以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す遊技機(カード球貸ユニットを併設したCR機)全体の構成を示す正面図で、図2は制御系のブロック図である。
遊技機(パチンコ遊技機)1の前面枠3は本体枠(外枠)4にヒンジ5を介して開閉回動可能に組み付けられ、遊技盤6は前面枠3の裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。
遊技盤6の表面には、変動表示装置(変動表示手段)8、大入賞口を備えた変動入賞装置10、一般入賞口11〜15、始動口16、普通図柄始動ゲート27A、27B、普通図柄表示器7、普通変動入賞装置9(補助入賞手段)等が配設された遊技領域が形成される。前面枠3には、遊技盤6の前面を覆うカバーガラス18が取り付けられている。
変動表示装置(表示装置)8は、表示領域に、例えば、左、中、右の三つの表示図柄(識別情報)が表示される。これらの表示図柄には、例えば「0」〜「9」までの各数字と、「A」〜「E」のアルファベット文字等が割り当てられている。
変動表示装置8は、始動口16へ遊技球の入賞があると、前述した数字、文字で構成される表示図柄が順に表示される。始動口16への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、大当たり状態(特別遊技状態)となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、変動入賞装置10の大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ大きく開き、多くの遊技球を獲得することができる。
この始動口16への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ52(図2参照)で検知される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、入賞検出時点での遊技制御装置100(図2参照)内に備えられた特別図柄乱数カウンタの値)は、特別図柄入賞記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(特別図柄乱数記憶領域)に、最大で連続した所定回分を限度に記憶される。この特別図柄入賞記憶の記憶数は、変動表示装置8の下側に設けられた複数のLEDからなる特別図柄記憶状態表示器17に表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶に基づいて、変動表示装置8にて変動表示ゲームを行う。
普通図柄表示器7は、普通図柄始動ゲート27A、27Bへ遊技球の入賞があると、普通図柄(例えば一つの数字からなる図柄)の変動表示を始める。普通図柄始動ゲート27A、27Bへの入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄(当たり番号)で停止する。このとき、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置9が所定の時間(例えば0.5秒)だけ大きく開き、遊技球の始動口16への入賞可能性が高められる。
この普通図柄始動ゲートへの遊技球の通過は、普通図柄始動センサ53A、53B(図2参照)で検知される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、遊技制御装置100内に備えられた普通図柄乱数カウンタの通過検出時点での値)は、普通図柄入賞記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(普通図柄乱数記憶領域)に、所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄入賞記憶の記憶数は、普通図柄表示器7の左右に設けられた複数のLEDからなる普通図柄記憶状態表示器19に表示される。遊技制御装置100は、普通図柄入賞記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。なお、普通図柄記憶状態表示器19の記憶数は任意の値に設定される。
前面枠3の下部の開閉パネル20には球を打球発射装置に供給する上皿21が、固定パネル22には下皿23及び打球発射装置の操作部24等が配設される。
カバーガラス18の上部の前面枠3には、点灯により球の排出の異常等の状態を報知する第1報知ランプ31、第2報知ランプ32(図2参照)が設けられている。
カード球貸ユニット用の操作パネル26には、カードの残高を表示するカード残高表示部(図示省略)と、球貸しを指令する球貸しスイッチ28と、カードの返却を指令するカード返却スイッチ30等が設けられている。
カード球貸ユニット2には、前面のカード挿入部25に挿入されたカード(プリペイドカード等)のデータの読込、書込等を行うカードリーダライタと球貸制御装置が内蔵され、カード球貸ユニット用の操作パネル26は遊技機1の上皿21の外面に形成される。
図2は、遊技制御装置100を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM、遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103、発振器104等から構成される。
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(特別図柄始動センサ14、一般入賞口センサ17A〜17N、カウントセンサ15、継続センサ16S、普通図柄始動センサ21)からの検出信号を受けて、大当たり抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース103を介して、各種制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)、大入賞口ソレノイド36、普通電動役物ソレノイド90、普通図柄表示器7等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号またはカード球貸ユニット2からの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し、賞球または貸球の排出を行わせる。
