にて用いられるものと共通のフラグであり、ボタン演出(特殊ボタン)とキャラ演出といった異なるタイミングで実行される演出用のフラグを共通化することで、記憶容量の削減を図ることができる。
操作フラグが格納されていない場合にはステップS1305に進む。ステップS1305では、操作体Hの最下位置を把握して、対応するセンサ121を位置情報として位置情報記憶エリアに記憶する処理を実行する。かかる処理は、操作体Hの上下方向の動作量を把握するために行われる処理である。
位置情報記憶エリアは、操作体Hの位置情報を複数記憶可能に構成されており、少なくともセンサ装置120が有効な期間においてキャラ用操作対応処理が行われる上限回数分の情報をそれぞれ把握した順に記憶することが可能となっている。本実施形態では、センサ装置120の有効な期間がキャラ演出においても最長で10secとなっており、上記の位置情報記憶エリアはその最長の期間に対応する20000処理分の情報を把握した順に記憶可能に構成されている。
続くステップS1306では、各センサ121の受光部124にて受光している赤外線強度を解析し、最も強い赤外線を受光しているセンサの赤外線強度を把握することで、センサ装置120と操作体Hとの距離を把握する。そして、当該把握した距離を、RAM251に設けられた距離情報記憶エリアに記憶する処理を実行する。かかる処理は、操作体Hの左右方向の動作量を把握するために行われる処理である。
距離情報記憶エリアは、上記の位置情報記憶エリアと同様に、操作体Hの距離情報を複数記憶可能に構成されており、少なくともセンサ装置120が有効な期間においてキャラ用操作対応処理が行われる上限回数分の情報をそれぞれ把握した順に記憶することが可能となっている。本実施形態では、センサ装置120の有効な期間がキャラ演出においても最長で10secとなっており、上記の距離情報記憶エリアはその最長の期間に対応する20000処理分の情報を把握した順に記憶可能に構成されている。
続くステップS1307では、操作体Hを検知してから予め定められた期間であるキャラ用把握期間(本実施形態では3sec)が経過しているか否かを判定する。RAM251には、キャラ演出においていずれかのセンサ121で操作体Hを検知してから計測が開始される把握用経過カウンタエリアが設けられている。そして、ステップS1301にて肯定判定するタイミングで把握用経過カウンタエリアの更新が開始され、ステップS1301にて否定判定するタイミングで把握用経過カウンタエリアの更新が停止されるとともにそれまでの情報がクリアされる。ステップS1307では、この把握用経過カウンタエリアの値からキャラ用把握期間が経過しているか否かを判定する。キャラ用把握期間が経過していない場合には、そのままキャラ用操作対応処理を終了する。
キャラ用把握期間が経過している場合には、ステップS1308にて、今回の処理回が実行されるタイミングから上記のキャラ用把握期間前に行われた処理回(6000処理回前の処理回)において位置情報記憶エリアに記憶された位置情報を取得する処理を実行する。またステップS1309では、今回の処理回が実行されるタイミングから上記のキャラ用把握期間前に行われた処理回(6000処理回前の処理回)において距離情報記憶エリアに記憶された距離情報を取得する処理を実行する。
ステップS1310では、ステップS1305にて記憶した今回の位置情報と、ステップS1308にて取得した位置情報と、を比較して、操作体Hの上下方向の動作量を把握する。またステップS1311では、ステップS1306にて記憶した今回の距離情報と、ステップS1309にて取得した距離情報と、を比較して、操作体Hの左右方向の動作量を把握する。
続くステップS1312では、ステップS1310にて把握した上下方向の動作量と、ステップS1311にて把握した左右方向の動作量と、のいずれかの動作量が予め定められた値であるキャラ用基準値(本実施形態では5cm)以上であるか否かを判定する。いずれの動作量もキャラ用基準値未満の場合には、そのままキャラ用操作対応処理を終了する。
いずれかの方向の動作量がキャラ用基準値以上である場合には、続くステップS1313にて、ステップS1310にて把握した上下方向の動作量と、ステップS1311にて把握した左右方向の動作量と、を比較して、左右方向への動作量のほうが上下方向への動作量よりも大きいか否かを判定する。
上下方向への動作量のほうが大きい場合には、操作体Hが3次元像のキャラを上下に引っかくように動作したと判断し、ステップS1314にて第1操作コマンドを表示制御装置500へ出力する。一方、左右方向への動作量のほうが大きい場合には、操作体Hが3次元像のキャラを左右に撫でたるように動作したと判断し、ステップS1315にて第2操作コマンドを表示制御装置500へ出力する。これらいずれかの操作コマンドを受信した表示制御装置500は、対応する操作演出が行われるように図柄表示装置41及び特別表示装置130を制御する。表示制御装置500の処理については後に詳細に説明する。
ステップS1314又はステップS1315の処理を実行した後は、ステップS1316にて操作フラグを格納してから、キャラ用操作対応処理を終了する。
このように、キャラ用操作対応処理では、センサ装置120の各センサ121を上下方向に整列している構成を利用して、操作体Hの上下方向の動作量を把握し、また各センサ121の受光部124における受光強度を利用して、操作体Hの左右方向の動作量を把握する構成としている。なお、各センサ121を前後方向に整列している構成を利用して、操作体Hの前後方向の動作量も把握する構成とすることも可能である。この場合、把握した前後方向の動作量に基づいて表示制御装置500による演出が行われる構成とするとよい。
また、操作体Hの動作方向に加えて、ボタン用操作対応処理のように動作速度も演出を異ならせる条件としてもよい。この場合、例えば、操作体Hが上下に動作しても所定の速度未満ならばひっかいたのではなく上下に撫でたように動作したと判定してもよいし、操作体Hが左右に動作しても所定の速度以上ならば撫でたのではなくビンタをするように動作したと判定してもよい。そしてこれらの動作方向及び動作速度の情報を利用して、女の子のキャラクタの表情などを変化させる演出を加えるとよい。
<表示制御装置500によるコマンド対応処理>
次に、表示制御装置500にて実行されるコマンド対応処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。コマンド対応処理は、音声発光制御装置82からコマンドを受信した場合に、その時点で実行されている処理が何であったとしても最優先で起動される処理である。また、コマンド対応処理は、統括CPU510にて実行され、統括CPU510からのコマンドに応じて、表示CPU520,530等が動作する構成となっている。本実施の形態においては、コマンド対応処理以外にも電源投入時に実行されるメイン処理や周期的に実行されるタイマ割込み処理などの主要な制御を統括CPU510によって実行し、表示CPU520,530によって描画データを生成するための各種処理を実行する構成とすることにより、表示制御装置500における処理負荷を分散させている。
なお、タイマ割込み処理により行われる描画データの生成等の画像処理は音声発光制御装置82からコマンドが出力される周期よりも短期間に処理が可能となっており、コマンド対応処理にて読み出したコマンドに対応する画像処理は、次に音声発光制御装置82からコマンドが出力され得るタイミングよりも前に処理が終了する。また、コマンド対応処理では、受信したコマンドに対応する画像処理をタイマ割込み処理を介して行わせるにあたり、表示中の画像を一旦消去して、今回受信したコマンドに対応する画像を表示させるように画像処理を行わせる。
また、コマンド対応処理の説明では、図15及び図16の各表示画面G1,G2における演出内容を再度参照しながら説明する。
コマンド対応処理では、先ずステップS1401にて、いずれかの変動コマンドを受信したか否かを判定する。既に説明したように変動コマンドは、変動開始用処理(図18及び図19)にて、ボタン用変動コマンド、キャラ用変動コマンド、通常用変動コマンド及び完全外れ用変動コマンドのうちのいずれかが出力される。ステップS1401にていずれかの変動コマンドを受信している場合には、ステップS1402へ進む。ステップS1402では、受信した変動コマンドから停止図柄の情報及び変動態様の情報を取得し、続くステップS1403にて2D用表示CPU520へ把握した停止図柄の情報及び変動態様の情報を含む内部コマンドを出力することにより、図柄表示装置41の第1表示画面G1における図柄の変動表示の演出を設定する。
続くステップS1404では、今回受信した変動コマンドがボタン用変動コマンド又はキャラ用変動コマンドであるか否かを判定する。ステップS1404にて否定判定した場合には、そのままコマンド対応処理を終了し、肯定判定した場合には特別演出を実行するために、ステップS1405にて特別演出設定処理を行ってから、コマンド対応処理を終了する。
ここで、特別演出設定処理について図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップS1501では、ステップS1401にて受信したコマンドがボタン用変動コマンドであるか否かを判定する。ステップS1501にて肯定判定した場合、すなわち今回の遊技回にて行う特別演出がボタン演出又は特殊ボタン演出である場合には、続くステップS1502にて、受信したボタン用変動コマンドを解析して、特殊ボタン演出を実行する遊技回であるか否かを判定する。
特殊ボタンを実行する遊技回の場合には、続くステップS1503にて、ワークRAM550の各種フラグ格納エリアに設けられた特殊ボタン演出フラグ格納エリアに特殊ボタン演出フラグを格納する。ステップS1502にて特殊ボタン演出を実行しない遊技回の場合、又はステップS1503の処理を実行した後は、ステップS1504にて、ワークRAM550の各種フラグ格納エリアに設けられたボタン演出フラグ格納エリアにボタン演出フラグを格納する。ステップS1504の処理を行った後は、特別演出設定処理を終了する。
ステップS1501にてボタン用変動コマンドを受信していない場合とは、キャラ用変動コマンドを受信していることを意味するため、この場合ステップS1505にて、ワークRAM550の各種フラグ格納エリアに設けられたキャラ演出フラグ格納エリアにキャラ演出フラグを格納して、特別演出設定処理を終了する。
コマンド対応処理(図27)の説明に戻り、ステップS1401にていずれの変動コマンドも受信していない場合には、ステップS1406に進む。ステップS1406では、操作演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。既に説明したように操作演出開始コマンドは、変動中用処理(図20)のステップS705にて出力される。操作演出開始コマンドを受信している場合、ステップS1407にて操作開始演出用処理を実行してから、コマンド対応処理を終了する。
操作開始演出用処理では、今回の遊技回において実行する特別演出の種類に応じた操作開始演出を、図柄表示装置41側で行うために2D用表示CPU520へ内部コマンドを出力する。具体的には、図29のフローチャートに示すように、ステップS1601にてボタン演出フラグ格納エリアにボタン演出フラグが格納されているか否かを判定する。ボタン演出フラグが格納されている場合には、続くステップS1602にて、ボタン用の内部コマンドを2D用表示CPU520へ出力し、第1表示画面G1にてボタン用の操作開始演出を開始するように図柄表示装置41を制御する。この場合、図15(a)に示すように、「Ready」という表示が行われ、操作ボタン111又は仮想操作ボタン像Xの操作が促される。
続くステップS1603では、特殊ボタン演出フラグが格納されているか否かを判定する。特殊ボタン演出フラグが格納されている場合には、ステップS1604にて、3D用表示CPU530へ内部コマンドを出力することにより、仮想操作ボタン像Xの表示を開始するように特別表示装置130を制御する。ステップS1603にて否定判定した場合、又はステップS1604の処理を実行した後は、操作開始演出用処理を終了する。
一方、ステップS1601にてボタン演出フラグが格納されていない場合には、ステップS1605にて、キャラ用の内部コマンドを2D用表示CPU520へ出力し、第1表示画面G1にてキャラ用の操作開始演出を開始するように図柄表示装置41を制御する。この場合、例えば「やさしく横に撫でてね」という表示が第1表示画面G1にて行われ、キャラの3次元像を左右に撫でる操作が促される。また、ステップS1606にて、3D用表示CPU530へ内部コマンドを出力することにより、女の子のキャラクタの像の表示を開始するように特別表示装置130を制御する。ステップS1606の処理を実行した後は、操作開始演出用処理を終了する。
ここで、ボタン演出と特殊ボタン演出とでは、遊技者による操作態様がいずれも押圧操作という共通の動作態様であるため、ボタン用操作開始演出はいずれの特別演出であっても共通のものが用いられる。これにより、表示制御装置500の記憶容量の削減を図られている。さらに、遊技者としては通常は図柄の変動表示が行われる第1表示画面G1に注目しており、ボタン用操作開始演出が行われることで、操作ボタンユニット100へ目線を移すことが想定されるところ、同じボタン用操作開始演出が行われた場合であっても、仮想操作ボタン像Xが出現することもあれば出現しない場合もあるため、目線を移した際の意外性を高めることが可能となる。
