以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態を示す遊技機(カード球貸ユニットを併設したCR機)全体の構成を示す正面図である。
遊技機(パチンコ遊技機)1の前面枠3は本体枠(外枠)4にヒンジ5を介して開閉回動可能に組み付けられ、遊技盤6は前面枠3の裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収納される。
遊技盤6の表面には、ガードレールで囲われた遊技領域が形成され、遊技領域のほぼ中央には画像表示装置(特別図柄表示装置)8が設けられるセンターケースが配置され、遊技領域の下方には大入賞口を備えた変動入賞装置10が配置される他、遊技領域には一般入賞口12〜15、始動口16、普通図柄始動ゲート27A、27B、普通図柄表示器7、普通変動入賞装置9等が配置されている。前面枠3には、遊技盤6の前面を覆うカバーガラス18が取り付けられている。
画像表示装置8は、LCD(液晶表示器)で表示画面が構成されており、遊技者が立体視しうる3次元映像が表示画面に表示可能となっている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄、普通図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。すなわち、表示画面の左、中、右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」〜「E」の英文字による15種類の図柄)が変動表示して変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像が表示される。
画像表示装置8の下方には、普通変動入賞装置(普通電動役物)9を有する始動口16が、遊技領域の左右の所定の位置には、普通図柄始動ゲート27A、27Bが配置される。
本実施の形態の遊技機では、打球発射装置(図示省略)から遊技領域に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われ、打ち出された遊技球は、遊技領域内の各所に配置された風車等の転動誘導部材によって転動方向を変えながら遊技領域を流下し、始動口16、一般入賞口12〜15、特別変動入賞装置10に入賞するか、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。一般入賞口12〜15への遊技球の入賞は、一般入賞口毎に備えられたN個の入賞センサ55.1〜55.N(図2参照)により検出される。
始動口16、一般入賞口12〜15、特別変動入賞装置(大入賞口)10に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出ユニット(排出装置)から排出され、供給皿21に供給される。
始動口16へ遊技球の入賞があると、画像表示装置8では、前述した数字、文字で構成される表示図柄が順に変動表示する変動表示ゲームが開始し、変動表示ゲームに関する画像が表示される。始動口16への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、大当たり状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、変動入賞装置10は、大入賞口ソレノイド36(図2参照)への通電により、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ大きく開くので、この間遊技者には多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。
この始動口16への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ51(図2参照)で検知される。この遊技球の通過タイミングによって検出された特別図柄乱数カウンタの値は、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(特別図柄乱数記憶領域)に、特別図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この特別図柄入賞記憶の記憶数は、画像表示装置8の下側に設けられた複数のLEDからなる特別図柄記憶状態表示器17に表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶に基づいて、画像表示装置8にて変動表示ゲームを行う。
特別変動入賞装置10への遊技球の入賞は、継続センサ53、カウントセンサ54(図2参照)によって検出される。
普通図柄始動ゲート27A、27Bへ遊技球の入賞があると、普通図柄表示器7では、普通図柄(例えば、一桁の数字からなる図柄)の変動表示を始める。普通図柄始動ゲート27A、27Bの通過検出入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄(当たり番号)で停止する。このとき、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置9は、普通電動役物ソレノイド90(図2参照)への通電により、始動口16への入口が所定の時間(例えば0.5秒)だけ大きく開くように変換され、遊技球の始動口16への入賞可能性が高められる。
この普通図柄始動ゲート27A、27Bへの遊技球の通過は、普通図柄始動センサ52(図2参照)で検知される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(普通図柄乱数記憶領域)に、普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄入賞記憶の記憶数は、普通図柄表示器7の右側に設けられた複数のLEDからなる普通図柄記憶状態表示器19に表示される。遊技制御装置100は、普通図柄入賞記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。
遊技機の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置が設けられる。すなわち、遊技盤中央部に設けられたセンターケース(画像表示装置8の周囲)、遊技盤下部に設けられたアタッカー(変動入賞装置10の周囲)には、遊技の進行に応じて発光する装飾ランプが設けられている。さらに、遊技盤の左右上部にはサイドケースランプが、遊技盤の左右側部にはサイドランプが設けられている。また、遊技枠には遊技枠装飾ランプが設けられている。これらのランプは遊技の進行に合わせて点灯して、遊技者の遊技に対する興趣が継続するようにしている。また、カバーガラス18の上部の前面枠3には、点灯により球の排出の異常等の状態を報知する第1報知ランプ31、第2報知ランプ32が設けられている。
前面枠3の下部の開閉パネル20には球を打球発射装置に供給する上皿21が、固定パネル22には下皿23及び打球発射装置の操作部として機能する発射ハンドル24等が配設される。
カード球貸ユニット2用の操作パネル26は遊技機1の上皿21の外面に形成され、カードの残高を表示するカード残高表示部(図示省略)と、球貸しを指令する球貸しスイッチ28と、カードの返却を指令するカード返却スイッチ30等が設けられている。