装飾制御装置250は、遊技制御装置100からの装飾指令信号に基づいて、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置を制御すると共に、特別図柄記憶表示器(特図保留LED)18、普通図柄記憶表示器19の表示を制御する。
音制御装置300は、スピーカからの効果音出力を制御する。なお、遊技制御装置100から、各種従属制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)への通信は、遊技制御装置100から従属制御装置に向かう単方向通信のみが許容されるようになっている。これにより、遊技制御装置100に従属制御装置側から不正な信号が入力されることを防止することができる。
表示制御装置150は、3次元画像の表示制御を行うもので、CPU(中央演算手段)151、VDC(Video Display Controllerまたは描画演算手段)156、プログラム等を格納したROM152、ワークエリアを格納するRAM153、インターフェース154、画像の形状や模様を定義するデータ(スプライトデータ、ポリゴンデータ、テクスチャデータ等)を格納したフォントROM157、RAM153等への書込読み出しを制御するDMAC(Direct Memory Access Controller)155、同期信号(基準クロック)やストローブ信号等を発生させるための発振器158等から構成される。なお、発振器158は、水晶振動子やオッシレータなどで構成される。
CPU151は、ROM152に格納したプログラムを実行し、遊技制御装置100からの信号に基づいて、変動表示装置8にて所定の変動表示ゲームを行うために、VDC156へ必要な制御情報(スプライトデータやポリゴンデータが格納されている領域のアドレス値、画像を構成する画素の色彩指定の番号、画像を出力する座標位置、など)を設定するものである。なお、CPU151は、変動表示ゲームの進行に合わせて、その都度、これらの制御情報を演算し、これらの演算結果をVDC156の制御情報としてRAM153の所定の領域に格納する。
VDC156は、RAM153に格納されている制御情報に基づいて、実際に表示される画像を生成し、所定のタイミング(垂直同期信号V_Sync、L/R信号、水平同期H_Sync)でLCD側(合成変換装置170)へ送信する。
なお、フォント(キャラクタ)ROM157には、変動表示ゲームに用いる識別情報などの各図柄、背景、キャラクタ等のスプライトデータまたはポリゴンデータ、テクスチャデータ等が格納されている。
VDC156が行う描画処理は、2次元と3次元の点描画、線描画、スプライト描画、トライアングル描画、ポリゴン描画を行い、さらに、テクスチャマッピング、アルファブレンディング、シェーディング処理、陰面消去(Zバッファ処理など)を行って、γ補正回路159を介して画像信号を合成変換装置170に出力する。
VDC156には、クロック信号を供給する発振器158が接続されている。発振器158が生成するクロック信号は、VDC156の動作周期を規定し、VDC156から出力される信号、例えば、垂直同期信号(V_SYNC)と、水平同期信号(H_SYNC)を生成し、合成変換装置170及び変動表示装置8へ出力される。
VDC156からの画像信号は、γ補正回路159に入力された後に合成変換装置170へ出力される。このγ補正回路159では、変動表示装置8の信号電圧に対する照度の非線形特性を補正して、変動表示装置の表示照度を調整する。
また、表示制御装置150のCPU151は、発振器158のクロック信号に基づいて、合成変換装置170へ出力する画像データ(RGB)が、左目用の画像または右目用の画像の何れであるかを識別するL/R信号を出力する。
さらに、CPU151は、変動表示の状態(例えば、通常の変動表示ゲームか、大当たり中の表示か等)や遊技の状態に基づいて、変動表示装置8の発光量(輝度)を制御するため、デューティ制御信号DTY_CTRを発振器158のクロック信号に基づいて生成し、変動表示装置8へ出力する。
次に、合成変換装置170は、右目用フレームバッファ、左目用フレームバッファ及び立体視用フレームバッファが設けられており、VDC156から送られてきた右目用画像を右目用フレームバッファに書き込み、左目用画像を左目用フレームバッファに書き込む。そして、右目用画像と左目用画像とを合成して立体視用画像を生成して立体視用フレームバッファに書き込んで、立体視用画像データをRGB信号として画像表示装置に出力する。
この右目用画像と左目用画像との合成による立体視用画像の生成は、微細位相差板802に貼り付けられた1/2波長板821の間隔毎に、右目用画像と左目用画像と組み合わせる。具体的には、本実施の形態の画像表示装置の微細位相差板802の1/2波長板821は液晶表示パネル804の表示単位の間隔で配置されているので、液晶表示パネル804の表示単位の横方向ライン(走査線)毎に右目用画像と左目用画像とが交互に表示されるように立体視用画像を表示する。
L信号出力中にVDC156から送信されてきた左目用画像データを左目用フレームバッファに書き込み、R信号出力中にVDC156から送信されてきた右目用画像データを右目用フレームバッファに書き込む。そして、左目用フレームバッファに書き込まれた左目用画像データと、右目用フレームバッファに書き込まれた右目用画像データとを走査線一本毎に読み出して、立体視用フレームバッファに書き込む。
変動表示装置8内には液晶ドライバ(LCD DRV)181、バックライトドライバ(BL DRV)182が設けられている。液晶ドライバ(LCD DRV)181は、合成変換装置170から送られてきたV BLANK信号、V_SYNC信号、H_SYNC信号及びRGB信号に基づいて、液晶表示パネルの電極に順次電圧をかけて、液晶表示パネルに立体視用の合成画像を表示する。
バックライトドライバ182は、CPU151から出力されたDTY_CTR信号に基づいて発光素子(バックライト)810に加わる電圧のデューティー比を変化させて、液晶表示パネル804の明るさを変化させる。