コマンド対応処理(図27)の説明に戻り、ステップS1406にて操作演出開始コマンドを受信していない場合、ステップS1408に進む。ステップS1408では、警告コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明したように警告コマンドは、ボタン用操作対応処理の演出用処理(図25)のステップS1203や、キャラ用操作対応処理(図26)のステップS1303にて出力される。警告コマンドを受信している場合、ステップS1409にて警告演出用処理を行ってから、コマンド対応処理を終了する。警告演出用処理では、2D用表示CPU520へ内部コマンドを出力することにより、図柄表示装置41の第1表示画面G1にて、例えば「近付きすぎです、離してください」といった表示を行う。
ステップS1408にて警告コマンドを受信していない場合、ステップS1410に進む。ステップS1410では、先特定コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明したとおり先特定コマンドは、特別演出がボタン演出又は特殊ボタン演出である場合であって、操作準備状態となった場合に、ボタン用操作対応処理における準備状態の確認処理(図22)のステップS904にて出力されるコマンドである。先特定コマンドを受信している場合、ステップS1411にて先特定演出用処理を行ってから、コマンド対応処理を終了する。先特定演出用処理では、第1表示画面G1にて先特定演出が行われるように図柄表示装置41を制御する(図15(b)参照)。
ステップS1410にて先特定コマンドを受信していない場合には、ステップS1412に進む。ステップS1412では不実行コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明したとおり不実行コマンドは、特別演出がボタン演出又は特殊ボタン演出である場合であって、操作準備状態となってから、次の処理回にて操作実施状態でも操作準備状態でもない場合に、ボタン用操作対応処理における準備状態の確認処理(図22)のステップS909にて出力されるコマンドである。不実行コマンドを受信している場合、ステップS1413にて不実行演出用処理を行ってから、コマンド対応処理を終了する。不実行演出用処理では、第1表示画面G1にて不実行演出が行われるように図柄表示装置41を制御する(図15(c)参照)。
ステップS1412にて不実行コマンドを受信していない場合には、ステップS1414に進む。ステップS1414では、連発要求コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明したとおり連発要求コマンドは、特別演出がボタン演出又は特殊ボタン演出における連発演出である場合であって、操作に対応する操作体Hの動作が少なくとも1回行われたにも関わらず、その後に操作体Hが操作準備状態よりも前の状態に対応する位置に移動した場合に、ボタン用操作対応処理における準備状態の確認処理(図22)のステップS911にて出力されるコマンドである。連発要求コマンドを受信している場合、ステップS1415にて連発要求演出用処理を行ってから、コマンド対応処理を終了する。連発要求演出用処理では、第1表示画面G1にて例えば「あきらめるな!」といった連発要求演出が行われるように図柄表示装置41を制御する。
ステップS1414にて連発要求コマンドを受信していない場合には、ステップS1416に進む。ステップS1416では、位置コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明したとおり位置コマンドは、特別演出が特殊ボタン演出である場合であって、操作実施状態において操作体Hが移動した場合のその操作体Hの最下位置を示すコマンドである。位置コマンドを受信している場合、ステップS1417にて、3次元表示変更処理を実行してから、コマンド対応処理を終了する。3次元表示変更処理では、3D用表示CPU530へ内部コマンドを出力することにより、操作体Hの動作に対応させて3次元像を変更するように特別表示装置130を制御する(図16(b)参照)。
ステップS1416にて位置コマンドを受信していない場合、ステップS1418に進む。ステップS1418では、第1操作コマンド又は第2操作コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明したようにこれらの操作コマンドは、ボタン用操作対応処理における操作実施の確認処理(図24)のステップS1108やステップS1109、又はキャラ用操作対応処理(図26)のステップS1314やステップS1315にて出力されるコマンドである。いずれかの操作コマンドを受信している場合には、ステップS1419にて操作演出用処理を実行してから、コマンド対応処理を終了する。
操作演出用処理では、図30のフローチャートに示すように、先ずステップS1701にてボタン演出フラグが格納されているか否かを判定し、格納されている場合には、ステップS1702に進む。ステップS1702では、今回受信したコマンドが第1操作コマンドであるか否かを判定する。第1操作コマンドである場合には、ステップS1703に進み、2D用表示CPU520へ内部コマンドを出力することにより、第1表示画面G1にてボタン用の第1操作演出が行われるように図柄表示装置41を制御する(図15(d)参照)。ステップS1702にて第1操作コマンドではなく第2操作コマンドである場合には、ステップS1704にて、2D用表示CPU520へ内部コマンドを出力することにより、第1表示画面G1にてボタン用の第2操作演出が行われるように図柄表示装置41を制御する(図15(e)参照)。ステップS1703又はステップS1704の処理を行った後は、操作演出用処理を終了する。
ステップS1701にてボタン演出フラグが格納されていない場合とは、キャラ演出が行われている場合であり、この場合、ステップS1705にて今回受信したコマンドが第1操作コマンドであるか否かを判定する。第1操作コマンドである場合には、ステップS1706にて、2D用表示CPU520及び3D用表示CPU530へ内部コマンドを出力することにより、キャラ用の第1操作演出が行われるように図柄表示装置41及び特別表示装置130を制御する(図16(i),(j)参照)。
ステップS1705にて第1操作コマンドではなく第2操作コマンドである場合には、ステップS1707にて、2D用表示CPU520及び3D用表示CPU530へ内部コマンドを出力することにより、キャラ用の第2操作演出が行われるように図柄表示装置41及び特別表示装置130を制御する(図16(f),(g)参照)。ステップS1706又はステップS1707の処理を行った後は、操作演出用処理を終了する。
コマンド対応処理(図27)の説明に戻り、ステップS1418にていずれの操作コマンドも受信していない場合には、ステップS1420に進む。ステップS1420では、操作演出終了コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明したように操作演出終了コマンドは、変動中用処理(図20)のステップS711にて出力されるコマンドである。操作演出終了コマンドを受信している場合には、ステップS1421にて、特別演出終了処理を実行してから、コマンド対応処理を終了する。特別演出終了処理では、図柄表示装置41及び特別表示装置130の特別演出に関する制御を終了するとともに、ボタン演出フラグ、特殊ボタン演出フラグ、キャラ演出フラグといった特別演出用のフラグを消去する処理を実行する。また、特別演出の終了に際しては、特別演出を行った期間内においていずれの操作コマンドも受信していなかった場合には、操作無し演出が第1表示画面G1にて行われるように図柄表示装置41を制御する。
ステップS1420にて操作演出終了コマンドを受信していない場合には、ステップS1422にてその他の処理を実行してから、コマンド対応処理を終了する。ステップS1422のその他の処理では、遊技回演出用のその他のコマンド(変動終了コマンド)や開閉実行モード用のコマンド(オープニングコマンド及びエンディングコマンド)を受信したことに基づく演出設定用の処理を実行する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
操作ボタン111の操作空間OEにおいて手などの操作体Hが移動する範囲、すなわち操作ボタン111の上方を、センサ装置120の検知範囲として設定した。これにより、遊技者が操作ボタン111を操作しようとすると、操作ボタン111に触れる前にその手を検知することが可能となり、それに対応する演出として先特定演出や不実行演出といった斬新な演出を行うことが可能となる。
操作開始演出が行われた後に、遊技者が操作準備状態となる位置、すなわち準備確認センサがON状態となる位置に手をかざした場合には操作準備状態にあるとして、先特定演出を行う構成とした。すなわち、遊技機側の操作指令としての操作開始演出が行われたことに基づいて遊技者がその準備をした場合には、それ用の演出(先特定演出)を行い、その後に遊技者が操作を行った場合に、それ用の演出(操作演出)を行う構成とした。これにより、遊技機からの操作指令に基づく遊技者の一連の動作を演出として再現することが可能となり、遊技者に演出によって与える連帯感を高めることが可能となる。
上記の操作準備状態とする位置は、操作ボタン111の操作面112に遊技者が手を触れていない位置、すなわち操作面112に対応する基準センサがOFF状態となる位置とした。したがって、手などが操作面112を押圧操作する前の状態にあるのか、押圧操作している状態であるのかを明確に区別して判定できる。これにより、操作面112に触れる前に上記の先特定演出が行われることになり、より準備段階に近い演出とするとともに、操作面112に触れていないのに演出が変化するため、遊技者にとって意外性の高い演出とすることができる。
操作準備状態と判定した後のタイミングで操作準備状態ではなくなった場合に、不実行演出を行う構成としたことにより、例えば遊技者が心変わりして手を引っ込めた場合には、再度スタンバイするように促すことができる。したがって、せっかく用意した操作ボタン111を用いた演出に遊技者が参加しなくなることを抑制し、遊技への積極参加を促すことができる。
操作ボタン111が押圧操作される状況、すなわち操作実施状況の判定を、センサ装置120の検知結果を用いる構成とした。これにより、操作準備状態と操作実施状態とを把握することができ、押圧操作の準備の段階から実施の状態までを一連の演出として行うことができる。
センサ装置120の各センサ121を、操作ボタン111の操作方向(上下方向)に所定の間隔を隔てて整列して配置したことにより、遊技者の手などの動作量を把握することができ、それに伴う演出、例えば、上記の先特定演出や、操作演出を簡易な構成で実現することが可能となる。
ボタン用操作対応処理にて、遊技者の手の動作速度を把握して、その後に操作ボタン111が操作された場合に行う操作演出の種類を、上記把握した動作速度が基準速度よりも遅い場合には第1操作演出とし、基準速度以上の場合には第1操作演出よりも派手な第2操作演出とする構成とした。これにより、遊技者の操作態様が演出として如実に表現され、遊技者の得る一体感を増加させることができる。
また、上記の動作速度は操作ボタン111の操作における予備動作の動作速度であるため、実際に操作ボタン111が操作される前に予め演出を決定しておくことが可能となり、実際に操作された場合の動作速度によって演出を決定する構成と比較して、処理負荷の増加を低減することが可能となる。
連発演出において、少なくとも1回の操作に対応する動作が行われた後に、操作実施状態でも操作準備状態でもなくなった場合には、連発要求演出を行う構成とした。換言すれば、操作面112から所定距離離れた操作準備状態にある場合には連発要求演出を行わない構成とした。これにより、例えばさらに操作に対応する動作を行おうとしている(操作準備状態である)のに連発要求演出が行われることによる、遊技への参加意欲の低下を招くことがない。
操作ボタン111の後方位置に、特別表示装置130を配設し、当該特別表示装置130の第2表示画面G2によって操作を促す誘い画像による演出(特殊ボタン演出)を行う構成とした。したがって、誘い画像が操作ボタン111の後方位置に表示されるため、遊技者は操作が促されている部位を明確に把握することが可能となる。
上記の誘い画像による演出は、3次元像による演出とし、当該3次元像が、操作空間OEに存在するかのように表示される構成とした。これにより、遊技者が当該3次元像に触れようとする手などを、センサ装置120により検知することが可能となる。したがって、操作ボタン111を操作するという遊技だけでなく、誘い画像を触ろうとするという新たな遊技を追加することが可能となるとともに、その誘い画像を触ろうとする手などを検知して、その結果を演出に反映させることが可能となる。
また操作ボタン111の操作空間OEに3次元像が表示されるため、当該3次元像を遊技者が触ろうとする、という演出のために別途空間を設ける必要がない。そのため、遊技機という限られたスペースの有効活用を図ることができる。
さらに、このような操作空間OEを利用して演出を行う構成において、当該演出を可動物等を利用するのではなく上記のように3次元像を利用するため、当該可動物等の損傷の心配がなく、遊技機のメンテナンスの容易化も図ることができる。
このような構成において、特別表示装置130が設置される第2壁部68bと交差する方向に第1壁部68aを設け、この第1壁部68aにセンサ装置120を設置した。これにより、第1壁部68aは、センサ装置120を設置するための部材という効果だけでなく、特別表示装置130の側方からの光の入り込みを抑制するという効果も奏することが可能となる。