カード球貸ユニット2には、前面のカード挿入部25に挿入されたカード(プリペイドカード等)のデータをカードリーダライタで読み込み、カード球貸ユニット用の操作パネル26のカード残高表示部にカードの残高を表示する。遊技者が、球貸しスイッチ28を操作すると、操作に対応した数量の遊技球を貸球として排出するように、排出制御装置200に対し貸球制御指令信号を送出して、前述したように排出ユニットと、流路切換ユニットとを制御して貸球を排出する球貸制御装置が内蔵されている。
図2は、本発明の実施の形態の遊技制御装置100を中心とする制御系を示すブロック図である。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103、発振器104等から構成される。
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(特別図柄始動センサ51、一般入賞口センサ55A〜55N、カウントセンサ54、継続センサ53、普通図柄始動センサ52)からの検出信号を受けて、大当たり抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース103を介して、各種制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)、大入賞口ソレノイド36、普通電動役物ソレノイド90、普通図柄表示器7等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、カード球貸ユニット2からの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
装飾制御装置250は、遊技制御装置100からの装飾指令信号に基づいて、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置を制御すると共に、特別図柄記憶状態表示器(特図保留LED)17、普通図柄記憶状態表示器19の表示を制御して、ランプ制御装置として機能する。
音制御装置300は、スピーカから出力される効果音を制御して、音制御装置として機能する。
なお、遊技制御装置100から、各種従属制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)への通信は、遊技制御装置100から従属制御装置に向かう単方向通信のみが許容されるようになっている。これにより、遊技制御装置100に従属制御装置側から不正な信号が入力されることを防止することができる。
遊技機の電源装置(図示省略)は、電源回路のほかに、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の所定の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置100等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報:変動表示ゲーム情報を含む)等をバックアップする。
表示制御手段を構成する表示制御装置150は、画像の表示制御を行うもので、合成変換装置170と共に表示制御手段として機能する。この表示制御装置150は、CPU151、VDC(Video Display Controller)156、RAM153、インターフェース154、プログラムやシーケンスデータ等を格納したROM152、画像データ(図柄データ、背景画データ、動画キャラクタデータ、テクスチャデータ等)を格納したフォントROM157、同期信号やストローブ信号を発生させるタイミング信号を生成する発振器158等から構成される。
CPU151は、ROM152に格納したプログラムを実行し、遊技制御装置100からの信号に基づいて所定の変動表示ゲームのための画像制御情報(スプライトデータやポリゴンデータ等で構成される図柄表示情報、背景画面情報、動画オブジェクト画面情報等)を演算して画像生成をVDC156に指示する。
VDC156は、フォントROM157に格納された画像データ及びCPU151により画像制御情報を演算した内容に基づいて、例えば、画像のポリゴン描画(または、通常のビットマップ描画)を行うと共に、各ポリゴンに所定のテクスチャを貼り付けてフレームバッファとしてのRAM153に格納する。そして、VDC156は、RAM153の画像を所定のタイミング(垂直同期信号V_SYNC、水平同期信号H_SYNC)でLCD側(合成変換装置170)へ送信する。
VDC156が行う描画処理は、点描画、線描画、トライアングル描画、ポリゴン描画を行い、さらにテクスチャマッピング、アルファブレンディング、シェーディング処理(グローシェーディングなど)、陰面消去(Zバッファ処理など)を行って、γ補正回路159を介して画像信号(左眼用画像信号及び右眼用画像信号)を合成変換装置170に出力する。
なお、VDC156は、描画した画像データをフレームバッファとしてのRAM153へ一旦格納した後、同期信号(V_SYNCなど)に合わせて合成変換装置170へ出力しても良い。
ここで、フレームバッファは、複数のフレームバッファをそれぞれRAM153の所定の記憶領域などに設定しておき、VDC156は、任意の画像に重ね合わせて(オーバーレイ)出力することも可能である。
VDC156には、クロック信号を供給する発振器158が接続されている。発振器158が生成するクロック信号は、VDC156の動作周期を規定している。VDC156は、このクロック信号を分周して垂直同期信号(V_SYNC)と、水平同期信号(H_SYNC)を生成し、合成変換装置170へ出力する。同時に、VDC156は、合成変換装置170を経由して、画像表示装置8にも垂直同期信号(V_SYNC)と水平同期信号(H_SYNC)を出力する。
VDC156から出力されるRGB信号は、γ補正回路159に入力されている。このγ補正回路159は、画像表示装置8の信号電圧に対する照度の非線形特性を補正して、画像表示装置8の表示照度を調整して、画像表示装置8に対して出力するRGB信号(画像データ)を生成する。
また、表示制御装置150のCPU151は、発振器158のクロック信号(例えば、垂直同期信号V_SYNC)に基づいて、合成変換装置170へ出力する画像データ(RGB)が、左眼用の画像又は右眼用の画像のいずれであるかを識別するL/R信号(画像識別信号)を出力する。このL/R信号は、Hiレベル=1で左眼用画像データが出力されていることを示し、Loレベル=0で右眼用画像データが出力されていることを示す。
さらに、CPU151は、画像表示装置8の発光量(輝度)を制御するため、デューティー制御信号DTY_CTRを発振器158のクロック信号(または垂直同期信号V_SYNC)に基づいて生成し、画像表示装置8へ出力する。
また、CPU151は、必要に応じて所定の制御情報(例えば、視差情報、変動速度情報、蓄積指令等)を発振器158のクロック信号(または垂直同期信号V_SYNC)に基づいて生成し、合成変換装置170に対して出力する。
次に、画像表示装置の構成を説明する。
図3は、本発明の実施の形態の画像表示装置8の構成を示す説明図である。
光源801は、発光素子810、偏光フィルタ811、フレネルレンズ812によって構成されている。発光素子810には白色発光ダイオード(LED)等の点光源を横に並べて用いたり、冷陰極管等の線光源を水平に配置して構成されており、偏光の特定されない(様々な変更の光を含む)光を放射している。偏光フィルタ811は、左側領域811bと右側領域811aとで透過する光の偏光が異なる(例えば、左側領域811bと右側領域811aとで透過する光の偏光を90度ずらす)ように設定されている。フレネルレンズ812は一側面に同心円上の凹凸を有するレンズ面を有している。