図3は、変動表示装置8の光学系の構成を示す説明図で、光源801は、発光素子810、偏光フィルタ(偏光手段)811、フレネルレンズ812によって構成されている。発光素子810には白色発光ダイオード(LED)等の点光源を用いたり、冷陰極管等の線光源を水平に配置して構成されている。偏光フィルタ811は、右側領域811aと左側領域811bとで透過する光の偏光が異なる(例えば、右側領域811aと左側領域811bとで透過する光の偏光を90度ずらす)ように設定されている。
発光素子810から放射された光は、偏光フィルタ811によって一定の偏光の光のみが透過される。すなわち、発光素子810から放射された光のうち、偏光フィルタ811の左側領域811bを通過した光と、右側領域811aを通過した光とが異なる偏光の光としてフレネルレンズ812に照射される。後述するように、偏光フィルタ811の左側領域811bを通過した光は観察者の右目に到達し、右側領域811aを通過した光は観察者の左目に到達するようになっている。
なお、発光素子と偏光フィルタを用いなくても、異なる偏光の光を異なる位置から照射するように構成すればよく、例えば、異なる偏光の光を発生する発光素子を二つ設けて、異なる偏光の光を異なる位置からフレネルレンズ812に照射するように構成してもよい。
偏光フィルタ811を透過した光はフレネルレンズ812に照射される。フレネルレンズ812は凸レンズであり、フレネルレンズ812では発光素子810から拡散するように放射された光の光路を略平行に屈折し、微細位相差板802を透過して、液晶表示パネル804に照射する。
このとき、微細位相差板802を透過して照射される光は、上下方向に広がることがないように出射され、液晶表示パネル804に照射される。すなわち、微細位相差板802の特定の領域を透過した光が、液晶表示パネル804の特定の表示単位の部分を透過するようになっている。
また、液晶表示パネル804に照射される光のうち、偏光フィルタ811の右側領域811aを通過した光と左側領域811bを通過した光とは、異なる角度でフレネルレンズ812に入射し、フレネルレンズ812で屈折して左右異なる経路で液晶表示パネル804から放射される。
液晶表示パネル804は、2枚の透明板(例えば、ガラス板)の間に所定の角度(例えば、90度)ねじれて配向された液晶が配置されており、例えば、TFT型の液晶表示パネルを構成している。液晶表示パネルに入射した光は、液晶に電圧が加わっていない状態では、入射光の偏光が90度ずらして出射される。一方、液晶に電圧が加わっている状態では、液晶のねじれが解けるので、入射光はそのままの偏光で出射される。
液晶表示パネル804の光源1側には、微細位相差板802及び偏光板803が配置されており、遊技者(観察者)側には、偏光板805が配置されている。
微細位相差板802は、透過する光の位相を変える領域が、微細な間隔で繰り返して配置されている。具体的には、光透過性の基材822に、微細な幅の1/2波長板821が設けられた領域802aと、1/2波長板821の幅と同一の微細な間隔で、1/2波長板821が設けられていない領域802bとが微細な間隔で繰り返して設けられている。すなわち、設けられた1/2波長板によって透過する光の位相を変える領域802aと、1/2波長板821が設けられていないために透過する光の位相を変えない領域802bとが微細な間隔で繰り返して設けられている。この1/2波長板821は、透過する光の位相を変化させる位相差板として機能している。
1/2波長板821は、その光学軸を偏光フィルタ811の右側領域811aを透過する光の偏光軸と45度傾けて配置して、右側領域811aを透過した光の偏光軸を90度回転させて出射する。すなわち、右側領域811aを透過した光の偏光を90度回転させて、左側領域811bを透過する光の偏光と等しくする。
この微細位相差板802の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル804の表示単位と略同一のピッチとして、表示単位毎(すなわち、表示単位の横方向の水平ライン毎)に透過する光の偏光が異なるようにする。よって、液晶表示パネル804の表示単位の水平ライン(走査線)毎に対応する微細位相差板802の偏光特性が異なるようになって、水平ライン毎に出射する光の方向が異なる。
あるいは、微細位相差板802の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル804の表示単位のピッチの整数倍のピッチとして、微細位相差板802の偏光特性が複数の表示単位毎(すなわち、複数の表示単位の水平ライン毎)に変わるようにして、複数の表示単位毎に透過する光の偏光が異なるように設定してもよい。この場合において、液晶表示パネル804の表示単位の水平ライン(走査線)の複数本毎に微細位相差板の偏光特定が異なって、水平ラインの複数本毎に出射する光の方向が異なるようになる。
このように、微細位相差板802の偏光特性の繰り返し毎に異なる光を液晶表示パネル804の表示素子(水平ライン)に照射する必要があるため、微細位相差板802を透過して液晶表示パネル804に照射される光は、上下方向の拡散を抑制したものである必要がある。
すなわち、微細位相差板802の光の位相を変化させる領域802aは、偏光フィルタ811の右側領域811aを透過した光を、左側領域811bを透過した光の偏光と等しい傾きの光に変えて透過する。また、微細位相差板802の光の位相を変化させない領域802bは、偏光フィルタ811の左側領域811bを透過した光をそのまま透過する。そして微細位相差板802を出射した光は、左側領域811bを透過した光と同じ偏光を有して、液晶表示パネル804の光源側に設けられた偏光板803に入射する。
偏光板803は、偏光フィルタ811の左側領域811bを透過した光と同一の偏光の光を透過する偏光特性を有する。すなわち、偏光フィルタ811の左側領域811bを透過した光は、微細位相差板802の光の位相を変化させない領域802bを透過してそのまま偏光板803を透過し、偏光フィルタ811の右側領域811aを透過した光は、微細位相差板802の光の位相を変化させる領域802aを透過する際に偏光軸を90度回転させられて偏光板803を透過する。したがって、微細位相差板802と偏光板803とを組み合わせることにより、偏光フィルタ811の左側領域811bを透過した偏光の光を透過する領域と、この偏光と90度ずれた偏光の光を透過する領域とを、縦方向に繰り返して設けた第1偏光板を構成することができる。また、偏光板805は第2偏光板として機能し、偏光板803と90度異なる偏光の光を透過する偏光特性を有する。