上記の誘い画像として、操作ボタン111に対応する3次元画像(仮想操作ボタン像X)を設定したことにより、あたかも操作ボタン111が操作空間OE側に延びたかのような演出とすることができる。そして、この仮想操作ボタン像Xを遊技者が操作しようとすると、上記のようにそれを検知することが可能であるため、その検知結果に基づいて当該仮想操作ボタン像Xを変位させる演出(ステップS1417)を行うことができる。これにより、操作ボタン111を操作空間OE側に移動させるという意外性を提供するとともに、それを操作しようとすると3次元像が変位するという現実感を提供することができる。
仮想操作ボタン像Xを表示する場合、上記の基準センサ及び準備確認センサの位置も変更する構成とした。これにより、仮想操作ボタン像Xを用いた演出においても、基準センサ及び準備確認センサを用いた上記の優れた効果を奏することが可能となる。
このような特別表示装置130の第2表示画面G2は、第1表示画面G1のように遊技者が触れることができない位置ではなく遊技者が触れる位置に配置されているため、汚れや損傷が懸念されるところ、本実施形態では、センサ装置120を用いて操作体Hが近付きすぎた場合、すなわち操作体Hが画面限界位置に存在する場合には警告を行う構成とした。これにより、上記懸念される汚れや損傷を抑制することが可能となる。
特に、特別表示装置130は上記のように3次元像による演出を行う構成としているところ、この3次元像による演出を行う空間との関係によって特別表示装置130の第2表示画面G2の位置が定められる。本実施形態では3次元像による演出を行う空間を操作ボタン111の上方(操作空間OE)としているため、例えば、窓部61の後方に第2表示画面G2を設ける構成とすると、第2表示画面G2と操作ボタン111との間に窓部61が存在することになり、操作ボタン111の操作性に支障が生じ得る。そこで、本実施形態のように、第2表示画面G2と操作体Hとが近接することによる不都合を回避する措置を講じつつ、第2表示画面G2を遊技領域PE外に設けることで、操作ボタン111の操作性を低下させることなく3次元像による演出を好適に実現することが可能となる。
操作ボタン111及び特別表示装置130を左右方向の中央位置よりも左側に偏倚させて設けたことで、遊技者は右側に偏倚させて設けられた発射操作装置28を右手で操作しつつ、左手で操作ボタン111や仮想操作ボタン像Xの操作に対応する動作を行うことができる。特に、中央位置よりも左側に偏倚させて設けたことによって、中央位置に設ける構成と比較して、遊技者が3次元像を触れようとした場合に遊技者の手が遊技者の目と第2表示画面G2との間に侵入する割合を小さくすることが可能となる。これにより、遊技者は3次元画像の表示を確認しつつ3次元像の操作に対応する動作を行うことができ、3次元像による演出を好適に実行することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。
(1)操作ボタン111の操作方向を上下方向として操作ボタン111の上方に操作空間OEを規定したが、これに限定されない。例えば前後方向に操作ボタン111が押圧操作される構成とし、その前方に操作空間OEを規定する構成としてもよい。また左右方向に操作ボタン111が押圧操作される構成とし、その側方に操作空間OEを規定する構成としてもよい。いずれにしても、操作ボタン111の操作に供される領域であって、且つその前段階に遊技者らの手などが存在する領域を、操作空間OEと規定すればよく、この操作空間OEにおいて手などが移動する範囲でセンサ装置120の検知範囲が定められていればよい。
(2)操作ボタンユニット100を設ける位置は、上記実施形態における位置に限定されない。例えば、下側膨出部67に設ける構成としてもよい。この場合であっても、少なくとも前扉枠14における左右方向の中央位置よりも一端側に偏倚させて設けることで、遊技者の手と操作ボタン111との関係で第2表示画面G2の視認性の低下を抑制することができる。
(3)3次元像による演出の実行契機は上記のものに限定されない。例えば、上記のリーチ表示中に3次元像による演出を行う構成に代え又は加えて、予告表示中に行ってもよく、開閉実行モード中に行ってもよく、遊技回が行われていない待機モード中に行ってもよい。
また、操作開始演出、先特定演出、不実行演出、連発要求演出、操作演出及び操作無し演出の演出態様が上記のものに限定されないのは言うまでもない。
さらに操作開始演出を実行中に操作体Hが準備確認センサにより検知されない場合に、当該操作開始演出を変化させる(例えば、「早く準備して下さい」という文字表示を行う)構成としてもよい。このようにすることで、操作ボタン111や仮想操作ボタン像Xの操作が行われずにせっかく用意した各演出が無駄になってしまうことを抑制することができる。また、この演出を先特定演出を実行中に操作に対応する動作が行われない場合に、採用してもよい。すなわち、操作準備状態から操作実施状態に移行しない場合には先特定演出を変化させる(例えば、「早く押してください」という文字表示を行う)構成としてもよい。
また操作演出は、操作体Hの操作に対応する動作が完了した場合に行われる構成としたが、操作実施状態において操作に対応する動作が行われている最中に行われる構成としてもよい。
さらに特殊ボタン演出においては、3次元表示変更処理(ステップS1417)にて操作に対応する動作が行われた場合に操作体Hの最下位置に仮想操作面Yが配置されるように仮想操作ボタン像Xを変更する構成としたが、操作体Hが仮想操作面Yに近付いたら仮想操作ボタン像Xが逃げる(下方に移動する)演出を加えてもよい。このように3次元像を利用することで、操作に対応する演出だけでなく、さまざまな演出を設定することができ、演出の多様化を図ることができる。
(4)準備確認センサがON状態となり、且つ基準センサがOFF状態である状態を操作準備状態としたが、各センサ121のいずれかがON状態となっており、且つ少なくとも基準センサを含むセンサ121がOFF状態である状態を操作準備状態としてもよい。この場合、操作体Hがセンサ装置120に検知範囲に存在し、且つ操作面112に触れていない状態が操作準備状態となる。このようにすることで、特定のスタンバイ位置に操作体Hが存在しなくても先特定演出が行われるため、遊技者としては自由な操作態様で操作ボタン111を操作することが可能となる。またこの構成の場合、ボタン演出が通常のボタン演出か特殊ボタン演出かに関わらず、準備確認センサを変更する必要が生じない(準備確認センサが必要ない)ため、処理構成の簡素化を図ることができる。
(5)センサ装置120の検知範囲内において3次元像による演出を行う構成としたが、これを変更してもよい。例えば、特別表示装置130において2次元表示を行うようにする。この場合であっても第2表示画面G2にて操作ボタン111の操作を促す誘い画像を表示させるとよい。
また、特別表示装置130を設けない構成としても、少なくともセンサ装置120の検知範囲内に操作ボタン111の操作空間OEにおいて操作体Hが動作する範囲が含まれるようにすれば、図柄表示装置41側にて先特定演出や不実行演出を行うことが可能であるため、遊技への注目度の向上を図ることができる。
一方、3次元像による演出を行う構成とした場合に、センサ装置120を設けない構成としてもよい。センサ装置120を設けなくとも、少なくとも操作ボタン111の操作空間OEにて3次元像による演出を行う構成とすれば、操作手段を設ける構成における操作空間OEを利用して遊技への注目度の向上を図ることができる。この場合、ボタン装置110に操作ボタン111の押圧操作を検知するセンサを内蔵しているとよい。また、このような構成であっても、この操作空間OEにおいて、実際の可動物を利用した演出ではなく3次元像による演出を行う構成としているため、例えば遊技者が操作空間OEに可動物が存在するのに操作手段を操作しようとして可動物に触れてしまい故障してしまうような不都合が生じない。
(6)操作ボタンユニット100のセンサ装置120を、音声発光制御装置82と接続して検知対象の位置等を特定する構成としたが、主制御装置81や表示制御装置500と接続してこれら接続した制御装置にて検知対象の位置等を特定する構成としてもよく、センサ装置120からの情報が音声発光制御装置82を介して他の制御装置へそのまま出力されて当該他の制御装置にてそれを解析して検知対象の位置等を特定する構成としてもよい。
(7)センサ装置120におけるセンサ121は赤外線による反射式センサを採用したが、少なくとも操作空間OEにおいて操作準備状態を検知可能であれば上記実施形態のものに限定されない。例えば、電波を利用したセンサであってもよく、電磁誘導を利用したセンサであってもよく、カメラを用いて画像解析により検知対象の位置を把握するセンサであってもよい。また、上記実施形態で採用した反射式のセンサではなく、透過式のセンサであってもよい。透過式のセンサを採用する場合、操作ボタン111を挟んで両側に発光部123と受光部124とをそれぞれ設ける構成とするとよい。
(8)遊技機前面部において操作ボタン111を挟んでセンサ装置120の反対側に壁部を設け、操作空間OEがセンサ装置120を有する第1壁部68aと当該反対側に設けた壁部とに囲われる構成としてもよい。図1の構成で言えば、上皿66aと操作ボタン111との間に上記壁部を設ける。センサ装置120の検知範囲は、各センサ121の操作ボタン111側への仮想延長空間であるため、このように操作ボタン111を挟んで反対側に壁部を設けることで、当該仮想延長空間の延長量を制限することができる。特に、上皿66aと操作ボタン111との間に上記壁部を設けることで、上皿66aの遊技球を遊技者が触ろうとしてもその手がセンサ装置120により検知されることはなく、センサ装置120の誤検知を抑制することができる。この場合、上記(7)に記載したように透過式のセンサとしてもよい。
また、センサ装置120を操作ボタン111の操作空間OEに対して横方向に設けたが、操作ボタン111の操作空間OEに対して下方に設けてもよい。この場合、例えば、操作ボタン111が設けられる上側膨出部66において操作ボタン111の周囲に、操作空間OEに向けて赤外線を出力するように各センサ121を設ける構成とするとよい。この場合、各センサ121における受光部124の受光強度を解析することにより、操作ボタン111の操作面112と操作体Hとの距離を把握することができる。このようにすることで、操作ボタン111を操作するのではなく、例えば上皿66aの遊技球を遊技者が触ろうとしてもその手がセンサ装置120により検知されることはなく、誤検知を抑制することができる。
またこの場合、各センサ121における発光部123からの赤外線を操作空間OEの上方にて交差するように、すなわちセンサ装置120の検知範囲が錐状になるようにしてもよい。このようにすることで、検知範囲を操作ボタン111に対して近くなるほど広くし、逆に操作ボタン111に対して離れるほど狭くすることが可能となり、上記の誤検知を抑制する効果を高めることができる。
(9)遊技機前面部における操作ボタン111の周囲の構造によって、操作ボタン111の操作態様が限定される構成としてもよい。具体的には、例えば(8)のように、遊技機前面部において操作ボタン111を挟んでセンサ装置120と反対側に壁部を設け、第1壁部68aと当該設けた壁部の間隔を狭め、手の平を縦にしなければ当該間隔に手を入れることができないようにすると、操作ボタン111を押圧操作する操作態様がより限定的になる。この場合、当該狭めた間隔に対応させて操作ボタン111の大きさを変更する。このようにすることで、操作ボタン111の操作態様として操作体Hの形態が限定的なものとなり得るため、操作体Hの位置を把握する構成の簡素化を図ることが可能となる。
(10)ボタン演出、特殊ボタン演出、キャラ演出において、操作ボタン111、仮想操作手段像及びキャラの操作に対応する操作体Hの動作が行われた場合に、図柄表示装置41側にて操作演出を行う構成としたが、これらの操作体Hの動作のタイミングと、表示制御装置500による操作演出を行うタイミングと、を相違させてもよい。具体的には、音声発光制御装置82が操作体Hの動作を検知するタイミングと、表示制御装置500が操作演出を開始するタイミングと、の間に待ち時間を設け、操作体Hの動作後において、当該待ち時間に相当する所定期間の経過後に操作演出が行われる構成としてもよい。
このような構成とすることで、遊技者が操作に伴う第2表示画面G2側の演出(特殊ボタン演出やキャラ演出)などを見て楽しんだ後、第1表示画面G1に目を移して、その第1表示画面G1での操作演出が開始されるまでに、操作ボタン111側から第1表示画面G1側に目を移す時間的な余裕ができる。特に、操作ボタン111などの操作手段を有する遊技機においては、当該操作手段を操作することよりも、その操作に伴い発生する演出、例えば大当たりか否かを表示する第1表示画面G1での演出について高い関心を寄せていると考えられる。そのため、操作手段側の操作と、その操作に伴う演出とが前後に連続して実施される場合、操作手段を操作する時点では、既に第2表示画面G2側ではなく第1表示画面G1での演出を見ていることも考えられる。そこで、上記のように待ち時間を設けることで、遊技者は、各々異なる場所で実施される両方の演出をともに楽しむことができる。
(11)特別表示装置130の構成はパララックスバリア方式を採用したが、少なくとも3次元像が飛び出して見える方式であればこれに限定されず、レンティキュラ方式やインテグラルフォトグラフィ方式、ホログラフィ方式など他の方式を採用してもよい。