発光素子810から放射された光は、一定の偏光の光のみが偏光フィルタ811を透過する。すなわち、発光素子810から放射された光のうち、偏光フィルタ811の左側領域811bを通過した光と、右側領域811aを通過した光とが異なる偏光の光としてフレネルレンズ812に照射される。後述するように、偏光フィルタ811の左側領域811bを通過した光は観察者の右眼に到達し、右側領域811aを通過した光は観察者の左眼に到達するようになっている。
なお、発光素子と偏光フィルタを用いなくても、異なる偏光の光を異なる位置から照射するように構成すればよく、例えば、異なる偏光の光を発生する発光素子を二つ設けて、異なる偏光の光を異なる位置からフレネルレンズ812に照射するように構成してもよい。
偏光フィルタ811を透過した光はフレネルレンズ812に照射される。フレネルレンズ812は凸レンズであり、フレネルレンズ812では発光素子810から拡散するように放射された光の光路を略平行に屈折し、微細位相差板802を透過して、液晶表示パネル804に照射される。
このとき、微細位相差板802を透過する光は、上下方向に広がることがないように出射され、液晶表示パネル804に照射される。すなわち、微細位相差板802の特定の領域を透過した光が、液晶表示パネル804の特定の表示単位の部分を透過するようになっている。
また、液晶表示パネル804に照射される光のうち、偏光フィルタ811の右側領域811aを通過した光と左側領域811bを通過した光とは、異なる角度でフレネルレンズ812に入射し、フレネルレンズ812で屈折して左右異なる経路で液晶表示パネル804から放射される。
液晶表示パネル804は、2枚の透明板(例えば、ガラス板)の間に所定の角度(例えば、90度)ねじれて配向された液晶が配置されており、例えば、TFT型の液晶表示パネルを構成している。液晶表示パネルに入射した光は、液晶に電圧が加わっていない状態では、入射光の偏光が90度ずらして出射される。一方、液晶に電圧が加わっている状態では、液晶のねじれが解けるので、入射光はそのままの偏光で出射される。
液晶表示パネル804の光源801側には、微細位相差板802及び偏光板803(第1偏光板)が配置されており、観察者側には、偏光板805(第2偏光板)が配置されている。
微細位相差板802は、透過する光の位相を変える領域が、微細な間隔で繰り返して配置されている。具体的には、光透過性の基材に、微細な幅の1/2波長板821が設けられた領域802aと、1/2波長板821の幅と同一の微細な間隔で、1/2波長板821が設けられていない領域802bとが微細な間隔で繰り返して設けられている。すなわち、設けられた1/2波長板によって透過する光の位相を変える領域802aと、1/2波長板821が設けられていないために透過する光の位相を変えない領域802bとが微細な間隔で繰り返して設けられている。この1/2波長板821は、透過する光の位相を変化させる位相差板として機能している。
1/2波長板821は、その光学軸を偏光フィルタ811の右側領域811aを透過する光の偏光軸と45度傾けて配置して、右側領域811aを透過した光の偏光軸を90度回転させて出射する。すなわち、右側領域811aを透過した光の偏光軸を90度回転させて、左側領域811bを透過する光の偏光と等しくする。すなわち、1/2波長板821が設けられていない領域802bは左側領域811bを通過した、偏光板803と同一の偏光を有する光を透過する。そして、1/2波長板821が設けられた領域802aは右側領域811aを通過した、偏光板803と偏光軸が直交した光を、偏光板803の偏光軸と等しくなるように回転させて出射する。
この微細位相差板802の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル804の表示単位と略同一のピッチとして、表示単位毎(すなわち、表示単位の横方向の水平ライン毎)に透過する光の偏光が異なるようにする。よって、液晶表示パネル804の表示単位の水平ライン(走査線)毎に対応する微細位相差板802の偏光特性が異なるようになって、水平ライン毎に出射する光の方向が異なる。
あるいは、微細位相差板802の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル804の表示単位のピッチの整数倍のピッチとして、微細位相差板802の偏光特性が複数の表示単位毎(すなわち、複数の表示単位の水平ライン毎)に変わるようにして、複数の表示単位毎に透過する光の偏光が異なるように設定してもよい。この場合、液晶表示パネル804の表示単位の水平ライン(走査線)の複数本毎に微細位相差板の偏光特定が異なって、水平ラインの複数本毎に出射する光の方向が異なるようになる。
このように、微細位相差板802の偏光特性の繰り返し毎に異なる光を液晶表示パネル804の表示素子(水平ライン)に照射する必要があるため、微細位相差板802を透過して液晶表示パネル804に照射される光は、上下方向の拡散を抑制したものである必要がある。
すなわち、微細位相差板802の光の位相を変化させる領域802aは、偏光フィルタ811の右側領域811aを透過した光を、左側領域811bを透過した光と偏光を等しくして透過する。また、微細位相差板802の光の位相を変化させない領域802bは、偏光フィルタ811の左側領域811bを透過した光をそのまま透過する。そして微細位相差板802を出射した光は、左側領域811bを透過した光と同じ偏光を有して、液晶表示パネル804の光源側に設けられた偏光板803に入射する。
偏光板803は微細位相差板802を透過した光と同一の偏光の光を透過する偏光特性を有する。すなわち、偏光フィルタ811の左側領域811bを透過した光は偏光板803を透過し、偏光フィルタ811の右側領域811aを透過した光は偏光軸を90度回転させられて偏光板803を透過する。また、偏光板805は、偏光板803と90度異なる偏光の光を透過する偏光特性を有する。
このような微細位相差板802、偏光板803及び偏光板805を液晶表示パネル804に貼り合わせて、微細位相差板802、偏光板803、液晶表示パネル804及び偏光板805を組み合わせて画像表示装置8を構成する。このとき、液晶に電圧が加わった状態では、偏光板803を透過した光は偏光板805を透過する。一方、液晶に電圧が加わっていない状態では、偏光板803を透過した光は偏光が90度ねじれて液晶表示パネル804から出射されるので、偏光板805を透過しない。
ディフューザ806は、偏光板805の前面側(観察者側)に取り付けられており、液晶表示パネルを透過した光を上下方向に拡散する拡散手段として機能する。具体的には、ディフューザ806は、レンチキュラーレンズによって構成されており、横方向に横延伸した半円状の凹凸(かまぼこ状の凹凸)が、縦方向に繰り返して表面に設けられており、他方の表面は平面となっている。そして、この凹凸面が観察者側に向き、平面が液晶表示パネル804側を向くように偏光板805の前面に取り付けられる。よって、液晶表示パネル804を透過しディフューザ806に入射した光は、ディフューザ806の表面に設けられた凹凸によって、光の経路が上下に拡散するように屈折されて観察者側に放射される。なお、レンチキュラーレンズに代わって縦方向により強い拡散指向性を持つマット状拡散面を設けたものであってもよい。ディフューザ806によって、液晶パネル804を透過するまで上下方向の拡散を抑制したことにより垂直方向の視野角が狭くなっていることを改善することができる。