デフューザ806は、偏光板805の前面側(観察者側)に取り付けられており、液晶表示パネルを透過した光を上下方向に拡散する拡散手段として機能する。具体的には、縦方向にかまぼこ状の凹凸が繰り返し設けられたレンチキュラーレンズを用い液晶表示パネルを透過した光を、上下に拡散する。
なお、レンチキュラーレンズに代わって縦方向により強い拡散指光性を持つマット状拡散面を設けたものであってもよい。液晶表示パネル804を透過するまで上下方向の拡散を抑制したことにより視野角が狭くなっていることを改善することができる。
図4は、本発明の実施の形態の画像表示装置の微細位相差板802を示す正面図である。
微細位相差板802は、1/2波長板が設けられており、透過する光の偏光を変える領域が、所定の間隔毎に微細な間隔で繰り返し連続して配置されている。この繰り返し連続して配置される領域に入射する光の偏光は、各々偏光フィルタ811の右側領域811a、左側領域811bで異なり、透過する光の偏光を変える領域では、入射光の偏光軸を90度回転させて出射する。この微細位相差板802の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル804の表示単位と略同ピッチとしてある。
すなわち、偏光フィルタ811の右側領域811aを透過して、微細位相板で偏光軸を90度回転させられた光と、偏光フィルタ811の左側領域811bを透過して、微細位相板802をそのまま透過した光の偏光軸が等しくなり、これらの光が第2偏光板を透過する。微細位相差板802の、透過する光の偏光を変える領域と、透過する光の偏光を変えない領域とは、液晶表示パネル804の表示単位の水平ライン毎に繰り返し連続して配置されているので、微細位相差板802と第2偏光板803とを透過した光は、水平ライン毎に異なる方向へ向かう同一の偏光の光となる。
なお、前述したように、微細位相差板802の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル804の表示単位のピッチの整数倍のピッチとして、微細位相差板802の偏光特性が複数の表示単位毎に変わるようにして、複数の表示単位毎に透過する光の偏光が異なるようにしてもよい。
図5は、変動表示装置8の光学系を示す平面図である。
発光素子810から放射された光は偏光フィルタ811を透過して放射状に広がっている。光源から放射された光のうち偏光フィルタ811の右側領域811aを透過した光は、フレネルレンズ812に到達し、フレネルレンズ812で光の進行方向を変えられて、微細位相差板802、液晶表示パネル804、偏光板805に到達し、これらを略垂直(やや左側から右側)に透過して左目に至る。
一方、光源から放射された光のうち偏光フィルタ811の左側領域811bを透過した光は、フレネルレンズ812に到達し、フレネルレンズ812で光の進行方向を変えられて、微細位相差板802、液晶表示パネル804、偏光板805に到達し、これらを略垂直(やや右側から左側)に透過して右目に至る。
このように、発光素子810から放射され偏光フィルタ811と透過した光を光学手段としてのフレネルレンズ812によって、液晶表示パネル804に略垂直に照射し、発光素子810、偏光フィルタ811及びフレネルレンズ812によって、偏光面が異なる光を略垂直に、かつ、異なる経路で液晶表示パネル804に照射する光源1を構成し、液晶表示パネル804を透過した光を異なる経路で放出して、右目又は左目に到達させる。すなわち、液晶表示パネル804の走査線ピッチと、微細位相差板2の偏光特性の繰り返しピッチとを等しくして、液晶表示パネル804の走査線ピッチ毎に異なる方向から到来した光が照射され、異なる方向に光を出射する。
図6は遊技の流れ図を示し、以下、この図に従って遊技の概要を説明する。
まず、遊技開始当初(あるいは遊技開始前)の時点では、客待ち状態となっており、客待ち画面の表示を指令する信号が遊技制御装置100から表示制御装置150に送信され、変動表示装置8の表示面には客待ち画面(動画または静止画)が表示される。
そして、遊技領域に打ち出された遊技球が始動口16に入賞すると、その入賞に基づき、遊技制御装置100によって所定の乱数が抽出され、変動表示ゲームの大当たりの抽選が行われると共に、遊技制御装置100から表示制御装置150に変動表示を指令する信号が送信され、変動表示装置8の表示面に設定された変動表示領域の所定の位置に複数の図柄の変動表示が開始される。
この変動表示の開始後、所定時間経過すると、変動表示は例えば左、右、中の順に仮停止(例えば、停止位置にて図柄を微少に変動させること等)されていくが、この過程でリーチ状態(例えば、最後に停止する図柄以外の図柄が同一の内容となる組み合わせで停止し、かつ最後に停止する図柄のみが変動している状態のこと。具体的には、左の図柄と右の図柄が揃って停止したものの、中図柄がまだ変動中であるために、大当たりに至る可能性を残しているような状態に相当する)が発生すると、所定のリーチ演出が行われる。このリーチ演出では、例えば中の図柄の変動表示を極低速で行ったり、高速変動したり、変動表示を逆転したりする。また、リーチ演出に合わせた背景表示、キャラクタ表示が行われる。
なお、仮停止状態とは遊技者が図柄を略停止状態として認識可能な状態であり、最終停止態様が確定しない状態であり、停止状態とは、この仮停止状態と図柄が停止した状態を含む状態である。なお、仮停止状態の具体例としては、停止位置での微少変動の他に、図柄を拡大縮小表示したり、図柄の色を変化させたり、図柄の形状を変化させる等の態様がある。