(12)上記実施形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置82により表示制御装置500が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置500が音声発光制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置82と表示制御装置500とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,500が一の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、主制御装置81から音声発光制御装置82に出力されるコマンドの構成も任意である。
また、表示制御装置500が図柄表示装置41及び特別表示装置130を制御する構成としたが、これに代えて、別々の制御装置により図柄表示装置41と特別表示装置130とを制御する構成としてもよい。
(13)特別表示装置130の第2表示画面G2の配置位置は、上記実施形態のものに限定されない。例えば、遊技領域PE内部に設ける構成としてもよい。また、操作ボタン111の後方位置に配置される構成に代え、左方に配置される構成としてもよく、右方に配置される構成としてもよく、上方に配置される構成としてもよく、下方に配置される構成としてもよい。これらの場合、視認性の確保という観点から少なくとも第2表示画面G2が遊技者の顔を向くように配設されているとよい。
第2表示画面G2が操作ボタン111の下方位置に配置される構成として、例えば、操作ボタン111自身が第2表示画面G2を有する構成としてもよい。具体的には、特別表示装置130の液晶表示部130a及びバリア表示部130bを例えば有機EL液晶として湾曲可能なものとする。そして、操作ボタン111の上面に第2表示画面G2が露出するように、保護カバー131、バリア表示部130b、液晶表示部130aの順で上から積層する。これにより、ボタン装置110と特別表示装置130とが一体化されることによる設置領域の削減を図ることが可能となる。
(14)センサ装置120における各センサ121の配置は上記のものに限定されない。すなわち、操作方向においては均一の所定間隔を隔てて整列したが、かかる所定間隔は不均一であってもよい。特に、1〜m行の各行において、操作ボタン111の操作面112に近い側の行の間隔を狭くするほど、操作体Hの位置をより細かく把握することが可能となり、操作ボタン111の操作の有無や、その前段階(操作準備状態)における動作速度の算出などをより細かく把握することができる。一方、操作面112から遠い側の行の間隔は、操作体Hの存在が分かれば(操作準備状態となったことを把握できれば)よいため、上記実施形態よりも広くしてもよい。
また、操作方向及び操作方向と直交する方向において、m行×n列のセンサ121を配置し、上記実施形態では10行×10列としたが、mとnとの数が等しい必要はなく、mとnとの数が等しくなくてもよい。特に、操作方向におけるm行のセンサ121の配置は、操作体Hの操作方向の動作を把握するために細かく配置する必要があるのに対して、操作方向と直交する方向におけるn列のセンサ121の配置は、上記実施形態では画面限界位置の把握に用いるのみであったため、少なくとも画面限界位置に相当する1列のセンサが存在すればよい。但し、操作方向と直交する方向(前後方向)において操作体Hの動作を把握する構成とする場合には、その動作を把握するために必要な列のセンサを配置する必要がある。
また、センサ装置120の検知範囲は10cm×10cmの正方形の仮想延長空間に限定されず、例えば20cm×10cmの長方形の仮想延長空間であってもよく、円形や楕円形などの仮想延長空間であってもよい。要は、操作ボタン111の操作方向における操作体Hの動作を把握可能なように、操作方向において各センサ121が配列されていればよい。
また、センサ121の各行を、操作ボタン111の上面の曲面に沿わして湾曲するように配置してもよい。このようにすることで、特に基準センサにおいて遊技者が手を操作ボタン111や仮想操作ボタン像Xに対応する位置に移動させたか否かをより厳密に特定することが可能となる。
さらに、操作ボタン111が操作されたことを特定可能とするためには、少なくとも操作確認センサとして設定され得る行のセンサよりも下の行の各行の間隔が操作ボタン111の初期位置から操作位置までの移動量よりも狭く設定されていればよい。
(15)各センサ121において発光部123からの赤外線を互いに平行となるように出力したが、これに限定されない。すなわち、少なくともセンサ装置120の検知範囲内において各センサ121が各々異なる範囲で操作体Hを検知可能とし、それら各センサ121の検知結果を用いてセンサ装置120の検知範囲内における操作体Hの位置を把握可能であればよい。例えば、センサ装置120における各センサ121を操作方向に整列せずに1箇所又は複数個所に集約して収容し、各発光部123からの赤外線を操作方向の角度をずらして出力することで、センサ装置120の検知範囲内において各センサ121が各々異なる範囲で操作体Hを検知可能とする構成としてもよい。但しこの場合、一のセンサ121から出力される赤外線と隣接する他のセンサ121から出力される赤外線との間隔が、センサ装置120と操作体Hとの距離が離れれば離れるほど広くなるため、その操作体Hの位置の把握が曖昧なものとなり得る。
(16)操作ボタン111や仮想操作ボタン像Xの操作に対応する動作が行われることに基づいて、遊技回用の演出が行われる第1表示画面G1にて操作演出を行う構成としたが、第1表示画面G1とは別途設けた報知手段にて操作演出を行う構成としてもよい。また、キャラ演出においてキャラの3次元像を遊技者が触ることにより、第1表示画面G1側のキャラも変化する構成としたが、変化しない構成としてもよい。
(17)3次元像による演出としては、第1操作演出及び第2操作演出といったように予め定められた演出が行われるプレレンダリング方式を採用したが、操作空間OE(センサ装置120の検知範囲内)における操作体Hの動作によってその都度演出を変更するリアルタイムレンダリング方式を採用してもよい。
(18)3次元像による演出を行う場合に、遊技者らの目の位置に対応させて、表示制御装置500が特別表示装置130におけるバリア表示部130bの縦縞のフィルタの位置及び液晶表示部130aの左右の眼用の画像の位置を変更する構成としてもよい。具体的には、例えば、遊技者らの目(顔)の位置を検知するセンサとして画像センサを遊技機前面部に設け、表示制御装置500が当該画像センサの検知結果に基づいて、遊技者らの目の位置を把握し、例えば遊技者らの目(顔)が横に移動した場合にはバリア表示部130bの縦縞のフィルタも横に移動させるとともに液晶表示部130aの左右の目用の画像の位置を横に移動させ、斜めに移動した場合には、フィルタ及び左右の目用の画像も斜めにするなどする。このようにすることで、遊技者が特別表示装置130の第2表示画面G2を見る場合に、目(顔)の位置が移動してもバリア表示部130bのフィルタにより常にパララックスバリアによる効果を得ることができ、3次元像を好適に見ることが可能となる。
(19)ボタン演出及び特殊ボタン演出において、基準速度以上の場合に行う第2操作演出を、基準速度未満の場合に行う第1操作演出よりも派手なものにして、遊技者の満足感を高める構成としたが、逆に、基準速度以上の場合には地味な演出や警告を行うなど、操作をやさしく行うように促す構成としてもよい。この場合、操作ボタン111が強打されることによる操作ボタンユニット100の故障を抑制することが可能となる。
(20)操作体Hが奥端の1列目のセンサにより検知された場合に報知を行う構成としたが、操作体Hが前端の10列目のセンサにより検知された場合にも報知を行う構成としてもよい。操作体Hが検知範囲よりも前方にのみ存在する場合に報知(例えば第1表示画面G1にて「遠すぎです、手を近づけてください」といった表示をする)を行う構成とすれば、その後の操作が空振りしてしまうことを抑制することができ、遊技者はより好適に操作に対応する動作を行うことができる。またこの観点からすると、各センサ121と操作体Hとの距離を把握して、操作ボタン111よりもセンサ121側に操作体Hが存在する場合や、操作ボタン111よりもセンサ121と反対側に操作体Hが存在する場合に上記のように報知を行う構成としてもよい。
(21)3次元像による演出は、上記実施形態にて示したものに限定されない。例えば、仮想操作ボタン像Xでは、操作ボタン111の形態と対応させそれを操作ボタン111の上方に突出するように表示したが、操作ボタン111の形態とは異ならせて(例えば細くしたり太くしたりして)操作ボタン111の上方に突出するように大きさを変化させて表示してもよい。
また、仮想操作ボタン像Xの色や模様などのデザインを操作ボタン111のものと異ならせてもよい。通常であれば操作ボタン111のものと同じデザインの仮想操作ボタン像Xを表示させ、所定の確率で例えばプリンに模した仮想操作ボタン像Xを表示させると、遊技者の度肝を抜く演出とすることが可能となる。このような場合、遊技結果と対応させて大当たり結果の場合にのみ上記のプリンに模した仮想操作ボタン像Xを表示させる構成とするとよい。
女の子のキャラクタが上記実施形態のものに限定されないのは言うまでもない。この場合、少なくとも第1表示画面G1にて表示されるキャラクタと対応するキャラクタが、3次元像として第2表示画面G2にて表示される構成とすることで、その3次元像を触ろうとした動作に対応する演出を遊技者は理解し易くなる。
(22)ボタン装置110において、ボタン設置面からの操作ボタン111の突出量を可変設定できるように構成し、現実の操作面112の位置(高さ位置)を変更できるようにしてもよい。この場合、遊技に際しては、以下の(ア)〜(ウ)の操作ボタン111又は仮想操作ボタン像Xを対象に遊技者によるボタン押圧操作が行われることとなる。
(ア)初期位置にある状態の操作ボタン111
(イ)初期位置よりも突出量を増やした状態の操作ボタン111
(ウ)特別表示装置130により3次元表示された仮想操作ボタン像X
より具体的には、図31に示すように、ボタン装置110に、モータ等よりなる昇降装置140を設け、その昇降装置140により、操作ボタン111を昇降可能とする(すなわち、突出量を変更可能とする)。昇降装置140は、音声発光制御装置82からの指令に基づいて、操作ボタン111を昇降させる。この場合、(ア)〜(ウ)のいずれの状態でボタン演出を行うかは都度の抽選で決定されるとよい。
ここで、図31(a)は、操作ボタン111が初期位置にある状態を示し(上記(ア))、ボタン設置面からの突出量(ボタン上端までの高さ)はT1である。これに対し、図31(b)は、操作ボタン111が所定の突出位置にある状態を示し(上記(イ))、ボタン設置面からの突出量はT2である(T2>T1)。さらに、図31(c)は、操作ボタン111は初期位置のままで、仮想操作ボタン像Xが表示された状態を示し(上記(ウ))、ボタン設置面からの突出量は(b)と同じT2である。
この場合、実際の操作ボタン111が、図31(a)、(b)のように形態変化することを前提に、図31(b)と同じ大きさで仮想操作ボタン像Xが表示されるため、その仮想操作ボタン像Xが実体の無い虚像だとしても、遊技者に違和感なくその存在を分からせることができる。なお、図31(b)での操作ボタン111の突出量と、図31(c)での仮想操作ボタン像Xの突出量とは、同じでなくてもよく、操作ボタン111の突出量>仮想操作ボタン像X、又は操作ボタン111の突出量<仮想操作ボタン像Xの突出量であってもよい。
(23)特別表示装置130により仮想操作ボタン像Xを表示させる場合に、仮想操作ボタン像Xの高さ(ボタン設置面からの高さ)を複数の高さで切り替えられる構成とてもよい。この場合、仮想操作ボタン像Xの高さが高いほど大当たり結果となる期待度を高くなる構成とすると、特殊ボタン演出に対する注目度を高めることができる。
(24)センサ装置120における各センサ121の下端のセンサ(図5における♯1)を操作面112を検知しない位置(操作面112に触れる操作体Hを検知可能な位置)に配置したが、操作面112よりも下方に配置する構成としてもよい。この場合、操作ボタン111及び操作体Hのいずれを検知しているかを把握する構成として、例えば、操作ボタン111と当該下方に配置したセンサ121との距離を把握する距離把握手段を備える構成が考えられる。そして、かかる距離把握手段により把握される操作ボタン111とセンサ121との距離が、初期状態における距離(操作ボタン111が押圧操作されていない距離)から当該初期状態における距離よりも離れた距離となった場合に、操作ボタン111が押圧操作されたと音声発光制御装置82が判断する構成としてもよい。このようにすることで、大きさが一定とは限らない操作体H自体を検知して操作ボタン111が押圧操作されたことを把握する構成と比較して、操作ボタン111の押圧操作量をより正確に把握することが可能となる。
(25)上記実施形態では、特別表示装置130の構成をパララックスバリア方式としたため、かかる3次現像はセンサ装置120では検知できないものであったが、上記(11)に記載したように特別表示装置130の構成を変更し、3次現像が操作空間OEに映し出される構成(ホログラフィ方式など)とする場合、この3次現像をセンサ装置120が検知可能な構成としてもよい。このようにすることで、操作体Hの位置を把握して3次現像を変更(仮想操作ボタン像Xが押圧操作された場合に操作面112からの突出量を変更する等)する構成と比較して、より正確に3次現像の変更を行うことが可能となる。