図4は、本発明の実施の形態の画像表示装置8の光学系を示す平面図である。
発光素子810から放射された光は偏光フィルタ811を透過して放射状に広がっている。光源から放射された光のうち偏光フィルタ811の左側領域811bを透過した光(破線で光路の中心を示す)は、フレネルレンズ812に到達し、フレネルレンズ812で光の進行方向を変えられて、微細位相差板802に到達し、偏光フィルタ811bと同一の偏光の光を透過する微細位相差板802の領域802bを透過して、さらに、偏光板803、液晶表示パネル804、偏光板805、ディフューザ806を略垂直(やや左側から右側)に透過して右眼に至る。すなわち、液晶表示パネル804の領域802bに対応する位置の表示素子によって表示された右眼画像が右眼に到達する。
この微細位相差板802の領域802bと交互に並んで配置されている領域802aは、領域802bを透過する光を透過せず、領域802bを透過する光と異なる偏光の光(互いに直交する偏光の光)を透過するので、液晶表示パネル804の領域802aに対応する位置の表示素子に表示された左眼画像は右眼に到達しない。
一方、光源から放射された光のうち偏光フィルタ811の右側領域811aを透過した光(一点鎖線で光路の中心を示す)は、フレネルレンズ812に到達し、フレネルレンズ812で光の進行方向を変えられて、微細位相差板802に到達し、偏光フィルタ811aと同一の偏光の光を受け入れ偏光を90度ずらして出射する微細位相差板802の領域802a(偏光フィルタ811aを透過した光を透過する領域802a)を透過し、さらに、偏光板803、液晶表示パネル804、偏光板805、ディフューザ806を略垂直(やや右側から左側)に透過して左眼に至る。すなわち、液晶表示パネル804の領域802aに対応する位置の表示素子によって表示された左眼画像が左眼に到達する。
この微細位相差板802の領域802aと交互に並んで配置されている領域802bは、領域802aを透過する光を透過せず、領域802aを透過する光と異なる偏光の光(互いに直交する偏光の光)を透過するので、液晶表示パネル804の領域802bに対応する位置の表示素子に表示された右眼画像は左眼に到達しない。
このように、発光素子810から放射され偏光フィルタ811と透過した光を、光学手段としてのフレネルレンズ812によって、液晶表示パネル804に略垂直に照射し、発光素子810、偏光フィルタ811及びフレネルレンズ812によって、偏光面が異なる光を略垂直に、かつ、異なる経路で液晶表示パネル804に照射する光源801を構成し、液晶表示パネル804を透過した光を異なる経路で放出して、左眼又は右眼に到達させる。すなわち、液晶表示パネル804の走査線ピッチと、微細位相差板802の偏光特性の繰り返しピッチとを等しくして、液晶表示パネル804の走査線ピッチ毎に異なる方向から到来した光が照射され、異なる方向に光を出射する。
図5は、本発明の実施の形態の画像表示装置8の表示面8Aから遊技者側の奥行き方向(図中Z軸方向)へ2次元の図柄850を表示する一例を示す斜視図で、表示面8Aから遊技者側へ向けた突出したZ1の位置に図柄850を立体像として認識されるように図柄を表示した場合で、図柄850は表示面8Aのほぼ中央の位置である。
ここで、図柄850は図柄の一つである「C」の字状の図形で構成した場合を示し、図中X軸は表示面8Aの水平方向(水平走査方向)で、Y軸は上下方向(垂直走査方向)、Z軸は奥行き方向を示す。また、図柄850は、フォントROM157に格納された2次元のスプライトデータで、相対的な座標(水平座標及び垂直座標)が予め定義されており、Z軸位置と大きさに応じて表示空間上の座標(X−Y−Z座標)に変換したものである。
このように図柄850を3次元画像として立体視可能に表示する場合、右眼で観察する右眼用画像850Rと、左眼で観察する左眼用画像850Lとが表示面8Aに表示されており、これら画像850R、850Lは遊技者が観察する3次元画像850の水平方向位置に対して、それぞれ所定量dxだけずれて表示される。
すなわち、左眼用画像850Lは、図5において、3次元画像850の水平方向位置から図中左側に+dxだけ右側(X軸正方向)にずれた位置に表示され、右眼用画像850Rは、3次元画像850の水平方向位置から図中左側に−dxだけ左側(X軸負方向)にずれた位置に表示されて、表示面8Aに実際に表示される左右の画像850L、850Rの位置は、3次元画像850の奥行き方向の位置(飛び出し量)に応じたずれ量2dxだけの視差を設けてずれて表示される。
したがって、図5において、左眼用画像850Lと右眼用画像850RのX軸方向のずれ量(右眼用画像と左眼用画像との視差)2dxを変化させることによって、3次元画像850のZ軸方向の位置を制御することができる。例えば、図中実線の位置に表示されている3次元画像850を表示面8A側(奥手方向)へ移動するには、ずれ量(座標パラメータ)2dxを減少させればよく、逆に遊技者側(手前方向)へ移動するにはずれ量2dxを増大させればよいのである。
また、表示面8Aから遊技者側(手前方向)へ3次元画像850を飛び出させるには、左眼用画像850Lに正のずれ量(図中右側)+dxを与え、右眼用画像850Rには負のずれ量(図中左側)−dxを与えたが、表示面8Aの反対側(液晶表示パネル804の奥側)に3次元画像850が立体視されるように表示させるには、左眼用画像850Lに負のずれ量(図中左側)−dxを与え、右眼用画像850Rには正のずれ量(図中右側)+dxを与えればよく、遊技者が観測する立体的な図柄(立体像)850は、水平方向のずれ量2dxを与えた左眼用画像850Lと右眼用画像850Rから生成される。
なお、前述した図5では、説明を簡易にするため左眼用画像850Lと右眼用画像850Rが重なるように図示したが、実際には後述するように、液晶表示パネル804の水平方向ラインの上下方向位置に応じて左眼用画像850Lを表示するラインと右眼用画像850Rを表示するラインが予め設定されており、左眼用画像850Lと右眼用画像850Rは交互に表示され、同一水平方向ライン上で重なることはない。
図6は、本発明の第1の実施の形態の合成変換装置170を中心とする制御系を示すブロック図である。
合成変換装置170には、マイクロプロセッサを備えた制御部171、入力インターフェース172が設けられており、制御部171、入力インターフェース172は、バス179に接続されている。また、合成変換装置170には、左眼用バッファ173、右眼用バッファ174、ROM175、RAM176、LDCインターフェース177、出力バッファ178が設けられており、それぞれバス179に接続されている。
制御部171は、CPU151からのL/R信号に基づいて、VDC156から送られてきた左眼用画像を左眼用バッファ173に書き込み、右眼用画像を右眼用バッファ174に書き込む。そして、右眼用画像と左眼用画像とを合成して、出力バッファ178に書き込んで立体視用画像(3次元画像)を生成し、立体視用画像データをRGB信号等としてLCDインターフェース177を経由して画像表示装置8に出力する。
この左眼用画像と右眼用画像との合成による立体視用画像の生成は、図4で示すように、微細位相差板802に設けられた1/2波長板821の間隔毎に、左眼用画像と右眼用画像を組み合わせる。具体的には、本実施形態の画像表示装置8の微細位相差板802の1/2波長板821は、液晶表示パネル804の表示単位の間隔で配置されているので、液晶表示パネル804の画素の表示単位の水平ライン(走査線)毎に左眼用画像と右眼用画像とが交互に表示されるように、左眼用画像と右眼用画像とを合成し、立体視用画像を生成する。