そして、大当たり抽選の結果が大当たりであれば、最終的に左、右、中の図柄が所定の大当たりの組合せで停止され、大当たり(大当たり遊技)が発生する。 この、大当たり遊技が発生すると、変動入賞装置(大入賞口)10が所定期間にわたって開かれる特別遊技が行われる。この特別遊技は、変動入賞装置10への遊技球の所定数(例えば10個)の入賞または所定時間の経過(例えば30秒)を1単位(1ラウンド)として実行され、変動入賞装置10内の継続入賞口への入賞(継続センサ53による入賞球の検出)を条件に、規定ラウンド(例えば16ラウンド)繰り返される。また、大当たり遊技が発生すると、大当たりのファンファーレ表示、ラウンド数表示、大当たりの演出表示等、遊技制御装置100から表示制御装置150に大当たり遊技の表示を指令する信号が送信され、変動表示装置8の画面に大当たり遊技の表示が行われる。
この場合、大当たりが特定の大当たりであれば、大当たり遊技後に特定遊技状態が発生され、次回の大当たりの発生確率を高確率(確率変動状態)にしたり、後述するように遊技球の始動口16への入賞に基づく変動表示装置8の変動表示ゲームの変動表示時間の短縮等が行われる。
前記変動表示ゲーム中あるいは大当たり遊技中に遊技球が始動口16に入賞したとき(特別図柄始動記憶または始動記憶の発生時)には、変動表示ゲームが終了した後(ハズレのとき)にあるいは大当たり遊技が終了した後に、その特別図柄始動記憶に基づき、新たな変動表示ゲームが繰り返される。また、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)、あるいは大当たり遊技が終了したときに、特別図柄始動記憶がないときは、客待ち状態に戻される。
なお、普通図柄始動ゲート27A、27Bを遊技球が通過すると、その通過または普通図柄始動記憶に基づき、普通図柄に関する乱数が抽出され、乱数が当たりであれば、普通図柄表示器7に当たり表示が行われて、始動口16の普通変動入賞装置9が所定時間にわたって拡開され、始動口16への入賞が容易にされる。
図7に、立体画像を表現する場合に用いるスプライトデータ(画像データ)の一例を示す。
この図におけるスプライトデータは、奥行き方向への幅を有する1つの物体を、遊技者の右目から見た場合と、遊技者の左目から見た場合とで生じる、見え方の違いを忠実に表現したもの(即ち、左右の目で互いに視点が異なる様に表現されたもの)である。そして、右目から見た状態は、501のように、物体の正面部(数字になっている部分)の右側に側面部(奥まっている様子を示している部分)が形成されており、左目から見た状態は、500のように、物体の正面部(数字になっている部分)の左側に側面部(奥まっている様子を示している部分)が形成されている。つまり、観察対象物の側面部(影の部分)の形状が、左目と右目で異なっている。
本実施の形態では、図示されるように、画像表示装置8に表示される図柄である「1」〜「8」の数字(他の数字などは図示略)を模した各図柄に対して、左目用と右目用で視点の異なる左右のスプライトデータ500、501が設定されている。
これら左右のスプライトデータ50、51は、突出量に応じて予め表示面の水平方向へのシフト量と所定の視点から見た図柄が設定されており、例えば、左目画像用スプライトデータ50は、図示のように、視差量>0では遊技者側に画像を突出させるため、左目画像用スプライトデータ50を表示面上で水平方向の左側へ予めシフトした状態でフォントROM157に格納され、同じく右目画像用スプライトデータ51も表示面の水平方向で右側へシフトした状態でフォントROM157に格納される。
なお、遊技者の目と観察される物体との距離に対応して、前記した側面部(奥まっている様子を示している部分)の大きさを変化させたほうが、より立体感を忠実に表現できるようにするため、スプライトデータ500、501は視差量毎にグループ化されており、この視差量のグループは、図中左目画像用データグループ500a、500b、500cと右目画像用スプライトグループ501a、501b、501cから構成され、例えば、左右のスプライトグループ500a、501aが視差量=小に対応付けられ、同じくスプライトグループ500b,501bは視差量=中に対応付けられて、また、スプライトグループ500c,501cは視差量=大に対応付けられる。
つまり、スプライトグループ500a、501aは、遊技者の目から観察物体までの距離が遠いものとして、側面部を小さく形成した図柄のグループであり、スプライトグループ500b、501bは、遊技者の目から観察物体までの距離が中程度のものとして、側面部を中程度に形成した図柄のグループであり、スプライトグループ502a、502aは、遊技者の目から観察物体までの距離が近いものとして、側面部を大きく形成した図柄のグループである。
したがって、ひとつの突出量に対応するスプライトデータは、8種類(1〜8)の図柄に対して左右のデータ50、51をそれぞれ有するので、16のスプライトデータから構成され、スプライトグループが3つの場合には、合計48のスプライトデータがフォントROM157に格納される。
このように、フォントROM157には、遊技者の左右の目で互いに視点が異なる様に(つまり、遊技者の左右の目で互いに観察方向が異なる様に)、観察物体の奥行き方向の厚み(側面部の画像に相当)を、左右の目で異ならせて表現したスプライトデータ(画像データ)が記憶されている。
図8は、2次元画像を表現する場合、および、図7よりも立体感を簡易に表現する場合に用いるスプライトの一例を示す。
この図におけるスプライトデータは、1つの物体を、遊技者の右目から見た場合と、遊技者の左目から見た場合で、同一の見え方になるように表現したものである。つまり、観察対象物の側面部(影の部分)が示されていないか、観察対象物の側面部の形状が、左目と右目で同一になっている場合が相当する。
本実施の形態では、図示されるように、画像表示装置8に表示される図柄である「1」〜「8」の数字(他の数字などは図示略)を模した各図柄に対して、左目用と右目用で共通のスプライトデータ600が設定されており、これらは、フォントROM157に格納されている。そして、図7のように、観察方向を異ならせる必要が無いので、上記図7のスプライトデータに比して、一つの図柄あたりの情報量が非常に小さく設定されている。
そして、このスプライトデータ600を立体的に表示する場合には、例えば、「7」の図柄60を用いるときには、図中下方のように、変動表示装置8の表示面上で水平方向の右側へシフトした画像データを左目画像用スプライトデータ60Lとし、水平方向の左側へシフトした画像データを右目画像用スプライトデータ60Rとする。つまり、同一の画像データを水平方向にシフトすることで、左右の画像データを生成する。したがって、左目用画像と右目用画像は同一の視点となる画像により立体画像が生成されることになる。