(26)上記実施形態では、音声発光制御装置82にセンサ装置120を接続する構成としたが、表示制御装置500に接続する構成としてもよい。例えば音声発光制御装置82と表示制御装置500とを双方向通信可能な構成とし、センサ装置120にて操作体Hの動作等を検知した場合に、上記のように表示制御装置500が特別表示装置130を表示制御するとともに、表示制御装置500から音声発光制御装置82へコマンド出力しその動作等の効果音を出力させる構成とする。このような構成としても、上記実施形態で示した効果と同等の効果を奏することが可能となる。
(27)上記実施形態では、特別演出(ボタン演出、特殊ボタン演出及びキャラ演出)の開始時において、操作空間OEに操作体Hが存在する状況であっても、一連の演出が行われ得る(より詳しくは操作準備状態から操作実施状態を検知して短時間であるがそれぞれの演出が行われ得る)構成としたが、この構成を以下のように変更してもよい。例えば、特別演出の開始時に操作空間OEに操作体Hが存在していることをセンサ装置120を介して音声発光制御装置82が把握した場合には、操作体Hを操作空間OEから移動するように促す演出(例えば第1表示画面G1にて「手をボタンの上から移動して下さい」と表示するなど)を行う構成や、上記のように音声発光制御装置82が把握した場合には、一連の演出をキャンセルする(その操作体Hの位置に応じて中途から演出を開始する)構成などが考えられる。
(28)特別演出において、第1表示画面G1にて操作ボタン111や仮想操作ボタン像X等が操作体Hにより操作される様を表示する構成としてもよい。この構成としては、例えばセンサ装置120の検知結果に基づいて、操作体Hや操作ボタン111等の位置を把握しこれらをアニメーション等で表示して、操作ボタン111等が操作される様を表示する構成とするとよい。このようにすることで、操作に慣れた遊技者等は、第1表示画面G1を見ながら操作ボタン111等を操作することが可能となるとともに、第1表示画面G1及び第2表示画面G2の演出の連動性(連動感)を高めることができる。
(29)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
これらの場合、遊技の進行に関わる操作部に対して操作ボタンユニット100の構成を適用してもよいし、演出用の操作部に対して操作ボタンユニット100の構成を適用してもよい。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機には、遊技者により操作される操作手段を備えているものが知られている。例えば、特許文献1(特開2008−29764号公報)に示すパチンコ遊技機では、遊技機前面に操作手段を設け、遊技者に有利な特別遊技状態等の発生を遊技者に期待させるために、遊技者の操作に応じて特別演出を画面表示等にて行うように構成されている。このように操作手段を採用した遊技機においては、操作手段を用いて遊技者の遊技への注目度を如何にして高めるかが重要な課題となっている。ここで、単に操作手段の操作に応じて特別演出を行うだけでは、操作が単調になる等して新鮮味が薄れ、操作自体への興味が低下しやすくなると懸念される。したがって、操作手段を利用して遊技への注目度の向上を図る上では、未だ改善の余地がある。」という課題・技術背景等に鑑みてなされたものである。
特徴A1.遊技者により押圧操作される操作面(操作面112)を有する操作手段(ボタン装置110)と、
当該操作手段に対して操作が実施された場合に、その操作に応じた演出を実施する演出実施手段(表示制御装置500の統括CPU510によるコマンド対応処理を実行する機能)と、
を備える遊技機において、
遊技機前面側に、前記操作面を操作する場合に遊技者により手などの操作体(操作体H)の変位動作が行われる操作空間(操作空間OE)が設けられており、
前記操作空間を検知エリアとして前記操作体の存在を検知可能な検知手段(センサ装置120)と、
前記検知手段による検知結果から、前記操作体により前記操作面が押圧操作されていない非操作状態(操作準備状態)を含む状態の判定を実施する操作状態判定手段(音声発光制御装置82のMPU249によるボタン用操作対応処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、検知手段の検知エリアに操作手段の操作空間が含まれているため、遊技者が操作手段を押圧操作しようとする場合に、操作面を押圧操作する前の状態を検知することができる。そしてその非操作状態を含む状態の判定が操作状態判定手段により判定されるため、それに伴う演出を行うことが可能となる。例えば非操作状態であれば、操作手段が操作されるよりも前に演出を行ったり、操作手段を操作する前の遊技者の手の位置や動きによって操作時の演出を変更したりすることが可能となり、演出の多様化を図ることができる。よって遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴A2.前記操作手段の押圧操作を遊技者に実施させるよう操作指示を行う操作指示手段(表示制御装置500の統括CPU510による操作開始演出用処理を実行する機能)を備え、
前記操作状態判定手段は、前記操作指示手段により前記操作指示が行われた場合に、前記非操作状態の判定として前記操作空間において前記操作体が所定の操作準備位置(操作体が準備確認センサに到達した位置)にあることを判定する準備状態判定手段(音声発光制御装置82のMPU249による準備状態の確認処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、遊技機による操作指示に従って、遊技者が所定の操作準備位置へ手などの操作体を移動した場合にそれを把握することができる。また、操作指示に従わないことも把握することができる。これにより、遊技者による押圧操作の準備の状態に応じた演出を行うことができる。押圧操作の準備の状態に応じた演出とは、例えば、上記のように操作指示に従わない場合には、再度操作を促すような演出や、操作指示に従って所定の操作準備位置へ移動した場合には、具体的な押圧操作を実施させるような指示内容の演出が考えられる。このように、押圧操作の準備の状態に応じた演出を行うことで、押圧操作の有無による演出の変化に加えて、その準備の有無による演出の変化も加えることができ、演出の多様化を図ることができる。
特徴A3.前記操作状態判定手段は、前記操作空間において前記操作体が前記操作面と接触する基準位置にあるか否かを判定する接触判定手段(音声発光制御装置82のMPU249による実施状態の確認処理を実行する機能)を備え、
前記準備状態判定手段は、前記検知手段によって前記操作体が検知され且つ前記接触判定手段によって前記基準位置にないと判定された場合に、前記非操作状態の判定として前記操作体が前記所定の操作準備位置にあると判定するものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、操作面と操作体とが非接触である状態を準備状態判定手段は判定することができる。この場合、手などが操作面を押圧操作する前の状態にあるのか、押圧操作している状態であるのかを区別して判定できる。これにより、操作面に手などを添えるよりも前のタイミングで操作の準備の状態に応じた演出を行うことができ、より準備段階に近い状態の演出とすることができる。
特徴A4.前記準備状態判定手段は、前記操作指示が生じている状況下で、その操作内容に応じた操作が行われないまま前記操作体が前記所定の操作準備位置から前記操作空間から存在しなくなったことを判定する手段(音声発光制御装置82のMPU249によるステップS905〜ステップS911の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、操作指示に従って遊技者が所定の操作準備位置に手などを移動した後に、押圧操作せずに心変わりするなどで所定の操作準備位置から手を移動した場合には、それを把握することができ、例えばそれに応じた演出を行うことができる。これにより、遊技者の動作と演出との連帯感を高め、遊技の注目度をより一層高めることができる。
特徴A5.前記操作状態判定手段は、前記操作体が前記所定の操作準備位置から押圧操作された位置に移動したことを判定する操作実施確認手段(音声発光制御装置82のMPU249による操作実施の確認処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、操作状態判定手段によって押圧操作されていない非操作状態だけでなく、操作手段が押圧操作されたことも把握することができる。つまり、特徴A1で示したように、検知手段によって操作面を押圧操作する前の状態が検知されるとともに、操作前の状態から手などの変位によって押圧操作が行われると、その操作も検知手段により検知される。この場合、操作手段の操作する前の非操作状態と、操作する状態と、を把握でき、遊技者による押圧操作前から押圧操作されるまでの一連の動作を把握することができる。したがって、例えばそれに伴って一連の演出を行うことが可能となる。よって、遊技者の動作と演出との連帯感をさらに高めることができる。
特徴A6.前記検知手段は、複数の検知部(センサ121)を有しており、
当該各検知部は、前記検知エリア内において、前記操作手段の押圧操作方向における検知の範囲が各々異なっており、
前記操作状態判定手段は、前記各検知部の検知結果に基づいて、前記非操作状態の判定を実施することを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、押圧操作方向において、操作体と操作面との距離(操作体の位置)を複数の検知部によって把握することができる。そのため、操作前の状態であること、その状態から実際に操作が行われたことを判定する上で好ましく、また、その把握した結果に基づいて異なる演出を行うことが可能となる。
特徴A7.前記操作状態判定手段は、前記検知手段における前記各検知部の各々の検知の範囲に前記操作体が存在するか否かを把握し、前記操作体が存在するとして把握した検知部と前記操作体が存在しないとして把握した検知部との境界を特定することで、前記操作体の前記検知エリア内における前記押圧操作方向の位置を特定するものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、それぞれの検知部において操作体が存在するか否かを把握した結果を用いて、操作体の押圧操作方向における位置を特定することができる。そして、その位置を各検知部の境界から特定することで、かかる境界の移動を把握すれば操作体が押圧操作方向において移動したことも特定することができる。
ここで例えば、操作手段が押圧操作されたことを特定するのであれば、操作手段に検知センサ等を内蔵する構成も考えられる。操作手段に検知センサ等を内蔵する構成とすれば、操作手段の長押しや連続押し、半押しなど操作手段の細かい操作を容易に特定することも可能である。しかし、特徴A1の遊技機では、操作手段の非操作状態を含む状態の判定を行う構成としているところ、非操作状態とは、操作手段が押圧操作される前の状態であり、操作手段に内蔵した検知センサでは、このような非操作状態を検知することが困難である。そこで、検知手段を特徴A7の構成とすることで、非操作状態を検知することだけでなく、操作手段に検知センサ等を内蔵しなくても上記のように各検知部の境界を特定することで操作体(操作手段)の移動を把握することができるため、検知手段の細かい操作を特定することができる。
特徴A8.前記検知手段は、前記操作体が前記操作面に接触する位置に配置される状況において、前記検知の範囲に前記操作体が存在しないとして把握される検知部が、前記各検知部のうち前記操作面が押圧操作される側とは逆側に存在するように構成されていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、操作手段が押圧操作されたことを把握するうえで、操作面が押圧操作される側とは逆側に存在する検知部のうち、操作体が検知の範囲に含まれないと把握される検知部と、操作体が検知の範囲に含まれると把握される検知部と、の境界を特定し、その境界の移動を把握すれば、操作手段が押圧操作されたことを好適に把握することができる。操作面が押圧操作される側の検知部において、これらの境界を特定しようとすると、各検知部はその検知の範囲に、操作手段が含まれているのか操作体が含まれているのかを特定する必要が生じる。これに対して、上記のように操作面が押圧操作される側とは逆側の検知部の境界を特定する構成であれば、このような操作手段と操作体とを区別する必要は生じずに、簡易な構成で操作手段が押圧操作されることを把握することが可能となる。
特徴A9.前記操作状態判定手段は、前記非操作状態において前記操作体の動作速度を把握する速度把握手段(音声発光制御装置82のMPU249によるステップS1204〜ステップS1209の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、非操作状態、すなわち操作手段の操作面を押圧操作する前段階の所謂予備動作の動作速度によって、演出実行手段による演出の内容を異ならせることが可能となる。この場合、例えば、予備動作の動作速度が速い場合には演出を派手にすると、動作と演出との一体性を高めることができるため遊技への注目度を高めることが可能となり、逆に予備動作の動作速度が速い場合には次回はゆっくりと操作するよう促す演出とすると、操作手段の故障や破損を抑制することが可能となる。
特に、操作手段が操作される際の動作速度ではなく、上記のように予備動作の動作速度によって演出の内容を異ならせる構成であるため、操作手段が操作されるよりも前に操作手段が操作された場合の演出を決定することができ、処理に要する時間に猶予が生じる。このため、極度な処理負荷の増加を抑制することができる。