通常の表示状態では、L信号出力中にVDC156から送信されてきた左眼用画像データを左眼用バッファ173に書き込み、R信号出力中にVDC156から送信されてきた右眼用画像データを右眼用バッファ174に書き込む。そして、左眼用バッファ173に書き込まれた左眼用画像データと、右眼用バッファ174に書き込まれた右眼用画像データとを走査線1本毎に読み出して、出力バッファ178に書き込む。
画像表示装置8内には液晶ドライバ(LCD DRV)181、バックライトドライバ(BL DRV)182が設けられている。液晶ドライバ(LCD DRV)181は、合成変換装置170から送られてきたV_SYNC信号、H_SYNC信号及びRGB信号(画像データ)に基づいて、液晶表示パネルの電極に順次電圧をかけて、液晶表示パネル804に立体視用の合成画像を表示する。
バックライトドライバ182は、CPU151から出力されたDTY_CTR信号に基づいて発光素子(バックライト)810に加わる電圧のデューティー比を変化させて、液晶表示パネル804の明るさを変化させる。
次に、上記に説明したVDC156と合成変換装置170における画像の生成と合成のタイミングについて説明する。
図7は、第1の実施の形態の、表示制御装置150から合成変換装置170と画像表示装置8とに送信される信号のタイミング図である。
垂直同期信号V_SYNCは、画像データの走査開始タイミングを示すために表示制御装置150にて生成され、画像表示装置8に供給される。画像表示装置8では、垂直同期信号V_SYNCに従って、垂直同期信号V_SYNCの立ち上がりタイミングによって走査線の走査を開始して、画像表示装置8に画像データを表示する。
L/R信号は、表示制御装置150から合成変換装置170に送信される信号で、現在VDC156から出力中の信号が、左眼用画像か右眼用画像かを示し、Hi状態では左眼用画像(L)が出力されており、Low状態では右眼用画像(R)が出力されていることを意味している。
すなわち、表示制御装置150から合成変換装置170に送信される画像データは、L/R信号に合わせて左眼用画像及び右眼用画像が交互に送信される。合成変換装置170では、L/R信号の切り替えタイミングに応じて、表示制御回路(VDC156)から送信される画像データを取り込んで、左眼用バッファ173又は右眼用バッファ174に書き込む。なお、合成変換装置170が画像データを取り込むためのトリガ信号を、L/R信号とは別に設けてもよい。
第1の実施の形態では、V1のタイミングで送られ左眼用バッファ173に格納されている左眼用画像データ(D1)と、V2のタイミングで送られ右眼用バッファ174に格納されている右眼用画像データ(D2)とを出力バッファ178へ転送して立体視用画像データを合成する。このとき、出力バッファ178には、D1とD2とを組み合わせたD1+D2のデータとして上書きし格納する。D1+D2の立体視用画像データは、次の垂直同期信号V3のタイミングで画像表示装置8に出力される。
そして、V3のタイミングでは、送られてきた左眼用画像(D3)を左眼用画像バッファ173に格納する。このとき、既に右眼用バッファ174に存在する右眼用画像(D2)とD3とは合成せず、既に出力バッファ178に格納されているD1+D2の立体視用画像データをV4のタイミングで画像表示装置8に出力する。V4のタイミングでは、送られてきた右眼用画像(D4)を既に左眼用バッファ173に格納されているD3と合成して出力バッファ178にD3+D4のデータとして格納し、次のV5のタイミングでD3+D4の立体視用画像を画像表示装置8に出力する。
すなわち、同一の画像から左又は右の視差を付して生成された左眼用画像と右眼用画像との組(例えばD1とD2、D3とD4)で合成を行い、同一の画像から生成されていない左眼用画像と右眼用画像との組(例えば、D2とD3、D4とD5)では合成を行わない。
これを順次繰り返し、出力バッファ178に格納された立体視用画像データは垂直同期信号V_SYNCのタイミングに合わせて画像表示装置8(LCDドライバ181)に出力される。
次に、本発明の第1の実施の形態の、VDC156と合成変換装置170における画像の生成と合成について説明する。
図8は、本発明の第1の実施の形態において、図柄を表示面の下方へ向けて縦スクロールによる変動表示を行った場合の、VDC156と合成変換装置170における画像の生成と合成の様子を示す説明図である。なお図中のD1、D2、D3、D4は、前述した図7のタイミングチャート中の符号に対応している。
フォントROM157には図8(A)のような状態で識別情報の画像データが保存されている。VDC156はこのデータを読み出し(ダウンロード)、着色処理(カレーパレットのデータの割り当て)やポリゴンのレンダリング処理等の処理を行い、さらに、画像データの表示位置を水平、垂直方向にずらして、図8(B)、(C)のように、水平方向では視差を有するが、垂直方向には視差を有しない左眼用画像データ及び右眼用画像データをセット画像として生成する。生成された左眼用画像データ及び右眼用画像データはCPU151からのL/R信号に同期して合成変換装置170に送られる。合成変換装置170では、送られてきた画像データを、左眼用画像バッファ173、右眼用画像バッファ174にそれぞれ上書きして格納し、図8(D)のような合成画像を生成して出力バッファ178に上書きして格納し、所定のタイミングで画像表示装置8にデータを送る。
同様に、VDC156はフォントROM157からデータを読み出し前述した処理を行い、さらに、画像データの表示位置をずらして、図8(D)、(E)のように、水平方向では視差を有するが、垂直方向には視差を有しない左眼用画像データ及び右眼用画像データを生成してCPU151からのL/R信号に同期して合成変換装置170に送る。合成変換装置170では、送られてきた画像データを、左眼用画像バッファ173、右眼用画像バッファ174にそれぞれ上書きして格納し、図8(G)のような合成画像を生成して出力バッファ178に上書きして格納し、所定のタイミングで画像表示装置8にデータを送る。
なお、図8ではフォントを簡略化して表しているが、実際のフォントのデータは複数の画素の集合で表される。
以上のように構成された第1の実施の形態では、画像が縦方向にスクロールする場合において、左右に視差のある右眼用画像及び左眼用画像が合成されたときに、右眼用画像と左眼用画像とが縦方向(垂直方向)にずれた状態で合成されることがなく、遊技者が画像表示装置8に表示された画像によって立体画像として認識する際に違和感を与えるなく、立体視させることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態では、前記第1の実施の形態と比較すると、左右の視差を付した画像の生成方法が異なり、さらに画像の変動速度(画像のスクロール速度)に応じて画像の表示方法を変更する点が異なる。なお、第1の実施の形態と同一の動作をする構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
この第2の実施の形態では、VDC156が左右の画像を生成し合成変換回路170に画像データを送る際に、CPU151が送るL/R信号と共に、各々の画像に対応した視差情報と変動速度情報とを合成変換装置170に送る。この視差情報は、送られた画像の左右のズレ量を示すものである。また、変動速度情報は、画像の変動時(例えば、上下方向のスクロール)の速度を示すものである。