なお、スプライトデータ60L,60Rのシフト量は視差量の大きさに応じて所定の関係に設定されるもので、視差量>0では遊技者側に画像を突出させるため、左目画像用スプライトデータ60Lを表示面上で水平方向の左側へシフトし、右目画像用スプライトデータ60Rを右側へシフトする。逆に、視差量<0では表示面の奥に画像を引っ込ませるため、左目画像用スプライトデータ60Lを表示面上で水平方向の右側へシフトし、右目画像用スプライトデータ60Rを左側へシフトする。また、視差量=0では2次元画像となるため、シフト量=0で左目用画像と右目用画像は、同一のスプライトデータ60となる。
このように、フォントROM157には、遊技者の左右の目で互いに視点が同一となる様に(つまり、遊技者の左右の目で観察方向が同一になる様に)、観察物体の奥行き方向の厚み(側面部の画像に相当)を、左右の目で共通にして(又は、側面部を消去して)表現したスプライトデータ(画像データ)が記憶されている。
図9〜図14は、遊技制御装置100と表示制御装置150で行われる変動表示ゲームの制御の一例を示す。
図9は、表示制御のメインフローとなるフローチャートを示す。
図9のステップS1では、始動記憶に基づいて変動表示ゲームを開始する。なお、始動記憶がない場合では、客待ち画面など所定の画面を表示して始動口への入賞を待つ。また、変動表示ゲームを開始する度に始動記憶を1つ消去する。
ステップS2では、始動記憶に対応する乱数値(特別図柄乱数カウンタの値)に基づいて第1図柄(例えば、左図柄)、第2図柄(例えば、右図柄)、第3図柄(例えば、中図柄)の停止図柄を決定するとともに、各停止図柄の組み合わせに対応する図柄変動態様を決定する。図柄変動態様は、予め決められたパターンから1つのパターンを選択するものであり、それぞれのパターンには、図柄の変動開始から変動停止までの時間(変動時間)が割り当てられ、各図柄が表示される位置(表示座標)を時系列的に変化させるための情報、各図柄の大きさを時系列的に変化させるための情報も割り当てられている。
例えば、図柄変動態様の1つである「通常変動態様」では、全図柄の変動時間が10秒と定められており、図柄変動中は、各図柄が変動表示装置8の表示面に横一列に並んだまま、飛び出し量も変化せず、図柄の大きさを変えずに表示されるように制御される。また、第1図柄と第2図柄の停止図柄が同一となる場合(リーチ状態となる場合)に選択される別の図柄変動態様(「リーチ変動態様」)では、全図柄の変動時間が20〜30秒と定められており、図柄変動中は、各図柄が変動表示装置8の表示面内を上下左右に自在に動き回りながら、飛び出し量と図柄の大きさとを変化させて表示されるように制御される。
これらの図柄変動態様は、「通常変動態様」と「リーチ変動態様」とを含めて、全部で数十パターン程の候補が変動態様選択テーブルとして用意されており、そのうちの1つが乱数に基づいて選択される。
次に、ステップ4では、図柄(識別情報)の変動表示を平面画像(2次元画像)の状態で開始する。
次に、ステップS5で、所定時間変動表示を行った後、ステップS5で第1図柄と第2図柄を上記ステップS2で決定した停止図柄で順次停止させる。
ステップS6では、第1図柄と第2図柄が同一の停止図柄で停止したか否かを判定し、同一の図柄である場合にはリーチの発生と判断してステップS7の処理へ進み、それ以外の場合にはステップS8に進む。
ステップS7では、上記ステップS2で決定した変動表示態様(リーチ変動態様)で変動表示を行う。
次に、ステップS8では、第3図柄を停止させた後、ステップS9に進んで、第1から第3図柄が同一となる大当たりか否かを判定する。
大当たりの場合には、ステップS10に進んで、所定の大当たり表示制御を行い、この大当たり表示制御が終了した後にはステップS1へ戻って次回の変動表示ゲームに備える。また、大当たりでない場合にはそのままステップS1に復帰して次回の変動表示ゲームに備える。
次に、図10のフローチャートは、表示制御装置150で所定時間毎(V_SYNCの発生に同期した16.6ミリ秒毎)に実行される画面割込処理の一例を示している。この処理は、図7のメインフローの処理中の割込処理として実行されるものである。
まず、ステップS21では、V_SYNC(垂直同期信号)に同期してRAM153に格納されている画像情報(前回の制御周期で生成された画像情報)を、合成変換装置170へ出力して表示内容の更新を行ってから、ステップS22〜S28で図柄の生成処理を行う。
ステップS22では、第1〜第3図柄の表示座標をそれぞれ演算する。表示座標は、液晶パネル804の表示面上の水平方向をX座標、同じく上下方向をY座標、奥行き方向をZ座標とし、Z座標が0のときには、視差のない2次元画像として表示し、Z座標が0を超える場合には遊技者側へ突出する立体画像として表示し、逆にZ座標が0未満の場合には表示面の奥に引き込まれるよう表示することになる。なお、表示座標は、ステップS2で決定された図柄変動態様に基づいて、図柄変動の時間経過を参照しながら決定される。
ステップS23では、第1〜第3図柄の表示サイズを設定する。表示サイズは、予め設定した基準値に対する比率で構成されるサイズ値で示され、ステップS2で決定された図柄変動態様に基づいて、図柄変動の時間経過を参照しながら決定される。
そして、ステップS24〜S26では、後述する制御により第1〜第3図柄の左目用画像データと右目用画像データをそれぞれ演算する。
ステップS27では、生成された左右の画像データを合成変換装置170のフレームバッファにそれぞれ格納する。
次に、図11のフローチャートは、上記図10のステップS24〜S26で行われる第1〜第3図柄の描画処理を示すフローチャートである。
ステップS24、S25の第1または第2図柄の生成処理では、ステップS30に進んでリーチ変動中であるか否か(メイン処理のステップS7の実行中か否か)を判定する。リーチ変動中であればステップS31へ進んで、簡易生成フラグを1に設定し、リーチ変動中で無い場合にはステップS32へ進んで簡易生成フラグを0に設定してからステップS33に進む。