特徴A10.前記操作手段の押圧操作を複数回に亘って遊技者に実施させるよう連続操作の指示を行う連続操作指示手段(音声発光制御装置82のMPU249による例えばステップS513やステップS612などボタン演出における連発演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記操作状態判定手段は、前記連続操作指示手段により前記連続操作の指示が行われている期間において、前記操作体が前記操作空間から移動した場合に、前記連続操作の継続を促す再操作の指示を行わせる手段(音声発光制御装置82のMPU249によるステップS908〜ステップS911の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、押圧操作を複数回に亘って遊技者に実施させる場合に、例えば遊技者が途中で押圧操作をやめてしまった場合などは、連続操作の継続を促す再操作の指示が行われる。この場合、操作空間から操作体が移動した場合に再操作の指示が行われる構成としているため、例えば(操作空間に手が存在して)遊技者としては連続操作の継続の意思があるにもかかわらず再操作の指示が行われてしまうといった不都合を回避することができる。
特徴A11.遊技機前方より視認可能であって前記操作空間を挟んで遊技者と反対側となる位置に設けられる表示手段(特別表示装置130)と、
前記操作体を前記操作空間に誘導するための誘い画像を前記表示手段にて表示させる表示制御手段(表示制御装置500の統括CPU510によるコマンド対応処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、操作空間を挟んで遊技者と反対側となる位置にて誘い画像が表示されて、操作空間に操作体としての手などを持ってくるように促されるため、遊技者はその誘い画像と操作すべき操作手段の関連性に気付きやすい。操作手段と離れた箇所にて誘い画像が表示する構成とすると何処を押圧操作すべきかが分かりにくくなり、特に遊技の初心者などに対して混乱を生じさせかねない。そこで、特徴A11の構成とすることで、遊技を分かり易くして遊技者に混乱を生じさせないようにすることができる。
特徴A12.前記表示制御手段は、3次元画像を表示する3次元表示実行手段(表示制御装置500の統括CPU510による特別演出設定処理を実行する機能)を備え、
当該3次元表示実行手段は、前記操作空間に前記3次元画像による前記誘い画像を表示させるものであることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、3次元画像によって誘い画像が表示されることで、遊技機の奥行き方向に像が存在しているかのように認識させることができる。そしてこの3次元画像は、表示手段の前方である操作空間、すなわち操作手段の上方において像が表示されるため、遊技者がその誘い画像を触ろうとするとそれを検知することができる。これにより、操作手段を押圧操作させるという演出だけでなく、誘い画像を触らせるという、という新たな演出を追加することができる。そしてこの場合、操作手段用の検知手段を用いているため、別途センサなどを設ける必要がなく、機能の集約化を図ることが可能となる。
特徴A13.前記3次元表示実行手段は、前記検知手段により前記操作体が検知された場合に、当該操作体の動作に対応させて前記3次元画像の表示態様を変化させる手段(表示制御装置500の統括CPU510における3次元表示変更処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、遊技者が3次元像を触れようとした場合には3次元像が変化するため、遊技者に3次元像を触れようとする楽しみを与えることができる。特にこの場合、他の演出手段で演出を行う構成と比較して、3次元像自体が変化するため、遊技者が3次元像に触れようとした場合の効果を示しやすい。
特徴A14.前記3次元表示実行手段は、前記3次元画像として、前記操作空間において前記操作手段が存在していない領域に仮想操作手段像(仮想操作ボタン像X)を表示するものであることを特徴とする特徴A12又は特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、操作空間に操作手段に対応する3次元表示が行われるため、実際には存在していなくても存在しているかのように思わせることができる。例えば、実際には操作手段の変形等が生じていなくても、あたかも操作手段が操作空間において変形等したかのように思わせることができる。操作手段の変形等とは、操作手段の大きさや形、色などの変化を含むものが考えられる。この場合、3次元表示によっていろいろとできるため、操作手段の操作に対して興味を遊技者に生じさせ、結果として操作手段の操作を積極的に行わせることが可能となる。
また、これらの変形を実際の操作手段自体で行おうとすると、操作手段において複雑な構造や制御機構が必要となる。その点、3次元画像による仮想操作手段像として操作手段の形態が変化したかのように見せるため、その形態の変化は操作手段においての複雑な構造や制御機構を用いずに実施でき、操作手段を変形等させる演出を容易に行うことが可能となる。
また、遊技者がこの操作手段の3次元像を操作しようとすると検知手段によってそれが検知される。これにより、例えばこの操作手段の3次元像の操作に対応する動作が行われた場合にはその演出を行うことができ、遊技の意外性とその現実感を提供することができる。
特徴A15.前記3次元表示実行手段は、前記仮想操作手段像として前記操作手段が大型化されるようにして当該操作手段から延びている像を表示させ、
前記操作状態判定手段は、前記操作空間において前記操作体が前記仮想操作手段像に重複している位置に存在していないことを判定する重複判定手段(音声発光制御装置82のMPU249における準備状態の確認処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、特徴A1で記載した効果を仮想操作手段像による演出でも得ることができる。
特徴A16.前記操作状態判定手段は、前記操作空間において前記操作体が前記操作面と接触する基準位置にあるか否かを判定する接触判定手段(音声発光制御装置82のMPU249による実施状態の確認処理を実行する機能)を備え、
前記操作状態判定手段は、前記仮想操作手段像の仮想操作面(仮想操作面Y)に応じて、前記基準位置を変更する判定基準変更手段(音声発光制御装置82のMPU249によるステップS510及びステップS609の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、特徴A3で記載した効果を仮想操作手段像による演出でも得ることができる。
特徴A17.前記操作状態判定手段は、前記操作空間において前記操作体が前記仮想操作手段像に重複している位置に存在していないことを判定する重複判定手段(音声発光制御装置82のMPU249における準備状態の確認処理を実行する機能)を備え、
前記3次元表示実行手段は、前記操作体による前記仮想操作手段像の押圧操作に対応する動作が行われた場合に、前記重複判定手段の判定結果に基づいて前記仮想操作手段像が前記操作体に重複している位置に存在しないように前記仮想操作手段像を変化させる手段(表示制御装置500の統括CPU510における3次元表示変更処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A14乃至特徴A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、検知手段の検知結果を用いて、仮想操作手段像の押圧操作方向への変化を好適に実現することができる。すなわち、操作体の動作に基づいて仮想操作手段像を変化させる構成において、仮想操作手段像の仮想操作面が操作体と一体的に動作するように見せることができ、操作体の動作に対して仮想操作手段像の変化を違和感なく実現することが可能となる。
特徴A18.前記操作手段は、当該操作手段を設置した設置面に対する前記操作面の高さを変更できる高さ変更手段(昇降装置140)を有しており、
前記3次元表示実行手段は、前記仮想操作手段像について前記設置面に対する前記仮想操作手段像の仮想操作面の高さを変更できるものであり、
前記高さ変更手段により前記操作面の高さを変更する制御と、前記3次元表示実行手段により前記仮想操作面の高さを変更する制御とのうちいずれかを択一的に実施する手段を備えていることを特徴とする特徴A14乃至特徴A17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A18によれば、実際の操作手段が形態変化することを前提に、仮想操作手段像が表示されるため、その仮想操作手段像が実体の無い虚像だとしても、遊技者に違和感なくその存在を分からせることができる。
特徴A19.予め定められた条件が成立したことに基づいて遊技状態を遊技者にとって有利な特別状態へ移行させるか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段の判定結果が移行実施の旨の結果であることに基づいて、遊技状態を前記特別状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
所定の表示演出を実行する演出手段(図柄表示装置41)と、
前記移行判定手段による前記移行判定が行われたことに基づいて前記演出手段により遊技回演出を開始して、前記移行判定手段の判定結果に対応する停止結果となるように当該遊技回演出を終了させる遊技回制御手段(音声発光制御装置82のMPU249における変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記表示手段は、前記演出手段とは別体で設けられているものであることを特徴とする特徴A12乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、遊技回用の表示演出が行われる演出手段を備える遊技機は周知の構成であるものの、この遊技回演出が行われる演出手段とは別に表示手段を設けることで、遊技回演出用の演出手段の構成を特別に変更しなくても、3次元画像を用いた演出による上記の優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A20.前記演出手段を遊技機前面から視認可能となるように設けた遊技盤(遊技盤24)と、
当該遊技盤と対峙することにより遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)を区画する窓部(窓パネル62)と、
を備え、
前記表示手段は前記遊技領域の外に配設され、
前記検知手段は、少なくとも前記表示手段の表示面の前方であって、且つ前記操作手段よりも後方に位置である特定位置(画面限界位置)に前記操作体が存在することを検知可能に構成されており、
前記検知手段によって前記特定位置に前記操作体が存在すると検知された場合に、所定の報知を実行する手段(表示制御装置500の統括CPU510による警告演出用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
特徴A20によれば、表示手段は操作手段の後方位置に設けられているため、操作手段を操作するために遊技者が手を伸ばすと表示手段の表示面に触れ得るものの、操作体が特定位置に存在すると所定の報知が行われるため、表示面に遊技者が触れてしまうことを抑制することができる。
特徴A21.前記演出手段にて前記遊技回演出が開始され、当該遊技回演出が前記移行判定の判定結果に対応する停止結果として終了することを1遊技回とし、
前記3次元表示実行手段は、前記1遊技回において前記3次元画像による演出を実行するか否かを決定する決定手段(音声発光制御装置82のMPU249における特殊ボタン演出抽選処理やキャラ演出抽選処理を実行する機能)を備え、
当該決定手段は、所定期間当たりの前記3次元表示実行手段による前記3次元画像による演出の実行回数を制限する制限手段(音声発光制御装置82のMPU249における特殊ボタン演出制限処理やキャラ演出制限処理を実行する機能)を備えることを特徴とする特徴A19又は特徴A20に記載の遊技機。
特徴A21によれば、3次元画像による演出が頻出することによる3次元画像による演出への飽きを抑制することが可能となる。また、2次元画像と3次元画像とを比較すると3次元画像を見るほうが目の疲れを招きやすいことが考えられ、所定期間当たりの3次元画像による演出の実行回数を制限することにより、3次元画像を連続して見ることによる目の疲れを抑制することが可能となる。
特徴A22.前記3次元表示実行手段は、遊技者の両目の視差を利用して前記3次元画像による演出を実行するものであることを特徴とする特徴A12乃至A20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A22によれば、両目の視差を利用して3次元画像を立体映像として遊技者に認識させるため、立体映像を認識させるための特別なメガネ等を別途用意する必要が生じない。特に遊技機が設置される遊技ホールにおいては、不特定多数の遊技者が遊技を行うため、上記の特別なメガネ等を別途用意する構成とするならば、例えば通常のメガネを着用している遊技者と当該通常のメガネを着用していない遊技者とで、別々の特別なメガネ等を用意する必要がある。また、例えばこのように特別なメガネ等を別々に用意したとしても、わざわざ特別なメガネ等を着用して遊技を行ってくれない可能性もある。この場合、せっかく用意した3次元像による演出が全くの無駄になってしまう。そこで、特別なメガネ等を必要としない構成とすることで、設置の容易化だけでなく、3次元画像による演出を用いて遊技への注目度を高める効果を好適に奏することが可能となる。