図9は、第2の実施の形態の合成変換装置170を中心とする制御系を示すブロック図である。
制御部171は、CPU151からのL/R信号に基づいて、VDC156から送られてきた左眼用画像を左眼用バッファ173に書き込み、右眼用画像を右眼用バッファ174に書き込む。この各画像が送られるときに、各々の画像に対応した視差情報と変動速度情報とが同じくCPU151から送られる。この視差情報は、右眼用画像と左眼用画像との左右(水平)方向のズレ量を示す情報を含んでいる。これは、前述した図6の左眼用画像850Lと右眼用画像850RのX軸方向のずれ量2dxと同等の情報である。また、変動速度情報は、画像の変動時(例えば上下方向のスクロール)の速度を示すものであり、高速か低速を判定可能な情報を含んでいる。
そして、右眼用画像と左眼用画像とを合成して、出力バッファ178に書き込んで立体視用画像(3次元画像)を生成し、立体視用画像データをRGB信号等としてLCDインターフェース177を経由して画像表示装置8に出力する。
次に、本発明の第2の実施の形態の遊技機の動作を説明する。
図10は、CPU151及びVDC156によって生成された画像を合成変換装置170によって合成し、該合成された画像データを画像表示装置8に出力する処理のフローチャートを示す。
まず、ステップ101では、合成変換装置170は、CPU151から送られる画面更新の割り込み信号(V_SYNC)の受信を待機する。画面更新割り込み信号を受信すると、出力バッファ178に格納されている画像データ(合成画像)を画像表示装置8に出力すると共に、信号に同期してVDC156から送られた画像データを読み込む(ステップ102)。ここで、合成変換装置170は、CPU151から送られたL/R信号によって、送られてきた画像が右眼用画像であるか左眼用画像であるかを判定する(ステップ103)。画像が左眼用画像である(信号がLである)と判定した場合はステップ104に移行し、画像が右眼用画像である(信号がRである)と判定した場合にはステップ106に移行する。
ステップ104では、ステップ102で受け取った左眼用画像データを左眼用画像バッファ173に上書きして画像を格納する。そして、CPU151から送られてきた変動速度情報を参照し、変動速度が高速であるか低速であるかを判定する(ステップ105)。変動速度が高速であると判定した場合はステップ101に移行し、次の画像データを取り込む。一方、変動速度が低速であると判定した場合はステップ108に移行して、左眼用画像バッファ173に格納された画像データと、右眼用画像バッファ174に格納された画像データとを合成し、合成した画像を出力バッファ178に上書きして格納する。
ステップ106では、前記ステップ105と同様にCPU151から送られてきた変動速度情報を参照し、変動速度が高速であるか低速であるかを判定する。変動速度が高速であると判定した場合はステップ109に移行し、変動速度が低速であると判定した場合はステップ107に移行する。
ステップ107では、ステップ102で受け取った右眼用画像データを右眼用バッファ174に上書きして画像を格納する。そして、ステップ108では、左眼用画像バッファ173に格納された画像データと、右眼用画像バッファ174に格納された画像データとを合成し、合成した画像を出力バッファ178に上書きして格納する。
ステップ109では、CPU151から送られてきた視差情報を参照し、有効な視差情報が含まれているか否かを判定する。有効な視差情報が含まれていない(送られた画像は視差を有しない平面画像である)と判定した場合は、ステップ107に移行して、受け取った右眼用画像データを右眼用バッファ174に上書きして画像を格納する。一方、有効な視差情報が含まれている(送られた画像は視差を有する画像である)と判定した場合は、既に左眼用画像バッファ173に格納されている画像に対して、視差情報に含まれた値の視差だけ水平方向にシフトさせた画像を右眼用画像データとして生成する。例えば、視差情報の値が5である場合、前記右眼用画像を右側に5ドット水平方向に移動した画像を生成する。そして、このシフトした画像データを右眼用画像として右眼用画像バッファ174に上書きして格納する(ステップ110)。
すなわち、前述した第2の実施の形態の処理では、CPU151から送られる視差情報及び変動速度情報によって左右画像の生成の方法を変える。VDC156から送られた左眼用画像データは、常に、そのままの状態で左眼用バッファ173に格納される。一方、右眼用画像データは、変動速度が低速である場合には、そのまま右眼用画像バッファ174に格納され、変動速度が高速である場合には、送られてきた右眼用画像データはバッファに格納せず、既に左眼用バッファ173に格納されている左眼用画像データに視差情報が示す値だけ水平方向にシフトした画像データを生成し、生成された画像データを右眼用画像データとして右眼用画像バッファ174に格納する。その結果、送られてきた右眼用画像データの識別情報画像の位置が垂直方向に補正(左眼用画像データの識別情報画像の高さ位置に補正)されることになる。
また、変動速度が低速である場合には、右眼用画像受信時にも左眼用画像受信時にも出力用画像が合成される。一方、変動速度が高速である場合には、右眼用画像受信時又は左眼用画像受信時の一方(前述した例では右眼用画像受信時)に出力用画像が合成される。よって、画面更新毎に画像の位置がそれほど異ならない低速変動時には、合成画像における左右眼画像の縦方向の位置ズレが大きくないことから、画面更新タイミング毎に合成画像を生成して表示する。一方、画面更新毎に画像の位置が大きく異なる高速変動時には、合成画像における左右眼画像の縦方向の位置ズレが大きいことから、両眼画像データが揃ったタイミングで合成画像を生成して表示する。
以上の図10の処理によって、VDC156が生成した左眼用画像データ及び右眼用画像データが、CPU151の生成する画面更新割り込み信号のタイミングで合成変換装置170に対して出力され、合成画像が画像表示装置8に出力される。
次に、第2の実施の形態におけるVDC156と合成変換装置170における画像の生成と合成のタイミングについて説明する。
図11は、第2の実施の形態において、図10のステップ106で、変動速度情報によって高速と判定された場合の表示制御装置150から合成変換装置170と画像表示装置8とに送信される信号のタイミング図である。
変動速度が高速である場合では、V1のタイミングで送られ左眼用バッファ173に格納されている左眼用画像データ(D1)と、左眼用画像データ(D1)に対して視差情報の示す値だけシフトして生成された右眼用画像データ(D1’)と、を出力バッファ178へ転送して立体視用画像データを合成する。そして、出力バッファ178には、D1とD1’とを組み合わせたD1+D1’のデータを上書きし格納する。D1+D1’の立体視用画像データは次の垂直同期信号V3のタイミングで画像表示装置8に出力される。
V3のタイミングでは、送られてきた左眼用画像(D3)を左眼用画像バッファ173に格納する。このとき、既に右眼用バッファ174に存在する右眼用画像(D1’)とD3とは合成せず、既に出力バッファ178に格納されているD1+D1’の立体視用画像データがV4のタイミングで画像表示装置8に出力される。
V4のタイミングでは、左眼用画像データ(D3)に対して視差情報の示す値だけシフトして生成された右眼用画像(D3’)を既に左眼用バッファ173に格納されているD3と合成して出力バッファ178にD3+D3’のデータを上書きし格納し、次のV5のタイミングでD3+D3’の立体視用画像が画像表示装置8に出力される。