なお、上記ステップS26の第3図柄の生成処理では、リーチ変動中の判定を行わずに、ステップS32へ進み簡易生成フラグを0にセットした後、ステップS33に進む。
ステップS33では、簡易生成フラグが1であるか否かを判定し、1であればステップS37に進み、左右同一のスプライトデータ60(図8参照)を用いて画像データを生成するために、生成パターンを「B」に設定してステップS38へ進む。一方、ステップS33で簡易生成フラグが0の場合には、ステップS34に進む。
ステップS34では、ステップS22で演算された表示位置からZ座標を読み込み、ステップS35では、このZ座標に基づいて左目用画像と右目用画像の視差量を設定する。この視差量の設定は、例えば、図示しないマップまたはテーブルあるいは関数からZ座標に対応して予め設定された視差量を設定する。例えば、視差量=0ではZ座標が液晶表示パネル804の表示面となり2次元画像を示し、視差量>0では遊技者側に突出する立体画像として表示され、逆に視差量<0では表示面よりも奥側に引っ込んだ立体画像として表示される。
ステップS36では、上記ステップS23で決定した図柄のサイズ値と上記視差量とから、図12に示すテーブルに基づいて、図柄の画像データの生成パターン「A」「B」のいずれかを決定する。この生成パターンを「A」に設定すると、左右の目で別々に設定された左目画像用スプライトデータ50と右目画像用スプライトデータ51(ともに、図7参照)とから画像データが生成される。また、生成パターンを「B」に設定すると、左右同一のスプライトデータ60(図8参照)から画像データが生成される。
図12のテーブルにおいては、視差量が小さくなる(遊技者から表示面または表示面の奥へ遠ざかる=視差量<0)ほど生成パターン=Bの領域が増え、視差量が大きくなる(遊技者側へ突出する=視差量>0)ほど生成パターン=Aの領域が増えるように設定されており、さらに、図柄のサイズ値が小さくなるほど生成パターン=Bの領域が増え、サイズ値が大きくなるほど生成パターン=Aの領域が増えるように設定される。
つまり、図柄のサイズが小さく、突出量が少ない、または表示面の奥に引き込むにつれて単一のスプライトデータ60から左右の画像データが生成され、図柄のサイズが大きく、突出量が大きくなるほど左右独立したスプライトデータ50、51から生成されるように設定される。
ただし、サイズが小さくとも突出量が極めて大きい場合(図中視差量≧+2)や、視差量が小さくとも(−2以下)、サイズ値が大きい場合(1.2以上)には、生成パターン=Aに設定されて、左右独立した画像データから立体的な画像を生成するように設定される。
次に、ステップS38では、上記ステップS36またはS37で決定した生成パターンがAであるか否かを判定し、AであればステップS40の複雑生成処理に進む一方、BであればステップS39の簡易生成処理に進む。
次に、図13のフローチャートは、上記図11のステップS39で行われる簡易生成処理を示すフローチャートである。
ステップS41では、フォントROM157に格納されているスプライトデータのうち、共通画像データ記憶手段に相当する左右同一のスプライトデータ60(図8参照)のグループ600から、該当する図柄のスプライトデータの1つ(表示させようとする図柄に該当するもので、例えば、「7」というスプライトデータ)を読み込む。
ステップS42では、上記決定したサイズ値に基づいて読み込んだスプライトデータに拡大・縮小を施す。
ステップS43では、上記ステップS42にて拡大・縮小を施したスプライトデータに対して、上記ステップS35で決定した視差量に基づいた右方向へのシフトにより描画位置を決定し、これを左目画像用スプライトデータとして合成変換装置170のフレームバッファの左目用画像領域に書き込む(図8の60L参照)。
ステップS44では、上記ステップS42にて拡大・縮小を施したスプライトデータに対して、上記ステップS35で決定した視差量に基づいた左方向へのシフトにより描画位置を決定し、これを右目画像用スプライトデータとして合成変換装置170のフレームバッファの右目用画像領域に書き込む(図8の60R参照)。
こうして、簡易生成処理では、単一のスプライトデータ60から視差量に応じて表示面の水平方向にシフトさせて、左目画像用スプライトデータ60Lと右目画像用スプライトデータ60Rを生成し、1枚のスプライトデータ60から擬似的な立体画像を表示する。
次に、図14のフローチャートは、上記図11のステップS40で行われる複雑生成処理を示すフローチャートである。
ステップS51では、フォントROM157に格納されているスプライトデータのうち、独立画像データ記憶手段に相当する左目画像用データグループ500a、500b、500c(図7参照)の何れかのグループの中から、視差量が一致または近似するグループを選択し、さらに該当する図柄の左目画像用スプライトデータ50を読み込む。
ステップS52では、上記決定したサイズ値に基づいて左目画像用スプライトデータ50に拡大・縮小を施す。
ステップS53では、上記決定した視差量に基づいて左目画像用スプライトデータ50に予め設定されている視差量との差分を補正して、合成変換装置170のフレームバッファの左目用画像領域に書き込む。この補正は、スプライトデータ50に予め設定された視差量が、決定された視差量となるように上記図8で示したシフト量を調整するものである。
ステップS54〜S56では、右目画像用スプライトデータ51について、上記ステップS51〜S53と同様の処理を行う。
こうして、複雑生成処理では、左目用と右目用で視点の異なる左右のスプライトデータ50、51を視差量に応じて上記グループから選択し、上記ステップS35で決定された視差量と予めスプライトデータ50、51に設定された視差量の差分を、表示面の水平方向にシフトさせて補正を行うことで、リアルな立体画像を表示する。