特徴A23.遊技機前面部において左右方向の一端側に偏倚させて設けられ遊技者により操作可能な発射ハンドル(発射操作装置28)と、
当該発射ハンドルが操作されることに基づいて、遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
を備え、
前記操作手段は、遊技機前面部において前記発射ハンドルとは逆側に偏倚させて設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A23によれば、発射ハンドルと操作手段とが遊技機前面部においてそれぞれ左右方向の一端側と他端側に配設されるため、遊技者は片手で発射ハンドルを操作したまま操作手段を操作することが可能となる。また、このような構成とすることで、特徴A11のように表示手段を備える構成の場合には、操作手段の操作に伴う表示手段の視認性の低下を抑制することが可能となる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機には、演出実行手段として液晶表示装置といった表示画面を有する表示装置を備えている構成が知られている。また例えば、特許文献1(特開2008−029764号公報)に示すパチンコ遊技機では、遊技機前面に操作装置を設け、大当たり状態の発生を遊技者に期待させるために、遊技者による操作装置の操作に応じた演出を表示画面などにて行うように構成されている。ここで、単に操作手段の操作に応じて演出を行うだけでは、操作が単調になる等して新鮮味が薄れ、操作自体への興味が低下しやすくなると懸念される。また、表示画面にて操作手段の操作に応じた演出を行う場合、離れた箇所で演出が行われることになるため操作手段の操作と表示画面での演出との関連性が低下し得る。かといって、操作手段の周囲で可動物等による演出を行う構成とすると、遊技者によって当該可動物が触れられてしまい可動物の故障が懸念されるし、さらに可動物等を設置するための設置領域の確保という新たな課題も生じ得る。したがって、操作手段を利用して遊技への注目度の向上を図る上では、未だ改善の余地がある。」という課題・技術背景等に鑑みてなされたものである。
特徴B1.予め定められた条件が成立したことに基づいて遊技状態を遊技者にとって有利な特別状態へ移行させるか否かを判定する移行判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段の判定結果が移行実施の旨の結果であることに基づいて、遊技状態を前記特別状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
所定の表示演出を行う第1表示手段(図柄表示装置41)と、
前記移行判定手段による移行判定が行われたことに基づいて前記第1表示手段により遊技回動作を開始して、前記移行判定手段の判定結果に対応する表示として当該遊技回動作を終了させる遊技回制御手段(音声発光制御装置82のMPU249における変動表示制御処理を実行する機能)と、
遊技者により押圧操作される操作面(操作面112)を有する操作手段(ボタン装置110)と、
当該操作手段に対して操作が実施された場合に、その操作に応じた演出を前記第1表示手段により実施する演出実施手段(表示制御装置500の統括CPU510によるコマンド対応処理を実行する機能)と、
を備える遊技機において、
前記第1表示手段とは別体で設けられた第2表示手段(特別表示装置130)を備え、
遊技機前面側に、前記操作手段を操作する場合に遊技者により手などの操作体の変位動作が行われる操作空間(操作空間OE)が設けられており、
前記第2表示手段は当該操作空間を挟んで遊技者と反対側となる位置に設けられており、
前記第2表示手段により、前記操作空間に3次元画像を表示する3次元表示実行手段(表示制御装置500の統括CPU510による特別演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、操作空間は遊技者が手などを移動させて操作手段の押圧操作などを行う領域であり、その領域に3次元画像が表示される。この場合、例えば操作手段の3次元像や第1表示手段による演出で登場するキャラクタの3次元像などをこの操作空間に表示させることで斬新な演出とすることができる。
特に、操作手段を操作するとその操作に対応する演出が、遊技回用の演出(特別状態に移行するか否かの演出)が行われる第1表示手段にて行われる。このような遊技機においては、一般的に操作手段の操作そのものよりも、操作手段を操作したことに基づいて行われる第1表示手段側の演出、すなわち第1表示手段側に高い関心が寄せられている。とすると、せっかく操作手段を設けてもその操作の新鮮味が薄れ、操作手段を操作するという演出自体への興味が低下しやすくなる。そこで本遊技機では、操作空間にて3次元画像による像を表示させる構成とすることで、遊技者が操作手段を操作しようとしてこの操作空間に手などを移動すると、その領域に像が表示されているため、操作手段を操作するという演出における意外性を高めることができる。
この場合、遊技者にこの3次元画像による像を触らせようとする、という新たな演出を提供することが可能である。そして、この演出において遊技者の手などの動作は操作空間内にて行われることになる。上記のとおり操作空間は操作手段を操作するために確保されている領域であり、新たに追加する上記の演出のために別途その空間を確保する必要が生じず、遊技機という限られたスペースの有効活用という観点からも好ましい。
さらに、この操作空間において演出を行う構成として、可動物等を登場させる構成と比較して、3次元画像による像によって演出を行うため可動物等の破損の心配がなく、遊技機のメンテナンスの容易化という観点からも好ましい。
以上の結果、遊技の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴B2.前記3次元表示実行手段は、前記3次元画像として、前記操作空間において前記操作手段が存在していない領域に仮想操作手段像(仮想操作ボタン像X)を表示するものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、操作空間に操作手段に対応する3次元表示が行われるため、実際には存在していなくても存在しているかのように思わせることができる。例えば、実際には操作手段の変形等が生じていなくても、あたかも操作手段が操作空間において変形等したかのように思わせることができる。操作手段の変形等とは、操作手段の大きさや形、色などの変化を含むものが考えられる。この場合、3次元表示によっていろいろとできるため、操作手段の操作に対して興味を遊技者に生じさせ、結果として操作手段の操作を積極的に行わせることが可能となる。
特に、仮想操作手段像を操作空間に表示する構成としていることから、この操作空間は遊技者らが手などを動かすために他の部材等を設けられておらず、このような他の部材等が邪魔をして遊技者がその仮想操作手段像をうまく視認することができないといった不都合が生じない。
また、これらの変形を実際の操作手段自体で行おうとすると、操作手段において複雑な構造や制御機構が必要となる。その点、3次元画像による仮想操作手段像として操作手段の形態が変化したかのように見せるため、その形態の変化は操作手段においての複雑な構造や制御機構を用いずに実施でき、操作手段を変形等させる演出を容易に行うことが可能となる。
特徴B3.前記3次元表示実行手段は、前記仮想操作手段像として前記操作手段が大型化されるようにして当該操作手段から延びている像を表示させるものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、特徴B2の遊技機において、仮想操作手段像として操作手段大型化させたものが表示される。ここで、操作手段を大型化させる構成としてそれを機械的に実現する構成とすると、以下の点で好ましくない。すなわち、第1に、操作手段自体をその変化後の大きさで遊技機内部に収容しておく必要があるため、限られたスペースの遊技機における操作手段の設置領域確保という観点から好ましくない。また第2に、押圧操作される方向とは逆方向に操作手段の大きさを変化させることになるため、仮に当該変化後の操作手段が押圧操作されなかった場合には、変化前の操作手段の大きさに戻すために遊技者による押圧操作を伴わずに押圧操作される方向へ駆動制御する機構を用意しておく必要が生じ、制御機構の複雑化という観点から好ましくない。これに対して、特徴B3の構成によれば、3次元画像によってあたかも操作手段の大きさが変化したかのように見せるため、上記のような不都合は生じ得ない。
特徴B4.遊技機前面部において前記第2表示手段が設けられる第1壁部(第1壁部68a)と、この第1壁部と交差し、前記操作空間を側方から囲む位置に設けられる第2壁部(第2壁部68b)と、を有することを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、少なくとも第2壁部によって、第2表示手段が3次元画像を表示する操作空間の側方が囲まれた状態となるため、当該側方からの光りの入り込みを抑制することができる。特に第2表示手段自体は照度が高ければ高いほど視認性は向上する一方で、遊技機に設けられる演出用の各種発光部や、遊技機が設置される遊技ホールの照明などによって、第2表示手段や操作空間への光りの入り込みによって上記の視認性の低下が懸念される。そこで、当該操作空間を側方から囲むように第2壁部を設けることで、少なくともその側方からの光りの入り込みを抑制し、第2表示手段の視認性を向上することが可能となる。
特徴B5.前記操作空間を検知エリアとして前記操作体の存在を検知する検知手段(センサ装置120)を備え、
前記3次元表示実行手段は、当該検知手段の検知結果に基づいて、前記3次元画像の表示態様を変化させる変化手段(表示制御装置500の統括CPU510における3次元表示変更処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、3次元画像が表示される操作空間に操作体が存在する場合には、検知手段によってそれを特定することができる。そして、その検知結果に基づいて、3次元画像の表示態様が変化する。すなわち、例えば遊技者が3次元像に触れようとした場合には、それが特定されて3次元画像の表示態様が変化する。これにより、演出の多様化を図ることができる。
特徴B6.前記3次元表示実行手段は、前記3次元画像として、前記操作空間において前記操作手段が存在していない領域に仮想操作手段像(仮想操作ボタン像X)を表示するものであり、
前記変化手段は、前記操作体の動作に対応させて前記仮想操作手段像を前記操作手段の押圧操作方向に変化させるものであり、
前記検知手段は、複数の検知部(センサ121)を有しており、
当該各検知部は、前記検知エリア内において、前記押圧操作方向における検知の範囲が各々異なっており、
前記各検知部の検知結果に基づいて、前記操作体により、前記仮想操作手段像の押圧操作に対応する動作が行われたことを特定する特定手段(音声発光制御装置82のMPU249におけるボタン用操作対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、遊技者が3次元画像の仮想操作手段像を操作しようとすると、押圧操作方向に並んだ複数の検知の範囲を有する各検知部の検知結果を用いて、その操作体の動作を特定することができる。この場合、仮想操作手段像は、変化手段によって押圧操作方向に変化する。このようにすることで、遊技者に、あたかも仮想操作手段を操作していると思わせることが可能となる。
特徴B7.前記検知手段は、前記各検知部の各々の検知の範囲に前記操作体が存在するか否かを把握し、前記操作体が存在するとして把握した検知部と前記操作体が存在しないとして把握した検知部との境界を特定することで、前記操作体の前記検知エリア内における前記押圧操作方向の位置を特定するものであることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、それぞれの検知部において操作体が存在するか否かを把握した結果を用いて、操作体の押圧操作方向における位置を特定することができる。そして、その位置を各検知部の境界から特定することで、かかる境界の移動を把握すれば操作体が押圧操作方向において移動したことも特定することができる。
ここで例えば、実体のある操作手段であれば、操作手段の押圧操作を把握するには操作手段自体に検知手段を設ければよい。しかし、仮想操作手段像は操作空間において実体は存在せず、この実体のない仮想操作手段自体に検知手段を設けることができない。そこで、本構成では仮想操作手段自体ではなく、仮想操作手段を押圧操作しようとする操作体の動作を把握して仮想操作手段の押圧操作に対応する動作が行われた場合にそれに対応するよう仮想操作手段自体を変化させようとするものである。
この場合、操作体の動作を把握する構成としては、カメラなどの画像処理も考えられるが処理負荷の増加や製造コストの増加が懸念される。これに対して、本構成であれば、各検知部では検知の範囲に操作体が存在するか否かによって切り替わる情報(例えばON/OFFの状態)を把握すればよく、またその境界の特定も容易に可能であり処理負荷の極端な増加は発生しない。また、各検知部も例えば赤外線センサなどの汎用品を使用することができるので製造コストの増加も抑えることができる。よって、3次元画像の仮想操作手段像を用いた演出を好適に実現することができる。
特徴B8.前記特定手段は、前記操作空間において前記操作体が前記仮想操作手段像に重複している位置に存在していないことを判定する重複判定手段(音声発光制御装置82のMPU249における実施状態の確認処理を実行する機能)を備え、