すなわち、高速変動中は、VDC156から送られた左眼用画像データと、該左眼用画像データにCPU151から送られた視差情報の示す値だけ水平方向にシフトして生成した右眼用画像データとを合成する。
これを順次繰り返し、出力バッファ178に格納された立体視用画像データは垂直同期信号V_SYNCのタイミングに合わせて画像表示装置8(LCDドライバ181)に出力される。
図12は、第2の実施の形態における、図10のステップ106で、変動速度情報によって低速と判定された場合の表示制御装置150から合成変換装置170と画像表示装置8とに送信される信号のタイミング図である。
変動速度が低速である場合は、V1のタイミングで送られ左眼用バッファ173に格納されている左眼用画像データ(D1)と、V2のタイミングで送られ右眼用バッファ174に格納されている右眼用画像データ(D2)とを出力バッファ178へ転送して立体視用画像データを合成する。このとき、出力バッファ178には、D1とD2とを組み合わせたD1+D2のデータを上書きし格納する。D1+D2の立体視用画像データは次の垂直同期信号V3のタイミングで画像表示装置8に出力される。
そして、V3のタイミングで送られ左眼用画像バッファ173に格納された左眼用画像(D3)と、既に右眼用バッファ174に格納されている右眼用画像データ(D2)とを合成し出力バッファ178にD2+D3のデータを上書きし格納する。格納された立体視用画像データは次の垂直同期信号V4のタイミングで画像表示装置8に出力される。
V4のタイミングでは、送られてきた右眼用画像(D4)を既に左眼用バッファ173に格納されているD3と合成して出力バッファ178にD3+D4のデータとして格納し、次のV5のタイミングでD3+D4の立体視用画像を画像表示装置8に出力する。さらにV5のタイミングでは、送られてきた左眼用画像(D5)を既に右眼用バッファ174に格納されているD4と合成して出力バッファ178にD4+D5のデータとして格納し、次の垂直同期信号V5のタイミングでD4+D5の立体視用画像が画像表示装置8に出力される。
すなわち、低速変動の場合には、前記第1の実施形態や高速変動の場合とは異なり、VDC156から送られた画像データを、前回のタイミングで送られた画像データと合成することで立体視用画像データを生成する。
これを順次繰り返し、出力バッファ178に格納された立体視用画像データは垂直同期信号V_SYNCのタイミングに合わせて画像表示装置8(LCDドライバ181)に出力される。
以上のように構成された第2の実施の形態の遊技機では、第1の実施の形態の効果に加え、画像の変動速度(例えば垂直方向のスクロール等)が高速である場合には、合成変換装置170において垂直方向には視差を設けずに水平方向のみ視差を付した画像データを生成し、生成された画像データから立体視用画像データを合成する。また、変動速度が低速である場合には、VDC156から送られた左眼用画像及び右眼用画像を順次格納して立体視画像データを合成する。こうすることで、高速変動時は垂直方向にズレの無い立体視用画像データが生成されて垂直方向に視差のない見やすい画像を提供すると共に、低速変動時は識別情報の滑らかな変動表示を重視した表示を行うことができる。また、視差情報の値によって、立体画像と平面画像の切り替え、左右の視差(立体画像として表示した場合の画像の奥行き)を容易に変更することができ、立体画像、平面画像の切り換えも容易に行うことができる。
次に、本発明の第3の実施の形態の遊技機について説明する。
第3の実施の形態では、合成変換装置170の蓄積バッファ180に複数の立体視用画像データを格納することができ、また、CPU151から送られる蓄積指令信号によって格納された画像を画像表示装置8に対して出力するか否かを制御することができるよう構成されている。なお、第1又は第2の実施の形態と同一の動作をする構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図13は、第3の実施の形態の合成変換装置170を中心とする制御系を示すブロック図である。
制御部171は、CPU151からのL/R信号に基づいて、VDC156から送られてきた左眼用画像を左眼用バッファ173に書き込み、右眼用画像を右眼用バッファ174に書き込む。そして、右眼用画像と左眼用画像とを合成して、出力バッファ178又は蓄積バッファ180に書き込んで立体視用画像を生成する。
この蓄積バッファ180には、複数の立体視用画像を格納することができる。そして、CPU151から送られる蓄積指令によって、合成された画像データをさらに格納し、又は格納された立体視用画像データを出力バッファ178に送り画像表示装置8に出力する。
具体的には、蓄積指令がなされている場合は、VDC156から送られた左眼用画像及び右眼用画像を順次立体視用画像データとして合成して蓄積バッファ180に格納し蓄積する(出力バッファ178には格納しない)。このとき、画像表示装置8に出力する画像は、既に出力バッファ178に格納されている画像であり、蓄積指令がある場合は、出力バッファ178に格納されている画像を繰り返して画像表示装置8に出力する(結果として静止画像が表示される)。
蓄積指令がなされていない場合には、新たに左眼用画像バッファ173及び右眼用画像バッファ174の画像から合成され出力バッファ178に格納した立体視用画像データを画像表示装置8に出力する。ただし、蓄積バッファ180に立体視用画像データが蓄積されているときは、出力バッファ178を経由して、蓄積されている立体視用画像データを画像表示装置8に出力する。
次に、上記の蓄積指令による画像の出力の動作を、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップ201では、合成変換装置170は、CPU151から送られる画面更新の割り込み信号(V_SYNC)の受信を待機する。画面更新割り込み信号を受信すると、出力バッファ178に格納されている画像データ(合成画像)を画像表示装置8に出力すると共に、信号に同期してVDC156から送られた画像データを読み込む(ステップ202)。
次に、合成変換装置170はCPU151によって蓄積指令がなされている(蓄積指令信号が送られている)か否かを判定する(ステップ203)。蓄積指令がなされていなければステップ204に、蓄積指令がなされていればステップ208に移行する。
ステップ204では、合成変換装置170は、CPU151から送られたL/R信号によって、送られてきた画像が右眼用画像であるか左眼用画像であるかを判定する。画像が左眼用画像である(信号がLである)と判定した場合はステップ205に移行し、ステップ202で受け取った左眼用画像データを左眼用画像バッファ173に上書きして画像を格納する。また、画像が右眼用画像である(信号がRである)と判定した場合にはステップ202に移行し、受け取った右眼用画像データを右眼用バッファ174に上書きして画像を格納する。そして、左眼用画像バッファ173に格納された画像データと、右眼用画像バッファ174に格納された画像データとを合成し、合成した画像を蓄積バッファ180に格納する(ステップ207)。
ステップ208では、蓄積バッファ180に蓄積された合成画像のデータがあるか否かを判定する。データがなければステップ210に移行する。データがあればステップ209に移行し、蓄積バッファ180に格納されている合成画像のデータのうち、最初に左右画像を合成して格納されたデータを出力バッファ178に送り出力バッファ178を該画像データで上書きし格納する(ステップ209)。なお、このとき出力バッファに送った合成画像データは蓄積バッファ180から削除する。