上記制御により、視差量(Z座標)または図柄のサイズに応じて、ひとつのスプライトデータから左右の画像データを生成して簡易な立体画像を生成する簡易生成処理と、予め設定された左右の画像データから視差量に応じてグループの選択を行って、精密な立体画像を生成する複雑生成処理とを切り換えるようにしたので、図柄が遊技者側に大きく突出する場合や、図柄のサイズが大きい場合など、立体画像を強調させたい部分に限定して、精密な立体画像を生成する処理が可能となり、逆に立体画像の強調が不要なとき(突出量が少ない場合や、図柄のサイズが小さいとき)には、簡易な立体画像で表示を行うので、前記従来例のように、飛び出し量を細かく異ならせた画像パターンを数多く準備しておく必要がなくなって、フォントROM157に格納すべきスプライトデータの容量(データ量)を大幅に低減することが可能となり、多数のスプライトデータを作成する労力と、フォントROM157の容量の低減を図って製造コストを削減しながらも、強調すべき(または視認しやすい)立体画像のみを精密に描画することが可能となるのである。
なお、上記実施形態では、視差量と図柄のサイズに応じて単一のスプライトデータ60を用いるか、左右独立したスプライトデータ50、51を用いるかを判定したが、視差量または図柄のサイズのどちらか一方で、簡易な立体画像と精緻な立体画像の生成を切り換えるようにしても良く、この場合、さらに演算負荷が低減できる。
また、上記実施形態では、精密な立体画像を表示するための左右独立したスプライトデータ50、51を視差量に応じた3つのグループとしたが、視差量の最大値が小さい場合(表示面からの突出量の最大値が小さい場合)視差量が大のときに対応したグループと、視差量が小のときに対応したグループの2つで構成しても良く、さらにスプライトデータのデータ量を削減することができる。
また、リーチ変動では、既に図柄が確定してしまった第1及び第2図柄を簡易な立体画像で表示する一方、遊技者が注目する第3図柄を、視差量またはサイズ値に応じて精緻な立体画像により表示を行うようにしたので、遊技者の注目度が高いオブジェクトの描画処理に表示制御装置150の処理能力を配分することができ、表示制御装置150のCPU151やVDC156の限られたリソースを有効に利用することができる。
図15〜図17は、第2の実施形態を示し、前記第1実施形態の視差量に応じて左右独立したスプライトデータを用いて精密な立体画像を描画するのに代わって、ポリゴンデータにより立体画像を描画するようにしたものであり、上記図14に示した左右独立したスプライトデータによる複雑生成処理内容を変更したものであり、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
図15は、変動表示装置8の表示面8Aから遊技者の視点400L、400R側(図中Z軸方向)へ円筒状の図柄850を表示する一例を示す斜視図であり、図柄850が表示面8Aから遊技者側に飛び出して立体表示されている様子を示している。なお、図中X軸は表示面8Aの水平方向で、Y軸は上下方向、Z軸は奥行き方向を示す。また、図柄850は、フォントROM157に格納されたポリゴンデータで構成されている。
図中、遊技者の視点400L(左目)、400R(右目)が位置する視点面400が表示面8Aと平行になるように設定され、この視点面400と表示面8Aまでの距離をdとしている。また、円筒状の図柄850が飛び出して再生される位置の再生面410が表示面8Aと平行になるように設定され、この再生面410から表示面8Aまでの距離(座標パラメータ)をZ1としている。そして、この表示面8Aと視点面400との間に形成される空間によって、座標が(Xw,Yw,Zw)で表されるワールド座標空間が形成され、表示面8A上にはスクリーン座標(Xs,Ys)が設定される。
図15、図16に示すように、図柄850をワールド座標に配置し、この画像を、遊技者の右目の視点400Rに基づいて、表示面8A上(スクリーン座標)にレンダリングすることにより、表示面8A上の右目用画像850Rを決定する。同様に、遊技者の左目の視点400Lに基づいて、表示面8A上にレンダリングすることにより、表示面8A上の左目用画像850Lを決定する。この右眼用画像850Rと左眼用画像850Lを、表示面8Aに表示することにより、座標パラメータZ1だけ飛び出した図柄850の立体表示が行われる。
次に、図17のフローチャートは、上記図11のステップS40で行われる複雑生成処理を示すフローチャートで、前記第1実施形態の左右独立したスプライトデータを用いた立体画像の描画に代わって、ポリゴンデータにより立体画像の描画を行うようにしたものである。
ステップS61では、フォントROM157に格納されているポリゴンデータのうち、該当する図柄のポリゴンデータを読み込む。
ステップS62では、上記決定したサイズ値に基づいてポリゴンデータに拡大・縮小を施すとともに、上述のワールド座標系に配置する。
ステップS63では、上述のようにワールド座標系に配置した図柄を左目400Lを視点としてスクリーン座標にレンダリングし、ステップS64では、このスクリーン座標上にレンダリングしたデータを左目用画像として合成変換装置170のフレームバッファに設けた左目用画像領域に書き込む。
ステップS65では、上記と同様にワールド座標系に配置した図柄を右目400Rを視点としてスクリーン座標にレンダリングし、ステップS66では、このスクリーン座標上にレンダリングしたデータを右目用画像として合成変換装置170のフレームバッファに設けた右目用画像領域に書き込む。
以上により、視差量(Z座標)または図柄のサイズに応じて、ひとつのスプライトデータから左右の画像データを生成して簡易な立体画像を生成する簡易生成処理と、ひとつのポリゴンデータによる精密な立体画像を様々な大きさ及び視点から生成する複雑生成処理とを切り換えるようにしたので、前記第1実施形態と同様に、立体画像を強調させたい部分(図柄)に限定して、精密な立体画像を生成する処理が可能となり、逆に立体画像の強調が不要なときには、簡易な立体画像で表示を行うので、前記従来例のように飛び出し量を細かく異ならせた画像パターンを数多く準備しておく必要がなくなって、各図柄に対応したスプライトデータ60とポリゴンデータをそれぞれ一つ用意すればよいので、フォントROM157に格納すべき画像データの容量を大幅に低減することが可能となり、多数のスプライトデータを作成する労力と、フォントROM157の容量の低減を図って製造コストを削減しながらも、強調すべき(または視認しやすい)立体画像のみを精密に描画することが可能となるのである。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。