前記変化手段は、前記操作体による前記仮想操作手段像の押圧操作に対応する動作が行われた場合に、前記重複判定手段の判定結果に基づいて前記仮想操作手段像が前記操作体に重複している位置に存在しないように前記仮想操作手段像を変化させるものであることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、押圧操作方向に異なる検知の領域を有する検知手段の検知結果を用いて、仮想操作手段像の押圧操作方向への変化を好適に実現することができる。すなわち、操作体の動作に基づいて仮想操作手段像を変化させる構成において、仮想操作手段像が操作体と一体的に動作するように見せることができ、操作体の動作に対して仮想操作手段像の変化を違和感なく実現することが可能となる。
特徴B9.前記特定手段は、前記操作空間において前記操作体が前記仮想操作手段像に重複している位置に存在していないことを判定する重複判定手段(音声発光制御装置82のMPU249における実施状態の確認処理を実行する機能)と、
前記仮想操作手段像の押圧操作を遊技者に実施させるよう操作指示を行う操作指示手段(表示制御装置500の統括CPU510における操作開始演出用処理を実行する機能)と、
前記操作指示手段による前記操作指示が行われている状況で、前記重複判定手段により前記操作体が前記仮想操作手段像に重複している位置に存在していないことが判定されている場合には、押圧操作の前の状態の操作準備状態として特定する手段(音声発光制御装置82のMPU249における準備状態の確認処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B7又は特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、遊技機による操作指示に従って、遊技者が仮想操作手段像を操作しようと手などの操作体を移動した場合にそれを把握することができる。また、操作指示に従わないことも把握することができる。これにより、遊技者による仮想操作手段像の押圧操作の準備の状態に応じた演出を行うことができる。押圧操作の準備の状態に応じた演出とは、例えば、上記のように操作指示に従わない場合には、再度操作を促すような演出や、操作指示に従って操作空間内に手などを移動した場合には、具体的な押圧操作を実施させるような指示内容の演出が考えられる。このように、押圧操作の準備の状態に応じた演出を行うことで、押圧操作の有無による演出の変化に加えて、その準備の有無による演出の変化も加えることができ、演出の多様化を図ることができる。
特徴B10.前記特定手段は、前記操作体が、前記操作準備状態から、前記仮想操作手段像が押圧操作された位置に移動せずに前記操作空間に存在しなくなったことを判定する手段(音声発光制御装置82のMPU249によるステップS905〜ステップS911の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、操作指示に従って遊技者が操作準備状態の位置に手などを移動した後に、押圧操作せずに心変わりするなどで操作準備状態の位置から手を移動した場合には、それを把握することができ、例えばそれに応じた演出を行うことができる。これにより、遊技者の動作と演出との連帯感を高め、遊技の注目度をより一層高めることができる。
特徴B11.前記特定手段は、前記操作準備状態において前記操作体の動作速度を把握する速度把握手段(音声発光制御装置82のMPU249によるステップS1204〜ステップS1209の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B9又は特徴B10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、操作準備状態、すなわち仮想操作手段像を押圧操作する前段階の所謂予備動作の動作速度によって、演出実行手段による演出の内容を異ならせることが可能となる。この場合、例えば、予備動作の動作速度が速い場合には演出を派手にすると、動作と演出との一体性を高めることができるため遊技への注目度を高めることが可能となり、逆に予備動作の動作速度が速い場合には次回はゆっくりと操作するよう促す演出とすると、操作手段自体の故障や破損を抑制することが可能となる。
特に、仮想操作手段像の操作に対応する動作の動作速度ではなく、上記のように予備動作の動作速度によって演出の内容を異ならせる構成であるため、仮想操作手段像の操作に対応する動作が行われるよりも前に仮想操作手段像の操作に対応する動作が行われた場合の演出を決定することができ、処理に要する時間に猶予が生じる。このため、極度な処理負荷の増加を抑制することができる。
特徴B12.前記特定手段は、前記操作空間において前記操作体が前記仮想操作手段像に重複している位置に存在していないことを判定する重複判定手段(音声発光制御装置82のMPU249における実施状態の確認処理を実行する機能)を備え、
前記変化手段は、前記操作体による前記仮想操作手段像の押圧操作に対応する動作が行われた場合に、前記重複判定手段の判定結果に基づいて前記仮想操作手段像が前記操作体に重複している位置に存在しないように前記仮想操作手段像を変化させるものであり、
前記仮想操作手段像の押圧操作を複数回に亘って遊技者に実施させるよう連続操作の指示を行う連続操作指示手段(音声発光制御装置82のMPU249による例えばステップS513やステップS612などボタン演出における連発演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記連続操作指示手段により前記連続操作の指示が行われている期間において、前記操作体が前記操作空間から移動した場合に、連続操作の継続を促す再操作の指示を行わせる手段(音声発光制御装置82のMPU249によるステップS908〜ステップS911の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B6乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B12によれば、押圧操作を複数回に亘って遊技者に実施させる場合に、例えば遊技者が途中で押圧操作をやめてしまった場合などは、連続操作の継続を促す再操作の指示が行われる。この場合、操作空間から操作体が移動した場合に再操作の指示が行われる構成としているため、例えば(操作空間に手が存在して)遊技者としては連続操作の継続の意思があるにもかかわらず再操作の指示が行われてしまうといった不都合を回避することができる。
特徴B13.前記操作手段は、当該操作手段を設置した設置面に対する前記操作面の高さを変更できる高さ変更手段(昇降装置140)を有しており、
前記3次元表示実行手段は、前記3次元画像として、前記操作空間において前記操作手段が存在していない領域に仮想操作手段像(仮想操作ボタン像X)を表示するものであって、前記仮想操作手段像について前記設置面に対する前記仮想操作手段像の仮想操作面の高さを変更できるものであり、
前記高さ変更手段により前記操作面の高さを変更する制御と、前記3次元表示実行手段により前記仮想操作面の高さを変更する制御とのうちいずれかを択一的に実施する手段を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B13によれば、実際の操作手段が形態変化することを前提に、仮想操作手段像が表示されるため、その仮想操作手段像が実体の無い虚像だとしても、遊技者に違和感なくその存在を分からせることができる。
特徴B14.前記3次元表示実行手段は、遊技者の両目の視差を利用して前記3次元画像による演出を実行するものであることを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B14によれば、両目の視差を利用して3次元画像を立体映像として遊技者に認識させるため、立体映像を認識させるための特別なメガネ等を別途用意する必要が生じない。特に遊技機が設置される遊技ホールにおいては、不特定多数の遊技者が遊技を行うため、上記の特別なメガネ等を別途用意する構成とするならば、例えば通常のメガネを着用している遊技者と当該通常のメガネを着用していない遊技者とで、別々の特別なメガネ等を用意する必要がある。また、例えばこのように特別なメガネ等を別々に用意したとしても、表示手段の演出自体は遊技結果に影響を及ぼさないため、わざわざ特別なメガネ等を着用して遊技を行ってくれない可能性もある。この場合、せっかく用意した3次元像による演出が全くの無駄になってしまう。そこで、特別なメガネ等を必要としない構成とすることで、設置の容易化だけでなく、3次元画像による演出を用いて遊技への注目度を高める効果を好適に奏することが可能となる。
特徴B15.遊技機前面部において左右方向の一端側に偏倚させて設けられ遊技者により操作可能な発射ハンドル(発射操作装置28)と、
当該発射ハンドルが操作されることに基づいて、遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
を備え、
前記操作手段は、遊技機前面部において前記発射ハンドルとは逆側に偏倚させて設けられていることを特徴とする特徴B1乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B15によれば、発射ハンドルと操作手段とが遊技機前面部においてそれぞれ左右方向の一端側と他端側に配設されるため、遊技者は片手で発射ハンドルを操作したまま操作手段を操作することが可能となる。また、このような構成とすることで、操作手段の操作に伴う第2表示手段の視認性の低下を抑制することが可能となる。
<特徴C群>
以下の特徴C群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機には、遊技機前方から視認可能となる部位に配され、遊技の進行に伴って演出を行う例えば液晶表示装置といったように、表示部を有する表示装置が搭載されたものが知られている(例えば、特開2002−78904号公報)。これら表示装置においては、演出用の図柄の変動態様等を多様化することで遊技中の演出効果を高められている。しかしながら、演出の多様化を図るには限度があり、注目度の向上を図る上では、未だ改善の余地がある。」という課題・技術背景等に鑑みてなされたものである。
特徴C1.予め定められた条件が成立したことに基づいて遊技状態を遊技者にとって有利な特別状態へ移行させるか否かを判定する移行判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段の判定結果が移行対応結果であることに基づいて、遊技状態を前記特別状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
所定の表示演出を行う第1表示手段(図柄表示装置41)と、
前記移行判定手段による移行判定が行われたことに基づいて前記第1表示手段にて遊技回動作を開始して、前記移行判定手段の判定結果に対応する表示として当該遊技回動作を終了するように前記第1表示手段を制御する遊技回制御手段(音声発光制御装置82のMPU249における変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記第1表示手段が設けられる遊技盤(遊技盤24)と、
当該遊技盤と対峙することにより遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)を区画する窓部(窓パネル62)と、
を備える遊技機において、
遊技の進行に関する所定の演出表示を行う第2表示手段を備え、
当該第2表示手段は、前記第1表示手段とは別体で前記遊技領域の外の遊技機前面部に設けられ、
前記第2表示手段よりも遊技者側の空間を検知エリアに含むように設けられた検知手段を備え、
前記検知手段は、前記検知対象と前記第2表示手段との間隔が予め定められた所定距離となったことを検知する所定距離検知手段(音声発光制御装置82のMPU249におけるステップS1202やステップS1302の処理を実行する機能)を備え、
当該所定距離検知手段の検知結果に基づいて所定の報知を実行する所定距離報知手段(表示制御装置500の統括CPU510における警告演出用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技回動作用の第1表示手段とは別途第2表示手段が設けられており、この第2表示手段は、遊技領域外に設けられているため、遊技機前面部を全体的に使用して演出を行うことが可能となる。第1表示手段は窓部により区画された遊技領域内に設けられているため、遊技者が手などで第1表示手段を触れることはできないが、第2表示手段は遊技領域外に設けられているため、手などで触れ得る。この場合、遊技者が第2表示手段を触れることによる汚れや故障が懸念される。しかし、特徴C1の遊技機では、さらに第2表示手段よりも遊技者側を検知範囲に含むように設定された検知手段を備えており、検知対象である遊技者の手が第2表示手段まで所定距離の位置に到達すると所定の報知が行われる。したがって、所定の報知として遊技者に対する警告等を行うことで、上記懸念される特別表示手段の汚れや故障を抑制しつつ、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
上記特徴C1に対して、特徴A1乃至A23及び特徴B1乃至B15のいずれかにおいて限定した構成を適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。