ステップ210では、合成変換装置170は、CPU151から送られたL/R信号によって送られてきた画像が右眼用画像であるか左眼用画像であるかを判定する。画像が左眼用画像である(信号がLである)と判定した場合はステップ211に移行し、ステップ202で受け取った左眼用画像データを左眼用画像バッファ173に上書きして画像を格納する。画像が右眼用画像である(信号がRである)と判定した場合にはステップ212に移行し、受け取った右眼用画像データを右眼用バッファ174に上書きして画像を格納する。そして、左眼用画像バッファ173に格納された画像データと、右眼用画像バッファ174に格納された画像データとを合成し、合成した画像を出力バッファ178に格納する(ステップ213)。
上記の図14の処理によって、CPU151からの蓄積指令に従って、合成画像を蓄積バッファ180に蓄積するか、出力バッファ178に格納するかの制御を行うことができる。
以上のように構成された第3の実施の形態の遊技機では、合成変換装置170が画像表示装置8に出力する画像データを、CPU151から送られる蓄積指令に基づいて蓄積し出力を行うので、VDC156から送られる画像のタイミングにとらわれることなく立体視用画像データを画像表示装置8に出力ことができ、画像を高速に更新することができる。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
なお、前述した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1)複数の識別情報を左眼用画像又は右眼用画像として表示領域に表示することにより遊技者に立体画像として認識させる表示装置と、前記表示装置の画像表示を制御する表示制御手段と、を備えた遊技機において、前記表示制御手段は、前記表示装置に表示する画像の更新タイミングを定める画像更新信号を発生する画像更新信号発生手段と、前記左眼用画像と右眼用画像とをそれぞれ交互に生成する個別画像生成手段と、前記個別画像生成手段により連続して生成された左眼用画像及び右眼用画像とを1組のセット画像として受け入れるとともに、受け入れた1組のセット画像に基づいて合成画像を生成し、この合成画像を前記画像更新信号の発生に対応して前記表示装置に出力する合成出力手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
(1)の発明によると、前記表示制御手段は、前記表示装置に表示する画像の更新タイミングを定める画像更新信号を発生する画像更新信号発生手段と、前記左眼用画像と右眼用画像とをそれぞれ交互に生成する個別画像生成手段と、前記個別画像生成手段により連続して生成された左眼用画像及び右眼用画像とを1組のセット画像として受け入れるとともに、受け入れた1組のセット画像に基づいて合成画像を生成し、この合成画像を前記画像更新信号の発生に対応して前記表示装置に出力する合成出力手段と、を備えたので、左右画像が同時に更新され、遊技者が立体画像を違和感なく認識することができる。
(2)前記個別画像生成手段は、前記1組のセット画像に含まれる左眼用画像及び右眼用画像を、互いに垂直方向の座標が等しい識別情報の画像として生成することを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(2)の発明によると、前記個別画像生成手段は、前記1組のセット画像に含まれる左眼用画像及び右眼用画像を、互いに垂直方向の座標が等しい識別情報の画像として生成するので、垂直方向に視差が発生せず、遊技者が左右個別の画像から立体画像を違和感なく認識することができる。
(3)前記個別画像生成手段は、前記1組のセット画像に含まれる前記左眼用画像及び前記右眼用画像の視差を特定可能な視差情報を、前記合成出力手段へ送信する視差情報送信手段を備え、前記合成出力手段は、前記視差情報に基づいて、左眼用画像又は右眼用画像の少なくとも一方を構成する識別情報の画像を垂直方向に補正する垂直方向補正手段を備え、前記垂直方向補正手段によって補正された画像を用いて前記合成画像を生成することを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)の発明によると、前記個別画像生成手段は、前記1組のセット画像に含まれる前記左眼用画像及び前記右眼用画像の視差を特定可能な視差情報を、前記合成出力手段へ送信する視差情報送信手段を備え、前記合成出力手段は、前記視差情報に基づいて、左眼用画像又は右眼用画像の少なくとも一方を構成する識別情報の画像を垂直方向に補正する垂直方向補正手段を備え、前記垂直方向補正手段によって補正された画像を用いて前記合成画像を生成するので、垂直方向に視差が発生せず、遊技者が左右個別の画像から立体画像を違和感なく認識することができ、さらに、視差情報によって遊技者に立体画像として認識させるか平面画像として認識させるかを容易に切り換えることができる。
(4)前記個別画像生成手段は、前記識別情報の変動速度を特定可能な変動速度情報を、前記合成出力手段へ送信する変動速度情報送信手段を備え、前記合成出力手段は、前記変動速度情報に基づいて、前記識別情報の変動速度と、予め設定された所定の速度とを比較する変動速度比較手段を備え、前記比較の結果に基づいて、前記合成画像を生成することを特徴とする(3)に記載の遊技機。
(4)の発明によると、前記個別画像生成手段は、前記識別情報の変動速度を特定可能な変動速度情報を、前記合成出力手段へ送信する変動速度情報送信手段を備え、前記合成出力手段は、前記変動速度情報に基づいて、前記識別情報の変動速度と、予め設定された所定の速度とを比較する変動速度比較手段を備え、前記比較の結果に基づいて、前記合成画像を生成するので、識別情報の変動速度に適した左右の画像の合成内容を選定することができる。
(5)前記表示制御手段は、前記合成出力手段に対し、前記合成画像の保持を指示する指示手段を備え、前記合成出力手段は、前記合成画像を複数保持する画像蓄積手段を備え、前記指示手段からの指示に関連して、前記合成画像の保持を行うことを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(5)の発明によると、前記表示制御手段は、前記合成出力手段に対し、前記合成画像の保持を指示する指示手段を備え、前記合成出力手段は、前記合成画像を複数保持する画像蓄積手段を備え、前記指示手段からの指示に関連して、前記合成画像の保持を行うので、保持された合成画像を用いて表示装置の画像更新を高速に行うことができる。
(6)前記識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを行い、該変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与する特別遊技状態を生起可能な遊技制御手段を備えたことを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の遊技機。
(6)の発明によると、前記識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを行い、該変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与する特別遊技状態を生起可能な遊技制御手段を備えたので、遊技者に識別情報を立体的に認識させることができ、ゲームの興味をより高めることができる。